JP2007153878A - カチオン化合物、色素化合物およびその使用方法、ならびに光情報記録媒体 - Google Patents

カチオン化合物、色素化合物およびその使用方法、ならびに光情報記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた感度、ジッターおよび反射率を示す光情報記録媒体を提供することができ、しかも優れた製造適性を有する新規色素の提供。
【解決手段】下記一般式(I)で表されるカチオン化合物。
Figure 2007153878

[一般式(I)中、Ar1およびAr2は、各々独立に、置換基を有してもよいアリール基または芳香族へテロ環基を表し、Ar1およびAr2の少なくとも一方は一つ以上のオニウムカチオンを有し;L1は、単結合または2価の連結基を表し;R3およびR4は、各々独立に、置換基を表し、置換しているベンゼン環と環を形成してもよく;m3およびm4は、各々独立に、0〜4の範囲の整数を表し、m3、m4が2〜4の範囲の整数であるとき、複数存在するR3、R4は、それぞれ同じであっても異なってもよい。]
【選択図】なし

Description

本発明は、光情報記録媒体の記録層用色素として好適な色素化合物を提供し得る新規カチオン化合物に関する。更に、本発明は、前記カチオン化合物を含む色素化合物およびその使用方法、ならびに前記色素化合物を記録層用色素として含む光情報記録媒体に関する。前記色素化合物は、可視レーザ光を用いて情報を記録する追記型のデジタル・バーサタイル・ディスク(DVD−R)等のヒートモード型の情報記録媒体の記録層用色素として好適である。
レーザ光により一回限りの情報の記録が可能な情報記録媒体(光ディスク)として追記型CD(所謂CD−R)が知られている。これは、従来のCDの作製に比べて少量のCDを手頃な価格でしかも迅速に提供できる利点を有しており、パーソナルコンピュータの普及に伴ってその需要も増大してきた。CD−R型の情報記録媒体の代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金などの金属からなる反射層、更に樹脂製の保護層をこの順に積層したものであり、光ディスクへの情報の記録は、近赤外域のレーザ光(通常780nm付近の波長のレーザ光)を照射して記録層を局所的に熱変形させることにより行われる。一方、情報の読み取り(再生)は通常、記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を照射して、記録層が熱変形された部位(記録部分)と変形されない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより行われている。
近年、パーソナルコンピュータの高性能化やインターネットの高速化に伴い、画像情報(特に動画等)が取り扱われる様になり、より、大容量の情報記録媒体が必要とされるようになった。記録密度のより高い情報記録媒体としては、記録密度を高めるため波長が短いレーザ光でより小さく絞った、追記型デジタル・バーサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが市販されている。この光ディスクは、トラックピッチがCD−Rの1.6μmより狭い0.8μmのプレグルーブが形成された直径120mmあるいは直径が80mmの透明な円盤状基板上に、色素を含む記録層、そして通常は該記録層の上に更に反射層および保護層を設けてなるディスクを二枚、あるいは該ディスクと略同じ寸法の円盤状保護基板とを該記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた構造となるように製造されている。そしてDVD−Rは、可視レーザ光(通常600nm〜700nmの範囲の波長のレーザ光)を照射することにより、記録および再生が行われ、CD−R型の光ディスクより高密度の記録が可能である。また、DVD+Rと称するDVD−Rと類似の規格の光ディスクも市販されている。
追記型DVDの情報記録媒体は、従来のCD−R型に比べて数倍の情報量を記録することができるため、高い記録感度を有していることは勿論のこと、特に大量の情報を速やかに処理する必要から、高速記録に対してもエラーの発生率が少ないことが望まれる。また色素を含む記録層は、一般に熱、あるいは光に対する経時での安定性が低いため、長期間にわたって熱、あるいは光に対しても安定した性能を維持できる記録層の開発が望まれる。
また、追記型DVDも、CD−Rと同様に記録時間の短縮、つまり記録速度の高速度化が望まれ、追記型DVD記録媒体の更なる感度アップや、書き込みレーザーの高パワー化に伴う書き込み精度の低下(ジッターの悪化)の改善が望まれている。
特開昭63−209995号公報[特許文献1]には、オキソノール色素からなる記録層が基板上に設けられたCD−R型の情報記録媒体が開示されている。この色素化合物を用いることにより、長期間にわたり安定した記録再生特性を維持し得るとされており、分子内に塩の形でアンモニウムが導入されたオキソノール色素化合物が記載されている。また、特開平10―109475号公報[特許文献2]には、塩の形で導入されたアンモニウムとしてビピリジニウムが耐光性向上に有効であることが記載されている。ここでは色素はオキソノールに限定されず種々の色素が有効であることが記載されている。また、特開平10−297103号公報[特許文献3]では、ビオロゲン対塩を持つオキソノール色素が有効であることが記載されている。また、特開2000−52658号公報[特許文献4]、特開2002−249674公報[特許文献5]には、高い耐光性と耐久性を示し、良好な記録特性の光情報記録媒体を提供するオキソノール色素化合物が記載されている。また、特開2002−59652号[特許文献6]には、感度の異なる色素2種を混合する技術に関して記載されており、その中にオキソノール色素についての記載がある。特開2004−188968号[特許文献7]に特定の構造のビス型オキソノール色素が開示されている。
特開昭63−209995号公報 特開平10―109475号公報 特開平10―297103号公報 特開2000−52658号公報 特開2002−249674号公報 特開2002−59652号公報 特開2004−188968号公報
近年、1層メディア(4.7GB)の約1.8倍となる片面8.5GBの容量を利用できる2層の記録面を持つDVD−R DL(Double Layer)メディアが開発され、単層型DVD−Rと同様に記録時間の短縮が検討されている。DVD−R DLメディアは色素層が2層積層されているため、感度、反射率、ジッターなどの点から各層を構成する色素に対する要求物性が1層型メディアに用いられる色素に比べ一層厳しく、より高性能な色素の開発が望まれている。
更に、光情報記録媒体の記録層用色素には、上記物性に加えて、色素塗布液調製時の溶解性や、塗布液の溶解経時安定性、高濃度塗布溶液を使用した場合の塗布性(塗布膜平滑性)などの製造適性に優れることも求められる。
かかる状況下、本発明は、優れた感度、ジッターおよび反射率を示す光情報記録媒体を提供することができ、しかも優れた製造適性を有する、特にDVD−Rメディア用色素として優れた特性を示す新規色素を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、一分子中に3つ以上のカチオン部を有する新規カチオン化合物と陰イオンから形成される色素化合物によれば、優れた感度、ジッター、反射率を有する光情報記録媒体が得られること、更に前記色素化合物は、色素塗布液調製時の溶解性、塗布液の溶解経時安定性に優れるとともに、高濃度塗布溶液の塗布時の良好な塗布面状を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的を達成する手段は、以下の通りである。
[1]下記一般式(I)で表されるカチオン化合物。
Figure 2007153878
[一般式(I)中、Ar1およびAr2は、各々独立に、置換基を有してもよいアリール基または芳香族へテロ環基を表し、L1は、単結合または2価の連結基を表し、Ar1、Ar2およびL1の少なくとも一つは一つ以上のオニウムカチオンを有し;R3およびR4は、各々独立に、置換基を表し、置換しているベンゼン環と環を形成してもよく;m3およびm4は、各々独立に、0〜4の範囲の整数を表し、m3、m4が2〜4の範囲の整数であるとき、複数存在するR3、R4は、それぞれ同じであっても異なってもよい。]
[2]前記一般式(I)中、
Ar1は、
Figure 2007153878
で表され、
Ar2は、
Figure 2007153878
で表される、[1]に記載のカチオン化合物。
[上記において、R1およびR2は、各々独立に、置換基を表し、置換しているベンゼン環と環を形成してもよく;m1およびm2は、一方が0〜5の範囲の整数を表し、他方は1〜5の範囲の整数を表し、m1、m2が2〜5の範囲の整数であるとき、複数存在するR1、R2は、それぞれ同じであっても異なってもよい。]
[3]前記一般式(I)中、R1およびR2の少なくとも一方は、窒素カチオンを有する置換基を表す[2]に記載のカチオン化合物。
[4]前記一般式(I)中、L1は単結合である[3]に記載のカチオン化合物。
[5]前記窒素カチオンは、テトラ置換窒素原子カチオンまたは窒素原子含有芳香族へテロ環カチオンである[3]または[4]に記載のカチオン化合物。
[6]前記窒素原子含有芳香族へテロカチオンは、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、チアゾリウムカチオン、オキサゾリウムカチオンまたはイミニウムカチオンである[5]に記載のカチオン化合物。
[7]一般式(I)中、L1は、
Figure 2007153878
で表される、[1]または[2]に記載のカチオン化合物。
[上記において、R5およびR6は、各々独立に、置換基を表し;m5およびm6は、各々独立に、0〜4の範囲の整数を表し、m5、m6が2〜4の範囲の整数であるとき、複数存在するR5、R6は、それぞれ同じであっても異なってもよく;Laは、2価の連結基を表す。]
[8]前記一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(IV)で表される化合物である[1]に記載のカチオン化合物。
Figure 2007153878
[一般式(VI)中、R51およびR52は、各々独立に、水素原子またはアルキル基を表し;
53、R54、R55、R56、R57およびR58は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表し、R55とR56、R57とR58が連結して、5または6員環を形成してもよく、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57およびR58は、それぞれさらに置換基を有してもよい。]
[9][1]〜[8]のいずれかに記載のカチオン化合物と、前記カチオン化合物の電荷を中和し得る量の陰イオンとを含む色素化合物。
[10]前記陰イオンはアニオン性色素である[9]に記載の色素化合物。
[11]前記アニオン性色素は、オキソノール色素である[10]に記載の色素化合物。
[12]前記オキソノール色素は、下記一般式(V)で表される[11]に記載の色素化合物。
Figure 2007153878
[一般式(V)中、Za25およびZa26は、各々独立に、酸性核を形成する原子群を表し;
Ma27、Ma28およびMa29は、各々独立に、置換または無置換のメチン基を表し;Ka23は、0〜3の範囲の整数を表し、Ka23が2または3であるとき、複数存在するMa27、Ma28は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。]
[13]前記オキソノール色素は、下記一般式(VI)で表される[11]に記載の色素化合物。
Figure 2007153878
[一般式(V)中、Za21、Za22、Za23およびZa24は、各々独立に、酸性核を形成する原子群を表し;Ma21、Ma22、Ma23、Ma24、Ma25およびMa26は、各々独立に、置換または無置換のメチン基を表し;Lは、2つの結合とともにπ共役系を形成しない2価の連結基を表し;Ka21およびKa22は、各々独立に、0〜3の範囲の整数を表し、Ka21、Ka22が2または3であるとき、複数存在するMa21、Ma22、Ma25、Ma26は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。]
[14]基板上に記録層を有する光情報記録媒体であって、
前記記録層は、[9]〜[13]のいずれかに記載の色素化合物を含有する光情報記録媒体。
[15]追記型光情報記録媒体である[14]に記載の光情報記録媒体。
[16]DVD−R型光情報記録媒体である[15]に記載の光情報記録媒体。
[17][9]〜[13]のいずれかに記載の色素化合物を光情報記録媒体の記録層用色素として使用する方法。
[18]前記光情報記録媒体が追記型光情報記録媒体である[17]に記載の方法。
[19]前記光情報記録媒体がDVD−R型光情報記録媒体である[18]に記載の方法。
本発明によれば、優れた感度、ジッターおよび反射率を示す光情報記録媒体を提供することができる。更に、本発明の色素化合物は、色素塗布液調製時の溶解性や、塗布液の溶解経時安定性に優れ、高濃度塗布溶液を塗布し記録層を形成する場合であっても良好な塗布面状を有する記録層を形成することができる。
[カチオン化合物]
本発明のカチオン化合物は、下記一般式(I)で表されるカチオン化合物である。
Figure 2007153878
本発明のカチオン化合物は、1分子中に3つ以上のカチオン部を有し、アニオン部位とともに、光情報記録媒体の記録層用色素として有用な色素化合物を形成することができる。以下に、本発明のカチオン化合物の詳細を説明する。
一般式(I)
一般式(I)中、Ar1およびAr2は、各々独立に、置換基を有してもよいアリール基または芳香族へテロ環基を表し、Ar1およびAr2の少なくとも一方は一つ以上のオニウムカチオンを有する。Ar1、Ar2の表すアリール基は、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。
Ar1、Ar2の表す芳香族へテロ環基は、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20であり、特に好ましくは炭素数1〜12であり、前記芳香族ヘテロ環基に含まれるヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を挙げることができる。前記芳香族ヘテロ環基の具体例としては、ピロール基、ピラゾール基、イミダゾール基、ピリジン基、フラン基、チオフェン基、オキサゾール基、チアゾール基やこれらのベンゾ縮環体やヘテロ環縮環体などが挙げられる。Ar1、Ar2は特に好ましくはフェニル基である。
Ar1、Ar2の少なくとも一方がオニウムカチオンを有する場合、そのオニウムカチオンは、Ar1、Ar2の置換基に含まれていてもよい。または、前記オニウムカチオンは、Ar1、Ar2が表す芳香族へテロ環基のヘテロ原子が更に置換され生じたオニウムカチオンであってもよい。オニウムカチオンとしては特に限定しないが、好ましくはアンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、ホスホニウムイオン、スルホニウムカチオン、セレノニウムイオン、ヨードニウムカチオンを表し、特に好ましくはアンモニウムカチオンを表す。ここでアンモニウムカチオンは窒素原子上に陽電荷を有するカチオン基を表し、好ましくはテトラ置換窒素原子カチオン(置換基としては以下に説明するアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基を表す)、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、チアゾリウムカチオン、オキサゾリウムカチオン、イミニウムカチオンなどを表す。
Ar1、Ar2は更に置換基を有しても良い。前記置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシロキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、芳香族へテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ基、ピラジルオキシ基、ピリミジルオキシ基、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、芳香族へテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ基、2−ベンズイミゾリルチオ基、2−ベンズオキサゾリルチオ基、2−ベンズチアゾリルチオ基などが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、芳香族へテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、チエニル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
3、R4は、各々独立に置換基を表す。R3、R4が表す置換基の例としては、好ましくは前述のAr1、Ar2の置換基の例が挙げられ、より好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基であり、特に好ましくは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基である。またR3、R4が表す置換基同士が結合していてもよい。即ち、左右のピリジン環がR3とR4が結合した連結基で結合していてもよい。また、R3、R4は、それぞれが置換しているベンゼン環と環を形成してもよい。
m3、m4は、各々独立に0〜4の範囲の整数を表す。m3、m4は、それぞれ好ましくは0〜2、より好ましくは0〜1である。m3、m4が2〜4の範囲の整数であるときに複数存在するR3、R4は、それぞれ同じであっても異なってもよい。
1は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、ピリジニウム基を両末端に有するものが好ましい。L1が表す2価の連結基については、一般式(III)中の連結基について後述する通りである。
一般式(I)中のカチオン部の数は、好ましくは3つ以上1000以下であり、より好ましくは3つ以上10以下、特に好ましくは4以上6以下である。
本発明のカチオン化合物の好ましい態様としては、一般式(I)中、Ar1が、
Figure 2007153878
で表され、
Ar2が、
Figure 2007153878
で表されるカチオン化合物、即ち下記一般式(II):
Figure 2007153878
で表されるカチオン化合物を挙げることができる。より好ましい態様としては、一般式(II)において、L1が単結合であって、R1およびR2の少なくとも一方が窒素カチオンを有する置換基を表すカチオン化合物を挙げることができる。
また、本発明のカチオン化合物のより好ましい別の態様としては、一般式(II)においてL1が、
Figure 2007153878
であって、R1およびR2が各々独立に置換基を表し、その置換基が置換しているベンゼン環と環を形成してもよい、化合物、即ち下記一般式(III):
Figure 2007153878
で表されるカチオン化合物を挙げることもできる。
本発明のカチオン化合物のより好ましい別の態様としては、下記一般式(IV):
Figure 2007153878
で表されるカチオン化合物を挙げることもできる。
以下に、一般式(II)、(III)、(IV)の詳細を順次説明する。
一般式(II)
一般式(II)中、R1およびR2は、各々独立に置換基を表す。前記置換基の例としては、前述のR3、R4の置換基の説明に記載したものに加えて、窒素カチオンを有する置換基を挙げることができる。ここで、「窒素カチオン」とは、窒素原子を1つ以上含み、かつ含まれる窒素原子の少なくとも1つが陽電荷を有するカチオンを意味する。
前記窒素カチオンとしては、好ましくはテトラ置換窒素原子カチオン(置換基としてはAr1、Ar2の置換基の例として説明したアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基を表す)、窒素原子含有芳香族へテロ環カチオンを挙げることができる。
テトラ置換窒素原子カチオンのより好ましい態様としては、
Figure 2007153878
を挙げることができる。上記において、Ra、Rb、Rc、RdおよびReは、各々独立に、Ar1、Ar2の置換基の例として説明したアルキル基、アリール基または芳香族へテロ環基を表す。
窒素原子含有芳香族へテロ環カチオンとしては、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、チアゾリウムカチオン、オキサゾリウムカチオンまたはイミニウムカチオンを挙げることができ、具体的には、
Figure 2007153878
を挙げることができる。上記において、X1は、O、N、SまたはCR(Rは水素原子または置換基を表す)を表し、好ましくはNである。Rf、RgおよびRhは、各々独立に、水素原子または置換基を表し、RgおよびRhは、それぞれヘテロ環に含まれるNとともに環を形成してもよく、X1がCRを表すとき、X1とRfまたはRhは連結して環を形成してもよい。X2、X3およびX4は、各々独立に、NまたはCR’(R’は水素原子または置換基を表す)を表し、RiおよびRiは、各々独立に、水素原子または置換基を表し、RiおよびRiは、それぞれヘテロ環に含まれるNとともに環を形成してもよく、X2がCR’を表すとき、X2とRiは連結して環を形成してもよく、X4がCR’を表すとき、X4とRjは連結して環を形成してもよい。前記置換基は、先にAr1、Ar2の置換基の例として説明したアルキル基、アリール基または芳香族へテロ環基である。
前記窒素原子含有芳香族へテロ環カチオンの具体例としては、下記の窒素原子含有芳香族へテロ環において、少なくとも1つの窒素が置換されたものを挙げることができ、
Figure 2007153878
上記具体例の中で好ましいものとしては、ピリジン、1,3-オキサゾール、1,3-チアゾール、イミダゾールまたはベンズイミダゾールにおいて、少なくとも1つの窒素が置換されたものを挙げることができる。
1が単結合の場合、R1、R2の少なくとも一方は、前述の窒素カチオンを有する置換基を表すことが好ましく、両方が窒素カチオンを有する置換基を表すことが更に好ましい。R1、R2は、それぞれが置換しているベンゼン環と環を形成してもよい。
m1およびm2は、一方が0〜5、好ましくは0〜2の範囲の整数を表し、他方は1〜5、好ましくは1〜2の範囲の整数を表す。m1、m2が2〜5の範囲の整数であるときに複数存在するR1、R2は同じであっても異なってもよい。
一般式(II)中、R3、R4、L1、m3、m4は、それぞれ一般式(I)における定義と同義であり、その詳細は前述の通りである。一般式(II)中のカチオン部の数は、一般式(I)と同様に、好ましくは3つ以上1000以下であり、より好ましくは3つ以上10以下、特に好ましくは4以上6以下である。
一般式(III)
一般式(III)中、R1、R2、R3、R4は、一般式(I)および(II)における定義と同義であり、R5およびR6は、各々独立に置換基を表す。R5、R6で表される置換基の好ましい例等の詳細は、前述のR3、R4の置換基の説明に記載した通りである。一般式(III)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6で表される置換基の特に好ましい例としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、スルファモイル基、ウレイド基等を挙げることができる。
一般式(III)中、m5およびm6は、各々独立に、0〜4の範囲の整数を表し、好ましくは0〜2の範囲の整数を表し、特に好ましくは0である。m5、m6が2〜4の範囲の整数であるとき、複数存在するR5、R6は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
一般式(III)中、m1、m2、m3、m4は、一般式(I)および(II)における定義と同義である。一般式(III)中、m1およびm2は、より好ましくは0〜2の範囲の整数を表し、m3、m4は、好ましくは0〜4の範囲の整数を表し、より好ましくは0〜2の範囲の整数を表し、特に好ましくは0である。
一般式(III)中、Laは、2価の連結基を表し、好ましくは単結合、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、メチレン基、フェニレン基、カルボニル基、スルファニル基、アミド基およびそれらの組合せからなる基を表し、特に好ましくは下記連結基である。
Figure 2007153878
一般式(III)中のカチオン部の数は、一般式(I)、一般式(II)と同様に、好ましくは3つ以上1000以下であり、より好ましくは3つ以上10以下、特に好ましくは4以上6以下である。
一般式(IV)
一般式(IV)中、R51およびR52は、各々独立に、水素原子またはアルキル基を表し、R53、R54、R55、R56、R57およびR58は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表し、R55とR56、R57とR58が連結して、5または6員環を形成してもよい。形成される環としては、脂肪族環、ベンゼン環、芳香族へテロ環等を挙げることができる。R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58で表されるアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基は前述の置換基の例で示したものが挙げられ、さらに置換基を有してもよい。
51、R52は、置換または無置換のアルキル基(例えば、メチル基、ベンジル基)であることが好ましく、両方が同じアルキル基であることがより好ましい。R53、R54、R55、R56、R57、R58は全て水素原子である場合か、またはR53、R54が水素原子であり、かつR55とR56、R57とR58が連結して、ベンゼン環を形成する場合が好ましい。
以下に、本発明のカチオン化合物の好ましい具体例を挙げるが、本発明は下記具体例に限定されるものではない。
Figure 2007153878
Figure 2007153878
Figure 2007153878
Figure 2007153878
Figure 2007153878
Figure 2007153878
Figure 2007153878
Figure 2007153878
Figure 2007153878
Figure 2007153878
Figure 2007153878
本発明のカチオン化合物は、特開2003−128654号公報に記載のように、ピリジニウム化合物の窒素上にジニトロベンゼンやヘテロアリールが置換したものをアニリンやヘテロアリールアミンで置換することで合成することができる。更に、3つ以上のカチオン基を有する本発明のカチオン化合物は、該アニリンやヘテロアリールアミンとして既にカチオン基を有するものを用いて合成することができ、またはビピリジニウム化合物の窒素上のアリール基またはヘテロアリール基の置換基をオニウム化することで合成することができる。
また、得られた化合物は公知の方法で精製することもできる。なお、本発明のカチオン化合物が得られたことは、NMR等の公知の分析方法によって確認することができる。
[色素化合物]
本発明の色素化合物は、本発明のカチオン化合物と、前記カチオン化合物の電荷を中和し得る量の陰イオンとを含む。前記色素化合物は、好ましくは前記カチオン化合物が前記陰イオンと塩を形成した化合物である。本発明の色素化合物は、色素膜での吸収極大波長が500nm以上720nm未満であることが好ましく、550nm以上600nm未満であることが更に好ましく、565nm以上590nm未満であることが最も好ましい。
前記陰イオンは、本発明のカチオン化合物の電荷を中和して塩を形成し得る陰イオンであれば、無機陰イオンまたは有機陰イオンのいずれであってもよく、例えば、ハライドイオン(Cl-、Br-、I-など)、スルホナートイオン(CH3 SO3 -、CF3 SO3 -、CF3(CF27SO3 -、p−トルエンスルホナートイオン、ナフタレン−1,5−ジスルホナートイオンなど)、硫酸イオン(CH3 SO4 -など)、ClO4 -、BF4 -、SbF6 -、およびリン酸イオン(PF6 -
Figure 2007153878
など)、金属錯体イオン(例えば、
Figure 2007153878
Figure 2007153878
Figure 2007153878
など)、アニオン色素(例えはオキソノール色素、アニオン性解離性基(OH基、NH基、COOH基、SO3H基等)が解離したアニオン性色素部位(好ましくはアゾ基、アゾメチン色素、スチルベン色素))を挙げることができる。前記陰イオンは、好ましくはアニオン性色素であり、より好ましくはオキソノール色素である。オキソノール色素とは、下記一般式(A)で表される化合物であり、吸収極大波長が350nm以上、720nm未満であれば、構造は特に限定しない。好ましくはメチン数が5ないし7であり、鎖状酸性核または環状酸性核を有する色素である。
Figure 2007153878
一般式(A)中、nは1〜4の範囲の整数であることが好ましい。Rが表す置換基の例としては、Ar1、Ar2の置換基の例として説明したものが挙げられ、より好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基)、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)、炭素数1から20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピル基)、炭素数6〜26のアリール基(例えば、フェニル基、2−ナフチル基)、炭素数0〜20のヘテロ環基(例えば、2−ピリジル基、3−ピリジル基)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基)、炭素数1〜20のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、炭素数1〜20のカルバモイル基(例えばN,N−ジメチルカルバモイル基)、スルホ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基(例えばメチルチオ基)、シアノ基などが挙げられ、複数のR同士が連結して環を形成してもよい。前記陰イオンは、よりいっそう好ましくは、下記一般式(V):
Figure 2007153878
で表される環状酸性核を有するオキソノール色素であり、特に好ましくは下記一般式(VI):
Figure 2007153878
で表されるオキソノール色素である。
以下に、一般式(V)、(VI)の詳細を順次説明する。
一般式(V)
一般式(V)中、Za25およびZa26は、各々独立に、酸性核を形成する原子群を表し、その例は、James編、The Theory of the Photographic Process、第4版、マクミラン社、1977年、第198頁に記載されている。具体的には、各々、置換されてもいてもよいピラゾール−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、イミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2または4−チオヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−4−オン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、イソローダニン、ローダニン、チオフェン−3−オン、チオフェン−3−オン−1,1−ジオキシド、3,3−ジオキソ[1,3]オキサチオラン−5−オン、インドリン−2−オン、インドリン−3−オン、2−オキソインダゾリウム、5,7−ジオキソ−6,7−ジヒドロチアゾロ〔3,2−a〕ピリミジン、3,4−ジヒドロイソキノリン−4−オン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(例えば、メルドラム酸など)、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クマリンー2,4−ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリド[1,2−a]ピリミジン−1,3−ジオン、ピラゾロ〔15−b〕キナゾロン、ピラゾロピリドン、5または6員の炭素環(例えば、ヘキサン−1,3−ジオン、ペンタン−1,3−ジオン、インダン−1,3−ジオン)などの核が挙げられ、好ましくは、ピラゾール−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、または3,3−ジオキソ[1,3]オキサチオラン−5−オン、インダンジオン、ピラゾロン、ピラゾリンジオン、ベンゾチオフェンオンジオキシドである。 Za25、Za26は、各々、置換されていてもよい1,3−ジオキサン−4,6−ジオンであることが最も好ましい。
酸性核を置換する置換基は、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、またはシリル基が例として挙げられる。その中でも、炭素数1から20の置換もしくは無置換のアルキル基、または炭素数6から20の置換もしくは無置換のアリール基が好ましい。
酸性核は、無置換または、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基で置換されたもの、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基で置換されたものが好ましい。
Ma27、Ma28およびMa29は、各々独立に、置換または無置換のメチン基である。置換基として好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基)、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素)、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピル基)、炭素数6〜26のアリール基(例えば、フェニル基、2−ナフチル基)、炭素数0〜20のヘテロ環基(例えば、2−ピリジル基、3−ピリジル基)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基)、炭素数1〜20のアシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、炭素数1〜20のカルバモイル基(例えばN,N−ジメチルカルバモイル基)、スルホ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基(例えばメチルチオ基)、シアノ基などが挙げられる。また、他のメチン基と結合して環構造を形成してもよく、Za27〜Za29で表される原子団と結合して環構造を形成してもよい。
Ma27、Ma28およびMa29は、各々独立に、好ましくは無置換メチン基、またはエチル基、メチル基、もしくはフェニル基で置換されたメチン基のいずれかである。最も好ましくは、無置換のメチン基である。
一般式(V)において、Ka23は、0〜3の範囲の整数を表す。Ka23が2または3であるとき、複数存在するMa27、Ma28は、同じでも異なっていてもよい。Ka23は、2であることが好ましい。
本発明のカチオン化合物と一般式(V)で表されるアニオン性色素部位が塩形成した色素は中性であり、色素化合物中のカチオン数とアニオン数は同数であり、カチオン数およびアニオン数はそれぞれ好ましくは3〜10であり、特に好ましくは4〜6である。
一般式(V)は、好ましくは、Za25およびZa26が、各々独立に、無置換または、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基で置換された、または、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基で置換されたピラゾール−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、3,3−ジオキソ[1,3]オキサチオラン−5−オンであり、Ma27、Ma28およびMa29は、各々独立に、無置換メチン基、または、エチル基、メチル基、もしくはフェニル基で置換されたメチン基のいずれかであり、Ka23は、2である。特に好ましくはZa25およびZa26が、各々独立に、無置換または、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基で置換された、または、炭素数6〜20の置換もしくは無置換のアリール基で置換された1,3−ジオキサン−4,6−ジオンであり、Ma27、Ma28、Ma29は、無置換メチン基であり、Ka23は、2である。
一般式(VI)
一般式(VI)中、Za21、Za22、Za23およびZa24は、各々独立に、酸性核を形成する原子群を表す。酸性核は、一般式(V)のZa25、Za26が形成するものと同義であり、その具体例も同様である。Za21、Za22、Za23およびZa24が形成する酸性核は、好ましくは、ピラゾール−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、または3,3−ジオキソ[1,3]オキサチオラン−5−オン、インダンジオン、ピラゾロン、ピラゾリンジオン、ベンゾチオフェンオンジオキシドである。その中でも、1,3−ジオキサン−4,6−ジオンが最も好ましい。
Ma21、Ma22、Ma23、Ma24、Ma25およびMa26は、各々独立に、置換または無置換のメチン基であり、一般式(V)のMa27、Ma28、Ma29と同義であり、具体例も、好ましい例も同様である。Ma21、Ma22、Ma23、Ma24、Ma25、Ma26は、無置換のメチン基であることが好ましい。
Ka21およびKa22は、各々独立に、0〜3の範囲の整数を表し、一般式(V)Ka23と同義である。Ka23が2または3であるとき、複数存在するMa21、Ma22、Ma25、Ma26は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。
Lは、2つの結合とともにπ共役系を形成しない2価の連結基である。2価の連結基については、それらが結合したクロモフォア間でπ共役系を形成しない以外に特に限定は無いが、好ましくはアルキレン基(炭素数1〜20、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基)、アリーレン基(炭素数6〜26、例えばフェニレン基、ナフチレン基)、アルケニレン基(炭素数2〜20、例えばエテニレン基、プロペニレン基)、アルキニンレン基(炭素数2〜20、例えばエチニレン基、プロピニレン基)、−CO−N(R101)−、−CO−O−、−SO2−N(R102)−、−SO2−O−、−N(R103)−CO−N(R104)−、−SO2−、−SO−、−S−、−O− 、−CO−、−N(R105)−、ヘテリレン基(炭素数1〜26、例えば6−クロロ−1,3,5−トリアジル−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4− ジイル基)を1つまたはそれ以上組み合わせて構成される炭素数0〜100、好ましくは1〜20の連結基を表す。上記、R101、R102、R103 、R104、R105は、各々独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、および置換または無置換のアリール基のいずれかを表す。また、Lで表される連結基は、それらが連結する2つのクロモフォア間で1つ以上複数個存在していてもよく、複数個(好ましくは2つ)が結合して環を形成してもよい。
Lとして、各々好ましくは2つのアルキレン基(好ましくは、エチレン基)が結合して環を形成したものである。その中でも、5または6員環(好ましくはシクロヘキシル)を形成した場合が更に好ましい。
以下に、前記オキソノール色素の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007153878
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一般的なオキソノール色素は、該当する活性メチレン化合物とメチン源(メチン染料にメチン基を導入するために用いられる化合物)との縮合反応によって合成することができる。この種の化合物についての詳細は、特公昭39−22069号、同43−3504号、同52−38056号、同54−38129号、同55−10059号、同58−35544号、特開昭49−99620号、同52−92716号、同59−16834号、同63−316853号、同64−40827号各公報、および英国特許第1133986号、米国特許第3247127号、同4042397号、同4181225号、同5213956号、同5260179号各明細書を参照することができる。
ビス型オキソノール色素の合成法は、欧州特許EP1424691A2に開示されている。
次に、本発明のカチオン化合物とアニオン性色素が塩形成した色素化合物の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007153878
Figure 2007153878
前記アニオン性色素としては、前記オキソノール色素以外にも、発色団として解離性基(水酸基、アミノ基等)を有する解離性の、アゾ色素、アゾメチン色素、またはメチン色素や発色団以外に解離性基の置換した、アゾ色素、アゾメチン色素、メチン色素、キノン系色素、ジアリールおよびトリアリールメタン系色素、フタロシアニン系色素、インジゴ色素、縮合環系色素、スチリル系色素、スピロピラン、スピロオキサジン誘導体、ジアリールエテン誘導体、スクアリウム、クロコニウム誘導体などを用いることもできる。具体的構造の例としては、大河原 信・松岡 賢・平嶋 恒亮・北尾 悌次郎著(講談社)「機能性色素」記載の色素などが挙げられる。
本発明の色素化合物は、本発明のカチオン化合物の塩(塩酸塩等)をアニオン交換することによって容易に得ることができる。また、得られた色素化合物は公知の方法で精製することもできる。なお、本発明の色素化合物が得られたことは、NMR等の公知の分析方法によって確認することができる。
本発明の色素化合物は、色素塗布液調製時の溶解性や、塗布液の溶解経時安定性、高濃度塗布溶液を使用した場合の塗布性(塗布膜平滑性)に優れるため、本発明の色素化合物を光情報記録媒体の記録層用色素として使用することで製造適性を改善することができる。
更に、本発明の色素化合物は、記録特性に優れるため、光情報記録媒体の記録層用色素として使用することにより、記録感度および書き込み精度に優れた光情報記録媒体を得ることができる。本発明の色素化合物の記録層用色素としての使用方法の詳細は、本発明の光情報記録媒体について後述する通りである。
[光情報記録媒体]
本発明の光情報記録媒体は、基板上に記録層を有し、前記記録層に、本発明の色素化合物を含有する。
前記記録層は、本発明の色素化合物を一種のみ含んでもよく、二種以上を組み合わせて含んでもよい。その含有率は、好ましくは1〜100%であり、より好ましくは5〜100%であり、特に好ましくは10〜100%である。
前記記録層中の本発明の色素化合物以外の成分は、有機物、無機物いずれでもよく、その具体例としては、本発明の色素化合物以外の色素を挙げることができる。併用する色素として好ましくは有機色素であり、具体的にはアゾ色素、シアニン色素、オキソノール色素、ピロメテン色素、フタロシアニン色素であり、より具体的には、本発明の色素化合物以外のオキソノール色素であり、更に具体的には、特開平10−297103号公報、特開2000−108520号公報、特開2002−59652号公報、特開2002−249674号公報、特開2003−39831号公報、および特開2004−188968号公報記載のオキソノール色素である。記録材料として本発明の色素化合物と他の色素を併用する場合は、記録特性および製造適性向上の観点からは、記録層中の全色素成分中の本発明の色素化合物の割合が60〜100質量%、他の色素の割合が0〜40質量%となるように混合することが好ましい。
本発明の光情報記録媒体は、本発明の色素化合物を記録層に含むものであれば特に制限はないが、好ましくは追記型光記録媒体である。本発明の光情報記録媒体をCD−Rに適用する場合には、トラックピッチ1.4〜1.8μmのプレグルーブが形成された厚さ1.2±0.2mmの透明な円盤状基板上に、本発明の色素化合物を含む記録層、光反射層および保護層をこの順に有する構成であることが好ましい。
また、本発明の光情報記録媒体は、追記型DVDであることもできる。追記型DVDとしては、単層記録層を有するものと二層記録層を有するものがあるが、本発明はいずれの態様であってもよい。また、追記型DVDとしては、DVD−RおよびDVD+Rがあるが、本発明はいずれの態様にも適用可能である。
単層記録層を有する追記型DVDは、一対の基板の間に記録層を有する層構成(例えば基板、記録層および保護基板(ダミー基板)をこの順に有する)をとることができる。その他に反射層、保護層等が適宜形成されていることが好ましい。そのような層構成を有する追記型DVDの一例を図1に示す。
また、単層記録層を有するDVD−R型光情報記録媒体の好ましい態様としては、以下の光情報記録媒体を挙げることができる。
トラックピッチ0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された厚さ0.6±0.1mmの透明な円盤状基板上に、本発明の色素化合物を含む記録層および光反射層が設けられてなる積層体と、該積層体の円盤状基板と同じ形状の透明な円盤状保護基板とを、記録層が内側となるように接合され、厚さ1.2±0.2mmとなるように構成された光情報記録媒体。なお、上記DVD−R型光情報記録媒体においては、光反射層の上に更に保護層を設けた構成とすることもできる。
前記単層記録層に使用される本発明の色素化合物としては、好ましくは、一般式(III)ないし(IV)で表されるカチオン部に一般式(VI)で表されるオキソノール色素を組み合わせたものである。
一方、記録層を二層有する追記型DVDは、対向する一対の基板間に二層以上の記録層を有する層構成(例えば第一基板、第一記録層、第二記録層、第二基板をこの順に有する)をとることができる。二層の記録層を有する追記型DVDの一例を図2に示す。
図2に示す追記型DVDは、第一記録層22を有する第一基板14と第二記録層28を有する第二基板18が中間層20を介して貼り合わされた構成を有する。また、第一記録層22上には反射層24が、中間層20と第二記録層28との間にはバリア層30が、第二記録層28と第二基板18との間には反射層26が設けられている。なお、第一基板側からレーザー光を照射するため、第一記録層22上に形成される反射層24は半透明となっている。
図2に示す追記型DVDにおいて、第一記録層22に対して情報を記録する場合は、第一基板14の端面14aから第一記録層22に向かう方向に記録用のレーザー光32を照射し、レーザー光32を第一記録層22に結像させて情報(ピット)を形成する。このとき、第一プリグルーブ12のグルーブ34に対応した部分に情報が記録される。
一方、第二記録層28に対して情報を記録する場合は、第一基板14の端面14aから第二記録層28に向かう方向に記録用のレーザー光を照射し、レーザー光32を第二記録層28に結像させて情報(ピット)を記録する。このとき、第二記録層28のうち、第二プリグルーブ16のランド36に対応した部分に情報が記録される。
なお、中間層20は、第一記録層22に記録された情報と第二記録層28に記録された情報の干渉を防ぐ働きをする層であり、中間層20を介在させることにより第一記録層22および第二記録層28で良好な記録再生信号を得ることができる。
上記のような片面二層記録が可能な追記型DVDでは、第一記録層と第二記録層は入射光源からの距離、必要とされる熱分解特性等が異なるため、各層に使用する記録材料は応答特性等を考慮して選択することが好ましい。レーザー光源に近い記録層(図2中の第一記録層22)へ使用する色素化合物として好ましい色素、前記単層記録層を有する追記型DVDの好ましい例に挙げた化合物である。
一方、レーザー光源から離れた記録層(図2中の第二記録層28)へ使用する色素化合物としては、好ましくは一般式(III)で表されるカチオン部に一般式(VI)で表されるオキソノール色素を組み合わせたものである。
また、記録層を二層有するDVD−R型光情報記録媒体の好ましい態様としては、以下の光情報記録媒体を挙げることができる。
トラックピッチ0.6〜0.9μmのプレグルーブが形成された厚さ0.6±0.1mmの透明な円盤状基板上に、本発明の色素化合物を含む記録層および光反射層が設けられてなる二枚の積層体が、それぞれ記録層が内側となるように接合され、厚さ1.2±0.2mmとなるように構成された光情報記録媒体。
本発明の光情報記録媒体は、例えば、以下に述べるような方法により製造することができる。基板(保護基板も含む)は、従来の情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。基板材料としては、例えば、ガラス;ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィンおよびポリエステル等を挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善および接着力の向上および記録層の変質防止などの目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。
また、基板(または下塗層)上には、トラッキング用溝またはアドレス信号等の情報を表す凹凸(プレグルーブ)が形成されている。このプレグルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形あるいは押出成形する際に直接基板上に前記のトラックピッチで形成されることが好ましい。また、プレグルーブの形成を、プレグルーブ層を設けることにより行ってもよい。プレグルーブ層の材料としては、アクリル酸のモノエステル、ジエステル、トリエステルおよびテトラエステルのうち少なくとも一種のモノマー(またはオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用いることができる。プレグルーブ層の形成は、例えば、まず精密に作られた母型(スタンパー)上に上記のアクリル酸エステルおよび重合開始剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗布液層上に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫外線を照射することにより塗布層を硬化させて基板と塗布層とを固着させる。次いで、基板を母型から剥離することにより得ることができる。
基板(または下塗層)上のプレグルーブが形成されているその表面上には、本発明の色素化合物を含む記録層が設けられる。記録層には、更に耐光性を向上させるための種々の褪色防止剤を含有することができる。褪色防止剤の代表例としては、特開平3−224793号公報に記載の一般式(III)、(IV)または(V)で表される金属錯体、ジインモニウム塩、アミニウム塩や特開平2−300287号公報や特開平2−300288号公報に示されているニトロソ化合物、特開平10−151861号公報に示されているTCNQ誘導体などを挙げることができる。
記録層の形成は、本発明の色素化合物、更に所望によりクエンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより行うことができる。色素記録層形成用の塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノ−ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレンングリコールモノエチルエーテル、プロピレンングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する化合物の溶解性を考慮して単独または二種以上組み合わせて用いることができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤などの各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤の例としては、例えばゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、色素の合計量に対して一般に0.01〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液の色素濃度は一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層の層厚は一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは50〜300nmの範囲にある。
一般に、上記記録層の上に、情報の再生時における反射率の向上の目的で、反射層が設けられる。反射層の材料である光反射性物質はレーザー光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼であり、特に好ましいものはAgである。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組み合わせで、または合金として用いてもよい。反射層は、例えば上記反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより記録層の上に形成することができる。反射層の層厚は一般には10〜300nmの範囲にあり、好ましくは50〜200nmの範囲である。
反射層の上には、記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層が設けられていてもよい。この保護層は、基盤の記録層が設けられていない側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設けられてもよい。保護層に用いられる材料としては、例えば、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34などの無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。保護層は、例えばプラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着層を反射層上および/または基板上にラミネートすることにより形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらの適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲にある。以上の工程により、基板上に記録層、および反射層、そして所望により保護層を設けた積層体を作製することができる。上記のようにして二枚の積層体を作製し、これらを、各々の記録層が内側となるように接着剤で貼り合わせることにより、二つの記録層を持つ光情報記録媒体を製造することができる。また得られた積層体と、該積層体の基板と略同じ寸法の円盤状保護基板とを、その記録層が内側となるように接着剤で貼り合わせることにより、単層記録層を有する光情報記録媒体を製造することができる。
前記接着層の材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、感圧式両面テープ等や、SiO2等の無機材料等が挙げられる。また、これらの材料を単独または混合してもよいし、一層だけではなく多層膜にして用いてもよい。このような接着層は、スピンコート法やキャスト法、スパッタ法により形成することができる。接着層の厚みは、5〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは10〜70μmである。
本発明の光情報記録媒体への情報記録方法は、例えば、次のように行われる。まず、情報記録媒体を定線速度または定角速度にて回転させながら、基板側から半導体レーザー光などの記録用のレーザー光を照射する。この光の照射により、記録層と反射層との界面に空洞を形成(空洞の形成は、記録層または反射層の変形、あるいは両層の変形を伴って形成される)するか、基板が肉盛り変形する、あるいは記録層に変色、会合状態の変化等により屈折率が変化することにより情報が記録されると考えられる。記録光としては、CD−R型として770〜790nm、DVD−R型として600nm〜700nm(好ましくは620〜680nm、更に好ましくは、630〜660nm)の範囲の発振波長を有する半導体レーザービームが用いられる。上記のように記録された情報の再生は、情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら記録時と同じ波長を持つ半導体レーザー光を基板側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
以下に、本発明を実施例により更に説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
[実施例1]
色素化合物D−1の合成
(1)化合物例V−1のp−トルエンスルホン酸塩の合成
次の反応スキームに従いイソプロパノール300mlに塩化アンモニウム3gと還元鉄30gを添加し、加熱還流を30分行った。次に加熱還流下、4−ニトロフェニル−1−イミダゾール25.8gを徐々に添加した。更に加熱還流を2時間後、熱時濾過にて、不溶分を除去した。得られたイソプロパノール溶液を濃縮乾固したものを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、中間体A 16.0gを得た。次にジメチルホルムアミド20mlに中間体A 2.07gとDNPV(1,1’−ビス(2,4−ジニトロフェニル)[4,4’]ビピリジニウムジクロライド)3.36gを添加し、90℃にて2時間加熱攪拌した。
反応終了後、放冷、一晩放置した。析出した結晶を濾取し、ジメチルホルムアミドにて洗浄後、減圧乾燥し、中間体B 3.0gを得た。次に中間体B 2.0gにp−トルエンスルホン酸メチルエステル20mlを添加し、120℃にて6時間加熱攪拌した。放冷後、酢酸エチル30mlを添加し、30分攪拌した。析出結晶を濾取、乾燥し、V−1のp−トルエンスルホン酸塩2.75gを得た。
1H−NMRデータ(d6−DMSO):9.99(s,2H),9.74(d,4H),9.10(d,4H),8.46(s,2H),8.28(dd,8H),8.05(s,2H),7.48(d,8H),7.12(d,8H) ,4.03(s,6H) ,2.30(s,12H)
(2)色素化合物の合成(塩形成)
上記で得られたV−1のp−トルエンスルホン酸塩0.58gをメタノール30mlに加熱完溶したものに、下記色素原料 1.24gを添加し、60℃にて30分攪拌した。
次に放冷後、室温にて2時間攪拌し、析出結晶を濾取、メタノールにて洗浄した。乾燥後、色素化合物D−1を得た(吸収λmax=561.6nm、ε=6.13×105/2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(TFP))。
1H−NMRデータ(d6−DMSO):9.94(s,2H),9.78(s,4H),9.15(d,4H),8.44(s,2H),8.25(dd,8H) ,8.05(s,2H),(7.70〜7.47(m,12H),7.20〜7.08(m,8H),4.00(s,6H),1.98(s,16H),1.80〜1.75(m,8H),1.52(s,12H),1.47〜1.32(m,8H),0.88(t,12H)
Figure 2007153878
[実施例2]
色素化合物D−2の合成
(1)化合物例V−2のBr-、Cl-の混合塩の合成
次の反応スキームに従い、中間体Bとベンジルブロマイドを反応させることで、化合物例V−2のBr-、Cl-の混合塩を合成した。
1H−NMRデータ(d6−DMSO):10.32(s,2H),9.80(d,4H),9.17(d,4H),8.53(s,2H),8.32(dd,8H),8.15(s,2H),7.60(d,4H),7.50〜7.42(m,6H) ,5.60(s,4H)
(2)色素化合物の合成(塩形成)
実施例1と同様にして、下記色素原料と反応させることで、色素化合物D−2を得た(吸収λmax=561.7nm、ε=6.08×105/TFP)。
1H−NMRデータ(d6−DMSO):10.16(s,2H),9.78(d,4H),9.13(d,4H),8.50(s,2H),8.27(dd,8H),8.12(s,2H),(7.70〜7.41(m,22H),7.20〜7.09(m,8H),5.55(s,4H),1.98(s,16H),1.80〜1.75(m,8H),1.52(s,12H),1.47〜1.32(m,8H),0.88(t,12H)
Figure 2007153878
[実施例3]
色素化合物D−3の合成
(1)化合物例V−3のp−トルエンスルホン酸塩の合成
次の反応スキームに従い合成した。まず、メシチレン50mlにベンズイミダゾール3.23gと炭酸ルビジウム17.3g、酢酸パラジウム56mg、トリt−ブチルホスフィンを添加し、100℃にて攪拌したものに、1−ヨードー4−ニトロベンゼン6.23gを徐々に添加した。8時間加熱還流後、放冷し、酢酸エチル、水を添加し、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を濃縮後、カラムクロマトグラフィにて精製し、中間体C 2.4gを得た。次に、実施例1と同様の操作を行い中間体D、中間体Eを合成し、p−トルエンスルホン酸メチルエステルと反応させることで化合物例V−3のp−トルエンスルホン酸塩を合成した。
1H−NMRデータ(d6−DMSO):10.30(s,2H),9.81(d,4H),9.17(d,4H),8.39(d,4H),8.29(d,4H),8.22(d,2H),7.92〜7.78(m,8H),7.49(d,2H) ,7.45(d,8H) ,7.10(d,8H),4.25(s,6H) ,2.28(s,12H)
(2)色素化合物の合成(塩形成)
実施例1と同様にして、下記色素原料と反応させることで、色素化合物D−3を得た(吸収λmax=562.0nm、ε=5.76×105/TFP)。
1H−NMRデータ(d6−DMSO):10.30(s,2H),9.83(d,4H),9.19(d,4H),8.38(d,4H),8.28(d,4H) ,8.21(d,2H),7.91〜7.80(m,6H),7.70〜7.45(m,12H),7.20〜7.08(m,8H),4.25(s,6H),1.98(s,16H),1.80〜1.75(m,8H),1.52(s,12H),1.47〜1.32(m,8H),0.88(t,12H)
Figure 2007153878
[実施例4]
色素化合物D−4の合成
(1)化合物例V−4のBr-、Cl-の混合塩の合成
次の反応スキームに従い、中間体Eとベンジルブロマイドを反応させることで、化合物例V−4のBr-、Cl-の混合塩を合成した。
1H−NMRデータ(d6−DMSO):10.68(s,2H),9.88(d,4H),9.23(d,4H),8.40(dd,4H),8.13〜8.10(m,2H),7.95〜7.91(m,2H),7.83〜7.77(m,4H),7.71(d,4H) ,7.50〜7.40(m,6H) , 5.96(s,4H)
(2)色素化合物の合成(塩形成)
実施例1と同様にして、下記色素原料と反応させることで、色素化合物D−4を得た(吸収λmax=562.0nm、ε=6.05×105/TFP)。
1H−NMRデータ(d6−DMSO):10.53(s,2H),9.84(d,4H),9.19(d,4H),8.38(dd,4H),8.12〜8.09(m,2H),7.93〜7.90(m,2H),7.80〜7.77(m,4H),7.70〜7.40(m,22H), 7.20〜7.08(m,8H),5.93(s,4H),1.98(s,16H),1.80〜1.75(m,8H),1.52(s,12H),1.47〜1.32(m,8H),0.88(t,12H)
Figure 2007153878
[実施例5]
色素化合物D−53の合成
(1)化合物例V−31の塩酸塩の合成
次のスキームに従い合成した。
(i)中間体Fの合成
4,4’−ビピリジル15gをアセトン100mlに溶解したものに、1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン13.2gを添加し、室温にて15分攪拌し、更に15時間加熱還流した。反応終了後、室温まで放冷し、析出結晶を減圧濾過にて濾取した。最後に得られた結晶をアセトンで洗浄後、乾燥し、中間体F 18.8gを得た。
(ii)中間体Gの合成
中間体F14.4gをアセトニトリル100mlに懸濁したものに、アニリン4.6gを添加し、7時間加熱還流した。反応終了後、室温まで放冷し、析出結晶を濾取し、アセトニトリルでかけ洗い、乾燥した。得られた粗結晶にメタノール20mlを添加し加熱完溶させたものに、酢酸エチル200mlを添加し、室温にて1時間攪拌した。得られた結晶を濾取し、中間体G10.4gを得た。
(iii)中間体Hの合成
中間体G3gと1−クロロ−2,4−ジニトロベンゼン7gにN−メチルピロリドン5mlを添加し、外温110℃のオイルバスで9時間加熱した。反応終了後、室温まで放冷し、析出結晶を濾取し、N−メチルピロリドンでかけ洗い、さらに酢酸エチルでかけ洗いし乾燥し、中間体H3.7gを得た。
(iv)化合物例V−31塩酸塩の合成
中間体H2.4gをジメチルホルムアミド30mlに懸濁したものに、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル0.4gを添加し、100℃にて6時間加熱攪拌した。反応終了後、室温まで放冷し、析出結晶を濾取し、ジメチルホルムアミドでかけ洗い、さらに酢酸エチルでかけ洗いし乾燥し、化合物例V−31塩酸塩1.16gを得た。
Figure 2007153878
化合物例V−31塩酸塩の1H−NMRデータ(CD3OD):9.62〜9.56(m,8H),8.97〜8.83(m,8H),8.10〜8.06(m,4H),7.97〜7.94(m,4H),7.83〜7.80(m,6H),7.57〜7.53(m,4H)
(2)色素化合物D−53の合成(塩形成)
上記で得られたV−31の塩酸塩1.0gをメタノール30mlに加熱溶解したものに実施例1記載の色素原料3.1gを添加し、60℃にて30分攪拌した。次に放冷後、室温にて2時間攪拌し、析出結晶を濾取、メタノールにて洗浄、乾燥し、化合物D−53を1.8g得た(吸収λmax=561.8nm、ε=6.07×105/2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(TFP))。
化合物例D−53の1H−NMRデータ(d6−DMSO):9.70(s(br),8H),9.08(s(br),8H),8.08(s(br),4H),7.98(s(br),4H),7.81(s(br),6H) ,(7.70〜7.46(m,16H),7.20〜7.08(m,8H),1.99(s,16H),1.80〜1.75(m,8H),1.52(s,12H),1.47〜1.32(m,8H),0.88(t,12H)
[実施例6]
色素化合物の合成
化合物例V−27からV−30、V−32からV−72の塩酸塩を上記と同様の方法で合成し、得られた塩酸塩の塩素アニオンを、アニオン交換することで、種々のアニオンを持つ化合物を合成できる。上記実施例に記載のように、色素原料と反応させ、オキソノール色素を対アニオンとして持つ化合物を合成した。以下に、いくつかの化合物について、同定NMRデータを記す。
化合物例V−41塩酸塩の1H−NMRデータ(CD3OD):9.58〜9.55(m,8H),8.94〜8.91(m,8H),7.96〜7.94(m,4H),7.83〜7.78(m,8H),7.73〜7.70(m,4H),7.52(t,1H),7.47(d,2H),7.06〜7.02(m,3H)
色素化合物D−63の1H−NMRデータ(d6−DMSO):9.70(s(br),8H),9.07(s(br),8H),7.95(s(br),4H),7.80(s(br),8H), (7.70〜7.45(m,19H),7.20〜7.07(m,8H),7.02〜6.98(m,3H),1.98(s,16H),1.81〜1.75(m,8H),1.5(s,12H),1.47〜1.33(m,8H),0.88(t,12H)
化合物例V−51塩酸塩の1H−NMRデータ(CD3OD):9.64(dd,8H),8.98(dd,8H),8.53(d,2H),8.38(d,2H),8.18(d,2H),8.07(d,4H),7.97 (t,2H), 7.77(d,4H),7.57(d,4H),7.40(t,4H),7.20(t,2H)
色素化合物D−73の1H−NMRデータ(d6−DMSO):10.53(s,2H),9.77(d(br),8H),9.12(s(br),8H),8.51(s(br),2H),8.39(s(br),2H),8.09(m(br),6H),7.80(d,4H), 7.70〜7.47(m,18H),7.42(t,4H),7.20〜7.09(m,8H), 1.98(s,16H),1.80〜1.76(m,8H),1.52(s,12H),1.43〜1.35(m,8H),0.89(t,12H)
化合物例V−54塩酸塩の1H−NMRデータ(CD3OD):9.68〜9.55(m,8H),9.00〜8.92(m,8H),8.42(d,2H),8.28(d,2H),8.17(d,2H),8.00(d,2H),7.71 (t,2H), 7.54(s,2H),7.48(d,2H),7.38(d,2H),3.97(s,6H)
色素化合物D−76の1H−NMRデータ(d6−DMSO):10.98(s,1H),9.73(s(br),8H),9.09(s(br),8H),8.41(s(br),2H),8.20(s(br),4H),8.02(s(br),2H), 7.71〜7.47(m,18H),7.39(s(br),2H),7.20〜7.09(m,8H),3.93(s,6H),1.99(s,16H),1.82〜1.77(m,8H),1.53(s,12H),1.47〜1.35(m,8H),0.89(t,12H)
化合物例V−57塩酸塩の1H−NMRデータ(CD3OD):9.68〜9.57(m,8H),9.00〜8.92(m,8H),8.42(d,2H),8.29(d,2H),8.17(d,2H),8.02〜7.93(m,6H),7.83〜7.80 (m,6H)
色素化合物D−79の1H−NMRデータ(d6−DMSO):10.98(s,1H),9.72(s(br),8H),9.10(s(br),8H),8.41(s(br),2H),8.20(s(br),4H),7.99(s(br),6H),7.82(s(br),6H),7.71〜7.47(m,12H), 7.21〜7.08(m,8H), 1.99(s,16H),1.82〜1.77(m,8H),1.53(s,12H),1.47〜1.35(m,8H),0.89(t,12H)
評価方法
(1)スピンコート塗布適性の評価
表3記載の色素(0.3g)を10mlの2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(TFP)に溶解したものをポリカーボネート基板にスピンコートし、塗布筋を目視で観察した。結果を表3に示す。
(2)溶解経時安定性試験
表3記載の色素を5.0質量%の2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液として、20℃で1週間放置した。結晶析出の様子を、目視で確認した。結果を表3に示す。
◎ : 結晶の析出が全く見られない。
○ : 結晶の析出が見られない。
△ : 結晶の析出が僅かに見られる。
× : 結晶の析出が多い。
(3)色素膜屈折率測定
色素溶液(表3に示す各色素10mg/1ml TFP)をガラス基板に塗布したものの屈折率をエリプソメトリーにて測定した。結果を表3に示す。
Figure 2007153878
Figure 2007153878
表3の結果から明らかなように、本発明の色素化合物は塗布筋ができにくく、溶解経時安定性に優れる。また、高い屈折率を有する。この傾向は本発明の他の色素化合物を用いても同様に観察された。
光情報記録媒体の作製
射出成形にて、ポリカーボネート樹脂を、スパイラル状のグルーブ(深さ130nm、幅310nm、トラックピッチ0.74μm)を有する厚さ0.6mm、直径120mmの基板に成形した。比較化合物A1.25gを2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール100mlに溶解した塗布液を調製し、この塗布液を、スピンコート法により上記基板のグルーブが形成面上に塗布し、色素層を形成した。
次に、色素塗布面上に銀をスパッタして膜厚約150nmの反射層を形成した後、紫外線硬化樹脂(ダイキュアクリアSD640 大日本インキ化学工業製)を接着剤として用いて0.6mm厚のダミー基板と貼り合わせてDVD−Rディスクを作製した。
光情報記録媒体の評価
DDU1000およびマルチシグナルジェネレータ(パルステック社製、レーザー波長=660nm、開口率=0.60)を用いて、転送レート1倍速(11.08Mbps)、8倍速(88.64M)、10倍速(110.8Mbps)で8−16変調信号を記録した。
使用した記録ストラテジは、表4に示した。1倍速記録、10倍速記録は1種類、8倍速記録はパルス幅の大きく異なる2種類で記録を行った。
記録パワーは、それぞれの媒体で、ジッターが最も小さくなる記録パワーに設定した。その後、記録レーザー波長と同波長のレーザーを用いて再生し、感度およびジッタを測定した。結果を表5に示す。良好な記録ストラテジを設定することができた。
Figure 2007153878
Figure 2007153878
次に、表4、表5と同様にして比較化合物Aで12xの記録ストラテジを設定し、次いで比較化合物Aに代えて表6に示す各色素を使用した以外は上記と同様にDVD−Rディスクを作製した。それらディスクを用いて、12Xで記録再生試験を行った。結果を表6に示す。
Figure 2007153878
表6に示すように、実施例で合成した色素化合物を記録層用色素として使用したDVD−Rディスは感度およびジッタにおいて優れていた。また、表3に示すように、高い反射率も示した。この反射率はDLメディアにおいて十分な記録特性を達成できるレベルである。また、表3に示すように、実施例で合成した色素化合物は優れた製造適性を有していた。
本発明の光情報記録媒体は、DVD−R型光情報記録媒体として好適である。
単層記録層を有する追記型DVDの概略断面図である。 二層の記録層を有する追記型DVDの概略断面図である。

Claims (19)

  1. 下記一般式(I)で表されるカチオン化合物。
    Figure 2007153878
    [一般式(I)中、Ar1およびAr2は、各々独立に、置換基を有してもよいアリール基または芳香族へテロ環基を表し、L1は、単結合または2価の連結基を表し、Ar1、Ar2およびL1の少なくとも一つは一つ以上のオニウムカチオンを有し;R3およびR4は、各々独立に、置換基を表し、置換しているベンゼン環と環を形成してもよく;m3およびm4は、各々独立に、0〜4の範囲の整数を表し、m3、m4が2〜4の範囲の整数であるとき、複数存在するR3、R4は、それぞれ同じであっても異なってもよい。]
  2. 前記一般式(I)中、
    Ar1は、
    Figure 2007153878
    で表され、
    Ar2は、
    Figure 2007153878
    で表される、請求項1に記載のカチオン化合物。
    [上記において、R1およびR2は、各々独立に、置換基を表し、置換しているベンゼン環と環を形成してもよく;m1およびm2は、一方が0〜5の範囲の整数を表し、他方は1〜5の範囲の整数を表し、m1、m2が2〜5の範囲の整数であるとき、複数存在するR1、R2は、それぞれ同じであっても異なってもよい。]
  3. 前記一般式(I)中、R1およびR2の少なくとも一方は、窒素カチオンを有する置換基を表す請求項2に記載のカチオン化合物。
  4. 前記一般式(I)中、L1は単結合である請求項3に記載のカチオン化合物。
  5. 前記窒素カチオンは、テトラ置換窒素原子カチオンまたは窒素原子含有芳香族へテロ環カチオンである請求項3または4に記載のカチオン化合物。
  6. 前記窒素原子含有芳香族へテロカチオンは、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、チアゾリウムカチオン、オキサゾリウムカチオンまたはイミニウムカチオンである請求項5に記載のカチオン化合物。
  7. 一般式(I)中、L1は、
    Figure 2007153878
    で表される、請求項1または2に記載のカチオン化合物。
    [上記において、R5およびR6は、各々独立に、置換基を表し;m5およびm6は、各々独立に、0〜4の範囲の整数を表し、m5、m6が2〜4の範囲の整数であるとき、複数存在するR5、R6は、それぞれ同じであっても異なってもよく;Laは、2価の連結基を表す。]
  8. 前記一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(IV)で表される化合物である請求項1に記載のカチオン化合物。
    Figure 2007153878
    [一般式(VI)中、R51およびR52は、各々独立に、水素原子またはアルキル基を表し;
    53、R54、R55、R56、R57およびR58は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、または芳香族へテロ環基を表し、R55とR56、R57とR58が連結して、5または6員環を形成してもよく、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57およびR58は、それぞれさらに置換基を有してもよい。]
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のカチオン化合物と、前記カチオン化合物の電荷を中和し得る量の陰イオンとを含む色素化合物。
  10. 前記陰イオンはアニオン性色素である請求項9に記載の色素化合物。
  11. 前記アニオン性色素は、オキソノール色素である請求項10に記載の色素化合物。
  12. 前記オキソノール色素は、下記一般式(V)で表される請求項11に記載の色素化合物。
    Figure 2007153878
    [一般式(V)中、Za25およびZa26は、各々独立に、酸性核を形成する原子群を表し;
    Ma27、Ma28およびMa29は、各々独立に、置換または無置換のメチン基を表し;Ka23は、0〜3の範囲の整数を表し、Ka23が2または3であるとき、複数存在するMa27、Ma28は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。]
  13. 前記オキソノール色素は、下記一般式(VI)で表される請求項11に記載の色素化合物。
    Figure 2007153878
    [一般式(V)中、Za21、Za22、Za23およびZa24は、各々独立に、酸性核を形成する原子群を表し;Ma21、Ma22、Ma23、Ma24、Ma25およびMa26は、各々独立に、置換または無置換のメチン基を表し;Lは、2つの結合とともにπ共役系を形成しない2価の連結基を表し;Ka21およびKa22は、各々独立に、0〜3の範囲の整数を表し、Ka21、Ka22が2または3であるとき、複数存在するMa21、Ma22、Ma25、Ma26は、それぞれ同じでも異なっていてもよい。]
  14. 基板上に記録層を有する光情報記録媒体であって、
    前記記録層は、請求項9〜13のいずれか1項に記載の色素化合物を含有する光情報記録媒体。
  15. 追記型光情報記録媒体である請求項14に記載の光情報記録媒体。
  16. DVD−R型光情報記録媒体である請求項15に記載の光情報記録媒体。
  17. 請求項9〜13のいずれか1項に記載の色素化合物を光情報記録媒体の記録層用色素として使用する方法。
  18. 前記光情報記録媒体が追記型光情報記録媒体である請求項17に記載の方法。
  19. 前記光情報記録媒体がDVD−R型光情報記録媒体である請求項18に記載の方法。
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