JP5121537B2 - 光情報記録媒体および情報記録方法 - Google Patents
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Description
更に本発明は、光情報記録媒体の記録層用色素として好適な新規アゾ金属錯体色素に関する。
特許文献5および7に記載されているアゾ金属錯体色素は、いずれも一価のアニオンとなるアゾ色素(配位子)が想定されている。これらアゾ色素(配位子)を用いて、当該特許文献記載の合成法を用いた場合、主に中性の金属錯体が得られる。また、特許文献6では、中性またはカチオン性の金属錯体が記載されており、これについても同様、当該特許文献記載のアゾ色素(配位子)を用いて当該特許文献記載の合成法を用いた場合、主に中性またはカチオン性の金属錯体が得られる。しかし、これらの金属錯体では、十分な耐光性を得ることができなかった。
一方、アニオン性のアゾ金属錯体の例としては、特許文献4、8および9に記載の化合物が挙げられる。特許文献4に記載の媒体では、赤色レーザ光に対して良好な記録再生特性を獲得する為に、シアニン色素をアゾ金属錯体と共存させている。特許文献4には、2つのピラゾールがアゾ基により連結されているもの、ピラゾールとフェノールがアゾ基に連結されているものも報告されている。しかし、これらは吸収波長が長波長であるために青色レーザ光に対して吸収効率が低い、あるいは熱分解性が悪い、または塗布溶剤に対する溶解性が低い、短波長レーザ対応光情報記録媒体での記録に対しては充分な感度を示さない等の問題があった。
また、特許文献8および9では、シアニン色素カチオンまたはスチリル色素カチオンとアゾ金属錯体色素アニオンとの対塩構造の色素を記録層に用いている。特許文献8および9に記載の色素では、記録時に吸収変化の大きい2つの部分、すなわち、シアニン色素カチオンもしくはスチリル色素カチオンとアゾ金属錯体色素アニオンの2つの分解が生じる。しかし、本発明者らの検討の結果、特許文献8および9に記載の金属錯体も、ブルーレイ・ディスク構成の短波長レーザ対応光情報記録媒体においては、良好な記録品質と再生耐久性を両立することができないことが判明した。
本発明は、以上の知見に基づき完成された。
[1]トラックピッチ50〜500nmのプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に記録層を有する光情報記録媒体であって、
前記記録層は、下記一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素を含有することを特徴とする光情報記録媒体。
[2]前記Xp+は、下記一般式(1)で表されるカチオン、一般式(1)に含まれない含窒素ヘテロ環の環内窒素原子上に正電荷を有するカチオン、ホスホニウムカチオン、および金属錯体カチオンからなる群から選ばれるp価の有機カチオンを表し、pは1〜4の範囲の整数を表し、k’は0<k’≦1の範囲であって、Aで表されるアニオン性部位中の負電荷をpで割った値を表す[1]に記載の光情報記録媒体。
[3]波長440nm以下のレーザ光を照射することにより情報を記録するために使用される[1]または[2]に記載の光情報記録媒体。
[4]基板と記録層との間に反射層を有する[1]〜[3]のいずれかに記載の光情報記録媒体。
[5]前記一般式(A)中、pは1または2を表す[1]〜[4]のいずれかに記載の光情報記録媒体。
[6]下記部分構造:
[7]一般式(A)中、Mはコバルトイオン、ニッケルイオンまたは鉄イオンのいずれかを表す[1]〜[6]のいずれかに記載の光情報記録媒体。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の光情報記録媒体に、波長440nm以下のレーザ光を照射することにより前記光情報記録媒体が有する記録層へ情報を記録する情報記録方法。
本発明の光情報記録媒体は、トラックピッチ50〜500nmのプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に、直接または反射層等の層を介して記録層を有する。本発明の光情報記録媒体は、BD、HD−DVD等の短波長レーザにより情報の記録を行う高密度記録用光ディスクとして好適である。
上記高密度記録用光ディスクは、従来の追記型光ディスクと比べてトラックピッチが狭いという構造上の特徴を有する。また、BD構成の光ディスクは、基板上に反射層と記録層をこの順に有し、更に記録層の上に比較的薄い光透過性を有する層(一般に、カバー層と呼ばれる)を有するという、従来の追記型光ディスクと異なる層構成を有する。短波長レーザ対応光情報記録媒体では、CD−R、DVD−R等の従来の追記型光情報記録媒体用記録色素として使用されていた色素では、十分な記録再生特性が得られない点が課題であった。
これに対し、本発明では、従来の追記型光情報記録媒体と比べてトラックピッチが狭い光情報記録媒体において、下記一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素(アニオン性アゾ金属錯体色素)を少なくとも一種、記録層に含むことにより、良好な記録再生特性を得ることを可能にした。本発明の光情報記録媒体によれば、短波長(例えば波長440nm以下)のレーザ光照射により、良好な記録再生特性を得ることができる。特に、本発明の光情報記録媒体は、基板と記録層との間に反射層を有し、記録再生に使用するレーザ光が上記反射層と対向する面とは反対の面側から記録層へ照射されるBD構成の媒体として好適である。更に、下記一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素は、極めて良好な耐光性、良好な溶解性、優れた膜安定性を示すことも新たに見出された。こうして本発明によれば、短波長レーザ光照射による記録特性に優れ、かつ高い耐光性を有し、更に溶解性および膜安定性にも優れる光情報記録媒体を提供することができる。なお、本発明において「アゾ金属錯体色素アニオン」とは、アゾ色素と金属イオンまたは金属酸化物イオンとを反応させることによりアゾ色素が金属イオンまたは金属酸化物イオンに配位結合し、生成されるアニオン性色素部位のことをいう。また、本発明において「アゾ色素アニオン」とは、アゾ色素(配位子)が水素原子を失うことにより生成されるアニオン性部位のことをいう。
以下に、一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素の詳細を説明する。
pは1〜4の範囲の整数であることが好ましく、1または2であることがより好ましい。但し、Xp+は非環状のアルキルアンモニウムカチオンとなる場合を除く。これは、Xp+が非環状のアルキルアンモニウムカチオンであると、再生劣化が起こりやすくなるためである。これに対し、Xp+を環上にすることにより、または、含窒素芳香族ヘテロ環にすることにより、再生劣化を抑制しやすくなる。
また、Xp+が無機カチオンの場合は溶解性が悪化する為、Xp+は有機カチオンである必要がある。
1999年発行)等に記載のモル吸光係数をいう。本発明におけるモル吸光係数(ε)は、UV−3100PC{(株)島津製作所製}等を用いて測定した吸光度と測定溶液のモル濃度から求められる値である。
以下に、その詳細を説明する。
ホスホニウムカチオンとしては、以下の化合物群が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(A)中、Xp+で表される金属錯体カチオンとしては、下記一般式(11)または一般式(12)で表される金属錯体カチオンが好ましい。
以下に、一般式(11)について説明する。
次に、一般式(12)について説明する。
また、L21〜L26は、Y21〜Y24以外の連結基を介して互いに連結してもよく、互いに連結して6座以上の配位子を形成することが好ましい。
前記金属イオンとしては、例えば、Mg、Al、Si、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Ba、Pr、Eu、Yb、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Th等の金属のイオンおよびこれらの金属酸化物が挙げられる。
Q1は、隣り合う2つの炭素原子とともに複素環または炭素環を形成する原子群を表し、Q2は、隣り合う炭素原子および窒素原子とともに複素環を形成する原子群を表す。
更に詳しくは、R1およびR2は、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2−エチルヘキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、t−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキルおよびアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキルおよびアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリールおよびヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)を表す。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
一般式(5−1)中のQ1およびQ2は、一般式(3)中のQ1およびQ2と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(7−1)中のQ1、Z、M1、p、qは、それぞれ一般式(A)、(5−1)における定義と同義であり、好ましい範囲等の詳細も同様である。
n3は、q/pで算出される値を表す。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
前記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。これらの樹脂を用いた場合、射出成型を用いて基板を作製することができる。
また、基板の厚さは、一般に0.7〜2mmの範囲であり、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
なお、後述する光反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することもできる。
以下、態様(1)の光情報記録媒体について更に詳細に説明する。但し、本発明の光情報記録媒体は、態様(1)に限定されるものではない。
態様(1)の光情報記録媒体は、少なくとも、基板と、追記型記録層と、カバー層とを有する態様である。態様(1)の光情報記録媒体は、ブルーレイ方式の記録用媒体として好適である。ブルーレイ方式では、カバー層側からレーザ光を照射し情報の記録再生が行われ、通常、基板と記録層との間に反射層が設けられる。
態様(1)の光情報記録媒体の具体例を、図1に示す。図1に示す第1光情報記録媒体10Aは、第1基板12上に、第1光反射層18と、第1追記型記録層14と、バリア層20と、第1接着層または第1粘着層22と、カバー層16とをこの順に有する。
以下に、これらを構成する材料について順次説明する。
態様(1)の基板には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、およびウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有するプリグルーブ(案内溝)が形成されている。このプリグルーブは、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、本発明の光情報記録媒体を、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
プリグルーブの溝傾斜角度が20°以上であれば、十分なトラッキングエラー信号振幅を得ることができ、80°以下であれば成型性が良好である。
態様(1)の追記型記録層は、色素を、結合剤等と共にまたは結合剤を用いないで適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を基板上または後述する光反射層上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成することができる。ここで、追記型記録層は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、塗布液を塗布する工程が複数回行なわれることになる。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、さらに、結合剤、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
塗布の際、塗布液の温度は23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、23〜50℃の範囲であることが特に好ましい。
また、追記型記録層の厚さは、グルーブ上(前記基板において凹部)で、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることが更に好ましい。下限値としては、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、25nm以上であることが更に好ましい。
更に、ランド上の追記型記録層の厚さ/グルーブ上の追記型記録層の厚さの比は、0.1以上であることが好ましく、0.13以上であることがより好ましく、0.15以上であることが更に好ましく、0.17以上であることが特に好ましい。上限値としては、1未満であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.85以下であることが更に好ましく、0.8以下であることが特に好ましい。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、および同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
態様(1)のカバー層は、通常、上述した追記型記録層上に、または図1に示すようにバリア層上に、接着剤や粘着剤を介して貼り合わされる。
カバー層としては、透明な材質のフィルムであれば、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネートまたは三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録および再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
更に、カバー層の表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータおよび3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録および再生に用いられる光の集光度の観点から、カバー層の複屈折は10nm以下であることが好ましい。
また、カバー層と、接着剤または粘着剤からなる層と、を合わせた総厚は、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
なお、カバー層の光入射面には、光情報記録媒体の製造時に、光入射面が傷つくことを防止するための保護層(図1に示す態様ではハードコート層44)が設けられていてもよい。
接着層に使用される接着剤としては、UV硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用することが好ましい。
接着剤としてUV硬化樹脂を使用する場合は、該UV硬化樹脂をそのまま、またはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ディスペンサからバリア層表面に供給してもよい。また、作製される光情報記録媒体の反りを防止するため、接着層を構成するUV硬化樹脂としては硬化収縮率の小さいものを使用することが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製の「SD−640」等のUV硬化樹脂を挙げることができる。
接着層の厚さは、0.1〜100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは1〜30μmの範囲である。
前記ガラス転移温度(Tg)は、ガラス転移温度Tgが0℃以下であることが好ましく、−15℃以下であることがより好ましく、−25℃以下であることがさらに好ましい。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、Seiko Instruments Inc.製DSC6200Rを用い、DSC(Differential Scanning Calorimetry)法によって測定できる。
また、カバー層に、予め、粘着層が設けられた市販の粘着フィルムを用いてもよい。
粘着層の厚さは、0.1〜100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは10〜30μmの範囲である。
またカバー層は、UV硬化樹脂を利用してスピンコーティング法により形成してもよい。
態様(1)の光情報記録媒体は、本発明の効果を損なわない範囲においては、上記の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。他の任意の層としては、例えば、基板の裏面(追記型記録層が形成された側と逆側の非形成面側)に形成される、所望の画像を有するレーベル層や、基板と追記型記録層との間に設けられる光反射層(詳細は後述する)、追記型記録層とカバー層との間に設けられるバリア層(詳細は後述する)、該光反射層と追記型記録層との間に設けられる界面層などが挙げられる。ここで、前記レーベル層は、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、および熱乾燥樹脂などを用いて形成することができる。
なお、上記した必須および任意の層はいずれも、単層でも、多層構造でもよい。
光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、30〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
態様(1)の光情報記録媒体においては、図1に示すように、追記型記録層とカバー層との間にバリア層を形成することが好ましい。
バリア層は、追記型記録層の保存性向上、追記型記録層とカバー層との接着性向上、反射率調整、熱伝導率調整等のために設けることができる。
バリア層に用いられる材料としては、記録および再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。
具体的には、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge、Nb、Ta等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、
TiO2、ZnO、SnO2、ZnO−Ga2O3、Nb2O5、Ta2O5が好ましく、SnO2、ZnO−Ga2O3、SiO2、Nb2O5、Ta2O5がより好ましい。
バリア層の厚さは、1〜200nmの範囲が好ましく、2〜100nmの範囲がより好ましく、3〜50nmの範囲が更に好ましい。
更に、本発明は、本発明の光情報記録媒体に、波長440nm以下のレーザ光を照射することにより、本発明の光情報記録媒体が有する記録層へ情報を記録する情報記録方法に関する。
まず、光情報記録媒体を定線速度(例えば0.5〜10m/秒)または定角速度にて回転させながら、基板側または保護層側から半導体レーザ光などの記録用の光を照射する。この光の照射により、レーザ光照射部分の光学的特性が変化して情報が記録される。図1に示す態様では、カバー層16側から半導体レーザ光等の記録用のレーザ光46を、第一対物レンズ42(例えば開口数NAが0.85)を介して照射する。このレーザ光46の照射により、追記型記録層14がレーザ光46を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えばピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
更に本発明は、前記一般式(B)で表されるアゾ金属錯体色素に関する。
本発明のアゾ金属錯体色素の詳細は、先に説明した通りである。本発明のアゾ金属錯体色素は、顔料、写真用材料、UV吸収材料、カラーフィルター用染料、色変換フィルターなどの各種用途に使用することができる。好ましくは、色素含有記録層を有する光情報記録媒体における記録層用色素として使用される。本発明のアゾ金属錯体色素は、耐光性および短波長レーザ光照射による記録再生特性に優れる。更に、優れた溶解性を示し膜安定性も良好である。従って、本発明のアゾ金属錯体色素によれば、耐光性、安定性および短波長レーザ光照射による記録特性に優れる記録層を容易に形成することができる。
1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.70(1H,br),13.31(1H,s),3.331(3H,s),1.413(9H,s),1.331(9H,s)
(Q−9)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.78(1H,s),13.30(1H,s),8.38(1H,s),4.31(q),3.34(3H,s),1.36-1.31(12H,t(+s))
(Q−10)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.93(1H,s),10.20(1H,s),7.63-7.57(2H,m),7.06(1H,d),1.45(9H,s),1.30(9H,s)
(Q−14)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.07(1H,s),12.61(1H,s),11.43(1H,s),1.40(9H,s),
(Q−18)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ14.20(1H,s),13.40(1H,s),3.22(3H,s),3.20(3H,s),1.42(9H,s)
(Q−22)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.42(1H,br),8.30-7.60(4H,br),1.40(9H,s)
(Q−27)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.43(1H,br),13.20(1H,br),7.40-7.36(8H,m),7.24-7.21(2H,m),1.41(9H,s)
(Q−34)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.70(1H,br),13.5(1H,s),2.46(3H,s),1.51(9H,s),1.44(9H,s)
(Q−36)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.45(2H,br),10.06(1H,s),7.85(2H,d),7.52(1H,t),7.37(1H,d),7.24(1H,t),6.82(2H,d),3.77(6H,s),3.07(3H,s),1.44(9H,s)
(Q−55)1H-NMR(DMSO-d6)[ppm];δ13.95(2H,br),2.47(3H,s),1.52(9H,s)
m/z=715(nega)、102(posi)
例示化合物(M−1)の合成法に倣い、Co(OAc)2・4H2OをNi(OAc)2・4H2Oに置き換え、また、化合物(Q−5)を化合物(Q−1)に置き換え、同様に反応させることで化合物(M−4’)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
m/z=818(nega)、102(posi)
m/z=715(nega)、300(posi)
MALDI−MS:794(nega)、80(posi)
(M−47)の合成において、ピリジンをDBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)に置き換えることで(M−45)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
MALDI−MS:794(nega)、125(posi)
(M−47)の合成において、ピリジンを相当するアミジンに置き換えることで(M−44)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
MALDI−MS:794(nega)、244(posi)
(M−45)の合成において、FeCl2・4H2OをCo(CH3COO)2・4H2Oに置き換えることで(M−60)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
MALDI−MS:797(nega)、125(posi)
(M−45)の合成において、FeCl2・4H2OをNi(CH3COO)2・4H2Oに置き換えることで(M−63)を合成した。化合物の同定はMALDI−TOF−MSにて行った。
MALDI−MS:796(nega)、125(posi)
以下に記載の方法により、図1に示す第1光情報記録媒体10Aの構成を有する光情報記録媒体を作製した。
(基板の作製)
厚さ1.1mm、外径120mm、内径15mmでスパイラル状のプリグルーブ(トラックピッチ:320nm、溝幅:グルーブ(凹部)幅170nm、溝深さ:37nm、溝傾斜角度:52°、ウォブル振幅:20nm)を有する、ポリカーボネート樹脂からなる射出成形基板を作製した。射出成型時に用いられたスタンパのマスタリングは、レーザーカッティング(351nm)を用いて行なわれた。
基板上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングにより、膜厚60nmの真空成膜層としてのANC光反射層(Ag:98.1at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%)を形成した。光反射層の膜厚の調整は、スパッタ時間により行った。
実施例1〜4および参考例5〜12として、化合物(B−1)、(B−8)、(B−11)、(B−12)、(M−44)、(M−45)、(M−47)、(M−49)、(M−58)、(M−59)、(M−60)、(M−63)それぞれ1gを、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール100ml中に添加して溶解し、色素含有塗布液を調製した。そして、第1光反射層18上に、調製した色素含有塗布液を、スピンコート法により回転数500〜2200rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布して、第1追記型記録層14を形成した。
その後、追記型記録層上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングによりNb2O5からなる、厚さ10nmのバリア層を形成した。
カバー層としては、内径15mm、外径120mmで、片面に粘着層(ガラス転移温度−52℃)を有するポリカーボネート製フィルム(帝人ピュアエース、厚さ:80μm)を用い、該粘着層とポリカーボネート製フィルムとの厚さの合計が100μmとなるように設定した。
そして、バリア層上に、カバー層を粘着層を介して載置した後、そのカバー層を押し当て部材にて圧接して、貼り合わせた。以上の工程により、図1に示す層構成を有する光情報記録媒体を作製した。
得られた光情報記録媒体の断面図を、SEMで観察し、色素層のグルーブ凹部、凸部それぞれの膜厚を読み取った。色素層のグルーブ凹部は溝深さ+0〜10nmであり、色素層のグルーブ凸部は10〜30nm程度であった。
追記型記録層に使用する色素として例示化合物(B−1)に代えて比較化合物(A)〜(G)を使用した以外は上記と同様の方法で比較例1〜7の光情報記録媒体を作製した。
(1)記録再生特性の評価(ジッター評価)
作製した光情報記録媒体を、405nmレーザ、NA0.85ピックアップを有する記録再生評価機(パルステック工業株式会社製:DDU1000)を用い、カバー層側から光照射を行い、クロック周波数66MHz、線速4.92m/sにて、(1.7)RLL−NRZI変調されたマーク長変調信号(17PP)を記録した。ジッター測定は記録信号をリミットイコライザーに通し、タイムインターバルアナライザ(横河電機株式会社製:TA520)を用いて測定した。
上記(1)で記録を行った光情報記録媒体を、再生パワー0.6mWにて20万回再生を行った場合の未記録部反射率および記録部反射率の変動を求めた。
実施例1〜4、参考例5〜12、比較例1〜7と同様の色素含有塗布液を調製し、厚さ1.1mmのガラス板上に、調製した色素含有塗布液を、スピンコート法により回転数500〜1000rpmまで変化させながら常温、窒素雰囲気下で塗布した。その後、常温で24時間保存した後、メリーゴーランド型耐光試験機(イーグルエンジニアリング社製、セルテスト機III型、Schott製WG320フィルタ付)を用いて耐光性試験を行った。耐光性試験直前の色素膜および耐光性試験48時間後の色素膜について、UV−1600PC(SHIMADZU社製)を用いて色素膜の吸収スペクトルを測定し、最大吸収波長における吸光度の変化を読み取った。
実施例および参考例において使用したアゾ金属錯体色素について、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールそれぞれに対して吸光度0.95〜1.05(セル幅1cm)となるように溶解させ、色素膜の耐光性評価と同じ条件にて、耐光性評価を行った。その結果、溶液中の耐光性はいずれも色素膜と同等以上であり、極めて高かった。種々の用途において色素に求める重要な性能として耐光性が挙げられることから、膜、溶液中いずれの状態においても耐光性に優れる本発明の化合物はインク、カラーフィルター、色変換フィルター、写真用材料、熱転写記録材料等の種々の用途において好ましい性能を示すことがわかった。
また、本発明のアゾ金属錯体色素は、写真用材料、カラーフィルター用染料、色変換フィルター、熱転写記録材料、インク等にも適用可能である。
14…第1追記型記録層 16…カバー層
18…第1光反射層 20…バリア層
22…第1接着層または粘着層 44…ハードコート層
Claims (8)
- トラックピッチ50〜500nmのプリグルーブを表面に有する基板の該表面上に記録層を有する光情報記録媒体であって、
前記記録層は、下記一般式(A)で表されるアゾ金属錯体色素を含有することを特徴とする光情報記録媒体。
- 前記Xp+は、下記一般式(1)で表されるカチオン、一般式(1)に含まれない含窒素ヘテロ環の環内窒素原子上に正電荷を有するカチオン、ホスホニウムカチオン、および金属錯体カチオンからなる群から選ばれるp価の有機カチオンを表し、pは1〜4の範囲の整数を表し、k’は0<k’≦1の範囲であって、Aで表されるアニオン性部位中の負電荷をpで割った値を表す請求項1に記載の光情報記録媒体。
- 波長440nm以下のレーザ光を照射することにより情報を記録するために使用される請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
- 基板と記録層との間に反射層を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
- 前記一般式(A)中、pは1または2を表す請求項1〜4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
- 下記部分構造:
- 一般式(A)中、Mはコバルトイオン、ニッケルイオンまたは鉄イオンのいずれかを表す請求項1〜6のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光情報記録媒体に、波長440nm以下のレーザ光を照射することにより前記光情報記録媒体が有する記録層へ情報を記録する情報記録方法。
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