JP2006142789A - 光情報記録媒体及び情報記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 波長390〜430nmのレーザー光によって記録が可能であり、感度、反射率、変調度などの記録特性に優れた光情報記録媒体を用いることによって、情報の高密度記録が可能な情報記録方法を提供することである。
【解決手段】 下記一般式(1)で表される化合物を配位子とする金属キレート化合物の少なくとも一種を含有する、レーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有することを特徴とする光情報記録媒体。
【化1】
Figure 2006142789

【選択図】 なし

Description

本発明は、レーザー光を用いて情報の記録及び再生が可能な光情報記録媒体及び情報記録方法に関するものである。特に本発明は、波長390〜430nmの範囲から選択される短波長レーザー光を用いて情報を記録するのに適したヒートモード型の光情報記録媒体に関するものである。
従来から、レーザー光によって一回限りの情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知られている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD−R)とも称され、その代表的な構造は透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金などの金属からなる光反射層、更に樹脂製の保護層がこの順に積層状態で設けられている。そして、このCD−Rへの情報の記録は近赤外域のレーザー光(通常は780nm付近の波長のレーザー光)をCD−Rに照射することによって行われ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性が変わることによって、情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光を照射することによって行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することによって情報が再生される。
近年、更に高い記録密度の光情報記録媒体が求められている。このような要望に対しては、追記型デジタル・ヴァーサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。このDVD−Rは、照射されるレーザー光のトラッキングのための案内溝(プレグルーブ)がCD−Rに比べて半分以下(0.74〜0.8μm)と狭く形成された透明な円盤状基板上に、色素からなる記録層、そして通常は該記録層の上に光反射層、そして更に必要によって保護層を設けてなるディスクを二枚、あるいは該ディスクと同じ形状の円盤状保護基板を該記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた構造を有している。DVD−Rへの情報の記録再生は、可視レーザー光(通常は630〜680nmの範囲の波長のレーザー光)を照射することによって行われ、CD−Rより高密度の記録が可能であるとされている。
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も始まっており、画像情報を安価簡便に記録するため大容量な記録媒体の要求が高まっている。DVD−Rは大容量の記録媒体としての地位がある程度までは確保されるものの、将来の要求に対応できる程充分大きな記録容量を有しているとは言えない。そこで、DVD−Rよりも更に短波長のレーザー光を用いることによって記録密度を向上させ、より大きな記録容量を備えた光ディスクの開発が進められている。
従来、有機色素を含む記録層を有する光情報記録媒体において、記録層側から光反射層側に向けて波長530nm以下のレーザー光を照射することによって、情報の記録再生を行う記録再生方法が提案されている(例えば、特許文献1〜16参照。)。
具体的には記録層の色素として、ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチンシアニン色素、ジシアノビニルフェニル骨格色素、クマリン化合物、ナフタロシアニン化合物等を用いた光ディスクに、青色(波長430nm、488nm)または青緑色(波長515nm)のレーザー光を照射することによって情報の記録再生を行う情報記録再生方法が提案されている。
「日経ニューメディア」別冊DVD、1995年 特開平4−74690号公報 特開平7−304256号公報 特開平7−304257号公報 特開平8−127174号公報 特開平11−53758号公報 特開平11−334204号公報 特開平11−334205号公報 特開平11−334206号公報 特開平11−334207号公報 特開2000−43423号公報 特開2000−108513号公報 特開2000−113504号公報 特開2000−149320号公報 特開2000−158818号公報 特開2000−228028号公報 特開2004−90564号公報
本発明者の検討では、上記公報に記載の光ディスクは実用上感度、そして反射率や変調度などの記録特性においては尚充分でないことから、更に改良を要することが判明した。
本発明の課題は、CD−RやDVD−Rよりも更に短波長のレーザー光、特に波長390〜430nm、とりわけ汎用性の高い波長400〜410nmの半導体レーザー光によって記録再生が可能であり、且つ優れた記録特性を有する光情報記録媒体を提供することである。また、本発明の課題は、短波長レーザー光に対して高い感度を示す色素化合物を含む記録層を設けた光情報記録媒体を用いることによって、情報の高密度記録が可能な情報記録方法を提供することである。
本発明の上記課題は、下記構成により達成された。
(請求項1)
下記一般式(1)で表される化合物を配位子とする金属キレート化合物の少なくとも一種を含有する、レーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有することを特徴とする光情報記録媒体。
Figure 2006142789
(式中、R1は水素原子または置換基を表し、Z1及びZ2は−C(R2)=または−N=を表し、R2は水素原子または置換基を表す。Z1及びZ2がいずれも−C(R2)=を表すとき、2つのR2は同じでも異なっていてもよく、また2つのR2が互いに結合して環を形成してもよい。Aは下記一般式(2)または(3)を表す。)
Figure 2006142789
(式中、X1はアゾ基に結合する炭素原子及び該炭素原子に結合する窒素原子と共に5〜6員の単環の芳香族複素環または縮合した芳香族複素環を形成するのに必要な原子群を表し、これらの芳香族複素環は置換基を有してもよい。)
Figure 2006142789
(式中、X2はアゾ基に結合する炭素原子及び該炭素原子に結合する置換基Gを含んでなる炭素原子と共に5〜6員の単環の芳香族炭素環または芳香族複素環、または縮合した芳香族炭素環または芳香族複素環を形成するのに必要な原子群を表し、これらの芳香族炭素環または芳香族複素環は更に置換基を有してもよい。Gはキレート化可能な基を表し、GはX2と結合して環を形成してもよい。)
(請求項2)
前記レーザー光照射が波長390〜430nmの範囲から選択されることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
(請求項3)
前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種と金属イオン含有化合物との混合物を含有する、レーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有することを特徴とする光情報記録媒体。
(請求項4)
前記レーザー光照射が波長390〜430nmの範囲から選択されることを特徴とする請求項3に記載の光情報記録媒体。
(請求項5)
請求項1〜4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体に波長390〜430nmの範囲から選択されるレーザー光を照射して情報を記録することを特徴とする情報記録方法。
本発明は、記録層に前記一般式(1)で表される化合物を配位子とする金属キレート化合物を用いることによって、波長390〜430nmの短波長のレーザー光に対して高い反射率を示し、且つ高い変調度を与える高感度な光情報記録媒体を得ることができる。従って、CD−RやDVD−Rの場合よりも情報の高密度記録が可能となり、更に大容量の情報の記録が可能な光情報記録媒体を提供することができる。また、短波長レーザー光、特に波長390〜430nmの短波長のレーザー光に対して高い感度を示す前記一般式(1)で表される化合物を配位子とする金属キレート化合物を含む記録層を設けた光情報記録媒体を用いることにより、情報の高密度記録が可能な情報記録方法を提供することができる。
本発明の光情報記録媒体は、レーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有し、該記録層に前記一般式(1)で表される化合物を配位子とする金属キレート化合物の少なくとも一種、または前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種と金属イオン含有化合物との混合物を含有することを特徴とする。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
まず、本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物について詳述する。
一般式(1)において、R1は水素原子または置換基を表す。
1で表される置換基は特に制限はないが、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリフルオロメチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アリール基(例えば、フェニ基、ナフチル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルケニル基(例えば、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、ホスホノ基、アシル基(アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基ベンゼンスルホンアミド基等)、シアノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、複素環オキシ基、シロキシ基、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホン酸基、スルホン酸の塩、アミノカルボニルオキシ基、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基等)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、トルイジノ基、アニシジノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、イミド基、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基ベンゼンスルホンアミド基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、複素環チオ基、チオウレイド基、カルボキシル基、カルボン酸の塩、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げられる。
これらの置換基は、同様の置換基によって更に置換されていてもよい。
1としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基、カルバモイル基、アルコキシ基、アミノ基、及びアルコキシカルボニル基が好ましく、アルキル基が更に好ましく、メチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基が特に好ましく、tert−ブチル基が最も好ましい。
一般式(1)において、Z1及びZ2は−C(R2)=または−N=を表し、R2は水素原子または置換基を表す。R2は水素原子または置換基を表すが、R2で表される置換基は、前記R1と同様の基を挙げることができ、更に同様の置換基によって置換されていてもよい。また、Z1及びZ2がいずれも−C(R2)=を表すとき、2つのR2は同じでも異なっていてもよく、また2つのR2が互いに結合して環を形成してもよい。
2としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基及び複素環基が好ましく、アルキル基が更に好ましい。一般式(1)において、Z1及びZ2は一方が−C(R2)=であり、他方が−N=であるのが好ましい。
一般式(1)において、Aは前記一般式(2)または(3)を表す。
一般式(2)において、X1はアゾ基に結合する炭素原子及び該炭素原子に結合する窒素原子と共に5〜6員の単環の芳香族複素環または縮合した芳香族複素環を形成するのに必要な原子群を表す。該芳香族複素環の具体例として、ピリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、キノリン環、イソキノリン環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾピラゾール環、ベンゾイミダゾール環等の各環を挙げることができる。好ましくはピリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環であり、特に好ましくはトリアゾール環である。これらの環は置換基を有してもよく、置換基としては前記R1と同様の基を挙げることができ、更に同様の置換基によって置換されていてもよい。
一般式(3)において、X2はアゾ基に結合する炭素原子及び該炭素原子に結合する置換基Gを含んでなる炭素原子と共に5〜6員の単環の芳香族炭素環または芳香族複素環、または縮合した芳香族炭素環または芳香族複素環を形成するのに必要な原子群を表す。該芳香族炭素環または芳香族複素環の具体例として、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、キノリン環、イソキノリン環、インドール環等の各環を挙げることができる。好ましくはベンゼン環である。これらの環は置換基を有してもよく、置換基としては前記R1と同様の基を挙げることができ、更に同様の置換基によって置換されていてもよい。
Gはキレート化可能な基を表し、例えば、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アニリノ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、スルファモイル基、スルホンアミド基、カルバモイル基、アミド基、カルボキシ基等の各基を挙げることができる。好ましくは水酸基、アルコキシ基、アミノ基である。GはX2と結合して環を形成してもよく、例えば、キノリン環、テトラヒドロキノリン環、クロマン環、チオクロマン環、ベンゾキナゾロン環、ベンゾチアジアジン環等の各環を形成してもよい。これらの環は置換基を有してもよく、置換基としては前記R1と同様の基を挙げることができ、更に同様の置換基によって置換されていてもよい。
1で表されるアゾ基に結合する炭素原子及び該炭素原子に結合する窒素原子と共に5〜6員の単環の芳香族複素環または縮合した芳香族複素環を形成するのに必要な原子群、及びX2で表されるアゾ基に結合する炭素原子及び該炭素原子に結合する置換基Gを含んでなる炭素原子と共に5〜6員の単環の芳香族炭素環または芳香族複素環、または縮合した芳香族炭素環または芳香族複素環を形成するのに必要な原子群の例として、下記一般式で表されるものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、これらは前記R1と同様の置換基を有していてもよい。
Figure 2006142789
本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(1−a)及び(1−b)で表されるのが好ましい。
Figure 2006142789
3及びR4は水素原子または置換基を表すが、置換基としては前記R1と同様の基を挙げることができ、更に同様の置換基によって置換されていてもよい。R3及びR4としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、及び複素環基が好ましく、アルキル基が更に好ましい。一般式(1−a)及び(1−b)において、R1及びAは、前記一般式(1)におけるR1、Z1及びZ2と同義である。
前記一般式(1)で表される化合物を配位子とする金属キレート化合物は、好ましくは下記一般式(4)で表される。
Figure 2006142789
式中、Mは金属イオンを表し、Lは陰イオンを表し、mは1〜3の整数を表し、nは0〜3の整数を表す。R1、Z1及びZ2は前記一般式(1)におけるR1、Z1及びZ2と同義であり、Aは前記一般式(2)または(3)を表す。
一般式(4)において、Mで表される金属イオンとしては、VIII族、Ib族、IIb族、IIIa族、IVa族、Va族、VIa族、VIIa族の金属原子から選ばれ、好ましくは2価の遷移金属イオンである。具体的にはNi、Cu、Co、Cr、Zn、Fe、Pd、Ptの2価の金属イオンが挙げられ、更に好ましくはNi、Cu、Co、Znの2価の金属イオンが挙げられ、特に好ましくはNiの2価の金属イオンである。
一般式(4)において、Lで表される陰イオンとしては、例えば、エノレート(アセチルアセトナート、ヘキサフルオロアセチルアセトナート)、ハロゲンイオン(フルオライド、クロライド、ブロマイド、アイオダイドなど)、水酸イオン、亜硫酸イオン、硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、アリールスルホン酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、アルキルカルボン酸イオン、アリールカルボン酸イオン、テトラアルキルボレート、サリシネート、ベンゾエート、PF6 -、BF4 -、SbF6 -等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物は、任意の位置で結合して多量体を形成していてもよく、この場合の各単位は互いに同一でも異なっていてもよく、またポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、セルロース等のポリマー鎖に結合していてもよい。
本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物中のアゾ基は、化合物の構造によってアゾ型(−N=N−)及びヒドラゾ型(=N−NH−)を取り得るが、本発明においては、すべてアゾ型で記載している。その他の互変異性体が存在する場合においても、本発明においては代表的な形の一つで記載しているが、本発明の記述と異なる互変異性体も本発明に係る化合物に含まれる。
本発明の光情報記録媒体に用いられる前記一般式(1)で表される化合物を配位子とする金属キレート化合物は、特定の化合物単独で使用してもよく、また構造の異なったものを複数種混合して用いてもよい。また、記録層中の本発明における前記一般式(1)で表される化合物を配位子とする金属キレート化合物の含有量は、記録層全体の乾燥質量に対し、30〜100質量%が好ましく、60〜100質量%が更に好ましく、90〜100質量%が最も好ましい。
更に本発明における記録層には、本発明の効果に影響を与えない範囲で従来の光情報記録媒体に用いることのできる色素を、本発明における前記一般式(1)で表される化合物を配位子とする金属キレート化合物と併用してもよい。また記録層とは別に金属からなる光反射層を具えている。更に記録層とは別に保護層を具えている。基板はその表面にトラックピッチ0.2〜0.5μmのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板であり、記録層が前記プレグルーブが形成された側の表面に設けられていることが好ましい。
以下、前記一般式(1)で表される化合物、及び一般式(4)で表される金属キレート化合物の具体例を示すが、本発明は以下の具体例によって限定されるものではない。
Figure 2006142789
Figure 2006142789
Figure 2006142789
Figure 2006142789
Figure 2006142789
Figure 2006142789
Figure 2006142789
Figure 2006142789
Figure 2006142789
Figure 2006142789
本発明に用いられる上記化合物は、特開平4−164690号、同5−177958号の各公報に記載の合成法により容易に合成することができる。
本発明において、金属イオン含有化合物とは金属イオンの無機または有機の塩及び金属錯体が挙げられる。金属イオンとしては、前記一般式(4)における金属イオンと同様の金属イオンを挙げることができる。具体的にはNi、Cu、Co、Cr、Zn、Fe、Pd、Ptの2価の金属イオンが挙げられ、更に好ましくはNi、Cu、Co、Znの2価の金属イオンが挙げられ、特に好ましくはNiの2価の金属イオンである。無機の塩としてはCl-、ClO4 -、PF6 -、BF4 -などと金属の塩が挙げられ、有機の塩としては酢酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸などの脂肪族と金属の塩、あるいは安息香酸、サリチル酸、トシル酸などの芳香族カルボン酸と金属の塩などが挙げられる。また、金属錯体としては、下記一般式(5)で表されるメタルソースを用いることができる。
一般式(5) [M(P1)m1(P2)m2(P3)m3+ r(Y2-r
式中、Mは金属イオン、P1、P2、P3は各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。これらの配位化合物としては、例えば、キレート科学(5)(南江堂)に記載されている配位化合物から選択することができる。Y2-は有機アニオン基を表し、具体的にはテトラフェニルホウ素アニオンやアルキルベンゼンスルホン酸アニオンなどが挙げることができる。m1は1、2または3の整数を表し、m2は1、2または0を表し、m3は1または0を表すが、これらは前記一般式で表される錯体が4座配位か6座配位かによって決定されるか、あるいはP1、P2、P3の配位子の数によって決定される。rは0、1または2を表す。r=0はPで表される配位化合物がアニオン性化合物であり、Pで表されるアニオン性化合物とMで表される金属カチオンとが電気的に中和された状態であることを意味する。
アニオン性化合物としては下記一般式(6)で表される化合物が好ましい。
Figure 2006142789
11、R13は各々同じであっても異なっていてもよいアルキル基またはアリール基を表し、R12はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、水素原子を表す。R11、R12及びR13は、前記R1で表される置換基と同様の置換基によって置換されていてもよい。
以下に前記金属イオン含有化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006142789
Figure 2006142789
前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種と前記金属イオン含有化合物の混合物とは、その混合比(モル比)に制限はなく、前記一般式(1)で表される化合物:金属イオン含有化合物=1:Xと表す場合、Xは0.01以上を表し、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上を表す。
上記混合物は、有機溶媒に前記一般式(1)で表される化合物を溶解または分散させた溶液に金属イオン含有化合物の粉体または有機溶媒に溶解させた溶液を添加することで作製される。混合物は結晶として単離されてもよく、単離が困難な場合は溶媒を留去してその残査を用いてもよく、その残査を更に別の溶媒に溶解して使用してもよい。
本発明の光情報記録媒体は、基板上に前記一般式(1)で表される化合物を配位子とする金属キレート化合物を含有する記録層を有する。本発明の光情報記録媒体には、種々の構成のものが含まれる。本発明の光情報記録媒体は、一定のトラックピッチのプレグルーブが形成された円盤状基板上に記録層、光反射層及び保護層をこの順に有する構成、あるいは該基板上に光反射層、記録層及び保護層をこの順に有する構成であることが好ましい。また、一定のトラックピッチのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板上に記録層及び光反射層が設けられてなる二枚の積層体が、それぞれの記録層が内側となるように接合された構成も好ましい。
本発明の光情報記録媒体は、より高い記録密度を達成するためにCD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチのプレグルーブが形成された基板を用いることが可能である。本発明の光情報記録媒体の場合、該トラックピッチは0.2〜0.8μmの範囲にあることが好ましく、更に0.2〜0.5μmの範囲にあることが好ましく、特に0.2〜0.4μmの範囲にあることが好ましい。プレグルーブの深さは0.01〜0.18μmの範囲にあることが好ましく、更に0.01〜0.15μmの範囲にあることが好ましく、特に0.02〜0.15μmの範囲にあることが好ましい。隣接するプレグルーブ同士の幅は0.05〜0.4μmの範囲にあることが好ましく、更に0.08〜0.3μmの範囲にあることが好ましく、特に0.1〜0.25μmの範囲にあることが好ましい。
本発明の光情報記録媒体として、円盤状基板上に記録層、光反射層、及び保護層をこの順に有する構成のものを例にとって、以下にその製造方法を説明する。
本発明の光情報記録媒体の基板は、従来の光情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。基板材料としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン及びポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状として、または剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上及び記録層の変質防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;及びシランカップリング剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することによって形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
記録層の形成は蒸着、スパッタリング、CVDまたは溶剤塗布等の方法によって行うことができ、その中でも溶剤塗布が好ましい。この場合、前記色素化合物、更に所望によってクエンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することによって行うことができる。塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;メチルシクロヘキサンなどの炭化水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合に、結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は一般に色素に対して0.01〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層の層厚は一般に0.01〜0.5μmの範囲にあり、好ましくは0.015〜0.3μmの範囲にあり、より好ましくは0.02〜0.1μmの範囲にある。
記録層には、記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。上記褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−81194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同63−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350,399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。好ましい一重項酸素クエンチャーの例としては、下記の一般式(7)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2006142789
但し、R21は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、そしてQ-はアニオンを表す。一般式(7)において、R21は置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基が一般的であり、無置換の炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、F、Cl)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシ)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アルケニル基(例えば、ビニル)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル)を挙げることができる。これらの中で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基が好ましい。Q-のアニオンの好ましい例としては、ClO4 -、AsF6 -、BF4 -、及びSbF6 -を挙げることができる。
一般式(7)で表される化合物例を以下に記載する。
Figure 2006142789
前記一重項酸素クエンチャーなどの褪色防止剤の使用量は、化合物(本発明における前記一般式(1)で表される化合物を配位子とする金属キレート化合物を含む)の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは1〜40質量%の範囲、特に好ましくは2〜25質量%の範囲である。
記録層に隣接して、情報の再生時における反射率の向上の目的で光反射層を設けることが好ましい。光反射層の材料である光反射性物質はレーザー光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくはAu金属、Ag金属、Al金属あるいはこれらの合金であり、最も好ましくはAg金属、Al金属あるいはそれらの合金である。光反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板もしくは記録層の上に形成することができる。光反射層の層厚は一般的には0.01〜0.3μmの範囲にあり、0.05〜0.2μmの範囲にあることが好ましい。
光反射層もしくは記録層の上には、記録層などを物理的及び化学的に保護する目的で保護層を設けることが好ましい。なお、DVD−R型の光情報記録媒体を製造する場合と同様の形態、即ち二枚の基板を記録層を内側にして張り合わせる構成をとる場合は、必ずしも保護層の付設は必要ではない。保護層に用いられる材料の例としては、Zn−SiO2、ZnS、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。保護層は、例えば、プラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して反射層上にラミネートすることによって形成することができる。あるいは、真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。以上の工程によって、基板上に記録層、光反射層そして保護層、あるいは基板上に光反射層、記録層そして保護層が設けられた積層体を製造することができる。
本発明の情報記録方法は、上記光情報記録媒体を用いて、例えば、次のように行われる。まず光情報記録媒体を定線速度(DVD−Rフォーマットの場合は3.84m/秒)または定角速度にて回転させながら、基板側あるいは保護層側から半導体レーザー光などの記録用の光を照射する。この光の照射により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。本発明においては、記録光として390〜430nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザー光が用いられる。好ましい光源としては400〜410nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー光、中心発振波長850nmまたは820nmの赤外半導体レーザー光を光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長がそれぞれ425nmまたは410nmの青紫色SHGレーザー光を挙げることができる。特に記録密度の点で青紫色半導体レーザー光を用いることが好ましい。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザー光を基板側あるいは保護層側から照射して、その反射光を検出することによって行うことができる。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
例示化合物4−1を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、記録層形成用塗布液(濃度:1質量%)を得た。この塗布液を表面にスパイラル状のプレグルーブ(トラックピッチ:0.4μm、グルーブ幅:0.2μm、グルーブの深さ:0.05μm)が射出成形により形成されたポリカーボネート基板(直径:120mm、厚さ:0.6mm)のそのプレグルーブ側の表面にスピンコート法により塗布し、記録層(厚さ(プレグルーブ内):約80nm)を形成した。
次に、記録層上に銀をスパッタして厚さ約100nmの光反射層を形成した。更に光反射層上にUV硬化性樹脂(SD318、大日本インキ化学工業(株)製)を塗布し、紫外線を照射して硬化させ、層厚7μmの保護層を形成した。
以上の工程によって本発明の光情報記録媒体(光ディスク)を得た。
実施例2〜4
実施例1において、例示化合物4−1を表1に示す化合物に変えた(使用量は変更なし)こと以外は同様にして、本発明の光情報記録媒体を製造した。
実施例5
下記の様に、例示化合物1−1と金属イオン含有化合物M−14との混合物(混合物1)を合成し、実施例1において例示化合物4−1を該混合物に変えた(使用量は変更なし)こと以外は同様にして、本発明の光情報記録媒体(光ディスク)を製造した。
(例示化合物1−1と金属イオン含有化合物M−14との混合物(混合物1)の製造方法)
1gの例示化合物1−1をアセトン50mlに溶解し、これに0.9gの金属イオン含有化合物M−14を加えた、加熱還流下1時間反応させた。反応終了後、溶媒を留去することで混合物1を得た。
比較例1〜4
実施例1において、例示化合物4−1を下記に示す比較用色素化合物(A)〜(D)(使用量は変更なし)に変更したこと以外は同様にして、比較用の光情報記録媒体(光ディスク)を製造した。
〔光情報記録媒体(光ディスク)としての評価〕
上記で作製した光ディスクに線速度3.5m/秒で14T−EFM信号を発振波長405nmの青紫色半導体レーザー光を用いて記録した後、記録した信号を再生した。最適パワーでの変調度、グルーブ反射率、及び感度を測定した。記録及び記録特性評価はパルステック工業(株)製DDU1000を用いて行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2006142789
《比較用色素化合物》
(A):特開平4−74690号公報の実施例1に記載の化合物
Figure 2006142789
(B):特開平11−334205号公報の実施例1に記載の化合物
Figure 2006142789
(C):特開2000−43423号公報の実施例9に記載の化合物
Figure 2006142789
(D):特開2000−149320号公報の実施例9に記載の具体例1−1
Figure 2006142789
表1の結果から、本発明に係る前記一般式(4)で表される化合物、及び前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種と金属イオン含有化合物との混合物を含有する記録層を有する光ディスク(実施例1〜5)は、比較用色素化合物(A)〜(D)を含む記録層を有する光ディスク(比較例1〜4)に比べて、上記青紫色半導体レーザー光に対して高い反射率を示し、且つ高い変調度を与え、しかも高感度であることがわかる。即ち、短波長レーザー光に対して高い記録特性を具えた光ディスクが得られることがわかる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物を配位子とする金属キレート化合物の少なくとも一種を含有する、レーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有することを特徴とする光情報記録媒体。
    Figure 2006142789
    (式中、R1は水素原子または置換基を表し、Z1及びZ2は−C(R2)=または−N=を表し、R2は水素原子または置換基を表す。Z1及びZ2がいずれも−C(R2)=を表すとき、2つのR2は同じでも異なっていてもよく、また2つのR2が互いに結合して環を形成してもよい。Aは下記一般式(2)または(3)を表す。)
    Figure 2006142789
    (式中、X1はアゾ基に結合する炭素原子及び該炭素原子に結合する窒素原子と共に5〜6員の単環の芳香族複素環または縮合した芳香族複素環を形成するのに必要な原子群を表し、これらの芳香族複素環は置換基を有してもよい。)
    Figure 2006142789
    (式中、X2はアゾ基に結合する炭素原子及び該炭素原子に結合する置換基Gを含んでなる炭素原子と共に5〜6員の単環の芳香族炭素環または芳香族複素環、または縮合した芳香族炭素環または芳香族複素環を形成するのに必要な原子群を表し、これらの芳香族炭素環または芳香族複素環は更に置換基を有してもよい。Gはキレート化可能な基を表し、GはX2と結合して環を形成してもよい。)
  2. 前記レーザー光照射が波長390〜430nmの範囲から選択されることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種と金属イオン含有化合物との混合物を含有する、レーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有することを特徴とする光情報記録媒体。
  4. 前記レーザー光照射が波長390〜430nmの範囲から選択されることを特徴とする請求項3に記載の光情報記録媒体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体に波長390〜430nmの範囲から選択されるレーザー光を照射して情報を記録することを特徴とする情報記録方法。
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