JP2006147135A - 光記録媒体 - Google Patents

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和俊 片山
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Abstract

【課題】ジッター等の特性を良好に維持することができる保存性の高い光記録媒体を提供する。
【解決手段】基板上に、少なくとも、有機色素を含有する記録層と、光透過層とを備えた光記録媒体であって、前記記録層と前記光透過層との間に、Taを含む化合物又はNbを含む化合物からなる中間層、又はTa及び/又はNbを含む複合酸化物からなる中間層を有し、該中間層の層厚が1〜80nmであることを特徴とする光記録媒体である。
【選択図】なし

Description

本発明は光記録媒体に関し、特に、記録層に有機色素を含有する追記型の光記録媒体に関する。
デジタルハイビジョン放送の開始によって、さらなる画像データ量の増加が見込まれており、それに伴い、記録媒体にも、高容量、高データ転送速度が求められるようになってきた(例えば、特許文献1参照)。デジタルハイビジョン放送を家庭で録画しようとした場合、DVD±Rでは既に容量が不足すると言われており、次世代DVDの開発が盛んに行われている。一例として、BSデジタルハイビジョン放送を2時間録画・再生できるというブルーレイディスクレコーダーが発売されている。
このブルーレイディスクレコーダー用の記録媒体も同時に発売されたが、これは相変化型の記録層を有する媒体であった。相変化型の媒体の製造には大掛かりな真空成膜装置が必要であったり、その層構成が複雑であったりする。その点を考慮して、前記ブルーレイディスクも含めた次世代DVDシステムでも、より安価に記録媒体を製造するため、有機色素を用いた追記型のブルーレイディスク媒体の開発が進められている。有機色素をスピンコートで成膜する手法を採用した場合、CD−R、DVD−Rの製造で用いられてきた製造設備を継続して使用できるというメリットがある。
また、その反面、追記型のブルーレイディスク媒体にも従来のCD−RやDVD−Rと同様に高い保存性が求められている。
ところで、追記型のブルーレイディスク媒体は、例えば、基板上に、反射層、記録層、透明シート(光透過層)がこの順に積層された構成となっている。前記透明シートは、例えば、粘着剤を介して貼り合わされる。この粘着剤による記録層へ影響を防ぐため、通常は、中間層が設けられる。光学特性や成膜速度、相変化型光ディスク媒体での使用実績等を考慮して、中間層には、硫黄を含有する材料を使用することが提案されている。しかし、中間層に硫黄が含まれていると、当該硫黄と反射層を構成する金属(例えば、Ag等)とが反応し、硫化物を生成して保存性を低下させる問題があった。そこで、本発明者らは、実質的に硫黄を含まない中間層を有する光記録媒体を提案した(特願2004−35363号)。それによって、Agの腐食を抑制することにより保存性を向上させ一定以上の成果を収めたが、まだ改善の余地が残されていた。
なお、従来のCD−RやDVD−Rでは、貼り合わせに粘着剤を使用することがないため、上記のような中間層は必要ではなかった。
特開平11−120617号公報
本発明は、以上の従来の問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明の目的は、ジッター等の特性を良好に維持することができる保存性の高い光記録媒体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は以下の通りである。即ち、
<1> 基板上に、少なくとも、有機色素を含有する記録層と、光透過層とを備えた光記録媒体であって、前記記録層と前記光透過層との間に、Taを含む化合物又はNbを含む化合物からなる中間層を有し、該中間層の層厚が1〜80nmであることを特徴とする光記録媒体である。
<2> 基板上に、少なくとも、有機色素を含有する記録層と、光透過層とを備えた光記録媒体であって、前記記録層と前記光透過層との間に、Ta及び/又はNbを含む複合酸化物からなる中間層を有し、該中間層の層厚が1〜80nmであることを特徴とする光記録媒体である。
<3> さらに、前記基板と前記記録層との間に反射層を有し、かつ前記基板の反射層側の面にグルーブが形成されていて、該グルーブの深さが20〜70nmであることを特徴とする前記<1>または<2>に記載の光記録媒体である。
<4> 前記Taを含む化合物又はNbを含む化合物がNb−SiO、Nb−Al、Nb−Ta、又はTa−SiOである前記<1>〜<3>のいずれかに記載の光記録媒体である。
本発明によれば、ジッター等の特性を良好に維持することができる保存性の高い光記録媒体を提供することができる。
本発明の光記録媒体は、基板上に、少なくとも、有機色素を含有する記録層と、光透過層とを備えている。そして、記録層と光透過層との間には、第1の態様によると、Taを含む化合物又はNbを含む化合物からなる中間層を有し、第2の態様によると、Ta及び/又はNbを含む複合酸化物からなる中間層を有し、いずれの態様も前記中間層の層厚が1〜80nmである。
いずれの態様においても、このような中間層を設けることで、保存性、特に湿熱保存性を向上させることができる。これは、中間層自身が水分によって変質しないため、水分の記録層への到達が中間層によってブロックされるためと推察される。そして、その結果、ジッター等の特性を良好に維持しながら高い保存性を発揮することができる。
本発明の第1の態様において、前記中間層の構成成分となるTaを含む化合物又はNbを含む化合物としては、それぞれ、Ta又はNbの各酸化物、窒化物を挙げることができ、中でも、酸化物が好ましい。酸化物としては、Ta25、Nb2xが好ましい。
本発明の第2の態様において、前記中間層の構成成分となるTa及び/又はNbを含む複合酸化物としては、Nb−SiO、Nb−Al、Nb−Ta、Ta−SiO、Ta−Al、等が挙げられ、中でも、Nb−SiO、Nb−Al、Nb−Ta、Ta−SiOが好ましい。
このように、中間層の構成成分に複合酸化物を用いることで、使用する複合酸化物、及びその組成に応じて屈折率を変えることができる。これにより、光記録媒体の反射率を調節することができる。
本発明においては、いずれの態様においても、中間層の層厚を1〜80nmとしているが、中間層の層厚を当該範囲とすることにより、記録時のピット形成に際し空隙が生じやすくなりジッターの向上を図ることができる。1nm未満では、記録層中の有機色素と粘着層との分離能が不十分となり、80nmを超えると、記録再生特性が悪化する。中間層の層厚は、1〜50nmとすることがより好ましく、1.5〜20nmとすることがさらに好ましい。
中間層は、例えば、Taを含む化合物又はNbを含む化合物、あるいは、Taの酸化物、Nbの酸化物、他元素の酸化物をターゲットとしたスパッタリングにより成膜することができる。この場合、成膜時の圧力は1×10-2〜1×10-5torrとすることが好ましく、レート(スパッタ速度)は0.1〜10nm/secとすることが好ましい。ガスの種類はAr等を使用することができ、ガス流量は1〜50sccm(1〜50ml/min)、とすることが好ましい。スパッタ電力は0.2〜4kWとすることが好ましく、0.4〜3kWとすることがより好ましく、0.5〜2.5kWとすることがさらに好ましい。
RFスパッタ法により成膜する場合、そのチューニング(マッチング)を調整して、FWDに対するREFは10%以下、好ましくは5%以下、更に好ましくは2.5%以下とする。また、酸化物や窒化物の場合、それらのガスをスパッタガス中に混合して反応性スパッタにより成膜することがある。
また、ターゲットによっては、DCスパッタリングによる成膜も可能である。その場合、パルススパッタや、チョッパーなどにより、瞬間的にターゲットの帯電を除去する手法を組み合わせることが好ましい。
本発明の光記録媒体の好ましい層構成は、基板上に、(中間層)、反射層、(中間層)、記録層、中間層、接着層、光透過層、(ハードコート層)をこの順に設けた構成である。なお、これ以外として、各層の間に、接着性・記録特性・保存性等を高める目的で他の層が設けられても構わない。また、上記構成中、カッコ内に記載された層は、必要に応じて形成される層を意味する。
本発明の光記録媒体において、基板と前記記録層との間に反射層を有し、かつ前記基板の反射層側の面にグルーブが形成されていて、該グルーブの深さが20〜70nmである構成とすることにより、ブルーレイディスクの構成とすることができる。記録トラックをオングルーブ部とする場合は溝深さが20〜50nmであることが、記録トラックをイングルーブ部とする場合には溝深さが30〜70nmであることが好ましい。
以下、上記光記録媒体を具体例として、本発明の光記録媒体の基板やその他の層等について説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
(基板)
基板材料の具体例としては、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィンが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。また、基板の厚さ(記録層が形成される領域の平均の厚さ)は、1.1±0.3mmの範囲とすることが好ましい。
基板には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(基板の凸部をオングルーブといい、凹部をイングルーブという。ここで、「オングルーブ」を「グルーブ」ということがある。)が形成されている。より高い記録密度を達成するためにCD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチのグルーブが形成された基板を用いることが好ましい。
グルーブのトラックピッチは、300〜360nmの範囲とすることが好ましい。より好ましくは、310〜340nmの範囲とする。
また、グルーブの深さ(溝深さ)は、20〜70nmの範囲とすることが好ましい。記録トラックをオングルーブ部とする場合は溝深さが20〜50nmであることが、記録トラックをイングルーブ部とする場合には溝深さが30〜70nmであることが好ましい。かかる範囲とすることで、トラッキングエラー信号が小さくなってトラッキングがかかりにくくなることを防ぎながら、成形が困難となることを防ぐことができる。より好ましくは、記録トラックをオングルーブ部とする場合は溝深さが25〜40nm、記録トラックをイングルーブ部とする場合には35〜60nmである。
基板の記録されるトラック部分の半値幅は、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。かかる範囲とすることで、トラッキングエラーが低下を防ぎながら、ジッターを低減させることができる。より好ましくは70〜190nmの範囲とし、さらに好ましくは90〜180nmである。
なお、後述する反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成してもよい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
(反射層)
反射層には、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質が用いられる。当該反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率の高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、AgまたはAgを主成分とする合金(Ag:50質量%以上)である。
反射層は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
(記録層)
記録層は、反射層上に形成され、波長500nm以下のレーザ光により情報の記録が可能な層で、有機色素を含有する色素型である。
色素記録層に含有される色素の具体例としては、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、トリアゾール化合物(ベンゾトリアゾール化合物を含む)、トリアジン化合物、メロシアニン化合物、アミノブタジエン化合物、桂皮酸化合物、ベンゾオキサゾール化合物、ピロメテン化合物、スクアリリウム化合物等が挙げられる。なお、これらは配位中心が金属原子でもよい。
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、及び同2000−158818号公報等に記載されている色素を用いることも可能である。
上記化合物の中では、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物が好適に用いられる。上記化合物の中では、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素が特に好ましい。
記録層は、有機色素である記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に形成された反射層上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合に、結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に記録物質に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。また、記録層の層厚は、一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲にあり、より好ましくは50〜100nmの範囲にある。
記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、および同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、有機色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、さらに好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
(中間層)
中間層は、既述の材料を用いて既述の方法により記録層上に形成される。なお、中間層は、記録層と光透過層との間に形成されることを必須とし、その他、「基板と反射層との間」および「反射層と記録層と間」の少なくともいずれかに形成されていてもよい。
(光透過層)
光透過層は、光記録媒体内部を汚染や傷、衝撃などから防ぐため、あるいは水分の浸入などを防ぐなどのために形成される。材料としては、透明な材質であれば特に限定されないが、好ましくはポリカーボネート、三酢酸セルロース等からなる透明シートで、少なくとも一方の面に粘着剤が付与されたものを挙げることができる。
なお、「透明」とは、記録光および再生光を透過する(透過率:90%以上)ほどに透明であることを意味する。
透明シートの粘着剤が付与された面とは反対の面には、透明シートの傷つき防止のためハードコート層形成しておいてもよい。かかる透明シートを記録層上に形成するには、以下のようにして行うことが好ましい。
まず、ロール状に巻回された透明シートの一方の面に、放射線硬化樹脂塗布液を連続的に塗布する。塗布により形成された塗膜に放射線を連続照射し、硬化させて透明シート上にハードコート層を設ける。その後、カバーフィルムの他方の面に、粘着剤からなる粘着層を連続的に設け、ハードコート層及び粘着層が設けられた透明シートを所定の形状(ディスク状)に打ち抜く。このディスク状の透明シートの粘着層を貼り合わせ面として、記録層上に当該透明シートを設けて、光透過層を形成する。なお、透明シートの貼り合わせ方法等は、単なる例示であり、種々の方法を適用することができる。
透明シートの厚さは、0.03〜0.15mmの範囲であることが好ましく、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、取り扱いが容易となり、しかも、コマ収差を抑えることができるという利点がある。
粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。なお、予め粘着剤が付与された市販の透明シートを使用することもできる。
また、ハードコート層に使用される放射線硬化樹脂としては、放射線照射により硬化可能な樹脂であればよく、より詳細には、分子中に、2個以上の放射線官能性の2重結合を有する樹脂であることが好ましい。
例えば、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等が挙げられる。中でも、好ましくは、2官能以上のアクリレート化合物、メタクリレート化合物である。
次に、本発明の光記録媒体への情報の記録方法および記録した情報の再生方法について説明する。
光記録媒体への情報の記録は、例えば、次のように行われる。
まず、光記録媒体を定線速度にて回転させながら、透明シート側(基板の反対側)から記録用の350〜500nm(好ましくは、400〜440nm)のレーザ光を照射する。このレーザ光の照射により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性が変化する。この光学的特性の変化により、情報が記録される。
350〜500nmの発振波長を有するレーザ光源としては、例えば、390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ、中心発振波長約430nmの青紫色SHGレーザ等を挙げることができる。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズの開口率(NA)は0.7以上が好ましく、0.80以上がより好ましい。
一方、記録された情報の再生は、光記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら、情報の記録に使用したレーザと同一波長もしくはそれ以下の波長のレーザ光を透明シート側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
帝人化成(株)社製ポリカーボネート樹脂(パンライトAD5503)を用いて射出成形により厚さ1.1mmの基板を成形した。基板の溝トラックピッチは320nm、オングルーブ部の半値幅は120nm、溝深さは35nmであった。
この基板上に、Ag:98.4at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%、からなるターゲットを用いて、真空成膜法により反射層を100nmの厚みで成膜した。投入電力は2kW、Ar流量は5sccmで行った。
下記化学式で表される有機色素A(屈折率=1.85)を、TFP100mlに対し2gの比率になるよう秤量して溶解させた。該液に超音波を2時間照射して色素を溶解させた後、23℃50%の環境に0.5時間以上静置し、0.2μmのフィルターで濾過した。この液を用いて、スピンコート法で反射層上に厚さ110nmの記録層を形成した。その後、80℃のクリーンオーブン中で1時間加熱処理した。
Figure 2006147135
加熱処理後、真空成膜法により、Ta25からなるターゲットを用いて10nmの厚みの中間層を成膜した。投入電力は2kW、Ar流量は50sccm、RFのチューニングを最適化した結果、FWD=1000に対してREF=20であった。また、中間層の屈折率は2.0であった。
中間層を形成した後、一方の面に厚さ20μmの粘着層が形成されたポリカーボネートフィルム(厚み80μm)を貼り合せて光記録媒体を作製した。
作製した光記録媒体を、波長:403nm、NA=0.85のレーザー光学系を搭載したDDU−1000(パルステック工業(株)製)にセットして、5.5mWのパワーで1−7変調されたランダム信号(2T〜8T)を記録し、0.35mWのパワーで再生してジッターを評価した。この時、線速は5.28m/sで、記録時のレーザーの発光パターンを最適化して行った。ジッターはコンベンショナルイコライザーを使用して測定した。結果を下記表1に示す。
また、作製した光記録媒体を、60℃90%RHの環境に168時間保存した後、記録済みトラックのジッターを、保存前と同条件で測定し、保存前のジッターと比較した(アーカイバルジッター変化)。結果を下記表1に示す。
さらに、保存後に新規未記録トラックに対して保存前と同様にジッターを評価し、保存前に評価したジッターと比較した(シェルフジッター変化)。
保存前後でのジッターの増加が5%以下を○、それ以上を×として保存性を判断した。
[実施例2]
中間層形成時、Nb24.83からなるターゲットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2.1であった。
[実施例3]
中間層形成時、Nb24.83からなるターゲットを用いたこと、及び層厚を50nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2.1であった。
[実施例4]
中間層形成時、Nb24.83からなるターゲットを用いたこと、及び層厚を70nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2.1であった。
[実施例5]
中間層形成時、Nb24.83からなるターゲットを用いたこと、及び層厚を1.5nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2.1であった。
[実施例6]
中間層形成時、Nb:70at%、SiO:30at%からなるターゲットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例6の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2であった。
[実施例7]
中間層形成時、Nb:30at%、SiO:70at%からなるターゲットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例7の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は1.8であった。
[実施例8]
中間層形成時、Nb:70at%、Al:30at%からなるターゲットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例8の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2であった。
[実施例9]
中間層形成時、Nb:50at%、Ta:50at%からなるターゲットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例9の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2.1であった。
[実施例10]
中間層形成時、Ta:70at%、SiO:30at%からなるターゲットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例10の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2であった。
[比較例1]
中間層形成時、ZnO:30at%、Ga23:70at%からなるターゲットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は1.8であった。
[比較例2]
中間層形成時、Nb24.83からなるターゲットを用いたこと、及び層厚を100nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の光記録媒体を作製し、評価を行った。なお、中間層の屈折率は2.1であった。
[比較例3]
中間層形成時、Nb24.83からなるターゲットを用いたこと、及び層厚を0.9nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の光記録媒体を作製し、評価を行った。なお、中間層の屈折率は2.1であった。
Figure 2006147135
表1より、実施例1〜10の光記録媒体は、いずれも、保存前後においてジッターに顕著な差はなく保存性に優れていたことが分かる。これに対して、比較例1〜3の光記録媒体は、保存前後でジッターの変化が大きいか、測定不可であった。

Claims (4)

  1. 基板上に、少なくとも、有機色素を含有する記録層と、光透過層とを備えた光記録媒体であって、
    前記記録層と前記光透過層との間に、Taを含む化合物又はNbを含む化合物からなる中間層を有し、該中間層の層厚が1〜80nmであることを特徴とする光記録媒体。
  2. 基板上に、少なくとも、有機色素を含有する記録層と、光透過層とを備えた光記録媒体であって、
    前記記録層と前記光透過層との間に、Ta及び/又はNbを含む複合酸化物からなる中間層を有し、該中間層の層厚が1〜80nmであることを特徴とする光記録媒体。
  3. さらに、前記基板と前記記録層との間に反射層を有し、かつ前記基板の反射層側の面にグルーブが形成されていて、該グルーブの深さが20〜70nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
  4. 前記Taを含む化合物又はNbを含む化合物がNb−SiO、Nb−Al、Nb−Ta、又はTa−SiOである請求項1〜3のいずれか1項に記載の光記録媒体。
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