JP2006147135A - 光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板上に、少なくとも、有機色素を含有する記録層と、光透過層とを備えた光記録媒体であって、前記記録層と前記光透過層との間に、Taを含む化合物又はNbを含む化合物からなる中間層、又はTa及び/又はNbを含む複合酸化物からなる中間層を有し、該中間層の層厚が1〜80nmであることを特徴とする光記録媒体である。
【選択図】なし
Description
また、その反面、追記型のブルーレイディスク媒体にも従来のCD−RやDVD−Rと同様に高い保存性が求められている。
なお、従来のCD−RやDVD−Rでは、貼り合わせに粘着剤を使用することがないため、上記のような中間層は必要ではなかった。
本発明の目的は、ジッター等の特性を良好に維持することができる保存性の高い光記録媒体を提供することを目的とする。
<1> 基板上に、少なくとも、有機色素を含有する記録層と、光透過層とを備えた光記録媒体であって、前記記録層と前記光透過層との間に、Taを含む化合物又はNbを含む化合物からなる中間層を有し、該中間層の層厚が1〜80nmであることを特徴とする光記録媒体である。
<2> 基板上に、少なくとも、有機色素を含有する記録層と、光透過層とを備えた光記録媒体であって、前記記録層と前記光透過層との間に、Ta及び/又はNbを含む複合酸化物からなる中間層を有し、該中間層の層厚が1〜80nmであることを特徴とする光記録媒体である。
<3> さらに、前記基板と前記記録層との間に反射層を有し、かつ前記基板の反射層側の面にグルーブが形成されていて、該グルーブの深さが20〜70nmであることを特徴とする前記<1>または<2>に記載の光記録媒体である。
<4> 前記Taを含む化合物又はNbを含む化合物がNb2O5−SiO2、Nb2O5−Al2O3、Nb2O5−Ta2O5、又はTa2O5−SiO2である前記<1>〜<3>のいずれかに記載の光記録媒体である。
いずれの態様においても、このような中間層を設けることで、保存性、特に湿熱保存性を向上させることができる。これは、中間層自身が水分によって変質しないため、水分の記録層への到達が中間層によってブロックされるためと推察される。そして、その結果、ジッター等の特性を良好に維持しながら高い保存性を発揮することができる。
このように、中間層の構成成分に複合酸化物を用いることで、使用する複合酸化物、及びその組成に応じて屈折率を変えることができる。これにより、光記録媒体の反射率を調節することができる。
本発明の光記録媒体において、基板と前記記録層との間に反射層を有し、かつ前記基板の反射層側の面にグルーブが形成されていて、該グルーブの深さが20〜70nmである構成とすることにより、ブルーレイディスクの構成とすることができる。記録トラックをオングルーブ部とする場合は溝深さが20〜50nmであることが、記録トラックをイングルーブ部とする場合には溝深さが30〜70nmであることが好ましい。
基板材料の具体例としては、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィンが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。また、基板の厚さ(記録層が形成される領域の平均の厚さ)は、1.1±0.3mmの範囲とすることが好ましい。
また、グルーブの深さ(溝深さ)は、20〜70nmの範囲とすることが好ましい。記録トラックをオングルーブ部とする場合は溝深さが20〜50nmであることが、記録トラックをイングルーブ部とする場合には溝深さが30〜70nmであることが好ましい。かかる範囲とすることで、トラッキングエラー信号が小さくなってトラッキングがかかりにくくなることを防ぎながら、成形が困難となることを防ぐことができる。より好ましくは、記録トラックをオングルーブ部とする場合は溝深さが25〜40nm、記録トラックをイングルーブ部とする場合には35〜60nmである。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
反射層には、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質が用いられる。当該反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率の高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、AgまたはAgを主成分とする合金(Ag:50質量%以上)である。
記録層は、反射層上に形成され、波長500nm以下のレーザ光により情報の記録が可能な層で、有機色素を含有する色素型である。
色素記録層に含有される色素の具体例としては、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、トリアゾール化合物(ベンゾトリアゾール化合物を含む)、トリアジン化合物、メロシアニン化合物、アミノブタジエン化合物、桂皮酸化合物、ベンゾオキサゾール化合物、ピロメテン化合物、スクアリリウム化合物等が挙げられる。なお、これらは配位中心が金属原子でもよい。
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、及び同2000−158818号公報等に記載されている色素を用いることも可能である。
上記化合物の中では、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物が好適に用いられる。上記化合物の中では、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素が特に好ましい。
上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、および同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
中間層は、既述の材料を用いて既述の方法により記録層上に形成される。なお、中間層は、記録層と光透過層との間に形成されることを必須とし、その他、「基板と反射層との間」および「反射層と記録層と間」の少なくともいずれかに形成されていてもよい。
光透過層は、光記録媒体内部を汚染や傷、衝撃などから防ぐため、あるいは水分の浸入などを防ぐなどのために形成される。材料としては、透明な材質であれば特に限定されないが、好ましくはポリカーボネート、三酢酸セルロース等からなる透明シートで、少なくとも一方の面に粘着剤が付与されたものを挙げることができる。
なお、「透明」とは、記録光および再生光を透過する(透過率:90%以上)ほどに透明であることを意味する。
まず、ロール状に巻回された透明シートの一方の面に、放射線硬化樹脂塗布液を連続的に塗布する。塗布により形成された塗膜に放射線を連続照射し、硬化させて透明シート上にハードコート層を設ける。その後、カバーフィルムの他方の面に、粘着剤からなる粘着層を連続的に設け、ハードコート層及び粘着層が設けられた透明シートを所定の形状(ディスク状)に打ち抜く。このディスク状の透明シートの粘着層を貼り合わせ面として、記録層上に当該透明シートを設けて、光透過層を形成する。なお、透明シートの貼り合わせ方法等は、単なる例示であり、種々の方法を適用することができる。
例えば、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等が挙げられる。中でも、好ましくは、2官能以上のアクリレート化合物、メタクリレート化合物である。
光記録媒体への情報の記録は、例えば、次のように行われる。
まず、光記録媒体を定線速度にて回転させながら、透明シート側(基板の反対側)から記録用の350〜500nm(好ましくは、400〜440nm)のレーザ光を照射する。このレーザ光の照射により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性が変化する。この光学的特性の変化により、情報が記録される。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズの開口率(NA)は0.7以上が好ましく、0.80以上がより好ましい。
帝人化成(株)社製ポリカーボネート樹脂(パンライトAD5503)を用いて射出成形により厚さ1.1mmの基板を成形した。基板の溝トラックピッチは320nm、オングルーブ部の半値幅は120nm、溝深さは35nmであった。
保存前後でのジッターの増加が5%以下を○、それ以上を×として保存性を判断した。
中間層形成時、Nb2O4.83からなるターゲットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2.1であった。
中間層形成時、Nb2O4.83からなるターゲットを用いたこと、及び層厚を50nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2.1であった。
中間層形成時、Nb2O4.83からなるターゲットを用いたこと、及び層厚を70nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2.1であった。
中間層形成時、Nb2O4.83からなるターゲットを用いたこと、及び層厚を1.5nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2.1であった。
中間層形成時、Nb2O5:70at%、SiO2:30at%からなるターゲットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例6の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2であった。
中間層形成時、Nb2O5:30at%、SiO2:70at%からなるターゲットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例7の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は1.8であった。
中間層形成時、Nb2O5:70at%、Al2O3:30at%からなるターゲットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例8の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2であった。
中間層形成時、Nb2O5:50at%、Ta2O5:50at%からなるターゲットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例9の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2.1であった。
中間層形成時、Ta2O5:70at%、SiO2:30at%からなるターゲットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして実施例10の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は2であった。
中間層形成時、ZnO:30at%、Ga2O3:70at%からなるターゲットを用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の光記録媒体を作製し、評価を行った。結果を下記表1に示す。なお、中間層の屈折率は1.8であった。
中間層形成時、Nb2O4.83からなるターゲットを用いたこと、及び層厚を100nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の光記録媒体を作製し、評価を行った。なお、中間層の屈折率は2.1であった。
中間層形成時、Nb2O4.83からなるターゲットを用いたこと、及び層厚を0.9nmとしたこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の光記録媒体を作製し、評価を行った。なお、中間層の屈折率は2.1であった。
Claims (4)
- 基板上に、少なくとも、有機色素を含有する記録層と、光透過層とを備えた光記録媒体であって、
前記記録層と前記光透過層との間に、Taを含む化合物又はNbを含む化合物からなる中間層を有し、該中間層の層厚が1〜80nmであることを特徴とする光記録媒体。 - 基板上に、少なくとも、有機色素を含有する記録層と、光透過層とを備えた光記録媒体であって、
前記記録層と前記光透過層との間に、Ta及び/又はNbを含む複合酸化物からなる中間層を有し、該中間層の層厚が1〜80nmであることを特徴とする光記録媒体。 - さらに、前記基板と前記記録層との間に反射層を有し、かつ前記基板の反射層側の面にグルーブが形成されていて、該グルーブの深さが20〜70nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体。
- 前記Taを含む化合物又はNbを含む化合物がNb2O5−SiO2、Nb2O5−Al2O3、Nb2O5−Ta2O5、又はTa2O5−SiO2である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光記録媒体。
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