JP2009066893A - 光情報記録媒体および情報記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】短波長レーザー光照射によって情報を高密度記録再生することができ、かつ保存性の良好な光情報記録媒体の提供。
【解決手段】基板上に下記一般式(I-1)で表される色素化合物を含有する記録層を有する光情報記録媒体。
Figure 2009066893

【選択図】なし

Description

本発明は、レーザー光を用いて情報の記録および再生が可能な光情報記録媒体および情報記録再生方法に関するものである。特に本発明は、波長440nm以下の短波長レーザー光を用いて情報を記録するために適したヒートモード型の光情報記録媒体に関するものである。
従来から、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)として、追記型CD(所謂CD−R)が知られている。その代表的な構造では、透明な円盤状基板上に有機色素を含む記録層、金などの金属からなる光反射層、さらに樹脂製の保護層がこの順に積層状態で設けられている。そしてこのCD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザー光(通常は780nm付近の波長のレーザー光)をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)は記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光を照射することにより行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより情報が再生される。さらに、可視レーザー光(630nm〜680nm)を記録用レーザーとして高密度記録を可能としたDVD−Rが実用化されている。DVD−Rは、記録用レーザー光としてCD−Rより短波長レーザー光を使用するため、CD−Rより高密度記録が可能である。そのため近年、DVD−Rは、大容量の記録媒体としての地位をある程度まで確保している。
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映を間近にひかえて、画像情報を安価簡便に記録するための大容量の記録媒体の要求が高まっている。しかし、前述のCD−RおよびDVD−Rは、将来の要求に対応できるほど十分に大きな記録要領を有しているとは言えない。そこで、DVD−Rよりも更に短波長のレーザー光を用いることによって記録密度を向上させ、より大きな記録容量を備えた光ディスクの開発が進められている。例えば、そのような光ディスクとして、405nmの青色レーザーを用いたBlu−ray方式と称される光記録ディスクが上市された。例えば特許文献1〜22には、青色レーザー等の短波長レーザー光照射による情報記録再生方法として、ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチンシアニン色素、ジシアノビニルフェニル骨格色素、クマリン化合物、ナフタロシアニン化合物等を用いた光ディスクに、青色(波長400〜430nm、488nm)または青緑色(波長515nm)のレーザー光を照射することにより情報の記録再生を行う情報記録再生方法、オキソノール色素を記録層の色素として用いた光ディスクに、550nm以下のレーザー光を照射することにより情報の記録再生を行う情報記録再生方法等が提案されている。
特開平11−53758号公報 特開2001−287460号公報 特開2001−287465号公報 特開2001−253171号公報 特開2001−39034号公報 特開2000−318313号公報 特開2000−318312号公報 特開2000−280621号公報 特開2000−280620号公報 特開2000−263939号公報 特開2000−222772号公報 特開2000−222771号公報 特開2000−218940号公報 特開2000−158818号公報 特開2000−149320号公報 特開2000−108513号公報 特開2000−113504号公報 特開2002−301870号公報 特開2001−287465号公報 米国特許出願公開第2002/76648号明細書 特開2003−94828号公報 特開2001−71638号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記特許文献1〜21に記載された色素を使用した光ディスクでは、短波長記録特性は依然として十分満足できるレベルでなかった。
これに対し、特許文献22に開示されているオキソノール色素類を使用した光ディスクは、短波長記録特性はある程度のレベルを確保できるものの耐光性について更なる改善が求められていた。
一般に、BD方式の光ディスクは、レーベル面側(記録層と反対の面側)を上にして保存される。これは、ブルーレイディスクは、基板と記録層との間に光反射層を有するため、レーベル面を上にして保存すれば、室内光や自然光等は記録層に到達する前に光反射層により遮断されるからである。しかし、反射層が厚いと、反射層上のプレグルーブは、基板上のプレグルーブと比べて狭くなるため、十分な特性(変調度)を取ることが困難となる。この対策として、基板の溝が狭くなることを考慮して基板そのものの溝を広く、深くすることが考えられる。しかし、DVD−Rのトラックピッチ(720nm)に比べて、ブルーレイディスク等の高密度記録用光ディスクでは、トラックピッチが狭い(330nm≧が好ましい)ため、基板上の溝を広くことは成形上望ましくない。よって、記録密度を上げるためトラックピッチを狭くしていった時に必要な溝幅を得るためには、反射率がとれる範囲で反射層厚みは薄いことが望ましい。他方、反射層を薄くすれば、反射層の光透過性が高くなるため、保存時に反射層による光遮断性は低下する。そのため、記録層の保存性を維持するためには、記録用色素として優れた耐光性を有する色素を使用する必要がある。また、反射層を薄くすれば、反射層厚みが十分厚いものに比べて反射率が低くなり、記録感度の点では不利である。そこで、記録密度を高めるため反射層を薄くするほど、色素の耐光性向上とともに、反射層が薄くなることによる感度低下を補うために記録層そのものの感度を上げることも求められる。
そこで本発明の目的は、短波長レーザー光、特に波長440nm以下のレーザー光照射によって情報を高密度記録再生することができ、かつ保存性の良好な光情報記録媒体を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(I-1)で表される色素化合物が、短波長レーザー光照射による情報の記録再生特性に優れるとともに、優れた耐光性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的は、下記手段によって達成された。
[1]基板上に下記一般式(I-1)で表される色素化合物を含有する記録層を有する光情報記録媒体。
Figure 2009066893
[一般式(I-1)中、E1およびE2は、それぞれ独立に、共役二重結合鎖を完成するために必要な原子団を表し、xおよびyは、それぞれ独立に0または1を表し、Y1は、C-(E1)x-Cで表される部分構造とともに炭素環または複素環を形成するために必要な原子団を表し、Y2は、C=(E2)y=Cで表される部分構造とともに炭素環または複素環を形成するために必要な原子団を表し、R、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に置換基または水素原子を表す。R1が置換基を表す場合、R1はY1とC-(E1)x-Cとによって形成される炭素環または複素環と縮環した環を形成してもよく、R2が置換基を表す場合、R2はY2とC=(E2)y=Cとによって形成される炭素環または複素環と縮環した環を形成してもよい。]
[2]一般式(I-1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を表し、R1はY1とC-(E1)x-Cとによって形成される炭素環または複素環と縮環した環を形成し、R2はY2とC=(E2)y=Cとによって形成される炭素環または複素環と縮環した環を形成する[1]に記載の光情報記録媒体。
[3]前記基板は、少なくとも一方の面にトラックピッチ50〜500nmのプレグルーブを有し、該プレグルーブを有する面上に前記記録層を有する[1]または[2]に記載の光情報記録媒体。
[4]前記基板と前記記録層との間に光反射層を有する[1]〜[3]のいずれかに記載の光情報記録媒体。
[5]前記基板、前記光反射層、前記記録層、バリア層、および保護層をこの順に有する[4]に記載の光情報記録媒体。
[6]波長440nm以下のレーザー光を照射することにより情報を記録するために使用される[1]〜[5]のいずれかに記載の光情報記録媒体。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の光情報記録媒体に、波長440nm以下のレーザー光を照射することにより情報を記録する情報記録方法。
本発明によれば、良好な記録特性を示し、かつ耐光保存性も良好な光情報記録媒体を得ることができる。特にCD−RやDVD−Rの場合よりも短波長のレーザーを用いて上記効果が得られることから、より高密度の情報記録媒体および記録再生法を提供することができる。
[光情報記録媒体]
本発明の光情報記録媒体は、基板上に一般式(I-1)で表される色素化合物を含有する記録層を有し、Blu−ray Disc(BD)、HD−DVD等の短波長レーザーにより情報の記録を行う高密度記録用光ディスクとして好適である。
上記高密度記録用光ディスクは、一般に、従来の追記型光ディスクと比べてトラックピッチが狭いという構造上の特徴を有する。また、BD構成の光ディスクは、基板上に反射層と記録層をこの順に有し、更に記録層の上に比較的薄い保護層(一般に、カバー層と呼ばれる)を有するという、従来の追記型光ディスクと異なる層構成を有する。そのため、短波長レーザー対応光情報記録媒体では、上記層構成の違いに起因し、CD−R、DVD−R等の従来の追記型光情報記録媒体用記録色素として使用されていた色素では、十分な記録再生特性が得られない点が課題であった。
これに対し、本発明者らは、一般式(I-1)で表される色素化合物が、上記短波長レーザー対応光情報記録媒体において良好な記録再生特性を発揮し得ること、更には耐光性に優れることを新たに見出した。一般式(I-1)で表される色素化合物を記録層に含む本発明の光情報記録媒体は耐光性が良好であり、更に短波長(例えば波長440nm以下)のレーザー光照射により、良好な記録再生特性を得ることができる。特に、本発明の光情報記録媒体は、BD構成の媒体として好適である。
以下に、本発明の光情報記録媒体について、更に詳細に説明する。
一般式(I-1)で表される色素化合物
Figure 2009066893
一般式(I-1)中、E1およびE2は、それぞれ独立に、共役二重結合鎖を完成するために必要な原子団を表す。E1によって形成される共役二重結合鎖としては、例えば、-CH=CH-、-CH=CH-CH=CH-、-CH=C(CH3)-等を挙げることができ、E2によって形成される共役二重結合鎖としては、例えば、=CH-CH=、=CH-CH=CH-CH=、=CH-C(CH3)-等を挙げることができる。
xおよびyは、それぞれ独立に0または1を表し、好ましくは0である。
1は、C-(E1)x-C表される部分構造とともに炭素環または複素環を形成するために必要な原子団を表し、Y2は、C=(E2)y=Cで表される部分構造とともに炭素環または複素環を形成するために必要な原子団を表す。前記炭素環および複素環は、4〜7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることが特に好ましい。また、複素環を形成するヘテロ原子としては、ホウ素原子(B)、窒素原子(N)、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、セレン原子(Se)、およびテルル原子(Te)が好ましく、窒素原子(N)、酸素原子(O)、および硫黄原子(S)が特に好ましい。前記炭素環の具体例としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環を挙げることができ、前記複素環の具体例としては、例えば、ピラゾール環、ピラゾロン環、ピリドン環、ピロリジン環、ピロール環、オキサゾール環を挙げることができる。
前記炭素環および複素環は、それぞれ更に他の4〜7員環と縮合環を形成してもよく、またこれらは更に置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば以下のものを挙げることができる。炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基(例、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、メトキシエチル基、エトキシカルボニルエチル基、シアノエチル基、ジエチルアミノエチル基、ヒドロキシエチル基、クロロエチル基、アセトキシエチル基、トリフルオロメチル基等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルケニル基(例、ビニル基等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルキニル基(例、エチニル基等);炭素数6〜18(好ましくは炭素数6〜10)の置換もしくは無置換のアリール基(例、フェニル基、4−メチルフェノル基、4−メトキシフェニル基、4−カルボキシフェニル基、3,5−ジカルボキシフェニル基等);炭素数7〜18(好ましくは炭素数7〜12)の置換もしくは無置換のアラルキル基(例、ベンジル基、カルボキシベンジル基等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシル基(例、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、クロロアセチル基等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルキルまたはアリールスルホニル基(例、メタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルスルフィニル基(例、メタンスルフィニル基、エタンスルフィニル基、オクタンスルフィニル基等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)のアルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等);炭素数7〜18(好ましくは炭素数7〜12)のアリールオキシカルボニル基(例、フェノキシカルボニル基、4−メチルフェノキシカルボニル基、4−メトキシフェニルカルボニル基等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のアルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基、n−ブトキシ基、メトキシエトキシ基等);炭素数6〜18(好ましくは炭素数6〜10)の置換もしくは無置換のアリールオキシ基(例、フェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアルキルチオ基(例、メチルチオ基、エチルチオ基等);炭素数6〜10(好ましくは炭素数1〜8)のアリールチオ基(例、フェニルチオ基等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のアシルオキシ基(例、アセトキシ基、エチルカルボニルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルキシ基、ベンゾイルオキシ基、クロロアセチルオキシ基等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ基等);炭素数2〜18(好ましくは炭素数2〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ基、ジエチルカルバモイルオキシ基等);無置換のアミノ基、または炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換アミノ基(例、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基、メトキシフェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、メトキシカルボニルアミノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基、フェニルカルバモイルアミノ基、エチルチオカルバモイルアミノ基、メチルスルファモイルアミノ基、フェニルスルファモイルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、エチルチオカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、クロロアセチルアミノ基、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)のアミド基(例、アセトアミド基、アセチルメチルアミド基、アセチルオクチルアミド基等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のウレイド基(例、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ジメチルウレイド基等);炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換もしくは無置換のカルバモイル基(例、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、n−ブチルカルバモイル基、t−ブチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルバモイル基、ピロリジノカルバモイル基等);無置換のスルファモイル基もしくは炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜8)の置換スルファモイル基(例、メチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基等);ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等);水酸基;メルカプト基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基;スルホ基;ホスホノ基(例、ジエトキシホスホノ基等);ヘテロ環基(例、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、インドレニン環、ピリジン環、モルホリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、スルホラン環、フラン環、チオフェン環、ピラゾール環、ピロール環、クロマン環、およびクマリン環など)。
R、R1、R2、R3はそれぞれ独立に置換基または水素原子を表す。置換基の例としては、先にY1またはY2で形成される炭素環または複素環の置換基の例として挙げたものが挙げられる。
Rは水素原子または炭素数1〜18のアルキル基であることが好ましい。更に好ましくは水素原子である。
3は水素原子または炭素数1〜18のアルキル基または炭素数6〜18のアリール基であることが好ましい。更に好ましくは水素原子または炭素数1〜18のアルキル基であり、最も好ましくは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。
1が置換基を表す場合、R1はY1とC-(E1)x-Cとによって形成される炭素環または複素環と縮環した環を形成してもよく、R2が置換基を表す場合、R2はY2とC=(E2)y=Cとによって形成される炭素環または複素環と縮環した環を形成してもよい。R1およびR2はいずれも前記環構造と縮環した環を形成することが好ましい。そのような縮環した環を有する一般式(I-1)で表される色素化合物としては、下記一般式(I-2)で表される色素化合物が好ましい。
Figure 2009066893
一般式(I-2)中、Z1は、隣り合う窒素原子および炭素原子ならびに該窒素原子および炭素原子と結合する炭素原子とともに4〜7員の複素環を形成するために必要な原子団を表し、Z2は、隣り合う2つの窒素原子および該窒素原子と結合する炭素原子とともに複素環を形成するために必要な原子団を表し、Z3は、隣り合う窒素原子および炭素原子ならびに該窒素原子および炭素原子と結合する炭素原子とともに4〜7員の複素環を形成するために必要な原子団を表し、Z4は、隣り合う2つの窒素原子および該窒素原子と結合する炭素原子とともに4〜7員の複素環を形成するために必要な原子団を表し、RおよびR3は、それぞれ一般式(I-1)における定義と同義である。
一般式(I-2)中、Z1を含む複素環とZ2を含む複素環は縮環し、下記縮環構造:
Figure 2009066893
[*は連結部位を示す。]
を形成している。前記縮環構造の好ましい例を以下に示す。
Figure 2009066893
上記式中、Ra〜Rdは、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。置換基の例としては、先にY1またはY2で形成される炭素環または複素環の置換基の例として挙げたものが挙げられる。*は連結部位を表す。
一般式(I-2)中、Z3を含む複素環とZ4を含む複素環は縮環し、下記縮環構造:
Figure 2009066893


[*は連結部位を示す。]
を形成している。前記縮環構造の好ましい例を以下に示す。
Figure 2009066893
上記式中、Ra〜RdおよびR’は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。置換基の例としては、先にY1またはY2で形成される炭素環または複素環の置換基の例として挙げたものが挙げられる。*は連結部位を表す。
1を含む複素環とZ2を含む複素環により形成される縮環構造としては、(Z−1)および(Z−2)が特に好ましい。Z3を含む複素環とZ4を含む複素環により形成される縮環構造としては、(Z−11)および(Z−12)が特に好ましい。
以下に、一般式(I-1)で表される色素化合物の具体例を示す。ただし、本発明は下記具体例に限定されるものではない。
Figure 2009066893
前記一般式(I−1)で示される色素化合物は、一般に、該当する活性メチレン化合物(例として前記Z1〜Z7、Z11〜Z17)と、メチン染料にメチン基を導入するためのメチン源との縮合反応によって合成することができる。具体的には、モノメチン基の導入には、オルトギ酸エチル、オルト酢酸エチルなどのオルトエステル類や、N,N―ジフェニルホルムアミジン化合物などを使用することができる。
本発明の光情報記録媒体は、記録用色素として、一般式(I-1)で表される色素化合物を1種含むこともでき、2種以上含むこともできる。また、一般式(I-1)で表される色素化合物とこれ以外の色素化合物とを併用してもよい。前記記録層中の一般式(I-1)で表される色素化合物の含有率は、記録層の全質量に対して、例えば1〜100質量%の範囲であり、好ましくは70〜100質量%の範囲であり、より好ましくは80〜100質量%の範囲であり、最も好ましくは90〜100質量%の範囲である。
色素成分として、一般式(I-1)で表される色素化合物以外の色素を使用する場合、該色素としては、例えば波長440nm以下の短波長領域において吸収を有するものが好ましい。そのような色素としては、特に限定されないが、アゾ色素、アゾ金属錯体色素、フタロシアニン色素、オキソノール色素、シアニン色素等が挙げられる。
本発明の光情報記録媒体において、一般式(I-1)で表される色素化合物を含む記録層は、レーザー光の照射により情報の記録が可能な層である。ここで、レーザー光の照射により情報の記録が可能とは、記録層のレーザー光が照射された部分がその光学的特性を変えることをいう。光学的特性の変化は、記録層のレーザー光が照射された部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えば、ピットの生成)を生じすることによってもたらされると考えられる。記録層に記録された情報の読み取り(再生)は、例えば記録用のレーザー光と同様の波長のレーザ光を照射することにより、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率等の光学的特性の違いを検出することにより行うことができる。一般式(I-1)で表される色素化合物は、例えば440nm以下のレーザー光に対して吸収性を有するものである。このように短波長領域に吸収性を有する色素化合物を含む記録層を有する本発明の光情報記録媒体は、405nmの青色レーザーを用いるBlu−ray方式の光ディスクなどの短波長レーザーによる記録が可能な大容量光ディスクとして好適である。本発明の光情報記録媒体への情報の記録方法については後述する。
本発明の光情報記録媒体は、少なくとも前記記録層を基板上に有するものであり、更に、前記記録層に加えて光反射層、保護層などを有することもできる。
本発明に用いられる基板としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。基板としては、透明な円盤状基板を用いることが好ましい。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
前記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。これらの樹脂を用いた場合、射出成型を用いて基板を作製することができる。
また、基板の厚さは、一般に0.7〜2mmの範囲であり、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
なお、後述する光反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することもできる。
下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、前記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。
下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
前記基板の記録層が形成される面には、通常、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表す凹凸(プリグルーブ)が形成されている。本発明の光情報記録媒体は、より高い記録密度を達成するためにCD−RやDVD−Rに比べてより狭いトラックピッチを形成した基板を用いることが好ましい。トラックピッチの好ましい範囲等の詳細は後述する。
本発明の光情報記録媒体の好ましい態様としては、下記態様(1)および(2)を挙げることができる。
態様(1):厚さ0.7〜2mmの基板上に、色素を含有する追記型記録層と、厚さ0.01〜0.5mmのカバー層とを基板側から順に有する光情報記録媒体
態様(2):厚さ0.1〜1.0mmの基板上に、色素を含有する追記型記録層と、厚さ0.1〜1.0mmの保護基板とを基板側から順に有する光情報記録媒体
態様(1)においては、基板に形成されるプリグルーブのトラックピッチが50〜500nm、溝幅が25〜250nm、溝深さが5〜150nmであることが好ましく、態様(2)においては、基板に形成されるプリグルーブのトラックピッチが200〜600nm、溝幅が50〜300nm、溝深さが30〜200nmであり、ウォブル振幅が10〜50nmであることが好ましい。
[態様(1)の光情報記録媒体]
態様(1)の光情報記録媒体は、少なくとも、基板と、追記型記録層と、カバー層とを有する態様であり、いわゆるBD構成の光ディスクである。態様(1)の光情報記録媒体の具体例を、図1に示す。図1に示す第1光情報記録媒体10Aは、第1基板12上に、第1光反射層18と、第1追記型記録層14と、バリア層20と、第1接着層または第1粘着層22と、カバー層16とをこの順に有する。
以下に、これらを構成する材料について順次説明する。
基板
態様(1)の基板には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、およびウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有するプリグルーブ(案内溝)が形成されている。このプリグルーブは、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、本発明の光情報記録媒体を、青紫色レーザーに対応する媒体として使用する場合に好適である。
プリグルーブのトラックピッチは、50〜500nmの範囲であり、上限値は420nm以下であることが好ましく、370nm以下であることがより好ましく、330nm以下であることが更に好ましい。また、下限値は、100nm以上であることが好ましく、200nm以上であることがより好ましく、260nm以上であることが更に好ましい。トラックピッチが50nm以上であれば、プリグルーブを正確に形成することができる上に、クロストークの発生を回避することができ、500nm以下であれば、高密度記録を行うことができる。
プリグルーブの溝幅(半値幅)は、25〜250nmの範囲であり、上限値は200nm以下であることが好ましく、170nm以下であることがより好ましく、150nm以下であることが更に好ましい。また、下限値は、50nm以上であることが好ましく、80nm以上であることがより好ましく、100nm以上であることが更に好ましい。プリグルーブの溝幅が25nm以上であれば、成型時に溝を十分に転写することができ、さらに記録時のエラーレート上昇を抑制することができ、250nm以下であれば、同じく成型時に溝を十分に転写することができ、更に記録時に形成されるピットの広がりによりクロストークが発生することを回避することができる。
プリグルーブの溝深さは、5〜150nmの範囲であり、上限値は100nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることが更に好ましい。また、下限値は、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、28nm以上であることが更に好ましい。プリグルーブの溝深さが5nm以上であれば十分な記録変調度を得ることができ、150nm以下であれば、高い反射率を得ることができる。
また、プリグルーブの溝傾斜角度は、上限値が80°以下であることが好ましく、70°以下であることがより好ましく、60°以下であることが更に好ましく、50°以下であることが特に好ましい。また、下限値は、20°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましく、40°以上であることが更に好ましい。
プリグルーブの溝傾斜角度が20°以上であれば、十分なトラッキングエラー信号振幅を得ることができ、80°以下であれば成型性が良好である。
追記型記録層
態様(1)の追記型記録層は、色素を、結合剤等と共にまたは結合剤を用いないで適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を基板上または後述する光反射層上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成することができる。ここで、追記型記録層は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、塗布液を塗布する工程が複数回行なわれることになる。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の調製に用いる溶剤としては、例えば、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、さらに、結合剤、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。
塗布の際、塗布液の温度は23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、23〜38℃の範囲であることが特に好ましい。
追記型記録層の厚さは、ランド(前記基板において凸部)上で、100nm以下であることが好ましく、70nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることが更に好ましく、40nm以下であることが特に好ましい。下限値としては5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、20nm以上であることが特に好ましい。
また、追記型記録層の厚さは、グルーブ上(前記基板において凹部)で、200nm以下であることが好ましく、150nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることが更に好ましい。下限値としては、20nm以上であることが好ましく、30nm以上であることがより好ましく、40nm以上であることが更に好ましい。
更に、ランド上の追記型記録層の厚さ/グルーブ上の追記型記録層の厚さの比は、0.3以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましく、0.5以上であることが更に好ましく、0.55以上であることが特に好ましい。上限値としては、0.9未満であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましく、0.7以下であることが更に好ましく、0.6以下であることが特に好ましい。
また、追記型記録層には、追記型記録層の耐光性をさらに向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、有機酸化剤や一重項酸素クエンチャーを挙げることができる。褪色防止剤として用いられる有機酸化剤としては、特開平10−151861号公報に記載されている化合物が好ましい。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−81194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同63−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、および同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。好ましい一重項酸素クエンチャーの例としては、下記の一般式(A)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2009066893
一般式(A)中、R21は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、Q-はアニオンを表す。
一般式(A)において、R21は置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、無置換の炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例、F,Cl)、アルコキシ基(例、メトキシ基、エトキシ基)、アルキルチオ基(例、メチルチオ基、エチルチオ基)、アシル基(例、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アルケニル基(例、ビニル基)、アリール基(例、フェニル基、ナフチル基)を挙げることができる。これらの中で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基が好ましい。Q-のアニオンの好ましい例としては、ClO4 -、AsF6 -、BF4 -、およびSbF6 -を挙げることができる。
一般式(A)で表される化合物例(化合物番号A−1〜A−8)を下記表に示す。
Figure 2009066893
前記一重項酸素クエンチャーなどの褪色防止剤の使用量は、色素量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
カバー層
態様(1)のカバー層は、通常、上述した追記型記録層上に、または図1に示すようにバリア層上に、接着剤や粘着剤を介して貼り合わされる。
カバー層としては、透明な材質のフィルムであれば、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネートまたは三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録および再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
また、カバー層は、本発明の効果を妨げない範囲において、種々の添加剤が含有されていてもよい。例えば、波長400nm以下の光をカットするためのUV吸収剤および/または500nm以上の光をカットするための色素が含有されていてもよい。
更に、カバー層の表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータおよび3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録および再生に用いられる光の集光度の観点から、カバー層の複屈折は10nm以下であることが好ましい。
カバー層の厚さは、記録および再生のために照射されるレーザー光の波長やNAにより、適宜、規定することができるが、本発明においては、0.01〜0.5mmの範囲内であることが好ましく、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。
また、カバー層と、接着剤または粘着剤からなる層と、を合わせた総厚は、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
なお、カバー層の光入射面には、光情報記録媒体の製造時に、光入射面が傷つくことを防止するための保護層(図1に示す態様ではハードコート層44)が設けられていてもよい。
カバー層を追記型記録層またはバリア層と貼り合せるために用いられる接着剤としては、例えばUV硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用することが好ましく、特にUV硬化樹脂を使用することが好ましい。接着剤としてUV硬化樹脂を使用する場合は、該UV硬化樹脂をそのまま、またはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ディスペンサから被塗布面に供給してもよい。また、作製される光情報記録媒体の反りを防止するため、接着層を構成するUV硬化樹脂は硬化収縮率の小さいものが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)社製の「SD−640」等のUV硬化樹脂を挙げることができる。
接着剤は、例えば、被貼り合わせ面(例えばバリア層表面)上に、所定量塗布し、その上に、カバー層を載置した後、スピンコートにより接着剤を、被貼り合わせ面とカバー層との間に均一になるように広げた後、硬化させることが好ましい。このような接着剤からなる接着剤層の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは10〜30μmの範囲である。
また、カバー層を貼り合せるために用いられる粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができ、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
上記粘着剤と併用される架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。かかるイソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート類を使用することができる。これらの イソシアネート類の市販されている商品としては、日本ポリウレタン社製のコロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートHTL;武田薬品社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202;住友バイエル社製のデスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL;等を挙げることができる。
粘着剤は、被貼り合わせ面(例えばバリア層表面)上に、所定量、均一に塗布し、その上に、カバー層を載置した後、硬化させてもよいし、予め、カバー層の片面に、所定量を均一に塗布して粘着剤塗膜を形成しておき、該塗膜を被貼り合わせ面に貼り合わせ、その後、硬化させてもよい。また、カバー層に、予め、粘着剤層が設けられた市販の粘着フィルムを用いてもよい。このような粘着剤からなる粘着剤層の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは10〜30μmの範囲である。
その他の層
態様(1)の光情報記録媒体は、本発明の効果を損なわない範囲においては、上記の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。他の任意の層としては、例えば、基板の裏面(追記型記録層が形成された側と逆側の非形成面側)に形成される、所望の画像を有するレーベル層や、基板と追記型記録層との間に設けられる光反射層(詳細は後述する)、追記型記録層とカバー層との間に設けられるバリア層(詳細は後述する)、該光反射層と追記型記録層との間に設けられる界面層などが挙げられる。ここで、前記レーベル層は、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、および熱乾燥樹脂などを用いて形成することができる。
なお、上記した必須および任意の層はいずれも、単層でも、多層構造でもよい。
態様(1)の光情報記録媒体では、レーザ光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与するために、基板と追記型記録層との間に、光反射層を形成することが好ましい。
光反射層は、レーザー光に対する反射率が高い光反射性物質を、例えば、真空蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。
光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、20〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属またはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alまたはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agまたはこれらの合金である。
バリア層(中間層)
態様(1)の光情報記録媒体においては、図1に示すように、追記型記録層とカバー層との間にバリア層を形成することが好ましい。
バリア層は、追記型記録層の保存性向上、追記型記録層とカバー層との接着性向上、反射率調整、熱伝導率調整等のために設けることができる。
バリア層に用いられる材料としては、記録および再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料、Ag合金などの反射層材料との接触により腐食を生じない材料、湿熱環境での腐食が生じない材料を用いることが好ましく、誘電体であることが更に好ましい。
具体的には、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZuO、SnO2、ZnO−Ga23、Nb25、Ta25が好ましく、SnO2、ZnO−Ga23、SiO2、Nb25、Ta25がより好ましい。
また、バリア層は、真空蒸着、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンプレーティングなどの真空成膜法により形成することができる。中でも、スパッタリングを用いることがより好ましい。
バリア層の厚さは、1〜200nmの範囲が好ましく、2〜100nmの範囲がより好ましく、3〜50nmの範囲が更に好ましい。
[態様(2)の光情報記録媒体]
態様(2)の光情報記録媒体は、少なくとも、基板と、追記型記録層と、保護基板とを有し、好ましくは貼り合わせ型の光情報記録媒体であり、いわゆるHD−DVDと呼ばれる光ディスクである。その代表的な層構成は下記の通りである。
(1)第1の層構成は、基板上に、追記型記録層、光反射層、接着層を順次形成し、接着層上に保護基板を設けた構成である。
(2)第2の層構成は、基板上に、追記型記録層、光反射層、保護層、接着層を順次形成し、接着層上に保護基板を設けた構成である。
(3)第3の層構成は、基板上に、追記型記録層、光反射層、保護層、接着層、保護層を順次形成し、該保護層上に保護基板を設けた構成である。
(4)第4の層構成は、基板上に、追記型記録層、光反射層、保護層、接着層、保護層、光反射層を順次形成し、該光反射層上に保護基板を設けた構成である。
(5)第5の層構成は、基板上に、追記型記録層、光反射層、接着層、光反射層を順次形成し、該光反射層上に保護基板を設けた構成である。
なお、上記(1)〜(5)の層構成は単なる例示であり、層構成は上述の順番のみでなく、一部を入れ替えてもよいし、一部を省略してもよい。また、追記型記録層は、保護基板側にも形成されていてもよく、その場合、両面からの記録、再生が可能な光情報記録媒体となる。更に、各層は1層で構成されても複数層で構成されてもよい。
上記のうち、態様(2)の光情報記録媒体として、基板上に、追記型記録層、光反射層、接着層、保護基板を基板側から順に有する構成を例に以下に詳細に説明をする。前記構成を有する光情報記録媒体の具体例を図2に示す。図2に示す第2光情報記録媒体10Bは、第2基板24上に、第2追記型記録層26と、第2光反射層30と、第2接着層32と、保護基板28とをこの順に有する。
基板
態様(2)における基板には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、およびウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有するプリグルーブ(案内溝)が形成されている。このプリグルーブは、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、本発明の光情報記録媒体を、青紫色レーザーに対応する媒体として使用する場合に好適である。
プリグルーブのトラックピッチは、200〜600nmの範囲であり、上限値は500nm以下であることが好ましく、450nm以下であることが更に好ましい。また、下限値は、300nm以上であることが好ましく、330nm以上であることがより好ましく、370nm以上であることが更に好ましい。トラックピッチが200nm以上であればプリグルーブを正確に形成することができ、更にクロストークの発生を回避することができ、600nm以下であれば、高密度記録を行うことができる。
プリグルーブの溝幅(半値幅)は、50〜300nmの範囲であり、上限値は250nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、180nm以下であることが更に好ましい。また、下限値は、100nm以上であることが好ましく、120nm以上であることがより好ましく、140nm以上であることが更に好ましい。プリグルーブの溝幅が50nm以上であれば、成型時に溝を十分に転写することができ、さらに記録時のエラーレート上昇を抑制することができ、300nm以下であれば、記録時に形成されるピットの広がりによりクロストークが発生することを回避することができ、さらに十分な変調度を得ることができる。
プリグルーブの溝深さは、30〜200nmの範囲であり、上限値は170nm以下であることが好ましく、140nm以下であることがより好ましく、120nm以下であることが更に好ましい。また、下限値は、40nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、60nm以上であることが更に好ましい。プリグルーブの溝深さが30nm以上であれば、十分な記録変調度を得ることができ、200nm以下であれば、高い反射率を得ることができる。
基板の厚さは、一般に0.1〜1.0mmの範囲であり、0.2〜0.8mmの範囲であることが好ましく、0.3〜0.7mmの範囲であることがより好ましい。
なお、後述する追記型記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することができる。その詳細は先に説明した通りである。
追記型記録層
態様(2)における追記型記録層に関する詳細については、態様(1)の追記型記録層と同様である。
光反射層
態様(2)において、レーザー光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与するために、追記型記録層上に光反射層を形成することができる。態様(2)の光反射層に関する詳細は、態様(1)の光反射層と同様である。
接着層
態様(2)では、前記光反射層と後述の保護基板との密着性を向上させるために、光反射層と保護基板の間に接着層を設けることもできる。
接着層を構成する材料としては、光硬化性樹脂が好ましく、中でもディスクの反りを防止するため、硬化収縮率の小さいものが好ましい。このような光硬化性樹脂としては、例えば、大日本インク社製の「SD−640」、「SD−347」等のUV硬化性樹脂(UV硬化性接着剤)を挙げることができる。
また、接着層の厚さは、弾力性を持たせるため、1〜1000μmの範囲が好ましい。
保護基板
態様(2)における保護基板(ダミー基板)は、上述した基板と同じ材質で、同じ形状のものを使用することができる。保護基板の厚さは、一般に厚さ0.1〜1.0mmの範囲であり、0.2〜0.8mmの範囲であることが好ましく、0.3〜0.7mmの範囲であることがより好ましい。なお、記録層を複数有する記録媒体を作製するにあたっては、保護基板側にもプリグルーブ、追記記録層、反射層などの層を設けておいてもよい。この方式は、インバーススタック方式などと呼ばれる場合もある。保護基板側に形成される記録層については、記録再生波長が、保護基板でない側の基板に設けられた記録層と同一であってもよいし、異なってもよい。具体的には、トラックピッチや溝形状、追記記録層素材、反射層素材、下塗り層素材などの各層の素材が複数の記録層間で同一でもよいし、異なってもよい。
保護層
態様(2)の光情報記録媒体は、その層構成によっては、光反射層や追記型記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層が設けられることある。
保護層に用いられる材料の例としては、ZnS、ZnS−SiO2、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。
保護層は、例えば、プラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して光反射層上に貼り合わせることにより形成することができる。また、真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。
また、保護層として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いる場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂を用いて保護層を形成する場合には、UV硬化性樹脂をそのまままたは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによって形成することもできる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。
保護層の層厚は、一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。
その他の層
態様(2)の光情報記録媒体は、本発明の効果を損なわない範囲においては、上記の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。他の任意の層の詳細については、前記態様(1)のその他の層と同様である。
[情報記録方法]
更に、本発明は、基板上に記録層を有する光情報記録媒体に情報を記録する方法に関する。本発明の情報記録方法では、本発明の光情報記録媒体に対して波長440nm以下のレーザー光を照射することにより記録層へ情報を記録する。
前述の好ましい態様(1)または態様(2)の光情報記録媒体に対する情報の記録は、例えば次のように行われる。
まず、光情報記録媒体を一定の線速度(例えば0.5〜10m/秒)または一定の角速度にて回転させながら、基板側または保護層側から半導体レーザー光などの記録用の光を照射する。この光の照射により、レーザー光照射部分の光学的特性が変化して情報が記録される。図1に示す態様では、カバー層16側から半導体レーザー光等の記録用のレーザー光46を、第一対物レンズ42(例えば開口数NAが0.85)を介して照射する。このレーザー光46の照射により、追記型記録層14がレーザー光46を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えばピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。同様に、図2に示す態様では、第2基板24側から半導体レーザー光等の記録用のレーザー光46を、開口数NAが例えば0.65の第2対物レンズ48を介して照射する。このレーザー光46の照射により、第2追記型記録層26がレーザー光46を吸収して局所的に温度上昇し、物理的または化学的変化(例えばピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
本発明においては、波長440nm以下のレーザー光を照射することにより情報を記録することが好ましい。記録光としては、440nm以下の範囲の発振波長を有する半導体レーザー光が好適に用いられ、好ましい光源としては390〜440nm(更に好ましくは390〜415nm)の範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー光、中心発振波長850nmの赤外半導体レーザー光を光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザー光を挙げることができる。特に、記録密度の点で390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー光を用いることが好ましい。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザー光を基板側または保護層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
その他の本発明の情報記録方法の詳細は、先に本発明の光情報記録媒体について説明した通りである。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[例示化合物D−1の合成]
以下、例示化合物D−1の合成例を示す。他の化合物も同様に合成することができる。
Figure 2009066893
上記合成スキーム1中の化合物(A)1.0gをアセトニトリル10mlに加え、オルトギ酸エチル1mlを加えて2時間加熱還流した。冷却後得られた結晶を濾取し、例示化合物(D−1)0.9gを得た。同定結果を以下に示す。
MS(posi)=644
[実施例1〜12]
<光情報記録媒体の製造>
(基板の作製)
厚さ1.1mm、外径120mm、内径15mmでスパイラル状のプリグルーブ(トラックピッチ:320nm、溝幅:オングルーブ幅120nm、溝深さ:35nm、溝傾斜角度:65°、ウォブル振幅:20nm)を有する、ポリカーボネート樹脂からなる射出成形基板を作製した。射出成型時に用いられたスタンパのマスタリングは、レーザーカッティング(351nm)を用いて行なわれた。
(光反射層の形成)
基板上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングにより、膜厚100nmの真空成膜層としてのAPC光反射層(Ag:98.1質量%、Pd:0.9質量%、Cu:1.0質量%)を形成した。光反射層の膜厚の調整は、スパッタ時間により行った。
(追記型記録層の形成)
下記表2に示す化合物各1gを、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール100ml中に添加して溶解し、色素含有塗布液を調製した。そして、光反射層上に、調製した色素含有塗布液を、スピンコート法により回転数300〜4000rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布した。その後、23℃、50%RHで1時間保存して、追記型記録層を形成した。形成した記録層の厚さは、グルーブ上で45nm、ランド上で25nmであった。
追記型記録層を形成した後、クリーンオーブンにてアニール処理を施した。アニール処理は、基板を垂直のスタックポールにスペーサーで間をあけながら支持し、80℃で1時間保持して行った。
(バリア層の形成)
その後、追記型記録層上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、RFスパッタリングによりZnO−Ga23(ZnO:Ga23=7:3(質量比))からなる、厚さ10nmのバリア層を形成した。
(カバー層の貼り合わせ)
カバー層としては、内径15mm、外径120mmで、片面に粘着剤が塗設してあるポリカーボネート製フィルム(帝人ピュアエース、厚さ:80μm)を用い、該粘着剤層とポリカーボネート製フィルムとの厚さの合計が100μmとなるように設定した。
そして、バリア層上に、該バリア層と粘着剤層とが当接するようにカバー層を載置した後、そのカバー層を押し当て部材にて圧接して、貼り合わせた。
これにより、実施例1〜12の光情報記録媒体が作製された。
(比較例1〜4)
記録層用色素として、下記比較化合物(A)〜(D)を用いた以外は、実施例1〜12と同様な方法で光情報記録媒体を作製した。
Figure 2009066893
<光情報記録媒体の評価>
C/N(搬送波対雑音比)評価
作製した光情報記録媒体にカバー層側から、405nmレーザ、NA0.85ピックアップを積んだ記録再生評価機(パルステック社製:DDU1000)を用い、クロック周波数66MHz、線速5.28m/sにて、0.16μmの信号(2T)を記録、再生しスペクトルアナライザー(パルステックMSG2)にて(記録後の)C/Nを測定した。記録はグルーブ上に行った。さらに作製した光情報記録媒体にカバー層側から14万ルクスのキセノン光を24時間照射した後に、同様の測定を行った。結果を表2に示す。ここで、(記録後の)C/Nが25dB以上であると、再生信号強度が十分であり、実用上好ましいことを指す。
Figure 2009066893
上記表2の結果から、一般式(I-1)で表される色素化合物を含有する記録層を有する実施例1〜12の記録媒体は、比較例1〜4の記録媒体に比べて高い再生信号強度を示し、さらに耐光保存性も良好であることがわかる。
本発明の光情報記録媒体は、ブルーレイ方式の光ディスク等の高密度記録用光情報記録媒体として好適である。
本発明の光情報記録媒体の一例を示す概略断面図である。 本発明の光情報記録媒体の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
10A…第1光情報記録媒体 10B…第2光情報記録媒体
12…第1基板 14…第1追記型記録層
16…カバー層 18…第1光反射層
20…バリア層 22…第1接着層
24…第2基板 26…第2追記型記録層
28…保護基板 30…第2光反射層
32…第2接着層 44…ハードコート層

Claims (7)

  1. 基板上に下記一般式(I-1)で表される色素化合物を含有する記録層を有する光情報記録媒体。
    Figure 2009066893
    [一般式(I-1)中、E1およびE2は、それぞれ独立に、共役二重結合鎖を完成するために必要な原子団を表し、xおよびyは、それぞれ独立に0または1を表し、Y1は、C-(E1)x-Cで表される部分構造とともに炭素環または複素環を形成するために必要な原子団を表し、Y2は、C=(E2)y=Cで表される部分構造とともに炭素環または複素環を形成するために必要な原子団を表し、R、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に置換基または水素原子を表す。R1が置換基を表す場合、R1はY1とC-(E1)x-Cとによって形成される炭素環または複素環と縮環した環を形成してもよく、R2が置換基を表す場合、R2はY2とC=(E2)y=Cとによって形成される炭素環または複素環と縮環した環を形成してもよい。]
  2. 一般式(I-1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を表し、R1はY1とC-(E1)x-Cとによって形成される炭素環または複素環と縮環した環を形成し、R2はY2とC=(E2)y=Cとによって形成される炭素環または複素環と縮環した環を形成する請求項1に記載の光情報記録媒体。
  3. 前記基板は、少なくとも一方の面にトラックピッチ50〜500nmのプレグルーブを有し、該プレグルーブを有する面上に前記記録層を有する請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
  4. 前記基板と前記記録層との間に光反射層を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
  5. 前記基板、前記光反射層、前記記録層、バリア層、および保護層をこの順に有する請求項4に記載の光情報記録媒体。
  6. 波長440nm以下のレーザー光を照射することにより情報を記録するために使用される請求項1〜5のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光情報記録媒体に、波長440nm以下のレーザー光を照射することにより情報を記録する情報記録方法。
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