JP2006199565A - 水酸化アルミニウム及びその用途 - Google Patents

水酸化アルミニウム及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】 樹脂に充填した際、低粘度、易硬化性が発揮される、高耐熱性の水酸化アルミニウムを提供する。
【解決手段】平均粒子径をD(μm)とし、(1)250℃に15分間保持したときの平均質量減少速度をWLR250(質量%/min)としたとき、WLR250<−0.62×logD+2.2である水酸化アルミニウム、(2)200℃に100分間保持したときの平均質量減少速度をWLR200(質量%/min)としたときWLR200<−0.056×logD+0.12である水酸化アルミニウム、(3)昇温速度5℃/minで昇温させた時250℃到達時の質量減少率をWL250(%)としたときWL250<−3.0×logD+10である水酸化アルミニウム、(4)それら水酸化アルミニウムをフィラーとして含んだ水酸化アルミニウム含有組成物、(5)それら水酸化アルミニウム含有組成物を含む電線及びプリント基板。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プラスチック、ゴム等の難燃フィラー用等として利用される水酸化アルミニウム及びその用途に関する。
水酸化アルミニウムはゴム・プラスチックに充填するフィラーとして幅広く用いられている。例えば、熱可塑性樹脂、ゴム、エポキシ樹脂には難燃剤として、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂などの樹脂には調色フィラーとして用いられている。
水酸化アルミニウムは、200℃前後から脱水反応が開始するため、フィラーとして使用すると、成形時に発泡したり、成形物の耐熱性を低下させたりする等の問題が起こることが知られていた。
そして、水酸化アルミニウムの耐熱性を向上させるために、加熱処理を行い、見かけ上の結晶水のモル数を1.8〜2.9に減らしたものが開示されている(特許文献1:特開昭51-27898号公報)。
また、水酸化アルミニウムと加熱水和アルミナとを混合することで、耐熱性に優れたフィラーとして使用することが提案されているが(特許文献2:特開2002-194119号公報)、いずれの提案も水酸化アルミニウムの耐熱性は十分なものではなく、さらに改善することが望まれていた。
特開昭51−27898号公報 特開2002−194119号公報
本発明の目的は、脱水に起因する気孔の残留、脱水開始温度が低い、脱水開始時間が早いなどの問題がなく、樹脂に充填した際、低粘度で、易硬化性が発揮され、高耐熱性の水酸化アルミニウムを提供することにある。
かかる事情下に鑑み、本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のアルミン酸ナトリウム溶液中に水酸化アルミニウムの二次凝集粒子を懸濁させたスラリーを特定の条件で昇温し保持することにより、広範囲の粒子径に関してBET比表面積が低く、凝集粒子の含有量が極めて少なく、単粒子状に解砕され、脱水に起因する気孔の残留が無く、Na2O濃度が低く耐熱性に優れ、フィラーとして理想的な水酸化アルミニウムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の水酸化アルミニウム、その水酸化アルミニウムをフィラーとして含む水酸化アルミニウム含有組成物、その水酸化アルミニウム含有組成物を含む電線及びプリント基板を含むものである。
1. 平均粒子径D(μm)と、250℃に15分間保持したときの平均質量減少速度WLR250(質量%/min)とが、下記式(1)
の条件を満たすことを特徴とする水酸化アルミニウム。
2. 平均粒子径D(μm)、200℃に100分間保持したときの平均質量減少速度WLR200(質量%/min)とが、下記式(2)
の条件を満たすことを特徴とする水酸化アルミニウム。
3. 平均粒子径D(μm)と、昇温速度5℃/minで昇温させた際の250℃到達時の質量減少率WL250(%)とが、下記式(3)
の条件を満たすことを特徴とする水酸化アルミニウム。
4. 平均粒子径Dが1〜30μmである前記1乃至3のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウム。
5. BET比表面積Sが5m2/g以下である前記1乃至4のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウム。
6. Na2Oの含有量が、0.1質量%以下である前記1乃至5のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウム。
7. 比表面積(S)と真密度(ρ)とから下記式(4)
により算出した球近似粒子径(Dbet)と平均粒子径Dとの比(凝集度)D/Dbetが10以下である前記1乃至6のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウム。
8. D≦20μmであって、45μm以上の粒子の含有量が5質量%以下である前記1乃至7のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウム。
9. 前記1乃至8のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウムをフィラーとして含む水酸化アルミニウム含有組成物。
10. 水酸化アルミニウム含有組成物が樹脂組成物である前記9に記載の水酸化アルミニウム含有組成物。
11. 水酸化アルミニウム含有樹脂組成物のマトリックス材料が、ゴムまたはプラスチックである前記10に記載の水酸化アルミニウム含有組成物。
12. 前記9乃至11のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウム含有組成物を含む電線。
13. 前記9乃至11のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウム含有組成物を含むプリント基板。
本発明の好ましい実施態様である水酸化アルミニウムを樹脂に充填する場合、耐熱性が高く、低粘度、易硬化性の樹脂が得られるので、特に電子材料用の組成物用途で優れた効果を発揮する。また、樹脂の濡れ性が良好で、樹脂中への分散性に優れ、凝集粒のない樹脂組成物が得られる。
さらに、本発明の好ましい実施態様である水酸化アルミニウムを充填した樹脂を使用し、優れた性能を有するプリント基板、繊維強化プラスチック(FRP;Fiber Reinforced plastics)、電線被覆材、フライバックトランス(FBT;Flyback Transformers)、ケーシング、建材、人造大理石、塗料、接着材、歯磨き粉、塊状形成材料(BMC;Bulk molding compound)、シート形成材料(SMC;Sheet molding compound)、成形材料、カーペット、タイヤ、トナーなどを製造することが可能となる。
本発明の水酸化アルミニウムの製造法は、特に限定されないが、アルミン酸ナトリウム溶液にバイヤー法により得られた水酸化アルミニウムを添加して水酸化アルミニウム懸濁スラリーを得、このスラリーを所定の昇温速度で所定温度に特定時間保持して製造することができる。以下に詳しく説明する。
先ずバイヤー法により得られた水酸化アルミニウムを、アルミン酸ナトリウム溶液に添加し、水酸化アルミニウムが懸濁したスラリーを得る。バイヤー法による水酸化アルミニウムは通常一次粒子が凝集した二次粒子を用いることができるが、二次粒子径が10〜100μm、一次粒子径が1〜20μmのものが好ましい。
水酸化アルミニウムを添加するアルミン酸ナトリウム溶液は、アルミナ濃度A(単位g/リットル)と水酸化ナトリウム濃度C(単位g/リットル)の比率A/Cが好ましくは0.40以下、さらに好ましくは0.35以下、最も好ましくは0.30以下である。A/Cが0.40より高いと粒界をほぐすのに必要なアルミナ分が溶解せず、凝集粒が残存し易くなる。
水酸化アルミニウムを懸濁させたアルミン酸ナトリウム溶液のスラリーは先ず60℃以下、好ましくは55℃以下の温度から90℃以上の温度に15分以内に昇温する。
昇温前のスラリー温度が60℃より高いと昇温時、粒界のみを選択的に溶解するのに充分な熱衝撃が与えられず、凝集粒子が残存してしまうため好ましくない。60℃以下の下限については特に制限はないが、通常は常温付近でよい。
スラリーは60℃以下の温度から15分以内に90℃以上に昇温する。昇温の際の温度が90℃未満であると、粒界のみを選択的に溶解するのに充分な熱衝撃が与えられず凝集粒子が残存してしまい、また粒子全体の溶解が進行してしまうため好ましくない。
因みにアルミン酸ナトリウム溶液の沸点は、水酸化ナトリウム濃度によって変化するので限定できないが、バイヤー工程で使用されるアルミン酸ナトリウム溶液の場合104℃程度である。したがって90℃以上の上限は104℃程度である。この温度までの昇温時間は15分以内である。15分より長いと粒界のみを選択的に溶解するのに充分な熱衝撃が与えられず、凝集粒子が残存してしまい、また粒子全体の溶解が進行してしまうため好ましくない。
スラリーを60℃以下から90℃以上に昇温する方法は特に限定はない。直線的に昇温してもよく、あるいは初め緩やかに終わりの方を急に昇温したり、またその逆にすることもできる。昇温時間の下限は特に制限なく、二重管式熱交換器等により急激に昇温してもよい。
上記の温度に昇温後、スラリーは特定条件下で保持されるが、その条件は昇温時間に依存する。昇温時間15分の範囲内において、昇温時間が短くなるにつれて保持時間が長くなる。本発明の方法では昇温時間を15分以内のH分間とすると、保持時間は少なくとも(15−H)分間である。したがって昇温時間が15分の時は保持の工程は設けても設けなくてもよい。昇温後の保持温度は85℃以上、好ましくは90℃以上である。保持温度が85℃未満であると解砕された粒子が再度凝集を起こすため好ましくない。保持温度の上限は一般的にはアルミン酸ナトリウム溶液の沸点である。
スラリーの昇温後の水酸化アルミニウムの溶解率は、30%未満、好ましくは25%未満である。溶解率が30%より多いと、水酸化アルミニウムの収率が低くなるので生産効率が悪い。この溶解率において昇温後とは昇温、保持後のことを意味する。
ここで、昇温による水酸化アルミニウムの溶解率は、下記一般式、
(式中、Aはアルミン酸ナトリウム溶液のアルミナ濃度(単位g/リットル)、Cは水酸化ナトリウム濃度(単位g/リットル)を表す。)で算出される。
本発明の好ましい実施態様である水酸化アルミニウムは、粒径が小さい場合にも、耐熱性が高いという優れた特性を有している。
すなわち、粒度が小さい場合においても、昇温時における質量減少が少ないという優れた特性を有しており、平均粒子径をD(μm)、250℃に15分間保持したときの平均質量減少速度をWLR250(質量%/min)としたときに、好ましくはWLR250<−0.62×logD+2.2であり、さらに好ましくは、WLR250<−0.62×logD+1.8であり、より好ましくは、WLR250<−0.62×logD+1.7である。
さらに、200℃に100分間保持したときの平均質量減少速度をWLR200(質量%/min)としたときに、好ましくはWLR200<−0.056×logD+0.12であり、さらに好ましくは、WLR200<−0.056×logD+0.09であり、より好ましくは、WLR200<−0.056×logD+0.07である。
また、昇温速度5℃/minで昇温させた際の250℃における質量減少率WL250(%)が、好ましくはWL250<−3.0×logD+10の関係を有しており、より好ましくは、WL250<−3.0×logD+8であり、さらに好ましくはWL250<−3.0logD+7である。
本発明の好ましい実施態様である水酸化アルミニウムは、上記範囲内の値が小さいものほど耐熱性を有しており、樹脂組成物の耐熱特性、成形性等を低下させることなく、フィラーとして使用することが可能である。
ここで、平均粒子径Dの測定方法は、特に限定されないが、レーザー回折散乱により測定することが好ましく、質量平均粒子径であるD50の値で評価される。
また、質量減少率の測定方法は、特に限定されないが、好ましくは、示差熱分析(TG−DTA)によって測定する。
本発明の好ましい態様である水酸化アルミニウムは、好ましくは平均粒子径Dが1〜30μmであり、より好ましくは1〜15μm、さらに好ましくは1〜10μmである。
本発明の好ましい態様である水酸化アルミニウムは、好ましくはBET比表面積が5m2/g以下であり、より好ましくは0.2〜4.5m2/g、さらに好ましくは0.4〜4m2/gである。
また、比表面積Sから球近似で算出した粒子径Dbet(ここで、Dbetは比表面積(S)と真密度(ρ)とからDbet=6/(S×ρ)で算出される。)と平均粒子径Dの比:D/Dbetで示される凝集度が好ましくは10以下であり、より好ましくは9以下、さらに好ましくは8以下である。
本発明の好ましい態様である水酸化アルミニウムのNa2O含有量は、好ましくは0.1%以下であり、より好ましくは0.08%以下であり、さらに好ましくは0.07%以下である。0.1%より含有量が多いと、樹脂組成物の耐熱性、電気特性を低下させる場合がある。
本発明の好ましい態様である水酸化アルミニウムは、好ましくは45μm以上の粒子の含有量が0.5質量%以下であり、より好ましくは0.4質量%以下である。
本発明において製造される水酸化アルミニウムは、各種フィラー用として好適である。例えば、フィラーとして含んだ水酸化アルミニウム含有組成物のマトリックス材料としては、ゴムまたは熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性樹脂(不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等)などのプラスチックが好適に使用できる。
また、本方法で得られた水酸化アルミニムを樹脂等に充填する際は、単独で用いても良いし、樹脂組成物粘度を低くするため、粒子径の異なる他の数種類の水酸化アルミニウムと混合して使用してもよい。
さらに、本方法で得られた水酸化アルミニウムを従来公知の表面処理剤で表面処理して用いてもよい。表面処理剤としては、特に限定されないが、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤等の各種カップリング剤、オレイン酸、ステアリン酸などの脂肪酸、及びそれらの脂肪酸エステル、メチルシリケート、エチルシリケート等のシリケート等が挙げられる。
本発明の水酸化アルミニウムをフィラーとすれば、樹脂粘度が低いために充填性、流動性に優れ、極めて成形性が良い。また、ゲルタイム(硬化時間)が短いので、生産性が格段に向上する。
本発明の好ましい実施態様である水酸化アルミニウムをフィラーとして使用したコンパウンドを使用することにより、優れた性能を有するプリント基板、繊維強化プラスチック(FRP)、電線被覆材、フライバックトランス(FBT)、ケーシング、建材、人造大理石、塗料、接着材、歯磨き粉、塊状形成材料(BMC)、シート形成材料(SMC)、成形材料、カーペット、タイヤ、トナーなどを製造することが可能となる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。なお、本発明の実施例及び比較例の水酸化アルミニウムの、平均粒子径(D)、BET比表面積(S)、凝集度(D/Dbet)、45μm以上の粒子含有量、耐熱性及びNa2O含有量は以下の方法で測定した。
平均粒子径(D):
水酸化アルミニウムの平均粒子径Dは、レーザー散乱回折法により測定した。
BET比表面積(S):
水酸化アルミニウムの比表面積Sは、窒素吸着法(BET法)で測定した。
凝集度(D/Dbet):
水酸化アルミニウムの凝集度は、Sから球近似で算出した粒子径Dbet(ここで、DbetはDbet=6/(S×ρ)で算出される。ρは水酸化アルミニウムの真密度である。)とDの比D/Dbetから計算して見積もった。
45μm以上の粒子含有量:
試料5gを、1μm以上の固形物が除去可能なフィルターを通過させた後の水道水1.5リットルに分散させ、極微粒分級機(横浜理科(株)製PS−80)にて10分間超音波分散させながら目開き45μmのステンレス製篩網で篩い分け、篩残渣の質量を測定した。篩い前の試料質量に対する篩残渣の質量百分率を45μm以上の粒子含有量として算出した。
耐熱性:
示差熱分析計として、リガク製TG−8120を使用し、窒素雰囲気下にてTG曲線を測定した。リファレンスとしてAl23を使用した。
200,250℃の平均質量減少速度は、室温〜100℃までを20℃/min、100℃にて1hr保持、200、250℃までを100℃/minで昇温し、200℃で100分間保持、あるいは250℃で15分間保持し、そのときの質量減少量をもとに求めた。
250℃到達時の質量減少は、室温〜100℃までを20℃/min、100℃にて1hr保持した後5℃/minで昇温し、250℃到達時の質量減少量を求めた。
Na2O含有量の測定:
25%硫酸液中で加圧溶解、希釈後、セイコー電子工業(株)製SPR 1700 VR ICPで測定した。
粘度:
不飽和ポリエステル樹脂(昭和高分子(株)製,リゴラック 2004WM-2)100質量部及び水酸化アルミニウム200質量部をプラスチック製の容器中で混合し、35℃の水浴中で30分間保持した。その後BS型粘度計で10rpm粘度を測定した。
ゲルタイム:
不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製,ポリライト TP-123)100質量部、水酸化アルミニウム150質量部、及び硬化剤(日本油脂(株)製,パーメック N)1.5質量部をプラスチック製の容器中で混合し、30℃の水浴中で保持しながらBS型粘度計で1分間隔で粘度を測定した。測定した粘度をプロットし、粘度が急激に上昇する変曲点をゲルタイムとした。
実施例1:
バイヤー法により得られた水酸化アルミニウムをアルミン酸ナトリウム溶液中に懸濁させたスラリー(水酸化アルミニウムの平均粒子径26.5μm、水酸化ナトリウム濃度158g/リットル、A/C=0.35、スラリーの水酸化アルミニウム濃度225g/リットル、スラリー温度50℃)を二重管式熱交換器(内管側容積0.019m3、伝熱面積3.2m2)の内管側に3m3/Hr(熱交換器内滞留時間23秒)で送液し、外管に蒸気投入し、96℃まで昇温した後、スラリーを85℃で15分間保持した。スラリーのA/Cは0.49、溶解率は15.0%であった。
該スラリーから固体水酸化アルミニウムを洗浄、ろ別した後、乾燥した。得られた水酸化アルミニウムの平均粒子径(D)は3.2μm、BET比表面積(S)は1.25m2/g、凝集度(D/Dbet)は1.5、また10μm以上の粒子含有量は0.2質量%であった。
さらにこの粉の示差熱分析を実施したところ、250℃における質量減少率は5.0%であった。さらに、Na2O含有量は0.06%であった。その他物性値を表1に示した。
実施例2:
バイヤー法により得られた水酸化アルミニウムをアルミン酸ナトリウム溶液中に懸濁させたスラリー(水酸化アルミニウムの平均粒子径57.6μm、水酸化ナトリウム濃度158g/リットル、A/C=0.31、スラリーの水酸化アルミニウム濃度320g/リットル、スラリー温度60℃)を二重管式熱交換器(内管側容積0.019m3、伝熱面積3.2m2)の内管側に2m3/Hr(熱交換器内滞留時間35秒)で送液し、外管に蒸気投入し、96℃まで昇温した後、スラリーを85℃で15分間保持した。スラリーのA/Cは0.55、溶解率は18.1%であった
該スラリーから固体水酸化アルミニウムを洗浄、ろ別した後、乾燥した。得られた水酸化アルミニウムの平均粒子径(D)は8.9μm、BET比表面積(S)は0.55m2/g、凝集度(D/Dbet)は2.2、また45μm以上の粒子含有量は1.2質量%であった。
さらにこの粉の示差熱分析を実施したところ、250℃における質量減少率は3.6%であった。さらに、Na2O含有量は0.04%であった。その他の物性値を表1に示した。
実施例3:
バイヤー法により得られた水酸化アルミニウムをアルミン酸ナトリウム溶液中に懸濁させたスラリー(水酸化アルミニウムの平均粒子径92.5μm、水酸化ナトリウム濃度158g/リットル、A/C=0.45、スラリーの水酸化アルミニウム濃度400g/リットル、スラリー温度60℃)を二重管式熱交換器(内管側容積0.019m3、伝熱面積3.2m2)の内管側に3m3/Hr(熱交換器内滞留時間23秒)で送液し、外管に蒸気投入し、96℃まで昇温した後、スラリーを85℃で15分間保持した。スラリーのA/Cは0.55、溶解率は6.0%であった
該スラリーから固体水酸化アルミニウムを洗浄、ろ別した後、乾燥した。得られた水酸化アルミニウムの平均粒子径(D)は18.2μm、BET比表面積(S)は0.34m2/g、凝集度(D/Dbet)は2.4、また45μm以上の粒子含有量は2.0質量%であった。
さらにこの粉の示差熱分析を実施したところ、250℃における質量減少率は2.9%であった。さらにNa2O含有量は0.05%であった。その他物性値を表1に示した。
実施例4:
バイヤー法により得られた水酸化アルミニウム(水酸化アルミニウムの平均粒子径36.2μm、Na2O 0.04%)をコトブキ技研(株)製ボールミルで粉砕した。得られた水酸化アルミニウムの平均粒子径Dは7.9μm、BET比表面積は、2.1m2/gであった。この粉の示差熱分析結果を表1に示す。
実施例5:
実施例4と同様にして得られた水酸化アルミニウムの平均径(D)は、10.2μm、BET比表面積(S)は、1.7m2/gであった。この粉の示差熱分析結果を表1に示した。
以上、各実施例の粉をフィラーとして樹脂コンパウンドを成形したところ、樹脂中への分散性に優れ、粘度が低く、ゲルタイムが短いために、成形性が高く、生産性に優れていた。
比較例1:
バイヤー法により得られた水酸化アルミニウム(水酸化アルミニウムの平均粒子径1.0μm、Na2O 0.32%)を洗浄、ろ過、乾燥した。得られた水酸化アルミニウムの平均粒子径(D)は1.1μm、BET比表面積(S)は、4.2m2/gであった。この粉の示差熱分析結果を表1に示す。
この粉をフィラーとして樹脂組成物を成形したところ、分散性が悪く、粘度が高い上に発泡してしまい、成形しづらかった。また、ゲルタイムが長いために生産性が低下した。
比較例2:
バイヤー法により得られた水酸化アルミニウム(水酸化アルミニウムの平均粒子径67.2μm、Na2O 0.18%)を10m3ボールミルで粉砕した。得られた水酸化アルミニウムの平均粒子径(D)は11.8μm、BET比表面積(S)は、2.8m2/gであった。この粉の示差熱分析結果を表1に示す。
比較例3:
比較例2と同様にして得られた水酸化アルミニウムの平均径(D)は、35.1μm,BET比表面積(S)は1.1m2/gであった。この粉の示差熱分析結果を表1に示す。
上記実施例1〜5及び比較例1〜3の水酸化アルミニウムの平均粒子径と示差熱分析結果(各条件における平均質量減少速度)との関係を図1(250℃,15分間保持時の平均質量減少速度WLR250)、図2(200℃,100分間保持時の平均質量減少速度WLR200):図3(昇温速度5℃/minの昇温時250℃到達時の質量減少率WL250)に示す。
実施例1〜5及び比較例1〜3の水酸化アルミニウムについて、平均粒子径と250℃,15分間保持時の平均質量減少速度(WLR250)の関係を示すグラフである。 実施例1〜5及び比較例1〜3の水酸化アルミニウムについて、平均粒子径と200℃,100分間保持時の平均質量減少速度(WLR200)の関係を示すグラフである。 実施例1〜5及び比較例1〜3の水酸化アルミニウムについて、平均粒子径と昇温速度5℃/minの昇温時250℃到達時の質量減少率(WL250)の関係を示すグラフである。

Claims (13)

  1. 平均粒子径D(μm)と、250℃に15分間保持したときの平均質量減少速度WLR250(質量%/min)とが、下記式(1)
    の条件を満たすことを特徴とする水酸化アルミニウム。
  2. 平均粒子径D(μm)、200℃に100分間保持したときの平均質量減少速度WLR200(質量%/min)とが、下記式(2)
    の条件を満たすことを特徴とする水酸化アルミニウム。
  3. 平均粒子径D(μm)と、昇温速度5℃/minで昇温させた際の250℃到達時の質量減少率WL250(%)とが、下記式(3)
    の条件を満たすことを特徴とする水酸化アルミニウム。
  4. 平均粒子径Dが1〜30μmである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウム。
  5. BET比表面積Sが5m2/g以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウム。
  6. Na2Oの含有量が、0.1質量%以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウム。
  7. 比表面積(S)と真密度(ρ)とから下記式(4)
    により算出した球近似粒子径(Dbet)と平均粒子径Dとの比(凝集度)D/Dbetが10以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウム。
  8. D≦20μmであって、45μm以上の粒子の含有量が5質量%以下である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウム。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウムをフィラーとして含む水酸化アルミニウム含有組成物。
  10. 水酸化アルミニウム含有組成物が樹脂組成物である請求項9に記載の水酸化アルミニウム含有組成物。
  11. 水酸化アルミニウム含有樹脂組成物のマトリックス材料が、ゴムまたはプラスチックである請求項10に記載の水酸化アルミニウム含有組成物。
  12. 請求項9乃至11のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウム含有組成物を含む電線。
  13. 請求項9乃至11のいずれか1項に記載の水酸化アルミニウム含有組成物を含むプリント基板。
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