JP2006260729A - 光ディスク - Google Patents

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Abstract

【課題】ブルーレイディスク構成の光ディスクで、記録した情報の内容を可視画像を形成して簡便に表示することが可能な光ディスクを提供する。
【解決手段】基板10上に、画像記録層20と情報記録層40とカバー層70とをこの順に配設し、基板の厚みをカバー層の厚みより大きくすることで、ブルーレイディスク構成の光ディスクにおいても可視画像を形成することが容易に行えるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーベル面に可視画像を記録することができる光ディスクに関する。
インターネット等のネットワークやハイビジョンTVの急速な普及、また、HDTV(High Definition Television)の放映開始といった状況の下で、画像情報を安価簡便に記録することができる大容量の光ディスクが必要とされている。DVD−R(デジタル・ヴァーサタイル・ディスク)は現状では大容量の光ディスクとしての役割を十分に果たしているが、大容量化、高密度化の要求は高まる一方であり、これらの要求に対応できる光記録媒体の開発も必要である。このため、DVD−Rよりも更に短波長の光で高密度の記録を行うことが可能で、より大容量の光ディスクの開発が進められている。
これまでの光ディスクは、基板側からレーザ光を入射するのが一般的であった。しかし、より高密度化を図るため、短波長レーザと高い開口数(NA)の対物レンズとを用いたピックアップが使用されるようになってきている。例えば、405nm付近の青紫色レーザとNA0.85の対物レンズとを組み合わせたブルーレイディスクがその例である。このような短波長、高NA光学系を用いた光ディスク(光記録媒体)では、ディスクの反りによるコマ収差の影響が無視できないほど大きくなる。
そこで、コマ収差の影響を排除するため、従来の基板(例えばCDで1.2mm厚、DVDで0.6mm厚)より遥かに薄い0.1mm厚程度のカバー層を通して記録再生用のレーザ光を入射して、コマ収差による記録再生不良の改善が図られている。
前記光ディスクの構成は、例えば、書換型の相変化系光記録媒体で、レーザ光入射面側から順番に、カバー層/透明接着層/誘電体層/記録層/誘電体層/反射層/基板という媒体構造が採られている。ここで、ブルーレイディスクの場合、カバー層の厚みと透明接着層の厚みとの合計が0.1mm程度であり、基板の厚みが1.1mm程度である。そして、カバー層としては、プラスチック製のフィルムが用いられる。
一方で、既述のようなブルーレイディスクは記録容量が大きいため、種々の情報を記録できるものである。従って、記録した情報の内容をディスクに表示できれば便宜である。レーベル面にレーザーマーカを使用して表面と背景のコントラストを変化させて表示させることができる光記録媒体が提案されているが、これは、DVDといった光ディスクを対象としている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−66617号公報
本発明は、以上の従来の問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、ブルーレイディスク構成の光ディスクで、簡便に可視画像を形成することが可能な光ディスクを提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者は下記本発明に想到した。すなわち、本発明は、基板上に、画像記録層と情報記録層とカバー層とをこの順に有し、前記基板の厚みが前記カバー層の厚みより大きいことを特徴とする光ディスクである。
本発明の光ディスクは、前記基板および前記カバー層のそれぞれの面側からレーザー光が照射され、前記基板側から照射される前記レーザー光の波長が、770〜800nmであり、前記カバー層側から照射される前記レーザー光の波長が、390〜430nmであることが好ましい。また、前記基板の厚みは、1.0〜1.3mmであることが好ましい。さらに、前記画像記録層と前記情報記録層との間に、反射層が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、ブルーレイディスク構成の光ディスクで、簡便に可視画像を形成することが可能な光ディスクを提供することができる。
以下、本発明の光ディスクについて説明する。本発明の光ディスクは、基板上に、画像記録層と情報記録層とカバー層とをこの順に有し、前記基板および前記カバー層のそれぞれの面側からレーザー光を照射する構成となっている。また、基板の厚みがカバー層の厚みより大きくなっている。
当該光ディスクは、いわゆるブルーレイディスクの構成となっており、カバー層側から情報記録層へレーザー光を照射することで、光情報を記録することができる。また、基板側から画像記録層へレーザー光を照射することで、可視画像を形成(記録)することができる。このように、従来のブルーレイディスクではレーザー光が入射されない基板に画像記録層を設けることで、簡便に所望の画像を形成することができる。また、このように画像形成を可能とすることで、基板の有効利用を図ることができる。本発明の光ディスクには、その他に、反射層、バリア層、および保護層が、必要に応じて適宜形成されていることが好ましい。
本発明の光ディスクは、レーザ光により情報の記録及び再生が可能な情報記録層を有する追記型、書換え可能型等のいずれでもよいが、追記型であることが好ましい。また、情報の記録形式としては、相変化型、色素型等、特に制限されないが、色素型であることが好ましい。
基板側から照射されるレーザー光の波長は、770〜790nmであることが好ましく、775〜790nmであることが好ましい。カバー層側から照射されるレーザー光の波長は、390〜430nmであることが好ましく、400〜410nmであることが好ましい。基板側から照射される上記レーザー光の波長範囲は、CD−R用に使用されるレーザー波長の範囲であり、スポット形状を大きくすることが可能で高出力化も可能である。従って、画像の形成速度をより早くすることが可能となり、より簡便に画像を記録することができる。
以下、本発明の光ディスクの構成例について、図1および図2を参照して説明する。ここで、図1および図2は、本発明の光ディスクの構成例を示す模式図である。
図1に示す本発明の第1の光ディスク100は、基板10上に、画像記録層20、反射層30、情報記録層40、バリア層50、接着層60、カバー層としてのシート70が形成されている。また、図1との対応部分に同一符号を付した図2に示す本発明の第2の光ディスク200は、基板10上に、画像記録層20、反射層30A、接着層60、反射層30B、情報記録層40、カバー層としてのシート70が形成されている。なお、上記層構成は単なる例示であるため、その他に種々の公知の層を適宜設けることが好ましい。また、シート70はレーザー光に対して高い透過率を示すものであれば、色がついていても使用可能である。
上記第1の光ディスクは、1つの反射層のみで画像記録および情報記録に供することができるため、構成が簡便になるという利点がある。このような光ディスクは、基板上に画像記録層、反射層、情報記録層、バリア層を形成した後で、(透明)シートを設けるものである。通常、画像記録層はスピンコート法により形成するため、形成後の表面は、基板に予め設けられたグルーブの溝形状が十分に反映されたものとなっていない。この状態で反射層および情報記録層を形成すると、当該情報記録層表面は溝形状のより反映されないものとなってしまう。従って、画像記録層が形成される側のグルーブの溝深さは、第2の光ディスクの基板に形成される溝深さよりも大きいものとすることが好ましい。
上記第2の光ディスクは、基板上に画像記録層および反射層等を形成した積層体と、透明シート(カバー層)上に情報記録層および反射層等を形成した積層体とを、それぞれの反射層が内側になるように接着層を介して貼りあわせてなる構成となっている。このような構成の場合、透明シートの貼り合わせ面側にグルーブを設けるためには、透明シートの成型時に溝を転写しておくのがよい。
また、2P法により溝を形成してもよい。2P法の具体的な方法は、まず、透明シート上にUV硬化樹脂からなる層を形成し、溝を付与するためのスタンパを当該層上に設け、紫外線を照射し硬化させることで、所定の溝(グルーブ)が透明シート上に得られる。この場合、透明スタンパを使用すれば、当該スタンパ側から紫外線を照射させて、上記層を硬化させることができる。不透明なスタンパの場合は、透明シート側から紫外線を入射させればよい。硬化後にスタンパを剥離し、溝が形成された透明シート上に情報記録層および反射層を順次形成して、積層体を得る。
本発明の光ディスクの各層の詳細な形成方法としては、公知の手法を適用することができる。また、形成順序も特に限定されるものではない。以下、本発明の光ディスクを構成する各要素(基板や層等)について説明する。なお、本発明の光ディスクを構成する各層は、1層で構成されても複数層で構成されてもよい。
[基板]
基板は、従来の光ディスクの基板として用いられている各種の材料から任意に選択することができる。基板材料としては、例えば、ガラス、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン及びポリエステルなどを挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性及び価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
基板の厚さは、0.8〜1.4mmであることが好ましく、1.0〜1.3mmであることがより好ましく、1.0〜1.1mmであることがさらに好ましい。
また、基板の一方の面側(画像記録層および情報記録層が形成される面側)には、トラッキング用の案内溝又はアドレス信号等の情報を表わす凹凸(グルーブ)が形成される。より高い記録密度を達成するために、CD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチのグルーブが形成された基板を用いることが好ましい。グルーブのトラックピッチは、200〜400nmの範囲とすることが好ましく、250〜350nmの範囲とすることがより好ましい。また、グルーブの深さ(溝深さ)は、20〜150nmの範囲とすることが好ましく、25〜80nmの範囲とすることがより好ましい。また、グルーブの溝幅は、50〜250nmの範囲とすることが好ましく、100〜200nmの範囲とすることがより好ましい。
なお、第1の光ディスクの場合は、オングルーブ記録の場合は、必要なオングルーブ幅と高さが、イングルーブ記録の場合は、必要なイングルーブ幅と深さが確保できるよう、画像記録層を塗付したときのレベリングや反射層の厚さを考慮して、通常より高め(深め)、広めの溝設計が必要である。当該トラックピッチなどは上記基板と同様とする。
基板の一方の面側には、平面性の改善、接着力の向上、及び情報記録層の変質防止の目的で、下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;及びシランカップリング剤などの表面改質剤などを挙げることができる。下塗層は、上記物質を適当な溶剤に溶解又は分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
[画像記録層]
画像記録層には、レーザー光により、文字、図形、絵柄など、ユーザーが所望する可視画像(可視情報)が記録される。可視画像としては、例えば、ディスクのタイトル、内容情報、内容のサムネール、関連した絵柄、デザイン的な絵柄、著作権情報、記録日時、記録方法、記録フォーマット、バーコード等が挙げられる。
ここで、画像記録層に記録される可視画像とは、視覚的に認識可能な画像を意味し、文字(列)、絵柄、図形などあらゆる視認可能な情報を含む。また、文字情報としては、使用可能者指定情報、使用期間指定情報、使用可能回数指定情報、レンタル情報、分解能指定情報、レイヤー指定情報、ユーザ指定情報、著作権者情報、著作権番号情報、製造者情報、製造日情報、販売日情報、販売店又は販売者情報、使用セット番号情報、地域指定情報、言語指定情報、用途指定情報、製品使用者情報、使用番号情報等が挙げられる。
画像記録層は、レーザー光の照射により、文字、画像、絵柄などの画像情報を視認可能に記録できればよく、その構成材料としては、既述の情報記録層において説明する記録物質(色素や相変化記録材料)を好適に用いることができるが、視認性の観点からは、色素を含有する層であることが好ましい。
また、本発明の光ディスクにおいては、後述の情報記録層の構成成分(記録物質:色素又は相変化記録材料)と画像記録層の構成成分とを同じとしても異ならせてもよいが、情報記録層と画像記録層とでそれぞれ要求される特性が相違するため、構成成分は異ならせることが好ましい。具体的には、情報記録層の構成成分は、記録・再生特性に優れるものとし、画像記録層の構成成分は、記録される可視画像のコントラストが高くなるものとすることが好ましい。
特に、画像記録層の構成成分として色素を用いる場合には、記録画像のコントラスト向上との観点から、後述の色素の中でも特に、シアニン色素、フタロシアニン色素、アゾ色素、アゾ金属錯体、オキソノール色素や、ロイコ系染料を用いることが好ましい。また、情報記録層と画像記録層のうちのいずれか一方が相変化型で、他方が色素型としてもよい。この場合、情報記録層が相変化型で、画像記録層が色素型であることが好ましい。
画像記録層は、後述の色素を溶剤に溶解して塗布液を調製し、該塗布液を塗布することによって形成することができる。溶剤としては、後述の情報記録層の塗布液の調製に使用する溶剤と同じ溶剤を使用することができる。その他の添加剤、塗布方法などについても、後述の情報記録層と同様にして行うことができる。
画像記録層の層厚としては、10nm〜5μmの範囲とすることが好ましく、20nm〜1μmの範囲とすることがより好ましく、30nm〜500nmの範囲とすることが更に好ましい。
[反射層]
反射層は、情報記録層における情報の再生時における反射率の向上を目的とし、また、
可視画像の視認性向上を目的として形成される。
反射層の材料である光反射性物質は、レーザー光に対する反射率が高い物質であることが好ましい。その例としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金属及び半金属、ステンレス鋼、半導体材料を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、或いは二種以上の組合せで、又は合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Al及びステンレス鋼である。より好ましくは、Au、Ag、Al或いはこれらの合金であり、更に好ましくは、Ag、Al或いはそれらの合金であり、最も好ましくは、Ag合金(Ag−Nd−Cu、Ag−Pd−Cu、Ag−In−Cu、Ag−Bi−Nd)である。
反射層は、情報記録層や画像記録層上に、例えば、上記光反射性物質を蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティングすることにより形成することができる。反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲にあり、50〜200nmの範囲にあることが好ましい。
[情報記録層]
情報記録層は、デジタル情報などの符号情報(コード化情報)が記録される層であり、色素型(追記型)、相変化型等が挙げられ、特に制限はないが、色素型であることが好ましい。
色素型の情報記録層に含有される色素の具体例としては、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられる。これら中でも、オキソノール色素が特に好ましい。
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、及び同2000−158818号公報等に記載されている色素が好適に用いられる。
更に、色素型の情報記録層には、トリアゾール化合物、トリアジン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、アミノブタジエン化合物、フタロシアニン化合物、桂皮酸化合物、ビオロゲン化合物、アゾ化合物、オキソノールベンゾオキサゾール化合物、ベンゾトリアゾール化合物等の有機化合物も好適に用いられる。これらの化合物の中では、シアニン化合物、アミノブタジエン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、フタロシアニン化合物、オキソノール化合物が特に好ましい。
色素型の情報記録層の形成は、蒸着、スパッタリング、CVD、又は溶剤塗布等の方法によって行うことができるが、溶剤塗布が好ましい。
溶剤塗布を用いた場合、色素型の情報記録層は、色素等の記録物質を、クエンチャー、結合剤などと共に溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いで、この塗布液を基板上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。塗布液中の記録物質(色素)の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテートなどのエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミドなどのアミド;メチルシクロヘキサンなどの炭化水素;ジブチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などを挙げることができる。
上記溶剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独で、或いは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中には更に酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合、その例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機高分子物質;及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂;ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物などの合成有機高分子を挙げることができる。
色素型の情報記録層の材料として結合剤を併用する場合、結合剤の使用量は、一般に色素の質量の0.01倍量〜50倍量の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量の範囲にある。
前記溶剤塗布の塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができる。
色素型の情報記録層の層厚は、一般に10〜500nmの範囲にあり、好ましくは15〜300nmの範囲にあり、より好ましくは20〜150nmの範囲にある。なお、色素型の情報記録層は単層で構成されていても、重層で構成されていてもよい。
色素型の情報記録層には、その耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に、一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。その具体例としては、特開昭58−175693号、同59−31194号、同60−18387号、同60−19586号、同60−19587号、同60−35054号、同60−36190号、同60−36191号、同60−44554号、同60−44555号、同60−44389号、同60−44390号、同60−54892号、同60−47069号、同68−209995号、特開平4−25492号、特公平1−38680号、及び同6−26028号等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁などに記載のものを挙げることができる。
前記一重項酸素クエンチャーなどの褪色防止剤の使用量は、通常、色素の質量の0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
また、相変化型の情報記録層を構成する材料の具体例としては、Sb−Te合金、Ge−Sb−Te合金、Pd−Ge−Sb−Te合金、Nb−Ge−Sb−Te合金、Pd−Nb−Ge−Sb−Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合金、Co−Ge−Sb−Te合金、In−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金、Ag−V−In−Sb−Te合金、Ag−Ge−In−Sb−Te合金等が挙げられる。中でも、多数回の書き換えが可能であることから、Ge−Sb−Te合金、Ag−In−Sb−Te合金が好ましい。
相変化型の情報記録層の層厚としては、10〜50nmとすることが好ましく、15〜30nmとすることがより好ましい。このような相変化型の情報記録層は、スパッタ法、真空蒸着法などの気相薄膜堆積法等によって形成することができる。
[バリア層]
バリア層は、情報記録層中の色素の劣化を防止することを主たる目的とし、更に、画像記録層の保存性を高めるために設けられることが好ましい。
バリア層に用いられる材料としては、画像記録層に対し画像を記録するためのレーザー光を透過する材料であり、上記の機能を発現し得るものであれば、特に、制限されるものではないが、例えば、ガスや水分の透過性の低い材料であり、誘電体であることが好ましい。ここで、バリア層は、画像記録層に対し画像を記録するためのレーザー光に対して、透過率80%以上であることが好ましく、より好ましくは透過率90%以上であり、更に好ましくは透過率95%以上である。
バリア層に用いられる材料として、具体的には、Zn、Si、Ti、Te、Sn、Mo、Ge等の窒化物、酸化物、炭化物、硫化物からなる材料が好ましく、ZnS、MoO2、GeO2、TeO、SiO2、TiO2、ZuO、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23が好ましく、ZnS−SiO2、SnO2、ZnO−Ga23がより好ましい。
バリア層は、真空蒸着、DCスパッタリング、RFスパッタリング、イオンプレーティングなどの真空成膜法により記録層上に形成することができる。なお、これらの真空成膜法における成膜条件は、成膜材料、所望される膜厚や膜密度等に合わせて、適宜、調整することができる。バリア層の厚さは、1〜200nmの範囲であることが好ましく、2〜100nmの範囲であることがより好ましく、3〜70nmの範囲であることが更に好ましい。
[保護層]
保護層は、情報記録層及び/又は画像記録層を物理的及び化学的に保護する目的で設けられる任意の層である。
保護層に用いられる材料の例としては、ZnS、ZnS−SiO2、SiO、SiO2、MgF2、SnO2、Si34等の無機物質、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができる。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いて保護層を形成する場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、この塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成することができる。これらの塗布液中には、更に、帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよい。保護層の層さは、一般には、0.1μm〜1mmの範囲にある。
[接着層]
本発明の光ディスクにおける接着層は、第1の光ディスクの場合は、バリア層等と透明シートとの間に形成される。第2の光ディスクの場合は、画像記録層が形成された基板と情報記録層が形成された透明シートとを貼り合わせる際の貼り合わせ面に形成される。
接着剤を接着層として使用する場合、例えば、UV硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用することが好ましく、特に、UV硬化樹脂を使用することが好ましい。また、光ディスクの反りを防止するため、接着層を構成するUV硬化樹脂は硬化収縮率の小さいものが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)社製の「SD−640」等を挙げることができる。
これらの接着剤は、ロールコート、スピンコート、スクリーン印刷等の方法により、少なくとも一方の貼り合わせ面に塗布される。そして、この接着剤が硬化することで接着層が形成される。形成された接着層の厚さは、接着強度やレベリング効果発現の観点から、10〜100μmの範囲とすることが好ましく、20〜60μmの範囲とすることがより好ましい。
また、上記接着剤の代わりに粘着剤を接着層として、透明シートに粘着剤が付与されたものを使用してもよい。当該粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系の粘着剤を使用することができるが、透明性、耐久性の観点から、アクリル系の粘着剤が好ましい。
かかるアクリル系の粘着剤としては、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレートなどを主成分とし、凝集力を向上させるために、短鎖のアルキルアクリレートやメタクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレートと、架橋剤との架橋点となりうるアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなどと、を共重合したものを用いることが好ましい。主成分と、短鎖成分と、架橋点を付加するための成分と、の混合比率、種類を、適宜、調節することにより、ガラス転移温度(Tg)や架橋密度を変えることができる。
上記粘着剤と併用される架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。かかるイソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート類を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品としては、日本ポリウレタン社製のコロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートHTL;武田薬品社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202;住友バイエル社製のデスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL;等を挙げることができる。
[カバー層]
カバー層は、光ディスクの内部を物理的及び化学的に保護する意義がある。当該カバー層は、レーザー光を情報記録層や画像記録層に照射するため透明となっている。より具体的には、レーザー光及び反射光のいずれに対しても、透過率80%以上であることが好ましく、より好ましくは透過率90%以上であり、更に好ましくは透過率95%以上である。
カバー層としての透明シート(シート)としては、具体的には、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;三酢酸セルロース等を使用することが好ましく、中でも、ポリカーボネート又は三酢酸セルロースを使用することがより好ましい。そして、三酢酸セルロース(富士写真フイルム(株)社製フジタック)を使用することがさらに好ましい。
透明シートの厚さは、画像記録層に対して画像を記録するためのレーザー光やNAにより、適宜、選択されるが、本発明においては、10〜600μmの範囲内であることが好ましく、30〜200μmの範囲内であることがより好ましく、50〜110μmの範囲内であることが更に好ましい。
接着剤を接着層として用いる場合、例えば、「バリア層等の貼り合わせ面に、接着剤を所定量塗布し、その上に、透明シートを載置した後」、又は、「透明シート上に接着剤を所定量塗布し、その塗布面をバリア層等の貼り合わせ面に貼り合わせた後」、スピンコートにより接着剤を、貼り合わせ面と透明シートとの間に均一になるようにひろげ、接着剤に対応した硬化手段(例えば、紫外線の照射)を用いて、硬化させることで透明シートからなるカバー層が形成される。接着剤が紫外線硬化樹脂である場合には、紫外線を照射して硬化させて貼り合わせることができる。
ここで、塗布する接着剤としては、上述の硬化樹脂をそのまま用いることもできるし、上述の硬化樹脂をメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して調製された塗布液を用いることもできる。
また、粘着剤を接着層として用いる場合、例えば、バリア層の貼り合わせ面上に、粘着剤を所定量、均一に塗布し、その上に、透明シートを載置した後、硬化させるか、予め、透明シートの片面に、粘着剤を所定量、均一に塗布して粘着剤塗膜を形成しておき、該塗膜を被貼り合わせ面に、真空密着方式やゴムローラー等により押圧して貼り合わせ、その後、硬化させることで、カバー層が形成される。なお、透明シートに、予め粘着層が設けられた粘着フィルムを用いてもよい。
カバー層のその他の態様としては、透明な硬化性樹脂層を挙げることができる。この透明な硬化性樹脂層の材料としては、上記接着層に用いられる接着剤として好適な、UV硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂を用いることができ、特に、UV硬化樹脂を使用することが好ましい。また、光ディスクの反りをより効果的に防止するため、接着層を構成するUV硬化樹脂は硬化収縮率の小さいものが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)社製の「SD−640」等のUV硬化樹脂を挙げることができる。
この場合のカバー層の厚さは、光ディスクの層構成に応じて決定すればよいが、光ディスク内部の保護能と、透明性の観点から、10〜600μmの範囲であることが好ましく、30〜200μmの範囲であることがより好ましく、50〜110μmの範囲であることが更に好ましい。
なお、本発明におけるカバー層の光入射面には、光ディスクの製造時や使用時に、その光入射面が傷つくことを防止するためのハードコート層が設けられていてもよい。
また、2P法によりグルーブを形成する場合に使用される紫外線硬化樹脂としては、公知のもの(例えば、スリーボンド社製のUVX−SS120)を使用することができる。
(光記録方法)
本発明の光記録方法は、少なくとも、画像記録層および情報記録層を有する光ディスクに対し、当該光ディスクの一方の面側から情報記録用のレーザー光を照射して情報を記録し、他方の面側から画像記録用のレーザー光を照射して画像(可視画像)を記録するものである。また、情報記録用のレーザー光の波長を画像記録用のレーザー光の波長よりも小さくするものである。
本発明の光記録方法における画像記録層への画像の記録、及び情報記録層への光情報の記録は、両層への記録機能を有する1つの光ディスクドライブ(記録装置)で行うことができる。このように1つの光ディスクドライブを使用する場合、画像記録層及び情報記録層のいずれか一方の層への記録を行った後、裏返して他方の層に記録を行うことができる。画像記録層への可視画像の記録をする機能を有する光ディスクドライブとしては、例えば、特開2003−203348号公報、特開2003−242750号公報等に記載されている。
情報記録層に光情報を記録する、かつ、画像記録層に可視画像を記録する記録装置は、少なくとも、レーザー光を射出するレーザーピックアップと、光ディスクを回転させる回転機構と、を有する。なお、ピックアップに使用される対物レンズやレーザーは、従来公知のものを、画像の記録を行う光ディスクに合わせて使用することができる。
本発明の光記録方法に適用される光ディスクは、本発明の光ディスクだけでなく、既述のように、画像記録層および情報記録層を有する光ディスクであって、光ディスクの一方の面側から情報記録用のレーザー光を照射して情報を記録し、他方の面側から画像記録用のレーザー光を照射して画像を記録する構成の光ディスクであればよい。
具体的には、本発明の光ディスクのほかに、下記のような構成の光ディスクにも適用できる。また、例えば、CD−R、BD−R(追記型のブルーレイディスク)兼用のドライブの場合、前者はNA0.5/波長780nmの高パワー半導体レーザー、後者はNA0.85/波長405nmの高パワー半導体レーザーが、ひとつのピックアップに搭載されている。そこで、厚さ1.1mmの基板を通して行う画像記録の場合は、CD−R用のピックアップ、厚さ1.1mmの基板を通して行う情報記録の場合は、BD−R用のピックアップを用いることにより、球面収差の悪影響を排除することが可能となり、効率よく安価に画像記録と情報記録とを実現することが可能となる。
当該構成は、第1基板上に、画像記録層、反射層、接着層、第2の基板、反射層、情報記録層、接着層、カバー層としての透明シート、任意のハードコート層が形成されている構成である。
(1)可視画像の記録方法:
記録装置を用いて画像記録層への可視画像の記録する方法について説明する。まず、レーザーピックアップを、回転機構により回転している光ディスクの画像記録層にフォーカシングさせた後、形成されたトラッキング用の溝にトラッキングさせて、光ディスクの面に沿って相対移動させ、該相対移動に同期してレーザー光(例えば、780nm)を、画像形成しようとする文字、絵等の画像データに応じて変調して画像記録層に向けて第2のカバー層側から照射して可視画像を記録する。このような構成は、例えば、特開2002−203321号公報等に記載されている。
基板側から照射するレーザー光の波長は、カバー層側から照射されるレーザー光の波長より長いものとすることが好ましい。そして、当該レーザー光の波長は、770〜790nmとすることが好ましく、775〜790nmとすることがより好ましい。また、レーザピックアップのNAは、0.45〜0.57とすることが好ましく、0.48〜0.57とすることがより好ましい。
なお、画像記録層への可視画像の記録時には、必ずしもトラッキングを必要とするわけではなく、その場合は、例えば、ステッピングモータ等の制御を行うことで、所望の画像データに応じたレーザー照射を行い、可視画像を記録する方法が用いられる。
(2)情報記録方法:
次いで、記録装置を用いた情報記録層への情報(デジタル情報)の記録について説明する。情報記録層が色素型の場合、まず、未記録の前述の光ディスクを、回転機構により所定の記録線速度にて回転させながら、第1のカバー層側より、レーザーピックアップからレーザー光(390〜430nm(好ましくは、400〜410nm)のレーザ光)を照射する。この照射光により、情報記録層の色素がその光を吸収して局所的に温度上昇し、所望のピットが生成して、その領域の光学特性が変わることにより情報が記録される。なお、情報記録層に記録された情報の再生は、回転させた状態の光ディスクの情報記録層に向けてレーザーピックアップからレーザー光を照射して行う。
ここで、390〜430nmの発振波長を有するレーザ光源としては、例えば、390〜415nmの範囲の発振波長を有する青紫色半導体レーザ、中心発振波長約430nmの青紫色SHGレーザ等を挙げることができる。また、記録密度を高めるために、ピックアップに使用される対物レンズの開口率(NA)は0.7以上が好ましく、0.80以上がより好ましい。
次に、情報記録層が相変化型の場合について説明する。相変化型の場合は、情報記録層は前述の材質から構成され、レーザー光の照射によって結晶相と非晶相との相変化を繰り返すことができる。情報記録時は、集中したレーザー光パルスを短時間照射し、相変化型情報記録層を部分的に溶融する。溶融した部分は熱拡散により急冷され、固化し、非晶状態の記録マークが形成される。また、消去時には、記録マーク部分にレーザー光を照射し、情報記録層の融点以下、結晶化温度以上の温度に加熱し、かつ、除冷することによって、非晶状態の記録マークを結晶化し、もとの未記録状態に戻す。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
(光ディスクの製造)
厚さ1.1mm、直径120mmで、スパイラル状のグルーブ(深さ:100nm、幅:220nm、トラックピッチ:320nm)を有する射出成形ポリカーボネート樹脂(帝人化成社製ポリカーボネート、商品名:パンライトAD5503)からなる基板を用意した。
オキソノール色素であるUXD2とTXD1と(いずれも富士写真フイルム(株)社製)を、質量比(UXD2:TXD1)1:2の割合で混合し、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール中に15g/Lの濃度で溶解させた塗布液を、スピンコート法により塗布し、80℃のクリーンオーブン中で30分間熱処理して、基板のグルーブが形成された面に画像記録層(厚み:100nm)を形成した。
形成した画像記録層上に、Agをスパッタリングして、厚さ70nmの反射層を形成した。
フタロシアニン系有機化合物である色素A(オラゾールブルーGN:チバスペシャリティケミカル社製 極大吸収:340nm、640nm)12gを、1リットルの2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに混ぜて2時間超音波処理を行って溶解し、記録層形成用の塗布液を調製した。この塗布液を用いて、スピンコート法で反射層上に厚さ50nmの情報記録層を形成した。
情報記録層を形成した後、80℃のクリーンオーブン中で1時間加熱処理した。加熱処理後、真空成膜法によりZnO:7質量部、Ga23:3質量部からなるターゲットを用いて、5nmの厚みのバリア層を形成した。
バリア層上に、粘着剤が塗布されたトータル厚み100μmの三酢酸セルロースフィルム(富士写真フイルム(株)社製フジタック、厚み80μm)を貼り合わせて、光ディスクを作製した。なお、貼り合わせた後の粘着剤からなる接着層の厚さは20μmであった。
(可視画像の形成)
作製した光ディスクの情報記録層側から、NA=0.85で波長405nmのレーザー光を照射して、情報を記録した。その後、ディスクを裏面にし、画像記録層側から、NA=0.50で波長785nmのレーザー光を照射して、可視画像をした。情報の記録および可視画像の形成には、パルステック工業社製のDDU1000を使用した。形成された可視画像の視認性は非常に良好であり、記録された情報の再生も問題なく行うことができた。
本発明の光ディスクの構成例を示す概略要部模式図である。 本発明の光ディスクの他の構成例を示す概略要部模式図である。
符号の説明
10・・・基板
20・・・画像記録層
30,30A,30B・・・反射層
40・・・情報記録層
50・・・バリア層
60・・・接着層
70・・・(透明)シート
100,200・・・光ディスク

Claims (4)

  1. 基板上に、画像記録層と情報記録層とカバー層とをこの順に有し、前記基板の厚みが前記カバー層の厚みより大きいことを特徴とする光ディスク。
  2. 前記基板および前記カバー層のそれぞれの面側からレーザー光が照射され、前記基板側から照射される前記レーザー光の波長が、770〜800nmであり、前記カバー層側から照射される前記レーザー光の波長が、390〜430nmであることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク。
  3. 前記基板の厚みが、1.0〜1.3mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の光ディスク。
  4. 前記画像記録層と前記情報記録層との間に、反射層が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ディスク。
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