JP2006236543A - 光情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基板の一方の面側に、少なくとも、情報記録層14と、第1の接着層16又は粘着層と、第1のシート18とをこの順に有し、他方の面側に、少なくとも、第2の接着層22又は粘着層と、第2のシート24とをこの順に有し、前記第2のシート24の基板側面に画像が印刷されている光情報記録媒体である。前記第2のシート24となるシートのウエブに画像を印刷し、ディスク状に打ち抜く工程と、ディスク状に打ち抜いたシートの印刷面と前記基板とが対向するように第2の接着層22又は粘着層を介して貼り合わせる。
【選択図】 図1
Description
すなわち、本発明の光情報記録媒体は、
<1> 基板の一方の面側に、少なくとも、情報記録層と、第1の接着層又は粘着層と、第1のシートとをこの順に有し、他方の面側に、少なくとも、第2の接着層又は粘着層と、第2のシートとをこの順に有する光情報記録媒体であって、前記第2のシートの基板側面に画像が印刷されていることを特徴とする光情報記録媒体である。
本発明の光情報記録媒体は、基板の一方の面側に、少なくとも、情報記録層と、第1の接着層又は粘着層と、第1のシートとをこの順に有し、他方の面側に、少なくとも、第2の接着層又は粘着層と、第2のシートとをこの順に有する光情報記録媒体であって、前記第2のシートの基板側面に画像が印刷されていることを特徴としている。
なお、前記湿度膨張係数が「略同一」とは、湿度膨張係数(吸湿膨張係数)の差が4×10-5cm/cm/%RH以内であることをいう。
本発明おける基板としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
これらの樹脂を用いた場合、射出成型を用いて基板を作製することができる。
また、基板の厚さは、0.7〜2mmの範囲であることを要し、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
プリグルーブの幅(半値幅)は、上限値が250nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、170nm以下であることが更に好ましく、150nm以下であることが特に好ましい。また、下限値は、23nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、80nm以上であることが更に好ましく、100nm以上であることが特に好ましい。
プリグルーブの角度は、上限値が80°以下であることが好ましく、70°以下であることがより好ましく、60°以下であることが更に好ましく、50°以下であることが特に好ましい。また、下限値は、20°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましく、40°以上であることが更に好ましい。
なお、上記のプリグルーブに関する上限値及び下限値は、それぞれが任意で組み合わせることができる。
また、本発明の光情報記録媒体が、再生専用の光情報媒体である場合、上記のプリグルーブを形成するのと同時に、所定の情報を示すピットが形成される。
一方、UVレーザーや可視光レーザーでは、本発明の光情報記録媒体のような溝形状を形成するための、良好なマスタリングを行うことが困難である。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
本発明のおける情報記録層は、レーザー光で読み取ることができる情報が記録された層、又はそのような情報を記録することができる層を包括する概念であり、より具体的には、ピット、色素記録層、相変化型記録層などを含む概念である。なお、ピットは基板に形成された窪みであり、実際に層を構成しているわけではないが、本明細書においては情報記録層にはピットをも含むこととする。つまり、ROM構成の場合、基板内におけるピットが位置する領域を情報記録層とみなす。
従って、情報記録層に含有される記録物質としては、色素等の有機化合物や相変化金属化合物等が挙げられる。
中でも、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な、色素型の情報記録層であることが好ましい。かかる色素型の情報記録層は、記録波長領域に吸収を有する色素を含有していることが好ましい。当該色素としては、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられ、中でも、オキソノール色素が好ましい。
なお、上記の上限値及び下限値は、それぞれが任意で組み合わせることができる。
ここで、情報記録層は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、塗布工程を複数回行うことによって形成される。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、或いは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、更に、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
塗布の際、塗布液の温度は、23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、23〜50℃の範囲であることが特に好ましい。
また、情報記録層の厚さは、ランド上(前記基板において凹部)で、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることが更に好ましい。下限値としては、70nm以上であることが好ましく、90nm以上であることがより好ましく、110nm以上であることが更に好ましい。
更に、グルーブ上の情報記録層の厚さ/ランド上の情報記録層の厚さの比は、0.4以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.6以上であることが更に好ましく、0.7以上であることが特に好ましい。上限値としては、1未満であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.85以下であることが更に好ましく、0.8以下であることが特に好ましい。
なお、上記の上限値及び下限値は、それぞれ任意に組み合わせることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、及び同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
例えば、記録物質として相変化金属化合物を用いた場合には、このような成膜法を用いて情報記録層を形成することがで好ましい。ここで、相変化金属化合物としては、SbTe、AgSbTe、InAgSbTe等のいずれを用いてもよい。
本発明における第1のシートは上述した情報記録層又は後述するバリア層上に、第2のシートは基板上に接着層を介して貼り合わされる。
本発明において用いられる第1のシート、第2のシートに用いられるシート材料としては、透明な材質のフィルムであれば、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネート又は三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録及び再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
更に、シートの表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータ及び3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録及び再生に用いられる光の集光度の観点から、透明シートの複屈折は10nm以下であることが好ましい。
第1のシート、第2のシートは、既述のように、第1の接着層又は第2の接着層を介して貼り合わされる。接着層、粘着層の材質としては、それぞれ、接着剤又は粘着剤とすることができる。以下、それぞれについて順に説明する。
接着剤としてUV硬化樹脂を使用する場合は、該UV硬化樹脂をそのまま、若しくはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ディスペンサからバリア層表面に供給してもよい。また、作製される光情報記録媒体の反りを防止するため、接着層を構成するUV硬化樹脂は硬化収縮率の小さいものが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)社製の「SD−640」等のUV硬化樹脂を挙げることができる。
このような接着剤からなる接着層の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは10〜30μmの範囲である。
また、透明シートに、予め、粘着剤層が設けられた市販の粘着フィルムを用いてもよい。
このような粘着剤からなる粘着剤層の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは10〜30μmの範囲である。
本発明において、レーザー光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与したりするために、基板と情報記録層との間に、反射層を形成することが好ましい。本発明の第2の態様においては反射層が疎水層に相当する。なお、疎水層は、反射層の他、熱遮蔽層、光干渉層などが挙げられる。
反射層は、レーザー光に対する反射率が高い光反射性物質を、真空蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。
反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
ハードコート層は、傷の発生を防止するための層であり、その材料としては、放射線硬化樹脂を用いることが好ましい。ハードコート層に使用される放射線硬化樹脂としては、放射線照射により硬化可能な樹脂であればよく、より詳細には、分子中に、2個以上の放射線官能性の2重結合を有する樹脂であることが好ましい。
例えば、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリル酸アミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等が挙げられる。中でも、好ましくは、2官能以上のアクリレート化合物、メタクリレート化合物である。
本発明の光情報記録媒体は、本発明の効果を損なわない範囲においては、上述の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。かかる他の任意の層としては、例えば、情報記録層と透明シートとの間に設けられるバリア層(後述)、反射層と情報記録層との間に設けられる界面層などが挙げられる。
なお、これら必須及び任意の層は、いずれも、単層でもよいし、多層構造を有してもよい。
本発明においては、情報記録層と第1のシートとの間にバリア層を形成することが好ましい。
該バリア層は、情報記録層の保存性を高める、情報記録層と第1のシートとの接着性を向上させる、反射率を調整する、熱伝導率を調整する、等のために設けられる。
バリア層に用いられる材料としては、記録及び再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に、制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。
具体的には、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、ZnS、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZuO、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga2O3が好ましく、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga2O3がより好ましい。
本発明におけるバリア層の厚さは、1〜200nmの範囲であることが好ましく、2〜100nmの範囲であることがより好ましく、3〜50nmの範囲であることが更に好ましい。
印刷層は、光情報記録媒体の情報記録層とは反対側に予め印刷される文字・画像情報を含む層である。印刷層は、例えば、光情報記録媒体のコンテンツ等を印刷する層であり、この印刷層により、ユーザーは、ディスクメディアの内容を容易に把握することができる。さらに、印刷層の意匠性を高めることで、光情報記録媒体全体の意匠性を向上させることができる。印刷方法は、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェットプリンターによる印刷、グラビア印刷等、種々の方法を採用することができる。中でも、グラビア印刷は色鮮やかな高精彩印刷が実現でき好ましい。
上記の構成の本発明の光情報記録媒体に対し、適した波長のレーザー光を照射して記録を行うことにより、良好で安定な記録再生特性を付与することができる。
なお、上記の上限値及び下限値は、それぞれが任意で組み合わせることができる。
また、情報の記録は本発明の光情報記録媒体のグルーブに行ってもよいし、ランドに行ってもよいが、グルーブの方が好ましい。
更に、上記の波長領域のレーザー光によって、情報の再生も行われる。
まず、光情報記録媒体を所定の線速度(0.5〜10m/秒)、又は、所定の定角速度にて回転させながら、透明シート側から対物レンズを介して青紫色レーザ(例えば、波長405nm)などの記録用の光を照射する。この照射光により、情報記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、例えば、ピットが生成してその光学特性を変えることにより情報が記録される。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を所定の定線速度で回転させながら、青紫色レーザー光を透明シート側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズのNAは0.7以上が好ましく、0.85以上がより好ましい。
本発明の光情報記録媒体の製造方法は、基板の一方の面側に、少なくとも、情報記録層と、第1の接着層又は粘着層と、第1のシートとをこの順に有し、他方の面側に、少なくとも、第2の接着層又は粘着層と、第2のシートとをこの順に有する光情報記録媒体の製造方法であって、第2のシートとなるシートのウエブに画像を印刷し、ディスク状に打ち抜く工程と、ディスク状に打ち抜いたシートの印刷面と前記基板とが対向するように第2の接着層又は粘着層を介して貼り合わせる工程とを有することを特徴している。本発明の製造方法は、既述の本発明の光情報記録媒体の好適な製造方法である。情報記録層の形成方法については既に説明したから、以下、第1のシート、ハードコート層、印刷層、及び第2のシートの形成方法について説明する。
本工程では、ロール状に巻回されたシートの先端を、所定の塗布領域まで送り出しウエブとし、その一方の面の先端から末端まで、放射線硬化樹脂塗布液を連続的に塗布し、塗膜を形成した後、順次、その塗膜が完全硬化する放射線量を連続照射し、放射線硬化樹脂を硬化させて、ハードコート層を形成する。これによりシートの一方の面全域にハードコート層が形成されることになる。
カバーフィルムの厚さは、0.03〜0.15mmの範囲であることが好ましく、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、取り扱いが容易となり、しかも、コマ収差を抑えることができるという利点がある。
芳香族ケトンの混合比率は、紫外線硬化樹脂100質量部に対し、0.5〜20質量部、好ましくは、2〜15質量部、更に好ましくは、3〜10質量部である。紫外線硬化樹脂中に、予め、光重合開始剤を添加したものが、紫外線硬化型接着剤として市販されており、そのような市販品を使用してもよい。このような市販品としては、例えば、大日本インキ製ダイキュリアSD715、ダイキュリアSD101、スリーボンド製TB3042、日本化薬製KCD805等が挙げられる。
紫外線硬化樹脂を硬化させるための紫外線光源としては、水銀灯が用いられる。水銀灯は、20〜200W/cmのランプを用い、樹脂塗膜と水銀灯との相対速度(即ち、水銀灯が固定されている場合、樹脂塗膜の搬送速度となる)が0.3〜20m/minで使用されることが好ましい。この際、紫外線硬化樹脂塗膜と水銀灯との距離は一般に1〜30cmであることが好ましい。
ハードコート層を形成する工程にて、一方の面にハードコート層が形成された第1のシートは、本工程において、その他方の面に、粘着層(接着層)が連続的に設けられる。粘着層を設ける方法としては、予め形成された粘着層を貼り付ける方法(以下、適宜、間接法と称する)と、第1のシートの表面に、直接、粘着剤を塗布し、乾燥させることで粘着層を形成する方法(以下、適宜、直接法と称する。)と、の2つに大別することができる。
また、乾燥手段としては、加熱乾燥、送風乾燥など、従来公知の手段を用いることができる。
ここで、粘着層の表面に貼り付けられる離型フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートセルロースフィルムなどが挙げられる。
この工程では、まず、ハードコート層及び粘着層が設けられた透明シートを、所定の大きさ、つまり、基板と同じ大きさのディスク状に打ち抜く。
また、この工程の前に、搬送性を向上させるために、ハードコート層及び粘着層が設けられた透明シートを、ロール状に巻き取る工程を有している場合には、このハードコート層及び粘着層が設けられた透明シートを送り出し、一時的に、平面状にした状態で、カットパンチなどを用いて、基板と同じ大きさに連続的に打ち抜くことができる。
その後、打ち抜かれた箇所以外のハードコート層及び粘着層が設けられた透明シートは、再び、ロール状に巻き取られることで、打ち抜きによって生成されるゴミは、容易に回収することが可能となる。
この際、照射される放射線量は、放射線硬化樹脂の硬化反応の進行によって、適宜、調整されていればよいが、少なくとも、放射線硬化樹脂塗膜の未硬化状態から完全に硬化させるために必要な放射線量の50%以上を必要とする。また、それ以上を放射線量を照射してもよい。
この工程により、放射線硬化樹脂を完全に硬化させることにより、ハードコート層に求められる傷付き防止効果が達成できる。
また、第1のシート及び第2のシートのいずれにもハードコート層は特に必要がなければ設けなくてもよい。
1)ハードコート層塗布液の調製
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA、ダイセル・ユーシービー(株)製)93質量部に、R−3833(ダイキンファインケミカル研究所製)5質量部、X−22−164C(信越化学(株)製)2質量部、光ラジカル重合開始剤(イルガキュア907、チバガイキー社製)3質量部をメチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン(1:1質量比)混合液に溶解混合し、ハードコート層塗布液を調製した。
アクリル系共重合体(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1、以下同様)とイソシアネート系架橋剤(溶剤:酢酸エチル/トルエン=1/1、以下、同様)とを、アクリル系共重合体:イソシアネート系架橋剤が100:1(質量比)となるように混合し、粘着剤塗布液を調製した。
用いたアクリル系共重合体の組成を下記に示す。
主モノマー n−ブチルアクリレート 40質量部
2−エチルヘキシルアクリレート 30質量部
コモノマー メチルアクリレート 25質量部
官能性モノマー アクリル酸 5質量部
ロール状に巻かれたベースフイルム(ポリカーボネート(PC)、帝人社製ピュアエース、厚さ90μm)にハードコート層塗布液を連続的に塗布し、塗膜を形成した後、熱乾燥及び紫外線を連続照射しハードコート層を形成しロール状に巻き取った。形成された塗膜の厚みは5μmであった。
次に、ロール状に巻かれたポリエチレン性の離型フィルムを搬送しながら、前記粘着剤塗布液を連続的に、乾燥厚15μmになるように離型フィルムに塗布した。乾燥ゾーン(100℃)中で乾燥させた直後、前記ハードコート層を形成したベースフィルムのハードコート層と反対の面に離型フィルム上の粘着剤面とが貼り合わされるようにロール状に共巻した。共巻された状態で23℃50%RHの条件で72時間保持した。
作製する光情報記録媒体の基板と同一形状になるように、離型フィルムが貼り合わされたベースフィルムを打ち抜いて、第1のシートを作製した。このとき、粘着層離型フイルムの途中まで刃を入れることで、ディスク基板と同一形状に半抜き状態でとどめ、これを巻き取りロール状にした。
スパイラル状のグルーブ(深さ100nm、幅120nm、トラックピッチ320nm)を有し、厚さ1.1mm、直径120mmの射出成形ポリカーボネート樹脂(帝人社製ポリカーボネート、商品名:パンライトAD5503)基板のグルーブを有する面上に、Agをスパッタリングして100nmの膜厚の反射層を形成した。
中間層を形成した後、上記作製したハードコート層と粘着剤とが着いた第1のシートの剥離シートを剥がして、ローラによる押圧手段を使用し、中間層上に第1のシートを貼り合わせた。
以上の工程により、実施例1の光情報記録媒体を作製した。
第2のシートの印刷面と反対の面にハードコート層を形成し、巻き取ったものに、ハードコート層とは反対面にグラビア印刷によって所望の画像を印刷したこと以外は実施例1と同様にして実施例2の光情報記録媒体を作製した。
実施例1の第1のシート及び第2のシートで使用したポリカーボネートフィルムをTAC(三酢酸セルロース)フィルム(富士写真フイルム(株)製、フジタック)に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例3の光情報記録媒体を作製した。
情報記録層側のポリカーボネートフィルムをTACフィルム(富士写真フイルム(株)製、フジタック)に変更し、基板の情報記録層とは反対側にもTACフィルムを貼り合わせた後、TACフィルムの情報記録層と反対面に所望の画像をグラビア印刷により印刷したこと以外は実施例1と同様にして比較例1の光情報記録媒体を作製した。
情報記録層とは反対側のポリカーボネートシートに、スクリーン印刷により所望の画像を直接印刷したこと以外は実施例1と同様にして比較例2の光情報記録媒体を作製した。
−画質評価−
得られた実施例1〜3、及び比較例1〜2の光情報記録媒体の印刷された画像を目視にて評価した。光沢があり、鮮明な画像が得られたものを○とし、従来と同等レベルを△として評価した。
−耐傷性評価−
スチールウール#0000で100gの荷重で20回擦り、傷のレベルを目視で評価した。ほとんど傷が確認されなかったものをAとし、若干傷が確認されたものをBとし、傷が多く確認されたものをCとして評価した。
−反りの評価−
以下の環境変化を与えたときの半径方向のチルト角(ラジアルチルト)変化量を測定し、以下の評価基準に従い評価した。結果を表1に示す。なお、チルト角は、DLD4000(ジャパンイーエム製)を用いて測定した。
25℃45%RH環境(3日間放置)→55℃10%RH環境
25℃90%RH環境(3日間放置)→25℃45%RH環境
[評価基準]
○:0〜0.4°
△:0.4〜0.7°
(0.4°の場合は○とした。)
12 基板
14 情報記録層
16 第1の接着層
18 第1のシート
20 第1のハードコート層
22 第2の接着層
24 印刷層
26 第2のシート
28 第2のハードコート層
Claims (6)
- 基板の一方の面側に、少なくとも、情報記録層と、第1の接着層又は粘着層と、第1のシートとをこの順に有し、他方の面側に、少なくとも、第2の接着層又は粘着層と、第2のシートとをこの順に有する光情報記録媒体であって、
前記第2のシートの基板側面に画像が印刷されていることを特徴とする光情報記録媒体。 - 前記第1のシートの湿度膨張係数と前記第2のシートの湿度膨張係数とが略同一であることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体。
- 前記第1のシート及び/又は第2のシート上にハードコート層が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光情報記録媒体。
- 前記画像がグラビア印刷による画像であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光情報記録媒体。
- 基板の一方の面側に、少なくとも、情報記録層と、第1の接着層又は粘着層と、第1のシートとをこの順に有し、他方の面側に、少なくとも、第2の接着層又は粘着層と、第2のシートとをこの順に有する光情報記録媒体の製造方法であって、
第2のシートとなるシートのウエブに画像を印刷し、ディスク状に打ち抜く工程と、ディスク状に打ち抜いたシートの印刷面と前記基板とが対向するように第2の接着層又は粘着層を介して貼り合わせる工程とを有することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。 - 前記画像をグラビア印刷によって印刷することを特徴とする請求項5に記載の光情報記録媒体の製造方法。
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2005
- 2005-02-28 JP JP2005054073A patent/JP2006236543A/ja active Pending
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