JP2006120194A - 光情報媒体 - Google Patents

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【課題】イングルーブ部に対してHL記録を行うことができる光情報媒体を提供する。
【解決手段】基板10に設けられたグルーブ上に色素記録層20と光透過層とをこの順に有し、該光透過層側からイングルーブ部に対してレーザー光を入射することで記録及び再生を行う光情報媒体であって、前記レーザー光の記録再生波長λと、下記式(1)により導かれる光路長差λdとの関係が、λd/λ<−0.5を満たすことを特徴とする光情報媒体。 式(1) λd=2×(nd×do−nd×di−np×dl)(式(1)中、ndは色素記録層の屈折率を表し、npは光透過層の屈折率を表し、diはイングルーブ部における色素記録層の厚さ(nm)を表し、doはオングルーブ部における色素記録層の厚さ(nm)を表し、dlはイングルーブ部における色素記録層表面とオングルーブ部における色素記録層表面との間に形成される段差の大きさ(nm)を表す。)
【選択図】図1

Description

本発明は、光情報媒体に関し、特に、レーザー光を用いイングルーブ部に対して情報の記録及び再生を行うことができる追記型の光情報媒体に関する。
従来より、レーザー光により1回限りの情報の記録が可能な追記型光情報媒体としては、CD−R(波長780nmのレーザー光を使用)やDVD−R(波長650nmのレーザー光を使用)などが知られている。これらは有機色素を使用した追記型光情報媒体であり、生産性のし易さからくる、安定性及び高速適性等の性能(高速記録)の観点から、広く普及している。また、近年では、高密度記録化の要求に対応して、青紫色レーザー(波長400〜450nmのレーザー光を使用)に対応する有機色素を使用した光情報媒体も多く提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
このような青紫色レーザーに対応する有機色素を使用した光情報媒体としては、例えば、基板のグルーブ上に、光反射層と、有機色素を含む色素記録層と、が順次積層され、更に、該色素記録層上に、カバー層が接着剤や粘着剤により貼り合わされる構成が知られている。具体的なものとして、例えば、特許文献1に記載の光情報記録媒体がある。この光情報記録媒体は、上記構成に加え、イングルーブ部(光入射面からみて凹部)における色素記録層の厚さが、オングルーブ部(光入射面からみて凸部)における色素記録層の厚さより大きく、優れた記録特性を示すことを特徴としている。
このような構成の光情報媒体は、レーザー光が前記光透過層側から照射されることで、記録及び再生を行うことができる。具体的には、このような光情報媒体への情報の記録は、色素記録層のオングルーブ部にレーザー光を照射し、その部分が光を吸収して局所的に発熱変形(例えば、ピットなどの生成)することにより行われる。即ち、情報の記録は、色素記録層のオングルーブ部において、発熱変形した部位(記録部分)と変形していない部位(未記録部分)とで反射率を異ならせることで行われる。一方、情報の再生は、通常、記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光を追記型光情報媒体に照射して、上記の反射率の違いを検出することにより行われている。
このようなオングルーブ部に対する記録は、高いパワーのレーザー光を照射して記録した場合、発熱変形箇所がグルーブの幅方向に広がりすぎて、トラッキングが外れやすくなるという懸念があり、その結果、隣接するトラックへの発熱変形に対する寄与が大きくなるという問題を有していた。
この問題を解決する手段として、近年、イングルーブ部に記録を行う方法が検討されている。上記のような、オングルーブ部に記録するタイプの光情報媒体に対してイングルーブ部への記録を行った場合、色素記録層において記録後の反射率が記録前よりも高くなる、つまり、記録部分の反射率が未記録部分より高くなる、Low to High(以下、LHと称する。)の記録極性を示す。また、通常通り、オングルーブ部に記録した場合は、記録部分の反射率が未記録部分より低くなる、High to Low(以下、HLと称する)の記録極性を示し、これは、CD−RやDVD−Rと同様の記録極性である。
このLH記録では、オングルーブ部への記録(HL記録)と同等の出力が得られず、記録再生特性が低いという問題を有していた。また、このようにCD−RやDVD−Rと記録極性が異なる場合、ドライブとの対応が困難となったり、新たなドライブの設計などの負担が増加するといった問題を有していた。
"ISOM2001"218〜219頁 2003−263779号公報
本発明は、以上の従来の問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明の目的は、青紫色レーザーに対応する有機色素を使用した光情報媒体であって、イングルーブ部に対してHL記録を行うことができる光情報媒体を提供することにある。
前記課題を解決する手段は以下の通りである。即ち、
本発明の光情報媒体は、基板に設けられたグルーブ上に、色素記録層と光透過層とをこの順に有し、該光透過層側からイングルーブ部に対してレーザー光を入射することで記録及び再生を行う光情報媒体であって、
前記レーザー光の記録再生波長λと、下記式(1)により導かれる光路長差λdと、の関係が、λd/λ<−0.5を満たすことを特徴とする。
式(1) λd=2×(nd×do−nd×di−np×dl
(式(1)中、ndは色素記録層の屈折率を表し、npは光透過層の屈折率を表し、diはイングルーブ部における色素記録層の厚さ(nm)を表し、doはオングルーブ部における色素記録層の厚さ(nm)を表し、dlはイングルーブ部における色素記録層表面とオングルーブ部における色素記録層表面との間に形成される段差の大きさ(nm)を表す。)
また、本発明の光情報媒体において、グルーブのトラックピッチが200〜400nmであり、かつ、溝深さDが65〜150nmであると共に、記録再生波長λが500nm以下であることが好ましい態様である。
本発明によれば、青紫色レーザーに対応する有機色素を使用した光情報媒体であって、イングルーブ部に対して記録を行っても、オングルーブ部への記録と同じHL極性の記録を行うことができる光情報媒体を提供することができる。
また、本発明の光情報媒体は、イングルーブ部への記録に対応可能であるため、トラッキングの外れを防止することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の光情報媒体は、基板に設けられたグルーブ上に、色素記録層と光透過層とをこの順に有し、該光透過層側からイングルーブ部に対してレーザー光を入射することで記録及び再生を行う光情報媒体であって、
前記レーザー光の記録再生波長λと、下記式(1)により導かれる光路長差λdと、の関係が、λd/λ<−0.5を満たすことを特徴とする。
式(1) λd=2×(nd×do−nd×di−np×dl
(式(1)中、ndは色素記録層の屈折率を表し、npは光透過層の屈折率を表し、diはイングルーブ部における色素記録層の厚さ(nm)を表し、doはオングルーブ部における色素記録層の厚さ(nm)を表し、dlはイングルーブ部における色素記録層表面とオングルーブ部における色素記録層表面との間に形成される段差の大きさ(nm)を表す。)
以下、図1を参照して、本発明の光情報媒体の特徴部分について詳細に説明する。ここで、図1は、本発明の光情報媒体における基板の形状及び色素記録層の厚さを示すための要部拡大断面図である。図1に示すように、本発明の光情報媒体は、所望のグルーブが形成された基板10上に色素記録層20が設けられた構造を有する。
まず、本発明における基板10のグルーブの形状及びそのグルーブ上に設けられる色素記録層20の厚さについて説明する。
図1中、「di」はイングルーブ部(レーザー光が照射される側から見て凹部)における色素記録層の厚さを表し、「do」はオングルーブ部(レーザー光が照射される側から見て凸部)における色素記録層の厚さを表す。また、「dl」は、図1のように本発明の光情報媒体を断面視した場合に、イングルーブ部における色素記録層表面と、オングルーブ部における色素記録層表面と、の間に形成される段差の大きさ(距離)を表し、以下、単に、「色素記録層段差」と称する場合がある。
また、図1中、「D」はグルーブの溝深さを表し、「W」はグルーブの溝幅を表す。なお、溝深さ(D)は、溝(グルーブ)形成前の基板表面から溝の最も深い箇所までの距離であり、溝幅(W)は、D/2の深さでの溝の幅である。
本発明においては、記録再生波長λと、光路長差λdと、の関係が、λd/λ<−0.5を満たすことを要する。また、より好ましくは、λd/λ<−0.51であり、更に好ましくは、λd/λ<−0.52である。
なお、λd/λ≧−0.5であると、LH記録となってしまう問題がある。
以下、光路長差λdについて説明する。光路長差λdは、下記式(1)により導かれる。
式(1) λd=2×(nd×do−nd×di−np×dl
(式(1)中、ndは色素記録層の屈折率を表し、npは光透過層の屈折率を表し、diはイングルーブ部における色素記録層の厚さ(nm)を表し、doはオングルーブ部における色素記録層の厚さ(nm)を表し、dlはイングルーブ部における色素記録層表面とオングルーブ部における色素記録層表面との間に形成される段差の大きさ(nm)を表す。)
このように、λdは、基板10に設けられたグルーブの形状、そのグルーブ上に形成された色素記録層20の厚さ、及び光透過層の材質(物性)に応じて変化することから、これらの因子を適宜調整することで、所望の光路長差λdを得ることができるものである。
ここで、色素記録層の屈折率(nd)及び光透過層の屈折率(np)とは、波長405nmの光に対する屈折率である。
また、これらの層の色素記録層の屈折率の測定方法としては、多入射角分光エリプソメトリーを用いることがで好ましい。
このように、本発明の光情報媒体によれば、上記式(1)から導かれるλdと、記録再生波長λと、がλd/λ<−0.5の関係を満たすことで、イングルーブ部への記録を行っても、色素記録層において記録後の反射率が記録前よりも低くなる、つまり、記録部分の反射率が未記録部分より低くなる、HL記録が可能となる。
その結果、LH記録のように記録再生特性が低いという問題が解消され、現行のドライブとの互換性も得られる。
以下、本発明の光情報媒体を構成する各要素について説明する。
<基板>
基板10は、例えば、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。この中では、耐湿性、寸法安定性及び価格などの点からポリカーボネートやアモルファスポリオレフィンが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
基板10の厚さは、1.1±0.3mmの範囲であることが好ましい。
基板10の表面には、トラッキング用溝又はアドレス信号等の情報を表わす凹凸(グルーブ)が形成されている。このグルーブは、ポリカーボネートなどの樹脂材料を射出成形或いは押出成形する際に、直接基板上に形成されることが好ましい。また、グルーブの形成を、グルーブ層を設けることにより行ってもよい。グルーブ層の材料としては、アクリル酸のモノエステル、ジエステル、トリエステル及びテトラエステルのうちの少なくとも一種のモノマー(又はオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用いることができる。グルーブ層の形成は、例えば、まず精密に作られた母型(スタンパ)上に上記のアクリル酸エステル及び重合開始剤からなる混合液を塗布し、更に、この塗布液層上に基板を載せた後、基板又は母型を介して紫外線を照射するにより塗布層を硬化させて基板と塗布層とを固着させる。次いで、基板を母型から剥離することにより得ることができる。グルーブ層の層厚は一般に、0.01〜100μmの範囲にあり、好ましくは0.05〜50μmの範囲である。
本発明において、グルーブの溝深さ(D)は、HL記録を達成するために、65〜150nmの範囲であることが好ましく、70〜145nmの範囲とすることがより好ましく、80〜120nmの範囲とすることが更に好ましい。
また、グルーブの溝幅(W)は、HL記録を達成するために、50〜250nmの範囲にあることが好ましく、100〜250nmの範囲であることがより好ましい。
更に、グルーブのトラックピッチは、高い記録密度を達成するために、200〜400nmの範囲とすることが好ましく、250〜350nmの範囲とすることが好ましい。
基板10上に後述する光反射層が設けられる場合、光反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
<色素記録層>
本発明における色素記録層は、その屈折率及び厚さが光路長差λdを算出する際の因子となることから、所望の光路長差λdに合わせて、色素記録層を構成する材料、厚さ等を選択すればよい。
本発明においては、イングルーブ部における色素記録層の厚さ(di)は、オングルーブ部における色素記録層の厚さ(do)よりも大きいことが好ましい。つまり、図1に示すように、本発明の光情報媒体は、イングルーブ部における色素記録層20の厚さdiが、オングルーブ部における色素記録層20の厚さdoよりも大きくなるように形成されることが好ましい。これにより、厚さdiと厚さdoとの位相差は小さくなり、反射率の低減が防止されると共に、位相差によって記録振幅が小さくなることを防止する効果をも有する。
また、厚さ(di)と厚さ(do)との関係は、di>doであることが好ましく、反射率や記録振幅の低減を効率よく防止する観点から、2do≧di>doであることがより好ましく、1.8do≧di≧1.1doであることが更に好ましく、1.6do≧di≧1.2doであることが特に好ましい。
イングルーブ部における色素記録層20の厚さdiは、グルーブの溝深さ(D)や後述する接着層を構成する材料の物性により、適宜、決定されることが好ましく、更に、オングルーブ部における色素記録層20の厚さとの間で上記の関係(di>do)を満たしていることが好ましい。具体的には、60〜160nmであることが好ましく、65〜150nmであることがより好ましく、70〜150nmであることが特に好ましい。
一方、オングルーブ部における色素記録層20の厚さ(do)は、20〜200nmであることが好ましく、40〜150nmであることがより好ましく、50〜120nmであることが特に好ましい。
このような色素記録層20の厚さは、以下の方法により測定することができる。
色素記録層20が形成された後、又は、製造完了後の光情報媒体を、FIB加工を用いて断面切り出し加工を行い、加工後のサンプルを電子顕微鏡で観察することで測定することができる。
本発明における色素記録層20は、後述する色素と、所望により結合剤と、を適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を基板の表面(又は光反射層の表面)に塗布して塗膜を形成した後、その塗膜を乾燥することにより形成することができる。
ここで、イングルーブ部における色素記録層20の厚さ(di)を、及び、オングルーブ部における色素記録層20の厚さ(do)を、制御するためには、基板の温度、塗布法の種類、塗布液の濃度や粘度、塗布条件(例えば、スピンコート法における塗布時や振り切り時のスピンドル回転数及び保持時間など)、乾燥条件(乾燥温度、乾燥時間、乾燥湿度など)、等を、適宜、調整すればよい。
本発明において用いられる塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などが挙げられる。中でも、スピンコート法が好ましく用いられる。
以下に、本発明において色素記録層20の厚さを制御する際の好ましい各条件について挙げる。
塗布液の温度としては、20〜50℃であれば特に問題はないが、好ましくは22〜40℃、更に好ましくは23〜37℃である。
また、基板の温度としては、10〜50℃であることが好ましく、15〜45℃であることがより好ましく、20〜40℃であることが更に好ましい。
更に、塗布の際の温・湿度としては、10〜40℃、10〜90%RHであることが好ましく、15〜35℃、15〜85%RHであることがより好ましく、20〜35℃、20〜80%RHであることが更に好ましい。
本発明においては、色素記録層がスピンコート法により形成されることが好ましい。このスピンコート法においては、色素を含有する塗布液を基板の表面(又は光反射層の表面)に塗布した後、振り切り回転数へのスピンドル回転数を上昇させ始めるまでの時間を調整することにより、色素記録層の厚さを制御することができる。塗布終了時からスピンドル回転数を上昇させ始めるまでの時間が短いと色素記録層は薄く、反対に、長くなると色素記録層は厚くなる。
なお、このように色素記録層20を塗布法により形成することで、上記の関係(di>do)を満たすことができる。塗布法は、蒸着法とは異なり、塗布面に形成されている凹凸(グルーブ)上において膜厚が均一とならず、図1のように、その凹凸の形状をなだらかに追従する塗膜を形成することができる。このため、色素記録層20を塗布法において形成すれば、上述のように、イングルーブ部における色素記録層20の厚さ(di)が、オングルーブ部における色素記録層20の厚さ(do)よりも大きくなるように形成することができるのである。また、塗布法は、蒸着法のように、色素記録層の用いる色素が変性してしまうほど高温に加熱する必要がないため、良好なピットを形成することができ、記録特性を向上させることができる。
色素記録層20は、照射されるレーザー光の波長領域に極大吸収を有する色素を含有していることが好ましく、特に、500nm以下の波長のレーザー光で記録及び再生が可能なように、500nm以下に極大吸収を有する色素を含有していることが好ましい。こで用いられる色素としては、例えば、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられる。
具体的には、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、特開平11−53758号公報、特開平11−334204号公報、特開平11−334205号公報、特開平11−334206号公報、特開平11−334207号公報、特開2000−43423号公報、特開2000−108513号公報、特開2000−158818号公報の各公報に記載されている色素、或いは、トリアゾール、トリアジン、シアニン、メロシアニン、アミノブタジエン、フタロシアニン、桂皮酸、ビオロゲン、アゾ、オキソノールベンゾオキサゾール、ベンゾトリアゾール等の色素が挙げられ、シアニン、アミノブタジエン、ベンゾトリアゾール、フタロシアニンが好ましい。
このような色素に加え、所望により結合剤や添加剤等を適当な溶剤に溶解して塗布液を調製する。
ここで用いられる色素記録層の塗布液の溶剤としては、例えば、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンなどの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶剤は使用する色素及び結合剤の溶解性を考慮して単独で用いてもよいし、二種以上を適宜併用することもできる。
結合剤の例としては、例えば、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;及びポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。色素記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、色素に対して0.01〜50倍量(質量比)の範囲であることが好ましく、0.1〜5倍量の範囲であることがより好ましい。結合剤を色素記録層に含有させることにより色素記録層の保存安定性を改良することも可能である。
また、塗布液中には、色素記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を添加させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、及び同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の含有量は、色素記録層の全固形分中、通常、0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
更に、塗布液中には、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、及び潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加されてもよい。
また、色素や結合剤を溶解処理する方法としては、超音波処理、ホモジナイザー処理、ディスパー処理、サンドミル処理、スターラー攪拌処理等を適用することができる。
このようにして調製される塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
なお、上記の色素記録層が形成された後には、色素記録層中の余分な溶剤を除去するために、アニール処理を行うことが好ましい。
アニール処理の温度は、余分な溶剤を効率よく除去できる温度として、50℃以上とすることが好ましく、55℃以上とすることがより好ましく、60℃以上とすることが更に好ましい。また、記録層の変質発生の点からは、アニール処理の温度は、100℃以下とすることが好ましく、95℃以下とすることがより好ましく、90℃以下とすることが更に好ましい。
また、アニール処理の時間は、上記処理温度にもよるが、余分な溶剤を効率よく除去できる時間として、5分以上とすることが好ましく、10分以上とすることがより好ましく、30分以上とすることが更に好ましい。また、製造時間を短縮して高い生産性を得る観点から、6時間以下とすることが好ましく、4時間以下とすることがより好ましく、3時間以下とすることが更に好ましい。
アニール処理の雰囲気としては、特に限定されず、適宜設定することが好ましい。
<光透過層>
光透過層は、後述する接着層を介して貼り合わされ、記録及び再生に用いられるレーザー光の入射面となる。そのため、記録及び再生に使用されるレーザー光(好ましくは、500nm以下の波長のレーザー光)に対して、透過率80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、光透過層は樹脂シートであることが好ましく、その樹脂シートとしては、ポリカーボネート(帝人社製ピュアエース、帝人化成社製パンライト)、3酢酸セルロース、(富士フイルム社製フジタック)、PET(東レ社製ルミラー)が挙げられ、ポリカーボネート、3酢酸セルロースがより好ましい。
また、光透過層の表面粗さRaが5nm以下であるが好ましい。この表面粗さRaは、樹脂の種類、製膜方法、含有するフィラーの有無や有無などによって決まる。なお、光透過層の表面粗さRaは、例えば、WYKO社製HD2000によって測定される。
光透過層の厚さは、記録及び再生のために照射されるレーザー光の波長やNAにより、適宜、規定されるが、0.03〜0.15mmの範囲が好ましく、0.05〜0.12mmがより好ましい。また、光透過層と上記接着層とを合せた厚さは、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
なお、光透過層の光入射面には、光情報媒体の製造、保存、使用時に、光入射面が傷つくことを防止するための保護層(ハードコート層)や、汚れが付着することを防止するための防汚層が設けられていてもよい。
<接着層>
本発明における接着層は、記録層上に後述する光透過層を貼り合せるために用いられる層であり、従来公知の接着剤や粘着剤を用いて構成される。この接着層の弾力性により、記録層に形成されるピット等の発熱変形の度合いが変化することから、この接着層を構成する材料の物性(例えば、ガラス転移点Tg)により、上記色素記録層のイングルーブ部における厚さ(di)を調整することが好ましい。
接着剤としては、ガラス転移点Tgが0〜250℃の硬化性樹脂を用いることが好ましく、具体的には、例えば、UV硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用することができ、中でも、UV硬化樹脂を使用することが好ましい。
接着剤は、例えば、貼り合わせ面(色素記録層表面又はバリア層表面)上に、スピンコート法により接着剤を所定量塗布し、その上に光透過層を載置した後、高速で回転させて、接着剤が貼り合わせ面と光透過層との間に均一になるように広げてから硬化させることが好ましい。
接着剤としてUV硬化樹脂を使用する場合は、該UV硬化樹脂をそのまま、若しくはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ディスペンサから貼り合わせ面に供給してもよい。
また、作製される光情報媒体の反りを防止するため、接着層を構成するUV硬化樹脂は硬化収縮率の小さいものが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)社製の「SD−640」等のUV硬化樹脂を挙げることができる。
また、粘着剤としては、ガラス転移点Tgが−60〜0℃の粘着剤を用いることが好ましく、具体的には、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
上記粘着剤と併用される架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。かかるイソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート類を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品としては、日本ポリウレタン社製のコロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートHTL;武田薬品社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202;住友バイエル社製のデスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL;等を挙げることができる。
粘着剤は、貼り合わせ面上に、所定量、均一に塗布し、その上に、光透過層を載置した後、硬化させてもよいし、予め、光透過層の片面に、所定量を均一に塗布して粘着剤塗膜を形成しておき、該塗膜を貼り合わせ面に貼り合わせ、その後、硬化させてもよい。
また、光透過層に、予め、粘着剤が塗設された市販の粘着フィルムを用いてもよい。
本発明における接着層の厚さは、0.1〜100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲である、更に好ましくは、10〜30μmの範囲である。
<光反射層>
本発明において、光反射層は、情報の再生時における反射率の向上の目的で、基板と色素記録層との間に設けられる任意の層である。光反射層は、レーザー光に対する反射率が高い光反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより前記基板上に形成することができる。
光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属或いはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、或いは二種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Al或いはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Ag或いはこれらの合金である。
<バリア層>
本発明において、色素記録層と接着層との間には、密着性及び色素の保存性を高めるために、バリア層が形成されていることが好ましい。バリア層の材料としては、Zn、Si、Ti、Te、Sm、Mo、Ge、Nb、Ta、Ga、Al、Zr、In、Sn、Y等のいずれか1原子以上からなる酸化物、窒化物、炭化物等が用いられる。
バリア層は、スパッタリング、蒸着イオンプレーティング等により形成すること可能で、その厚さは、1〜100nmとすることが好ましい。
<その他の層>
本発明の光情報媒体には、更に、接着性、記録特性、保存性を高めるための種々の中間層が設けられてもよい。例えば、光反射層と色素記録層との間には、反射率や密着性を向上させるための中間層を設けてもよい。
〔情報の記録と再生〕
本発明の光情報媒体は、例えば、以下のようにして情報の記録、再生が行われる。ここで、本発明の光情報媒体は、上記のような層構成を有することから、記録再生波長λは500nm以下であることが好ましい。
まず、光情報媒体を所定の線速度(0.5〜10m/秒)、又は、所定の定角速度にて回転させながら、光透過層側から対物レンズを介して青紫色レーザー(例えば、波長405nm)などの記録用の光を所望のイングルーブ部に照射する。この照射光により、色素記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、例えば、ピットが生成してその光学特性(反射率)を変えることにより情報が記録される。上記のように記録された情報の再生は、光情報媒体を所定の定線速度で回転させながら青紫色レーザー光を光透過層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
500nm以下の発振波長を有するレーザー光源としては、例えば、390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー、中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザー等を挙げることができる。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズのNAは0.7以上が好ましく、0.85以上がより好ましい。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(実施例1)
帝人化成(株)製のポリカーボネート樹脂(パンライトAD5503)を用いて射出成形により、厚さ1.1mm、外径120mm、内径15mmの基板を得た。ここで、基板に設けられたグルーブは、溝深さ(D)100nm、溝幅(W)160nm、トラックピッチ320nmであった。
そのグルーブ上に、Ag:98.4at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%からなるターゲットを用いて、真空成膜法により光反射層を70nmの厚みで成膜した。この際、真空成膜法はアルゴン雰囲気下で行い、投入電力は2kW、Ar流量は5sccmであった。
下記化学式で表わされる色素を、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(TFP)100mlに対し1gの比率となるように秤量した。秤量した色素をTFPに加え、その溶液に超音波を2時間照射して色素を溶解させた後、23℃50%RHの環境に0.5時間以上静置し、0.2μmのフィルターで濾過し、色素塗布液を得た。
この色素塗布液を、光反射層上にスピンコート法を用いて塗布し、その後乾燥させて、色素記録層を形成した。
なお、色素記録層の厚さは、色素塗布液を光反射層上に塗布した後、振り切り回転数へのスピンドル回転数を上昇させ始めるまでの時間を調整することにより制御した。
ここで、形成された色素記録層の厚さを以下のようにして算出した。まず、上記の方法により色素記録層が形成された試料から、日立ハイテクノロジー社製FB−2100型FIB加工装置を用いて切片を作製した。その切片を日立ハイテクノロジー社製HF−2200型FE−TEMを用いて観察して、イングルーブ部の厚さ及びオングルーブ部の厚さをそれぞれ3点ずつ測定し、その平均値を算出した。その結果、イングルーブ部における色素記録層の厚さ(di)は100nm、オングルーブにおける色素記録層の厚さ(do)は50nmであった。これらの数値と、グルーブの形状から、色素記録層段差(dl)を算出したところ、50nmであった。
更に、この色素記録層の屈折率(nd)をウーラム社製分光エリプソメーターにより測定したところ、1.8であった。
Figure 2006120194
色素記録層を形成した後、80℃のクリーンオーブンにて1時間のアニール処理を施した。
その後、色素記録層上に、ZnO:3質量部、Ga23:7質量部からなるターゲットを用いて厚さ7nmのバリア層を作製した。
その後、形成されたバリア層上に、光透過層としてのポリカーボネートフィルム(帝人(株)社製ピュアエース、外径120mm、内径15mm、厚さ80μm)を粘着剤を用いて貼り合わせた。ここで用いた粘着剤のガラス点移転Tgは−35℃であった。なお、貼り合わせは大気中で行い、光透過層の上からローラーで押し付け、密着させて行った。この際、粘着剤を用いて構成された接着層の厚さは20μmであり、光透過層と接着層とで合せて、100μmであった。
また、この光透過層の屈折率(np)を、上記色素記録層と同様の方法で測定したところ、1.6であった。
(実施例2)
実施例1において、基板に設けられたグルーブの溝深さ(D)、色素記録層の厚さ(di)及び(do)、並びに色素記録層段差(dl)を下記表1のように変えた他は、実施例1と同様にして、実施例2の光情報媒体を作製した。
(実施例3)
実施例1において、基板に設けられたグルーブの溝深さ(D)、色素記録層の厚さ(di)及び(do)、並びに色素記録層段差(dl)を下記表1のように変えた他は、実施例1と同様にして、実施例3の光情報媒体を作製した。
(比較例1)
実施例1において、基板に設けられたグルーブの溝深さ(D)、色素記録層の厚さ(di)及び(do)、並びに色素記録層段差(dl)を下記表1のように変えた他は、実施例1と同様にして、比較例1の光情報媒体を作製した。
(比較例2)
実施例1において、基板に設けられたグルーブの溝深さ(D)、色素記録層の厚さ(di)及び(do)、並びに色素記録層段差(dl)を下記表1のように変えた他は、実施例1と同様にして、比較例2の光情報媒体を作製した。
(光情報媒体の記録再生特性評価)
得られた実施例及び比較例の光情報媒体に対し、以下の方法を用いて、記録再生特性の評価を行った。
測定する光情報媒体を、記録再生波長λ=407nmのレーザー、及び、NA=0.85のピックアップのレーザー光学系を搭載した記録再生評価機(パルステック社製:DDU1000)にセットして、パワーを変更して1−7変調されたランダム信号(2T〜8T)をイングルーブ部に記録し、再生して、スペクトルアナライザを用いて、色素記録層の記録部と未記録部との反射率の変化、及び最大記録パワー(トラッキングが外れずに記録できる最大のパワー)を測定した。この時、線速は5.28m/sで、記録時のレーザーの発光パターンを最適化して行った。
ここで、反射率が記録部分の反射率が未記録部分より低くなる、HLの記録極性を示す場合を〇とし、反射率の変化が記録部分の反射率が未記録部分より高くなる、LHの記録極性を示す場合を×とした。
また、最大記録パワーが6mW以上を〇とし、6mW未満を×とした。ここで、6mWとは、本発明の光情報媒体と同じ構成の媒体に対してオングルーブ記録を行った際にトラッキングの外れが発生しうる記録パワーである。そのため、6mW以上の最大記録パワーを有するものを、〇と評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
Figure 2006120194
上記表1に明らかなように、λd/λ<−0.5を満たす本発明の光情報媒体は、イングルーブ部に記録してもHLの記録極性を示し、更に、最大記録パワーも良好である。これにより、より高パワーでの記録を行っても、トラッキングが外れないことが判明した。
一方、比較例の光情報媒体は、イングルーブ部に記録するとLHの記録極性を示し、HL記録は達成できなかった。
本発明の光情報媒体における基板の形状及び色素記録層の厚さを示すための要部拡大断面図である。
符号の説明
10 基板
20 色素記録層
D グルーブの溝深さ
W グルーブの溝幅
i イングルーブ部における色素記録層の厚さ
o オングルーブ部における色素記録層の厚さ
l イングルーブ部における色素記録層表面とオングルーブ部における色素記録層表面との間に形成される段差の大きさ

Claims (2)

  1. 基板に設けられたグルーブ上に、色素記録層と光透過層とをこの順に有し、該光透過層側からイングルーブ部に対してレーザー光を入射することで記録及び再生を行う光情報媒体であって、
    前記レーザー光の記録再生波長λと、下記式(1)により導かれる光路長差λdと、の関係が、λd/λ<−0.5を満たすことを特徴とする光情報媒体。
    式(1) λd=2×(nd×do−nd×di−np×dl
    (式(1)中、ndは色素記録層の屈折率を表し、npは光透過層の屈折率を表し、diはイングルーブ部における色素記録層の厚さ(nm)を表し、doはオングルーブ部における色素記録層の厚さ(nm)を表し、dlはイングルーブ部における色素記録層表面とオングルーブ部における色素記録層表面との間に形成される段差の大きさ(nm)を表す。)
  2. 前記グルーブのトラックピッチが200〜400nmであり、かつ、前記溝深さDが65〜150nmであると共に、前記記録再生波長λが500nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光情報媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010282706A (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 Taiyo Yuden Co Ltd 光情報記録媒体用色素及びそれを用いた光情報記録媒体

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