JPH1125505A - 情報記録媒体及びオキソノール化合物 - Google Patents

情報記録媒体及びオキソノール化合物

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JPH1125505A
JPH1125505A JP9257540A JP25754097A JPH1125505A JP H1125505 A JPH1125505 A JP H1125505A JP 9257540 A JP9257540 A JP 9257540A JP 25754097 A JP25754097 A JP 25754097A JP H1125505 A JPH1125505 A JP H1125505A
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JP9257540A
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Shinichi Morishima
慎一 森嶌
Yoshio Inagaki
由夫 稲垣
Toshio Ishida
寿男 石田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐光性や保存耐久性が改良された情報記録媒
体及びその製造に有利に用いられるオキソノール化合物
を提供する。 【解決手段】 基板上に下記一般式(I−1)又は一般
式(I−2)で表される色素化合物を含む記録層が設け
られてなる情報記録媒体。 【化1】 [A1 、A2 、B1 及びB2 :置換基;Y1 及びZ1
炭素環もしくは複素環を形成するために必要な原子団;
E及びG:共役二重結合鎖を完成するために必要な原子
団;X1 :=O、=NR又は=C(CN)2 ;X2 :−
O、−NR又は−C(CN)2 ;L1 〜L5 :メチン
基、m及びn:0〜2;x及びy:0、1;k:2p+
q1+q2を満たす2以上の整数;Q1 及びQ2 :下記
式で示される基: 【化2】 11〜A14:4級化された窒素原子を含む、不飽和ヘテ
ロ環を完成させるための有機残基;R12〜R15:アルキ
ル基、アリール基又は複素環基;L11〜L15:連結基;
p:1〜3の整数;q1及びq2:0または1]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高エネルギー密度
のレーザ光を用いて情報の書き込みが可能な情報記録媒
体及び情報記録媒体の製造に有用な色素化合物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザ光により一回限りの情
報の記録が可能な情報記録媒体(光ディスク)は追記型
CD(所謂CD−R)とも呼ばれ、例えばコンピュータ
用ディスクメモリーなどとして広く利用されている。C
D−R型の光ディスクの基本構造は、ポリマーなどから
なる透明な円盤状基板と、この上に設けられたTe、I
n等の金属又は半金属;又はシアニン系、金属錯体系、
キノン系などの色素からなるレーザ光により情報の記録
が可能な記録層とを有する。なお、通常は、該記録層の
上に金などからなる反射層、更に樹脂製の保護層が順に
積層状態で設けられている。
【0003】光ディスクへの情報の書き込み(記録)
は、通常は780nm付近の波長のレーザ光を照射する
ことにより行われ、記録層の照射部分がその光を吸収し
て局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的な変化
(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変
えることにより、情報が記録される。一方、情報の読み
取り(再生)も通常、記録用のレーザ光と同じ波長のレ
ーザ光を照射することにより行われ、記録層の光学的特
性が変化した部位(ピットなどの生成による記録部分)
と変化しない部位(未記録部分)との反射率の違いを検
出することにより、情報が再生される。
【0004】色素からなる記録層は、金属のように蒸着
法でなく、塗布により容易に形成できるため、製造コス
トの面で有利であり、更に金属記録層に比べて高感度で
あるなどの利点を有する。しかし色素記録層は、一般に
熱、あるいは光に対する経時的な安定性が低いなどの問
題がある。従って、長期間にわたって熱、あるいは光に
対しても安定した性能を維持できる記録層の開発が望ま
れている。しかし、今まで必ずしも満足すべき性能を持
つ記録層が開発されていないのが現状である。
【0005】特開昭63−209995号公報には、オ
キソノール色素からなる記録層が基板上に設けられた情
報記録媒体が開示されている。この色素化合物を用いる
ことにより、長期間にわたり安定した記録再生特性を維
持し得るとされている。そしてここには、分子内に塩の
形でアンモニウムが導入されたオキソノール色素化合物
が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者の検討によれ
ば、上記公報に記載されているオキソノール色素を記録
層に含む情報記録媒体は、熱に対する保存性及び耐久性
(繰り返しの再生)は改善されるものの、長時間日光な
どの光に曝された場合には再生不良が発生し易く、耐光
性に対しては尚充分ではないことが判明した。またこの
情報記録媒体は、従来から知られているシアニン色素を
記録層に含む情報記録媒体に比べて反射率が低く、また
変調度が低い、ジッターが高いなどの記録再生特性にお
いても充分満足できるものではないことがわかった。従
って、本発明の主な目的は、優れた記録再生特性を有す
ると共に、記録特性を長期にわたって充分維持し得るよ
うな高い安定性、特に耐光性や保存耐久性においても高
い安定性を有する情報記録媒体を提供することである。
また本発明の目的は、上記のような高い性能を持つ情報
記録媒体の製造に有利に用いることができる新規なオキ
ソノール化合物を提供することでもある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究により、
従来のオキソノール系色素化合物において、そのアニオ
ン部を持つ色素成分に対して、前記式で示されるビス型
のオニウムイオンを持つカチオン部を対イオンとして導
入した色素化合物を用いることにより、従来に比べて記
録再生特性に優れ、しかも耐光性や保存耐久性において
も更に改良された保存安定性の高い情報記録媒体を製造
できることが見出された。
【0008】本発明は、基板上に、レーザ光により情報
の記録が可能な記録層が設けられてなる情報記録媒体に
おいて、該記録層が、下記の一般式(I−1)で表され
る色素化合物及び/又は一般式(I−2)で表される色
素化合物を含むことを特徴とする情報記録媒体にある。
【0009】
【化9】
【0010】[式中、A1 、A2 、B1 及びB2 は各々
独立に置換基を表し、Y1 及びZ1は各々独立に、炭素
環もしくは複素環を形成するために必要な原子団を表
し、EおよびGは各々独立に、共役二重結合鎖を完成す
るために必要な原子団を表し、X1 は、=O、=NRま
たは=C(CN)2 を表し、X2 は、−O、−NR又は
−C(CN)2 を表し(但し、Rは置換基を表す)、L
1 、L2 、L3 、L4 及びL5 は各々独立に、置換され
ていてもよいメチン基を表し、m及びnは各々独立に
0、1または2を表し、x及びyは各々独立に0または
1を表し、そしてkは、対カチオンを中和するのに必要
な2以上の整数であって、かつ2p+q1+q2を満た
す整数を表し;A11およびA12は各々独立に、4級化さ
れた窒素原子を含む、置換もしくは無置換の不飽和ヘテ
ロ環を完成させるための有機残基を表し、Q1 及びQ2
は、各々下記式:
【0011】
【化10】
【0012】で示される基を表し、A13及びA14は、各
々独立に上記A11と同じ意味を表し、R12、R13、R14
及びR15は、各々独立に、アルキル基、アリール基又は
複素環基を表し、L11、L12、L13、L14及びL15は各
々独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、
−SO2 −、−SO−、−O−、−S−、−N(R11
−、−C(=O)−及び−P(=O)−のうちの少なく
とも一つを含む連結基を表し(但し、R11は水素原子、
アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)、p
は1〜3の整数を表し、そしてq1及びq2は各々独立
に0又は1を表す。]
【0013】また本発明は、一般式(IV−1)で表され
るオキソノール化合物又は一般式(IV−2)で表される
オキソノール化合物にもある。
【0014】
【化11】
【0015】[式中、A3 、A4 、B3 およびB4 は各
々独立に置換基を表し、Y2 およびZ2 は各々独立に、
炭素環もしくは複素環を形成するために必要な原子団を
表し、L6 、L7 、L8 、L9 及びL10は各々独立に、
置換されていてもよいメチン基を表し、m1及びn1は
各々独立に0、1または2を表し、そしてk1は、対カ
チオンを中和するのに必要な2以上の整数であって、か
つ2p1+q3+q4を満たす整数を表し;A15および
16は各々独立に、4級化された窒素原子を含む、置換
もしくは無置換の不飽和ヘテロ環を完成させるための有
機残基を表し、Q3 及びQ4 は、各々下記式:
【0016】
【化12】
【0017】で示される基を表し、A17及びA18は、各
々独立に上記A15と同じ意味を表し、R23、R24、R25
及びR26は、各々独立に、アルキル基、アリール基又は
複素環基を表し、L16、L17、L18、L19及びL20は各
々独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、
−SO2 −、−SO−、−O−、−S−、−N(R22
−、−C(=O)−及び−P(=O)−のうちの少なく
とも一つを含む連結基を表し(但し、R22は水素原子、
アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)、p
1は1〜3の整数を表し、そしてq3およびq4は各々
独立に0または1を表す。]
【0018】本発明は、以下の態様であることが好まし
い。 (1)一般式(I−1)又は一般式(I−2)におい
て、A11及び4級化された窒素原子と共に形成される不
飽和環の該窒素原子と、A12及び4級化された窒素原子
と共に形成される不飽和環の該窒素原子との距離が6〜
9(更に好ましくは6.5〜8、特に7〜8)オングス
トロームの範囲にある。 (2)一般式(I−1)又は一般式(I−2)におい
て、そのカチオン部が下記式(II)で表される。
【0019】
【化13】
【0020】[式中、L16はアルキレン、−O−又は−
S−を表し、R16及びR17は各々独立に、A11と4級化
された窒素原子と共に形成される不飽和環の置換基と同
じ基を表し、R18およびR19は各々独立に、水素原子、
アリール基、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、複素環基、またはアルキル基、アリール基又は複素
環基で置換されたアンモニオ基、またはアルキル基、ア
リール基又は複素環基でN置換されたピリジニオ基を表
し、そしてr1及びr2は各々独立に0〜4の整数を表
し、r1とr2とが共に2以上の整数の場合、複数のR
16及び複数のR17はそれぞれ互いに同じであっても異な
っていてもよい。] (3)一般式(I−1)又は一般式(I−2)におい
て、そのカチオン部が下記式(III)で表される。
【0021】
【化14】
【0022】[式中、L17はアルキレン、−O−又は−
S−を表し、R20及びR21は各々独立に炭素数1〜20
のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は複素環
基を表す。] (4)一般式(I−1)又は(I−2)において、m、
nが共に1であるか、あるいはmが0でnが2、又はm
が2でnが0である。 (5)一般式(I−1)又は(I−2)において、X1
が、=Oであり、X2が、−Oである。 (6)一般式(I−1)又は(I−2)において、Y1
及びZ1 が形成する炭素環もしくは複素環が各々独立
に、チオバルビツール酸又はバルビツール酸である。
【0023】(7)記録層の吸収極大波長が、一般式
(I−1)で表される色素化合物又は一般式(I−2)
で表される色素化合物を含む溶液の吸収極大波長より、
100〜250(更に好ましくは100〜200、特に
好ましくは120〜180)nm長波長側にある。 (8)記録層上に更に反射層が設けられている。 (9)上記(8)において、反射層上に更に保護層が設
けられている。 (10)一般式(IV−1)又は一般式(IV−2)におい
て、そのカチオン部が下記式(V)で表される。
【0024】
【化15】
【0025】[式中、L21はアルキレン、−O−又は−
S−を表し、R27及びR28は各々独立に、A15と4級化
された窒素原子と共に形成される不飽和環の置換基と同
じ基を表し、R29およびR30は各々独立に、水素原子、
アリール基、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、複素環基、アルキル基、アリール基又は複素環基で
置換されたアンモニオ基、またはアルキル基、アリール
基又は複素環基でN置換されたピリジニオ基を表し、そ
してr3及びr4は各々独立に0〜4の整数を表し、r
3とr4とが共に2以上の整数の場合、複数のR27及び
複数のR28はそれぞれ互いに同じであっても異なってい
てもよい。]
【0026】(11)一般式(IV−1)又は一般式(IV
−2)において、そのカチオン部が下記式(VI) で表さ
れる。
【0027】
【化16】 [式中、L22はアルキレン、−O−又は−S−を表し、
31及びR32は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキ
ル基、炭素数6〜20のアリール基または複素環基を表
す。] (12)一般式(IV−1)又は(IV−2)において、m
1、n1が共に1であるか、あるいはm1が0でn1が
2、又はm1が2でn1が0である。 (13)一般式(IV−1)又は(IV−2)において、Y
2 及びZ2 が形成する炭素環もしくは複素環が各々独立
に、チオバルビツール酸又はバルビツール酸である。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の情報記録媒体は、記録層
が、下記一般式(I−1)で表される色素化合物および
/または一般式(I−2)で表される色素化合物を含む
ことを特徴とする。
【0029】
【化17】
【0030】以下に、本発明に用いられる上記色素化合
物について説明する。本発明に用いられる色素化合物
は、アニオン部とカチオン部からなる。まず、アニオン
部(色素成分)について詳述する。上記式において、A
1 、A2 、B1 及びB2 で表される置換基としては、例
えば以下のものを挙げることができる。炭素数1〜18
(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換の直
鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基(例、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、
メトキシエチル、エトキシカルボニルエチル、シアノエ
チル、ジエチルアミノエチル、ヒドロキシエチル、クロ
ロエチル、アセトキシエチル、トリフルオロメチル
等);炭素数7〜18(好ましくは炭素数7〜12)の
置換もしくは無置換のアラルキル基(例、ベンジル、カ
ルボキシベンジル等);炭素数2〜18(好ましくは炭
素数2〜8)の置換もしくは無置換のアルケニル基
(例、ビニル等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数
2〜8)の置換もしくは無置換のアルキニル基(例、エ
チニル等);炭素数6〜18(好ましくは炭素数6〜1
0)の置換もしくは無置換のアリール基(例、フェニ
ル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−
カルボキシフェニル、3、5−ジカルボキシフェニル
等);
【0031】炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜
8)の置換もしくは無置換のアシル基(例、アセチル、
プロピオニル、ブタノイル、クロロアセチル等);炭素
数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは
無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基(例、メ
タンスルホニル、p−トルエンスルホニル等);炭素数
1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルスルフ
ィニル基(例、メタンスルフィニル、エタンスルフィニ
ル、オクタンスルフィニル等);炭素数2〜18(好ま
しくは炭素数2〜8)のアルコキシカルボニル基(例、
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等);炭素数
7〜18(好ましくは炭素数7〜12)のアリールオキ
シカルボニル基(例、フェノキシカルボニル、4−メチ
ルフェノキシカルボニル、4−メトキシフェニルカルボ
ニル等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)
の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキ
シ、エトキシ、n−ブトキシ、メトキシエトキシ等);
炭素数6〜18(好ましくは炭素数6〜10)の置換も
しくは無置換のアリールオキシ基(例、フェノキシ、4
−メトキシフェノキシ等);炭素数1〜18(好ましく
は炭素数1〜8)のアルキルチオ基(例、メチルチオ、
エチルチオ等);炭素数6〜10のアリールチオ基
(例、フェニルチオ等);
【0032】炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜
8)の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例、アセ
トキシ、エチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカル
ボニルキシ、ベンゾイルオキシ、クロロアセチルオキシ
等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置
換もしくは無置換のスルホニルオキシ基(例、メタンス
ルホニルオキシ等);炭素数2〜18(好ましくは炭素
数2〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ
基(例、メチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモ
イルオキシ等);無置換のアミノ基又は炭素数1〜18
(好ましくは炭素数1〜8)の置換アミノ基(例、メチ
ルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリ
ノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、
モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピリジルアミ
ノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニ
ルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバ
モイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、エチルチ
オカルバモイルアミノ、メチルスルファモイルアミノ、
フェニルスルファモイルアミノ、アセチルアミノ、エチ
ルカルボニルアミノ、エチルチオカルボニルアミノ、シ
クロヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ク
ロロアセチルアミノ、メタンスルホニルアミノ、ベンゼ
ンスルホニルアミノ等);
【0033】炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜
8)の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例、無置
換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバ
モイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモ
イル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバモイ
ル、ピロリジノカルバモイル等);無置換のスルファモ
イル基、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の
置換スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、フ
ェニルスルファモイル等);ハロゲン原子(例、フッ
素、塩素、臭素等);水酸基;ニトロ基;シアノ基;カ
ルボキシル基;ヘテロ環基(例、オキサゾール、ベンゾ
オキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イミダ
ゾール、ベンゾイミダゾール、インドレニン、ピリジ
ン、スルホラン、フラン、チオフェン、ピラゾール、ピ
ロール、クロマン、クマリンなど)。
【0034】A1 及びA2 で表される置換基は、ハメッ
トの置換基定数(σp )値が0.2以上のものであるこ
とが好ましい。ハメットの置換基定数は例えば、Che
m.Rev.91,165(1991)に記載されてい
る。特に好ましい置換基は、シアノ基、ニトロ基、アル
コキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スル
ファモイル基、アルキルスルホニル基及びアリールスル
ホニル基である。
【0035】B1 及びB2 で表される置換基は、アルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基、又はアミノ基である
ことが好ましい。
【0036】Y1 に結合する[−C(=L1 )−(E)
x −C(=X1 )−](以下、便宜的に、W1と称す
る。)と、Z1 に結合する[−C(−L5 )=(G)y
=C(−X2 - ) −](以下、便宜的に、W2と称す
る)とはそれぞれ共役状態にあるため、Y1 とW1とで
形成される炭素環もしくは複素環、及びZ1 とW2とで
形成される炭素環もしくは複素環はそれぞれ共鳴構造の
1つとして考えられる。上記Y1 とW1、及びZ1 とW
2とで形成される炭素環もしくは複素環は、4〜7員環
が好ましく、特に好ましくは、5員環または6員環であ
る。これらの環は更に他の4〜7員環と縮合環を形成し
ていても良い。またこれらは置換基を有していてもよ
い。置換基としては、例えば、上記A1 、A2 、B1
びB2 で表される置換基として示したものが挙げられ
る。複素環を形成するヘテロ原子として好ましいもの
は、B、N、O、S、Se、及びTeである。特に好ま
しくは、N、O及びSである。x及びyは、それぞれ独
立に0または1であり、好ましくは共に0である。
【0037】X1 は、=O、=NR又は=C(CN)2
を表す。またX2 は、−O、−NR又は−C(CN)2
を表す。Rは置換基を表す。Rで表される置換基は、前
述したA1 、A2 、B1 及びB2 で表される置換基とし
て示したものが挙げられる。Rは、アリール基であるこ
とが好ましい。特に好ましくはフェニルである。本発明
においては、X1 は、=Oであり、またX2 は、−Oで
ある場合が好ましい。
【0038】Y1 とW1、およびZ1 とW2で形成され
る炭素環としては例えば、以下のものが挙げられる。な
お、例示中、Ra 及びRb は各々独立に、水素原子また
は置換基を表す。
【0039】
【化18】
【0040】好ましい炭素環は、A−1、及びA−4で
示される炭素環である。特に好ましくは、A−1で示さ
れる炭素環である。
【0041】Y1 とW1、およびZ1 とW2で形成され
る複素環としては例えば、以下のものが挙げられる。な
お、例示中、Ra 、Rb 及びRc は各々独立に、水素原
子または置換基を表す。
【0042】
【化19】
【0043】
【化20】
【0044】
【化21】
【0045】
【化22】
【0046】
【化23】
【0047】好ましい複素環は、A−6、A−7、A−
8、A−10、A−11、A−14、A−34、A−3
7及びA−39で示される複素環である。特に好ましく
は、A−6、A−7、A−8、A−11、A−34及び
A−39で示される複素環である。最も好ましくは、A
−7及びA−8で示される複素環である。Ra 、Rb 及
びRc で表される置換基は、前記A1 、A2 、B1 及び
2 で表される置換基として挙げたものと同義である。
またRa 、Rb 及びRc はそれぞれ互いに連結して炭素
環又は複素環を形成してもよい。
【0048】L1 、L2 、L3 、L4 及びL5 で表され
るメチン基は各々独立に、置換基を有していてもよいメ
チン基である。その置換基としては、例えば、前述した
1、A2 、B1 及びB2 で表される置換基とした挙げ
たものが挙げられる。好ましい置換基は、アルキル基、
アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原
子、アミノ基、カルバモイル基及びヘテロ環基である。
これらは、更にこれらの置換基で置換されていてもよ
い。又置換基同志が連結して5〜7員環(例、シクロペ
ンテン環、1−ジメチルアミノシクロペンテン環、1−
ジフェニルアミノシクロペンテン環、シクロヘキセン
環、1−クロロシクロヘキセン環、イソホロン環、1−
モルホリノシクロペンテン環、シクロヘプテン環)を形
成してもよい。本発明においては、m及びnが共に1で
あるか、あるいはmが0でnが2、又はmが2でnが0
である場合が好ましい。kは対カチオンを中和するのに
必要な2以上の整数を表し、但し、kは、2p+q1+
q2で表される整数である。
【0049】次に、カチオン部について詳述する。A11
およびA12は各々独立に、4級化された窒素原子を含
む、置換もしくは無置換の不飽和ヘテロ環を完成させる
ための有機残基を表す。Q1 及びQ2 は各々下記式で示
される基を表す。
【0050】
【化24】
【0051】A13およびA14は各々独立に上記A11(A
12)と同じ意味を表す。R12、R13、R14及びR15は、
各々独立に、アルキル基、アリール基又は複素環基を表
す。L11、L12、L13、L14及びL15は各々独立に、ア
ルキレン、アルケニレン、アルキニレン、−SO2 −、
−SO−、−O−、−S−、−N(R11)−、−C(=
O)−及び−P(=O)−のうちの少なくとも一つを含
む連結基を表す。但し、R11は水素原子、アルキル基、
アリール基又はアラルキル基を表す。pは1〜3の整数
を表し、q1及びq2は各々独立に0または1を表す。
【0052】A11及びA12で表される有機残基は、炭素
原子、水素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子を含
んでいても良い。またA11と4級化された窒素原子とで
形成される不飽和ヘテロ環、あるいはA12と4級化され
た窒素原子とで形成される不飽和ヘテロ環にはベンゼン
環が縮合していてもよい。A11(又はA12)と4級化さ
れた窒素原子とで形成する不飽和ヘテロ環の例として
は、ピリジン環、キノリン環、イソキノリン環、イミダ
ゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾト
リアゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリミジン環およ
びピラゾール環を挙げることができる。中でもピリジン
環、キノリン環およびイソキノリン環が好ましい。A13
およびA14は各々独立に上記A11(又はA12)と同じ意
味を表す。A13と4級化された窒素原子とで形成される
不飽和ヘテロ環、あるいはA14と4級化された窒素原子
とで形成される不飽和ヘテロ環の例としては、ピリジン
環であることが好ましい。A11、A12、A13又はA14
4級化された窒素原子とで形成される不飽和ヘテロ環上
に有する置換基としては、例えば、一般式(I−1)又
は(I−2)におけるアニオン部の説明において、A
1 、A2 、B1 及びB2 で表される置換基の例と同義で
ある。好ましくは、水素原子、炭素数6〜10のアリー
ル基、アルキル基、アラルキル基、カルバモイル基、ア
ルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルオキシカ
ルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、カルボンア
ミド基、スルホンアミド基、及びピリジル基を挙げるこ
とができる。
【0053】L11、L12、L13、L14及びL15で表され
るアルキレン、アルケニレン又はアルキニレンは、それ
ぞれ置換されていてもよい。置換基としては、例えば、
アリール基(例、フェニル)、アルキル基(例、メチ
ル)、及びヒドロキシル基を挙げることができる。
11、L12、L13、L14及びL15は各々独立に、アルキ
レン、アルケニレン、−O−及び−S−を単独又は組み
合わせたものであることが好ましく、更に好ましくは、
アルキレン、−O−及び−S−を単独又は組み合わせた
ものである。アルキレンは、メチレンであることが好ま
しい。アルケニレンはビニレンであることが好ましい。
11で表される置換基は、アルキル基であることが好ま
しく、更に好ましくはメチルである。
【0054】R12、R13、R14及びR15で表されるアル
キル基は、炭素数1〜20、更に好ましくは炭素数1〜
10の置換もしくは無置換のアルキル基が好ましく、こ
れらは直鎖状、分岐鎖状、あるいは環状であってもよ
い。これの具体例は、前記一般式(I−1)又は一般式
(I−2)において、A1 で表される置換基の中で挙げ
たアルキル基の具体例と同義であり、例えば、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec-ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、シクロヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、
メトキシエチル及びトリフルオロエチルを挙げることが
できる。アルキル基の置換基(又は置換原子)の例とし
ては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ
環基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、
アリールオキシ基、カルボニルアミド基、スルホンアミ
ド基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド
基、チオウレイド基、アルキルアミノ基、アリールアミ
ノ基、シアノ基、ニトリ基、アルキルチオ基及びアリー
ルチオ基を挙げることができる。
【0055】R12及びR13で表されるアルキル基は、下
記の置換基で置換されていることが好ましい。ハロゲン
原子(例、F、Cl、Br等)、炭素数1〜10の置換
もしくは無置換のアルキル基(例、メチル、エチル)、
炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリール基
(例、フェニル)、炭素数1〜10の置換もしくは無置
換のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アルー
ルオキシ基、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のア
リールチオ(例、フェニルチオ)、炭素数1〜10の置
換もしくは無置換のアルキルチオ基(例、メチルチオ、
エチルチオ)、炭素数2〜10の置換もしくは無置換の
アルキルオキシカルボニル基(例、ブトキシカルボニ
ル)、及び炭素数2〜10の置換もしくは無置換のカル
ボニルアミド基(例、メチルカルボニルアミド)。R14
及びR15で表されるアルキル基は、共に無置換のメチル
であることが好ましい。
【0056】R12、R13、R14及びR15で表されるアリ
ール基は、炭素数1〜20、更に好ましくは炭素数1〜
10の置換もしくは無置換のアリール基が好ましい。こ
れらの例としては、フェニル、トリル、ナフチル、2−
メトキシフェニル、2−エトキシフェニル、2−プロポ
キシフェニル、2−ブトキシフェニル、及び2,6−メ
トキシフェニルなどを挙げることができる。また置換基
は、上記アルキル基の置換基として挙げたものと同義で
ある。R12、及びR13で表されるアリール基は、下記の
置換基で置換されていることが好ましい。ハロゲン原子
(例、F、Cl、Br、特にF)、炭素数1〜10の置
換もしくは無置換のアルキル基(例、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-
ブチル)、炭素数6〜10の置換もしくは無置換のアリ
ール基(例、フェニル)、及び炭素数1〜10の置換も
しくは無置換のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ)。
【0057】R12、R13、R14及びR15で表される複素
環基は、前記一般式(I−1)又は一般式(I−2)に
おいて、A1 で表される置換基の中で挙げた複素環基の
具体例と同義である。具体的には、オキサゾール、チア
ゾール、イミダゾール、インドレニン、ピリジン、スル
ホラン、フラン、ピラゾール、ピロール、クロマン、及
びクマリンを挙げることができる。また複素環基は、置
換基を有していてもよく、その置換基は、上記アルキル
基の置換基として挙げたものと同義である。
【0058】pが1で、かつq1及びq2が共に0であ
るか、あるいはpが1で、かつq1及びq2が共に1で
ある場合が好ましい。特に好ましくは、pが1で、かつ
q1及びq2が共に1である場合である。
【0059】一般式(I−1)又は一般式(I−2)に
おいて、そのカチオン部は下記式(II)で表されること
が更に好ましい。
【0060】
【化25】
【0061】式中、L16はアルキレン、−O−又は−S
−を表す。R16及びR17は各々独立に、A11又はA12
4級化された窒素原子と共に形成される不飽和環の置換
基と同じ基を表す。R18およびR19は各々独立に、水素
原子、アリール基、アルキル基、アラルキル基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、複素環基、下記式で示されるアンモニオ基:
【0062】
【化26】
【0063】または下記式で示されるN置換ピリジニオ
基を表す。
【化27】
【0064】上記R33及びR34は、各々独立に、アルキ
ル基、アリール基又は複素環基を表す。r1及びr2は
各々独立に0〜4の整数を表し、r1とr2が共に2以
上の整数の場合、複数のR16及び複数のR17はそれぞれ
互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0065】L16で表されるアルキレンは、前記で説明
したアルキレンと同義であり、また好ましい範囲も同じ
である。R16及びR17で表される置換基は、水素原子で
あることが特に好ましい。R18およびR19は各々独立
に、水素原子、アリール基(例、フェニル、2−フロロ
フェニル)、アラルキル基(例、ベンジル)、複素環基
(例、ピリジル基)又は上記式で示されるN置換ピリジ
ニオ基であることが好ましい。
【0066】一般式(I−1)又は一般式(I−2)に
おいて、そのカチオン部は、下記式(III)で表されるこ
とが特に好ましい。
【0067】
【化28】
【0068】L17はアルキレン、−O−又は−S−を表
す。L17は、前記L16と同義である。R20及びR21は各
々独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20
のアリール基又は複素環基を表す。R20及びR21で表さ
れる、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の
アリール基又は複素環基は、それぞれ前述したR12で表
される、アルキル基、アリール基、又は複素環基と同義
であり、またそれぞれについて、その好ましい範囲も同
じである。
【0069】一般式(I−1)又は一般式(I−2)に
おいて、A11及び4級化された窒素原子と共に形成され
る不飽和環の該窒素原子と、A12及び4級化された窒素
原子と共に形成される不飽和環の該窒素原子との距離が
6〜9(更に好ましくは6.5〜8、特に7〜8)オン
グストロームの範囲にあることが好ましい。
【0070】なお、一般式(IV−1)または一般式(IV
−2)で表されるオキソノール化合物において、そのア
ニオン部における表示:A3 、A4 、B3 及びB4 、Y
2 およびZ2 、L6 、L7 、L8 、L9 及びL10、m1
及びn1、そしてk1、並びにそのカチオン部における
表示:A15、A16、A17及びA18、L16、L17、L18
19およびL20、R23、R24、R25およびR26、そして
p1、q3及びq4は、それぞれ前述した一般式(I−
1)又は一般式(I−2)のアニオン部における表示:
1 、A2 、B1 及びB2 、Y1 およびZ1 、L1 、L
2 、L3 、L4およびL5 、m及びn、そしてk、並び
にそのカチオン部における表示:A11、A12、A13及び
14、L11、L12、L13、L14およびL15、R12
13、R14およびR15、そしてp、q1及びq2とそれ
ぞれ同義であり、またそれぞれについて好ましい範囲も
同義である。
【0071】また一般式(V)又は一般式(VI)で表さ
れるカチオン部の化合物において、L21及びL22
27、R28、R29、R30、R31及びR32、そしてr3及
びr4は、それぞれ前述した一般式(II)または一般式
(III)におけるL16およびL17、R16、R17、R18、R
19、R20及びR21、そしてr1及びr2とそれぞれ同義
であり、またそれぞれについて好ましい範囲も同義であ
る。
【0072】本発明で用いられる一般式(I−1)又は
(I−2)で表される色素化合物のアニオン部(「C
−」で表示されている)とカチオン部(「D−」で表示
されている)について以下に具体的に記載する。
【0073】
【化29】
【0074】
【化30】
【0075】
【化31】
【0076】
【化32】
【0077】
【化33】
【0078】
【化34】
【0079】
【化35】
【0080】
【化36】
【0081】
【化37】
【0082】
【化38】
【0083】
【化39】
【0084】
【化40】
【0085】
【化41】
【0086】
【化42】
【0087】
【化43】
【0088】
【化44】
【0089】
【化45】
【0090】
【化46】
【0091】
【化47】
【0092】
【化48】
【0093】
【化49】
【0094】
【化50】
【0095】
【化51】
【0096】
【化52】
【0097】
【化53】
【0098】
【化54】
【0099】
【化55】
【0100】
【化56】
【0101】
【化57】
【0102】
【化58】
【0103】
【化59】
【0104】
【化60】
【0105】
【化61】
【0106】
【化62】
【0107】
【化63】
【0108】
【化64】
【0109】
【化65】
【0110】
【化66】
【0111】
【化67】
【0112】
【化68】
【0113】
【化69】
【0114】
【化70】
【0115】
【化71】
【0116】
【化72】
【0117】本発明で用いられる好ましい具体的な化合
物例を下記の表1に示す。表1において、化合物例は、
アニオン部(C)とカチオン部(D)とを組み合わせて
なるものである。以下に化合物No.1の例を挙げて説
明する。化合物No.1[アニオン部(C−2)/カチ
オン部(D−1)]で示される化合物例は下記の式で示
される。なお、化合物No.2以降の化合物例について
も同様な意味である。
【0118】
【化73】
【0119】
【表1】 表1(その1) ──────────────────────────────────── 化合物 化合物 No.アニオン部 カチオン部 No.アニオン部 カチオン部 ──────────────────────────────────── 1 C− 2 D− 1 2 C− 2 D− 3 3 C− 2 D− 4 4 C− 2 D− 8 5 C− 2 D−10 6 C− 2 D−21 7 C− 2 D−26 8 C− 2 D−44 9 C− 2 D−54 10 C−14 D− 6 11 C−15 D− 1 12 C−15 D− 3 13 C−15 D− 4 14 C−15 D− 6 15 C−15 D− 7 16 C−15 D−10 17 C−15 D−14 18 C−15 D−21 19 C−15 D−24 20 C−15 D−45 21 C−15 D−48 22 C−15 D−60 23 C−16 D−44 24 C−19 D− 4 25 C−19 D− 7 26 C−19 D−15 27 C−19 D−16 28 C−19 D−18 29 C−19 D−20 30 C−28 D− 1 ────────────────────────────────────
【0120】
【表2】 表1(その2) ──────────────────────────────────── 化合物 化合物 No.アニオン部 カチオン部 No.アニオン部 カチオン部 ──────────────────────────────────── 31 C−28 D− 5 32 C−28 D− 6 33 C−28 D−18 34 C−28 D−33 35 C−28 D−35 36 C−28 D−44 37 C−28 D−49 38 C−28 D−54 39 C−30 D− 4 40 C−31 D− 4 41 C−31 D−19 42 C−31 D−31 43 C−31 D−58 44 C−31 D−75 45 C−35 D− 6 46 C−35 D−12 47 C−35 D−82 48 C−41 D− 4 49 C−42 D− 1 50 C−42 D− 4 51 C−42 D− 8 52 C−42 D−10 53 C−42 D−17 54 C−42 D−21 55 C−42 D−29 56 C−42 D−46 57 C−42 D−71 58 C−50 D− 2 59 C−50 D− 4 60 C−50 D− 7 ────────────────────────────────────
【0121】
【表3】 表1(その3) ──────────────────────────────────── 化合物 化合物 No.アニオン部 カチオン部 No.アニオン部 カチオン部 ──────────────────────────────────── 61 C− 56 D− 1 62 C− 56 D−24 63 C− 56 D−35 64 C− 61 D− 1 65 C− 62 D− 4 66 C− 65 D− 1 67 C− 65 D− 4 68 C− 65 D−12 69 C− 78 D− 1 70 C− 78 D− 4 71 C− 78 D−20 72 C− 78 D−24 73 C− 78 D−42 74 C− 78 D−49 75 C− 78 D−54 76 C− 86 D− 1 77 C− 86 D− 4 78 C− 86 D−35 79 C− 86 D−63 80 C− 95 D− 1 81 C− 95 D− 4 82 C−103 D− 4 83 C−103 D−37 84 C−103 D−55 85 C−105 D− 1 86 C−107 D− 1 87 C−112 D− 1 88 C−114 D− 1 89 C−126 D− 4 90 C−127 D− 4 ────────────────────────────────────
【0122】
【表4】 表1(その4) ──────────────────────────────────── 化合物 化合物 No. アニオン部 カチオン部 No. アニオン部 カチオン部 ──────────────────────────────────── 91 C−136 D− 4 92 C−140 D− 4 93 C−141 D− 4 94 C− 97 D− 4 95 C−149 D− 4 96 C−150 D− 6 97 C−158 D− 6 98 C−166 D− 6 99 C−177 D− 6 100 C−189 D− 6 101 C−203 D− 17 102 C−206 D− 17 103 C−212 D− 17 104 C−215 D− 17 105 C−219 D− 17 106 C−222 D− 6 107 C−223 D− 6 108 C−224 D− 6 109 C−225 D− 6 110 C− 13 D− 92 111 C− 13 D− 93 112 C− 13 D− 95 113 C− 13 D− 98 114 C− 15 D− 93 115 C− 15 D− 95 116 C− 15 D− 98 117 C− 15 D−108 118 C− 15 D−117 119 C−227 D− 92 120 C−227 D− 95 121 C−228 D− 98 122 C−230 D−107 123 C−232 D− 95 124 C−232 D− 98 125 C−235 D−114 126 C−239 D− 92 127 C−239 D− 98 128 C−241 D− 95 129 C−241 D− 98 130 C−246 D− 98 131 C−248 D− 98 ────────────────────────────────────
【0123】本発明に係る一般式(I−1)および一般
式(I−2)で表される化合物は、下記の一般式(VII
−1)および一般式(VII −2)で表される色素化合物
の非解離体、アルカリ金属塩(例、Li塩、Na塩、K
塩など)、アンモニウム塩(NH4+塩)、あるいはトリ
エチルアンモニウム塩(Et3 NH+ 塩)などの塩化合
物と、下記一般式(VIII)で表されるオニウム塩との水
または有機溶媒中(メタノール、エタノール、イソプロ
パノール、ジメチルホルムアミドなど)における塩交換
反応によって容易に合成できる。
【0124】
【化74】
【0125】式中、A5 及びA6 、B5 及びB6 、Y3
及びZ3 、並びにL25、L26、L27、L28およびL29
3 及びX4 、E1及びG1、m3及びn3、並びにx
1及びy1は、それぞれ前述した一般式(I−1)また
は一般式(I−2)におけるA1 、A2 、B1 及びB
2 、Y1 およびZ1 、L1 、L2 、L3 、L4 及び
5、X1 及びX2 、E及びG、m及びn、並びにx及
びyとそれぞれ同義である。
【0126】 一般式(VIII): Mk2+ ・k2/n2Xn2- 式中、Mk2+ はオニウムイオンを表す。またXn2- は陰
イオンを表し、n2は対カチオンを中和するのに必要な
2以上(好ましくは2〜8、更に好ましくは2〜6、特
に2〜4)の整数を表す。陰イオンとしては、例えば、
ハライドイオン(Cl- 、Br- 、I- )、スルホナー
トイオン(CH3 SO3 - 、p−トルエンスルホナート
イオン、ナフタレン−1,5−ジスルホナートイオ
ン)、ClO4 - 、BF4 - 、及びPF6 - を挙げるこ
とができる。
【0127】なお、一般式(VII −1)および一般式
(VII −2)で表される色素化合物は、一般に該当する
活性メチレン化合物(例、ピラゾロン、チオバルビツー
ル酸、バルビツール酸、インダンジオン、ヒドロキシフ
ェナレンオン等)とメチン染料にメチン基またはポリメ
チン基を導入するためのメチン源との縮合反応によって
合成することができる。この種の化合物についての詳細
は、特公昭39−22069号、同43−3504号、
同52−38056号、同54−38129号、同55
−10059号、同58−35544号、特開昭49−
99620号、同52−92716号、同59−168
34号、同63−316853号、及び同64−408
27号各公報、並びに英国特許第1133986号、米
国特許第3247127号、同4042397号、同4
181225号、同5213956号、及び同5260
179号各明細書を参照することができる。具体的に
は、モノメチン基の導入には、オルトギ酸エチル、オル
ト酢酸エチルなどのオルトエステル類またはN,N−ジ
フェニルホルムアミジン塩酸塩等が、トリメチン鎖の導
入には、トリメトキシプロペン、1,1,3,3−テト
ラメトキシプロパンまたはマロンアルデヒドジアニル塩
酸塩(あるいはこれらの誘導体)等が、またペンタメチ
ン鎖の導入には、グルタコンアルデヒドジアニル塩酸塩
または1−(2,4−ジニトロフェニル)−ピリジニウ
ムクロリド(あるいはこれらの誘導体)等がそれぞれ使
用される。
【0128】以下に、一般式(I−1)で表される色素
化合物又は一般式(I−2)で表される色素化合物の合
成例を記載する。
【0129】(合成例1) 色素化合物No.14(アニオン部:C−15、カチオ
ン部:D−6)の合成 ジメチルホルムアミド10mLの中に下記の化合物a
0.27gを室温にて添加し撹拌した。この溶液に下記
の化合物b0.15gを添加した。同温度で2時間撹拌
後、水60mLを添加し、水で洗浄後、乾燥して、目的
物0.3gを得た。λmax (最大吸収波長、以下同じ)
=607nm(メタノール中)。
【0130】
【化75】
【0131】
【化76】
【0132】(合成例2) 色素化合物No.19(アニオン部:C−15、カチオ
ン部:D−24)の合成 合成例1において、化合物bの代わりに下記の化合物c
0.15gを用いた以外は、同様な操作にて目的物0.
3gを得た。λmax =607nm(メタノール中)。
【0133】
【化77】
【0134】(合成例3) 色素化合物No.22(アニオン部:C−15、カチオ
ン部:D−60)の合成 合成例1において、化合物bの代わりに下記の化合物d
0.17gを用いた以外は同様な操作にて目的物0.2
7gを得た。λmax =607nm(メタノール中)。
【0135】
【化78】
【0136】(合成例4) 色素化合物No.45(アニオン部:C−35、カチオ
ン部:D−6)の合成 合成例1において、化合物aの代わりに下記の化合物e
0.30gを用いた以外は同様な操作にて目的物0.2
0gを得た。λmax =618nm(メタノール中)。
【0137】
【化79】
【0138】(合成例5) 色素化合物No.67(アニオン部:C−61、カチオ
ン部:D−1)の合成 下記の化合物f0.55gをDMF10mLに溶解し
た。更に下記の化合物g0.32gをこの溶液に添加
し、室温で1時間撹拌した。その後、水70mLを加
え、析出した結晶を濾過し、メタノールで洗浄後乾燥し
て、目的物0.4gを得た。λmax =607nm(メタ
ノール中)
【0139】
【化80】
【0140】
【化81】
【0141】(合成例6) 色素化合物No.87(アニオン部:C−112、カチ
オン部:D−1)の合成 下記の化合物h1.0gをメタノール10mLに加え撹
拌しながら、25%アンモニア水0.1mLを室温で滴
下した。この溶液に、前記化合物g0.5gを水2mL
に溶解した溶液を添加し、そのまま2時間撹拌を続け
た。析出した結晶を濾過し、メタノールで洗浄後乾燥し
て、目的物0.8gを得た。λmax =637nm(メタ
ノール中)。
【0142】
【化82】
【0143】(合成例7) 色素化合物No.95(アニオン部:C−149、カチ
オン部:D−4)の合成 下記の化合物i0.89gを1規定の水酸化ナトリウム
水溶液2.5mLに溶解した。この溶液に前記で用いた
化合物d0.46gを添加し、室温で1時間撹拌した。
析出した結晶を濾過し、メタノールで洗浄後乾燥して、
目的物0.85gを得た。λmax =696nm(メタノ
ール中)
【0144】
【化83】
【0145】(合成例8) 色素化合物No.96(アニオン部:C−150、カチ
オン部:D−6)の合成 下記の化合物j1.1gを1規定の水酸化ナトリウム水
溶液2.5mLに溶解した。この溶液に前記で用いた化
合物b0.6gを添加し、室温で1時間撹拌した。析出
した結晶を濾過し、メタノールで洗浄後乾燥して、目的
物0.9gを得た。λmax =652nm(メタノール
中)
【0146】
【化84】
【0147】(合成例9) 色素化合物No.102(アニオン部:C−206、カ
チオン部:D−17)の合成 下記の化合物k1.1gをメタノール10mLに加え攪
拌しながら、25%アンモニア水0.15mLを室温で
滴下した。この溶液に、下記の化合物l(エル)10.
5gを水0.15mLに溶解した溶液を添加し、そのま
ま2時間撹拌を続けた。析出した結晶を濾過し、メタノ
ールで洗浄後乾燥して、目的物0.5gを得た。λmax
=655nm(メタノール中)
【0148】
【化85】
【0149】
【化86】
【0150】(合成例10〜12) 色素化合物No.10、23、及び100についても前
記合成例1と同様な操作で合成した。以下に合成した化
合物のメタノール中における最大吸収波長を示す。 色素化合物No.10:λmax=611(nm) 色素化合物No.23:λmax=616(nm) 色素化合物No.100:λmax=603(nm)
【0151】(合成例13) 色素化合物No.113(アニオン部:C−13、カチ
オン部:D−98)の合成 ジメチルホルムアミド10mlとメタノール30mlの
混合溶液中に、下記化合物m0.24gを室温にて添加
し攪拌した。この溶液にトリブチルアミン1.2mlを
添加した。同温度で30分間攪拌した後、下記の化合物
n0.24gを添加し、そのまま2時間攪拌を続けた。
析出した結晶を濾過し、メタノールで洗浄後、乾燥し
て、目的物0.19gを得た。λmax =581nm(メ
タノール中)
【0152】
【化87】
【0153】
【化88】
【0154】(合成例14〜18)色素化合物No.1
16、120、121、129及び130についても前
記合成例13と同様な操作で合成した。以下に合成した
化合物のメタノール中における最大吸収波長を示す。 色素化合物No.116:λmax=607(nm) 色素化合物No.120:λmax=609(nm) 色素化合物No.121:λmax=611(nm) 色素化合物No.129:λmax=608(nm) 色素化合物No.130:λmax=656(nm)
【0155】本発明に係る上記一般式(I−1)で示さ
れる色素化合物または一般式(I−2)で示される色素
化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、あるいはそ
れぞれについて二種以上を併用してもよい。また一般式
(I−1)で示される色素化合物と一般式(I−2)で
示される色素化合物とを組み合わせて用いてもよい。あ
るいはまた本発明に係る化合物とこれら以外の従来から
情報記録媒体用の色素化合物として知られている色素化
合物と併用してもよい。これらの例としては、本発明で
使用されている以外のオキソノール系色素、シアニン系
色素、スタロシアニン系色素、ピリリウム系・チオピリ
リウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系
色素、ナフトキノン系色素、トリフェニルメタン系色
素、およびトリアリルメタン系色素を挙げることができ
る。
【0156】本発明の情報記録媒体は、前記一般式(I
−1)で示される色素化合物及び/又は一般式(I−
2)で示される色素化合物を含む記録層を基板上に設け
てなるものである。一般式(I−1)で示される色素化
合物または一般式(I−2)で示される色素化合物を含
む記録層の吸収極大波長は、一般式(I−1)で示され
る色素化合物又は一般式(I−2)で表される色素化合
物を含む溶液(メタノール溶液中)の吸収極大波長よ
り、100〜250(更に好ましくは100〜200、
特に好ましくは120〜180)nm長波長側にあるこ
とが好ましい。一般式(I−1)で示される色素化合物
または一般式(I−2)で示される色素化合物は、記録
層中でJ凝集体を形成するため、記録層の吸収極大波長
は、上記のように長波長側にシフトすると考えられる。
本発明の情報記録媒体は、記録層の上に更に反射層が設
けられていることが好ましく、更に反射層の上に、保護
層が設けられていることが好ましい。
【0157】本発明の情報記録媒体は、例えば、以下に
述べるような方法により製造することができる。基板
は、従来の情報記録媒体の基板として用いられている各
種の材料から任意に選択することができる。基板材料と
しては、例えば、ガラス;ポリカーボネート;ポリメチ
ルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、
塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹
脂;アモルファスポリオレフィンおよびポリエステル等
を挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよ
い。なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性
のある基板として使うことができる。上記材料の中で
は、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカ
ーボネートが好ましい。
【0158】記録層が設けられる側の基板表面には、平
面性の改善および接着力の向上および記録層の変質防止
などの目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材
料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリ
ル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン
酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールア
クリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、ク
ロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ
塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポ
リイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカ
ップリング剤などの表面改質剤をあげることができる。
下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して
塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、デ
ィップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法
を利用して基板表面に塗布することにより、形成するこ
とができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μ
mの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲
である。
【0159】また、基板(または下塗層)上には、トラ
ッキング用溝またはアドレス信号等の情報を表す凹凸
(プレグルーブ)が形成されていることが好ましい。こ
のプレグルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を
射出成形あるいは押出成形する際に直接基板上に形成さ
れることが好ましい。またプレグルーブの形成を、プレ
グルーブ層が設けられることにより行ってもよい。プレ
グルーブ層の材料としては、アクリル酸のモノエステ
ル、ジエステル、トリエステルおよびテトラエステルの
うち少なくとも一種のモノマー(またはオリゴマー)と
光重合開始剤との混合物を用いることができる。プレグ
ルーブ層の形成は、例えば、まず精密に作られた母型
(スタンパー)上に上記のアクリル酸エステルおよび重
合開始剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗布液層
上に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫外線
を照射することにより塗布層を硬化させて基板と塗布層
とを固着させる。次いで、基板を母型から剥離すること
により得ることができる。プレグルーブ層の層厚は、一
般に0.05〜100μmの範囲にあり、好ましくは
0.1〜50μmの範囲である。
【0160】プレグルーブの深さは300〜2000Å
の範囲にあることが好ましく、またその半値幅は、0.
2〜0.9μmの範囲にあることが好ましい。またプレ
グルーブ層の深さを1500〜2000Åの範囲にする
ことにより反射率をほとんど低下させることなく感度を
向上させることができ、特に好ましい。従って、このよ
うな光ディスク(深いプレグルーブの基板に一般式(I
−1)で表される色素化合物または一般式(I−2)で
表される色素化合物からなる記録層およびその上に反射
層が形成された光ディスク)は、高い感度を有すること
から、低いレーザパワーでも記録が可能となり、これに
より安価な半導体レーザの使用が可能となる、あるいは
半導体レーザの使用寿命を延ばすことができる。
【0161】基板上(又は下塗層)の表面(プレグルー
ブが形成されている場合には、その表面上)には、本発
明に係る前記一般式(I−1)で表される色素化合物及
び/又は一般式(I−2)で表される色素化合物からな
る記録層が設けられる。なお、記録層には、更に耐光性
を向上させるために一重項酸素クエンチャーとして知ら
れる種々の化合物を含有することができる。クエンチャ
ーの代表例としては、特開平3−224793号公報に
記載の一般式(III)、(IV)もしくは(V)で表される
金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩や特開平2
−300287号公報や特開平2−300288号公報
に示されているニトロソ化合物などを挙げることができ
る。
【0162】記録層の形成は、本発明に係る前記一般式
(I−1)で表される色素化合物または一般式(I−
2)で表される色素化合物、更に所望によりクエンチャ
ー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次い
でこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成したのち
乾燥することにより行なわれる。色素記録層形成用の塗
布液の溶剤としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテー
トなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロル
メタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの
塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;
シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、
エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノ−
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,
2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系
溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ンングリコールモノエチルエーテル、プロピレンングリ
コールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類
などを挙げることができる。上記溶剤は使用する化合物
の溶解性を考慮して単独または二種以上組み合わせて用
いることができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、U
V吸収剤、可塑剤、潤滑財などの各種の添加剤を目的に
応じて添加してもよい。
【0163】結合剤を使用する場合の結合剤としては、
例えば、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、
ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチ
レン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等
のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリ
ル酸メチルなどのアクリル樹脂;ポリビニルアルコー
ル、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹
脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等
の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙
げることができる。記録層の材料として結合剤を併用す
る場合に、結合剤の使用量は、色素1重量部に対して一
般に10重量部以下であり、好ましくは、5重量部以下
である。このようにして調製される塗布液の濃度は一般
に0.01〜10重量%の範囲にあり、好ましくは0.
1〜5重量%の範囲にある。
【0164】塗布方法としては、スプレー法、スピンコ
ート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート
法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げる
ことができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層
の層厚は一般に20〜500nmの範囲にあり、好まし
くは50〜300nmの範囲にある。また、記録層は基
板の片面のみならず両面に設けられていてもよい。
【0165】上記記録層の上に、情報の再生時における
反射率の向上の目的で、反射層が設けられる。反射層の
材料である光反射性物質はレーザ光に対する反射率が高
い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、T
i、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、M
n、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、I
r、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、G
a、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、及び
Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げ
ることができる。これらのうちで好ましいものは、C
r、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステン
レス鋼である。これらの物質は単独で用いてもよいし、
あるいは二種以上の組み合わせで、または合金として用
いてもよい。反射層は、例えば上記反射性物質を蒸着、
スパッタリングまたはイオンプレーティングすることに
より記録層の上に形成することができる。反射層の層厚
は一般には10〜300nmの範囲にあり、好ましくは
50〜200nmの範囲である。
【0166】反射層の上には、記録層などを物理的およ
び化学的に保護する目的で保護層が設けられていること
が好ましい。この保護層は、基盤の記録層が設けられて
いない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設けられて
いてもよい。保護層に用いられる材料としては、例え
ば、SiO、SiO2 、MgF2 、SnO2 、Si3
4 などの無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV
硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。保護層
は、たとえばプラスチックの押出加工で得られたフィル
ムを接着層を反射層上及び/または基板上にラミネート
することにより形成することができる。あるいは真空蒸
着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられても
よい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、
これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、
この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成する
ことができる。UV硬化性樹脂の場合には、溶剤を使用
することなく、あるいは適当な溶剤に溶解して塗布液を
調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬
化させることによっても形成することができる。これら
の塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸
収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保
護層の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲にあ
る。
【0167】本発明の情報記録媒体は、上述した構成か
らなる単板であってもよいが、あるいは更に上記構成を
有する二枚の基板を記録層が内側となるように向かい合
わせ、接着剤等を用いて接合することにより、貼り合わ
せタイプの情報記録媒体を製造することもできる。ある
いはまた、二枚の円盤状基板のうち少なくとも一方に上
記構成を有する基板を用いて、リング状内側スペーサと
リング状外側スペーサとを介して接合することにより、
エアーサンドイッチタイプの記録媒体を製造することが
できる。本発明の情報記録媒体は上記のような方法で製
造することができる。このようにして得られる、反射率
が極めて高くかつ記録再生特性にも優れた光ディスク
で、耐光性においても向上している。即ち、本発明の情
報記録媒体は反射率が70%前後と高いため、市販のC
Dプレーヤで再生することができる。従って、高反射率
を有しかつ耐光性に優れた光ディスクも得ることができ
る。
【0168】本発明の情報記録方法は、上記情報記録媒
体を用いて、例えば、次のように行われる。まず、情報
記録媒体を定線速度(CDフォーマットの場合は1.2
〜14m/秒)または定角速度にて回転させながら、あ
るいは2倍速以上の高速度で回転させながら、基板側か
ら半導体レーザー光などの記録用の光を照射する。この
光の照射により、記録層と反射層との界面に空洞を形成
(空洞の形成は、記録層または反射層の変形、あるいは
両層の変形を伴って形成される)するか、基板が肉盛り
変形する、あるいは記録層に変色、会合状態の変化等に
より屈折率が変化することにより情報が記録されると考
えられる。記録光としては500nm〜850nmの範
囲の発振波長を有する半導体レーザービームが用いられ
る。このレーザービームの波長は好ましくは500nm
以上、800nm以下である。そしてCD−Rに適した
レーザービームの波長は770〜790nmの範囲にあ
ることが好ましい。上記のように記録された情報の再生
は、情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させな
がら、あるいは2倍速以上の高速度で回転させながら、
記録時と同じ波長を持つ半導体レーザ光を基板側から照
射して、その反射光を検出することにより行うことがで
きる。
【0169】
【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例を記載す
る。
【0170】[実施例1]本発明に係る前記オキソノー
ル系色素化合物(色素化合物No.5)20gを、2,
2,3,3−テトラフルオロプロパノール1000mL
に溶解し、記録層形成用塗布液を得た。この塗布液を、
表面にスパイラルプレグルーブ(トラックピッチ:1.
7μm、グルーブ幅:0.4μm、グルーブ深さ:0.
16μm)が射出成形により形成されたポリカーボネー
ト基板(直径:120mm、厚さ:1.2mm)のその
プレグルーブ面に、スピンコートにより塗布し、記録層
を形成した。記録層の厚さは、プレグルーブ内で約14
0nmであった。
【0171】次に、記録層上にAuをスパッタして、厚
さ約100nmの金属反射層を形成した。更に反射層上
にUV硬化性樹脂(UV硬化剤SD−220、大日本イ
ンキ化学工業(株))を塗布し、紫外線を照射して層厚
5μmの保護層を形成した。以上の工程により本発明に
従う情報記録媒体(以下、サンプル)を得た。
【0172】[実施例2〜18]実施例1において、前
記オキソノール色素化合物(色素化合物No.5)の代
わりに、表2に示す、本発明に係るオキソノール色素化
合物を同量使用した以外は、実施例1と同様にして本発
明に従う情報記録媒体を得た。
【0173】[比較例1]実施例1において、前記オキ
ソノール色素化合物(色素化合物No.5)の代わり
に、下記の従来から知られているシアニン色素化合物
(色素化合物A)を同量使用した以外は、実施例1と同
様にして比較用の情報記録媒体を得た。
【0174】
【化89】
【0175】[比較例2]実施例1において、前記オキ
ソノール色素化合物(色素化合物No.5)の代わり
に、カチオン部に、三個のエチル基で置換されたアンモ
ニウム塩を持つ下記のオキソノール色素化合物(色素化
合物B)を同量使用した以外は、実施例1と同様にして
比較用の情報記録媒体を得た。
【0176】
【化90】
【0177】[参考例1]実施例1において、前記オキ
ソノール色素化合物(色素化合物No.5)の代わり
に、下記のオキソノール色素化合物(色素化合物C)を
同量使用した以外は、実施例1と同様にして参考用の情
報記録媒体を得た。
【0178】
【化91】
【0179】[参考例2]実施例1において、前記オキ
ソノール色素化合物(色素化合物No.5)の代わり
に、下記のオキソノール色素化合物(色素化合物D)を
同量使用した以外は、実施例1と同様にして参考用の情
報記録媒体を得た。
【0180】
【化92】
【0181】[情報記録媒体の評価] (記録後の記録特性(フレッシュ)の評価)得られたサ
ンプルをOMT2000(パルステック社製)評価機を
用いて波長780nm、定線速度4.8m/秒で、レー
ザパワーを5〜15mWの範囲で振って4倍速記録モー
ドで記録した。レーザーパワーを0.5mWで信号を再
生し、最適パワーでの3T、11T信号での変調度及び
そのジッターを調べた(フレシュは、記録後直ちに再生
したことを意味する)。3T信号の変調度の規格は、
0.3〜0.7であり、11T信号の変調度の規格は、
0.6以上であるが、規格内であれば変調度が高い方が
特性は良いことを示す。またジッター値は、小さいほど
記録信号が均一であることを示しており、低い方が特性
は良いことを示す。得られた評価結果を表2に示す。
【0182】
【表4】 表2 ──────────────────────────────────── オキソ 記録再生特性(フレッシュ) N+ −N+ ノール 3T 3T 11T 11T 間距離 化合物 変調度 ジッター 変調度 ジッター (A) ──────────────────────────────────── 実施例1 5 0.684 22.2 0.872 21.1 7.2 実施例2 10 0.675 22.6 0.869 21.4 7.5 実施例3 14 0.668 23.0 0.864 22.1 7.5 実施例4 19 0.661 23.3 0.861 22.4 7.5 実施例5 22 0.657 23.4 0.856 22.5 7.8 実施例6 64 0.646 23.7 0.852 22.8 7.5 実施例7 45 0.642 24.3 0.859 23.1 7.5 実施例8 23 0.638 24.5 0.857 23.6 7.2 実施例9 87 0.631 25.1 0.851 24.0 7.5 実施例10 101 0.628 25.2 0.847 24.2 7.2 実施例11 95 0.622 25.4 0.843 24.5 7.8 実施例12 96 0.619 25.7 0.84 24.7 7.5 実施例13 106 0.613 26.1 0.836 25.2 7.5 実施例14 107 0.607 25.3 0.832 24.4 7.5 実施例15 100 0.602 26.7 0.825 25.7 7.5 実施例16 113 0.680 22.4 0.872 21.0 7.5 実施例17 116 0.681 22.7 0.870 21.8 7.5 実施例18 130 0.670 23.3 0.862 22.7 7.5 ──────────────────────────────────── 比較例1 A 0.543 28.2 0.802 27.3 − 比較例2 B 0.356 30.5 0.698 29.6 − 参考例1 C 0.541 28.1 0.801 27.0 2.9 参考例2 D 0.526 28.6 0.793 27.5 3.9 ────────────────────────────────────
【0183】上記表2の結果から、本発明に係るビス型
のオニウムイオンを持つオキソノール化合物を含有した
記録層を有するサンプル(実施例1〜18)の場合に
は、従来から知られているシアニン色素を含有した記録
層を有する比較用のサンプル(比較例1)や第三級アン
モニウム塩を導入してなるオキソノール化合物を含有し
た記録層を有する比較用のサンプル(比較例2)に比べ
て、高い変調度で、かつ低いジッター値が達成されるこ
とがわかる。また本発明に係るオキソノール化合物のカ
チオン部のN+ −N+ 原子間距離よりも短いN+ −N+
原子間距離を持つ化合物を導入してなる記録層を有する
サンプル(参考例1及び2)に比べて、本発明に係るオ
キソノール化合物を使用することで、更に高い変調度
で、かつ低いジッター値も達成されることがわかる。こ
のことから、本発明に係る色素化合物を用いた情報記録
媒体は、高い記録感度を有しており、また4倍速という
高速記録にも拘らずエラーの発生も少なく、従って高速
記録に適しているということができる。
【0184】[実施例19〜37]実施例1において、
前記オキソノール色素化合物(色素化合物No.5)の
代わりに、表3に示す、本発明に係るオキソノール色素
化合物を同量使用した以外は、実施例1と同様にして本
発明に従う情報記録媒体を得た。
【0185】[比較例5]実施例1において、前記オキ
ソノール色素化合物(色素化合物No.5)の代わり
に、カチオン部に三個のエチル基で置換されたアンモニ
ウム塩を持つ下記のオキソノール色素化合物(色素化合
物E)を同量使用した以外は、実施例1と同様にして比
較用の情報記録媒体を得た。
【0186】
【化93】
【0187】[参考例3]実施例1において、前記オキ
ソノール色素化合物(色素化合物No.5)の代わり
に、下記のオキソノール色素化合物(色素化合物F)を
同量使用した以外は、実施例1と同様にして参考用の情
報記録媒体を得た。
【0188】
【化94】
【0189】[情報記録媒体の評価] (耐光性及び耐久性の評価)得られたサンプルをOMT
2000(パルステック社製)評価機を用いて波長78
0nm、定線速度4.8m/秒で、レーザパワーを5〜
15mWの範囲で振って4倍速記録モードで記録した。
レーザーパワーを0.5mWで信号を再生し、最適パワ
ーでの3T、11T信号での変調度及びそのジッターを
調べた。その後、記録後の耐光性を調べるために、Xe
ランプ(14万ルクス)を36h照射し、その後の記録
信号の3T変調度及びジッターを調べた。また耐久性を
調べるために80度、85%RHの条件で48時間保存
し、その後の記録信号の3T変調度及びジッターを調べ
た。得られた評価結果を表3に示す。なお、上記比較例
1及び比較例2として作成した比較用のサンプルを用い
て、上記と同様な方法で評価した。比較例1及び比較例
2のサンプルは、それぞれ比較例3及び4として記載し
た。
【0190】
【表5】
【0191】上記表3の結果から、本発明に係るビス型
のオニウムイオンを持つオキソノール化合物を含有した
記録層を有するサンプル(実施例19〜37)の場合に
は、Xeランプを照射後、また高温高湿下に保存した後
においても変調度やジッター値の変化は比較的少なく、
高い耐光性、そして保存耐久性を有していることがわか
る。特に、4級アンモニウム塩をカチオン部に持つ化合
物Fを用いたサンプル(参考例3)の場合より更に性能
が改良されていることがわかる。一方、従来から知られ
ているシアニン色素を含有した記録層を有する比較用の
サンプル(比較例3)や第三級アンモニウム塩を導入し
てなるオキソノール化合物を含有した記録層を有する比
較用のサンプル(比較例4〜5)においては、変調度や
ジッター値の変化が大きく、耐光性、耐久性ともに劣っ
ており、トラッキング不良が生じた。
【0192】[実施例38〜44]実施例1において、
前記オキソノール色素化合物(色素化合物No.5)の
代わりに、表4に示す、本発明に係るオキソノール色素
化合物を同量使用した以外は、実施例1と同様にして本
発明に従う情報記録媒体を得た。
【0193】[比較例6]実施例1において、前記オキ
ソノール色素化合物(色素化合物No.5)の代わり
に、カチオン部に、三個のエチル基で置換されたアンモ
ニウム塩を持つ下記のオキソノール色素化合物(色素化
合物G)を同量使用した以外は、実施例1と同様にして
比較用の情報記録媒体を得た。
【0194】
【化95】
【0195】[情報記録媒体の評価]得られたサンプル
に対して、実施例1と同様な方法で評価した。得られた
評価結果を表4に示す。
【0196】
【表6】
【0197】上記表4の結果から、記録層の吸収極大波
長がメタノール溶液中の吸収極大波長より100〜25
0nm長波長側にある本発明に係る色素化合物を使用す
ることにより、第三級アンモニウム塩を導入してなるオ
キソノール化合物を含有した記録層を有する比較用のサ
ンプル(比較例5)に比べて高い変調度が得られ、かつ
低いジッター値が得られることがわかる。このことか
ら、本発明に係る色素化合物を用いた情報記録媒体は、
高い記録感度を有しており、4倍速という高速記録にも
拘らずエラーの発生が少なく、従って高速記録に適して
いるということができる。
【0198】
【発明の効果】ビス型のオニウムイオンをカチオン部に
導入した前記式で示される特定の色素化合物を使用する
ことにより、高い変調度及び低いジッター値が達成され
ると共に、耐光性や保存耐久性などの性能においても更
に改良された情報記録媒体を得ることができる。本発明
に従う色素化合物を使用することで、従来に比べてより
低いジッター値が実現できるため、特に高速記録に適し
た情報記録媒体を製造することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年10月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0103
【補正方法】変更
【補正内容】
【0103】
【化59】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正内容】
【0104】
【化60】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 213/30 C07D 213/32 213/32 213/55 213/55 213/64 213/64 213/65 213/65 213/68 213/68 213/69 213/69 213/70 213/70 213/74 213/74 213/75 213/75 213/76 213/76 213/80 213/80 213/85 213/85 231/20 Z 231/20 233/96 233/96 239/60 239/60 261/12 261/12 307/80 307/80 311/56 311/56 327/06 327/06 401/06 231 401/06 231 239 239 401/14 239 401/14 239 403/06 231 403/06 231 403/14 207 403/14 207 209 209 233 233 413/14 239 413/14 239 471/04 106C 471/04 106 108A 108 B41M 5/26

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、レーザ光により情報の記録が
    可能な記録層が設けられてなる情報記録媒体において、
    該記録層が、下記一般式(I−1)で表される色素化合
    物及び/又は一般式(I−2)で表される色素化合物を
    含むことを特徴とする情報記録媒体。 【化1】 [式中、A1 、A2 、B1 及びB2 は各々独立に置換基
    を表し、Y1 及びZ1は各々独立に、炭素環もしくは複
    素環を形成するために必要な原子団を表し、EおよびG
    は各々独立に、共役二重結合鎖を完成するために必要な
    原子団を表し、X1 は、=O、=NRまたは=C(C
    N)2 を表し、X2 は、−O、−NR又は−C(CN)
    2 を表し(但し、Rは置換基を表す)、L1 、L2 、L
    3 、L4 及びL5 は、各々独立に、置換されていてもよ
    いメチン基を表し、m及びnは各々独立に0、1または
    2を表し、x及びyは各々独立に0または1を表し、そ
    してkは、対カチオンを中和するのに必要な2以上の整
    数であって、かつ2p+q1+q2を満たす整数を表
    し;A11およびA12は各々独立に、4級化された窒素原
    子を含む、置換もしくは無置換の不飽和ヘテロ環を完成
    させるための有機残基を表し、Q1 及びQ2 は、各々下
    記式: 【化2】 で示される基を表し、A13及びA14は、各々独立に上記
    11と同じ意味を表し、R12、R13、R14及びR15は、
    各々独立に、アルキル基、アリール基、又は複素環基を
    表し、L11、L12、L13、L14及びL15は各々独立に、
    アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、−SO2
    −、−SO−、−O−、−S−、−N(R11)−、−C
    (=O)−及び−P(=O)−のうちの少なくとも一つ
    を含む連結基を表し(但し、R11は水素原子、アルキル
    基、アリール基又はアラルキル基を表す)、pは1〜3
    の整数を表し、そしてq1及びq2は各々独立に0又は
    1を表す。]
  2. 【請求項2】 一般式(I−1)又は一般式(I−2)
    において、A11及び4級化された窒素原子と共に形成さ
    れる不飽和環の該窒素原子と、A12及び4級化された窒
    素原子と共に形成される不飽和環の該窒素原子との距離
    が6〜9オングストロームの範囲にある請求項1に記載
    の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 一般式(I−1)又は一般式(I−2)
    において、そのカチオン部が下記式(II)で表される請
    求項1又は2に記載の情報記録媒体。 【化3】 [式中、L16はアルキレン、−O−又は−S−を表し、
    16及びR17は各々独立に、前記A11と4級化された窒
    素原子と共に形成される不飽和環の置換基と同じ基を表
    し、R18およびR19は各々独立に、水素原子、アリール
    基、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリー
    ルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環
    基、またはアルキル基、アリール基又は複素環基で置換
    されたアンモニオ基、またはアルキル基、アリール基又
    は複素環基でN置換されたピリジニオ基を表し、そして
    r1及びr2は各々独立に0〜4の整数を表し、r1と
    r2とが共に2以上の整数の場合、複数のR16および複
    数のR17はそれぞれ互いに同じであっても異なっていて
    もよい。]
  4. 【請求項4】 一般式(I−1)又は一般式(I−2)
    において、そのカチオン部が下記式(III)で表される請
    求項1に記載の情報記録媒体。 【化4】 [式中、L17はアルキレン、−O−又は−S−を表し、
    20及びR21は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキ
    ル基、炭素数6〜20のアリール基、または複素環基を
    表す。]
  5. 【請求項5】 m及びnが共に1であるか、あるいはm
    が0でnが2、又はmが2でnが0である請求項1に記
    載の情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 X1 が、=Oであり、X2 が、−Oであ
    る請求項1に記載の情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 Y1 およびZ1 が形成する炭素環もしく
    は複素環が各々独立に、チオバルビツール酸又はバルビ
    ツール酸である請求項1に記載の情報記録媒体。
  8. 【請求項8】 記録層の吸収極大波長が、一般式(I−
    1)で表される色素化合物又は一般式(I−2)で表さ
    れる色素化合物を含む溶液の吸収極大波長より、100
    〜250nm長波長側にある請求項1に記載の情報記録
    媒体。
  9. 【請求項9】 記録層上に更に反射層が設けられている
    請求項1〜8のいずれかの項に記載の情報記録媒体。
  10. 【請求項10】 一般式(IV−1)で表されるオキソノ
    ール化合物又は一般式(IV−2)で表されるオキソノー
    ル化合物。 【化5】 [式中、A3 、A4 、B3 およびB4 は各々独立に置換
    基を表し、Y2 およびZ2 は各々独立に、炭素環もしく
    は複素環を形成するために必要な原子団を表し、L6
    7 、L8 、L9 及びL10は各々独立に、置換されてい
    てもよいメチン基を表し、m1及びn1は各々独立に
    0、1または2を表し、そしてk1は、対カチオンを中
    和するのに必要な2以上の整数であって、かつ2p1+
    q3+q4を満たす整数を表し;A15およびA16は各々
    独立に、4級化された窒素原子を含む、置換もしくは無
    置換の不飽和ヘテロ環を完成させるための有機残基を表
    し、Q3 及びQ4 は、各々下記式: 【化6】 で示される基を表し、A17及びA18は、各々独立に上記
    15と同じ意味を表し、R23、R24、R25及びR26は、
    各々独立に、アルキル基、アリール基又は複素環基を表
    し、L16、L17、L18、L19及びL20は各々独立に、ア
    ルキレン、アルケニレン、アルキニレン、−SO2 −、
    −SO−、−O−、−S−、−N(R22)−、−C(=
    O)−及び−P(=O)−のうちの少なくとも一つを含
    む連結基を表し(但し、R22は水素原子、アルキル基、
    アリール基又はアラルキル基を表す)、p1は1〜3の
    整数を表し、そしてq3およびq4は各々独立に0また
    は1を表す。]
  11. 【請求項11】 一般式(IV−1)又は一般式(IV−
    2)において、そのカチオン部が下記式(V)で表され
    る請求項10に記載のオキソノール化合物。 【化7】 [式中、L21はアルキレン、−O−又は−S−を表し、
    27及びR28は各々独立に、前記A15と4級化された窒
    素原子と共に形成される不飽和環の置換基と同じ基を表
    し、R29およびR30は各々独立に、水素原子、アリール
    基、アルキル基、アラルキル基、アルコキシ基、アリー
    ルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環
    基、またはアルキル基、アリール基又は複素環基で置換
    されたアンモニオ基、またはアルキル基、アリール基又
    は複素環基でN置換されたピリジニオ基を表し、そして
    r3及びr4は各々独立に0〜4の整数を表し、r3と
    r4とが共に2以上の整数の場合、複数のR27および複
    数のR28はそれぞれ互いに同じであっても異なっていて
    もよい。]
  12. 【請求項12】 一般式(IV−1)又は一般式(IV−
    2)において、そのカチオン部が下記式(VI) で表され
    る請求項10又は11に記載のオキソノール化合物。 【化8】 [式中、L22はアルキレン、−O−又は−S−を表し、
    31及びR32は、各々独立に、炭素数1〜20のアルキ
    ル基、炭素数6〜20のアリール基、または複素環基を
    表す。]
  13. 【請求項13】 m1及びn1が共に1であるか、ある
    いはm1が0でn1が2、又はm1が2でn1が0であ
    る請求項10に記載のオキソノール化合物。
  14. 【請求項14】 Y2 およびZ2 が形成する炭素環もし
    くは複素環が各々独立に、チオバルビツール酸又はバル
    ビツール酸である請求項10に記載のオキソノール化合
    物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000160131A (ja) * 1998-09-24 2000-06-13 Fuji Photo Film Co Ltd アニオン性赤外線吸収剤、感光性組成物及びそれを用いた平版印刷版原版
US6444393B2 (en) * 1998-03-26 2002-09-03 Fuji Photo Film Co., Ltd. Anionic infrared-ray absorbing agent, photosensitive composition and planographic printing plate precursor using same
JP2007153878A (ja) * 2005-11-11 2007-06-21 Fujifilm Corp カチオン化合物、色素化合物およびその使用方法、ならびに光情報記録媒体
JP2019089765A (ja) * 2013-09-17 2019-06-13 エシロール・アンテルナシオナル エレクトロクロミック性の単核及び2核ビオロゲン並びにそれらを含有する光学物品

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