JPH1158973A - 光情報記録媒体及び情報の記録方法 - Google Patents

光情報記録媒体及び情報の記録方法

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JPH1158973A
JPH1158973A JP9238962A JP23896297A JPH1158973A JP H1158973 A JPH1158973 A JP H1158973A JP 9238962 A JP9238962 A JP 9238962A JP 23896297 A JP23896297 A JP 23896297A JP H1158973 A JPH1158973 A JP H1158973A
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Japan
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JP9238962A
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English (en)
Inventor
Koji Wariishi
幸司 割石
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速記録再生にも充分対応できる光情報記録
媒体を提供する。 【解決手段】 基板上に、シアニン色素と、プロトン又
はオニウムイオン(好ましくは正電荷を持ったオニウム
原子に水素原子が結合してないオニウムイオン)をカチ
オンとして持つオキソノール系色素とを含む記録層が設
けられてなる光情報記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報記録媒体に
関し、特に、高エネルギー密度のレーザ光を用いて情報
の書き込みが可能な光情報記録媒体及び情報の記録方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザ光により一回限りの情
報の記録が可能な光情報記録媒体(ライトワンス型の光
ディスク、所謂CD−R型の光ディスク)が知られてい
る。このタイプの光ディスクの代表的な構造は、透明な
円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金などの金属
からなる反射層、更に樹脂製の保護層をこの順に積層し
たものである。そしてこの光ディスクへの情報の記録
は、近赤外域のレーザ光(通常は780nm付近の波長
のレーザ光)を照射して記録層を局所的に発熱変形させ
て、ピットを形成させることにより行われる。一方情報
の読み取り(再生)は通常、記録用のレーザ光と同じ波
長のレーザ光を照射して、記録層が発熱変形された部位
(記録部分)と変形されない部位(未記録部分)との反
射率の違いを検出することにより行われている。
【0003】近年、パーソナルコンピュータなどの普及
に伴って記録密度のより高い光情報記録媒体が求められ
ている。記録密度を高めるには、照射されるレーザ光の
光径を小さく絞ることが有効であり、また波長が短いレ
ーザ光ほど光径を小さく絞ることができるため、高密度
化に有利であることが理論的に知られている。従って、
従来から一般的に用いられている780nmより短波長
のレーザ光を用いて記録再生を行うための光ディスクの
開発が進められており、例えば、追記型デジタル・ビデ
オ・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスク
が提案されている。この光ディスクは、直径が120m
mあるいは直径が80mmの透明な円盤状基板上に、色
素からなる記録層、そして通常は記録層の上に更に光反
射層および保護層を設けてなるディスクを二枚、あるい
は該ディスクと略同じ寸法の円盤状保護基板とをそれぞ
れ記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた構造となる
ように製造されている。そしてDVD−Rは、可視レー
ザ光(通常は600nm〜700nmの範囲の波長のレ
ーザ光)を照射することにより、記録及び再生が行わ
れ、CD−R型の光ディスクより高密度の記録が可能で
あるとされている。
【0004】従来から、CD−R型の光ディスクにおい
ては、その記録層に含有する色素化合物として、シアニ
ン色素が用いられている。このような色素の例は、特開
昭64−40382号公報、あるいは「機能性色素の最
新応用技術」(シー・エム・シー、1996年4月発
行、第3章の6)に記載されている色素がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、情報処理量の増
大に伴って、情報を高速度で記録再生が可能な光情報記
録媒体の開発が望まれている。情報を高速で記録するた
めには、4倍速、6倍速、更に12倍速などと、記録時
の線速度を上げることが必要になるが、このように線速
度を上げていくと、これまで知られているCD−RやD
VD−Rで使用されている、あるいは使用が提案されて
いる色素を用いた場合には、記録信号の品質が低下し
(例えば、記録感度が充分でないためや信号の誤りなど
で記録信号の形状に忠実なピットの形成が困難にな
り)、安定な記録特性が得られにくくなるなどの問題が
生じる。従って、本発明の主な目的は、高速記録、再生
にも充分対応できる光情報記録媒体及び情報の記録方法
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究により、
下記のように一般式(I)で示される色素と、一般式
(II−1)で示される色素及び/又は一般式(II−2)
で示される色素とを組み合わせて用いることにより、C
D−RやDVD−Rの追記型のいずれにおいても高速記
録再生に適した光情報記録媒体を製造できることが見出
された。
【0007】本発明は、基板上に、下記一般式(I)で
表される色素と、下記一般式(II−1)で表される色素
及び/又は一般式(II−2)で表される色素とを含む記
録層が設けられてなる光情報記録媒体にある。
【0008】
【化7】
【0009】[式中、Z1 及びZ2 は各々独立に、5員
または6員の含窒素複素環を形成するために必要な原子
群を表し、R1 およびR2 は各々独立にアルキル基を表
し、L1 、L2 、L3 、L4 及びL5 は各々独立に置換
されていてもよいメチン基を表し、n1及びn2は各々
独立に0又は1を表し、pおよびqは各々独立に0また
は1を表し、M1は電荷中和対イオンを表し、そしてm
1は分子中の電荷を中和させるために必要な0以上の数
を表す。]
【0010】
【化8】
【0011】[式中、A1 、A2 、B1 及びB2 は各々
独立に置換基を表し、Z3 及びZ4は各々独立に、炭素
環もしくは複素環を形成するために必要な原子団を表
し、EおよびGは各々独立に、共役二重結合鎖を完成す
るために必要な原子団を表し、X1 は、=O、=NRま
たは=C(CN)2 を表し、X2 は、−O、−NR又は
−C(CN)2 を表し(但し、Rは置換基を表す)、L
6 、L7 、L8 、L9 及びL10は各々独立に、置換され
ていてもよいメチン基を表し、Mk+は、プロトン又はオ
ニウムイオンを表し、n3及びn4は各々独立に0、1
または2を表し、x及びyは各々独立に0又は1を表
し、そしてkは1〜10の整数を表す。]
【0012】また本発明は、基板上に、レーザ光により
情報の記録が可能な記録層が設けられてなるヒートモー
ド型の光情報記録媒体において、該記録層が、前記一般
式(I)で表される色素と、前記一般式(II−1)で表
される色素及び/又は一般式(II−2)で表される色素
とを含むことを特徴とする光情報記録媒体にもある。
【0013】更に本発明は、トラックピッチが0.6〜
0.9μmのプレグルーブが形成された、厚さが0.6
±0.1mmの円盤状透明基板の該プレグルーブが設け
られている側の表面に、前記一般式(I)で表される色
素と、前記一般式(II−1)で表される色素及び/又は
一般式(II−2)で表される色素とを含む記録層が設け
られてなる二枚の積層体をそれぞれの記録層が内側とな
るように、あるいはトラックピッチが0.6〜0.9μ
mのプレグルーブが形成された、厚さが0.6±0.1
mmの円盤状透明基板の該プレグルーブが設けられてい
る側の表面に、前記一般式(I)で表される色素と前記
一般式(II−1)で表される色素及び/又は一般式(II
−2)で表される色素とを含む記録層が設けられてなる
積層体と、該積層体の基板と略同じ直径の円盤状透明基
板とを記録層が内側となるように、接合してなる光情報
記録媒体にもある。
【0014】更にまた本発明は、上記構成の光情報記録
媒体に、波長が750〜850nmのレーザ光、あるい
は波長が600〜700nmのレーザ光を照射して情報
を記録する方法にもある。
【0015】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)前記一般式(I)で表される色素と、前記一般式
(II−1)で表される色素及び/又は一般式(II−2)
で表される色素との混合比率が、前記一般式(I)で表
される色素1重量部に対して前記一般式(II−1)で表
される色素及び/又は一般式(II−2)で表される色素
が0.01〜100重量部(更に好ましくは、0.1〜
10重量部)である。 (2)一般式(I)で表される色素が、下記一般式(I
−A)で表される。
【0016】
【化9】
【0017】[式中、Z11及びZ22は、各々独立に、置
換基を有しても良い、ベンゼン環又はナフタレン環を形
成するのに必要な原子団を表し、R10、R11、R12、R
13、R14及びR15は各々独立に炭素数1〜8のアルキル
基を表し、L1 、L2 、L3、L4 及びL5 は、各々独
立に、置換されていてもよいメチン基を表し(好ましく
は、L2 、L3 及びL4 が、各々独立に、無置換のメチ
ン基、又は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数7〜10
のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、ヘテロ
環基、ハロゲン原子又は炭素数1〜8のカルバモイル基
で置換されたメチン基である、これらは可能な場合は、
さらに置換基を有していてもよい。)、M2m2- は陰イ
オンを表し、m2は1又は2を表し、そしてn1及びn
2は各々独立に0又は1を表す。] (3)一般式(I−A)で表される色素が、下記の一般
式(I−A−1)で表されるシアニン色素である。
【0018】
【化10】
【0019】[式中、R16は、一般式(I−A)におけ
るR10と、R17とR18はそれぞれ一般式(I−A)にお
けるR12、R13と、L1 、L2 、L3 、L4 及びL5
それぞれ一般式(I−A)におけるL1 、L2 、L3
4 及びL5 と、M3は一般式(I−A)におけるM2
と、m3は一般式(I−A)におけるm2と、そしてn
1およびn2はそれぞれ一般式(I−A)におけるn1
と、それぞれ同義である。] (4)一般式(I−A)で表される色素が、下記の一般
式(I−A−2)で表されるシアニン色素である。
【0020】
【化11】
【0021】[式中、R19は、水素原子、塩素原子、フ
ッ素原子、メチル、メトキシ、エトキシ又はスルファモ
イル基であり、R16は、一般式(I−A)におけるR10
と、R17とR18はそれぞれ一般式(I−A)におけるR
12、R13と、L1 、L2 、L3 、L4 及びL5 はそれぞ
れ一般式(I−A)におけるL1 、L2 、L3 、L4
びL5 と、M3は一般式(I−A)におけるM2と、m
3は一般式(I−A)におけるm2と、そしてn1及び
n2はそれぞれ一般式(I−A)におけるn1と、それ
ぞれ同義である。]
【0022】(5)一般式(II−1)又は(II−2)に
おいて、kが1〜4である。 (6)一般式(II−1)又は(II−2)において、kが
2である。 (7)一般式(II−1)又は(II−2)において、n3
及びn4が共に1であるか、あるいはn3が0でn4が
1又は2、又はn3が1又は2でn4が0である。 (8)一般式(II−1)又は(II−2)において、X1
が、=Oであり、X2が、−Oである。 (9)一般式(II−1)又は(II−2)において、Z3
及びZ4 が形成する炭素環もしくは複素環が各々独立
に、ピラゾロン、チオバルビツール酸、バルビツール
酸、インダンジオン、又はヒドロキシフェナレンオンで
ある。 (10)一般式(II−1)又は(II−2)において、M
k+で表されるオニウムイオンが下記一般式(III)で表さ
れる。
【0023】
【化12】
【0024】[式中、R31及びR32は各々独立にアルキ
ル基、 アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表
し、R33及びR34は各々独立に置換基を表し、但し、R
31とR32、R31とR33、R32とR34又はR33とR34は各
々互いに連結して環を形成しても良く、q1及びr1は
各々独立に0〜4の整数を表し、そしてq1とr1の双
方が2以上の場合には、複数のR33及び複数のR34は各
々互いに同じであっても異なっていてもよい。]
【0025】(11)一般式(II−1)又は(II−2)
において、Mk+で表されるオニウムイオンが下記一般式
(IV)で表される。
【0026】
【化13】
【0027】[式中、R45及びR46は各々独立にアルキ
ル基、 アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表
し、R47及びR48は各々独立に置換基を表し、但し、R
45とR46、R45とR47、R46とR48又はR47とR48は各
々互いに連結して環を形成しても良く、q2及びr2は
各々独立に0〜4の整数を表し、そしてq2とr2の双
方が2以上の場合には、複数のR47及び複数のR48は各
々互いに同じでもあっても異なっていてもよい。]
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の光情報記録媒体は、記録
層が、一般式(I)で表される色素と、後述する一般式
(II−1)で表される色素及び/又は一般式(II−2)
で表される色素を含むことを特徴とする。まず、一般式
(I)で表される色素(シアニン色素)について説明す
る。
【0029】
【化14】
【0030】上記式(I)において、Z1 及びZ2 は各
々独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成するた
めに必要な原子群を表す。pおよびqはそれぞれ独立に
0または1を表す。pおよびqは、共に0であることが
好ましい。上記Z1 又はZ2 によって形成される核とし
ては、3,3−ジアルキルインドレニン核、3,3−ジ
アルキルベンゾインドレニン核、チアゾール核、ベンゾ
チアゾール核、ナフトチアゾール核、チアゾリン核、オ
キサゾール核、ベンゾオキサゾール核、ナフトオキサゾ
ール核、オキサゾリン核、セレナゾール核、ベンゾセレ
ナゾール核、ナフトセレナゾール核、セレナゾリン核、
テルラゾール核、ベンゾテルラゾール核、ナフトテルラ
ゾール核、テルラゾリン核、イミダゾール核、ベンゾイ
ミダゾール核、ナフトイミダゾール核、ピリジン核、キ
ノリン核、イソキノリン核、イミダゾ〔4,5ーb〕キ
ノキザリン核、オキサジアゾール核、チアジアゾール
核、テトラゾール核、及びピリミジン核を挙げることが
できる。ここで挙げられた5員または6員の含窒素複素
環は、可能な場合は、置換基(置換原子であってもよ
い)を有していても良い。
【0031】上記置換基としては、例えば、ハロゲン原
子又は、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及び
水素原子で構成される置換基を挙げることができる。具
体的には、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、
アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニ
トロ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボ
ンアミド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ
基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルコキシスルホ
ニルアミノ基、ウレイド基、チオウレイド基、アシル
基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル
基、スルフィニル基、スルファモイル基、カルボキシル
基(塩を含む)、及びスルホ基(塩を含む)を挙げるこ
とができる。これらは更にこれらの置換基で置換されて
いてもよい。
【0032】上記置換基の例を更に詳しく説明する。ハ
ロゲン原子としては例えば、フッ素原子、塩素原子、及
び臭素原子を挙げることができる。アルキル基は、炭素
数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の直鎖、分岐鎖
または環状の置換基を有していてもよいアルキル基であ
り、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、ペンチル、2ーヒドロキシエ
チル、4ーカルボキシブチル、ヘキシル、オクチル、ベ
ンジル及びフェネチルを挙げることができる。アルケニ
ル基は、炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の
直鎖、分岐鎖または環状のアルケニル基であり、例え
ば、ビニル、アリル、1ープロペニル、2ーペンテニ
ル、1,3ーブタジエニル、及び2ーオクテニルを挙げ
ることができる。
【0033】アラルキル基は、炭素数7〜10のアラル
キル基であり、例えば、ベンジルを挙げることができ
る。アリール基は、炭素数6〜10の置換基を有してい
てもよいアリール基であり、例えば、フェニル、ナフチ
ル、4ーカルボキシフェニル、3ーカルボキシフェニ
ル、3,5−ジカルボキシフェニル、4ーメタンスルホ
ンアミドフェニル及び4ーブタンスルホンアミドフェニ
ルを挙げることができる。ヘテロ環基は、炭素原子、窒
素原子、酸素原子、あるいは硫黄原子から構成される5
〜6員環の飽和または不飽和のヘテロ環基であり、環を
構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数
であってもよく、例えば、オキサゾール環、ベンゾオキ
サゾール環、5ーカルボキシベンゾオキサゾール環、チ
アゾール環、イミダゾール環、ピリジン環、スルホラン
環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、ピロール
環、クロマン環及びクマリン環を挙げることができる。
【0034】アルコキシ基は、炭素数1〜18(好まし
くは炭素数1〜8)のアルコキシ基であり、例えば、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、及びブトキシを挙げる
ことができる。アリールオキシ基は、炭素数6〜10の
置換基を有していてもよいアリールオキシ基であり、例
えば、フェノキシ、及びpーメトキシフェノキシを挙げ
ることができる。アルキルチオ基は、炭素数1〜18
(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルチオ基であり、
例えば、メチルチオ及びエチルチオを挙げることができ
る。アリールチオ基は、炭素数6〜10のアリールチオ
基であり、例えば、フェニルチオを挙げることができ
る。アシルオキシ基は、炭素数1〜18(好ましくは炭
素数1〜8)のアシルオキシ基であり、例えば、アセト
キシ、プロパノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、及び
オクタノイルオキシを挙げることができる。
【0035】アルキルアミノ基は、炭素数1〜18(好
ましくは炭素数1〜8)のアルキルアミノ基であり、例
えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジブチルアミノ及びオクチルアミノを挙げることが
できる。アミド基は、炭素数1〜18(好ましくは、炭
素数1〜8)のアミド基であり、例えば、アセトアミ
ド、プロパノイルアミノ、ペンタノイルアミノ、オクタ
ノイルアミノ、オクタノイルメチルアミノ、及びベンズ
アミドを挙げることができる。スルホンアミド基は、炭
素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のスルホンア
ミド基であり、例えば、メタンスルホンアミド、エタン
スルホンアミド、プロパンスルホンアミド、ブタンスル
ホンアミド、およびベンゼンスルホンアミドを挙げるこ
とができる。アルコキシカルボニルアミノ基は、炭素数
1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシカル
ボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルア
ミノ及びエトキシカルボニルアミノを挙げることができ
る。アルコキシスルホニルアミノ基は、炭素数1〜18
(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシスルホニルア
ミノ基であり、例えば、メトキシスルホニルアミノ及び
エトキシスルホニルアミノを挙げることができる。
【0036】スルファモイルアミノ基は、炭素数1〜1
8(好ましくは炭素数1〜8)の置換基を有していても
よいスルファモイルアミノ基で例えば、メチルスルファ
モイルアミノ、ジメチルスルファモイルアミノ、エチル
スルファモイルアミノ、プロピルスルファモイルアミ
ノ、及びオクチルスルファモイルアミノを挙げることが
できる。ウレイド基は、炭素数1〜18(好ましくは炭
素数1〜8)の置換基を有していてもよいウレイド基で
あり、例えば、ウレイド、メチルウレイド、N,Nージ
メチルウレイド、オクチルウレイドを挙げることができ
る。チオウレイド基は、炭素数1〜18(好ましくは炭
素数1〜8)の置換基を有していてもよいチオウレイド
基であり、例えば、チオウレイド、メチルチオウレイ
ド、N,Nージメチルチオウレイド、オクチルチオウレ
イドを挙げることができる。アシル基は、炭素数1〜1
8(好ましくは炭素数1〜8)のアシル基であり、例え
ばアセチル、プロパノイル及びベンゾイルを挙げること
ができる。アルコキシカルボニル基は、炭素数1〜18
(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシカルボニル基
であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル、及びオクチルオキシカルボニルを挙げることがで
きる。
【0037】カルバモイル基は、炭素数1〜18(好ま
しくは炭素数1〜8)の置換基を有していてもよいカル
バモイル基であり、例えば、カルバモイル、N, Nージ
メチルカルバモイル、及びN−エチルカルバモイルを挙
げることができる。スルホニル基は、炭素数1〜18
(好ましくは炭素数1〜8)のアルキル又はアリールス
ルホニル基であり、例えば、メタンスルホニル、エタン
スルホニル、及びベンゼンスルホニルを挙げることがで
きる。スルフィニル基は、炭素数1〜18(好ましくは
炭素数1〜8)のアルキルスルフィニル基であり、例え
ば、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル、及びオ
クタンスルフィニルを挙げることができる。スルファモ
イル基は、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)
の置換基を有していても良いスルファモイル基であり、
例えば、スルファモイル、ジメチルスルファモイル、エ
チルスルファモイル、ブチルスルファモイル、オクチル
スルファモイル、及びフェニルスルファモイルを挙げる
ことができる。
【0038】Z1 およびZ2 は、各々独立に、置換また
は無置換の3,3−ジアルキルインドレニン核、又は
3,3−ジアルキルベンゾインドレニン核であることが
好ましい。更に好ましくは、Z1 およびZ2 が共に、置
換または無置換の3,3−ジアルキルインドレニン核、
又は3,3−ジアルキルベンゾインドレニン核である。
【0039】R1 及びR2 は各々独立にアルキル基を表
す。R1 又はR2 で表されるアルキル基は、炭素数1〜
18(好ましくは炭素数1〜8)の置換または無置換の
直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、その置換
基としては、含窒素複素環の置換基として挙げたものに
同義であり、またその好ましい範囲も同一である。好ま
しくは、無置換のアルキル基、あるいはアリール基、ハ
ロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキ
シ基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシカルボ
ニル基、カルボキシル基又はスルホ基で置換されたアル
キル基である。これらの例としては、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2−エ
チルヘキシル、オクチル、ベンジル、2−フェニルエチ
ル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、
2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−
カルボキシブチル、カルボキシメチル、2−メトキシエ
チル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル、2−スル
ホエチル、3−スルホプロピル、3−スルホブチル、4
−スルホブチル、2−(3−スルホプロポキシ)エチ
ル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル、3−スルホ
プロポキシエトキシエチル、2−アセトキシエチル、カ
ルボメトキシメチル、及び2−メタンスルホニルアミノ
エチルを挙げることができる。
【0040】L1 、L2 、L3 、L4 及びL5 で表され
るメチン基は、各々独立に無置換または置換メチン基で
あり、その置換基の詳細としては、含窒素複素環の置換
基として説明したものに同義であり、その好ましい範囲
も同一である。また、置換基を有する場合には、置換基
同士が連結して5〜7員環を形成してもよく、あるいは
助色団と環を形成することもできる。ここで5〜7員環
としては、例えばシクロペンテン環、1−ジメチルアミ
ノシクロペンテン環、1−ジフェニルアミノシクロペン
テン環、シクロヘキセン環、1−クロロシクロヘキセン
環、イソホロン環、1−モルホリノシクロペンテン環、
及びシクロヘプテン環を挙げることができる。n1及び
n2は、各々独立に、0又は1を表す。
【0041】M1は電荷均衡対イオンを表す。M1は陽
イオンでも陰イオンでも良い。陽イオンとしては、例え
ば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオ
ンなどのアルカリ金属イオン、テトラアルキルアンモニ
ウムイオン、ピリジニウムイオンなどの有機イオンが挙
げられる。陰イオンは無機陰イオンあるいは有機陰イオ
ンのいずれであってもよく、ハロゲン陰イオン(例え
ば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イ
オンなど)、スルホネートイオン(例えば、メタンスル
ホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、
メチル硫酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、p
−クロロベンゼンスルホン酸イオン、1,3−ベンゼン
ジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸
イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオンな
ど)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオ
ン、テトラフルオロほう酸イオン、ピクリン酸イオン、
酢酸イオン、下記式で示される金属錯体イオン:
【0042】
【化15】
【0043】および、リン酸イオン(例えば、ヘキサフ
ルオロリン酸イオン、下記式で示されるリン酸イオン:
【0044】
【化16】
【0045】を挙げることができる。陰イオンは一価又
は二価であることが好ましい。m1は電荷を均衡させる
のに必要な数(0以上、好ましくは0〜4の数)を表
し、分子内で塩を形成する場合には0である。一般式
(I)で表される色素は、任意の炭素原子上で2種が結
合して、ビス型構造を形成してもよい。
【0046】一般式(I)で表されるシアニン色素は、
下記一般式(I−A)で表されるシアニン色素であるこ
とが好ましい。
【0047】
【化17】
【0048】式中、Z11及びZ22は、各々独立に、置換
基を有してもよい、ベンゼン環またはナフタレン環を形
成するために必要な原子団を表す。R10、R11、R12
13、R14及びR15は、各々独立に炭素数1〜8のアル
キル基を表す。L1 、L2 、L3 、L4 及びL5 は、各
々独立に無置換または置換メチン基を表す(好ましく
は、L2 、L3 及びL4 が、各々独立に、無置換のメチ
ン基、又は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数7〜10
のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、ヘテロ
環基、ハロゲン原子又は炭素数1〜8のカルバモイル基
で置換されたメチン基である、これらは可能な場合は、
さらに置換基を有していてもよい)。M2m2-は、陰イ
オンを表し、m2は1又は2を表す。そしてn1及びn
2は各々独立に0又は1を表す。
【0049】一般式(I−A)で表されるシアニン色素
は、以下の場合であることが好ましい。Z11及びZ
22は、各々独立に、無置換のベンゼン環あるいはナフタ
レン環を形成するために必要な原子団、または、塩素原
子、フッ素原子、メチル、メトキシ、エトキシ、及びス
ルファモイル基から選ばれる1又は2個の基で置換され
たベンゼン環を形成するために必要な原子団であり、R
10及びR11は各々独立に、無置換のアルキル基、または
フッ素原子もしくはアルコキシ基で置換された炭素数1
〜6のアルキル基であり、R12、R13、R14及びR15
各々独立に、炭素数1〜6の無置換のアルキル基であ
り、n1及びn2が共に1の時のL3 、n1が1でn2
が0の時のL2 、及びn1が0でn2が1の時のL4
は、各々独立に、無置換のメチン基、または置換基を有
してもよい、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル、ピ
リジル、ピリミジル、ベンゾオキサゾール、又はハロゲ
ン原子で置換されたメチン基であり、M2は過塩素酸イ
オン、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸イオン、テト
ラフルオロほう酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオ
ン、又は下記式で示される金属錯体イオン:
【0050】
【化18】
【0051】である。一般式(I−A)において、その
最も好ましい組み合わせは、R10及びR11は各々独立
に、無置換のアルキル基(好ましくは、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、及びブチル)であり、R
12、R13、R14及びR15は各々独立に、メチル、エチル
であり、n1及びn2が共に1の時のL3 、n1が1で
n2が0の時のL2 、及びn1が0でn2が1の時のL
4 は、各々独立に、無置換のメチン基、あるいは塩素原
子、臭素原子、メチル、又はエチルで置換されたメチン
基であり、M2は過塩素酸イオン、テトラフルオロほう
酸イオン、又はナフタレン−1,5−ジスルホン酸イオ
ンである。
【0052】一般式(I−A)で表される色素は、下記
の一般式(I−A−1)又は一般式(I−A−2)で表
されるシアニン色素であることが更に好ましい。
【0053】
【化19】
【0054】式中、R16は、一般式(I−A)における
10と、R17とR18はそれぞれ一般式(I−A)におけ
るR12とR13と、L1 、L2 、L3 、L4 及びL5 は、
それぞれ一般式(I−A)におけるL1 、L2 、L3
4 及びL5 と、M3は一般式(I−A)におけるM2
と、m3は一般式(I−A)におけるm2と、そしてn
1及びn2はそれぞれ一般式(I−A)におけるn1
と、それぞれ同義である。またこれらは、その好ましい
範囲も同一である。
【0055】
【化20】
【0056】式中、R19は、水素原子、塩素原子、フッ
素原子、メチル、メトキシ、エトキシ又はスルファモイ
ル基であり、またR16は、一般式(I−A)におけるR
10と、R17とR18はそれぞれ一般式(I−A)における
12とR13と、L1 、L2 、L3 、L4 及びL5 は、そ
れぞれ一般式(I−A)におけるL1 、L2 、L3 、L
4 及びL5 と、M3は一般式(I−A)におけるM2
と、m3は一般式(I−A)におけるm2と、そしてn
1及びn2はそれぞれ一般式(I−A)におけるn1
と、それぞれ同義である。またこれらは、その好ましい
範囲も同一である。
【0057】本発明に係る一般式(I)で表されるシア
ニン色素の具体的な化合物例を以下に記載する。
【0058】
【化21】
【0059】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 色素番号 R13 M ──────────────────────────────────── I−1 CH3 CH3 ClO4 - I−2 CH325 ClO4 - I−3 C25 CH3 PF6 - I−4 n−C37 CH3 CF3 SO3 - I−5 n−C49 CH3 ClO4 - I−6 CH3 CH3 1/2 [ナフタレン−1,5-ジ スルホン酸イオン] I−7 CH3 CH3 BF4 - I−8 CH3 CH3 パラトルエンスルホン酸イオン I−9 CH2CH(CH3)2 CH3 ClO4 - I−10 CH2CHOC2H5 CH3 ClO4 - I−11 CH3 CH3 注1)下記式で示されるイオン ────────────────────────────────────
【0060】注1):
【化22】
【0061】
【化23】
【0062】
【表2】 表2 ──────────────────────────────────── 色素番号 R14 M ──────────────────────────────────── I−12 CH3 CH3 ClO4 - I−13 CH3 CH3 1/2 [ナフタレン−1,5-ジ スルホン酸イオン] I−14 n- C49 CH3 ClO4 - I−15 CH3 CH3 BF4 - I−16 CH3 -CH2Ph ClO4 - I−17 CH3 Ph ClO4 - I−18 CH3 4−ピリジル ClO4 - I−19 CH3 2−ベンゾオキサゾール ClO4 - I−20 CH3 Br ClO4 - I−21 CH3 Cl パラトルエンスルホン酸イオン I−22 CH2CO2C2H5 H パラトルエンスルホン酸イオン I−23 注2)下記式 H パラトルエンスルホン酸イオン で示される基 ────────────────────────────────────
【0063】注2):
【化24】
【0064】
【化25】
【0065】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 色素番号 R134 X M ──────────────────────────────────── I−24 CH3 CH3 H H ClO4 - I−25 n-C3H7 CH3 H H BF4 - I−26 CH3 CH3 CH3 H ClO4 - I−27 CH3 CH3 Ph H ClO4 - I−28 CH3 CH3 H Cl ClO4 - I−29 CH3 CH3 H 0CH3 ClO4 - I−30 CH3 CH3 H SO2 NH2 ClO4 - I−31 CH3 CH3 CH3 H I- I−32 n-C4H925 H H BF4 - I−33 n-C4H925 4-ピリミジル Cl ClO4 - ────────────────────────────────────
【0066】
【化26】
【0067】
【表4】 表4 ──────────────────────────────────── 化合物番号 R134 M ──────────────────────────────────── I−34 CH3 CH3 H ClO4 - I−35 CH325 H ClO4 - I−36 C25 CH3 H PF6 - I−37 n-C3H7 CH3 H CF3 SO3 - I−38 n-C4H9 CH3 H ClO4 - I−39 CH3 CH3 H 1/2 [ナフタレン−1,5-ジ スルホン酸イオン] I−40 CH3 CH3 H BF4 - I−41 CH3 CH3 H パラトルエンスルホン酸イオン I−42 CH2CH(CH3)2 CH3 H ClO4 - I−43 CH2CH2OC2H5 CH3 H ClO4 - I−44 CH3 CH3 CH3 ClO4 - I−45 CH3 CH3 Cl ClO4 - I−46 n-C4H9 CH3 Br BF4 - ────────────────────────────────────
【0068】
【化27】
【0069】
【表5】 表5 ──────────────────────────────────── 化合物番号 R134 X M ──────────────────────────────────── I−47 CH3 CH3 H H パラトルエンスル ホン酸イオン I−48 CH325 H H ClO4 - I−49 n-C3H7 CH3 CH3 H ClO4 - I−50 C25 CH3 -CH2Ph H ClO4 - I−51 n-C3H7 CH3 H H BF4 - I−52 n-C4H9 CH3 H Cl ClO4 - I−53 n-C3H7 CH3 H OCH3 ClO4 - I−54 CH2CH(CH3)2 CH3 H SO2NH2 ClO4 - I−55 CH3 CH3 H H 注3)下記式で示される イオン ────────────────────────────────────
【0070】注3):
【化28】
【0071】
【化29】
【0072】
【化30】
【0073】
【化31】
【0074】
【化32】
【0075】
【化33】
【0076】
【化34】
【0077】
【化35】
【0078】一般式(I)で表されるシアニン色素は、
エフ・エム・ハーマー(F.M.Hamer)著「ヘテ
ロサイクリック・コンパウンズーシアニン・ダイズ・ア
ンド・リレイテッド・コンパウンズ(Heterocyclic Com
pounds-Cyanine Dyes and Related Compounds)」, ジョ
ン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)社
ーニューヨーク、ロンドン、1964年刊;デー・エム
・スターマー(D.M.Sturmer)著「ヘテロサ
イクリック・コンパウンズースペシャル・トピックス・
イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocycli
c Compounds-Special topics in heterocyclic chemist
ry) 」、第18章、第14節、第482から515頁、
ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Son
s)社ーニューヨーク、ロンドン、1977年刊;「ロッ
ズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rod
d's Chemistry of Carbon Compounds)」 2nd.Ed.vol.I
V,partB, 1977刊、第15章、第369から422
頁、エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー
・インク(Elsevir Science Publishing Company Inc.)
社刊、ニューヨーク、などに記載の方法に基づいて合成
することができる。
【0079】一般式(I)で表されるシアニン色素は、
目的に応じて二種以上併用することができる。
【0080】次に、下記一般式(II−1)で表される色
素または一般式(II−2)で表される色素について説明
する。
【0081】
【化36】
【0082】上記一般式(II−1)で表される色素又は
一般式(II−2)で表される色素は、アニオン部とカチ
オン部からなる。まず、アニオン部(色素成分)につい
て詳述する。上記式において、A1 、A2 、B1 及びB
2 で表される置換基としては、例えば以下のものを挙げ
ることができる。炭素数1〜18(好ましくは炭素数1
〜8)の置換もしくは無置換の直鎖状、分岐鎖状または
環状のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、t−ブチル、シクロヘキシル、メトキシエチル、エ
トキシカルボニルエチル、シアノエチル、ジエチルアミ
ノエチル、ヒドロキシエチル、クロロエチル、アセトキ
シエチル、トリフルオロメチル等);炭素数7〜18
(好ましくは炭素数7〜12)の置換もしくは無置換の
アラルキル基(例、ベンジル、カルボキシベンジル
等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のア
ルケニル基(例、ビニル等);炭素数2〜18(好まし
くは炭素数2〜8)のアルキニル基(例、エチニル
等);炭素数6〜18(好ましくは炭素数6〜10)の
置換もしくは無置換のアリール基(例、フェニル、4−
メチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−カルボキ
シフェニル、3、5−ジカルボキシフェニル等);
【0083】炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜
8)の置換もしくは無置換のアシル基(例、アセチル、
プロピオニル、ブタノイル、クロロアセチル等);炭素
数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは
無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基(例、メ
タンスルホニル、p−トルエンスルホニル等);炭素数
1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルスルフ
ィニル基(例、メタンスルフィニル、エタンスルフィニ
ル、オクタンスルフィニル等);炭素数2〜18(好ま
しくは炭素数2〜8)のアルコキシカルボニル基(例、
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等);炭素数
7〜18(好ましくは炭素数7〜12)のアリールオキ
シカルボニル基(例、フェノキシカルボニル、4−メチ
ルフェノキシカルボニル、4−メトキシフェニルカルボ
ニル等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)
の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例、メトキシ、
エトキシ、n−ブトキシ、メトキシエトキシ等);炭素
数6〜18(好ましくは炭素数6〜10)の置換もしく
は無置換のアリールオキシ基(例、フェノキシ、4−メ
トキシフェノキシ等);炭素数1〜18(好ましくは炭
素数1〜8)のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチ
ルチオ等);炭素数6〜10のアリールチオ基(例、フ
ェニルチオ等);
【0084】炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜
8)の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例、アセ
トキシ、エチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカル
ボニルキシ、ベンゾイルオキシ、クロロアセチルオキシ
等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置
換もしくは無置換のスルホニルオキシ基(例、メタンス
ルホニルオキシ等);炭素数2〜18(好ましくは炭素
数2〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ
基(例、メチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモ
イルオキシ等);無置換のアミノ基もしくは炭素数1〜
18(好ましくは炭素数1〜8)の置換アミノ基(例、
メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アニ
リノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミ
ノ、ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、n−
ブトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミ
ノ、メチルカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイル
アミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、メチルスルフ
ァモイルアミノ、フェニルスルファモイルアミノ、アセ
チルアミノ、エチルカルボニルアミノ、エチルチオカル
ボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベン
ゾイルアミノ、クロロアセチルアミノ、メタンスルホニ
ルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等);
【0085】炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜
8)の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例、無置
換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバ
モイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモ
イル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバモイ
ル、ピロリジノカルバモイル等);無置換のスルファモ
イルもしくは炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜
8)の置換スルファモイル基(例、メチルスルファモイ
ル、フェニルスルファモイル等);ハロゲン原子(例、
フッ素、塩素、臭素等);水酸基;ニトロ基;シアノ
基;カルボキシル基;ヘテロ環基(例、オキサゾール、
ベンゾオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、
イミダゾール、ベンゾイミダゾール、インドレニン、ピ
リジン、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、スルホ
ラン、フラン、チオフェン、ピラゾール、ピロール、ク
ロマン、クマリンなど)。
【0086】A1 及びA2 で表される置換基は、ハメッ
トの置換基定数(σp )の値が0.2以上のものである
ことが好ましい。ハメットの置換基定数は例えば、Ch
em.Rev.91,165(1991)に記載されて
いる。特に好ましい置換基は、シアノ基、ニトロ基、ア
ルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、ス
ルファモイル基、アルキルスルホニル基及びアリールス
ルホニル基である。
【0087】B1 及びB2 で表される置換基は、アルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基、又はアミノ基である
ことが好ましい。
【0088】Z3 に結合する[−C(=L6 )−(E)
x −C(=X1 )−](以下、便宜的に、W1と称す
る。)と、Z4 に結合する[−C(−L10)=(G)y
=C(−X2 - ) −](以下、便宜的に、W2と称す
る)とはそれぞれ共役状態にあるため、Z3 とW1とで
形成される炭素環もしくは複素環、及びZ4 とW2とで
形成される炭素環もしくは複素環はそれぞれ共鳴構造の
1つとして考えられる。上記Z3 とW1、及びZ4 とW
2とで形成される炭素環もしくは複素環は、4〜7員環
が好ましく、特に好ましくは、5員環または6員環であ
る。これらの環は更に他の4〜7員環と縮合環を形成し
ていても良い。またこれらは置換基を有していてもよ
い。置換基としては、例えば、A1 、A2 、B1 及びB
2 で表される置換基の具体例が挙げられる。複素環を形
成するヘテロ原子として好ましいものは、B、N、O、
S、Se、及びTeである。特に好ましくは、N、O及
びSである。x及びyは、それぞれ独立に0または1で
あり、好ましくは共に0である。
【0089】X1 は、=O、=NR又は=C(CN)2
を表す。またX2 は、−O、−NR又は−C(CN)2
を表す。Rは置換基を表す。Rで表される置換基は、前
述したA1 、A2 、B1 及びB2 で表される置換基の具
体例が挙げられる。Rは、アリール基であることが好ま
しい。特に好ましくはフェニルである。本発明において
は、X1 は、=Oであり、またX2 は、−Oである場合
が好ましい。
【0090】Z3 とW1、およびZ4 とW2で形成され
る炭素環としては例えば、以下のものが挙げられる。な
お、例示中、Ra 及びRb は各々独立に、水素原子また
は置換基を表す。
【0091】
【化37】
【0092】好ましい炭素環は、A−1、及びA−4で
示される炭素環である。
【0093】Z3 とW1、およびZ4 とW2で形成され
る複素環としては例えば、以下のものが挙げられる。な
お、例示中、Ra 、Rb 及びRc は各々独立に、水素原
子または置換基を表す。
【0094】
【化38】
【0095】
【化39】
【0096】
【化40】
【0097】
【化41】
【0098】
【化42】
【0099】好ましい複素環は、A−5、A−6、及び
A−7で示される複素環である。Ra 、Rb 及びRc で
表される置換基は、前記A1 、A2 、B1 及びB2 で表
される置換基の具体例と同義である。またRa 、Rb 及
びRc はそれぞれ互いに連結して炭素環又は複素環を形
成してもよい。
【0100】L6 、L7 、L8 、L9 及びL10で表され
るメチン基は各々独立に、置換基を有していてもよいメ
チン基である。その置換基としては、例えば、前述した
1、A2 、B1 及びB2 で表される置換基の具体例を
挙げることができる。好ましい置換基(置換原子であっ
てもよい)は、アルキル基、アラルキル基、アリール
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、ハロゲン原子、アミノ基、カルバ
モイル基及びヘテロ環基である。又置換基同志が連結し
て5〜7員環(例、シクロペンテン環、1−ジメチルア
ミノシクロペンテン環、1−ジフェニルアミノシクロペ
ンテン環、シクロヘキセン環、1−クロロシクロヘキセ
ン環、イソホロン環、1−モルホリノシクロペンテン
環、シクロヘプテン環)を形成してもよい。本発明にお
いては、n3及びn4が共に1であるか、あるいはn3
が0でn4が1又は2、あるいはまたn3が1又は2で
n4が0である場合が好ましい。
【0101】次に、カチオン部について詳述する。Mk+
は、プロトン又はオニウムイオンを表す。Mk+で表され
るオニウムイオンとしては、無置換のアンモニウムイオ
ン(NH4 +)、メチルアンモニウム、エチルアンモニウ
ム、ブチルアンモニウムなどの第1級アンモニウムイオ
ン、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ブ
チルアンモニウムなどの第2級アンモニウムイオン、ト
リメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリ
ブチルアンモニウムなどの第3級アンモニウムイオン、
及び正電荷を持ったオニウム原子に水素原子が結合して
いないオニウムイオンを挙げることができる。正電荷を
持ったオニウム原子に水素原子が結合していないオニウ
ムイオンとしては、例えば、第4級アンモニウムイオ
ン、オキソニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホ
ニウムイオン、セレノニウムイオン、ヨードニウムイオ
ンなどが挙げられる。Mk+は、シアニン色素ではないこ
とが好ましい。好ましくは第4級アンモニウムイオンで
ある。
【0102】第4級アンモニウムは、一般に第3級アミ
ン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルピ
ロリジン、N−メチルピペリジン、N,N−ジメチルピ
ペラジン、トリエチレンジアミン、N,N,N´,N´
−テトラメチルエチレンジアミンなど)あるいは含窒素
複素環(ピリジン、ピコリン、2,2´−ビピリジル、
4,4´−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、
キノリン、オキサゾール、チアゾール、N−メチルイミ
ダゾール、ピラジン、テトラゾールなど)をアルキル
化、アルケニル化、アルキニル化あるいはアリール化、
又は特開昭51−16675号公報に記載された方法に
準じて得ることができる。
【0103】Mk+で表される第4級アンモニウムイオン
としては、含窒素複素環からなる第4級アンモニウムイ
オンが好ましく、特に好ましくは第4級ピリジニウムイ
オンである。
【0104】kは、1〜10の整数を表す。好ましくは
1〜4である。特に好ましくは2である。
【0105】Mk+で表されるオニウムイオンは、下記一
般式(III)または一般式(IV )で示されるものが最も好
ましい。
【0106】
【化43】
【0107】
【化44】
【0108】式中、R31、R32、R41及びR42は各々独
立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基または
アリール基を表す。R33、R34、R43及びR44は、各々
独立に置換基(置換原子であってもよい)を表す。R31
とR32、R33とR34、R41とR42、そしてR43とR
44は、それぞれが互いに連結して環を形成してもよく、
あるいはまたR31とR33、R32とR34、R41とR43、そ
してR42とR44は、それぞれが互いに連結して環を形成
してもよい。q1及びq2、そしてr1及びr2はそれ
ぞれ0から4の整数を表し、q1、q2、r1及びr2
が各々2以上の場合には、それらの複数のR33、R34
43及びR44はそれぞれ互いに同じであっても異なって
もよい。
【0109】R31、R32、R41およびR42で表されるア
ルキル基は、炭素数1〜18の置換もしくは無置換のア
ルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜8の置
換もしくは無置換のアルキル基であり、例えば、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、n−ヘキシル等が挙げられる。
【0110】アルキル基の置換基の例としては、以下の
ものを挙げることができる。ハロゲン原子(例、F、C
l、Br等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜
8)の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例、メトキ
シ、エトキシ);炭素数6〜10の置換もしくは無置換
のアリールオキシ基(例、フェノキシ、p−メトキシフ
ェノキシ);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜
8)の置換もしくは無置換のアルキルチオ基(例、メチ
ルチオ、エチルチオ);炭素数6〜10の置換もしくは
無置換のアリールチオ基(例、フェニルチオ);炭素数
2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無
置換のアシル基(例、アセチル、プロピオニル);炭素
数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは
無置換のアルキルスルホニル基またはアリールスルホニ
ル基(例、メタンスルホニル、p−トルエンスルホニ
ル);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置
換もしくは無置換のアシルオキシ基(例、アセトキシ、
プロピオニルオキシ);炭素数2〜18(好ましくは炭
素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシカルボ
ニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置
換もしくは無置換のアルケニル基(例、ビニル);
【0111】炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜
8)の置換もしくは無置換のアルキニル基(例、エチニ
ル);炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール
基(例、フェニル、ナフチル);炭素数7〜11の置換
もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基(例、ナ
フトキシカルボニル);無置換のアミノ基もしくは炭素
数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換アミノ基
(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、アニリノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニ
ルアミノ、ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミ
ノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボ
ニルアミノ、メチルカルバモイルアミノ、エチルチオカ
ルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、アセ
チルアミノ、エチルカルボニルアミノ、エチルチオカル
バモイルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベ
ンゾイルアミノ、クロロアセチルアミノ、メチルスルホ
ニルアミノ);
【0112】無置換のカルバモイルもしくは炭素数1〜
18(好ましくは炭素数1〜8)の置換カルバモイル基
(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−
ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ジメチ
ルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、ピロリジノ
カルバモイル);無置換のスルファモイル基もしくは炭
素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換スルフ
ァモイル基(例、メチルスルファモイル、フェニルスル
ファモイル);シアノ基;ニトロ基;カルボキシ基;水
酸基;ヘテロ環基(例、オキサゾール、ベンゾオキサゾ
ール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、
ベンゾイミダゾール、インドレニン、ピリジン、モルホ
リン、ピペリジン、ピロリジン、スルホラン、フラン、
チオフェン、ピラゾール、ピロール、クロマン、クマリ
ン)。
【0113】R31、R32、R41およびR42で表されるア
ルケニル基は、炭素数2〜18の置換もしくは無置換の
アルケニル基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜8
の置換もしくは無置換のアルケニル基であり、例えば、
ビニル、アリル、1−プロペニル、1,3−ブタジエニ
ル等が挙げられる。アルケニル基の置換基としては、前
記アルキル基の置換基の具体例として挙げたものが好ま
しい。
【0114】R31、R32、R41およびR42で表されるア
ルキニル基は、炭素数2〜18の置換もしくは無置換の
アルキニル基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜8
の置換もしくは無置換のアルキニル基であり、例えば、
エチニル、2−プロピニル等が挙げられる。アルキニル
基の置換基は、前記アルキル基の置換基の具体例として
挙げたものが好ましい。
【0115】R31、R32、R41およびR42で表されるア
リール基は、炭素数6〜18の置換もしくは無置換のア
リール基が好ましく、例えば、フェニル、ナフチル等が
挙げられる。アリール基の置換基は前記アルキル基の置
換基の具体例が好ましい。またこれらの他に、アルキル
基(例えば、メチル、エチル等)も好ましい。
【0116】R33、R34、R43及びR44で表される置換
基は、前記A1 、A2 、B1 およびB2 で表される置換
基の具体例と同義である。本発明においては、R33、R
34、R43及びR44で表される置換基は、水素原子または
アルキル基であることが好ましい。特に好ましくは、水
素原子である。
【0117】本発明においては、R41とR42が互いに連
結して環を形成している場合が好ましい。形成される環
は5〜7員環が好ましく、より好ましくは6員環であ
る。またR33とR34、及びR43とR44はそれぞれ互いに
連結して炭素環または複素環を形成している場合も好ま
しい。更に好ましくは炭素環であり、特に好ましくは、
33、R34、R43及びR44がそれぞれ結合しているピリ
ジン環との縮合芳香環である。
【0118】一般式(I−1)で表される色素又は(I
−2)で表される色素のアニオン部(B−で表示する)
とカチオン部(C−で表示する)について以下に具体的
に記載する。
【0119】
【化45】
【0120】
【表6】 表6 ──────────────────────────────────── 番号 Ra Rb ──────────────────────────────────── B−1 COOEt H B−2 COOEt CH3 B−3 COOEt Ph B−4 COOEt CH2 CH2 OH B−5 COOCH3 Ph B−6 COOEt 2,4,6-トリクロロフェニル B−7 COOEt CONHC49(n) B−8 COOEt CONHPh B−9 CN Ph B−10 COCH3 Ph B−11 CF3 Ph B−12 CONHCH3 CH3 B−13 CONHCH3 Ph B−14 CONHC49(n) Ph B−15 CONH−Ph Ph B−16 CONHCH3 2,4,6-トリクロロフェニル ────────────────────────────────────
【0121】
【化46】
【0122】
【表7】 表7 ──────────────────────────────────── 番号 Ra Rb L ──────────────────────────────────── B−17 CONHC49(n) CONHC49(n) CH B−18 Ph H CH B−19 Ph CH3 CH B−20 Ph Ph CH B−21 Ph 2,4,6-トリクロロフェニル CH B−22 p-メトキシフェニル Ph CH B−23 p-アセトアミドフェニル Ph CH B−24 p-トリル Ph CH B−25 Ph 2,4,6-トリクロロフェニル C(CH3) B−26 Ph CONHC49(n) CH B−27 Ph o−トリル CH B−28 COOEt CH2 −Ph CH B−29 SO2 CH3 Ph CH ────────────────────────────────────
【0123】
【化47】
【0124】
【表8】 表8 ──────────────────────────────────── 番号 Ra Rb L n ──────────────────────────────────── B−30 NHSO2CH3 Ph CH 1 B−31 OH Ph C(CONH2 ) 1 B−32 CH3 Ph C(Ph) 1 B−33 CH3 Ph C(CH2 Ph) 1 B−34 CH3 Ph 注4)下記の結合基 1 B−35 OEt Ph CH 1 B−36 NHCOCH3 Ph CH 1 B−37 NHCOPh Ph CH 1 B−38 NHCOPh CONHC4H9(n) CH 1 B−39 NHCOPh CONHPh CH 1 B−40 COOEt 2,4,6-トリクロロ CH 0 フェニル B−41 CN 2,4,6-トリクロロ CH 0 フェニル B−42 CF3 Ph CH 0 B−43 CONHC4H9(n) Ph CH 0 B−44 NHCOC4H9(n) Ph CH 0 ────────────────────────────────────
【0125】注4):
【化48】
【0126】
【化49】
【0127】
【表9】 表9 ──────────────────────────────────── 番号 Ra Rb L ──────────────────────────────────── B−45 注5)下記式で示 2,4,6-トリクロロフェニル CH される基 B−46 NH2 Ph CH B−47 NHCONHC4H9(n) Ph CH B−48 NHCOOC4H9(n) Ph CH B−49 3,5-ジクロロフェニル CH2 Ph CH B−50 NHCO−Ph Ph C(Ph) B−51 注6)下記式で示 Ph CH される基 B−52 注7)下記式で示 2,4,6-トリクロロフェニル CH される基 B−53 CN 2,4,6-トリクロロフェニル CH B−54 CF3 2,4,6-トリクロロフェニル CH ────────────────────────────────────
【0128】注5)
【化50】
【0129】注6)及び注7)
【化51】
【0130】
【化52】
【0131】
【表10】 表10 ──────────────────────────────────── 番号 Ra Rb L ──────────────────────────────────── B−55 COOEt 2,4,6-トリクロロフェニル C(CH3 ) B−56 CN 2,4,6-トリクロロフェニル C(CH3 ) B−57 CF3 2,4,6-トリクロロフェニル C(CH3 ) B−58 COCH3 2,4,6-トリクロロフェニル C(CH3 ) B−59 COOEt o−トリル C(CH3 ) B−60 CN o−トリル C(CH3 ) B−61 COOEt 2,4,6-トリクロロフェニル C(Br) B−62 COOEt 2,4,6-トリクロロフェニル C(Cl) B−63 CN 2,4,6-トリクロロフェニル C(Br) ────────────────────────────────────
【0132】
【化53】
【0133】
【表11】 表11 ──────────────────────────────────── 番号 Ra L ──────────────────────────────────── B−64 CN C(Br) B−65 COOEt C(Cl) B−66 COOEt CH B−67 CONHCH3 CH B−68 NHCOCH3 CH B−69 CH3 CH B−70 Ph CH ────────────────────────────────────
【0134】
【化54】
【0135】
【表12】 表12 ──────────────────────────────────── 番号 Ra Rb X L ──────────────────────────────────── B−71 H H O CH B−72 H CH3 O CH B−73 H n−C49 O CH B−74 n−C49 n−C49 O CH B−75 H Ph O CH B−76 H Ph O C(Ph) B−77 Ph Ph O CH B−78 H o−トリル O CH B−79 H p−トリル O CH B−80 H H S CH B−81 H C25 S CH B−82 C2525 S CH B−83 H n−C49 O C(CH2Ph) B−84 H Ph O C(CH3 ) B−85 H Ph S CH ────────────────────────────────────
【0136】
【化55】
【0137】
【表13】 表13 ──────────────────────────────────── 番号 Ra Rb X L ──────────────────────────────────── B−86 H n−C49 O CH B−87 H Ph O CH B−88 CH3 CH3 O CH B−89 Ph Ph O CH B−90 H Ph O C(CH3 ) B−91 H p−トリル O C(CH2Ph) B−92 H n−C49 S CH B−93 H Ph S CH B−94 Ph Ph S CH B−95 Et Et S CH B−96 H Ph S C(CH3 ) ────────────────────────────────────
【0138】
【化56】
【0139】
【化57】
【0140】
【化58】
【0141】
【化59】
【0142】
【化60】
【0143】
【化61】
【0144】
【化62】
【0145】
【化63】
【0146】
【化64】
【0147】
【化65】
【0148】
【化66】
【0149】
【化67】
【0150】
【化68】
【0151】
【化69】
【0152】
【化70】
【0153】
【化71】
【0154】
【表14】 表14 ──────────────────────────────────── 番号 R12 ──────────────────────────────────── C−17 CH3 CH3 C−18 C2525 C−19 n−C37 n−C37 C−20 n−C49 n−C49 C−21 iso-C49 iso-C49 C−22 n−C613 n−C613 C−23 CH2 Ph CH2 Ph C−24 CH2 CH=CHCH3 CH2 CH=CHCH3 C−25 CH=CH2 CH=CH2 C−26 CH2 CN CH2 CN C−27 CH2 COOEt CH2 COOEt C−28 CH2 CH2 OH CH2 CH2 OH C−29 CH2 CH2 OEt CH2 CH2 OEt C−30 CH3 n−C49 C−31 CH3 CH2 Ph C−32 CH2 COCH3 CH2 COCH3 C−33 CH2 CONH2 CH2 CONH2 C−34 CH2 CF3 CH2 CF3 C−35 Ph Ph ────────────────────────────────────
【0155】
【化72】
【0156】
【化73】
【0157】
【化74】
【0158】
【化75】
【0159】一般式(II−1)で表される色素又は(II
−2)で表される色素の好ましい具体的な化合物例を下
記の表1(その1及び2)に示す。表1において、化合
物例は、アニオン部とカチオン部とを組み合わせてなる
ものである。例えば、以下に、化合物No.1とNo.
5の例を挙げて説明する。化合物No.1[アニオン部
(B−3)/カチオン部(C−1)]で示される化合物
例、及び化合物No.5[アニオン部(B−3)/カチ
オン部(C−22)]で示される化合物例は、それぞれ
下記の式で示される。
【0160】
【化76】 なお、化合物No.2〜No.4、及び化合物No.6
以降の化合物例についても同様な意味である。
【0161】
【表15】 表15(その1) ──────────────────────────────────── 色素 色素 番号 アニオン部 カチオン部 番号 アニオン部 カチオン部 ──────────────────────────────────── 1 B− 3 C− 1 2 B− 3 C− 2 3 B− 3 C− 8 4 B− 3 C−17 5 B− 3 C−22 6 B− 3 C−41 7 B− 3 C−46 8 B− 3 C−51 9 B− 3 C−53 10 B− 6 C− 1 11 B− 6 C− 3 12 B− 6 C− 8 13 B− 6 C−17 14 B− 6 C−22 15 B− 6 C−41 16 B− 6 C−46 17 B− 6 C−51 18 B− 6 C−53 19 B− 9 C−51 20 B−11 C−51 21 B−20 C− 1 22 B−20 C− 3 23 B−20 C− 8 24 B−20 C−17 25 B−20 C−22 26 B−20 C−41 27 B−20 C−46 28 B−20 C−51 29 B−20 C−53 30 B−21 C−51 ────────────────────────────────────
【0162】
【表16】 表15(その2) ──────────────────────────────────── 色素 色素 番号 アニオン部 カチオン部 番号 アニオン部 カチオン部 ──────────────────────────────────── 31 B−25 C−51 32 B−27 C−51 33 B−40 C− 1 34 B−40 C− 8 35 B−40 C−51 36 B−40 C−53 37 B−41 C−20 38 B−41 C−51 39 B−41 C−53 40 B−42 C−51 41 B−53 C− 3 42 B−53 C− 8 43 B−53 C−17 44 B−53 C−22 45 B−53 C−51 46 B−55 C−51 47 B−61 C−22 48 B−61 C−51 49 B−61 C−53 50 B−62 C−51 51 B−64 C−51 52 B−66 C− 1 53 B−66 C− 3 54 B−66 C− 8 55 B−66 C−17 56 B−66 C−22 57 B−66 C−41 58 B−66 C−46 59 B−66 C−51 60 B−66 C−53 ────────────────────────────────────
【0163】
【表17】 表15(その3) ──────────────────────────────────── 色素 色素 番号 アニオン部 カチオン部 番号 アニオン部 カチオン部 ──────────────────────────────────── 61 B−70 C− 3 62 B−70 C− 8 63 B−70 C−35 64 B−70 C−51 65 B−70 C−53 66 B−71 C−30 67 B−71 C−51 68 B−75 C−22 69 B−76 C−22 70 B−82 C− 3 71 B−82 C−22 72 B−82 C−30 73 B−82 C−51 74 B−87 C− 3 75 B−87 C−22 76 B−87 C−30 77 B−87 C−51 78 B−92 C−51 79 B−94 C−51 80 B−95 C−22 81 B−95 C−51 82 B−97 C−22 83 B−98 C−22 84 B−101 C−22 85 B−101 C−29 86 B−102 C−41 87 B−102 C−46 88 B−110 C−51 89 B−121 C−51 90 B−129 C−51 91 B−133 C−51 92 B−152 C−51 93 B−158 C−51 94 B−115 C−22 ────────────────────────────────────
【0164】本発明に係る一般式(II−1)および一般
式(II−2)で表される、オニウムイオンを持つ色素
は、下記の一般式(V−1)および一般式(V−2)で
表される色素のアルカリ金属塩(例、Li塩、Na塩、
K塩など)、アンモニウム塩(NH4+塩)、あるいはト
リエチルアンモニウム塩(Et3 NH+ 塩)などの塩化
合物と、下記一般式(VI)で表されるオニウム塩との水
または有機溶媒中(メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、ジメチルホルムアミドなど)における塩交換
反応によって容易に合成できる。
【0165】
【化77】
【0166】式中、A3 、A4 、B3 及びB4 は、それ
ぞれ前述した一般式(II−1)又は一般式(II−2)に
おけるA1 と同義である。また、Z5 及びZ6 、L11
12、L13、L14及びL15、X3 及びX4 、E1及びG
1、n5及びn6、そしてx1及びy1のそれぞれにお
いても同様に、それぞれ前述した一般式(II−1)又は
一般式(II−2)における、Z3 、L6 、X1 、E、n
3、そしてxのぞれぞれと同義である。 一般式(VI): MK+・k/rXr- 式中、Xr-は陰イオンを表し、rは1以上(好ましくは
1〜4、更に好ましくは1〜2)の整数を表す。陰イオ
ンとしては、例えば、ハライドイオン(Cl- 、B
- 、I- )、スルホナートイオン(CH3 SO3 -
p−トルエンスルホナートイオン、ナフタレン−1,5
−ジスルホナートイオン)、ClO4 - 、BF4 - 、及
びPF6 - を挙げることができる。
【0167】なお、一般式(V−1)および一般式(V
−2)で表される色素は、一般に該当する活性メチレン
化合物(例、ピラゾロン、チオバルビツール酸、バルビ
ツール酸、インダンジオン、ヒドロキシフェナレンオン
等)とメチン染料にメチン基またはポリメチン基を導入
するためのメチン源との縮合反応によって合成すること
ができる。この種の化合物についての詳細は、特公昭3
9−22069号、同43−3504号、同52−38
056号、同54−38129号、同55−10059
号、同58−35544号、特開昭49−99620
号、同52−92716号、同59−16834号、同
63−316853号、及び同64−40827号各公
報、及び特願平8−276829号、同9−76487
号の各明細書、並びに英国特許第1133986号、米
国特許第3247127号、同4042397号、同4
181225号、同5213956号、及び同5260
179号の各明細書を参照することができる。具体的に
は、トリメチン鎖の導入には、トリメトキシプロペン、
1,1,3,3−テトラメトキシプロパンまたはマロン
アルデヒドジアニル塩酸塩(あるいはこれらの誘導体)
等が、またペンタメチン鎖の導入には、グルタコンアル
デヒドジアニル塩酸塩または1−(2,4−ジニトロフ
ェニル)−ピリジニウムクロリド(あるいはこれらの誘
導体)等がそれぞれ使用される。
【0168】本発明に係る上記一般式(II−1)で示さ
れる色素または一般式(II−2)で示される色素は、そ
れぞれ単独で用いてもよいし、あるいは二種以上を併用
してもよい。また一般式(II−1)で示される色素と、
一般式(II−2)で示される色素とを組み合わせて用い
てもよい。前記一般式(I)で表される色素と、前記一
般式(II−1)で示される色素又は一般式(II−2)で
表される色素との混合比率は、一般式(I)で表される
色素1重量部に対して一般式(II−1)で示される色素
又は一般式(II−2)で表される色素が0.01〜10
0重量部であることが好ましく、更に好ましくは、0.
1〜10重量部である。
【0169】本発明では、前記一般式(I)で表される
色素と、前記一般式(II−1)で示される色素または一
般式(II−2)で表される色素以外の色素を更に併用し
てもよい。これらの色素としては、例えば、メロシアニ
ン系色素、フタロシアニン系色素、ピリリウム系色素、
スクアリウム系色素、アズレニウム系色素、ナフトキノ
ン系色素、アントラキノン系色素、インドフェノール系
色素、インドアニリン系色素、アミニウム系・ジインモ
ニウム系色素およびピラン系色素などを挙げることがで
きる。
【0170】本発明の光情報記録媒体は、前記一般式
(I)で表される色素と、前記一般式(II−1)で表さ
れる色素または一般式(II−2)で表される色素とを含
む記録層が基板上に設けられてなるものである。本発明
の光情報記録媒体は、所謂CD−R型の光情報記録媒
体、あるいはDVD−R型の光情報記録媒体として構成
することができる。CD−R型の光情報記録媒体として
構成する場合には、トラックピッチが1.4〜1.6μ
mのプレグルーブが形成された、厚さが1.2mmの円
盤状透明基板に本発明に係る色素を含有した記録層を設
けた構成とすることが好ましい。また、DVD−R型の
光情報記録媒体として構成する場合には、トラックピッ
チが0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された、
厚さが0.6mmの円盤状透明基板に本発明に係る色素
を含有した記録層を設けた構成とすることが好ましい。
上記のいずれの形態の光情報記録媒体においても、記録
層の上に更に反射層が設けられていることが好ましく、
更に反射層の上には、保護層が設けられていることが好
ましい。
【0171】上記DVD−R型の光情報記録媒体は、具
体的には以下の二つの形態で構成されていることが好ま
しい。 (1)トラックピッチが0.6〜0.9μmのプレグル
ーブが形成された、厚さが0.6±0.1mmの円盤状
透明基板の該プレグルーブが設けられている側の表面
に、本発明に係る、一般式(I)で表される色素と、本
発明に係る、一般式(II−1)で表される色素又は(II
−2)で表される色素とを含む記録層が設けられてなる
二枚の積層体をそれぞれの記録層が内側となるように接
合してなる光情報記録媒体。 (2)トラックピッチが0.6〜0.9μmのプレグル
ーブが形成された、厚さが0.6±0.1mmの円盤状
透明基板の該プレグルーブが設けられている側の表面
に、本発明に係る、一般式(I)で表される色素と、本
発明に係る、一般式(II−1)で表される色素又は(II
−2)で表される色素とを含む記録層が設けられてなる
積層体と、該積層体の基板と略同じ直径の円盤状透明基
板とを、それぞれの記録層が内側となるように接合して
なる光情報記録媒体。なお、上記の形態の光情報記録媒
体においても、記録層の上に更に反射層が設けられてい
ることが好ましく、更に反射層の上には、保護層(接着
剤により形成される層)が設けられていることが好まし
い。
【0172】本発明の光情報記録媒体の製造方法につい
て説明する。本発明のCD−R型の光情報記録媒体は、
例えば、以下に述べるような方法により製造することが
できる。なお、DVD−R型の光情報記録媒体において
も基本的には、CD−R型と同様な方法で製造すること
ができる。以下では、CD−R型の光情報記録媒体の製
造方法を中心に説明する。基板は、従来の光情報記録媒
体の基板として用いられている各種の材料から任意に選
択することができる。基板材料としては、例えば、ガラ
ス;ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレート等の
アクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等
の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリ
オレフィン及びポリエステル等を挙げることができ、所
望によりそれらを併用してもよい。上記材料の中では、
耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボ
ネートが好ましい。これらの材料は、レーザ光が透過し
得る材料が選ばれるが、透過率は、好ましくは、70〜
100%である。CD−R型では、厚さが1.2mmで
直径が120mmの透明基板が、そしてDVD−R型で
は、厚さが0.6mmで直径が120mmあるいは厚さ
が0.6mmで直径が80mmの透明基板がそれぞれ用
いられる。
【0173】記録層が設けられる側の基板表面には、平
面性の改善および接着力の向上および記録層の変質防止
などの目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材
料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリ
ル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン
酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールア
クリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、ク
ロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ
塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポ
リイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカ
ップリング剤などの表面改質剤をあげることができる。
下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して
塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、デ
ィップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法
により基板表面に塗布することにより形成することがで
きる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範
囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲であ
る。
【0174】また、基板(または下塗層)上には、トラ
ッキング用溝またはアドレス信号等の情報を表す凹凸
(プレグルーブ)が形成されていることが好ましい。こ
のプレグルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を
射出成形あるいは押出成形する際に直接基板上に形成さ
れることが好ましい。なお、プレグルーブは、CD−R
型、あるいはDVD−R型に応じて所定のトラックピッ
チとなるように形成される。またプレグルーブの形成
を、プレグルーブ層が設けられることにより行ってもよ
い。プレグルーブ層の材料としては、アクリル酸のモノ
エステル、ジエステル、トリエステルおよびテトラエス
テルのうち少なくとも一種のモノマー(またはオリゴマ
ー)と光重合開始剤との混合物を用いることができる。
プレグルーブ層の形成は、例えば、まず精密に作られた
母型(スタンパー)上に上記のアクリル酸エステルおよ
び重合開始剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗布
液層上に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫
外線を照射することにより塗布層を硬化させて基板と塗
布層とを固着させる。次いで、基板を母型から剥離する
ことにより得ることができる。プレグルーブ層の層厚
は、一般に0.05〜100μmの範囲にあり、好まし
くは、0.1〜50μmの範囲である。
【0175】プレグルーブの深さは300〜2000Å
の範囲にあることが好ましく、またその半値幅は、0.
2〜0.9μmの範囲にあることが好ましい。またプレ
グルーブ層の深さを1500〜2000Åの範囲にする
ことにより反射率をほとんど低下させることなく感度を
向上させることができ、特に好ましい。従って、このよ
う形成された光ディスクは、高い感度を有することか
ら、低いレーザパワーでも記録が可能となり、これによ
り安価な半導体レーザの使用が可能となる、あるいは半
導体レーザの使用寿命を延ばすことができる。
【0176】基板上(又は下塗層)の表面(プレグルー
ブが形成されている場合には、その表面上)には、本発
明に係る、前記一般式(I)で表される色素と、前記一
般式(II−1)で表される色素又は一般式(II−2)で
表される色素とを含む記録層が設けられる。なお、記録
層には、耐光性を向上させるために一重項酸素クエンチ
ャーとして知られる種々の化合物を含有することができ
る。一重項酸素クエンチャーの具体例は、既に公知の特
許明細書等の刊行物に記載されている。例えば、特開昭
58−175693号、同59−81194号、同60
−18387号、同60−19586号、同60−19
587号、同60−35054号、同60−36190
号、同60−36191号、同60−44554号、同
60−44555号、同60−44389号、同60−
44390号、同60−54892号、同60−470
69号、同63−209995号、特開平4−2549
2号、特公平1−38680号、同6−26028号、
ドイツ特許350399号、及び日本化学会誌(199
2年10月号第1141頁)等を挙げることができる。
【0177】記録層の形成は、本発明に係る前記の一般
式(I)で表される色素と、前記一般式(II−1)で表
される色素又は一般式(II−2)で表される色素、更に
所望によりクエンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して
塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布し
て塗膜を形成したのち乾燥することにより行うことがで
きる。記録層形成用の塗布液の溶剤としては、酢酸ブチ
ル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン
などのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタ
ン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホル
ムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水
素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン
などのエーテル;エタノ−ル、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール
などのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロ
パノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレンングリコールモノエチルエー
テル、プロピレンングリコールモノメチルエーテルなど
のグリコールエーテル類などを挙げることができる。上
記溶剤は使用する化合物の溶解性を考慮して単独または
二種以上組み合わせて用いることができる。塗布液中に
はさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑財など
の各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0178】結合剤を使用する場合に結合剤の例として
は、例えばゼラチン、セルロース誘導体、デキストラ
ン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソ
ブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合
体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタ
クリル酸メチルなどのアクリル樹脂;ポリビニルアルコ
ール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール
樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂
等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を
挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用
する場合に、結合剤の使用量は、色素1重量部に対して
一般に10重量部以下であり、好ましくは5重量部以下
である。このようにして調製される塗布液の濃度は一般
に0.01〜10重量%の範囲にあり、好ましくは0.
1〜5重量%の範囲にある。
【0179】塗布方法としては、スプレー法、スピンコ
ート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート
法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げる
ことができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層
の層厚は一般に20〜500nmの範囲にあり、好まし
くは50〜300nmの範囲にある。また、記録層は基
板の片面のみならず両面に設けられていてもよい。
【0180】上記記録層の上に、情報の再生時における
反射率の向上の目的で、光反射層が設けられる。光反射
層の材料である光反射性物質はレーザ光に対する反射率
が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、
Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、
Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、I
r、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、G
a、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi
などの金属及び半金属、及びステンレス鋼を挙げること
ができる。これらのうちで好ましいものは、Cr、N
i、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼
である。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるい
は二種以上の組み合わせで、または合金として用いても
よい。光反射層は、例えば上記反射性物質を蒸着、スパ
ッタリングまたはイオンプレーティングすることにより
記録層の上に形成することができる。光反射層の層厚は
一般には10〜300nmの範囲にあり、好ましくは5
0〜200nmの範囲である。
【0181】光反射層の上には、記録層などを物理的お
よび化学的に保護する目的で保護層が設けられているこ
とが好ましい。この保護層は、基盤の記録層が設けられ
ていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設けられ
てもよい。保護層に用いられる材料としては、例えば、
SiO、SiO2 、MgF2 、SnO2 、Si3 4
どの無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化
性樹脂等の有機物質を挙げることができる。保護層は、
たとえばプラスチックの押出加工で得られたフィルムを
接着層を反射層上及び/または基板上にラミネートする
ことにより形成することができる。あるいは真空蒸着、
スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよ
い。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、こ
れらの適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、こ
の塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成するこ
とができる。UV硬化性樹脂の場合には、溶剤を用いる
ことなく、もしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製
したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化さ
せることによっても形成することができる。これらの塗
布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤
等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層
の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲にある。
【0182】本発明の光情報記録媒体は、上述した構成
からなる単板であってもよいが、あるいは更に上記構成
を有する二枚の基板を記録層が内側となるように向かい
合わせ、接着剤等を用いて接合することにより、貼り合
わせタイプの記録媒体を製造することもできる。あるい
はまた、二枚の円盤状基板のうち少なくとも一方に上記
構成を有する基板を用いて、リング状内側スペーサとリ
ング状外側スペーサとを介して接合することにより、エ
アーサンドイッチタイプの記録媒体を製造することがで
きる。CD−R型の光情報記録媒体は上記のような方法
で製造することができる。また、上記のようにして製造
した、基板上に記録層、及び反射層、そして所望により
保護層を設けた二枚の積層体を各々の記録層が内側とな
るように接着剤で貼り合わせることにより、二つの記録
層を持つDVD−R型の光情報記録媒体を製造すること
ができる。また、上記のようにして得られた積層体と、
該積層体の基板と略同じ直径の円盤状保護基板とを記録
層が内側となるように接着剤で貼り合わせることによ
り、片面のみに記録層を持つDVD−R型の光情報記録
媒体を製造することができる。
【0183】本発明の情報記録方法は、上記光情報記録
媒体を用いて、例えば、次のように行われる。光情報記
録媒体を定線速度(CDフォーマットの場合は1.2〜
1.4m/秒の1倍速)または定角速度にて回転させな
がら、あるいは更に4倍速以上の高速で回転させなが
ら、基板側から半導体レーザー光などの記録用の光を照
射する。この光の照射により、記録層と反射層との界面
に空洞を形成(空洞の形成は、記録層または反射層の変
形、あるいは両層の変形を伴って形成される)するか、
基板が肉盛り変形する、あるいは記録層に変色、会合状
態の変化等により屈折率が変化することにより情報が記
録されると考えられる。記録光としては500nm〜8
50nmの範囲の波長を有する半導体レーザービームが
用いられる。このレーザービームの波長は好ましくは5
00nm以上、800nm以下である。そしてCD−R
に適したレーザービームの波長は750〜850nm
(更に好ましくは、770〜795nm、特に775〜
790nm)の範囲にあることが好ましい。またはDV
D−Rに適したレーザービームの波長は600〜700
nm(更に好ましくは、620〜680nm、特に63
0〜645nm)の範囲にあることが好ましい。なお、
本発明の光情報記録媒体は、10mW以下の記録パワー
で記録することができる。上記のように記録された情報
の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度、あ
るいは更に4倍速以上の高速度で回転させながら記録時
と同じ波長を持つ半導体レーザ光を基板側から照射し
て、その反射光を検出することにより行うことができ
る。
【0184】
【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例を記載す
る。
【0185】[実施例1〜8]及び[比較例1〜2] 下記の表18に示されるように、本発明に係る前記一般
式(I)で表される色素、及び一般式(II−1)で表さ
れる色素または(II−2)で表される色素を組み合わせ
て記録層形成用塗布液を調製した。なお、表18に示さ
れる色素番号は、それぞれ前記一般式(I)で表される
色素、及び一般式(II−1)で表される色素または(II
−2)で表される色素の具体例の番号に該当する。
【0186】
【化78】
【0187】上記塗布液は、本発明に係る前記一般式
(I)で表される色素及びその重量の10重量%に相当
する量の一般式(II−1)で表される色素又は(II−
2)で表される色素、そしてこれらの色素の全重量の1
0重量%に相当する量の上記式で示される光退色防止剤
(A)を、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノー
ルに溶解することにより、調製した。得られた塗布液中
の色素の濃度は、2.5重量%であった。この塗布液
を、表面にスパイラルプレグルーブ(トラックピッチ:
1.6μm、プレグルーブ幅:0.4μm、プレグルー
ブ深さ:0.17μm)が射出成形により形成されたポ
リカーボネート基板(直径:120mm、厚さ:1.2
mm)のそのプレグルーブが設けられた面に、スピンコ
ートにより塗布し、記録層を形成した。記録層の厚さ
は、プレグルーブ内で約200nmであった。
【0188】次に、記録層上にAuをスパッタして、厚
さ約100nmのAuからなる光反射層を形成した。更
に光反射層上にUV硬化性樹脂(UV硬化剤3070、
スリーボンド社製)を塗布し、紫外線を照射して層厚3
μmの保護層を形成した。以上の工程により本発明に従
うCD−R型の光情報記録媒体(以下、サンプル)を得
た。
【0189】[光情報記録媒体としての評価]サンプル
に、記録機OMT2000(パスステック社製/記録
光:波長780nmの半導体レーザ光)を用いて4倍速
で、3Tと11TのEFM信号を記録した。そして最適
記録パワーにおける変調度及びジッターを測定した。得
られた評価結果を表18に示す。
【0190】
【表18】 表18 ──────────────────────────────────── 一般式 一般式(II-1) 記録パワー (I)の 又は(II-2) 7mWにおける ジッター(ns) 色素番号 の色素番号 変調度(%) 3T 11T ──────────────────────────────────── 実施例1 I− 1 5 67 8.2 8.5 実施例2 I− 1 8 68 8.1 8.4 実施例3 I− 1 69 68 8.0 8.4 実施例4 I− 1 82 66 8.3 8.5 実施例5 I− 5 5 67 8.2 8.5 実施例6 I− 5 71 70 7.2 7.4 実施例7 I−12 94 68 8.0 8.0 実施例8 I−13 5 67 8.2 8.5 ──────────────────────────────────── 比較例1 I− 5 − 60 10.2 11.0 比較例2 I−12 − 62 11.0 11.5 ────────────────────────────────────
【0191】上記表18の結果から、一般式(I)で表
される色素と、一般式(II−1)で表される色素又は一
般式(II−2)で表される色素とを含有する記録層を持
つ本発明に係るサンプルの場合(実施例1〜8)には、
一般式(I)で表される色素のみを含有する記録層を持
つ比較用のサンプルの場合(比較例1〜2)に比べて、
高い変調度でかつ低いジッター値が示されていることか
ら、記録感度が高く、また4倍速の高速モードにおいて
も信号に誤りが少なく、従って本発明のサンプルは、高
速記録に適していることが明らかである。
【0192】[実施例9〜11]及び[比較例3] 下記の表19に示されるように、本発明に係る前記一般
式(I)で表される色素、及び一般式(II−1)で表さ
れる色素または(II−2)で表される色素を組み合わせ
て記録層形成用塗布液を調製した。なお、表19に示さ
れる色素番号は、それぞれ前記一般式(I)で表される
色素、及び一般式(II−1)で表される色素または(II
−2)で表される色素の具体例の番号に該当する。上記
塗布液は、本発明に係る前記一般式(I)で表される色
素及びその重量の10重量%に相当する量の一般式(II
−1)で表される色素又は(II−2)で表される色素、
そしてこれらの色素の全重量の10重量%に相当する量
の前記で使用した光退色防止剤(A)を、2,2,3,
3−テトラフルオロプロパノールに溶解することによ
り、調製した。得られた塗布液中の色素の濃度は、2.
5重量%であった。この塗布液を、表面にスパイラルプ
レグルーブ(トラックピッチ:0.8μm、プレグルー
ブ幅:0.4μm、プレグルーブの深さ:0.15μ
m)が射出成型により形成されたポリカーボネート基板
(直径:120mm、厚さ:0.6mm)のそのプレグ
ループ側の表面に、スピンコートにより塗布し、記録層
(厚さ(グループ内):約200nm)を形成した。次
いで、記録層上に、Auをスパッタして、厚さ約100
nmの光反射層を形成し、基板上に、記録層及び光反射
層がこの順で設けられた積層体を作成した。別に、透明
なポリカーボネート基板(円盤状保護基板)(直径:1
20mm、厚さ:0.6mm)を用意した。そして上記
で得られた積層体と円盤状保護基板とを記録層が内側と
なるように接着剤(スリーボンド社製)を用いて接合さ
せた(厚さ:1.2mm)。以上の工程により本発明に
従うDVD−R型の光情報記録媒体を得た。
【0193】[光情報記録媒体としての評価]これらの
サンプルに波長635nmの半導体レーザをNA0.6
のレンズで集光し、線速3.68m/s、変調周波数4
MHzで信号を記録し、レーザーパワーを8mWで信号
を再生し、変調度のパワー依存性と最適パワーにおける
ジッターを測定した。以上の評価結果を表19に示す。
【0194】
【表19】 表19 ──────────────────────────────────── 一般式 一般式(II-1) 記録パワー 最適パワーに (I)の 又は(II-2) 8mWにおける おけるジッター 色素番号 の色素番号 変調度(%) (ns) ──────────────────────────────────── 実施例9 I−38 35 68 8 実施例10 I−39 75 69 8 実施例11 I−52 84 71 9 ──────────────────────────────────── 比較例3 I−52 − 61 12 ────────────────────────────────────
【0195】上記表19の結果から、一般式(I)で表
される色素と、一般式(II−1)で表される色素又は一
般式(II−2)で表される色素とを含有する記録層を持
つ本発明に係るサンプルの場合(実施例9〜11)に
は、一般式(I)で表される色素のみを含有する記録層
を持つ比較用のサンプルの場合(比較例3)に比べて、
低い記録パワーで高い変調度が示されていることから、
記録感度が高く、また低いジッター値が示されているこ
とから、高速モードにおいても信号に誤りが少なく、従
って本発明のサンプルは、高速記録に適していることが
明らかである。
【0196】
【発明の効果】本発明の光情報記録媒体は、高い記録感
度を示し、かつ高速記録を行なっても記録信号の誤りが
少ない。従って、本発明に従う光情報記録媒体は高速記
録、高周波数記録に適したものである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年1月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、下記一般式(I)で表される
    色素と、下記一般式(II−1)で表される色素及び/又
    は下記一般式(II−2)で表される色素とを含む記録層
    が設けられてなる光情報記録媒体。 【化1】 [式中、Z1 及びZ2 は各々独立に、5員または6員の
    含窒素複素環を形成するために必要な原子群を表し、R
    1 およびR2 は各々独立にアルキル基を表し、L1 、L
    2 、L3 、L4 及びL5 は各々独立に置換されていても
    よいメチン基を表し、n1及びn2は各々独立に0又は
    1を表し、pおよびqは各々独立に0または1を表し、
    M1は電荷中和対イオンを表し、そしてm1は分子中の
    電荷を中和させるために必要な0以上の数を表す。] 【化2】 [式中、A1 、A2 、B1 及びB2 は各々独立に置換基
    を表し、Z3 及びZ4は各々独立に、炭素環もしくは複
    素環を形成するために必要な原子団を表し、EおよびG
    は各々独立に、共役二重結合鎖を完成するために必要な
    原子団を表し、X1 は、=O、=NRまたは=C(C
    N)2 を表し、X2 は、−O、−NR又は−C(CN)
    2 を表し(但し、Rは置換基を表す)、L6 、L7 、L
    8 、L9 及びL10は各々独立に、置換されていてもよい
    メチン基を表し、Mk+は、プロトン又はオニウムイオン
    を表し、n3及びn4は各々独立に0、1または2を表
    し、x及びyは各々独立に0又は1を表し、そしてkは
    1〜10の整数を表す。]
  2. 【請求項2】 基板上に、レーザ光により情報の記録が
    可能な記録層が設けられてなるヒートモード型の光情報
    記録媒体において、該記録層が、下記一般式(I)で表
    される色素と、下記一般式(II−1)で表される色素及
    び/又は下記一般式(II−2)で表される色素とを含む
    ことを特徴とする光情報記録媒体。 【化3】 [式中、Z1 及びZ2 は各々独立に、5員または6員の
    含窒素複素環を形成するために必要な原子群を表し、R
    1 およびR2 は各々独立にアルキル基を表し、L1 、L
    2 、L3 、L4 及びL5 は各々独立に置換されていても
    よいメチン基を表し、n1及びn2は各々独立に0又は
    1を表し、pおよびqは各々独立に0または1を表し、
    M1は電荷中和対イオンを表し、そしてm1は分子中の
    電荷を中和させるために必要な0以上の数を表す。] 【化4】 [式中、A1 、A2 、B1 及びB2 は各々独立に置換基
    を表し、Z3 及びZ4は各々独立に、炭素環もしくは複
    素環を形成するために必要な原子団を表し、EおよびG
    は各々独立に、共役二重結合鎖を完成するために必要な
    原子団を表し、X1 は、=O、=NRまたは=C(C
    N)2 を表し、X2 は、−O、−NR又は−C(CN)
    2 を表し(但し、Rは置換基を表す)、L6 、L7 、L
    8 、L9 及びL10は各々独立に、置換されていてもよい
    メチン基を表し、Mk+は、プロトン又はオニウムイオン
    を表し、n3及びn4は各々独立に0、1または2を表
    し、x及びyは各々独立に0又は1を表し、そしてkは
    1〜10の整数を表す。]
  3. 【請求項3】 上記一般式(I)で表される色素と、上
    記一般式(II−1)で表される色素及び/又は上記一般
    式(II−2)で表される色素との混合比率が、一般式
    (I)で表される色素1重量部に対して一般式(II−
    1)で表される色素及び/又は一般式(II−2)で表さ
    れる色素が0.01〜100重量部である請求項1又は
    2に記載の光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 トラックピッチが1.4〜1.6μmの
    プレグルーブが形成された、厚さが1.2mmで直径が
    120mmの円盤状透明基板上に記録層が設けられてい
    る請求項1〜3のいずれかの項に記載の光情報記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 記録層上に、更に光反射層及び保護層が
    この順で設けられている請求項1〜4のいずれかの項に
    記載の光情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 トラックピッチが0.6〜0.9μmの
    プレグルーブが形成された、厚さが0.6±0.1mm
    の円盤状透明基板上に記録層が設けられている請求項1
    〜3のいずれかの項に記載の光情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 トラックピッチが0.6〜0.9μmの
    プレグルーブが形成された、厚さが0.6±0.1mm
    の円盤状透明基板の該プレグルーブが設けられている側
    の表面に、下記一般式(I)で表される色素と、下記一
    般式(II−1)で表される色素及び/又は一般式(II−
    2)で表される色素とを含む記録層がそれぞれ設けられ
    てなる二枚の積層体をそれぞれの記録層が内側となるよ
    うに、あるいはトラックピッチが0.6〜0.9μmの
    プレグルーブが形成された、厚さが0.6±0.1mm
    の円盤状透明基板の該プレグルーブが設けられている側
    の表面に、下記一般式(I)で表される色素と、下記一
    般式(II−1)で表される色素及び/又は一般式(II−
    2)で表される色素とを含む記録層が設けられてなる積
    層体と、該積層体の基板と略同じ直径の円盤状透明基板
    とを記録層が内側となるように、接合してなる光情報記
    録媒体。 【化5】 [式中、Z1 及びZ2 は各々独立に、5員または6員の
    含窒素複素環を形成するために必要な原子群を表し、R
    1 およびR2 は各々独立にアルキル基を表し、L1 、L
    2 、L3 、L4 及びL5 は各々独立に置換されていても
    よいメチン基を表し、n1及びn2は各々独立に0又は
    1を表し、pおよびqは各々独立に0または1を表し、
    M1は電荷中和対イオンを表し、そしてm1は分子中の
    電荷を中和させるために必要な0以上の数を表す。] 【化6】 [式中、A1 、A2 、B1 及びB2 は各々独立に置換基
    を表し、Z3 及びZ4は各々独立に、炭素環もしくは複
    素環を形成するために必要な原子団を表し、EおよびG
    は各々独立に、共役二重結合鎖を完成するために必要な
    原子団を表し、X1 は、=O、=NRまたは=C(C
    N)2 を表し、X2 は、−O、−NR又は−C(CN)
    2 を表し(但し、Rは置換基を表す)、L6 、L7 、L
    8 、L9 及びL10は各々独立に、置換されていてもよい
    メチン基を表し、Mk+は、プロトン又はオニウムイオン
    を表し、n3及びn4は各々独立に0、1または2を表
    し、x及びyは各々独立に0又は1を表し、そしてkは
    1〜10の整数を表す。]
  8. 【請求項8】 記録層上に更に光反射層及び保護層がこ
    の順で設けられている請求項7に記載の光情報記録媒
    体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のいずれかの項に記載の光
    情報記録媒体に、波長が750〜850nmのレーザ光
    を照射して情報を記録する方法。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、6、7および8の
    うちのいずれかの項に記載の光情報記録媒体に、波長が
    600〜700nmのレーザ光を照射して情報を記録す
    る方法。
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