JP2006315299A - 光情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多層方式の追記型光情報記録媒体で、良好な記録再生信号が得られ、高速記録時にはレーザーパワーを下げることができる光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】 基板上に、色素を含有する記録層が少なくとも2層形成されており、それぞれの記録層の層間に中間層が形成されている光情報記録媒体であって、前記記録層のうち、レーザー光が入射される側の前記基板に最も近い第1の記録層のレーザー波長660nmにおける消衰係数k0が、k0≧0.01となっていることを特徴とする光情報記録媒体である。
【選択図】 図1

Description

本発明は光情報記録媒体に関し、特に、追記型のデジタル・バーサタイル・ディスク(DVD−R)のようなヒートモード型の光情報記録媒体に関する。
従来から、レーザ光により一回限りの情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知られている。このような光情報記録媒体の一つとして、追記型CD(所謂CD−R)が挙げられる。このCD−Rは、従来のCDの作製に比べて少量のCDを手頃な価格でしかも迅速に提供できる利点を有している。そのため、最近のパーソナルコンピュータの普及に伴ってその需要も増大している。CD−R型の光情報記録媒体の代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金などの金属からなる反射層、更に樹脂製の保護層をこの順に積層したものである。
そして、光ディスクへの情報の記録は、近赤外域のレーザ光(通常780nm付近の波長のレーザ光)を照射して記録層を局所的に発熱変形させることにより行われる。一方、情報の読み取り(再生)は、通常、記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を照射して、記録層が発熱変形された部位(記録部分)と変形されない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより行われている。
近年、記録密度のより高い光情報記録媒体が求められている。記録密度を高めるには、照射されるレーザの光径を小さく絞ることが有効であり、また波長が短いレーザ光ほど小さく絞ることができるため、高密度化に有利であることが理論的に知られている。従って、従来から用いられている780nmより短波長のレーザ光を用いて記録再生を行うための光ディスクの開発が進められており、例えば、追記型デジタル・バーサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが上市されている。この光ディスクは、トラックピッチがCD−Rの1.6μmより狭い0.8μmのプレグルーブが形成された直径120mmあるいは直径が80mmの透明な円盤状基板上に、色素からなる記録層、そして通常は記録層の上に更に反射層および保護層を設けてなるディスクを二枚、あるいはディスクと略同一寸法の円盤状保護基板とを記録層を内層にして接着剤で貼り合わせた構造となるように製造されている。そして、DVD−Rは、可視レーザ光(通常600nm〜700nmの範囲の波長のレーザ光)を照射することにより、記録及び再生が行われ、CD−R型の光ディスクより高密度の記録が可能であるとされる。
DVD−R型の光情報記録媒体は、従来のCD−R型に比べて数倍の情報量を記録することができるため、高い記録感度を有していることは勿論のこと、特に大量の情報を速やかに処理する必要から高速記録に対してもエラーの発生率が少ないことが望まれる。また色素からなる記録層は、一般に熱、または光に対する経時的な安定性が低いため、長期間にわたって熱、または光に対しても安定した性能を維持できる記録層の開発が課題となっている。
そこで、このような課題を解消するため、オキソノール色素からなる記録層が基板上に設けられたCD−R型の情報記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、高い耐光性と耐久性を示し、良好な記録特性を発揮する光情報記録媒体を提供するためのオキソノール色素化合物も提案されている(例えば、特許文献2および3参照)。
しかし、上記光情報記録媒体は、記録層が単層であり、複数の記録層を有する光情報記録媒体に適用できるかどうかは不明である。
ところで、記録層に色素を使用し、光学分離のための中間層を介して、2層以上の記録層を有する多層方式の追記型光情報記録媒体が開発されている。この光情報記録媒体においては、第1の記録層を透過した光を用いて、その他の記録層である第2の記録層以降の記録再生を行う。このような光情報記録媒体に、既述の光情報記録媒体(特許文献1〜3)の技術を適用できるかどうかは不明である。これは、上記光情報記録媒体の記録層が単層であって、多層方式を考慮していないためである。すなわち、多層方式の追記型光情報記録媒体では、第1の記録層の光透過率により、第2層以降の反射率や最適記録レーザーパワーが影響される。このため、各層の反射率および最適記録パワーを適正化することが困難となるからである。
また、多層方式の追記型光情報記録媒体においても、記録時間短縮のために高速記録が望まれている。この際、ドライブに搭載される光ピックアップの要請からできるだけ低いレーザーパワーで記録できることが望まれている。さらに、多層方式の追記型光情報記録媒体においては、各層からの反射率が低い場合が多く、この反射率の向上が求められている。
特開昭63−209995号公報 特開2000−52658号公報 特開2002−249674号公報
以上から、本発明は上記従来の課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、多層方式の追記型光情報記録媒体で、良好な記録再生信号が得られ、高速記録時にはレーザーパワーを下げることができる光情報記録媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは、下記本発明に想到し当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、基板上に、色素を含有する記録層が少なくとも2層形成されており、それぞれの記録層の層間に中間層が形成されている光情報記録媒体であって、前記記録層のうち、レーザー光が入射される側の前記基板に最も近い第1の記録層のレーザー波長660nmにおける消衰係数k0が、k0≧0.01となっていることを特徴とする光情報記録媒体である。
本発明の光情報記録媒体には、下記第1〜第6の態様のうち少なくとも1の態様が適用されることが好ましい。
(1)第1の態様は、前記第1の記録層の屈折率n0が、2.24以上であるである態様である。
(2)第2の態様は、前記第1の記録層以外の記録層のそれぞれの消衰係数knが0.002〜0.04である態様である。
(3)第3の態様は、前記第1の記録層の最大吸収波長の光学濃度が、0.50〜0.80である態様である。
(4)第4の態様は、前記第1の記録層と前記中間層との間に第1の反射層が形成され、前記第1の反射層の厚みが5〜35nmである態様である。
(5)第5の態様は、線速16m/s以上で情報を記録する態様である。
(6)第6の態様は、前記色素がオキソノール色素である態様である。
本発明によれば、多層方式の追記型光情報記録媒体で、良好な記録再生信号が得られ、高速記録時にはレーザーパワーを下げることができる光情報記録媒体を提供することができる。
本発明の光情報記録媒体は、基板上に、色素を含有する記録層が少なくとも2層形成されており、それぞれの記録層の層間には中間層が形成されている。
本発明の光情報記録媒体について、2層方式の追記型光情報記録媒体を例に、図1および図2を参照しながらその層構成を説明する。まず、図1に示す光情報記録媒体は、いわゆる貼り合わせ型の光情報記録媒体である。すなわち、基板1上に第1の記録層L0と第1の反射層3とが形成された積層体と、基板8上に第2の反射層7と第2の記録層L1と色素保護層(バリア層)5とが形成された積層体とが、中間層4を介してそれぞれの記録層が内層となるようにして貼り合わされた構成となっている。当該光情報記録媒体は、基板1側からレーザを照射するため、第1の反射層3は半透明となっている。
一方、図2に示す光情報記録媒体は、いわゆる積層型の光情報記録媒体である。すなわち、基板1上に第1の記録層L0、第1の反射層3、中間層4、第2の記録層L1、第2の反射層7、接着層9および基板(保護基板)8がこの順に積層した構成となっている。そして、当該光情報記録媒体も、基板1側からレーザを照射するため、第1の反射層3は半透明となっている。
記録層と記録層との間に中間層(図1および図2中に示される符号4の中間層)を形成することで、例えば、第1の記録層に記録された情報信号と第2の記録層に記録された情報信号の干渉を防ぎ、両方の層で良好な記録再生信号を得ることができる。なお、中間層の詳細については後述する。また、当該中間層は、記録層が3層以上ある場合は、それぞれの層の間に形成されている。
本発明の光情報記録媒体では、2層以上ある記録層のうち、レーザー光が入射される側の基板に最も近い第1の記録層のレーザー波長660nmにおける消衰係数k0が、k0≧0.01となっている。消衰係数k0が0.01未満であると、第1の記録層で吸収されるレーザー光が小さくなるため、記録を行うためには、より高パワーのレーザーが必要になってしまう。消衰係数k0は、0.01〜0.035であることが好ましく、0.02〜0.03であることがより好ましい。
なお、本明細書において、第1の記録層の次に当該基板に近い層を第2の記録層といい、順に第3の記録層、第4の記録層…第nの記録層と表記する。また、これらの記録層に対応するかたちで、第1の記録層の消衰係数を「k0」、第2の記録層の消衰係数を「k1」、第3の記録層の消衰係数を「k2」、第4の記録層の消衰係数を「k3」…第nの記録層の消衰係数を「kn-1」…と表記する。
また、前記第1の記録層の屈折率n0は、2.24以上であること好ましく、2.30〜2.50であることがより好ましい。屈折率n0が、2.24以上であることで、第1の記録層からの反射率を向上させることができる。
することができる。
他の記録層のそれぞれの消衰係数knは、0.002〜0.04であることが好ましく、0.015〜0.03であることがより好ましい。消衰係数knが、0.002〜0.04であることで、各層の反射率と記録パワーのバランスに優れた光情報記録媒体とすることができる。
また、消衰係数k0を上記のような範囲とするための1つの手段として、第1の記録層の最大吸収波長の光学濃度を0.50〜0.80とすることが好ましく、0.60〜0.70とすることがより好ましい。なお、光学濃度は、例えば、ステアグ社製の「Eta−RT」を使用して測定することができる。また、消衰係数は、エリプソメータを使用して測定することが好ましい。
さらに、上記と同様の観点から、第1の記録層と中間層との間に形成された第1の反射層の厚みは5〜35nmであることが好ましく、8〜20nmであることがより好ましい。
記録層に含有される色素としては、少なくともオキソノール色素が使用されていることが好ましい。オキソノール色素を含有させることで長期間に渡り安定した記録再生特性の維持を実現することができる。
オキソノール色素の具体例としては、F.M.Harmer著、Heterocyclic Compounds−Cyanine Dyes and Related Compounds、John&Wiley&Sons、New York、London、1964年刊に記載のもの等が挙げられる。このようなオキソノール色素の中でも、下記一般式(1)で表される構造ものが好ましい。
Figure 2006315299
一般式(1)中、Za1及びZa2は各々独立に酸性核を形成する原子群を表わす。Za1、Za2の具体例は、「James編、The Theory of the Photographic Process、第4版、マクミラン社、1977年、第198頁」により定義される。
具体的には、ピラゾール−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、イミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2または4−チオヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−4−オン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、イソローダニン、ローダニン、5,6員の炭素環(例えばインダン−1,3−ジオン)、チオフェン−3−オン、チオフェン−3−オン−1,1−ジオキシド、インドリン−2−オン、インドリン−3−オン、2−オキソインダゾリウム、5,7−ジオキソ−6,7−ジヒドロチアゾロ〔3,2−a〕ピリミジン、3,4−ジヒドロイソキノリン−4−オン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(例えば、メルドラム酸)、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クマリンー2,4−ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリド[1,2−a]ピリミジン−1,3−ジオン、ピラゾロ〔1,5−b〕キナゾロン、ピラゾロピリドン、3−ジシアノメチリデニル−3−フェニルプロピオニトリル、メルドラム酸などの核が挙げられ、好ましくは、ピラゾール−5−オン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、1,3−ジオキサン−4,6−ジオンである。
Ma1、Ma2、Ma3は各々独立に、置換または無置換のメチン基を表わす。Ma1、Ma2、Ma3を置換する置換基は、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換のヘテロ環基、ハロゲン原子、カルボキシル基、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、シアノ基、置換または無置換のアシル基、置換または無置換のカルバモイル基、アミノ基、置換アミノ基、スルホ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、置換または無置換のスルホニルアミノ基、置換または無置換のアミノカルボニルアミノ基、置換または無置換のアルキルスルホニル基、置換または無置換のアリールスルホニル基、置換または無置換のスルフィニル基および置換または無置換のスルファモイル基を表す。
上記置換基として好ましくは、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換の炭素数2〜20のヘテロ環基、置換または無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜20のアリール基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは、置換または無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数2〜10ヘテロ環基、ハロゲン原子が好ましく、最も好ましくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数2〜6のヘテロ環基およびハロゲン原子である。
Ma1、Ma2、Ma3は、より好ましくは、無置換のメチン基、または無置換の炭素数1〜5のアルキル基、無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数2〜6のヘテロ環基およびハロゲン原子で置換されたメチン基である。
kaは0から3までの整数を表わし、より好ましくは1または2の整数を表す。kaが2以上のとき、複数存在するMa1、Ma2は同じでも異なってもよい。
一般式(1)中のQは電荷を中和するイオンを表わし、yは電荷の中和に必要なQの数を表わす。
ある化合物が陽イオン、陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を有するか否かは、その化合物の置換基に依存する。一般式(1)においてQで表されるイオンは、対する色素分子の電荷に応じて、陽イオンを表す場合と、陰イオンを表す場合があり、また、色素分子が無電荷の場合には、Qは存在しない。Qとして表されるイオンには特に制限は無く、無機化合物よりなるイオンであっても、有機化合物よりなるイオンであっても構わない。また、Qとして表されるイオンの電荷は1価であっても多価であっても構わない。
Qで表される陽イオンとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオンのような金属イオン、4級アンモニウムイオン、オキソニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオン、セレノニウムイオン、ヨードニウムイオンなどのオニウムイオンが挙げられる。
一方、Qで表される陰イオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオンのようなハロゲン陰イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオンなどのヘテロポリ酸イオン、琥珀酸イオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、芳香族ジスルホン酸イオンのような有機多価陰イオン、四フッ化ホウ酸イオン、六フッ化リン酸イオンが挙げられる。
Qで表される陽イオンとして好ましくは、オニウムイオンであり、更に好ましくは4級アンモニウムイオンである。4級アンモニウムイオンの中でも特に好ましくは、特開2000−52658号公報の一般式(I−4)で表される4,4’−ビピリジニウム陽イオンおよび特開2002−59652号公報に開示されている4,4’−ビピリジニウム陽イオンである。
一般式(1)で表される色素の中でも、Qで表されるイオンは下記一般式(2)で表される構造であるものが好ましい。
Figure 2006315299
一般式(2)中、R11、R12、R14、R15、R16、R17、R19、R20は、各々独立に水素原子または、1価の置換基を表す。R13、R18は、各々独立に、1価の置換基を表す。
1価の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
さらに詳しくは、R11、R12、R14、R15、R16、R17、R19、R20は、各々独立に、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。これらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、
アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。これらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、
アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル)、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、
カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、
メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、
スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、
アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)を表す。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
11、R12、R14、R15、R16、R17、R19、R20は、好ましくは、全て水素原子である。R13、R18はそれぞれ独立に、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基が好ましい。その中でも、置換または無置換のアリール基がより好ましい。更には、置換アリール基が好ましい。R13、R18が置換アリール基である場合の置換基は、ヒドロキシル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアルキル基、ハロゲン原子が好ましい。
オキソノール色素の最も好ましい構造は、下記一般式(3)で表される構造である。
Figure 2006315299
一般式(3)中、R1、R2、R3、R4は、各々独立に、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のヘテロ環基を表す。R1とR2、R3とR4は、互いに結合して、環構造を形成してもよい。
また、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30は、各々独立に、水素原子または、置換基をあらわす。R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30のうち、隣接する2つの置換基が、互いに結合し、環構造を形成してもよい。
置換基の例は、前述の一般式(2)のR11、R12、R14、R15、R16、R17、R19、R20で述べたものを挙げることができる。
21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30は、各々独立に、水素原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ハロゲン原子、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアルキル基が好ましい。
21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30の好ましい例は、R23、R28がヒドロキシル基で、かつ、R22、R27が置換または無置換のフェニル基であり、より好ましい例は更にその他が水素原子であるものである。
以下に、上記一般式(1)(上記一般式(3)に相当する構造も含む)で表される化合物の好ましい具体例(色素1〜34)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、色素1〜6は下記一般式(4)の具体例であり、色素7〜12は下記一般式(5)の具体例であり、色素13〜16は下記一般式(6)の具体例であり、色素17〜21は下記一般式(7)の具体例である。
Figure 2006315299
Figure 2006315299
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Figure 2006315299
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なお、オキソノール色素として、他に、以下に説明するオキソノール色素AおよびBを使用してもよい。オキソノール色素Aとしては、下記一般式(8)で表される化合物が好ましい。
Figure 2006315299
「一般式(8)」
[一般式(8)中、R11、R12、R13、R14はそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、および置換または無置換のヘテロ環基のいずれかを表し、R21、R22、R3は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換のヘテロ環基、ハロゲン原子、カルボキシル基、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、シアノ基、置換または無置換のアシル基、置換または無置換のカルバモイル基、アミノ基、置換アミノ基、スルホ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、置換または無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換または無置換のアリールスルホニルアミノ基、置換または無置換のカルバモイルアミノ基、置換または無置換のアルキルスルホニル基、置換または無置換のアリールスホニル基、置換または無置換のアルキルスルフィニル基、置換または無置換のアリールスルフィニル基および置換または無置換のスルファモイル基のいずれかを表す。mは0以上の整数を表し、mが2以上の場合は複数のR3は同じでも異なってもよい。Zx+は陽イオンを表し、xは1以上の整数を表す。]
一般式(8)のR11、R12、Rl3、R14はそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、および置換または無置換のヘテロ環基のいずれかを表す。R11、R12、R13、R14で表される置換または無置換のアルキル基としては、炭素数が1〜20のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、プチル、i−ブチル、t−ブチル、i−アミル、シクロプロピル、シクロへキシル、ベンジル、フェネチル)が挙げられる。また、R11、R12、R13、R14が各々アルキル基を表す場合には、それらが互いに連結して炭素環(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、2−メチルシクロへキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなど)または複素環(例えばピペリジル、クロマニル、モルホリルなど)を形成していてもよい。R11、R12、R13、R14で表されるアルキル基として好ましくは、炭素数1〜8の、鎖状アルキル基または環状アルキル基であり、最も好ましくは炭素数1〜5の鎖状(直鎖状または分岐鎖状)アルキル基、R11とR12およびR13とR14がそれぞれ結合して環をなした炭素数1〜8の環状アルキル基(好ましくはシクロへキシル環)、炭素数1〜20の置換アルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル)である。
一般式(8)のR11、R12、R13、R14で表される置換または無置換のアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル)が挙げられる。R11、R12、R13、R14で表されるアリール基として好ましくは、炭素数6〜10のアリール基である。
一般式(8)のR11、R12、R13、R14で表される置換または無置換のヘテロ環基は炭素原子、窒素原子、酸素原子、あるいは硫黄原子から構成される5〜6員環の飽和又は不飽和のヘテロ環基であり、例えばピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピペリジル基、トリアジル基、ピロリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、フラニル基、チオフェニル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基などが挙げられる。またこれらがベンゾ縮環したもの(例えばキノリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾキサゾリル基など)でもよい。R11、R12、R13、R14で表される置換または無置換のヘテロ環基として好ましくは、炭素数6〜10の置換または無置換のヘテロ環基である。
一般式(8)のR11、R12、R13、R14で表される置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、および置換または無置換のヘテロ環基の置換基としては後述の置換基群Sが挙げられる。
Sで示される置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、カルボキシメチル、エトキシカルボニルメチル)、炭素数7〜20のアラルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル)、炭素数1〜8のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ)、炭業数6〜20のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ、ナフトキシ)、ヘテロ環基(例えば、ピリジル、ピリミジル、ピリダジル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、2−ピロリジノン−1−イル、2−ピペリドン−1−イル、2,4−ジオキシイミダゾリジン−3−イル、2,4−ジオキシオキサゾリジン−3−イル、スクシンイミド、フタルイミド、マレイミド)、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、沃素)、カルボキシル基、炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、シアノ基、炭素教2〜10のアシル基(例えば、アセチル、ピバロイル)、炭素数1〜10のカルバモイル(例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル)、アミノ基、炭素数1〜20の置換アミノ基(例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ビス(メチルスルホニルエチル)アミノ、N−エチル−N’−スルホエチルアミノ)、スルホ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、炭業数1〜10のアルキルスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ)、炭素数1〜10のカルバモイルアミノ基(例えば、カルバモイルアミノ、メチルカルバモイルアミノ)、炭素数1〜10のスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル)、炭素数1〜10のスルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル)、および炭素数0〜10のスルファモイル基(例えば、スルファモイル、メタンスルファモイル)が含まれる。カルボキシル基およびスルホ基の場合にはそれらは塩の状態であってもよい。
一般式(8)のR21、R22、R3はそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換のヘテロ環基、ハロゲン原子、カルボキシル基、置換または無置換のアルコキシカルボニル基、シアノ基、置換または無置換のアシル基、置換または無置換のカルバモイル基、アミノ基、置換アミノ基、スルホ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、置換または無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換または無置換のカルバモイルアミノ基、置換または無置換のアルキルスルホニル基、置換または無置換のアリールスルホニル基、置換または無置換のスルフィニル基および置換または無置換のスルファモイル基のいずれかを表す。R21、R22、R3として好ましくは、水素原子、置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換または無置換の炭素数2〜20のヘテロ環基、置換または無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数6〜20のアリール基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは、水素原子、置換または無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換または無置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数2〜10ヘテロ環基、ハロゲン原子が好ましく、最も好ましくは水素原子、無置換の炭素数1〜5のアルキル基、無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、置換または無置換の炭素数2〜6のヘテロ環基およびハロゲン原子のいずれかである。R21、R22、R3は更に置換基を有しても良く、置換基としては前述の置換基群Sが挙げられる。
mが0であり、R21、R22が両方とも水素原子であることが好ましい。また、mが1であり、R21、R22、R3がいずれも水素原子であることが好ましい。
一般式(8)のmは0以上の整数を表し、好ましくは0〜5(0以上5以下)の整数であり、更に好ましくは0〜3の整数であり、特に好ましくは0〜2の整数である。
一般式(8)において、上記mが2以上の場合、複数のR3は同じでも異なってもよく、それぞれ独立に水素原子又は前記の置換基を表す。
一般式(8)においてZx+は陽イオンを表し、xは1以上の整数を表す。
x+で表される陽イオンとして好ましくは、第4級アンモニウムイオンであり、更に好ましくは、特開2000−52658号公報の一般式(I−4)で表される4,4’−ビピリジニウム陽イオンおよび特2002−59652号公報に開示されている4,4’−ビピリジニウム陽イオンである。一般式(8)においてxは1または2が好ましい。
以下に、前記一般式(8)で表される化合物の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006315299
Figure 2006315299
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次に、前記オキソノール色素Bとして好適な例を挙げて説明する。当該オキソノール色素Bは、下記一般式(9)で表される化合物が好ましい。
Figure 2006315299
一般式(9)中、Za25、Za26は、各々独立に、酸性核を形成する原子群であり、その例としては、James 編、The Theory of the Photographic Process、第4版、マクミラン社、1977年、第198頁に記載されている。具体的には、各々、置換されてもいてもよいピラゾール−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、イミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2または4−チオヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−4−オン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、イソローダニン、ローダニン、チオフェン−3−オン、チオフェン−3−オン−1,1−ジオキシド、インドリン−2−オン、インドリン−3−オン、2−オキソインダゾリウム、5,7−ジオキソ−6,7−ジヒドロチアゾロ〔3,2−a〕ピリミジン、3,4−ジヒドロイソキノリン−4−オン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(例えば、メルドラム酸など)、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クマリンー2,4−ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリド[1,2−a]ピリミジン−1,3−ジオン、ピラゾロ〔1,5−b〕キナゾロン、ピラゾロピリドン、5または6員の炭素環(例えば、ヘキサン−1,3−ジオン、ペンタン−1,3−ジオン、インダン−1,3−ジオン)などの核が挙げられ、好ましくは、ピラゾール−5−オン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、1,3−ジオキサン−4,6−ジオンである。
Za25、Za26は、各々、置換されていてもよい1,3−ジオキサン−4,6−ジオンが最も好ましい。
酸性核を置換する置換基は、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、またはシリル基が例として挙げられる。その中でも、炭素数1から20の置換もしくは無置換のアルキル基、または炭素数6から20の置換もしくは無置換のアリール基が好ましい。
酸性核は、無置換または、炭素数1から20の置換もしくは無置換のアルキル基で置換されたもの、炭素数6から20の置換もしくは無置換のアリール基で置換されたものが好ましい。
Za25、Za26が形成する酸性核は、好ましくは、インダンジオン、ピラゾロン、ピラゾリンジオン、ベンゾチオフェンオンジオキシドである。その中でも、ピラゾロンが最も好ましい。
Ma27、Ma28、Ma29は、各々独立に、置換または無置換のメチン基であり、置換基として好ましくは、炭素数1から20のアルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル)、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)、炭素数1から20のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピル)、炭素数6から26のアリール基(例えば、フェニル、2−ナフチル)、炭素数0から20のヘテロ環基(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル)、炭素数6から20のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ、2−ナフトキシ)、炭素数1から20のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ)、炭素数1から20のカルバモイル基(例えばN,N−ジメチルカルバモイル)、スルホ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1から20のアルキルチオ基(例えばメチルチオ)、シアノ基などが挙げられる。また、他のメチン基と結合して環構造を形成してもよく、Za21からZa26で表される原子団と結合して環構造を形成してもよい。
Ma27、Ma28、Ma29は、各々独立に、好ましくは無置換、エチル基、メチル基、フェニル基で置換されたメチン基のいずれかである。最も好ましくは、無置換のメチン基である。
Ka23は、0から3までの整数を表す。Ka23が2または3であるとき、複数存在するMa27、Ma28、Ma29は、同じでも異なっていてもよい。Ka23は、共に2であるものが好ましい。Qは、電荷を中和する陽イオンを表す。
一般式(9)で表される構造の色素のうち、特に、下記一般式(10)、(11)、(12)、(13)で表されるものが好ましい。
Figure 2006315299
一般式(10)、(11)、(12)、(13)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R32、R33(以上を「R」と表示することあり)は、各々独立に、水素原子または、置換基を表す。置換基は、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、置換もしくは無置換のアルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のシリルオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、置換もしくは無置換のアシルオキシ基、置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ、置換もしくは無置換のアミノ基(アニリノ基を含む)、置換もしくは無置換のアシルアミノ基、置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、置換もしくは無置換のアルキル及びアリールスルホニルアミノ基、置換もしくは無置換のメルカプト基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換または無置換のヘテロ環チオ基、置換または無置換のスルファモイル基、スルホ基、置換もしくは無置換のアルキル及びアリールスルフィニル基、置換もしくは無置換のアルキル及びアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のアシル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換または無置換のカルバモイル基、置換または無置換のアリール及びヘテロ環アゾ基、置換もしくは無置換のイミド基、置換もしくは無置換のホスフィノ基、置換もしくは無置換のホスフィニル基、置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、または置換もしくは無置換のシリル基が例として挙げられる。
更に詳しくは、Rは、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1から30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2―エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3から30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、
アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、
アルキニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、アリール基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、
シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3から20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾールー5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、
アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアミノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、
メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2から30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0から30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、
スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1から30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2から30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4から30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7から30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1から30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6から30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2から30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3から30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)を表わす。
一般式(10)、及び一般式(11)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28は、水素原子が最も好ましい。
31、R34、R41、R42、R43、R44は、置換基としては前記Rと同じものが挙げられるが、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基が好ましい。その中でも、置換または無置換のアリール基が更に好ましい。
Ma27、Ma28、Ma29は、各々独立に、置換または無置換のメチン基である。一般式(2)のMa27、Ma28、Ma29と同義であり、その具体例及び好ましいものも同様である。Ka23は、各々独立に、0から3までの整数を表す。Qは、電荷を中和する一価の陽イオンを表す。Ka23が2または3であるとき、複数存在するMa27、Ma28は、同じでも異なっていてもよい。
以下に、一般式(9)で表される化合物の好ましい具体例(化合物(9)−1〜(9)−25)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006315299
Figure 2006315299
Figure 2006315299
Figure 2006315299
Figure 2006315299
オキソノール色素は、該当する活性メチレン化合物とメチン源(メチン染料にメチン基を導入するために用いられる化合物)との縮合反応によって合成することができる。この種の化合物についての詳細は、特公昭39−22069号、同43−3504号、同52−38056号、同54−38129号、同55−10059号、同58−35544号、特開昭49−99620号、同52−92716号、同59−16834号、同63−316853号、同64−40827号各公報、ならびに英国特許第1133986号、米国特許第3247127号、同4042397号、同4181225号、同5213956号、同5260179号各明細書を参照することができる。また、特開昭63−209995号公報、特開平10−309871号公報、特開2002−249674号公報にも記載されている。
上記一般式(1)及び(3)等で示されるオキソノール色素は、単独で用いてもよく、あるいは二種以上を併用してもよい。また、既述のオキソノール色素とこれ以外の色素化合物とを併用してもよい。併用する色素は、アゾ色素(金属イオンとの錯体化したものを含む)、ピロメテン色素、シアニン色素等が例として挙げられる。
記録層に含有される色素は、熱分解温度が100℃〜350℃の範囲にあるものが好ましい。更には、150℃〜300℃の範囲にあるものが好ましい。更には、200℃から300℃の範囲にあるものが好ましい。
少なくとも2層ある記録層のそれぞれには、同種もしくは異種のオキソノール色素を含有することが好ましいが、これに限定されず、オキソノール色素以外のほかの色素が含有されていてもよい。
以下に、本発明の光情報記録媒体の基板や各層の材料および形成方法を説明する。
(基板)
基板(保護基板も含む)は、従来の情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。基板材料としては、例えば、ガラス;ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィンおよびポリエステル等を挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
基板には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレグルーブ)が形成されている。プリグルーブのトラックピッチは、300〜900nmの範囲とすること好ましく、400〜800nmとすることがさらに好ましい。また、プリグルーブの深さ(溝深さ)の範囲は、積層型と貼り合わせ型とで異なる。積層型では、100〜200nmの範囲とすることが好ましく、110〜150nmの範囲とすることがより好ましい。
一方、貼り合わせ型においては、光入射面に近い基板のプリグルーブの深さは、100〜200nmの範囲とすることが好ましく、110〜150nmの範囲とすることがより好ましい。また、光入射面に遠い基板のプリグルーブの深さは、100nm以下が好ましく、60nm以下とすることがより好ましく、15〜40nmとすることがさらに好ましい。
さらに、プリグルーブの半値幅の好ましい範囲は、積層型と貼り合わせ型とで異なる。積層型では、200〜400nmの範囲とすることが好ましく、230〜380nmとすることがより好ましい。
一方、貼り合わせ型においては、光入射面に近い基板のプリグルーブの半値幅は、200〜400nmの範囲とすることが好ましく、230〜380nmの範囲とすることがより好ましい。また、光入射面に遠い基板のプリグルーブの凸部における半値幅は、300〜550nmの範囲とすることが好ましく、400〜520nmとすることがより好ましい。
記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善および接着力の向上および記録層の変質防止などの目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤をあげることができる。
下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。
既述のように、基板(または下塗層)にはトラッキング用溝またはアドレス信号等の情報を表す凹凸(プレグルーブ)が形成されている。このプレグルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形あるいは押出成形する際に直接基板上に前記のトラックピッチで形成されることが好ましい。また、プレグルーブの形成を、プレグルーブ層を設けることにより行ってもよい。プレグルーブ層の材料としては、アクリル酸のモノエステル、ジエステル、トリエステルおよびテトラエステルのうち少なくとも一種のモノマー(またはオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用いることができる。プレグルーブ層の形成は、例えば、まず精密に作られた母型(スタンパー)上に上記のアクリル酸エステルおよび重合開始剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗布液層上に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫外線を照射することにより塗布層を硬化させて基板と塗布層とを固着させる。次いで、基板を母型から剥離することにより得ることができる。
(記録層)
当該記録層は、色素を含有する。色素としては、既述のオキソノール色素(好ましくは前記一般式(1)で示されるオキソノール色素)の他、シアニン色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられる。
記録層には、更に耐光性を向上させるための種々の褪色防止剤を含有することができる。褪色防止剤の代表例としては、特開平3−224793号公報に記載の一般式(III)、(IV)もしくは(V)で表される金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩や特開平2−300287号公報や特開平2−300288号公報に示されているニトロソ化合物、特開平10−151861号公報に示されているTCNQ誘導体などを挙げることができる。
記録層の形成は、既述のオキソノール色素、更に所望によりクエンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより行うことができる。色素記録層形成用の塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノ−ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレンングリコールモノエチルエーテル、プロピレンングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。
上記溶剤は使用する化合物の溶解性を考慮して単独または二種以上組み合わせて用いることができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤などの各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤の例としては、例えばゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。
記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、既述のオキソノール色素を始めとした色素の量に対して一般に0.01〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液の色素濃度は一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層の層厚は一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは50〜300nmの範囲にある。なお、第1の記録層の層厚を示す指標として、最大吸収波長における光学濃度が挙げられ、当該光学濃度を0.50〜0.80とすることが好ましい。
(反射層)
記録層上には、情報の再生時における反射率の向上の目的で、反射層が設けられることが好ましい。反射層の材料である光反射性物質はレーザー光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼であり、特に好ましいものはAgである。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組み合わせで、または合金として用いてもよい。反射層は、例えば上記反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより記録層の上に形成することができる。
反射層の層厚は一般には10〜300nmの範囲にあり、好ましくは50〜200nmの範囲である。なお、反射層が半透明の反射層(例えば、第1の反射層)の場合、その層厚は、2〜150nmの範囲にあることが好ましく、5〜35nmであることがより好ましい。
(色素保護層)
記録層の上には、記録層などを物理的および化学的に保護する目的で色素保護層(バリア層ともいう)が設けられてもよい。
色素保護層に用いられる材料としては、例えば、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34、ZnO−Ga23などの無機物質;熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質;を挙げることができる。
色素保護層は、真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けることができる。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を使用する場合には、これらを適当な溶剤に溶解した塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。色素保護層の層厚は一般には1nm〜10μmの範囲にある。
(中間層(接着層、粘着層))
当該中間層は、各記録層の間に形成される。また、本発明の光情報記録媒体が貼り合わせ型の場合に、2つ積層体を接着する機能も有する。
中間層の材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、感圧式両面テープ等や、SiO2等の無機材料等が挙げられる。また、これらの材料を単独または混合してもよいし、一層だけではなく多層膜にして用いてもよい。このような中間層は、スピンコート法やキャスト法、スパッタ法により形成することができる。中間層の厚みは、5〜100μmであることが好ましく、10〜70μmであることより好ましい。
本発明の光情報記録媒体は、低レーザーパワーでの記録が可能であるため、線速16m/s以上で情報を記録する高速記録でも好適に使用することができる。記録時の好ましい線速は、30m/s以上であり、より好ましくは、34〜70m/sである。
本発明の光情報記録媒体の情報記録方法は、例えば、次のように行われる。まず、光情報記録媒体を定線速度または定角速度にて回転させながら、基板(図1の例では基板1)側から半導体レーザー光などの記録用のレーザー光を照射する。この光の照射により、記録層と反射層との界面に空洞を形成(空洞の形成は、記録層または反射層の変形、あるいは両層の変形を伴って形成される)するか、基板が肉盛り変形する、あるいは記録層に変色、会合状態の変化等により屈折率が変化することにより情報が記録されると考えられる。記録光としては、600nm〜700nm(好ましくは620〜680nm、更に好ましくは、630〜660nm)の範囲の発振波長を有する半導体レーザービームが用いられる。
上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら記録時と同じ波長を持つ半導体レーザー光を基板側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例]
射出成形にて、ポリカーボネート樹脂を、スパイラル状のグルーブ(深さ120nm、溝幅365nm、トラックピッチ0.74μm)を有する厚さ0.570mm、直径120mmの基板に成形し、これを第1の記録層を形成するための基板とした。下記化学式で表される「色素A」と「色素B」とを質量比で8:2に調合し、調合した粉体1.00gを2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール100mlに溶解し、塗布液を調製した。この塗布液をスピンコート法により上記基板のグルーブが形成されている面に塗布して、第1の記録層(L0)を形成した。
Figure 2006315299
Figure 2006315299
次に、第1の記録層上に、AgNdCu合金(ターゲット組成Ag:98.4at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%)をスパッタリングして膜厚13nmの半透過性の反射層を形成した。これにより第1の記録層を有する積層体を得た。
一方、射出成形にて、ポリカーボネート樹脂を、スパイラル状のグルーブ(深さ30nm、基板ランド幅450nm、トラックピッチ0.74μm)を有する厚さ0.600mm、直径120mmの基板を成形し、これを第2の記録層を形成するための基板とした。
次に、この基板のグルーブが形成されている面に、AgNdCu合金(ターゲット組成Ag:98.4at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%)をスパッタリングして膜厚120nmの反射層を形成した。
更に、上記「色素A」2.00gを2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール100mlに溶解し塗布液を調製した。この塗布液をスピンコート法により上記基板の反射層上に塗布して、第2の記録層(L1)を形成した。
更に第2の記録層上にZnO−Ga23(ターゲット組成ZnO:Ga23=30wt%:70wt%)をスパッタリングして、膜厚10nmの中間層(バリア層)を形成した。これにより第2の記録層を有する積層体を得た。
紫外線硬化樹脂(ダイキュアクリアSD640 大日本インキ化学工業製)を接着剤として用いて、第1の記録層が形成されている積層体と第2の記録層が形成されている積層体とをそれぞれの記録層が内層となるように貼り合せて、光情報記録媒体を作製した。なお、接着剤からなる接着層の厚さは55μmであった。
[比較例1]
「色素A」および「色素B」の代わりに下記化学式で表される「色素C」1.00gを使用して第1の記録層を形成した以外は、実施例1と同様にして、第1の記録層が形成されている積層体を作製した。また、実施例1と同様にして、第2の記録層が形成されている積層体を作製し、当該積層体と上記第1の記録層が形成されている積層体とをそれぞれの記録層が内層となるように貼り合せて、光情報記録媒体を作製した。
Figure 2006315299
[実施例2]
射出成形にて、ポリカーボネート樹脂を、スパイラル状のグルーブ(深さ140nm、溝幅350nm、トラックピッチ0.74μm)を有する厚さ0.570mm、直径120mmの基板に成形し、これを第1の記録層を形成するための基板とした。下記化学式で表される「色素D」1.25gを2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール100mlに溶解し、塗布液を調製した。この塗布液をスピンコート法により上記基板のグルーブが形成されている面に塗布して、第1の記録層(L0)を形成した。
Figure 2006315299
次に、第1の記録層上に、AgNdCu合金(ターゲット組成Ag:98.4at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%)をスパッタリングして膜厚13nmの半透過性の反射層を形成した。これにより第1の記録層を有する積層体を得た。また、実施例1と同様にして、第2の記録層が形成されている積層体を作製し、当該積層体と上記第1の記録層が形成されている積層体とをそれぞれの記録層が内層となるように貼り合せて、光情報記録媒体を作製した。
(光情報記録媒体の評価)
(1)記録層の屈折率および消衰係数の測定:
ウーラム社の回転格子、分光エリプソメータ V−vase型を用いて、それぞれの記録層の屈折率および消衰係数(測定波長660nm)を測定した。
実施例1の光情報記録媒体の第1の記録層の屈折率および消衰係数は、それぞれ2.24および0.024であり、第2の記録層の屈折率および消衰係数は、それぞれ2.23および0.020であった。また、比較例1の光情報記録媒体の第1の記録層の屈折率および消衰係数は、それぞれ2.18および0.004であり、第2の記録層の屈折率および消衰係数は、それぞれ2.23および0.020であった。さらに、実施例2の光情報記録媒体の第1の記録層の屈折率および消衰係数は、それぞれ2.33および0.034であり、第2の記録層の屈折率および消衰係数は、それぞれ2.23および0.020であった。
(2)記録再生特性:
DDU−1000およびマルチシグナルジェネレータ(いずれもパルステック工業社製、レーザー波長:660nm、対物レンズ開口数:0.65)を用いて、3.84m/sを1倍速とし、線速度を9.22m/s(2.4倍速)〜46.08m/s(12倍速)として、実施例および比較例の光情報記録媒体に、8−16変調信号を記録した。使用した記録レーザー発光パターン(記録ストラテジ)は、各光情報記録媒体に対して最適化した。
また、記録した信号は、DDU−1000(パルステック工業社製、レーザー波長:660nm、対物レンズ開口数:0.60)を用いて、線速度を3.8m/sとして、再生を行い再生信号を評価した。結果を下記表1〜表3に示す。なお、表中の「Po」、「Pm」は、レーザーパワーを意味する。記録レーザー発光パターン(記録ストラテジ)の概念図は、実施例1のアイパターンである図3に示したが、「Po」、「Pm」の定義は、図4に示すとおりである。また、「2.4x」等とは、「2.4倍速」等を意味する。
Figure 2006315299
Figure 2006315299
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上記表1より、実施例1の光情報記録媒体は、上記評価系で最高12倍速までの記録が可能であり、第1の記録層および第2の記録層のジッタ−は12倍速で7.6%、7.4%の良好な値を示した。また、記録後の反射率は第1の記録層、第2の記録層とも16%であり、「DVD+R DL(デュアルレイヤー)」の規格範囲内の良好な値であった。さらに、2.4倍速から12倍速までの評価結果から、16倍速(61.44m/s)での最適記録パワーは69.1mW(第1の記録層)、71.5mW(第2の記録層)と予想された。
一方、比較例1の光情報記録媒体は、表2に示すように、上記評価系で第1の記録層は最高10倍速までしか記録が出来ないことがわかった。また、2.4倍速から10倍速までの評価結果から、比較例1のディスクの第1の記録層では12倍速での最適記録レーザーパワーは60.8mW、16倍速での最適記録レーザーパワーは79.5mWと予想された。
ここで、実施例1の光情報記録媒体に、レーザー波長657nm、対物レンズ開口数0.60、最高記録レーザーパワー70mWのピックアップヘッドで、61.44m/s(16倍速)の線速で記録を行い、DDU−1000(パルステック工業社製。レーザー波長660nm、対物レンズ開口数0.60)を用いて、線速度を3.8m/sとして、再生を行った。この場合の再生信号のアイパターンを図3に示す。第1の記録層、第2の記録層とも良好な良好なアイパターンが得られていることがわかった。
本発明のように第1の記録層の消衰係数k0を規定することで、第1の記録層の記録における最適レーザーパワーを下げることが可能で、16倍速での高速記録においても、良好な記録再生信号を得ることができることが確認できた。
一方、DDU−1000およびマルチシグナルジェネレータ(パルステック社製。レーザー波長660nm、対物レンズ開口数0.65、最高記録レーザーパワー55mW)を用いて、3.84m/sを1倍速として、9.22m/s(2.4倍速)〜46.08m/s(12倍速)の線速度で、8−16変調信号を記録した。使用した記録レーザー発光パターン(記録ストラテジ)は、各ディスクに対して最適化した。また、記録した信号は、DDU−1000(パルステック社製。レーザー波長660nm、対物レンズ開口数0.60)を用いて、線速度を3.8m/sとして、再生を行い、記録後の反射率を評価した。
表3に、実施例2および比較例1における第1の記録層の記録後の反射率と、第1の記録層の透過率とを示した。実施例2と比較例1とは同一の透過率であるが、第1の記録層の屈折率の高い実施例2の方が反射率を高くできた。このため、ディスク製造時のマージンが拡がり、ディスク製造がしやすくなるなどの効果が得られる。
本発明の光情報記録媒体の層構成例を示す模式図である。 本発明の光情報記録媒体の他の層構成例を示す模式図である。 実施例1の光情報記録媒体のアイパターンを示す図であり、(A)は第1の記録層の場合であり、(B)は第2の記録層の場合である。 「Po」、「Pm」の定義を説明する図である。
符号の説明
1,8・・・基板
L0・・・第1の記録層
3・・・第1の反射層
4・・・中間層
5・・・色素保護層
L1・・・第2の記録層
7・・・第2の反射層
9・・・接着層

Claims (7)

  1. 基板上に、色素を含有する記録層が少なくとも2層形成されており、それぞれの記録層の層間に中間層が形成されている光情報記録媒体であって、
    前記記録層のうち、レーザー光が入射される側の前記基板に最も近い第1の記録層のレーザー波長660nmにおける消衰係数k0が、k0≧0.01となっていることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 前記第1の記録層の屈折率n0が、2.24以上であることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 前記第1の記録層以外の記録層のそれぞれの消衰係数knが0.002〜0.04であることを特徴とする請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
  4. 前記第1の記録層の最大吸収波長の光学濃度が、0.50〜0.80であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
  5. 前記第1の記録層と前記中間層との間に第1の反射層が形成され、前記第1の反射層の厚みが5〜35nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
  6. 線速16m/s以上で情報を記録することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
  7. 前記色素がオキソノール色素であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
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