JP2006127662A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カバー層における光入射面の傷付きを防止することの可能な光記録媒体、及び該光記録媒体を効率よく製造することができる光記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板上に、少なくとも、ピット又は記録層と、カバー層と、をこの順に有し、前記カバー層の表面に連続環状凸部又は断続環状凸部を有する光記録媒体の製造方法であって、前記連続環状凸部又は断続環状凸部を、その材料を含む塗布液をスピンコート法により前記カバー層表面に塗布して硬化させて形成することを特徴とする光記録媒体の製造方法、及び該製造方法により得られる光記録媒体である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定波長のレーザー光を用いて記録及び再生を行うことができる光記録媒体及びその製造方法に関する。
従来から、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な光記録媒体(光ディスク)が知られている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD−R)とも称され、その代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金等の金属からなる反射層、更に樹脂製の保護層(カバー層)がこの順に積層したものである。そしてこのCD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザー光(通常は780nm付近の波長のレーザー光)をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的或いは化学的変化(例えば、ピットの生成)によりその部分の光学的特性が変化することにより情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化していない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより行われている。
近年、記録密度のより高い光記録媒体が求められている。このような要望に対して、追記型デジタル・ヴァーサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが提案されている(例えば、「日経ニューメディア」別冊「DVD」、1995年発行)。このDVD−Rは、照射されるレーザー光のトラッキングのための案内溝(プリグルーブ)がCD−Rの半分以下(0.74〜0.8μm)という狭い溝幅で形成された透明な円盤状基板上に、通常、有機色素を含有する記録層、反射層、及び保護層をこの順に積層したディスク2枚を記録層を内側にして貼り合わせた構造、或いはこのディスクと同じ形状の円盤状保護基板とを記録層を内側にして貼り合わせた構造を有している。そして、このDVD−Rへの情報の記録及び再生は、可視レーザー光(通常は、630nm〜680nmの範囲の波長のレーザー光)を照射することにより行われており、CD−Rより高密度の記録が可能である。
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映開始も開始された。このような状況の下で、画像情報を安価簡便に記録することができる大容量の記録媒体が必要とされている。DVD−Rは現状では大容量の記録媒体としての役割を十分に果たしているが、大容量化、高密度化の要求は高まる一方であり、これらの要求に対応できる記録媒体の開発も必要である。このため、DVD−Rよりも更に短波長の光で高密度の記録を行なうことができる、より大容量の記録媒体の開発が進められている。
通常、光記録媒体の高密度化は、記録及び再生用レーザーの短波長化、対物レンズの高NA化によりビームスポットを小さくすることで達成することができる。最近では、波長680nm、650nm及び635nmの赤色半導体レーザーから、更に超高密度の記録が可能となる波長400nm〜500nmの青紫色半導体レーザー(以下、青紫色レーザーと称する。)まで開発が急速に進んでおり、それに対応した光記録媒体の開発も行われている。特に、青紫色レーザーの発売以来、該青紫色レーザーと高NAピックアップを利用した光記録システムの開発が検討されており、相変化する記録層を有する書換型光記録媒体及び光記録システムは、既に、DVR−Blueシステムとして発表されている(例えば、非特許文献1参照。)。また、有機色素を用いた追記型光記録媒体であって、青紫レーザーにより記録・再生を行うDVR−Blueディスクも発表されている(例えば、非特許文献2参照。)。これらの光記録媒体により、高密度化という課題に対しては、一定の成果が得られた。
上述のような青紫色レーザーと高NAピックアップを利用した光記録システムに用いる光記録媒体は、青紫色レーザー光を記録層に照射させる際、高NAの対物レンズの焦点を合わせるために、レーザー光が入射する面を有するカバー層を薄化させている。ここで、カバー層としては、例えば、基板と同様の材質の薄いフィルムが使用され、接着剤又は粘着剤を用いて記録層上に接着されている(例えば、特許文献1参照。)。
このような構成の光記録媒体は、上記の通り、カバー層側が光の入射面となる。これは、射出成型して形成される基板が光の入射面となるCD−RやDVD−Rとは異なる構成である。これらCD−RやDVD−Rでは、光の入射面となる基板を射出成型する際に、予め、傷付き防止のための凸部を同時に設けている。これにより、媒体を積層した際や、机上に置いた際の摺擦による、光入射面の傷付きを防止している。しかしながら、従来は、上記のように、カバー層側を光入射面とする光記録媒体は、カバー層に薄さが要求されることや、カバー層がフィルムを貼り合わせる工程により設けられるということから、光入射面の傷つき防止の対策が取られていなかった。
そこで、本出願人は、カバー層の表面に凸部を有する光記録媒体及びその製造方法を提案した(特願2003−409995号)。そして、その光記録媒体のカバー層の凸部は、紫外線硬化樹脂などをスクリーン印刷などの印刷法により印刷し硬化して形成される。しかし、当該製造方法では、凸部の素材として粘度の低い素材を用いることは困難であり、改善の余地が残されていた。
"ISOM2000"210〜211頁 "ISOM2001"218〜219頁 特許第3,431,612号公報
本発明は、前記の如き問題点に鑑みてなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明の目的は、カバー層における光入射面の傷付きを防止することの可能な光記録媒体、及び該光記録媒体を効率よく製造することができる光記録媒体の製造方法を提供することにある。
前記課題は、下記に示す本発明により解決される。即ち、
<1> 基板上に、少なくとも、ピット又は記録層と、カバー層と、をこの順に有し、前記カバー層の表面に連続環状凸部又は断続環状凸部を有する光記録媒体の製造方法であって、前記連続環状凸部又は断続環状凸部を、その材料を含む塗布液をスピンコート法により前記カバー層表面に塗布して硬化させて形成することを特徴とする光記録媒体の製造方法である。
<2> 前記スピンコート法における回転数を120rpm以下とすることを特徴とする前記<1>に記載の光記録媒体の製造方法である。
<3> 前記連続環状凸部又は断続環状凸部の材料として、紫外線硬化樹脂を用いることを特徴とする前記<1>または<2>に記載の光記録媒体の製造方法である。
<4> スピンコート法による塗布終了から、前記紫外線硬化樹脂を硬化させる紫外線を照射するまでの時間を8秒以下とすることを特徴とする前記<3>に記載の光記録媒体の製造方法である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の光記録媒体の製造方法により得られる光記録媒体である。
本発明によれば、カバー層における光入射面の傷付きを防止することの可能な光記録媒体、及び該光記録媒体を効率よく製造することができる光記録媒体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の光記録媒体の製造方法は、基板上に、少なくとも、ピット又は記録層と、カバー層と、をこの順に有し、前記カバー層の表面に連続環状凸部又は断続環状凸部を有する光記録媒体の製造方法であって、前記連続環状凸部又は断続環状凸部を、その材料を含む塗布液をスピンコート法により前記カバー層表面に塗布して硬化させて形成することを特徴としている。
また、本発明の光記録媒体は、前記本発明の光記録媒体の製造方法により製造されるものである。
ここで、本発明の光記録媒体の層構成としては、少なくとも、基板と、ピット又は記録層と、カバー層と、を有する構成であり、例えば、基板上に、(中間層)、反射層、(中間層)、記録層、(中間層)、接着層、カバー層、(ハードコート層)をこの順に設けた構成が好ましく採用される。なお、これ以外として、各層の間に、接着性・記録特性・保存性等を高める目的で他の層が設けられても構わない。また、上記構成中、カッコ内に記載された層は、必要に応じて形成される層を意味する。
この態様を有する光記録媒体としては、予め、ピット(記録部)に情報が書き込まれており、レーザー光の照射により再生のみが可能な再生専用の光情報媒体や、レーザー光の照射により情報の記録及び再生が可能な、追記型若しくは書き換え可能型の光記録媒体がある。
まず、基板及び各層について順に説明する。
〔基板〕
本発明おける基板としては、従来の光記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
これらの樹脂を用いた場合、射出成型を用いて基板を作製することができる。
また、基板の厚さは、0.7〜2mmの範囲であることを要し、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
また、基板には、記録層が設けられる側の面に、トラッキング用の案内溝又はアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プリグルーブ)が形成されている。より高い記録密度を達成するためにはCD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチのプリグルーブが必要となる。例えば、本発明の光記録媒体を、好適な、青紫色レーザーに対応する媒体として使用する場合には、形成されるプリグルーブは以下に示す範囲のものであることが好ましい。
プリグルーブのトラックピッチは、上限値が500nm以下であることが好ましく、420nm以下であることがより好ましく、370nm以下であることが更に好ましく、330nm以下であることが特に好ましい。また、下限値は、50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましく、200nm以上であることが更に好ましく、260nm以上であることが特に好ましい。
プリグルーブの幅(半値幅)は、上限値が250nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、170nm以下であることが更に好ましく、150nm以下であることが特に好ましい。また、下限値は、23nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、80nm以上であることが更に好ましく、100nm以上であることが特に好ましい。
プリグルーブの(溝)深さは、上限値が150nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、70nm以下であることが更に好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。また、下限値は、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、20nm以上であることが更に好ましく、28nm以上であることが特に好ましい。
プリグルーブの角度は、上限値が80°以下であることが好ましく、70°以下であることがより好ましく、60°以下であることが更に好ましく、50°以下であることが特に好ましい。また、下限値は、20°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましく、40°以上であることが更に好ましい。
なお、上記のプリグルーブに関する上限値及び下限値は、それぞれが任意で組み合わせることができる。
これらのプリグルーブの値は、AFM(原子間力顕微鏡)により測定することができる。なお、上記プリグルーブの角度とは、グルーブの溝深さをDとした時、溝形成前の基板の表面を基準とし、その表面からD/10の深さの傾斜部と、溝の最も深い個所からD/10の高さの傾斜部と、を結ぶ直線と、基板面(溝部底面)と、が成す角度である。
また、本発明の光記録媒体が、再生専用の光情報媒体である場合、上記のプリグルーブを形成するのと同時に、所定の情報を示すピットが形成される。
このような溝形状を有するプリグルーブ(及びピット)を有する基板を作製するには、射出成型時に用いるスタンパが、高精度なマスタリングにより形成されることが必要である。このマスタリングには、上述の溝形状を達成するために、DUV(波長330nm以下、深紫外線)レーザーや、EB(電子ビーム)によるカッティングが用いられることが好ましい。
一方、UVレーザーや可視光レーザーでは、本発明のような溝形状を形成するための、良好なマスタリングを行うことが困難である。
なお、後述する光反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
〔記録層〕
本発明における記録層は、色素を記録物質として含有する色素型とすることが好ましいが、これに限定されず、無機追記型(ライトワンス型)、相変化型、光磁気型、再生専用型等とすることもできる。
従って、記録層に含有される記録物質としては、色素等の有機化合物や相変化金属化合物等が挙げられる。
中でも、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な、色素型の記録層であることが好ましい。かかる色素型の記録層は、記録波長領域に吸収を有する色素を含有していることが好ましい。当該色素としては、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられる。
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、及び同2000−158818号公報等に記載されている色素も好適に用いられる。
このような記録層は、色素を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を、基板上又は後述する光反射層上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。その際、塗布液を塗布する面の温度は、10〜40℃の範囲であることが好ましい。より好ましくは、下限値が、15℃以上であり、20℃以上であることが更に好ましく、23℃以上であることが特に好ましい。また、下限値としては、35℃以下であることがより好ましく、30℃以下であることが更に好ましく、27℃以下であることが特に好ましい。このように被塗布面温度が上記範囲にあると、塗布ムラや塗布故障の発生を防止し、塗膜の厚さを均一とすることができる。
なお、上記の上限値及び下限値は、それぞれが任意で組み合わせることができる。
ここで、記録層は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、塗布工程を複数回行うことによって形成される。
塗布液中の色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、或いは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、更に、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。
塗布の際、塗布液の温度は、23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、23〜50℃の範囲であることが特に好ましい。
このようにして形成された記録層の厚さは、グルーブ(前記基板において凸部)上で、300nm以下であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましく、180nm以下であることが特に好ましい。下限値としては、20nm以上であることが好ましく、25nm以上であることがより好ましく、30nm以上であることが更に好ましく、33nm以上であることが特に好ましい。
また、記録層の厚さは、ランド上(前記基板において凹部)で、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることが更に好ましい。下限値としては、20nm以上であることが好ましく、25nm以上であることがより好ましく、30nm以上であることが更に好ましい。
更に、グルーブ上の記録層の厚さ/ランド上の記録層の厚さの比は、0.4以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.6以上であることが更に好ましく、0.7以上であることが特に好ましい。上限値としては、1未満であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.85以下であることが更に好ましく、0.8以下であることが特に好ましい。
なお、上記の上限値及び下限値は、それぞれが任意で組み合わせることができる。
塗布液が結合剤を含有する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に色素に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。
また、記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、及び同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
以上、記録層が色素型記録層である場合の溶剤塗布法について述べたが、記録層は記録物質の物性に合わせ、蒸着、スパッタリング、CVD等の成膜法によって形成することもできる。
例えば、記録物質として相変化金属化合物を用いた場合には、このような成膜法を用いて記録層を形成することがで好ましい。ここで、相変化金属化合物としては、SbTe、AgSbTe、InAgSbTe等のいずれを用いてもよい。
〔カバー層〕
本発明におけるカバー層は、その表面(光入射面側)に、連続環状凸部又は断続環状凸部を有すること必須とし、上述した記録層又は後述するバリア層上に、接着剤や粘着剤を介して貼り合わされる。
このような連続環状凸部又は断続環状凸部(以下、これらを総称して単に「凸部」という場合がある。)はスペーサとして機能するため、カバー層の光入射面が、他の光記録媒体や机上などの硬い表面と接触し、摺擦されても、光入射面の傷付きを防止することができる。その結果、記録再生特性も良好となる。なお、かかる凸部は、内周部に設けられてもよいし、外周部に設けられてもよい、また、その両方に設けられてもよい。中でも、凸部は、内周部と外周部との両方に設けられることが好ましい。なお、連続環状凸部とは、環状の凸部が途切れることなく連続的に形成された形状の凸部を意味し、断続環状凸部とは、環状の凸部が部分的に途切れた形状の凸部を意味する。なお、連続環状凸部又は断続環状凸部は、光記録媒体に設けられる中心孔と同心円上に形成されることが好ましい。
前記連続環状凸部又は断続環状凸部は、カバー層表面(光入射面)の内周部及び/又は外周部に形成されることが好ましい。ここで、「内周部、外周部」とは、カバー層の光入射面において、記録領域の内周側に相当する領域、記録領域の外周側に相当する領域を指す。通常、記録領域は、直径42〜117mmの範囲に設けられるので、光入射面の内周部は、中心孔端部から直径42mmまでの領域となり、一方、光入射面の外周部は、直径117mmからディスク最外周縁部までの領域となることが好ましい。
中でも、凸部が内周部に設けられる場合、その設置領域として最も内側となるのが、直径33mm以上であることが好ましく、直径33.5mm以上であることがより好ましく、直径34mm以上であることが更に好ましい。また、凸部が内周部に設けられる場合、その設置領域として最も外側となるのが、直径42mm以下であることが好ましく、直径41.5mm以下であることがより好ましく、直径41mm以下であることが更に好ましい。なお、上記の下限値及び上限値は、任意で組み合わせることができる。
一方、凸部が外周部に設けられる場合、その領域として最も外側となるのが、カバー層の外径より0.1mm以上内側であることが好ましく、0.15mm以上内側であることがより好ましく、0.2mm以上内側であることが更に好ましく、0.25mm以上内側であることが特に好ましい。また、凸部が外周部設けられる場合、その領域として最も内側となるのが、カバー層の外径から1.0mm以内であることが好ましく、0.9mm以内であることがより好ましく、0.8mm以内であることが更に好ましい。なお、上記の上限値及び下限値は、任意で組み合わせることができる。
なお、内周部に設けられた凸部より更に内周部に相当する領域、及び/又は、外周部に設けられた凸部より更に外周部に相当する領域に、記録領域が設けられていてもよい。
また、本発明における凸部の設置領域と、記録領域と、が重なっていてもよい。但し、この場合、重なっている領域の記録再生特性は他の領域と比較し、エラーの発生割合が多くなる可能性が高いため、凸部の大きさや凸部を構成する材料の選択などがより精密となる。
また、本発明における凸部の高さは、カバー層の光入射面に対し、最も突出した箇所の高さを指す。かかる凸部の高さ(厚さ)としては、上記のように、下限値が3μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、7μm以上であることがさらに好ましく、10μm以上であることが特に好ましい。また、上限値としては、200μm以下であることが好ましく、180μm以下であることがより好ましく、150μm以下であることがさらに好ましく、130μm以下であることが特に好ましい。凸部の高さの下限値が10〜100μmである場合、傷付き防止の機能、コストの問題や生産性、反りのが発生の低減の観点から好ましい。
なお、上記の上限値及び下限値は、任意で組み合わせることができる。
また、凸部を設置することで現われる効果をより高めるために、凸部の高さは、均一であることが好ましい。例えば、凸部が内周部と外周部とに形成される場合、その両方の凸部の厚さは等しい、若しくは、近似していることが好ましい。
このような凸部は、上記に示す、所定の領域、所定の高さの範囲であれば、どのような設置パターンを有していてもよく、また、凸部の形状も問わない。連続環状凸部又は断続環状凸部の他、所望のデザイン性を有するように設けられ、視認性や識別性を与えたり、情報を表示したりといった機能を付与させた設置パターンであってもよい。中でも、凸部の設置パターンとしては、カバー層の中心から対称となるように設けられることが好ましい。このように凸部の設置パターンを対称にすることにより、記録再生装置内での高速回転時にバランスがくずれ、振動が発生することを抑制することができる。
一方、凸部の断面形状(周方向における断面としては、角状であってもよいし、半球状であってもよいし、それらを組み合せた形状であってもよい。
本発明における凸部は、カバー層を成型する際に同時に設けてもよいし、つまり、後述するような樹脂フィルムに予め設けられてもよく、また、カバー層を貼り合わせる工程の前又は後に、凸部形成工程を加え、設けてもよい。本発明においては、いずれの場合でも、後述するスピンコート法を用いて凸部を形成する。
本発明における凸部は、カバー層と同じ材料、赤外線、紫外線、電子線などの照射により硬化する、放射線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、熱乾燥性樹脂等の樹脂からなることが好ましく、より好ましくは、紫外線硬化樹脂である。
具体的には、帝国インキ社製:UV DVCシリーズ、大日精化社製:SCRシリーズ、大日本インキ:SSDシリーズ、DGシリーズなどが挙げられる。
また、凸部に所望する色彩を付与するために、これらの樹脂と色材(各種、染料及び顔料)とを併用することも可能である。また、市販の紫外線硬化インクを用いることもできる。
本発明においては、特に、スピンコート法を採用しているため、塗布液が低粘度であってもあっても凸部を容易に形成することができる。具体的には、紫外線硬化樹脂の粘度は、1〜2000mPa・sであることが好ましく、2〜1500mPa・sであることがより好ましく、5〜1000mPa・sであることがさらに好ましい。紫外線硬化樹脂の粘度が1〜2000mPa・sの範囲内であることは、スピンコート法に好適であるとともに、硬化前に広がることなく、十分な高さの凸部を形成することができる。また、既存のスピンコーターを流用することで、塗膜形成用に他の塗布装置等を用意することがないため、設備コストを低減することができる。
紫外線硬化樹脂の塗布量は、0.01〜0.8gが好ましく、0.02〜0.7gがより好ましく、0.05〜0.6gがさらに好ましい。紫外線硬化樹脂の塗布量が0.01〜0.8gであることにより、十分な高さの凸部を形成することができ、硬化収縮による基板の変形を抑えることができる。
本発明においては、スピンコート法における塗布時の回転数は、10〜120rpmであることが好ましく、20〜110rpmであることがより好ましく、30〜100rpmであることがさらに好ましい。なお、回転させる対象としては、基板上にカバー層まで形成したもの、又はカバー層を後の工程で貼付する場合はカバー層のみ(透明シート)である。回転数を10〜120rpmとすることにより、遠心力による塗布液の延展がなく、効率よく塗布形成することができる。
また、本発明においては、スピンコート法による塗布終了から、紫外線硬化樹脂を硬化させる紫外線を照射するまでの時間を8秒以下とすることが好ましく、7秒以下とすることがより好ましく、5秒以下とすることがさらに好ましい。当該時間を8秒以下とすることにより、塗布した凸部の形状の崩れを防止することができる。
次に、凸部の形成方法ついて説明する。
本発明の光記録媒体において、凸部は、上記樹脂材料を適当な溶剤に溶かして塗布液を調製したのち、この塗布液をスピンコート法により塗布し、所定の硬化手段(電子線の照射、乾燥、又は熱硬化)により硬化させて形成する方法を用いることができる。この方法により形成された樹脂塗膜は、樹脂に対応する所定の硬化手段、例えば、紫外線硬化樹脂なら紫外線の照射により、硬化して凸部が形成される。
このように、スピンコート法を用いることにより、所望のパターンを有する凸部を、容易に、かつ、正確に、形成することができる。なお、連続環状凸部を形成するには、スピンコート法によるスピンノズルからの塗布液の吐出を連続的に行えばよく、断続環状凸部を形成するには、同吐出液の吐出を断続的に行えばよい。
本発明において用いられるカバー層としては、透明な材質のフィルムであれば、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネート又は三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録及び再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
また、カバー層は、本発明の効果を妨げない範囲において、種々の添加剤が含有されていてもよい。例えば、波長400nm以下の光をカットするためのUV吸収剤及び/又は500nm以上の光をカットするための色素が含有されていてもよい。
更に、カバー層の表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータ及び3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録及び再生に用いられる光の集光度の観点から、カバー層の複屈折は10nm以下であることが好ましい。
カバー層の厚さは、記録及び再生のために照射されるレーザー光の波長やNAにより、適宜、規定されるが、本発明においては、0.01〜0.5mmの範囲内であり、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。
また、カバー層と、接着剤又は粘着剤からなる層と、を合わせた総厚は、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
なお、カバー層の光入射面には、光記録媒体の製造時に、光入射面が傷つくことを防止するための保護層(ハードコート層)が設けられていてもよい。かかるハードコート層をカバー層上に形成するには、以下のようにして行うことが好ましい。まず、ロール状に巻回された透明シート(カバー層)の一方の面に、放射線硬化樹脂塗布液を連続的に塗布する。塗布により形成された塗膜に放射線を連続照射し、硬化させて透明シート上にハードコート層を設ける。その後、カバーフィルムの他方の面に、粘着剤からなる粘着層を連続的に設け、ハードコート層及び粘着層が設けられた透明シートを所定の形状(ディスク状)に打ち抜く。このディスク状の透明シートの粘着層を貼り合わせ面として、記録層上に当該透明シートを設けて、カバー層を形成する。なお、カバー層の貼り合わせ方法等は、単なる例示であり、種々の方法を適用することができる。
カバー層を貼り合せるために用いられる接着剤は、例えば、紫外線硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用することが好ましく、特に、紫外線硬化樹脂を使用することが好ましい。
接着剤として紫外線硬化樹脂を使用する場合は、該紫外線硬化樹脂をそのまま、若しくはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ディスペンサからバリア層表面に供給してもよい。また、作製される光記録媒体の反りを防止するため、接着層を構成する紫外線硬化樹脂は硬化収縮率の小さいものが好ましい。このような紫外線硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)社製の「SD−640」等の紫外線硬化樹脂を挙げることができる。
接着剤は、例えば、バリア層からなる被貼り合わせ面上に、所定量塗布し、その上に、カバー層を載置した後、スピンコートにより接着剤を、被貼り合わせ面とカバー層との間に均一になるように広げた後、硬化させることが好ましい。
このような接着剤からなる接着剤層の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは10〜30μmの範囲である。
また、カバー層を貼り合せるために用いられる粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
上記粘着剤と併用される架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。かかるイソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート類を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品としては、日本ポリウレタン社製のコロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートHTL;武田薬品社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202;住友バイエル社製のデスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL;等を挙げることができる。
粘着剤は、バリア層からなる被貼り合わせ面上に、所定量、均一に塗布し、その上に、カバー層を載置した後、硬化させてもよいし、予め、カバー層の片面に、所定量を均一に塗布して粘着剤塗膜を形成しておき、該塗膜を被貼り合わせ面に貼り合わせ、その後、硬化させてもよい。
また、カバー層に、予め、粘着剤層が設けられた市販の粘着フィルムを用いてもよい。
このような粘着剤からなる粘着剤層の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは10〜30μmの範囲である。
〔その他の層〕
本発明の光記録媒体は、本発明の効果を損なわない範囲においては、上述の必須の層に加え、他の任意の層を有していてもよい。かかる他の任意の層としては、例えば、基板と記録層との間に設けられる光反射層(後述)、記録層とカバー層との間に設けられるバリア層(後述)、光反射層と記録層との間に設けられる界面層などが挙げられる。
なお、これら必須及び任意の層は、いずれも、単層でもよいし、多層構造を有してもよい。
〔光反射層〕
本発明において、レーザー光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を付与するために、基板と記録層との間に、光反射層を形成することが好ましい。
光反射層は、レーザー光に対する反射率が高い光反射性物質を、真空蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。
光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属或いはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、或いは二種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Al或いはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Ag或いはこれらの合金である。
〔バリア層(中間層)の形成工程〕
本発明においては、記録層とカバー層との間にバリア層を形成することが好ましい。
該バリア層は、記録層の保存性を高める、記録層とカバー層との接着性を向上させる、反射率を調整する、熱伝導率を調整する、等のために設けられる。
バリア層に用いられる材料としては、記録及び再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に、制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。
具体的には、Zn、Si、Ti、Nb、Ta、Sn、Mo、Ge等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、MoO2、GeO2、Nb25、Ta25、SiO2、TiO2、ZnO、SnO2、ZnO−Ga23が好ましく、ZnO−Ga23がより好ましい。
また、バリア層は、真空蒸着、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンプレーティングなどの真空成膜法により形成することができる。中でも、スパッタリングを用いることがより好ましく、RFスパッタリングを用いることが更に好ましい。
本発明におけるバリア層の厚さは、1〜200nmの範囲であることが好ましく、2〜100nmの範囲であることがより好ましく、3〜50nmの範囲であることが更に好ましい。
なお、上述のように、本発明の光記録媒体は、光入射面となるカバー層側に凸部を有しているため、記録を正確かつ良好に行うために、この凸部を回避するようにレーザー光を照射して記録を行うことが好ましい。このように、凸部を回避するようにレーザー光を照射するためには、例えば、レーザー光源を有する記録装置に、凸部の設置位置を検出するためのセンサを備え、かかるセンサの出力結果に応じ、ソフト的、回路的、機械的な機構を介して、レーザー光の照射位置を制御する方法がある。
記録波長(レーザー光波長)のより好ましくは、下限値が200nm以上であり、300nm以上であることが更に好ましく、350nm以上であることが特に好ましい。また、上限値としては、500nm以下であることがより好ましく、450nm以下であることが更に好ましく、420nm以下であることが特に好ましい。
なお、上記の上限値及び下限値は、それぞれが任意で組み合わせることができる。
また、情報の記録は本発明の光記録媒体のグルーブに行ってもよいし、ランドに行ってもよいが、グルーブの方が好ましい。
更に、上記の波長領域のレーザー光によって、情報の再生も行われる。
より具体的には、本発明の光記録媒体(追記型)と、本発明の光情報記録方法と、を用いた情報の記録、再生は、例えば、次のようにして行われる。
まず、光記録媒体を所定の線速度(0.5〜10m/秒)、又は、所定の定角速度にて回転させながら、カバー層側から対物レンズを介して青紫色レーザー(例えば、波長405nm)などの記録用の光を照射する。この照射光により、記録層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、例えば、ピットが生成してその光学特性を変えることにより情報が記録される。上記のように記録された情報の再生は、光記録媒体を所定の定線速度で回転させながら、青紫色レーザー光をカバー層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
上述のような500nm以下の発振波長を有するレーザー光源としては、例えば、390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザー、中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザー等を挙げることができる。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズのNAは0.7以上が好ましく、0.85以上がより好ましい。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
[実施例1]
<光記録媒体の作製>
帝人化成(株)社製ポリカーボネート樹脂(パンライトAD5503)を用いて射出成形により厚さ1.1mmの基板を成形した。基板の溝トラックピッチは320nm、オングルーブ部の半値幅は120nm、溝深さは35nmであった。
この基板上に、Ag:98.4at%、Nd:0.7at%、Cu:0.9at%、からなるターゲットを用いて、真空成膜法により反射層を100nmの厚みで成膜した。投入電力は2kW、Ar流量は5sccmで行った。
下記化学式で表される有機色素A(屈折率=1.85)を、TFP100mlに対し2gの比率になるよう秤量して溶解させた。該液に超音波を2時間照射して色素を溶解させた後、23℃50%の環境に0.5時間以上静置し、0.2μmのフィルターで濾過した。この液を用いて、スピンコート法で反射層上に厚さ110nmの記録層を形成した。その後、80℃のクリーンオーブン中で1時間加熱処理した。
Figure 2006127662
加熱処理後、真空成膜法により、ZnO:30質量%、Ga23:70質量%、からなるターゲットを用いて7nmの厚みの中間層を成膜した。
中間層を形成した後、一方の面に厚さ20μmの粘着層が形成されたポリカーボネートフィルム(厚み80μm)を貼り合せてカバー層を形成し光記録媒体を作製した。
(凸部の形成)
ポリカーボネートフィルムを上面にして、スピンコータ−に設置し、60rpmで回転させながら、紫外線硬化樹脂(SKCD社製、650−020)を0.2g塗布し、塗布終了後2秒以内に紫外線を照射し凸部(連続環状凸部)を形成した。紫外線の照射は、浜松ホトニクス社製スポットUVランプL8868に10mm径のファイバーを組み合わせて、基板上面5cmの高さから行った。
以上の工程により、実施例1の光記録媒体を作製した。
[実施例2]
凸部形成に用いる紫外線硬化樹脂を大日本インキ化学工業社製SD−318に変更したこと以外は実施例1と同様にして実施例2の光記録媒体を作製した。
[実施例3]
紫外線硬化樹脂を塗布後、10秒経過後に紫外線を照射したこと以外は実施例1と同様にして実施例3の光記録媒体を作製した。
[比較例1]
凸部の形成を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例1の光記録媒体を作製した。
[評価]
(1)耐傷性
得られた実施例1〜3及び比較例1の光記録媒体を、光入射面(カバー層側)を下向きにして机上に置き、30cmの距離を3回往復させて摺擦した。摺擦後の光入射面の状態を目視にて評価し判断した。傷の確認ができなかったものを○、若干の傷を確認したが実用上問題のないものを△、多くの傷を確認したものを×として評価した。評価結果を表1に示す。
(2)変形の有無
得られた実施例1〜3及び比較例1の光記録媒体を目視で評価し、反りなど変形のないもの「なし」とし、変形の発生が認められたものを「あり」として評価した。
以上の(1)、(2)の評価結果に基づき、傷、変形の全くないものを◎、実用上使用可能なものを○、非実用的なものを×として総合評価し表1に示す。
Figure 2006127662
表1より、実施例1〜3の光記録媒体は、良好に凸部が形成され、耐傷性において実用的に問題がないレベル以上の評価結果が得られた。実施例3の光記録媒体は、紫外線硬化樹脂を塗布後、10秒経過後に紫外線を照射したため、硬化までに樹脂が広がって凸部の高さが低くなったものと思われる。比較例1の光記録媒体は、凸部の形成をしなかったため、カバー層表面が摺擦し傷が多く発生した。

Claims (5)

  1. 基板上に、少なくとも、ピット又は記録層と、カバー層と、をこの順に有し、前記カバー層の表面に連続環状凸部又は断続環状凸部を有する光記録媒体の製造方法であって、
    前記連続環状凸部又は断続環状凸部を、その材料を含む塗布液をスピンコート法により前記カバー層表面に塗布して硬化させて形成することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
  2. 前記スピンコート法における回転数を120rpm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体の製造方法。
  3. 前記連続環状凸部又は断続環状凸部の材料として、紫外線硬化樹脂を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の光記録媒体の製造方法。
  4. スピンコート法による塗布終了から、前記紫外線硬化樹脂を硬化させる紫外線を照射するまでの時間を8秒以下とすることを特徴とする請求項3に記載の光記録媒体の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の光記録媒体の製造方法により得られる光記録媒体。
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