JP2005149635A - 光情報記録媒体の製造方法、光情報記録媒体、及び光情報記録方法 - Google Patents

光情報記録媒体の製造方法、光情報記録媒体、及び光情報記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れた記録特性を有し、また、記録特性のバラツキの少ない光情報記録媒体を製造する方法、該製造方法によって製造される光情報記録媒体、及び光情報記録方法を提供すること。
【解決手段】 厚さ0.7〜2mmの基板上に、真空成膜層を形成する工程と、
該真空成膜層上に、色素含有塗布液を塗布して色素層を形成する工程と、
該色素層上に、厚さ0.01〜0.5mmのカバー層を設ける工程と、
を有する光情報記録媒体の製造方法であって、
前記色素含有塗布液の被塗布面温度が10〜40℃であることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法、該製造方法により製造される光情報記録媒体、及び当該製造方法により製造された光情報記録媒体に対し、前記カバー層側から波長100〜600nmのレーザ光を照射し、前記色素層にピットを形成することで記録を行う光情報記録方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定波長のレーザ光を用いて記録及び再生を行うことができる光情報記録媒体の製造方法、該製造方法により製造される光情報記録媒体、及び光情報記録方法に関する。
従来から、レーザー光により一回限りの情報の記録が可能な光情報記録媒体(光ディスク)が知られている。この光ディスクは、追記型CD(所謂CD−R)とも称され、その代表的な構造は、透明な円盤状基板上に有機色素からなる記録層、金等の金属からなる反射層、更に樹脂製の保護層(カバー層)がこの順に積層したものである。そしてこのCD−Rへの情報の記録は、近赤外域のレーザ光(通常は780nm付近の波長のレーザー光)をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度上昇し、物理的或いは化学的変化(例えば、ピットの生成)によりその部分の光学的特性が変化することにより情報が記録される。一方、情報の読み取り(再生)もまた記録用のレーザー光と同じ波長のレーザー光をCD−Rに照射することにより行われ、記録層の光学的特性が変化した部位(記録部分)と変化していない部位(未記録部分)との反射率の違いを検出することにより行われている。
近年、記録密度のより高い光情報記録媒体が求められている。このような要望に対して、追記型デジタル・ヴァーサタイル・ディスク(所謂DVD−R)と称される光ディスクが提案されている(例えば、「日経ニューメディア」別冊「DVD」、1995年発行)。このDVD−Rは、照射されるレーザ光のトラッキングのための案内溝(プリグルーブ)がCD−Rの半分以下(0.74〜0.8μm)という狭い溝幅で形成された透明な円盤状基板上に、通常、有機色素を含有する記録層、反射層、及び保護層をこの順に積層したディスク2枚を記録層を内側にして貼り合わせた構造、或いはこのディスクと同じ形状の円盤状保護基板とを記録層を内側にして貼り合わせた構造を有している。そして、このDVD−Rへの情報の記録及び再生は、可視レーザー光(通常は、630nm〜680nmの範囲の波長のレーザー光)を照射することにより行われており、CD−Rより高密度の記録が可能である。
最近、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映開始も開始された。このような状況の下で、画像情報を安価簡便に記録することができる大容量の記録媒体が必要とされている。DVD−Rは現状では大容量の記録媒体としての役割を十分に果たしているが、大容量化、高密度化の要求は高まる一方であり、これらの要求に対応できる記録媒体の開発も必要である。このため、DVD−Rよりも更に短波長の光で高密度の記録を行なうことができる、より大容量の記録媒体の開発が進められている。
例えば、有機色素を含む記録層を有する光情報記録媒体において、記録層側から反射層側に向けて波長530nm以下のレーザー光を照射することにより、情報の記録及び再生を行う記録再生方法が提案されている(例えば、特許文献1〜15参照。)。これらの方法では、ポルフィリン化合物、アゾ系色素、金属アゾ系色素、キノフタロン系色素、トリメチンシアニン色素、ジシアノビニルフェニル骨格色素、クマリン化合物、ナフタロシアニン化合物等を含有する記録層を備えた光ディスクに、青色(波長430nm、488nm)又は青緑色(波長515nm)のレーザ光を照射することにより情報の記録及び再生を行っている。
これらの追記型光情報記録媒体の記録層は、通常、基板上に、光反射層を真空成膜法により設け、その光反射層上に、有機色素を含有する塗布液を塗布した後、乾燥させて形成される。その後、記録層上に、カバー層が設けられ、光情報記録媒体が得られる。これらの工程は、全て、一連の装置の中で、連続的に行なわれることで、優れた生産性を達成している。
ここで、真空成膜法により形成された光反射層の層表面の温度は、形成直後の場合、60℃以上となることがある。その後、その層表面を被塗布面として記録層用塗布液が塗布されるが、被塗布面が高温であるため、塗膜の乾燥速度が速すぎて、塗布ムラが発生しやすくなったり、塗布液の流動性が悪くなるために、塗布スジなどの塗布故障が発生しやすくなることで、塗膜の厚さが均一にならず、結果として、記録特性が低下したり、また、製品間で記録特性がばらつくという問題を有していた。
特開平4−74690号公報 特開平7−304256号公報 特開平7−304257号公報 特開平8−127174号公報 特開平11−53758号公報 特開平11−334204号公報 特開平11−334205号公報 特開平11−334206号公報 特開平11−334207号公報 特開2000−43423号公報 特開2000−108513号公報 特開2000−113504号公報 特開2000−149320号公報 特開2000−158818号公報 特開2000−228028号公報
本発明は、前記の如き問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、優れた記録特性を有し、また、記録特性のバラツキの少ない光情報記録媒体を製造する方法、該製造方法によって製造される光情報記録媒体、及び光情報記録方法を提供することにある。
本発明者は、真空成膜層(例えば、光反射層)上に、有機色素を含有する記録層(色素層)を塗布する際、真空成膜層からなる被塗布面の温度を制御することによって、上記従来技術の問題点を解決することを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の光情報記録媒体の製造方法は、
厚さ0.7〜2mmの基板上に、真空成膜層を形成する工程と、
該真空成膜層上に、色素含有塗布液を塗布して色素層を形成する工程と、
該色素層上に、厚さ0.01〜0.5mmのカバー層を設ける工程と、
を有する光情報記録媒体の製造方法であって、
前記色素含有塗布液の被塗布面温度が10〜40℃であることを特徴とする。
また、本発明の光情報記録媒体は、前記光情報記録媒体の製造方法により製造されることを特徴とする。
更に、本発明の光情報記録方法は、前記光情報記録媒体の製造方法により製造された光情報記録媒体に対し、前記カバー層側から波長100〜600nmのレーザ光を照射し、前記色素層にピットを形成することで記録を行うことを特徴とする。
本発明によれば、色素含有塗布液を均一な膜厚に塗布することが可能であることから、優れた記録特性を有し、また、記録特性のバラツキの少ない光情報記録媒体を製造する方法、該製造方法によって製造される光情報記録媒体、及び光情報記録方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の光情報記録媒体の製造方法は、厚さ0.7〜2mmの基板上に、真空成膜層を形成する工程と、
該真空成膜層上に、色素含有塗布液を塗布して色素層を形成する工程と、
該色素層上に、厚さ0.01〜0.5mmのカバー層を設ける工程と、
を有する光情報記録媒体の製造方法であって、
前記色素含有塗布液の被塗布面温度が10〜40℃であることを特徴とする。
以下、各層の形成工程について順に説明する。
ここで、本発明の光情報記録媒体の製造方法には、少なくとも、基板上に真空成膜層を形成する工程と、該真空成膜層上に色素層を形成する工程と、カバー層の設置工程と、を有し、この他にも、後述する、任意の層を形成する工程を有する。
<真空成膜層の形成工程>
本工程は、後述する基板のプリグルーブが形成された面に、真空成膜法によって層を形成する工程である。かかる工程で形成される真空成膜層は、具体的には、基板と色素層との密着性を向上させるために設けられる層であってもよいし、レーザ光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する目的で設けられる層であってもよい。
[基板]
本工程において用いられる基板としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
これらの樹脂を用いた場合、射出成型を用いて基板を作製することができる。
また、基板の厚さは、0.7〜2mmの範囲であることを要し、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
基板には、トラッキング用の案内溝又はアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プリグルーブ)が形成されている。より高い記録密度を達成するためにはCD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチのプリグルーブが必要となる。例えば、本発明において製造された光情報記録媒体を、好適な、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合には、形成されるプリグルーブは以下に示す範囲のものであることが好ましい。
プリグルーブのトラックピッチは、上限値が500nm以下であることが好ましく、420nm以下であることがより好ましく、370nm以下であることが更に好ましく、330nm以下であることが特に好ましい。また、下限値は、50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましく、200nm以上であることが更に好ましく、260nm以上であることが特に好ましい。
プリグルーブの幅(半値幅)は、上限値が250nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、170nm以下であることが更に好ましく、150nm以下であることが特に好ましい。また、下限値は、23nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、80nm以上であることが更に好ましく、100nm以上であることが特に好ましい。
プリグルーブの(溝)深さは、上限値が150nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、70nm以下であることが更に好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。また、下限値は、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましく、20nm以上であることが更に好ましく、28nm以上であることが特に好ましい。
プリグルーブの角度は、上限値が80°以下であることが好ましく、70°以下であることがより好ましく、60°以下であることが更に好ましく、50°以下であることが特に好ましい。また、下限値は、20°以上であることが好ましく、30°以上であることがより好ましく、40°以上であることが更に好ましい。
これらのプリグルーブの値は、AFM(原子間力顕微鏡)により測定することができる。なお、上記プリグルーブの角度とは、グルーブの溝深さをDとした時、溝形成前の基板の表面を基準とし、その表面からD/10の深さの傾斜部と、溝の最も深い個所からD/10の高さの傾斜部と、を結ぶ直線と、基板面(溝部底面)と、が成す角度である。
なお、後述する真空成膜層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
[真空成膜層]
真空成膜層は、真空蒸着、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンプレーティングなどの真空成膜法により基板上に形成することができる。中でも、スパッタリングを用いることがより好ましく、DCスパッタリングを用いることが更に好ましい。また、これらの真空成膜法における成膜条件は、成膜材料、所望される膜厚や膜密度等に合わせて、適宜、調整することができる。
より具体的には、スパッタリングを用いる場合、成膜パワーは、0.2kW〜20kWの範囲が好ましく、好ましくは、上限値が、15kW以下であることがより好ましく、10kW以下であることが更に好ましく、5kW以下であることが特に好ましい。下限値としては、0.5kW以上であることがより好ましく、1kW以上であることが更に好ましく、1.5kW以上であることが特に好ましい。
また、スパッタリングの時間は、20秒以下であることが好ましく、10秒以下であることがより好ましく、7秒以下であることが更に好ましく、5秒以下であることが特に好ましい。下限値としては、0.5秒以上であることが好ましく、1秒以上であることがより好ましく、2秒以上であることが更に好ましい。
以下、本発明における真空成膜層として好適な光反射層について詳細に説明する。
光反射層は、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質を、真空蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができ、レーザ光に対する反射率を高めたり、記録再生特性を改良する機能を有する。
光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
<色素層の形成工程>
本工程は、前記真空成膜層上に、色素含有塗布液を塗布し、色素層(記録層とも呼ばれる)を形成する工程である。
本発明においては、色素含有塗布液の被塗布面温度が10〜40℃であることを必須とする。好ましくは、下限値が、15℃以上であり、20℃以上であることがより好ましく、23℃以上であることが更に好ましい。また、下限値としては、35℃以下であることが好ましく、30℃以下であることがより好ましく、27℃以下であることが更に好ましい。
このように被塗布面温度が上記範囲にあると、高い乾燥速度に起因する塗布ムラや、塗布液の流動性の悪さに起因する塗布故障の発生を防止し、色素含有塗布液の塗膜の厚さを均一とすることができる。その結果、形成された色素層の膜厚が均一となるため、記録特性の低下や記録特性のバラツキの発生を抑制することができる。
なお、色素含有塗布液の被塗布面温度が40℃より高い場合、塗布ムラや塗布故障の発生防止効果が発現し難くなり、また、10℃より低い場合、結露が生じたり、色素の溶解性が低下することにより、色素層に欠陥が発生しやすくなる。
ここで、本発明において、色素含有塗布液の被塗布面温度とは、真空成膜層の表面の温度を、非接触赤外温度計を用いて、10箇所測定し、そこから算出された平均値を指す。
また、被塗布面温度を測定する方法としては、従来公知の方法を使用することができるが、例えば、赤外温度計を用いることが好ましい。
ここで、色素含有塗布液の被塗布面を構成する真空成膜層は、上述のように、真空成膜法により形成されるため、通常、成膜直後は、60℃以上の温度を有している。そのため、色素含有塗布液の被塗布面温度を上記範囲に調整するためには、形成された真空成膜層を冷却することが必要である。
冷却方法としては、従来公知の冷却方法を用いることができるが、一般的に、上述した真空成膜層の形成工程と色素層の形成工程とは、連続して行なわれることが多いため、真空成膜層の形成工程と色素層の形成工程との間の搬送領域(搬送空間)の温度を制御する、該搬送領域において冷風を当てる、真空成膜層表面に冷却ロールを接触させる等の方法が好ましく用いられる。
例えば、真空成膜層の形成工程と色素層の形成工程との間の搬送領域(搬送空間)の温度を制御する方法を用いる場合、搬送領域の温度は、所望の色素含有塗布液の被塗布面温度と同等若しくは少し低めに調整されることが好ましい。具体的には、搬送領域の温度が、所望の色素含有塗布液の被塗布面温度に対して、0℃以上低いことが好ましく、1℃以上低いことがより好ましく、2℃以上低いことが更に好ましい。また、搬送領域の温度と、所望の色素含有塗布液の被塗布面温度と、の差は、10℃以下であることが好ましく、8℃以下であることが好ましく、5℃以下であることが更に好ましい。
この際、搬送領域の湿度としては、上限値が60%RH以下であることが好ましく、50%RH以下であることがより好ましく、40%RH以下であることが更に好ましい。下限値としては、10%RH以上であることが好ましく、20%RH以上であることがより好ましく、30%RH以上であることが更に好ましい。
また、冷却時間としては、下限値が、1分以上であることが好ましく、5分以上であることがより好ましく、10分以上であることが更に好ましい。上限値としては、24時間以下であることが好ましく、5時間以下であることがより好ましく、2時間以下であることが更に好ましい。
色素含有塗布液の被塗布面温度を上記範囲に調整する手段として、真空成膜層の形成工程と色素層の形成工程との間の搬送領域において冷風を当てる方法を用いる場合、真空成膜層の表面のみに冷風を当て、色素含有塗布液の被塗布面温度を調節してもよいし、基板と真空成膜層とを含む積層体の全体に冷風を当てて色素含有塗布液の被塗布面温度を調節してもよい。その際の冷風の温度は、所望の色素含有塗布液の被塗布面温度と同等若しくは少し低めに調整されることが好ましく、具体的には、上記した搬送領域の温度の好ましい範囲と同様である。また、その際の湿度も、上記の搬送領域の温度と同様である。
また、冷却時間(冷風を当てる時間)としては、下限値が、1秒以上であることが好ましく、10秒以上であることがより好ましく、1分以上であることが更に好ましい。上限値としては、1時間以下であることが好ましく、30分以下であることがより好ましく、10分以下であることが更に好ましい。
色素含有塗布液の被塗布面温度を上記範囲に調整する手段として、真空成膜層の形成工程と色素層の形成工程との間の搬送領域において、形成された真空成膜層に冷却ロールを接触させて、その表面温度を冷却させる方法もある。この場合、冷却ロールの表面温度は、所望の色素含有塗布液の被塗布面温度と同等若しくは少し低めに調整されることが好ましく、具体的には、上記した搬送領域の温度の好ましい範囲と同様である。また、その際の湿度も、上記の搬送領域の温度と同様である。
また、冷却時間(真空成膜層と冷却ロールとの接触時間)としては、下限値が、1秒以上であることが好ましく、10秒以上であることがより好ましく、1分以上であることが更に好ましい。上限値としては、1時間以下であることが好ましく、30分以下であることがより好ましく、10分以下であることが更に好ましい。
また、真空成膜層の冷却を行い、所定の被塗布面温度へと制御するためには、上述した冷却の諸条件を、適宜、調整することで達成される。この場合、被塗布面温度が所望の温度になることを冷却の諸条件から実験的に求め、その条件を予め設定した冷却工程を実施すればよい。
一方、冷却中の真空成膜層表面温度(被塗布面温度)を経時的に測定しておき、その測定値が所望の温度となった場合に、冷却を終了する、という方法を用いてもよい。この方法を用いた場合、冷却の状況を見ながら、温度や湿度、時間などの諸条件を、調整することも可能である。
色素層を形成するために用いられる色素含有塗布液は、記録及び再生時に用いられるレーザ光の波長領域に吸収を有する有機色素を含有していることが好ましい。本発明においては、100〜600nmの波長領域に吸収を有する有機色素が好ましい。該有機色素としては、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられる。
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、及び同2000−158818号公報等に記載されている色素も好適に用いられる。
色素層は、有機色素を、必要に応じて、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して色素含有塗布液を調製し、次いで、この塗布液を、所定の温度範囲に調整された被塗布面(真空成膜層表面)に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。ここで、色素層は、単層でも重層でもよく、重層構造の場合、色素含有塗布液を塗布する工程が複数回行われることになる。
色素含有塗布液中の有機色素の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する有機色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には、さらに、酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。
塗布の際、色素含有塗布液の温度は、23〜50℃の範囲であることが好ましく、24〜40℃の範囲であることがより好ましく、中でも、23〜50℃の範囲であることが特に好ましい。
このようにして形成された色素層の厚さは、グルーブ(前記基板において凸部)上で、300nm以下であることが好ましく、250nm以下であることがより好ましく、200nm以下であることが更に好ましく、180nm以下であることが特に好ましい。下限値としては、30nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、70nm以上であることが更に好ましく、90nm以上であることが特に好ましい。
また、色素層の厚さは、ランド上(前記基板において凹部)で、400nm以下であることが好ましく、300nm以下であることがより好ましく、250nm以下であることが更に好ましい。下限値としては、70nm以上であることが好ましく、90nm以上であることがより好ましく、110nm以上であることが更に好ましい。
更に、グルーブ上の色素層の厚さ/ランド上の色素層の厚さの比は、0.4以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.6以上であることが更に好ましく、0.7以上であることが特に好ましい。上限値としては、1未満であることが好ましく、0.9以下であることがより好ましく、0.85以下であることが更に好ましく、0.8以下であることが特に好ましい。
色素含有塗布液が結合剤を含有する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;を挙げることができる。色素層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に、有機色素に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。
また、色素層には、該色素層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、及び同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、有機色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
<中間層(バリア層)の形成工程>
本発明の光情報記録媒体の製造方法において、前記色素層上には、中間層(バリア層)が設けられてもよい。バリア層は、色素層の保存性を高める、色素層とカバー層との接着性を向上させる、反射率を調整する、熱伝導率を調整する、等のために設けられる。バリア層に用いられる材料としては、記録及び再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に、制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。
具体的には、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、ZnS、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZuO、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23が好ましく、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23がより好ましい。
本発明におけるバリア層の厚さは、1〜200nmの範囲であることが好ましく、2〜100nmの範囲であることがより好ましく、3〜50nmの範囲であることが更に好ましい。
また、このバリア層は、蒸着、スパッタリング等の真空成膜により形成することができる。
<カバー層の設置工程>
本工程は、上述のようにして形成された色素層又はバリア層上に、接着剤又は粘着剤を介してカバー層を貼り付ける工程である。
本発明において用いられるカバー層としては、透明な材質のフィルムであれば、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネート又は三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録及び再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
また、カバー層は、本発明の効果を妨げない範囲において、種々の添加剤が含有されていてもよい。例えば、波長400nm以下の光をカットするためのUV吸収剤及び/又は500nm以上の光をカットするための色素が含有されていてもよい。
更に、カバー層の表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータ及び3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録及び再生に用いられる光の集光度の観点から、カバー層の複屈折は10nm以下であることが好ましい。
カバー層の厚さは、記録及び再生のために照射されるレーザ光の波長やNAにより、適宜、規定されるが、本発明においては、0.01〜0.5mmの範囲内であり、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。
また、カバー層と、接着剤又は粘着剤からなる層と、を合わせた総厚は、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
なお、カバー層の光入射面には、光情報記録媒体の製造時に、光入射面が傷つくことを防止するための保護層(ハードコート層)が設けられていてもよい。
カバー層を貼り合せるために用いられる接着剤は、例えば、UV硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用することが好ましく、特に、UV硬化樹脂を使用することが好ましい。
接着剤としてUV硬化樹脂を使用する場合は、該UV硬化樹脂をそのまま、若しくはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ディスペンサから色素層又はバリア層表面に供給してもよい。また、作製される光情報記録媒体の反りを防止するため、接着層を構成するUV硬化樹脂は硬化収縮率の小さいものが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)社製の「SD−640」等のUV硬化樹脂を挙げることができる。
接着剤は、例えば、貼り合わせ面(色素層側の表面)上に、所定量塗布し、その上に、カバー層を載置した後、スピンコートにより接着剤を、貼り合わせ面とカバー層との間に均一になるように広げた後、硬化させることが好ましい。
このような接着剤からなる接着剤層の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは10〜30μmの範囲である。
また、カバー層を貼り合せるために用いられる粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
上記粘着剤と併用される架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。かかるイソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート類を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品としては、日本ポリウレタン社製のコロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートHTL;武田薬品社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202;住友バイエル社製のデスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL;等を挙げることができる。
粘着剤は、貼り合わせ面(色素層側の表面)上に、所定量、均一に塗布し、その上に、カバー層を載置した後、硬化させてもよいし、予め、カバー層の片面に、所定量を均一に塗布して粘着剤塗膜を形成しておき、該塗膜を貼り合わせ面(色素層側の表面)に貼り合わせ、その後、硬化させてもよい。
また、カバー層に、予め、粘着剤層が設けられた市販の粘着フィルムを用いてもよい。
このような粘着剤からなる粘着剤層の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、更に好ましくは10〜30μmの範囲である。
<その他の層の形成工程>
本発明の光情報記録媒体の製造方法は、真空成膜層上に色素層が形成される態様であって、本発明の効果を損なわない範囲においては、上記各層の形成工程に加えて、他の任意の層の形成工程を有していてもよい。かかる他の任意の層としては、例えば、基板の裏面(真空成膜層の形成面の裏面)には、所望の画像を有するレーベル層が挙げられる。かかるレーベル層は、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、及び熱乾燥樹脂などを用いて形成される。
また、上述の各工程にて形成された層は、単層でもよいし、多層構造を有してもよい。
以上のような種々の工程を有する本発明の光情報記録媒体の製造方法により製造された光情報記録媒体(本発明の光情報記録媒体)は、色素層の膜厚が均一であるため、優れた記録特性を有し、記録特性のバラツキを抑制することが可能である。
また、本発明の光情報記録方法としては、本発明の光情報記録媒体の製造方法により製造された光情報記録媒体(本発明の光情報記録媒体)に対し、前記カバー層側から波長100〜600nmのレーザ光を照射し、前記色素層にピットを形成することで記録を行うことを特徴とする。本発明の光情報記録方法のように、上記の構成の光情報記録媒体に対し、適した波長のレーザ光を照射して記録を行うことにより、良好で安定な記録再生特性を付与することができる。
記録波長(レーザ光波長)のより好ましくは、下限値が200nm以上であり、300nm以上であることが更に好ましく、350nm以上であることが特に好ましい。また、上限値としては、500nm以下であることがより好ましく、450nm以下であることが更に好ましく、420nm以下であることが特に好ましい。
また、情報の記録は本発明の光情報記録媒体のグルーブに行ってもよいし、ランドに行ってもよいが、グルーブの方が好ましい。
更に、上記の波長領域のレーザー光によって、情報の再生も行われる。
より具体的には、本発明の光情報記録媒体と、本発明の光情報記録方法と、を用いた情報の記録、再生は、例えば、次のようにして行われる。
まず、光情報記録媒体を所定の線速度(0.5〜10m/秒)、又は、所定の定角速度にて回転させながら、カバー層側から対物レンズを介して青紫色レーザ(例えば、波長405nm)などの記録用の光を照射する。この照射光により、色素層がその光を吸収して局所的に温度上昇し、例えば、ピットが生成してその光学特性を変えることにより情報が記録される。上記のように記録された情報の再生は、光情報記録媒体を所定の定線速度で回転させながら、青紫色レーザ光をカバー層側から照射して、その反射光を検出することにより行うことができる。
上述のような500nm以下の発振波長を有するレーザ光源としては、例えば、390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ、中心発振波長425nmの青紫色SHGレーザ等を挙げることができる。
また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズのNAは0.7以上が好ましく、0.85以上がより好ましい。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜3)
<光情報記録媒体の製造>
(真空成膜層の形成工程)
厚さ1.1mm、外径120mm、内径15mmでスパイラル状のプリグルーブ(深さ30nm、幅150nm、トラックピッチ320nm)を有する射出成形ポリカーボネート樹脂からなる基板のグルーブを有する面上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、DCスパッタリングにより、膜厚100nmの真空成膜層としてのAPC光反射層(Ag:98.1質量%、Pd:0.9質量%、Cu:1.0質量%)を形成した。なお、スパッタパワーは2kWで、スパッタ時間は3.3秒であった。スパッタリング直後の真空成膜層の表面温度は、約80℃であった。
(真空成膜層の冷却)
その後、真空成膜層の表面を冷却し、色素含有塗布液の被塗布面温度を表1のように制御した。具体的には、冷却は、基板上に真空成膜層の形成後、色素層の形成工程へと搬送する間に、その搬送領域(空間)の温度(表1では冷却温度と表記)、湿度、及び搬送領域内の保持時間(冷却時間)を下記表1に記載のように設定して行った。
なお、本実施例における被塗布面温度は、赤外温度計(IT2−80、キーエンス社製)を用い、真空成膜層の表面を10箇所について測定し、その平均値を指す。そして、表1に記載の平均被塗布面温度とは、同様にして作製した試料10枚それぞれの被塗布面温度の平均値である。
(色素層の形成工程)
下記化学式で表わされる色素A:2gを、2,2,3,3−テトラフロロプロパノール100ml中に添加して溶解し、色素含有塗布液を調製した。そして、下記表1に記載の温度を有する被塗布面に対し、調製した色素含有塗布液を、スピンコート法により回転数300〜4000rpmまで変化させながら23℃、50%RHの条件で塗布した。その後、23℃、50%RHで1時間保存して、色素層(グルーブ上の厚さ130nm、ランド上の厚さ180nm)を形成した。
Figure 2005149635
色素層を形成した後、クリーンオーブンにてアニール処理を施した。アニール処理は、基板を垂直のスタックポールにスペーサーで間をあけながら支持し、80℃で1時間保持して行った。
(バリア層の形成工程)
その後、色素層上に、Unaxis社製Cubeを使用し、Ar雰囲気中で、RFスパッタリングによりZnO−Ga23(ZnO:Ga23=7:3(質量比))からなる、厚さ5nmのバリア層を形成した。
(カバー層の貼り合わせ工程)
カバー層としては、内径15mm、外径120mmで、片面に粘着剤が塗設してあるポリカーボネート製フィルム(帝人ピュアエース、厚さ:80μm)を用い、該粘着剤層とポリカーボネート製フィルムとの厚さの合計が100μmとなるように設定した。
そして、バリア層上に、該バリア層と粘着剤層とが当接するようにカバー層を載置した後、そのカバー層を押し当て部材にて圧接して、貼り合わせた。
これにより、実施例1〜6、比較例1〜3の光情報記録媒体が作製された。
<光情報記録媒体の評価>
−ジッターの測定及びその評価−
作製した光情報記録媒体を、403nmレーザ、NA0.85ピックアップを積んだ記録再生評価機(パルステック社製:DDU1000)を用い、クロック周波数66MHz、線速5.28m/sにて、ランダム信号を記録、再生しスペクトルアナライザー(パルステックMSG2)にてジッターを測定した。なお、本評価は、本発明の光情報記録方法を用いたものであり、記録はグルーブ上に行った。また、記録パワー5.2mW、再生パワー0.3mWであった。結果を表1に示す。
また、作製した光情報記録媒体の10枚に対し、同様の方法を用いてジッターの測定を行った。それらの標準偏差σを、ジッターの安定性の指標とした。σの数値が小さいほど、ジッターの安定性が高く、個々の記録特性のバラツキが小さいことを示す。結果を表1に併記した。
Figure 2005149635
表1の結果から、本発明の光情報記録媒体の製造方法から得られた実施例1〜6の光情報記録媒体は、比較例1〜3の光情報記録媒体と比較して、ジッターが低く抑えられている。また、実施例1〜6は、ジッターの安定性も得られていた。
一方、比較例1の光情報記録媒体は、ジッターが高く、更に、その安定性も得られていないことが明らかであった。また、比較例2及び3の光情報記録媒体は、ジッターの安定性は実施例1〜6と同等に得られているものの、もとのジッター値が高いため、実用上問題があった。

Claims (3)

  1. 厚さ0.7〜2mmの基板上に、真空成膜層を形成する工程と、
    該真空成膜層上に、色素含有塗布液を塗布して色素層を形成する工程と、
    該色素層上に、厚さ0.01〜0.5mmのカバー層を設ける工程と、
    を有する光情報記録媒体の製造方法であって、
    前記色素含有塗布液の被塗布面温度が10〜40℃であることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の光情報記録媒体の製造方法により製造されることを特徴とする光情報記録媒体。
  3. 請求項1に記載の光情報記録媒体の製造方法により製造された光情報記録媒体に対し、前記カバー層側から波長100〜600nmのレーザ光を照射し、前記色素層にピットを形成することで記録を行うことを特徴とする光情報記録方法。
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