JP4137352B2 - 含金属アザオキソノール系色素化合物 - Google Patents

含金属アザオキソノール系色素化合物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、含金属アザオキソノール系色素化合物に関し、特に、高エネルギー密度のレーザ光を用いて情報の書き込みが可能な光情報記録媒体の記録層色素に好適に使用することができる色素化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レーザ光により一回限りの情報の記録が可能な追記型光情報記録媒体(光ディスク)はCD−Rと称され、広く知られている。これらCD−Rは、射出成形等により基板上にピットを形成して情報を記録していた従来のCDに比べて、少量のCDを手頃な価格でしかも迅速に作製することができるという利点を有しており、最近のパーソナルコンピュータの普及に伴ってその需要も増大している。
【0003】
このCD−R型の光情報記録媒体の代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層(色素記録層)、金や銀などの金属からなる光反射層、更に樹脂製の保護層をこの順に積層したものである。そしてこの光ディスクへの情報の記録は、近赤外域のレーザ光(通常は780nm付近の波長のレーザ光)を光ディスクに照射することにより行われ、色素記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に発熱変形(例えば、ピットなどの生成)することにより情報が記録される。一方、情報の再生は、通常、記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を光ディスクに照射して、色素記録層が発熱変形した部位(記録部分)と変形していない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより行われている。
【0004】
近年では、CD−Rより高密度の記録が可能な媒体として、追記型デジタル・ビデオ・ディスク(DVD−R)と称される光ディスクが提案され実用化されている。記録密度を高めるには、照射されるレーザの光径を小さく絞ることが有効であり、また波長が短いレーザ光ほど小さく絞ることができるため、高密度化に有利であることが理論的に知られている。DVD−Rではこの原理に基づいて、可視域のレーザ光(通常は630〜680nmの範囲の波長のレーザ光)という、従来から用いられているCD−Rの記録波長(780nm)より短い波長の光で記録を行うことにより、より高密度での記録を可能にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の高密度化を色素記録層を備えた光情報記録媒体で実現するためには、短波長の光に対して優れた記録特性を有する色素化合物の開発が鍵となる。本出願人は、特開昭63−209995号公報において、オキソノール色素を含む色素記録層を基板上に設けたCD−R型の光情報記録媒体を提案している。特開昭63−209995号公報には、分子内に塩の形でアンモニウムが導入されたオキソノール色素が記載されている。このタイプのオキソノール色素の中には青色〜紫色の短波長の光に対して優れた記録特性を有するものがあり、高密度記録媒体用の記録層色素として有望である。また、特開昭63−209995号公報によれば、オキソノール色素を含む色素記録層設けた光情報記録媒体は長期間に渡り記録再生特性を維持し得るものとされている。
【0006】
しかしながら、近年のCD−R及びDVD−Rの用途拡大に伴い、例えば温湿度変化の激しい環境下で使用されるなど光デスクの使用環境が従来に比べて厳しくなっている。このため、特開昭63−209995号公報に記載のオキソノール系色素化合物より更に耐光性及び湿熱耐久性に優れた色素化合物が必要とされていた。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、耐光性及び湿熱耐久性に優れ、光情報記録媒体の記録層色素に好適に使用することができる含金属アザオキソノール系色素化合物を提供することにある
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の手段により達成された。
(1)下記一般式( IV )または一般式(V)で表される含金属アザオキソノール系色素化合物。
【0018】
【化2】
Figure 0004137352
[式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18は水素原子または置換基を表す。D1、D2は置換基を表し、p、qは0〜4の整数を表す。M5、M6はそれぞれVIII族、Ib族、IIb族、IIIb族、IVa族、Va族、VIa族、VIIa族の金属原子、該金属原子のハロゲン化物、または該金属原子の酸化物を表し、Q5、Q6は陰イオンを表し、l2、l3は1、2、または3を表す。l2またはl3が2または3のときは、上記式中の配位子は互いに同じであっても異なっていてもよい。]
【0019】
本発明の含金属アザオキソノール系色素化合物は、耐光性及び湿熱耐久性に優れているので、この含金属アザオキソノール系色素化合物を含む色素記録層を備えることにより、記録再生特性及び耐光性(光に対する保存安定性)に優れた光情報記録媒体を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の含金属アザオキソノール系色素化合物及びこれを含有する光情報記録媒体について詳細に説明する。
まず、本発明に係る含金属アザオキソノール系色素化合物について説明する。本発明に係る含金属アザオキソノール系色素化合物は、アザオキソノール系色素化合物を配位子とする金属錯体色素であり、下記一般式(I)で表される。
一般式(I)
(L)M1Q1
[式中、Lは下記一般式(I−1)または一般式(I−2)で表されるアザオキソノール系色素化合物を表し、M1はVIII族、Ib族、IIb族、IIIb族、IVa族、Va族、VIa族、VIIa族の金属原子、該金属原子のハロゲン化物、または該金属原子の酸化物を表し、Q1は陰イオンを表し、lは1、2、または3を表し、lが2または3のときは、Lは互いに同じであっても異なっていてもよい。]
【0021】
【化3】
Figure 0004137352
[式中、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10は置換基を有していてもよいメチン基を表し、X1、X3は−O、または−NRを表し(但し、Rは置換基を表す)、X2、X4は=O、または=NRを表す(但し、Rは置換基を表す)。]
【0022】
上記一般式(I−1)または一般式(I−2)において、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10は置換基を有していてもよいメチン基を表し、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10で表されるメチン基の置換基としては、以下に記載のものを挙げることができる。
【0023】
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、メトキシエチル、エトキシカルボニルエチル、シアノエチル、ジエチルアミノエチル、ヒドロキシエチル、クロロエチル、アセトキシエチル、トリフルオロメチル等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルケニル基(例、ビニル等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルキニル基(例、エチニル等);炭素数6〜18(好ましくは炭素数6〜10)の置換もしくは無置換のアリール基(例、フェニル、4−メチルフェノル、4−メトキシフェニル、4−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル等);炭素数7〜18(好ましくは炭素数7〜12)の置換もしくは無置換のアラルキル基(例、ベンジル、カルボキシベンジル等);
【0024】
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシル基(例、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、クロロアセチル等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基(例、メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルスルフィニル基(例、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル、オクタンスルフィニル等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル等);炭素数7〜18(好ましくは炭素数7〜12)のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル、4−メチルフェノキシカルボニル、4−メトキシフェニルカルボニル等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、メトキシエトキシ等);炭素数6〜18(好ましくは炭素数6〜10)の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例、フェノキシ、4−メトキシフェノキシ等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ等);炭素数6〜10(好ましくは炭素数1〜8)のアリールチオ基(例、フェニルチオ等);
【0025】
炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルキシ、ベンゾイルオキシ、クロロアセチルオキシ等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ等);無置換のアミノ基、もしくは炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換アミノ基(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、メチルスルファモイルアミノ、フェニルスルファモイルアミノ、エチルカルボニルアミノ、エチルチオカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、クロロアセチルアミノ、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等);
【0026】
炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアミド基(例、アセトアミド、アセチルメチルアミド、アセチルオクチルアミド等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のウレイド基(例、無置換のウレイド、メチルウレイド、エチルウレイド、ジメチルウレイド等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例、無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、ピロリジノカルバモイル等);無置換のスルファモイル基もしくは炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等);ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素等);水酸基;メルカプト基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;スルホ基;ホスホノ基(例、ジエトキシホスホノ等);ヘテロ環基(例、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、インドレニン環、ピリジン環、モルホリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、スルホラン環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、ピロール環、クロマン環、及びクマリン環など)である。
【0027】
上記一般式(I−1)または一般式(I−2)において、X1、X3は−O、または−NRを表し(但し、Rは置換基を表す)、X2、X4は=O、または=NRを表す(但し、Rは置換基を表す)。Rで表される置換基は、前述したL1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10で表されるメチン基の置換基として例示したものが挙げられる。Rがアリール基(例、フェニル)、シアノ基、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、ブトキシカルボニル)、アルキルスルホニル基(例、メタンスルホニル)、またはアリールスルホニル基(例、ベンゼンスルホニル)であることが好ましい。本発明においては、X1、X3が−Oであり、かつX2、X4が=Oである場合が特に好ましい。
【0028】
M1はVIII族、IIb族、IIb族、IIIb族、IVa族、Va族、VIa族、VIIa族の金属原子、該金属原子のハロゲン化物、または該金属原子の酸化物を表し、好ましくは、Ni、Zn、Cu(I)、Cu(II)、Co、Fe(II)、Fe(III)、Pd、Al、Ti、Pt(II)、Pt(IV)、V、Cr、Mn、In(III)、Ru(III)、Sn(II)が挙げられ、その酸化物及びハロゲン化物としてはVO、AlClが挙げられる。
【0029】
Q1は陰イオンを表し、無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、ハロゲン陰イオン(例えばフッ素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えばメチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが挙げられる。さらに、イオン性ポリマーまたは他のアニオン性色素を用いてもよい。Q1は、カウンターアニオンとして機能するが、M1に配位していてもいなくても構わない。また、M1にはL、Q1以外に水などの溶媒が配位していても構わない。
【0030】
lは1、2、または3を表し、lが2または3のとき、Lは互いに同じであってもよく、また異なっていてもよい。即ち、同一のアザオキソノール系色素化合物が複数配位していてもよく、異なるアザオキソノール系色素化合物が複数配位していてもよい。
【0031】
本発明に係る含金属アザオキソノール系色素化合物の好適な態様としては、下記一般式(I−3)または一般式(I−4)で示すものが挙げられる。
【0032】
【化4】
Figure 0004137352
[式中、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10は置換基を有していてもよいメチン基を表し、X1、X3は−O、または−NRを表し(但し、Rは置換基を表す)、X2、X4は=O、または=NRを表す(但し、Rは置換基を表す)。M1、M2はVIII族、Ib族、IIb族、IIIb族、IVa族、Va族、VIa族、VIIa族の金属原子、該金属原子のハロゲン化物、または該金属原子の酸化物を表し、Q1、Q2は陰イオンを表し、l、mは1、2、または3を表す。lまたはmが2または3のときは、上記式中の配位子は互いに同じであっても異なっていてもよい。]
【0033】
上記一般式(I−3)または一般式(I−4)において、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10、X1、X2、X3、X4は、各々前述した一般式(I−1)及び/または一般式(I−2)におけるL1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10、X1、X2、X3、X4に同義であり、その好ましい範囲も同一である。M1、M2は一般式(I)におけるM1に同義であり、その好ましい範囲も同一である。Q1、Q2は一般式(I)におけるQ1に同義でありその好ましい範囲も同一である。l、mは一般式(I)におけるlに同義でありその好ましい範囲も同一である。
【0034】
本発明に係る含金属アザオキソノール系色素化合物のより好適な態様としては、下記一般式(II)または一般式(III)で示すものが挙げられる。
【0035】
【化5】
Figure 0004137352
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10は水素原子または置換基を表し、R1とR2、R5とR6、R7とR8、及びR9とR10は、それぞれ連結して環を形成していてもよい。M3、M4はVIII族、Ib族、IIb族、IIIb族、IVa族、Va族、VIa族、VIIa族の金属原子、該金属原子のハロゲン化物、または該金属原子の酸化物を表し、Q3、Q4は陰イオンを表し、l1、m1は1、2、または3を表す。l1またはm1が2または3のときは、上記式中の配位子は互いに同じであっても異なっていてもよい。]
【0036】
上記一般式(II)または一般式(III)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10は水素原子または置換基を表す。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10で表される置換基は、前述したL1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10で表されるメチン基の置換基として例示したものが挙げられ、その好ましい範囲も同一である。R1、R3、R4、R6、R7、R10で表される置換基は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基であることが好ましい。R2、R5、R8、R9で表される置換基は、ハメットの置換基定数(σp)値が0.2以上のものであることが好ましい。ハメットの置換基定数は、例えば、Chem.Rev.91,165(1991)に記載されている。特に好ましい置換基は、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルフォニル基、アリールスルフォニル基である。
【0037】
また、R1とR2、R5とR6、R7とR8、及びR9とR10は、それぞれ連結して炭素環または複素環などの環を形成していてもよい。
【0038】
形成される炭素環としては例えば、以下のものが挙げられる。なお、例示中、Ra及びRbは各々独立に、水素原子または置換基を表す。
【0039】
【化6】
Figure 0004137352
【0040】
形成される複素環としては例えば、以下のものが挙げられる。なお、例示中、Ra、Rb、及びRcは各々独立に、水素原子または置換基を表す。
【0041】
【化7】
Figure 0004137352
【0042】
【化8】
Figure 0004137352
【0043】
【化9】
Figure 0004137352
【0044】
【化10】
Figure 0004137352
【0045】
【化11】
Figure 0004137352
【0046】
【化12】
Figure 0004137352
【0047】
【化13】
Figure 0004137352
【0048】
Ra、Rb、及びRcで表される置換基は、それぞれ前記L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10で表されるメチン基の置換基と同義である。またRa、Rb、及びRcはそれぞれ互いに連結して炭素環または複素環を形成してもよい。炭素環としては、例えば、シクロヘキシル環、シクロペンチル環、シクロヘキセン環、及びベンゼン環などの飽和または不飽和の4〜7員環の炭素環を挙げることができる。また複素環としては、例えば、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、テトラヒドロフラン環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、及びピラジン環などの飽和または不飽和の4〜7員環の複素環を挙げることができる。これらの炭素環または複素環は更に置換されていてもよい。更に置換し得る基としては、前記L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10で表されるメチン基の置換基として例示したものが挙げられる。
【0049】
M3、M4、Q3、Q4、l1、及びm1は、それぞれ前記一般式(I−3)または一般式(I−4)におけるM1、M2、Q1、Q2、l、及びmとそれぞれ同義であり、その好ましい範囲も同一である。
【0050】
本発明の含金属アザオキソノール系色素化合物は、下記一般式(IV)または一般式(V)で示すものである
【0051】
【化14】
Figure 0004137352
[式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18は水素原子または置換基を表す。D1、D2は置換基を表し、p、qは0〜4の整数を表す。M5、M6はそれぞれVIII族、Ib族、IIb族、IIIb族、IVa族、Va族、VIa族、VIIa族の金属原子、該金属原子のハロゲン化物、または該金属原子の酸化物を表し、Q5、Q6は陰イオンを表し、l2、l3は1、2、または3を表す。l2またはl3が2または3のときは、上記式中の配位子は互いに同じであっても異なっていてもよい。]
【0052】
一般式(IV)及び/または一般式(V)において、R11、R12、R13R14、R15、R16、R17、R18、は前記一般式(II)または一般式(III)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10と同義であり、その好ましい範囲も同一である。D1、D2は置換基を表す。D1、D2で表される置換基は、前記L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10で表されるメチン基の置換基としてあげたものと同義であり、その好ましい範囲も同一である。
【0053】
M5、M6、Q5、Q6、l2、及びl3はそれぞれ前記一般式(II)及び/または一般式(III)におけるM3、M4、Q3、Q4、l1、及びm1に同義であり、その好ましい範囲も同一である。M5、M6は、Ni2+、Cu2+、Zn2+、Fe(II)2+であることが特に好ましい。Q5、Q6は、ハロゲン陰イオン(例えばフッ素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えばp−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば1,3−ベンゼンスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、または特開平12−94834号公報記載のオキソノール系色素であることが特に好ましい。l2、l3は1または2であることが特に好ましい。p、qは0〜4の整数を表し、好ましくは0である。
【0054】
以下に本発明の含金属アザオキソノール系色素化合物の具体例〔(1)〜(5)、(7)、(9)〜(11)、(13)〜(20)、(22)〜(23)、(25)〜(28)、(30)〜(32)、(34)、(38)〜(39)、(41)〜(42)、(44)〜(45)、(47)〜(55)〕を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0055】
【化15】
Figure 0004137352
【0056】
【化16】
Figure 0004137352
【0057】
【化17】
Figure 0004137352
【0058】
【化18】
Figure 0004137352
【0059】
【化19】
Figure 0004137352
【0060】
【化20】
Figure 0004137352
【0061】
【化21】
Figure 0004137352
【0062】
本発明の含金属アザオキソノール系色素化合物は、下記化合物(VI)及び/または(VII)(アザオキソノール系色素化合物)を合成中間体として合成される。また、この合成中間体は、対応する活性メチレン化合物(例、ピラゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、イソオキサゾロン、メルドラム酸、シアノ酢酸エステル)と、ピロリジン‐2,5−ジオン‐ジイミンやジイミノイソインドリンとの縮合反応によって合成することができる。なお、この種の合成方法についての詳細は、J. Chem. Soc., 235−243(1956)に記載されている。
【0063】
【化22】
Figure 0004137352
[式中、L11、L12、L13、L14、L15、L16、L17、L18、L19、L20は前記一般式(I−1)及び/または一般式(I−2)におけるL1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10と同義である。X5は前記一般式(I−1)及び/または(I−2)におけるX2、X4と同義である。]
【0064】
次に、本発明の含金属アザオキソノール系色素化合物の合成例を示す。まず、含金属アザオキソノール系色素化合物の合成中間体である下記色素化合物(A、B、及びC)を合成し、次にこの色素を用いて含金属アザオキソノール系色素化合物を合成する。
【0065】
【化23】
Figure 0004137352
【0066】
[色素化合物(A)の合成]
1,3−ジメチルバルビツール酸(6.2g, 0.040モル)及び1,3−ジイミノイソインドリン(2.9g, 0.020モル)をメタノール(150mL)に懸濁させた後、3時間加熱還流した。室温まで冷却した後、黄色沈殿物を濾取し、メタノール(200mL)で洗浄することによって、1.9gの色素化合物(A)を得た。これは理論収量の22%に相当する。得られた色素化合物(A)のNMRデータは以下の通りである。1H−NMR(CDCl3):9.35(d,2H),7.7(d,2H),3.5(s,6H),3.4(s,6H)
【0067】
[色素化合物(B)の合成]
下記ピラゾロン化合物(A)(2.8g, 0.010モル)及び1,3−ジイミノイソインドリン(0.73g, 5.0ミリモル)をメタノール(40mL)に懸濁させた後、6時間加熱還流した。室温まで冷却した後、濃紫色沈殿物を濾取し、メタノール(200mL)で加熱洗浄することによって、0.62gの色素化合物(B)を得た。これは理論収量の19%に相当する。得られた色素化合物(B)のNMRデータは以下の通りである。1H−NMR(CDCl3):13.4(s,1H),10.1(d,1H),8.5(d,1H),7.85(m,2H),7.55(d,4H),2.85(s,3H),2.75(s,3H)
【0068】
【化24】
Figure 0004137352
【0069】
[色素化合物(C)の合成]
下記イソオキサゾロン化合物(A)(1.9g, 0.010モル)及び1,3−ジイミノイソインドリン(0.73g, 5.0ミリモル)をメタノール(40mL)に懸濁させた後、4時間加熱還流した。室温まで冷却した後、橙色沈殿物を濾取し、メタノール(200mL)で加熱洗浄することによって、1.85gの色素化合物(C)を得た。これは理論収量の75%に相当する。得られた色素化合物(C)のNMRデータは以下の通りである。1H−NMR(CDCl3):7.5(d,4H),7.1(d,2H),6.95(d,4H),6.5(d,2H),3.9(s,6H)
【0070】
【化25】
Figure 0004137352
【0071】
[含金属アザオキソノール色素化合物(1)の合成]
前記色素化合物(A)(0.42g, 1.0ミリモル)及びトリエチルアミン(0.14mL, 1.0ミリモル)をメタノール(60mL)及び塩化メチレン(60mL)の混合溶媒に懸濁させた後、過塩素酸銅(II)六水和物(0.44g,1.2ミリモル)を添加し3時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶媒留去し、メタノールで再結晶することによって、含金属オキソノール色素化合物(1)の赤色板状結晶0.14gを得た。これは理論収量の24%に相当する。同定データを以下に示す。mp:306℃(分解)、MS(m/e):485(M+)、λmax:527.5nm(メタノール中)
【0072】
[含金属アザオキソノール色素化合物(9)の合成]
前記色素化合物(B)(0.33g, 0.5ミリモル)及び過塩素酸銅(II)六水和物(0.22g,0.6ミリモル)をメタノール(20mL)及び塩化メチレン(20mL)の混合溶媒に懸濁させた後、2時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶媒留去し、水で洗浄を繰り返すことによって、含金属オキソノール色素化合物(9)の濃赤色粉末0.38gを得た。これは理論収量の92%に相当する。同定データを以下に示す。mp:230℃(分解)、MS(m/e):728(M+)、λmax:548nm(メタノール中)
【0073】
[含金属アザオキソノール色素化合物(10)の合成]
前記色素化合物(B)(0.66g, 1.0ミリモル)及び塩化銅(II)無水(1.6g,12ミリモル)をメタノール(20mL)に懸濁させた後、12時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶媒留去し、水で洗浄を繰り返すことによって、含金属オキソノール色素化合物(10)の紫色粉末0.60gを得た。これは理論収量の79%に相当する。同定データを以下に示す。MS(m/e):1392(M+)、λmax:548nm(メタノール中)
【0074】
[含金属アザオキソノール色素化合物(19)の合成]
前記色素化合物(C)(0.49g, 1.0ミリモル)及びトリエチルアミン(0.14mL,1.0ミリモル)をメタノール(20mL)及び塩化メチレン(20mL)の混合溶媒に懸濁させた後、過塩素酸銅(II)六水和物(0.44g,1.2ミリモル)を添加し2時間加熱還流した。室温まで冷却した後、溶媒留去し、水で洗浄を繰り返すことによって、含金属オキソノール色素化合物(19)の赤色粉末0.38gを得た。これは理論収量の58%に相当する。同定データを以下に示す。mp:305℃(分解)、MS(m/e):555(M+),511(M+−CO2),467(M+−2CO2)、λmax:519nm(メタノール中)
【0075】
次に、本発明に係る光情報記録媒体について説明する。本発明に係る光情報記録媒体は、前述した含金属アザオキソノール系色素化合物を含有する記録層を基板上に有するものである。
【0076】
記録層は、更に記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有することが好ましい。褪色防止剤としては、有機酸化剤や一重項酸素クエンチャーを挙げることができる。褪色防止剤として用いられる有機酸化剤としては、特開平10−151861号に記載されている化合物が好ましく、中でも下記一般式(B1)または(B2)で表される化合物が好ましい。
【0077】
【化26】
Figure 0004137352
【0078】
一般式(B1)および(B2)において、R11およびR12はそれぞれ独立に炭化水素基を表すが、R11およびR12として好ましいものは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル基、炭素数6〜14のアリール基であり、これらの炭化水素基は置換基を有していてもよく、これら置換基の例としては一般式(I−1)または一般式(I−2)においてL1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L8、L9、L10で表されるメチン基の置換基として挙げたものと同様である。一般式(B1)で表される化合物の好ましい具体例を次に示す。
【0079】
【化27】
Figure 0004137352
【0080】
本発明に係わる一般式(B1)及び(B2)で表される化合物は、単独で用いてもよく、また二種以上を併用してもよい。なお、本発明に係る一般式(B1)及び(B2)で表される化合物は、特開平10−151861号記載の方法によって容易に合成することができる。
【0081】
一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−81194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同63−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。好ましい一重項酸素クエンチャーの例としては、下記の一般式(C)で表される化合物を挙げることができる。
【0082】
【化28】
Figure 0004137352
[但し、R21は置換基を有していてもよいアルキル基を表わし、そしてQはアニオンを表わす。]
【0083】
一般式(C)において、R21は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基が一般的であり、無置換の炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例、F,Cl)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ)、アシル基(例、アセチル、プロピオニル)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アルケニル基(例、ビニル)、アリール基(例、フェニル、ナフチル)を挙げることができる。これらの中で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基が好ましい。Q-のアニオンの例としては、ClO4 -、AsF6 -、BF4 -、及びSbF6 -が好ましい。
【0084】
一般式(C)で表される化合物の例を表1に記載する。
【表1】
Figure 0004137352
【0085】
本発明に係る光情報記録媒体をCD−R型の光情報記録媒体として構成する場合には、トラックピッチ0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された厚さ0.6±0.1mmの透明な円盤状基板上に、記録層、光反射層及び保護層をこの順に有する構成であることが好ましい。
【0086】
本発明に係る光情報記録媒体は、例えば以下に述べるような方法により製造することができる。光情報記録媒体の基板は、従来の光情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。基板材料としては、例えばガラス;ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
【0087】
記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上および記録層の防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0088】
基板(または下塗層)上には、通常トラッキング用溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレグルーブ)が形成されている。このプレグルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形あるいは押出成形する際に直接基板上に形成されることが好ましい。プレグルーブ層の層厚は、一般に0.05〜100μmの範囲にあり、好ましくは0.1〜50μmの範囲である。
【0089】
プレグルーブの深さは30〜200nmの範囲にあることが好ましく、またその半値幅は、0.2〜0.9μmの範囲にあることが好ましい。また、プレグルーブの深さを150〜200nmの範囲にすることにより反射率をほとんど低下させることなく感度を向上させることができ、特に好ましい。
【0090】
記録層の形成は、前記含金属アザオキソノール系色素化合物、更に所望によりクエンチャー等の褪色防止剤、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより行うことができる。記録層塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1、2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独または二種以上併用して適宜用いることができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0091】
結合剤を使用する場合に結合剤の例としては、たとえばゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素に対して0.01倍量〜50倍量(重量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(重量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液の濃度は、一般に0.01〜10重量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5重量%の範囲にある。
【0092】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。また、記録層の層厚は一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは50〜300nmの範囲にある。
【0093】
記録層の上には、情報の再生時における反射率の向上の目的で光反射層が設けられる。光反射層の材料である光反射性物質はレーザに対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼であり、更に好ましくはAg、Auであり、特にAgが好ましい。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。光反射層は、たとえば上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより記録層の上に形成することができる。光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲が好ましい。
【0094】
光反射層の上には、記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層が設けられる。保護層に用いられる材料の例としては、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。保護層は、例えばプラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して反射層上にラミネートすることにより形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲にある。以上の工程により、基板上に、記録層、光反射層そして保護層が設けられた積層体を製造することができる。
【0095】
本発明に係る光情報記録媒体をより高密度記録が可能なDVD−R型の光情報記録媒体として構成する場合には、透明基板に形成されるプレグルーブのトラックピッチが0.6〜0.9μmとCD−R型に比べて狭くする。本発明に係る色素化合物は、DVD−R型の光情報記録媒体において特に有利に用いることができる。
また、上述の積層体を2枚用意し、用意した2枚の積層体を各々の色素記録層が内側となるように接着剤等で貼り合わせることにより、二つの色素記録層を持つ貼り合せ構造のDVD−R型の光情報記録媒体とすることができる。また、積層体とこの積層体の基板と略同じ寸法の円盤状保護基板とを、その色素記録層が内側となるように接着剤等で貼り合わせることにより、片側のみに色素記録層を持つDVD−R型の光情報記録媒体を製造することができる。なお、貼り合わせ構造とする場合、透明基板の直径が120±3mmで厚みが0.6±0.1mmのものが一般に用いられ、貼り合わせ後の光情報記録媒体の厚みが1.2±0.2mmとなるように調整される。
【0096】
本発明に係る光情報記録媒体への記録は、例えば、次のように行われる。まず、光情報記録媒体を定線速度(CDフォーマットの場合は1.2〜14m/秒)または定角速度にて回転させながら、基板側から半導体レーザなどの記録用の光を照射する。この光の照射により、記録層と反射層との界面に空洞を形成(空洞の形成は、記録層または反射層の変形、あるいは両層の変形を伴って形成される)するか、基板が肉盛り変形する、あるいは記録層に変色、会合状態の変化等により屈折率が変化することにより情報が記録されると考えられる。記録光としては、CD−Rの場合、一般に750〜850nmの範囲、より好ましくは770〜790nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザが用いられ、DVD−Rの場合、一般に600〜700nmの範囲、より好ましくは620〜680nmの範囲、特に好ましくは630〜670nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザが用いられる。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザを基板側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
【0097】
【実施例】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
前記含金属アザオキソノール色素化合物(1)を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、記録層形成用塗布液を得た。得られた塗布液中の色素濃度は3.5重量%であった。この塗布液を表面にスパイラル状のプレグルーブ(トラックピッチ:0.8μm、グルーブ幅:0.4μm、グルーブの深さ:0.15μm)が射出成形により形成されたポリカーボネート基板(直径:120mm、厚さ:0.6mm)のそのプレグルーブ側の表面にスピンコート法により塗布し、記録層(厚さ(プレグルーブ内):約200nm)を形成した。
【0098】
次に、記録層上に銀をスパッタして厚さ約100nmの光反射層を形成した。更に、光反射層上にUV硬化性樹脂(SD318、大日本インキ化学工業(株)製)を塗布し、紫外線を照射して硬化させ、層厚7μmの保護層を形成した。別に、ポロカーボネート保護基板(直径:120mm、厚さ:0.6mm)を用意した。次いで、上記積層体とポリカーボネート保護基板とを記録層が内側となる様に接着剤を用いて貼り合わせ、厚さ1.2mmの本発明に従うDVD‐R型の光ディスクを製造した。
【0099】
[実施例2〜7]
前記含金属アザオキソノール色素(1)を表2に示す化合物に変えた(それぞれ使用量は変更なし)こと以外は実施例1と同様にして、本発明に従うDVD‐R型の光ディスクを製造した。
【0100】
[比較例1〜3]
下記比較用オキソノール色素化合物(C)、(D)及び(E)をそれぞれ2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、3種類の記録層形成用塗布液を得た。得られた塗布液中の色素濃度は2.0重量%であった。この塗布液を用いて記録層を形成した以外は実施例1と同様にして、比較用のDVD‐R型の光ディスクを製造した。
【0101】
【化29】
Figure 0004137352
【0102】
[記録媒体の評価]
(1)変調度
実施例1〜7および比較例1〜3の試料に、波長655nmの半導体レーザ光をNA0.6のレンズで集光し、プレグループをトラッキングしながら定線速度1.4m/秒で記録レーザパワーを7〜14mWの範囲で種々変えて、3Tと14TのEFM信号を記録した。レーザパワー0.5mWで再生し、パルステック社製「OMT2000」を用いて最適記録パワー(感度)における3Tと14Tの変調度及びジッターを測定した。得られた評価結果を表2に示す。
【0103】
(2)耐光性
上記のように記録された試料にXeランプ(17万ルックス)を120時間照射する厳しい条件下での強制試験を実施し、照射後の変調度及びジッターを上記と同様に測定した。また照射後の試料の色の有無を目視で観察し、下記の各水準にランク付けした。得られた評価結果を表2に示す。
AA:褪色していない。
BB:若干褪色しているが、許容範囲である。
CC:明確に褪色している。
DD:殆ど色が残っていない。
【0104】
【表2】
Figure 0004137352
【0105】
表2の結果から、本発明の含金属アザオキソノール系色素化合物を用いた本発明に係る光情報記録媒体は、強制試験実施前においては従来から知られているオキソノール色素化合物を用いた比較例1乃至3の光情報記録媒体と略同等の良好な記録再生特性を示した。また、強制試験実施後においても、比較例1乃至3の光情報記録媒体が光劣化(記録層色素の褪色)したのに対し、本発明に係る光情報記録媒体は良好な記録再生特性を示し、耐光性に顕著に優れていることがわかる。
【0106】
【発明の効果】
本発明の含金属アザオキソノール系色素化合物は、耐光性及び湿熱耐久性に優れ、光情報記録媒体の記録層色素に好適に使用することができる、という効果を奏する

Claims (1)

  1. 下記一般式(IV)または一般式(V)で表される含金属アザオキソノール系色素化合物。
    Figure 0004137352
    [式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18は水素原子または置換基を表す。D1、D2は置換基を表し、p、qは0〜4の整数を表す。M5、M6はそれぞれVIII族、Ib族、IIb族、IIIb族、IVa族、Va族、VIa族、VIIa族の金属原子、該金属原子のハロゲン化物、または該金属原子の酸化物を表し、Q5、Q6は陰イオンを表し、l2、l3は1、2、または3を表す。l2またはl3が2または3のときは、上記式中の配位子は互いに同じであっても異なっていてもよい。]
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