JP2007153878A - カチオン化合物、色素化合物およびその使用方法、ならびに光情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(I)で表されるカチオン化合物。
[一般式(I)中、Ar1およびAr2は、各々独立に、置換基を有してもよいアリール基または芳香族へテロ環基を表し、Ar1およびAr2の少なくとも一方は一つ以上のオニウムカチオンを有し;L1は、単結合または2価の連結基を表し;R3およびR4は、各々独立に、置換基を表し、置換しているベンゼン環と環を形成してもよく;m3およびm4は、各々独立に、0〜4の範囲の整数を表し、m3、m4が2〜4の範囲の整数であるとき、複数存在するR3、R4は、それぞれ同じであっても異なってもよい。]
【選択図】なし
Description
また、追記型DVDも、CD−Rと同様に記録時間の短縮、つまり記録速度の高速度化が望まれ、追記型DVD記録媒体の更なる感度アップや、書き込みレーザーの高パワー化に伴う書き込み精度の低下(ジッターの悪化)の改善が望まれている。
更に、光情報記録媒体の記録層用色素には、上記物性に加えて、色素塗布液調製時の溶解性や、塗布液の溶解経時安定性、高濃度塗布溶液を使用した場合の塗布性(塗布膜平滑性)などの製造適性に優れることも求められる。
[1]下記一般式(I)で表されるカチオン化合物。
[2]前記一般式(I)中、
Ar1は、
Ar2は、
[上記において、R1およびR2は、各々独立に、置換基を表し、置換しているベンゼン環と環を形成してもよく;m1およびm2は、一方が0〜5の範囲の整数を表し、他方は1〜5の範囲の整数を表し、m1、m2が2〜5の範囲の整数であるとき、複数存在するR1、R2は、それぞれ同じであっても異なってもよい。]
[3]前記一般式(I)中、R1およびR2の少なくとも一方は、窒素カチオンを有する置換基を表す[2]に記載のカチオン化合物。
[4]前記一般式(I)中、L1は単結合である[3]に記載のカチオン化合物。
[5]前記窒素カチオンは、テトラ置換窒素原子カチオンまたは窒素原子含有芳香族へテロ環カチオンである[3]または[4]に記載のカチオン化合物。
[6]前記窒素原子含有芳香族へテロカチオンは、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、チアゾリウムカチオン、オキサゾリウムカチオンまたはイミニウムカチオンである[5]に記載のカチオン化合物。
[7]一般式(I)中、L1は、
[上記において、R5およびR6は、各々独立に、置換基を表し;m5およびm6は、各々独立に、0〜4の範囲の整数を表し、m5、m6が2〜4の範囲の整数であるとき、複数存在するR5、R6は、それぞれ同じであっても異なってもよく;Laは、2価の連結基を表す。]
[8]前記一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(IV)で表される化合物である[1]に記載のカチオン化合物。
R53、R54、R55、R56、R57およびR58は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表し、R55とR56、R57とR58が連結して、5または6員環を形成してもよく、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57およびR58は、それぞれさらに置換基を有してもよい。]
[9][1]〜[8]のいずれかに記載のカチオン化合物と、前記カチオン化合物の電荷を中和し得る量の陰イオンとを含む色素化合物。
[10]前記陰イオンはアニオン性色素である[9]に記載の色素化合物。
[11]前記アニオン性色素は、オキソノール色素である[10]に記載の色素化合物。
[12]前記オキソノール色素は、下記一般式(V)で表される[11]に記載の色素化合物。
Ma27、Ma28およびMa29は、各々独立に、置換または無置換のメチン基を表し;Ka23は、0〜3の範囲の整数を表し、Ka23が2または3であるとき、複数存在するMa27、Ma28は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。]
[13]前記オキソノール色素は、下記一般式(VI)で表される[11]に記載の色素化合物。
[14]基板上に記録層を有する光情報記録媒体であって、
前記記録層は、[9]〜[13]のいずれかに記載の色素化合物を含有する光情報記録媒体。
[15]追記型光情報記録媒体である[14]に記載の光情報記録媒体。
[16]DVD−R型光情報記録媒体である[15]に記載の光情報記録媒体。
[17][9]〜[13]のいずれかに記載の色素化合物を光情報記録媒体の記録層用色素として使用する方法。
[18]前記光情報記録媒体が追記型光情報記録媒体である[17]に記載の方法。
[19]前記光情報記録媒体がDVD−R型光情報記録媒体である[18]に記載の方法。
本発明のカチオン化合物は、下記一般式(I)で表されるカチオン化合物である。
一般式(I)中、Ar1およびAr2は、各々独立に、置換基を有してもよいアリール基または芳香族へテロ環基を表し、Ar1およびAr2の少なくとも一方は一つ以上のオニウムカチオンを有する。Ar1、Ar2の表すアリール基は、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。
Ar1、Ar2の表す芳香族へテロ環基は、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20であり、特に好ましくは炭素数1〜12であり、前記芳香族ヘテロ環基に含まれるヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を挙げることができる。前記芳香族ヘテロ環基の具体例としては、ピロール基、ピラゾール基、イミダゾール基、ピリジン基、フラン基、チオフェン基、オキサゾール基、チアゾール基やこれらのベンゾ縮環体やヘテロ環縮環体などが挙げられる。Ar1、Ar2は特に好ましくはフェニル基である。
Ar2が、
また、本発明のカチオン化合物のより好ましい別の態様としては、一般式(II)においてL1が、
本発明のカチオン化合物のより好ましい別の態様としては、下記一般式(IV):
以下に、一般式(II)、(III)、(IV)の詳細を順次説明する。
一般式(II)中、R1およびR2は、各々独立に置換基を表す。前記置換基の例としては、前述のR3、R4の置換基の説明に記載したものに加えて、窒素カチオンを有する置換基を挙げることができる。ここで、「窒素カチオン」とは、窒素原子を1つ以上含み、かつ含まれる窒素原子の少なくとも1つが陽電荷を有するカチオンを意味する。
一般式(III)中、R1、R2、R3、R4は、一般式(I)および(II)における定義と同義であり、R5およびR6は、各々独立に置換基を表す。R5、R6で表される置換基の好ましい例等の詳細は、前述のR3、R4の置換基の説明に記載した通りである。一般式(III)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6で表される置換基の特に好ましい例としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、スルファモイル基、ウレイド基等を挙げることができる。
また、得られた化合物は公知の方法で精製することもできる。なお、本発明のカチオン化合物が得られたことは、NMR等の公知の分析方法によって確認することができる。
本発明の色素化合物は、本発明のカチオン化合物と、前記カチオン化合物の電荷を中和し得る量の陰イオンとを含む。前記色素化合物は、好ましくは前記カチオン化合物が前記陰イオンと塩を形成した化合物である。本発明の色素化合物は、色素膜での吸収極大波長が500nm以上720nm未満であることが好ましく、550nm以上600nm未満であることが更に好ましく、565nm以上590nm未満であることが最も好ましい。
以下に、一般式(V)、(VI)の詳細を順次説明する。
一般式(V)中、Za25およびZa26は、各々独立に、酸性核を形成する原子群を表し、その例は、James編、The Theory of the Photographic Process、第4版、マクミラン社、1977年、第198頁に記載されている。具体的には、各々、置換されてもいてもよいピラゾール−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、イミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2または4−チオヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−4−オン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、イソローダニン、ローダニン、チオフェン−3−オン、チオフェン−3−オン−1,1−ジオキシド、3,3−ジオキソ[1,3]オキサチオラン−5−オン、インドリン−2−オン、インドリン−3−オン、2−オキソインダゾリウム、5,7−ジオキソ−6,7−ジヒドロチアゾロ〔3,2−a〕ピリミジン、3,4−ジヒドロイソキノリン−4−オン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(例えば、メルドラム酸など)、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クマリンー2,4−ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリド[1,2−a]ピリミジン−1,3−ジオン、ピラゾロ〔15−b〕キナゾロン、ピラゾロピリドン、5または6員の炭素環(例えば、ヘキサン−1,3−ジオン、ペンタン−1,3−ジオン、インダン−1,3−ジオン)などの核が挙げられ、好ましくは、ピラゾール−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、または3,3−ジオキソ[1,3]オキサチオラン−5−オン、インダンジオン、ピラゾロン、ピラゾリンジオン、ベンゾチオフェンオンジオキシドである。 Za25、Za26は、各々、置換されていてもよい1,3−ジオキサン−4,6−ジオンであることが最も好ましい。
酸性核は、無置換または、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基で置換されたもの、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基で置換されたものが好ましい。
Ma27、Ma28およびMa29は、各々独立に、好ましくは無置換メチン基、またはエチル基、メチル基、もしくはフェニル基で置換されたメチン基のいずれかである。最も好ましくは、無置換のメチン基である。
一般式(VI)中、Za21、Za22、Za23およびZa24は、各々独立に、酸性核を形成する原子群を表す。酸性核は、一般式(V)のZa25、Za26が形成するものと同義であり、その具体例も同様である。Za21、Za22、Za23およびZa24が形成する酸性核は、好ましくは、ピラゾール−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、または3,3−ジオキソ[1,3]オキサチオラン−5−オン、インダンジオン、ピラゾロン、ピラゾリンジオン、ベンゾチオフェンオンジオキシドである。その中でも、1,3−ジオキサン−4,6−ジオンが最も好ましい。
Lとして、各々好ましくは2つのアルキレン基(好ましくは、エチレン基)が結合して環を形成したものである。その中でも、5または6員環(好ましくはシクロヘキシル)を形成した場合が更に好ましい。
ビス型オキソノール色素の合成法は、欧州特許EP1424691A2に開示されている。
更に、本発明の色素化合物は、記録特性に優れるため、光情報記録媒体の記録層用色素として使用することにより、記録感度および書き込み精度に優れた光情報記録媒体を得ることができる。本発明の色素化合物の記録層用色素としての使用方法の詳細は、本発明の光情報記録媒体について後述する通りである。
本発明の光情報記録媒体は、基板上に記録層を有し、前記記録層に、本発明の色素化合物を含有する。
また、単層記録層を有するDVD−R型光情報記録媒体の好ましい態様としては、以下の光情報記録媒体を挙げることができる。
トラックピッチ0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された厚さ0.6±0.1mmの透明な円盤状基板上に、本発明の色素化合物を含む記録層および光反射層が設けられてなる積層体と、該積層体の円盤状基板と同じ形状の透明な円盤状保護基板とを、記録層が内側となるように接合され、厚さ1.2±0.2mmとなるように構成された光情報記録媒体。なお、上記DVD−R型光情報記録媒体においては、光反射層の上に更に保護層を設けた構成とすることもできる。
なお、中間層20は、第一記録層22に記録された情報と第二記録層28に記録された情報の干渉を防ぐ働きをする層であり、中間層20を介在させることにより第一記録層22および第二記録層28で良好な記録再生信号を得ることができる。
一方、レーザー光源から離れた記録層(図2中の第二記録層28)へ使用する色素化合物としては、好ましくは一般式(III)で表されるカチオン部に一般式(VI)で表されるオキソノール色素を組み合わせたものである。
トラックピッチ0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された厚さ0.6±0.1mmの透明な円盤状基板上に、本発明の色素化合物を含む記録層および光反射層が設けられてなる二枚の積層体が、それぞれ記録層が内側となるように接合され、厚さ1.2±0.2mmとなるように構成された光情報記録媒体。
色素化合物D−1の合成
(1)化合物例V−1のp−トルエンスルホン酸塩の合成
次の反応スキームに従いイソプロパノール300mlに塩化アンモニウム3gと還元鉄30gを添加し、加熱還流を30分行った。次に加熱還流下、4−ニトロフェニル−1−イミダゾール25.8gを徐々に添加した。更に加熱還流を2時間後、熱時濾過にて、不溶分を除去した。得られたイソプロパノール溶液を濃縮乾固したものを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、中間体A 16.0gを得た。次にジメチルホルムアミド20mlに中間体A 2.07gとDNPV(1,1’−ビス(2,4−ジニトロフェニル)[4,4’]ビピリジニウムジクロライド)3.36gを添加し、90℃にて2時間加熱攪拌した。
反応終了後、放冷、一晩放置した。析出した結晶を濾取し、ジメチルホルムアミドにて洗浄後、減圧乾燥し、中間体B 3.0gを得た。次に中間体B 2.0gにp−トルエンスルホン酸メチルエステル20mlを添加し、120℃にて6時間加熱攪拌した。放冷後、酢酸エチル30mlを添加し、30分攪拌した。析出結晶を濾取、乾燥し、V−1のp−トルエンスルホン酸塩2.75gを得た。
上記で得られたV−1のp−トルエンスルホン酸塩0.58gをメタノール30mlに加熱完溶したものに、下記色素原料 1.24gを添加し、60℃にて30分攪拌した。
次に放冷後、室温にて2時間攪拌し、析出結晶を濾取、メタノールにて洗浄した。乾燥後、色素化合物D−1を得た(吸収λmax=561.6nm、ε=6.13×105/2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(TFP))。
色素化合物D−2の合成
(1)化合物例V−2のBr-、Cl-の混合塩の合成
次の反応スキームに従い、中間体Bとベンジルブロマイドを反応させることで、化合物例V−2のBr-、Cl-の混合塩を合成した。
実施例1と同様にして、下記色素原料と反応させることで、色素化合物D−2を得た(吸収λmax=561.7nm、ε=6.08×105/TFP)。
色素化合物D−3の合成
(1)化合物例V−3のp−トルエンスルホン酸塩の合成
次の反応スキームに従い合成した。まず、メシチレン50mlにベンズイミダゾール3.23gと炭酸ルビジウム17.3g、酢酸パラジウム56mg、トリt−ブチルホスフィンを添加し、100℃にて攪拌したものに、1−ヨードー4−ニトロベンゼン6.23gを徐々に添加した。8時間加熱還流後、放冷し、酢酸エチル、水を添加し、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を濃縮後、カラムクロマトグラフィにて精製し、中間体C 2.4gを得た。次に、実施例1と同様の操作を行い中間体D、中間体Eを合成し、p−トルエンスルホン酸メチルエステルと反応させることで化合物例V−3のp−トルエンスルホン酸塩を合成した。
実施例1と同様にして、下記色素原料と反応させることで、色素化合物D−3を得た(吸収λmax=562.0nm、ε=5.76×105/TFP)。
色素化合物D−4の合成
(1)化合物例V−4のBr-、Cl-の混合塩の合成
次の反応スキームに従い、中間体Eとベンジルブロマイドを反応させることで、化合物例V−4のBr-、Cl-の混合塩を合成した。
実施例1と同様にして、下記色素原料と反応させることで、色素化合物D−4を得た(吸収λmax=562.0nm、ε=6.05×105/TFP)。
色素化合物D−53の合成
(1)化合物例V−31の塩酸塩の合成
次のスキームに従い合成した。
(i)中間体Fの合成
4,4’−ビピリジル15gをアセトン100mlに溶解したものに、1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン13.2gを添加し、室温にて15分攪拌し、更に15時間加熱還流した。反応終了後、室温まで放冷し、析出結晶を減圧濾過にて濾取した。最後に得られた結晶をアセトンで洗浄後、乾燥し、中間体F 18.8gを得た。
(ii)中間体Gの合成
中間体F14.4gをアセトニトリル100mlに懸濁したものに、アニリン4.6gを添加し、7時間加熱還流した。反応終了後、室温まで放冷し、析出結晶を濾取し、アセトニトリルでかけ洗い、乾燥した。得られた粗結晶にメタノール20mlを添加し加熱完溶させたものに、酢酸エチル200mlを添加し、室温にて1時間攪拌した。得られた結晶を濾取し、中間体G10.4gを得た。
(iii)中間体Hの合成
中間体G3gと1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン7gにN−メチルピロリドン5mlを添加し、外温110℃のオイルバスで9時間加熱した。反応終了後、室温まで放冷し、析出結晶を濾取し、N−メチルピロリドンでかけ洗い、さらに酢酸エチルでかけ洗いし乾燥し、中間体H3.7gを得た。
(iv)化合物例V−31塩酸塩の合成
中間体H2.4gをジメチルホルムアミド30mlに懸濁したものに、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル0.4gを添加し、100℃にて6時間加熱攪拌した。反応終了後、室温まで放冷し、析出結晶を濾取し、ジメチルホルムアミドでかけ洗い、さらに酢酸エチルでかけ洗いし乾燥し、化合物例V−31塩酸塩1.16gを得た。
上記で得られたV−31の塩酸塩1.0gをメタノール30mlに加熱溶解したものに実施例1記載の色素原料3.1gを添加し、60℃にて30分攪拌した。次に放冷後、室温にて2時間攪拌し、析出結晶を濾取、メタノールにて洗浄、乾燥し、化合物D−53を1.8g得た(吸収λmax=561.8nm、ε=6.07×105/2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(TFP))。
色素化合物の合成
化合物例V−27からV−30、V−32からV−72の塩酸塩を上記と同様の方法で合成し、得られた塩酸塩の塩素アニオンを、アニオン交換することで、種々のアニオンを持つ化合物を合成できる。上記実施例に記載のように、色素原料と反応させ、オキソノール色素を対アニオンとして持つ化合物を合成した。以下に、いくつかの化合物について、同定NMRデータを記す。
(1)スピンコート塗布適性の評価
表3記載の色素(0.3g)を10mlの2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(TFP)に溶解したものをポリカーボネート基板にスピンコートし、塗布筋を目視で観察した。結果を表3に示す。
(2)溶解経時安定性試験
表3記載の色素を5.0質量%の2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液として、20℃で1週間放置した。結晶析出の様子を、目視で確認した。結果を表3に示す。
◎ : 結晶の析出が全く見られない。
○ : 結晶の析出が見られない。
△ : 結晶の析出が僅かに見られる。
× : 結晶の析出が多い。
(3)色素膜屈折率測定
色素溶液(表3に示す各色素10mg/1ml TFP)をガラス基板に塗布したものの屈折率をエリプソメトリーにて測定した。結果を表3に示す。
射出成形にて、ポリカーボネート樹脂を、スパイラル状のグルーブ(深さ130nm、幅310nm、トラックピッチ0.74μm)を有する厚さ0.6mm、直径120mmの基板に成形した。比較化合物A1.25gを2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール100mlに溶解した塗布液を調製し、この塗布液を、スピンコート法により上記基板のグルーブが形成面上に塗布し、色素層を形成した。
次に、色素塗布面上に銀をスパッタして膜厚約150nmの反射層を形成した後、紫外線硬化樹脂(ダイキュアクリアSD640 大日本インキ化学工業製)を接着剤として用いて0.6mm厚のダミー基板と貼り合わせてDVD−Rディスクを作製した。
DDU1000およびマルチシグナルジェネレータ(パルステック社製、レーザー波長=660nm、開口率=0.60)を用いて、転送レート1倍速(11.08Mbps)、8倍速(88.64M)、10倍速(110.8Mbps)で8−16変調信号を記録した。
使用した記録ストラテジは、表4に示した。1倍速記録、10倍速記録は1種類、8倍速記録はパルス幅の大きく異なる2種類で記録を行った。
記録パワーは、それぞれの媒体で、ジッターが最も小さくなる記録パワーに設定した。その後、記録レーザー波長と同波長のレーザーを用いて再生し、感度およびジッタを測定した。結果を表5に示す。良好な記録ストラテジを設定することができた。
Claims (19)
- 前記一般式(I)中、R1およびR2の少なくとも一方は、窒素カチオンを有する置換基を表す請求項2に記載のカチオン化合物。
- 前記一般式(I)中、L1は単結合である請求項3に記載のカチオン化合物。
- 前記窒素カチオンは、テトラ置換窒素原子カチオンまたは窒素原子含有芳香族へテロ環カチオンである請求項3または4に記載のカチオン化合物。
- 前記窒素原子含有芳香族へテロカチオンは、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、チアゾリウムカチオン、オキサゾリウムカチオンまたはイミニウムカチオンである請求項5に記載のカチオン化合物。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のカチオン化合物と、前記カチオン化合物の電荷を中和し得る量の陰イオンとを含む色素化合物。
- 前記陰イオンはアニオン性色素である請求項9に記載の色素化合物。
- 前記アニオン性色素は、オキソノール色素である請求項10に記載の色素化合物。
- 基板上に記録層を有する光情報記録媒体であって、
前記記録層は、請求項9〜13のいずれか1項に記載の色素化合物を含有する光情報記録媒体。 - 追記型光情報記録媒体である請求項14に記載の光情報記録媒体。
- DVD−R型光情報記録媒体である請求項15に記載の光情報記録媒体。
- 請求項9〜13のいずれか1項に記載の色素化合物を光情報記録媒体の記録層用色素として使用する方法。
- 前記光情報記録媒体が追記型光情報記録媒体である請求項17に記載の方法。
- 前記光情報記録媒体がDVD−R型光情報記録媒体である請求項18に記載の方法。
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JPH1125505A (ja) * | 1997-05-09 | 1999-01-29 | Fuji Photo Film Co Ltd | 情報記録媒体及びオキソノール化合物 |
-
2006
- 2006-11-09 JP JP2006303567A patent/JP2007153878A/ja active Pending
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JPH1125505A (ja) * | 1997-05-09 | 1999-01-29 | Fuji Photo Film Co Ltd | 情報記録媒体及びオキソノール化合物 |
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