JP5121537B2 - 光情報記録媒体および情報記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ光を用いて情報の記録および再生が可能な光情報記録媒体に関し、より詳しくは、波長440nm以下の短波長レーザ光を用いる情報の記録および再生に好適なヒートモード型の光情報記録媒体および波長440nm以下の短波長レーザ光照射により上記光情報記録媒体へ情報を記録する情報記録方法に関する。
更に本発明は、光情報記録媒体の記録層用色素として好適な新規アゾ金属錯体色素に関する。
従来から、レーザ光により1回限りの情報記録が可能な光情報記録媒体として、追記型CD(CD−R)および追記型DVD(DVD−R)が知られている。CD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザ光(通常、波長780nm程度)により行われるのに対し、DVD−Rへの情報の記録は可視レーザ光(約630〜680nm)によって行われる。DVD−Rは、記録用レーザ光としてCD−Rより短波長のレーザ光を使用するため、CD−Rと比べて高密度記録可能であるという利点を有する。そのため、近年、DVD−Rは、大容量の記録媒体としての地位をある程度まで確保している。
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映を間近にひかえて、画像情報を安価簡便に記録するための大容量の記録媒体の要求が高まっている。しかし、CD−RおよびDVD−Rは、将来の要求に対応できる程の充分に大きな記録容量を有しているとはいえない。そこで、DVD−Rよりも更に短波長のレーザ光を用いることによって記録密度を向上させるため、短波長レーザ(例えば波長440nm以下)による記録が可能な大容量光ディスクの開発が進められている。そのような光ディスクとして、例えば405nmの青色レーザを用いたBlu−ray方式と称される光記録ディスク(Blu−ray Disc、以下、「BD」ともいう)、HD−DVD等の情報記録用レーザ光を短波長化して記録密度を高めることが提案されている。
例えば特許文献1〜4には、DVD−R型の光ディスクにおいて、記録層に含有する色素化合物としてアゾ金属錯体色素を用いることが提案されている。これらのアゾ金属錯体色素は赤色レーザに対応した吸収波形を有しており、短波長(例えば405nm)のレーザ光による記録では十分な記録特性を発揮することはできない。
そこで、短波長レーザ光(例えば405nmの青色レーザ光)を用いた光記録ディスクにおいては、DVD−Rで用いられたアゾ金属錯体に対して吸収波長の短波長化を図ることが検討されている(特許文献5〜9等)
特開平11−310728号公報 特開平11−130970号公報 特開2002−274040号公報 特開2000−168237号公報 特開2001−158862号公報 特開2006−142789号公報 特開2006−306070号公報 特開2005−297406号公報 特開2005−297407号公報
しかし、本発明者らが、上記特許文献5〜9に記載されているアゾ金属錯体について、色素膜の耐光性、および青色レーザ等の短波長レーザ対応光情報記録媒体の記録再生特性を評価した結果、耐光性および記録再生特性(ジッター、再生耐久性)のすべてを同時に満足できるものはなかった。
そこで、本発明は、短波長レーザ光照射による情報記録(特に、波長が440nm以下のレーザ光照射による情報記録)における記録特性および耐光性に優れる光情報記録媒体、ならびに前記光情報記録媒体の記録層用色素として好適な新規化合物を提供することにある。
本発明者らは、色素の耐光性および青色レーザ対応光情報記録媒体の記録再生特性について検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
特許文献5および7に記載されているアゾ金属錯体色素は、いずれも一価のアニオンとなるアゾ色素(配位子)が想定されている。これらアゾ色素(配位子)を用いて、当該特許文献記載の合成法を用いた場合、主に中性の金属錯体が得られる。また、特許文献6では、中性またはカチオン性の金属錯体が記載されており、これについても同様、当該特許文献記載のアゾ色素(配位子)を用いて当該特許文献記載の合成法を用いた場合、主に中性またはカチオン性の金属錯体が得られる。しかし、これらの金属錯体では、十分な耐光性を得ることができなかった。
一方、アニオン性のアゾ金属錯体の例としては、特許文献4、8および9に記載の化合物が挙げられる。特許文献4に記載の媒体では、赤色レーザ光に対して良好な記録再生特性を獲得する為に、シアニン色素をアゾ金属錯体と共存させている。特許文献4には、2つのピラゾールがアゾ基により連結されているもの、ピラゾールとフェノールがアゾ基に連結されているものも報告されている。しかし、これらは吸収波長が長波長であるために青色レーザ光に対して吸収効率が低い、あるいは熱分解性が悪い、または塗布溶剤に対する溶解性が低い、短波長レーザ対応光情報記録媒体での記録に対しては充分な感度を示さない等の問題があった。
また、特許文献8および9では、シアニン色素カチオンまたはスチリル色素カチオンとアゾ金属錯体色素アニオンとの対塩構造の色素を記録層に用いている。特許文献8および9に記載の色素では、記録時に吸収変化の大きい2つの部分、すなわち、シアニン色素カチオンもしくはスチリル色素カチオンとアゾ金属錯体色素アニオンの2つの分解が生じる。しかし、本発明者らの検討の結果、特許文献8および9に記載の金属錯体も、ブルーレイ・ディスク構成の短波長レーザ対応光情報記録媒体においては、良好な記録品質と再生耐久性を両立することができないことが判明した。
本発明者らは、以上の知見に基づき更に検討を重ねた結果、特定のアニオン性アゾ金属錯体色素アニオンとカチオン部からなるアゾ金属錯体が、極めて良好な耐光性、良好な溶解性、優れた膜安定性を示すとの知見を得、さらに、このアゾ金属錯体色素を記録層に用いることにより、ブルーレイ・ディスク等の短波長レーザ対応の光情報記録媒体において、良好な記録再生特性および再生耐久性が得られるとの知見を得た。
本発明は、以上の知見に基づき完成された。
即ち、上記目的を達成する手段は、以下の通りである。
[1]トラックピッチ50〜500nmのプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に記録層を有する光情報記録媒体であって、
前記記録層は、下記一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素を含有することを特徴とする光情報記録媒体。
[一般式(A)中、Aは、(L2-2(M)で表されるアニオン性部位を表し、L2-下記一般式(3)で表されるアゾ色素中のYに含まれる水素原子およびQ 2 により形成される複素環の窒素原子上の水素原子を解離させることにより得られる2価のアゾ色素アニオンを表し、Mは金属イオンまたは金属酸化物イオンを表す。Xp+は、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、SO4 2-またはCF3SO3 -のいずれかと塩形成した場合に、350〜700nmの波長領域における最大のモル吸光係数(ε)が20000dm3mol-1cm-1未満であるp価の有機カチオンを表し、pは1〜10の範囲の整数を表し、k’は0<k’≦4の範囲であって、Aで表されるアニオン性部位中の負電荷をpで割った値を表す。但し、Xp+が非環状のアルキルアンモニウムカチオンである場合を除く。]
[一般式(3)中、Q 1 は隣り合う2つの炭素原子とともに複素環または炭素環を形成する原子群を表し、Q 2 は下記部分構造式(q−1)で表される複素環を形成する原子群を表し、Yは水素原子を含有する基を表す。]
[部分構造式(q−1)中、*は−N=N−基との結合位置を表し、R 1 およびR 2 は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。]
[2]前記Xp+は、下記一般式(1)で表されるカチオン、一般式(1)に含まれない含窒素ヘテロ環の環内窒素原子上に正電荷を有するカチオン、ホスホニウムカチオン、および金属錯体カチオンからなる群から選ばれるp価の有機カチオンを表し、pは1〜4の範囲の整数を表し、k’は0<k’≦1の範囲であって、Aで表されるアニオン性部位中の負電荷をpで割った値を表す[1]に記載の光情報記録媒体。
[一般式(1)中、R81〜R85は、各々独立に水素原子または置換基を表し、R81〜R85のいずれか2つ以上が互いに結合して環を形成してもよい。]
[3]波長440nm以下のレーザ光を照射することにより情報を記録するために使用される[1]または[2]に記載の光情報記録媒体。
[4]基板と記録層との間に反射層を有する[1]〜[3]のいずれかに記載の光情報記録媒体。
[5]前記一般式(A)中、pは1または2を表す[1]〜[4]のいずれかに記載の光情報記録媒体
[6]下記部分構造:
は、下記部分構造式(E−1)〜(E−8)のいずれかを表す[]〜[]のいずれかに記載の光情報記録媒体。
[上記において、R41〜R62は、各々独立に水素原子または置換基を表し、互いに隣接する置換基は連結して環を形成してもよい。]
[7]一般式(A)中、Mはコバルトイオン、ニッケルイオンまたは鉄イオンのいずれかを表す[1]〜[]のいずれかに記載の光情報記録媒体。
[][1]〜[]のいずれかに記載の光情報記録媒体に、波長440nm以下のレーザ光を照射することにより前記光情報記録媒体が有する記録層へ情報を記録する情報記録方法
本発明によれば、波長が440nm以下の青色レーザ光を用いて良好な記録再生特性が得られ、且つ、極めて耐光性に優れる光情報記録媒体(特に、波長が440nm以下のレーザ光照射による情報の記録が可能な光情報記録媒体)を提供することができる。
[光情報記録媒体]
本発明の光情報記録媒体は、トラックピッチ50〜500nmのプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に、直接または反射層等の層を介して記録層を有する。本発明の光情報記録媒体は、BD、HD−DVD等の短波長レーザにより情報の記録を行う高密度記録用光ディスクとして好適である。
上記高密度記録用光ディスクは、従来の追記型光ディスクと比べてトラックピッチが狭いという構造上の特徴を有する。また、BD構成の光ディスクは、基板上に反射層と記録層をこの順に有し、更に記録層の上に比較的薄い光透過性を有する層(一般に、カバー層と呼ばれる)を有するという、従来の追記型光ディスクと異なる層構成を有する。短波長レーザ対応光情報記録媒体では、CD−R、DVD−R等の従来の追記型光情報記録媒体用記録色素として使用されていた色素では、十分な記録再生特性が得られない点が課題であった。
これに対し、本発明では、従来の追記型光情報記録媒体と比べてトラックピッチが狭い光情報記録媒体において、下記一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素(アニオン性アゾ金属錯体色素)を少なくとも一種、記録層に含むことにより、良好な記録再生特性を得ることを可能にした。本発明の光情報記録媒体によれば、短波長(例えば波長440nm以下)のレーザ光照射により、良好な記録再生特性を得ることができる。特に、本発明の光情報記録媒体は、基板と記録層との間に反射層を有し、記録再生に使用するレーザ光が上記反射層と対向する面とは反対の面側から記録層へ照射されるBD構成の媒体として好適である。更に、下記一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素は、極めて良好な耐光性、良好な溶解性、優れた膜安定性を示すことも新たに見出された。こうして本発明によれば、短波長レーザ光照射による記録特性に優れ、かつ高い耐光性を有し、更に溶解性および膜安定性にも優れる光情報記録媒体を提供することができる。なお、本発明において「アゾ金属錯体色素アニオン」とは、アゾ色素と金属イオンまたは金属酸化物イオンとを反応させることによりアゾ色素が金属イオンまたは金属酸化物イオンに配位結合し、生成されるアニオン性色素部位のことをいう。また、本発明において「アゾ色素アニオン」とは、アゾ色素(配位子)が水素原子を失うことにより生成されるアニオン性部位のことをいう。
以下に、一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素の詳細を説明する。
一般式(A)中、Xp+は、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、SO4 2-またはCF3SO3 -のいずれかと塩形成した場合に、350〜700nmの波長領域における最大のモル吸光係数(ε)が20000dm3mol-1cm-1未満であるp価の有機カチオンを表す。pは1〜10の範囲の整数を表す。
pは1〜4の範囲の整数であることが好ましく、1または2であることがより好ましい。但し、Xp+は非環状のアルキルアンモニウムカチオンとなる場合を除く。これは、Xp+が非環状のアルキルアンモニウムカチオンであると、再生劣化が起こりやすくなるためである。これに対し、Xp+を環上にすることにより、または、含窒素芳香族ヘテロ環にすることにより、再生劣化を抑制しやすくなる。
また、Xp+が無機カチオンの場合は溶解性が悪化する為、Xp+は有機カチオンである必要がある。
ここで、モル吸光係数(ε)とは、「光化学I」(丸善株式会社、井上晴夫ら著、
1999年発行)等に記載のモル吸光係数をいう。本発明におけるモル吸光係数(ε)は、UV−3100PC{(株)島津製作所製}等を用いて測定した吸光度と測定溶液のモル濃度から求められる値である。
前記カチオンとして、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、SO4 2-、およびCF3SO3 -のいずれかと塩形成した場合に、350〜700nmの波長領域における最大のモル吸光係数(ε)が20,000dm3mol-1cm-1未満の有機カチオンを選択することで、一般式(A)中のカチオン部位の光吸収が極めて少なくなり、若しくはアゾ金属錯体から有機カチオンへのエネルギー移動が起こりにくくなり、アゾ金属錯体色素アニオンと有機カチオンの双方の耐光性が良好となると考えられる。これにより、使用時における記録前後の耐光性に優れ、再生時の再生光に対する耐久性に優れる光情報記録媒体を得ることができる。特に440nm以下の青色レーザ光による記録再生に有用である。ここで、本発明で特定するモル吸光係数はH2O、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(TFP)、メタノール/水(=1/1体積比)から選択される溶剤を用いて測定したときの値とする。
前記カチオンに関して、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、SO4 2-、およびCF3SO3 -からなる群から選択されるアニオン部の種類により対応するカチオンのモル吸光係数(ε)の値が若干変わることがあるが、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、SO4 2-、またはCF3SO3 -のいずれかと塩形成した化合物のうちいずれか一つでも20,000dm3mol-1cm-1未満になればよい。
上記有機カチオンは、アニオン部をCl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、SO4 2-、およびCF3SO3 -のいずれかにしたときに、350〜700nmの波長領域におけるモル吸光係数(ε)が5,000dm3mol-1cm-1以下になるものが好ましく、1,000dm3mol-1cm-1以下になるものがより好ましく、200dm3mol-1cm-1以下になるものが更に好ましく、100dm3mol-1cm-1以下になるものが特に好ましい。上記モル吸光係数(ε)の下限は特に限定されないが、例えば0dm3mol-1cm-1程度である。
更に、前記有機カチオンは、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、SO4 2-、およびCF3SO3 -のいずれかと塩形成した場合に、熱分解温度が200℃以上になるものであることが好ましい。ここで「熱分解温度」とは、20質量%減少時の温度をいうものとする。前記有機カチオンの熱分解温度は、記録再生特性の点で、250℃以上であることが好ましく、300℃以上であることがより好ましく、350℃以上であることが特に好ましい。その上限は、例えば500℃程度である。非環状のアルキルアンモニウムの場合、この分解温度が低い為に再生劣化が生じると考えられる。例えば、トリエチルアンモニウムクロライドの熱分解温度は190℃であり、不適である。
前記Xp+で表される有機カチオンを有する一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素の熱分解温度は、200℃以上となることが好ましく、250℃以上となることがより好ましい。再生耐久性の観点からは、280℃以上となることが更に好ましい。その上限は、例えば400℃程度である。
本発明において、熱分解温度とは、TG/TDA測定において、質量減少率が20%に達した時点の温度を意味する。この場合のTG/TDA測定は、N2気流下(流量200ml/min)で、30℃〜550℃の範囲において10℃/minで昇温を行うものとする。測定装置としては、Seiko Instruments Inc.製のEXSTAR6000が用いられる。
一般式(A)中、k’は0<k’≦4の範囲であって、Aで表されるアニオン性部位中の負電荷をpで割った値を表す。
一般式(A)中、Xp+は、一般式(1)で表されるカチオン、一般式(1)に含まれない含窒素ヘテロ環の環内窒素原子上に正電荷を有するカチオン、ホスホニウムカチオン、および金属錯体カチオンからなる群から選ばれるp価のカチオンを表すことが好ましく、一般式(1)で表されるカチオン、一般式(1)に含まれない含窒素ヘテロ環の環内窒素原子上に正電荷を有するカチオンであることが好ましく、一般式(1)で表されるカチオンであることがより好ましい。
以下に、その詳細を説明する。
まず、一般式(1)に含まれない含窒素ヘテロ環の環内窒素原子上に正電荷を有するカチオンについて説明する。
一般式(1)に含まれない含窒素ヘテロ環の環内窒素原子上に正電荷を有するカチオンとしては、含窒素ヘテロ環(例えば、ピリジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピロール環、ピラゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、モルホリン環等)の環上に含まれる窒素原子上に正電荷を有するカチオンであればよく、特に限定されない。前記カチオンとしては、例えば、ピリジニウムカチオン、チアゾリウムカチオンおよびオキサゾリウムカチオンを挙げることができ、記録特性、再生耐久性および保存性(耐光性、熱安定性)の観点で、ピリジニウムカチオンが好ましい。
ピリジニウムカチオンとしては、以下の例に挙げる化合物群のように、ヒドロキシル基やカルボキシル基等の分子間水素結合性基を有するもの、キノリニウム等の縮環構造を有するもの、2価以上のカチオン、フェニル基が置換されたもの等が挙げられる。ヒドロキシル基やカルボキシル機などの分子間水素結合性基を有するもの、フェニル基が置換されたもの、2価以上のカチオンが好ましい。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
チアゾリウムカチオンおよびオキサゾリウムカチオンとしては、以下の化合物群が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
次に、ホスホニウムカチオンについて説明する。
ホスホニウムカチオンとしては、以下の化合物群が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
次に、一般式(1)で表されるカチオンについて説明する。
一般式(1)中、R81〜R85は、各々独立に水素原子または置換基を表す。R81で表される置換基としては、後述のR1、R2で表される置換基の例として挙げている置換基が挙げられる。R81の好ましい範囲は、R2について後述する通りである。
82〜R85で表される置換基としては、後述のR3で表される置換基の例として挙げている置換基が挙げられる。R82〜R85の好ましい範囲は、R3について後述する通りである。
81〜R85は、互いに結合して環を形成してもよい。R81〜R85のいずれか2つ以上が結合して環を形成することが好ましい。
一般式(1)で表されるカチオンの具体例としては、イミダゾリウムカチオン、アミジニウムカチオン、ピリミジニウムカチオン、グアニジニウムカチオンなどが挙げられ、イミダゾリウムカチオン、アミジニウムカチオンが好ましく、アミジニウムカチオンがより好ましい。
イミダゾリウムカチオンとしては、以下の化合物群が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
アミジニウムカチオンとしては、以下の化合物群が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ピリミジニウムカチオンとしては、以下の化合物群が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、金属錯体カチオンについて説明する。
一般式(A)中、Xp+で表される金属錯体カチオンとしては、下記一般式(11)または一般式(12)で表される金属錯体カチオンが好ましい。
一般式(11)中、M10は、金属イオンを表し、Y11およびY12は、各々独立に、連結基、単結合または二重結合を表し、L10、L11、L12、L13およびL14は、各々独立に配位子を表し、L11〜L14はY11およびY12以外の連結基を介して互いに連結されていてもよい。n11は0〜2の範囲の整数を表し、pは1〜4の範囲の整数を表す。
以下に、一般式(11)について説明する。
10〜L14に含まれ、かつM10に配位する原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子が好ましく、窒素原子、リン原子がより好ましい。
10〜L14がM10に配位する場合、M10とL10〜L14との間に形成される結合は、共有結合であっても配位結合であってもよいが、M1との共有結合の数は金属の価数より小さい数となる(金属の価数以上では金属錯体カチオンにならない)。また、L11−Y11−L12、L13−Y12−L14からなる配位子は、中性配位子(金属と配位子の結合の全てが配位結合である配位子を中性配位子という。)であることが好ましい。また、M1との共有結合の数は0であることが好ましい。
上記のうち、M10に窒素原子で配位するL10〜L14としては、特に限定されないが、含窒素芳香族へテロ環配位子(例えば、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、およびこれらを含む縮配位子体(例えば、キノリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、およびこれらの互変異性体など)、アミン配位子(例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジベンジルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、アリールアミンなど)、イミン配位子、ハロゲン配位子(塩素配位子、フッ素配位子など)、ジケトン配位子(例えばアセチルアセトン配位子)、ニトリル配位子(例えばアセトニトリル配位子など)、CO配位子、イソニトリル配位子(例えばt−ブチルイソニトリル配位子など)、アクア配位子、カルボン酸配位子(例えば酢酸配位子など)、アミド配位子(例えばジメチルホルムアミド配位子、ジメチルアセトアミド配位子など)が挙げられる。これらの配位子は置換基を有していてもよい。
10に酸素原子で配位するL10〜L14としては、特に限定されないが、アルコール配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメタノール、エタノール、ブタノール、2−エチルヘキシロキシなどのプロトンを解離させた一価のアニオン配位子が挙げられる。)、アリールアルコール配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェノール、1−ナフトール、2−ナフトールなどプロトンを解離させた一価のアニオン配位子が挙げられる。)、シリルオキシ配位子(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、カルボニル配位子、エーテル配位子(環状エーテルを含む)、カルボン酸配位子、スルホン酸配位子、アクア配位子、O2配位子などが挙げられる。これらの配位子は置換基を有していてもよい。
10に硫黄原子で配位するL10〜L14としては、特に限定されないが、アルキルチオール配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばブタンチオールなどプロトンを解離させた一価のアニオン配位子が挙げられる。)、アリールチオール配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばチオフェノールなどが上げられる。)、チオエーテル配位子、が挙げられる。これらの配位子は置換基を有していても良い。
10にリン原子で配位するL10〜L14としては、特に限定されないが、アルキルホスフィン配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばメチルホスフィン、ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィン、ジベンジルホスフィン、などが挙げられる。)、アリールホスフィン配位子(好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数4〜20、特に好ましくは炭素数5〜10であり、例えばフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、ピリジルホスフィンなどが挙げられる。)が挙げられる。これらの配位子は置換基を有していても良い。
上記のうち、L10〜L14は、エーテル配位子、アルキルアミン配位子、アリールアミン配位子、ピリジン配位子、アルキルホスフィン配位子、アリールホスフィン配位子が好ましく、アルキルアミン配位子、アリールアミン配位子、アリールホスフィン配位子がより好ましく、アルキルアミン配位子、アリールアミン配位子がさらに好ましく、アルキルアミン配位子が特に好ましい。
11〜L14は、Y11およびY12以外の連結基を介して互いに連結していてもよく、互いに連結して4座以上の配位子を形成していることが好ましい。
一般式(11)中のn11は、0〜2の範囲の整数を表し、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。また、pは、一般式(A)中のpと同義であり、1〜3の範囲の整数を表すことが好ましく、2または3であることがより好ましく、2であることが更に好ましい。
11およびY12は、各々独立に、連結基、単結合または二重結合を表す。連結基としては特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン連結基、アリーレン連結基、ヘテロアリーレン連結基、含窒素ヘテロ環連結基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、チオカルボニル連結基、および、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。Y11およびY12は、それぞれ単結合、アルキレン連結基、アリーレン連結基であることが好ましく、アルキレン連結基であることがより好ましい。
10は金属イオンを表し、遷移金属イオンであることが好ましく、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、亜鉛イオン、鉄イオンのいずれかであることがより好ましい。一般式(A)中のAに含まれる金属イオンと同じ金属イオンであることが更に好ましい。
一般式(12)中、M20は、金属イオンを表し、Y21、Y22、Y23およびY24は、各々独立に、連結基、単結合または二重結合を表し、L20、L21、L22、L23、L24、L25およびL26は、各々独立に配位子を表し、L21〜L26はY21〜Y24以外の連結基を介して互いに連結されていてもよい。n21は0〜2の範囲の整数を表し、pは1〜4の範囲の整数を表す。
次に、一般式(12)について説明する。
一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素は、一般式(12)で表される金属錯体カチオンを有する場合においても、波長400nm付近の吸収の少ない、換言すれば電子情報の記録に影響する着色が少ないので、再生時の再生光に対する耐久性をも高めることができる。特に440nm以下の青色レーザ光による記録再生に有用である。
一般式(12)中のM20は、既述の一般式(11)中のM10と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(12)において、L20〜L26は、一般式(11)中のL10〜L14と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(12)中のY21〜Y24は、一般式(11)中のY11、Y12と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(12)中のn21、pは、一般式(11)中のn11、pとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
また、L21〜L26は、Y21〜Y24以外の連結基を介して互いに連結してもよく、互いに連結して6座以上の配位子を形成することが好ましい。
金属錯体カチオンとしては、以下の化合物群が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(A)中のXp+が、前記一般式(1)で表されるカチオン、一般式(1)に含まれない含窒素ヘテロ環の環内窒素原子上に正電荷を有するカチオン、ホスホニウムカチオン、および金属錯体カチオンからなる群から選ばれるp価の有機カチオンを表す場合、pは1〜4の範囲の整数を表し、k’は0<k’≦1の範囲であって、Aで表されるアニオン性部位中の負電荷をpで割った値を表すことが好ましい。
次に、一般式(A)中のAで表されるアニオン性部位について説明する。
一般式(A)中、Aは、(L2-2 (M)で表されるアニオン性部位を表す。
Mは金属イオンを表す。
前記金属イオンとしては、例えば、Mg、Al、Si、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ba、Pr、Eu、Yb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Th等の金属のイオンおよびこれらの金属酸化物が挙げられる。
上記の中でも、遷移金属原子のイオンが好ましい。遷移金属原子とは、周期表のIIIa族〜VIII族の元素およびIb族の元素が含まれ、不完全d電子殻を持つ元素である。遷移金属原子としては、特に限定されるものではないが、Mn、Fe、Co、Niが好ましく、Fe、Co、Niがより好ましく、Feが特に好ましい。
金属イオンとしては、2価または3価の金属イオンが好ましく、2価の金属イオンがより好ましい。2価または3価の金属イオンとしては、例えば、Mn2+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+、Zn2+、Cr3+、Ru2+、Rh3+、Pd2+、Ir3+、Pt2+、Re+等が挙げられ、Mn2+、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+、Cu2+、Zn2+が好ましく、Fe2+、Co2+、Co3+、Ni2+、Ni3+がより好ましい。一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素において、環境および人体に対する安全性、耐光性、および記録再生特性の観点から、Mで表される金属イオンとしては、Fe2+が特に好ましい。
一般式(A)中、Aで表されるアニオン性部位に含まれるL2-は、2価のアゾ色素アニオンを表す。L2-で表される2価のアゾ色素アニオンは、特に限定されないが、下記一般式(3)で表されるアゾ色素中のYに含まれる水素原子およびQ2により形成される複素環の窒素原子上の水素原子を解離させることにより得られる2価のアゾ色素アニオン、一般式(4)で表されるアゾ色素中のYに含まれる水素原子およびベンゼン環の水酸基上の水素原子を解離させることにより得られる2価のアゾ色素アニオンが好ましい。
以下に、一般式(3)について説明する。
一般式(3)で表されるアゾ色素については、アゾ−ヒドラゾン互変異性平衡におけるアゾフォームのみを記載しているが、対応するヒドラゾンフォームであってもよく、その場合のヒドラゾンフォームは本発明におけるアゾフォームと同一成分とする。
以下に、一般式(3)について説明する。
1は、隣り合う2つの炭素原子とともに複素環または炭素環を形成する原子群を表し、Q2は、隣り合う炭素原子および窒素原子とともに複素環を形成する原子群を表す。
2によって形成される複素環は、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピロール環等の含窒素芳香族ヘテロ環であることが好ましく、ピラゾール環またはイミダゾール環であることがより好ましく、下記部分構造式(q−1)〜(q−4)で表される環であることが更に好ましく、(q−1)、(q−2)で表される環であることが更に好ましく、(q−1)で表される環であることが特に好ましい。
上記式中、*は−N=N−基との結合位置を表し、R1、R2、R101〜R104は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。
1、R2は溶解性向上の観点から置換基であることが好ましい。置換基としては特に限定されないが、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールおよびヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
更に詳しくは、R1およびR2は、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)を表す。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
1は、炭素数6〜20の置換もしくは無置換の炭素環基、炭素数2〜20の置換もしくは無置換の複素環基、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキルアミノカルボニル基、炭素数7〜10の置換もしくは無置換のアリールアミノカルボニル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、シアノ基より選ばれる基であることが好ましく、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、シアノ基より選ばれる基であることがより好ましく、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアルキルオキシカルボニル基、炭素数7〜10の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、シアノ基より選ばれる基であることが更に好ましく、シアノ基であることが特に好ましい。
2は、水素原子、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基が好ましく、溶解性の観点から炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基がより好ましい。アルキル基としては、炭素数3〜6の分岐のアルキル基であることが好ましく、炭素数4〜6の3級アルキル基がより好ましい。
101、R102の具体例および好ましい例等の詳細はR1と同様であり、R103、R104の具体例および好ましい例等の詳細はR2と同様である。
一般式(1)中、Q1は、隣り合う2つの炭素原子とともに複素環または炭素環を形成する原子群を表す。Q1が複素環である場合、Q1は炭素原子およびヘテロ原子(例えば酸素原子、硫黄原子、窒素原子等)とともに形成される複素環であればよく、特に限定されないが、例えば、ピラゾール環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環等が挙げられる。これらの環は置換基を有していてもよく、また、縮環していてもよい。
Yは、水素原子を含有する基を表す。Yで表される基は、該基に含まれる水素原子が解離することにより、金属イオンに配位することができる。Yで表される基としては、ヒドロキシル基、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)であることが好ましい。Yが置換基を有するアミノ基である場合、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアシルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基であることが好ましく、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアシルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基であることがより好ましく、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアシルアミノ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基であることがさらに好ましく、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアシルアミノ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニルアミノ基であることが特に好ましい。
Yが置換基を有するアミノ基である場合、該置換基はQ1で表される原子群と結合して環を形成することはない。
一般式(1)中の下記部分構造:
の具体例としては、下記部分構造式(E−1)〜(E−8)、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、ピリジン環等が挙げられる。前記部分構造は、下記部分構造式(E−1)〜(E−8)のいずれかを表すことが好ましく、(E−1)、(E−3)、(E−4)、(E−5)、(E−6)または(E−8)を表すことがより好ましく、(E−1)、(E−4)または(E−8)を表すことがさらに好ましい。
上記において、R41、R43、R46〜R49、R50、R51、R57、R58、R59〜R62は、各々独立に水素原子または置換基を表し、隣接する置換基は互いに連結して環を形成してもよい。R41〜R62が置換基を表すとき、該置換基としては特に限定されないが、前記R1、R2で挙げた置換基が挙げられる。但し、R46〜R49は、アミノ基(アルキル置換若しくはアリール置換されたアミノ基を含む)、ヒドロキシル基、アルコキシ基およびアリールオキシ基以外の置換基または水素原子を表す。短波長レーザ光照射による記録再生に対応する為である。
42、R44、R45、R52、R53、R54、R55、R56は各々独立に水素原子または置換基を表す。置換基としては特に限定されないが、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アリール基、ヘテロ環基、スルファモイル基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基が例として挙げられる。
以下に一般式(3)で表されるアゾ色素の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(A)中のL2-が一般式(3)で表されるアゾ色素から2つの水素原子が解離して形成された2価のアゾ色素アニオンである場合、Aで表されるアニオン性部位は、以下の一般式(5−1)で表されるアゾ金属錯体色素アニオンであることが好ましい。
以下に、一般式(5−1)について説明する。
一般式(5−1)中のQ1およびQ2は、一般式(3)中のQ1およびQ2と同義であり、好ましい範囲も同じである。
qは1〜4の範囲の整数であり、1または2であることが好ましい。
一般式(5−1)中のM1は、金属イオンを表し、その詳細は先に一般式(A)中のMについて説明した通りである。
一般式(5−1)中のZは、一般式(3)中のYから水素原子が解離した基であって、酸素原子、硫黄原子、NR36で表される二価の連結基を表し、酸素原子であることが好ましい。
NR36で表される2価の連結基において、R36は水素原子または置換基を表す。R36で表される置換基としては、特に限定はされないが、前記R1で表される置換基について例示したものが挙げられる。R36で表される置換基は、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアシル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニル基であることが好ましく、炭素数2〜10の置換もしくは無置換のアシル基、炭素数1〜10の置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基であることがより好ましい。
以下に一般式(5−1)で表されるアゾ金属錯体色素アニオンの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素の中で、Aで表されるアニオン性部位として一般式(5−1)で表されるアゾ金属錯体色素アニオンを含むものとしては、下記一般式(7−1)が更に好ましい。
以下に、一般式(7−1)について説明する。
一般式(7−1)中のQ1、Z、M1、p、qは、それぞれ一般式(A)、(5−1)における定義と同義であり、好ましい範囲等の詳細も同様である。
一般式(7−1)中のR1およびR2は、各々独立に水素原子または置換基を表す。その詳細は、前記(q−1)中のR1、R2について述べた通りである。
n3は、q/pで算出される値を表す。
一般式(7−1)中のXp+はp価のピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオンまたはアミジニウムカチオンを表す。
一般式(7−1)で表されるアゾ金属錯体色素の具体例としては、以下の化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に、一般式(4)について説明する。
一般式(4)中、Q1は隣り合う2つの炭素原子とともに複素環または炭素環を形成する原子群を表し、Yは水素原子を含有する基を表し、R31〜R34は各々独立に水素原子または置換基を表す。
1およびYは、前記一般式(3)におけるQ1およびYと同義であり、好ましい範囲等の詳細も同じである。
31〜R34は各々独立に水素原子または置換基を表す。置換基としては特に限定されないが、合成容易性、記録特性、耐光性の観点から、R32がニトロ基、R31、R33、R34が水素原子であることが好ましい。
一般式(A)中のL2-で表される2価のアゾ色素アニオンが、一般式(4)で表されるアゾ色素から2つの水素原子が解離して形成された2価のアゾ色素アニオンである場合、Aで表されるアニオン性部位は、下記一般式(a)で表されるアゾ金属錯体色素アニオンであることが好ましい。
一般式(a)で表されるアゾ金属錯体色素アニオンは、一般式(4)中、下記部分構造:
が前記部分構造式(E−4)であり、R32がニトロ基、R31、R33、R34が水素原子であるアゾ色素由来のアゾ金属錯体色素アニオンである。一般式(a)中、R150〜R152およびR250〜R252は、各々独立に水素原子または置換基を表す。R150〜R152およびR250〜R252の詳細は、前記部分構造式(E−4)中のR50〜R52と同じである。M1は、コバルトイオン、ニッケルイオンまたは鉄イオンを表す。
一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素の中で、Aで表されるアニオン性部位として一般式(a)で表されるアゾ金属錯体色素アニオンを含むものとしては、Xp+が、前記一般式(1)で表されるp価のカチオンを表し、pは1〜4の範囲の整数を表し、k’は0<k’≦1の範囲であって、Aで表されるアニオン性部位中の負電荷をpで割った値を表すアゾ金属錯体色素、即ち下記一般式(B)で表されるアゾ金属錯体色素が更に好ましい。
一般式(B)中、R150〜R152およびR250〜R252は、各々独立に水素原子または置換基を表し、M1は、コバルトイオン、ニッケルイオンまたは鉄イオンを表し、Xp+は、前記一般式(1)で表されるp価のカチオンを表し、pは1〜4の範囲の整数を表し、k’は0<k’≦1の範囲であって、Aで表されるアニオン性部位中の負電荷をpで割った値を表す。一般式(B)中の一般式(1)で表されるp価のカチオンの好ましい範囲等の詳細は、前述の通りである。
以下に一般式(B)で表されるアゾ金属錯体色素の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
次に前述のアゾ金属錯体色素の合成法について説明する。
ピリジニウムカチオンは、ビリジン類とハロゲン化アルキル等を反応させることにより合成できる。また、2価のピリジニウムカチオンは、対応するジピリジルと目的の置換基を持つハロゲン化物とのメンシュトキン反応(例えば、特開昭61−148162号公報参照)、または特開昭51−16675号公報および特開平1−96171号公報に記載の方法に準ずるアリール化反応により容易に得ることができる。
アミジニウムカチオンは、Chem.Abstr.,73,89161(1969)あるいはChem.Ber.,103,3729,(1970)等に準じてアミジン系化合物を合成した後、プロトン化またはアルキル化反応により、合成することができる。
オキサゾリウムカチオンおよびチアゾリウムカチオンは、対応するオキサゾールまたはチアゾールのプロトン化またはアルキル化反応等により合成することができる。
一般式(11)および一般式(12)で表される金属錯体カチオンは、実験化学講座 第四版 17巻p.178に記載のビス(エチレンジアミン)銅(II)塩の合成法と同様にして合成することができる。
一般式(3)および一般式(4)で表されるアゾ色素の一般的合成法としては、特開昭61−36362号公報および特開2006−57076号公報に記載の方法が挙げられる。ただし、これに限定するものではなく、他の酸、反応溶媒を用いてもよく、また、カップリング反応を塩基(例えば、酢酸ナトリウム、ピリジン、水酸化ナトリウム等)存在下で行ってもよい。上記アゾ色素の合成法の一例を、一般式(3)を用いて以下に示す。一般式(4)についても同様の方法により合成できる。
アゾ色素と金属イオンを反応させて金属アゾキレート色素を得る一般的方法としては、アゾ色素、金属塩(金属錯体、金属酸化物塩を含む)を、塩基存在下、有機溶媒中若しくは水中、またはその混合液中において、攪拌する方法が挙げられる。ただし、金属塩の種類、塩基の種類、有機溶媒またはその混合液の種類、反応温度等は限定されない。一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素の合成法の一例を、以下に示す。
前記一般式(3)で表されるアゾ色素と金属イオン(金属酸化物またはその塩を含む)からなるアゾ金属錯体色素の合成例を以下に示す。以下においては反応溶媒としてメタノールを示したが、反応溶媒はメタノールに限定されない。反応溶媒としては金属イオンを溶解できるアルコールが好ましい。また、以下において塩基としてトリエチルアミンを示したが、塩基はトリエチルアミンに限定されない。また、Mと窒素原子を結ぶ点線は配位結合を表すが、仮にこの配位結合が無く結合していない状態であったとしても同一の化合物とする。一般式(4)で表されるアゾ色素と金属イオン(金属酸化物またはその塩を含む)からなるアゾ金属錯体色素も同様の方法で合成できる。
この合成法において、Co塩、Ni塩、Fe塩等をアゾ色素と反応させることにより、上記一般式(5−1’)で表されるアゾ金属錯体色素を得ることができる。上記一般式(5−1’)中、Q1、Q2、Z、M1、n1、qは、それぞれ一般式(3)と同義であり、n3は、アゾ金属錯体色素アニオンの電荷qを、カチオン部の電荷(=1)で割った値、即ちqを表す。
本発明の光情報記録媒体は、一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素を少なくとも一種含有する記録層を有するものである。前記記録層は、一般式(A)で表される色素を1種含むこともでき、2種以上含むこともできる。前記記録層中の一般式(A)で表される色素の含有率は、記録層の全質量に対して、例えば1〜100質量%の範囲であり、好ましくは70〜100質量%の範囲であり、より好ましくは80〜100質量%の範囲であり、最も好ましくは90〜100質量%の範囲である。
本発明の光情報記録媒体は、一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素を含む記録層を基板上(トラックピッチ50〜500nmのプレグルーブを有する表面上)に少なくとも一層有するものであればよく、前記記録層を二層以上有することもできる。または、一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素を含む記録層以外の記録層を有することも可能である。一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素を含む記録層において、記録用色素として他の色素を併用する場合、全色素成分に対する一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素の割合が、70〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることが更に好ましい。
本発明において、色素成分として、一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素以外の色素を使用する場合、該色素としては、例えば波長440nm以下の短波長領域において吸収を有するものが好ましい。そのような色素としては、特に限定されないが、アゾ色素、アゾ金属錯体色素、フタロシアニン色素、オキソノール色素、シアニン色素等が挙げられる。
本発明の光情報記録媒体において、一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素を含む記録層は、レーザ光の照射により情報の記録が可能な層である。ここで、レーザ光の照射により情報の記録が可能とは、記録層のレーザ光が照射された部分がその光学的特性を変えることをいう。光学的特性の変化は、記録層のレーザ光が照射された部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えば、ピットの生成)を生じすることによってもたらされると考えられる。記録層に記録された情報の読み取り(再生)は、例えば記録用のレーザ光と同様の波長のレーザ光を照射することにより、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率等の光学的特性の違いを検出することにより行うことができる。一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素は、例えば440nm以下のレーザ光に対して吸収性を有するものである。このように短波長領域に吸収性を有する金属錯体化合物を含む記録層を有する本発明の光情報記録媒体は、405nmの青色レーザを用いるBlu−ray方式の光ディスクなどの短波長レーザによる記録が可能な大容量光ディスクとして好適である。本発明の光情報記録媒体への情報の記録方法については後述する。
本発明の光情報記録媒体は、少なくとも一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素を含む記録層を基板上に有するものであり、更に、前記記録層に加えて光反射層、保護層などを有することもできる。
本発明に用いられる基板としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。基板としては、透明な円盤状基板を用いることが好ましい。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
前記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。これらの樹脂を用いた場合、射出成型を用いて基板を作製することができる。
また、基板の厚さは、一般に0.7〜2mmの範囲であり、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
なお、後述する光反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することもできる。
前記基板の記録層が形成される面には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プリグルーブ)が形成されている。前記プリグルーブのトラックピッチは、50〜500nmの範囲である。本発明の光情報記録媒体は、より高い記録密度を達成するためにCD−RやDVD−Rに比べてより狭いトラックピッチを形成した基板を用いる。トラックピッチが50nm以上であれば、プリグルーブを正確に形成することができる上に、クロストークの発生を回避することができ、500nm以下であれば、高密度記録を行うことができる。トラックピッチの好ましい範囲等の詳細は後述する。
本発明の光情報記録媒体の好ましい態様としては、厚さ0.7〜2mmの基板上に、色素を含有する追記型記録層と、厚さ0.01〜0.5mmのカバー層とを基板側から順に有する光情報記録媒体(以下、「態様(1)」という)を挙げることができる。
態様(1)においては、基板に形成されるプリグルーブのトラックピッチが50〜500nm、溝幅が25〜250nm、溝深さが5〜150nmであることが好ましく、態様(2)においては、基板に形成されるプリグルーブのトラックピッチが200〜500nm、溝幅が50〜300nm、溝深さが30〜150nmであり、ウォブル振幅が5〜50nmであることが好ましい。
以下、態様(1)の光情報記録媒体について更に詳細に説明する。但し、本発明の光情報記録媒体は、態様(1)に限定されるものではない。
[態様(1)の光情報記録媒体]
態様(1)の光情報記録媒体は、少なくとも、基板と、追記型記録層と、カバー層とを有する態様である。態様(1)の光情報記録媒体は、ブルーレイ方式の記録用媒体として好適である。ブルーレイ方式では、カバー層側からレーザ光を照射し情報の記録再生が行われ、通常、基板と記録層との間に反射層が設けられる。
態様(1)の光情報記録媒体の具体例を、図1に示す。図1に示す第1光情報記録媒体10Aは、第1基板12上に、第1光反射層18と、第1追記型記録層14と、バリア層20と、第1接着層または第1粘着層22と、カバー層16とをこの順に有する。
以下に、これらを構成する材料について順次説明する。
基板
態様(1)の基板には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、およびウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有するプリグルーブ(案内溝)が形成されている。このプリグルーブは、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、本発明の光情報記録媒体を、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
プリグルーブのトラックピッチは、50〜500nmの範囲である。トラックピッチが50nm以上であれば、プリグルーブを正確に形成することができる上に、クロストークの発生を回避することができ、500nm以下であれば、高密度記録を行うことができる。プリグルーブのトラックピッチは、100nm以上420nm以下であることが好ましく、200nm以上370nm以下であることがより好ましく、260nm以上330nm以下であることが更に好ましい。
プリグルーブの溝幅(半値幅)は、25〜250nmの範囲であり、50nm以上240nm以下であることが好ましく、80nm以上230nm以下であることがより好ましく、100nm以上220nm以下であることが更に好ましい。プリグルーブの溝幅が25nm以上であれば、成型時に溝を十分に転写することができ、さらに記録時のエラーレート上昇を抑制することができ、250nm以下であれば、同じく成型時に溝を十分に転写することができ、更に記録時に形成されるピットの広がりによりクロストークが発生することを回避することができる。
プリグルーブの溝深さは、5〜150nmの範囲である。プリグルーブの溝深さが5nm以上であれば十分な記録変調度を得ることができ、150nm以下であれば、高い反射率を得ることができる。プリグルーブの溝深さは、10nm以上85nm以下であることが好ましく、20nm以上80nm以下であることがより好ましく、28nm以上75nm以下であることが更に好ましい。
また、プリグルーブの溝傾斜角度は、上限値が80°以下であることが好ましく、75°以下であることがより好ましく、70°以下であることが更に好ましく、65°以下であることが特に好ましい。また、下限値は、20°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましく、40°以上であることが更に好ましい。
プリグルーブの溝傾斜角度が20°以上であれば、十分なトラッキングエラー信号振幅を得ることができ、80°以下であれば成型性が良好である。
追記型記録層
態様(1)の追記型記録層は、色素を、結合剤等と共にまたは結合剤を用いないで適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を基板上または後述する光反射層上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成することができる。ここで、追記型記録層は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、塗布液を塗布する工程が複数回行なわれることになる。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の調製に用いる溶剤としては、例えば、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、さらに、結合剤、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。塗布方法としては、スピンコート法が好ましい。
塗布の際、塗布液の温度は23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、23〜50℃の範囲であることが特に好ましい。
追記型記録層の厚さは、ランド(前記基板において凸部)上で、300nm以下であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましく、180nm以下であることが特に好ましい。下限値としては1nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましく、5nm以上であることが更に好ましく、7nm以上であることが特に好ましい。
また、追記型記録層の厚さは、グルーブ上(前記基板において凹部)で、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることが更に好ましい。下限値としては、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、25nm以上であることが更に好ましい。
更に、ランド上の追記型記録層の厚さ/グルーブ上の追記型記録層の厚さの比は、0.1以上であることが好ましく、0.13以上であることがより好ましく、0.15以上であることが更に好ましく、0.17以上であることが特に好ましい。上限値としては、1未満であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.85以下であることが更に好ましく、0.8以下であることが特に好ましい。
また、追記型記録層には、追記型記録層の耐光性をさらに向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。本発明においてもこの一重項酸素クエンチャーを混合させることによって更なる耐光性の向上が期待できる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、および同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
カバー層
態様(1)のカバー層は、通常、上述した追記型記録層上に、または図1に示すようにバリア層上に、接着剤や粘着剤を介して貼り合わされる。
カバー層としては、透明な材質のフィルムであれば、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネートまたは三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録および再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
また、カバー層は、本発明の効果を妨げない範囲において、種々の添加剤が含有されていてもよい。例えば、波長400nm以下の光をカットするためのUV吸収剤および/または500nm以上の光をカットするための色素が含有されていてもよい。
更に、カバー層の表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータおよび3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録および再生に用いられる光の集光度の観点から、カバー層の複屈折は10nm以下であることが好ましい。
カバー層の厚さは、記録および再生のために照射されるレーザ光の波長やNAにより、適宜、規定することができるが、本発明においては、0.01〜0.5mmの範囲内であることが好ましく、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。
また、カバー層と、接着剤または粘着剤からなる層と、を合わせた総厚は、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
なお、カバー層の光入射面には、光情報記録媒体の製造時に、光入射面が傷つくことを防止するための保護層(図1に示す態様ではハードコート層44)が設けられていてもよい。
カバー層と追記型記録層またはバリア層を貼り合わせるために、両層の間に接着層または粘着層を設けることができる。
接着層に使用される接着剤としては、UV硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用することが好ましい。
接着剤としてUV硬化樹脂を使用する場合は、該UV硬化樹脂をそのまま、またはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ディスペンサからバリア層表面に供給してもよい。また、作製される光情報記録媒体の反りを防止するため、接着層を構成するUV硬化樹脂としては硬化収縮率の小さいものを使用することが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の「SD−640」等のUV硬化樹脂を挙げることができる。
接着層の形成方法は特に限定されないが、バリア層または追記型記録層の表面(被貼り合わせ面)上に、接着剤を所定量塗布し、その上にカバー層を載置した後、スピンコートにより接着剤を、被貼り合わせ面とカバー層との間に均一になるように広げた後、硬化させることが好ましい。
接着層の厚さは、0.1〜100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは1〜30μmの範囲である。
粘着層に使用される粘着剤としては、例えば、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができる。透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となり得るアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどとを共重合したものを用いることが好ましい。主成分、短鎖成分および架橋点を付加するための成分との混合比率およびそれら成分の種類を、適宜調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
前記ガラス転移温度(Tg)は、ガラス転移温度Tgが0℃以下であることが好ましく、−15℃以下であることがより好ましく、−25℃以下であることがさらに好ましい。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、Seiko Instruments Inc.製DSC6200Rを用い、DSC(Differential Scanning Calorimetry)法によって測定できる。
粘着剤の調製方法としては、例えば、特開2003−217177、特開2003−203387、特開平9−147418等に記載の方法等を用いることができる。
粘着層の形成方法は特に限定されないが、バリア層または追記型記録層の表面(被貼り合わせ面)上に、粘着剤を所定量均一に塗布し、その上にカバー層を載置した後、硬化させてもよいし、予め、カバー層の片面に、所定量の粘着剤を均一に塗布して粘着剤塗膜を形成しておき、該塗膜を被貼り合わせ面に貼り合わせ、その後、硬化させてもよい。
また、カバー層に、予め、粘着層が設けられた市販の粘着フィルムを用いてもよい。
粘着層の厚さは、0.1〜100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは10〜30μmの範囲である。
またカバー層は、UV硬化樹脂を利用してスピンコーティング法により形成してもよい。
その他の層
態様(1)の光情報記録媒体は、本発明の効果を損なわない範囲においては、上記の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。他の任意の層としては、例えば、基板の裏面(追記型記録層が形成された側と逆側の非形成面側)に形成される、所望の画像を有するレーベル層や、基板と追記型記録層との間に設けられる光反射層(詳細は後述する)、追記型記録層とカバー層との間に設けられるバリア層(詳細は後述する)、該光反射層と追記型記録層との間に設けられる界面層などが挙げられる。ここで、前記レーベル層は、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、および熱乾燥樹脂などを用いて形成することができる。
なお、上記した必須および任意の層はいずれも、単層でも、多層構造でもよい。
態様(1)の光情報記録媒体では、レーザ光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与するために、基板と追記型記録層との間に、光反射層を形成することが好ましい。
光反射層は、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質を、例えば、真空蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。
光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、30〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属またはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alまたはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agまたはこれらの合金である。
バリア層(中間層)
態様(1)の光情報記録媒体においては、図1に示すように、追記型記録層とカバー層との間にバリア層を形成することが好ましい。
バリア層は、追記型記録層の保存性向上、追記型記録層とカバー層との接着性向上、反射率調整、熱伝導率調整等のために設けることができる。
バリア層に用いられる材料としては、記録および再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。
具体的には、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge、Nb、Ta等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、MoO2、GeO2、TeO、SiO2
TiO2、ZnO、SnO2、ZnO−Ga23、Nb25、Ta25が好ましく、SnO2、ZnO−Ga23、SiO2、Nb25、Ta25がより好ましい。
また、バリア層は、真空蒸着、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンプレーティングなどの真空成膜法により形成することができる。中でも、スパッタリングを用いることがより好ましい。
バリア層の厚さは、1〜200nmの範囲が好ましく、2〜100nmの範囲がより好ましく、3〜50nmの範囲が更に好ましい。
[情報記録方法]
更に、本発明は、本発明の光情報記録媒体に、波長440nm以下のレーザ光を照射することにより、本発明の光情報記録媒体が有する記録層へ情報を記録する情報記録方法に関する。
前述の好ましい態様(1)の光情報記録媒体に対する情報の記録は、例えば次のように行われる。
まず、光情報記録媒体を定線速度(例えば0.5〜10m/秒)または定角速度にて回転させながら、基板側または保護層側から半導体レーザ光などの記録用の光を照射する。この光の照射により、レーザ光照射部分の光学的特性が変化して情報が記録される。図1に示す態様では、カバー層16側から半導体レーザ光等の記録用のレーザ光46を、第一対物レンズ42(例えば開口数NAが0.85)を介して照射する。このレーザ光46の照射により、追記型記録層14がレーザ光46を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えばピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
本発明の情報記録方法では、波長440nm以下のレーザ光を照射することにより情報を記録する。記録光としては、440nm以下の範囲の発振波長を有する半導体レーザ光が好適に用いられ、好ましい光源としては390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ光、中心発振波長850nmの赤外半導体レーザ光を光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザ光を挙げることができる。特に、記録密度の点で390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ光を用いることが好ましい。態様(1)の光情報記録媒体は、前述のように基板と追記型記録層との間に反射層を有し、カバー層側、即ち反射層と対向する面とは反対の面側から記録層へレーザ光が照射される。
上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザ光を基板側または保護層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
[アゾ金属錯体色素]
更に本発明は、前記一般式(B)で表されるアゾ金属錯体色素に関する。
本発明のアゾ金属錯体色素の詳細は、先に説明した通りである。本発明のアゾ金属錯体色素は、顔料、写真用材料、UV吸収材料、カラーフィルター用染料、色変換フィルターなどの各種用途に使用することができる。好ましくは、色素含有記録層を有する光情報記録媒体における記録層用色素として使用される。本発明のアゾ金属錯体色素は、耐光性および短波長レーザ光照射による記録再生特性に優れる。更に、優れた溶解性を示し膜安定性も良好である。従って、本発明のアゾ金属錯体色素によれば、耐光性、安定性および短波長レーザ光照射による記録特性に優れる記録層を容易に形成することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下に、一般式(3)で表されるアゾ色素の合成例について説明するが、本発明はこれらの方法に限定されることは無い。
[化合物(Q−5)の合成]
100ml三角フラスコに酢酸1.3ml、プロピオン酸2mlを注ぎ、氷冷下で塩酸(35〜37%)1.9mlをゆっくり滴下した。氷浴にて0〜5℃に冷却し、そこへNaNO2 0.46gを溶解させた水溶液1ml(5℃以下に冷却したもの)をゆっくり滴下した後、0〜5℃にて1時間分間攪拌した。この酸性溶液を、氷冷下で0〜5℃に保った化合物(2)0.94gを含むメタノール溶液20mlに徐々に加え、1時間攪拌した。室温に戻し2h攪拌した後、沈殿物をろ過し最小量のメタノールで洗浄した。得られた固体を乾燥させ、化合物(Q−5)0.8gを得た。化合物の同定は300MHz1H−NMRにより行った。
1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.70(1H,br),13.31(1H,s),3.331(3H,s),1.413(9H,s),1.331(9H,s)
上述した化合物(Q−5)の合成と同様の方法により、(Q−1)、(Q−9)、(Q−10)、(Q−14)、(Q−18)、(Q−22)、(Q−27)、(Q−34)、(Q−36)、および(Q−55)を合成した。一般式(3)および(4)で表される種々のアゾ色素は同様に合成できる。化合物の同定は300MHz1H−NMRにより行った。NMRスペクトルデータを以下に示す。
(Q−1)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ4.68(1H,br),13.53(1H,s),8.32(3H,s),3.82(2H,t),1.53(2H,tt),1.31(2H,tq),0.90(3H,t)
(Q−9)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.78(1H,s),13.30(1H,s),8.38(1H,s),4.31(q),3.34(3H,s),1.36-1.31(12H,t(+s))
(Q−10)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.93(1H,s),10.20(1H,s),7.63-7.57(2H,m),7.06(1H,d),1.45(9H,s),1.30(9H,s)
(Q−14)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.07(1H,s),12.61(1H,s),11.43(1H,s),1.40(9H,s),
(Q−18)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ14.20(1H,s),13.40(1H,s),3.22(3H,s),3.20(3H,s),1.42(9H,s)
(Q−22)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.42(1H,br),8.30-7.60(4H,br),1.40(9H,s)
(Q−27)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.43(1H,br),13.20(1H,br),7.40-7.36(8H,m),7.24-7.21(2H,m),1.41(9H,s)
(Q−34)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.70(1H,br),13.5(1H,s),2.46(3H,s),1.51(9H,s),1.44(9H,s)
(Q−36)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.45(2H,br),10.06(1H,s),7.85(2H,d),7.52(1H,t),7.37(1H,d),7.24(1H,t),6.82(2H,d),3.77(6H,s),3.07(3H,s),1.44(9H,s)
(Q−55)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.95(2H,br),2.47(3H,s),1.52(9H,s)
次に、一般式(5−1)で表されるアゾ金属錯体色素アニオンの合成法について説明するが、本発明はこれらの方法に限定されるものではない。
[(M−1)とトリエチルアンモニウムカチオンからなるアゾ金属錯体色素(M−1’:以下、同様に記載)の合成]
50mlナスフラスコに化合物(Q−5)1g、メタノール20mlを入れ、攪拌しながらトリエチルアミン2.1mlを滴下した。10分間攪拌し、さらにCo(OAc)2・4H2O 760mgをメタノール20mlと蒸留水5mlに溶かした溶液を加え、1時間加熱還流させた。蒸留水50mlを加えた後、室温に戻し、沈殿物をろ過した。蒸留水にて洗浄し、乾燥を施して化合物(M−1’)0.7gを得た。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
m/z=715(nega)、102(posi)
[化合物(M−4)とトリエチルアンモニウムカチオンからなるアゾ金属錯体色素(M−4’)の合成]
例示化合物(M−1)の合成法に倣い、Co(OAc)2・4H2OをNi(OAc)2・4H2Oに置き換え、また、化合物(Q−5)を化合物(Q−1)に置き換え、同様に反応させることで化合物(M−4’)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
m/z=818(nega)、102(posi)
上述した化合物(M−1’)、(M−4’)の合成法と同様の方法により、一般式(5−1)で表される種々のアゾ金属錯体色素アニオンを含むアゾ金属錯体色素が合成できる。この場合、カチオンは添加した塩基の種類に対応する。ここでは、トリエチルアミンを用いているが、NaOH、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)等を用いてもよく、これらに限定されるものでもない。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
化合物(M−1)と同様の合成法により得られたアゾ金属錯体色素は、溶媒中、カチオン交換反応が可能である。カチオン交換反応の合成例を以下に示す。
[化合物(B−11)の合成]
50mlナスフラスコに化合物(M−1’)400mg、メタノール10mlを入れ、攪拌しながら、化合物(3)280mgをメタノール2mlと蒸留水4mlに溶かした溶液を加え、1時間加熱還流させた。蒸留水20mlを加えた後、室温に戻し、沈殿物をろ過した。得られた固体を再度メタノールに溶解させ、生じた不溶物をろ別し、ろ液に蒸留水を加えて再沈殿を行った。これをろ別し、蒸留水にて洗浄し、乾燥を施して化合物(B−11)250mgを得た。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
m/z=715(nega)、300(posi)
上述した化合物(B−11)の合成法と同様の方法により、本発明に記載の種々のカチオンを有するアゾ金属錯体色素が合成できる。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて確認できる。
[(M−47)の合成]
化合物(P−1)1gをメタノール10mlに分散し、攪拌した。そこへピリジン0.44mlを滴下し、塩化鉄4水和物0.27gを加え加熱還流させた。2時間後、室温に戻し、得られた沈殿物をろ過し、最少量のメタノールで洗浄、乾燥することで(M−47)1.08gを得た。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
MALDI−MS:794(nega)、80(posi)
[(M−45)の合成]
(M−47)の合成において、ピリジンをDBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)に置き換えることで(M−45)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
MALDI−MS:794(nega)、125(posi)
[(M−44)の合成]
(M−47)の合成において、ピリジンを相当するアミジンに置き換えることで(M−44)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
MALDI−MS:794(nega)、244(posi)
[(M−60)の合成]
(M−45)の合成において、FeCl2・4H2OをCo(CH3COO)2・4H2Oに置き換えることで(M−60)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
MALDI−MS:797(nega)、125(posi)
[(M−63)の合成]
(M−45)の合成において、FeCl2・4H2OをNi(CH3COO)2・4H2Oに置き換えることで(M−63)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
MALDI−MS:796(nega)、125(posi)
上記合成法と同様にして、一般式(B)で表されるアゾ金属錯体色素を種々合成することができる。化合物の同定は、MALDI−MS、ESI−MSなどにより行うことができる。
下記表1に示すアゾ金属錯体色素のカチオン部に対して、アニオン部をCl-またはBr-またはI-またはClO4 -とした化合物のモル吸光係数の測定を行い、350〜700nmの波長領域における最大のモル吸光係数(ε)を求めた。測定はSHIMADZU社製UV−1600PCを用い、室温条件にて行った。結果を表1に示した。測定した化合物を溶解させた溶媒は、H2O、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール(TFP)、メタノール/水(=1/1体積比)から選択し、それぞれ表1の注釈に示した。
≪光情報記録媒体の作製≫
以下に記載の方法により、図1に示す第1光情報記録媒体10Aの構成を有する光情報記録媒体を作製した。
(基板の作製)
厚さ1.1mm、外径120mm、内径15mmでスパイラル状のプリグルーブ(トラックピッチ:320nm、溝幅:グルーブ(凹部)幅170nm、溝深さ:37nm、溝傾斜角度:52°、ウォブル振幅:20nm)を有する、ポリカーボネート樹脂からなる射出成形基板を作製した。射出成型時に用いられたスタンパのマスタリングは、レーザーカッティング(351nm)を用いて行なわれた。
(光反射層の形成)
基板上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングにより、膜厚60nmの真空成膜層としてのANC光反射層(Ag:98.1at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%)を形成した。光反射層の膜厚の調整は、スパッタ時間により行った。
(追記型記録層の形成)
実施例1〜4および参考例5〜12として、化合物(B−1)、(B−8)、(B−11)、(B−12)、(M−44)、(M−45)、(M−47)、(M−49)、(M−58)、(M−59)、(M−60)、(M−63)それぞれ1gを、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール100ml中に添加して溶解し、色素含有塗布液を調製した。そして、第1光反射層18上に、調製した色素含有塗布液を、スピンコート法により回転数500〜2200rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布して、第1追記型記録層14を形成した。
追記型記録層を形成した後、クリーンオーブンにてアニール処理を施した。アニール処理は、基板を垂直のスタックポールにスペーサーで間をあけながら支持し、80℃で1時間保持して行った。
(バリア層の形成)
その後、追記型記録層上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングによりNb25からなる、厚さ10nmのバリア層を形成した。
(カバー層の貼り合わせ)
カバー層としては、内径15mm、外径120mmで、片面に粘着層(ガラス転移温度−52℃)を有するポリカーボネート製フィルム(帝人ピュアエース、厚さ:80μm)を用い、該粘着層とポリカーボネート製フィルムとの厚さの合計が100μmとなるように設定した。
そして、バリア層上に、カバー層を粘着層を介して載置した後、そのカバー層を押し当て部材にて圧接して、貼り合わせた。以上の工程により、図1に示す層構成を有する光情報記録媒体を作製した。
これにより、実施例1〜4および参考例5〜12に係る光情報記録媒体が作製された。
<色素層膜厚測定>
得られた光情報記録媒体の断面図を、SEMで観察し、色素層のグルーブ凹部、凸部それぞれの膜厚を読み取った。色素層のグルーブ凹部は溝深さ+0〜10nmであり、色素層のグルーブ凸部は10〜30nm程度であった。
比較例1〜7:光情報記録媒体の作製
追記型記録層に使用する色素として例示化合物(B−1)に代えて比較化合物(A)〜(G)を使用した以外は上記と同様の方法で比較例1〜7の光情報記録媒体を作製した。
<光情報記録媒体の評価>
(1)記録再生特性の評価(ジッター評価)
作製した光情報記録媒体を、405nmレーザ、NA0.85ピックアップを有する記録再生評価機(パルステック工業株式会社製:DDU1000)を用い、カバー層側から光照射を行い、クロック周波数66MHz、線速4.92m/sにて、(1.7)RLL−NRZI変調されたマーク長変調信号(17PP)を記録した。ジッター測定は記録信号をリミットイコライザーに通し、タイムインターバルアナライザ(横河電機株式会社製:TA520)を用いて測定した。
(2)再生耐久性の評価
上記(1)で記録を行った光情報記録媒体を、再生パワー0.6mWにて20万回再生を行った場合の未記録部反射率および記録部反射率の変動を求めた。
(3)色素膜の耐光性評価
実施例1〜4、参考例5〜12、比較例1〜7と同様の色素含有塗布液を調製し、厚さ1.1mmのガラス板上に、調製した色素含有塗布液を、スピンコート法により回転数500〜1000rpmまで変化させながら常温、窒素雰囲気下で塗布した。その後、常温で24時間保存した後、メリーゴーランド型耐光試験機(イーグルエンジニアリング社製、セルテスト機III型、Schott製WG320フィルタ付)を用いて耐光性試験を行った。耐光性試験直前の色素膜および耐光性試験48時間後の色素膜について、UV−1600PC(SHIMADZU社製)を用いて色素膜の吸収スペクトルを測定し、最大吸収波長における吸光度の変化を読み取った。
*アニオン部はCl-(TFP溶媒にて測定)、**アニオン部はI-(MeOH/H2O=1/1溶媒にて測定)、***アニオン部はBr-(TFP溶媒にて測定)、****アニオン部はClO4 -(TFP溶媒にて測定)
(注1)Xe光照射48時間後の吸収λmaxにおける色素残存率が90%以上のときは◎、85%以上90%未満のときは○、75%以上85%未満のときは△、75%未満のときは×と表記。
(注2)ジッター値が7%未満のときは◎、7%以上8%未満のときは○、8%以上のときは×と表記。
(注3)溶解性が悪く、記録層の形成が充分に出来なかった為、記録できなかった。
(注4)再生パワー0.6mWにて20万回再生を行った場合の未記録部反射率および記録部反射率の変動が、5%未満である場合を○、5%以上7%未満である場合を△、7%以上である場合を×と表記。
表1に示すように、従来のアゾ金属錯体を用いた比較例1〜7に比べ、実施例1〜4および参考例5〜12で使用したアゾ金属錯体色素は、いずれも耐光性が良好であった。また実施例14および参考例5〜12では記録再生特性および再生耐久性が良好であり、使用したアゾ金属錯体色素がブルーレイ・ディスク用色素として良好な特性を有することが示された。また実施例1〜4および参考例5〜12の光情報記録媒体は、55時間Xe光照射した後にも記録再生が可能であることを確認した。これにより、実施例1〜4および参考例5〜12で使用したアゾ金属錯体色素が、光情報記録媒体下でも耐光性が良好であることがわかった。
また、実施例1〜および参考例5〜12で使用したアゾ金属錯体色素は、色素溶液形成時の溶解性が良好であった。これら色素は、色素含有溶液を塗布することにより膜形成が可能であり、形成された色素膜は結晶化を起こすこともなく優れた膜安定性を示した。
≪色素溶液の耐光性評価≫
実施例および参考例において使用したアゾ金属錯体色素について、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールそれぞれに対して吸光度0.95〜1.05(セル幅1cm)となるように溶解させ、色素膜の耐光性評価と同じ条件にて、耐光性評価を行った。その結果、溶液中の耐光性はいずれも色素膜と同等以上であり、極めて高かった。種々の用途において色素に求める重要な性能として耐光性が挙げられることから、膜、溶液中いずれの状態においても耐光性に優れる本発明の化合物はインク、カラーフィルター、色変換フィルター、写真用材料、熱転写記録材料等の種々の用途において好ましい性能を示すことがわかった。
さらに、本発明の色素は、粉末状態および膜状態で200℃の温度条件下に置いても分解せず、熱安定性に優れることもわかった。熱安定性に優れる色素は、インク、カラーフィルター、色変換フィルター、写真用材料等の種々の用途において好ましい性能を示すことができる。
なお、本発明に係る光情報記録媒体およびアゾ金属錯体色素は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
本発明のアゾ金属錯体色素を記録層用色素として用いることにより、良好な記録再生特性を示し、かつ、極めて高い耐光性を持つ光情報記録媒体(特に、波長が440nm以下のレーザ光照射による情報の記録が可能な光情報記録媒体)を製造することができる。
また、本発明のアゾ金属錯体色素は、写真用材料、カラーフィルター用染料、色変換フィルター、熱転写記録材料、インク等にも適用可能である。
本発明の光情報記録媒体の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
10A…第1光情報記録媒体 12…第1基板
14…第1追記型記録層 16…カバー層
18…第1光反射層 20…バリア層
22…第1接着層または粘着層 44…ハードコート層

Claims (8)

  1. トラックピッチ50〜500nmのプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に記録層を有する光情報記録媒体であって、
    前記記録層は、下記一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素を含有することを特徴とする光情報記録媒体。
    [一般式(A)中、Aは、(L2-2(M)で表されるアニオン性部位を表し、L2-下記一般式(3)で表されるアゾ色素中のYに含まれる水素原子およびQ 2 により形成される複素環の窒素原子上の水素原子を解離させることにより得られる2価のアゾ色素アニオンを表し、Mは金属イオンまたは金属酸化物イオンを表す。Xp+は、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -、BF4 -、SO4 2-またはCF3SO3 -のいずれかと塩形成した場合に、350〜700nmの波長領域における最大のモル吸光係数(ε)が20000dm3mol-1cm-1未満であるp価の有機カチオンを表し、pは1〜10の範囲の整数を表し、k’は0<k’≦4の範囲であって、Aで表されるアニオン性部位中の負電荷をpで割った値を表す。但し、Xp+が非環状のアルキルアンモニウムカチオンである場合を除く。]
    [一般式(3)中、Q 1 は隣り合う2つの炭素原子とともに複素環または炭素環を形成する原子群を表し、Q 2 は下記部分構造式(q−1)で表される複素環を形成する原子群を表し、Yは水素原子を含有する基を表す。]
    [部分構造式(q−1)中、*は−N=N−基との結合位置を表し、R 1 およびR 2 は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。]
  2. 前記Xp+は、下記一般式(1)で表されるカチオン、一般式(1)に含まれない含窒素ヘテロ環の環内窒素原子上に正電荷を有するカチオン、ホスホニウムカチオン、および金属錯体カチオンからなる群から選ばれるp価の有機カチオンを表し、pは1〜4の範囲の整数を表し、k’は0<k’≦1の範囲であって、Aで表されるアニオン性部位中の負電荷をpで割った値を表す請求項1に記載の光情報記録媒体。
    [一般式(1)中、R81〜R85は、各々独立に水素原子または置換基を表し、R81〜R85のいずれか2つ以上が互いに結合して環を形成してもよい。]
  3. 波長440nm以下のレーザ光を照射することにより情報を記録するために使用される請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
  4. 基板と記録層との間に反射層を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
  5. 前記一般式(A)中、pは1または2を表す請求項1〜4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
  6. 下記部分構造:
    は、下記部分構造式(E−1)〜(E−8)のいずれかを表す請求項のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
    [上記において、R41〜R62は、各々独立に水素原子または置換基を表し、互いに隣接する置換基は連結して環を形成してもよい。]
  7. 一般式(A)中、Mはコバルトイオン、ニッケルイオンまたは鉄イオンのいずれかを表す請求項1〜のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光情報記録媒体に、波長440nm以下のレーザ光を照射することにより前記光情報記録媒体が有する記録層へ情報を記録する情報記録方法
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