JP4243028B2 - 新規テトラシアノキノジメタン化合物、該化合物を対アニオンとしたシアニン色素化合物及び該シアニン色素化合物を含む光情報記録媒体 - Google Patents

新規テトラシアノキノジメタン化合物、該化合物を対アニオンとしたシアニン色素化合物及び該シアニン色素化合物を含む光情報記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機伝導体分野で用いられる電子受容体として有用な新規なテトラシアノキノジメタン化合物或いは染料、写真用増感色素、情報記録用色素、細胞等生体試料染色剤、医薬品などに有用な新規なシアニン色素化合物、特に対アニオンがテトラシアノキノジメタン化合物であるシアニン色素化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電荷移動錯体を用いた有機伝導体の研究開発が活発に行われている。特に、電子受容体として、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)及びこれらの誘導体が用いられている。これらTCNQ誘導体は、有機合成化学、46、638(1988)等に記載されているが、水溶性のTCNQ誘導体についてはほとんど報告例がなく、種々の用途に供するために水溶性TCNQ誘導体の開発が望まれていた。一方、シアニン色素化合物は、染料、写真用増感色素、情報記録用色素、細胞等生体試料染色剤、医薬品などとして重要である。特に近年、レーザ光によって一回限りの情報記録が可能なディスク型情報記録媒体(いわゆるCD−RやDVD−R)の記録層用色素として広く利用されている。CD−Rの基本構造は、透明な円盤状基板(通常、ポリカーボネート等のポリマー製)およびその上の情報記録層から成っている。尚、該記録層の上に更に反射層と保護層を設けるのが普通である。情報記録層の設計はCD−Rの性能を決定する最も重要な要素の一つであり、従って多種多様な材料が検討され現在に至っている。例えばテルル、インジウム等の金属または半金属や、ポリメチン、フタロシアニン等の有機色素を挙げることができる。
【0003】
光ディスクへの情報の書き込み(記録)は、通常780nm付近の波長のレーザーを照射することによって行われる。記録層の照射部分がレーザーを吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的な変化を生じた結果、その部位の光学特性が変化することによって情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)も通常記録用のレーザーと同じ波長のレーザーを照射することによって行われる。記録層の光学特性が変化した部分と変化していない部分を識別することによって情報が再生されるが、その識別には反射率の差が利用されるのが最も一般的である。
【0004】
有機色素から成る記録層は金属の場合とは異なり、有機溶剤に分散または溶解して塗布することによって容易に形成することができるため、製造コストの面で有利であり、更に金属記録層に比較して高感度であるなどの利点を有する。中でもシアニン色素化合物は優れた感度及び反射率を有するため、CD−R用色素化合物として広く使用されている。しかし、シアニン色素化合物は一般に光に対する安定性が低いという問題があり、それ故に褪色防止剤を添加して用いるのが普通である。褪色防止剤としては特開昭57−11090号公報記載のニッケルジチオール錯体や特開平7−196588号公報記載のアミニウム塩、又は特開平10−151861号公報記載の有機酸化剤が知られているが、未だ十分に満足すべき耐光性を有する有機記録層が開発されていないのが現状である。
【0005】
また、コンピュータのデータ処理の高速化および取り扱うデータ量の増大に伴って、高速の読み取り(または書き込み)に耐え得る記録媒体への要望が益々強くなってきているが、これを達成するにはより記録特性の優れた記録層を設計する必要がある。登録番号第2966855号公報、特開平4−201482号公報、登録番号第2827005号公報及び特開平10−6653号記載のシアニン色素化合物は、記録再生特性に優れた記録層を提供するものであるが、未だ十分ではなく尚一層の改良が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、種々の用途に適するよう、水溶性を付与した新規なテトラシアノキノジメタン化合物、及びそれを対アニオンとするシアニン色素化合物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は下記の態様により達成された。
【0008】
(1) 下記一般式(I)で表される化合物。
【0009】
【化5】
Figure 0004243028
【0010】
[式中、R1 は置換もしくは無置換のアルキレン基;Lは単結合または2価の連結基;R2 は置換基を表し、CIはカチオンを表し、pは1〜4の整数を表し、rは0〜3の整数を表し、mは電荷中和に必要な数を表す。]
(2) 一般式(I)において、Lが単結合であることを特徴とする(1)に記載の化合物。
(3) 一般式(I)において、Lが
【0011】
【化6】
Figure 0004243028
【0012】
でGはアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、またはこれらの組合せからなる2価の連結基であることを特徴とする(1)に記載の化合物。
(4) 一般式(I)において、R2 がアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基またはハロゲン原子であることを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の化合物。
(5) 一般式(I)において、CIがプロトンであることを特徴とする(1)〜(4)に記載の化合物。
(6) 一般式(I)において、CIがシアニン色素カチオンであることを特徴とする(1)〜(4)に記載の化合物。
(7) 前記一般式(I)で表される化合物が下記一般式(II)で表されるシアニン色素化合物であることを特徴とする(1)〜(4)に記載の化合物。
【0013】
【化7】
Figure 0004243028
【0014】
[式中、A1及びA2は各々独立にベンゼン又はナフタレン縮合環を表し、R3、R3’は各々独立には水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R4、R4’、R5 及びR5’は各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R6 はメチン鎖上の置換基を表し、q は0以上5以下の整数を表し、Xp - は下記一般式(III)で表されるp価のアニオン性テトラシアノキノジメタン化合物を表し、pは1乃至4の整数を表し、Bは0、1又は2を表す。]
【0015】
【化8】
Figure 0004243028
【0016】
[式中、R1 は置換もしくは無置換のアルキレン基;Lは単結合または2価の連結基;R2 は置換基を表し、pは1〜4の整数を表し、rは0〜3の整数を表す。]
(8) pが2でrが0であることを特徴とする(1)〜(7)の何れかに記載の化合物。
(9) レーザーにより情報記録が可能な記録層を基板上に設けた光情報記録媒体であって、前記一般式(I)で表される化合物であり、かつ、そのCIがシアニン色素カチオンであるシアニン色素化合物を該記録層に含むことを特徴とする光情報記録媒体。
(10) (9)におけるシアニン色素化合物が前記一般式(II)で表されるシアニン色素化合物であることを特徴とする(9)に記載の光情報記録媒体。
(11) 前記一般式(II)において、pが2でrが0であることを特徴とする(10)記載の光情報記録媒体。
(12) 基板が、その表面にトラックピッチ1.4〜1.8μmのプレグルーブを有する厚さ1.2±0.2mmの透明な円盤状基板であり、記録層が該プレグルーブが形成された側の表面に設けられている(9)〜(11)の何れかに記載の光情報記録媒体。
(13) 記録層上に更に金属からなる光反射層が設けられていることを特徴とする(9)〜(12)の何れかに記載の光情報記録媒体。
(14) 記録層上方に保護層が設けられている(9)〜(13)の何れかに記載の光情報記録媒体。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の一般式(I)で表される化合物について詳しく説明する。
【0018】
【化9】
Figure 0004243028
【0019】
一般式(I)において、R1 は置換もしくは無置換のアルキレン基を表し、Lは単結合または2価の連結基を表し、R2 は置換基を表し、CIはカチオンを表し、pは1〜4の整数を表し、rは0〜3の整数を表し、mは電荷中和に必要な数を表す。
【0020】
1 で表されるアルキレン基は炭素原子数1〜20の鎖状または環状のアルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン)が好ましく、特に好ましくは炭素原子数1〜6のアルキレン基である。これらのアルキレン基は、他の置換基によって置換されていてもよい。
ここで、他の置換基の例としては以下に記載のものを挙げることができる。
炭素原子数1〜20の鎖状または環状のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル)、炭素原子数6〜18の置換または無置換のアリール基(例えば、フェニル、クロロフェニル、アニシル、トルイル、2,4−ジ−t−アミル、1−ナフチル)、アルケニル基(例えば、ビニル、2−メチルビニル)、アルキニル基(例えば、エチニル、2−メチルエチニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ、2−ヒドロキシエトキシ、2−カルボキシエトキシ、2−メトキシエトキシ、2−アセトキシエトキシ、2−メトキシカルボニルエトキシ、ベンジルオキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチオ、ベンジルチオ、3−メトキシプロピルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンスルホニル)、炭素原子数1〜10のカルバモイル基、炭素原子数1〜10のアミド基、炭素原子数2〜12のイミド基、炭素原子数2〜10のアシルオキシ基、炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基、ヘテロ環基(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルなどの芳香族ヘテロ環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピラン環、チオピラン環、ジオキサン環、ジチオラン環などの脂肪族ヘテロ環)。
【0021】
上記置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基及びハロゲン原子が好ましく、炭素原子数1乃至6のアルキル基、炭素原子数6乃至10のアリール基(特に、フェニル)、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基及びハロゲン原子が更に好ましい。
【0022】
一般式(I)において、R2 は置換基を表す。R2 で表される置換基としてはR1 のアルキレン基の置換基として挙げたものと同義であり、その好ましい範囲も同一である。pは1〜4及びrは0〜3の整数を表し、好ましくは、pは1又は2及びrは0又は1である。特に好ましくはpが2で、かつrが0である。
CIはカチオンを表し、典型的なカチオンとしてはプロトン(H+)、アルカリ金属イオン(例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えばカルシウムイオン)などの金属カチオン、アンモニウムイオン(例えば、アンモニウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイオン)、色素カチオン(シアニン色素カチオンなど)などの有機カチオンが挙げられる。好ましくは、プロトンまたはシアニン色素カチオンである。
mは電荷中和に必要な数を表し、好ましくは、1〜4であり、更に好ましくは2である。
【0023】
Lの2価の連結基の例としては、アルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アリーレン基(例えば、フェニレン、ナフチレン)、アルキニレン基(例えば、エテニレン、プロペニレン)、アルキニレン基(例えば、エチニレン)、アミド基、エステル基、スルホアミド基、スルホン酸エステル基、ウレイド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオエーテル基、エーテル基、カルボニル基、−N(Rq)−(Rqは水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基を表す。)、複素環2価基(例えば、6−クロロ−1,3,5 −トリアジン−2,4 −ジイル基、ピリミジン−2,4 −ジイル基、キノキサリン−2,3 −ジイル基)を1つ又はそれ以上組み合わせて構成される炭素数1以上20以下の2価の連結基が挙げられる。
【0024】
Lが2価の連結基を表すとき、好ましくは−C(=O)−G−である。Gはアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、またはこれらの組合せからなる2価の連結基を表す。
Gは、好ましくは、炭素数1以上4以下のアルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン)、炭素数6以上10以下のアリーレン基(例えば、フェニレン、ナフチレン)、炭素数1以上4以下のアルキニレン基(例えば、エテニレン、プロペニレン)、炭素数1以上4以下のアルキニレン(例えば、エチニレン)を1つ又はそれ以上組み合わせて構成される炭素数1以上10以下の2価の連結基である。
【0025】
Gとして特に好ましくは、置換または無置換の炭素数1以上4以下のアルキレン基又は炭素数6以上10以下のフェニレン基であり、最も好ましくは、無置換のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、又はフェニレン基である。
【0026】
また、LおよびGの2価の連結基上に任意の置換基を有していてもよい。置換基としてはR1 のアルキレン基の置換基として挙げたものと同義であり、その好ましい範囲も同一である。
【0027】
以下に本発明に用いられる一般式(I)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
【化10】
Figure 0004243028
【0029】
【化11】
Figure 0004243028
【0030】
【化12】
Figure 0004243028
【0031】
【化13】
Figure 0004243028
【0032】
【化14】
Figure 0004243028
【0033】
【化15】
Figure 0004243028
【0034】
上記の具体例は、プロトンをカチオン(CI)とする化合物の例であるが、これらは塩交換等により、容易に他のカチオンの化合物とすることができる。特に、シアニン色素カチオンと組み合わせた化合物は、光情報記録媒体用の色素として有用である。
次に本発明の一般式(II)で表される化合物について詳しく説明する。
【0035】
【化16】
Figure 0004243028
【0036】
一般式(II)において、A1及びA2は各々独立にベンゼン又はナフタレン縮合環を表す。ここで、A1及びA2で表されるベンゼン又はナフタレン縮合環は、下記一般式(IV)乃至(VII)の何れかを表す。
【0037】
【化17】
Figure 0004243028
【0038】
式中、D1 はベンゼン又はナフタレン縮合環上の置換基を表し、p1は0以上6以下の整数を表し、p2は0以上4以下の整数を表す。ここで、D1で表される置換基の例としては以下に記載のものを挙げることができる。
炭素原子数1〜20の鎖状または環状のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル)、炭素原子数6〜18の置換または無置換のアリール基(例えば、フェニル、クロロフェニル、アニシル、トルイル、2,4−ジ−t−アミル、1−ナフチル)、アルケニル基(例えば、ビニル、2−メチルビニル)、アルキニル基(例えば、エチニル、2−メチルエチニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチオ、ベンジルチオ、3−メトキシプロピルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンスルホニル)、炭素原子数1〜10のカルバモイル基、炭素原子数1〜10のアミド基、炭素原子数2〜12のイミド基、炭素原子数2〜10のアシルオキシ基、炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基、ヘテロ環基(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルなどの芳香族ヘテロ環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピラン環、チオピラン環、ジオキサン環、ジチオラン環などの脂肪族ヘテロ環)。
【0039】
上記置換基としては、炭素原子数1乃至6のアルキル基(特に、メチル)、炭素原子数6乃至10のアリール基(特に、フェニル)、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基(特にメトキシ)、ヒドロキシル基及びハロゲン原子(特に塩素原子)が好ましく、特に好ましくは、メチル基、フェニル基、ヒドロキシル基、メトキシ基及び塩素原子である。p1は0以上6以下の整数を表し、好ましくは0又は1、特に好ましくは0である。p2は0以上4以下の整数を表し、好ましくは0又は1である。
【0040】
一般式(II)において、R3 及びR3’は各々独立に水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R4 、R4’、R5 及びR5’は各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R3 、R3’、R4 、R4’、R5 及びR5’で表されるアルキル基の置換基としてはD1 で挙げたものと同義であり、その好ましい範囲も同一である。R3 、R3’、R4 、R4’、R5 及びR5’で表されるアルキル基として好ましいものは、炭素数1〜18のアルキル基であり、更に炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
一般式(II)において、R3 =R3’、R4 =R4’、かつR5 =R5’である場合が好ましい。
【0041】
一般式(II)において、R6 はメチン鎖上の置換基を表し、ここで置換基はD1 で挙げたものと同義であり、好ましくは、炭素原子数1乃至6のアルキル基(特に、メチル)、炭素原子数6乃至10のアリール基(特に、フェニル)、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基(特にメトキシ)及びハロゲン原子(特に塩素原子)が好ましく、特に好ましくは、メチル基、フェニル基、及び塩素原子である。qは0以上5以下の整数を表し、好ましくは0又は1である。Bは0、1又は2を表す。
【0042】
一般式(II)において、Xp - は下記一般式(III)で表されるp価のアニオン性テトラシアノキノジメタン化合物を表し、pは1乃至4の整数を表し、好ましくは1又は2である。
【0043】
【化18】
Figure 0004243028
【0044】
一般式(III)において、R1 は置換もしくは無置換のアルキレン基;Lは単結合または2価の連結基;R2 は置換基を表し、pは1〜4の整数を表し、rは0〜3の整数を表す。ここで、R1 、R2 、L、p及びrは一般式(I)におけるR1 、R2 、L、p及びrと同義であり、その好ましい範囲も同一である。
【0045】
以下に本発明に用いられる一般式(II)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
【化19】
Figure 0004243028
【0047】
【化20】
Figure 0004243028
【0048】
【化21】
Figure 0004243028
【0049】
【化22】
Figure 0004243028
【0050】
【化23】
Figure 0004243028
【0051】
【化24】
Figure 0004243028
【0052】
【化25】
Figure 0004243028
【0053】
【化26】
Figure 0004243028
【0054】
【化27】
Figure 0004243028
【0055】
【化28】
Figure 0004243028
【0056】
【化29】
Figure 0004243028
【0057】
【化30】
Figure 0004243028
【0058】
【化31】
Figure 0004243028
【0059】
【化32】
Figure 0004243028
【0060】
【化33】
Figure 0004243028
【0061】
【化34】
Figure 0004243028
【0062】
【化35】
Figure 0004243028
【0063】
【化36】
Figure 0004243028
【0064】
【化37】
Figure 0004243028
【0065】
【化38】
Figure 0004243028
【0066】
【化39】
Figure 0004243028
【0067】
【化40】
Figure 0004243028
【0068】
【化41】
Figure 0004243028
【0069】
【化42】
Figure 0004243028
【0070】
【化43】
Figure 0004243028
【0071】
【化44】
Figure 0004243028
【0072】
本発明の一般式(I)で表される水溶性のテトラシアノキノジメタン化合物の合成中間体である下記化合物(A)は、J. Org. Chem.,Vol. 41(8), 1412−1416(1976)に記載の方法に準じて合成することが出来る。そして、一般式(I)で表される化合物への変換は、スルファミン酸、スルホン酸基置換カルボン酸又は酸無水物とのエステル化反応等、既知の化学反応によって行うことが出来る。
【0073】
【化45】
Figure 0004243028
【0074】
[ 式中、m1 及びn1 は1以上4以下の整数を表す。]
【0075】
次に、一般式(I)で表されるテトラシアノキノジメタン化合物の合成例を示す。
【0076】
[ 化合物(1)の合成]
下記化合物( B) (2.6g、 8.0ミリモル)及びスルファミン酸(1.8g、 0.019モル)をアセトニトリル(40mL)に懸濁させた後、8時間加熱還流した。室温まで冷却した後、黄色沈殿物を濾取し、アセトニトリル(200mL)で洗浄することによって、3.7gの化合物(1)を得た。これは理論収量の77%に相当する。
1H−NMR(D2O):6.5(s,2H),4.7(t,4H),4.5(t,4H)
【0077】
【化46】
Figure 0004243028
【0078】
[ 化合物(23)の合成]
前記化合物(B) (1.3g、 4.0ミリモル)及び無水スルホ安息香酸(5.1g、 0.028モル)をアセトニトリル(40mL)に懸濁させた後、8時間加熱還流した。室温まで冷却した後、橙色沈殿物を濾取し、アセトニトリル(200mL)で洗浄することによって、2.7gの化合物(23)を得た。これは理論収量の98%に相当する。
1H−NMR(D2O):7.9(m,2H),7.6(m,6H),6.4(s,2H),4.7(t,4H),4.5(t,4H)
【0079】
本発明に係る一般式(II)で表されるシアニン色素化合物は、下記の一般式(X)で表されるシアニン色素化合物と一般式(I)で表されるテトラシアノキノジメタン化合物の水又は有機溶媒中(アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミドなど)における塩交換反応によって合成できる。
【0080】
【化47】
Figure 0004243028
【0081】
式中、A1及びA2、R3 、R4 、R5 及びR6 、B及びqは、それぞれ前述した一般式(II)におけるA1及びA2、R3 、R4 、R5 及びR6 、B及びqと同義である。X-は陰イオンを表し、例えば、ハライドイオン(Cl-、Br-、I-)、スルホナートイオン(CH3SO3 -、p−トルエンスルホナートイオン、ナフタレンー1,5−ジスルホナートイオン)、ClO4 -、BF4 -、及びPF6 -等を挙げることが出来る。
【0082】
なお、一般式(X)で表されるシアニン色素は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Hamer) 著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・リレィティド・コンパウンズ(Heterocyclic Compounds-Cyanine Dyes and Related Compounds) 」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons) 社−ニューヨーク、ロンドン、1964年刊、デー・エム・スターマー(D.M.Sturmer) 著「ヘテロサイクリック・コンパウンズ−スペシャル・トピックス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic Compounds-Special topics in heterocyclic chemistry) 」、第18章、第14節、第482から515項、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons) 社−ニューヨーク、ロンドン、1977年刊、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodd's Chemistry of Carbon Compounds)」2nd.Ed.vol.IV,partB,1977刊、第15章、第369から422項、エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier Science Publishing Company Inc.)社刊、ニューヨーク、特開平10−226170号公報記載の方法または同公報に引用されている文献記載の方法等に基づいて合成することができる。
【0083】
以下に、一般式(II)で表される色素化合物の合成例を記載する。
【0084】
[ 化合物(II−1)の合成]
メタノール(20mL)に下記シアニン色素化合物(C) (1 .0g、 1.5ミリモル)を60℃にて添加し攪拌した。この均一溶液に前記テトラシアノキノジメタン(1)(0.48g、1.0ミリモル)を水(10mL)に溶解した水溶液を滴下した。同温度で6時間攪拌後、析出した緑色結晶を濾取し、水及びメタノールで洗浄後乾燥して、目的物0.82gを得た。これは理論収量の75%に相当する。
1H−NMR(DMSO−d6):8.5(t,2H),8.3(d,2H),8.1(t,4H),7.8(d,2H),7.7(t,2H),7.6(t,2H),6.6(t,1H),6.4(d,2H),4.6(broad,2H ),4.2(broad,2H),3.8(s,6H),2.0( s,12H )
【0085】
【化48】
Figure 0004243028
【0086】
[化合物(II−5)の合成]
メタノール(20mL)に前記シアニン色素化合物(C) (1 .0g、 1.5ミリモル)を60℃にて添加し攪拌した。この均一溶液に前記テトラシアノキノジメタン(23)(0.62g、0.9ミリモル)をメタノール(10mL)に溶解し滴下した。同温度で4時間攪拌後、析出した緑色結晶を濾取し、メタノールで洗浄後乾燥して、目的物1gを得た。これは理論収量の80%に相当する。1H−NMR(DMSO−d6):8.5(t,2H),8.3(d,2H),8.1(t,4H),7.8(m,5H),7.4(m,5H),6.6(t,1H),6.4(m,3H),4.4−4.6(broad,4H),3.7(s,6H),1.9(s,12H )
【0087】
[ 化合物(II−7)の合成]
メタノール(20mL)に下記シアニン色素化合物(D) (1 .0g、 1.5ミリモル)を室温にて添加し攪拌した。この均一溶液に 前記テトラシアノキノジメタン(1)(0.48g、1.0ミリモル)を水(10mL)に溶解した水溶液を滴下した。室温で6時間攪拌後、析出した緑色結晶を濾取し、水及びメタノールで洗浄後乾燥して、目的物0.90gを得た。これは理論収量の81%に相当する。
1H−NMR(DMSO−d6 ):8.3(m,4H),8.1(t,4H),7.8(d,2H),7.7(t,2H),7.5(t,2H),6.2(d,2H),4.6(broad,2H ),4.2(broad,2H),3.8(s,6H),2.2(s,3H),2.0(s,12H )
【0088】
【化49】
Figure 0004243028
【0089】
[化合物(II−9)の合成]
メタノール(20mL)に前記シアニン色素化合物(D) (1 .0g、 1.5ミリモル)を室温にて添加し攪拌した。この均一溶液に前記テトラシアノキノジメタン(23)(0.62g、0.9ミリモル)をメタノール(10mL)に溶解し滴下した。同温度で2時間攪拌後、析出した緑色結晶を濾取し、メタノールで洗浄後乾燥して、目的物1.2gを得た。これは理論収量の95%に相当する。
1H−NMR(DMSO−d6 ):8.5(d,2H),8.3(d,2H),8.1(t,4H),7.7(m,5H),7.4(m,5H),6.3(broad,1H),6.2(d,2H),4.4−4.6(broad,4H),3.7(s,6H),2.1(s,3H),1.9(s,12H )
【0090】
[化合物(II−21 )の合成]
アセトン(20mL)に下記シアニン色素化合物(E) (0. 26g、 0.5ミリモル)を60℃にて添加し攪拌した。この均一溶液に前記テトラシアノキノジメタン(1)(0.15g、 0.3ミリモル)を水(10mL)に溶解した水溶液を滴下した。室温で6時間攪拌後、析出した金色結晶を濾取し、水及びアセトンで洗浄後乾燥して、目的物0.21gを得た。これは理論収量の64%に相当する。
1H−NMR(DMSO−d6 ):8.6(t,1H),8.3(d,2H),8.1(t,4H),7.8(d,2H),7.7(t,2H),7.5(t,2H),6.5(d,2H),6.4(broad,1H),4.4(broad,2H),4.2(broad,2H),3.8(s,6H),2.0(s,12H )
【0091】
【化50】
Figure 0004243028
【0092】
[化合物(II−32)の合成]
メタノール(20mL)に下記シアニン色素化合物(F) (0 .63g、 1.0ミリモル)を室温にて添加し攪拌した。この均一溶液に前記テトラシアノキノジメタン(1)(0.34g、0.7ミリモル)を水(10mL)に溶解した水溶液を滴下した。室温で6時間攪拌後、析出した緑色結晶を濾取し、水及びメタノールで洗浄後乾燥して、目的物0.61gを得た。これは理論収量の87%に相当する。
1H−NMR(DMSO−d6 ):8.7(d,2H),8.5(t,1H),8.1(d,2H),7.9(d,2H),7.8(d,2H),7.6(m,4H),6.7(d,2H),6.4(broad,1H),4.4(broad,2H),4.3(s,6H),4.2(broad,2H),1.8(s,12H)
【0093】
【化51】
Figure 0004243028
【0094】
[ 化合物(II−97)の合成]
メタノール(30mL)に下記シアニン色素化合物(G) (0.97g、 1.5ミリモル)を室温にて添加し攪拌した。この均一溶液に前記テトラシアノキノジメタン(23)(1.0g、1.0ミリモル)を水(30mL)に溶解した水溶液を滴下した。室温で6時間攪拌後、析出した青色結晶を濾取し、水及びメタノールで洗浄後乾燥して、目的物0.84gを得た。これは理論収量の65%に相当する。
1H−NMR(DMSO−d6):8.6(dd,1H),8.2(d,2H),8.0(d,2H),7.8(m,3H),7.4(m,5H),7.3(dd,2H),6.5(d,2H),6.4(s,1H),4.6(broad,2H ),4.4(broad,2H),3.9(s,6H),3.7(s,6H ),2.0(s,12H)
λmax : 598nm(メタノール中)
【0095】
【化52】
Figure 0004243028
【0096】
[ 化合物(II−289)の合成]
アセトン(30mL)に下記シアニン色素化合物(H) (0.88g、 1.5ミリモル)を室温にて添加し攪拌した。この均一溶液に前記テトラシアノキノジメタン(23)(1.0g、1.0ミリモル)を水(30mL)に溶解した水溶液を滴下した。室温で6時間攪拌後、析出した緑色結晶を濾取し、水及びアセトンで洗浄後乾燥して、目的物0.82gを得た。これは理論収量の70%に相当する。
1H−NMR(DMSO−d6):8.7(d,1H),8.5(dd,1H),8.1(d,1H),8.0(d,1H),7.4−7.8(m,10H),6.7(d,1H),6.5(d,1H),6.4(s,1H),4.6(broad,2H ),4.4(broad,2H),4.2(s,3H),3.6(s,3H ),1.8(s,6H),1.7(s,6H)
λmax : 575nm(メタノール中)
【0097】
【化53】
Figure 0004243028
【0098】
本発明の光情報記録媒体は、前述した一般式(II)で表される色素化合物を含有する記録層を基板上に有するものである。本発明に係る色素化合物は、光情報記録媒体としてCD−R又はDVD−R等において有利に用いることができる。
【0099】
記録層は、更に記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有することが好ましい。褪色防止剤としては、有機酸化剤や一重項酸素クエンチャーを挙げることができる。褪色防止剤として用いられる有機酸化剤としては、特開平10−151861号に記載されている化合物が好ましく、中でも下記一般式(B1)または(B2)で表される化合物が好ましい。
【0100】
【化54】
Figure 0004243028
【0101】
一般式(B1)および(B2)において、R11およびR12はそれぞれ独立に炭化水素基を表すが、R11およびR12として好ましいものは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル基、炭素数6〜14のアリール基であり、これらの炭化水素基は置換基を有していてもよく、これら置換基の例としては一般式(II)においてR1 およびR2 の置換基として挙げたものと同様である。一般式(B1)で表される化合物の好ましい具体例を次に示す。
【0102】
【化55】
Figure 0004243028
【0103】
本発明に係わる一般式(B1)及び(B2)で表される化合物は、単独で用いてもよく、また二種以上を併用してもよい。なお、本発明に係る一般式(B1)及び(B2)で表される化合物は、特開平10−151861号記載の方法によって容易に合成することができる。
【0104】
一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−81194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同63−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。好ましい一重項酸素クエンチャーの例としては、下記の一般式(C)で表される化合物を挙げることができる。
【0105】
【化56】
Figure 0004243028
【0106】
[但し、R21は置換基を有していてもよいアルキル基を表わし、そしてQ-はアニオンを表わす。]
一般式(C)において、R21は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基が一般的であり、無置換の炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例、F、Cl)、アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ)、アシル基(例、アセチル、プロピオニル)、アシルオキシ基(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アルケニル基(例、ビニル)、アリール基(例、フェニル、ナフチル)を挙げることができる。これらの中で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基が好ましい。Q-のアニオンの例としては、ClO4 - 、AsF6 - 、BF4 - 、及びSbF6 - が好ましい。
【0107】
一般式(C)で表される化合物の例を表1に記載する。
【0108】
【表1】
Figure 0004243028
【0109】
本発明の光情報記録媒体は、CD−R用途にはトラックピッチ1.4〜1.8μmのプレグルーブを有する厚さ1.2±0.2mmの透明な円盤状基板上に、記録層、光反射層及び保護層をこの順に有する構成であることが好ましい。また、DVD−R用途にはトラックピッチ0.6〜0.9μmのプレグルーブを有する厚さ0.6±0.1mmの透明な円盤状基板上に、記録層、光反射層及び保護層をこの順に有する構成であることが好ましい。
【0110】
本発明の情報記録媒体をDVD−Rに用いる場合、具体的には、下記の態様であることが好ましい。
(1)トラックピッチ0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された、直径が120±3mmあるいは直径が80±3mmで、厚さが0.6±0.1mmの透明な円盤状基板の該プレグルーブが設けられた側の表面に、本発明に係る前記一般式(II)で示されるシアニン色素化合物を含む記録層が設けられてなる二枚の積層体を、それぞれの記録層が内側となるように接合してなる、厚さ1.2±0.2mmの情報記録媒体。
(2)トラックピッチ0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された、直径が120±3mmあるいは直径が80±3mmで、厚さが0.6±0.1mmの透明な円盤状基板の該プレグルーブが設けられた側の表面に、本発明に係る前記一般式(II)で表されるシアニン色素化合物を含む記録層が設けられてなる積層体と、該円盤状基板と略同じ寸法の円盤状保護板とを、記録層が内側となるように接合してなる、厚さ1.2±0.2mmの情報記録媒体。なお、上記の態様においても記録層の上には反射層が設けられていることが好ましい。また反射層の上には更に保護層が設けられていてもよい。
【0111】
本発明の光情報記録媒体は、例えば以下に述べるような方法により製造することができる。光情報記録媒体の基板は、従来の光情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。基板材料としては、例えばガラス;ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
【0112】
記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上および記録層の保護の目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0113】
基板(または下塗層)上には、通常トラッキング用溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プレグルーブ)が形成されている。このプレグルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形あるいは押出成形する際に直接基板上に形成されることが好ましい。プレグルーブは、通常CD−R型においては、1.4〜1.8μmの幅のトラックピッチで、またDVD−R型においては、0.6〜0.9μmの幅のトラックピッチで形成されることが好ましい。
【0114】
プレグルーブの深さは30〜200nmの範囲にあることが好ましく、またその半値幅は、0.2〜0.9μmの範囲にあることが好ましい。また、プレグルーブの深さを150〜200nmの範囲にすることにより反射率をほとんど低下させることなく感度を向上させることができ、特にCD−R型又はDVD−R型の光情報記録媒体の製造に有利となる。
【0115】
記録層の形成は、前記シアニン色素化合物、更に所望によりクエンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより行うことができる。色素層塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1、2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独または二種以上併用して適宜用いることができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0116】
結合剤を使用する場合に結合剤の例としては、たとえばゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
【0117】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層の層厚は一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは50〜300nmの範囲にある。
【0118】
記録層の上には、情報の再生時における反射率の向上の目的で光反射層が設けられる。光反射層の材料である光反射性物質はレーザーに対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼であり、更に好ましくはAg、Auであり、特にAgが好ましい。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。光反射層は、たとえば上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより記録層の上に形成することができる。光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲が好ましい

【0119】
光反射層の上には、記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層が設けられる。保護層に用いられる材料の例としては、SiO、SiO2 、MgF2 、SnO2 、Si34 等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。
保護層は、例えばプラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して反射層上にラミネートすることにより形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲にある。以上の工程により、基板上に、記録層、光反射層そして保護層が設けられた積層体を製造することができる。
【0120】
本発明の光情報記録方法は、上記光情報記録媒体を用いて、例えば、次のように行われる。まず、光情報記録媒体を定線速度(CDフォーマットの場合は1.2〜14m/秒)または定角速度にて回転させながら、基板側から半導体レーザーなどの記録用の光を照射する。この光の照射により、記録層と反射層との界面に空洞を形成(空洞の形成は、記録層または反射層の変形、あるいは両層の変形を伴って形成される)するか、基板が肉盛り変形する、あるいは記録層に変色、会合状態の変化等により屈折率が変化することにより情報が記録されると考えられる。記録光としては、CD−Rの場合、一般に750〜850nmの範囲、より好ましくは770〜790nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザーが用いられ、DVD−Rの場合、一般に600〜700nmの範囲、より好ましくは620〜680nmの範囲、特に好ましくは630〜670nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザーが用いられる。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザーを基板側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
【0121】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
本発明のシアニン色素化合物(II−1)を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、記録層形成用塗布液を得た。得られた塗布液中の色素濃度は1.5質量%であった。この塗布液を表面にスパイラル状のプレグルーブ(トラックピッチ:1.6μm、グルーブ幅:0.4μm、グルーブの深さ:0.17μm)が射出成形により形成されたポリカーボネート基板(直径:120mm、厚さ:1.2mm)のそのプレグルーブ側の表面にスピンコート法により塗布し、記録層(厚さ(プレグルーブ内):約200nm)を形成した。
【0122】
次に、記録層上に銀をスパッタして厚さ約100nmの光反射層を形成した。更に、光反射層上にUV硬化性樹脂(SD318、大日本インキ化学工業(株)製)を塗布し、紫外線を照射して硬化させ、層厚7μmの保護層を形成した。
以上の工程により本発明に従う光ディスクを得た。
実施例1において、本発明のシアニン色素化合物(II−1)を表2に示す化合物に変えた(それぞれ使用量は変更なし)こと以外は同様にして、本発明に従う光ディスクを製造した。
【0123】
[比較例1]
前記比較用シアニン色素化合物(C)又は(D)及び該シアニン色素化合物の10質量%の褪色防止剤(B1−1)を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、記録層形成用塗布液を得た。得られた塗布液中の色素濃度は1.5質量%であった。また、これら比較用の光ディスクは実施例1と同様の方法で製造した。
【0124】
【化57】
Figure 0004243028
【0125】
[記録媒体の評価]
(1)変調度
実施例1〜4および比較例1〜2の試料に、波長780nmの半導体レーザーを照射し、プレグループをトラッキングしながら定線速度1.4m/秒で記録レーザーパワーを4〜9mWの範囲で種々変えて、3Tと11TのEFM信号を記録した。レーザーパワー0.5mWで再生し、最適記録パワー(感度)における3Tと11Tの変調度を求めた。
【0126】
(2)耐光性
上記のように記録された試料にXeランプ(17万ルックス)を48時間及び120時間照射し、照射後の変調度を上記と同様に測定した。また照射後の試料の色の有無を目視で観察し、下記の各水準にランク付けした。
AA:褪色していない。
BB:若干褪色しているが、許容範囲である。
CC:明確に褪色している。
DD:殆ど色が残っていない。
得られた評価結果を表2に示す。
【0127】
【表2】
Figure 0004243028
【0128】
表2の結果から、本発明のシアニン色素化合物を用いた情報記録媒体は、従来から知られているシアニン色素化合物を用いた比較例1乃至2と比較して記録再生特性及び耐光性に優れていることがわかる。
【0129】
次に、DVD−R用途について具体的な実施例を示す。
[実施例5]
射出成形機(住友重機械工業(株)製)を用いて、ポリカーボネート樹脂を、スパイラル状のグルーブ(深さ150nm、幅290nm、トラックピッチ0.74μm )を有する厚さ0.6mm、直径120mmの基板に成形した。シアニン色素 No.(II―70) 2.0gを2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール100mlに溶解した塗布液を調製し、この塗布液をスピンコート法により上記基板のグルーブが形成された面上に塗布し、色素層を形成した。このときの色素層の膜厚は、80nmだった。次に、色素塗布面上に銀をスパッタして膜厚約150nmの反射層を形成した後、反射層上に、紫外線硬化樹脂(大日本インキ化学社製ダイキュアクリアSD−318)をスピンコート法で塗布し、メタルハライドランプで紫外線照射することで約7μm の保護層を形成し、0.6mm厚のディスクAを得た。また、前記基板に色素塗布せずに銀をスパッタして、保護層を形成し、色素記録層の無い0.6mm厚のディスクBを得た。ディスクAとディスクBとを貼合せて、1枚のディスクとして完成させるため、次のような工程を経た。まず、ディスクA及びディスクBの保護層上に遅効性カチオン重合型接着剤(ソニーケミカル社製 SK7000)をスクリーン印刷によって塗布した。このとき、スクリーン印刷版のメッシュサイズは300メッシュを使用した。次に、メタルハライドランプを使用し紫外線照射した直後、ディスクAとディスクBとを保護層側を貼合せ、両面から圧縮した。約5分放置後、接着剤は完全に硬化し、厚さ1.2mmの1枚のディスクとして完成した。
【0130】
[実施例6]〜[実施例10]
実施例5において、シアニン色素No.(II―70)の代わりに表3に示す本発明に係るシアニン色素を同量使用した以外は、実施例5と全く同様にして、ディスクを得た。
【0131】
[比較例3]〜[比較例5]
表3中の比較用シアニン色素(I)、(J)又は(K)の各々 2.0gを2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール100mlに溶解した以外は、実施例と全く同様にして、ディスクを完成した。このとき、色素層の膜厚は80nmだった。
【0132】
【化58】
Figure 0004243028
【0133】
〔光ディスクとしての評価〕
上記の実施例及び比較例のDVD−R型の光ディスクにDDU1000(バルステック社製)評価機を用いてレーザ光の波長655nm(NA0.6にピックアップ)、定線速度3.49m/s 、記録パワー9mWで3Tと14TのEFM信号を記録した。その後、記録レーザ光と同じ波長のレーザを用いて0.5mWのレーザパワーで信号を再生し、3Tと14Tの変調度及びジッタ―を測定した。
【0134】
[耐光性]
上記のように記録された試料にXeランプ(17万ルックス)を48時間照射し、照射後の変調度を上記と同様に測定した。
【0135】
【表3】
Figure 0004243028
【0136】
上記表3の結果から、本発明に従うDVD−R型の光ディスク(実施例5〜10)の場合には、高い変調度を示し、かつ低ジッタを与えており、従って優れた記録再生特性が得られていることがわかる。一方、比較用のDVD−R型ディスク(比較例3〜4)の場合には、3T及び14Tの変調度が低いためジッタ―が測定出来ず、満足した記録再生特性が得られなくなる。また、耐光性試験実施後においても、比較例5の光情報記録媒体が光劣化しジッタ―が20%以上になっているのに対して、本発明の光情報記録媒体は良好な記録再生特性を示し、耐光性に優れている事が判る。
【0137】
【発明の効果】
本発明の水溶性テトラシアノキノジメタン化合物及びそれを対アニオンとしシアニン色素化合物は、有機伝導体、染料、写真用増感色素、情報記録用色素、細胞等生体試料染色剤、又は医薬品などとして有用である。特に本発明のシアニン色素化合物を用いることによって、優れた記録再生特性と高い耐光性を有する情報記録媒体を提供することができる。

Claims (14)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物。
    Figure 0004243028
    [式中、R1 は置換もしくは無置換のアルキレン基;Lは単結合または2価の連結基;R2 は置換基を表し、CIはカチオンを表し、pは1〜4の整数を表し、rは0〜3の整数を表し、mは電荷中和に必要な数を表す。]
  2. 一般式(I)において、Lが単結合であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  3. 一般式(I)において、Lが
    Figure 0004243028
    でGはアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、またはこれらの組合せからなる2価の連結基であることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  4. 一般式(I)において、R2 がアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アミノ基またはハロゲン原子であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の化合物。
  5. 一般式(I)において、CIがプロトンであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の化合物。
  6. 一般式(I)において、CIがシアニン色素カチオンであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の化合物。
  7. 前記一般式(I)で表される化合物が下記一般式(II)で表されるシアニン色素化合物であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の化合物。
    Figure 0004243028
    [式中、A1及びA2は各々独立にベンゼン又はナフタレン縮合環を表し、R3、R3’は各々独立に水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R4、R4’、R5 及びR5’は各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R6 はメチン鎖上の置換基を表し、q は0以上5以下の整数を表し、Xp-は下記一般式(III)で表されるp価のアニオン性テトラシアノキノジメタン化合物を表し、pは1乃至4の整数を表し、Bは0、1又は2を表す。]
    Figure 0004243028
    [式中、R1 は置換もしくは無置換のアルキレン基;Lは単結合または2価の連結基;R2 は置換基を表し、pは1〜4の整数を表し、rは0〜3の整数を表す。]
  8. pが2でrが0であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の化合物。
  9. レーザーにより情報記録が可能な記録層を基板上に設けた光情報記録媒体であって、前記一般式(I)で表される化合物であり、かつ、そのCIがシアニン色素カチオンであるシアニン色素化合物を該記録層に含むことを特徴とする光情報記録媒体。
  10. 請求項9におけるシアニン色素化合物が前記一般式(II)で表されるシアニン色素化合物であることを特徴とする請求項9に記載の光情報記録媒体。
  11. 前記一般式(II)において、pが2でrが0であることを特徴とする請求項10に記載の光情報記録媒体。
  12. 基板が、その表面にトラックピッチ1.4〜1.8μmのプレグルーブを有する厚さ1.2±0.2mmの透明な円盤状基板であり、記録層が該プレグルーブが形成された側の表面に設けられている請求項9〜11の何れかに記載の光情報記録媒体。
  13. 記録層上に更に金属からなる光反射層が設けられていることを特徴とする請求項9〜12の何れかに記載の光情報記録媒体。
  14. 記録層上方に保護層が設けられている請求項9〜13の何れかに記載の光情報記録媒体。
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