JP2008034005A - 光記録媒体、基板及びスタンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】位置情報エリアに対するエラーレートを低減することができ、実機ドライブで安定したトラッキング制御及びフォーカス制御、良好な電気特性を得ることができる光記録媒体を提供する。
【解決手段】一方の主面に第1プリグルーブ28A及び第2プリグルーブ28Bが形成された面を有する基板12と、基板12の一方の主面上に形成された少なくとも一層の記録層を含む光学的機能層と、光学的機能層上に覆うように配置され形成された光透過層とを有する光記録媒体10であって、基板12の一方の主面のうち、最内周の部分に、少なくとも記録データの位置情報を得るために使用される位置情報エリア26を有し、位置情報エリア26における第2プリグルーブ28Bの溝幅W2を80nm以上、140nm以下とし、溝深さh2を30nm以上、60nm以下とし、且つ、ウォブル振幅を30nm以上とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、高エネルギー密度のレーザ光を用いて情報の書き込み(記録)や読取り(再生)が可能なヒートモード型の光記録媒体、光記録媒体用の基板及びスタンパに関する。
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえて、画像情報を安価簡便に記録するための大容量の記録媒体の要求が高まっている。前述のCD−R及び、可視レーザ光(630nm〜680nm)を記録用レーザとして高密度記録を可能としたDVD−Rは、大容量の記録媒体としての地位をある程度までは確保されるものの、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量を有しているとは言えない。そこで、DVD−Rよりもさらに短波長のレーザ光を用いることによって記録密度を向上させ、より大きな記録容量を備えた光ディスクの開発が進められ、例えば405nmの青色レーザを用いたBlu−ray方式と称する光記録ディスクが上市された。
従来、有機色素を含んだ記録層を有する光記録媒体において、記録層側から光反射層側に向けて波長450nm以下のレーザ光を照射することにより、情報の記録再生を行う記録再生方法が開示されている(例えば特許文献1)。
特開2003−59100号公報
ところで、フォーマット上、光記録媒体には、ユーザによるデータが記録されるデータエリアのほか、最内周部分に、PICやリードインエリア等の位置情報エリアが存在する。データエリアに書き込まれたデータの位置情報等は、整理されて例えばTOCデータとしてリードインエリアに記録される。その後、データエリアへのアクセスは、リードインエリアに記録されたTOCデータから位置情報を得て行われることとなる。
従って、これらPICやリードインエリア等の位置情報エリアに対するアクセスにシークエラー等が生じ易いと、ユーザによるアクセス要求から実際にデータが読み出されるまでに時間がかかったり、アクセスができない等の不都合が生じる。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、位置情報エリアに対するエラーレート(所定ビット数に対するエラービット数の割合)を低減することができ、実機ドライブで安定したトラッキング制御及びフォーカス制御、良好な電気特性を得ることができ、しかも、ユーザによるアクセス要求から実際にデータが読み出されるまでの時間の短縮化、データエリアに対するアクセスの確実性を実現させることができる光記録媒体、基板及びスタンパを提供することを目的とする。
第1の本発明に係る光記録媒体は、一方の主面に溝が形成された面を有する基板と、前記基板の前記一方の主面上に形成された少なくとも一層の記録層を含む光学的機能層と、前記光学的機能層上に覆うように配置され形成された光透過層とを有する光記録媒体であって、前記基板の前記一方の主面のうち、最内周の部分に、少なくとも記録データの位置情報を得るために使用される位置情報エリアを有し、前記位置情報エリアにおける前記溝の半値幅(溝の深さの1/2の地点における溝の幅)が80nm以上、140nm以下で、前記溝の深さが30nm以上、60nm以下で、且つ、前記溝のウォブル振幅が30nm以上であることを特徴とする。
これにより、位置情報エリアに対するエラーレートを1×10-3以下とすることができ、実機ドライブで安定したトラッキング制御及びフォーカス制御、良好な電気特性を得ることが可能となる。しかも、ユーザによるアクセス要求から実際にデータが読み出されるまでの時間の短縮化、データエリアに対するアクセスの確実性を実現させることができる。
また、第1の本発明においては、前記位置情報エリアにおける未記録プッシュプル信号(反射率で規格化したプッシュプル信号)を0.45〜0.6とすることができる。
ここで、基板の溝とは、基板に形成されたプリグルーブやランドを含めた概念であって、プリグルーブの半値幅及び深さ、並びにランドの半値幅及び深さを指す。
そして、第1の本発明において、前記基板の厚さは、0.7〜2mmの範囲がよく、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmの範囲がより好ましい。
また、本発明においては、波長350〜450nmのレーザ光により記録及び/又は再生を行う上で好適である。
また、第1の本発明は、前記レーザ光の波長が405nm、前記レーザ光を前記記録層に集光する対物レンズの開口数が0.85、前記基板の端面から前記記録層までの距離が1.1mmに対応したものであってもよい。
次に、第2の本発明に係る基板は、少なくとも一層の記録層を含む光学的機能層と、前記光学的機能層上に覆うように配置され形成された光透過層とを有する光記録媒体用の基板において、前記光学的機能層が形成される一方の主面に溝が形成され、前記一方の主面のうち、最内周の部分に、少なくとも記録データの位置情報を得るために使用される位置情報エリアを有し、前記位置情報エリアにおける前記溝の半値幅(溝の深さの1/2の地点における溝の幅)が80nm以上、140nm以下で、前記溝の深さが30nm以上、60nm以下で、且つ、前記溝のウォブル振幅が30nm以上であることを特徴とする。
これにより、位置情報エリアに対するエラーレートを1×10-3以下とすることができ、ユーザによるアクセス要求から実際にデータが読み出されるまでの時間の短縮化、データエリアに対するアクセスの確実性を実現させることができる光記録媒体を容易に得ることができる。
次に、第3の本発明に係るスタンパは、少なくとも一層の記録層を含む光学的機能層と、前記光学的機能層上に覆うように配置され形成された光透過層とを有する光記録媒体用の基板を作製するためのスタンパにおいて、前記基板は、一方の面に前記光学的機能層が形成されるものであって、前記一方の主面のうち、最内周の部分に、少なくとも記録データの位置情報を得るために使用される位置情報エリアを有し、前記位置情報エリアにおける前記溝の半値幅(溝の深さの1/2の地点における溝の幅)が80nm以上、140nm以下で、前記溝の深さが30nm以上、60nm以下で、且つ、前記溝のウォブル振幅が30nm以上であることを特徴とする。
これにより、位置情報エリアに対するエラーレートを1×10-3以下とすることができ、ユーザによるアクセス要求から実際にデータが読み出されるまでの時間の短縮化、データエリアに対するアクセスの確実性を実現させることができる光記録媒体を容易に作製することができる。
以上説明したように、本発明に係る光記録媒体、基板及びスタンパによれば、位置情報エリアに対するエラーレートを低減することができ、実機ドライブで安定したトラッキング制御及びフォーカス制御、良好な電気特性を得ることが可能となる。しかも、ユーザによるアクセス要求から実際にデータが読み出されるまでの時間の短縮化、データエリアに対するアクセスの確実性を実現させることができる。
以下、本発明に係る光記録媒体、基板及びスタンパの実施の形態例を図1〜図8を参照しながら説明する。
本実施の形態に係る光記録媒体(以下、光記録媒体10と記す)は、図1に示すように、厚さ0.7〜2mmの基板12上に、色素を含有する追記型記録層14と、厚さ0.01〜0.5mmのカバー層16とをこの順に有する。具体的には、例えば基板12上に、光反射層18と、追記型記録層14と、バリア層20と、接着層22と、カバー層16とをこの順に有する。
この光記録媒体10は、図2に示すように、例えばユーザの情報が記録されるデータエリア24と、光記録媒体10の最内周部分に配置された位置情報エリア26とを有する。位置情報エリア26は、データエリア24に記録された複数のプログラムの位置情報が記録されるエリアであって、PICやリードインエリア等が存在する。位置情報エリア26の利用形態としては以下のような形態が挙げられる。
例えばデータエリアに書き込まれたデータの位置情報等は、整理されて例えばTOCデータとしてリードインエリアに記録される。その後、プログラムエリアへのアクセスは、リードインエリアに記録されたTOCデータから位置情報を得て行われることとなる。
従って、これらPICやリードインエリア等の位置情報エリア26に対するエラーレートを低減することにより、実機ドライブで安定したトラッキング制御及びフォーカス制御、良好な電気特性を得ることができ、しかも、ユーザによるアクセス要求から実際にデータが読み出されるまでの時間の短縮化、データエリア24に対するアクセスの確実性を実現させることができる。
そして、光記録媒体10においては、図1に示すように、基板12に形成されるプリグルーブのうち、データエリア24に対応した部分に形成される第1プリグルーブ28Aは、トラックピッチが50〜500nm、溝幅(半値幅:溝の深さの1/2の地点における溝の幅)が25〜250nm、溝深さが5〜150nmであることが好ましい。
光記録媒体10は、図1に示すように、少なくとも基板12と、追記型記録層14と、カバー層16とを有する様態であり、先ず、これらに必須の部材について順に説明する。
〔光記録媒体10の基板12〕
図1に示すように、好ましい光記録媒体10の基板12に形成されるプリグルーブのうち、データエリア24に形成される第1プリグルーブ28Aは、トラックピッチ、溝幅(半値幅)及び溝深さのいずれもが下記の範囲である形状を有することが好ましい。
この第1プリグルーブ28Aは、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、光記録媒体10を、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
第1プリグルーブ28Aのトラックピッチは、50〜500nmの範囲であることが必須であり、上限値が420nm以下であることが好ましく、370nm以下であることがより好ましく、330nm以下であることがさらに好ましい。また、下限値は、100nm以上であることが好ましく、200nm以上であることがより好ましく、260nm以上であることがさらに好ましい。
トラックピッチが50nm未満では、第1プリグルーブ28Aを正確に形成することが困難になる上、クロストークの問題が発生することがあり、500nmを超えると、記録密度が低下する問題が生ずることがある。
図3に示すように、第1プリグルーブ28Aの第1ランド30A(基板12において凹部)での溝幅W1(半値幅)は、140〜240nmの範囲であり、好ましくは145〜230nmであり、さらに好ましくは150〜220nmである。溝幅W1が狭すぎると、溝部(第1ランド30A)の成形が困難になり、溝幅W1が広すぎると、溝間部(第1グルーブ32A)の成形が困難になる。
第1プリグルーブ28Aの溝深さh1は、30〜130nmの範囲であり、好ましくは40〜125nmであり、さらに好ましくは50〜120nmである。溝深さh1は深すぎると、成形が困難になるという問題があり、溝深さh1が浅すぎるとトラッキングが不安定になる。
そして、好ましい光記録媒体10の基板12に形成されるプリグルーブのうち、位置情報エリア26に形成される第2プリグルーブ28Bは、トラックピッチ、溝幅(半値幅)、溝深さ及びウォブル振幅のいずれもが下記の範囲である形状を有することが好ましい。
すなわち、図3に示すように、基板12に形成されるプリグルーブのうち、位置情報エリア26に対応した部分に形成される第2プリグルーブ28Bは、トラックピッチが50〜500nm、溝幅W2(半値幅)が80〜140nm、溝深さh2が30〜60nm、図4に示すように、溝部(第2ランド30B)のウォブル振幅Aaが30nm以上である。
これにより、位置情報エリア26に対する未記録のプッシュプル信号(反射率で規格化したプッシュプル信号)として0.45〜0.6が得られ、また、エラーレート(所定ビット数に対するエラービット数の割合)を1×10-3以下とすることができ、実機ドライブで安定したトラッキング制御及びフォーカス制御、良好な電気特性を得ることが可能となる。しかも、ユーザによるアクセス要求から実際にデータが読み出されるまでの時間の短縮化、データエリアに対するアクセスの確実性を実現させることができる。
なお、第1プリグルーブ28A及び第2プリグルーブ28Bの溝傾斜角度は、上限値が80°以下であることが好ましく、70°以下であることがより好ましく、60°以下であることがさらに好ましく、50°以下であることが特に好ましい。また、下限値は、20°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましく、40°以上であることがさらに好ましい。
第1プリグルーブ28A及び第2プリグルーブ28Bの溝傾斜角度が20°未満では、十分なトラッキングエラー信号振幅が得られないことがあり、80°を超えると、基板12の成形(射出成形等)が困難となる。
光記録媒体10において用いられる基板12としては、従来の光記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
これらの樹脂を用いた場合、射出成形を用いて基板12を作製することができる。すなわち、基板12上の第1プリグルーブ28A及び第2プリグルーブ28Bは、この射出成形に際して、フォトレジスト法によって作製されたスタンパから転写され形成されたものである。
具体的には、通常の製造方法に従って、ガラス製の円盤に対する研磨と洗浄を行い、次いで、円盤上にフォトレジスト用の塗布液を塗布し、その後、レーザによる露光及び現像を行って円盤上にフォトレジストマスクを形成し、その後、例えば銀メッキを行った後、Niメッキを行ってメタルマスターを作製する。その後、メタルマザーによってマザーを作製し、マザーによってスタンパを作製する。そして、スタンパを使って射出成形を行うことにより、基板12が作製される。
上述のような溝形状を有する第1プリグルーブ28A及び第2プリグルーブ28Bを有する基板12を作製するには、射出成形時に用いるスタンパが、高精度なマスタリングにより形成されることが必要である。このマスタリングには、上述の溝形状を達成するために、DUV(波長330nm以下、深紫外線)レーザーや、EB(電子ビーム)によるカッティングが用いられることが好ましい。
また、基板12の厚さは、0.7〜2mmの範囲であることがよく、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.2mmとすることがより好ましい。
なお、後述する光反射層18が設けられる側の基板12の表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法によって、基板12の表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
〔光記録媒体10の追記型記録層14〕
好ましい光記録媒体10の追記型記録層14は、色素を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を、基板上又は後述する光反射層18上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。ここで、追記型記録層14は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、塗布液を塗布する工程が複数回行われることになる。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、さらに、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。
塗布の際、塗布液の温度は23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、23〜50℃の範囲であることが特に好ましい。
このようにして形成された追記型記録層14の厚さは、第1プリグルーブ28Aの第1グルーブ32A(基板12において凸部)上及び第2プリグルーブ28Bの第2グルーブ32B上で、300nm以下であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることがさらに好ましく、180nm以下であることが特に好ましい。下限値としては30nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、70nm以上であることがさらに好ましく、90nm以上であることが特に好ましい。
また、追記型記録層14の厚さは、第1プリグルーブ28Aの第1ランド30A(基板12において凹部)上及び第2プリグルーブ28Bの第2ランド30B上で、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることがさらに好ましい。下限値としては、70nm以上であることが好ましく、90nm以上であることがより好ましく、110nm以上であることがさらに好ましい。
さらに、第1プリグルーブ28Aの第1グルーブ32A上及び第2プリグルーブ28Bの第2グルーブ32B上の追記型記録層14の厚さt1と、第1ランド30A上及び第2ランド30B上の追記型記録層14の厚さt2との比(t1/t2)は、0.4以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.6以上であることがさらに好ましく、0.7以上であることが特に好ましい。上限値としては、1未満であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.85以下であることがさらに好ましく、0.8以下であることが特に好ましい。
塗布液が結合剤を含有する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;を挙げることができる。追記型記録層14の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。
また、追記型記録層14には、該追記型記録層14の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報及び同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許第350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、さらに好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
〔光記録媒体10のカバー層16〕
好ましい光記録媒体10のカバー層16は、上述した追記型記録層14又は後述するバリア層20上に、接着剤や粘着剤等からなる接着層22を介して貼り合わされる。
光記録媒体10において用いられるカバー層16としては、透明な材質のフィルムであれば、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネート又は三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録及び再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
また、カバー層16は、本発明の効果を妨げない範囲において、種々の添加剤が含有されていてもよい。例えば、波長400nm以下の光をカットするためのUV吸収剤及び/又は500nm以上の光をカットするための色素が含有されていてもよい。
さらに、カバー層16の表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータ及び3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録及び再生に用いられる光の集光度の観点から、カバー層16の複屈折は10nm以下であることが好ましい。
カバー層16の厚さは、記録及び再生のために照射されるレーザ光34の波長や対物レンズ36(図1参照)のNAにより、適宜、規定されるが、光記録媒体10においては、0.01〜0.5mmの範囲内であり、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。
また、カバー層16と接着層22とを合わせた総厚は、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
なお、カバー層16の光入射面には、光記録媒体10の製造時に、光入射面が傷つくことを防止するためのハードコート層38(保護層)が設けられていてもよい。
接着層22に用いられる接着剤としては、例えばUV硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用することが好ましく、特にUV硬化樹脂を使用することが好ましい。
接着剤としてUV硬化樹脂を使用する場合は、該UV硬化樹脂をそのまま、若しくはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ディスペンサからバリア層20の表面に供給してもよい。また、作製される光記録媒体10の反りを防止するため、接着層22を構成するUV硬化樹脂は硬化収縮率の小さいものが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)社製の「SD−640」等のUV硬化樹脂を挙げることができる。
接着剤は、例えば、バリア層20からなる被貼り合わせ面上に、所定量塗布し、その上に、カバー層16を載置した後、スピンコートにより接着剤を、被貼り合わせ面とカバー層16との間に均一になるように広げた後、硬化させることが好ましい。
このような接着剤からなる接着層22の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、さらに好ましくは10〜30μmの範囲である。
また、接着層22に用いられる粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレート等を主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等と、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
上記粘着剤と併用される架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。かかるイソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート類を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品としては、日本ポリウレタン社製のコロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートHTL;武田薬品社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202;住友バイエル社製のデスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL;等を挙げることができる。
粘着剤は、バリア層20からなる被貼り合わせ面上に、所定量、均一に塗布し、その上に、カバー層16を載置した後、硬化させてもよいし、予め、カバー層16の片面に、所定量を均一に塗布して粘着剤の塗膜を形成しておき、該塗膜を被貼り合わせ面に貼り合わせ、その後、硬化させてもよい。
また、カバー層16に、予め、粘着剤層が設けられた市販の粘着フィルムを用いてもよい。
このような粘着剤からなる接着層22の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、さらに好ましくは10〜30μmの範囲である。
〔光記録媒体10におけるその他の層〕
好ましい光記録媒体10は、本発明の効果を損なわない範囲においては、上述の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。他の任意の層としては、例えば、基板12の裏面(追記型記録層14の形成面に対する裏面)に形成される、所望の画像を有するレーベル層や、基板12と追記型記録層14との間に設けられる光反射層18(後述)、追記型記録層14とカバー層16との間に設けられるバリア層20(後述)、光反射層18と追記型記録層14との間に設けられる界面層等が挙げられる。ここで、レーベル層は、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、及び熱乾燥樹脂等を用いて形成される。
なお、これら必須及び任意の層は、いずれも単層でもよいし、多層構造を有してもよい。
〔光記録媒体10における光反射層18〕
光記録媒体10において、レーザ光34に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与するために、基板12と追記型記録層14との間に、光反射層18を形成することが好ましい。
光反射層18は、レーザ光34に対する反射率が高い光反射性物質を、真空蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。
光反射層18の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは2種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。さらに好ましくはAgを50atm%以上含む金属にて構成されていることである。
〔光記録媒体10におけるバリア層20(中間層)〕
光記録媒体10においては、追記型記録層14とカバー層16との間にバリア層20を形成することが好ましい。
バリア層20は、追記型記録層14の保存性を高める、追記型記録層14とカバー層16との接着性を向上させる、反射率を調整する、熱伝導率を調整する、等のために設けられる。
バリア層20に用いられる材料としては、記録及び再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に、制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。
具体的には、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、ZnS、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZuO、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23が好ましく、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23がより好ましい。
バリア層20は、真空蒸着、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンプレーティング等の真空成膜法により形成することができる。中でも、スパッタリングを用いることがより好ましく、RFスパッタリングを用いることがさらに好ましい。
バリア層20の厚さは、1〜80nm、好ましくは1〜50nm、より好ましくは1.5〜30nmである。薄すぎると記録時の空隙形成が不十分となり、厚すぎると溝幅が狭くなり記録特性が悪化する。
バリア層20の光透過率は50〜99%が好ましく、55〜98%が好ましく、60〜95%がより好ましい。光透過率が低いと記録感度が悪化する、媒体反射率が低くなる等の弊害が生じる。光透過率が高いと、耐光性試験時の保存性が悪くなる傾向にある。バリア層20に用いられる無機物層は、記録再生波長である405mより短い領域では光吸収性が405nmでの吸収より大きく、耐光性試験時に照射される〜350nmの光から色素を保護する働きも有していると推定される。
バリア層20の厚さは、1〜200nmの範囲であることが好ましく、2〜100nmの範囲であることがより好ましく、3〜50nmの範囲であることがさらに好ましい。
〔各層の厚みの組み合わせ例〕
上述した光記録媒体10を構成する各層の厚みの好ましい組み合わせ例としては、例えば基板12が1.0〜1.2mm、光反射層18が10〜100nm、追記型記録層14が10〜100nm、バリア層20が1〜40nm、接着層22が5〜50μm、カバー層16が50〜200μm、ハードコート層38が0.5〜30μmである。
<光情報記録方法>
光記録媒体10に対する光情報記録方法は、例えば、次のように行われる。
先ず、光記録媒体10を定線速度(0.5〜10m/秒)又は定角速度にて回転させながら、カバー層16側から半導体レーザ光等の記録用のレーザ光34を、開口数NAが0.8〜0.9の対物レンズ36を介して照射する。
このレーザ光46の照射により、追記型記録層14がレーザ光34を吸収して局所的に温度上昇し、物理的あるいは化学的変化(例えば、ピットの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより、情報が記録されると考えられる。
本実施の形態においては、記録用のレーザ光34として390〜450nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザ光が用いられる。好ましい光源としては390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ光、中心発振波長850nmの赤外半導体レーザー光を光導波路素子を使って半分の波長にした中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザー光を挙げることができる。特に、記録密度の点で390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ光を用いることが好ましい。上記のように記録された情報の再生は、光記録媒体10を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザ光を基板12側あるいはハードコート層38側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
〔各パラメータの割り出し〕
先ず、上述した各層の厚みの好ましい組み合わせ例に基づく多数のサンプル(光記録媒体10)を作製した。
波長405nmのレーザ光34を出射し、且つ、NA=0.85の対物レンズ36を有する光ピックアップを搭載したDDU−1000(パルステック工業社製)を用いて、多数のサンプルに対し、情報を記録した。
その後、各サンプルのラジアルチルト、タンジェンシャルチルト及びフォーカスオフセット量を任意に変化させた時のエラーレートを測定し、エラーレートが1×10-3以下となるラジアルチルト、タンジェンシャルチルト及びフォーカスオフセット量のマージンを求めた。
実機ドライブにおいて、位置情報エリア26での安定したトラッキング制御及び安定したフォーカス制御を可能とするためには、未記録プッシュプル信号(反射率で規格化したプッシュプル信号)として、0.45〜0.6であることが好ましい。
図5に、位置情報エリア26における第2プリグルーブ28Bの溝幅W2に対する未記録プッシュプル信号の大きさの変化を示す。この図5から、未記録プッシュプル信号が0.45〜0.6の範囲となる溝幅W2は80〜140nmとする必要があることが分かる。
また、エラーレートが1×10-3以下となるフォーカスオフセット量、ラジアルチルト及びタンジェンシャルチルトの各マージンは、
フォーカスオフセット量のマージン:600nm以上
ラジアルチルト:1.5deg以上
タンジェンシャルチルト:1.5deg以上
とされる。
そして、ウォブル振幅Aaを従来から用いられている20nmとしたときの溝幅W2に対するフォーカスオフセット量、ラジアルチルト及びタンジェンシャルチルトの各マージンを実験にて求めた。その結果を図6A〜図6Cに示す。これらの図6A〜図6Cから、タンジェンシャルチルトのマージンを除く、フォーカスオフセット量及びラジアルチルトの各マージンは、溝幅W2が110nmでは、エラーレートが1×10-3以下となる十分なマージンを得ることができないことがわかる。
次に、溝幅W2を123nm、110nmとして、ウォブル振幅Aaを変化させたときのフォーカスオフセット量及びラジアルチルトの各マージンを実験にて求めた。その結果を図7A及び図7Bに示す。図7A及び図7Bにおいて、溝幅W2=123nmの特性を破線で示し、溝幅W2=110nmの特性を実線で示す。
これらの図7A及び図7Bから、溝幅W2を110nmとした光記録媒体10において、エラーレートが1×10-3以下となる十分なマージンを得るために必要なウォブル振幅Aaは、約33以上、好ましくは35nm以上が必要であることが分かる。
〔比較例1〜13〕
上述した各層の厚みの好ましい組み合わせ例に基づいて比較例1〜13を作製した。比較例1〜13の内訳は以下のとおりである。
すなわち、図8に示すように、比較例1は、位置情報エリア26における第2プリグルーブ28Bの溝幅W2(半値値)が80nm、溝深さh2が45nm、ウォブル振幅Aaが20nmであり、比較例2は、溝幅W2が110nm、溝深さh2が45nm、ウォブル振幅Aaが20nmであり、比較例3は、溝幅W2が123nm、溝深さh2が45nm、ウォブル振幅Aaが20nmであり、比較例4は、溝幅W2が145nm、溝深さh2が45nm、ウォブル振幅Aaが20nmであり、比較例5は、溝幅W2が189nm、溝深さh2が45nm、ウォブル振幅Aaが20nmであり、比較例6は、溝幅W2が110nm、溝深さh2が45nm、ウォブル振幅Aaが20nmであり、比較例7は、溝幅W2が110nm、溝深さh2が45nm、ウォブル振幅Aaが28nmである。
比較例8は、溝幅W2が123nm、溝深さh2が45nm、ウォブル振幅Aaが20nmであり、比較例9は、溝幅W2が123nm、溝深さh2が45nm、ウォブル振幅Aaが28nmであり、比較例10は、溝幅W2が145nm、溝深さh2が45nm、ウォブル振幅Aaが36nmであり、比較例11は、溝幅W2が155nm、溝深さh2が45nm、ウォブル振幅Aaが36nmであり、比較例12は、溝幅W2が80nm、溝深さh2が45nm、ウォブル振幅Aaが36nmであり、比較例13は、溝幅W2が110nm、溝深さh2が25nm、ウォブル振幅Aaが36nmである。
〔実施例1〜5〕
上述した各層の厚みの好ましい組み合わせ例に基づいて実施例1〜5を作製した。実施例1〜5の内訳は以下のとおりである。
すなわち、図8に示すように、実施例1は、位置情報エリア26における第2プリグルーブ28Bの溝幅W2(半値値)が110nm、溝深さh2が30nm、ウォブル振幅Aaが36nmであり、実施例2は、溝幅W2が110nm、溝深さh2が45nm、ウォブル振幅Aaが36nmであり、実施例3は、溝幅W2が110nm、溝深さh2が60nm、ウォブル振幅Aaが36nmであり、実施例4は、溝幅W2が123nm、溝深さh2が45nm、ウォブル振幅Aaが36nmであり、実施例5は、溝幅W2が123nm、溝深さh2が60nm、ウォブル振幅Aaが36nmである。
〔評価〕
波長405nmのレーザ光34を出射し、且つ、NA=0.85の対物レンズ36を有する光ピックアップを搭載したDDU−1000(パルステック工業社製)を用いて、位置情報エリア26の未記録プッシュプル信号(反射率で規格化したプッシュプル信号)による評価と、マージン(フォーカスオフセット量及びラジアルチルトの各マージン)による評価を求めた。
ここで、未記録プッシュプル信号による評価は、位置情報エリア26での安定したトラッキング制御及び安定したフォーカス制御を可能とするためには、未記録プッシュプル信号として0.45〜0.52であることが特に好ましいため、未記録プッシュプル信号が0.45以上、0.52以下の場合に「○」、0.52より大きく、且つ、0.6以下の場合に「△」、0.45未満又は0.6を超える場合に「×」と評価した。
マージンによる評価は、フォーカスオフセット量のマージンが600以上、且つ、ラジアルチルトのマージンが1.5以上の場合に「○」、フォーカスオフセット量のマージンが550以上、600未満で、且つ、ラジアルチルトのマージンが1.25以上、1.5未満の場合に「△」、フォーカスオフセット量のマージンが550未満、且つ、ラジアルチルトのマージンが1.25未満の場合に「×」と評価した。
評価の結果を図8に示す。
図8の結果から、位置情報エリア26における溝幅W2(半値幅)が80nm以上、140nm以下で、溝深さh2が30nm以上、60nm以下で、且つ、ウォブル振幅Aaが30nm以上の範囲にある実施例1〜5は、マージンによる評価が「○」であり、位置情報エリア26に対するエラーレートが1×10-3以下であることがわかる。
なお、本発明に係る光記録媒体、基板及びスタンパは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
本実施の形態に係る光記録媒体を一部省略して示す断面図である。 本実施の形態に係る光記録媒体のデータエリアと位置情報エリアの配置例を示す説明図である。 本実施の形態に係る光記録媒体の基板の構成を一部省略して示す断面図である。 本実施の形態に係る光記録媒体の基板に形成される第2プリグルーブのウォブル振幅を示す説明図である。 位置情報エリアにおける第2プリグルーブの溝幅に対する未記録プッシュプル信号の大きさの変化を示す特性図である。 図6Aはウォブル振幅を20nmとしたときの溝幅に対するフォーカスオフセット量のマージンの変化を示す特性図であり、図6Bは同じくラジアルチルトのマージンの変化を示す特性図であり、図6Cは同じくタンジェンシャルチルトのマージンの変化を示す特性図である。 図7Aは溝幅を123nm、110nmとした場合に、ウォブル振幅を変化させたときのフォーカスオフセット量のマージンの変化を示す特性図であり、図7Bは同じくラジアルチルトのマージンの変化を示す特性図である。 比較例1〜13、実施例1〜5の内訳と、比較例1〜13、実施例1〜5における未記録プッシュプル及びマージンの評価を示す表図である。
符号の説明
10…光記録媒体 12…基板
14…追記型記録層 16…カバー層
18…光反射層 20…バリア層
22…接着層 24…データエリア
26…位置情報エリア 28A…第1プリグルーブ
28B…第2プリグルーブ 34…レーザ光
36…対物レンズ 38…ハードコート層

Claims (8)

  1. 一方の主面に溝が形成された面を有する基板と、
    前記基板の前記一方の主面上に形成された少なくとも一層の記録層を含む光学的機能層と、
    前記光学的機能層上に覆うように配置され形成された光透過層とを有する光記録媒体であって、
    前記基板の前記一方の主面のうち、最内周の部分に、少なくとも記録データの位置情報を得るために使用される位置情報エリアを有し、
    前記位置情報エリアにおける前記溝の半値幅(溝の深さの1/2の地点における溝の幅)が80nm以上、140nm以下で、前記溝の深さが30nm以上、60nm以下で、且つ、前記溝のウォブル振幅が30nm以上であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 請求項1記載の光記録媒体において、
    前記位置情報エリアに対するエラーレートが1×10-3以下であることを特徴とする光記録媒体。
  3. 請求項1記載の光記録媒体において、
    前記位置情報エリアにおける未記録プッシュプル信号(反射率で規格化したプッシュプル信号)が0.45〜0.6であることを特徴とする光記録媒体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光記録媒体において、
    前記基板の厚さは、0.7〜2mmの範囲であることを特徴とする光記録媒体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光記録媒体において、
    波長350〜450nmのレーザ光により記録及び/又は再生が行われることを特徴とする光記録媒体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光記録媒体において、
    前記レーザ光の波長が405nm、前記レーザ光を前記記録層に集光する対物レンズの開口数が0.85、前記基板の端面から前記記録層までの距離が1.1mmに対応したものであることを特徴とする光記録媒体。
  7. 少なくとも一層の記録層を含む光学的機能層と、前記光学的機能層上に覆うように配置され形成された光透過層とを有する光記録媒体用の基板において、
    前記光学的機能層が形成される一方の主面に溝が形成され、
    前記一方の主面のうち、最内周の部分に、少なくとも記録データの位置情報を得るために使用される位置情報エリアを有し、
    前記位置情報エリアにおける前記溝の半値幅(溝の深さの1/2の地点における溝の幅)が80nm以上、140nm以下で、前記溝の深さが30nm以上、60nm以下で、且つ、前記溝のウォブル振幅が30nm以上であることを特徴とする基板。
  8. 少なくとも一層の記録層を含む光学的機能層と、前記光学的機能層上に覆うように配置され形成された光透過層とを有する光記録媒体用の基板を作製するためのスタンパにおいて、
    前記基板は、一方の面に前記光学的機能層が形成されるものであって、前記一方の主面のうち、最内周の部分に、少なくとも記録データの位置情報を得るために使用される位置情報エリアを有し、
    前記位置情報エリアにおける前記溝の半値幅(溝の深さの1/2の地点における溝の幅)が80nm以上、140nm以下で、前記溝の深さが30nm以上、60nm以下で、且つ、前記溝のウォブル振幅が30nm以上であることを特徴とするスタンパ。
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