JP2004291244A - 光情報記録媒体および新規化合物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の主たる課題は、レーザーによって記録再生が可能であり、優れた記録特性を有する光情報記録媒体を提供することである。
【解決手段】基板上にレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層が下記一般式(I)で表わされる色素を含有する光情報記録媒体。
【化1】
式(I)中、Aは、結合している炭素原子とともにヘテロ環を形成する原子団を表わし、Bは、結合している炭素原子とともにヘテロ環もしくは芳香環を形成する原子団を表わす。Lは、−CO−もしくは、−SO2−、を表わす。R1は、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基を表わす。
【選択図】 なし
【解決手段】基板上にレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層が下記一般式(I)で表わされる色素を含有する光情報記録媒体。
【化1】
式(I)中、Aは、結合している炭素原子とともにヘテロ環を形成する原子団を表わし、Bは、結合している炭素原子とともにヘテロ環もしくは芳香環を形成する原子団を表わす。Lは、−CO−もしくは、−SO2−、を表わす。R1は、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基を表わす。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光を用いて情報の記録および再生が可能な光情報記録媒体に関するものである。特に本発明は、特定の構造のアゾ色素を含有し、レーザー光を用いて情報を記録するのに適したヒートモード型の光情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知られている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD−R)とも称され、その代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金などの金属からなる光反射層、さらに樹脂製の保護層がこの順に積層状態で設けられている。そしてこのCD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザー光(通常は780nm付近の波長のレーザー光)をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光を照射することにより行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより情報が再生される。
【0003】
近年、記録密度のより高い光情報記録媒体が求められている。このような要望に対して、追記型デジタル・ヴァサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが上市されている。このDVD−Rは、照射されるレーザー光のトラッキングのための案内溝(プレグルーブ)がCD−Rに比べて半分以下(0.74〜0.8μm)と狭く形成された透明な円盤状基板上に、色素からなる記録層、そして通常は該記録層の上に光反射層、そして更に必要により保護層を設けてなるディスクを二枚、あるいは該ディスクと同じ形状の円盤状保護基板とを該記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた構造を有している。DVD−Rへの情報の記録再生は、可視レーザー光(通常は、630nm〜680nmの範囲の波長のレーザー光)を照射することにより行われ、CD−Rより高密度の記録が可能であるとされている。このような光記録材料に使用される色素として、アゾ色素と金属から形成されるアゾ金属キレート色素が開示されている。代表的なものは、下記特許文献1〜7である。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−9577号公報
【特許文献2】
特開昭63−9578号公報
【特許文献3】
特開昭63−9579号公報
【特許文献4】
特開平3−268994号公報
【特許文献5】
特開平8−156408号公報
【特許文献6】
特開平9−277703号公報
【特許文献7】
特開平11−166125号公報
【0005】
また、本発明に用いる色素に良く似た構造の色素が、下記特許文献8〜13に記載されている。ただし、光情報記録媒体用途に関しての記載はない。
【0006】
【特許文献8】
特開2002−129046号
【特許文献9】
特開2001−335712号
【特許文献10】
特開2001−335713号
【特許文献11】
特開2002−220543号
【特許文献12】
特開2002−220542号
【特許文献13】
特開平5−331381
【0007】
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえて、画像情報を安価簡便に記録するための大容量の記録媒体の要求が高まっている。DVD−Rは、大容量の記録媒体としての地位をある程度までは確保されるものの、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量を有しているとは言えない。そこで、DVD−Rよりも更に短波長のレーザー光を用いることによって記録密度を向上させ、より大きな記録容量を備えた光ディスクの開発が進められている。
有機色素を含む記録層を有する光情報記録媒体において、記録層側から光反射層側に向けて波長530nm以下のレーザー光を照射することにより、情報の記録再生を行う記録再生方法が開示されている。具体的には、記録層の色素として、ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチンシアニン色素、ジシアノビニルフェニル骨格色素、クマリン化合物、ナフタロシアニン化合物等を用いた光ディスクに、青色(波長405nm、430nm)又は青緑色(波長515nm)のレーザー光を照射することにより情報の記録再生を行う情報記録再生方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者の検討によれば、上記公報に記載された公知の色素を使用した光ディスクでは反射率や変調度などの記録特性が満足できるレベルではなく、また保存安定性においても充分でないことから更に改良を要することが判明した。
一方、光記録ディスクを安価に製造するためには、色素を溶剤に溶解しインク(塗工液)を調製し、スピンコート法によって塗布して製造する方法が好ましい。しかし、光記録ディスクに使用する色素の溶剤に対する溶解性や溶解安定性が不足していると塗布法による製造が不可能であるといった問題があった。また、ディスク製造時に問題となる色素の塗工性、乾燥負荷の点に問題があった。
本発明者らは、上記の問題が特定の構造のアゾ色素を使用すると解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、本発明の第1の目的は、波長600〜680nmの短波長のレーザー光および/または450nm以下のレーザー光を照射して情報の高密度記録及び再生が可能であり、かつ優れた記録特性を有する光情報記録媒体を提供することにある。
本発明の第2の課題は、光、高温及び高湿度に対して安定な記録層を設計することによって、記録情報の長期保存に耐え得る光情報記録媒体を提供することにある。
第3の目的は、ディスク製造時に問題となる色素溶解性、塗工性、乾燥負荷が改良された色素を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、下記の構成により解決された。
[1]基板上にレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層が下記一般式(I)で表わされる色素を含有することを特徴とする光情報記録媒体。
【0011】
【化5】
【0012】
式(I)中、Aは、結合している炭素原子とともにヘテロ環を形成する原子団を表わし、Bは、結合している炭素原子とともにヘテロ環もしくは芳香環を形成する原子団を表わす。Lは、−CO−または、−SO2−、を表わす。R1は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基を表わす。
[2] 基板上にレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層が下記一般式(I)で表わされる色素と、金属または金属酸化物とから形成される金属アゾキレート色素を含有することを特徴とする光情報記録媒体。
【0013】
【化6】
【0014】
式(I)中、Aは、結合している炭素原子とともにヘテロ環を形成する原子団を表わし、Bは、結合している炭素原子とともにヘテロ環または芳香環を形成する原子団を表わす。Lは、−CO−もしくは、−SO2−、を表わす。R1は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基を表わす。
[3] 金属アゾキレート色素が下記一般式(II)で表される色素と、金属または金属酸化物とから形成される金属アゾキレート色素であることを特徴とする[2]に記載の光情報記録媒体:
【0015】
【化7】
【0016】
一般式(II)中、R1は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のへテロ環基を表わす。Lは、−CO−または、−SO2−を表わす。R2、R3、R4、R5は、各々独立に、水素原子、または置換基を表わす。Aは、結合している炭素原子とともにヘテロ環を形成する原子団を表わす。
[4] 下記一般式(III)で表わされる化合物
【0017】
【化8】
【0018】
一般式(III)中R1は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のへテロ環基を表わす。Lは、−CO−もしくは、−SO2−を表わす。R2、R3、R4、R5は、各々独立に、水素原子、または置換基を表わす。R6、R7は、各々独立に、水素原子又は置換基を表わす。Dは、結合している窒素原子とともに含窒素5員または、含窒素6員のヘテロ環を形成する原子団を表わす。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光情報記録媒体の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
本発明の光情報記録媒体は、基板上にレーザー光の照射により情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、一般式(I)で表わされる特定の構造のアゾ色素、および/または金属アゾキレート色素を含有することを特徴とする光情報記録媒体である。
式(I)中、R1は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のへテロ環基を表わす。更に好ましくは、R1は、アルキル基(炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、i−プロピル、t−ブチル、n−オクチル、n−オクタデシル、2−メトキシエチル、3−クロロプロピル)、アリール基(炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基、例えば、フェニル、ナフチル、o−ヘキサデシルカルボニルフェニル、p−メトキシフェニル、m−クロロフェニル、p−ジエチルアミノフェニル)、ヘテロ環基(炭素数1〜20の置換もしくは無置換のへテロ環基、例えば、2−ピリジル、2−フリル)である。R1は、好ましくは、炭素数1〜20の無置換アルキル基、炭素数6〜20の置換または無置換のアリール基であり、より好ましくは置換アリール基である。
【0021】
Lは、−CO−、−SO2−である。Lは、好ましくは−SO2−である。
Aは、結合している炭素原子と共にヘテロ環を形成する原子団を表わす。好ましくは、窒素原子を含む炭素数1〜20の5員または炭素数2〜20の6員のヘテロ環である。形成する環としては、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、トリアゾール環、チアゾール環が好ましい。Aが形成する環は、ピラゾール環、またはピロール環が好ましい。Aが形成するヘテロ環は、別の環と縮環していても良い。Aは、5員環の方が、6員環より好ましい。
Bは、結合している炭素原子とともにヘテロ環もしくは芳香族環を形成する原子団を表わす。Bで表わされる環が芳香族環の場合、置換または無置換の炭素数6〜20の芳香族環が好ましく、更に好ましくは、炭素数6〜20の置換または無置換のベンゼンが好ましい。
Bで表わされる環がヘテロ環である場合は、置換もしくは無置換の5員ヘテロ環、または置換もしくは無置換の6員のヘテロ環が好ましい。Bで表わされるヘテロ環は、好ましくは窒素原子を1つ以上含む炭素数1〜20の5員のヘテロ環が好ましい。
Bは、芳香族環の方が、ヘテロ環よりも好ましい。
【0022】
一般式(I)で表わされる色素は、R1が炭素数1〜20の置換または無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換または無置換のアリール基であり、Lが−SO2−であり、Aが窒素原子を含む炭素数1〜20の5員、または窒素原子を含む炭素数2〜20の6員のヘテロ環であり、Bが炭素数6〜20の置換または無置換のベンゼンである場合が好ましい。前記の置換基は下記に記載のR2〜R5の置換基が挙げられる。
また、本発明の光情報記録媒体に使用する色素は、一般式(I)で表わされる色素と、金属または金属酸化物とから形成される金属アゾキレート色素を用いることが好ましい。
その場合の一般式(I)のR1、L、A、Bの定義は、上述の一般式(I)のR1、L、A、B色素の定義と同義である。好ましい例は、上述のキレートではない場合と同様である。
金属については、キレート構造をとりうるものは全て好ましい。特に、Ni、Cu、Zn、Al、Ti、Fe、B、Cr、Co等が好ましい。
キレート構造をとる場合、中心金属に対して配位子が不足して安定な錯体を形成できないときは、一般式(I)の色素以外の分子を配位子として加えて安定なキレート色素とすることも好ましい。別に加える配位子は、窒素、酸素、硫黄原子を含有する化合物が好ましい。その中でも、アミン化合物(アニリンを含む)、窒素原子を少なくとも1つ含有するヘテロ環化合物が好ましい。5員または6員の炭素数3〜20のアミン化合物が最も好ましい。
【0023】
金属キレート色素が一般式(II)で表わされる色素と、金属または金属酸化物とから形成される金属アゾキレート色素であるものが更に好ましい。
【0024】
R1 、L、Aは、一般式(I)のR1 と同義である。好ましい例も同様である。R2、R3、R4、R5は、各々独立に、水素原子又は置換基を表わす。置換基は、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
【0025】
更に詳しくは、R2,R3、R4、R5の置換基としては、各々独立に、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
【0026】
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、
【0027】
例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または
【0028】
無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(
【0029】
好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられる。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
R2,R3、R4、R5は、各々好ましくは、水素原子、炭素数1〜20の置換または無置換のアルコキシ基、炭素数1〜20の置換または無置換のアシルアミノ基、炭素数1〜20の置換または無置換のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、シアノ基、または炭素数2〜20の置換アミノ基である。
更に好ましくは、R2、R3、R5は水素原子である。R4は、水素原子、ニトロ基、炭素数2〜20の置換アミノ基、または炭素数1〜20のアルキルスルホニル基である。
【0030】
Aは、結合している炭素原子とともに、ヘテロ環を形成する原子団を表わす。Aは、好ましくは、Aが窒素原子を含む炭素数1〜20の5員または窒素原子を含む炭素数2〜20の6員のヘテロ環が好ましい。
その中でも、Aで形成される構造は、下記一般式(IV)〜(XVII)で表わされる構造が好ましい。
【0031】
【化9】
【0032】
R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22は、各々独立に、水素原子または、置換基である。これらの基の具体例は、一般式(II)のR2,R3、R4、R5で説明したものを挙げることができる。
Aで形成される環構造の中で、好ましいものは、式(IV)、(V)、(VI)である。その中でも、一般式(VI)が最も好ましい。
一般式(VI)中で、R13は好ましくは、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコシキカルボニル基、または炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアミノカルボニル基である。R14は、好ましくはシアノ基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、または炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアミノカルボニル基である。R15は、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基、または炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基である。
特に好ましくは、R13はシアノ基であり、R14は炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基であり、R15は炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、または炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基である。
【0033】
本発明の光情報記録媒体に用いる色素は、一般式(II)で表わされる色素と、金属または金属酸化物とから形成される金属アゾキレート色素を用いることが好ましい。
【0034】
本発明の光情報記録媒体に用いる一般式(I)で表わされる色素は、一般式(III)で表わされる色素であることが好ましい。
一般式(III)について説明する。
R1、L、R2、R3、R4、R5の具体例及び好ましい例は、一般式(II)で表わされる色素について説明したところで述べたものが好ましい。
Dで表わされる原子団は、炭素数1〜20の含窒素5員ヘテロ環、炭素数2〜20の含窒素6員ヘテロ環が好ましい。Dは、炭素数2〜20の置換または無置換のトリアゾール環、炭素数3〜20の置換または無置換のイミダゾール環、炭素数3〜20の置換または無置換のトリアジン環、炭素数4〜20の置換または無置換のピリミジン環が好ましい。更には、炭素数2〜20の置換または無置換のトリアゾール環が好ましい。Dで形成される構造は、一般式(VI)で表わされる構造が特に好ましい。
R6、R7の表わす置換基は、式(II)で表わされる色素のR1についての定義と同義である。好ましくは、シアノ基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、または炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基が好ましい。
R6は、シアノ基が好ましい。R7は炭素数1〜20の置換または無置換のアルコキシカルボニルが好ましい。
【0035】
一般式(III)の色素の好ましい構造は、R1が炭素数1〜20の置換または無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換または無置換のアリール基であり、Lは、−SO2−であり、R2、R3、R4、R5は、各々独立に、水素原子、炭素数2〜20の置換アミノ基、塩素原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシ基、または炭素数1〜20のアルキルスルホニル基であり、R7が炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基であり、R6がシアノ基であり、Dが炭素数2〜20の置換または無置換のトリアゾール環を形成する原子団であるものである。
本発明の光情報記録媒体に使用される色素として最も好ましいものは、一般式(III)で表わされる色素と、金属または、金属酸化物とから形成される金属キレート色素である。
【0036】
金属については、一般式(I)のキレート色素のところで説明したものが好ましい。
該色素は、色素層とされたときの屈折率(n)が、2.10<n<2.50であり、消衰係数(k)が、0.03<k<0.09であるものが好ましい。
屈折率と消衰係数は、回転光子法(エリプソメーター)で容易に計測できる。測定装置としては、J.A.WOOLLAM社の モデルV−VASE−Sが挙げられる。
【0037】
本発明に用いるアゾ色素の具体例を以下に例示する。具体例によって、本発明は制限されない。
【0038】
【化10】
【0039】
【化11】
【0040】
【化12】
【0041】
【化13】
【0042】
【化14】
【0043】
【化15】
【0044】
色素39 色素1のNiキレート
色素40 色素2の亜鉛キレート
色素41 色素5のNiキレート
色素42 色素8のNiキレート
色素43 色素18の亜鉛キレート
色素44 色素21の銅キレート
色素45 色素35のNiキレート
色素46 色素35のTiキレート
色素47 色素35の亜鉛キレート(モルホリンを1分子含む)
【0045】
上記の色素の希薄溶液での吸収極大波長を以下の表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
本発明の色素は、従来公知の合成法に従って合成できる。一般的な合成ルートを示す。合成法は、前述の下記特許文献に記載されている。
特許文献8:特開2002−129046号
特許文献9:特開2001−335712号
特許文献10:特開2001−335713号
特許文献11:特開2002−220543号
特許文献12:特開2002−220542号
【0048】
【化16】
【0049】
上式のR1、R2、R3、R4,R5、L,Aは、本発明の一般式(I)で表わされる色素におけるR1、R2、R3、R4,R5、L,Aと同義である。
反応は、好ましくは、−20℃〜150℃で行うことが好ましく、0℃〜100℃が更に好ましい。20〜60℃が最も好ましい。
反応溶媒は、アルコール系(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)、アミド系(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド)、エステル系(酢酸エチル、酢酸ブチル)、アセトニトリル、炭化水素系(ヘキサン、オクタン)、芳香族系(トルエン、キシレン)が好ましい。その中でも、アルコール系が収率が高い点で、好ましい。
反応に塩基を共存させることが好ましい。塩基は、有機塩基(トリエチルアミン、ピリジン)、無機塩基(炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム)が好ましい。その中でも、有機塩基が好ましい。
【0050】
(合成例1) 化合物32の合成
三口フラスコに、カプラーB 1.03g(1.94mmol)、中間体b0.70g(1.94mmol)、トリエチルアミン0.039g(0.388mmol)、メタノール30mlを加え、内温45℃で4時間反応させた。25℃に冷却し、析出した結晶を濾取した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製を行い、化合物32を0.3g(%)得た。構造は、300MHzの1HNMR及びマススペクトルで確認した。
【0051】
【化17】
【0052】
(合成例2) 化合物35の合成
カプラーB 3.0g(4.75mmol)、トリエチルアミン0.1g(0.95mmol)、中間体c2.48g(4.75mmol)、メタノール40mlを50℃で4時間反応させた。20℃に冷却したところ結晶が析出したので、濾取を行った。メタノールで良く洗浄し、得られた結晶を乾燥して、化合物35を4.07g(収率80.7%)で得た。
化合物の構造は、300MHzの1HNMR及びマススペクトルで確認した。
【0053】
【化18】
【0054】
(合成例3) 化合物47の合成
三口フラスコに、化合物35、1.06g、1.0mmol、Zn(OAc)2・2H2O、0.26g(1.2mmol)、モルホリン、0.087g(1.0mmol)、エタノール 20mlを加え、45℃で2時間反応させた。25℃に冷却し、析出した結晶を濾取した。結晶をエタノールで良く洗浄し、化合物47を0.9g得た。構造は、300MHzの1HNMR及びマススペクトルで確認した。
【0055】
本発明の光記録ディスクには、前述のアゾキレート色素と従来公知の光記録ディスク用の色素を併用しても良い。色素としては、アゾキレート色素、オキソノール色素、シアニン色素、またはフタロシアニン色素が挙げられる。
【0056】
本発明の光情報記録媒体は、基板上に前記の特定の構造のアゾキレート色素含有する記録層を有する。本発明の光情報記録媒体には、種々の構成のものが含まれる。本発明の光情報記録媒体は、一定のトラックピッチのプレグルーブが形成された円盤状基板上に記録層、光反射層および保護層をこの順に有する構成、あるいは該基板上に光反射層、記録層および保護層をこの順に有する構成であることが好ましい。また、一定のトラックピッチのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板上に記録層及び光反射層が設けられてなる二枚の積層体が、それぞれの記録層が内側となるように接合された構成も好ましい。
【0057】
本発明の光情報記録媒体は、DVD−Rに適用する場合には、トラックピッチ0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された、厚さが0.6±0.1mmの透明な円盤状基板の該プレブルーブが設けられた側の表面に記録層が設けられてなる2枚の成層体をそれぞれ記録層が内側となるように接合する。プレグルーブの深さは、0.05〜100μmの範囲にあり、好ましくは、0.1〜50μmである。
本発明の光情報記録媒体を書き込みが450nm以下の波長のレーザーによる光ディスクに適用する場合は、該トラックピッチは0.2〜0.8μmの範囲にあることが好ましく、更に0.25〜0.6μmの範囲にあることが好ましく、更に0.27〜0.4μmの範囲にあることが好ましい。
プレグルーブの深さは、0.03〜0.18μmの範囲にあることが好ましく、更に0.05〜0.15μmの範囲にあることが好ましく、特に0.06〜0.1μmの範囲にあることが好ましい。
【0058】
本発明の光情報記録媒体として、円盤状基板上に記録層、光反射層、及び保護層をこの順に有する構成のものを例にとって、以下にその製造方法を説明する。
本発明の光情報記録媒体の基板は、従来の光情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。基板材料としては、例えばガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
【0059】
記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上および記録層の変質防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0060】
記録層の形成は、前記色素(化合物)、更に所望によりクエンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより行うことができる。塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;メチルシクロヘキサンなどの炭化水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0061】
結合剤を使用する場合に、結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
【0062】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層の層厚は一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲にあり、より好ましくは50〜100nmの範囲にある。
【0063】
記録層には、記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−81194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同63−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。
【0064】
前記一重項酸素クエンチャーなどの褪色防止剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
【0065】
記録層に隣接して、情報の再生時における反射率の向上の目的で光反射層を設けることが好ましい。光反射層の材料である光反射性物質はレーザーに対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au金属、Ag金属、Al金属あるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Ag金属、Al金属あるいはそれらの合金である。光反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板もしくは記録層の上に形成することができる。光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲にあることが好ましい。
【0066】
光反射層もしくは記録層の上には、記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層を設けることが好ましい。なお、DVD−R型の光情報記録媒体の製造の場合と同様の形態、すなわち二枚の基板を記録層を内側にして張り合わせる構成をとる場合は、必ずしも保護層の付設は必要ではない。保護層に用いられる材料の例としては、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si3N4等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。保護層は、例えばプラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して反射層上にラミネートすることにより形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。以上の工程により、基板上に、記録層、光反射層そして保護層、あるいは基板上に、光反射層、記録層そして保護層が設けられた積層体を製造することができる。
【0067】
本発明の光情報記録方法は、上記光情報記録媒体を用いて、例えば、次のように行れる。まず光情報記録媒体を定線速度または定角速度にて回転させながら、基板側あるいは保護層側から半導体レーザーなどの記録用の光を照射する。この光の照射により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。本発明においては、DVD−Rに適用する場合は、記録光として、600〜700nm好ましくは、620〜680nm、更に好ましくは、630〜670nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザーが用いられる。
更に、記録光として390〜550nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザーが用いられる光記録ディスクに適用されることも好ましい。その場合の好ましい光源としては390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー、中心発振波長515nmの青緑色半導体レーザー、中心発振波長850nmの赤外半導体レーザーを光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザーを挙げることができる。中でも記録密度の点で青紫色半導体またはSHGレーザーを用いることが特に好ましい。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザーを基板側あるいは保護層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
【0068】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0069】
[実施例1]
アゾ色素1を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、色素濃度1質量%の記録層形成用塗布液を調製した。表面にスパイラルプレグルーブ(トラックピッチ:0.8μm、グルーブの幅:0.4、グルーブ深さ:0.15μm)が射出成型により形成されたポリカーボネート基板(直径:120mm、厚さ:0.6mm)のそのプリグレーブ側の表面に、スピンコートにより塗布し、記録層(グルーブ内厚さ:200nm)を作成した。
次に、記録層上に銀をスパッタして厚さ約100nmの光反射層を形成し、基板上に、記録層及び光反射層がこの順で設けられた成層体を作成した。別に透明なポリカーボネート基板(円盤状保護基板、直径:120mm、厚さ:0.6mm)を用意した。そして上記で得られた成層体と円盤状保護基板とを、記録層が内側となるように、接着剤(スリーボンド社製)を用いて接合させた。(厚さ:1.2mm)。以上の工程により、実施例の係るDVD−R型光記録ディスクを製造した。
【0070】
[実施例2]〜[実施例18]
実施例1の色素1を下記表1に記載の色素に代えて、評価用の光ディスクを作成した。
【0071】
[光ディスクとしての評価]
作製したDVD−R型光記録ディスクに線速度3.68m/秒で14T−EFM信号を発振波長635nmの半導体レーザーを用いて記録したのち、記録した信号を再生した。最適パワーでの変調度、グルーブ反射率、及び感度を測定した。記録および記録特性評価はパルステック社製OMT2000を用いて行った。
上記で作成した光ディスクを10万ルクスのメリーゴーランド型の光褪色試験機を用いて耐光性の試験を行った。UVフィルターを用いずに、3日間照射した。表2の結果から、本発明の特徴とするアゾ色素を含有する記録層を有する光記録ディスク(実施例1〜18)は、比較化合物aを含む記録層を有する光記録ディスク(比較例1)に比べて、耐光性に優れることがわかる。
又、どのディスクも変調度が高く、高感度であった。
【0072】
【0073】
【化19】
【0074】
【発明の効果】
本発明のアゾ色素を用いることにより、レーザーに対して高い反射率を示し、かつ高い変調度を与える高感度な光情報記録媒体を得ることができる。耐光性に優れる光情報記録媒体を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光を用いて情報の記録および再生が可能な光情報記録媒体に関するものである。特に本発明は、特定の構造のアゾ色素を含有し、レーザー光を用いて情報を記録するのに適したヒートモード型の光情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知られている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD−R)とも称され、その代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金などの金属からなる光反射層、さらに樹脂製の保護層がこの順に積層状態で設けられている。そしてこのCD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザー光(通常は780nm付近の波長のレーザー光)をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光を照射することにより行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより情報が再生される。
【0003】
近年、記録密度のより高い光情報記録媒体が求められている。このような要望に対して、追記型デジタル・ヴァサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが上市されている。このDVD−Rは、照射されるレーザー光のトラッキングのための案内溝(プレグルーブ)がCD−Rに比べて半分以下(0.74〜0.8μm)と狭く形成された透明な円盤状基板上に、色素からなる記録層、そして通常は該記録層の上に光反射層、そして更に必要により保護層を設けてなるディスクを二枚、あるいは該ディスクと同じ形状の円盤状保護基板とを該記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた構造を有している。DVD−Rへの情報の記録再生は、可視レーザー光(通常は、630nm〜680nmの範囲の波長のレーザー光)を照射することにより行われ、CD−Rより高密度の記録が可能であるとされている。このような光記録材料に使用される色素として、アゾ色素と金属から形成されるアゾ金属キレート色素が開示されている。代表的なものは、下記特許文献1〜7である。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−9577号公報
【特許文献2】
特開昭63−9578号公報
【特許文献3】
特開昭63−9579号公報
【特許文献4】
特開平3−268994号公報
【特許文献5】
特開平8−156408号公報
【特許文献6】
特開平9−277703号公報
【特許文献7】
特開平11−166125号公報
【0005】
また、本発明に用いる色素に良く似た構造の色素が、下記特許文献8〜13に記載されている。ただし、光情報記録媒体用途に関しての記載はない。
【0006】
【特許文献8】
特開2002−129046号
【特許文献9】
特開2001−335712号
【特許文献10】
特開2001−335713号
【特許文献11】
特開2002−220543号
【特許文献12】
特開2002−220542号
【特許文献13】
特開平5−331381
【0007】
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえて、画像情報を安価簡便に記録するための大容量の記録媒体の要求が高まっている。DVD−Rは、大容量の記録媒体としての地位をある程度までは確保されるものの、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量を有しているとは言えない。そこで、DVD−Rよりも更に短波長のレーザー光を用いることによって記録密度を向上させ、より大きな記録容量を備えた光ディスクの開発が進められている。
有機色素を含む記録層を有する光情報記録媒体において、記録層側から光反射層側に向けて波長530nm以下のレーザー光を照射することにより、情報の記録再生を行う記録再生方法が開示されている。具体的には、記録層の色素として、ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチンシアニン色素、ジシアノビニルフェニル骨格色素、クマリン化合物、ナフタロシアニン化合物等を用いた光ディスクに、青色(波長405nm、430nm)又は青緑色(波長515nm)のレーザー光を照射することにより情報の記録再生を行う情報記録再生方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者の検討によれば、上記公報に記載された公知の色素を使用した光ディスクでは反射率や変調度などの記録特性が満足できるレベルではなく、また保存安定性においても充分でないことから更に改良を要することが判明した。
一方、光記録ディスクを安価に製造するためには、色素を溶剤に溶解しインク(塗工液)を調製し、スピンコート法によって塗布して製造する方法が好ましい。しかし、光記録ディスクに使用する色素の溶剤に対する溶解性や溶解安定性が不足していると塗布法による製造が不可能であるといった問題があった。また、ディスク製造時に問題となる色素の塗工性、乾燥負荷の点に問題があった。
本発明者らは、上記の問題が特定の構造のアゾ色素を使用すると解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、本発明の第1の目的は、波長600〜680nmの短波長のレーザー光および/または450nm以下のレーザー光を照射して情報の高密度記録及び再生が可能であり、かつ優れた記録特性を有する光情報記録媒体を提供することにある。
本発明の第2の課題は、光、高温及び高湿度に対して安定な記録層を設計することによって、記録情報の長期保存に耐え得る光情報記録媒体を提供することにある。
第3の目的は、ディスク製造時に問題となる色素溶解性、塗工性、乾燥負荷が改良された色素を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、下記の構成により解決された。
[1]基板上にレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層が下記一般式(I)で表わされる色素を含有することを特徴とする光情報記録媒体。
【0011】
【化5】
【0012】
式(I)中、Aは、結合している炭素原子とともにヘテロ環を形成する原子団を表わし、Bは、結合している炭素原子とともにヘテロ環もしくは芳香環を形成する原子団を表わす。Lは、−CO−または、−SO2−、を表わす。R1は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基を表わす。
[2] 基板上にレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層が下記一般式(I)で表わされる色素と、金属または金属酸化物とから形成される金属アゾキレート色素を含有することを特徴とする光情報記録媒体。
【0013】
【化6】
【0014】
式(I)中、Aは、結合している炭素原子とともにヘテロ環を形成する原子団を表わし、Bは、結合している炭素原子とともにヘテロ環または芳香環を形成する原子団を表わす。Lは、−CO−もしくは、−SO2−、を表わす。R1は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のヘテロ環基を表わす。
[3] 金属アゾキレート色素が下記一般式(II)で表される色素と、金属または金属酸化物とから形成される金属アゾキレート色素であることを特徴とする[2]に記載の光情報記録媒体:
【0015】
【化7】
【0016】
一般式(II)中、R1は、各々独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のへテロ環基を表わす。Lは、−CO−または、−SO2−を表わす。R2、R3、R4、R5は、各々独立に、水素原子、または置換基を表わす。Aは、結合している炭素原子とともにヘテロ環を形成する原子団を表わす。
[4] 下記一般式(III)で表わされる化合物
【0017】
【化8】
【0018】
一般式(III)中R1は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のへテロ環基を表わす。Lは、−CO−もしくは、−SO2−を表わす。R2、R3、R4、R5は、各々独立に、水素原子、または置換基を表わす。R6、R7は、各々独立に、水素原子又は置換基を表わす。Dは、結合している窒素原子とともに含窒素5員または、含窒素6員のヘテロ環を形成する原子団を表わす。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光情報記録媒体の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
本発明の光情報記録媒体は、基板上にレーザー光の照射により情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、一般式(I)で表わされる特定の構造のアゾ色素、および/または金属アゾキレート色素を含有することを特徴とする光情報記録媒体である。
式(I)中、R1は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のへテロ環基を表わす。更に好ましくは、R1は、アルキル基(炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、i−プロピル、t−ブチル、n−オクチル、n−オクタデシル、2−メトキシエチル、3−クロロプロピル)、アリール基(炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基、例えば、フェニル、ナフチル、o−ヘキサデシルカルボニルフェニル、p−メトキシフェニル、m−クロロフェニル、p−ジエチルアミノフェニル)、ヘテロ環基(炭素数1〜20の置換もしくは無置換のへテロ環基、例えば、2−ピリジル、2−フリル)である。R1は、好ましくは、炭素数1〜20の無置換アルキル基、炭素数6〜20の置換または無置換のアリール基であり、より好ましくは置換アリール基である。
【0021】
Lは、−CO−、−SO2−である。Lは、好ましくは−SO2−である。
Aは、結合している炭素原子と共にヘテロ環を形成する原子団を表わす。好ましくは、窒素原子を含む炭素数1〜20の5員または炭素数2〜20の6員のヘテロ環である。形成する環としては、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、トリアゾール環、チアゾール環が好ましい。Aが形成する環は、ピラゾール環、またはピロール環が好ましい。Aが形成するヘテロ環は、別の環と縮環していても良い。Aは、5員環の方が、6員環より好ましい。
Bは、結合している炭素原子とともにヘテロ環もしくは芳香族環を形成する原子団を表わす。Bで表わされる環が芳香族環の場合、置換または無置換の炭素数6〜20の芳香族環が好ましく、更に好ましくは、炭素数6〜20の置換または無置換のベンゼンが好ましい。
Bで表わされる環がヘテロ環である場合は、置換もしくは無置換の5員ヘテロ環、または置換もしくは無置換の6員のヘテロ環が好ましい。Bで表わされるヘテロ環は、好ましくは窒素原子を1つ以上含む炭素数1〜20の5員のヘテロ環が好ましい。
Bは、芳香族環の方が、ヘテロ環よりも好ましい。
【0022】
一般式(I)で表わされる色素は、R1が炭素数1〜20の置換または無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換または無置換のアリール基であり、Lが−SO2−であり、Aが窒素原子を含む炭素数1〜20の5員、または窒素原子を含む炭素数2〜20の6員のヘテロ環であり、Bが炭素数6〜20の置換または無置換のベンゼンである場合が好ましい。前記の置換基は下記に記載のR2〜R5の置換基が挙げられる。
また、本発明の光情報記録媒体に使用する色素は、一般式(I)で表わされる色素と、金属または金属酸化物とから形成される金属アゾキレート色素を用いることが好ましい。
その場合の一般式(I)のR1、L、A、Bの定義は、上述の一般式(I)のR1、L、A、B色素の定義と同義である。好ましい例は、上述のキレートではない場合と同様である。
金属については、キレート構造をとりうるものは全て好ましい。特に、Ni、Cu、Zn、Al、Ti、Fe、B、Cr、Co等が好ましい。
キレート構造をとる場合、中心金属に対して配位子が不足して安定な錯体を形成できないときは、一般式(I)の色素以外の分子を配位子として加えて安定なキレート色素とすることも好ましい。別に加える配位子は、窒素、酸素、硫黄原子を含有する化合物が好ましい。その中でも、アミン化合物(アニリンを含む)、窒素原子を少なくとも1つ含有するヘテロ環化合物が好ましい。5員または6員の炭素数3〜20のアミン化合物が最も好ましい。
【0023】
金属キレート色素が一般式(II)で表わされる色素と、金属または金属酸化物とから形成される金属アゾキレート色素であるものが更に好ましい。
【0024】
R1 、L、Aは、一般式(I)のR1 と同義である。好ましい例も同様である。R2、R3、R4、R5は、各々独立に、水素原子又は置換基を表わす。置換基は、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
【0025】
更に詳しくは、R2,R3、R4、R5の置換基としては、各々独立に、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、
【0026】
アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、
【0027】
例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または
【0028】
無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(
【0029】
好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)が挙げられる。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
R2,R3、R4、R5は、各々好ましくは、水素原子、炭素数1〜20の置換または無置換のアルコキシ基、炭素数1〜20の置換または無置換のアシルアミノ基、炭素数1〜20の置換または無置換のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、シアノ基、または炭素数2〜20の置換アミノ基である。
更に好ましくは、R2、R3、R5は水素原子である。R4は、水素原子、ニトロ基、炭素数2〜20の置換アミノ基、または炭素数1〜20のアルキルスルホニル基である。
【0030】
Aは、結合している炭素原子とともに、ヘテロ環を形成する原子団を表わす。Aは、好ましくは、Aが窒素原子を含む炭素数1〜20の5員または窒素原子を含む炭素数2〜20の6員のヘテロ環が好ましい。
その中でも、Aで形成される構造は、下記一般式(IV)〜(XVII)で表わされる構造が好ましい。
【0031】
【化9】
【0032】
R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22は、各々独立に、水素原子または、置換基である。これらの基の具体例は、一般式(II)のR2,R3、R4、R5で説明したものを挙げることができる。
Aで形成される環構造の中で、好ましいものは、式(IV)、(V)、(VI)である。その中でも、一般式(VI)が最も好ましい。
一般式(VI)中で、R13は好ましくは、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基、シアノ基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコシキカルボニル基、または炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアミノカルボニル基である。R14は、好ましくはシアノ基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、または炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアミノカルボニル基である。R15は、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基、または炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基である。
特に好ましくは、R13はシアノ基であり、R14は炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基であり、R15は炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、または炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基である。
【0033】
本発明の光情報記録媒体に用いる色素は、一般式(II)で表わされる色素と、金属または金属酸化物とから形成される金属アゾキレート色素を用いることが好ましい。
【0034】
本発明の光情報記録媒体に用いる一般式(I)で表わされる色素は、一般式(III)で表わされる色素であることが好ましい。
一般式(III)について説明する。
R1、L、R2、R3、R4、R5の具体例及び好ましい例は、一般式(II)で表わされる色素について説明したところで述べたものが好ましい。
Dで表わされる原子団は、炭素数1〜20の含窒素5員ヘテロ環、炭素数2〜20の含窒素6員ヘテロ環が好ましい。Dは、炭素数2〜20の置換または無置換のトリアゾール環、炭素数3〜20の置換または無置換のイミダゾール環、炭素数3〜20の置換または無置換のトリアジン環、炭素数4〜20の置換または無置換のピリミジン環が好ましい。更には、炭素数2〜20の置換または無置換のトリアゾール環が好ましい。Dで形成される構造は、一般式(VI)で表わされる構造が特に好ましい。
R6、R7の表わす置換基は、式(II)で表わされる色素のR1についての定義と同義である。好ましくは、シアノ基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、または炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基が好ましい。
R6は、シアノ基が好ましい。R7は炭素数1〜20の置換または無置換のアルコキシカルボニルが好ましい。
【0035】
一般式(III)の色素の好ましい構造は、R1が炭素数1〜20の置換または無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換または無置換のアリール基であり、Lは、−SO2−であり、R2、R3、R4、R5は、各々独立に、水素原子、炭素数2〜20の置換アミノ基、塩素原子、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシ基、または炭素数1〜20のアルキルスルホニル基であり、R7が炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基であり、R6がシアノ基であり、Dが炭素数2〜20の置換または無置換のトリアゾール環を形成する原子団であるものである。
本発明の光情報記録媒体に使用される色素として最も好ましいものは、一般式(III)で表わされる色素と、金属または、金属酸化物とから形成される金属キレート色素である。
【0036】
金属については、一般式(I)のキレート色素のところで説明したものが好ましい。
該色素は、色素層とされたときの屈折率(n)が、2.10<n<2.50であり、消衰係数(k)が、0.03<k<0.09であるものが好ましい。
屈折率と消衰係数は、回転光子法(エリプソメーター)で容易に計測できる。測定装置としては、J.A.WOOLLAM社の モデルV−VASE−Sが挙げられる。
【0037】
本発明に用いるアゾ色素の具体例を以下に例示する。具体例によって、本発明は制限されない。
【0038】
【化10】
【0039】
【化11】
【0040】
【化12】
【0041】
【化13】
【0042】
【化14】
【0043】
【化15】
【0044】
色素39 色素1のNiキレート
色素40 色素2の亜鉛キレート
色素41 色素5のNiキレート
色素42 色素8のNiキレート
色素43 色素18の亜鉛キレート
色素44 色素21の銅キレート
色素45 色素35のNiキレート
色素46 色素35のTiキレート
色素47 色素35の亜鉛キレート(モルホリンを1分子含む)
【0045】
上記の色素の希薄溶液での吸収極大波長を以下の表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
本発明の色素は、従来公知の合成法に従って合成できる。一般的な合成ルートを示す。合成法は、前述の下記特許文献に記載されている。
特許文献8:特開2002−129046号
特許文献9:特開2001−335712号
特許文献10:特開2001−335713号
特許文献11:特開2002−220543号
特許文献12:特開2002−220542号
【0048】
【化16】
【0049】
上式のR1、R2、R3、R4,R5、L,Aは、本発明の一般式(I)で表わされる色素におけるR1、R2、R3、R4,R5、L,Aと同義である。
反応は、好ましくは、−20℃〜150℃で行うことが好ましく、0℃〜100℃が更に好ましい。20〜60℃が最も好ましい。
反応溶媒は、アルコール系(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)、アミド系(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド)、エステル系(酢酸エチル、酢酸ブチル)、アセトニトリル、炭化水素系(ヘキサン、オクタン)、芳香族系(トルエン、キシレン)が好ましい。その中でも、アルコール系が収率が高い点で、好ましい。
反応に塩基を共存させることが好ましい。塩基は、有機塩基(トリエチルアミン、ピリジン)、無機塩基(炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム)が好ましい。その中でも、有機塩基が好ましい。
【0050】
(合成例1) 化合物32の合成
三口フラスコに、カプラーB 1.03g(1.94mmol)、中間体b0.70g(1.94mmol)、トリエチルアミン0.039g(0.388mmol)、メタノール30mlを加え、内温45℃で4時間反応させた。25℃に冷却し、析出した結晶を濾取した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製を行い、化合物32を0.3g(%)得た。構造は、300MHzの1HNMR及びマススペクトルで確認した。
【0051】
【化17】
【0052】
(合成例2) 化合物35の合成
カプラーB 3.0g(4.75mmol)、トリエチルアミン0.1g(0.95mmol)、中間体c2.48g(4.75mmol)、メタノール40mlを50℃で4時間反応させた。20℃に冷却したところ結晶が析出したので、濾取を行った。メタノールで良く洗浄し、得られた結晶を乾燥して、化合物35を4.07g(収率80.7%)で得た。
化合物の構造は、300MHzの1HNMR及びマススペクトルで確認した。
【0053】
【化18】
【0054】
(合成例3) 化合物47の合成
三口フラスコに、化合物35、1.06g、1.0mmol、Zn(OAc)2・2H2O、0.26g(1.2mmol)、モルホリン、0.087g(1.0mmol)、エタノール 20mlを加え、45℃で2時間反応させた。25℃に冷却し、析出した結晶を濾取した。結晶をエタノールで良く洗浄し、化合物47を0.9g得た。構造は、300MHzの1HNMR及びマススペクトルで確認した。
【0055】
本発明の光記録ディスクには、前述のアゾキレート色素と従来公知の光記録ディスク用の色素を併用しても良い。色素としては、アゾキレート色素、オキソノール色素、シアニン色素、またはフタロシアニン色素が挙げられる。
【0056】
本発明の光情報記録媒体は、基板上に前記の特定の構造のアゾキレート色素含有する記録層を有する。本発明の光情報記録媒体には、種々の構成のものが含まれる。本発明の光情報記録媒体は、一定のトラックピッチのプレグルーブが形成された円盤状基板上に記録層、光反射層および保護層をこの順に有する構成、あるいは該基板上に光反射層、記録層および保護層をこの順に有する構成であることが好ましい。また、一定のトラックピッチのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板上に記録層及び光反射層が設けられてなる二枚の積層体が、それぞれの記録層が内側となるように接合された構成も好ましい。
【0057】
本発明の光情報記録媒体は、DVD−Rに適用する場合には、トラックピッチ0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された、厚さが0.6±0.1mmの透明な円盤状基板の該プレブルーブが設けられた側の表面に記録層が設けられてなる2枚の成層体をそれぞれ記録層が内側となるように接合する。プレグルーブの深さは、0.05〜100μmの範囲にあり、好ましくは、0.1〜50μmである。
本発明の光情報記録媒体を書き込みが450nm以下の波長のレーザーによる光ディスクに適用する場合は、該トラックピッチは0.2〜0.8μmの範囲にあることが好ましく、更に0.25〜0.6μmの範囲にあることが好ましく、更に0.27〜0.4μmの範囲にあることが好ましい。
プレグルーブの深さは、0.03〜0.18μmの範囲にあることが好ましく、更に0.05〜0.15μmの範囲にあることが好ましく、特に0.06〜0.1μmの範囲にあることが好ましい。
【0058】
本発明の光情報記録媒体として、円盤状基板上に記録層、光反射層、及び保護層をこの順に有する構成のものを例にとって、以下にその製造方法を説明する。
本発明の光情報記録媒体の基板は、従来の光情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。基板材料としては、例えばガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
【0059】
記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上および記録層の変質防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0060】
記録層の形成は、前記色素(化合物)、更に所望によりクエンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより行うことができる。塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;メチルシクロヘキサンなどの炭化水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0061】
結合剤を使用する場合に、結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
【0062】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層の層厚は一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲にあり、より好ましくは50〜100nmの範囲にある。
【0063】
記録層には、記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−81194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同63−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。
【0064】
前記一重項酸素クエンチャーなどの褪色防止剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
【0065】
記録層に隣接して、情報の再生時における反射率の向上の目的で光反射層を設けることが好ましい。光反射層の材料である光反射性物質はレーザーに対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au金属、Ag金属、Al金属あるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Ag金属、Al金属あるいはそれらの合金である。光反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板もしくは記録層の上に形成することができる。光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲にあることが好ましい。
【0066】
光反射層もしくは記録層の上には、記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層を設けることが好ましい。なお、DVD−R型の光情報記録媒体の製造の場合と同様の形態、すなわち二枚の基板を記録層を内側にして張り合わせる構成をとる場合は、必ずしも保護層の付設は必要ではない。保護層に用いられる材料の例としては、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si3N4等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。保護層は、例えばプラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して反射層上にラミネートすることにより形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。以上の工程により、基板上に、記録層、光反射層そして保護層、あるいは基板上に、光反射層、記録層そして保護層が設けられた積層体を製造することができる。
【0067】
本発明の光情報記録方法は、上記光情報記録媒体を用いて、例えば、次のように行れる。まず光情報記録媒体を定線速度または定角速度にて回転させながら、基板側あるいは保護層側から半導体レーザーなどの記録用の光を照射する。この光の照射により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。本発明においては、DVD−Rに適用する場合は、記録光として、600〜700nm好ましくは、620〜680nm、更に好ましくは、630〜670nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザーが用いられる。
更に、記録光として390〜550nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザーが用いられる光記録ディスクに適用されることも好ましい。その場合の好ましい光源としては390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー、中心発振波長515nmの青緑色半導体レーザー、中心発振波長850nmの赤外半導体レーザーを光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザーを挙げることができる。中でも記録密度の点で青紫色半導体またはSHGレーザーを用いることが特に好ましい。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザーを基板側あるいは保護層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
【0068】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0069】
[実施例1]
アゾ色素1を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、色素濃度1質量%の記録層形成用塗布液を調製した。表面にスパイラルプレグルーブ(トラックピッチ:0.8μm、グルーブの幅:0.4、グルーブ深さ:0.15μm)が射出成型により形成されたポリカーボネート基板(直径:120mm、厚さ:0.6mm)のそのプリグレーブ側の表面に、スピンコートにより塗布し、記録層(グルーブ内厚さ:200nm)を作成した。
次に、記録層上に銀をスパッタして厚さ約100nmの光反射層を形成し、基板上に、記録層及び光反射層がこの順で設けられた成層体を作成した。別に透明なポリカーボネート基板(円盤状保護基板、直径:120mm、厚さ:0.6mm)を用意した。そして上記で得られた成層体と円盤状保護基板とを、記録層が内側となるように、接着剤(スリーボンド社製)を用いて接合させた。(厚さ:1.2mm)。以上の工程により、実施例の係るDVD−R型光記録ディスクを製造した。
【0070】
[実施例2]〜[実施例18]
実施例1の色素1を下記表1に記載の色素に代えて、評価用の光ディスクを作成した。
【0071】
[光ディスクとしての評価]
作製したDVD−R型光記録ディスクに線速度3.68m/秒で14T−EFM信号を発振波長635nmの半導体レーザーを用いて記録したのち、記録した信号を再生した。最適パワーでの変調度、グルーブ反射率、及び感度を測定した。記録および記録特性評価はパルステック社製OMT2000を用いて行った。
上記で作成した光ディスクを10万ルクスのメリーゴーランド型の光褪色試験機を用いて耐光性の試験を行った。UVフィルターを用いずに、3日間照射した。表2の結果から、本発明の特徴とするアゾ色素を含有する記録層を有する光記録ディスク(実施例1〜18)は、比較化合物aを含む記録層を有する光記録ディスク(比較例1)に比べて、耐光性に優れることがわかる。
又、どのディスクも変調度が高く、高感度であった。
【0072】
【0073】
【化19】
【0074】
【発明の効果】
本発明のアゾ色素を用いることにより、レーザーに対して高い反射率を示し、かつ高い変調度を与える高感度な光情報記録媒体を得ることができる。耐光性に優れる光情報記録媒体を得ることができる。
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