JP5703570B2 - プリプレグ、積層板、多層プリント配線板、及び、半導体装置 - Google Patents

プリプレグ、積層板、多層プリント配線板、及び、半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、プリプレグ、積層板、プリント配線板、及び、半導体装置に関するものである。
近年、電子機器の高機能化等の要求に伴い、電子部品の高密度集積化、更には高密度実装化等が進んでいる。そのため、これらに使用される高密度実装対応のプリント配線板等は、従来にも増して、小型薄型化かつ高密度化が進んでいる。
特に薄型化の場合、基板自体の剛性が低いため、リフローで部品を接続する際に反りのが問題となる。そのため、より低反り・低熱膨張に優れた配線板は、充填材の配合比率が高くなる傾向にある。
しかしながら、充填材を樹脂組成物中に大量に充填すると樹脂組成物を溶剤に分散し、樹脂ワニスを調整した際に、チキソが高くなり、充填材の分散性が損なわれることから、ガラスクロス等の基材へ樹脂ワニスの含浸させると、含浸性が低下する問題があった。
また、樹脂ワニスのチキソおよび分散性の改善のため球状シリカを高充填させる方法も提案されているが、シリカは硬度が高く、ドリルの磨耗性に問題があった。
そこで、ドリル磨耗性と含浸性の両立を図るべく、シリカより硬度が低い、タルク、および水酸化アルミニウム一水和物のベーマイト(例えば、特許文献1参照。)、および有機シリコーン(例えば、特許文献2参照。)、等を使用することも提案されているが、ドリル磨耗性と含浸性との両立を達成するに至っていない。
特開2004−59643号公報 特開2007−250966号公報
本発明の目的は、含浸性、及びドリル磨耗性に優れるプリプレグ、並びに反りの小さい積層板、プリント配線板、及び、半導体装置を提供することにある。
本発明の目的は、下記(1)〜(10)に記載の本発明により達成される。
(1)(A)第一の充填材の外周に、(A)第一の充填材より粒径の小さい(B)第二の充填材が付着してなる充填材を含む樹脂組成物を用いることを特徴とするプリプレグ。
(2)前記(A)第一の充填材の平均粒子径は、0.2μm〜10μmである請求項1に記載のプリプレグ。
(3)前記(B)第二の充填材は、平均粒子10〜100nmの無機充填材微粒子である(1)、または(2)に記載のプリプレグ。
(4)前記(B)第二の充填材は、球状シリカである(1)、乃至(3)のいずれか一項に記載のプリプレグ。
(5)前記(A)第一の充填材は、酸化物、炭酸塩、水酸化物、ケイ酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、窒化物、ホウ酸塩、チタン酸塩、シリコーン、およびゴム粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1つである(1)ないし(4)のいずれか一項に記載のプリプレグ。
(6)前記(A)第一の充填材は、ベーマイト、またはシリコーンである(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のプリプレグ。
(7)前記(B)第二の充填材は、カップリング剤により表面処理されている(1)乃至(6)のいずれか一項に記載のプリプレグ。
(8)(1)乃至(7)のいずれか一項に記載のプリプレグを用いてなる積層板
(9)前記(8)項に記載の積層板を用いてなるプリント配線板。
(10)前記(9)項に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体装置。
本発明によれば、プリプレグは、含浸性、及びドリル磨耗性に優れ、当該プリプレグ用いて得られる積層板、プリント配線板、及び半導体装置は、反りの小さいものである。
本発明のプリプレグの製造に用いられる含浸塗布設備の一例を示す概略図である。 本発明の金属張積層板の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の金属張積層板の製造方法の他の一例を示す概略図である。 実施例1で得られた積層板の断面を撮影した写真を説明する図である。 実施例9で得られた積層板の断面を撮影した写真を説明する図である。
以下、本発明のプリプレグ、積層板、プリント配線板および半導体装置について説明する。
本発明のプリプレグは、(A)第一の充填材の外周に、(A)第一の充填材より粒径の小さい(B)第二の充填材が付着してなる充填材を含む樹脂組成物を用いてなることを特徴とする。
本発明のプリプレグは上記樹脂組成物を繊維基材に含浸してなるものである。これにより、耐熱性、低膨張性および難燃性に優れたプリプレグを得ることができる。前記基材としては、例えばガラス織布、ガラス不繊布、ガラスペーパー等のガラス繊維基材、紙、アラミド、ポリエステル、芳香族ポリエステル、フッ素樹脂等の合成繊維等からなる織布や不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等が挙げられる。これらの基材は単独又は混合して使用してもよい。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、プリプレグの剛性、寸法安定性を向上することができる。
前記樹脂組成物は、溶剤に分散させて、樹脂ワニスにし、繊維基材に含浸させても良い。これらに用いる溶媒は、前記樹脂組成物に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。前記樹脂ワニスの固形分は、特に限定されないが、前記樹脂組成物の固形分30〜80重量%が好ましく、特に40〜70重量%が好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を向上できる。
前記樹脂組成物を前記基材に含浸させる方法は、例えば、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターによる塗布する方法、スプレーによる吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法が好ましい。これにより、基材に対する樹脂組成物の含浸性を向上することができる。なお、基材を樹脂ワニスに浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。
前記基材に含浸させる別の製造方法として、特開平8−150683に記載されているような長尺状の基材と長尺状の金属箔、またはフィルムを用いる方法を適用することもできる(特開平8−150683の段落0005、0006、図1)。この方法による場合は、長尺状の基材をロール形態に巻き取ったもの、および、長尺状の金属箔、またはフィルムをロール形態に巻き取ったものを2つ用意する。そして、2枚の金属箔、またはフィルムを別々にロールから送り出し、各々に樹脂組成物を塗布し、樹脂層を形成する。樹脂組成物を溶剤で希釈して用いる場合には、塗布後、乾燥される。引き続き、2枚の金属箔、またはフィルムの絶縁樹脂層側を対向させ、その対抗しあう面の間に基材を1枚または2枚以上ロールから送り出し、プレスローラーで積層接着する。次いで、連続的に加熱加圧して樹脂層を半硬化状態とし、冷却後、ロールを用いて連続的に巻き取ることにより、または所定の長さに切断することによりプリプレグ得ることができる。
(樹脂組成物)
次に本発明のプリプレグに用いる樹脂組成物について説明する。
前記樹脂組成物は、(A)第一の充填材の外周に、(A)第一の充填材より粒径の小さい(B)第二の充填材が付着してなる充填材を含む。
これにより充填材が、樹脂組成物中に均一に分散し、基材への含浸性が向上する。
(A)第一の充填材は、特に限定されないが、平均粒子径が、0.2μm〜10μmであることが好ましい。さらに好ましくは、平均粒径が0.5〜5μmである。
上記の平均粒径の充填材を用いることにより、さらに含浸性が向上する。
(A)第一の充填材は、特に限定されないが、例えば、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、タルク、焼成タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等、シリコーンゴム等のシリコーン、およびスチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子等のゴム粒子を挙げることができる。
充填材として、これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。
前記シリコーンは、オルガノポリシロキサンで形成されたゴム弾性微粒子であれば特に限定されず、例えば、シリコーンゴム(オルガノポリシロキサン架橋エラストマー)そのものからなる微粒子、及び二次元架橋主体のシリコーンからなるコア部を三次元架橋型主体のシリコーンで被覆したコアシェル構造粒子等が挙げられる。前記シリコーンゴム微粒子としては、KMP−605、KMP−600、KMP−597、KMP−594(信越化学(株)製)、トレフィルE−500、トレフィルE−600(東レ・ダウコーニング(株)製)等の市販品を用いることができる。
前記ゴム粒子は、特に限定されないが、コアシェル型ゴム粒子、架橋型ゴム粒子であることが好ましい。
コアシェル型ゴム粒子とは、粒子がコア層とシェル層を有するゴム粒子をいい、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマー、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造、または外層のシェル層がガラス状ポリマー、中間層がゴム状ポリマー、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のものなどが挙げられる。コア層のゴム状ポリマーとして、エチレン、プロピレン、スチレン、ブタジエン、イソプロピレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリルニトリル等の架橋ゴムを選択することができる。また、コア層を被覆するシェル層としては、メチルメタアクリレート、スチレン、アクリロニトリルあるいはその共重合体等を選択することができる。シェル層を構成する樹脂には、官能基としてエポキシ基、カルボキシル基等の導入も可能であり、用途により選択することができる。
架橋型ゴム粒子は、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)粒子、スチレンブタジエンゴム(SBR)粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。
なお、このようなゴム粒子は、硬化物の機械強度を高める、硬化物の応力緩和、低熱膨張化などの効果を付与することもできる。
前記第一の充填材の中でも、特に、耐熱性の高いものが更に好ましい。耐熱性が高いとは、無機充填材の1%熱分解温度は、260℃以上であり、特に、300℃以上が好ましい。前記1%熱分解温度は、示差熱天秤(TG/DTA)で、10℃/minの昇温速度で、初期重量から1%重量減少点の温度で規定される。300℃以上の1%熱分解温度を有する充填材として、例えば、ベーマイト、アルミナ、タルク、焼成タルク、シリカが挙げられる。この中でも特にベーマイト、タルク、焼成タルクが好ましい。これにより、耐熱性およびドリル加工性をより向上することができる。
前記有機微粒子は、樹脂組成物を調製する際の有機溶媒にも溶解せず、樹脂等の樹脂組成物中の成分とも相溶しないものである。従って、有機微粒子は樹脂組成物のワニス中では分散状態で存在する。
前記第一の充填材の含有量は、特に限定されないが、前記樹脂組成全体の40〜75重量%であることが好ましく、特に50〜70重量%であることが好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に耐熱性と流動性とに優れるものとなる。
前記シリコーン充填材の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物全体の5〜50重量%であることが好ましく、含浸性に優れる点から、特に10〜40重量%であることが好ましい。
次に第二の充填材について説明する。前記(B)第二の充填材は、(A)第一の充填材に付着するものであれば特に限定されない。
前記(A)第一の充填材に付着する(B)第二の充填材は、例えば、(A)第一の充填材のゼータ電位の符号が異なるもの、ファンデスワール力による引き付け合うもの、カップリング剤処理等により化学的に結合させる等が挙げられる
前記(B)第二の充填材の粒径は、特に限定されないが、平均粒子径が10〜100nmであることが好ましい。
これにより、ワニス粘度が高くとも含浸性が向上し、ボイド発生を抑えることができ、さらには半田耐熱性に優れ、絶縁信頼性が向上する。
なお、平均粒子径が10〜100nmの充填材を用いる場合は、予め有機溶媒に分散したスラリーとして用いることが好ましい。平均粒子径が10〜100nmの充填材は、凝集し易く、樹脂組成物に配合する際に二次凝集体等を形成し流動性を低下する場合があるからである。
前記(B)第二の充填材の平均粒子径は、特に15〜90nmが好ましく、最も好ましくは25〜75nmである。平均粒子径が前記範囲内であると、高充填性、および高流動性にも優れる。
前記(A)第一の充填材、および(B)第二の充填材の平均粒子径は、例えば、超音波振動電流法(ゼータ電位)、超音波減衰分光法(粒度分布) およびレーザー回折散乱法により測定することができる。
前記(B)第二の充填材は、特に限定されないが、例えば、タルク、焼成タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。
この中でもシリカが、積層板の線熱膨張率を下げる点で好ましい。
(B)第二の充填材の形状は、特に限定されないが、球状であることが好ましい。
これにより、含浸性を向上させることができる。
球状にする方法は特に限定されないが、例えば、シリカの場合は、燃焼法などの乾式の溶融シリカや沈降法やゲル法などの湿式のゾルゲルシリカなどにより球状にすることができる。
第一の充填材と第二の充填材の組合せとしては、特に限定されないが、例えば、第一の充填材にベーマイト、タルク、及びシリコーン粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1つと、第二の充填材にシリカを用いる組合せが好ましい。この組合せの場合、樹脂組成物は、基材に良好な含浸性を発揮するだけでなく、ドリル加工性に関しても良好であり、低熱膨張係数の積層板を製造することができる。
前記前記(A)第一の充填材の含有量と、前記(B)第二の充填材の含有量との重量比は、特に限定されないが、前記(B)第一の充填材の含有量(w1)に対する前記(B)第二の充填材の含有量(w2)の重量比(w2/w1)が、0.02〜0.5であることが好ましく、特に0.06〜0.4であることが好ましい。重量比が前記範囲内であると、特に成形性を向上することができる。
前記(A)第一の充填材、および(B)第二の充填材は、予め、例えば、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シリコーンオイル型カップリング剤等のカップリング剤等の官能基含有シラン類及び/又はアルキルシラザン類で表面処理して用いてもよい。表面処理を予め施すことで、(A)第一の充填材、と(B)第二の充填材との吸着性を向上させることができる。また、樹脂組成物に用いる樹脂と(A)第一の充填材、または(B)第二の充填材との密着性が向上し、機械強度に優れるプリプレグ、または積層板を得ることができる。
前記官能基含有シラン類及び/又はアルキルシラザン類の官能基含有シラン類としては公知のものを使用することができる。好ましくは、エポキシシラン、スチリルシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシラン、メルカプトシラン、トリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ビニルシラン、イソシアネートシラン、スルフィドシラン、クロロプロピルシラン、ウレイドシラン化合物である。さらに好ましくは、エポキシシラン、ビニルシランである。特にベーマイトなどの不定形の無機充填材との付着性ならびに樹脂との密着性が向上する。
前記(A)第一の充填材、および(B)第二の充填材へ予め表面処理する官能基含有シラン類及び/又はアルキルシラザン類の官能基含有シラン類の量は、特に限定しないが、前記充填材((A)第一の充填材、または(B)第二の充填材)100重量部に対して0.01重量部以上、5重量部以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.1重量部以上、3重量部以下が好ましい。官能基含有シラン類及び/又はアルキルシラザン類の官能基含有シラン類の含有量が前記上限値を超えると、余剰のカップリング剤による耐熱性および絶縁信頼性が低下する場合があり、前記下限値未満であると、樹脂成分との機械強度および樹脂流動性が低下する場合がある。
前記(A)第一の充填材、または(B)第二の充填材を予め官能基含有シラン類及び/又はアルキルシラザン類で表面処理する方法は、特に限定されないが、湿式方式または乾式方式が好ましい。特に好ましくは湿式方式が好ましい。湿式方式の方が、乾式方式と比較した場合、表面へ均一に処理することができる。
前記樹脂組成物に用いる樹脂としては特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂等を用いることができる。
前記エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタンノボラック型エポキシ樹脂、1,1,2,2−(テトラフェノール)エタンのグリシジルエーテル類、3官能、又は4官能のグリシジルアミン類、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性エポキシ樹脂、メトキシナフタレン変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、メトキシナフタレンジメチレン型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、上記エポキシ樹脂をハロゲン化した難燃化エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用することもでき、1種類又は2種類以上と、それらのプレポリマーを併用することもできる。
これらのエポキシ樹脂の中でも特に、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性エポキシ樹脂、及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これにより、耐熱性及び難燃性を向上させる。
前記エポキシ樹脂の含有量は、特に限定されないが、エポキシ樹脂組成物全体の固形分基準で5〜30重量%とすることが好ましい。含有量が前記下限値未満であると、エポキシ樹脂の硬化性が低下したり、当該エポキシ樹脂組成物より得られるプリプレグ、又はプリント配線板の耐湿性が低下したりする場合がある。また、前記上限値を超えると、プリプレグ又はプリント配線板の線熱膨張率が大きくなったり、耐熱性が低下したりする場合がある。
前記エポキシ樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量4.0×10〜1.8×10が好ましい。重量平均分子量が前記下限未満であると、ガラス転移点が低下し、前記上限値を超えると流動性が低下し、基材に含浸できない場合がある。重量平均分子量を前記範囲内とすることにより、含浸性に優れたものとすることができる。
前記エポキシ樹脂の重量平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリスチレン換算の重量分子量として特定することができる。
前記シアネート樹脂は、特に限定されないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類やナフトール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
前記シアネート樹脂の種類としては、特に限定されないが、例えば、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂、及びナフトールアラルキル型シアネート樹脂等を挙げることができる。
前記シアネート樹脂は、分子内に2個以上のシアネート基(−O−CN)を有することが好ましい。例えば、2,2’−ビス(4−シアナトフェニル)イソプロピリデン、1,1’−ビス(4−シアナトフェニル)エタン、ビス(4−シアナト−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,3−ビス(4−シアナトフェニル−1−(1−メチルエチリデン))ベンゼン、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル、フェノールノボラック型シアネートエステル、ビス(4−シアナトフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナトフェニル)エーテル、1,1,1−トリス(4−シアナトフェニル)エタン、トリス(4−シアナトフェニル)ホスファイト、ビス(4−シアナトフェニル)スルホン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、1,3−、1,4−、1,6−、1,8−、2,6−又は2,7−ジシアナトナフタレン、1,3,6−トリシアナトナフタレン、4,4−ジシアナトビフェニル、及びフェノールノボラック型、クレゾールノボラック型の多価フェノール類と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂、ナフトールアラルキル型の多価ナフトール類と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるシアネート樹脂等が挙げられる。これらの中で、フェノールノボラック型シアネート樹脂が難燃性、及び低熱膨張性に優れ、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)イソプロピリデン、及びジシクロペンタジエン型シアネートエステルが架橋密度の制御、及び耐湿信頼性に優れている。特に、フェノールノボラック型シアネート樹脂が低熱膨張性の点から好ましい。また、更に他のシアネート樹脂を1種類あるいは2種類以上併用したりすることもでき、特に限定されない。
前記シアネート樹脂は、単独で用いてもよいし、重量平均分子量の異なるシアネート樹脂を併用したり、前記シアネート樹脂とそのプレポリマーとを併用したりすることもできる。
前記プレポリマーは、通常、前記シアネート樹脂を加熱反応等により、例えば3量化することで得られるものであり、エポキシ樹脂組成物の成形性、流動性を調整するために好ましく使用されるものである。
前記プレポリマーは、特に限定されないが、例えば、3量化率が20〜50重量%のプレポリマーを用いた場合、良好な成形性、流動性を発現できる。
前記シアネート樹脂の含有量は、特に限定されないが、エポキシ樹脂組成物全体の固形分基準で5〜60重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜50重量%であり、特に好ましくは10〜40重量%である。含有量が前記範囲内であると、シアネート樹脂は、効果的に耐熱性、及び難燃性を発現させることができる。シアネート樹脂の含有量が前記下限未満であると熱膨張性が大きくなり、耐熱性が低下する場合があり、前記上限値を超えるとエポキシ樹脂組成物を用いて作製したプリプレグの強度が低下する場合がある。
前記マレイミド樹脂としては、特に限定されないが、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン等のビスマレイミド樹脂が挙げられる。また、更に他のマレイミド樹脂を1種類あるいは2種類以上併用したりすることもでき、特に限定されない。
前記マレイミド樹脂は、単独で用いてもよいし、重量平均分子量の異なるマレイミド樹脂を併用したり、前記マレイミド樹脂とそのプレポリマーとを併用したりすることもできる。
前記マレイミド樹脂の含有量は、特に限定されないが、エポキシ樹脂組成物全体の固形分基準で1〜30重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜25重量%であり、さらに好ましくは5〜20重量%である。
前記フェノール樹脂としては、特に限定されないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、ザイロック型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類等公知慣用のものを単独あるいは2種類以上組み合わせて使用することができる。
前記樹脂組成物は、必要に応じて、上記成分以外の添加物を、特性を損なわない範囲で添加することができる。上記成分以外の成分は、例えば、イミダゾール類、トリフェニルホスフィン、及び4級ホスホニウム塩等の硬化促進剤、アクリル系重合物等の表面調整剤、染料及び顔料等の着色剤等を挙げることができる。
(プリプレグ)
次に、プリプレグについて説明する。
本発明のプリプレグは上記樹脂組成物を基材に含浸してなるものである。本発明では、樹脂組成物の主成分として、固形のエポキシ樹脂を用いることにより、低タック性を有し、取り扱い易いプリプレグを得ることができる。前記基材としては、例えばガラス織布、ガラス不織布、ガラスペーパー等のガラス繊維基材、紙、アラミド、ポリエステル、芳香族ポリエステル、フッ素樹脂等の合成繊維等からなる織布や不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等が挙げられる。これらの基材は単独又は混合して使用してもよい。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、プリプレグの剛性、寸法安定性を向上することができる。
前記樹脂組成物を基材に含浸する際には、前記樹脂組成物を溶媒に溶解させ、樹脂ワニスとして用いる。前記溶媒は、前記エポキシ樹脂組成物に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響を及ぼさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良好な溶解性を示す溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。前記樹脂ワニスの固形分は、特に限定されないが、前記エポキシ樹脂組成物の固形分の30〜80重量%が好ましく、特に40〜70重量%が好ましい。これにより、樹脂ワニスの基材への含浸性を向上できる。
前記樹脂ワニスを前記基材に含浸させる方法は、例えば基材を樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターによる塗布する方法、スプレーによる吹き付ける方法等が挙げられる。これらの中でも、基材を樹脂ワニスに浸漬する方法が好ましい。これにより、基材に対する樹脂組成物の含浸性を向上することができる。尚、基材を樹脂ワニスに浸漬する場合、通常の含浸塗布設備を使用することができる。図1に示すように、基材1を、含浸槽2の前記樹脂ワニス3中に浸漬して、基材1に樹脂ワニス3を含浸する。その際、含浸槽2が備えるディップロール4(図1では3本)によって基材1は樹脂ワニス3中に浸漬される。次いで、樹脂ワニス3を含浸した基材1を、垂直方向に引き上げて、水平方向に並設され、対向している1対のスクイズロール又は、コンマロール(図1の5はスクイズロール)の間を通して、基材1への樹脂ワニス3の塗布量を調整する。その後、樹脂ワニス3が塗布された基材1を、乾燥機6で所定の温度で加熱して、塗布されたワニス中の溶剤を揮発させると共に樹脂組成物を半硬化させてプリプレグ7を製造する。なお、図1中の上部ロール8はプリプレグ7を進行方向に移動させるために、プリプレグ7の進行方向と同方向に回転している。また、前記樹脂ワニスの溶剤を乾燥させる条件は、温度90〜180℃、時間1〜10分で乾燥させることにより半硬化のプリプレグ7を得ることができる。
(積層板)
次に、積層板について説明する。
本発明の積層板は、上記のプリプレグを少なくとも1枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を有するものである。これにより、耐熱性、低膨張性および難燃性に優れた積層板を得ることができる。プリプレグ1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層することもできる。プリプレグ2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面、もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。次に、プリプレグと金属箔とを重ねたものを加熱加圧成形することで積層板を得ることができる。
前記加熱する温度は、特に限定されないが、120〜220℃が好ましく、特に150〜200℃が好ましい。前記加圧する圧力は、特に限定されないが、1.5〜5MPaが好ましく、特に2〜4MPaが好ましい。 また、必要に応じて高温漕等で150〜300℃の温度で後硬化を行ってもかまわない。
また、本発明の金属張積層板を製造する別の方法として、図2に示す絶縁樹脂層付き金属箔を用いた金属張積層板の製造方法が挙げられる。まず、金属箔11に均一な絶縁樹脂層12をコーターで塗工した絶縁樹脂層付き金属箔10を準備し、ガラス繊維等の基材20の両側に、絶縁樹脂層付き金属箔10、10を絶縁樹脂層を内側にして配し(図2(a))、真空中で加熱60〜130℃、加圧0.1〜5MPaでラミネート含浸させる方法により、金属箔付きプリプレグ41を得る(図2(b))。次いで、金属箔付きプリプレグ41を直接加熱加圧成形することで、金属張積層板51を得ることができる(図2(c))。
さらに、本発明の金属張積層板を製造する別の方法として、図3に示す絶縁樹脂層付き高分子フィルムシートを用いた金属張積層板の製造方法も挙げられる。まず、高分子フィルムシート31に、均一な絶縁樹脂層32をコーターで塗工した絶縁樹脂層付き高分子フィルムシート30を準備し、基材2の両側に絶縁樹脂層付き高分子フィルムシート30、30を絶縁樹脂層を内側にして配し(図3(a))、真空中で加熱60〜130℃、加圧0.1〜5MPaでラミネート含浸させる方法により、高分子フィルムシート付きプリプレグ42を得ることができる(図3(b))。次いで、高分子フィルムシート付きプリプレグ42の少なくとも片面の高分子フィルムシート31を剥離後(図3(c))、高分子フィルムシート31を剥離した面に金属箔11を配し(図3(d))、加熱加圧成形することで金属張積層板52を得ることができる(図3(e))。さらに、両面の高分子フィルムシートを剥離する場合は、前述のプリプレグ同様に、2枚以上積層することもできる。プリプレグを2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔または高分子フィルムシートを配し、加熱加圧成形することで金属張積層板を得ることができる。前記加熱加圧成形する条件としては、温度は、特に限定されないが、120〜220℃が好ましく、特に150〜200℃が好ましい。前記加圧する圧力は、特に限定されないが、0.1〜5MPaが好ましく、特に0.5〜3MPaが好ましい。本発明では、基材付きでプリプレグを作製するため、プリプレグの表面平滑性が高く低圧成形が可能となる。また、必要に応じて高温槽等で150〜300℃の温度で後硬化を行ってもかまわない。
本発明の積層板の別の製造方法として、特開平8−150683に記載されているような長尺状の基材と長尺状の金属箔を用いる方法を適用することもできる(特開平8−150683の段落0005、0006、図1)。この方法による場合は、長尺状の基材をロール形態に巻き取ったもの、および、長尺状の金属箔をロール形態に巻き取ったものを2つ用意する。そして、2枚の金属箔を別々にロールから送り出し、各々に本発明の樹脂組成物を塗布し、絶縁樹脂層を形成する。樹脂組成物を溶剤で希釈して用いる場合には、塗布後、乾燥される。引き続き、2枚の金属箔の絶縁樹脂層側を対向させ、その対抗しあう面の間に基材を1枚または2枚以上ロールから送り出し、プレスローラーで積層接着する。次いで、連続的に加熱加圧して絶縁樹脂層を半硬化状態とし、冷却後、ロールで巻き取る、または所定の長さに切断する。この方法によれば、長尺状の基材及び金属箔をライン上に移送しながら、連続的に積層が行われるので、製造途中において、長尺状の半硬化積層体が得られる。切断した半硬化状態の積層板をプレス機により加熱加圧することにより、金属張積層板が得られる。
なお、金属箔に代えて、フィルムを用いても良い。
(プリント配線板)
次に、本発明のプリント配線板について説明する。
本発明のプリント配線板は、上記に記載の積層板を内層回路基板に用いてなる。
また、本発明のプリント配線板は、内層回路上に、上記のプリプレグを絶縁層に用いてなる。
本発明においてプリント配線板とは、絶縁層の上に金属箔等の導電体で回路を形成したものであり、片面プリント配線板(一層板)、両面プリント配線板(二層板)、及び多層プリント配線板(多層板)のいずれであってもよい。多層プリント配線板とは、メッキスルーホール法やビルドアップ法等により3層以上に重ねたプリント配線板であり、内層回路基板に絶縁層を重ね合わせて加熱加圧成形することによって得ることができる。
前記内層回路基板は、例えば、本発明の金属箔を有する積層板の金属層に、エッチング等により所定の導体回路を形成し、導体回路部分を黒化処理したものを好適に用いることができる。
前記絶縁層としては、本発明のプリプレグ、又は本発明の樹脂組成物からなる樹脂フィルムを用いることができる。尚、前記絶縁層として、前記プリプレグ又は前記樹脂組成物からなる樹脂フィルムを用いる場合は、前記内層回路基板は本発明の積層板からなるものでなくてもよい。
以下、本発明のプリント配線板の代表例として、本発明の積層板を内層回路基板として用い、本発明のプリプレグを絶縁層として用いる場合の多層プリント配線板について説明する。
前記積層板の片面又は両面に回路形成し、内層回路基板を作製する。場合によっては、ドリル加工、レーザー加工によりスルーホールを形成し、メッキ等で両面の電気的接続をとることもできる。この内層回路基板に前記プリプレグを重ね合わせて加熱加圧形成することで絶縁層を形成する。同様にして、エッチング等で形成した導体回路層と絶縁層とを交互に繰り返し形成することにより、多層プリント配線板を得ることができる。
具体的には、前記プリプレグと前記内層回路基板とを合わせて、真空加圧式ラミネーター装置などを用いて真空加熱加圧成形させ、その後、熱風乾燥装置等で絶縁層を加熱硬化させる。ここで加熱加圧成形する条件としては、特に限定されないが、一例を挙げると、温度60〜160℃、圧力0.2〜3MPaで実施することができる。また、加熱硬化させる条件としては、特に限定されないが、一例を挙げると、温度140〜240℃、時間30〜120分間で実施することができる。
尚、次工程においてレーザーを照射し、絶縁層に開口部を形成するが、その前に基材を剥離する必要がある。基材の剥離は、絶縁層を形成後、加熱硬化の前、又は加熱硬化後のいずれに行っても特に問題はない。
次に、絶縁層にレーザーを照射して、開孔部を形成する。前記レーザーは、エキシマレーザー、UVレーザー及び炭酸ガスレーザー等が使用できる。
レーザー照射後の樹脂残渣等(スミア)は過マンガン酸塩、重クロム酸塩等の酸化剤等により除去する処理、すなわちデスミア処理を行うことが好ましい。デスミア処理が不十分で、デスミア耐性が十分に確保されていないと、開孔部に金属メッキ処理を行っても、スミアが原因で上層金属配線と下層金属配線との通電性が十分に確保されなくなるおそれがある。また、平滑な絶縁層の表面を同時に粗化することができ、続く金属メッキにより形成する導電配線回路の密着性を上げることができる。
次に、外層回路を形成する。外層回路の形成方法は、金属メッキにより絶縁樹脂層間の接続を図り、エッチングにより外層回路パターン形成を行う。
さらに絶縁層を積層し、前記同様回路形成を行っても良いが、多層プリント配線板では、回路形成後、最外層にソルダーレジストを形成する。ソルダーレジストの形成方法は、特に限定されないが、例えば、ドライフィルムタイプのソルダーレジストを積層(ラミネート)し、露光、及び現像により形成する方法、又は液状レジストを印刷したものを露光、及び現像により形成する方法によりなされる。尚、得られた多層プリント配線板を半導体装置に用いる場合、半導体素子を実装するため接続用電極部を設ける。接続用電極部は、金メッキ、ニッケルメッキ及び半田メッキ等の金属皮膜で適宜被覆することができる。
(半導体装置)
次に、本発明の半導体装置について説明する。
前記で得られたプリント配線板に半田バンプを有する半導体素子を実装し、半田バンブを介して、前記プリント配線板との接続を図る。そして、プリント配線板と半導体素子との間には液状封止樹脂を充填し、半導体装置を形成する。半田バンプは、錫、鉛、銀、銅、ビスマス等からなる合金で構成されることが好ましい。
半導体素子とプリント配線板との接続方法は、フリップチップボンダー等を用いて、基板上の接続用電極部と半導体素子の半田バンプとの位置合わせを行ったあと、IRリフロー装置、熱板、その他加熱装置を用いて半田バンプを融点以上に加熱し、プリント配線板と半田バンプとを溶融接合することにより接続する。尚、接続信頼性を良くするため、予めプリント配線板上の接続用電極部に半田ペースト等、比較的融点の低い金属の層を形成しておいてもよい。この接合工程に先んじて、半田バンプ及び/又はプリント配線板上の接続用電極部の表層にフラックスを塗布することで接続信頼性を向上させることもできる。
にフラックスを塗布することで接続信頼性を向上させることもできる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)樹脂ワニスの調製
エポキシ樹脂としてナフタレン型4官能エポキシ樹脂(品番HP−4700、DIC社製、エポキシ当量165)17.5重量%と、フェノール硬化剤としてビフェニルアルキレン型ノボラック樹脂(品番MEH−7851−3H、明和化成社製、水酸基当量230)17.3重量%と、硬化促進剤としてイミダゾール(四国化成工業社製、品番2E4MZ)0.1重量%と、第一の充填材としてベーマイト(河合石灰社製、品番BMT−3L、平均粒子径2.9μm、1%熱分解温度420℃)61.4重量%と、第二の充填材として球状ナノシリカ(品番NSS−5N、トクヤマ社製、平均粒子径70nm、ビニルシラン処理品)3.5重量%と、カップリング剤としてエポキシシラン(品番A−187、GE東芝シリコーン社製)0.2重量%を、メチルイソブチルケトンに溶解・混合させた。次いで、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調製した。
(2) プリプレグの作製
前記樹脂ワニスをガラス織布(厚さ94μm、日東紡製Eガラス織布、WEA−2116)に含浸し、150℃の加熱炉で2分間乾燥して、プリプレグ中のワニス固形分が約50重量%のプリプレグを得た。
(3) 積層板の作製
前記プリプレグ4枚重ね、両面に12μmの銅箔(三井金属鉱業社製3EC−VLP箔)を重ねて、圧力3MPa、温度220℃で2時間加熱加圧成形し、厚さ0.40mmの両面に銅箔を有する積層板を得た。
(4)プリント配線板の製造
前記両面に銅箔を有する積層板を用いて、ドリル機で開孔後、無電解めっきで上下銅箔間の導通を図り、前記両面の銅箔をエッチングすることにより内層回路を両面に形成した。(L(導体回路幅)/S(導体回路間幅)=120/180μm、クリアランスホール1mmφ、3mmφ、スリット2mm)
次に内層回路に過酸化水素水と硫酸を主成分とする薬液(旭電化工業(株)製テックSO−G)をスプレー吹き付けすることにより粗化処理による凹凸形成を行った。
次に市販の樹脂フィルム(ビルドアップ材ともいう)(味の素ファインテクノ社製、ABF GX−13、厚さ40μm)を内層回路上に真空積層装置を用いて積層し、温度170℃、時間60分間加熱硬化し、絶縁層を有する積層体を得た。
その後、前記で得られた積層体の絶縁層に、炭酸レーザー装置を用いてφ60μmの開孔部(ブラインド・ビアホール)を形成し、70℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガントP)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP)に15分浸漬後、中和して粗化処理を行った。次に脱脂、触媒付与、活性化の工程を経た後、無電解銅メッキ皮膜を約0.5μmの給電層を形成した。次にこの給電層表面に、厚さ25μmの紫外線感光性ドライフィルム(旭化成社製AQ−2558)をホットロールラミネーターにより貼り合わせ、最小線幅/線間が20/20μmのパターンが描画されたクロム蒸着マスク(トウワプロセス社製)を使用して、位置を合わせ、露光装置(ウシオ電機社製UX−1100SM−AJN01)にて露光、炭酸ソーダ水溶液にて現像し、めっきレジストを形成した。
次に、給電層を電極として電解銅めっき(奥野製薬社製81−HL)を3A/dm2、30分間行って、厚さ約25μmの銅配線を形成した。ここで2段階剥離機を用いて、前記めっきレジストを剥離した。各薬液は、1段階目のアルカリ水溶液層にはモノエタノールアミン溶液(三菱ガス化学社製R−100)、2段階目の酸化性樹脂エッチング剤には過マンガン酸カリウムと水酸化ナトリウムを主成分とする水溶液(日本マクダーミッド社製マキュダイザー9275、9276)、中和には酸性アミン水溶液(日本マクダーミッド社製マキュダイザー9279)をそれぞれ用いた。
そして、給電層を過硫酸アンモニウム水溶液(メルテックス(株)製AD−485)に浸漬処理することで、エッチング除去し、配線間の絶縁を確保した。次に絶縁層を温度200℃時間60分で最終硬化させ、最後に回路表面にソルダーレジスト(太陽インキ社製PSR4000/AUS308)を形成しプリント配線板を得た。
(5)半導体装置の製造
前記多層プリント配線板は、半導体素子の半田バンプ配列に相当するニッケル金メッキ処理が施された接続用電極部を配したものを50mm×50mmの大きさに切断し使用した。半導体素子(TEGチップ、サイズ15mm×15mm、厚み0.8mm)は、Sn/Pb組成の共晶で形成された半田バンプを有し、半導体素子の回路保護膜はポジ型感光性樹脂(住友ベークライト社製CRC−8300)で形成されたものを使用した。半導体装置の組み立ては、まず、半田バンプにフラックス材を転写法により均一に塗布し、次にフリップチップボンダー装置を用い、多層プリント配線板上に加熱圧着により搭載した。次に、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP−4152S)を充填し、液状封止樹脂を硬化させることで半導体装置を得た。尚、液状封止樹脂の硬化条件は、温度150℃、120分の条件であった。
(実施例2〜12、および比較例1)
実施例2〜12、比較例1は、表1、および表2に記載の配合表に従い樹脂ワニスを調製した以外は、実施例1と同様に樹脂ワニス、プリプレグ、積層板、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
尚、用いた原料を以下に示す。
(1)シアネート樹脂/ノボラック型シアネート樹脂:ロンザジャパン社製・「プリマセットPT−30」、シアネート当量124
(2)エポキシ樹脂/ナフタレン型4官能エポキシ樹脂:DIC社製・「HP−4700」、エポキシ当量165g/eq
(3)エポキシ樹脂/ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂:日本化薬社製・「NC−3000H」、エポキシ当量275
(4)フェノール硬化剤/ビフェニルアルキレン型ノボラック樹脂:明和化成社製「MEH−7851−3H」、水酸基当量230
(5)硬化促進剤/イミダゾール:四国化成工業社製・「2E4MZ」
(6)第一の充填材/ベーマイト;河合石灰社製・「BMT−3L」、平均粒子2.9μm
(7)第一の充填材/耐熱性水酸化アルミニウム;河合石灰社製・「AHL−F」、平均粒子3μm
(8)第一の充填材/タルク;富士タルク社製・「LMS−200」、平均粒子径5.0μm
(9)第一の充填材/球状シリカ;アドマテックス社製・「SO-25R」、平均粒子径0.5μm
(10)第一の充填材/球状シリカ;アドマテックス社製・「SO-31R」、平均粒子径1.0μm
(11)第一の充填材/シリコーンパウダー;信越化学工業社製・「KMP‐605」、平均粒子径2μm
(12)第一の充填材/シリコーンパウダー;信越化学工業社製・「KMP‐600」、平均粒子径5μm
(13)第二の充填材/球状シリカ;トクヤマ社製・「NSS−5N」、平均粒子70nm、ビニルシラン処理品
(14)第二の充填材/球状シリカ;トクヤマ社製・「NSS−5N」、平均粒子70nm、エポキシシラン処理品
(15)第二の充填材/球状シリカ;アドマテックス社製・「Admanano」、平均粒子50nm、ビニルシラン処理品
(16)第二の充填材/球状シリカ;アドマテックス社製・「Admanano」、平均粒子25nm、ビニルシラン処理品
(17)カップリング剤/エポキシシラン;GE東芝シリコーン社製・「A‐187」
実施例及び比較例の樹脂ワニスの配合表、及び配合表に従い調整した樹脂ワニス、当該樹脂ワニスを用いて作製したプリプレグ、金属張積層板、プリント配線板、及び半導体装置等について行った評価結果を表1、及び表2に示す。
上記表1、及び2に記載の評価項目を内容を以下に説明する。また、図1に実施例1で得られた積層板の断面FE−SEM写真を示す。また、図2に実施例9で得られた積層板の断面FE−SEM写真を示す。
(1)チキソ性
チキソ性の測定には、E型粘度計(円錐平板型回転粘度計)を用いた。JIS K7117−2に準拠し、樹脂ワニス1mlを測定カップ中央に入れ、5rpm/50rpmの測定を行った。チキソ性は5rpm/50rpmの粘度比を評価した。
(2)分散性(粒ゲージ)
分散性は、粒ゲージ(コーテック株式会社、エルコメーター製KP−2020−2)を用いて評価した。具体的には。粒ゲージを水平に置き、深い方の溝に樹脂ワニスを流しこんだ後、スクレーバーを溝に対して垂直方向に均等な速度で深さゼロまで1〜2秒で引いた。3秒以内に溝方向に直角、角度20〜30°で観察を行い、顕著な斑点が現れる点を測定した。表1、および2に記載の各符号は、以下の通りである。
○:20μm以上の凝集物がなかった。
△:20μm以上、50μm未満の凝集物があった。
×:50μm以上の凝集物があった。
(3)分散性(粒度分布)
分散性はレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA製、LB−550)を用いた。樹脂ワニス約100μlをケトン系有機溶剤で満たされた評価セルに投入し、安定した後の値を読み取った。充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで評価した。表1、および2に記載の各符号は、以下の通りである。
○:20μm以上の凝集物がなかった。
△:20μm以上、50μm未満の凝集物があった。
×:50μm以上の凝集物があった。
(4)含浸性
プリプレグの含浸性は、前記実施例、および比較例で得られたプリプレグを温度180℃で1時間、熱風オーブン中で硬化後、幅方向530mmを15mm間隔で35点の断面を観察し評価した。表1、および2に記載の各符号は、以下の通りである。
◎:全点の箇所で、未含浸ボイドは見られなかった。
○:1以上5未満の箇所で、未含浸ボイドが見られた。
△:5以上30未満の箇所で、未含浸ボイドが見られた。
×:30点以上の箇所で、未含浸ボイドが見られた。
(5)成形性
成形性の評価は、前記実施例、および比較例で得られた積層板(510mm×510mm角)を用いて行った。前記積層板をシャーにより約250mm×250mm角に4等分した後、銅箔をエッチング除去した。目視で表面を観察し評価した。
表1、および2に記載の各符号は、以下の通りである。
◎:ボイドが、無かった。
○:10mm端部にのみ、10μm未満のボイドが有った。
△:ボイド10μmを超えるボイドがあった。
×:ボイドが多数有あった。
(6)耐熱性
耐熱性は、260℃マルチリフローで評価した。
前記実施例、および比較例で得られた半導体装置を、IPC/JEDECのJ−STD−20に準拠リフロー260℃リフロー炉を通し、10回毎に、超音波深傷検査装置で半導体装置の絶縁層の剥離、クラック、半導体素子裏面の剥離、および半田バンプの欠損、及び125℃の熱板上で銅通不良を評価した。表1、および2に記載の各符号は以下の通りである。
◎:40回以上絶縁層の剥離、および銅通不良が無かった。
○:20回以上、40回未満で絶縁層の剥離、または銅通不良が無かった。
△:10回以上、20回未満で絶縁層の剥離、または銅通不良が発生した。
×:10回未満 絶縁層の剥離、または銅通不良が発生した。
(7)熱膨張係数
得られた積層板の銅箔をエッチング除去し、厚さが100μm、4mm×40mmのテストピースを切り出し、TMAを用いて5℃/分の引っ張り条件で、25℃から150℃の範囲における線熱膨張係数を測定した。
(8)ドリル加工後のめっき染み込み性
ドリル加工後のめっき染み込みは、厚さ0.4mmの上記積層板を2枚重ね合わせ、直径0.2mmのドリルにて3000回穴あけ加工を施した後、積層板の貫通孔に厚み25μmのスルーホールメッキを施してスルーホールを形成し、このスルーホールの内壁から積層板中へのメッキ液の染み込み深さで評価した。尚、ドリルは、ユニオンシール製、品番KMC L253を用い、穴あけ時のドリルの回転数は250krpm/min、ドリルのチップロードは9.6μm/revとした。各符号は、以下の通りである。
◎:染み込み深さが、20μm未満であった。
○:染み込み深さが、20μm以上50μm未満であった。
△:染み込み深さが、50μm以上100μm未満であった。
×:染み込み深さが、100μm以上であった。
(9)スルーホール絶縁信頼性
スルーホール絶縁信頼性は、スルーホール壁間を0.2mmで、印加電圧20V、温度130℃湿度85%の条件で、連続測定で評価した。尚、上述のドリル加工と同様の条件で、スルーホール加工、スルーホールメッキおよび回路加工したサンプルを用いた。なお、絶縁抵抗値が10Ω未満となる時点で終了とした。
各符号は以下の通りである。
◎:絶縁抵抗値が10Ω未満となるまで、500時間以上であった。
○:絶縁抵抗値が10Ω未満となるまで、200時間以上500時間未満であった。
△:絶縁抵抗値が10Ω未満となるまで、100時間以上200時間未満であった。
×:絶縁抵抗値が10Ω未満となるまで、100時間未満であった。
(10)プリント配線板部の反り
前記実施例で作製した半導体装置のプリント配線板部の反り量は、半導体素子面を加熱冷却可能なチャンバー内の下面に接するように置き、−50℃と125℃の雰囲気下で、プリント配線板部(半導体装置の裏面のプリント配線板部(サイズ:50mm×50mm)の48mm×48mm部分での反り量の変化を測定した。表1、および2に記載の各符号は以下の通りである。
◎:反り量の変化が、200μm未満であった。
○:反り量の変化が、200μm以上300μm未満であった。
△:反り量の変化が、300μm以上350μm未満であった。
×:反り量の変化が、350μm以上であった。
(11)難燃性
前記積層板の製造において、前記プリプレグを4枚重ね、その両面に12μmの銅箔を重ねて、圧力3MPa、温度200℃で2時間加熱加圧成形し、厚さ0.4mmの両面銅張積層板を得た。前記で得られた積層板の銅箔をエッチングし、UL−94規格に従い、0.4mm厚のテストピースを垂直法により測定した。
表1から明らかなように、実施例1〜12で得られた樹脂ワニスは、流動性に優れ、かつ積層板にした際の反りの発生も抑制されていた。また図1より、第一の充填材(図1ではベーマイト)の外周に、第二の充填材である球状フィラー(シリカ)が吸着していることが確認できる。図2においても、第1の充填材であるシリコーンの外周に、第2の充填材である球状フィラー(シリカ)が吸着していることが確認できる。
実施例1〜12で得られた樹脂ワニスは、チキソ性、およびフィラー沈降性に優れていた。そのため、量産安定性、およびプリプレグでの含浸性に優れる。また、樹脂流れ性にも優れるため、無機充填材を高充填にしても積層板にする際の、成形性が良好であった。また、プリント配線板にした際の耐熱性、低線膨張率、ドリル加工性に優れていた。そのため、スルーホール絶縁信頼性に優れ、低線膨張率のため、PKG反り量も小さく優れていた。
それに比べて、比較例1は、チキソ性が高く、プリプレグでの含浸性、および樹脂流れ性に劣るため、成形性、および耐熱性、スルーホール絶縁信頼性に劣る結果となったと推察する。
本発明の樹脂組成物をプリプレグとして用いた場合は、当該プリプレグは、従来の低線熱膨張率、高いガラス転移温度、高弾性率、難燃性を維持することができる。
さらに前記プリプレグを用いた多層プリント配線板は、吸湿処理後の半田耐熱性に優れ、また、多層プリント配線板の製造工程におけるスルーホールの加工性、および絶縁信頼性に優れ、さらには該多層プリントリ配線板を用いた半導体装置は、280℃という高温でのリフロー試験においても良好な結果を示すことができる。
1…基材
2…含浸槽
3…樹脂ワニス
4…ディップロール
5…スクイズロール
6…乾燥機
7…プリプレグ
8…上部ロール
10…絶縁樹脂層付き金属箔
11…金属箔
12…絶縁樹脂層
20…基材
30…絶縁樹脂層付き高分子フィルムシート
31…高分子フィルムシート
32…絶縁樹脂層
40…プリプレグ
41…金属箔付きプリプレグ
42…高分子フィルムシート付きプリプレグ
51…金属張積層板
52…金属張積層板

Claims (7)

  1. 樹脂組成物を用いたプリプレグであり、
    前記樹脂組成物は、(A)第一の充填材の外周に、(A)第一の充填材より粒径の小さい(B)第二の充填材が付着してなる充填材と、エポキシ樹脂と、を含み、
    前記(A)第一の充填材は、ベーマイト、水酸化アルミニウム、タルク、シリカ、又はシリコーン粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1つであり、
    前記(A)第一の充填材の含有量は、前記樹脂組成全体の40〜75重量%であり、
    前記(B)第二の充填材は、シリカであり、
    前記(B)第二の充填材の、レーザー回折散乱法により測定される、平均粒子径は、10〜100nmであり、
    前記(A)第一の充填材の含有量(w1)に対する前記(B)第二の充填材の含有量(w2)の重量比(w2/w1)は、0.02〜0.5であり、
    前記エポキシ樹脂の含有量は、前記樹脂組成物全体の固形分基準で5〜30重量%であることを特徴とするプリプレグ。
  2. 前記(A)第一の充填材の、レーザー回折散乱法により測定される、平均粒子径は0.2μm〜10μmである請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 前記(B)第二の充填材は、カップリング剤により表面処理されている請求項1または2に記載のプリプレグ。
  4. 請求項1、乃至のいずれか一項に記載のプリプレグを用いてなる積層板。
  5. 前記積層体の断面のFE−SEM写真において、(A)第一の充填材の外周に、(A)第一の充填材より粒径の小さい(B)第二の充填材が取り囲んで付着している請求項4に記載の積層体。
  6. 前記請求項4または5に記載の積層板を用いてなるプリント配線板。
  7. 前記請求項に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体装置。

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