JP2009241307A - 光情報記録媒体および情報記録方法 - Google Patents
光情報記録媒体および情報記録方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009241307A JP2009241307A JP2008088490A JP2008088490A JP2009241307A JP 2009241307 A JP2009241307 A JP 2009241307A JP 2008088490 A JP2008088490 A JP 2008088490A JP 2008088490 A JP2008088490 A JP 2008088490A JP 2009241307 A JP2009241307 A JP 2009241307A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- carbon atoms
- recording
- layer
- substituted
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Abstract
【課題】良好な記録特性を発揮することができ、低ジッターであり、再生耐久性に優れる光情報記録媒体を提供すること。
【解決手段】複数のグルーブおよび隣接するグルーブの間に位置するランドからなるプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に、反射層と、記録層と、バリア層と、カバー層と、をこの順に有する光情報記録媒体であって、前記プリグルーブのトラックピッチが50nm〜500nmの範囲であり、前記記録層が、有機色素化合物と、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有するアンモニウム塩、および、炭素数2〜8のアルキル基を有するアミンを配位子として有する金属錯体からなる群より選択される少なくとも1種の含窒素化合物と、を含有し、該含窒素化合物の含有量が前記有機色素化合物に対してモル分率で1モル%〜100モル%の範囲であることを特徴とする光情報記録媒体。
【選択図】なし
【解決手段】複数のグルーブおよび隣接するグルーブの間に位置するランドからなるプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に、反射層と、記録層と、バリア層と、カバー層と、をこの順に有する光情報記録媒体であって、前記プリグルーブのトラックピッチが50nm〜500nmの範囲であり、前記記録層が、有機色素化合物と、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有するアンモニウム塩、および、炭素数2〜8のアルキル基を有するアミンを配位子として有する金属錯体からなる群より選択される少なくとも1種の含窒素化合物と、を含有し、該含窒素化合物の含有量が前記有機色素化合物に対してモル分率で1モル%〜100モル%の範囲であることを特徴とする光情報記録媒体。
【選択図】なし
Description
本発明は、短波長レーザー光を用いて情報の記録および再生が可能な光情報記録媒体に関するものであり、より詳しくは、Blu−ray方式の光情報記録媒体、およびこの光情報記録媒体への情報記録方法にも関する。
従来から、レーザー光により1回限りの情報記録が可能な光情報記録媒体として、追記型CD(CD−R)および追記型DVD(DVD−R)が知られている。CD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザー光(通常、波長780nm程度)により行われるのに対し、DVD−Rへの情報の記録は可視レーザー光(約630〜680nm)によって行われる。DVD−Rは、記録用レーザー光としてCD−Rより短波長のレーザー光を使用するため、CD−Rと比べて高密度記録可能であるという利点を有する。そのため、近年、DVD−Rは、大容量の記録媒体としての地位をある程度まで確保している。
近年、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映を間近にひかえて、画像情報を安価簡便に記録するための大容量の記録媒体の要求が高まっている。しかし、CD−RおよびDVD−Rは、将来の要求に対応できる程の充分に大きな記録容量を有しているとはいえない。そこで、DVD−Rよりもさらに短波長のレーザー光を用いることによって記録密度を向上させるため、短波長レーザー(例えば、波長440nm以下)による記録が可能な大容量光ディスクの開発が進められている。そのような光情報記録媒体として、例えば、405nmの青色レーザーを用いたBlu−ray方式と称される光記録ディスク(Blu−ray Disc、以下、「BD」ともいう)が提案されている。
一方、例えば、特許文献1〜4には、DVD−R型の光情報記録媒体において、記録層に含有する有機色素化合物としてアゾ金属錯体色素を用いることが提案されている。しかし、これらのアゾ金属錯体色素は赤色レーザーに対応した吸収波形を有しており、短波長(例えば、405nm)のレーザー光による記録では十分な記録特性を発揮することはできない。
そこで、短波長レーザー光(例えば、405nmの青色レーザー光)を用いた光記録ディスクにおいては、DVD−Rで用いられたアゾ金属錯体に対して吸収波長の短波長化を図ることが検討されている(例えば、特許文献5〜9参照。)。さらに、有機色素化合物として含金アゾ色素を使用し、該色素の屈折率、消衰係数、熱分解開始温度を最適化することも検討されている(例えば、特許文献10参照。)。
特開平11−310728号公報
特開平11−130970号公報
特開2002−274040号公報
特開2000−168237号公報
特開2001−158862号公報
特開2006−142789号公報
特開2006−306070号公報
特開2005−297406号公報
特開2005−297407号公報
特開2007−26541号公報
そこで、短波長レーザー光(例えば、405nmの青色レーザー光)を用いた光記録ディスクにおいては、DVD−Rで用いられたアゾ金属錯体に対して吸収波長の短波長化を図ることが検討されている(例えば、特許文献5〜9参照。)。さらに、有機色素化合物として含金アゾ色素を使用し、該色素の屈折率、消衰係数、熱分解開始温度を最適化することも検討されている(例えば、特許文献10参照。)。
前述のBDは、一般に、従来の追記型の光情報記録媒体と比べてトラックピッチが狭い。また、基板上に、反射層と記録層をこの順に有し、さらに記録層の上に比較的薄い光透過性を有する層(一般に、カバー層と呼ばれる)が粘着層や接着層によって貼り合あわされているという、従来の追記型光ディスクとは異なる層構成を有する。
このように、BDは、従来の追記型光ディスクと異なる構成を有し、また、記録用レーザー光が短波長化されているため、CD−R、DVD−R等の従来の追記型の光情報記録媒体に用いられていた色素では、十分な記録再生特性が得られない点が課題であった。
前述のように、特許文献5〜9には、短波長レーザー光照射による情報記録において、記録層にアゾ金属錯体色素を使用することが提案されている。しかし、本願発明者らの検討の結果、特許文献5〜9に記載のアゾ金属錯体色素では、上記BDの層構成であっては、必ずしも十分な記録特性(2T CNR)および再生耐久性を得ることができないことが判明した。
このように、BDは、従来の追記型光ディスクと異なる構成を有し、また、記録用レーザー光が短波長化されているため、CD−R、DVD−R等の従来の追記型の光情報記録媒体に用いられていた色素では、十分な記録再生特性が得られない点が課題であった。
前述のように、特許文献5〜9には、短波長レーザー光照射による情報記録において、記録層にアゾ金属錯体色素を使用することが提案されている。しかし、本願発明者らの検討の結果、特許文献5〜9に記載のアゾ金属錯体色素では、上記BDの層構成であっては、必ずしも十分な記録特性(2T CNR)および再生耐久性を得ることができないことが判明した。
一方、特許文献10では、BDにおいては、従来の追記型の光情報記録媒体とは異なる方向からレーザー光を照射させることに着目した上で、記録層の形状を変えることによって記録特性を改善することを提案している。具体的には、特許文献10には、色素塗布濃度や色素溶液の塗布条件の調整により、記録層の膜厚がグルーブ溝深さより薄く(グルーブ溝凹部の中に色素層が納まり)、グルーブ溝凸部の色素膜厚をほぼ0とした特殊な形態の記録層を有する光情報記録媒体において、記録層に使用する含金アゾ色素の色素物性値を規定することにより、良好な記録再生特性と再生耐久性とを得ることができると記載されている。
しかしながら、この特許文献10に記載の特殊な記録層の形成方法は、従来のCD−R、DVD−R等における記録層の形成方法と異なるものであり、製造が困難であるといった問題の他、記録層の形態が変わると上記の効果が得られなくなるといった問題を抱えている。
しかしながら、この特許文献10に記載の特殊な記録層の形成方法は、従来のCD−R、DVD−R等における記録層の形成方法と異なるものであり、製造が困難であるといった問題の他、記録層の形態が変わると上記の効果が得られなくなるといった問題を抱えている。
また、上述のように、従来より知られている色素を、短波長レーザー光(例えば、405nmの青色レーザー光)を用いる光情報記録媒体に転用する試みは種々行われているものの、本発明者らの検討の結果、上述の問題の他に、特に記録感度が不十分であることが分かった。
この記録感度は、記録層の厚みを増すことである程度増加させることができるが、その場合、ジッターが増大するという弊害が生じるため、このジッターを低く保ち、かつ、高感度を実現する技術が望まれているのが現状である。
この記録感度は、記録層の厚みを増すことである程度増加させることができるが、その場合、ジッターが増大するという弊害が生じるため、このジッターを低く保ち、かつ、高感度を実現する技術が望まれているのが現状である。
そこで、本発明はこれらの状況を鑑み行われたものであって、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、BD構成の光情報記録媒体であって、短波長レーザー光照射による記録時に良好な感度を有し、低ジッターであり、さらに、再生耐久性にも優れる光情報記録媒体、および該光情報記録媒体を用いた光情報記録方法を提供することにある。
即ち、本発明の目的は、BD構成の光情報記録媒体であって、短波長レーザー光照射による記録時に良好な感度を有し、低ジッターであり、さらに、再生耐久性にも優れる光情報記録媒体、および該光情報記録媒体を用いた光情報記録方法を提供することにある。
光情報記録媒体は、レーザー光の照射により情報の記録が可能な記録層を有する。ここで、レーザー光の照射により情報の記録が可能とは、記録層のレーザー光が照射された部分がその光学的特性を変えることをいう。光学的特性の変化は、記録層のレーザー光が照射された部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えば、ピットの生成)を生じすることによってもたらされると考えられる。ピットの生成は、例えば、色素の分解により記録層中に空隙を形成することによって行われる。また、記録層に記録された情報の読み取り(再生)は、例えば、記録用のレーザー光と同様の波長のレーザー光を照射することにより、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率等の光学的特性の違いを検出することにより行うことができる。先に説明したように、特許文献10には、特殊な形態の記録層において良好な記録性能を得るために、含金アゾ色素の色素物性値(屈折率、吸収係数、質量減少開始温度等)を規定することが提案されている。しかし、本発明者らの検討の結果、上記含金アゾ色素は、通常の塗布条件により作製されるBDでは良好な記録再生特性と良好な再生耐久性を両立できないことが明らかとなった。特に、記録特性としては感度が重要であるが、記録感度が高く、かつ、良好な再生耐久性を得ることができない。
これは、記録再生特性には色素物性のみならず、光情報記録媒体の層構成や層形状も大きく影響するため、ある構成の媒体で良好な記録再生特性を発揮する色素であっても、異なる構成の媒体において同様に良好な記録再生特性を発揮するとは限らないからである。
これは、記録再生特性には色素物性のみならず、光情報記録媒体の層構成や層形状も大きく影響するため、ある構成の媒体で良好な記録再生特性を発揮する色素であっても、異なる構成の媒体において同様に良好な記録再生特性を発揮するとは限らないからである。
そこで、本発明者らは、特許文献10に記載の技術のように、光情報記録媒体の層構成や層形状を大幅に変更することなく、短波長レーザー光照射による記録時に、良好な記録特性が得られ、ジッターが低く、さらには、再生耐久性に優れるBD構成の光情報記録媒体を得るためにさらに検討を重ねた。その結果、記録層に、有機色素化合物と共に、特定の構造を有する含窒素化合物を特定の割合で併用させることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的を達成する手段は、以下の通りである。
請求項1に係る発明は、複数のグルーブおよび隣接するグルーブの間に位置するランドからなるプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に、反射層と、記録層と、バリア層と、カバー層と、をこの順に有する光情報記録媒体であって、
前記プリグルーブのトラックピッチが50nm〜500nmの範囲であり、
前記記録層が、有機色素化合物と、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有するアンモニウム塩、および、炭素数2〜8のアルキル基を有するアミンを配位子として有する金属錯体からなる群より選択される少なくとも1種の含窒素化合物と、を含有し、該含窒素化合物の含有量が前記有機色素化合物に対してモル分率で1モル%〜100モル%の範囲であることを特徴とする光情報記録媒体である。
請求項1に係る発明は、複数のグルーブおよび隣接するグルーブの間に位置するランドからなるプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に、反射層と、記録層と、バリア層と、カバー層と、をこの順に有する光情報記録媒体であって、
前記プリグルーブのトラックピッチが50nm〜500nmの範囲であり、
前記記録層が、有機色素化合物と、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有するアンモニウム塩、および、炭素数2〜8のアルキル基を有するアミンを配位子として有する金属錯体からなる群より選択される少なくとも1種の含窒素化合物と、を含有し、該含窒素化合物の含有量が前記有機色素化合物に対してモル分率で1モル%〜100モル%の範囲であることを特徴とする光情報記録媒体である。
請求項2に係る発明は、前記含窒素化合物が、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有する1級〜3級アンモニウム塩、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有する4級アンモニウム塩、および、炭素数2〜8のアルキル基を有する1級〜3級アミンを配位子として有する金属錯体からなる群より選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体である。
請求項3に係る発明は、前記含窒素化合物が、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有する3級アンモニウム塩、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有する4級アンモニウム塩、および、炭素数2〜8のアルキル基を有する3級アミンを配位子として有する金属錯体からなる群より選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光記録情報媒体である。
請求項4に係る発明は、前記含窒素化合物が、炭素数2〜8のアルキル基を有する3級アミンを配位子として有する金属錯体であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光記録情報媒体である。
請求項5に係る発明は、前記炭素数2〜8のアルキル基を有する3級アミンを配位子として有する金属錯体が、Ni3+、Zn2+、Mn2+、Fe2+、およびCu2+のいずれか1種の金属イオンを用いてなる錯体であることを特徴とする請求項4に記載の光記録情報媒体である。
請求項6に係る発明は、前記有機色素化合物がアゾ化合物である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光情報記録媒体である。
請求項7に係る発明は、波長390nm〜440nmのレーザー光を照射することにより情報を記録するために使用される請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光情報記録媒体である。
請求項8に係る発明は、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の光情報記録媒体へ、波長390nm〜440nmのレーザー光を照射することにより、光情報記録媒体の記録層へ情報を記録する情報記録方法である。
本発明によれば、BD構成の光情報記録媒体であって、短波長レーザー光照射による記録時に良好な感度を有し、低ジッターであり、さらに、再生耐久性にも優れる光情報記録媒体、および該光情報記録媒体を用いた光情報記録方法を提供することができる。
また、本発明の光情報記録媒体は、前述の特許文献10に記載のような特殊な記録層の形態を必要としないため、製造容易であるといった効果も有する。
また、本発明の光情報記録媒体は、前述の特許文献10に記載のような特殊な記録層の形態を必要としないため、製造容易であるといった効果も有する。
本発明を実施するための最良の形態について以下に述べる。
本発明の光情報記録媒体は、複数のグルーブおよび隣接するグルーブの間に位置するランドからなるプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に、反射層と、記録層と、バリア層と、カバー層と、をこの順に有する光情報記録媒体であって、
前記プリグルーブのトラックピッチが50nm〜500nmの範囲であり、
前記記録層が、有機色素化合物と、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有するアンモニウム塩、および、炭素数2〜8のアルキル基を有するアミンを配位子として有する金属錯体からなる群より選択される少なくとも1種の含窒素化合物と、を含有し、該含窒素化合物の含有量が前記有機色素化合物に対してモル分率で1モル%〜100モル%の範囲であることを特徴とする。
本発明の光情報記録媒体は、複数のグルーブおよび隣接するグルーブの間に位置するランドからなるプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に、反射層と、記録層と、バリア層と、カバー層と、をこの順に有する光情報記録媒体であって、
前記プリグルーブのトラックピッチが50nm〜500nmの範囲であり、
前記記録層が、有機色素化合物と、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有するアンモニウム塩、および、炭素数2〜8のアルキル基を有するアミンを配位子として有する金属錯体からなる群より選択される少なくとも1種の含窒素化合物と、を含有し、該含窒素化合物の含有量が前記有機色素化合物に対してモル分率で1モル%〜100モル%の範囲であることを特徴とする。
本発明の光情報記録媒体は、上記のような構成を有するため、短波長レーザー光照射による記録時に良好な感度を有し、低ジッターであり、さらに、再生耐久性にも優れるといった効果を有する。この効果が得られる作用について、本発明者らは以下のように推察している。
即ち、本発明における記録層へレーザー光を照射すると、有機色素化合物がレーザー光を吸収して発熱し、その熱により色素骨格またはその置換基が熱分解して気体を発生し、これによりピット内に空隙が形成されると考えられる。この際、本発明では、記録層に、有機色素化合物に加え、特定の構造を有する含窒素化合物を併用しているため、この含窒素化合物の分解反応も同時または逐次で生じ、含窒素化合物中のアルキル基を由来する気体を発生させることができる。これにより、記録層中の空隙形成が容易になり、記録感度が改善されると推定される。
また、高感度と低ジッターを両立することは困難な課題であるが、本発明の特定の構造を有する含窒素化合物は、効率よく分解し空隙形成に寄与するために低ジッターが得られるものと推定される。また、通常、光吸収する色素は再生光によっても変質ないし分解するために、繰り返し再生を続けることで記録性能が劣化する(再生耐久性が悪い)。これに対し、本発明の特定の構造を有する含窒素化合物は、再生光を吸収することなく、記録ピットを形成することができるため、再生耐久性を向上するものと推定される。
さらに、本発明の光情報記録媒体の記録層は、上記のように、有機色素化合物と含窒素化合物とを特定の範囲内で用いることで効果が得られ、特殊な形状を必要としないことから、従来のCD−R、DVD−R等における記録層の形成方法と同様の方法で形成することができる。その結果、本発明の光情報記録媒体は、製造容易であり、安価で製造することも可能になる。
また、高感度と低ジッターを両立することは困難な課題であるが、本発明の特定の構造を有する含窒素化合物は、効率よく分解し空隙形成に寄与するために低ジッターが得られるものと推定される。また、通常、光吸収する色素は再生光によっても変質ないし分解するために、繰り返し再生を続けることで記録性能が劣化する(再生耐久性が悪い)。これに対し、本発明の特定の構造を有する含窒素化合物は、再生光を吸収することなく、記録ピットを形成することができるため、再生耐久性を向上するものと推定される。
さらに、本発明の光情報記録媒体の記録層は、上記のように、有機色素化合物と含窒素化合物とを特定の範囲内で用いることで効果が得られ、特殊な形状を必要としないことから、従来のCD−R、DVD−R等における記録層の形成方法と同様の方法で形成することができる。その結果、本発明の光情報記録媒体は、製造容易であり、安価で製造することも可能になる。
なお、特開2000−168237号公報には、有機色素化合物としてアンモニウム塩構造を有する色素が開示されている。しかし、この色素化合物は、有機色素構造を対アニオンとして有することから、本発明における含窒素化合物には該当せず、また、上述のような効果が得られるものではない。
本発明の光情報記録媒体の層構成について図1を用いて説明する。
図1に示される光情報記録媒体10は、基板12上に、反射層18と、追記型の記録層14と、バリア層20と、粘着層または接着層22と、カバー層16と、ハードコート層44と、をこの順に有する。
以下、本発明の光情報記録媒体を構成する基板、および各層について順次説明する。
図1に示される光情報記録媒体10は、基板12上に、反射層18と、追記型の記録層14と、バリア層20と、粘着層または接着層22と、カバー層16と、ハードコート層44と、をこの順に有する。
以下、本発明の光情報記録媒体を構成する基板、および各層について順次説明する。
〔基板〕
本発明に用いられる基板を構成する材料としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。基板としては、透明な円盤状基板を用いることが好ましい。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
これらの材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。これらの樹脂を用いた場合、射出成型を用いて基板を作製することができる。
本発明に用いられる基板を構成する材料としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。基板としては、透明な円盤状基板を用いることが好ましい。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
これらの材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。これらの樹脂を用いた場合、射出成型を用いて基板を作製することができる。
また、基板の厚さは、一般に0.7〜2mmの範囲であり、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
なお、後述する反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することもできる。
なお、後述する反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することもできる。
基板の記録層が形成される面には、複数のグルーブおよび隣接するグルーブの間に位置するランドからなるプリグルーブ(案内溝)が形成されている。
このプリグルーブは、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、本発明の光情報記録媒体を、青紫色レーザーに対応する媒体として使用する場合に好適である。
このプリグルーブは、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、本発明の光情報記録媒体を、青紫色レーザーに対応する媒体として使用する場合に好適である。
プリグルーブのトラックピッチは50nm〜500nmの範囲である。トラックピッチの上限値は420nm以下であることが好ましく、370nm以下であることがより好ましく、330nm以下であることがさらに好ましい。また、トラックピッチの下限値は、100nm以上であることが好ましく、200nm以上であることがより好ましく、260nm以上であることがさらに好ましい。トラックピッチが50nm以上であれば、プリグルーブを正確に形成することができる上に、クロストークの発生を回避することができ、500nm以下であれば、高密度記録を行うことができる。
本発明においては、プリグルーブのトラックピッチは、100nm以上420nm以下であることが好ましく、200nm以上370nm以下であることがより好ましく、260nm以上330nm以下であることがさらに好ましい。
本発明においては、プリグルーブのトラックピッチは、100nm以上420nm以下であることが好ましく、200nm以上370nm以下であることがより好ましく、260nm以上330nm以下であることがさらに好ましい。
また、プリグルーブの溝幅(半値幅)は、25nm〜250nmの範囲であることが好ましい。溝幅の上限値は240nm以下であることが好ましく、230nm以下であることがより好ましく、220nm以下であることがさらに好ましい。また、溝幅の下限値は、50nm以上であることが好ましく、80nm以上であることがより好ましく、100nm以上であることがさらに好ましい。プリグルーブの溝幅が25nm以上であれば、成型時に溝を十分に転写することができ、さらに記録時のエラーレート上昇を抑制することができ、250nm以下であれば、同じく成型時に溝を十分に転写することができ、さらに記録時に形成されるピットの広がりによりクロストークが発生することを回避することができる。
本発明においては、プリグルーブの溝幅(半値幅)は、50nm以上240nm以下であることが好ましく、80nm以上230nm以下であることがより好ましく、100nm以上220nm以下であることがさらに好ましい。
本発明においては、プリグルーブの溝幅(半値幅)は、50nm以上240nm以下であることが好ましく、80nm以上230nm以下であることがより好ましく、100nm以上220nm以下であることがさらに好ましい。
さらに、プリグルーブの溝深さは、5nm〜150nmの範囲であることが好ましい。溝深さの上限値は85nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましく、75nm以下であることがさらに好ましい。また、溝深さの下限値は、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、28nm以上であることがさらに好ましい。プリグルーブの溝深さが5nm以上であれば十分な記録変調度を得ることができ、150nm以下であれば、高い反射率を得ることができる。
本発明においては、プリグルーブの溝深さは、10nm以上85nm以下であることが好ましく、20nm以上80nm以下であることがより好ましく、28nm以上75nm以下であることがさらに好ましい。
本発明においては、プリグルーブの溝深さは、10nm以上85nm以下であることが好ましく、20nm以上80nm以下であることがより好ましく、28nm以上75nm以下であることがさらに好ましい。
また、プリグルーブの溝傾斜角度は、上限値が80°以下であることが好ましく、75°以下であることがより好ましく、70°以下であることがさらに好ましく、65°以下であることが特に好ましい。また、下限値は、20°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましく、40°以上であることがさらに好ましい。
プリグルーブの溝傾斜角度が20°以上であれば、十分なトラッキングエラー信号振幅を得ることができ、80°以下であれば成型性が良好である。
プリグルーブの溝傾斜角度が20°以上であれば、十分なトラッキングエラー信号振幅を得ることができ、80°以下であれば成型性が良好である。
〔反射層〕
本発明における反射層は、レーザー光に対する反射率が高い光反射性物質を、例えば、真空蒸着、スパッタリング、またはイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。
反射層の層厚は、一般的には10nm〜300nmの範囲とし、20nm〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、反射率は、70%以上であることが好ましい。
本発明における反射層は、レーザー光に対する反射率が高い光反射性物質を、例えば、真空蒸着、スパッタリング、またはイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。
反射層の層厚は、一般的には10nm〜300nmの範囲とし、20nm〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属、またはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。
これらの中でも、好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Al、またはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Ag、またはこれらの合金である。
これらの中でも、好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Al、またはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Ag、またはこれらの合金である。
〔記録層〕
本発明における記録層は、有機色素化合物および含窒素化合物を必須成分として含有することを特徴とする。
以下、本発明における記録層を構成する有機色素化合物、含窒素化合物、および任意成分について説明する。
本発明における記録層は、有機色素化合物および含窒素化合物を必須成分として含有することを特徴とする。
以下、本発明における記録層を構成する有機色素化合物、含窒素化合物、および任意成分について説明する。
(有機色素化合物)
記録層を構成する成分の一つである有機色素化合物としては、ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチンシアニン色素、ジシアノビニルフェニル骨格色素、クマリン化合物、ナフタロシアニン化合物、オキソノール色素等を用いることができ、次のような、公知文献によって知られている色素も利用することができる。
即ち、特開2001−287460号公報、特開2001−287465号公報、特開2001−253171号公報、特開2001−39034号公報、特開2000−318313号公報、特開2000−318312号公報、特開2000−280621号公報、特開2000−280620号公報、特開2000−263939号公報、特開2000−222772号公報、特開2000−222771号公報、特開2000−218940号公報、特開2000−158818号公報、特開2000−149320号公報、特開2000−108513号公報、特開2000−113504号公報、特開2002−301870号公報、特開2001−287465号公報、米国特許第2002/76648号明細書、特開2003−94828号公報、特開2001−71638号公報、特開平11−334205号公報、特開2001−158862号公報等に記載の色素も、本発明における有機色素化合物として用いることができる。
記録層を構成する成分の一つである有機色素化合物としては、ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチンシアニン色素、ジシアノビニルフェニル骨格色素、クマリン化合物、ナフタロシアニン化合物、オキソノール色素等を用いることができ、次のような、公知文献によって知られている色素も利用することができる。
即ち、特開2001−287460号公報、特開2001−287465号公報、特開2001−253171号公報、特開2001−39034号公報、特開2000−318313号公報、特開2000−318312号公報、特開2000−280621号公報、特開2000−280620号公報、特開2000−263939号公報、特開2000−222772号公報、特開2000−222771号公報、特開2000−218940号公報、特開2000−158818号公報、特開2000−149320号公報、特開2000−108513号公報、特開2000−113504号公報、特開2002−301870号公報、特開2001−287465号公報、米国特許第2002/76648号明細書、特開2003−94828号公報、特開2001−71638号公報、特開平11−334205号公報、特開2001−158862号公報等に記載の色素も、本発明における有機色素化合物として用いることができる。
中でも、本発明の光情報記録媒体の記録層には、(i)アゾ化合物、および(ii)アゾ化合物と金属イオンまたは金属酸化物イオンとを含み、かつ、波長405nmにおける消衰係数が0.15〜0.7の範囲であるアゾ金属錯体化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のアゾ有機色素化合物が好ましい。
これらの化合物は、短波長領域で大きな屈折率差を実現することができ、また、後述する粘着層と組み合わせることにより、特に短波長レーザー光照射により優れた記録特性を発揮し得る。
これらの化合物は、短波長領域で大きな屈折率差を実現することができ、また、後述する粘着層と組み合わせることにより、特に短波長レーザー光照射により優れた記録特性を発揮し得る。
(ii)アゾ金属錯体化合物の波長405nmにおける消衰係数は0.15〜0.7の範囲であることが好ましい。以下において、波長405nmにおける消衰係数を、消衰係数kという。
また、消衰係数kは、記録感度(具体的には、5mW記録での2T C/N)および再生耐久性の観点から、0.17≦k≦0.3であることが好ましく、0.18≦k≦0.29であることがより好ましく、0.19≦k≦0.28であることがさらに好ましい。
消衰係数kが上記の範囲であれば、記録層の厚さを、ランド上で1〜100nmの範囲、グルーブ上で5〜150nmの範囲とした場合、実用上十分な記録再生特性および記録感度を得ることができる。
また、消衰係数kは、記録感度(具体的には、5mW記録での2T C/N)および再生耐久性の観点から、0.17≦k≦0.3であることが好ましく、0.18≦k≦0.29であることがより好ましく、0.19≦k≦0.28であることがさらに好ましい。
消衰係数kが上記の範囲であれば、記録層の厚さを、ランド上で1〜100nmの範囲、グルーブ上で5〜150nmの範囲とした場合、実用上十分な記録再生特性および記録感度を得ることができる。
これに対し、(i)アゾ化合物であれば、消衰係数kが0.15未満または0.7を超えるものであっても、上記のような記録層の厚さの構成である場合にも、良好な記録再生特性を得ることができる。ただし、より良好な記録再生特性を得るためには、アゾ化合物としても、消衰係数kが0.15〜0.7の範囲のものを使用することが好ましく、0.17≦k≦0.6であることがより好ましく、0.2≦k≦0.5であることがさらに好ましい。
また、本発明におけるアゾ有機色素化合物は、記録信号のC/N比およびトラッキング適性の観点から、波長405nmにおける屈折率が1.45〜1.75の範囲であることが好ましく、1.45≦n≦1.70であることがより好ましく、1.46≦n≦1.67であることがさらに好ましく、1.47≦n≦1.65であることがより一層好ましい。
屈折率n、消衰係数kは、アゾ有機色素化合物である(i)アゾ化合物や(ii)アゾ金属錯体化合物を適当な溶媒に溶解して調製した塗布液を用いて色素膜を形成し、この色素膜について、例えば、分光エリプソメトリ装置(J.A.ウーラムジャパン社製、型式 M−2000)を用いて測定解析することにより求められる値をいうものとする。例えば、アゾ有機色素化合物2gを2,2,2,3−テトラプロパノール100mlに溶解して得られた色素含有塗布液を、厚さ1.1mmのガラス板上に、スピンコート法により回転数500〜1000rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布して形成した色素膜に対して、上記測定装置を用いて測定される値を、屈折率n、消衰係数kとすることができる。
さらに、記録感度および再生耐久性の観点から、アゾ有機色素化合物の熱分解温度は、250℃〜350℃の範囲であることが好ましく、250℃〜340℃の範囲であることがさらに好ましく、255℃〜以上330℃の範囲であることがより一層好ましく、260℃〜320℃の範囲であることが特に好ましい。
本発明における熱分解温度は、TG/DTA測定によって求められる値をいうものとする。具体的には、例えば、Seiko Instruments Inc.製EXSTAR6000を用い、N2気流下(流量200ml/min)、30℃〜550℃の範囲において10℃/minで昇温を行い、質量減少率が10%に達した時点の温度として熱分解温度を求めることができる。
アゾ有機色素化合物の405nmにおける屈折率n、消衰係数k、および熱分解温度は、記録信号のCNR、トラッキング適性、記録感度および再生耐久性のすべてを満足させるという観点から、1.45≦n≦1.70、かつ0.17≦k≦0.3、かつ熱分解温度250℃以上340℃以下、であることが好ましく、1.46≦n≦1.67、かつ0.18≦k≦0.29、かつ熱分解温度255℃以上330℃以下、であることがより好ましく、1.47≦n≦1.65、かつ0.19≦k≦0.28、かつ熱分解温度260℃以上320℃以下、であることがさらに好ましい。
さらに、記録層内での空隙形成を良好に行い、記録特性(記録感度)を高めるために、前記のアゾ有機色素化合物の中でも、熱質量分析での主減量過程における質量減少率が10%以上である熱分解性を有する化合物を使用することが好ましい。
以下に、記録層に含まれるアゾ有機色素化合物である(i)アゾ化合物や(ii)アゾ金属錯体化合物についてさらに詳細に説明する。
−(i)アゾ化合物−
本発明において(i)アゾ化合物とは、非環状のアゾ基(−N=N−)を有する化合物と定義する。アゾ化合物としては、非環状のアゾ基を有し、色素として機能し得るものを用いることができ、好ましくは以下のものが挙げられる。
本発明において(i)アゾ化合物とは、非環状のアゾ基(−N=N−)を有する化合物と定義する。アゾ化合物としては、非環状のアゾ基を有し、色素として機能し得るものを用いることができ、好ましくは以下のものが挙げられる。
本発明における好ましい(i)アゾ化合物としては、色素膜安定性および色素膜耐光性の観点から、下記一般式(A)で表される化合物が挙げられる。
上記一般式(A)中、Q1は複素環または炭素環を形成する原子群を表し、Q2は含窒素複素環を形成する原子群を表し、Y1は金属イオンまたは金属酸化物イオンに配位可能な基を表し、R1は水素原子または置換基を表す。
以下に、一般式(A)について説明する。
Q1は複素環または炭素環を形成する原子群を表す。
Q1が複素環を形成する場合、Q1により形成される環は、炭素原子およびヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子、窒素原子等)とともに形成される複素環であればよく、特に限定されないが、例えば、ピラゾール環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環を挙げることができる。これらの環は置換基を有していてもよく、また、縮環していてもよい。
Q1が炭素環を形成する場合、該炭素環としてはベンゼン環が好ましい。
Q1は複素環または炭素環を形成する原子群を表す。
Q1が複素環を形成する場合、Q1により形成される環は、炭素原子およびヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子、窒素原子等)とともに形成される複素環であればよく、特に限定されないが、例えば、ピラゾール環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環を挙げることができる。これらの環は置換基を有していてもよく、また、縮環していてもよい。
Q1が炭素環を形成する場合、該炭素環としてはベンゼン環が好ましい。
Q1で表される原子群は置換基を有していてもよく、塗布溶剤への溶解性の観点から、置換基を有することが好ましい。置換基としては、特に限定されないが、例えば、以下に示すものが挙げられる。
即ち、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
即ち、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
さらに詳しくは、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2―ピリジルカルボニル基、2―フリルカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)を表す。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去りさらに上記の基で置換されていても良い。
そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
Q1で表される原子群に置換基を有する場合、青色半導体レーザに対する感度の点から、置換基は、ヒドロキシル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基、およびアニリノ基のいずれにも該当しない置換基であることが好ましい。該置換基としては、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアシル基、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、または炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルコキシスルホニル基であることが好ましく、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアシル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリールスルホニル基であることがより好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアシル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキルスルホニル基であることがさらに好ましい。
Q2は含窒素複素環を形成する原子群を表す。Q2によって形成される含窒素複素環基は、下記構造式(q−1)〜(q−4)で表される環であることが好ましく、(q−1)、(q−2)で表される環であることがより好ましく、(q−1)で表される環であることがさらに好ましい。
上記構造式(q−1)〜(q−4)において、*は一般式(A)中の−N=N−基との結合位置を表し、R1は一般式(A)中のR1に相当し、R11〜R16は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。
一般式(A)中のR1は、水素原子または置換基を表す。
R1で表される置換基としては、特に限定されないが、金属イオンまたは金属酸化物イオンに配位可能な基を有する置換基であることが好ましく、含窒素ヘテロ環を形成する基であることがより好ましい。含窒素ヘテロ環としては、特に限定されないが、例えば、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、4,5−ジヒドロイミダゾール、4,5−ジヒドロオキサゾール、4,5−ジヒドロチアゾール、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,3,5−トリアジン環のいずれかを形成する環等が挙げられる。これらの環はさらに置換基を有していてもよく、また、縮環していてもよい。
R1で表される置換基としては、特に限定されないが、金属イオンまたは金属酸化物イオンに配位可能な基を有する置換基であることが好ましく、含窒素ヘテロ環を形成する基であることがより好ましい。含窒素ヘテロ環としては、特に限定されないが、例えば、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、4,5−ジヒドロイミダゾール、4,5−ジヒドロオキサゾール、4,5−ジヒドロチアゾール、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,3,5−トリアジン環のいずれかを形成する環等が挙げられる。これらの環はさらに置換基を有していてもよく、また、縮環していてもよい。
R1が含窒素へテロ環基である場合、好ましくは、チアゾール環、オキサゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環であり、より好ましくは、チアゾール環、オキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環であり、さらに好ましくは、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、トリアジン環であり、特に好ましくはチアゾール環、ピリジン環である。
R1が水素原子である場合、該水素原子が解離して、該水素原子と結合していた窒素原子と金属イオンが共有結合してアゾ金属錯体を形成することが好ましい。
前記部分構造式(q−1)〜(q−4)中のR11〜R16は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。R11〜R16は、溶解性向上の観点から、置換基であることが好ましい。
置換基としては、特に限定されないが、前記Q1で表される原子群にさらに置換する置換基として挙げた置換基が挙げられる。
置換基としては、特に限定されないが、前記Q1で表される原子群にさらに置換する置換基として挙げた置換基が挙げられる。
中でも、R11、R13、およびR14は、各々独立に、炭素数6〜20の置換もしくは無置換の炭素環基、炭素数6〜20の置換もしくは無置換の複素環基、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキルアミノカルボニル基、炭素数7〜10の置換もしくは無置換のアニリノカルボニル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、シアノ基より選ばれる基であることが好ましく、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、シアノ基より選ばれる基であることがより好ましく、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、シアノ基より選ばれる基であることがさらに好ましく、シアノ基であることが特に好ましい。
R12、R15、およびR16は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、溶解性の観点から炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基がより好ましい。アルキル基としては、炭素数3〜6の分岐のアルキル基であることが好ましく、炭素数4〜6の3級アルキル基がより好ましい。
一般式(A)中のY1は、金属イオンまたは金属酸化物イオンに配位可能な基を表す。
Y1で表される金属イオンまたは金属酸化物イオンに配位可能な基としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。
Y1で表される金属イオンまたは金属酸化物イオンに配位可能な基としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。
Y1としては、ヒドロキシル基、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)であることが好ましい。
Y1が置換基を有するアミノ基である場合、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアシルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であることが好ましく、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアシルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基であることがより好ましく、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアシルアミノ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基であることがさらに好ましく、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアシルアミノ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基であることが特に好ましい。
また、Y1が置換基を有するアミノ基である場合、該置換基はQ1により形成される原子群と結合して環を形成してもよく、このような場合も好ましい。このようにして形成される環としては、窒素原子1〜3個を含む5員環、窒素原子1〜4個を含む6員環が挙げられ、窒素原子2個または3個を含む5員環であることが好ましく、窒素原子3個を含む5員環であることがより好ましい。
以下に、一般式(A)で表されるアゾ化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以上説明したアゾ化合物は、金属イオンや金属酸化物イオンと錯体形成していない状態で、有機色素化合物として記録層に含有されるものである。このように金属イオンや金属酸化物イオンを含まないことは、環境や人体に対する影響の観点で好ましい。
一般式(A)で表される化合物としては、アゾ−ヒドラゾン互変異性平衡におけるアゾフォームのみを示してしているが、対応するヒドラゾンフォームであってもよい。
−(ii)アゾ金属錯体化合物−
(ii)アゾ金属錯体化合物は、アゾ化合物および金属イオンもしくは金属酸化物イオンを含む金属錯体である。(ii)アゾ金属錯体化合物は、アゾ化合物と金属イオンもしくは金属酸化物イオンとを反応させることによりアゾ化合物が金属イオンに配位結合し、生成する色素である。
(ii)アゾ金属錯体化合物は、アゾ化合物および金属イオンもしくは金属酸化物イオンを含む金属錯体である。(ii)アゾ金属錯体化合物は、アゾ化合物と金属イオンもしくは金属酸化物イオンとを反応させることによりアゾ化合物が金属イオンに配位結合し、生成する色素である。
アゾ金属錯体色素としては、記録特性に優れる点で、前記一般式(A)で表されるアゾ化合物と金属イオンまたは金属酸化物イオンとを含むアゾ金属錯体色素が特に好適に用いられる。ただし、この場合のアゾ金属錯体色素の配位子である一般式(A)については、Y1は水素原子を有する基であり、アゾ金属錯体色素形成時に水素原子が解離してアニオン性基となることが好ましい。
(ii)アゾ金属錯体化合物中の金属イオンとしては、例えば、Mg、Al、Si、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ba、Pr、Eu、Yb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Th等の金属のイオンが挙げられ、中でも、遷移金属原子のイオンが好ましい。また、金属酸化物イオンとしては、これらの金属の酸化物イオンを挙げることができる。
遷移金属原子とは、周期表のIIIa族〜VIII族の元素およびIbが含まれ、不完全d電子殻を持つ元素である。遷移金属原子としては、特に限定されるものではないが、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Crが好ましく、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znがより好ましく、Mn、Fe、Co、Ni、Cuがさらに好ましく、記録再生特性の観点から、Mn、Fe、Cuが特に好ましい。
金属イオンとしては、2価または3価の金属原子が好ましく、2価の金属原子がより好ましい。2価または3価の金属(金属イオンで表す)としては、例えば、Mn2+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+、Zn2+、Cr3+、Ru2+、Rh3+、Pd2+、Ir3+、Pt2+等が挙げられ、Mn2+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+、Zn2+が好ましく、Mn2+、Fe2+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+がより好ましく、Mn2+、Fe2+、Cu2+がさらに好ましい。
(ii)アゾ金属錯体化合物は、銅イオン、鉄イオン、またはマンガンイオンを中心金属イオンとして含むことが特に好ましく、銅イオンを含むことが最も好ましい。
なお、アゾ化合物の一般的合成法としては、特開昭61−36362号公報および特開2006−57076号公報に記載の方法が挙げられる。ただし、これに限定するものではなく、他の酸、反応溶媒を用いてもよく、また、カップリング反応を塩基(例えば、酢酸ナトリウム、ピリジン、水酸化ナトリウム等)存在下で行ってもよい。
また、アゾ化合物と金属イオン(または金属酸化物イオン)を反応させて金属アゾキレート色素を得る一般的方法としては、アゾ化合物、金属塩(金属錯体、金属酸化物塩を含む)を、塩基存在下、有機溶媒中もしくは水中、またはその混合液中において、攪拌する方法が挙げられる。ただし、金属塩の種類、塩基の種類、有機溶媒またはその混合液の種類、反応温度等は限定されない。
以下に、本発明の光情報記録媒体における記録層に使用可能な(ii)アゾ金属錯体色素の具体例を示す。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の光情報記録媒体における記録層に使用可能な(ii)アゾ金属錯体色素としては、下記一般式(B)で表される化合物も挙げられる。
一般式(B)
(L2−)n(L’)m(M)r・(Xp+)k’
(L2−)n(L’)m(M)r・(Xp+)k’
上記一般式(B)中、L2−は前記一般式(A)(このときR1は水素原子)中に含まれる水素原子2つを解離させることにより得られる2価のアゾ色素アニオンを表し、L’は配位子を表し、Mは金属イオンまたは金属酸化物イオンを表し、nは1〜4の範囲の整数を表し、mは0〜3の範囲の整数を表し、rは1または2を表し、Xp+はp価のカチオン(但し、シアニン色素カチオンおよびスチリル色素カチオンを除く)であり、pは1〜4の範囲の整数を表し、k’は0<k’≦4の範囲であり、(L2−)n(L’)m(M)rで表されるアニオン性部位中の負電荷をpで割った値を表す。]
この一般式(B)で表される化合物の具体例を以下に示す。
本発明における記録層には、有機色素化合物として前述のアゾ有機色素化合物を一種または二種以上組み合わせて使用することができる。さらに、アゾ有機色素化合物以外の色素を併用することもできる。併用可能な色素としては、例えば、波長440nm以下の短波長領域において吸収を有するものが好ましい。そのような色素としては、特に限定されないが、アゾ色素、アゾ金属錯体色素、フタロシアニン色素、オキソノール色素、シアニン色素等が挙げられる。
有機色素化合物の使用量は、記録層の全質量に対して、例えば、1〜99質量%の範囲であり、好ましくは50〜95質量%、より好ましくは75〜90質量%の範囲である。有機色素化合物としてアゾ有機色素化合物と他の色素を併用する場合、色素全量に対するアゾ有機色素化合物の割合が、1質量%以上であることが好ましく、10〜100質量%であることがさらに好ましく、50〜100質量%であることが特に好ましい。
(含窒素化合物)
本発明において記録層は、(1)無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有するアンモニウム塩、および、(2)炭素数2〜8のアルキル基を有するアミンを配位子として有する金属錯体からなる群より選択される少なくとも1種の含窒素化合物を含有する。
この含窒素化合物は、記録層の有機色素化合物に対し、モル分率で1モル%〜100モル%含有することを要し、好ましくは、1モル%〜50モル%であり、3モル%〜30モル%がさらに好ましい。
以下、本発明における含窒素化合物について説明する。
本発明において記録層は、(1)無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有するアンモニウム塩、および、(2)炭素数2〜8のアルキル基を有するアミンを配位子として有する金属錯体からなる群より選択される少なくとも1種の含窒素化合物を含有する。
この含窒素化合物は、記録層の有機色素化合物に対し、モル分率で1モル%〜100モル%含有することを要し、好ましくは、1モル%〜50モル%であり、3モル%〜30モル%がさらに好ましい。
以下、本発明における含窒素化合物について説明する。
−(1)アンモニウム塩−
本発明における(1)無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有するアンモニウム塩としては、下記一般式(AM1)で表される化合物が好ましい。
本発明における(1)無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有するアンモニウム塩としては、下記一般式(AM1)で表される化合物が好ましい。
一般式(AM1)
[(R01)(R02)(R03)(R04)N]+[X]−
[(R01)(R02)(R03)(R04)N]+[X]−
ここで、一般式(AM1)中、R01、R02、R03、およびR04は、各々独立に、水素原子、あるいは、炭素数1〜8の分岐または直鎖のアルキル基を表し、かつ、R01、R02、R03、およびR04のうち少なくとも1つは、炭素数2〜8のアルキル基を表す。また、[X]−は、無機アニオンを表す。
以下に、一般式(AM1)についてより詳細に説明する。
R01〜R04で表される炭素数1〜8の分岐または直鎖のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。これらのアルキル基はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メトキシ基、フェニル基、等が挙げられる。
R01〜R04で表されるアルキル基としては、好ましくは、炭素数2〜6の分岐または直鎖のアルキル基であり、さらに好ましくは、炭素数2〜4の分岐または直鎖のアルキル基である。
R01〜R04で表される炭素数1〜8の分岐または直鎖のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。これらのアルキル基はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メトキシ基、フェニル基、等が挙げられる。
R01〜R04で表されるアルキル基としては、好ましくは、炭素数2〜6の分岐または直鎖のアルキル基であり、さらに好ましくは、炭素数2〜4の分岐または直鎖のアルキル基である。
また、[X]−で表される無機アニオンとしては、ハロゲンイオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン等)、BF4 −、PF6 −、ClO4 −などが挙げられる。
一般式(AM1)で表されるアンモニウム塩の具体的化合物としては、例えば、エチルアンモニウム塩酸塩、ジエチルアンモニウム塩酸塩、トリエチルアンモニウム塩酸塩、塩化テトラエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム臭化水素塩、臭化テトラエチルアンモニウム、ジイソプロピルエチルアンモニウム塩酸塩、臭化テトラブチルアンモニウム、等が挙げられる。
−(2)アミンの金属錯体−
(2)炭素数2〜8のアルキル基を有するアミンを配位子として有する金属錯体は、炭素数2〜8のアルキル基を有するアミンを配位子として少なくとも1つ有する金属錯体である。好ましくは、下記一般式(AM2)で表される化合物である。
(2)炭素数2〜8のアルキル基を有するアミンを配位子として有する金属錯体は、炭素数2〜8のアルキル基を有するアミンを配位子として少なくとも1つ有する金属錯体である。好ましくは、下記一般式(AM2)で表される化合物である。
一般式(AM2)
[(L1)(L2)(L3)N]n MYm
[(L1)(L2)(L3)N]n MYm
上記一般式(AM2)中、L1、L2、およびL3は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8の分岐または直鎖のアルキル基を表し、かつ、L1、L2、およびL3のうち少なくとも1つは、炭素数2〜8のアルキル基を表す。Mは金属イオンを表し、Yは一般式(AM2)中の金属イオンおよび錯イオンの正電荷を中和するアニオンを表し、nは1〜4の整数を、mは0〜4の整数を表す。
以下に、一般式(AM2)についてより詳細に説明する。
L1、L2、およびL3で表される炭素数1〜8の分岐または直鎖のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。これらのアルキル基はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メトキシ基、フェニル基、等が挙げられる。
L1、L2、およびL3で表されるアルキル基としては、好ましくは、炭素数2〜6の分岐または直鎖のアルキル基であり、さらに好ましくは、炭素数2〜4の分岐または直鎖のアルキル基である。
L1、L2、およびL3で表される炭素数1〜8の分岐または直鎖のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。これらのアルキル基はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メトキシ基、フェニル基、等が挙げられる。
L1、L2、およびL3で表されるアルキル基としては、好ましくは、炭素数2〜6の分岐または直鎖のアルキル基であり、さらに好ましくは、炭素数2〜4の分岐または直鎖のアルキル基である。
Mで表される金属イオンは、2価または3価の金属イオンが好ましく、2価の金属イオンがより好ましい。2価または3価の金属イオンとしては、例えば、Mn2+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+、Zn2+、Cr3+、Ru2+、Rh3+、Pd2+、Ir3+、Pt2+等が挙げられ、Mn2+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+、Zn2+が好ましく、Mn2+、Fe2+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+がより好ましく、Ni3+、Zn2+、Mn2+、Fe2+、Cu2+がさらに好ましい。
Yで表される一般式(AM2)中の正電荷を中和するアニオンとしては、無機アニオンが好ましく、ハロゲンイオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン等)、BF4 −、PF6 −、ClO4 −などが挙げられる。
一般式(AM1)で表される金属錯体の具体的化合物としては、ビストリエチルアミンCu(II)ジクロリド、ビスジイソプロピルアミンCu(II)ジクロリド、ビストリブチルアミンCu(II)ジブロミド等が挙げられる。
本発明において、含窒素化合物としては、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有する1級〜3級アンモニウム塩、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有する4級アンモニウム塩、および、炭素数2〜8のアルキル基を有する1級〜3級アミンを配位子として有する金属錯体からなる群より選ばれるいずれか1種を用いることが好ましく、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有する3級アンモニウム塩、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有する4級アンモニウム塩、および、炭素数2〜8のアルキル基を有する3級アミンを配位子として有する金属錯体からなる群より選ばれるいずれか1種を用いることがより好ましい。
これらの中でも、特に、含窒素化合物として、炭素数2〜8のアルキル基を有する3級アミンを配位子として有する金属錯体が好ましく、さらに、該金属錯体が、Ni3+、Zn2+、Mn2+、Fe2+、およびCu2+のいずれか1種の金属イオンを用いてなる錯体であることが好ましい。
なお、ここで、3級アンモニウム塩とは、3つのアルキル基が窒素原子に結合した3級アミンと水素原子とから形成されるアンモニウム塩を表す。
これらの中でも、特に、含窒素化合物として、炭素数2〜8のアルキル基を有する3級アミンを配位子として有する金属錯体が好ましく、さらに、該金属錯体が、Ni3+、Zn2+、Mn2+、Fe2+、およびCu2+のいずれか1種の金属イオンを用いてなる錯体であることが好ましい。
なお、ここで、3級アンモニウム塩とは、3つのアルキル基が窒素原子に結合した3級アミンと水素原子とから形成されるアンモニウム塩を表す。
次に記録層の形成について説明する。
記録層は、有機色素化合物および含窒素化合物を、結合剤等と共にまたは結合剤を用いないで適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を、反射層上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成することができる。ここで、記録層は、単層でも重層でもよい。塗布液を塗布する工程を複数回行うことにより、重層構造の記録層を形成することができる。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
記録層は、有機色素化合物および含窒素化合物を、結合剤等と共にまたは結合剤を用いないで適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を、反射層上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成することができる。ここで、記録層は、単層でも重層でもよい。塗布液を塗布する工程を複数回行うことにより、重層構造の記録層を形成することができる。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の調製に用いる溶剤としては、例えば、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、さらに、結合剤、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、さらに、結合剤、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。
塗布の際、塗布液の温度は23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、23〜38℃の範囲であることが特に好ましい。
塗布の際、塗布液の温度は23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、23〜38℃の範囲であることが特に好ましい。
記録層の厚さは、ランド(前記基板において凸部)上で1〜100nmの範囲であり、グルーブ(前記基板において凹部)上で5〜150nmの範囲であることが好ましい。
また、ランド上での厚さは、70nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることがさらに好ましい。下限値は、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。
また、記録層の厚さは、グルーブ上で、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。下限値は、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましい。
また、ランド上での厚さは、70nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、30nm以下であることがさらに好ましい。下限値は、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。
また、記録層の厚さは、グルーブ上で、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。下限値は、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましい。
さらに、ランド上の記録層の厚さとグルーブ上の記録層の厚さの比{(ランド上の記録層の厚さ)/(グルーブ上の記録層の厚さ)}は、0.1以上であることが好ましく、0.13以上であることがより好ましく、0.15以上であることがさらに好ましく、0.17以上であることが特に好ましい。上限値としては、1以下であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.85以下であることがさらに好ましく、0.8以下であることが特に好ましい。
さらに、記録層には、記録層の耐光性を向上させるために種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、有機酸化剤や一重項酸素クエンチャーを挙げることができる。褪色防止剤として用いられる有機酸化剤としては、特開平10−151861号公報に記載されている化合物が好ましい。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−81194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同63−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、および同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。好ましい一重項酸素クエンチャーの例としては、下記の一般式(I)で表される化合物を挙げることができる。
一般式(I)中、R21は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、Q−はアニオンを表す。
一般式(I)において、R21は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、無置換の炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例、F,Cl)、アルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基)、アルキルチオ基(例、メチルチオ基、エチルチオ基)、アシル基(例、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アルケニル基(例、ビニル基)、アリール基(例、フェニル基、ナフチル基)を挙げることができる。これらの中で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基が好ましい。Q−のアニオンの好ましい例としては、ClO4 −、AsF6 −、BF4 −、およびSbF6 −を挙げることができる。
一般式(I)で表される化合物例(化合物番号I−1〜I−8)を下記表3に示す。
前記一重項酸素クエンチャーなどの褪色防止剤の使用量は、色素量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、さらに好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
〔バリア層〕
バリア層は、記録層の保存性向上、記録層とカバー層との接着性向上、反射率調整、熱伝導率調整等のために設けられる層である。
バリア層に用いられる材料としては、記録および再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料、Ag合金などの反射層材料との接触により腐食を生じない材料、湿熱環境での腐食が生じない材料を用いることが好ましく、誘電体であることがさらに好ましい。
具体的には、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge、Nb、Ta等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZnO、SnO2、ZnO−Ga2O3、Nb2O5、Ta2O5が好ましく、SnO2、ZnO−Ga2O3、SiO2、Nb2O5、Ta2O5がより好ましい。
バリア層は、記録層の保存性向上、記録層とカバー層との接着性向上、反射率調整、熱伝導率調整等のために設けられる層である。
バリア層に用いられる材料としては、記録および再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料、Ag合金などの反射層材料との接触により腐食を生じない材料、湿熱環境での腐食が生じない材料を用いることが好ましく、誘電体であることがさらに好ましい。
具体的には、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge、Nb、Ta等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZnO、SnO2、ZnO−Ga2O3、Nb2O5、Ta2O5が好ましく、SnO2、ZnO−Ga2O3、SiO2、Nb2O5、Ta2O5がより好ましい。
また、バリア層は、真空蒸着、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンプレーティングなどの真空成膜法により形成することができる。中でも、スパッタリングを用いることがより好ましい。
バリア層の厚さは、1nm〜200nmの範囲が好ましく、2nm〜100nmの範囲がより好ましく、3nm〜50nmの範囲がさらに好ましい。
バリア層の厚さは、1nm〜200nmの範囲が好ましく、2nm〜100nmの範囲がより好ましく、3nm〜50nmの範囲がさらに好ましい。
〔カバー層〕
カバー層は、光情報記録媒体の内部を汚染や傷、衝撃などから防ぐため、あるいは水分の浸入などを防ぐなどのために形成される。
カバー層は、透明な材質のフィルムを、バリア層上に、接着剤や粘着材を介して貼り合わされる方法で形成してもよいし、また、バリア層上に、紫外線硬化樹脂を利用してスピンコーティング法により塗布した後、硬化させることで形成してもよい。
カバー層は、光情報記録媒体の内部を汚染や傷、衝撃などから防ぐため、あるいは水分の浸入などを防ぐなどのために形成される。
カバー層は、透明な材質のフィルムを、バリア層上に、接着剤や粘着材を介して貼り合わされる方法で形成してもよいし、また、バリア層上に、紫外線硬化樹脂を利用してスピンコーティング法により塗布した後、硬化させることで形成してもよい。
カバー層の形成に用いられる透明な材質のフィルムは、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネートまたは三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録および再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
なお、「透明」とは、記録および再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
また、カバー層には、本発明の効果を妨げない範囲において、種々の添加剤が含有されていてもよい。例えば、透明な材質のフィルムに、波長400nm以下の光をカットするためのUV吸収剤および/または500nm以上の光をカットするための色素が含有されていてもよい。
さらに、カバー層の表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータおよび3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録および再生に用いられる光の集光度の観点から、カバー層の複屈折は10nm以下であることが好ましい。
さらに、カバー層の表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータおよび3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録および再生に用いられる光の集光度の観点から、カバー層の複屈折は10nm以下であることが好ましい。
カバー層の厚さは、記録および再生のために照射されるレーザー光の波長やNA、紫外線硬化樹脂塗布液の硬化のために照射される紫外線の波長等により、適宜、規定することができるが、本発明においては、0.01〜0.5mmの範囲内であることが好ましく、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。
また、カバー層と接着層を合わせた総厚は、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
また、カバー層と接着層を合わせた総厚は、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
光情報記録媒体の光入射面が傷つくことを防止するために、カバー層表面には、ハードコート層を設けることが好ましい。
以下、透明な材質のフィルムを用いたカバー層およびハードコート層の形成方法について説明する。
まず、ロール状に巻回されたカバー層用の透明な材質のフィルム(カバーシート)の一方の面に、放射線硬化樹脂塗布液を連続的に塗布する。塗布により形成された塗膜に放射線を連続照射し、硬化させてカバーシート上にハードコート層を設ける。その後、カバーシートの他方の面に、粘着剤からなる粘着層を連続的に設け、ハードコート層および粘着層が設けられた透明シートを所定の形状(ディスク状)に打ち抜く。このディスク状のカバーシートの粘着層を貼り合わせ面として、バリア上に貼り合わせることで、ハードコード層付きのカバー層が形成される。なお、カバーシートの貼り合わせ方法等には、種々の方法を適用することができる。
なお、ハードコート層は、上述のようにして設けてもよいが、ロール状に巻回されたカバーシートに放射線硬化樹脂塗布液を行わず、ディスク状のカバーシートをバリア層上に貼り合わせた後、放射線硬化樹脂塗布液をスピンコート法により塗布し、硬化させることで、ハードコート層を形成してもよい。
まず、ロール状に巻回されたカバー層用の透明な材質のフィルム(カバーシート)の一方の面に、放射線硬化樹脂塗布液を連続的に塗布する。塗布により形成された塗膜に放射線を連続照射し、硬化させてカバーシート上にハードコート層を設ける。その後、カバーシートの他方の面に、粘着剤からなる粘着層を連続的に設け、ハードコート層および粘着層が設けられた透明シートを所定の形状(ディスク状)に打ち抜く。このディスク状のカバーシートの粘着層を貼り合わせ面として、バリア上に貼り合わせることで、ハードコード層付きのカバー層が形成される。なお、カバーシートの貼り合わせ方法等には、種々の方法を適用することができる。
なお、ハードコート層は、上述のようにして設けてもよいが、ロール状に巻回されたカバーシートに放射線硬化樹脂塗布液を行わず、ディスク状のカバーシートをバリア層上に貼り合わせた後、放射線硬化樹脂塗布液をスピンコート法により塗布し、硬化させることで、ハードコート層を形成してもよい。
カバーシート(透明な材質のフィルム)の厚さは、0.03〜0.15mmの範囲であることが好ましく、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、取り扱いが容易となり、しかも、コマ収差を抑えることができるという利点がある。
また、粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。
アクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
なお、予め粘着剤が付与された市販の透明シートを使用することもできる。
アクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
なお、予め粘着剤が付与された市販の透明シートを使用することもできる。
なお、本発明のように、基板上に、反射層、記録層、バリア層、接着層およびカバー層をこの順に有する光情報記録媒体では、一般に、基板および光反射層は、接着層やバリア層に比べて剛性が高い。よって、空隙が形成されると記録層はバリア層を押し上げ、バリア層とカバー層との間に位置する粘着層または接着層が適度に柔軟な場合は、該接着層に凹状の変形を生じさせる。このようにバリア層とカバー層の間に位置する接着層が容易に変形する場合は記録層における空隙の形成が妨げられることなく、ピットの形成を良好に行うことができる。これらの点から、本発明の光情報記録媒体では、粘着層または接着層がガラス転移温度25℃以下(より好ましくは、ガラス転移温度0℃以下、さらに好ましくは、−10℃以下、最も好ましくは、−20℃以下)と柔軟である場合、空隙形成に伴い容易に変形可能となり、空隙形成を良好に行うことができる。
また、ハードコート層に使用される放射線硬化樹脂としては、放射線照射により硬化可能な樹脂であればよく、より詳細には、分子中に、2個以上の放射線官能性の2重結合を有する樹脂であることが好ましい。
例えば、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等が挙げられる。中でも、好ましくは、2官能以上のアクリレート化合物、メタクリレート化合物である。
例えば、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等が挙げられる。中でも、好ましくは、2官能以上のアクリレート化合物、メタクリレート化合物である。
〔その他の層〕
本発明の光情報記録媒体は、本発明の効果を損なわない範囲においては、上記の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。
任意の層としては、例えば、基板の裏面(追記型の記録層が形成された側と逆側の面)に形成される、所望の画像を有するレーベル層や、反射層と記録層との間に設けられる界面層などが挙げられる。ここで、レーベル層は、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、および熱乾燥樹脂などを用いて形成することができる。
なお、上記した必須および任意の層はいずれも、単層でも、多層構造でもよい。
本発明の光情報記録媒体は、本発明の効果を損なわない範囲においては、上記の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。
任意の層としては、例えば、基板の裏面(追記型の記録層が形成された側と逆側の面)に形成される、所望の画像を有するレーベル層や、反射層と記録層との間に設けられる界面層などが挙げられる。ここで、レーベル層は、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、および熱乾燥樹脂などを用いて形成することができる。
なお、上記した必須および任意の層はいずれも、単層でも、多層構造でもよい。
本発明の光情報記録媒体は、レーザー光が照射されることにより、記録層に情報を記録することができる。光情報記録媒体に対する情報の記録は、記録層のレーザー光を照射された部分がその光学的特性を変えることによって行われる。光学的特性の変化は、記録層のレーザー光が照射された部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えば、ピットの生成)を生じることによってもたらされると考えられる。記録層に記録された情報の読み取り(再生)は、例えば、記録用のレーザー光と同様の波長のレーザー光を照射することにより、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部位)と変化しない部位(未記録部位)との反射率等の光学的特性の違いを検出することにより行うことができる。前述のように、本発明では、情報の記録は、好ましくは、レーザー光照射により記録層中の有機色素化合物が熱分解し、それにより発生した気体によりピット内に空隙が形成されることによって行われる。より好ましくは、有機色素化合物がレーザー光を吸収することによって発熱し、それにより生じた熱によって有機色素化合物中の置換基または色素骨格が分解して気体を発生する。これにより記録層中に空隙が形成され、レーザー光照射により空隙が形成された部分とレーザー光未照射部との間に大きな屈折率差を生じさせることができ、記録特性を高めることができると考えられる。前記レーザー光の波長は、390〜440nmであることが好ましい。本発明の光情報記録媒体への情報記録の詳細は後述する。
[光情報記録方法]
本発明の光情報記録方法は、本発明の光情報記録媒体へ、波長390〜440nmのレーザー光を照射することにより、記録層へ情報を記録することを特徴とする。
本発明の光情報記録方法は、本発明の光情報記録媒体へ、波長390〜440nmのレーザー光を照射することにより、記録層へ情報を記録することを特徴とする。
記録光は波長390〜440nmのレーザー光であり、440nm以下の範囲の発振波長を有する半導体レーザー光が好適に用いられ、好ましい光源としては390〜440(さらに好ましくは390〜415nm)の範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー光、中心発振波長850nmの赤外半導体レーザー光を光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザー光を挙げることができる。
特に、記録密度の点で390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー光を用いることが好ましい。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザー光をカバー層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
特に、記録密度の点で390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー光を用いることが好ましい。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザー光をカバー層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
具体的には、図1に示す光情報記録媒体に対する情報の記録は、例えば次のように行われる。
まず、光情報記録媒体を一定の線速度(例えば0.5〜10m/秒)または一定の角速度にて回転させながら、カバー層16側から半導体レーザー光等の記録用のレーザー光46を、第一対物レンズ42(例えば開口数NAが0.85)を介して照射する。このレーザー光46の照射により、追記型の記録層14がレーザー光46を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
まず、光情報記録媒体を一定の線速度(例えば0.5〜10m/秒)または一定の角速度にて回転させながら、カバー層16側から半導体レーザー光等の記録用のレーザー光46を、第一対物レンズ42(例えば開口数NAが0.85)を介して照射する。このレーザー光46の照射により、追記型の記録層14がレーザー光46を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
〔実施例1〕
≪光情報記録媒体の作製≫
(基板の作製)
厚さ1.1mm、外径120mm、内径15mmでスパイラル状のプリグルーブ(トラックピッチ:320nm、溝幅:グルーブ(凹部)幅160nm、溝深さ:39nm、ウォブル振幅:20nm)を有する、ポリカーボネート樹脂からなる射出成形基板を作製した。
≪光情報記録媒体の作製≫
(基板の作製)
厚さ1.1mm、外径120mm、内径15mmでスパイラル状のプリグルーブ(トラックピッチ:320nm、溝幅:グルーブ(凹部)幅160nm、溝深さ:39nm、ウォブル振幅:20nm)を有する、ポリカーボネート樹脂からなる射出成形基板を作製した。
(反射層の形成)
基板上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングにより、膜厚60nmの真空成膜層としてのANC反射層(Ag:98.1at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%)を形成した。反射層の膜厚の調整は、スパッタ時間により行った。
基板上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングにより、膜厚60nmの真空成膜層としてのANC反射層(Ag:98.1at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%)を形成した。反射層の膜厚の調整は、スパッタ時間により行った。
(記録層の形成)
(ii)アゾ金属錯体化合物の例示化合物(M−39)1gを、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール100ml中に添加して溶解し、また、(1)アンモニウム塩であるトリエチルアンモニウム塩酸塩を、(ii)アゾ金属錯体化合物に対して10モル%となるように添加し、記録層用塗布液を調製した。
そして、反射層上に、調製した記録層用塗布液を、スピンコート法により回転数500〜2200rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布し、同一温湿度環境で乾燥させて、記録層を形成した。
(ii)アゾ金属錯体化合物の例示化合物(M−39)1gを、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール100ml中に添加して溶解し、また、(1)アンモニウム塩であるトリエチルアンモニウム塩酸塩を、(ii)アゾ金属錯体化合物に対して10モル%となるように添加し、記録層用塗布液を調製した。
そして、反射層上に、調製した記録層用塗布液を、スピンコート法により回転数500〜2200rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布し、同一温湿度環境で乾燥させて、記録層を形成した。
記録層を形成した後、クリーンオーブンにてアニール処理を施した。アニール処理は、基板を垂直のスタックポールにスペーサーで間をあけながら支持し、80℃で1時間保持して行った。
(バリア層、およびカバー層の形成)
その後、記録層上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Arおよび酸素雰囲気中で、DCスパッタリングによりNb2O5からなる、厚さ10nmのバリア層を形成した。
その後、記録層上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Arおよび酸素雰囲気中で、DCスパッタリングによりNb2O5からなる、厚さ10nmのバリア層を形成した。
バリア層を形成した後、一方の面に厚さ20μmのアクリル系粘着層が形成されたポリカーボネートフィルム(厚み80μm)を貼り合せた。
これにより、実施例1の光情報記録媒体が作製された。
これにより、実施例1の光情報記録媒体が作製された。
《記録特性の評価》
1.C/N(搬送波対雑音比)評価
作製した光情報記録媒体を、403nmレーザー、NA0.85ピックアップを積んだ記録再生評価機(パルステック社製:DDU1000)を用い、クロック周波数66MHz、線速4.92m/sにて、0.16μmの信号(2T)を記録、再生しスペクトルアナライザー(ローデ&シュウバルツ社製FSP−3型)にて出力を測定した。記録後の16MHz付近に見られるピークの出力をCarrier出力、記録前の同周波数の出力をNoise出力として、記録後の出力−記録前の出力をC/N値とした。記録はグルーブ上に行った。また記録パワーは2〜8mWの範囲で行い、再生パワー0.3mWであった。C/N値が25dBに到達したときの記録パワーを下記表4に示す。この値が小さい程、記録感度が高く、感度が好適であることを意味する。
1.C/N(搬送波対雑音比)評価
作製した光情報記録媒体を、403nmレーザー、NA0.85ピックアップを積んだ記録再生評価機(パルステック社製:DDU1000)を用い、クロック周波数66MHz、線速4.92m/sにて、0.16μmの信号(2T)を記録、再生しスペクトルアナライザー(ローデ&シュウバルツ社製FSP−3型)にて出力を測定した。記録後の16MHz付近に見られるピークの出力をCarrier出力、記録前の同周波数の出力をNoise出力として、記録後の出力−記録前の出力をC/N値とした。記録はグルーブ上に行った。また記録パワーは2〜8mWの範囲で行い、再生パワー0.3mWであった。C/N値が25dBに到達したときの記録パワーを下記表4に示す。この値が小さい程、記録感度が高く、感度が好適であることを意味する。
2.ジッター評価
上記評価機にて、上記と同じ記録速度にて、記録信号をランダムに記録し、ジッターを測定した。ジッターが7%以上8%以下であった場合を×、7%未満の場合を○と評価した。
上記評価機にて、上記と同じ記録速度にて、記録信号をランダムに記録し、ジッターを測定した。ジッターが7%以上8%以下であった場合を×、7%未満の場合を○と評価した。
3.再生耐久性の評価
上記評価機にて、上記と同じ記録速度にて、9T信号を記録再生し、レーザー光の反射率を測定した。次いで、再生光として、ここでは0.6mWにて10万回再生を行い、記録部の反射率を測定した。10万回再生した後の反射率が1回再生した後の反射率に対して、5%未満の変化率であった場合を○、5%以上であった場合を×と評価した。
なお、本実施例における光情報記録媒体は、記録後の反射率は記録前の反射率よりも高くなる、いわゆるLow to High(LTH)方式と呼ばれるものである。
上記評価機にて、上記と同じ記録速度にて、9T信号を記録再生し、レーザー光の反射率を測定した。次いで、再生光として、ここでは0.6mWにて10万回再生を行い、記録部の反射率を測定した。10万回再生した後の反射率が1回再生した後の反射率に対して、5%未満の変化率であった場合を○、5%以上であった場合を×と評価した。
なお、本実施例における光情報記録媒体は、記録後の反射率は記録前の反射率よりも高くなる、いわゆるLow to High(LTH)方式と呼ばれるものである。
〔実施例2、3〕
実施例1において、記録層に用いた含窒素化合物を、下記表4に記載の化合物に代えた以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
また、得られた光情報記録媒体について、実施例1と同様にして、記録感度、ジッター、および再生耐久性を評価した。その結果を、表4に示す。
実施例1において、記録層に用いた含窒素化合物を、下記表4に記載の化合物に代えた以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
また、得られた光情報記録媒体について、実施例1と同様にして、記録感度、ジッター、および再生耐久性を評価した。その結果を、表4に示す。
〔実施例4〕
実施例3において、記録層に用いた含窒素化合物(ビストリエチルアミンCu(II)ジクロリド)の添加量を5モル%に変えた以外は、実施例3と同様にして、光情報記録媒体を得た。
また、得られた光情報記録媒体について、実施例1と同様にして、記録感度、ジッター、および再生耐久性を評価した。その結果を、表4に示す。
実施例3において、記録層に用いた含窒素化合物(ビストリエチルアミンCu(II)ジクロリド)の添加量を5モル%に変えた以外は、実施例3と同様にして、光情報記録媒体を得た。
また、得られた光情報記録媒体について、実施例1と同様にして、記録感度、ジッター、および再生耐久性を評価した。その結果を、表4に示す。
〔比較例1〕
実施例1において、記録層塗布液に含窒素化合物を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
また、得られた光情報記録媒体について、実施例1と同様にして、記録感度、ジッター、および再生耐久性を評価した。その結果を、表4に示す。
実施例1において、記録層塗布液に含窒素化合物を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
また、得られた光情報記録媒体について、実施例1と同様にして、記録感度、ジッター、および再生耐久性を評価した。その結果を、表4に示す。
〔比較例2〕
実施例1において、記録層塗布液に含窒素化合物を用いず、記録層の厚みを1.2倍とした以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
また、得られた光情報記録媒体について、実施例1と同様にして、記録感度、ジッター、および再生耐久性を評価した。その結果を、表4に示す。
実施例1において、記録層塗布液に含窒素化合物を用いず、記録層の厚みを1.2倍とした以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
また、得られた光情報記録媒体について、実施例1と同様にして、記録感度、ジッター、および再生耐久性を評価した。その結果を、表4に示す。
〔比較例3〕
実施例1において、記録層に用いた含窒素化合物を、「トリメチルアンモニウム塩酸塩」に代えた以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
また、得られた光情報記録媒体について、実施例1と同様にして、記録感度、ジッター、および再生耐久性を評価した。その結果を、表4に示す。
実施例1において、記録層に用いた含窒素化合物を、「トリメチルアンモニウム塩酸塩」に代えた以外は、実施例1と同様にして、光情報記録媒体を得た。
また、得られた光情報記録媒体について、実施例1と同様にして、記録感度、ジッター、および再生耐久性を評価した。その結果を、表4に示す。
上記表4において、比較例1、3の光情報記録媒体が低感度であり、実施例1〜4の光情報記録媒体がいずれも高感度であることが分かった。また、比較例2においては、記録層における色素層厚みを増加させることにより、記録感度を増大させたが、その場合、ジッターが上昇する問題があることが分かる。これに対し、実施例1〜4の光情報記録媒体によれば、ジッターを小さく維持し、かつ、高感度を実現することが可能となることが分かる。また、表4によれば、実施例1〜4の光情報記録媒体は、再生耐久性に優れることも分かる。
本発明の光情報記録媒体は、短波長レーザー光を照射することにより情報を記録するためのブルーレイ方式の光情報記録媒体として好適である。
10…光情報記録媒体
12…基板
14…記録層
16…カバー層
18…反射層
20…バリア層
22…粘着層または接着層
42…第一対物レンズ
44…ハードコート層
46…レーザー光
12…基板
14…記録層
16…カバー層
18…反射層
20…バリア層
22…粘着層または接着層
42…第一対物レンズ
44…ハードコート層
46…レーザー光
Claims (8)
- 複数のグルーブおよび隣接するグルーブの間に位置するランドからなるプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に、反射層と、記録層と、バリア層と、カバー層と、をこの順に有する光情報記録媒体であって、
前記プリグルーブのトラックピッチが50nm〜500nmの範囲であり、
前記記録層が、有機色素化合物と、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有するアンモニウム塩、および、炭素数2〜8のアルキル基を有するアミンを配位子として有する金属錯体からなる群より選択される少なくとも1種の含窒素化合物と、を含有し、該含窒素化合物の含有量が前記有機色素化合物に対してモル分率で1モル%〜100モル%の範囲であることを特徴とする光情報記録媒体。 - 前記含窒素化合物が、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有する1級〜3級アンモニウム塩、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有する4級アンモニウム塩、および、炭素数2〜8のアルキル基を有する1級〜3級アミンを配位子として有する金属錯体からなる群より選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
- 前記含窒素化合物が、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有する3級アンモニウム塩、無機アニオンを対アニオンとする炭素数2〜8のアルキル基を有する4級アンモニウム塩、および、炭素数2〜8のアルキル基を有する3級アミンを配位子として有する金属錯体からなる群より選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光記録情報媒体。
- 前記含窒素化合物が、炭素数2〜8のアルキル基を有する3級アミンを配位子として有する金属錯体であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光記録情報媒体。
- 前記炭素数2〜8のアルキル基を有する3級アミンを配位子として有する金属錯体が、Ni3+、Zn2+、Mn2+、Fe2+、およびCu2+のいずれか1種の金属イオンを用いてなる錯体であることを特徴とする請求項4に記載の光記録情報媒体。
- 前記有機色素化合物がアゾ化合物である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
- 波長390nm〜440nmのレーザー光を照射することにより情報を記録するために使用される請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
- 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の光情報記録媒体へ、波長390nm〜440nmのレーザー光を照射することにより、光情報記録媒体の記録層へ情報を記録する情報記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008088490A JP2009241307A (ja) | 2008-03-28 | 2008-03-28 | 光情報記録媒体および情報記録方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008088490A JP2009241307A (ja) | 2008-03-28 | 2008-03-28 | 光情報記録媒体および情報記録方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009241307A true JP2009241307A (ja) | 2009-10-22 |
Family
ID=41303806
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008088490A Pending JP2009241307A (ja) | 2008-03-28 | 2008-03-28 | 光情報記録媒体および情報記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009241307A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014109172A1 (ja) * | 2013-01-11 | 2014-07-17 | 富士フイルム株式会社 | 多層光情報記録ディスクおよびその製造方法 |
-
2008
- 2008-03-28 JP JP2008088490A patent/JP2009241307A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014109172A1 (ja) * | 2013-01-11 | 2014-07-17 | 富士フイルム株式会社 | 多層光情報記録ディスクおよびその製造方法 |
CN104903959A (zh) * | 2013-01-11 | 2015-09-09 | 富士胶片株式会社 | 多层光学信息记录盘及其制造方法 |
JPWO2014109172A1 (ja) * | 2013-01-11 | 2017-01-19 | 富士フイルム株式会社 | 多層光情報記録ディスクの製造方法 |
US9711176B2 (en) | 2013-01-11 | 2017-07-18 | Fujifilm Corporation | Multilayer optical information recording disk and method for manufacturing same |
CN104903959B (zh) * | 2013-01-11 | 2018-10-16 | 富士胶片株式会社 | 多层光学信息记录盘及其制造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5139708B2 (ja) | 光情報記録媒体及びアゾ金属錯体色素 | |
JP2010015612A (ja) | 光情報記録媒体、情報記録再生方法、および、アゾ金属錯体色素 | |
JP5389599B2 (ja) | 光情報記録媒体、情報記録方法および光増感剤 | |
JP2009009684A (ja) | 光情報記録媒体および情報記録方法 | |
JPWO2006001460A1 (ja) | 新規オキソノール色素化合物および光情報記録媒体 | |
JP5139989B2 (ja) | 光情報記録媒体及びアゾ金属錯体色素 | |
US7205039B2 (en) | Optical information recording medium, information recording method, and dye compound | |
JP2004209771A (ja) | 光情報記録媒体 | |
JP4136834B2 (ja) | 光情報記録媒体 | |
JP4276877B2 (ja) | 光情報記録媒体および色素 | |
JP5133105B2 (ja) | 光情報記録媒体、情報記録方法、および、アゾ金属錯体色素 | |
JP2009241307A (ja) | 光情報記録媒体および情報記録方法 | |
JP2006244686A (ja) | 光情報記録媒体 | |
JP2009248543A (ja) | 光情報記録媒体および情報記録方法 | |
JP5121537B2 (ja) | 光情報記録媒体および情報記録方法 | |
JP5133284B2 (ja) | 光情報記録媒体、情報記録方法、および、アゾ金属錯体色素 | |
JP2008260249A (ja) | 光情報記録媒体および情報記録方法 | |
JP2010033667A (ja) | 光情報記録媒体およびその製造方法、ならびに情報記録方法 | |
JP2010006051A (ja) | 光情報記録媒体、情報記録方法、アゾ金属錯体色素、およびアゾ金属錯塩色素 | |
JP2009255563A (ja) | 光情報記録媒体、情報記録方法および新規アゾ色素 | |
JP2006315299A (ja) | 光情報記録媒体 | |
JP2004291244A (ja) | 光情報記録媒体および新規化合物 | |
JP2010023384A (ja) | 光情報記録媒体、情報記録方法、および、アゾ金属錯体色素 | |
JP2009248307A (ja) | 光情報記録媒体、情報記録方法、および、アゾ金属錯体色素 | |
JP2008262661A (ja) | 光情報記録媒体および情報記録方法 |