JP2000280622A - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JP2000280622A
JP2000280622A JP11090288A JP9028899A JP2000280622A JP 2000280622 A JP2000280622 A JP 2000280622A JP 11090288 A JP11090288 A JP 11090288A JP 9028899 A JP9028899 A JP 9028899A JP 2000280622 A JP2000280622 A JP 2000280622A
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JP11090288A
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English (en)
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Shinichi Morishima
慎一 森嶌
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録特性を長期にわたって充分維持し得るよ
うな高い安定性、特に耐光性や保存耐久性に高い安定性
を有する情報記録媒体を提供すること。 【解決手段】 基板上に、レーザ光により情報の記録が
可能なオキソノール系色素を含む記録層に用いる色素と
して、該オキソノール系色素の対カチオンとして、下記
の一般式(I−1)で表されるモノマー単位、又は一般
式(I−2)で表されるモノマー単位を含むポリマー成
分を新たに導入した色素を用いることを特徴とする情報
記録媒体。 【化1】 [式中、R11、R12、及びR13は、各々独立に水素原子
又は置換基を表し、Lは2価の連結基を表し、M1及び
2は、各々独立にオニウムイオンを表し、qは0また
は1を表し、そしてrは0乃至10の整数を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高エネルギー密度
のレーザ光を用いて情報の書き込みが可能な情報記録媒
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザ光により一回限りの情報の記録が
可能な情報記録媒体(光ディスク)は追記型CD(所謂
CD−R)とも呼ばれ、例えばコンピュータ用ディスク
メモリーなどとして広く利用されている。CD−R型の
光ディスクは、ポリマーなどからなる透明な円盤状基板
と、この上に設けられたTe、In等の金属又は半金
属、あるいはシアニン系、金属錯体系、キノン系などの
色素からなるレーザ光により情報の記録が可能な記録層
とからなる基本構造を有する。そして通常は、該記録層
の上に金などからなる反射層、更に樹脂製の保護層が順
に積層状態で設けられている。
【0003】CD−R型の光ディスクへの情報の書き込
み(記録)は、通常780nm付近の波長のレーザ光を
光ディスクに照射することにより行われる。このレーザ
光の照射により、記録層の被照射部分がその光を吸収し
て局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的な変化
(例えば、ピットなどの生成)が生じてその光学的特性
を変えることにより、情報が記録される。一方、情報の
読み取り(再生)も通常、記録用のレーザ光と同じ波長
のレーザ光を光ディスクの記録層に照射することにより
行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(ピットの
生成などによる記録部分)と変化しない部位(未記録部
分)との反射率の違いを検出することにより実施され
る。
【0004】色素を記録材料とする記録層は、金属記録
層の製造の場合のように蒸着法を利用する必要性はな
く、塗布により容易に形成できるため、製造コストの面
で有利であり、更に金属記録層に比べて高感度であるな
どの利点を有する。しかし色素記録層は、一般に熱、あ
るいは光に対する経時的な安定性が低いなどの問題があ
る。従って、長期間にわたって熱、あるいは光に対して
も安定した性能を維持できる記録層の開発が望まれ、様
々な色素記録材料からなる色素記録層が提案されてい
る。
【0005】例えば、特開昭63−209995号公報
には、オキソノール色素からなる記録層が基板上に設け
られた情報記録媒体が開示されている。そしてここに
は、分子内に塩の形でアンモニウムが導入されたオキソ
ノール色素が記載されている。このような色素を用いる
ことにより、長期間にわたり安定した記録再生特性を維
持し得ると上記公報には述べられている。
【0006】近年、記録密度が更に高い情報記録媒体が
求められている。記録密度を高めるには、記録用のレー
ザ光として、波長の短いレーザ光を用いることが有利で
あることが理論的に知られている。従って、従来から一
般的に用いられている780nmより短波長のレーザ光
を用いて記録再生を行うための光ディスクの開発が進め
られており、例えば、追記型デジタル・ビデオ・ディス
ク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが提案され
ている。DVD−R型の光ディスクでは、可視レーザ光
(通常は600nm〜700nmの範囲の波長のレーザ
光)を記録層に照射することにより、記録及び再生が行
われ、前述のようなCD−R型の光ディスクに比べて更
に高密度の記録が可能であるとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者の検討によれ
ば、上記公報に記載されているオキソノール色素を記録
層に含む情報記録媒体は、熱に対する保存性及び耐久性
(繰り返しの再生)は改善されるものの、長時間日光な
どの光に曝された場合には再生不良が発生する場合があ
ることから、耐光性に対してはなお充分ではないことが
判明した。またこのオキソノール色素を用いた情報記録
媒体は、従来から知られているシアニン色素を記録材料
とする情報記録媒体に比べると、反射率および変調度が
低いなどの問題もあり、記録再生特性においても尚改良
すべき点があることが判明した。
【0008】本発明の主な目的は、優れた記録再生特性
を有すると共に、記録特性を長期にわたって充分維持し
得るような高い安定性、特に耐光性や保存耐久性におい
ても高い安定性を有する情報記録媒体(光ディスク)を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究により、
従来のオキソノール系色素において、その対イオン(カ
チオン)として、前記一般式(I−1)又は一般式(I
−2)で表されるモノマー単位を含むカチオン性ポリマ
ー成分を新たに導入した色素を用いることにより、従来
に比べて記録再生特性に優れ、しかも耐光性や保存耐久
性、特に耐光性が格段に改良された保存安定性の高い情
報記録媒体を製造できることが見出された。
【0010】本発明は、基板上に、レーザ光により情報
の記録が可能な記録層が設けられてなる情報記録媒体に
おいて、該記録層が、一般式(I−1)で表されるモノ
マー単位を含むカチオン性ポリマー成分、又は一般式
(I−2)で表されるモノマー単位を含むカチオン性ポ
リマー成分と、一般式(II−1)で表されるアニオン性
色素成分、又は一般式(II−2)で表されるアニオン性
色素成分とを含むことを特徴とする情報記録媒体にあ
る。
【0011】
【化4】
【0012】[式中、R11、R12、及びR13は、各々独
立に水素原子又は置換基を表し、Lは2価の連結基を表
し、M1及びM2は、各々独立にオニウムイオンを表し、
qは0または1を表し、そしてrは0乃至10の整数を
表す。]
【0013】
【化5】
【0014】[式中、A1 、A2 、B1 及びB2 は各々
独立に水素原子又は置換基を表し、Y1 及びZ1 は各々
独立に、炭素環もしくは複素環を形成するために必要な
原子団を表し、E及びGは各々独立に、共役二重結合鎖
を完成するために必要な原子団を表し、X1 は、=O、
=NR1、又は=C(CN)R1を表し、X2 は、−O、
−NR1 または−C(CN)R1 を表し(但し、R1
置換基を表す)、L1、L2 、L3 、L4 及びL5 は、
各々独立に、置換されていてもよいメチン基を表し、n
及びn1は各々独立に0、1または2を表し、そしてx
及びyは各々独立に0または1を表す。]
【0015】本発明の情報記録媒体は、以下の態様であ
ることが好ましい。 (1)一般式(I−1)で表されるモノマー単位、又は
一般式(I−2)で表されるモノマー単位が、カチオン
性ポリマー成分中に、50モル%以上(更に好ましく
は、60モル%以上、特に好ましくは、80モル%以
上、最も好ましくは、100モル%)含まれている情報
記録媒体。 (2)一般式(I−1)で表されるモノマー単位を含む
カチオン性ポリマー成分、又は一般式(I−2)で表さ
れるモノマー単位を含むカチオン性ポリマー成分におい
て、オニウムイオンが、第4級アンモニウムイオン(更
に好ましくは、含窒素複素環からなる第4級アンモニウ
ムイオン、特に好ましくは、第4級ピリジニウムイオ
ン)である。 (3)一般式(I−1)で表されるモノマー単位を含む
カチオン性ポリマー成分、又は一般式(I−2)で表さ
れるモノマー単位を含むカチオン性ポリマー成分が、そ
れぞれ一般式(I−1−A)、又は一般式(I−2−
A)で表される情報記録媒体。
【0016】
【化6】
【0017】[式中、R11、R12、R13、及びR23は、
各々独立に水素原子、又は炭素原子数1〜18アルキル
基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、炭素原子数2
〜18のアルキニル基、炭素原子数6〜18のアリール
基、炭素原子数7〜18のアラルキル基、炭素原子数2
〜18のアシル基、炭素原子数1〜18のアルキルスル
ホニル基、炭素原子数1〜18のアリールスルホニル
基、炭素原子数1〜18のアルキルスルフィニル基、炭
素原子数2〜18のアルコキシカルボニル基、炭素原子
数7〜18のアリールオキシカルボニル基、炭素原子数
1〜18のアルコキシ基、炭素原子数6〜18のアリー
ルオキシ基、炭素原子数1〜18のアルキルチオ基、炭
素原子数6〜10のアリールチオ基、炭素原子数2〜1
8のアシルオキシ基、炭素原子数1〜18の炭化水素基
で置換されたスルホニルオキシ基、炭素原子数1〜18
の炭化水素基で置換されていてもよいカルバモイルオキ
シ基、炭素原子数1〜18の置換されていても良いアミ
ノ基、炭素原子数1〜18の炭化水素基で置換されてい
てもよいアミド基、炭素原子数1〜18の炭化水素基で
置換されていてもよいウレイド基、炭素原子数1〜18
の炭化水素基で置換されていてもよいカルバモイル基、
炭素原子数1〜18の炭化水素基で置換されていてもよ
いスルファモイル基、ハロゲン原子、水酸基、メルカプ
ト基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ
基、ホスホノ基、もしくは4乃至7員の複素環基を表し
(但し、これらの置換基は、上記の置換基のいずれかに
よって置換されていても良く、又これらの置換基に含ま
れるアルキル基は直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれ
であってもよい)、Lは、2価の連結基を表し、R21
及びR22は各々独立に上記R11、R12、R13、及びR23
で表される置換基と同義であり、qは0または1を表
し、rは0乃至10の整数を表し、そしてs1及びs2
は、各々独立に0乃至4の整数を表す。]
【0018】(4)一般式(I−1−A)又は一般式
(I−2−A)において、オニウムイオンが、4,4’
−ビピリジニウムイオンである情報記録媒体。
【0019】(5)一般式(II−1)又は一般式(II−
2)において、X1 が、=Oであり、X2 が、−Oであ
る情報記録媒体。 (6)一般式(II−1)又は一般式(II−2)におい
て、nおよびn1が、1≦n+n1≦3の関係式を満た
す整数である情報記録媒体。 (7)一般式(II−1)又は一般式(II−2)におい
て、Y1 及びZ1 が形成する炭素環が、各々独立に、下
記に示される、A−1、A−4、A−6及びA−7から
なる群より選ばれる少なくとも一種の炭素環である情報
記録媒体。
【0020】
【化7】
【0021】(8)一般式(II−1)又は一般式(II−
2)において、Y1 及びZ1 が形成する複素環が、下記
に示される、A−8、A−9、A−10、A−11、A
−12、A−13、A−14、A−16,A−17、A
−36、A−39、A−41、A−54及びA−55か
らなる群より選ばれる少なくとも一種の複素環である情
報記録媒体。
【0022】
【化8】
【0023】(9)記録層上に更に反射層が設けられて
いる情報記録媒体。 (10)記録層の上に更に反射層及び保護層がこの順で
設けられている情報記録媒体。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の情報記録媒体は、記録層
が、前記一般式(I−1)で表されるモノマー単位を含
むカチオン性ポリマー成分又は一般式(I−2)で表さ
れるモノマー単位を含むカチオン性ポリマー成分と、前
記一般式(II−1)で表されるアニオン性色素成分又は
一般式(II−2)で表されるアニオン性色素成分とを含
有していることを特徴としている。即ち、本発明で使用
する色素は、アニオン性色素成分(B)(単に、アニオ
ン部)とカチオン性ポリマー成分(C)(単に、カチオ
ン部)とからなるものである。
【0025】まず、アニオン部(B)について詳述す
る。上記式において、A1 、A2 、B1 及びB2 で表さ
れる置換基としては、例えば以下のものを挙げることが
できる。炭素原子数1〜18(好ましくは炭素原子数1
〜8)の置換もしくは無置換の直鎖状、分岐鎖状または
環状のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、t−ブチル、シクロヘキシル、メトキシエチル、エ
トキシカルボニルエチル、シアノエチル、ジエチルアミ
ノエチル、ヒドロキシエチル、クロロエチル、アセトキ
シエチル、トリフルオロメチル等);炭素原子数2〜1
8(好ましくは炭素原子数2〜8)のアルケニル基
(例、ビニル等);炭素原子数2〜18(好ましくは炭
素原子数2〜8)のアルキニル基(例、エチニル等);
炭素原子数6〜18(好ましくは炭素原子数6〜10)
の置換もしくは無置換のアリール基(例、フェニル、4
−メチルフェノル、4−メトキシフェニル、4−カルボ
キシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル等);炭
素原子数7〜18(好ましくは炭素原子数7〜12)の
置換もしくは無置換のアラルキル基(例、ベンジル、カ
ルボキシベンジル等);
【0026】炭素原子数2〜18(好ましくは炭素原子
数2〜8)の置換もしくは無置換のアシル基(例、アセ
チル、プロピオニル、ブタノイル、クロロアセチル
等);炭素原子数1〜18(好ましくは炭素原子数1〜
8)の置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールス
ルホニル基(例、メタンスルホニル、p−トルエンスル
ホニル等);炭素原子数1〜18(好ましくは炭素原子
数1〜8)のアルキルスルフィニル基(例、メタンスル
フィニル、エタンスルフィニル、オクタンスルフィニル
等);炭素原子数2〜18(好ましくは炭素原子数2〜
8)のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル等);炭
素原子数7〜18(好ましくは炭素原子数7〜12)の
アリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニ
ル、4−メチルフェノキシカルボニル、4−メトキシフ
ェニルカルボニル等);炭素原子数1〜18(好ましく
は炭素原子数1〜8)の置換もしくは無置換のアルコキ
シ基(例、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、メトキ
シエトキシ等);炭素原子数6〜18(好ましくは炭素
原子数6〜10)の置換もしくは無置換のアリールオキ
シ基(例、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ等);
炭素原子数1〜18(好ましくは炭素原子数1〜8)の
アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ等);炭
素原子数6〜10(好ましくは炭素原子数1〜8)のア
リールチオ基(例、フェニルチオ等);
【0027】炭素原子数2〜18(好ましくは炭素原子
数2〜8)の置換もしくは無置換のアシルオキシ基
(例、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、シクロヘ
キシルカルボニルキシ、ベンゾイルオキシ、クロロアセ
チルオキシ等);炭素原子数1〜18(好ましくは炭素
原子数1〜8)の置換もしくは無置換のスルホニルオキ
シ基(例、メタンスルホニルオキシ等);炭素原子数2
〜18(好ましくは炭素原子数2〜8)の置換もしくは
無置換のカルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイ
ルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ等);無置換の
アミノ基、もしくは炭素原子数1〜18(好ましくは炭
素原子数1〜8)の置換アミノ基(例、メチルアミノ、
ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノ、メトキシ
フェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、ピリジルアミ
ノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニ
ルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、フェニルカル
バモイルアミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、メチ
ルスルファモイルアミノ、フェニルスルファモイルアミ
ノ、エチルカルボニルアミノ、エチルチオカルボニルア
ミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルア
ミノ、クロロアセチルアミノ、メタンスルホニルアミ
ノ、ベンゼンスルホニルアミノ等);
【0028】炭素原子数1〜18(好ましくは炭素原子
数1〜8)のアミド基(例、アセトアミド、アセチルメ
チルアミド、アセチルオクチルアミド等);炭素原子数
1〜18(好ましくは炭素原子数1〜8)の置換もしく
は無置換のウレイド基(例、無置換のウレイド、メチル
ウレイド、エチルウレイド、ジメチルウレイド等);炭
素原子数1〜18(好ましくは炭素原子数1〜8)の置
換もしくは無置換のカルバモイル基(例、無置換のカル
バモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、
n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ジ
メチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、ピロリ
ジノカルバモイル等);無置換のスルファモイル基もし
くは炭素原子数1〜18(好ましくは炭素原子数1〜
8)の置換スルファモイル基(例、メチルスルファモイ
ル、フェニルスルファモイル等);ハロゲン原子(例、
フッ素、塩素、臭素等);水酸基;メルカプト基;ニト
ロ基;シアノ基;カルボキシル基;スルホ基;ホスホノ
基(例、ジエトキシホスホノ等);複素環基(例、オキ
サゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベ
ンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾー
ル環、インドレニン環、ピリジン環、モルホリン環、ピ
ペリジン環、ピロリジン環、スルホラン環、フラン環、
チオフェン環、ピラゾール環、ピロール環、クロマン
環、及びクマリン環など)。これらの置換基は、更に上
記の置換基のいずれかによって置換されていても良い。
【0029】A1 及びA2 で表される置換基は、ハメッ
トの置換基定数(σp )の値が0.2以上のものである
ことが好ましい。ハメットの置換基定数は例えば、Ch
em.Rev.91,165(1991)に記載されて
いる。特に好ましい置換基は、シアノ基、ニトロ基、ア
ルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カル
バモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基
及びアリールスルホニル基である。
【0030】B1 及びB2 で表される置換基は、アルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基又は置換ア
ミノ基であることが好ましい。
【0031】Y1 に結合する[−C(=L1 )−(E)
x −C(=X1 )−](以下、便宜的に、W1と称す
る。)と、Z1 に結合する[−C(−L5 )=(G)y
=C(−X2 - ) −](以下、便宜的に、W2と称す
る)とはそれぞれ共役状態にあるため、Y1 とW1とで
形成される炭素環もしくは複素環、及びZ1 とW2とで
形成される炭素環もしくは複素環はそれぞれ共鳴構造の
1つとして考えられる。上記Y1 とW1、及びZ1 とW
2とで形成される炭素環もしくは複素環は、4〜7員環
が好ましく、特に好ましくは、5員環または6員環であ
る。これらの環は更に他の4〜7員環と縮合環を形成し
ていても良い。またこれらは置換基を有していてもよ
い。置換基としては、例えば、上記A1 、A2 、B1
びB2 で表される置換基として示したものが挙げられ
る。複素環を形成するヘテロ原子として好ましいもの
は、B、N、O、S、Se、及びTeである。特に好ま
しくは、N、O及びSである。x及びyは、それぞれ独
立に0または1であり、好ましくは共に0である。
【0032】X1 は、=O、=NR1 又は=C(CN)
1 を表す。またX2 は、−O、−NR1 又は−C(C
N)R1 を表す。R1 は置換基を表す。R1 で表される
置換基は、前述したA1 、A2 、B1 及びB2 で表され
る置換基として示したものが挙げられる。R1 は、アリ
ール基(例、フェニル)、シアノ基、アルコキシカルボ
ニル基(例、メトキシカルボニル、ブトキシカルボニ
ル)、アルキルスルホニル基(例メタンスルホニル)、
又はアリールスルホニル基(例、ベンゼンスルホニル)
であることが好ましい。本発明においては、X1 は、=
Oであり、かつX 2 は、−Oである場合が好ましい。
【0033】Y1 とW1、およびZ1 とW2で形成され
る炭素環としては例えば、以下のものが挙げられる。な
お、例示中、Ra 及びRb は各々独立に、水素原子また
は置換基を表す。
【0034】
【化9】
【0035】好ましい炭素環は、A−1、A−4、A−
6及びA−7で示される炭素環である。特に好ましく
は、A−1で示される炭素環である。
【0036】Y1 とW1、およびZ1 とW2で形成され
る複素環としては例えば、以下のものが挙げられる。な
お、例示中、Ra 、Rb 及びRc は各々独立に、水素原
子または置換基を表す。
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】好ましい複素環は、A−8、A−9、A−
10、A−11、A−12、A−13、A−14、A−
16、A−17,A−36、A−39、A−41、A−
54、及びA−55で示される複素環である。更に好ま
しくは、A−8、A−9、A−10、A−13、A−1
4、A−17、A−36、A−41、A−54、及びA
−55で示される複素環である。最も好ましくは、A−
8、A−9、A−10、A−17、及びA−54で示さ
れる複素環である。
【0044】Ra 、Rb 及びRc で表される置換基は、
それぞれ前記A1 、A2 、B1 及びB2 で表される置換
基として挙げたものと同義である。またRa 、Rb 及び
Rcはそれぞれ互いに連結して炭素環又は複素環を形成
してもよい。炭素環としては、例えば、シクロヘキシル
環、シクロペンチル環、シクロヘキセン環、及びベンゼ
ン環などの飽和または不飽和の4〜7員の炭素環を挙げ
ることができる。また複素環としては、例えば、ピペリ
ジン環、ピペラジン環、モルホリン環、テトラヒドロフ
ラン環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、及びピ
ラジン環などの飽和または不飽和の4〜7員の複素環を
挙げることができる。これらの炭素環または複素環は更
に置換されていてもよい。更に置換し得る基としては、
前記A1、A2 、B1 、及びB2 で表される置換基とし
て挙げたものと同義である。
【0045】L1 、L2 、L3 、L4 及びL5 で表され
るメチン基は各々独立に、置換基を有していてもよいメ
チン基である。その置換基としては、例えば、前述した
1、A2 、B1 及びB2 で表される置換基の例が挙げ
られる。好ましい置換基は、アルキル基、アラルキル
基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、アミノ
基、カルバモイル基及び複素環基である。又置換基同志
が連結して5〜7員環(例、シクロペンテン環、1−ジ
メチルアミノシクロペンテン環、1−ジフェニルアミノ
シクロペンテン環、シクロヘキセン環、1−クロロシク
ロヘキセン環、イソホロン環、1−モルホリノシクロペ
ンテン環、シクロヘプテン環)を形成してもよい。n及
びn1は、各々独立に0、1又は2を表す。n及びn1
は、1≦n+n1≦3の関係式を満たす整数であること
が好ましい。
【0046】一般式(II−1)で表されるアニオン性色
素成分、又は一般式(II−2)で表されるアニオン性色
素成分(アニオン部「B−」で表示)の具体例を以下に
記載する。
【0047】
【化16】
【0048】
【化17】
【0049】
【化18】
【0050】
【化19】
【0051】
【化20】
【0052】
【化21】
【0053】
【化22】
【0054】
【化23】
【0055】
【化24】
【0056】
【化25】
【0057】
【化26】
【0058】
【化27】
【0059】
【化28】
【0060】
【化29】
【0061】
【化30】
【0062】
【化31】
【0063】
【化32】
【0064】
【化33】
【0065】
【化34】
【0066】
【化35】
【0067】
【化36】
【0068】
【化37】
【0069】
【化38】
【0070】
【化39】
【0071】
【化40】
【0072】本発明の情報記録媒体の記録層には、上記
アニオン性色素成分以外にアニオンが含まれていても良
い。即ち、該記録層には、前記のアニオン性色素成分の
一部がアニオンに置き換わった状態で含まれていても良
い。このようなアニオン(陰イオン)としては、例え
ば、ハライドイオン(Cl- 、Br- 、I- )、スルホ
ナートイオン(p−トルエンスルホナートイオン、ナフ
タレン−1,5−ジスルホナートイオン)、ClO4 -
BF4 - 、及びPF6 -等を挙げることができる。
【0073】上記アニオン性色素成分、あるいは該アニ
オン性色素成分以外のアニオンが含まれている場合のこ
れらのアニオンは、後述する本発明に係るカチオン性ポ
リマー成分に含まれるカチオンに対してその電荷を中和
するのに必要な電荷となるように記録層に含まれてい
る。
【0074】次に、カチオン性ポリマー成分(C)につ
いて詳述する。カチオン部(C)は、下記の一般式(I
−1)で表されるモノマー単位を含むポリマー成分、又
は一般式(I−2)で表されるモノマー単位を含むポリ
マー成分を表す。
【0075】
【化41】
【0076】上記R11、R12及びR13は、各々独立に水
素原子又は置換基を表す。Lは、2価の連結基を表す。
1及びM2は、各々独立にオニウムイオンを表す。q
は、0又は1を表す。rは0乃至10の整数を表す。上
記R11、R12及びR13で表される置換基は、前記アニオ
ン性を示す成分における、A1 、A2 、B1 及びB2
表される置換基の例と同義である。好ましくは、上記R
11、R12及びR13は、各々独立に、水素原子、炭素原子
数1乃至6のアルキル基、又は炭素原子数6乃至10の
アリール基である。特に好ましくは、水素原子、または
炭素原子数1乃至6のアルキル基である。特にR13は、
メチルであることが好ましい。rは1乃至5の整数であ
ることが好ましい。
【0077】Lは1乃至約20個の炭素原子を含む2価
の連結基を表す。このような連結基は、例えばアルキレ
ン、又はアリレーンをそれぞれ単独、又は組み合わせた
もの、あるいはこれらのものと−O−、−S−、−CO
−、−NH−、及び−CO2−などを組み合わせて形成
されるものを挙げることができる。2価の連結基の好ま
しい具体例を以下に示す
【0078】
【化42】
【0079】M1及びM2で表されるオニウムイオンの例
としては、アンモニウムイオン、オキソニウムイオン、
スルホニウムイオン、及びホスホニウムイオンを挙げる
ことができる。これらの中では、第4級アンモニウムイ
オンが好ましい。第4級アンモニウムイオンは、含窒素
複素環からなる第4級アンモニウムイオンが好ましく、
例えば、ピリジニウムイオン、ピコリニウムイオン、キ
ノリニウムイオン、オキサゾリニウムイオン、チアゾリ
ニウムイオン、イミダゾリニウムイオン、ピラジニウム
イオン、及びテトラゾリニウムイオンを挙げることがで
きる。特に好ましいものは、第4級ピリジニウムイオン
である。これらの含窒素複素環は、置換基を有していて
も良く、この置換基としては、前記アニオン性を示す成
分における、A1 、A2 、B1 及びB2 で表される置換
基の例を挙げることができる。好ましい置換基の例とし
ては、炭素原子数1乃至6のアルキル基(例、メチル、
エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチル)、アリー
ル基(例、フェニル)、及びアラルキル基(例、ベンジ
ル)を挙げることができる。
【0080】一般式(I−1)、又は一般式(I−2)
で表されるモノマー単位を含むカチオン性ポリマー成分
は、それぞれ一般式(I−1−A)、又は一般式(I−
2−A)で表されることが好ましい。
【0081】
【化43】
【0082】上記R11、R12、R13、及びR23は、各々
独立に水素原子又は置換基を表す。上記R21、及びR22
は各々独立に置換基を表す。Lは、2価の連結基を表
す。qは0または1を表す。rは0乃至10の整数を表
す。そしてs1及びs2は、各々独立に0乃至4の整数
を表す。上記R11、R12、R13、L、q、そしてrは、
前記一般式(I−1)又は一般式(I−2)におけるそ
れらの置換基、L、q、そしてrとそれぞれ同義であ
る。上記R21、R22、及びR23で表される置換基は、上
記R11、R12、及びR13における置換基の例と同義であ
り、好ましい範囲も同じである。s1及びs2は、共に
0であることが好ましい。上記R23 は、特に、水素原
子、炭素原子数1乃至6のアルキル基(例、メチル、エ
チル、プロピル、n−ブチル、イソブチル)、アリール
基(例、フェニル)、及びアラルキル基(例、ベンジ
ル)であることが好ましい。一般式(I−1−A)、又
は一般式(I−2−A)において、オニウムイオンは、
4,4’−ビピリジニウムイオンであることが好まし
い。
【0083】一般式(I−1)で表されるモノマー単
位、又は一般式(I−2)で表されるモノマー単位の好
ましい具体例を以下に記載する。但し、これらに限定さ
れるわけではない。
【0084】
【化44】
【0085】
【化45】
【0086】
【化46】
【0087】
【化47】
【0088】
【化48】
【0089】
【化49】
【0090】本発明に係るカチオン性ポリマー成分は、
一般式(I−1)又は一般式(I−2)で表されるモノ
マー単位以外のモノマー単位を共重合成分として含んで
いても良い。このようなモノマー単位の好ましい例とし
ては、アクリル酸エステル(例えば、n−ブチルアクリ
レート)、メタクリル酸エステル(例えば、n−ブチル
メタクリレート)、アクリルアミド(例えば、ジアセト
ンアクリルアミド)、メタクリルアミド(例えば、n−
ブチルメタクリルアミド)、及びスチレン類(例えば、
スチレンスルフィン酸)を挙げることができる。また、
特開昭60ー122940号、同60ー235134
号、同62ー244036号などの各公報に記載されて
いるコモノマーを含有していてもよい。一般式(I−
1)又は一般式(I−2)で表されるモノマー単位は、
カチオン性ポリマー成分中に、50モル%以上(更に好
ましくは、60モル%以上、特に好ましくは、80モル
%以上、最も好ましくは、100モル%)含まれている
ことが好ましい。本発明に係るカチオン性ポリマー成分
の分子量は、5×103〜1×107の範囲にあることが
好ましい。
【0091】一般式(I−1)で表されるモノマー単位
を含むカチオン性ポリマー成分、又は一般式(I−2)
で表されるモノマー単位を含むカチオン性ポリマー成分
(カチオン部「C−」で表示)の具体例を以下に記載す
る。これらのポリマーは、特開昭62−244043号
公報に記載されており、容易に合成することができる。
尚、下記の具体例において、「( )a」の下の数値
aは、ポリマーを構成するモノマー単位の成分(モル
%)を表す。
【0092】
【化50】
【0093】
【化51】
【0094】
【化52】
【0095】
【化53】
【0096】
【化54】
【0097】本発明で用いられる一般式(I−1)、又
は一般式(I−2)で表されるモノマー単位を含むカチ
オン性ポリマー成分と、一般式(II−1)、又は一般式
(II−2)で表されるアニオン性色素成分とからなる色
素の好ましい具体例を下記の表1に示す。表1におい
て、色素の例は、アニオン部(B)とカチオン部(C)
との組み合わせからなるものである。例えば、色素番号
1で示される色素は、アニオン部(B−4)とカチオン
部(C−1)からなり、下記の式で与えられる。尚、色
素番号2以降の色素においても同様な意味である。
【0098】
【化55】
【0099】
【表1】 表1(その1) ───────────────────────────────── 色素 色素 番号 アニオン部 カチオン部 番号 アニオン部 カチオン部 ───────────────────────────────── 1 B−4 C−1 2 B−19 C−5 3 B−29 C−2 4 B−30 C−6 5 B−40 C−3 6 B−40 C−7 7 B−44 C−6 8 B−47 C−10 9 B−63 C−1 10 B−63 C−7 11 B−63 C−25 12 B−71 C−7 13 B−71 C−12 14 B−71 C−22 15 B−71 C−25 16 B−81 C−1 17 B−81 C−2 18 B−81 C−5 19 B−81 C−6 20 B−81 C−22 21 B−81 C−23 22 B−81 C−25 23 B−82 C−7 24 B−82 C−25 25 B−91 C−5 26 B−91 C−7 27 B−91 C−12 28 B−91 C−23 29 B−94 C−8 30 B−94 C−24 ──────────────────────────────────
【0100】
【表2】 表1(その2) ────────────────────────────────── 色素 色素 番号 アニオン部 カチオン部 番号 アニオン部 カチオン部 ─────────────────────────────────── 31 B−94 C−25 32 B−110 C−14 33 B−114 C−6 34 B−114 C−7 35 B−115 C−9 36 B−115 C−11 37 B−115 C−21 38 B−115 C−22 39 B−126 C−23 40 B−127 C−24 41 B−132 C−5 42 B−135 C−6 43 B−138 C−8 44 B−138 C−24 45 B−144 C−25 46 B−154 C−7 47 B−155 C−21 48 B−158 C−9 49 B−160 C−13 50 B−164 C−25 51 B−165 C−22 52 B−179 C−26 53 B−191 C−7 54 B−191 C−23 55 B−197 C−8 56 B−197 C−23 57 B−204 C−7 58 B−204 C−25 ───────────────────────────────────
【0101】本発明で使用される色素は、下記一般式
(III−1)及び一般式(III−2)で表される色素化合
物の非解離体、あるいはアルカリ金属塩(例、Li塩、
Na塩、K塩など)、アンモニウム塩(NH4 +塩)、あ
るいはトリエチルアンモニウム塩(C253 NH
+ 塩)などの塩化合物と、下記一般式(IV−1)及び
(IV−2)で表されるモノマー単位を含むポリマーとの
水または有機溶媒中(メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、ジメチルホルムアミドなど)における塩交
換反応によって容易に合成できる。
【0102】
【化56】
【0103】式中、A3 及びA4 、B3 及びB4 、Y2
及びZ2 、L11、L12、L13、L14及びL15、X3 及び
4 、E1及びG1、n2及びn3、並びにx1、及び
y1は、それぞれ前述した一般式(II−1)、及び一般
式(II−2)におけるA1 、A2 、B1 及びB2 、Y1
及びZ1 、L1 、L2 、L3 、L4 及びL5 、X1 及び
2 、E及びG、n及びn1、並びにx及びyとそれぞ
れ同義である。
【0104】
【化57】
【0105】式中、R31、R32、及びR33、L21
3、M4、q1、そしてr1は、それぞれ前述した一般
式(I−1)および(I−2)におけるR11、R12、R
13、L、M1、M2、q、そしてrとそれぞれ同義であ
る。また、Uは陰イオンを表し、陰イオンとしては、例
えば、ハライドイオン(Cl- 、Br- 、I- )、スル
ホナートイオン(p−トルエンスルホナートイオン)、
ClO4 -、BF4 - 、及びPF6 -等を挙げることができ
る。
【0106】なお、一般式(II−1)及び一般式(II−
2)で表される化合物は、一般に該当する活性メチレン
化合物(例、ピラゾロン、チオバルビツール酸、バルビ
ツール酸、インダンジオン、ヒドロキシフェナレンオン
等)とメチン染料にメチン基またはポリメチン基を導入
するためのメチン源との縮合反応によって合成すること
ができる。この種の化合物の合成についての詳細は、特
公昭39−22069号、同43−3504号、同52
−38056号、同54−38129号、同55−10
059号、同58−35544号、特開昭49−996
20号、同52−92716号、同59−16834
号、同63−316853号、及び同64−40827
号各公報、並びに英国特許第1133986号、米国特
許第3247127号、同4042397号、同418
13225号、同5213956号、及び同52601
79号各明細書を参照することができる。
【0107】具体的には、モノメチン基の導入には、オ
ルトギ酸エチル、オルト酢酸エチルなどのオルトエステ
ル類またはN,N−ジフェニルホルムアミジン塩酸塩等
が、トリメチン鎖の導入には、トリメトキシプロペン、
1,1,3,3−テトラメトキシプロパンまたはマロン
アルデヒドジアニル塩酸塩(あるいはこれらの誘導体)
等が、またペンタメチン鎖の導入には、グルタコンアル
デヒドジアニル塩酸塩または1−(2,4−ジニトロフ
ェニル)−ピリジニウムクロリド(あるいはこれらの誘
導体)等がそれぞれ使用される。
【0108】本発明に係る色素は2種以上を併用しても
よい。また本発明に係る色素とこれら以外の従来から情
報記録媒体用の色素として知られている色素と併用して
もよい。そのような公知の色素の例としては、本発明で
使用されている以外のオキソノール系色素、シアニン系
色素、フタロシアニン系色素、ピリリウム系・チオピリ
リウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系
色素、ナフトキノン系色素、トリフェニルメタン系色
素、およびトリアリルメタン系色素を挙げることができ
る。
【0109】本発明の情報記録媒体は、一般式(I−
1)で表されるモノマー単位を含むカチオン性ポリマー
成分、又は一般式(I−2)で表されるモノマー単位を
含むカチオン性ポリマー成分と、一般式(II−1)で表
されるアニオン性色素成分、又は一般式(II−2)で表
されるアニオン性色素成分とを含む記録層を基板上に設
けてなるものである。本発明の情報記録媒体は、所謂C
D−R型の情報記録媒体、あるいはDVD−R型の情報
記録媒体として構成することができる。CD−R型の情
報記録媒体として構成する場合には、トラックピッチが
1.4〜1.6μmのプレグルーブが形成された円盤状
透明基板に、本発明に係る色素を含む記録層を設けた構
成とすることが好ましい。また、DVD−R型の情報記
録媒体として構成する場合には、トラックピッチが0.
6〜0.9μmのプレグルーブが形成された円盤状透明
基板に、本発明に係る色素を含む記録層を設けた構成と
することが好ましい。上記のいずれの態様の情報記録媒
体においても該記録層の上には反射層が設けられている
ことが好ましく、更にその反射層の上には保護層が設け
られていることが好ましい。
【0110】上記DVD−R型の情報記録媒体は、具体
的には以下の二つの形態で構成されていることが好まし
い。 (1)トラックピッチが0.6〜0.9μmのプレグル
ーブが形成された、厚さが0.6±0.1mmの円盤状
透明基板の該プレグルーブが設けられている側の表面
に、本発明に係る色素を含む記録層が設けられてなる二
枚の積層体をそれぞれの記録層が内側となるように接合
してなる情報記録媒体。
【0111】(2)トラックピッチが0.6〜0.9μ
mのプレグルーブが形成された、厚さが0.6±0.1
mmの円盤状透明基板の該プレグルーブが設けられてい
る側の表面に、本発明に係る色素を含む記録層が設けら
れてなる積層体と、該積層体の基板と略同じ直径の円盤
状透明基板とを、それぞれの記録層が内側となるように
接合してなる情報記録媒体。なお、上記の形態の情報記
録媒体においても、記録層の上に更に反射層が設けられ
ていることが好ましく、更に反射層の上には、保護層が
設けられていることが好ましい。
【0112】本発明の情報記録媒体は、例えば、次に述
べるような方法により製造することができる。
【0113】基板は、従来の情報記録媒体の基板として
用いられている各種の材料から任意に選択することがで
きる。基板材料としては、例えば、ガラス;ポリカーボ
ネート;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;
ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系
樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィンおよ
びポリエステル等を挙げることができ、所望によりそれ
らを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状
としてまたは剛性のある基板として使うことができる。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格など
の点からポリカーボネートが好ましい。これらの材料
は、レーザ光が透過し得る材料が選ばれるが、透過率
は、好ましくは、70〜100%である。CD−R型の
情報記録媒体では、厚さが1.2mmの透明基板が用い
られ、一方、DVD−R型の情報記録媒体では、厚さが
0.6mmの透明基板が用いられる。該基板の直径は、
120mmあるいは80mmが一般的である。
【0114】記録層が設けられる側の基板表面には、平
面性の改善および接着力の向上および記録層の変質防止
などの目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材
料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリ
ル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン
酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールア
クリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、ク
ロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ
塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポ
リイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカ
ップリング剤などの表面改質剤をあげることができる。
下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して
塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、デ
ィップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法
により基板表面に塗布することにより、形成することが
できる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの
範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲であ
る。
【0115】また、基板(または下塗層)上には、トラ
ッキング用溝またはアドレス信号等の情報を表す凹凸
(プレグルーブ)が形成されていることが好ましい。こ
のプレグルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を
射出成形あるいは押出成形する際に直接基板上に形成さ
れることが好ましい。
【0116】また、プレグルーブの形成を、プレグルー
ブ層を設けることにより行ってもよい。プレグルーブ層
の材料としては、アクリル酸のモノエステル、ジエステ
ル、トリエステルおよびテトラエステルのうち少なくと
も一種のモノマー(またはオリゴマー)と光重合開始剤
との混合物を用いることができる。プレグルーブ層の形
成は、例えば、まず精密に作られた母型(スタンパ)上
に上記のアクリル酸エステルおよび重合開始剤からなる
混合液を塗布し、更にこの塗布液層上に基板を載せたの
ち、基板または母型を介して紫外線を照射することによ
り塗布層を硬化させて基板と塗布層とを固着させる。次
いで、基板を母型から剥離することにより得ることがで
きる。プレグルーブ層の層厚は、一般に0.05〜10
0μmの範囲にあり、好ましくは0.1〜50μmの範
囲である。
【0117】プレグルーブの深さは300〜2000オ
ングストロームの範囲にあることが好ましく、またその
半値幅は0.2〜0.9μmの範囲にあることが好まし
い。またプレグルーブ層の深さを1500〜2000オ
ングストロームの範囲にすることにより反射率をほとん
ど低下させることなく感度を向上させることができ、特
に好ましい。従って、このような光ディスク(深いプレ
グルーブの基板に、本発明に係る色素を含む記録層及び
反射層を有する光デイスク)は、高い感度を有すること
から、低いレーザパワーでも記録が可能となり、これに
より安価な半導体レーザの使用が可能となる、あるいは
半導体レーザの使用寿命を延ばすことができる。
【0118】基板上(又は下塗層)の表面(プレグルー
ブが形成されている場合には、その表面上)には、本発
明に係る色素を含む記録層が設けられる。なお、記録層
には、更に耐光性を向上させるために一重項酸素クエン
チャーとして知られる種々の化合物を含有することがで
きる。クエンチャーの代表例としては、特開平3−22
4793号公報に記載の一般式(III)、(IV)もしくは
(V)で表される金属錯体、ジインモニウム塩、アミニ
ウム塩や特開平2−300287号公報や特開平2−3
00288号公報に示されているニトロソ化合物などを
挙げることができる。記録層の形成は、本発明に係る色
素、更に所望によりクエンチャー、結合剤などを溶剤に
溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面
(もしくは下塗り層の表面)に塗布して塗膜を形成した
のち乾燥することにより行われる。
【0119】色素記録層形成用の塗布液の溶剤として
は、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステ
ル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2
−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水
素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサ
ンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテ
ル、ジオキサンなどのエーテル;エタノ−ル、n−プロ
パノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセ
トンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テ
トラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることが
できる。上記溶剤は使用する化合物の溶解性を考慮して
単独または二種以上組み合わせて用いることができる塗
布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤
滑剤などの各種の添加剤を目的に応じて添加してもよ
い。
【0120】色素記録層に結合剤を使用する場合の結合
剤としては、例えばゼラチン、セルロース誘導体、デキ
ストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;お
よびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル
共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポ
リメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂;ポリビニル
アルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチ
ラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒ
ド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高
分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤
を併用する場合に、結合剤の使用量は、色素1重量部に
対して一般に10重量部以下であり、好ましくは5重量
部以下である。このようにして調製される塗布液の濃度
は一般に0.01〜10重量%の範囲にあり、好ましく
は0.1〜5重量%の範囲にある。
【0121】塗布方法としては、スプレー法、スピンコ
ート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート
法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げる
ことができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層
の層厚は一般に20〜500nmの範囲にあり、好まし
くは50〜300nmの範囲にある。また、記録層は基
板の片面のみならず両面に設けられていてもよい。
【0122】上記記録層の上には通常、情報の再生時に
おける反射率の向上の目的で、反射層が設けられる。反
射層の材料である光反射性物質はレーザ光に対する反射
率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、
Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、
W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、P
d、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、A
l、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、S
n、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を
挙げることができる。これらのうちで好ましいものは、
Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステ
ンレス鋼である。これらの物質は単独で用いてもよい
し、あるいは二種以上の組み合わせで、または合金とし
て用いてもよい。特に好ましくは、Au又はAgであ
る。反射層は、例えば上記反射性物質を蒸着、スパッタ
リングまたはイオンプレーティングすることにより記録
層の上に形成することができる。反射層の層厚は一般に
は10〜300nmの範囲にあり、好ましくは50〜2
00nmの範囲である。
【0123】反射層の上には、記録層などを物理的およ
び化学的に保護する目的で保護層を設けることが好まし
い。この保護層は、基盤の記録層が設けられていない側
にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設けられていてもよ
い。保護層に用いられる材料としては、例えば、Si
O、SiO2 、MgF2 、SnO2 、Si3 4 などの
無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹
脂等の有機物質を挙げることができる。
【0124】保護層は、たとえばプラスチックの押出加
工で得られたフィルムを接着層を反射層上及び/または
基板上にラミネートすることにより形成することができ
る。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法
により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂の場合には、これらの適当な溶剤に溶解して塗布
液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥すること
によっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場
合には、溶剤を使用することなく、もしくは適当な溶剤
に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、
UV光を照射して硬化させることによっても形成するこ
とができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、
酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて
添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1〜10
0μmの範囲にある。
【0125】本発明の情報記録媒体は、上述した構成か
らなる単板であってもよいが、あるいは更に上記構成を
有する二枚の基板を記録層が内側となるように向かい合
わせ、接着剤等を用いて接合することにより、貼り合わ
せタイプの情報記録媒体を製造することもできる。ある
いはまた、二枚の円盤状基板のうち少なくとも一方に上
記構成を有する基板を用いて、リング状内側スペーサと
リング状外側スペーサとを介して接合することにより、
エアーサンドイッチタイプの記録媒体を製造することが
できる。
【0126】上記のような方法で製造される本発明のC
D−R型の情報記録媒体は、反射率が70%前後と高い
ため、市販のCDプレーヤで再生することができる。従
って、高反射率を有しかつ耐光性に優れた光ディスクも
得ることができる。
【0127】また、上記のようにして製造した、基板上
に記録層、及び反射層、そして所望により保護層を設け
た二枚の積層体を各々の記録層が内側となるように接着
剤で貼り合わせることにより、二つの記録層を持つDV
D−R型の情報記録媒体を製造することができる。ま
た、上記のようにして得られた一枚の積層体と、該積層
体の基板と略同じ直径の円盤状保護基板とを記録層が内
側となるように接着剤で貼り合わせることにより、片面
のみに記録層を持つDVD−R型の情報記録媒体を製造
することができる。
【0128】情報記録方法は、本発明の情報記録媒体を
用いて、例えば、次のように行われる。まず、情報記録
媒体を所定の定線速度(CDフォーマットの場合は1.
2〜1.4m/秒)または所定の定角速度にて回転させ
ながら、基板側から半導体レーザー光などの記録用の光
を照射する。この光の照射により、記録層の被照射部分
がその光を吸収して局所的に温度が上昇し、物理的ある
いは化学的な変化が生じてその光学的特性を変えること
により、情報が記録される。記録光としては500nm
〜850nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザー
ビームが用いられる。用いられるレーザービームの波長
は好ましくは500nm〜800nmの範囲である。そ
してCD−R型の情報記録媒体においては、レーザービ
ームの波長は750〜850nm(更に好ましくは、7
70〜795nm、特に775〜790nm)の範囲に
あることが好ましい。またはDVD−R型の情報記録媒
体においては、レーザービームの波長は600〜700
nm(更に好ましくは、620〜680nm、特に63
0〜655nm)の範囲にあることが好ましい。上記の
ように記録された情報の再生は、情報記録媒体を所定の
定線速度で回転させながら記録時と同じ波長を持つ半導
体レーザ光を基板側から照射して、その反射光を検出す
ることにより行うことができる。なお、本発明の情報記
録媒体は、通常のCDフォーマットの場合の1倍速はも
とより、2倍速、4倍速、あるいはそれ以上の高速での
記録再生も可能である。
【0129】
【実施例】以下に本発明の実施例及び比較例を記載す
る。
【0130】[実施例1]本発明に係る前記オキソノー
ル系色素(色素番号1)4.0gを、2,2,3,3−
テトラフルオロプロパノール100mLに溶解し、記録
層形成用塗布液を調製した。この塗布液を、表面にスパ
イラルプレグルーブ(トラックピッチ:1.7μm、グ
ルーブ幅:0.4μm、グルーブ深さ:0.16μm)
が射出成形により形成されたポリカーボネート基板(直
径:120mm、厚さ:1.2mm)のそのプレブルー
ブ面に、スピンコートにより塗布し、記録層を形成し
た。記録層の厚さは、プレグルーブ内で約140nmで
あった。
【0131】次に、記録層上にAgをスパッタして、厚
さ約100nmの金属反射層を形成した。更に反射層上
にUV硬化性樹脂(UV硬化剤SD−220、大日本イ
ンキ化学工業(株)製)を塗布し、紫外線を照射して層
厚5μmの保護層を形成した。以上の工程により本発明
に従うCD−R型の情報記録媒体(光ディスク)を得
た。
【0132】[実施例2]〜[実施例6]実施例1にお
いて、前記オキソノール色素(色素番号1)の代わり
に、下記の表2に示す、本発明に係るオキソノール色素
を同量使用した以外は実施例1と同様にして本発明に従
う情報記録媒体(光ディスク)を得た。
【0133】[比較例1]実施例1において、前記オキ
ソノール色素(色素番号1)の代わりに、下記の従来か
ら知られているシアニン色素(化合物a)を同量使用し
た以外は実施例1と同様にして比較用の情報記録媒体
(光ディスク)を得た。
【0134】
【化58】
【0135】[比較例2]実施例1において、前記オキ
ソノール色素(色素番号1)の代わりに、カチオン部
に、三個のエチル基で置換されたアンモニウム塩を持つ
下記のオキソノール色素(化合物b)を同量使用した以
外は実施例1と同様にして比較用の情報記録媒体(光デ
ィスク)を得た。
【0136】
【化59】
【0137】[情報記録媒体の評価] (Xeランプ照射前(フレッシュ)の記録再生特性の評
価)得られた光ディスクをOMT2000(パルスティ
ック社製)評価機を用いて波長780nm、定線速度
1.2m/秒で、レーザパワーを5〜15mWの範囲で
種々変化させ最適記録パワーで記録した。レーザパワー
を0.5mWで信号を再生し、最適パワーでの3T、1
1T信号での変調度を測定した。又、再生時の最適記録
パワーにおけるプレグルーブ(非記録領域)の反射率を
測定した。なお、3T信号の変調度の規格は、0.3〜
0.7であり、11T信号の変調度の規格は、0.6以
上であるが、規格内であれば変調度が高い方が特性は良
いことを示す。また反射率は高い程特性が良いことを示
す。
【0138】(Xeランプ照射後の記録再生特性の評
価)更に、これらの光ディスクにXeランプ(28万ル
クス)を24h(時間)、48h、又は72h照射し
た。そして照射後の光デイスクの記録再生信号の変調度
及び反射率を上記と同様にして測定し、耐光性の評価を
行った。得られた評価結果を下記の表2に示す。
【0139】
【表3】
【0140】
【表4】
【0141】表2の結果から、オキソノール系色素にお
いて、前記一般式(I−1)、又は一般式(I−2)で
表されるモノマー単位を含むカチオン性ポリマー成分を
新たに導入した色素を記録層に含む本発明に従う光ディ
スク(実施例1〜6)の場合には、良好な記録再生特性
を与えることがわかる。また本発明に従う光ディスク
は、比較例2の光ディスクや従来から知られているシア
ニン色素を含有する記録層を有する比較例1の光ディス
クに比べて、Xeランプ照射後の性能の劣化も極めて少
なく、従って耐光性が格段に向上していることがわか
る。
【0142】
【発明の効果】本発明に係るオキソノール系色素を記録
材料として用いることにより、優れた記録再生特性が得
られ、かつ耐光性や保存耐久性においても高い安定性を
有する情報記録媒体を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H111 EA03 EA12 EA22 EA32 FA01 FA12 FB42 FB50 4J038 CK021 CK031 CK041 CR071 DJ001 DK001 JA32 JA74 JB18 JB27 JB28 JB32 JB33 JB38 JC18 JC22 KA08 PB11 PC03 PC08 PC10 5D029 JA04 JC17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、レーザ光により情報の記録が
    可能な記録層が設けられてなる情報記録媒体において、
    該記録層が、一般式(I−1)で表されるモノマー単位
    を含むカチオン性ポリマー成分、又は一般式(I−2)
    で表されるモノマー単位を含むカチオン性ポリマー成分
    と、一般式(II−1)で表されるアニオン性色素成分、
    又は一般式(II−2)で表されるアニオン性色素成分と
    を含むことを特徴とする情報記録媒体。 【化1】 [式中、R11、R12、及びR13は、各々独立に水素原子
    又は置換基を表し、Lは2価の連結基を表し、M1及び
    2は、各々独立にオニウムイオンを表し、qは0また
    は1を表し、そしてrは0乃至10の整数を表す。] 【化2】 [式中、A1 、A2 、B1 及びB2 は各々独立に水素原
    子又は置換基を表し、Y1 及びZ1 は各々独立に、炭素
    環もしくは複素環を形成するために必要な原子団を表
    し、E及びGは各々独立に、共役二重結合鎖を完成する
    ために必要な原子団を表し、X1 は、=O、=NR1
    又は=C(CN)R1を表し、X2 は、−O、−NR1
    または−C(CN)R1 を表し(但し、R1 は置換基を
    表す)、L1、L2 、L3 、L4 及びL5 は、各々独立
    に、置換されていてもよいメチン基を表し、n及びn1
    は各々独立に0、1または2を表し、そしてx及びyは
    各々独立に0または1を表す。]
  2. 【請求項2】 一般式(I−1)で表されるモノマー単
    位を含むカチオン性ポリマー成分、又は一般式(I−
    2)で表されるモノマー単位を含むカチオン性ポリマー
    成分が、それぞれ一般式(I−1−A)、又は一般式
    (I−2−A)で表される請求項1に記載の情報記録媒
    体。 【化3】 [式中、R11、R12、R13、及びR23は、各々独立に水
    素原子、又は炭素原子数1〜18アルキル基、炭素原子
    数2〜18のアルケニル基、炭素原子数2〜18のアル
    キニル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子
    数7〜18のアラルキル基、炭素原子数2〜18のアシ
    ル基、炭素原子数1〜18のアルキルスルホニル基、炭
    素原子数1〜18のアリールスルホニル基、炭素原子数
    1〜18のアルキルスルフィニル基、炭素原子数2〜1
    8のアルコキシカルボニル基、炭素原子数7〜18のア
    リールオキシカルボニル基、炭素原子数1〜18のアル
    コキシ基、炭素原子数6〜18のアリールオキシ基、炭
    素原子数1〜18のアルキルチオ基、炭素原子数6〜1
    0のアリールチオ基、炭素原子数2〜18のアシルオキ
    シ基、炭素原子数1〜18の炭化水素基で置換されたス
    ルホニルオキシ基、炭素原子数1〜18の炭化水素基で
    置換されていてもよいカルバモイルオキシ基、炭素原子
    数1〜18の置換されていてもよいアミノ基、炭素原子
    数1〜18の炭化水素基で置換されていてもよいアミド
    基、炭素原子数1〜18の炭化水素基で置換されていて
    もよいウレイド基、炭素原子数1〜18の炭化水素基で
    置換されていてもよいカルバモイル基、炭素原子数1〜
    18の炭化水素基で置換されていてもよいスルファモイ
    ル基、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、ニトロ
    基、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ
    基、もしくは4乃至7員の複素環基を表し(但し、これ
    らの置換基は、上記の置換基のいずれかによって置換さ
    れていても良く、又これらの置換基に含まれるアルキル
    基は直鎖状、分岐鎖状、又は環状のいずれであってもよ
    い)、Lは、2価の連結基を表し、R21、及びR22は各
    々独立に上記R11、R12、R13、及びR23で表される置
    換基の例と同義であり、qは0または1を表し、rは0
    乃至10の整数を表し、そしてs1及びs2は、各々独
    立に0乃至4の整数を表す。]
  3. 【請求項3】 一般式(II−1)又は一般式(II−2)
    において、X1 が、=Oであり、X2 が、−Oである請
    求項1に記載の情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 記録層上に更に反射層が設けられている
    請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載の情報記録
    媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2005336236A (ja) * 2004-05-24 2005-12-08 Fuji Photo Film Co Ltd 新規オキソノール色素化合物および光情報記録媒体

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