JP4299681B2 - 光情報記録方法 - Google Patents

光情報記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4299681B2
JP4299681B2 JP2004002689A JP2004002689A JP4299681B2 JP 4299681 B2 JP4299681 B2 JP 4299681B2 JP 2004002689 A JP2004002689 A JP 2004002689A JP 2004002689 A JP2004002689 A JP 2004002689A JP 4299681 B2 JP4299681 B2 JP 4299681B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
optical information
substituted
carbon atoms
information recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004002689A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004234824A (ja
Inventor
毅 角田
寿男 石田
由久 宇佐美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2004002689A priority Critical patent/JP4299681B2/ja
Publication of JP2004234824A publication Critical patent/JP2004234824A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4299681B2 publication Critical patent/JP4299681B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Description

本発明は、光情報記録方法に関し、特に、ヒートモードによる追記型光情報記録媒体の光情報記録方法に関する。
従来、レーザ光により1回限りの情報の記録が可能な追記型光情報記録媒体は、CD−Rと称され、広く知られている。市販のCDプレーヤを用いて再生できる利点を有しており、また最近では、パーソナルコンピュータの普及に伴ってその需要も増大している。また、CD−Rより大容量の記録が可能な媒体として、デジタル・ハイビジョンの録画などに対応するための追記型デジタル・ヴァーザタイル・ディスク(DVD−R)も実用化されている。
これら追記型光情報記録媒体の構造の1つとしては、円盤状基板上に、Auなどからなる光反射層と、有機化合物からなる記録層と、更に、該記録層に接着させるための接着層を含むカバー層と、が順次積層されたものが知られている。レーザ光が前記樹脂層側から照射されることで、記録及び再生を行うことができる。追記型光情報記録媒体への情報の記録は、記録層のレーザ光照射部分がその光を吸収して局所的に発熱変形(例えば、ピットなどの生成)することにより行われる。一方、情報の再生は、通常、記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を追記型光情報記録媒体に照射して、記録層が発熱変形した部位(記録部分)と変形していない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより行われている。
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も開始された。このような状況の下で、画像情報を安価簡便に記録することができる大容量の光情報記録媒体が必要とされている。上記のDVD−Rは現状では大容量の記録媒体としての役割を十分に果たしているが、大容量化、高密度化の要求は高まる一方であり、これらの要求に対応できる記録媒体の開発も必要である。このため、光情報記録媒体は、更に、短波長の光で高密度の記録を行なうことができる、より大容量の記録媒体の開発が進められている。特に、1回限りの情報の記録が可能な追記型光情報記録媒体は、大容量の情報の長期保存又はバックアップ用としての使用頻度が高まりつつあるため、その開発に対する要求は強い。
通常、光情報記録媒体の高密度化は、記録及び再生用レーザの短波長化、対物レンズの高NA化によりビームスポットを小さくすることで達成することができる。最近では、波長680nm、650nm及び635nmの赤色半導体レーザから、更に超高密度の記録が可能となる波長400nm〜500nmの青紫色半導体レーザ(以下、青紫色レーザと称する。)まで開発が急速に進んでおり、それに対応した光情報記録媒体の開発も行われている。特に、青紫色レーザの発売以来、該青紫色レーザと高NAピックアップを利用した光記録システムの開発が検討されており、相変化する記録層を有する書換型光情報記録媒体及び光記録システムは、既に、DVRシステム(「ISOM2000」210〜211頁)として発表されている。これにより、書換型光情報記録媒体における高密度化の課題に対しては、一定の成果が得られた。
一方、追記型の光情報記録媒体においても、上述のような青紫色レーザと高NAピックアップを利用した光記録システムに対応したものが知られている。具体的には、記録層に向けて波長530nm以下のレーザ光を照射することにより、情報の記録及び再生を行う光情報記録媒体が知られている(例えば、特許文献1〜15参照。)。この光情報記録媒体は、ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチンシアニン色素、ジシアノビニルフェニル骨格色素、クマリン化合物、ナフタロシアニン化合物等を含有する記録層を備え、青色(波長430nm、488nm)又は青緑色(波長515nm)のレーザ光を照射することにより情報の記録及び再生を行うことができる。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記の各公報に記載された追記型の光情報記録媒体において、光情報記録媒体自体の層構成や記録に用いるレーザ光の出力などをファクターとする光情報記録方法によっては、実用上必要とされる安定した記録再生特性を備える光情報記録媒体を得ることができない場合があり、大きな課題となっていた。
特開平4−74690号公報 特開平7−304256号公報 特開平7−304257号公報 特開平8−127174号公報 特開平11−53758号公報 特開平11−334204号公報 特開平11−334205号公報 特開平11−334206号公報 特開平11−334207号公報 特開2000−43423号公報 特開2000−108513号公報 特開2000−113504号公報 特開2000−149320号公報 特開2000−158818号公報 特開2000−228028号公報
そこで、本発明の目的は、安定した記録再生特性を付与可能な光情報記録方法を提供することにある。
上記目的は、以下に示す本発明により達成される。
すなわち、本発明の光情報記録方法は、トラックピッチが200〜400nmのプリグルーブを有する基板上に設けられた色素記録層側の表面に、粘着層又は接着層を介してカバー層が設けられた光情報記録媒体に、該カバー層側からレーザ光を照射し、当該色素記録層中の信号ピット部に空隙を形成することで記録を行う光情報記録方法であって、
前記空隙の幅を50〜250nmの範囲とし、且つ、前記色素記録層の厚さに対して前記空隙の高さの占める割合を20〜95%の範囲とすることを特徴とする。
発明の光情報記録方法に用いる光情報記録媒体は、基板と色素記録層との間に光反射層を有することが好ましい。また、光情報記録媒体が、後述する一般式(I)で表されるフタロシアニン色素を含有する有機記録層を有することが好ましい。更に、光情報記録媒体が、20〜500nmの厚みの色素記録層を有することが好ましい。
本発明の光情報記録方法において、レーザ光の光源が、390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザであることが好ましい。また、レーザ光のパルス幅が、実際に記録しようとする長さに対して20〜90%であることが好ましい。更に、レーザ光のパワーが、線速が5±0.5m/sの場合、2〜12mWの範囲であることが好ましい。
また、本発明の光情報記録方法において、前記レーザ光の照射は対物レンズを介して行われ、該対物レンズのNAが0.7以上であることが好ましい。
本発明によれば、安定した記録再生特性を付与可能な光情報記録方法を提供することができる。
以下、本発明の光情報記録方法及び該光情報記録方法に使用される光情報記録媒体について詳細に説明する。
本発明の光情報記録方法は、トラックピッチが200〜400nmのプリグルーブを有する基板上に設けられた色素記録層側の表面に、粘着層又は接着層を介してカバー層が設けられた光情報記録媒体に、該カバー層側からレーザ光を照射し、当該色素記録層中の信号ピット部に空隙を形成することで記録を行う光情報記録方法であって、前記空隙の幅を50〜250nmの範囲とし、且つ、前記色素記録層の厚さに対して前記空隙の高さの占める割合を20〜95%の範囲とすることを特徴とする。
<(未記録の)光情報記録媒体>
まず、本発明の光情報記録方法に使用される、未記録の光情報記録媒体について説明する。
かかる未記録の光情報記録媒体は、基板上に設けられた色素記録層側の表面に、粘着層又は接着層を介してカバー層が設けられたものであり、その他、任意の層として、光反射層やバリア層が設けられてもよい。
(基板)
基板は、例えば、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。この中では、耐湿性、寸法安定性及び価格などの点からポリカーボネートやアモルファスポリオレフィンが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
基板の厚さは、1.1±0.3mmの範囲であることが好ましい。
基板の表面には、トラッキング用溝又はアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プリグルーブ)が形成されている。このプリグルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形或いは押出成形する際に、直接基板上に形成されることが好ましい。
また、プリグルーブの形成を、プリグルーブ層を設けることにより行ってもよい。プリグルーブ層の材料としては、アクリル酸のモノエステル、ジエステル、トリエステル及びテトラエステルのうちの少なくとも一種のモノマー(又はオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用いることができる。プリグルーブ層の形成は、例えば、まず精密に作られた母型(スタンパ)上に上記のアクリル酸エステル及び重合開始剤からなる混合液を塗布し、更に、この塗布液層上に基板を載せたのち、基板又は母型を介して紫外線を照射するにより塗布層を硬化させて基板と塗布層とを固着させる。次いで、基板を母型から剥離することにより得ることができる。プリグルーブ層の層厚は一般に、0.01〜100μmの範囲にあり、好ましくは0.05〜50μmの範囲である。
基板は、より高い記録密度を達成するためにCD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチのプリグルーブが形成された基板を用いることが好ましい。本発明において、基板のプリグルーブのトラックピッチは、200〜400nmの範囲とし、250〜350nmの範囲とすることがより好ましい。
また、プリグルーブの溝深さは10〜150nmの範囲とすることが好ましく、20〜100nmの範囲とすることがより好ましく、30〜80nmの範囲とすることが更に好ましい。また、その半値幅は、50〜250nmの範囲にあることが好ましく、100〜200nmの範囲であることがより好ましい。
なお、後述の光反射層や色素記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
(光反射層)
光反射層は情報の再生時における反射率の向上の目的で、基板と有機色素記録層との間に設けられる任意の層である。光反射層は、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより前記基板上に形成することができる。光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属或いはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、或いは二種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Al或いはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Ag或いはこれらの合金である。
(色素記録層)
色素記録層は、記録及び再生時に用いられるレーザ光の波長領域に極大吸収を有する色素を含有していることが好ましい。
用いられる色素としては、例えば、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素に加え、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、特開平11−53758号公報、特開平11−334204号公報、特開平11−334205号公報、特開平11−334206号公報、特開平11−334207号公報、特開2000−43423号公報、特開2000−108513号公報、特開2000−158818号公報の各公報に記載されている化合物及び色素、更に、トリアゾール化合物、トリアジン色素、メロシアニン色素、アミノブタジエン化合物、桂皮酸化合物、ビオロゲン化合物、ベンゾトリアゾール化合物等が挙げられる。
これらの中でも、シアニン色素、アミノブタジエン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、フタロシアニン色素が好ましい。
本発明においては、色素記録層に、下記一般式(I)で表される構造を有するフタロシアニン色素を含有していることが特に好ましい。
Figure 0004299681
一般式(I)中、Rα1〜Rα8及びRβ1〜Rβ8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホ基、炭素数1〜20の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数6〜14の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のヘテロ環基、炭素数1〜20の置換若しくは無置換のアルコキシ基、炭素数6〜14の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、炭素数2〜21の置換若しくは無置換のアシル基、炭素数1〜20の置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜14の置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、炭素数1〜10のヘテリルスルホニル基、炭素数1〜25の置換若しくは無置換のカルバモイル基、炭素数0〜32の置換若しくは無置換のスルファモイル基、炭素数2〜20の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜15のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜21の置換若しくは無置換のアシルアミノ基、又は炭素数1〜20の置換若しくは無置換のスルホニルアミノ基を表す。また、Rα1〜Rα8のすべてが水素原子であることはなく、Rα1〜Rα8及びRβ1〜Rβ8のうち少なくとも8つは水素原子である。Mは、2個の水素原子、2価〜4価の金属原子、2価〜4価のオキシ金属原子、又は配位子を有する2価〜4価の金属原子を表す。
一般式(I)におけるRα1〜Rα8及びRβ1〜Rβ8の好ましいものとしては、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、炭素数1〜16の置換若しくは無置換のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル)、炭素数6〜14の置換若しくは無置換のアリール基(例えば、フェニル、p−メトキシフェニル、p−オクタデシルフェニル)、炭素数1〜16の置換若しくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−オクチルオキシ)、炭素数6〜10の置換若しくは無置換のアリールオキシ基(フェノキシ、p−エトキシフェノキシ)、炭素数1〜20の置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、n−プロピルスルホニル、n−オクチルスルホニル)、炭素数6〜14の置換若しくは無置換のアリールスルホニル基(例えば、トルエンスルホニル、ベンゼンスルホニル)、炭素数0〜20の置換若しくは無置換のスルファモイル基(メチルスルファモイル基、n−ブチルスルファモイル)、炭素数1〜17のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル)、炭素数7〜15の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、m−クロロフェニルカルボニル)、炭素数2〜21の置換若しくは無置換のアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、n−ヘキシルアミノ)、炭素数1〜18のスルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ、n−ブタンスルホニルアミノ)である。
中でも、Rα1〜Rα8及びRβ1〜Rβ8のより好ましいものは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、スルホ基、炭素数1〜16の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜16の置換若しくは無置換のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素数6〜14の置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、炭素数2〜20のスルファモイル基、炭素数1〜13のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜21の置換若しくは無置換のアシルアミノ基、炭素数1〜18のスルホニルアミノ基である。
更に好ましいものは、Rα1〜Rα8が、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、スルホ基、炭素数1〜16の置換若しくは無置換のアルコキシ基、炭素数1〜20の置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜14の置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、炭素数2〜20の置換若しくは無置換のスルファモイル基、炭素数2〜12のアシルアミノ基、炭素数1〜18のスルホニルアミノ基であり、Rβ1〜Rβ8が、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子である。
特に好ましいものは、Rα1〜Rα8が、それぞれ独立に、水素原子、スルホ基、炭素数1〜20の無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜14の無置換のアリールスルホニル基、炭素数7〜20の無置換のスルファモイル基であり、Rβ1〜Rβ8が、水素原子である。
前記一般式(I)における、Rα1及びRα2のいずれか一方、Rα3及びRα4のいずれか一方、Rα5及びRα6のいずれか一方、Rα7及びRα8のいずれか一方の計4つの置換基は、同時に水素原子ではないことが好ましい。
一般式(I)におけるRα1〜Rα8及びRβ1〜Rβ8は、更に置換基を有していてもよく、その導入可能な置換基の例としては、以下に記載のものを挙げることができる。
炭素数1〜20の鎖状又は環状の置換若しくは無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基)、炭素数6〜18の置換若しくは無置換のアリール基(例えば、フェニル基、クロロフェニル基、2,4−ジ−t−アミルフェニル基、1−ナフチル基)、炭素数2〜20の置換若しくは無置換のアルケニル基(例えば、ビニル基、2−メチルビニル基)、炭素数2〜20の置換若しくは無置換のアルキニル基(例えば、エチニル基、2−メチルエチニル基、2−フェニルエチニル基)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数2〜20の置換若しくは無置換のアシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基、サリチロイル基、ピバロイル基)、炭素数1〜20の置換若しくは無置換のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、p−メトキシフェノキシ基)、炭素数1〜20の置換若しくは無置換のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、ブチルチオ基、ベンジルチオ基、3−メトキシプロピルチオ基)、炭素数6〜20の置換若しくは無置換のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、4−クロロフェニルチオ基)、炭素数1〜20の置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基)、炭素数6〜20の置換若しくは無置換のアリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル基、パラトルエンスルホニル基)、炭素数1〜17の置換若しくは無置換のカルバモイル基(例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、n−ブチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基)、炭素数1〜16の置換若しくは無置換のアシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、炭素数2〜10の置換若しくは無置換のアシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基)、炭素数2〜10の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、及び5員若しくは6員の置換若しくは無置換のヘテロ環基(例えば、ピリジル基、チエニル基、フリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基等の芳香族ヘテロ環基;ピロリジン環基、ピペリジン環基、モルホリン環基、ピラン環基、チオピラン環基、ジオキサン環基、ジチオラン環基等のヘテロ環基)。
また、Rα1〜Rα8及びRβ1〜Rβ8に導入可能な置換基として好ましいものは、炭素数1〜16の鎖状又は環状の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数6〜14の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数1〜16の置換若しくは無置換のアルコキシ基、炭素数6〜14の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、ハロゲン原子、炭素数2〜17の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のカルバモイル基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアシルアミノ基である。
より好ましいものは、炭素数1〜10の鎖状又は環状のアルキル基、炭素数6〜10の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のアルコキシ基、炭素数6〜10の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、塩素原子、炭素数2〜11の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜7の置換若しくは無置換のカルバモイル基、炭素数1〜8の置換若しくは無置換のアシルアミノ基である。
更に好ましいものとしては、炭素数1〜8の鎖状分岐又は環状の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数1〜8の置換若しくは無置換のアルコキシ基、炭素数3〜9の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、フェニル基、塩素原子である。
最も好ましいものは、炭素数1〜6の無置換のアルコキシ基である。
一般式(I)におけるMは、2価〜4価の金属原子であることが好ましく、中でも、銅原子、ニッケル原子、又はパラジウム原子が好ましく、更に、銅原子又はニッケル原子がより好ましく、特に、銅原子が好ましい。
一般式(I)で表される化合物(フタロシアニン色素)は、任意の位置で結合して多量体を形成していてもよく、この場合の各単位は互いに同一でも異なっていてもよい。また、一般式(I)で表される化合物は、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、セルロース等のポリマー鎖に結合していてもよい。
以下に、本発明で用いられる一般式(I)で表されるフタロシアニン色素の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記表1〜表7において、例えば、Rx/Ry(x及びyは、α1〜α8、β1〜β8のいずれかを表わす)という表記はRx又はRyのいずれか一方という意味を表しており、従ってこの表記のある化合物は置換位置異性体の混合物である。また、無置換の場合、即ち水素原子が置換している場合は表記を省略している。
Figure 0004299681
Figure 0004299681
Figure 0004299681
Figure 0004299681
Figure 0004299681
Figure 0004299681
Figure 0004299681
本発明において色素記録層に含有する色素として、一般式(I)で表されるフタロシアニン色素を使用する場合、1種を単独で使用してもよく、また、構造の異なったものを複数種混合して用いてもよく、更に、他の色素と併用してもよい。特に、色素記録層の結晶化を防ぐ目的で、置換基の置換位置が異なる異性体の混合物を使用することが好ましい。
色素記録層は、前述した色素と、所望により結合剤と、を適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を上述の基板又は光反射層の表面に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成することができる。更に、塗布液中には、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、及び潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加されてもよい。
また、色素や結合剤を溶解処理する方法としては、超音波処理、ホモジナイザー処理、ディスパー処理、サンドミル処理、スターラー攪拌処理等の方法を適用することができる。
塗布液に使用する溶剤としては、例えば、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素及び結合剤の溶解性を考慮して単独で用いてもよいし、二種以上を適宜併用することもできる。
結合剤の例としては、例えば、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;及びポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。色素記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、色素に対して0.01〜50倍量(質量比)の範囲であることが好ましく、0.1〜5倍量の範囲であることがより好ましい。結合剤を色素記録層に含有させることにより色素記録層の保存安定性を改良することも可能である。
このようにして調製される塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。色素記録層は単層でも重層でもよい。色素記録層の層厚は、一般に、20〜500nmの範囲にあり、好ましくは50〜300nmの範囲にある。
また、塗布温度としては、23〜50℃であれば特に問題はないが、好ましくは24〜40℃、更に好ましくは25〜37℃である。
色素記録層には、該色素記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、及び同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の含有量は、色素記録層の全固形分中、通常、0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
形成された色素記録層の表面には、カバー層との密着性と、色素の保存性を高めるために、バリア層が形成されていてもよい。バリア層は、Zn、Si、Ti、Te、Sm、Mo、Ge等のいずれか1原子以上からなる酸化物、窒化物、炭化物、硫化物等の材料からなる層であり。また、バリア層は、ZnS−SiO2のようにハイブリット化されたものでもよい。バリア層は、スパッタリング、蒸着イオンプレーティング等により形成すること可能で、その厚さは、1〜100nmとすることが好ましい。
(カバー層)
カバー層は、接着層又は粘着層を介して(接着剤又は粘着剤を使用して)色素記録層側の表面に形成される。
カバー層は、記録及び再生に使用されるレーザー光に対して、透過率80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、カバー層は、その表面粗さRaが5nm以下である樹脂シートであることが好ましく、その樹脂シートとしては、ポリカーボネート(帝人社製ピュアエース、帝人化成社製パンライト)、3酢酸セルロース、(富士フイルム社製フジタック)、PET(東レ社製ルミラー)が挙げられ、ポリカーボネート、3酢酸セルロースがより好ましい。また、カバー層の表面粗さRaは、樹脂の種類、製膜方法、含有するフィラーの有無や有無などによって決まる。なお、カバー層の表面粗さRaは、例えば、WYKO社製HD2000によって測定される。
カバー層の厚さは、記録及び再生のために照射されるレーザ光の波長やNAにより、適宜、規定されるが、0.03〜0.15mmの範囲が好ましく、0.05〜0.12mmがより好ましい。また、カバー層と、接着層又は粘着層と、を合せた厚さは、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
カバー層を形成する際に用いられる接着層や粘着層は、柔軟性を備えているため、記録時に色素記録層の記録ピット部において発生する熱による空隙が形成される際、層自体が変形し、空隙の形成を妨げないという機能を有する。
ここで、空隙(ピット)の形成と、接着層や粘着層の変形と、の関係について、図1を用いて説明する。なお、図1は、空隙が形成された状態の光情報記録媒体を軸方向に切断した際の要部概略断面図である。図1に示す光情報記録媒体は、基板10上に、光反射層20と、色素記録層30と、バリア層40と、粘着層(又は接着層)50と、を順次備え、更に粘着層50上には、図示されないカバー層が設けられているものとする。
図1に示すような構成の光情報記録媒体に対して、色素記録層中の信号ピット部にレーザ光が照射されると、剛性の高い、基板10及び光反射層20の形状には変化が起きないものの、空隙60が形成された領域(記録ピット部)の色素記録層30が、バリア層40を図1の下方に押し出し、柔軟性の高い、粘着層50に凹状に変形を起こさせる。このように、粘着層(又は接着層)が空隙の形成を妨げない機能を有することにより、良好なピットが形成されることとなり、記録再生特性が安定するもの思われる。
接着層に一定以上の柔軟性を付与するため、接着層に用いられる接着剤としては、ガラス転移温度(Tg)が80℃以下であるものことが好ましく、30℃以下であることがより好ましく、0℃以下であることが更に好ましい。なお、接着剤のガラス転移温度とは、硬化後の接着剤のガラス転移温度を指す。
また、粘着層に一定以上の柔軟性を付与するため、粘着層に用いられる粘着剤も、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を調整し、粘着層の硬度を制御することが好ましい。
なお、これらの接着剤や粘着剤の他にも、カバー層を吸着させる機能を有していれば、エラストマーなどを用いてもかまわない。
前記接着剤としては、例えば、UV硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用することが好ましく、特に、UV硬化樹脂を使用することが好ましい。
接着層を設ける方法は、特に限定されないが、例えば、色素記録層側の表面上に所定量塗布し、カバー層を貼り合わせた後、スピンコートにより接着剤を、積層体とカバー層との間に均一になるように広げて、硬化させてもよい。
塗布する接着剤の量は、最終的に形成される接着層の厚さが、0.1〜100μmの範囲、好ましくは0.5〜50μmの範囲、より好ましくは10〜30μmの範囲になるように調整する。
接着剤としてUV硬化樹脂を使用する場合は、該UV硬化樹脂をそのまま、若しくは、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ディスペンサから積層体表面やカバー層に供給してもよい。また、作製される光情報記録媒体の反りを防止するため、用いるUV硬化樹脂は硬化収縮率の小さいものが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)社製の「SD−640」等のUV硬化樹脂を挙げることができる。
前記粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
上記粘着剤と併用される架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。かかるイソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート類を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品としては、日本ポリウレタン社製、コロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートHTL;武田薬品社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202;住友バイエル社製、デスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL;等を挙げることができる。
粘着剤は、色素記録層側の表面に所定量、均一に塗布し、カバー層を貼り合わせた後硬化させてもよいし、カバー層の色素記録層側に当接する面に、所定量を均一に塗布し、ディスク型積層体の色素記録層側の表面に貼り合わせ、その後、硬化させてもよい。
また、カバー層に、予め、粘着層が設けられた市販の粘着フィルムを用いてもよい。
(その他の層)
本発明に用いられる光情報記録媒体には、上述の任意の層に加えて、更に、種々の中間層が設けられてもよい。例えば、光反射層と色素記録層との間には、反射率や密着性を向上させるための中間層を設けてもよい。
<光情報記録方法>
本発明の光情報記録方法は、上述した未記録の光情報記録媒体に、カバー層側からレーザ光を照射し、当該色素記録層中の信号ピット部に空隙を形成することで記録を行う光情報記録方法であって、前記空隙の幅を50〜250nmの範囲とすることを特徴とする。かかる空隙の幅は、下限値としては、100nm以上であることがより好ましく、150nm以上であることが更に好ましい。また、上限値としては、230nm以下であることがより好ましく、220nm以下であることが更に好ましい。
なお、上記の上限値及び下限値は、それぞれが任意で組み合わせることができる。
ここで、空隙の幅を上記の範囲に制御する手段としては、記録を行う際の、レーザ光のパルス幅及び/又はパワーを調整する方法が挙げられる。
ここで、本発明における「空隙の幅」とは、グルーブの幅方向における空隙の幅の最大値(平均値)を指す。この空隙は、球状であったり、空豆状であったりする。この空隙の幅の最大値とは、グルーブの幅方向に空隙の最も広がった部分を指すものである(図1におけるWmaxに相当する)。
測定方法としては、まず、記録後の光情報記録媒体から色素記録層を境にカバー層を剥離する。これにより、色素記録層は、基板側に残留する部分と、カバー層側に付着する部分と、に分離することになる。その後、その基板側に残留した色素記録層に形成された空隙を電子顕微鏡で観察することで、本発明における空隙の幅の最大値を測定するものとする。この最大値の平均を求めるために、同条件で形成された空隙を10〜1000個程度測定することが好ましく、50〜200個程度測定することがより好ましい。
また、本発明の光情報記録方法は色素記録層の厚さに対して前記空隙の高さの占める割合を20〜95%の範囲とすることも要する。かかる空隙の高さの占める割合は、下限値としては、40%以上であることがより好ましく、60%以上であることが更に好ましい。また、上限値としては、90%以下であることがより好ましく、85%以下であることが更に好ましい。
なお、上記の上限値及び下限値は、それぞれが任意で組み合わせることができる。
ここで、色素記録層の厚さに対して空隙の高さの占める割合を上記の範囲に制御する手段としては、記録を行う際の、レーザ光のパルス幅及び/又はパワーを調整する方法が挙げられる。
ここで、本発明における「空隙の高さの占める割合」とは、色素記録層の厚さに対して、空隙幅の中心部(図1における1/2Wmaxに相当する)の、同方向における空隙の高さの最大値が占める割合を指す。この空隙の高さの最大値とは、空隙の色素記録層の厚さ方向に最も広がった部分を指すものである。より具体的には、図1に示すように、空隙60が形成された部分(信号ピット部)の色素記録層の厚さ(空隙60を含む)T30に対して、空隙60の高さの最大値T60が示す割合を指す。
空隙の高さの最大値の測定方法としては、FIB(Forced Ion Beam)を用いて空隙が形成されている色素記録層の断面(光情報記録媒体の軸方向の断面)を切り出し、電子顕微鏡で観察して測定する方法が用いられる。かかる方法では、必ずしも空隙の最も広がった部分を切断できるとは限らないため、同条件にて形成した空隙を所定の個数(例えば、10〜1000個程度、好ましくは50〜200個程度)切断し、空隙の最も広がった部分(空隙の高さの最大値)を求めることとする。次に、同じ断面から、色素記録層の厚さ(空隙を含む)を測定し、その色素記録層の厚さに対して空隙の高さの占める割合を算出する。
本発明における光情報記録方法は、具体的には、例えば、次のようにして行われる。まず、未記録の光情報記録媒体を所定の線速度(2〜60m/秒)、又は、所定の定角速度にて回転させながら、カバー層側から対物レンズを介して青紫色レーザ光(例えば、波長405nm)などの記録用の光を照射する。この照射光により、色素記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、所望の空隙(ピット)が生成してその光学特性が変わることにより情報が記録される。
レーザ光の光源としては、例えば、390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ、中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザ等を挙げることができる。
また、かかるレーザ光のパルス幅及びパワーの少なくともいずれか一方の出力条件を以下のようにすることにより、上述のような空隙を形成することができる。
レーザ光の記録波形は、1つのピットの形成する際には、パルス列でも1パルスでもかまわない。実際に記録しようとする長さ(ピットの長さ)に対する割合が重要である。
レーザ光のパルス幅としては、実際に記録しようとする長さに対して20〜95%の範囲が好ましく、30〜90%の範囲がより好ましく、35〜85%の範囲が更に好ましい。ここで、記録波形がパルス列の場合には、その和が上記の範囲にあることを指す。
パルス幅が95%より大きいと、形成されたピット(空隙)が大きくなりすぎてしまい、目的の再生パルス幅が長くなりすぎる。また、ジッタの悪化をも招く場合がある。
また、パルス幅が20%より小さいと、形成されたピット(空隙)が小さすぎて、目的の再生パルス幅より短くなりすぎる。また、ジッタの悪化をも招く場合がある。
なお、記録がパルス長変調の場合、実際に記録しようとする長さによってパルス幅の割合が変化する。良好な記録(ピットの形成)を行うためには、少なくとも一部のパルス幅の割合が上記の範囲内にあることが好ましい。
レーザ光のパワーとしては、記録線速によって異なるが、線速が5±0.5m/sの場合、2〜12mWの範囲が好ましく、3〜10mWの範囲がより好ましく、4〜8mWの範囲が更に好ましい。また、線速が2倍になった場合には、レーザ光のパワーの好ましい範囲は、それぞれ21/2倍となる。
パワーが12mWより大きいと、形成されたピット(空隙)が大きくなりすぎて、クロストークやジッタの増加を招く場合がある。
また、パルス幅が2mWより小さいと、充分な再生信号振幅が得られなかったり、ジッタが増加したりする場合がある。
更に、レーザ光の他の条件としては、リムインテンシティが、下限値として、40%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。また、リムインテンシティの上限値は、80%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましい。かかるリムインテンシティが40%より小さいと、ジッタの増加を招く場合があり、対して、ムインテンシティが80%より大きいと、レーザパワーが不足することがある。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズのNAは0.7以上が好ましく、0.85以上がより好ましい。
このように、本発明の光情報記録方法により記録された光情報記録媒体は、空隙(ピット)が良好に形成されているということになり、その記録再生特性が優れ、かつ、安定したものとなる。
本発明の光情報記録方法により記録された光情報記録媒体は、所定の定線速度で回転させながら青紫色レーザ光をカバー層側から照射して、その反射光を検出することにより情報の再生を行うことができる。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(実施例1)
<光情報記録媒体の製造>
厚さ1.1mm、外径120mm、内径15mmでスパイラル状のグルー(溝深さ40nm、幅150nm、トラックピッチ340nm)を有する射出成形ポリカーボネート樹脂(パンライトAD5503、帝人社製)からなる基板のグルーブを有する面上に、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングによりAgPdDu合金からなる光反射層(厚さ120nm)を形成した。
下記化学式で表わされる色素A(n=1.88、k=0.042):2.5gを、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール100ml中に添加して溶解し、色素塗布液を調製した。調製した色素塗布液を、スピンコート法により回転数300〜4000rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で光反射層上に塗布した。その後、23℃、50%RHで1時間保存して、色素記録層(イングルーブの厚さ120nm、オングルーブの厚さ100nm)を形成した。
ここで、イングルーブ及びオングルーブの厚さは、色素塗布液を塗布後、FIBにて断面を切断し、SEM(加速電圧1kV、5万倍、70度傾斜観察)で観察した断面形状から測定した。
Figure 0004299681
色素記録層を形成した後、クリーンオーブンにて、80℃1時間のアニール処理を施した。
その後、色素記録層上に、RFスパッタリングによりZnS−SiO2(ZnS:SiO2=8:2(質量比))からなるバリア層(厚さ5nm)を形成して、積層体を作製した。
その後、形成されたバリア層上に、粘着剤を用いてポリカーボネートからなるカバー層(ピュアエース、帝人社製、厚さ80μm)を貼り合せ、実施例1の光情報記録媒体を作製した。この際、粘着層の厚さは20μmであり、カバー層と接着層とで合せて、100μmであった。
<光情報記録媒体の記録、及び記録特性評価(ジッタの測定)>
作製した光情報記録媒体を、405nmレーザ、NA0.85ピックアップを積んだ記録再生評価機(パルステック社製:DDU1000)を用い、クロック周波数66MHz、線速5.2m/sにてランダム信号(4T信号)を記録し、TIA(タイム・インターバル・アナライザー)によりジッタを測定した。結果を表8に示す。なお、用いたレーザ光のパルス幅及びパワーは、表8に記載した。ここで、パルス幅(%)は、4T信号を記録しようとする際のパルス幅の割合を示す。
また、表8に記載した空隙の幅及び空隙の高さは、上述した測定方法を用いて観察・測定し、算出したものである。
Figure 0004299681
(実施例2及び3、比較例1及び2)
実施例1と同じ方法で作製した未記録の光情報記録媒体に対し、レーザ光のパルス幅及びパワーを表8に記載のように代えてランダム信号を記録した他は、実施例1と同様の光情報記録方法により、情報の記録を行った。また、その際、実施例1と同様にして、ジッタの測定を行った。その結果を表8に併記した。
表8の結果から、比較例1及び2における光情報記録媒体のジッタが測定不能であったのに対し、本発明の光情報記録方法により記録された実施例1〜3における光情報記録媒体は、ジッタが低く押さえられており、良好で安定した記録再生特性を有することが明らかとなった。
空隙が形成された状態の光情報記録媒体を軸方向に切断した際の要部概略断面図である。
符号の説明
10 基板
20 光反射層
30 色素記録層
40 バリア層
50 粘着層(又は接着層)
60 空隙
30 色素記録層の厚さ(空隙を含む)
60 空隙の高さの最大値
max 空隙の幅の最大値

Claims (8)

  1. トラックピッチが200〜400nmのプリグルーブを有する基板上に設けられた色素記録層側の表面に、粘着層又は接着層を介してカバー層が設けられた光情報記録媒体に、該カバー層側からレーザ光を照射し、当該色素記録層中の信号ピット部に空隙を形成することで記録を行う光情報記録方法であって、
    前記空隙の幅を50〜250nmの範囲とし、且つ、前記色素記録層の厚さに対して前記空隙の高さの占める割合を20〜95%の範囲とすることを特徴とする光情報記録方法。
  2. 前記光情報記録媒体が、基板と色素記録層との間に光反射層を有することを特徴とする請求項1に記載の光情報記録方法。
  3. 前記光情報記録媒体が、下記一般式(I)で表されるフタロシアニン色素を含有する有機記録層を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光情報記録方法。
    Figure 0004299681

    [一般式(I)中、R α1 〜R α8 及びR β1 〜R β8 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホ基、炭素数1〜20の置換若しくは無置換のアルキル基、炭素数6〜14の置換若しくは無置換のアリール基、炭素数1〜10の置換若しくは無置換のヘテロ環基、炭素数1〜20の置換若しくは無置換のアルコキシ基、炭素数6〜14の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、炭素数2〜21の置換若しくは無置換のアシル基、炭素数1〜20の置換若しくは無置換のアルキルスルホニル基、炭素数6〜14の置換若しくは無置換のアリールスルホニル基、炭素数1〜10のヘテリルスルホニル基、炭素数1〜25の置換若しくは無置換のカルバモイル基、炭素数0〜32の置換若しくは無置換のスルファモイル基、炭素数2〜20の置換若しくは無置換のアルコキシカルボニル基、炭素数7〜15のアリールオキシカルボニル基、炭素数2〜21の置換若しくは無置換のアシルアミノ基、又は炭素数1〜20の置換若しくは無置換のスルホニルアミノ基を表す。また、R α1 〜R α8 のすべてが水素原子であることはなく、R α1 〜R α8 及びR β1 〜R β8 のうち少なくとも8つは水素原子である。Mは、2個の水素原子、2価〜4価の金属原子、2価〜4価のオキシ金属原子、又は配位子を有する2価〜4価の金属原子を表す。]
  4. 前記光情報記録媒体が、20〜500nmの厚みの色素記録層を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光情報記録方法。
  5. 前記レーザ光の光源が、390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光情報記録方法。
  6. 前記レーザ光のパルス幅が、実際に記録しようとする長さに対して20〜90%であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光情報記録方法。
  7. 前記レーザ光のパワーが、線速が5±0.5m/sの場合、2〜12mWの範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光情報記録方法。
  8. 前記レーザ光の照射は対物レンズを介して行われ、該対物レンズのNAが0.7以上であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の光情報記録方法。
JP2004002689A 2003-01-08 2004-01-08 光情報記録方法 Expired - Fee Related JP4299681B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004002689A JP4299681B2 (ja) 2003-01-08 2004-01-08 光情報記録方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003001952 2003-01-08
JP2004002689A JP4299681B2 (ja) 2003-01-08 2004-01-08 光情報記録方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004234824A JP2004234824A (ja) 2004-08-19
JP4299681B2 true JP4299681B2 (ja) 2009-07-22

Family

ID=32964606

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004002689A Expired - Fee Related JP4299681B2 (ja) 2003-01-08 2004-01-08 光情報記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4299681B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4550682B2 (ja) * 2004-07-16 2010-09-22 三菱化学メディア株式会社 光記録媒体及び光記録媒体の光記録方法
CN101714369B (zh) 2004-07-16 2013-04-24 三菱化学媒体株式会社 光记录介质及光记录介质的光记录方法
JP2006260730A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Fuji Photo Film Co Ltd 光ディスクおよび光記録方法
JP2012018703A (ja) * 2010-07-06 2012-01-26 Sony Corp 光記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004234824A (ja) 2004-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070122747A1 (en) Optical information recording method and optical information recording medium
US6808782B2 (en) Optical information recording medium
EP1265233B1 (en) Optical information recording medium
JP2007030505A (ja) 光情報記録媒体
JP4299681B2 (ja) 光情報記録方法
JP2005100600A (ja) 光記録媒体
JP2009066893A (ja) 光情報記録媒体および情報記録方法
JP2004050612A (ja) 光情報記録媒体および情報記録方法
EP1876592A1 (en) Optical recording medium and its manufacturing method
JPWO2006043526A1 (ja) 光情報媒体
JP2005174408A (ja) 光情報記録媒体、光情報記録媒体の製造方法、及び光情報記録方法
JP2003263779A (ja) 光情報記録媒体及びその製造方法
JP2005190559A (ja) 光情報記録媒体
JP2004142158A (ja) 光情報記録媒体および情報記録方法
JP4098487B2 (ja) 光情報記録媒体
JP2006181908A (ja) 光情報記録媒体及び光情報記録方法
JP2005174406A (ja) 光情報記録媒体、光情報記録媒体の製造方法、及び光情報記録方法
JP2002367219A (ja) 光情報記録媒体
JP2009066895A (ja) 光情報記録媒体および情報記録方法
JP2004014064A (ja) 光情報記録媒体
JP2005279964A (ja) 光情報記録媒体および情報記録方法
JP2006147131A (ja) 光情報記録媒体
JP2005141807A (ja) 光情報記録媒体及び光情報記録方法
JP2008047179A (ja) 光情報記録媒体
JP2006092710A (ja) 光情報記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060502

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080603

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081021

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090414

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090417

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120424

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130424

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees