JP2004090564A - 光情報記録媒体および情報記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】短波長のレーザー光、とりわけ汎用性の高い波長405nm近辺の半導体レーザー光によって記録再生が可能であり、かつ優れた記録特性を有する光情報記録媒体および短波長レーザー光による情報の高密度記録が可能な情報記録方法を提供すること。
【解決手段】基板上に波長440nm以下のレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層がインドアニリン金属キレート化合物を含有することを特徴とする光情報記録媒体である。
【選択図】なし
【解決手段】基板上に波長440nm以下のレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層がインドアニリン金属キレート化合物を含有することを特徴とする光情報記録媒体である。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光を用いて情報の記録および再生が可能な光情報記録媒体および情報記録方法に関するものである。特に本発明は、波長440nm以下の短波長レーザー光を用いて情報を記録するのに適したヒートモード型の光情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レーザー光によって一回限りの情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知られている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD−R)とも称され、その代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金などの金属からなる光反射層、さらに樹脂製の保護層がこの順に積層状態で設けられている。そして、このCD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザー光(通常は780nm付近の波長のレーザー光)をCD−Rに照射することによって行われ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的或いは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性が変わることによって、情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光を照射することによって行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することによって情報が再生される。
【0003】
近年、さらに高い記録密度の光情報記録媒体が求められている。このような要望に対しては、追記型デジタル・ヴァーサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。このDVD−Rは、照射されるレーザー光のトラッキングのための案内溝(プレグルーブ)がCD−Rに比べて半分以下(0.74〜0.8μm)と狭く形成された透明な円盤状基板上に、色素からなる記録層、そして通常は該記録層の上に光反射層、そして更に必要によって保護層を設けてなるディスクを二枚、あるいは該ディスクと同じ形状の円盤状保護基板を該記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた構造を有している。DVD−Rへの情報の記録再生は、可視レーザー光(通常は、630nm〜680nmの範囲の波長のレーザー光)を照射することによって行われ、CD−Rより高密度の記録が可能であるとされている。
【0004】
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえており、画像情報を安価簡便に記録するため大容量な記録媒体の要求が高まっている。DVD−Rは、大容量の記録媒体としての地位がある程度までは確保されるものの、将来の要求に対応できる程充分大きな記録容量を有しているとは言えない。そこで、DVD−Rよりも更に短波長のレーザー光を用いることによって記録密度を向上させ、より大きな記録容量を備えた光ディスクの開発が進められている。
【0005】
従来、有機色素を含む記録層を有する光情報記録媒体において、記録層側から光反射層側に向けて波長530nm以下のレーザー光を照射することによって、情報の記録再生を行う記録再生方法が提案されている(例えば、特許文献1〜15参照。)。
【0006】
具体的には、記録層の色素として、ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチンシアニン色素、ジシアノビニルフェニル骨格色素、クマリン化合物、ナフタロシアニン化合物等を用いた光ディスクに、青色(波長430nm、488nm)または青緑色(波長515nm)のレーザー光を照射することによって情報の記録再生を行う情報記録再生方法が提案されている。
【0007】
【非特許文献1】
「日経ニューメディア」別冊「DVD」、1995年
【特許文献1】
特開平4−74690号公報
【特許文献2】
特開平7−304256号公報
【特許文献3】
特開平7−304257号公報
【特許文献4】
特開平8−127174号公報
【特許文献5】
特開平11−53758号公報
【特許文献6】
特開平11−334204号公報
【特許文献7】
特開平11−334205号公報
【特許文献8】
特開平11−334206号公報
【特許文献9】
特開平11−334207号公報
【特許文献10】
特開2000−43423号公報
【特許文献11】
特開2000−108513号公報
【特許文献12】
特開2000−113504号公報
【特許文献13】
特開2000−149320号公報
【特許文献14】
特開2000−158818号公報
【特許文献15】
特開2000−228028号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者の検討では、上記公報に記載の光ディスクは、実用上感度、そして反射率や変調度などの記録特性においては尚充分でないことから、更に改良を要することが判明した。
本発明の課題は、CD−RやDVD−Rよりも更に短波長のレーザー光、特に波長440nm以下、とりわけ汎用性の高い波長405nm近辺の半導体レーザー光によって記録再生が可能であり、かつ優れた記録特性を有する光情報記録媒体を提供することである。
また、本発明の課題は、短波長レーザー光に対して高い感度を示す色素化合物を含む記録層を設けた光情報記録媒体を用いることによって、情報の高密度記録が可能な情報記録方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者の研究により、含窒素芳香族縮合環を有するインドアニリン金属キレート化合物を記録層の記録材料として用いることで、波長が440nm以下の短波長のレーザー光に対しても高い感度を示し、かつ高い反射率、そして高い変調度を与える良好な記録再生特性を備えた光情報記録媒体を製造できることが見出された。
【0010】
本発明は、基板上に波長440nm以下のレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層がインドアニリン金属キレート化合物を含有する光情報記録媒体にある。
【0011】
また本発明は、上記光情報記録媒体に波長440nm以下のレーザー光を照射して情報を記録する情報記録方法にもある。
【0012】
本発明の光情報記録媒体は、以下の態様であることが好ましい。
(1)インドアニリン金属キレート化合物が下記一般式(I)で表される:
【0013】
【化1】
【0014】
式中、Mm+は、酸素原子および少なくとも一つのR1に配位するm価の金属カチオンを表す。R1およびR2は置換基を表し、R3およびR4はそれぞれ独立に、アルキル基、アラルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。Yn−はn価のアニオンを表す。mおよびnはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、pおよびqはそれぞれ独立に1〜4の整数を表し、tは1〜4の整数を表し、kは0〜5の整数を表す。R1とR2、R3とR4、R2とR3、R2とR4、pが2以上の整数の場合においてはR1同士、またはqが2以上の整数の場合においてはR2同士は互いに連結して環を形成していてもよい。
【0015】
(2)一般式(I)において、Mが銅、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、マグネシウム、アルミニウム、または亜鉛である。
(3)記録層とは別に金属からなる光反射層を具えている。
(4)記録層とは別に保護層を具えている。
(5)基板が、その表面にトラックピッチ0.2〜0.5μmのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板であり、記録層が、前記プレグルーブが形成された側の表面に設けられている。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の光情報記録媒体は、基板上に波長440nm以下のレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、記録層がインドアニリン金属キレート化合物を含有することを特徴とする。
【0017】
本発明の光情報記録媒体に用いられるインドアニリン金属キレート化合物は、下記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。
【0018】
【化2】
【0019】
式中、Mm+は酸素原子および少なくとも一つのR1に配位するm価の金属カチオンを表す。R1およびR2は置換基を表し、R3およびR4はそれぞれ独立に、アルキル基、アラルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Yn−はn価のアニオンを表す。mおよびnはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、pおよびqはそれぞれ独立に1〜4の整数を表し、tは1〜4の整数を表し、kは0〜5の整数を表す。R1とR2、R3とR4、R2とR3、R2とR4、pが2以上の整数の場合におけるR1同士、またはqが2以上の整数の場合におけるR2同士は互いに連結して環を形成していてもよい。
【0020】
一般式(I)において、Mで表される金属として好ましいものは銅、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、マグネシウム、アルミニウム、または亜鉛であり、更に銅、ニッケル、コバルトおよび亜鉛が好ましく、特に銅およびニッケルが好ましい。mは、好ましくは1〜3であり、さらに好ましくは2である。
【0021】
一般式(I)において、R1およびR2で表される置換基の好ましい例としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数7〜15のアラルキル基、炭素原子数1〜10のヘテロ環基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基、炭素原子数1〜20のアルキルスルフェニル基、炭素原子数6〜14のアリールスルフェニル基、炭素原子数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素原子数6〜14のアリールスルホニル基、炭素原子数2〜21のアシル基、炭素原子数1〜25のカルバモイル基、炭素原子数0〜32のスルファモイル基、炭素原子数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数7〜15のアリールオキシカルボニル基、炭素原子数2〜21のアシルアミノ基、炭素原子数1〜20のスルホニルアミノ基、炭素原子数0〜32のアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基およびハロゲン原子を挙げることができるが、更に好ましいものは、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数1〜7のヘテロ環基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数1〜16アルキルスルホニル基、炭素原子数6〜10のアリールスルホニル基、炭素原子数2〜17のアシル基、炭素原子数1〜19のカルバモイル基、炭素原子数0〜20のスルファモイル基、炭素原子数1〜17のアルコキシカルボニル基、炭素原子数7〜11のアリールオキシカルボニル基、炭素原子数2〜17のアシルアミノ基、炭素原子数1〜16のスルホニルアミノ基、炭素原子数0〜16のアミノ基、シアノ基、カルボキシ基、スルホ基およびハロゲン原子であり、特に好ましいものは、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜5の含窒素ヘテロ環基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜15のカルバモイル基、炭素原子数1〜13のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜13のアシルアミノ基およびハロゲン原子である。また、R1とR2とは、または、pが2以上の整数の場合においてはR1同士若しくはqが2以上の整数の場合においてはR2同士は、互いに連結して環を形成していてもよい。
【0022】
一般式(I)において、R3またはR4で表されるアルキル基として好ましいものは、炭素原子数1〜20のアルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数1〜16のアルキル基であり、特に炭素原子数1〜12のアルキル基が好ましい。
一般式(I)において、R3またはR4で表されるアラルキル基として好ましいものは、炭素原子数7〜15のアラルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数7〜11のアラルキル基であり、特にベンジルが好ましい。
一般式(I)において、R3またはR4で表されるアリール基として好ましいものは、炭素原子数6〜14のアリール基であり、更に好ましくは、炭素原子数6〜10のアリール基であり、特にフェニルが好ましい。
一般式(I)において、R3またはR4で表されるヘテロ環基として好ましいものは、炭素原子数1〜10のヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素原子数1〜7のヘテロ環基であり、特に炭素原子数1〜5の含窒素ヘテロ環基が好ましい。
【0023】
一般式(I)において、R3およびR4は両者共に炭素原子数1〜5のアルキル基である場合が最も好ましく、R3およびR4、R2およびR3、またはR2およびR4が互いに連結して環を形成する場合、その環員数は5または6が好ましい。
【0024】
一般式(I)において、pは1〜3が好ましく、更に2または3が好ましく、qは1〜2が好ましく、更に1が好ましい。tは1〜3が好ましく、更に1または2が好ましく、kは1〜3が好ましく、更に2が好ましい。
【0025】
一般式(I)において、Yn−で表されるn価のアニオンは無機のアニオンでも有機のアニオンでもよく、前者として好ましいものは、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、四フッ化ホウ素イオン、五フッ化リンイオンまたは六フッ化アンチモンイオンであり、特に塩素イオン、臭素イオン、過塩素酸イオン、四フッ化ホウ素イオン、五フッ化リンイオン、六フッ化アンチモンイオンが好ましく、後者として好ましいものは、有機スルホン酸イオン、有機カルボン酸イオンまたは有機リン酸イオンであり、特に有機スルホン酸イオンが好ましく、nは1〜3が好ましく、特に1または2が好ましい。
【0026】
一般式(I)において、R1およびR2で表される置換基は更に置換基を有していてもよく、その置換基の例としては、以下に記載のものを挙げることができる。
上記置換基の例としては、炭素原子数1〜20の鎖状または環状のアルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、シクロヘキシル)、炭素原子数6〜18のアリール基(例えば、フェニル、クロロフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル、1−ナフチル)、炭素原子数7〜18のアラルキル基(例えば、ベンジル、アニシル)、炭素原子数2〜20のアルケニル基(例えば、ビニル、2−メチルビニル)、炭素原子数2〜20のアルキニル基(例えば、エチニル、2−メチルエチニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素原子数2〜20のアシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、炭素原子数1〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ、トルオイル)、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチオ、ベンジルチオ、3−メトキシプロピルチオ)、炭素原子数6〜20のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、炭素原子数1〜20のアルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、炭素原子数6〜20のアリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンスルホニル)、炭素原子数1〜17のカルバモイル基(例えば、無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル)、炭素原子数1〜16のアミド基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド)、炭素原子数2〜10のアシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、5もしくは6員のヘテロ環基(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルなどの芳香族ヘテロ環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピラン環、チオピラン環、ジオキサン環、ジチオラン環などのヘテロ環)が挙げられる。
【0027】
一般式(I)において、R1およびR2で表される置換基の置換基として、より好ましいものは炭素原子数1〜16の鎖状または環状のアルキル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数7〜15のアラルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数2〜17のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1〜10のカルバモイル基、炭素原子数1〜10のアミド基、炭素原子数1〜16のアルキルスルホニル基、炭素原子数6〜10のアリールスルホニル基であり、中でも好ましいものは、炭素原子数1〜10の鎖状または環状のアルキル基、炭素原子数7〜13のアラルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、塩素原子、炭素原子数2〜11のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1〜7のカルバモイル基、炭素原子数1〜8のアミド基、炭素原子数1〜12のアルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基であり、特に好ましいものは、炭素原子数3〜10の鎖状分岐または環状のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数3〜9のアルコキシカルボニル基、フェニル基、炭素原子数1〜8のアルキルスルホニル基である。
【0028】
本発明の光情報記録媒体に用いられるインドアニリン金属キレート化合物は、更に下記一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。
【0029】
【化3】
【0030】
式中、Mm+、R1、R2、R3、R4、Yn−、m、n、q、tおよびkは一般式(I)におけるMm+、R1、R2、R3、R4、Yn−、m、n、q、tおよびkと同義である。Aは、XとR5の置換する炭素原子とを連結して環を形成するのに必要な原子群を表す。Xは炭素原子または窒素原子を表し、R5はアゾメチン窒素原子と水素結合可能な基を表す。R3とR4、R2とR3またはR2とR4は互いに連結して環を形成していてもよく、Xが炭素原子のとき、Mm+はXに配位せず、酸素原子およびR1に配位する。
【0031】
一般式(II)において、Mm+、R1、R2、R3、R4、Yn−、m、n、q、tおよびkの好ましい範囲は、一般式(I)におけるMm+、R1、R2、R3、R4、Yn−、m、n、q、tおよびkの好ましい範囲と同様である。
【0032】
一般式(II)において、AがXとR5の置換する炭素原子とに連結して形成する環は、5員環または6員環が好ましく、特に6員環が好ましく、この時Xは窒素原子であることが好ましい。
【0033】
一般式(II)において、R5は水酸基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アラルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アラルキルオキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であることが好ましく、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、またはカルバモイルアミノ基が更に好ましく、特にアシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、またはアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。
【0034】
一般式(II)において、R1、R2、R3、R4、R5およびAで表される置換基は更に置換基を有していてもよく、その置換基の例としては、一般式(I)において、置換基R1またはR2の置換基として挙げたものを挙げることができ、その好ましいものも同様である。
【0035】
一般式(I)または一般式(II)で表される化合物は、任意の位置で結合して多量体を形成していてもよく、この場合の各単位は互いに同一でも異なっていてもよく、またポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、セルロース等のポリマー鎖に結合していてもよい。
【0036】
本発明の光情報記録媒体に用いられる一般式(I)で表されるインドアニリン金属キレート化合物は、特定の化合物単独で使用してもよく、また構造の異なったものを複数種混合して用いてもよいが、単独で使用することが好ましい。また、記録層中の本発明におけるインドアニリン金属キレート化合物の含有量は、記録層全体の乾燥質量に対し、30〜100質量%が好ましく、60〜100質量%が更に好ましく、90〜100質量%が最も好ましい。さらに、本発明における記録層には、本発明の効果に影響を与えない範囲で従来の光情報記録媒体に用いることのできる色素を本発明におけるインドアニリン金属キレート化合物と併用してもよい。
【0037】
本発明に用いられる一般式(I)または一般式(II)で表される化合物の具体例としては、特開2002−52825公報の一般式(I)の具体例として引用および記載されているものに加え、次の具体例(化合物(1)〜(27))を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】
本発明に用いられるインドアニリン金属キレート化合物は、特開2002−52825公報の一般式(I)で表される化合物の合成法として引用されている方法によって容易に合成することができる。
【0046】
本発明の光情報記録媒体は、基板上に前記インドアニリン金属キレート化合物を含有する記録層を有する。本発明の光情報記録媒体には、種々の構成のものが含まれる。本発明の光情報記録媒体は、一定のトラックピッチのプレグルーブが形成された円盤状基板上に記録層、光反射層および保護層をこの順に有する構成、あるいは該基板上に光反射層、記録層および保護層をこの順に有する構成であることが好ましい。また、一定のトラックピッチのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板上に記録層および光反射層が設けられてなる二枚の積層体が、それぞれの記録層が内側となるように接合された構成も好ましい。
【0047】
本発明の光情報記録媒体は、より高い記録密度を達成するためにCD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチのプレグルーブが形成された基板を用いることが可能である。本発明の光情報記録媒体の場合、該トラックピッチは0.2〜0.8μmの範囲にあることが好ましく、更に0.2〜0.5μmの範囲にあることが好ましく、特に0.2〜0.4μmの範囲にあることが好ましい。
プレグルーブの深さは、0.01〜0.18μmの範囲にあることが好ましく、更に0.01〜0.15μmの範囲にあることが好ましく、特に0.02〜0.15μmの範囲にあることが好ましい。
隣接するプレグルーブ同士の幅は0.05〜0.4μmの範囲にあることが好ましく、更に0.08〜0.3μmの範囲にあることが好ましく、特に0.1〜0.25μmの範囲にあることが好ましい。
【0048】
本発明の光情報記録媒体として、円盤状基板上に記録層、光反射層、および保護層をこの順に有する構成のものを例にとって、以下にその製造方法を説明する。
本発明の光情報記録媒体の基板は、従来の光情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。基板材料としては、例えばガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
【0049】
記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上および記録層の変質防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することによって形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0050】
記録層の形成は、蒸着、スパッタリング、CVDまたは溶剤塗布等の方法によって行うことができ、その中でも溶剤塗布が好ましい。この場合、前記色素化合物、更に所望によってクエンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することによって行うことができる。塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;メチルシクロヘキサンなどの炭化水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0051】
結合剤を使用する場合に、結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
【0052】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層の層厚は一般に0.01〜0.5μmの範囲にあり、好ましくは0.015〜0.3μmの範囲にあり、より好ましくは0.02〜0.1μmの範囲にある。
【0053】
記録層には、記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。上記褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−81194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同63−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、および同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。好ましい一重項酸素クエンチャーの例としては、下記の一般式(III)で表される化合物を挙げることができる。
【0054】
【化11】
【0055】
但し、R21は置換基を有していてもよいアルキル基を表わし、そしてQ−はアニオンを表わす。
【0056】
一般式(III)において、R21は置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基が一般的であり、無置換の炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、F,Cl)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシ)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アルケニル基(例えば、ビニル)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル)を挙げることができる。これらの中で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基が好ましい。Q−のアニオンの好ましい例としては、ClO4 −、AsF6 −、BF4 −、およびSbF6 −を挙げることができる。
一般式(III)で表される化合物例を表1に記載する。
【0057】
【表1】
【0058】
前記一重項酸素クエンチャーなどの褪色防止剤の使用量は、色素(本発明におけるインドアニリン金属キレート化合物を含む)の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、1〜40質量%の範囲、特に好ましくは2〜25質量%の範囲である。
【0059】
記録層に隣接して、情報の再生時における反射率の向上の目的で光反射層を設けることが好ましい。光反射層の材料である光反射性物質はレーザー光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au金属、Ag金属、Al金属あるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Ag金属、Al金属あるいはそれらの合金である。光反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板もしくは記録層の上に形成することができる。光反射層の層厚は、一般的には0.01〜0.3μmの範囲にあり、0.05〜0.2μmの範囲にあることが好ましい。
【0060】
光反射層もしくは記録層の上には、記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層を設けることが好ましい。なお、DVD−R型の光情報記録媒体を製造する場合と同様の形態、すなわち二枚の基板を、記録層を内側にして張り合わせる構成をとる場合は、必ずしも保護層の付設は必要ではない。保護層に用いられる材料の例としては、Zn−SiO2、ZnS、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si3N4等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。保護層は、例えばプラスチックの押出加工で得られたフィルムを、接着剤を介して反射層上にラミネートすることによって形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。以上の工程によって、基板上に、記録層、光反射層そして保護層、あるいは基板上に、光反射層、記録層そして保護層が設けられた積層体を製造することができる。
【0061】
本発明の光情報記録方法は、上記光情報記録媒体を用いて、例えば、次のように行われる。まず光情報記録媒体を定線速度(DVD−Rフォーマットの場合は3.84m/秒)または定角速度にて回転させながら、基板側あるいは保護層側から半導体レーザー光などの記録用の光を照射する。この光の照射により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。本発明においては、記録光として390〜440nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザー光が用いられる。好ましい光源としては390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー光、中心発振波長850nmまたは820nmの赤外半導体レーザー光を光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長がそれぞれ425nmまたは410nmの青紫色SHGレーザー光を挙げることができる。特に記録密度の点で青紫色半導体レーザー光を用いることが好ましい。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザー光を基板側あるいは保護層側から照射して、その反射光を検出することによって行うことができる。
【0062】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0063】
[実施例1]
上述の化合物(1)を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、記録層形成用塗布液(濃度:1質量%)を得た。この塗布液を表面にスパイラル状のプレグルーブ(トラックピッチ:0.4μm、グルーブ幅:0.2μm、グルーブの深さ:0.05μm)が射出成形により形成されたポリカーボネート基板(直径:120mm、厚さ:0.6mm)のそのプレグルーブ側の表面にスピンコート法により塗布し、記録層(厚さ(プレグルーブ内):約80nm)を形成した。
次に、記録層上に銀をスパッタして厚さ約100nmの光反射層を形成した。更に、光反射層上にUV硬化性樹脂(SD318、大日本インキ化学工業(株)製)を塗布し、紫外線を照射して硬化させ、層厚7μmの保護層を形成した。
以上の工程によって本発明に従う光ディスク(光情報記録媒体)を得た。
【0064】
[実施例2〜9]
実施例1において、化合物(1)を表2に示す化合物に変えた(使用量は変更なし)こと以外は同様にして、本発明に従う光ディスクを製造した。
【0065】
[比較例1〜4]
実施例1において、化合物(1)を下記に示す比較用色素化合物A〜D(使用量は変更なし)に変更したこと以外は同様にして、比較用の光ディスクを製造した。
【0066】
〔光ディスクとしての評価1〕
上記で作製した光ディスクに線速度3.5m/秒で14T−EFM信号を発振波長405nmの青紫色半導体レーザー光を用いて記録したのち、記録した信号を再生した。最適パワーでの変調度、グルーブ反射率、および感度を測定した。記録および記録特性評価はパルステック工業(株)製DDU1000を用いて行った。評価結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
表2の結果から、本発明の特徴とする特定のインドアニリン金属キレート化合物を含有する記録層を有する光ディスク(実施例1〜9)は、比較化用色素合物A〜Dを含む記録層を有する光ディスク(比較例1〜4)に比べて、上記青紫色半導体レーザー光に対して高い反射率を示し、かつ高い変調度を与え、しかも高感度であることがわかる。従って、本発明に従う特定のインドアニリン金属キレート化合物を用いることで、短波長レーザー光に対して高い記録特性を具えた光ディスクが得られることがわかる。
【0069】
《比較用色素化合物》
(A):特開平4−74690号公報の実施例1に記載の化合物
【化12】
【0070】
(B):特開平11−334205号公報の実施例1に記載の化合物(III)
【化13】
【0071】
(C):特開2000−43423号公報の実施例9に記載の化合物(50)
【化14】
【0072】
(D):特開2000−149320号公報記載の具体例1−1
【化15】
【0073】
【発明の効果】
本発明は、記録層にインドアニリン金属キレート化合物を用いることによって、440nm以下の短波長のレーザー光に対して高い反射率を示し、かつ高い変調度を与える高感度な光情報記録媒体を得ることができる。従って、CD−RやDVD−Rの場合よりも情報の高密度記録が可能となり、更に大容量の情報の記録が可能な光情報記録媒体を提供することができる。
また、短波長レーザー光、特に440nm以下の短波長のレーザー光に対して高い感度を示すインドアニリン金属キレート化合物を含む記録層を設けた光情報記録媒体を用いることにより、情報の高密度記録が可能な情報記録方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光を用いて情報の記録および再生が可能な光情報記録媒体および情報記録方法に関するものである。特に本発明は、波長440nm以下の短波長レーザー光を用いて情報を記録するのに適したヒートモード型の光情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、レーザー光によって一回限りの情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知られている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD−R)とも称され、その代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金などの金属からなる光反射層、さらに樹脂製の保護層がこの順に積層状態で設けられている。そして、このCD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザー光(通常は780nm付近の波長のレーザー光)をCD−Rに照射することによって行われ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的或いは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性が変わることによって、情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光を照射することによって行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することによって情報が再生される。
【0003】
近年、さらに高い記録密度の光情報記録媒体が求められている。このような要望に対しては、追記型デジタル・ヴァーサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。このDVD−Rは、照射されるレーザー光のトラッキングのための案内溝(プレグルーブ)がCD−Rに比べて半分以下(0.74〜0.8μm)と狭く形成された透明な円盤状基板上に、色素からなる記録層、そして通常は該記録層の上に光反射層、そして更に必要によって保護層を設けてなるディスクを二枚、あるいは該ディスクと同じ形状の円盤状保護基板を該記録層を内側にして接着剤で貼り合わせた構造を有している。DVD−Rへの情報の記録再生は、可視レーザー光(通常は、630nm〜680nmの範囲の波長のレーザー光)を照射することによって行われ、CD−Rより高密度の記録が可能であるとされている。
【0004】
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえており、画像情報を安価簡便に記録するため大容量な記録媒体の要求が高まっている。DVD−Rは、大容量の記録媒体としての地位がある程度までは確保されるものの、将来の要求に対応できる程充分大きな記録容量を有しているとは言えない。そこで、DVD−Rよりも更に短波長のレーザー光を用いることによって記録密度を向上させ、より大きな記録容量を備えた光ディスクの開発が進められている。
【0005】
従来、有機色素を含む記録層を有する光情報記録媒体において、記録層側から光反射層側に向けて波長530nm以下のレーザー光を照射することによって、情報の記録再生を行う記録再生方法が提案されている(例えば、特許文献1〜15参照。)。
【0006】
具体的には、記録層の色素として、ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチンシアニン色素、ジシアノビニルフェニル骨格色素、クマリン化合物、ナフタロシアニン化合物等を用いた光ディスクに、青色(波長430nm、488nm)または青緑色(波長515nm)のレーザー光を照射することによって情報の記録再生を行う情報記録再生方法が提案されている。
【0007】
【非特許文献1】
「日経ニューメディア」別冊「DVD」、1995年
【特許文献1】
特開平4−74690号公報
【特許文献2】
特開平7−304256号公報
【特許文献3】
特開平7−304257号公報
【特許文献4】
特開平8−127174号公報
【特許文献5】
特開平11−53758号公報
【特許文献6】
特開平11−334204号公報
【特許文献7】
特開平11−334205号公報
【特許文献8】
特開平11−334206号公報
【特許文献9】
特開平11−334207号公報
【特許文献10】
特開2000−43423号公報
【特許文献11】
特開2000−108513号公報
【特許文献12】
特開2000−113504号公報
【特許文献13】
特開2000−149320号公報
【特許文献14】
特開2000−158818号公報
【特許文献15】
特開2000−228028号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者の検討では、上記公報に記載の光ディスクは、実用上感度、そして反射率や変調度などの記録特性においては尚充分でないことから、更に改良を要することが判明した。
本発明の課題は、CD−RやDVD−Rよりも更に短波長のレーザー光、特に波長440nm以下、とりわけ汎用性の高い波長405nm近辺の半導体レーザー光によって記録再生が可能であり、かつ優れた記録特性を有する光情報記録媒体を提供することである。
また、本発明の課題は、短波長レーザー光に対して高い感度を示す色素化合物を含む記録層を設けた光情報記録媒体を用いることによって、情報の高密度記録が可能な情報記録方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者の研究により、含窒素芳香族縮合環を有するインドアニリン金属キレート化合物を記録層の記録材料として用いることで、波長が440nm以下の短波長のレーザー光に対しても高い感度を示し、かつ高い反射率、そして高い変調度を与える良好な記録再生特性を備えた光情報記録媒体を製造できることが見出された。
【0010】
本発明は、基板上に波長440nm以下のレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層がインドアニリン金属キレート化合物を含有する光情報記録媒体にある。
【0011】
また本発明は、上記光情報記録媒体に波長440nm以下のレーザー光を照射して情報を記録する情報記録方法にもある。
【0012】
本発明の光情報記録媒体は、以下の態様であることが好ましい。
(1)インドアニリン金属キレート化合物が下記一般式(I)で表される:
【0013】
【化1】
【0014】
式中、Mm+は、酸素原子および少なくとも一つのR1に配位するm価の金属カチオンを表す。R1およびR2は置換基を表し、R3およびR4はそれぞれ独立に、アルキル基、アラルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。Yn−はn価のアニオンを表す。mおよびnはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、pおよびqはそれぞれ独立に1〜4の整数を表し、tは1〜4の整数を表し、kは0〜5の整数を表す。R1とR2、R3とR4、R2とR3、R2とR4、pが2以上の整数の場合においてはR1同士、またはqが2以上の整数の場合においてはR2同士は互いに連結して環を形成していてもよい。
【0015】
(2)一般式(I)において、Mが銅、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、マグネシウム、アルミニウム、または亜鉛である。
(3)記録層とは別に金属からなる光反射層を具えている。
(4)記録層とは別に保護層を具えている。
(5)基板が、その表面にトラックピッチ0.2〜0.5μmのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板であり、記録層が、前記プレグルーブが形成された側の表面に設けられている。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の光情報記録媒体は、基板上に波長440nm以下のレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、記録層がインドアニリン金属キレート化合物を含有することを特徴とする。
【0017】
本発明の光情報記録媒体に用いられるインドアニリン金属キレート化合物は、下記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。
【0018】
【化2】
【0019】
式中、Mm+は酸素原子および少なくとも一つのR1に配位するm価の金属カチオンを表す。R1およびR2は置換基を表し、R3およびR4はそれぞれ独立に、アルキル基、アラルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Yn−はn価のアニオンを表す。mおよびnはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、pおよびqはそれぞれ独立に1〜4の整数を表し、tは1〜4の整数を表し、kは0〜5の整数を表す。R1とR2、R3とR4、R2とR3、R2とR4、pが2以上の整数の場合におけるR1同士、またはqが2以上の整数の場合におけるR2同士は互いに連結して環を形成していてもよい。
【0020】
一般式(I)において、Mで表される金属として好ましいものは銅、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、マグネシウム、アルミニウム、または亜鉛であり、更に銅、ニッケル、コバルトおよび亜鉛が好ましく、特に銅およびニッケルが好ましい。mは、好ましくは1〜3であり、さらに好ましくは2である。
【0021】
一般式(I)において、R1およびR2で表される置換基の好ましい例としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数7〜15のアラルキル基、炭素原子数1〜10のヘテロ環基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基、炭素原子数1〜20のアルキルスルフェニル基、炭素原子数6〜14のアリールスルフェニル基、炭素原子数1〜20のアルキルスルホニル基、炭素原子数6〜14のアリールスルホニル基、炭素原子数2〜21のアシル基、炭素原子数1〜25のカルバモイル基、炭素原子数0〜32のスルファモイル基、炭素原子数1〜20のアルコキシカルボニル基、炭素原子数7〜15のアリールオキシカルボニル基、炭素原子数2〜21のアシルアミノ基、炭素原子数1〜20のスルホニルアミノ基、炭素原子数0〜32のアミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基およびハロゲン原子を挙げることができるが、更に好ましいものは、炭素原子数1〜16のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数1〜7のヘテロ環基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数1〜16アルキルスルホニル基、炭素原子数6〜10のアリールスルホニル基、炭素原子数2〜17のアシル基、炭素原子数1〜19のカルバモイル基、炭素原子数0〜20のスルファモイル基、炭素原子数1〜17のアルコキシカルボニル基、炭素原子数7〜11のアリールオキシカルボニル基、炭素原子数2〜17のアシルアミノ基、炭素原子数1〜16のスルホニルアミノ基、炭素原子数0〜16のアミノ基、シアノ基、カルボキシ基、スルホ基およびハロゲン原子であり、特に好ましいものは、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜5の含窒素ヘテロ環基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜15のカルバモイル基、炭素原子数1〜13のアルコキシカルボニル基、炭素原子数2〜13のアシルアミノ基およびハロゲン原子である。また、R1とR2とは、または、pが2以上の整数の場合においてはR1同士若しくはqが2以上の整数の場合においてはR2同士は、互いに連結して環を形成していてもよい。
【0022】
一般式(I)において、R3またはR4で表されるアルキル基として好ましいものは、炭素原子数1〜20のアルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数1〜16のアルキル基であり、特に炭素原子数1〜12のアルキル基が好ましい。
一般式(I)において、R3またはR4で表されるアラルキル基として好ましいものは、炭素原子数7〜15のアラルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数7〜11のアラルキル基であり、特にベンジルが好ましい。
一般式(I)において、R3またはR4で表されるアリール基として好ましいものは、炭素原子数6〜14のアリール基であり、更に好ましくは、炭素原子数6〜10のアリール基であり、特にフェニルが好ましい。
一般式(I)において、R3またはR4で表されるヘテロ環基として好ましいものは、炭素原子数1〜10のヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素原子数1〜7のヘテロ環基であり、特に炭素原子数1〜5の含窒素ヘテロ環基が好ましい。
【0023】
一般式(I)において、R3およびR4は両者共に炭素原子数1〜5のアルキル基である場合が最も好ましく、R3およびR4、R2およびR3、またはR2およびR4が互いに連結して環を形成する場合、その環員数は5または6が好ましい。
【0024】
一般式(I)において、pは1〜3が好ましく、更に2または3が好ましく、qは1〜2が好ましく、更に1が好ましい。tは1〜3が好ましく、更に1または2が好ましく、kは1〜3が好ましく、更に2が好ましい。
【0025】
一般式(I)において、Yn−で表されるn価のアニオンは無機のアニオンでも有機のアニオンでもよく、前者として好ましいものは、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、過塩素酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、四フッ化ホウ素イオン、五フッ化リンイオンまたは六フッ化アンチモンイオンであり、特に塩素イオン、臭素イオン、過塩素酸イオン、四フッ化ホウ素イオン、五フッ化リンイオン、六フッ化アンチモンイオンが好ましく、後者として好ましいものは、有機スルホン酸イオン、有機カルボン酸イオンまたは有機リン酸イオンであり、特に有機スルホン酸イオンが好ましく、nは1〜3が好ましく、特に1または2が好ましい。
【0026】
一般式(I)において、R1およびR2で表される置換基は更に置換基を有していてもよく、その置換基の例としては、以下に記載のものを挙げることができる。
上記置換基の例としては、炭素原子数1〜20の鎖状または環状のアルキル基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、シクロヘキシル)、炭素原子数6〜18のアリール基(例えば、フェニル、クロロフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル、1−ナフチル)、炭素原子数7〜18のアラルキル基(例えば、ベンジル、アニシル)、炭素原子数2〜20のアルケニル基(例えば、ビニル、2−メチルビニル)、炭素原子数2〜20のアルキニル基(例えば、エチニル、2−メチルエチニル、2−フェニルエチニル)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素原子数2〜20のアシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、サリチロイル、ピバロイル)、炭素原子数1〜20のアルコキシ基(例えば、メトキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシ)、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基(例えば、フェノキシ、1−ナフトキシ、トルオイル)、炭素原子数1〜20のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、ブチルチオ、ベンジルチオ、3−メトキシプロピルチオ)、炭素原子数6〜20のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ、4−クロロフェニルチオ)、炭素原子数1〜20のアルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ブタンスルホニル)、炭素原子数6〜20のアリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、パラトルエンスルホニル)、炭素原子数1〜17のカルバモイル基(例えば、無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル)、炭素原子数1〜16のアミド基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド)、炭素原子数2〜10のアシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ)、炭素原子数2〜10のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、5もしくは6員のヘテロ環基(例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルなどの芳香族ヘテロ環、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、ピラン環、チオピラン環、ジオキサン環、ジチオラン環などのヘテロ環)が挙げられる。
【0027】
一般式(I)において、R1およびR2で表される置換基の置換基として、より好ましいものは炭素原子数1〜16の鎖状または環状のアルキル基、炭素原子数6〜14のアリール基、炭素原子数7〜15のアラルキル基、炭素原子数1〜16のアルコキシ基、炭素原子数6〜14のアリールオキシ基、ハロゲン原子、炭素原子数2〜17のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1〜10のカルバモイル基、炭素原子数1〜10のアミド基、炭素原子数1〜16のアルキルスルホニル基、炭素原子数6〜10のアリールスルホニル基であり、中でも好ましいものは、炭素原子数1〜10の鎖状または環状のアルキル基、炭素原子数7〜13のアラルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、塩素原子、炭素原子数2〜11のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1〜7のカルバモイル基、炭素原子数1〜8のアミド基、炭素原子数1〜12のアルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基であり、特に好ましいものは、炭素原子数3〜10の鎖状分岐または環状のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数3〜9のアルコキシカルボニル基、フェニル基、炭素原子数1〜8のアルキルスルホニル基である。
【0028】
本発明の光情報記録媒体に用いられるインドアニリン金属キレート化合物は、更に下記一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。
【0029】
【化3】
【0030】
式中、Mm+、R1、R2、R3、R4、Yn−、m、n、q、tおよびkは一般式(I)におけるMm+、R1、R2、R3、R4、Yn−、m、n、q、tおよびkと同義である。Aは、XとR5の置換する炭素原子とを連結して環を形成するのに必要な原子群を表す。Xは炭素原子または窒素原子を表し、R5はアゾメチン窒素原子と水素結合可能な基を表す。R3とR4、R2とR3またはR2とR4は互いに連結して環を形成していてもよく、Xが炭素原子のとき、Mm+はXに配位せず、酸素原子およびR1に配位する。
【0031】
一般式(II)において、Mm+、R1、R2、R3、R4、Yn−、m、n、q、tおよびkの好ましい範囲は、一般式(I)におけるMm+、R1、R2、R3、R4、Yn−、m、n、q、tおよびkの好ましい範囲と同様である。
【0032】
一般式(II)において、AがXとR5の置換する炭素原子とに連結して形成する環は、5員環または6員環が好ましく、特に6員環が好ましく、この時Xは窒素原子であることが好ましい。
【0033】
一般式(II)において、R5は水酸基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アラルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アラルキルオキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、カルバモイルアミノ基、またはスルファモイルアミノ基であることが好ましく、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、またはカルバモイルアミノ基が更に好ましく、特にアシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、またはアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。
【0034】
一般式(II)において、R1、R2、R3、R4、R5およびAで表される置換基は更に置換基を有していてもよく、その置換基の例としては、一般式(I)において、置換基R1またはR2の置換基として挙げたものを挙げることができ、その好ましいものも同様である。
【0035】
一般式(I)または一般式(II)で表される化合物は、任意の位置で結合して多量体を形成していてもよく、この場合の各単位は互いに同一でも異なっていてもよく、またポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、セルロース等のポリマー鎖に結合していてもよい。
【0036】
本発明の光情報記録媒体に用いられる一般式(I)で表されるインドアニリン金属キレート化合物は、特定の化合物単独で使用してもよく、また構造の異なったものを複数種混合して用いてもよいが、単独で使用することが好ましい。また、記録層中の本発明におけるインドアニリン金属キレート化合物の含有量は、記録層全体の乾燥質量に対し、30〜100質量%が好ましく、60〜100質量%が更に好ましく、90〜100質量%が最も好ましい。さらに、本発明における記録層には、本発明の効果に影響を与えない範囲で従来の光情報記録媒体に用いることのできる色素を本発明におけるインドアニリン金属キレート化合物と併用してもよい。
【0037】
本発明に用いられる一般式(I)または一般式(II)で表される化合物の具体例としては、特開2002−52825公報の一般式(I)の具体例として引用および記載されているものに加え、次の具体例(化合物(1)〜(27))を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】
【0041】
【化7】
【0042】
【化8】
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】
本発明に用いられるインドアニリン金属キレート化合物は、特開2002−52825公報の一般式(I)で表される化合物の合成法として引用されている方法によって容易に合成することができる。
【0046】
本発明の光情報記録媒体は、基板上に前記インドアニリン金属キレート化合物を含有する記録層を有する。本発明の光情報記録媒体には、種々の構成のものが含まれる。本発明の光情報記録媒体は、一定のトラックピッチのプレグルーブが形成された円盤状基板上に記録層、光反射層および保護層をこの順に有する構成、あるいは該基板上に光反射層、記録層および保護層をこの順に有する構成であることが好ましい。また、一定のトラックピッチのプレグルーブが形成された透明な円盤状基板上に記録層および光反射層が設けられてなる二枚の積層体が、それぞれの記録層が内側となるように接合された構成も好ましい。
【0047】
本発明の光情報記録媒体は、より高い記録密度を達成するためにCD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチのプレグルーブが形成された基板を用いることが可能である。本発明の光情報記録媒体の場合、該トラックピッチは0.2〜0.8μmの範囲にあることが好ましく、更に0.2〜0.5μmの範囲にあることが好ましく、特に0.2〜0.4μmの範囲にあることが好ましい。
プレグルーブの深さは、0.01〜0.18μmの範囲にあることが好ましく、更に0.01〜0.15μmの範囲にあることが好ましく、特に0.02〜0.15μmの範囲にあることが好ましい。
隣接するプレグルーブ同士の幅は0.05〜0.4μmの範囲にあることが好ましく、更に0.08〜0.3μmの範囲にあることが好ましく、特に0.1〜0.25μmの範囲にあることが好ましい。
【0048】
本発明の光情報記録媒体として、円盤状基板上に記録層、光反射層、および保護層をこの順に有する構成のものを例にとって、以下にその製造方法を説明する。
本発明の光情報記録媒体の基板は、従来の光情報記録媒体の基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。基板材料としては、例えばガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うことができる。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
【0049】
記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上および記録層の変質防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;およびシランカップリング剤などの表面改質剤を挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することによって形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0050】
記録層の形成は、蒸着、スパッタリング、CVDまたは溶剤塗布等の方法によって行うことができ、その中でも溶剤塗布が好ましい。この場合、前記色素化合物、更に所望によってクエンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成したのち乾燥することによって行うことができる。塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;メチルシクロヘキサンなどの炭化水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0051】
結合剤を使用する場合に、結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
【0052】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。記録層の層厚は一般に0.01〜0.5μmの範囲にあり、好ましくは0.015〜0.3μmの範囲にあり、より好ましくは0.02〜0.1μmの範囲にある。
【0053】
記録層には、記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。上記褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−81194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同63−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、および同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。好ましい一重項酸素クエンチャーの例としては、下記の一般式(III)で表される化合物を挙げることができる。
【0054】
【化11】
【0055】
但し、R21は置換基を有していてもよいアルキル基を表わし、そしてQ−はアニオンを表わす。
【0056】
一般式(III)において、R21は置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基が一般的であり、無置換の炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子(例えば、F,Cl)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、プロピオニルオキシ)、ヒドロキシ基、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アルケニル基(例えば、ビニル)、アリール基(例えば、フェニル、ナフチル)を挙げることができる。これらの中で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基が好ましい。Q−のアニオンの好ましい例としては、ClO4 −、AsF6 −、BF4 −、およびSbF6 −を挙げることができる。
一般式(III)で表される化合物例を表1に記載する。
【0057】
【表1】
【0058】
前記一重項酸素クエンチャーなどの褪色防止剤の使用量は、色素(本発明におけるインドアニリン金属キレート化合物を含む)の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、1〜40質量%の範囲、特に好ましくは2〜25質量%の範囲である。
【0059】
記録層に隣接して、情報の再生時における反射率の向上の目的で光反射層を設けることが好ましい。光反射層の材料である光反射性物質はレーザー光に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au金属、Ag金属、Al金属あるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Ag金属、Al金属あるいはそれらの合金である。光反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板もしくは記録層の上に形成することができる。光反射層の層厚は、一般的には0.01〜0.3μmの範囲にあり、0.05〜0.2μmの範囲にあることが好ましい。
【0060】
光反射層もしくは記録層の上には、記録層などを物理的および化学的に保護する目的で保護層を設けることが好ましい。なお、DVD−R型の光情報記録媒体を製造する場合と同様の形態、すなわち二枚の基板を、記録層を内側にして張り合わせる構成をとる場合は、必ずしも保護層の付設は必要ではない。保護層に用いられる材料の例としては、Zn−SiO2、ZnS、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si3N4等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。保護層は、例えばプラスチックの押出加工で得られたフィルムを、接着剤を介して反射層上にラミネートすることによって形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。以上の工程によって、基板上に、記録層、光反射層そして保護層、あるいは基板上に、光反射層、記録層そして保護層が設けられた積層体を製造することができる。
【0061】
本発明の光情報記録方法は、上記光情報記録媒体を用いて、例えば、次のように行われる。まず光情報記録媒体を定線速度(DVD−Rフォーマットの場合は3.84m/秒)または定角速度にて回転させながら、基板側あるいは保護層側から半導体レーザー光などの記録用の光を照射する。この光の照射により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。本発明においては、記録光として390〜440nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザー光が用いられる。好ましい光源としては390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー光、中心発振波長850nmまたは820nmの赤外半導体レーザー光を光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長がそれぞれ425nmまたは410nmの青紫色SHGレーザー光を挙げることができる。特に記録密度の点で青紫色半導体レーザー光を用いることが好ましい。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザー光を基板側あるいは保護層側から照射して、その反射光を検出することによって行うことができる。
【0062】
【実施例】
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0063】
[実施例1]
上述の化合物(1)を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、記録層形成用塗布液(濃度:1質量%)を得た。この塗布液を表面にスパイラル状のプレグルーブ(トラックピッチ:0.4μm、グルーブ幅:0.2μm、グルーブの深さ:0.05μm)が射出成形により形成されたポリカーボネート基板(直径:120mm、厚さ:0.6mm)のそのプレグルーブ側の表面にスピンコート法により塗布し、記録層(厚さ(プレグルーブ内):約80nm)を形成した。
次に、記録層上に銀をスパッタして厚さ約100nmの光反射層を形成した。更に、光反射層上にUV硬化性樹脂(SD318、大日本インキ化学工業(株)製)を塗布し、紫外線を照射して硬化させ、層厚7μmの保護層を形成した。
以上の工程によって本発明に従う光ディスク(光情報記録媒体)を得た。
【0064】
[実施例2〜9]
実施例1において、化合物(1)を表2に示す化合物に変えた(使用量は変更なし)こと以外は同様にして、本発明に従う光ディスクを製造した。
【0065】
[比較例1〜4]
実施例1において、化合物(1)を下記に示す比較用色素化合物A〜D(使用量は変更なし)に変更したこと以外は同様にして、比較用の光ディスクを製造した。
【0066】
〔光ディスクとしての評価1〕
上記で作製した光ディスクに線速度3.5m/秒で14T−EFM信号を発振波長405nmの青紫色半導体レーザー光を用いて記録したのち、記録した信号を再生した。最適パワーでの変調度、グルーブ反射率、および感度を測定した。記録および記録特性評価はパルステック工業(株)製DDU1000を用いて行った。評価結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】
表2の結果から、本発明の特徴とする特定のインドアニリン金属キレート化合物を含有する記録層を有する光ディスク(実施例1〜9)は、比較化用色素合物A〜Dを含む記録層を有する光ディスク(比較例1〜4)に比べて、上記青紫色半導体レーザー光に対して高い反射率を示し、かつ高い変調度を与え、しかも高感度であることがわかる。従って、本発明に従う特定のインドアニリン金属キレート化合物を用いることで、短波長レーザー光に対して高い記録特性を具えた光ディスクが得られることがわかる。
【0069】
《比較用色素化合物》
(A):特開平4−74690号公報の実施例1に記載の化合物
【化12】
【0070】
(B):特開平11−334205号公報の実施例1に記載の化合物(III)
【化13】
【0071】
(C):特開2000−43423号公報の実施例9に記載の化合物(50)
【化14】
【0072】
(D):特開2000−149320号公報記載の具体例1−1
【化15】
【0073】
【発明の効果】
本発明は、記録層にインドアニリン金属キレート化合物を用いることによって、440nm以下の短波長のレーザー光に対して高い反射率を示し、かつ高い変調度を与える高感度な光情報記録媒体を得ることができる。従って、CD−RやDVD−Rの場合よりも情報の高密度記録が可能となり、更に大容量の情報の記録が可能な光情報記録媒体を提供することができる。
また、短波長レーザー光、特に440nm以下の短波長のレーザー光に対して高い感度を示すインドアニリン金属キレート化合物を含む記録層を設けた光情報記録媒体を用いることにより、情報の高密度記録が可能な情報記録方法を提供することができる。
Claims (2)
- 基板上に波長440nm以下のレーザー光照射による情報の記録が可能な記録層を有する光情報記録媒体であって、該記録層がインドアニリン金属キレート化合物を含有することを特徴とする光情報記録媒体。
- 請求項1に記載の光情報記録媒体に波長440nm以下のレーザー光を照射して情報を記録することを特徴とする情報記録方法。
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WO2006015960A1 (en) * | 2004-08-10 | 2006-02-16 | Ciba Specialty Chemicals Holding Inc. | Optical recording materials having high storage density |
CN102463758A (zh) * | 2010-11-12 | 2012-05-23 | 武汉华工图像技术开发有限公司 | 一种全息防伪烫印膜及其制备方法 |
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2002
- 2002-09-03 JP JP2002257886A patent/JP2004090564A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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