JP2008262661A - 光情報記録媒体および情報記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブルーレイ・ディスク構成の光情報記録媒体であって、短波長レーザ光照射による記録時に良好な記録特性および再生耐久性を発揮し得る光情報記録媒体を提供すること。
【解決手段】トラックピッチ50〜500nmのプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に、反射層、記録層、バリア層、粘着層およびカバー層をこの順に有する光情報記録媒体。前記記録層は、アゾ化合物ならびにアゾ化合物および金属イオンもしくは金属酸化物イオンを含むアゾ金属錯体化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のアゾ色素化合物を含有し、かつ、前記アゾ色素化合物は、波長405nmにおける屈折率が1.45〜1.75の範囲であり、かつ消衰係数が0.15〜0.3の範囲である。
【選択図】図1
【解決手段】トラックピッチ50〜500nmのプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に、反射層、記録層、バリア層、粘着層およびカバー層をこの順に有する光情報記録媒体。前記記録層は、アゾ化合物ならびにアゾ化合物および金属イオンもしくは金属酸化物イオンを含むアゾ金属錯体化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のアゾ色素化合物を含有し、かつ、前記アゾ色素化合物は、波長405nmにおける屈折率が1.45〜1.75の範囲であり、かつ消衰係数が0.15〜0.3の範囲である。
【選択図】図1
Description
本発明は、基板上に、反射層、記録層、バリア層、粘着層、およびカバー層をこの順に有する光情報記録媒体に関し、より詳しくは、440nm以下の短波長レーザ光を用いて情報を記録および再生するために好適なヒートモード型の光情報記録媒体に関する。更に本発明は、前記光情報記録媒体への情報記録方法に関する。
従来から、レーザ光により1回限りの情報記録が可能な光情報記録媒体として、追記型CD(CD−R)および追記型DVD(DVD−R)が知られている。CD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザ光(通常、波長780nm程度)により行われるのに対し、DVD−Rへの情報の記録は可視レーザ光(約630〜680nm)によって行われる。DVD−Rは、記録用レーザ光としてCD−Rより短波長のレーザ光を使用するため、CD−Rと比べて高密度記録可能であるという利点を有する。そのため、近年、DVD−Rは、大容量の記録媒体としての地位をある程度まで確保している。
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映を間近にひかえて、画像情報を安価簡便に記録するための大容量の記録媒体の要求が高まっている。しかし、CD−RおよびDVD−Rは、将来の要求に対応できる程の充分に大きな記録容量を有しているとはいえない。そこで、DVD−Rよりも更に短波長のレーザ光を用いることによって記録密度を向上させるため、短波長レーザ(例えば波長440nm以下)による記録が可能な大容量光ディスクの開発が進められている。そのような光ディスクとして、例えば405nmの青色レーザを用いたBlu−ray方式と称される光記録ディスク(Blu−ray Disc、以下、「BD」ともいう)が提案されている。
例えば特許文献1〜4には、DVD−R型の光ディスクにおいて、記録層に含有する色素化合物として、アゾ金属錯体色素を用いることが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。しかし、これらのアゾ金属錯体色素は赤色レーザに対応した吸収波形を有しており、短波長(例えば405nm)のレーザ光による記録では十分な記録特性を発揮することはできない。
そこで、短波長レーザ光(例えば405nmの青色レーザ光)を用いた光記録ディスクにおいては、DVD−Rで用いられたアゾ金属錯体に対して吸収波長の短波長化を図ることが検討されている(特許文献5〜9等)。さらに、記録用色素の屈折率、消衰係数、熱分解開始温度の最適化も検討されている(特許文献10)。
特開平11−310728号公報
特開平11−130970号公報
特開2002−274040号公報
特開2000−168237号公報
特開2001−158862号公報
特開2006−142789号公報
特開2006−306070号公報
特開2005−297406号公報
特開2005−297407号公報
特開2007−26541号公報
前述のブルーレイ・ディスクは、一般に、従来の追記型光ディスクと比べてトラックピッチが狭い。また、基板上に、反射層と記録層をこの順に有し、更に記録層の上に比較的薄い光透過性を有する層(一般に、カバー層と呼ばれる)が粘着層によって貼り合あわされているという、従来の追記型光ディスクとは異なる層構成を有する。このように、ブルーレイ・ディスクは、従来の追記型光ディスクと異なる構成を有し、また記録用レーザ光が短波長化されているため、CD−R、DVD−R等の従来の追記型光情報記録媒体用記録色素として使用されていた色素では、十分な記録再生特性が得られない点が課題であった。上記特許文献5〜9には、短波長レーザ光照射による情報記録において記録層用色素としてアゾ金属錯体を使用することが提案されている。しかし、本願発明者らの検討の結果、特許文献5〜9に記載のアゾ金属錯体では、上記層構成の光情報記録媒体において、必ずしも十分な記録特性(2T CNR)および再生耐久性を得ることができないことが判明した。
一方、特許文献10には、色素塗布濃度や色素溶液の塗布条件の調整により、記録層膜厚がグルーブ溝深さより薄く(グルーブ溝凹部の中に色素層が納まり)、グルーブ溝凸部の色素膜厚はほぼ0とした特殊な形態の記録層を有する光記録媒体において、色素物性値を規定することにより、記録特性と再生耐久性の両立ができると記載されている。しかしながら、本発明者らの検討の結果、上記色素は、前述の構成を有するブルーレイ・ディスクでは、十分な記録特性を発揮することができないことが判明した。また、このような特殊な記録層の形成方法は、従来のCD−R、DVD−R等における記録層の形成方法と異なるものであり、製造上困難である。
一方、特許文献10には、色素塗布濃度や色素溶液の塗布条件の調整により、記録層膜厚がグルーブ溝深さより薄く(グルーブ溝凹部の中に色素層が納まり)、グルーブ溝凸部の色素膜厚はほぼ0とした特殊な形態の記録層を有する光記録媒体において、色素物性値を規定することにより、記録特性と再生耐久性の両立ができると記載されている。しかしながら、本発明者らの検討の結果、上記色素は、前述の構成を有するブルーレイ・ディスクでは、十分な記録特性を発揮することができないことが判明した。また、このような特殊な記録層の形成方法は、従来のCD−R、DVD−R等における記録層の形成方法と異なるものであり、製造上困難である。
そこで、本発明の目的は、ブルーレイ・ディスク構成の光情報記録媒体であって、短波長レーザ光照射による記録時に良好な記録特性および再生耐久性を発揮し得る光情報記録媒体を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
光情報記録媒体は、レーザ光の照射により情報の記録が可能な記録層を有する。ここで、レーザ光の照射により情報の記録が可能とは、記録層のレーザ光が照射された部分がその光学的特性を変えることをいう。光学的特性の変化は、記録層のレーザ光が照射された部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えば、ピットの生成)を生じすることによってもたらされると考えられる。ピットの生成は、例えば、色素の分解により記録層中に空隙を形成することによって行われる。また、記録層に記録された情報の読み取り(再生)は、例えば記録用のレーザ光と同様の波長のレーザ光を照射することにより、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率等の光学的特性の違いを検出することにより行うことができる。よって、記録部位と未記録部位の屈折率差が大きいほど、読み取り精度を向上することができる。そのため、記録用色素として、記録前に高い屈折率を有する色素を使用することが、読み取り精度向上には有効であると考えられる。しかし、本発明者らが更に検討を重ねた結果、屈折率の高い色素を使用するだけでは、上記ブルーレイ・ディスク構成の光情報記録媒体では、記録感度および再生耐久性の点では必ずしも良好な特性が得られないことが判明した。
本発明者らは、以上の知見に基づき更に検討を重ね、上記構成の光情報記録媒体において、色素の消衰係数が記録感度および再生耐久性に大きく影響することを見出し、本発明を完成するに至った。
光情報記録媒体は、レーザ光の照射により情報の記録が可能な記録層を有する。ここで、レーザ光の照射により情報の記録が可能とは、記録層のレーザ光が照射された部分がその光学的特性を変えることをいう。光学的特性の変化は、記録層のレーザ光が照射された部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えば、ピットの生成)を生じすることによってもたらされると考えられる。ピットの生成は、例えば、色素の分解により記録層中に空隙を形成することによって行われる。また、記録層に記録された情報の読み取り(再生)は、例えば記録用のレーザ光と同様の波長のレーザ光を照射することにより、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率等の光学的特性の違いを検出することにより行うことができる。よって、記録部位と未記録部位の屈折率差が大きいほど、読み取り精度を向上することができる。そのため、記録用色素として、記録前に高い屈折率を有する色素を使用することが、読み取り精度向上には有効であると考えられる。しかし、本発明者らが更に検討を重ねた結果、屈折率の高い色素を使用するだけでは、上記ブルーレイ・ディスク構成の光情報記録媒体では、記録感度および再生耐久性の点では必ずしも良好な特性が得られないことが判明した。
本発明者らは、以上の知見に基づき更に検討を重ね、上記構成の光情報記録媒体において、色素の消衰係数が記録感度および再生耐久性に大きく影響することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的を達成する手段は、以下の通りである。
[1]トラックピッチ50〜500nmのプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に、反射層、記録層、バリア層、粘着層およびカバー層をこの順に有する光情報記録媒体において、
前記記録層は、アゾ化合物ならびにアゾ化合物および金属イオンもしくは金属酸化物イオンを含むアゾ金属錯体化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のアゾ色素化合物を含有し、かつ、
前記アゾ色素化合物は、波長405nmにおける屈折率が1.45〜1.75の範囲であり、かつ消衰係数が0.15〜0.3の範囲であることを特徴とする光情報記録媒体。
[2]波長440nm以下のレーザ光を照射することにより情報を記録するために使用される[1]に記載の光情報記録媒体。
[3]前記アゾ色素化合物の熱分解温度は、250〜350℃の範囲である[1]または[2]に記載の光情報記録媒体。
[4]アゾ金属錯体化合物に含まれる金属イオンは、銅イオン、鉄イオンまたはマンガンイオンである[1]〜[3]のいずれかに記載の光情報記録媒体。
[5]粘着層のガラス転移温度が−25℃以下である[1]〜[4]のいずれかに記載の光情報記録媒体。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の光情報記録媒体に、波長440nm以下のレーザ光を照射することにより前記光情報記録媒体が有する記録層へ情報を記録する情報記録方法。
[1]トラックピッチ50〜500nmのプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に、反射層、記録層、バリア層、粘着層およびカバー層をこの順に有する光情報記録媒体において、
前記記録層は、アゾ化合物ならびにアゾ化合物および金属イオンもしくは金属酸化物イオンを含むアゾ金属錯体化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のアゾ色素化合物を含有し、かつ、
前記アゾ色素化合物は、波長405nmにおける屈折率が1.45〜1.75の範囲であり、かつ消衰係数が0.15〜0.3の範囲であることを特徴とする光情報記録媒体。
[2]波長440nm以下のレーザ光を照射することにより情報を記録するために使用される[1]に記載の光情報記録媒体。
[3]前記アゾ色素化合物の熱分解温度は、250〜350℃の範囲である[1]または[2]に記載の光情報記録媒体。
[4]アゾ金属錯体化合物に含まれる金属イオンは、銅イオン、鉄イオンまたはマンガンイオンである[1]〜[3]のいずれかに記載の光情報記録媒体。
[5]粘着層のガラス転移温度が−25℃以下である[1]〜[4]のいずれかに記載の光情報記録媒体。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の光情報記録媒体に、波長440nm以下のレーザ光を照射することにより前記光情報記録媒体が有する記録層へ情報を記録する情報記録方法。
本発明によれば、波長が440nm以下の青色レーザ光を用いて良好な記録再生特性および再生耐久性が得られるブルーレイ方式の光情報記録媒体を提供することができる。
本発明の光情報記録媒体は、トラックピッチ50〜500nmのプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に、反射層、記録層、バリア層、粘着層およびカバー層をこの順に有する。本発明の光情報記録媒体は、短波長レーザにより情報の記録を行う高密度記録用光ディスク、具体的にはブルーレイ・ディスクとして好適である。
本発明の光情報記録媒体は、記録層に、(1)アゾ化合物、ならびに、(2)アゾ化合物および金属イオンもしくは金属酸化物イオンを含むアゾ金属錯体化合物、からなる群から選ばれる少なくとも一種のアゾ色素化合物を含有する。前記アゾ色素化合物は、波長405nmにおける屈折率が1.45〜1.75の範囲であり、かつ消衰係数が0.15〜0.3の範囲である
前記アゾ色素化合物の波長405nmにおける屈折率は、1.45〜1.75の範囲である。以下において、波長405nmの光に対する屈折率を、屈折率nという。屈折率nが1.45未満では、短波長レーザ光照射による記録において2T CNRが低下し十分な記録特性を得ることが困難となる。屈折率nが1.75を超えると、前記構成の光情報記録媒体では、良好なトラッキング適性を得ることが困難となる。前記アゾ色素化合物の屈折率nは、記録信号のC/N比およびトラッキング適性の観点から、1.45≦n≦1.70であることが好ましく、1.46≦n≦1.67であることがより好ましく、1.47≦n≦1.65であることがさらに好ましい。
前記アゾ色素化合物の波長405nmにおける消衰係数は、0.15〜0.3の範囲である。以下において、波長405nmにおける消衰係数を、消衰係数kという。消衰係数kが0.15未満では、記録感度が不十分であり、0.3を超えると再生耐久性が低下する。これは、再生光の吸収量が多いために、温度上昇が色素分解温度域まで進行することに起因すると考えられる。消衰係数kは、記録感度(具体的には5mW記録での2T C/N)および再生耐久性の観点から、0.17≦k≦0.3であることが好ましく、0.18≦k≦0.29であることがより好ましく、0.19≦k≦0.28であることがさらに好ましい。
屈折率n、消衰係数kは、アゾ色素化合物を適当な溶媒に溶解して調製した塗布液を用いて色素膜を形成し、この色素膜について、例えば分光エリプソメトリ装置(J.A.ウーラムジャパン社製、型式 M−2000)を用いて測定解析することにより求められる値をいうものとする。例えば、アゾ色素化合物2gを2,2,2,3−テトラプロパノール100mlに溶解して得られた色素含有塗布液を、厚さ1.1mmのガラス板上に、スピンコート法により回転数500〜1000rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布して形成した色素膜に対して、上記測定装置を用いて測定される値を、屈折率n、消衰係数kとすることができる。
更に、記録感度および再生耐久性の観点から、前記アゾ色素化合物の熱分解温度は、250℃〜350℃の範囲であることが好ましく、250℃〜340℃の範囲であることが更に好ましく、255℃〜以上330℃の範囲であることがより一層好ましく、260℃〜320℃の範囲であることが特に好ましい。
本発明における熱分解温度は、TG/DTA測定によって求められる値をいうものとする。具体的には、例えばSeiko Instruments Inc.製EXSTAR6000を用い、N2気流下(流量200ml/min)、30℃〜550℃の範囲において10℃/minで昇温を行い、質量減少率が10%に達した時点の温度として熱分解温度を求めることができる。
前記アゾ色素化合物の405nmにおける屈折率n、消衰係数k、および熱分解温度は、記録信号のCNR、トラッキング適性、記録感度および再生耐久性のすべてを満足させるという観点から、1.45≦n≦1.70、かつ0.17≦k≦0.3、かつ熱分解温度250℃以上340℃以下、であることが好ましく、1.46≦n≦1.67、かつ0.18≦k≦0.29、かつ熱分解温度255℃以上330℃以下、であることがより好ましく、1.47≦n≦1.65、かつ0.19≦k≦0.28、かつ熱分解温度260℃以上320℃以下、であることがさらに好ましい。
以下に、記録層に含まれるアゾ色素化合物の詳細を説明する。
以下に、記録層に含まれるアゾ色素化合物の詳細を説明する。
アゾ化合物
本発明においてアゾ化合物とは、非環状のアゾ基(−N=N−)を有する化合物と定義する。アゾ化合物としては、非環状のアゾ基を有し、色素として機能し得るものを用いることができ、記録特性に優れる点で、下記一般式(A)、一般式(B)、または一般式(C)のいずれかで表されるアゾ色素が特に好適に用いられる。
本発明においてアゾ化合物とは、非環状のアゾ基(−N=N−)を有する化合物と定義する。アゾ化合物としては、非環状のアゾ基を有し、色素として機能し得るものを用いることができ、記録特性に優れる点で、下記一般式(A)、一般式(B)、または一般式(C)のいずれかで表されるアゾ色素が特に好適に用いられる。
以下に、一般式(A)について説明する。
Q11は含窒素複素環を形成する原子群を表す。Q11により形成される含窒素複素環としては、特に限定されないが、例えば、ピラゾール環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環等が挙げられる。
Q11は含窒素複素環を形成する原子群を表す。Q11により形成される含窒素複素環としては、特に限定されないが、例えば、ピラゾール環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環等が挙げられる。
Q12は複素環または炭素環を形成する原子群を表す。Q12が複素環を形成する場合、Q12により形成される環は、炭素原子およびヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子、窒素原子等)とともに形成される複素環であればよく、特に限定されないが、例えば、ピラゾール環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環を挙げることができる。これらの環は置換基を有していてもよく、また、縮環していてもよい。
上記において、R3は水素原子または置換基を表し、R3同士は互いに同じであっても異なっていてもよい。R3同士は連結基を介して互いに結合してもよい。R3は置換基であることが好ましい。置換基としては、特に限定されないが、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピリジル基、チアゾール基、オキサゾール基、トリアゾール基などが挙げられる。)、などが挙げられる。
Q12により形成される環が炭素環である場合、該炭素環としてはベンゼン環が好ましい。
Q11およびQ12で表される原子群は置換基を有していてもよく、塗布溶剤への溶解性の観点から、置換基を有することが好ましい。置換基としては、特に限定されないが、例えば、
ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
更に詳しくは、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2―ピリジルカルボニル基、2―フリルカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)を表す。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
更に詳しくは、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2―ピリジルカルボニル基、2―フリルカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)を表す。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
Q12で表される原子群に置換基を有する場合、青色半導体レーザに対する感度の点から、置換基は、ヒドロキシル基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、チオール基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基、アルキルアミノ基およびアニリノ基のいずれにも該当しない置換基であることが好ましい。該置換基としては、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアシル基、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、または炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルコキシスルホニル基であることが好ましく、シアノ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアシル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリールスルホニル基であることがより好ましく、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアシル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜10のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキルスルホニル基であることがさらに好ましい。
Y11は、金属イオンまたは金属酸化物イオンに配位可能な基を表す。金属イオンまたは金属酸化物イオンに配位可能な基としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。
Y11は、ヒドロキシル基、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)であることが好ましい。Yが置換基を有するアミノ基である場合、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアシルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であることが好ましく、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアシルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基であることがより好ましく、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアシルアミノ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基であることがさらに好ましく、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアシルアミノ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基であることが特に好ましい。
Y11が置換基を有するアミノ基である場合、該置換基はQ1により形成される原子群と結合して環を形成してもよく、このような場合も好ましい。このようにして形成される環としては、窒素原子1〜3個を含む5員環、窒素原子1〜4個を含む6員環が挙げられ、窒素原子2個または3個を含む5員環であることが好ましく、窒素原子3個を含む5員環であることがより好ましい。窒素原子3個を含む5員環が形成された場合の好ましい具体例として、下記例示化合物(AZO−1)、(AZO−2)等に含まれる縮環構造が挙げられる。
以下に、一般式(A)で表されるアゾ化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
次に、一般式(B)について説明する。
一般式(B)中、Q21およびQ22は、各々独立に複素環または炭素環を形成する原子群を表す。Q21およびQ22の詳細は、先に一般式(A)中のQ12について述べた通りである。
一般式(B)中、Q21およびQ22は、各々独立に複素環または炭素環を形成する原子群を表す。Q21およびQ22の詳細は、先に一般式(A)中のQ12について述べた通りである。
Y21およびY22は、各々独立に金属イオンまたは金属酸化物イオンに配位可能な基を表し、その詳細は先に一般式(A)中のY11について述べた通りである。
以下に、一般式(B)で表されるアゾ化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に、一般式(C)について説明する。
Q31は複素環または炭素環を形成する原子群を表し、その詳細は先に一般式(A)中のQ12について述べた通りである。
Q31は複素環または炭素環を形成する原子群を表し、その詳細は先に一般式(A)中のQ12について述べた通りである。
Q32は含窒素複素環を形成する原子群を表す。Q32によって形成される含窒素複素環基は、部分構造式(q−1)〜(q−4)で表される環であることが好ましく、(q−1)、(q−2)で表される環であることがより好ましく、(q−1)で表される環であることがさらに好ましい。
上記において、*は−N=N−基との結合位置を表し、R31は一般式(C)中のR31に相当し、R41〜R46は、各々独立に置換基を表す。
一般式(C)中のR31は、水素原子または置換基を表す。R31で表される置換基としては、特に限定されないが、金属イオンまたは金属酸化物イオンに配位可能な基を有する置換基であることが好ましく、含窒素ヘテロ環を形成する基であることがより好ましい。含窒素ヘテロ環としては、特に限定されないが、例えば、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、4,5−ジヒドロイミダゾール、4,5−ジヒドロオキサゾール、4,5−ジヒドロチアゾール、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,3,5−トリアジン環のいずれかを形成する環等が挙げられる。これらの環はさらに置換基を有していてもよく、また、縮環していてもよい。
該含窒素へテロ環基は、好ましくは、チアゾール環、オキサゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環であり、より好ましくは、チアゾール環、オキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環であり、さらに好ましくは、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、トリアジン環であり、特に好ましくはチアゾール環、ピリジン環である。
R31が水素原子である場合、該水素原子が解離して、該水素原子と結合していた窒素原子と金属イオンが共有結合してアゾ金属錯体を形成することが好ましい。
前記部分構造式(q−1)〜(q−4)中のR41〜R46は、各々独立に水素原子または置換基を表す。R41〜R46は溶解性向上の観点から置換基であることが好ましい。置換基としては、特に限定されないが、前記Q11およびQ12で表される原子群にさらに置換する置換基として挙げた置換基が挙げられる。
R41、R43、R44は、炭素数6〜20の置換もしくは無置換の炭素環基、炭素数6〜20の置換もしくは無置換の複素環基、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキルアミノカルボニル基、炭素数7〜10の置換もしくは無置換のアニリノカルボニル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、シアノ基より選ばれる基であることが好ましく、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、シアノ基より選ばれる基であることがより好ましく、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、シアノ基より選ばれる基であることが更に好ましく、シアノ基であることが特に好ましい。
R42、R45、R46は、水素原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、溶解性の観点から炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基がより好ましい。アルキル基としては、炭素数3〜6の分岐のアルキル基であることが好ましく、炭素数4〜6の3級アルキル基がより好ましい。
一般式(C)中のY31は、金属イオンまたは金属酸化物イオンに配位可能な基を表し、その詳細は先に一般式(A)中のY11について述べた通りである。
以下に、一般式(C)で表されるアゾ化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以上説明したアゾ化合物は、金属イオンや金属酸化物イオンと錯体形成していない状態で、記録用色素として記録層に含有されるものである。このように金属イオンや金属酸化物イオンを含まないことは、環境や人体に対する影響の観点で好ましい。前記アゾ化合物としては、色素膜安定性および色素膜耐光性の観点から、一般式(C)で表されるアゾ化合物が好ましい。
一般式(A)、(B)、(C)としては、アゾ−ヒドラゾン互変異性平衡におけるアゾフォームのみを示してしているが、対応するヒドラゾンフォームであってもよい。
アゾ金属錯体化合物
前記アゾ金属錯体化合物は、アゾ化合物および金属イオンもしくは金属酸化物イオンを含む。前記アゾ金属錯体化合物は、アゾ化合物と金属イオンもしくは金属酸化物イオンとを反応させることによりアゾ化合物が金属イオンに配位結合し、生成する色素である。
前記アゾ金属錯体化合物は、アゾ化合物および金属イオンもしくは金属酸化物イオンを含む。前記アゾ金属錯体化合物は、アゾ化合物と金属イオンもしくは金属酸化物イオンとを反応させることによりアゾ化合物が金属イオンに配位結合し、生成する色素である。
アゾ金属錯体色素としては、記録特性に優れる点で、前記一般式(A)、一般式(B)、または一般式(C)のいずれかで表されるアゾ色素と金属イオンまたは金属酸化物イオンとを含むアゾ金属錯体色素が特に好適に用いられる。ただし、この場合のアゾ金属錯体色素の配位子である一般式(A)、一般式(B)、または一般式(C)については、Y11、Y12、Y13は各々水素原子を有する基であり、アゾ金属錯体色素形成時に水素原子が解離してアニオン性基となることが好ましい。
前記金属イオンとしては、例えば、Mg、Al、Si、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ba、Pr、Eu、Yb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Th等の金属のイオンが挙げられ、中でも、遷移金属原子のイオンが好ましい。また、金属酸化物イオンとしては、前記金属の酸化物イオンを挙げることができる。
遷移金属原子とは、周期表のIIIa族〜VIII族の元素およびIbが含まれ、不完全d電子殻を持つ元素である。遷移金属原子としては、特に限定されるものではないが、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Crが好ましく、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znがより好ましく、Mn、Fe、Co、Ni、Cuがさらに好ましく、記録再生特性の観点から、Mn、Fe、Cuが特に好ましい。
金属イオンとしては、2価または3価の金属原子が好ましく、2価の金属原子がより好ましい。2価または3価の金属(金属イオンで表す)としては、例えば、Mn2+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+、Zn2+、Cr3+、Ru2+、Rh3+、Pd2+、Ir3+、Pt2+等が挙げられ、Mn2+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+、Zn2+が好ましく、Mn2+、Fe2+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+がより好ましく、Mn2+、Fe2+、Cu2+がさらに好ましい。
前記アゾ金属錯体化合物は、銅イオン、鉄イオンまたはマンガンイオンを中心金属イオンとして含むことが最も好ましい。
一般式(A)〜一般式(C)で表されるアゾ色素の一般的合成法としては、特開昭61−36362号公報および特開2006−57076号公報に記載の方法が挙げられる。ただし、これに限定するものではなく、他の酸、反応溶媒を用いてもよく、また、カップリング反応を塩基(例えば、酢酸ナトリウム、ピリジン、水酸化ナトリウム等)存在下で行ってもよい。本発明において使用可能なアゾ化合物の合成方法の具体例を、以下に示す。本発明において使用可能な種々のアゾ化合物は同様の方法により合成できる。
アゾ化合物と金属イオン(または金属酸化物イオン)を反応させて金属アゾキレート色素を得る一般的方法としては、アゾ化合物、金属塩(金属錯体、金属酸化物塩を含む)を、塩基存在下、有機溶媒中もしくは水中、またはその混合液中において、攪拌する方法が挙げられる。ただし、金属塩の種類、塩基の種類、有機溶媒またはその混合液の種類、反応温度等は限定されない。本発明に使用可能なアゾ金属錯体色素の合成法の一例を、以下に示す。
前記アゾ化合物と金属イオン(または金属酸化物イオン)からなるアゾ金属錯体色素の合成例を以下に示す。以下において反応溶媒としてメタノールを示したが、反応溶媒はメタノールに限定されない。反応溶媒としては金属イオンを溶解できるアルコールが好ましい。また、以下において塩基としてトリエチルアミンを示したが、塩基はトリエチルアミンに限定されない。また、Mと窒素原子を結ぶ点線は配位結合を表すが、仮にこの配位結合が無く結合していない状態であったとしても同一の化合物とする。本発明において使用可能な種々のアゾ化合物と金属イオン(または金属酸化物イオン)からなる種々のアゾ金属錯体色素も同様の方法で合成できる。
ここで、Zは、酸素原子、硫黄原子、NR36で表される二価の連結基を表し、R36は水素原子または置換基を表し、qは1または2を表す。n1は1〜3の範囲の整数を表し、n3はqと同一の数を表す。本合成法により得られたアゾ金属錯体色素のトリエチルアンモニウムカチオンは、溶媒中、カチオン交換反応が可能である。
上記合成法において、Co塩、Ni塩、Mn塩、Fe塩等をアゾ色素を反応させることにより、上記アゾ金属錯体色素が得られる。
同様の合成法において、Cu塩を反応させることにより、以下のような一般式(5−1’’)で表されるアゾ金属錯体を合成することができる。
ここで、Zは先に述べた通りであり、L1は配位子を表し、n2は0〜3の範囲の整数を表す。本合成法により得られたアゾ金属錯体色素のトリエチルアンモニウムカチオンは、溶媒中、カチオン交換反応が可能である。
また、一般式(C)についても同様の方法によりアゾ金属錯体が合成できる。Yが−OH基である場合は、塩基の存在しない条件下でも反応が進行する。
以下に、本発明の光情報記録媒体の記録用色素として使用可能なアゾ金属錯体色素の具体例を示す。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の光情報記録媒体は、前記アゾ色素化合物を少なくとも一種含有する記録層を有するものである。前記記録層は、前記アゾ色素化合物を1種含むこともでき、2種以上含むこともできる。前記記録層中の前記アゾ色素化合物の含有率は、記録層の全質量に対して、例えば1〜100質量%の範囲であり、好ましくは70〜100質量%の範囲であり、より好ましくは80〜100質量%の範囲であり、最も好ましくは90〜100質量%の範囲である。
本発明の光情報記録媒体は、前記アゾ色素化合物を含む記録層を基板上に少なくとも一層有することができ、前記記録層を二層以上有することもできる。または、前記アゾ色素化合物を含む記録層以外の記録層を有することも可能である。前記アゾ色素化合物を含む記録層において、記録用色素として他の色素を併用する場合、全色素成分に対する前記アゾ色素化合物の割合が、70〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることが更に好ましい。
本発明において、色素成分として、前記アゾ色素化合物以外の色素を使用する場合、該色素としては、例えば波長440nm以下の短波長領域において吸収を有するものが好ましい。そのような色素としては、特に限定されないが、アゾ色素、アゾ金属錯体色素、フタロシアニン色素、オキソノール色素、シアニン色素等が挙げられる。
本発明の光情報記録媒体において、前記アゾ色素化合物を含む記録層は、レーザ光の照射により情報の記録が可能な層である。ここで、レーザ光の照射により情報の記録が可能とは、記録層のレーザ光が照射された部分がその光学的特性を変えることをいう。光学的特性の変化は、記録層のレーザ光が照射された部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えば、ピットの生成)を生じすることによってもたらされると考えられる。記録層に記録された情報の読み取り(再生)は、例えば記録用のレーザ光と同様の波長のレーザ光を照射することにより、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率等の光学的特性の違いを検出することにより行うことができる。前記アゾ色素化合物は、例えば440nm以下のレーザ光に対して吸収性を有するものである。このように短波長領域に吸収性を有するアゾ色素化合物を含む記録層を有する本発明の光情報記録媒体は、405nmの青色レーザを用いるBlu−ray方式の光ディスクなどの短波長レーザによる記録が可能な大容量光ディスクとして好適である。本発明の光情報記録媒体への情報の記録方法については後述する。
本発明の光情報記録媒体は、基板上に、反射層、記録層、バリア層、粘着層、およびカバー層をこの順に有し、更に、保護層などを有することもできる。
本発明に用いられる基板としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。基板としては、透明な円盤状基板が好ましい。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
前記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。これらの樹脂を用いた場合、射出成型を用いて基板を作製することができる。
また、基板の厚さは、一般に0.7〜2mmの範囲であり、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
なお、後述する光反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することもできる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
前記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。これらの樹脂を用いた場合、射出成型を用いて基板を作製することができる。
また、基板の厚さは、一般に0.7〜2mmの範囲であり、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
なお、後述する光反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することもできる。
前記基板の記録層が形成される面には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プリグルーブ)が形成されている。前記プリグルーブのトラックピッチは50〜500nmの範囲である。本発明の光情報記録媒体では、より高い記録密度を達成するためにCD−RやDVD−Rに比べてより狭いトラックピッチを形成した基板を用いる。トラックピッチの好ましい範囲等の詳細は後述する。
本発明の光情報記録媒体の好ましい態様としては、厚さ0.7〜2mmの基板上に、色素を含有する追記型記録層と、厚さ0.01〜0.5mmのカバー層とを基板側から順に有する光情報記録媒体を挙げることができる。
基板に形成されるプリグルーブのトラックピッチは、50〜500nmであり、溝幅は25〜250nmであることが好ましく、溝深さは5〜150nmであることが好ましい。
本発明の光情報記録媒体の具体例を、図1に示す。図1に示す第1光情報記録媒体10Aは、基板12上に、光反射層18と、追記型記録層14と、バリア層20と、粘着層22と、カバー層16とをこの順に有する。
以下に、これらを構成する材料について順次説明する。
以下に、これらを構成する材料について順次説明する。
基板
基板には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、およびウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有するプリグルーブ(案内溝)が形成されている。このプリグルーブは、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、本発明の光情報記録媒体を、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
基板には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、およびウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有するプリグルーブ(案内溝)が形成されている。このプリグルーブは、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、本発明の光情報記録媒体を、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
プリグルーブのトラックピッチは、100nm以上420nm以下であることが好ましく、200nm以上370nm以下であることがより好ましく、260nm以上330nm以下であることが更に好ましい。トラックピッチが100nm以上であれば、プリグルーブを正確に形成することができる上に、クロストークの発生を回避することができ、420nm以下であれば、高密度記録を行うことができる。
プリグルーブの溝幅(半値幅)は、50nm以上240nm以下であることが好ましく、80nm以上230nm以下であることがより好ましく、100nm以上220nm以下であることが更に好ましい。プリグルーブの溝幅が50nm以上であれば、成型時に溝を十分に転写することができ、さらに記録時のエラーレート上昇を抑制することができ、240nm以下であれば、同じく成型時に溝を十分に転写することができ、更に記録時に形成されるピットの広がりによりクロストークが発生することを回避することができる。
プリグルーブの溝深さは、10nm以上85nm以下であることが好ましく、20nm以上80nm以下であることがより好ましく、28nm以上75nm以下であることが更に好ましい。プリグルーブの溝深さが10nm以上であれば十分な記録変調度を得ることができ、85nm以下であれば、高い反射率を得ることができる。
また、プリグルーブの溝傾斜角度は、上限値が80°以下であることが好ましく、75°以下であることがより好ましく、70°以下であることが更に好ましく、65°以下であることが特に好ましい。また、下限値は、20°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましく、40°以上であることが更に好ましい。
プリグルーブの溝傾斜角度が20°以上であれば、十分なトラッキングエラー信号振幅を得ることができ、80°以下であれば成型性が良好である。
プリグルーブの溝傾斜角度が20°以上であれば、十分なトラッキングエラー信号振幅を得ることができ、80°以下であれば成型性が良好である。
追記型記録層
追記型記録層は、色素を、結合剤等と共にまたは結合剤を用いないで適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を基板上または後述する光反射層上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成することができる。ここで、追記型記録層は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、塗布液を塗布する工程が複数回行なわれることになる。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の量は、特に限定されないが、0.5〜2mlの範囲であることが好ましい。
追記型記録層は、色素を、結合剤等と共にまたは結合剤を用いないで適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を基板上または後述する光反射層上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成することができる。ここで、追記型記録層は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、塗布液を塗布する工程が複数回行なわれることになる。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の量は、特に限定されないが、0.5〜2mlの範囲であることが好ましい。
塗布液の調製に用いる溶剤としては、例えば、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、さらに、結合剤、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、さらに、結合剤、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。塗布方法としては、スピンコート法が好ましい。
スピンコート法により塗布を行う場合、回転数は特に限定されないが、300rpm〜4000rpmで変化させながら行うことが好ましい。
塗布の際、塗布液の温度は23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、23〜50℃の範囲であることが特に好ましい。
スピンコート法により塗布を行う場合、回転数は特に限定されないが、300rpm〜4000rpmで変化させながら行うことが好ましい。
塗布の際、塗布液の温度は23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、23〜50℃の範囲であることが特に好ましい。
塗布液濃度、塗布液量、回転速度の調節により、記録層の厚みを調節することができる。
追記型記録層の厚さは、ランド(前記基板において凸部)上で、300nm以下であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましく、180nm以下であることが特に好ましい。下限値としては1nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましく、5nm以上であることが更に好ましく、7nm以上であることが特に好ましい。
また、追記型記録層の厚さは、グルーブ上(前記基板において凹部)で、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることが更に好ましい。下限値としては、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、25nm以上であることが更に好ましい。
更に、ランド上の追記型記録層の厚さ/グルーブ上の追記型記録層の厚さの比は、0.1以上であることが好ましく、0.13以上であることがより好ましく、0.15以上であることが更に好ましく、0.17以上であることが特に好ましい。上限値としては、1未満であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.85以下であることが更に好ましく、0.8以下であることが特に好ましい。
また、追記型記録層の厚さは、グルーブ上(前記基板において凹部)で、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることが更に好ましい。下限値としては、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、25nm以上であることが更に好ましい。
更に、ランド上の追記型記録層の厚さ/グルーブ上の追記型記録層の厚さの比は、0.1以上であることが好ましく、0.13以上であることがより好ましく、0.15以上であることが更に好ましく、0.17以上であることが特に好ましい。上限値としては、1未満であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.85以下であることが更に好ましく、0.8以下であることが特に好ましい。
また、追記型記録層には、追記型記録層の耐光性をさらに向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。
カバー層
カバー層は、図1に示すようにバリア層上に、粘着層を介して貼り合わされる。
カバー層としては、透明な材質のフィルムであれば、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネートまたは三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録および再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
カバー層は、図1に示すようにバリア層上に、粘着層を介して貼り合わされる。
カバー層としては、透明な材質のフィルムであれば、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネートまたは三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録および再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
また、カバー層は、本発明の効果を妨げない範囲において、種々の添加剤が含有されていてもよい。例えば、波長400nm以下の光をカットするためのUV吸収剤および/または500nm以上の光をカットするための色素が含有されていてもよい。
更に、カバー層の表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータおよび3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録および再生に用いられる光の集光度の観点から、カバー層の複屈折は10nm以下であることが好ましい。
更に、カバー層の表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータおよび3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録および再生に用いられる光の集光度の観点から、カバー層の複屈折は10nm以下であることが好ましい。
カバー層の厚さは、記録および再生のために照射されるレーザ光の波長やNAにより、適宜、規定することができるが、本発明においては、0.01〜0.5mmの範囲内であることが好ましく、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。
また、カバー層と、接着剤または粘着剤からなる層と、を合わせた総厚は、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
なお、カバー層の光入射面には、光情報記録媒体の製造時に、光入射面が傷つくことを防止するための保護層(図1に示す態様ではハードコート層44)が設けられていてもよい。
また、カバー層と、接着剤または粘着剤からなる層と、を合わせた総厚は、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
なお、カバー層の光入射面には、光情報記録媒体の製造時に、光入射面が傷つくことを防止するための保護層(図1に示す態様ではハードコート層44)が設けられていてもよい。
カバー層と追記型記録層またはバリア層を貼り合わせるために、両層の間に粘着層を設ける。
粘着層の厚さは、0.1〜100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは1〜30μmの範囲である。
粘着層の厚さは、0.1〜100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは1〜30μmの範囲である。
粘着層に使用される粘着剤としては、例えば、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができる。透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となり得るアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどとを共重合したものを用いることが好ましい。主成分、短鎖成分および架橋点を付加するための成分との混合比率およびそれら成分の種類を、適宜調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
前記アゾ色素化合物を含む記録層へレーザ光を照射すると、色素がレーザ光を吸収して発熱し、その熱により色素骨格またはその置換基が熱分解して気体を発生し、これによりピット内に空隙が形成されると考えられる。前記アゾ色素化合物を含む記録層において、レーザー光未照射部の屈折率は、一般に1.6〜1.9程度であるのに対し、レーザ光照射により空隙が形成された部分の屈折率は約1.0であり未照射部の屈折率と大きく異なる。これにより、大きな屈折率差を実現することができ、記録特性を高めることができると考えられる。
ところが、上記のようにレーザ光照射により記録層内に空隙を形成する場合、通常、空隙の形成は記録層の変形を伴うため、記録層の変形が妨げられると空隙が良好に形成されず、十分な記録特性を得ることが困難となる。一般に、基板および反射層は、粘着層やバリア層に比べて剛性が高い。よって、空隙が形成されると記録層はバリア層を押し上げ、バリア層とカバー層との間に位置する粘着層が適度に柔軟な場合は、該粘着層に凹状の変形を生じさせる。このようにバリア層とカバー層の間に位置する粘着層が容易に変形する場合は記録層における空隙の形成が妨げられることなく、ピットの形成を良好に行うことができる。そのため、ピットの形成を良好に行うためには、粘着層が適度な柔軟性を有することが好ましい。この点から、粘着層のガラス転移温度(Tg)は、0℃以下であることが好ましく、−15℃以下であることがより好ましく、−25℃以下であることがさらに好ましい。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、Seiko Instruments Inc.製DSC6200Rを用い、DSC(Differential Scanning Calorimetry)法によって測定できる。
ところが、上記のようにレーザ光照射により記録層内に空隙を形成する場合、通常、空隙の形成は記録層の変形を伴うため、記録層の変形が妨げられると空隙が良好に形成されず、十分な記録特性を得ることが困難となる。一般に、基板および反射層は、粘着層やバリア層に比べて剛性が高い。よって、空隙が形成されると記録層はバリア層を押し上げ、バリア層とカバー層との間に位置する粘着層が適度に柔軟な場合は、該粘着層に凹状の変形を生じさせる。このようにバリア層とカバー層の間に位置する粘着層が容易に変形する場合は記録層における空隙の形成が妨げられることなく、ピットの形成を良好に行うことができる。そのため、ピットの形成を良好に行うためには、粘着層が適度な柔軟性を有することが好ましい。この点から、粘着層のガラス転移温度(Tg)は、0℃以下であることが好ましく、−15℃以下であることがより好ましく、−25℃以下であることがさらに好ましい。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、Seiko Instruments Inc.製DSC6200Rを用い、DSC(Differential Scanning Calorimetry)法によって測定できる。
粘着剤の調整方法としては、特開2003−217177号公報、特開2003−203387号公報、特開平9−147418号公報等に記載の方法が知られている。
粘着層の形成方法は特に限定されないが、バリア層または追記型記録層の表面(被貼り合わせ面)上に、粘着剤を所定量均一に塗布し、その上にカバー層を載置した後、硬化させてもよいし、予め、カバー層の片面に、所定量の粘着剤をを均一に塗布して粘着剤塗膜を形成しておき、該塗膜を被貼り合わせ面に貼り合わせ、その後、硬化させてもよい。
また、カバー層に、予め、粘着層が設けられた市販の粘着フィルムを用いてもよい。
またカバー層は、UV硬化樹脂を利用してスピンコーティング法により形成してもよい。
また、カバー層に、予め、粘着層が設けられた市販の粘着フィルムを用いてもよい。
またカバー層は、UV硬化樹脂を利用してスピンコーティング法により形成してもよい。
反射層
本発明の光情報記録媒体は、基板と記録層との間に反射層を有する。反射層は、レーザ光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与する機能を果たし得る。
本発明の光情報記録媒体は、基板と記録層との間に反射層を有する。反射層は、レーザ光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与する機能を果たし得る。
反射層は、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質を、例えば、真空蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。
反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、30〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、30〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属またはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alまたはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agまたはこれらの合金である。
バリア層(中間層)
バリア層は、記録層と粘着層との間に位置し、追記型記録層の保存性向上、追記型記録層とカバー層との接着性向上、反射率調整、熱伝導率調整等の役割を果たし得る。
バリア層に用いられる材料としては、記録および再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。
具体的には、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge、Nb、Ta等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZnO、SnO2、ZnO−Ga2O3、Nb2O5、Ta2O5が好ましく、SnO2、ZnO−Ga2O3、SiO2、Nb2O5、Ta2O5がより好ましい。
バリア層は、記録層と粘着層との間に位置し、追記型記録層の保存性向上、追記型記録層とカバー層との接着性向上、反射率調整、熱伝導率調整等の役割を果たし得る。
バリア層に用いられる材料としては、記録および再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。
具体的には、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge、Nb、Ta等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZnO、SnO2、ZnO−Ga2O3、Nb2O5、Ta2O5が好ましく、SnO2、ZnO−Ga2O3、SiO2、Nb2O5、Ta2O5がより好ましい。
また、バリア層は、真空蒸着、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンプレーティングなどの真空成膜法により形成することができる。中でも、スパッタリングを用いることがより好ましい。
バリア層の厚さは、1〜200nmの範囲が好ましく、2〜100nmの範囲がより好ましく、3〜50nmの範囲が更に好ましい。
バリア層の厚さは、1〜200nmの範囲が好ましく、2〜100nmの範囲がより好ましく、3〜50nmの範囲が更に好ましい。
その他の層
本発明の光情報記録媒体は、本発明の効果を損なわない範囲においては、上記の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。他の任意の層としては、例えば、基板の裏面(追記型記録層が形成された側と逆側の非形成面側)に形成される、所望の画像を有するレーベル層や、光反射層と追記型記録層との間に設けられる界面層などが挙げられる。ここで、前記レーベル層は、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、および熱乾燥樹脂などを用いて形成することができる。
なお、上記した必須及び任意の層はいずれも、単層でも、多層構造でもよい。
本発明の光情報記録媒体は、本発明の効果を損なわない範囲においては、上記の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。他の任意の層としては、例えば、基板の裏面(追記型記録層が形成された側と逆側の非形成面側)に形成される、所望の画像を有するレーベル層や、光反射層と追記型記録層との間に設けられる界面層などが挙げられる。ここで、前記レーベル層は、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、および熱乾燥樹脂などを用いて形成することができる。
なお、上記した必須及び任意の層はいずれも、単層でも、多層構造でもよい。
更に、本発明は、本発明の光情報記録媒体へ情報を記録する情報記録方法に関する。本発明の情報記録方法では、本発明の光情報記録媒体に、波長440nm以下のレーザ光を照射することにより記録層へ情報を記録する。
本発明の光情報記録媒体に対する情報の記録は、例えば次のように行われる。
まず、光情報記録媒体を定線速度(例えば0.5〜10m/秒)または定角速度にて回転させながら、基板側または保護層側から半導体レーザ光などの記録用の光を照射する。この光の照射により、レーザ光照射部分の光学的特性が変化して情報が記録される。図1に示す態様では、カバー層16側から半導体レーザ光等の記録用のレーザ光46を、第一対物レンズ42(例えば開口数NAが0.85)を介して照射する。このレーザ光46の照射により、追記型記録層14がレーザ光46を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えばピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
まず、光情報記録媒体を定線速度(例えば0.5〜10m/秒)または定角速度にて回転させながら、基板側または保護層側から半導体レーザ光などの記録用の光を照射する。この光の照射により、レーザ光照射部分の光学的特性が変化して情報が記録される。図1に示す態様では、カバー層16側から半導体レーザ光等の記録用のレーザ光46を、第一対物レンズ42(例えば開口数NAが0.85)を介して照射する。このレーザ光46の照射により、追記型記録層14がレーザ光46を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えばピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
本発明の情報記録方法では、波長440nm以下のレーザ光を照射することにより情報を記録する。記録光としては、440nm以下の範囲の発振波長を有する半導体レーザ光が好適に用いられ、好ましい光源としては390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ光、中心発振波長850nmの赤外半導体レーザ光を光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザ光を挙げることができる。特に、記録密度の点で390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ光を用いることが好ましい。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザ光を基板側または保護層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[化合物(AZO−4)の合成]
100mlナスフラスコに化合物(1)3g、化合物(2)3.36g、エタノール30mlを入れ、4時間加熱還流させた。室温に戻し、生成する結晶をろ過し、エタノールでかけ洗いすることで化合物(3)4.2gを得た。化合物の同定は300MHz1H−NMRにより行った。1H−NMR(DMSO−d6)[ppm];δ8.47(d),8.1−8.2(s),8.04(t),7.79(t),7.34(d)
次に、100ml三角フラスコに硫酸2mlを注ぎ、氷冷下で酢酸9mlをゆっくり滴下した。そこへ40%ニトロシル硫酸1.4mlをゆっくり滴下した後、0〜5℃に保ちながら化合物(3)1.2gを徐々に加え15分間攪拌した。この酸性溶液を、氷冷下で化合物(4)1.34gを含むメタノール溶液20mlに徐々に加え、1時間攪拌した。室温に戻し、2時間攪拌した後、沈殿物をろ過、乾燥させ、化合物(AZO−4)1.6gを得た。化合物の同定は300MHz1H−NMRにより行った。1H−NMR(DMSO−d6)[ppm];δ8.64(d),8.40(s),8.18(t),8.04(t),7.57(dd),3.90(t),1.65−1.50(m),1.30−1.41(m),1.95(t)
上述した例示化合物(AZO−4)の合成と同様の方法により、例示化合物(C−1)を合成した。また、同様の方法により、種々のアゾ色素を合成できる。
[化合物(M−1)の合成]
50mlナスフラスコに化合物(AZO−4)300mg、メタノール10mlを入れ、攪拌しながらトリエチルアミン0.31mlを滴下した。10分間攪拌し、さらにCo(OAc)2・4H2O 186mgを加え、3時間加熱還流させた。室温に戻し、沈殿物をろ過し、メタノール洗浄、乾燥を施して化合物(M−1)0.28gを得た。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて確認した。[M−H+]=863
[化合物(M−2)の合成]
例示化合物(M−1)の合成でのCo(OAc)2・4H2OをNi(OAc)2・4H2Oに置き換え、同様に反応させることで化合物(M−2)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて確認した。[M−H+]=862
例示化合物(M−1)の合成でのCo(OAc)2・4H2OをNi(OAc)2・4H2Oに置き換え、同様に反応させることで化合物(M−2)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて確認した。[M−H+]=862
[化合物(M−3)の合成]
上述した化合物(M−1)の合成でのCo(OAc)2・4H2OをCu(OAc)2・H2Oに置き換え、同様に反応させることで化合物(M−3)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて確認した。[M−H+]=867
上述した化合物(M−1)の合成でのCo(OAc)2・4H2OをCu(OAc)2・H2Oに置き換え、同様に反応させることで化合物(M−3)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて確認した。[M−H+]=867
[化合物(M−4)の合成]
上述した化合物(M−1)の合成でのCo(OAc)2・4H2OをFeCl2・4H2Oに置き換え、同様に反応させることで化合物(M−4)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて確認した。[M−H+]=860
上述した化合物(M−1)の合成でのCo(OAc)2・4H2OをFeCl2・4H2Oに置き換え、同様に反応させることで化合物(M−4)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて確認した。[M−H+]=860
上述した化合物(M−1)〜(M−4)の合成と同様の方法により、化合物(M−5)、化合物(M−9)、化合物(M−17)、化合物(M−18)、化合物(M−19)、化合物(M−20)、化合物(M−23)、化合物(M−26)、化合物(M−30)を合成した。MALDI−TOF−MSまたはESI−MSにて化合物の同定を行い、目的物質が得られたことを確認した。同様に、種々のアゾ金属錯体色素が合成できる。化合物の同定はMALDI−TOF−MSまたはESI−MSにて行うことができる。
次に、例示化合物(AZO−14)で表されるアゾ色素の合成について詳細に説明するが、本発明は下記方法に限定されることはない。
100ml三角フラスコに酢酸2.6ml、プロピオン酸4mlを注ぎ、氷冷下で塩酸(35〜37%)3.7mlをゆっくり滴下した。氷浴にて0〜5℃に冷却し、そこへNaNO2 0.92gを溶解させた水溶液2ml(5℃以下に冷却したもの)をゆっくり滴下した後、化合物(5)を0〜5℃を保ちながらゆっくり添加し、その後0〜5℃にて15分間攪拌した。この酸性溶液を、氷冷下で0〜5℃に保った化合物(6)2.2を含むメタノール溶液40mlに徐々に加え、1時間攪拌した。室温に戻し2h攪拌した後、沈殿物をろ過し最小量のメタノールで洗浄した。得られた固体を酢酸エチルを溶離液としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(AZO−14)0.8gを得た。
化合物の同定は300MHz1H-NMRにより行った。1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.70(1H,br),13.5(1H,s),2.46(3H,s),1.51(9H,s),1.44(9H,s)
化合物の同定は300MHz1H-NMRにより行った。1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.70(1H,br),13.5(1H,s),2.46(3H,s),1.51(9H,s),1.44(9H,s)
50mlナスフラスコに化合物(AZO−14)1g、メタノール20mlを入れ、攪拌しながらトリエチルアミン1.6mlを滴下した。10分間攪拌し、さらCu(OAc)2・H2O 0.56gを加え、1時間加熱還流させた。蒸留水50mlを加えた後、室温に戻し、沈殿物をろ過した。蒸留水にて洗浄し、乾燥を施して化合物(M−39)1.1gを得た。
さらに化合物(M−39)の同定をMALDI−TOF−MSにて行った。また、化合物(M−39)についてはESI−MSを用いて同定も行った。ESI−MSの測定はHPLC(TSK GEL ODS−80Ts 2.0×150mm、溶離液:10mM酢酸アンモニウム含有メタノール/水混合液)を通して行った。
ESI−MS結果
化合物(M−39):m/z=1725(nega)、891(nega)、862(nega)、830(nega)、415(posi)
化合物(M−39):m/z=893(nega)、829(nega)、102(posi)
MALDI−TOF−MS結果との数値の違いはイオン化時の検出される同位体ピークの強度違いあるいは測定時の溶液(主に酢酸アンモニウムの有無)の差と考えられる。
化合物(M−39):m/z=1725(nega)、891(nega)、862(nega)、830(nega)、415(posi)
化合物(M−39):m/z=893(nega)、829(nega)、102(posi)
MALDI−TOF−MS結果との数値の違いはイオン化時の検出される同位体ピークの強度違いあるいは測定時の溶液(主に酢酸アンモニウムの有無)の差と考えられる。
さらに、化合物(M−39)についてはESR解析を行った。これにより、粉末状態において、Cuイオン:アゾ色素アニオン=1:1の構造となることを確認した。記録層中では色素は固体状態で存在するため、粉末状態と同様にCuイオン:アゾ色素アニオン=1:1の構造を取る。なお、溶液中(テトラヒドロフラン−塩化メチレン)においては、固体状態と異なる構造となることを確認した。
50mlナスフラスコに化合物(M−39)500mg、メタノール15mlを入れ、攪拌しながら、化合物(3)320mgをメタノール10mlに溶かした溶液を加え、3時間加熱還流させた。蒸留水20mlを加えた後、室温に戻し、沈殿物をろ過した。得られた固体を再度メタノールに溶解させ、生じた不溶物をろ別し、ろ液に蒸留水を加えて再沈殿を行った。これをろ別し、蒸留水にて洗浄し、乾燥を施して化合物(M−41)570mgを得た。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
m/z=893(nega)、831(nega)、494(posi)
m/z=893(nega)、831(nega)、494(posi)
上述した化合物(M−39)、(M−41)の合成法と同様の方法により、(M−40)、(M−42)〜(M−53)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
上記の方法により、種々のカチオンを有するアゾ金属錯体色素が合成できる。化合物の同定はMALDI−TOF−MS、ESI−MS、ESRにて行うことができる。
≪光情報記録媒体の作製≫
(基板の作製)
厚さ1.1mm、外径120mm、内径15mmでスパイラル状のプリグルーブ(トラックピッチ:320nm、溝幅:グルーブ(凹部)幅190nm、溝深さ:47nm、溝傾斜角度:65°、ウォブル振幅:20nm)を有する、ポリカーボネート樹脂からなる射出成形基板を作製した。射出成型時に用いられたスタンパのマスタリングは、レーザカッティング(351nm)を用いて行なわれた。
(基板の作製)
厚さ1.1mm、外径120mm、内径15mmでスパイラル状のプリグルーブ(トラックピッチ:320nm、溝幅:グルーブ(凹部)幅190nm、溝深さ:47nm、溝傾斜角度:65°、ウォブル振幅:20nm)を有する、ポリカーボネート樹脂からなる射出成形基板を作製した。射出成型時に用いられたスタンパのマスタリングは、レーザカッティング(351nm)を用いて行なわれた。
(光反射層の形成)
基板上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングにより、膜厚60nmの真空成膜層としてのANC光反射層(Ag:98.1at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%)を形成した。光反射層の膜厚の調整は、スパッタ時間により行った。
基板上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングにより、膜厚60nmの真空成膜層としてのANC光反射層(Ag:98.1at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%)を形成した。光反射層の膜厚の調整は、スパッタ時間により行った。
(追記型記録層の形成)
合成した例示化合物(M−1)1gを、2,2,3,3−−テトラフルオロプロパノール100ml中に添加して溶解し、色素含有塗布液を調製した。そして、光反射層上に、調製した色素含有塗布液を、スピンコート法により回転数500〜2200rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布し、追記型記録層を形成した。これと同様にして、例示化合物(M−3)、(M−4)、(M−5)、(M−9)、(M−17)〜(M−20)、(M−23)、(M−26)、(M−30)、(M−39)〜(M−51)、(M−53)、および(C−1)をそれぞれ用いて同様の追記型記録層を形成した。
合成した例示化合物(M−1)1gを、2,2,3,3−−テトラフルオロプロパノール100ml中に添加して溶解し、色素含有塗布液を調製した。そして、光反射層上に、調製した色素含有塗布液を、スピンコート法により回転数500〜2200rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布し、追記型記録層を形成した。これと同様にして、例示化合物(M−3)、(M−4)、(M−5)、(M−9)、(M−17)〜(M−20)、(M−23)、(M−26)、(M−30)、(M−39)〜(M−51)、(M−53)、および(C−1)をそれぞれ用いて同様の追記型記録層を形成した。
追記型記録層を形成した後、クリーンオーブンにてアニール処理を施した。アニール処理は、基板を垂直のスタックポールにスペーサーで間をあけながら支持し、80℃で1時間保持して行った。
(バリア層の形成)
その後、追記型記録層上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングによりNb2O5からなる、厚さ10nmのバリア層を形成した。
その後、追記型記録層上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングによりNb2O5からなる、厚さ10nmのバリア層を形成した。
(カバー層の貼り合わせ)
カバー層としては、内径15mm、外径120mmで、片面に粘着層(ガラス転移温度−26℃)を有するポリカーボネート製フィルム(帝人ピュアエース、厚さ:80μm)を用い、該粘着層とポリカーボネート製フィルムとの厚さの合計が100μmとなるように設定した。
そして、バリア層上に、カバー層を粘着層を介して載置した後、そのカバー層を押し当て部材にて圧接して、貼り合わせた。以上の工程により、図1に示す層構成を有する光情報記録媒体を作製した。
これにより、実施例1〜27に係る光情報記録媒体が作製された。
カバー層としては、内径15mm、外径120mmで、片面に粘着層(ガラス転移温度−26℃)を有するポリカーボネート製フィルム(帝人ピュアエース、厚さ:80μm)を用い、該粘着層とポリカーボネート製フィルムとの厚さの合計が100μmとなるように設定した。
そして、バリア層上に、カバー層を粘着層を介して載置した後、そのカバー層を押し当て部材にて圧接して、貼り合わせた。以上の工程により、図1に示す層構成を有する光情報記録媒体を作製した。
これにより、実施例1〜27に係る光情報記録媒体が作製された。
比較例1〜5:光情報記録媒体の作製
追記型記録層に使用する色素として例示化合物(M−1)に代えて比較化合物(A)〜(E)を使用した以外は同様の方法で比較例1〜5の光情報記録媒体を作製した。
追記型記録層に使用する色素として例示化合物(M−1)に代えて比較化合物(A)〜(E)を使用した以外は同様の方法で比較例1〜5の光情報記録媒体を作製した。
<色素層膜厚測定>
得られた光情報記録媒体の断面図を、SEMで観察し、色素層のグルーブ凹部、凸部それぞれの膜厚を読み取った。色素層のグルーブ凹部は溝深さ+0〜10nmであり、色素層のグルーブ凸部は10〜30nm程度であった。本態様においては、特許文献10の、色素層のグルーブ凹部は溝深さ未満、色素層のグルーブ凸部がほぼ0という形状ではなかった。
得られた光情報記録媒体の断面図を、SEMで観察し、色素層のグルーブ凹部、凸部それぞれの膜厚を読み取った。色素層のグルーブ凹部は溝深さ+0〜10nmであり、色素層のグルーブ凸部は10〜30nm程度であった。本態様においては、特許文献10の、色素層のグルーブ凹部は溝深さ未満、色素層のグルーブ凸部がほぼ0という形状ではなかった。
比較化合物(A):特開2001−158862号公報範疇の化合物
比較化合物(B):特開2001−306070号公報記載の化合物
比較化合物(C):特開2005−297406号公報記載の化合物
比較化合物(D):特開2006−142789号公報記載の化合物
比較化合物(E):特開2007−26541号公報記載の化合物
<光情報記録媒体の評価>
(1) C/N(搬送波対雑音比)評価
作製した光情報記録媒体を、403nmレーザ、NA0.85ピックアップを有する記録再生評価機(パルステック社製:DDU1000)を用い、クロック周波数66MHz、線速4.92m/sにて、0.16μmの信号(2T)を記録、再生しスペクトルアナライザ(ローデ&シュウバルツ社製FSP−3型)にて記録ピットを再生した。記録後の16MHzの出力をCarrier出力、記録前の16MHzの出力をNoise出力として、記録後の出力−記録前の出力をC/N値とした。なお、本評価は、本実施の形態の光情報記録方法を用いたものであり、記録はグルーブ上に行った。また、記録パワー5mW、再生パワー0.3mWであった。結果を表2に示す。
記録特性の指標となる2T C/N比は、記録パワーを強くすれば値が高くなっていく傾向があるが、2T C/N比と記録感度の観点から、5mW程度で(記録後の)C/Nが35dB以上であると、記録感度および再生信号強度が共に十分であり、記録特性が好ましいことを指す。
(1) C/N(搬送波対雑音比)評価
作製した光情報記録媒体を、403nmレーザ、NA0.85ピックアップを有する記録再生評価機(パルステック社製:DDU1000)を用い、クロック周波数66MHz、線速4.92m/sにて、0.16μmの信号(2T)を記録、再生しスペクトルアナライザ(ローデ&シュウバルツ社製FSP−3型)にて記録ピットを再生した。記録後の16MHzの出力をCarrier出力、記録前の16MHzの出力をNoise出力として、記録後の出力−記録前の出力をC/N値とした。なお、本評価は、本実施の形態の光情報記録方法を用いたものであり、記録はグルーブ上に行った。また、記録パワー5mW、再生パワー0.3mWであった。結果を表2に示す。
記録特性の指標となる2T C/N比は、記録パワーを強くすれば値が高くなっていく傾向があるが、2T C/N比と記録感度の観点から、5mW程度で(記録後の)C/Nが35dB以上であると、記録感度および再生信号強度が共に十分であり、記録特性が好ましいことを指す。
<屈折率nおよび消衰係数kの測定解析>
実施例1〜27、比較例1〜4と同様の色素含有塗布液を調製し、厚さ1.1mmのガラス板上に、調製した色素含有塗布液を、スピンコート法により回転数500〜1000rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布した。この色素膜について、屈折率nおよび消衰係数kを分光エリプソメトリ装置(J.A.ウーラムジャパン社製、型式 M−2000)を用いて測定解析した。405nmにおける屈折率nおよび消衰係数kの結果を表2に示す。
実施例1〜27、比較例1〜4と同様の色素含有塗布液を調製し、厚さ1.1mmのガラス板上に、調製した色素含有塗布液を、スピンコート法により回転数500〜1000rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布した。この色素膜について、屈折率nおよび消衰係数kを分光エリプソメトリ装置(J.A.ウーラムジャパン社製、型式 M−2000)を用いて測定解析した。405nmにおける屈折率nおよび消衰係数kの結果を表2に示す。
<熱分解温度の測定>
実施例1〜27、比較例1〜4で選択したアゾ金属錯体色素に対して、それぞれTG/DTA測定を行った。測定はSeiko Instruments Inc.製EXSTAR6000を用い、N2気流下(流量200ml/min)、30℃〜550℃の範囲において10℃/minで昇温を行った。質量減少率が10%に達した時点の温度を読み取り、結果を表2に示した。
実施例1〜27、比較例1〜4で選択したアゾ金属錯体色素に対して、それぞれTG/DTA測定を行った。測定はSeiko Instruments Inc.製EXSTAR6000を用い、N2気流下(流量200ml/min)、30℃〜550℃の範囲において10℃/minで昇温を行った。質量減少率が10%に達した時点の温度を読み取り、結果を表2に示した。
表2に示すように、従来のアゾ金属錯体を用いた比較例1〜5に比べ、実施例1〜27では、いずれも記録再生特性(2T記録C/N比)が良好であった。
また、実施例1、2、3、5、15、24および25の光情報記録媒体を用いて9T記録を行った後、1時間再生光を連続照射後、9T信号波形の観察を行った。1時間再生後の9T信号変化は少なく、良好な再生耐久性を有することを確認した。
なお、本発明に係る光情報記録媒体は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成をとり得ることはもちろんである。
本発明の光情報記録媒体は、短波長レーザ光を用いる光記録再生システムにおいて、良好な記録再生特性および再生耐久性を示すことができる。本発明の光情報記録媒体は、特に、波長が440nm以下のレーザ光照射による光記録再生システムに好適である。
10A…光情報記録媒体
12…基板
14…追記型記録層
16…カバー層
18…光反射層
20…バリア層
22…粘着層
44…ハードコート層
12…基板
14…追記型記録層
16…カバー層
18…光反射層
20…バリア層
22…粘着層
44…ハードコート層
Claims (6)
- トラックピッチ50〜500nmのプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に、反射層、記録層、バリア層、粘着層およびカバー層をこの順に有する光情報記録媒体において、
前記記録層は、アゾ化合物ならびにアゾ化合物および金属イオンもしくは金属酸化物イオンを含むアゾ金属錯体化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のアゾ色素化合物を含有し、かつ、
前記アゾ色素化合物は、波長405nmにおける屈折率が1.45〜1.75の範囲であり、かつ消衰係数が0.15〜0.3の範囲であることを特徴とする光情報記録媒体。 - 波長440nm以下のレーザ光を照射することにより情報を記録するために使用される請求項1に記載の光情報記録媒体。
- 前記アゾ色素化合物の熱分解温度は、250〜350℃の範囲である請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
- アゾ金属錯体化合物に含まれる金属イオンは、銅イオン、鉄イオンまたはマンガンイオンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
- 粘着層のガラス転移温度が−25℃以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光情報記録媒体に、波長440nm以下のレーザ光を照射することにより前記光情報記録媒体が有する記録層へ情報を記録する情報記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007106436A JP2008262661A (ja) | 2007-04-13 | 2007-04-13 | 光情報記録媒体および情報記録方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111057078A (zh) * | 2019-11-25 | 2020-04-24 | 天津包钢稀土研究院有限责任公司 | 高热稳定性与耐迁移有机发光材料及其制备方法和应用 |
-
2007
- 2007-04-13 JP JP2007106436A patent/JP2008262661A/ja active Pending
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CN111057078A (zh) * | 2019-11-25 | 2020-04-24 | 天津包钢稀土研究院有限责任公司 | 高热稳定性与耐迁移有机发光材料及其制备方法和应用 |
CN111057078B (zh) * | 2019-11-25 | 2023-03-10 | 天津包钢稀土研究院有限责任公司 | 高热稳定性与耐迁移有机发光材料及其制备方法和应用 |
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