JP2008016110A - 光記録媒体、情報記録方法及び色素の利用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録層の材料である有機色素への添加剤の含有及びレーザ光の出力を下げることなく、再生耐久性が良好な光記録媒体を提供する。
【解決手段】第1基板12と、該第1基板12上に形成され、色素を含有する第1追記型記録層14とを具備し、該第1追記型記録層14に対して波長450nm以下のレーザ光46を照射することによって情報の記録及び/又は再生を行う第1光記録媒体10Aにおいて、レーザ光46によって第1追記型記録層14に情報を記録する前の第1追記型記録層14の光吸収率をR1、レーザ光46によって第1追記型記録層14に情報を記録した後の第1追記型記録層14の光吸収率をR2、記録前後の第1追記型記録層14の光吸収変化率をR3=(R1−R2)/R1としたとき、R3>−0.5を満足するように構成する。
【選択図】図1
【解決手段】第1基板12と、該第1基板12上に形成され、色素を含有する第1追記型記録層14とを具備し、該第1追記型記録層14に対して波長450nm以下のレーザ光46を照射することによって情報の記録及び/又は再生を行う第1光記録媒体10Aにおいて、レーザ光46によって第1追記型記録層14に情報を記録する前の第1追記型記録層14の光吸収率をR1、レーザ光46によって第1追記型記録層14に情報を記録した後の第1追記型記録層14の光吸収率をR2、記録前後の第1追記型記録層14の光吸収変化率をR3=(R1−R2)/R1としたとき、R3>−0.5を満足するように構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、色素を含有する記録層に対して波長450nm以下のレーザ光を照射することによって情報の記録及び/又は再生を行うのに適したヒートモード型の光記録媒体、該光記録媒体に対する情報記録方法及び前記記録層の材料に対する色素の利用方法に関する。
従来から、レーザ光により1回限りの情報の記録が可能な光記録媒体(光ディスク)が知られている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD−R)とも称され、その代表的な構造は、透明な円盤状基板上にメチン色素からなる記録層、金等の金属からなる光反射層、さらに樹脂製の保護層がこの順に積層状態で設けられている。そして、このCD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザ光(通常は780nm付近の波長のレーザ光)をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用のレーザ光と同じ波長のレーザ光を照射することにより行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化しない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより情報が再生される。
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえて、画像情報を安価簡便に記録するための大容量の記録媒体の要求が高まっている。前述のCD−R及び、可視レーザ光(630nm〜680nm)を記録用レーザとして高密度記録を可能としたDVD−Rは、大容量の記録媒体としての地位をある程度までは確保されるものの、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量を有しているとは言えない。そこで、DVD−Rよりもさらに短波長のレーザ光を用いることによって記録密度を向上させ、より大きな記録容量を備えた光ディスクの開発が進められ、例えば405nmの青色レーザを用いたBlu−ray方式と称する光記録ディスクが上市された。
従来、有機色素を含んだ記録層を有する光記録媒体において、記録層側から光反射層側に向けて波長530nm以下のレーザ光を照射することにより、情報の記録再生を行う記録再生方法が開示されている。
具体的には、記録層の色素として、ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチンシアニン色素、ジシアノビニルフェニル骨格色素、クマリン化合物、ナフタロシアニン化合物等を用いた光ディスクに、青色(波長400〜430nm、488nm)又は青緑色(波長515nm)のレーザ光を照射することにより情報の記録再生を行う情報記録再生方法が提案されている。また、オキソノール色素を記録層の色素として用いた光ディスクに、550nm以下のレーザ光を照射することにより、情報の記録再生を行う情報記録再生方法が提案されている。
これら青色レーザ光に対応した記録ディスク用の色素の先行技術として以下の特許文献に記載のものが挙げられる。
ところで、記録層に有機色素を用いる光記録媒体は、一般に熱及び光に対して物質変化し易い等の原因から、繰り返し再生により有機色素が劣化し、その耐久性(再生耐久性)が問題となっていた。このような問題に対し、特開平5−38877号公報では、有機色素薄膜にトリアリールアミン系化合物のアミニウム塩、ジイモニウム塩などを色素の安定化剤として含有させる方法が記載されているが、添加剤を含有させることにより記録再生特性を劣化させる問題がある。また、特開2002−324338号公報では、レーザ光の出力を下げることが述べられているが、再生出力を下げると反射率が低下するため、RF出力、C/N、ジッタ等の特性劣化の原因となることが問題となっている。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、記録層の材料である有機色素への添加剤の含有及びレーザ光の出力を下げることなく、再生耐久性が良好な光記録媒体を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、記録層の材料である有機色素への添加剤の含有及びレーザ光の出力を下げることなく、再生耐久性が良好な光記録媒体に対して情報の記録が可能な情報記録方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、記録層の材料である有機色素への添加剤の含有及びレーザ光の出力を下げることなく、再生耐久性が良好な光記録媒体を得ることができる色素の利用方法を提供することにある。
第1の本発明に係る光記録媒体は、基板と、該基板上に形成され、色素を含有する記録層とを具備し、前記記録層に対して波長450nm以下のレーザ光を照射することによって情報の記録及び/又は再生を行う光記録媒体において、前記レーザ光によって前記記録層に情報を記録する前の前記記録層の光吸収率をR1、前記レーザ光によって前記記録層に情報を記録した後の前記記録層の光吸収率をR2、記録前後の前記記録層の光吸収変化率をR3=(R1−R2)/R1としたとき、R3>−0.5を満足することを特徴とする。
これにより、記録層の材料である有機色素への添加剤の含有及びレーザ光の出力を下げることなく、再生耐久性が良好な光記録媒体を得ることができる。
そして、第1の本発明において、前記記録層は、該記録層の最大吸収波長λmaxでの吸収が前記レーザ光の照射によって低下し、且つ、該記録層の記録再生波長での光吸収率が前記レーザ光の照射によって増加する光学特性を有するようにしてもよい。
また、第1の本発明において、前記レーザ光の波長が405nm、前記レーザ光を前記記録層に集光する対物レンズの開口数が0.65、前記基板の端面から前記記録層までの距離が0.6mmに対応したものであってもよい。
次に、第2の本発明に係る情報記録方法は、上述した第1の本発明に係る光記録媒体に、波長450nm以下のレーザ光を照射して情報を記録することを特徴とする。
これにより、450nm以下のレーザ光照射によって行われる情報の記録が可能となると共に、再生耐久性も良好なものとなる。
次に、第3の本発明に係る色素の利用方法は、基板と、該基板上に形成された記録層とを具備し、前記記録層に対して波長450nm以下のレーザ光を照射することによって情報の記録及び/又は再生を行う光記録媒体における前記記録層の材料として色素を利用する色素の利用方法であって、前記色素を前記記録層に含有させることよって、前記レーザ光によって前記記録層に情報を記録する前の前記記録層の光吸収率をR1、前記レーザ光によって前記記録層に情報を記録した後の前記記録層の光吸収率をR2、記録前後の前記記録層の光吸収変化率をR3=(R1−R2)/R1としたとき、R3>−0.5を満足することを特徴とする。
これにより、記録層の材料である有機色素への添加剤の含有及びレーザ光の出力を下げることなく、再生耐久性が良好な光記録媒体を得ることができる。
そして、第3の本発明において、前記色素を前記記録層に含有させることによって、前記記録層は、該記録層の最大吸収波長λmaxでの吸収が前記レーザ光の照射によって低下し、且つ、該記録層の記録再生波長での光吸収率が前記レーザ光の照射によって増加する光学特性を有するようにしてもよい。
また、第3の本発明において、前記光記録媒体は、前記レーザ光の波長が405nm、前記レーザ光を前記記録層に集光する対物レンズの開口数が0.65、前記基板の端面から前記記録層までの距離が0.6mmに対応したものであってもよい。
以上説明したように、本発明に係る光記録媒体によれば、記録層の材料である有機色素への添加剤の含有及びレーザ光の出力を下げることなく、再生耐久性が良好となる。
また、本発明に係る情報記録方法によれば、記録層の材料である有機色素への添加剤の含有及びレーザ光の出力を下げることなく、再生耐久性が良好な光記録媒体に対して情報の記録が可能となる。
また、本発明に係る色素の利用方法によれば、記録層の材料である有機色素への添加剤の含有及びレーザ光の出力を下げることなく、再生耐久性が良好な光記録媒体を得ることができる。
また、本発明に係る情報記録方法によれば、記録層の材料である有機色素への添加剤の含有及びレーザ光の出力を下げることなく、再生耐久性が良好な光記録媒体に対して情報の記録が可能となる。
また、本発明に係る色素の利用方法によれば、記録層の材料である有機色素への添加剤の含有及びレーザ光の出力を下げることなく、再生耐久性が良好な光記録媒体を得ることができる。
以下、本発明に係る光記録媒体、情報記録方法及び色素の利用方法の実施の形態例を図1〜図4を参照しながら説明する。
本発明の光記録媒体は、図1に示す第1の様態に係る光記録媒体(以下、単に第1光記録媒体10Aと記す)と、図2に示す第2の様態に係る光記録媒体(以下、単に第2光記録媒体10Bと記す)であることが好ましく、特に、第2光記録媒体10Bであることが好ましい。
第1光記録媒体10Aは、図1に示すように、厚さ0.7〜2mmの第1基板12上に、色素を含有する第1追記型記録層14と、厚さ0.01〜0.5mmのカバー層16とをこの順に有する。具体的には、例えば第1基板12上に、第1光反射層18と、第1追記型記録層14と、バリア層20と、第1接着層22と、カバー層16とをこの順に有する。
第2光記録媒体10Bは、図2に示すように、厚さ0.1〜1.0mmの第2基板24上に、色素を含有する第2追記型記録層26と、厚さ0.1〜1.0mmの保護基板28とをこの順に有する。具体的には、例えば第2基板24上に、第2追記型記録層26と、第2光反射層30と、第2接着層32と、保護基板28とをこの順に有する。
第1光記録媒体10Aにおいては、図1に示すように、第1基板12に形成される第1プリグルーブ34のトラックピッチが50〜500nm、溝幅が25〜250nm、溝深さが5〜150nmであることが好ましい。
第2光記録媒体10Bにおいては、図2に示すように、第2基板24に形成される第2プリグルーブ36のトラックピッチが200〜600nm、溝幅が50〜300nm、溝深さが30〜200nmであり、ウォブル振幅が10〜50nmであることが好ましい。
第1光記録媒体10Aは、図1に示すように、少なくとも第1基板12と、第1追記型記録層14と、カバー層16とを有する様態であり、まず、これらに必須の部材について順に説明する。
〔第1光記録媒体10Aの第1基板12〕
図1に示すように、好ましい第1光記録媒体10Aの第1基板12には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、及びウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有する第1プリグルーブ34(案内溝)が形成されていることが必須である。この第1プリグルーブ34は、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、第1光記録媒体10Aを、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
図1に示すように、好ましい第1光記録媒体10Aの第1基板12には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、及びウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有する第1プリグルーブ34(案内溝)が形成されていることが必須である。この第1プリグルーブ34は、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、第1光記録媒体10Aを、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
第1プリグルーブ34のトラックピッチは、50〜500nmの範囲であることが必須であり、上限値が420nm以下であることが好ましく、370nm以下であることがより好ましく、330nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、100nm以上であることが好ましく、200nm以上であることがより好ましく、260nm以上であることがさらに好ましい。
トラックピッチが50nm未満では、第1プリグルーブ34を正確に形成することが困難になる上、クロストークの問題が発生することがあり、500nmを超えると、記録密度が低下する問題が生ずることがある。
第1プリグルーブ34のランド40(第1基板12において凹部)での溝幅(半値幅)は、140〜240nmの範囲であり、好ましくは145〜230nmであり、さらに好ましくは150〜220nmである。溝幅が狭すぎると、溝部(ランド40)の成形が困難になり、溝幅が広すぎると、溝間部(グルーブ38)の成形が困難になる。
第1プリグルーブ34の溝深さは、30〜130nmの範囲であり、好ましくは40〜125nmであり、さらに好ましくは50〜120nmである。溝深さは深すぎると、成形が困難になるという問題があり、溝深さが浅すぎるとトラッキングが不安定になる。
また、第1プリグルーブ34の溝傾斜角度は、上限値が80°以下であることが好ましく、70°以下であることがより好ましく、60°以下であることがさらに好ましく、50°以下であることが特に好ましい。また、下限値は、20°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましく、40°以上であることがさらに好ましい。
第1プリグルーブ34の溝傾斜角度が20°未満では、十分なトラッキングエラー信号振幅が得られないことがあり、80°を超えると、第1基板12の成形(射出成形等)が困難となる。
第1光記録媒体10Aにおいて用いられる第1基板12としては、従来の光記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
これらの樹脂を用いた場合、射出成形を用いて第1基板12を作製することができる。
また、第1基板12の厚さは、0.7〜2mmの範囲であることを要し、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
なお、後述する第1光反射層18が設けられる側の第1基板12の表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法によって、第1基板12の表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
〔第1光記録媒体10Aの第1追記型記録層14〕
好ましい第1光記録媒体10Aの第1追記型記録層14は、色素を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を、基板上又は後述する第1光反射層18上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。ここで、第1追記型記録層14は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、塗布液を塗布する工程が複数回行われることになる。
好ましい第1光記録媒体10Aの第1追記型記録層14は、色素を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を、基板上又は後述する第1光反射層18上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。ここで、第1追記型記録層14は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、塗布液を塗布する工程が複数回行われることになる。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、さらに、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。
塗布の際、塗布液の温度は23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、23〜50℃の範囲であることが特に好ましい。
このようにして形成された第1追記型記録層14の厚さは、グルーブ38(第1基板12において凸部)上で、300nm以下であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることがさらに好ましく、180nm以下であることが特に好ましい。下限値としては30nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、70nm以上であることがさらに好ましく、90nm以上であることが特に好ましい。
また、第1追記型記録層14の厚さは、ランド40(第1基板12において凹部)上で、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることがさらに好ましい。下限値としては、70nm以上であることが好ましく、90nm以上であることがより好ましく、110nm以上であることがさらに好ましい。
さらに、グルーブ38上の第1追記型記録層14の厚さt1と、ランド40上の第1追記型記録層14の厚さt2との比(t1/t2)は、0.4以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.6以上であることがさらに好ましく、0.7以上であることが特に好ましい。上限値としては、1未満であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.85以下であることがさらに好ましく、0.8以下であることが特に好ましい。
塗布液が結合剤を含有する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;を挙げることができる。第1追記型記録層14の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。
また、第1追記型記録層14には、該第1追記型記録層14の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報及び同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、さらに好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
ここで、色素を含有する第1追記型記録層14の記録前及び記録後の光学特性について説明する。記録前とは、レーザ光46によって第1追記型記録層14に情報を記録する前の段階をいい、記録後とは、レーザ光46によって第1追記型記録層14に情報を記録した後の段階をいう。
第1追記型記録層14の記録後の光学特性としては、図3に示すように、大きく分けて2種類の光学特性(第1光学特性及び第2光学特性)が挙げられる。第1光学特性を破線L1で示し、第2光学特性を一点鎖線L2で示す。なお、レーザ光46の波長(レーザ波長)をλa、光吸収が最大となる波長(最大吸収波長)をλmaxとする。
先ず、記録前の光学特性は、図3の実線Aで示すように、最大吸収波長λmaxでの光吸収率がm1、レーザ波長λaでの光吸収率がm2(<m1)である。
そして、記録後の第1光学特性は、図3の破線L1に示すように、最大吸収波長λmaxでの光吸収率がm3、レーザ波長λaでの光吸収率がm4であって、m3<m1、m4<m2の関係を有する。
記録後の第2光学特性は、図3の一点鎖線L2に示すように、最大吸収波長λmaxでの光吸収率がm5、レーザ波長λaでの光吸収率がm6であって、m5<m1、m6>m2の関係を有する。
この第1光学特性及び第2光学特性のうち、第2光学特性は、レーザ光46による繰り返し再生によって、光吸収率が増加していくタイプのものであって、再生耐久性上、問題がある。
そこで、第1光記録媒体10Aにおいては、記録前の第1追記型記録層14の光吸収率をR1、記録後の第1追記型記録層14の光吸収率をR2、光吸収率R1から光吸収率R2への変化率、すなわち、記録前後の第1追記型記録層14の光吸収変化率をR3=(R1−R2)/R1としたとき、
R3>−0.5
を満足するように構成する。
R3>−0.5
を満足するように構成する。
このように構成することによって、レーザ光46による繰り返し再生があっても、光吸収率の増加が抑制されることとなる。つまり、第1追記型記録層14の材料である有機色素への添加剤の含有及びレーザ光46の出力を下げることなく、再生耐久性を向上させることができる。
〔第1光記録媒体10Aのカバー層16〕
好ましい第1光記録媒体10Aのカバー層16は、上述した第1追記型記録層14又は後述するバリア層20上に、接着剤や粘着剤等からなる第1接着層22を介して貼り合わされる。
好ましい第1光記録媒体10Aのカバー層16は、上述した第1追記型記録層14又は後述するバリア層20上に、接着剤や粘着剤等からなる第1接着層22を介して貼り合わされる。
第1光記録媒体10Aにおいて用いられるカバー層16としては、透明な材質のフィルムであれば、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネート又は三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録及び再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
また、カバー層16は、本発明の効果を妨げない範囲において、種々の添加剤が含有されていてもよい。例えば、波長400nm以下の光をカットするためのUV吸収剤及び/又は500nm以上の光をカットするための色素が含有されていてもよい。
さらに、カバー層16の表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータ及び3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録及び再生に用いられる光の集光度の観点から、カバー層16の複屈折は10nm以下であることが好ましい。
カバー層16の厚さは、記録及び再生のために照射されるレーザ光の波長や第1対物レンズ42のNAにより、適宜、規定されるが、第1光記録媒体10Aにおいては、0.01〜0.5mmの範囲内であり、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。
また、カバー層16と接着層22とを合わせた総厚は、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
なお、カバー層16の光入射面には、第1光記録媒体10Aの製造時に、光入射面が傷つくことを防止するためのハードコート層44(保護層)が設けられていてもよい。
接着層22に用いられる接着剤としては、例えばUV硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用することが好ましく、特にUV硬化樹脂を使用することが好ましい。
接着剤としてUV硬化樹脂を使用する場合は、該UV硬化樹脂をそのまま、若しくはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ディスペンサからバリア層20の表面に供給してもよい。また、作製される第1光記録媒体10Aの反りを防止するため、接着層22を構成するUV硬化樹脂は硬化収縮率の小さいものが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)社製の「SD−640」等のUV硬化樹脂を挙げることができる。
接着剤は、例えば、バリア層20からなる被貼り合わせ面上に、所定量塗布し、その上に、カバー層16を載置した後、スピンコートにより接着剤を、被貼り合わせ面とカバー層16との間に均一になるように広げた後、硬化させることが好ましい。
このような接着剤からなる接着層22の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、さらに好ましくは10〜30μmの範囲である。
また、接着層22に用いられる粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
上記粘着剤と併用される架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。かかるイソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート類を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品としては、日本ポリウレタン社製のコロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートHTL;武田薬品社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202;住友バイエル社製のデスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL;等を挙げることができる。
粘着剤は、バリア層20からなる被貼り合わせ面上に、所定量、均一に塗布し、その上に、カバー層16を載置した後、硬化させてもよいし、予め、カバー層16の片面に、所定量を均一に塗布して粘着剤の塗膜を形成しておき、該塗膜を被貼り合わせ面に貼り合わせ、その後、硬化させてもよい。
また、カバー層16に、予め、粘着剤層が設けられた市販の粘着フィルムを用いてもよい。
このような粘着剤からなる接着層22の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、さらに好ましくは10〜30μmの範囲である。
〔第1光記録媒体10Aにおけるその他の層〕
好ましい第1光記録媒体10Aは、本発明の効果を損なわない範囲においては、上述の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。他の任意の層としては、例えば、第1基板12の裏面(第1追記型記録層14の形成面に対する裏面)に形成される、所望の画像を有するレーベル層や、第1基板12と第1追記型記録層14との間に設けられる第1光反射層18(後述)、第1追記型記録層14とカバー層16との間に設けられるバリア層20(後述)、第1光反射層18と第1追記型記録層14との間に設けられる界面層などが挙げられる。ここで、レーベル層は、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、及び熱乾燥樹脂などを用いて形成される。
好ましい第1光記録媒体10Aは、本発明の効果を損なわない範囲においては、上述の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。他の任意の層としては、例えば、第1基板12の裏面(第1追記型記録層14の形成面に対する裏面)に形成される、所望の画像を有するレーベル層や、第1基板12と第1追記型記録層14との間に設けられる第1光反射層18(後述)、第1追記型記録層14とカバー層16との間に設けられるバリア層20(後述)、第1光反射層18と第1追記型記録層14との間に設けられる界面層などが挙げられる。ここで、レーベル層は、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、及び熱乾燥樹脂などを用いて形成される。
なお、これら必須及び任意の層は、いずれも単層でもよいし、多層構造を有してもよい。
〔第1光記録媒体10Aにおける第1光反射層18〕
第1光記録媒体10Aにおいて、レーザ光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与するために、第1基板12と第1追記型記録層14との間に、第1光反射層18を形成することが好ましい。
第1光記録媒体10Aにおいて、レーザ光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与するために、第1基板12と第1追記型記録層14との間に、第1光反射層18を形成することが好ましい。
第1光反射層18は、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質を、真空蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。
第1光反射層18の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは2種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。さらに好ましくはAgを50atm%以上含む金属にて構成されていることである。
〔第1光記録媒体10Aにおけるバリア層20(中間層)〕
第1光記録媒体10Aにおいては、第1追記型記録層14とカバー層16との間にバリア層20を形成することが好ましい。
第1光記録媒体10Aにおいては、第1追記型記録層14とカバー層16との間にバリア層20を形成することが好ましい。
バリア層20は、第1追記型記録層14の保存性を高める、第1追記型記録層14とカバー層16との接着性を向上させる、反射率を調整する、熱伝導率を調整する、等のために設けられる。
バリア層20に用いられる材料としては、記録及び再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に、制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。
具体的には、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、ZnS、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZuO、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga2O3が好ましく、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga2O3がより好ましい。
なお、第1光反射層18の材料としてAg(銀)を含んでいる場合、バリア層20は、S(硫黄)を含まないことが望ましい。S(硫黄)を含むと、第1光反射層18の構成材料である例えばAg(銀)を腐食させるからである。また、バリア層20は、水に腐食しない素材であることが望ましい。水に腐食する素材は、湿熱保存性が悪くなる傾向にあるからである。
また、バリア層20は、真空蒸着、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンプレーティングなどの真空成膜法により形成することができる。中でも、スパッタリングを用いることがより好ましく、RFスパッタリングを用いることがさらに好ましい。
バリア層20の厚さは、1〜80nm、好ましくは1〜50nm、より好ましくは1.5〜30nmである。薄すぎると記録時の空隙形成が不十分となり、厚すぎると溝幅が狭くなり記録特性が悪化する。
バリア層20の成膜条件は、以下のとおりである。
成膜時の圧力は1E−02〜1E−05torr、レートは0.1〜10nm/sec、ガス流量は1〜50sccm、ガス種類はArである。スパッタ電力は0.2〜4kW、好ましくは0.4〜3kW、さらに好ましくは0.5〜2.5kWである。
RFスパッタ法により成膜する場合は、そのチューニング(マッチング)を調整して、ターゲットから分離した成膜材料のワーク(第1基板12に第1追記型記録層14及び第1光反射層18が形成された段階のもの)に向かう量(FWD)に対するターゲットから分離した成膜材料がターゲットに向かう量(REF)は、10%以下、好ましくは5%以下、さらに好ましくは2.5%以下である。なお、酸化物や窒化物の場合、それらのガスをスパッタガス中に混合して反応性スパッタにより成膜することがある。
DCスパッタ法による成膜の場合は、パルススパッタ法やチョッパー等により瞬間的にターゲットの帯電を除去する手法を組み合わせることが好ましい。なお、酸化物や窒化物の場合、それらのガスをスパッタガス中に混合して反応性スパッタにより成膜することがある。
バリア層20の光透過率は50〜99%が好ましく、55〜98%が好ましく、60〜95%がより好ましい。光透過率が低いと記録感度が悪化する、媒体反射率が低くなるなどの弊害が生じる。光透過率が高いと、耐光性試験時の保存性が悪くなる傾向にある。バリア層20に用いられる無機物層は、記録再生波長である405mより短い領域では光吸収性が405nmでの吸収より大きく、耐光性試験時に照射される〜350nmの光から色素を保護する働きも有していると推定される。
バリア層20の厚さは、1〜200nmの範囲であることが好ましく、2〜100nmの範囲であることがより好ましく、3〜50nmの範囲であることがさらに好ましい。
次に、第2光記録媒体10Bについて説明する。
ここで、第2光記録媒体10Bは、貼り合わせ型の層構成を有する光記録媒体であり、その代表的な層構成としては、下記の通りである。
(1) 第1の層構成は、図2に示すように、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、第2接着層32を順次形成し、第2接着層32上に保護基板28を設ける構成である。
(2) 第2の層構成は、図示しないが、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、保護層、第2接着層32を順次形成し、第2接着層32上に保護基板28を設ける構成である。
(3) 第3の層構成は、図示しないが、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、保護層、第2接着層32、保護層を順次形成し、該保護層上に保護基板28を設ける構成である。
(4) 第4の層構成は、図示しないが、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、保護層、第2接着層32、保護層、光反射層を順次形成し、該光反射層上に保護基板28を設ける構成である。
(5) 第5の層構成は、図示しないが、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、第2接着層32、光反射層を順次形成し、該光反射層上に保護基板28を設ける構成である。
なお、上記(1)〜(5)の層構成は単なる例示であり、当該層構成は上述の順番のみでなく、一部を入れ替えてもよいし、一部を省略してもかまわない。また、第2追記型記録層26は、保護基板28側にも形成されていてもよく、その場合、両面からの記録、再生が可能な光記録媒体となる。さらに、各層は1層で構成されても複数層で構成されてもよい。
ここでは、第2光記録媒体10Bとして、図2に示すように、第2基板24上に、第2追記型記録層26、第2光反射層30、第2接着層32、保護基板28をこの順に有する構成のものを例にとって、以下にその説明をする。
〔第2光記録媒体10Bの第2基板24〕
第2光記録媒体10Bにおける第2基板24には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、及びウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有する第2プリグルーブ36(案内溝:グルーブ50、ランド52)が形成されていることが必須である。この第2プリグルーブ36は、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、第2光記録媒体10Bを、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
第2光記録媒体10Bにおける第2基板24には、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ、及びウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有する第2プリグルーブ36(案内溝:グルーブ50、ランド52)が形成されていることが必須である。この第2プリグルーブ36は、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、第2光記録媒体10Bを、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
第2プリグルーブ36のトラックピッチは、200〜600nmの範囲であることが必須であり、上限値が500nm以下であることが好ましく、450nm以下であることがより好ましく、430nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、300nm以上であることが好ましく、330nm以上であることがより好ましく、370nm以上であることがさらに好ましい。
トラックピッチが200nm未満では、第2プリグルーブ36を正確に形成することが困難になる上、クロストークの問題が発生することがあり、600nmを超えると、記録密度が低下する問題が生ずることがある。
第2プリグルーブ36のグルーブ50(第2基板24において凹部)の溝幅(半値幅)は、50〜300nmの範囲であることが必須であり、上限値が250nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、180nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、100nm以上であることが好ましく、120nm以上であることがより好ましく、140nm以上であることがさらに好ましい。
第2プリグルーブ36の溝幅が50nm未満では、成型時に溝が十分に転写されなかったり、記録のエラーレートが高くなったりすることがあり、300nmを超えると、記録時に形成されるピットが広がってしまい、クロストークの原因となったり、十分な変調度が得られないことがある。
第2プリグルーブ36の溝深さは、30〜200nmの範囲であることが必須であり、上限値が170nm以下であることが好ましく、140nm以下であることがより好ましく、120nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、40nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、60nm以上であることがさらに好ましい。
第2プリグルーブ36の溝深さが30nm未満では、十分な記録変調度が得られないことがあり、200nmを超えると、反射率が大幅に低下することがある。
第2光記録媒体10Bにおいて用いられる第2基板24としては、従来の光記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができ、具体例及び好ましい例は、第1光記録媒体10Aの第1基板12と同様である。
また、第2基板24の厚さは、0.1〜1.0mmの範囲であることを要し、0.2〜0.8mmの範囲であることが好ましく、0.3〜0.7mmの範囲であることがより好ましい。
なお、後述する第2追記型記録層26が設けられる側の第2基板24の表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましく、該下塗層の材料、塗布法及び層厚の具体例及び好ましい例は、第1光記録媒体10Aの下塗層と同様である。
〔第2光記録媒体10Bの第2追記型記録層26〕
好ましい第2光記録媒体10Bの第2追記型記録層26に関する詳細な説明は、第1光記録媒体10Aの第1追記型記録層14に関するものと同様である。
好ましい第2光記録媒体10Bの第2追記型記録層26に関する詳細な説明は、第1光記録媒体10Aの第1追記型記録層14に関するものと同様である。
従って、この第2光記録媒体10Bにおいても、上述した第1光記録媒体10Aと同様に、レーザ光46による繰り返し再生があっても、光吸収率の増加が抑制されることとなる。つまり、第2追記型記録層26の材料である有機色素への添加剤の含有及びレーザ光46の出力を下げることなく、再生耐久性を向上させることができる。
〔第2光記録媒体10Bの第2光反射層30〕
第2光記録媒体10Bにおいて、レーザ光46に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与するために、第2追記型記録層26上に第2光反射層30を形成することがある。第2光記録媒体10Bの第2光反射層30に関する詳細は、第1光記録媒体10Aの第1光反射層18と同様である。
第2光記録媒体10Bにおいて、レーザ光46に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与するために、第2追記型記録層26上に第2光反射層30を形成することがある。第2光記録媒体10Bの第2光反射層30に関する詳細は、第1光記録媒体10Aの第1光反射層18と同様である。
〔第2光記録媒体10Bの第2接着層32〕
好ましい第2光記録媒体10Bにおける第2接着層32は、第2光反射層30と、保護基板28との密着性を向上させるために形成される任意の層である。
好ましい第2光記録媒体10Bにおける第2接着層32は、第2光反射層30と、保護基板28との密着性を向上させるために形成される任意の層である。
第2接着層32を構成する材料としては、光硬化性樹脂が好ましく、なかでもディスクの反りを防止するため、硬化収縮率の小さいものが好ましい。このような光硬化性樹脂としては、例えば、大日本インク社製の「SD−640」、「SD−347」等のUV硬化性樹脂(UV硬化性接着剤)を挙げることができる。また、第2接着層32の厚さは、弾力性を持たせるため、1〜1000μmの範囲が好ましい。
〔第2光記録媒体10Bの保護基板28〕
好ましい第2光記録媒体10Bにおける保護基板28(ダミー基板)は、上述した第2基板24と同じ材質で、同じ形状のものを使用することができる。保護基板28の厚さとしては、0.1〜1.0mmの範囲であることを要し、0.2〜0.8mmの範囲であることが好ましく、0.3〜0.7mmの範囲であることがより好ましい。
好ましい第2光記録媒体10Bにおける保護基板28(ダミー基板)は、上述した第2基板24と同じ材質で、同じ形状のものを使用することができる。保護基板28の厚さとしては、0.1〜1.0mmの範囲であることを要し、0.2〜0.8mmの範囲であることが好ましく、0.3〜0.7mmの範囲であることがより好ましい。
〔第2光記録媒体10Bの保護層(図示せず)〕
第2光記録媒体10Bは、その層構成によっては、第2光反射層30や第2追記型記録層26等を物理的及び化学的に保護する目的で保護層が設けられることある。
第2光記録媒体10Bは、その層構成によっては、第2光反射層30や第2追記型記録層26等を物理的及び化学的に保護する目的で保護層が設けられることある。
保護層に用いられる材料の例としては、ZnS、ZnS−SiO2、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si3N4等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。
保護層は、例えば、プラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着剤を介して光反射層上に貼り合わせることにより形成することができる。また、真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよい。
また、保護層として、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いる場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのまま若しくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、さらに帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層厚は一般には0.1μm〜1mmの範囲にある。
〔第2光記録媒体10Bにおけるその他の層〕
第2光記録媒体10Bは、本発明の効果を損なわない範囲において、上述の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。このような他の任意の層の詳細な説明は、第1光記録媒体10Aにおけるその他の層と同様である。
第2光記録媒体10Bは、本発明の効果を損なわない範囲において、上述の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。このような他の任意の層の詳細な説明は、第1光記録媒体10Aにおけるその他の層と同様である。
<光情報記録方法>
本発明の光情報記録方法は、第1光記録媒体10A又は第2光記録媒体10Bを用いて、例えば、次のように行われる。
本発明の光情報記録方法は、第1光記録媒体10A又は第2光記録媒体10Bを用いて、例えば、次のように行われる。
第1光記録媒体10Aにおいては、先ず、第1光記録媒体10Aを定線速度(0.5〜10m/秒)又は定角速度にて回転させながら、カバー層16側から半導体レーザ光等の記録用のレーザ光46を、開口数NAが例えば0.85の第1対物レンズ42を介して照射する。このレーザ光46の照射により、第1追記型記録層14がレーザ光46を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
同様に、第2光記録媒体10Bにおいては、先ず、第2光記録媒体10Bを定線速度(0.5〜10m/秒)又は定角速度にて回転させながら、第2基板24側から半導体レーザ光等の記録用のレーザ光46を、開口数NAが例えば0.65の第2対物レンズ48を介して照射する。このレーザ光46の照射により、第2追記型記録層26がレーザ光46を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
本実施の形態においては、レーザ光46として390〜450nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザ光が用いられる。好ましい光源としては390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ光、中心発振波長850nmの赤外半導体レーザ光を光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザ光を挙げることができる。特に、記録密度の点で390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ光を用いることが好ましい。上記のように記録された情報の再生は、第1光記録媒体を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザ光を基板側あるいは保護層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
以下、代表的に第2光記録媒体10Bと同様の構成を有する実施例1〜3、比較例1、2を作製して、それぞれの再生耐久性を判定した。
[実施例1]
(第2基板24の作製)
帝人化成株式会社製のポリカーボネート樹脂(パンライトAD5503)を用いて、射出成形により厚さ0.6mmの第2基板24を成形した。第2基板24の第2プリグルーブ36のトラックピッチは400nm、グルーブ50の半値幅は190nm、溝深さは90nmであった。
(第2基板24の作製)
帝人化成株式会社製のポリカーボネート樹脂(パンライトAD5503)を用いて、射出成形により厚さ0.6mmの第2基板24を成形した。第2基板24の第2プリグルーブ36のトラックピッチは400nm、グルーブ50の半値幅は190nm、溝深さは90nmであった。
(第2追記型記録層26の形成)
下記化合物1を2,2,3,3−テトラフロロプロパノール74gに対し1gの比率になるよう秤量して溶解させた。該溶解液に超音波を2時間照射して色素を溶解させた後、温度23℃、湿度50%の環境下に0.5時間以上静置し、0.2μmのフィルタで濾過して塗布液を得た。この塗布液を、スピンコート法で第2基板24のうち、第2プリグルーブ36が形成された表面上に塗布して、厚さ40nmの第2追記型記録層26を形成した。
下記化合物1を2,2,3,3−テトラフロロプロパノール74gに対し1gの比率になるよう秤量して溶解させた。該溶解液に超音波を2時間照射して色素を溶解させた後、温度23℃、湿度50%の環境下に0.5時間以上静置し、0.2μmのフィルタで濾過して塗布液を得た。この塗布液を、スピンコート法で第2基板24のうち、第2プリグルーブ36が形成された表面上に塗布して、厚さ40nmの第2追記型記録層26を形成した。
その後、クリーンオーブンにてアニール処理を施した。アニール処理は、第2基板24を垂直のスタックポールにスペーサで間をあけながら支持し、80℃で1時間保持して行った。
(第2光反射層30の形成)
第2追記型記録層26上に、Ag:98.4at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%からなるターゲットを用いて、真空成膜法により第2光反射層30を100nmの厚みで成膜した。投入電力は2kW、Ar流量は5sccmで行った。
第2追記型記録層26上に、Ag:98.4at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%からなるターゲットを用いて、真空成膜法により第2光反射層30を100nmの厚みで成膜した。投入電力は2kW、Ar流量は5sccmで行った。
(保護基板28の貼り合わせ)
第2光反射層30上に、スピンコートにより、紫外線硬化性樹脂(大日本インキ社製 SD640)を滴下、塗布し、その上に、保護基板28を載せた後、3600r.p.m.で回転させて紫外線硬化性樹脂を延展させた後に、紫外線を照射することで、紫外線硬化性樹脂を硬化させて、2枚の基板(第2基板24及び保護基板28)を貼り合わせることで、第2光記録媒体10Bと同様の構成を有する実施例1に係る光記録媒体を得た。
第2光反射層30上に、スピンコートにより、紫外線硬化性樹脂(大日本インキ社製 SD640)を滴下、塗布し、その上に、保護基板28を載せた後、3600r.p.m.で回転させて紫外線硬化性樹脂を延展させた後に、紫外線を照射することで、紫外線硬化性樹脂を硬化させて、2枚の基板(第2基板24及び保護基板28)を貼り合わせることで、第2光記録媒体10Bと同様の構成を有する実施例1に係る光記録媒体を得た。
[実施例2]
前記化合物1の代わりに下記化合物2を用いて第2追記型記録層26を形成したこと以外は、実施例1と全く同様な方法で第2光情報記録媒体10Bと同様の構成を有する実施例2に係る光記録媒体を作製した。
前記化合物1の代わりに下記化合物2を用いて第2追記型記録層26を形成したこと以外は、実施例1と全く同様な方法で第2光情報記録媒体10Bと同様の構成を有する実施例2に係る光記録媒体を作製した。
[実施例3]
前記化合物1の代わりに下記化合物3を用いて第2追記型記録層26を形成したこと以外は、実施例1と全く同様な方法で第2光情報記録媒体10Bと同様の構成を有する実施例3に係る光記録媒体を作製した。
前記化合物1の代わりに下記化合物3を用いて第2追記型記録層26を形成したこと以外は、実施例1と全く同様な方法で第2光情報記録媒体10Bと同様の構成を有する実施例3に係る光記録媒体を作製した。
[比較例1]
前記化合物1の代わりに下記化合物4を用いて第2追記型記録層26を形成したこと以外は、実施例1と全く同様な方法で第2光情報記録媒体10Bと同様の構成を有する比較例1に係る光記録媒体を作製した。
前記化合物1の代わりに下記化合物4を用いて第2追記型記録層26を形成したこと以外は、実施例1と全く同様な方法で第2光情報記録媒体10Bと同様の構成を有する比較例1に係る光記録媒体を作製した。
[比較例2]
前記化合物1の代わりに下記化合物5を用いて第2追記型記録層26を形成したこと以外は、実施例1と全く同様な方法で第2光情報記録媒体10Bと同様の構成を有する比較例2に係る光記録媒体を作製した。
前記化合物1の代わりに下記化合物5を用いて第2追記型記録層26を形成したこと以外は、実施例1と全く同様な方法で第2光情報記録媒体10Bと同様の構成を有する比較例2に係る光記録媒体を作製した。
<評価>
(記録部反射率の変化率)
作製した実施例1〜3、比較例1、2を、波長405nmのレーザ光46を出射し、且つ、NA=0.65の第2対物レンズ48を有する光ピックアップを搭載したDDU−1000(パルステック工業社製)を用い、クロック周波数64.8MHz、線速6.61m/sにて2.95MHzの単一波信号(2.95MHzに相当するマークと、2.95MHzに相当するスペースからなる繰り返し信号)を記録した。記録時には発光波形、記録パワーを最適化して行った。
(記録部反射率の変化率)
作製した実施例1〜3、比較例1、2を、波長405nmのレーザ光46を出射し、且つ、NA=0.65の第2対物レンズ48を有する光ピックアップを搭載したDDU−1000(パルステック工業社製)を用い、クロック周波数64.8MHz、線速6.61m/sにて2.95MHzの単一波信号(2.95MHzに相当するマークと、2.95MHzに相当するスペースからなる繰り返し信号)を記録した。記録時には発光波形、記録パワーを最適化して行った。
そして、先ず、記録トラックを0.5mWの再生光で再生し、そのときのピックアップにて検出した記録部分の電圧(記録直後の記録部反射電圧)と、その後、継続して30分間連続再生した直後にピックアップにて検出した電圧(30分再生後の記録部反射電圧)をデジタルオシロスコープDL1640L型(横河電機社製)を用いて測定した。
さらに、以下の計算式から記録部反射率の変化率を求め、記録部反射率の変化率が−10%〜+10%の範囲であれば「○」、−10%よりも小さい(符号がマイナスで、且つ、絶対値が10を超える)あるいは+10%を超える場合を×と判定した。結果を図4に示す。
(記録前後の光吸収変化率)
同様に、2.95MHzに相当するマークと、8.1MHzに相当するスペースからなる繰り返し信号を記録した。記録は5mm幅ほど行った。
同様に、2.95MHzに相当するマークと、8.1MHzに相当するスペースからなる繰り返し信号を記録した。記録は5mm幅ほど行った。
記録を終えた実施例1〜3、比較例1、2について、それぞれ第2追記型記録層26と第2光反射層30の界面で剥離した。
第2基板24とその上に第2追記型記録層26が形成されている方の剥離ディスクを、ETA−RT(STEAG ETA−Optik社製)にセットし、波長300〜670nmで記録部分と未記録部分の光吸収率を透過法で測定し、以下の計算式から記録直後の光吸収変化率として算出した。結果を図4に示す。
(Xe褪色試験)
Xe褪色試験は、実施例1については、ガラス基板上に、実施例1の第2追記型記録層26にて使用した前記化合物1を含有する塗布液を用いて、100nm厚の色素膜を形成したサンプルを作成した。その後、紫外線吸収フィルタ(Schott社製:WG320型フィルタ)を取り付けたキセノン試験機で48時間の光褪色試験を行い、照射前後の最大吸収波長λmaxでの光吸収率の変化を透過法で測定した。
Xe褪色試験は、実施例1については、ガラス基板上に、実施例1の第2追記型記録層26にて使用した前記化合物1を含有する塗布液を用いて、100nm厚の色素膜を形成したサンプルを作成した。その後、紫外線吸収フィルタ(Schott社製:WG320型フィルタ)を取り付けたキセノン試験機で48時間の光褪色試験を行い、照射前後の最大吸収波長λmaxでの光吸収率の変化を透過法で測定した。
以下同様に、実施例2については、ガラス基板上に、前記化合物2を含有する塗布液を用いて、100nm厚の色素膜を形成したサンプルを作成して行い、実施例3については、ガラス基板上に、前記化合物3を含有する塗布液を用いて、100nm厚の色素膜を形成したサンプルを作成して行った。
また、比較例1については、ガラス基板上に、前記化合物4を含有する塗布液を用いて、100nm厚の色素膜を形成したサンプルを作成して行い、比較例2については、ガラス基板上に、前記化合物5を含有する塗布液を用いて、100nm厚の色素膜を形成したサンプルを作成して行った。結果を図4に示す。
図4の結果から、実施例1〜3については、記録部反射率の変化率がいずれも−10%〜+10%の範囲にあり、判定は「○」であった。比較例1及び2については、いずれも−10%よりも大幅に小さく、判定は「×」であった。判定が「○」であった実施例1〜3における記録直後の光吸収変化率は、いずれも−0.5より大きい値であった。なお、図4において、n及びkは、実施例1〜3、比較例1及び2における第2追記型記録層26の複素屈折率の屈折率及び消衰係数を示す。
このように、図4の結果から、本実施の形態に係る光記録媒体の構成を有する実施例1〜3は、比較例1及び2に比べて再生耐久性が高いことがわかる。
なお、本発明に係る光記録媒体、情報記録方法及び色素の利用方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10A…第1光記録媒体 10B…第2光記録媒体
12…第1基板 14…第1追記型記録層
16…カバー層 18…第1光反射層
20…バリア層 22…第1接着層
24…第2基板 26…第2追記型記録層
28…保護基板 30…第2光反射層
32…第2接着層 44…ハードコート層
12…第1基板 14…第1追記型記録層
16…カバー層 18…第1光反射層
20…バリア層 22…第1接着層
24…第2基板 26…第2追記型記録層
28…保護基板 30…第2光反射層
32…第2接着層 44…ハードコート層
Claims (7)
- 基板と、該基板上に形成され、色素を含有する記録層とを具備し、前記記録層に対して波長450nm以下のレーザ光を照射することによって情報の記録及び/又は再生を行う光記録媒体において、
前記レーザ光によって前記記録層に情報を記録する前の前記記録層の光吸収率をR1、前記レーザ光によって前記記録層に情報を記録した後の前記記録層の光吸収率をR2、記録前後の前記記録層の光吸収変化率をR3=(R1−R2)/R1としたとき、
R3>−0.5
を満足することを特徴とする光記録媒体。 - 請求項1記載の光記録媒体において、
前記記録層は、該記録層の最大吸収波長λmaxでの吸収が前記レーザ光の照射によって低下し、且つ、該記録層の記録再生波長での光吸収率が前記レーザ光の照射によって増加する光学特性を有することを特徴とする光記録媒体。 - 請求項1又は2記載の光記録媒体において、
前記レーザ光の波長が405nm、前記レーザ光を前記記録層に集光する対物レンズの開口数が0.65、前記基板の端面から前記記録層までの距離が0.6mmに対応したものであることを特徴とする光記録媒体。 - 請求項1〜3のいずれかの1項に記載の光記録媒体に、波長450nm以下のレーザ光を照射して情報を記録することを特徴とする情報記録方法。
- 基板と、該基板上に形成された記録層とを具備し、前記記録層に対して波長450nm以下のレーザ光を照射することによって情報の記録及び/又は再生を行う光記録媒体における前記記録層の材料として色素を利用する色素の利用方法であって、
前記色素を前記記録層に含有させることよって、
前記レーザ光によって前記記録層に情報を記録する前の前記記録層の光吸収率をR1、前記レーザ光によって前記記録層に情報を記録した後の前記記録層の光吸収率をR2、記録前後の前記記録層の光吸収変化率をR3=(R1−R2)/R1としたとき、
R3>−0.5
を満足することを特徴とする色素の利用方法。 - 請求項5記載の色素の利用方法において、
前記色素を前記記録層に含有させることによって、
前記記録層は、該記録層の最大吸収波長λmaxでの吸収が前記レーザ光の照射によって低下し、且つ、該記録層の記録再生波長での光吸収率が前記レーザ光の照射によって増加する光学特性を有することを特徴とする色素の利用方法。 - 請求項5又は6記載の色素の利用方法において、
前記光記録媒体は、
前記レーザ光の波長が405nm、前記レーザ光を前記記録層に集光する対物レンズの開口数が0.65、前記基板の端面から前記記録層までの距離が0.6mmに対応したものであることを特徴とする色素の利用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006185378A JP2008016110A (ja) | 2006-07-05 | 2006-07-05 | 光記録媒体、情報記録方法及び色素の利用方法 |
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JP2006185378A Pending JP2008016110A (ja) | 2006-07-05 | 2006-07-05 | 光記録媒体、情報記録方法及び色素の利用方法 |
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2006
- 2006-07-05 JP JP2006185378A patent/JP2008016110A/ja active Pending
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