JP2016060840A - 熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、積層板及びプリント配線板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、積層板及びプリント配線板 Download PDF

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浩彰 吉野
Hiroaki Yoshino
浩彰 吉野
真 柳田
Makoto Yanagida
真 柳田
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Abstract

【課題】金属箔との密着性、耐熱性及び難燃性に優れ、さらに誘電特性にも優れた熱硬化性樹脂組成物を提供すること、並びに該熱硬化性樹脂組成物を用いてなる、プリプレグ、積層板及びプリント配線板を提供すること。
【解決手段】1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有する、芳香族炭化水素基含有マレイミド化合物(A)と、1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有する、芳香族炭化水素基非含有マレイミド化合物(B)とを含有する、熱硬化性樹脂組成物。さらには、該熱硬化性樹脂組成物がシート状補強基材に含浸又は塗工されてなるプリプレグ、前記熱硬化性樹脂組成物又は前記プリプレグを用いて形成された積層板、該積層板に配線パターンを形成してなるプリント配線板。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、積層板及びプリント配線板に関する。
熱硬化性樹脂は、その特有な架橋構造が高い耐熱性や寸法安定性を発現するため、電子部品等の高い信頼性を要求される分野において広く使われている。特に銅張積層板や層間絶縁材料においては、近年の高密度化への要求から、微細配線形成のための高い銅箔接着性や、ドリル又は打ち抜きにより穴あけ等の加工をする際の加工性も必要とされる。また近年、鉛フリーはんだによる電子部品の搭載により、従来のものよりも高い耐熱性が必要になってきている。
また、携帯電話に代表される移動体通信機器、その基地局装置、サーバー及びルーター等のネットワーク関連電子機器、並びに大型コンピュータ等では、低損失かつ高速で、大容量の情報を伝送及び処理することが要求されている。大容量の情報を伝送及び処理する場合、電気信号が高周波数の方が、高速に伝送及び処理できる。ところが、電気信号は、基本的に高周波になればなるほど減衰しやすくなる、すなわち、より短い伝送距離で出力が弱くなりやすく、損失が大きくなりやすい性質を有する。したがって、上述の低損失かつ高速という要求を満たすためには、機器に搭載された伝送及び処理を行うプリント配線板自体の特性において、誘電特性(比誘電率及び誘電正接)、特に高周波帯域での誘電特性の向上が強く求められている。
低伝送損失のプリント配線板を得るために、従来、比誘電率及び誘電正接の低いフッ素系樹脂を使用した基板材料が使用されてきた。しかしながら、フッ素系樹脂は一般に溶融温度及び溶融粘度が高く、その流動性が比較的低いため、プレス成形時に高温高圧条件を設定する必要があるという問題点がある。しかも、上記の通信機器、ネットワーク関連電子機器及び大型コンピュータ等に使用される高多層のプリント配線板用途として使用するには、加工性、寸法安定性及び金属めっきとの接着性が不充分であるという問題点がある。
そこで、フッ素系樹脂に替わる、高周波用途に対応するためのプリント配線板用樹脂材料が数々の研究がなされている。その中でも、耐熱性が高く、且つ誘電特性が比較的優れるマレイミド基を含有する樹脂を使用した特許が数多く報告されている。分子内にマレイミド基を2個有するビスマレイミドは、熱を加えられることにより、分子同士で自己重合することで高い耐熱性を有した樹脂を形成することが知られている。
例えば、特許文献1では、ビスマレイミド基を有する硬化剤、ジシアンジアミド及び特定の機能性樹脂を用いることによって、耐熱性、耐湿性、難燃性、比誘電率及び誘電正接の全てにおいてバランスのとれた積層板が開示されている。
特開2008−111096号公報
しかし、特許文献1では、2個のマレイミド基の間に芳香族炭化水素基を有するビスマレイミド化合物のみが使用されており、近年の基板の高速応答性に対応するには比誘電率及び誘電正接等の誘電特性が必ずしも満足のいくものとはなっておらず、さらなる誘電特性の向上が求められている。
そこで本発明の課題は、金属箔との密着性、耐熱性及び難燃性に優れ、さらに誘電特性にも優れた熱硬化性樹脂組成物を提供すること、並びに該熱硬化性樹脂組成物を用いてなる、プリプレグ、積層板及びプリント配線板を提供することにある。
本発明者らは検討を進めた結果、芳香族炭化水素基含有マレイミド化合物と特定のマレイミド化合物とを併用することで、前記課題が解決し、金属箔との密着性、耐熱性及び難燃性に優れ、さらに誘電特性にも優れた熱硬化性樹脂組成物が得られることが判明した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
本発明は、次の[1]〜[11]を提供する。
[1]1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有する、芳香族炭化水素基含有マレイミド化合物(A)と、
1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有する、芳香族炭化水素基非含有マレイミド化合物(B)を含有する、熱硬化性樹脂組成物。
[2]芳香族炭化水素基含有マレイミド化合物(A)が下記一般式(A−1)〜(A−4)のいずれかで表される、上記[1]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2016060840
(式中、R1〜R3は、各々独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を示す。X1は、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基、−O−又はスルホニル基を示す。p、q及びrは、各々独立に、0〜4の整数である。nは、0〜10の整数である。)
[3]芳香族炭化水素基非含有マレイミド化合物(B)が、1分子中に2個のN−置換マレイミド基を有し、2個のN−置換マレイミド基の間に存在する基が炭素数1〜15の脂肪族炭化水素基である、上記[1]又は[2]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[4]芳香族炭化水素基非含有マレイミド化合物(B)が下記一般式(B−1)又は(B−2)で表される、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物。
Figure 2016060840
(式中、X2は、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を示す。R4及びR5は、各々独立に、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基を示す。s及びtは、各々独立に、0〜2の整数である。)
[5]芳香族炭化水素基含有マレイミド化合物(A)と芳香族炭化水素基非含有マレイミド化合物(B)の含有比率[(A)/(B)]が、モル比で0.5〜5である、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[6]さらに、1分子中に2個の第1級アミノ基を有するジアミン化合物(C)を含有する、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[7]さらに、1分子中に1個のアミノ基と1個以上のヒドロキシル基を有するアミノヒドロキシ化合物(D)を含有する、上記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[8]さらに、硬化促進剤(E)、エポキシ樹脂(F)、無機充填剤(G)及び難燃剤(H)から選択される少なくとも1つを含有する、上記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[9]上記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物が、シート状補強基材に含侵又は塗工されてなるプリプレグ。
[10]絶縁樹脂層を有する積層板であって、該絶縁樹脂層が上記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の熱硬化性樹脂組成物又は上記[9]に記載のプリプレグを用いて形成された積層板。
[11]上記[10]に記載の積層板に配線パターンを形成してなるプリント配線板。
本発明によると、金属箔との密着性、耐熱性及び難燃性に優れ、さらに誘電特性にも優れた熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。さらに、該熱硬化性樹脂組成物を用いてなるプリプレグ、積層板及びプリント配線板を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[熱硬化性樹脂組成物]
本発明は、1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有する、芳香族炭化水素基含有マレイミド化合物(A)[以下、マレイミド化合物(A)と略称する]と、
1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有する、芳香族炭化水素基非含有マレイミド化合物(B)[以下、マレイミド化合物(B)と略称する]とを含有する、熱硬化性樹脂組成物である。
(マレイミド化合物(A))
マレイミド化合物(A)は、1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有し、複数のマレイミド基のうちの任意の2個のマレイミド基の間に、芳香族炭化水素基を含有するものである。任意に選択した2つのマレイミド基の組み合わせのいずれかの間に芳香族炭化水素基を含有していればよい。
マレイミド化合物(A)としては、金属箔との密着性、耐熱性及び難燃性の観点から、1分子中に2個〜5個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物が好ましい。さらに、マレイミド化合物(A)としては、金属箔との密着性、耐熱性及び難燃性の観点から、下記一般式(A−1)〜(A−4)のいずれかで表されるマレイミド化合物であることがより好ましい。
Figure 2016060840
上記式中、R1〜R3は、各々独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を示す。X1は、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基、−O−又はスルホニル基を示す。p、q及びrは、各々独立に、0〜4の整数である。nは、0〜10の整数である。
1〜R3が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。該脂肪族炭化水素基としては、金属箔との密着性、耐熱性及び難燃性の観点から、好ましくは炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基である。
1が示す炭素数1〜5のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、1,2−ジメチレン基、1,3−トリメチレン基、1,4−テトラメチレン基、1,5−ペンタメチレン基等が挙げられる。該アルキレン基としては、金属箔との密着性、耐熱性及び難燃性の観点から、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基であり、より好ましくはメチレン基である。
1が示す炭素数2〜5のアルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基、イソペンチリデン基等が挙げられる。これらの中でも、金属箔との密着性、耐熱性及び難燃性の観点から、イソプロピリデン基が好ましい。
1としては、上記選択肢の中でも、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基が好ましい。より好ましいものは前述の通りである。
p、q及びrは、各々独立に、0〜4の整数であり、入手容易性の観点から、いずれも、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0又は1、さらに好ましくは0である。
nは、0〜10の整数であり、入手容易性の観点から、好ましくは0〜5、より好ましくは0〜3である。特に、式(A−3)で表されるマレイミド化合物は、n=0〜3の混合物であることが好ましい。
マレイミド化合物(A)としては、例えば、4,4'−ジフェニルメタンビスマレイミド、ポリフェニルメタンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド、3,3−ジメチル−5,5'−ジエチル−4,4'−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド等が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性の観点からは、4,4'−ジフェニルメタンビスマレイミド、ポリフェニルメタンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミドが好ましい。これらは、反応性が高いために高耐熱性が期待できる。また、有機溶剤への溶解性という観点からは、ポリフェニルメタンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミドが好ましく、製造コストの観点からは、4,4'−ジフェニルメタンビスマレイミドが好ましい。
マレイミド化合物(A)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(マレイミド化合物(B))
マレイミド化合物(B)は、1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有し、分子中に芳香族炭化水素基を有しないマレイミド化合物である。なお、任意に選択した2つのマレイミド基の組み合わせのいずれの間にも芳香族炭化水素基を含有しない。
マレイミド化合物(B)は、1分子中に2個のN−置換マレイミド基を有し、2個のN−置換マレイミド基の間に存在する基が炭素数1〜15の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。また、下記一般式(B−1)又は(B−2)で表されるビスマレイミド化合物であることがより好ましい。
Figure 2016060840
上記式中、X2は、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を示す。R4及びR5は、各々独立に、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基を示す。s及びtは、各々独立に、0〜2の整数である。
2が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、1,1−エチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロパンジイル基、1,4−ブタンジイル基、1,5−ペンタンジイル基等が挙げられる。該脂肪族炭化水素基としては、金属箔との密着性、耐熱性、難燃性及び誘電特性の観点から、炭素数2〜4の脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数3の脂肪族炭化水素基がより好ましく、1,3−プロパンジイル基がさらに好ましい。
4及びR5が示す炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。これらの中でも、金属箔との密着性、耐熱性、難燃性及び誘電特性の観点から、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
s及びtは0〜2の整数であり、金属箔との密着性、耐熱性、難燃性及び誘電特性の観点から、それぞれ、好ましくは1又は2であり、sが2であり且つtが1であることがより好ましい。
マレイミド化合物(B)としては、例えば、1,1−メチレンビスマレイミド、1,2−エチレンビスマレイミド、1,3−プロピレンビスマレイミド、1,4−ブチレンビスマレイミド、1,5−ペンチレンビスマレイミド、1,6−ヘキシレンビスマレイミド、1,6−(2,2−ジメチル)ヘキシレンビスマレイミド、1,6−(2,2−ジメチル−4−メチル)ヘキシレンビスマレイミド等が挙げられる。これらの中でも、金属箔との密着性、耐熱性、難燃性及び誘電特性の観点から、1,3−プロピレンビスマレイミド、1,6−(2,2−ジメチル−4−メチル)ヘキシレンビスマレイミドが好ましい。
マレイミド化合物(B)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(マレイミド化合物(A)とマレイミド化合物(B)の含有比率)
マレイミド化合物(A)とマレイミド化合物(B)の含有比率[(A)/(B)]は、モル比で、好ましくは0.5〜5である。該比率が0.5以上であることで、金属箔との密着性、耐熱性及び難燃性が優れ、5以下であることで、誘電特性が優れる。同様の観点から、該比率は、より好ましくは0.5〜4、さらに好ましくは0.5〜2、特に好ましくは0.8〜1.25である。
(ジアミン化合物(C))
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、1分子中に2個の第1級アミノ基を有するジアミン化合物(C)[ジアミン化合物(C)と略称することがある]を含有していてもよく、また、該ジアミン化合物(C)を含有していることが好ましい。
ジアミン化合物(C)としては、金属箔との密着性、耐熱性及び難燃性及び誘電特性の観点から、下記一般式(C−1)〜(C−3)のいずれかで表されるジアミン化合物であることが好ましく、下記一般式(C−1)又は(C−3)で表されるジアミン化合物であることがより好ましく、下記一般式(C−1)で表されるジアミン化合物であることがさらに好ましい。
Figure 2016060840
上記式中、X3は、単結合、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基、−O−、スルホニル基、ケト基、フルオレンジイル基又はフェニレンジオキシ基を示す。R6及びR7は、各々独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、メトキシ基又は水酸基を示す。u及びvは、各々独立に、0〜4の整数である。
4〜X6は、各々独立に、単結合、炭素数1〜5のアルキレン基、イソプロピリデン基、−O−又はスルホニル基を示す。
3が示す炭素数1〜5のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、1,2−ジメチレン基、1,3−トリメチレン基、1,4−テトラメチレン基、1,5−ペンタメチレン基等が挙げられる。該アルキレン基としては、金属箔との密着性、耐熱性、難燃性及び誘電特性の観点から、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基であり、より好ましくはメチレン基である。
3が示す炭素数2〜5のアルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基、イソペンチリデン基等が挙げられる。これらの中でも、金属箔との密着性、耐熱性、難燃性及び誘電特性の観点から、イソプロピリデン基が好ましい。
3が示すフルオレンジイル基としては、例えば、フルオレン−1,8−ジイル基、フルオレン−1,7−ジイル基、フルオレン−1,6−ジイル基、フルオレン−1,5−ジイル基、フルオレン−2,7−ジイル基、フルオレン−2,6−ジイル基、フルオレン−2,5−ジイル基、フルオレン−3,6−ジイル基、フルオレン−3,5−ジイル基、フルオレン−4,5−ジイル基等が挙げられる。
3が示すフェニレンジオキシ基としては、1,4−フェニレンジオキシ基、1,3−フェニレンジオキシ基、1,2−フェニレンジオキシ基が挙げられる。
3としては、上記選択肢の中でも、炭素数1〜5のアルキレン基、−O−、スルホニル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基、スルホニル基がより好ましい。
6及びR7が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。該脂肪族炭化水素基としては、金属箔との密着性、耐熱性、難燃性及び誘電特性の観点から、好ましくは炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、さらに好ましくはメチル基である。
u及びvは0〜4の整数であり、金属箔との密着性、耐熱性、難燃性及び誘電特性の観点から、それぞれ、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0又は1、さらに好ましくは0である。
4〜X6が示す炭素数1〜5のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、1,2−ジメチレン基、1,3−トリメチレン基、1,4−テトラメチレン基、1,5−ペンタメチレン基等が挙げられる。該アルキレン基としては、金属箔との密着性、耐熱性、難燃性及び誘電特性の観点から、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基である。
4〜X6としては、上記選択肢の中でも、それぞれ好ましくはイソプロピリデン基である。
ジアミン化合物(C)としては、例えば、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルケトン、ベンジジン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジヒドロキシベンジジン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンジアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン等が挙げられる。
これらの中でも、特に金属箔との密着性及び誘電特性の観点からは、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼン、1,4−ビス[1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル]ベンゼンが好ましく、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホンがより好ましい。また、製造コストの観点からは、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテルが好ましい。
ジアミン化合物(C)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物がジアミン化合物(C)を含有する場合、その含有量は、特に制限されるものではないが、マレイミド化合物(A)とマレイミド化合物(B)の合計1モルに対して、反応性の観点から、0.1モル以上であることが好ましく、0.15モル以上であることがより好ましい。また、ジアミン化合物(C)の含有量は、耐熱性及び誘電特性の観点から、マレイミド化合物(A)とマレイミド化合物(B)の合計1モルに対して、0.35モル以下であることが好ましく、0.3モル以下であることがより好ましく、0.27モル以下であることがさらに好ましい。ゆえに、ジアミン化合物(C)の含有量は、マレイミド化合物(A)とマレイミド化合物(B)の合計1モルに対して、好ましくは0.1〜0.35モル、より好ましくは0.15〜0.35モル、さらに好ましくは0.15〜0.30モル、特に好ましくは0.15〜0.27モルである。
(アミノヒドロキシ化合物(D))
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、1分子中に1個のアミノ基と1個以上のヒドロキシル基を有するアミノヒドロキシ化合物(D)[アミノヒドロキシ化合物(D)と略称することがある]を含有していてもよく、また、該アミノヒドロキシ化合物(D)を含有していることが好ましい。
アミノヒドロキシ化合物(D)としては、金属箔との密着性、耐熱性、難燃性及び誘電特性の観点から、下記一般式(D−1)又は(D−2)で表されるアミノヒドロキシ化合物であることが好ましく、下記一般式(D−1)で表されるアミノヒドロキシ化合物であることがより好ましい。
Figure 2016060840
上記式中、R8〜R10は、各々独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基、メトキシ基又は水酸基を示す。w〜yは、各々独立に、0〜4の整数である。
また、X7は、単結合、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基、−O−、スルホニル基、ケト基、フルオレンジイル基又はフェニレンジオキシ基を示す。
8〜R10が示す炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。該脂肪族炭化水素基としては、金属箔との密着性、耐熱性、難燃性及び誘電特性の観点から、好ましくは炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、さらに好ましくはメチル基である。
w〜yは、各々独立に、0〜4の整数であり、入手容易性の観点から、いずれも、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0又は1、さらに好ましくは0である。
7が示す炭素数1〜5のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、1,2−ジメチレン基、1,3−トリメチレン基、1,4−テトラメチレン基、1,5−ペンタメチレン基等が挙げられる。該アルキレン基としては、金属箔との密着性、耐熱性、難燃性及び誘電特性の観点から、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基である。
7が示す炭素数2〜5のアルキリデン基としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、ブチリデン基、イソブチリデン基、ペンチリデン基、イソペンチリデン基等が挙げられる。これらの中でも、金属箔との密着性、耐熱性、難燃性及び誘電特性の観点から、イソプロピリデン基が好ましい。
アミノヒドロキシ化合物(D)としては、例えば、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、4−アミノ−3−メチルフェノール、4−アミノ−2,3−ジメチルフェノール等が挙げられる。これらの中でも、反応性及び製造コストの観点から、p−アミノフェノール、m−アミノフェノールが好ましく、p−アミノフェノールがより好ましい。
アミノヒドロキシ化合物(D)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物がアミノヒドロキシ化合物(D)を含有する場合、その含有量は、特に制限されるものではないが、マレイミド化合物(A)とマレイミド化合物(B)の合計1モルに対して、反応性の観点から、0.05モル以上であることが好ましく、0.08モル以上であることがより好ましい。また、アミノヒドロキシ化合物(D)の含有量は、耐熱性及び誘電特性の観点から、マレイミド化合物(A)とマレイミド化合物(B)の合計1モルに対して、0.2モル以下であることが好ましく、0.15モル以下であることがより好ましい。ゆえに、アミノヒドロキシ化合物(D)の含有量は、マレイミド化合物(A)とマレイミド化合物(B)の合計1モルに対して、好ましくは0.05〜0.20モル、より好ましくは0.08〜0.20モル、さらに好ましくは0.08〜0.15モルである。
(その他の成分)
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、硬化促進剤(E)、エポキシ樹脂(F)、無機充填剤(G)、難燃剤(H)、機能性樹脂、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、密着性向上剤及び有機溶剤等を含有していてもよい。これらのうちの1種を含有していてもよいし、2種以上を含有していてもよい。本発明の熱硬化性樹脂組成物にこれらの材料を適切に配合することにより、積層板に用いられるプレプリグや絶縁層の諸特性を向上させることができる。
特に、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤(E)、エポキシ樹脂(F)、無機充填剤(G)及び難燃剤(H)から選択される少なくとも1つを含有することが好ましく、硬化促進剤(E)、エポキシ樹脂(F)、無機充填剤(G)及び難燃剤(H)を全て含有することがより好ましい。
(硬化促進剤(E))
硬化促進剤(E)としては、イミダゾール化合物及びその誘導体、第三級アミン及び第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、金属箔との密着性、耐熱性及び難燃性の観点から、イミダゾール化合物及びその誘導体が好ましい。
イミダゾール化合物及びその誘導体の具体例としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−1−メチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−エチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−エチル−4'−メチルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン等のイミダゾール化合物;前記イミダゾール化合物とトリメリト酸との付加反応物;前記イミダゾール化合物とイソシアヌル酸との付加反応物;前記イミダゾール化合物と臭化水素酸との付加反応物;前記イミダゾール化合物とエポキシ樹脂との付加反応物などが挙げられる。これらの中でも、イミダゾール化合物とエポキシ樹脂との付加反応物が好ましく、2−フェニルイミダゾールとエポキシ樹脂との付加反応物がより好ましく、2−フェニルイミダゾールとビスフェノールA型エポキシ樹脂との付加反応物がさらに好ましい。
第三級アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラプロピルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
硬化促進剤(E)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物における硬化促進剤(E)の含有量は、金属箔との密着性、耐熱性及び難燃性の観点から、マレイミド化合物(A)、マレイミド化合物(B)、ジアミン化合物(C)及びアミノヒドロキシ化合物(D)の合計100質量部に対して、好ましくは0〜7質量部、より好ましくは0〜5質量部、さらに好ましくは1〜5質量部、特に好ましくは1〜3質量部である。
(エポキシ樹脂(F))
エポキシ樹脂(F)としては、耐熱性の観点から、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が好ましい。ここで、エポキシ樹脂は、グリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂、グリシジルアミンタイプのエポキシ樹脂、グリシジルエステルタイプのエポキシ樹脂等に分類される。これらの中でも、グリシジルエーテルタイプのエポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂は、主骨格の違いによっても種々のエポキシ樹脂に分類分けされ、上記それぞれのタイプのエポキシ樹脂において、さらに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂などに分類分けされる。
これらの中でも、金属箔との密着性、耐熱性、難燃性及び誘電特性の観点から、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。特に難燃性及び誘電特性の観点からは、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましく、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂がさらに好ましい。
エポキシ樹脂(F)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物におけるエポキシ樹脂(F)の含有量は、金属箔との密着性、耐熱性、難燃性及び誘電特性の観点から、マレイミド化合物(A)、マレイミド化合物(B)、ジアミン化合物(C)及びアミノヒドロキシ化合物(D)の合計100質量部に対して、好ましくは0〜50質量部、より好ましくは0〜40質量部、さらに好ましくは5〜40質量部、特に好ましくは20〜40質量部である。
(無機充填剤(G))
本発明の熱硬化性樹脂組成物に無機充填剤(G)を含有させることにより、熱膨張率を低減し、弾性率を高め、且つ耐熱性及び難燃性等を向上させることができる。無機充填剤(G)としては、例えば、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク、ガラス短繊維、ガラス微粉末、中空ガラス、炭酸カルシウム、石英粉末等が挙げられる。これらの中でも、金属箔との密着性、耐熱性及び難燃性の観点から、シリカ、アルミナ、マイカ、タルクが好ましく、高放熱性を有するという観点から、シリカ、アルミナがより好ましい。シリカとしては、例えば、湿式法で製造され含水率の高い沈降シリカと、乾式法で製造され結合水等をほとんど含まない乾式法シリカが挙げられ、乾式法シリカとしてはさらに、製造法の違いにより破砕シリカ、フュームドシリカ、溶融シリカ(溶融球状シリカ)が挙げられる。
無機充填剤(G)として溶融シリカを用いる場合、その平均粒子径に特に制限はないが、好ましくは0.1〜10μm、より好ましくは0.3〜8μmである。溶融シリカの平均粒子径を0.1μm以上にすることで、高充填した際の流動性を良好に保つことができ、また、10μm以下にすることで、粗大粒子の混入確率を減らして粗大粒子に起因する不良の発生を抑えることができる。ここで、平均粒子径とは、粒子の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めた時、ちょうど体積50%に相当する点の粒子径のことであり、レーザ回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。
無機充填剤(G)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物における無機充填剤(G)の含有量は、熱膨張率を低減し、弾性率を高め、且つ耐熱性及び難燃性等を向上させる観点から、マレイミド化合物(A)、マレイミド化合物(B)、ジアミン化合物(C)及びアミノヒドロキシ化合物(D)の合計100質量部に対して、好ましくは0〜200質量部、より好ましくは50〜170質量部、さらに好ましくは80〜150質量部、特に好ましくは90〜140質量部である。
(難燃剤(H))
本発明の熱硬化性樹脂組成物に難燃剤(H)を含有させることにより、難燃性を向上させることができる。下記の難燃剤を用いることにより、金属箔との密着性、耐熱性、高弾性率及び低熱膨張率性等の諸特性の低下が少なく、高難燃性を付与することができる。このような難燃剤(H)としては、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム等の金属水和物;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジル−2,6−キシレニルホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)等のリン酸エステル系化合物;ホスファゼン;赤リン等のリン系難燃剤;三酸化アンチモン、モリブデン酸亜鉛等の無機難燃助剤などが挙げられる。難燃剤(H)は、臭素、塩素等のハロゲンを含有しない非ハロゲン系難燃剤であることが、近年の環境問題の観点から好ましい。
難燃剤(H)としては、熱硬化性樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が高くなり、且つ高い誘電特性を発現するという観点から、金属水和物、リン酸エステル系化合物が好ましく、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、トリフェニルホスフェート、1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)がより好ましく、1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)がさらに好ましい。
難燃剤(H)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物における難燃剤(H)の含有量は、金属箔との密着性、耐熱性及び誘電特性を損なわずに難燃性を向上させるという観点から、マレイミド化合物(A)、マレイミド化合物(B)、ジアミン化合物(C)及びアミノヒドロキシ化合物(D)の合計100質量部に対して、好ましくは0〜50質量部、より好ましくは0〜40質量部、さらに好ましくは5〜40質量部、特に好ましくは20〜40質量部である。
(機能性樹脂)
本発明の熱硬化性樹脂組成物に機能性樹脂を含有させることにより、誘電特性を向上させることができる。該機能性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリスチレン無水マレイン酸樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブタジエン、アクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン等が挙げられる。機能性樹脂は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物における機能性樹脂の含有量は、誘電特性の観点から、マレイミド化合物(A)、マレイミド化合物(B)、ジアミン化合物(C)及びアミノヒドロキシ化合物(D)の合計100質量部に対して、好ましくは0〜100質量部、より好ましくは0〜50質量部、さらに好ましくは0〜20質量部である。
(紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、密着性向上剤)
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、スチレン化フェノール系酸化防止剤等が挙げられる。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ベンジルケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤等が挙げられる。蛍光増白剤としては、例えば、スチルベン誘導体等が挙げられる。密着性向上剤としては、例えば、尿素シラン等の尿素化合物、及びシランカップリング剤等が挙げられる。
これらはいずれも、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物がこれらの成分を含有する場合、それぞれの成分の含有量に特に制限はなく、本発明の効果を損なわない程度であればよい。
(有機溶剤)
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、希釈することによって取り扱いを容易にするという観点及び後述するプリプレグを製造し易くする観点から、有機溶剤を含有させてワニスの状態にしてもよく、またワニスの状態にすることが好ましい。
該有機溶剤としては、特に制限されないが、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等のアミド系溶剤を含む、窒素原子含有溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤を含む硫黄原子含有溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤を含むエステル系溶剤などが挙げられる。
これらの中でも、溶解性の観点から、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、窒素原子含有溶剤が好ましく、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましく、揮発性が高くプリプレグの製造時に残溶剤として残り難いという観点から、ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンがさらに好ましく、シクロヘキサノンが特に好ましい。
有機溶剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物における有機溶剤の含有量は、熱硬化性樹脂組成物の取り扱いが容易になる程度に適宜調整すればよく、また、ワニスの塗工性が良好となる範囲であれば特に制限はないが、熱硬化性樹脂組成物由来の固形分濃度(有機溶剤以外の成分の濃度)が好ましくは30〜90質量%、より好ましくは40〜80質量%、さらに好ましくは40〜70質量%、特に好ましくは50〜70質量%となるようにする。
[プリプレグ]
本発明のプリプレグは、本発明の熱硬化性樹脂組成物が、シート状補強基材に含浸又は塗工されてなるものである。
本発明のプリプレグは、前記熱硬化性樹脂組成物をシート状補強基材に含浸又は塗工し、加熱等により半硬化(Bステージ化)させて製造することができる。プリプレグのシート状補強基材としては、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。シート状補強基材の材質としては、Eガラス、Dガラス、Sガラス及びQガラス等の無機物繊維;ポリイミド、ポリエステル及びテトラフルオロエチレン等の有機繊維;これらの混合物などが挙げられる。これらのシート状補強基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット又はサーフェシングマット等の形状を有する。なお、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、1種を単独で使用してもよいし、必要に応じて、2種以上の材質及び形状を組み合わせることもできる。
熱硬化性樹脂組成物をシート状補強基材に含浸又は塗工させる方法としては、次のホットメルト法又はソルベント法が好ましい。
ホットメルト法は、熱硬化性樹脂組成物に有機溶剤を含有させず、(1)該組成物との剥離性の良い塗工紙に一旦コーティングし、それをシート状補強基材にラミネートする方法、又は(2)ダイコーターによりシート状補強基材に直接塗工する方法である。
一方、ソルベント法は、熱硬化性樹脂組成物に有機溶剤を含有させてワニスを調製し、該ワニスにシート状補強基材を浸漬して、ワニスをシート状補強基材に含浸させ、その後、乾燥させる方法である。
シート状補強基材の厚さは、特に制限されず、例えば、約0.03〜0.5mmを使用することができ、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性、耐湿性及び加工性の観点から好ましい。該基材に対する熱硬化性樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率(つまり、熱硬化性樹脂組成物由来の固形分含有量)が20〜90質量%となるように、基材に含浸又は塗工した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させて、本発明のプリプレグを得ることができる。
該プリプレグは、1枚を用いるか、又は好ましくは2〜20枚を重ね合わせて用いる。
[積層板]
本発明の積層板は、絶縁樹脂層を有する積層板であって、該絶縁樹脂層が前記熱硬化性絶縁樹脂組成物又は前記プリプレグを用いて形成された積層板である。
例えば、前記プリプレグを1枚用いるか又は2〜20枚重ね、その片面又は両面に金属箔を配置した構成で積層成形することにより製造することができる。
金属箔の金属としては、電気絶縁材料用途で用いられるものであれば特に制限されないが、導電性の観点から、好ましくは、銅、金、銀、ニッケル、白金、モリブデン、ルテニウム、アルミニウム、タングステン、鉄、チタン、クロム、又はこれらの金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金であることが好ましく、銅、アミルニウムがより好ましく、銅がさらに好ましい。
積層板の成形条件としては、電気絶縁材料用積層板及び多層板の公知の成形手法を適用することができ、例えば、多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、温度100〜250℃、圧力0.2〜10MPa、加熱時間0.1〜5時間で成形することができる。
また、本発明のプリプレグと内層用プリント配線板とを組合せ、積層成形して、多層板を製造することもできる。
金属箔の厚みに特に制限はなく、プリント配線板の用途等により適宜選択できる。金属箔の厚みは、好ましくは0.5〜150μm、より好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは10〜50μm、特に好ましくは1〜30μmである。
なお、金属箔にめっきをすることによりめっき層を形成することも好ましい。
めっき層の金属は、めっきに使用し得る金属であれば特に制限されない。めっき層の金属は、銅、金、銀、ニッケル、白金、モリブデン、ルテニウム、アルミニウム、タングステン、鉄、チタン、クロム、又はこれらの金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金の中から選択されることが好ましい。
めっき方法としては特に制限はなく、公知の方法、例えば電解めっき法、無電解めっき法が利用できる。
本発明のプリント配線板は、本発明の積層板に配線パターンを形成してなるものである。配線パターンを形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、サブトラクティブ法、フルアディティブ法、セミアディティブ法(SAP:Semi Additive Process)又はモディファイドセミアディティブ法(m−SAP:modified Semi Additive Process)等の公知の方法によって配線パターンを形成することができる。
以下、実施例により本発明の説明をする。なお、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
[評価・測定方法]
各実施例及び比較例において、以下の試験方法により各測定を行なった。
(1)銅箔の密着性(銅箔ピール強度)
各例で製造した銅張積層板を、銅エッチング液である過硫酸アンモニウム(三菱ガス化学株式会社製)10質量%溶液に浸漬させることにより、5mm幅の銅箔を形成して評価基板を作製し、引張試験機「オートグラフ AG−100C」(株式会社島津製作所製)を用いて、銅箔の密着性(銅箔ピール強度)を測定した。
値が大きいほど、銅箔との密着性に優れることを示す。
(2)耐熱性
各例で製造した銅張積層板を25mm角に切断してから288℃のはんだ浴に浮かべ、目視によって観察し、基板が膨れるまでの時間を測定した。なお、30分経っても基板の膨張が確認できなかった場合は、「>30」と記した。
数値が大きいほど、耐熱性に優れることを示す。
(3)難燃性
各例で製造した銅張積層板を銅エッチング液である過硫酸アンモニウム(三菱ガス化学株式会社製)10質量%溶液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板から、長さ127mm及び幅12.7mmの試験片を切り出し、該試験片を用いて、UL94の試験法(V法)に準じて難燃性を試験及び評価した。
つまり、垂直に保持した試験片の下端に20mm炎による10秒間の接炎を2回行なった。評価は、UL94のV法の基準に従って行なった。なお、V−2評価に満たなかった場合には、HBと評価した。
(4)誘電特性(比誘電率Dk、誘電正接Df)
各例で製造した樹脂板を、銅エッチング液である過硫酸アンモニウム(三菱ガス化学株式会社製)10質量%溶液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板から、2mm×85mmの評価基板を作製した。該評価基板をネットワークアナライザ「E8364B」(Aglient Technologies社製)を用い、空洞共振器摂動法により、1GHzでの基板の比誘電率Dk及び誘電正接Dfを測定した。
[製造例1]1,3−プロピレンビスマレイミド〔ビスマレイミド化合物(B−1)〕の製造
温度計、攪拌装置及び還流冷却管付き水分定量器の付いた、加熱及び冷却可能な容積2Lの反応容器に、1,3−ジアミノプロパン50g(0.67mоl)を投入し、トルエン:クロロベンゼン=50:50(体積比)の混合溶媒120gを添加して室温で攪拌し、溶解させた。次に、別の容器内に無水マレイン酸79.3g(0.81mol)を入れ、トルエン130gを添加し、50℃で攪拌して溶解させ、無水マレイン酸含有トルエン溶液を調製した。
上記の1,3−ジアミノプロパンが入っている反応容器を加熱還流させ、そこへ、無水マレイン酸含有トルエン溶液を10時間かけて滴下した。
滴下終了後、還流下で3時間熟成した。この際、反応中にクロロベンゼンとトルエンの混合溶媒と共沸して留出する反応生成水については、共沸液を水吸着材が入ったフラスコへ通すことにより除去した。前記熟成後、反応容器内に残っている溶媒を減圧蒸留して取り除き、下記構造の1,3−プロピレンビスマレイミドを得た。
Figure 2016060840
[製造例2]1,6−(2,2−ジメチル−4−メチル)ヘキシレンビスマレイミド〔ビスマレイミド化合物(B−2)〕の製造
温度計、攪拌装置及び還流冷却管付き水分定量器の付いた、加熱及び冷却可能な容積5Lの反応容器に、1,6−ジアミノ−2,2−ジメチル−4−メチルヘキサン200g(1.26mоl)を投入し、トルエン:クロロベンゼン=50:50(体積比)の混合溶媒300gを添加して室温で攪拌し、溶解させた。次に、別の容器内に無水マレイン酸149g(1.52mol)を入れ、トルエン200gを添加し、50℃で攪拌して溶解させ、無水マレイン酸含有トルエン溶液を調製した。
上記の1,6−ジアミノ−2,2−ジメチル−4−メチルヘキサンが入っている反応容器を加熱還流させ、そこへ、無水マレイン酸含有トルエン溶液を10時間かけて滴下した。
滴下終了後、還流下で3時間熟成した。この際、反応中にクロロベンゼンとトルエンの混合溶媒と共沸して留出する反応生成水については、共沸液を水吸着材が入ったフラスコへ通すことにより除去した。前記熟成後、反応容器内に残っている溶媒を減圧蒸留して取り除き、下記構造の1,6−(2,2−ジメチル−4−メチル)ヘキシレンビスマレイミドを得た。
Figure 2016060840
[実施例1〜5、比較例1〜2]
下記表1に記載の各成分を用い、希釈用の有機溶剤としてシクロヘキサノンを使用して表1に示す配合割合(質量部)で混合し、熱硬化性樹脂組成物由来の固形分濃度(有機溶剤以外の成分の濃度)60質量%のワニス(熱硬化性樹脂組成物)を得た。
次に、該ワニスを厚さ0.1mmのEガラスクロス「WEA3313 105 S136」(日東紡績株式会社製)に含浸塗工し、その後、140℃で3〜4分間加熱乾燥することによりBステージ化し、熱硬化性樹脂組成物由来の固形分含有量が54±2質量%のプリプレグを製造した。
このプリプレグを3枚重ね、18μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力1.5MPa、温度230℃で60分間プレスを行って銅張積層板を製造した。また一方で、プリプレグをビニール袋中で揉み解し、樹脂粉を採取した。該樹脂粉の両面に18μm厚の電解銅箔(YGP−18(日本電解株式会社製)を配置し、圧力1.5MPa、温度230℃で60分間プレスを行い、ガラスクロスを含まない樹脂板(誘電特性評価用)を作製した。
このようにして得られた銅張積層板を用いて、銅箔との密着性(銅箔ピール強度)、耐熱性及び難燃性を評価し、さらに上記樹脂板を用いて誘電特性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2016060840
〔表1中の各成分の説明〕
・マレイミド化合物(A)
BMI:4,4'−ジフェニルメタンビスマレイミド、ケイ・アイ化成株式会社製、前記一般式(A−2)に包含される。
BMI−2300:ポリフェニルメタンマレイミド、大和化成株式会社製、前記一般式(A−3)に包含される。
・マレイミド化合物(B)
それぞれ、製造例1、製造例2で製造したものを用いた。
・ジアミン化合物(C)
4,4'−ジアミノジフェニルメタン:東京化成工業株式会社製、前記一般式(C−1)に包含される。
4,4'−ジアミノジフェニルスルホン:「セイカキュアー(登録商標)S」、セイカ株式会社製、前記一般式(C−1)に包含される。
・アミノヒドロキシ化合物(D)
p−アミノフェノール:イハラケミカル工業株式会社製、前記一般式(D−1)に包含される。
m−アミノフェノール:関東化学株式会社製、前記一般式(D−1)に包含される。
・硬化促進剤(E)
P200−H50:2−フェニルイミダゾールとビスフェノールA型エポキシ樹脂との付加反応物、三菱化学株式会社製
・エポキシ樹脂(F)
HP−7200H:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業株式会社製
・無機充填剤(G)
SC−2050−KC:溶融シリカ、平均粒子径0.5μm、株式会社アドマテックス製
・難燃剤(H)
PX−200:1,3−フェニレンビス(ジ−2,6−キシレニルホスフェート)、大八化学工業株式会社製
表1より、実施例においては、銅箔との密着性、耐熱性及び難燃性と共に誘電特性にも優れたプリプレグ及び積層板が得られた。
これに対して、ビスマレイミド化合物(A)を含有しているがビスマレイミド化合物(B)を含有していない比較例1では、誘電特性で劣り、逆に、ビスマレイミド化合物(B)を含有するがビスマレイミド化合物(A)を含有していない比較例2では、銅箔との密着性及び難燃性が実施例よりも劣る結果となった。
本発明の積層板は、金属箔との密着性、耐熱性及び難燃性に優れ、さらに誘電特性にも優れた熱硬化性樹脂組成物を用いてなるプリプレグを用いて形成されたものであり、電子機器用のプリント配線板、特に多層プリント配線板として有用である。

Claims (11)

  1. 1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有する、芳香族炭化水素基含有マレイミド化合物(A)と、
    1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有する、芳香族炭化水素基非含有マレイミド化合物(B)とを含有する、熱硬化性樹脂組成物。
  2. 芳香族炭化水素基含有マレイミド化合物(A)が下記一般式(A−1)〜(A−4)のいずれかで表される、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2016060840
    (式中、R1〜R3は、各々独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を示す。X1は、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数2〜5のアルキリデン基、−O−又はスルホニル基を示す。p、q及びrは、各々独立に、0〜4の整数である。nは、0〜10の整数である。)
  3. 芳香族炭化水素基非含有マレイミド化合物(B)が、1分子中に2個のN−置換マレイミド基を有し、2個のN−置換マレイミド基の間に存在する基が炭素数1〜15の脂肪族炭化水素基である、請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 芳香族炭化水素基非含有マレイミド化合物(B)が下記一般式(B−1)又は(B−2)で表される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
    Figure 2016060840
    (式中、X2は、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基を示す。R4及びR5は、各々独立に、炭素数1〜3の脂肪族炭化水素基を示す。s及びtは、各々独立に、0〜2の整数である。)
  5. 芳香族炭化水素基含有マレイミド化合物(A)と芳香族炭化水素基非含有マレイミド化合物(B)の含有比率[(A)/(B)]が、モル比で0.5〜5である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. さらに、1分子中に2個の第1級アミノ基を有するジアミン化合物(C)を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. さらに、1分子中に1個のアミノ基と1個以上のヒドロキシル基を有するアミノヒドロキシ化合物(D)を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  8. さらに、硬化促進剤(E)、エポキシ樹脂(F)、無機充填剤(G)及び難燃剤(H)から選択される少なくとも1つを含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物が、シート状補強基材に含浸又は塗工されてなるプリプレグ。
  10. 絶縁樹脂層を有する積層板であって、該絶縁樹脂層が請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物又は請求項9に記載のプリプレグを用いて形成された積層板。
  11. 請求項10に記載の積層板に配線パターンを形成してなるプリント配線板。
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