JP2008146726A - 光情報記録媒体、基板、スタンパ、金型及び光情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

光情報記録媒体、基板、スタンパ、金型及び光情報記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ブルーレイディスクと同様の構造を有する場合であっても、レーベル面側に青紫色レーザ光にて画像や文字を描画することができる光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】第1光情報記録媒体10Aは、厚さ0.7〜2mmの基板12の一方の面に環状の第1積層体14が形成され、基板12の他方の面に環状の第2積層体16が形成されている。基板12は、一方の面に、内周側部分18の厚みt1が外周側部分20の厚みt2よりも大とする段差22を有し、基板12の一方の面のうち、外周側部分20に、第1積層体14が形成されている。第1積層体14は、第1反射層24と、可視情報記録層26と、第1誘電体層28と、第1カバー層30とを有する。第2積層体16は、第2反射層32と、データ記録層34と、第2誘電体層36と、第2カバー層38とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光の照射によって可視情報が記録される可視情報記録層を有する光情報記録媒体、光情報記録媒体用の基板、スタンパ、金型及び光情報記録媒体の製造方法に関し、いわゆるブルーレイディスクに用いて好適な光情報記録媒体、基板、スタンパ、金型及び光情報記録媒体の製造方法に関する。
CD−RやDVD−R等の光情報記録媒体の1種として、電子情報が記録される記録面と反対側の面に、記録面に記録した電子情報の内容、例えば、音楽データの楽曲タイトルや、記録したデータを識別するためのタイトル等の可視情報を印刷したラベルを貼付したものが知られている。このため、該反対側の面は、レーベル面と呼称される。
この種の光情報記録媒体は、プリンタ等によって円形のラベルシート上にタイトル等を予め印刷し、当該ラベルシートをレーベル面に貼付することにより作製される。
しかしながら、ラベルシートをレーベル面に貼付する場合、ディスクドライブとは別に、ラベルシートを印刷するためのプリンタが必要となる。すなわち、ディスクドライブを用いて光情報記録媒体の記録面に記録を行った後、該光情報記録媒体をディスクドライブから取り出し、さらに、プリンタによって印刷されたラベルシートを貼付する等といった煩雑な作業を行う必要がある。
そこで、レーベル面にレーザマーカを使用して表面と背景のコントラストを変化させて表示をさせることができる光情報記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この光情報記録媒体を用いることで、光情報記録媒体ドライブのみで記録面への記録と、レーベル面への所望の可視画像記録とを行うことができる。従って、プリンタ等を別途用意する必要がなくなり、ラベルシートを貼付するという煩雑な作業も不要となる。
また、従来においては、一方の面に可視情報記録層を有し、他方の面にデータ記録層を有する光ディスクが提案され、この光ディスクに対応した記録再生装置として例えば特許文献2〜4が開示されている。
この記録再生装置は、可視情報記録層に対する可視情報の記録と、データ記録層に対するピット情報の記録を、1つのドライブで行うことができるようになっている。すなわち、可視情報記録層及びデータ記録層のいずれか一方の層への記録を行った後、光ディスクを裏返すことによって、他方の層への記録が行えるようになっている。
特開平11−66617号公報 特開2002−203321号公報 特開2003−203348号公報 特開2003−242750号公報
ところで、可視情報記録層及びデータ記録層のいずれか一方の層への記録を行った後、光ディスクを裏返して他方の層への記録を行うには、一方の層に対するレーザ光のフォーカシング制御と、他方の層に対するレーザ光のフォーカシング制御がほぼ同じ条件で行えることが前提となってくる。例えば、光ディスクの一方の端面から一方の層(例えばデータ記録層)までの距離と、光ディスクの他方の端面(例えばレーベル面)から他方の層(例えば可視情報記録層)までの距離をほぼ同じにすれば、特殊なフォーカシング制御を必要としなくなるため、従来から実績のあるドライブを使用することができ、コスト的にも有利になる。このような光ディスクは、2つの基板の貼り合わせによって容易に実現させることができる。従って、DVDの場合、レーベル面側から赤色レーザを照射して、可視情報記録層に画像や文字を描画することが可能となる。
その一方で、現在、1つの基板を用い、該基板上に、光反射層、データ記録層、誘電体層、カバー層を順次形成した、いわゆるブルーレイディスクが実用化されている。このブルーレイディスクでは、DVDとは異なる構造を有することもあり、レーベル面側に、青紫色レーザにて画像や文字を描画するという考えはなかった。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、ブルーレイディスクと同様の構造を有する場合であっても、レーベル面側に青紫色レーザ光にて画像や文字を描画することができる光情報記録媒体を提供することを目的とする。
また、本発明の目的は、ブルーレイディスクと同様の構造を有する場合であっても、レーベル面側に青紫色レーザ光にて画像や文字を描画することができる光情報記録媒体を容易に作製することができる基板、スタンパ、金型及び光情報記録媒体の製造方法を提供することにある。
第1の本発明に係る光情報記録媒体は、基板部と、該基板部上に形成された可視情報記録層とを有し、レーザ光の照射によって前記可視情報記録層に可視情報が記録される光情報記録媒体において、前記基板部は、一方の面に、内周側の部分の厚みが外周側の部分の厚みよりも大とする段差を有し、前記基板部の前記一方の面のうち、前記外周側の部分に、前記可視情報記録層が形成されていることを特徴とする。
これにより、ブルーレイディスクと同様の構造を有する場合であっても、レーベル面側にレーザ光にて画像や文字を描画することができる。
そして、第1の本発明において、前記基板部は、1枚の基板にて構成されていてもよいし、前記基板部は、第1基板と第2基板とが接着層を介して貼り合わされて構成され、前記第1基板の一方の面が前記基板部の一方の面であってもよい。
また、第1の本発明において、前記基板部の前記一方の面のうち、前記外周側の部分に、反射層が形成され、該反射層上に、前記可視情報記録層が形成され、該可視情報記録層上に誘電体層が形成され、該誘電体層上に光透過性のカバー層が形成されていてもよい。
また、第1の本発明において、前記基板部の他方の面に、レーザ光の照射によってピット情報が記録されるデータ記録層が形成されていてもよい。この場合、前記基板部の他方の面に、第2反射層が形成され、該第2反射層上に、前記データ記録層が形成され、該データ記録層上に第2誘電体層が形成され、該第2誘電体層上に光透過性の第2カバー層が形成されていてもよい。
また、前記内周側の部分は、前記データ記録層に前記ピット情報を記録する際のクランピング領域を含むようにしてもよい。この場合、前記内周側の部分の周縁部に、スタックリブが形成されていてもよい。
次に、第2の本発明に係る基板は、レーザ光の照射によって可視情報が記録される可視情報記録層を有する光情報記録媒体記録用の基板において、一方の面に、内周側の部分の厚みが、前記可視情報記録層が形成される外周側の部分の厚みよりも大とする段差を有することを特徴とする。
次に、第3の本発明に係るスタンパは、レーザ光の照射によって可視情報が記録される可視情報記録層を有する光情報記録媒体記録用の基板を作製するためのスタンパにおいて、前記基板の一方の面に、内周側の部分の厚みが、前記可視情報記録層が形成される外周側の部分の厚みよりも大とする段差を形成するための転写面を有することを特徴とする。
次に、第4の本発明に係る金型は、レーザ光の照射によって可視情報が記録される可視情報記録層を有する光情報記録媒体記録用の基板を作製するための金型において、前記基板の一方の面に、内周側の部分の厚みが、前記可視情報記録層が形成される外周側の部分の厚みよりも大とする段差を形成するための凹凸面を有することを特徴とする。
次に、第5の本発明に係る光情報記録媒体の製造方法は、基板と、該基板上に形成された可視情報記録層とを有し、レーザ光の照射によって前記可視情報記録層に可視情報が記録される光情報記録媒体の製造方法において、一方の面に、内周側の部分の厚みが、外周側の部分の厚みよりも大とする段差が形成された前記基板を作製する基板作製工程と、前記基板の前記一方の面のうち、前記外周側の部分に、前記可視情報記録層を形成する可視情報記録層形成工程とを有することを特徴とする。
そして、第5の本発明において、さらに、前記基板の他方の面に、レーザ光の照射によってピット情報が記録されるデータ記録層を形成するデータ記録層形成工程を有するようにしてもよい。
また、第5の本発明において、さらに、第2基板の一方の面に、レーザ光の照射によってピット情報が記録されるデータ記録層を形成するデータ記録層形成工程と、前記基板の他方の面に、接着層を介して前記第2基板の他方の面を貼り合せる基板貼合せ工程とを有するようにしてもよい。
上述した第2〜5の本発明においては、ブルーレイディスクと同様の構造を有する場合であっても、レーベル面側にレーザ光にて画像や文字を描画することができる光情報記録媒体を容易に作製することができる。
以上説明したように、本発明に係る光情報記録媒体によれば、ブルーレイディスクと同様の構造を有する場合であっても、レーベル面側にレーザ光にて画像や文字を描画することができる。
また、本発明に係る基板、スタンパ、金型及び光情報記録媒体の製造方法によれば、ブルーレイディスクと同様の構造を有する場合であっても、レーベル面側にレーザ光にて画像や文字を描画することができる光情報記録媒体を容易に作製することができる。
以下、本発明に係る光情報記録媒体、基板、スタンパ、金型及び光情報記録媒体の製造方法の実施の形態例を図1〜図6を参照しながら説明する。
[第1光情報記録媒体10A]
先ず、第1の実施の形態に係る光情報記録媒体(以下、第1光情報記録媒体10Aと記す)は、図1に示すように、厚さ0.7〜2mmの基板12の一方の面に環状の第1積層体14が形成され、基板12の他方の面に環状の第2積層体16が形成されている。
具体的には、基板12は、一方の面に、内周側の部分(内周側部分18と記す)18の厚みt1が外周側の部分(外周側部分20と記す)の厚みt2よりも大とする段差22を有し、基板12の一方の面のうち、外周側部分20に、第1積層体14が形成されている。
第1積層体14は、基板12の外周側部分20に形成された第1反射層24と、該第1反射層24上に形成された可視情報記録層26と、該可視情報記録層26上に形成された第1誘電体層28と、該第1誘電体層28上に貼着された厚さ0.01〜0.5mmの第1カバー層30とを有する。第1カバー層30の貼着面には予め粘着剤が付されてある。
一方、第2積層体16は、基板12の他方の面上に形成された第2反射層32と、該第2反射層32上に形成されたデータ記録層34と、該データ記録層34上に形成された第2誘電体層36と、該第2誘電体層36上に貼着された厚さ0.01〜0.5mmの第2カバー層38とを有する。なお、基板12の他方の面には図示しないプリグルーブが形成されており、そのトラックピッチは50〜500nm、溝幅は25〜250nm、溝深さは5〜150nmであることが好ましい。プリグルーブは、CD−RやDVD−Rに比べてより高い記録密度を達成するために設けられたものであり、例えば、第1光情報記録媒体10Aを、青紫色レーザに対応する媒体として使用する場合に好適である。
データ記録層34は、例えば第2カバー層38の端面側から照射された青紫色レーザ光40によってデータ(ピット情報)の記録及び/又は再生が可能となっている。
可視情報記録層26は、例えば第1カバー層30の端面側から照射された青紫色レーザ光40によって可視情報(画像や文字)が記録できるようになっている。
ここで、第1光情報記録媒体10Aの構成部材について順に説明する。
〔基板12〕
第1光情報記録媒体10Aにおいて用いられる基板12としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
これらの樹脂を用いた場合、射出成形を用いて基板12を作製することができる。
この場合、射出成形に用いられる金型やスタンパの形状を調整して、基板12の一方の面に段差22が形成できるようにする。このとき、基板12の一方の面を成形する第1スタンパ56(図4参照)に、図示しないプリピットやBCA(バーストカッティングエリア)を形成するための凹凸を設け、基板12の他方の面を成形する第2スタンパ58(図4参照)に、トラッキング用のプリグルーブを形成するための凹凸を設けておくことで、基板12の一方の面のうち、例えば外周側の部分の例えば最内周部分にプリピットやBCAを形成することができ、基板12の他方の面にプリグルーブを形成することができる。もちろん、基板12の一方の面にもトラッキング用のプリグルーブを設けてもよい。この場合、プリグルーブのトラックピッチは、記録用の青紫色レーザ光40の強度分布の観点から、0.3〜200μmの範囲にすることが好ましく、0.6〜100μmの範囲とすることがより好ましく、0.7〜50μmとすることがさらに好ましい。
プリピットやBCAには、第1光情報記録媒体10Aに関する各種情報、例えば、当該第1光情報記録媒体10Aが可視情報記録層26を有する光情報記録媒体であるかどうかの識別情報や、可視情報記録層26に可視情報を描画する際の青紫色レーザ光40の出力に関する情報やスポット径に関する情報、描画すべき可視画像の階調に関する情報等を含ませることができる。
基板12の内周側部分18の厚さt1は、0.7〜2mmの範囲がよく、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
なお、基板12の他方の面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法によって、基板12の表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
そして、第1光情報記録媒体10Aにおける基板12は、図2に示すように、一方の面に、内周側部分18の厚みt1が外周側部分20の厚みt2よりも大とする段差22を有する。内周側部分18は、データ記録層34にピット情報を記録する際のクランピング領域42を含み、内周側部分18の周縁部には、スタックリブ44(環状突起)が形成されている。また、外周側部分20は描画領域46を含む。ここで、内周側部分18の厚みt1は、内周側部分18のうち、クランピング領域42に対応した部分の厚みを指し、外周側部分20の厚みt2は、外周側部分20のうち、描画領域46に対応した部分の厚みを指す。なお、寸法例を示すと、第1光情報記録媒体10Aの外径が120mm、内径(中心孔48の径)が15mm、クランピング領域42は、半径11.5mmから半径16.5mmの範囲に存在し、描画領域46は、半径21mmから半径58.5mmの範囲に存在する。
スタックリブ44は、第1光情報記録媒体10Aの製造過程において、複数の基板12を積載したとき、基板12の一方の面に形成されたスタックリブ44の存在によって、基板12間に僅かな隙間が形成され、これにより、基板12同士の密着が防止され、下側に位置する基板12上に形成された可視情報記録層26やデータ記録層34が上側に位置する基板12の下面に密着してしまうという不都合を回避することができる。
段差22の高さhは、第1積層体14の厚みとほぼ同じであることが好ましく、基板12の外周側部分20に第1積層体14を形成したときに、第1積層体14の端面の位置と内周側部分18の端面(クランピング領域42における端面)の位置とがほぼ一致する程度の高さにすることが好ましい。
さらに、第1積層体14の端面から可視情報記録層26までの距離と、第2積層体16の端面からデータ記録層34までの距離がほぼ同じになるように設定ことが好ましい。つまり、第1積層体14と第2積層体16の厚みをほぼ同じにすることが好ましい。これにより、データ記録層34に対するピット情報の記録に用いる青紫色レーザ光40で可視情報記録層26に可視情報を記録する場合に、該青紫色レーザ光40のフォーカシング制御をデータ記録層34の場合とほぼ同じ条件で行うことができる。その結果、実績のあるドライブに対して大幅な設計変更を行うことなく、可視情報記録層26に対する可視情報の記録を青紫色レーザ光40を用いて行うことができる。
すなわち、第1光情報記録媒体10Aは、1つの基板12を使用したものであって、2つの基板を貼り合わせたDVDとは異なる構造を有する。しかし、基板12の一方の面に段差22を設け、段差よりも外周側部分20に可視情報記録層26を有する第1積層体14を形成するようにしたので、DVDと異なる構造を有する場合でもあっても、レーベル面(基板12の一方の面)側に青紫色レーザ光40にて画像や文字を描画することができる。
〔第1光情報記録媒体10Aのデータ記録層34〕
データ記録層34は、記録及び再生に使用される青紫色レーザ光40により情報の記録及び再生が行われる層である。特に、デジタル情報等の符号情報(コード化情報)が記録される。データ記録層34としては、色素記録層でも相変化型記録層でもよいが、色素記録層が好ましい。
色素記録層(データ記録層34)に含有される色素の具体例としては、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、トリアゾール化合物(ベンゾトリアゾール化合物を含む)、トリアジン化合物、メロシアニン化合物、アミノブタジエン化合物、桂皮酸化合物、ベンゾオキサゾール化合物、ピロメテン化合物、スクアリリウム化合物等が挙げられる。なお、これらは配位中心に金属原子を持っていてもよい。
また、特開平4−74690号公報、同8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、及び同2000−158818号公報等に記載されている色素を用いることも可能である。
上記化合物の中では、シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物が好ましい。シアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素がさらに好ましい。
データ記録層34は、色素等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製する。次いでこの塗布液を基板上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
データ記録層34の形成は、蒸着、スパッタリング、CVD、又は溶剤塗布等の方法によって行うことができるが、溶剤塗布が好ましい。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等、各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子を挙げることができる。
データ記録層34の材料として結合剤を併用する場合、結合剤の使用量は、一般に色素の質量の0.01倍量〜50倍量の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量の範囲にある。
前記溶剤塗布の塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。データ記録層34は単層でも重層でもよい。データ記録層34の層厚は一般に10〜500nmの範囲にあり、好ましくは15〜300nmの範囲にあり、より好ましくは20〜150nmの範囲にある。
データ記録層34には、該データ記録層34の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に、一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−31194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同63−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許第350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、通常、色素の質量の0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、さらに好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
相変化型のデータ記録層34を構成する材料の具体例としては、Sb−Te合金、Ge−Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb−Te合金、In−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、Ag−V−In−Sb−Te合金、Ag−Ge−In−Sb−Te合金、等が挙げられる。なかでも、多数回の書き換えが可能であることから、Ge−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金が好ましい。相変化型のデータ記録層34の層厚としては、10〜50nmとすることが好ましく、15〜30nmとすることがより好ましい。
以上の相変化型のデータ記録層34は、スパッタ法、真空蒸着法等の気相薄膜堆積法等によって形成することができる。
〔可視情報記録層26〕
第1光情報記録媒体10Aは、上述したように、データ記録層34とは反対側の面に可視情報記録層26を有する。可視情報記録層26には、文字、図形、絵柄等、ユーザが所望する可視画像(可視情報)が記録される。可視情報記録層26に記録される可視画像とは、視覚的に認識可能な画像を意味し、文字(列)、絵柄、図形等あらゆる視認可能な情報を含む。可視画像としては、文字、図形、絵柄等、ユーザが所望する可視画像が含まれ、具体的には、ディスクのタイトル、内容情報、内容のサムネール、関連した絵柄、デザイン的な絵柄、著作権情報、記録日時、記録方法、記録フォーマット、バーコード等が挙げられる。
また、文字情報としては、使用可能者指定情報、使用期間指定情報、使用可能回数指定情報、レンタル情報、分解能指定情報、レイヤー指定情報、ユーザ指定情報、著作権者情報、著作権番号情報、製造者情報、製造日情報、販売日情報、販売店又は販売者情報、使用セット番号情報、地域指定情報、言語指定情報、用途指定情報、製品使用者情報、使用番号情報等が挙げられる。
可視情報記録層26は、青紫色レーザ光40の照射により、文字、画像、絵柄等の画像情報を視認可能に記録できればよい。青紫色レーザ光40の照射によって可視画像を明瞭に形成できることを考慮すると、可視情報記録層26は、色素化合物を含有することが好ましい。そして、その構成材料としては、上述したデータ記録層34において説明した色素を好適に用いることができる。この場合、コスト等を考慮して、可視情報記録層26は色素化合物を含有する塗布液を用いてスピンコートにより形成されていることが好ましい。
また、第1光情報記録媒体10Aにおいては、上述したデータ記録層34の構成成分(色素又は相変化記録材料)と可視情報記録層26の構成成分とを同じにしても、異ならせてもよいが、データ記録層34と可視情報記録層26とでそれぞれ要求される特性が相違するため、構成成分は異ならせることが好ましい。具体的には、データ記録層34の構成成分は記録・再生特性に優れるものとし、可視情報記録層26の構成成分は記録される可視画像のコントラストが高くなるものとすることが好ましい。特に、色素を用いる場合、可視情報記録層26には、記録される可視画像のコントラスト向上の観点から、上述した色素の中でも特に、シアニン色素、フタロシアニン色素、アゾ色素、アゾ金属錯体、オキソノール色素を用いることが好ましい。
また、ロイコ系の染料も使用することができる。具体的には、クリスタルバイオレットラクトン;3,3−ビス(1−エチル2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド等のフタリド化合物;3−シクロヘキシルメチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6(N−エチルイソペンチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン、3−ベンジルエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−メチルプロピルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等のフルオラン化合物;等が好ましい。
可視情報記録層26は、上述した色素を溶剤に溶解して塗布液を調製し、該塗布液を塗布することによって形成することができる。溶剤としては既述のデータ記録層34の塗布液の調製に使用する溶剤と同じ溶剤を使用することができる。その他の添加剤、塗布方法等は、上述した情報記録層の場合と同様である。
可視情報記録層26の層厚としては、0.01〜2μmとすることが好ましく、0.05〜1μmとすることがより好ましく、0.1〜0.5μmとすることがさらに好ましい。
なお、可視情報記録層26は、青紫色レーザ光40が略同一の軌跡に複数回照射されて可視情報が記録される層であり、プリピットに青紫色レーザ光40を照射した後の戻り光を検出して可視情報の記録が行われる態様、あるいは、可視情報記録層26が、青紫色レーザ光40が第1光情報記録媒体10Aの半径方向に遥動し且つ略同一の軌跡に複数回照射されて可視情報が記録される層であり、プリピットに青紫色レーザ光40を照射した後の戻り光を検出して可視情報の記録が行われる態様であることが好ましい。
このようにすることで、可視画像の描画が可能な第1光情報記録媒体10Aであることをドライブやレコーダにおいて認識させることができる。また、複数回照射することで、描画画像のコントラストを向上させることができる。
〔第1反射層24、第2反射層32〕
情報の再生時における反射率の向上の目的で、データ記録層34、可視情報記録層26に隣接して第1反射層24、第2反射層32が設けられる。第1反射層24及び第2反射層32の材料である光反射性物質は青紫色レーザ光40に対する反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは2種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Ag、Alあるいはそれらの合金である。第1反射層24及び第2反射層32は、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより、データ記録層34及び可視情報記録層26の上に形成することができる。第1反射層24及び第2反射層32の層厚は、10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲にあることが好ましい。
〔第1カバー層30、第2カバー層38〕
第1カバー層30は、上述した第1誘電体層28上に粘着剤を介して貼着され、第2カバー層38は、上述した第2誘電体層36上に粘着剤を介して貼着される。
第1光情報記録媒体10Aにおいて用いられる第1カバー層30及び第2カバー層38としては、透明な材質のフィルムであれば、特に限定されないが、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネート又は三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。
なお、「透明」とは、記録及び再生に用いられる光に対して、透過率80%以上であることを意味する。
また、第1カバー層30及び第2カバー層38は、本発明の効果を妨げない範囲において、種々の添加剤が含有されていてもよい。例えば、波長400nm以下の光をカットするためのUV吸収剤及び/又は500nm以上の光をカットするための色素が含有されていてもよい。
さらに、第1カバー層30及び第2カバー層38の表面物性としては、表面粗さが2次元粗さパラメータ及び3次元粗さパラメータのいずれも5nm以下であることが好ましい。
また、記録及び再生に用いられる光の集光度の観点から、第1カバー層30及び第2カバー層38の複屈折は10nm以下であることが好ましい。
第1カバー層30及び第2カバー層38の厚さは、記録及び再生のために照射される青紫色レーザ光40の波長や対物レンズのNA(開口数)により、適宜、規定されるが、第1光情報記録媒体10Aにおいては、0.01〜0.5mmの範囲内であり、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。
また、第1カバー層30及び第2カバー層38の各厚み(粘着剤を含めた厚み)は、0.09〜0.11mmであることが好ましく、0.095〜0.105mmであることがより好ましい。
第1カバー層30の内径は、第1カバー層30が基板12の外周側部分20に形成されることから、段差22の径とほぼ同じである。
第2カバー層38の内径は、基板12の中心孔48の径よりも僅かに大きく、第2積層体16の第2反射層32、データ記録層34及び第2誘電体層36の径よりも小さく設定され、第2積層体16の第2反射層32、データ記録層34及び第2誘電体層36の内周面を第2カバー層38で保護する形態となっている。
なお、第1カバー層30及び第2カバー層38の光入射面には、第1光情報記録媒体10Aの製造時に、光入射面が傷つくことを防止するためのハードコート層(図示せず)が設けられていてもよい。
〔第1誘電体層28、第2誘電体層36〕
第1誘電体層28は、可視情報記録層26の保存性を高める、可視情報記録層26と第1カバー層30との接着性を向上させる、反射率を調整する、熱伝導率を調整する、等のために設けられる。
同様に、第2誘電体層36は、データ記録層34の保存性を高める、データ記録層34と第2カバー層38との接着性を向上させる、反射率を調整する、熱伝導率を調整する、等のために設けられる。
第1誘電体層28及び第2誘電体層36に用いられる材料としては、記録及び再生に用いられる光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に、制限されるものではないが、例えば、一般的には、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。
具体的には、Nb、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、Nb25、ZnS、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZuO、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23が好ましく、Nb25、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23がより好ましい。
なお、第1反射層24及び第2反射層32の材料としてAg(銀)を含んでいる場合、第1誘電体層28及び第2誘電体層36は、S(硫黄)を含まないことが望ましい。S(硫黄)を含むと、第1反射層24及び第2反射層32の構成材料である例えばAg(銀)を腐食させるからである。また、第1誘電体層28及び第2誘電体層36は、水に腐食しない素材であることが望ましい。水に腐食する素材は、湿熱保存性が悪くなる傾向にあるからである。
また、第1誘電体層28及び第2誘電体層36は、真空蒸着、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンプレーティングなどの真空成膜法により形成することができる。中でも、スパッタリングを用いることがより好ましく、アルゴン雰囲気中での酸素リアクティブDCスパッタリングを用いることがさらに好ましい。
第1誘電体層28及び第2誘電体層36の厚さは、1〜80nm、好ましくは1〜50nm、より好ましくは1.5〜30nmである。薄すぎると記録時の空隙形成が不十分となり、厚すぎると溝幅が狭くなり記録特性が悪化する。
[第2光情報記録媒体10B]
次に、第2の実施の形態に係る光情報記録媒体(以下、第2光情報記録媒体10Bと記す)について図3を参照しながら説明する。
第2光情報記録媒体10Bは、図3に示すように、上述した第1光情報記録媒体10Aとほぼ同様の構成を有するが、基板12の他の面に第2基板50が接着層52を介して貼り合わされて構成され、この第2基板50の端面に第2積層体16が形成されている点で異なる。
この第2光情報記録媒体10Bにおいては、2つの基板を貼り合わせた構造を有し、且つ、ブルーレイディスクと同様の層構造を有する場合であっても、レーベル面(基板12の一方の面)側に青紫色レーザ光40にて画像や文字を描画することができる。
〔第2基板50〕
第2基板50としては、上述した第1光情報記録媒体10Aの基板12と同様の材料を用いることができ、射出成形を用いて第2基板50を作製することができる。この場合、基板12の他方の面と第2基板50の他方の面(基板12と対向する面)は、互いに平滑面に成形され、第2基板50の一方の面にプリグルーブが形成される。
第2基板50の厚さは、0.7〜2mmの範囲がよく、0.9〜1.6mmの範囲であることが好ましく、1.0〜1.3mmとすることがより好ましい。
〔接着層52〕
接着層52は、基板12と第2基板50とを接着するための層であり、接着剤や粘着剤を使用することができる。
接着層52に用いられる接着剤としては、例えばUV硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用することが好ましく、特にUV硬化樹脂を使用することが好ましい。
接着剤としてUV硬化樹脂を使用する場合は、該UV硬化樹脂をそのまま、若しくはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ディスペンサから例えば第2基板50の被貼り合わせ面に供給してもよい。また、作製される第2光情報記録媒体10Bの反りを防止するため、接着層52を構成するUV硬化樹脂は硬化収縮率の小さいものが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)社製の「SD−640」等のUV硬化樹脂を挙げることができる。
接着剤は、例えば、第2基板50の被貼り合わせ面上に、所定量塗布し、その上に、基板12を載置した後、スピンコートにより接着剤を、被貼り合わせ面と基板12との間に均一になるように広げた後、硬化させることが好ましい。
このような接着剤からなる接着層52の厚さは、0.1〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜50μmの範囲、さらに好ましくは10〜30μmの範囲である。
また、接着層52に用いられる粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
上記粘着剤と併用される架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。かかるイソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート類を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品としては、日本ポリウレタン社製のコロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートHTL;武田薬品社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202;住友バイエル社製のデスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL;等を挙げることができる。
粘着剤は、第2基板50の被貼り合わせ面上に、所定量、均一に塗布し、その上に、基板12を載置した後、硬化させてもよいし、予め、基板12の他方の面に、所定量を均一に塗布して粘着剤の塗膜を形成しておき、該塗膜を第2基板50の被貼り合わせ面に貼り合わせ、その後、硬化させてもよい。
[金型54、第1スタンパ56、第2スタンパ58]
次に、第1光情報記録媒体10Aを作製する際に用いられる金型54、第1スタンパ56及び第2スタンパ58について図4を参照しながら説明する。
金型54は、第1スタンパ56が設置される第1型60(固定型又は可動型)と第2スタンパ58が設置される第2型62(可動型又は固定型)と、基板12の中心孔48を形成するための柱状部64とを有する。
第1型60の内壁には、基板12の一方の面にクランピング領域42とスタックリブ44を形成するための第1突出部66と、該第1突出部66の周りに区画され、第1スタンパ56が設置される環状の第1凹部68とが形成されている。
第2型62の内壁には、基板12の他方の面の内周側を形成するための第2突出部70と、該第2突出部70の周りに区画され、第2スタンパ58が設置される環状の第2凹部72とが形成されている。
第1スタンパ56は、その厚みt3が第1突出部66の厚みt4よりも大きく形成され、第1スタンパ56を第1凹部68に設置したとき、キャビティ74に露出する端面56aと内周面56bが、基板12の一方の面に段差22を形成するための転写面として機能するようになっている。なお、端面56aの一部には、図示しないが、基板12の一方の面にプリピットやBCAを形成するための凹凸が形成されている。
第2スタンパ58は、その厚みt5が第2突出部70の厚みt6とほぼ同じに形成され、第2スタンパ58を第2凹部72に設置したとき、第2突出部70の端面70aと第2スタンパ58の端面58aとが面一となるようになっている。第2スタンパ58の端面58aには、プリグルーブを形成するための凹凸が形成されている。
従って、第1型60の第1凹部68に第1スタンパ56を設置し、第2型62の第2凹部72に第2スタンパ58を設置した後、金型54のキャビティ74内に溶融樹脂を注入して基板12を射出成形することによって、基板12の一方の面に第1スタンパ56の転写面(端面56a及び内周面56b)によって段差22が形成されると共に、外周側部分20の最内周部分にプリピットやBCAが形成され、さらに、第2スタンパ58によって基板12の他方の面にプリグルーブが形成され、本実施の形態に係る基板12が作製されることになる。
[第1光情報記録媒体10Aの製造方法(第1製造方法)]
ここで、第1光情報記録媒体10Aの製造方法(第1製造方法)について図5の工程ブロック図を参照しながら説明する。
先ず、図5のステップS1において、基板12を作製する。図4に示す金型54のキャビティ74内に第1スタンパ56及び第2スタンパ58を設置し、さらに、キャビティ74内に例えばポリカーボネート等の樹脂材料を射出成形することによって、基板12を作製する。このとき、基板12の一方の面に、第1スタンパ56によって段差22が形成されると共に、外周側部分20にプリピットやBCAが形成され、基板12の他方の面に、第2スタンパ58によってプリグルーブが形成される。
その後、図5のステップS2において、基板12の一方の面のうち、段差22よりも外周側部分20上に、第1反射層24を形成する。
その後、図5のステップS3において、第1反射層24上に可視情報記録層26を形成する。
その後、図5のステップS4において、可視情報記録層26を乾燥するためのアニール処理を行う。例えば温度80℃で15分間のアニール処理等が施される。
その後、図5のステップS5において、可視情報記録層26上に第1誘電体層28を形成する。
その後、図5のステップS6において、基板12の他方の面上に第2反射層32を形成する。
その後、図5のステップS7において、第2反射層32上にデータ記録層34を形成する。
その後、図5のステップS8において、データ記録層34を乾燥するためのアニール処理を行う。例えば温度80℃で1時間のアニール処理等が施される。
その後、図5のステップS9において、データ記録層34上に第2誘電体層36を形成する。
その後、図5のステップS10において、基板12の一方の面側に形成されている第1誘電体層28上に、予め粘着剤が付されている第1カバー層30の粘着面を、外径同士が合うように位置決めしながら貼着する。
その後、図5のステップS11において、基板12の他方の面側に形成されている第2誘電体層36上に、予め粘着剤が付されている第2カバー層38の粘着面を、外径同士が合うように位置決めしながら貼着する。この貼着によって、第1光情報記録媒体10Aが完成する。
このように、第1製造方法においては、DVDとは異なる構造を有する場合であっても、レーベル面側に青紫色レーザ光40にて画像や文字を描画することができる第1光情報記録媒体10Aを容易に作製することができる。
[第2光情報記録媒体10Bの製造方法(第2製造方法)]
次に、第2光情報記録媒体10Bの製造方法(第2製造方法)について図6の工程ブロック図を参照しながら説明する。
先ず、図6のステップS101において、基板12を作製する。この場合、図4に示す金型54のキャビティ74内に第1スタンパ56を設置すると共に、第2スタンパ58に代えて表面が平滑面とされたスタンパ(図示せず)を設置し、さらに、キャビティ74内に例えばポリカーボネート等の樹脂材料を射出成形することによって、基板12を作製する。このとき、基板12の一方の面に、第1スタンパ56によって段差22が形成されると共に、外周側部分20にプリピットやBCAが形成される。なお、基板12の他方の面は、スタンパによって平滑面とされる。
その後、ステップS102〜ステップS105にかけて、上述した第1製造方法のステップS2〜ステップS5と同様に、第1反射層24の形成、可視情報記録層26の形成、アニール処理、第1誘電体層28の形成を行う。
その後、図6のステップS106において、基板12の一方の面側に形成されている第1誘電体層28上に、予め粘着剤が付されている第1カバー層30の粘着面を、外径同士が合うように位置決めしながら貼着する。
その後、図6のステップS107において、第2基板50を作製する。この場合、図4に示す金型54のキャビティ74内に、第1スタンパ56に代えて表面が平滑面とされたスタンパ(図示せず)を設置し、さらに、第2スタンパ58を設置する。そして、キャビティ74内に例えばポリカーボネート等の樹脂材料を射出成形することによって、第2基板50を作製する。このとき、第2基板50の他方の面は、スタンパによって平滑面とされ、第2基板50の一方の面に、第2スタンパ58によってプリグルーブが形成される。
その後、図6のステップS108〜ステップS111にかけて、上述した第1製造方法のステップS6〜ステップS9と同様に、第2基板50の一方の面上に第2反射層32を形成し、該第2反射層32上にデータ記録層34を形成し、アニール処理を行い、さらに、データ記録層34上に第2誘電体層36を形成する。
その後、図6のステップS112において、第2基板50の一方の面側に形成されている第2誘電体層36上に、予め粘着剤が付されている第2カバー層38の粘着面を、外径同士が合うように位置決めしながら貼着する。
その後、図6のステップS113において、基板12と第2基板50とを貼り合わせる。このとき、基板12の他方の面と第2基板50の他方の面とを対向させ、さらに、これら基板12と第2基板50との間に接着層52を介在させて貼り合わせる。この貼り合わせによって、第2光情報記録媒体10Bが完成する。
このように、第2製造方法においては、2つの基板を貼り合わせた構造を有し、且つ、ブルーレイディスクと同様の層構造を有する場合であっても、レーベル面側に青紫色レーザ光40にて画像や文字を描画することができる第1光情報記録媒体を容易に作製することができる。
次に、実施例1及び2、比較例1及び2について、可視情報記録層に青紫色レーザ光で画像を描画した際の視認性(色、彩度、コントラスト)を評価した実験例を説明する。
[実施例1]
(基板12の作製)
第1製造方法のステップS1に従って、射出成形によって、外径が120mm、内径が15mmのポリカーボネート製の基板12を作製した。作製された基板12の一方の面には、高さが約100μmの段差22が形成され、クランピング領域42が半径11.5mmから半径16.5mmの範囲に形成され、描画領域46が半径21mmから半径58.5mmの範囲に形成されている。基板12の他方の面にはスパイラル状のプリグルーブが形成されている。基板12のうち、内周側部分18の厚みt1が1.1mm、外周側部分20の厚みt2が1.0mmである。
(第1反射層24の形成)
次に、第1製造方法のステップS2に従って、基板12の外周側部分20に、アルゴン雰囲気中でのDCスパッタリング法により、Ag(銀)による第1反射層24を厚み65nmだけ形成した。
(可視情報記録層26の形成)
次に、第1製造方法のステップS3に従って、下記化学式(1)で示されるオキソノール色素Aと下記化学式(2)で示されるオキソノール色素Bの混合物3.0g(色素A/色素B=65重量部/35重量部)を、2,2,3,3−テトラフルオロ−プロパノール100mlに溶解した塗布液を調製し、この塗布液をスピンコート法により第1反射層24上に塗布して膜厚100nmの可視情報記録層26を形成した。
(オキソノール色素A)
Figure 2008146726
(オキソノール色素B)
Figure 2008146726
(アニール処理)
その後、第1製造方法のステップS4に従って、アニール処理をクリーンオーブンにて行った(温度:80℃、時間:15分)。アニール処理は、円形の基台の中心にポールが垂直方向に植立して設けられたスタックポールに複数の基板12を重ねて行った。このとき、基板12の一方の面に形成されたスタックリブ44の存在によって、基板12間に僅かな隙間が形成され、これにより、基板12同士の密着が防止されている。
(第1誘電体層28の形成)
次に、第1製造方法のステップS5に従って、可視情報記録層26上に、アルゴン雰囲気中での酸素リアクティブDCスパッタリング法により、第1誘電体層28(Nb25)を膜厚5nmだけ形成した。
(第2反射層32の形成)
続いて、第1製造方法のステップS6に従って、基板12の他方の面に、アルゴン雰囲気中でのDCスパッタリング法により、第2反射層32(Ag:98.4atm%、Nd:0.7atm%、Cu:0.9atm%)を膜厚130nmだけ形成した。
(データ記録層34の形成)
その後、第1製造方法のステップS7に従って、フタロシアニン色素2.0gを、2,2,3,3−テトラフルオロ−プロパノール100mlに溶解した塗布液を調製し、この塗布液をスピンコート法により第2反射層32上に塗布してデータ記録層34を形成した。
(アニール処理)
その後、第1製造方法のステップS8に従って、アニール処理をクリーンオーブンにて行った(温度:80℃、時間:1時間)。アニール処理は、上述したスタックポールに複数の基板12を重ねて行った。
(第2誘電体層36の形成)
次に、第1製造方法のステップS9に従って、データ記録層34上に、アルゴン雰囲気中での酸素リアクティブDCスパッタリング法により、第2誘電体層36(Nb25)を膜厚5nmだけ形成した。
(第1カバー層30の貼着)
続いて、第1製造方法のステップS10に従って、外径が120mm、内径が42mmであって、厚み80μmのポリカーボネート製シートの片面に厚み20μmの粘着剤が付してある光透過性シート(第1カバー層30)の粘着面を、外径同士が合うように位置決めして、基板12の一方の面側に形成されている第1誘電体層28上に貼着した。
(第2カバー層30の貼着)
同様に、第1製造方法のステップS11に従って、外径が120mm、内径が21mmであって、厚み80μmのポリカーボネート製シートの片面に厚み20μmの粘着剤が付してある光透過性シート(第2カバー層38)の粘着面を、外径同士が合うように位置決めして、基板12の他方の面側に形成されている第2誘電体層36上に貼着した。
これにより、実施例1に係る光情報記録媒体を得た。
[実施例2]
(基板12の作製)
第2製造方法のステップS101に従って、射出成形によって、外径が120mm、内径が15mmのポリカーボネート製の基板12を作製した。作製された基板12の一方の面には、高さが約100μmの段差22が形成され、クランピング領域42が半径11.5mmから半径16.5mmの範囲に形成され、描画領域46が半径21mmから半径58.5mmの範囲に形成されている。基板12の他方の面は平滑面とされている。基板12のうち、内周側部分18の厚みt1が0.6mm、外周側部分20の厚みt2が0.5mmである。
(第1反射層24の形成)
次に、第2製造方法のステップS102に従って、基板12の外周側部分20に、アルゴン雰囲気中でのDCスパッタリング法により、Ag(銀)による第1反射層24を厚み65nmだけ形成した。
(可視情報記録層26の形成)
次に、第2製造方法のステップS103に従って、上述したオキソノール色素Aとオキソノール色素Bの混合物3.0gを、2,2,3,3−テトラフルオロ−プロパノール100mlに溶解した塗布液を調製し、この塗布液をスピンコート法により第1反射層24上に塗布して膜厚100nmの可視情報記録層26を形成した。
(アニール処理)
その後、第2製造方法のステップS104に従って、アニール処理をクリーンオーブンにて行った(温度:80℃、時間:15分)。
(第1誘電体層28の形成)
次に、第2製造方法のステップS105に従って、可視情報記録層26上に、アルゴン雰囲気中での酸素リアクティブDCスパッタリング法により、第1誘電体層28(Nb25)を膜厚5nmだけ形成した。
(第1カバー層30の貼着)
続いて、第2製造方法のステップS106に従って、外径が120mm、内径が42mmであって、厚み80μmのポリカーボネート製シートの片面に厚み20μmの粘着剤が付してある光透過性シート(第1カバー層30)の粘着面を、外径同士が合うように位置決めして、基板12の一方の面側に形成されている第1誘電体層28上に貼着した。
(第2基板50の作製)
次に、第2製造方法のステップS107に従って、射出成形によって、外径が120mm、内径が15mmのポリカーボネート製の第2基板50を作製した。作製された第2基板50の一方の面にはスパイラル状のプリグルーブが形成され、第2基板50の他方の面は平滑面とされている。
(第2反射層32の形成)
続いて、第2製造方法のステップS108に従って、第2基板50の一方の面に、アルゴン雰囲気中でのDCスパッタリング法により、第2反射層32(Ag:98.4atm%、Nd:0.7atm%、Cu:0.9atm%)を膜厚130nmだけ形成した。
(データ記録層34の形成)
その後、第2製造方法のステップS109に従って、フタロシアニン色素2.0gを、2,2,3,3−テトラフルオロ−プロパノール100mlに溶解した塗布液を調製し、この塗布液をスピンコート法により第2反射層32上に塗布してデータ記録層34を形成した。
(アニール処理)
その後、第2製造方法のステップS110に従って、アニール処理をクリーンオーブンにて行った(温度:80℃、時間:1時間)。
(第2誘電体層36の形成)
次に、第2製造方法のステップS111に従って、データ記録層34上に、アルゴン雰囲気中での酸素リアクティブDCスパッタリング法により、第2誘電体層36(Nb25)を膜厚5nmだけ形成した。
(第2カバー層30の貼着)
同様に、第2製造方法のステップS112に従って、外径が120mm、内径が21mmであって、厚み80μmのポリカーボネート製シートの片面に厚み20μmの粘着剤が付してある光透過性シート(第2カバー層38)の粘着面を、外径同士が合うように位置決めして、第2基板50の一方の面側に形成されている第2誘電体層36上に貼着した。
これにより、実施例2に係る光情報記録媒体を得た。
[比較例1]
上述した実施例1に係る光情報記録媒体において、基板の一方の面に段差を形成せずに、外周側部分に第1積層体を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法で光情報記録媒体を作製した。
[比較例2]
上述した実施例2に係る光情報記録媒体において、基板の一方の面に段差を形成せずに、外周側部分に第1積層体を形成したこと以外は、実施例2と同様の方法で光情報記録媒体を作製した。
[評価]
上述のように作製した実施例1及び2並びに比較例1及び2を、波長405nmの青紫色レーザ光を発する装置(DDU−1000:パルステック工業社製)に、基板の一方の面(レーベル面)から描画領域に対して青紫色レーザ光40が照射されるように装着し、可視情報記録層に対して可視情報の記録を行った。なお、描画の条件は、記録パワー7mWで行い、光情報記録媒体の回転数は2250rpmで行った。
実施例1及び2では、青紫色レーザ光40が照射された部分では可視情報記録層の色素が消失し、青紫色レーザ光40が照射されていない部分との間に、明確な色、彩度、コントラストの差が生じ、視認性が良好であった。
これに対して比較例1及び2では、青紫色レーザ光40による可視情報記録層に対する可視情報の記録を試みたが、記録することはできなかった。
なお、本発明に係る光情報記録媒体、基板、スタンパ、金型及び光情報記録媒体の製造方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
第1光情報記録媒体の概略構成を一部省略して示す断面図である。 本実施の形態に係る基板の概略構成を一部省略して示す断面図である。 第2光情報記録媒体の概略構成を一部省略して示す断面図である。 本実施の形態に係る金型、第1スタンパ及び第2スタンパの概略構成を一部省略して示す断面図である。 第1製造方法を示す工程ブロック図である。 第2製造方法を示す工程ブロック図である。
符号の説明
10A…第1光情報記録媒体 10B…第2光情報記録媒体
12…基板 14…第1積層体
16…第2積層体 18…内周側部分
20…外周側部分 22…段差
24…第1反射層 26…可視情報記録層
28…第1誘電体層 30…第1カバー層
32…第2反射層 34…データ記録層
36…第2誘電体層 38…第2カバー層
40…青紫色レーザ光 42…クラッピング領域
44…スタックリブ 46…描画領域
48…中心孔 50…第2基板
52…接着層 54…金型
56…第1スタンパ 58…第2スタンパ
66…第1突出部 68…第1凹部
70…第2突出部 72…第2凹部
74…キャビティ

Claims (14)

  1. 基板部と、該基板部上に形成された可視情報記録層とを有し、レーザ光の照射によって前記可視情報記録層に可視情報が記録される光情報記録媒体において、
    前記基板部は、一方の面に、内周側の部分の厚みが外周側の部分の厚みよりも大とする段差を有し、
    前記基板部の前記一方の面のうち、前記外周側の部分に、前記可視情報記録層が形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 請求項1記載の光情報記録媒体において、
    前記基板部は、1枚の基板にて構成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
  3. 請求項1記載の光情報記録媒体において、
    前記基板部は、第1基板と第2基板とが接着層を介して貼り合わされて構成され、
    前記第1基板の一方の面が前記基板部の一方の面であることを特徴とする光情報記録媒体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光情報記録媒体において、
    前記基板部の前記一方の面のうち、前記外周側の部分に、反射層が形成され、該反射層上に、前記可視情報記録層が形成され、該可視情報記録層上に誘電体層が形成され、該誘電体層上に光透過性のカバー層が形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
  5. 請求項1〜4記載の光情報記録媒体において、
    前記基板部の他方の面に、レーザ光の照射によってピット情報が記録されるデータ記録層が形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
  6. 請求項5記載の光情報記録媒体において、
    前記基板部の他方の面に、第2反射層が形成され、該第2反射層上に、前記データ記録層が形成され、該データ記録層上に第2誘電体層が形成され、該第2誘電体層上に光透過性の第2カバー層が形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
  7. 請求項5又は6記載の光情報記録媒体において、
    前記内周側の部分は、前記データ記録層に前記ピット情報を記録する際のクランピング領域を含むことを特徴とする光情報記録媒体。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載の光情報記録媒体において、
    前記内周側の部分の周縁部に、スタックリブが形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
  9. レーザ光の照射によって可視情報が記録される可視情報記録層を有する光情報記録媒体記録用の基板において、
    一方の面に、内周側の部分の厚みが、前記可視情報記録層が形成される外周側の部分の厚みよりも大とする段差を有することを特徴とする基板。
  10. レーザ光の照射によって可視情報が記録される可視情報記録層を有する光情報記録媒体記録用の基板を作製するためのスタンパにおいて、
    前記基板の一方の面に、内周側の部分の厚みが、前記可視情報記録層が形成される外周側の部分の厚みよりも大とする段差を形成するための転写面を有することを特徴とするスタンパ。
  11. レーザ光の照射によって可視情報が記録される可視情報記録層を有する光情報記録媒体記録用の基板を作製するための金型において、
    前記基板の一方の面に、内周側の部分の厚みが、前記可視情報記録層が形成される外周側の部分の厚みよりも大とする段差を形成するための凹凸面を有することを特徴とする金型。
  12. 基板と、該基板上に形成された可視情報記録層とを有し、レーザ光の照射によって前記可視情報記録層に可視情報が記録される光情報記録媒体の製造方法において、
    一方の面に、内周側の部分の厚みが、外周側の部分の厚みよりも大とする段差が形成された前記基板を作製する基板作製工程と、
    前記基板の前記一方の面のうち、前記外周側の部分に、前記可視情報記録層を形成する可視情報記録層形成工程とを有することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  13. 請求項12記載の光情報記録媒体の製造方法において、
    さらに、
    前記基板の他方の面に、レーザ光の照射によってピット情報が記録されるデータ記録層を形成するデータ記録層形成工程を有することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  14. 請求項12記載の光情報記録媒体の製造方法において、
    さらに、
    第2基板の一方の面に、レーザ光の照射によってピット情報が記録されるデータ記録層を形成するデータ記録層形成工程と、
    前記基板の他方の面に、接着層を介して前記第2基板の他方の面を貼り合せる基板貼合せ工程とを有することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
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