JP5703570B2 - プリプレグ、積層板、多層プリント配線板、及び、半導体装置 - Google Patents
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Description
特に薄型化の場合、基板自体の剛性が低いため、リフローで部品を接続する際に反りのが問題となる。そのため、より低反り・低熱膨張に優れた配線板は、充填材の配合比率が高くなる傾向にある。
また、樹脂ワニスのチキソおよび分散性の改善のため球状シリカを高充填させる方法も提案されているが、シリカは硬度が高く、ドリルの磨耗性に問題があった。
そこで、ドリル磨耗性と含浸性の両立を図るべく、シリカより硬度が低い、タルク、および水酸化アルミニウム一水和物のベーマイト(例えば、特許文献1参照。)、および有機シリコーン(例えば、特許文献2参照。)、等を使用することも提案されているが、ドリル磨耗性と含浸性との両立を達成するに至っていない。
(1)(A)第一の充填材の外周に、(A)第一の充填材より粒径の小さい(B)第二の充填材が付着してなる充填材を含む樹脂組成物を用いることを特徴とするプリプレグ。
(2)前記(A)第一の充填材の平均粒子径は、0.2μm〜10μmである請求項1に記載のプリプレグ。
(3)前記(B)第二の充填材は、平均粒子10〜100nmの無機充填材微粒子である(1)、または(2)に記載のプリプレグ。
(4)前記(B)第二の充填材は、球状シリカである(1)、乃至(3)のいずれか一項に記載のプリプレグ。
(5)前記(A)第一の充填材は、酸化物、炭酸塩、水酸化物、ケイ酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、窒化物、ホウ酸塩、チタン酸塩、シリコーン、およびゴム粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1つである(1)ないし(4)のいずれか一項に記載のプリプレグ。
(6)前記(A)第一の充填材は、ベーマイト、またはシリコーンである(1)乃至(5)のいずれか一項に記載のプリプレグ。
(7)前記(B)第二の充填材は、カップリング剤により表面処理されている(1)乃至(6)のいずれか一項に記載のプリプレグ。
(8)(1)乃至(7)のいずれか一項に記載のプリプレグを用いてなる積層板
(9)前記(8)項に記載の積層板を用いてなるプリント配線板。
(10)前記(9)項に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体装置。
次に本発明のプリプレグに用いる樹脂組成物について説明する。
これにより充填材が、樹脂組成物中に均一に分散し、基材への含浸性が向上する。
上記の平均粒径の充填材を用いることにより、さらに含浸性が向上する。
充填材として、これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用したりすることもできる。
コアシェル型ゴム粒子とは、粒子がコア層とシェル層を有するゴム粒子をいい、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマー、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造、または外層のシェル層がガラス状ポリマー、中間層がゴム状ポリマー、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のものなどが挙げられる。コア層のゴム状ポリマーとして、エチレン、プロピレン、スチレン、ブタジエン、イソプロピレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリルニトリル等の架橋ゴムを選択することができる。また、コア層を被覆するシェル層としては、メチルメタアクリレート、スチレン、アクリロニトリルあるいはその共重合体等を選択することができる。シェル層を構成する樹脂には、官能基としてエポキシ基、カルボキシル基等の導入も可能であり、用途により選択することができる。
架橋型ゴム粒子は、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)粒子、スチレンブタジエンゴム(SBR)粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。
なお、このようなゴム粒子は、硬化物の機械強度を高める、硬化物の応力緩和、低熱膨張化などの効果を付与することもできる。
前記(A)第一の充填材に付着する(B)第二の充填材は、例えば、(A)第一の充填材のゼータ電位の符号が異なるもの、ファンデスワール力による引き付け合うもの、カップリング剤処理等により化学的に結合させる等が挙げられる
これにより、ワニス粘度が高くとも含浸性が向上し、ボイド発生を抑えることができ、さらには半田耐熱性に優れ、絶縁信頼性が向上する。
なお、平均粒子径が10〜100nmの充填材を用いる場合は、予め有機溶媒に分散したスラリーとして用いることが好ましい。平均粒子径が10〜100nmの充填材は、凝集し易く、樹脂組成物に配合する際に二次凝集体等を形成し流動性を低下する場合があるからである。
この中でもシリカが、積層板の線熱膨張率を下げる点で好ましい。
これにより、含浸性を向上させることができる。
球状にする方法は特に限定されないが、例えば、シリカの場合は、燃焼法などの乾式の溶融シリカや沈降法やゲル法などの湿式のゾルゲルシリカなどにより球状にすることができる。
これらのエポキシ樹脂の中でも特に、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性エポキシ樹脂、及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これにより、耐熱性及び難燃性を向上させる。
前記エポキシ樹脂の重量平均分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリスチレン換算の重量分子量として特定することができる。
前記プレポリマーは、通常、前記シアネート樹脂を加熱反応等により、例えば3量化することで得られるものであり、エポキシ樹脂組成物の成形性、流動性を調整するために好ましく使用されるものである。
前記プレポリマーは、特に限定されないが、例えば、3量化率が20〜50重量%のプレポリマーを用いた場合、良好な成形性、流動性を発現できる。
次に、プリプレグについて説明する。
本発明のプリプレグは上記樹脂組成物を基材に含浸してなるものである。本発明では、樹脂組成物の主成分として、固形のエポキシ樹脂を用いることにより、低タック性を有し、取り扱い易いプリプレグを得ることができる。前記基材としては、例えばガラス織布、ガラス不織布、ガラスペーパー等のガラス繊維基材、紙、アラミド、ポリエステル、芳香族ポリエステル、フッ素樹脂等の合成繊維等からなる織布や不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等が挙げられる。これらの基材は単独又は混合して使用してもよい。これらの中でもガラス繊維基材が好ましい。これにより、プリプレグの剛性、寸法安定性を向上することができる。
次に、積層板について説明する。
本発明の積層板は、上記のプリプレグを少なくとも1枚以上重ね合わせた積層体の少なくとも片面に金属箔を有するものである。これにより、耐熱性、低膨張性および難燃性に優れた積層板を得ることができる。プリプレグ1枚のときは、その上下両面もしくは片面に金属箔を重ねる。また、プリプレグを2枚以上積層することもできる。プリプレグ2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面、もしくは片面に金属箔あるいはフィルムを重ねる。次に、プリプレグと金属箔とを重ねたものを加熱加圧成形することで積層板を得ることができる。
さらに、本発明の金属張積層板を製造する別の方法として、図3に示す絶縁樹脂層付き高分子フィルムシートを用いた金属張積層板の製造方法も挙げられる。まず、高分子フィルムシート31に、均一な絶縁樹脂層32をコーターで塗工した絶縁樹脂層付き高分子フィルムシート30を準備し、基材2の両側に絶縁樹脂層付き高分子フィルムシート30、30を絶縁樹脂層を内側にして配し(図3(a))、真空中で加熱60〜130℃、加圧0.1〜5MPaでラミネート含浸させる方法により、高分子フィルムシート付きプリプレグ42を得ることができる(図3(b))。次いで、高分子フィルムシート付きプリプレグ42の少なくとも片面の高分子フィルムシート31を剥離後(図3(c))、高分子フィルムシート31を剥離した面に金属箔11を配し(図3(d))、加熱加圧成形することで金属張積層板52を得ることができる(図3(e))。さらに、両面の高分子フィルムシートを剥離する場合は、前述のプリプレグ同様に、2枚以上積層することもできる。プリプレグを2枚以上積層するときは、積層したプリプレグの最も外側の上下両面もしくは片面に金属箔または高分子フィルムシートを配し、加熱加圧成形することで金属張積層板を得ることができる。前記加熱加圧成形する条件としては、温度は、特に限定されないが、120〜220℃が好ましく、特に150〜200℃が好ましい。前記加圧する圧力は、特に限定されないが、0.1〜5MPaが好ましく、特に0.5〜3MPaが好ましい。本発明では、基材付きでプリプレグを作製するため、プリプレグの表面平滑性が高く低圧成形が可能となる。また、必要に応じて高温槽等で150〜300℃の温度で後硬化を行ってもかまわない。
なお、金属箔に代えて、フィルムを用いても良い。
次に、本発明のプリント配線板について説明する。
本発明のプリント配線板は、上記に記載の積層板を内層回路基板に用いてなる。
また、本発明のプリント配線板は、内層回路上に、上記のプリプレグを絶縁層に用いてなる。
前記内層回路基板は、例えば、本発明の金属箔を有する積層板の金属層に、エッチング等により所定の導体回路を形成し、導体回路部分を黒化処理したものを好適に用いることができる。
前記絶縁層としては、本発明のプリプレグ、又は本発明の樹脂組成物からなる樹脂フィルムを用いることができる。尚、前記絶縁層として、前記プリプレグ又は前記樹脂組成物からなる樹脂フィルムを用いる場合は、前記内層回路基板は本発明の積層板からなるものでなくてもよい。
前記積層板の片面又は両面に回路形成し、内層回路基板を作製する。場合によっては、ドリル加工、レーザー加工によりスルーホールを形成し、メッキ等で両面の電気的接続をとることもできる。この内層回路基板に前記プリプレグを重ね合わせて加熱加圧形成することで絶縁層を形成する。同様にして、エッチング等で形成した導体回路層と絶縁層とを交互に繰り返し形成することにより、多層プリント配線板を得ることができる。
次に、本発明の半導体装置について説明する。
前記で得られたプリント配線板に半田バンプを有する半導体素子を実装し、半田バンブを介して、前記プリント配線板との接続を図る。そして、プリント配線板と半導体素子との間には液状封止樹脂を充填し、半導体装置を形成する。半田バンプは、錫、鉛、銀、銅、ビスマス等からなる合金で構成されることが好ましい。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)樹脂ワニスの調製
エポキシ樹脂としてナフタレン型4官能エポキシ樹脂(品番HP−4700、DIC社製、エポキシ当量165)17.5重量%と、フェノール硬化剤としてビフェニルアルキレン型ノボラック樹脂(品番MEH−7851−3H、明和化成社製、水酸基当量230)17.3重量%と、硬化促進剤としてイミダゾール(四国化成工業社製、品番2E4MZ)0.1重量%と、第一の充填材としてベーマイト(河合石灰社製、品番BMT−3L、平均粒子径2.9μm、1%熱分解温度420℃)61.4重量%と、第二の充填材として球状ナノシリカ(品番NSS−5N、トクヤマ社製、平均粒子径70nm、ビニルシラン処理品)3.5重量%と、カップリング剤としてエポキシシラン(品番A−187、GE東芝シリコーン社製)0.2重量%を、メチルイソブチルケトンに溶解・混合させた。次いで、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調製した。
前記樹脂ワニスをガラス織布(厚さ94μm、日東紡製Eガラス織布、WEA−2116)に含浸し、150℃の加熱炉で2分間乾燥して、プリプレグ中のワニス固形分が約50重量%のプリプレグを得た。
前記プリプレグ4枚重ね、両面に12μmの銅箔(三井金属鉱業社製3EC−VLP箔)を重ねて、圧力3MPa、温度220℃で2時間加熱加圧成形し、厚さ0.40mmの両面に銅箔を有する積層板を得た。
前記両面に銅箔を有する積層板を用いて、ドリル機で開孔後、無電解めっきで上下銅箔間の導通を図り、前記両面の銅箔をエッチングすることにより内層回路を両面に形成した。(L(導体回路幅)/S(導体回路間幅)=120/180μm、クリアランスホール1mmφ、3mmφ、スリット2mm)
次に内層回路に過酸化水素水と硫酸を主成分とする薬液(旭電化工業(株)製テックSO−G)をスプレー吹き付けすることにより粗化処理による凹凸形成を行った。
前記多層プリント配線板は、半導体素子の半田バンプ配列に相当するニッケル金メッキ処理が施された接続用電極部を配したものを50mm×50mmの大きさに切断し使用した。半導体素子(TEGチップ、サイズ15mm×15mm、厚み0.8mm)は、Sn/Pb組成の共晶で形成された半田バンプを有し、半導体素子の回路保護膜はポジ型感光性樹脂(住友ベークライト社製CRC−8300)で形成されたものを使用した。半導体装置の組み立ては、まず、半田バンプにフラックス材を転写法により均一に塗布し、次にフリップチップボンダー装置を用い、多層プリント配線板上に加熱圧着により搭載した。次に、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP−4152S)を充填し、液状封止樹脂を硬化させることで半導体装置を得た。尚、液状封止樹脂の硬化条件は、温度150℃、120分の条件であった。
実施例2〜12、比較例1は、表1、および表2に記載の配合表に従い樹脂ワニスを調製した以外は、実施例1と同様に樹脂ワニス、プリプレグ、積層板、多層プリント配線板、及び半導体装置を作製した。
尚、用いた原料を以下に示す。
(1)シアネート樹脂/ノボラック型シアネート樹脂:ロンザジャパン社製・「プリマセットPT−30」、シアネート当量124
(2)エポキシ樹脂/ナフタレン型4官能エポキシ樹脂:DIC社製・「HP−4700」、エポキシ当量165g/eq
(3)エポキシ樹脂/ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂:日本化薬社製・「NC−3000H」、エポキシ当量275
(4)フェノール硬化剤/ビフェニルアルキレン型ノボラック樹脂:明和化成社製「MEH−7851−3H」、水酸基当量230
(5)硬化促進剤/イミダゾール:四国化成工業社製・「2E4MZ」
(6)第一の充填材/ベーマイト;河合石灰社製・「BMT−3L」、平均粒子2.9μm
(7)第一の充填材/耐熱性水酸化アルミニウム;河合石灰社製・「AHL−F」、平均粒子3μm
(8)第一の充填材/タルク;富士タルク社製・「LMS−200」、平均粒子径5.0μm
(9)第一の充填材/球状シリカ;アドマテックス社製・「SO-25R」、平均粒子径0.5μm
(10)第一の充填材/球状シリカ;アドマテックス社製・「SO-31R」、平均粒子径1.0μm
(11)第一の充填材/シリコーンパウダー;信越化学工業社製・「KMP‐605」、平均粒子径2μm
(12)第一の充填材/シリコーンパウダー;信越化学工業社製・「KMP‐600」、平均粒子径5μm
(13)第二の充填材/球状シリカ;トクヤマ社製・「NSS−5N」、平均粒子70nm、ビニルシラン処理品
(14)第二の充填材/球状シリカ;トクヤマ社製・「NSS−5N」、平均粒子70nm、エポキシシラン処理品
(15)第二の充填材/球状シリカ;アドマテックス社製・「Admanano」、平均粒子50nm、ビニルシラン処理品
(16)第二の充填材/球状シリカ;アドマテックス社製・「Admanano」、平均粒子25nm、ビニルシラン処理品
(17)カップリング剤/エポキシシラン;GE東芝シリコーン社製・「A‐187」
チキソ性の測定には、E型粘度計(円錐平板型回転粘度計)を用いた。JIS K7117−2に準拠し、樹脂ワニス1mlを測定カップ中央に入れ、5rpm/50rpmの測定を行った。チキソ性は5rpm/50rpmの粘度比を評価した。
分散性は、粒ゲージ(コーテック株式会社、エルコメーター製KP−2020−2)を用いて評価した。具体的には。粒ゲージを水平に置き、深い方の溝に樹脂ワニスを流しこんだ後、スクレーバーを溝に対して垂直方向に均等な速度で深さゼロまで1〜2秒で引いた。3秒以内に溝方向に直角、角度20〜30°で観察を行い、顕著な斑点が現れる点を測定した。表1、および2に記載の各符号は、以下の通りである。
○:20μm以上の凝集物がなかった。
△:20μm以上、50μm未満の凝集物があった。
×:50μm以上の凝集物があった。
分散性はレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA製、LB−550)を用いた。樹脂ワニス約100μlをケトン系有機溶剤で満たされた評価セルに投入し、安定した後の値を読み取った。充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒子径とすることで評価した。表1、および2に記載の各符号は、以下の通りである。
○:20μm以上の凝集物がなかった。
△:20μm以上、50μm未満の凝集物があった。
×:50μm以上の凝集物があった。
プリプレグの含浸性は、前記実施例、および比較例で得られたプリプレグを温度180℃で1時間、熱風オーブン中で硬化後、幅方向530mmを15mm間隔で35点の断面を観察し評価した。表1、および2に記載の各符号は、以下の通りである。
◎:全点の箇所で、未含浸ボイドは見られなかった。
○:1以上5未満の箇所で、未含浸ボイドが見られた。
△:5以上30未満の箇所で、未含浸ボイドが見られた。
×:30点以上の箇所で、未含浸ボイドが見られた。
成形性の評価は、前記実施例、および比較例で得られた積層板(510mm×510mm角)を用いて行った。前記積層板をシャーにより約250mm×250mm角に4等分した後、銅箔をエッチング除去した。目視で表面を観察し評価した。
表1、および2に記載の各符号は、以下の通りである。
◎:ボイドが、無かった。
○:10mm端部にのみ、10μm未満のボイドが有った。
△:ボイド10μmを超えるボイドがあった。
×:ボイドが多数有あった。
耐熱性は、260℃マルチリフローで評価した。
前記実施例、および比較例で得られた半導体装置を、IPC/JEDECのJ−STD−20に準拠リフロー260℃リフロー炉を通し、10回毎に、超音波深傷検査装置で半導体装置の絶縁層の剥離、クラック、半導体素子裏面の剥離、および半田バンプの欠損、及び125℃の熱板上で銅通不良を評価した。表1、および2に記載の各符号は以下の通りである。
◎:40回以上絶縁層の剥離、および銅通不良が無かった。
○:20回以上、40回未満で絶縁層の剥離、または銅通不良が無かった。
△:10回以上、20回未満で絶縁層の剥離、または銅通不良が発生した。
×:10回未満 絶縁層の剥離、または銅通不良が発生した。
得られた積層板の銅箔をエッチング除去し、厚さが100μm、4mm×40mmのテストピースを切り出し、TMAを用いて5℃/分の引っ張り条件で、25℃から150℃の範囲における線熱膨張係数を測定した。
ドリル加工後のめっき染み込みは、厚さ0.4mmの上記積層板を2枚重ね合わせ、直径0.2mmのドリルにて3000回穴あけ加工を施した後、積層板の貫通孔に厚み25μmのスルーホールメッキを施してスルーホールを形成し、このスルーホールの内壁から積層板中へのメッキ液の染み込み深さで評価した。尚、ドリルは、ユニオンシール製、品番KMC L253を用い、穴あけ時のドリルの回転数は250krpm/min、ドリルのチップロードは9.6μm/revとした。各符号は、以下の通りである。
◎:染み込み深さが、20μm未満であった。
○:染み込み深さが、20μm以上50μm未満であった。
△:染み込み深さが、50μm以上100μm未満であった。
×:染み込み深さが、100μm以上であった。
スルーホール絶縁信頼性は、スルーホール壁間を0.2mmで、印加電圧20V、温度130℃湿度85%の条件で、連続測定で評価した。尚、上述のドリル加工と同様の条件で、スルーホール加工、スルーホールメッキおよび回路加工したサンプルを用いた。なお、絶縁抵抗値が108Ω未満となる時点で終了とした。
各符号は以下の通りである。
◎:絶縁抵抗値が108Ω未満となるまで、500時間以上であった。
○:絶縁抵抗値が108Ω未満となるまで、200時間以上500時間未満であった。
△:絶縁抵抗値が108Ω未満となるまで、100時間以上200時間未満であった。
×:絶縁抵抗値が108Ω未満となるまで、100時間未満であった。
前記実施例で作製した半導体装置のプリント配線板部の反り量は、半導体素子面を加熱冷却可能なチャンバー内の下面に接するように置き、−50℃と125℃の雰囲気下で、プリント配線板部(半導体装置の裏面のプリント配線板部(サイズ:50mm×50mm)の48mm×48mm部分での反り量の変化を測定した。表1、および2に記載の各符号は以下の通りである。
◎:反り量の変化が、200μm未満であった。
○:反り量の変化が、200μm以上300μm未満であった。
△:反り量の変化が、300μm以上350μm未満であった。
×:反り量の変化が、350μm以上であった。
前記積層板の製造において、前記プリプレグを4枚重ね、その両面に12μmの銅箔を重ねて、圧力3MPa、温度200℃で2時間加熱加圧成形し、厚さ0.4mmの両面銅張積層板を得た。前記で得られた積層板の銅箔をエッチングし、UL−94規格に従い、0.4mm厚のテストピースを垂直法により測定した。
実施例1〜12で得られた樹脂ワニスは、チキソ性、およびフィラー沈降性に優れていた。そのため、量産安定性、およびプリプレグでの含浸性に優れる。また、樹脂流れ性にも優れるため、無機充填材を高充填にしても積層板にする際の、成形性が良好であった。また、プリント配線板にした際の耐熱性、低線膨張率、ドリル加工性に優れていた。そのため、スルーホール絶縁信頼性に優れ、低線膨張率のため、PKG反り量も小さく優れていた。
それに比べて、比較例1は、チキソ性が高く、プリプレグでの含浸性、および樹脂流れ性に劣るため、成形性、および耐熱性、スルーホール絶縁信頼性に劣る結果となったと推察する。
さらに前記プリプレグを用いた多層プリント配線板は、吸湿処理後の半田耐熱性に優れ、また、多層プリント配線板の製造工程におけるスルーホールの加工性、および絶縁信頼性に優れ、さらには該多層プリントリ配線板を用いた半導体装置は、280℃という高温でのリフロー試験においても良好な結果を示すことができる。
2…含浸槽
3…樹脂ワニス
4…ディップロール
5…スクイズロール
6…乾燥機
7…プリプレグ
8…上部ロール
10…絶縁樹脂層付き金属箔
11…金属箔
12…絶縁樹脂層
20…基材
30…絶縁樹脂層付き高分子フィルムシート
31…高分子フィルムシート
32…絶縁樹脂層
40…プリプレグ
41…金属箔付きプリプレグ
42…高分子フィルムシート付きプリプレグ
51…金属張積層板
52…金属張積層板
Claims (7)
- 樹脂組成物を用いたプリプレグであり、
前記樹脂組成物は、(A)第一の充填材の外周に、(A)第一の充填材より粒径の小さい(B)第二の充填材が付着してなる充填材と、エポキシ樹脂と、を含み、
前記(A)第一の充填材は、ベーマイト、水酸化アルミニウム、タルク、シリカ、又はシリコーン粒子よりなる群から選ばれる少なくとも1つであり、
前記(A)第一の充填材の含有量は、前記樹脂組成全体の40〜75重量%であり、
前記(B)第二の充填材は、シリカであり、
前記(B)第二の充填材の、レーザー回折散乱法により測定される、平均粒子径は、10〜100nmであり、
前記(A)第一の充填材の含有量(w1)に対する前記(B)第二の充填材の含有量(w2)の重量比(w2/w1)は、0.02〜0.5であり、
前記エポキシ樹脂の含有量は、前記樹脂組成物全体の固形分基準で5〜30重量%であることを特徴とするプリプレグ。 - 前記(A)第一の充填材の、レーザー回折散乱法により測定される、平均粒子径は0.2μm〜10μmである請求項1に記載のプリプレグ。
- 前記(B)第二の充填材は、カップリング剤により表面処理されている請求項1または2に記載のプリプレグ。
- 請求項1、乃至3のいずれか一項に記載のプリプレグを用いてなる積層板。
- 前記積層体の断面のFE−SEM写真において、(A)第一の充填材の外周に、(A)第一の充填材より粒径の小さい(B)第二の充填材が取り囲んで付着している請求項4に記載の積層体。
- 前記請求項4または5に記載の積層板を用いてなるプリント配線板。
- 前記請求項6に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体装置。
Priority Applications (6)
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