JP2006117488A - ヨウ化バリウム含水塩粉末およびその製造方法 - Google Patents

ヨウ化バリウム含水塩粉末およびその製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 本発明は、特に希土類付活弗化ヨウ化バリウム系揮尽性蛍光体の原料として好適な実質的にリンを含まないヨウ化バリウム含水塩粉末およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は一般式;BaI2・nH2O(式中、nは1〜2)で表わされるヨウ化バリウム含水塩であって、リン含有量が10ppm以下であることを特徴とするヨウ化バリウム含水塩粉末である。また、本発明のヨウ化バリウム含水塩の製造方法はバリウム化合物、ヨウ素及び還元剤を水溶媒中で接触させることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明はヨウ化バリウム含水塩粉末およびその製造方法、更に詳しくは、特に希土類付活弗化ヨウ化バリウム系揮尽性蛍光体の原料として好適なヨウ化バリウム含水塩粉末およびその製造方法に関するものである。
一般的な金属ヨウ化物の用途としては、分析用試薬、医薬関係(去炎剤、利尿剤)、写真用乳剤などがあり、最近ではナイロン繊維添加剤、液晶ディスプレイ、偏光フィルム素材としての用途も報告されている。
金属ヨウ化物の中でも、ヨウ化バリウムは特殊な材料であり、大きな用途の一つはヨウ化物系の蛍光体材料があげられる。中でも希土類付活弗化ヨウ化バリウム系揮尽性蛍光体の重要な原料であることが知られている。
ヨウ化バリウムは、含水塩と無水塩があることが知られているが工業的に入手可能なものはそのほとんどが製法の容易性から含水塩である。
従来のヨウ化バリウム含水塩の製造方法としては、ヨウ化水素酸を水酸化バリウムで中和する方法が一般的であり、また、水酸化バリウムの代わりに炭酸バリウムを使用する方法等が知られている(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照。)。
特開2001−89136号公報 「化学大辞典 9 縮刷版」、発行所 共立出版株式会社、発行年1964年、420頁
しかしながら、ヨウ化バリウム含水塩を製造する場合のヨウ素原料として一般的に使用されるヨウ化水素酸には安定剤として次亜リン酸ナトリウムが添加されており(リン換算で約500ppm程度)、精製等を施してもほとんど除去することが難しく、また、このようにリン含有量が高いヨウ化バリウムを、例えば、希土類付活弗化ヨウ化バリウム系揮尽性蛍光体の原料として用いると、付活剤イオンのポテンシャルエネルギーに影響を与え、発光効率が減少し、更に発光スペクトルの巾が広がりブロードになりやすいと言う問題がある。
本発明者らはかかる実情において、実質的にリンを含まない高純度ヨウ化バリウム含水塩の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、バリウム化合物、ヨウ素及び還元剤を水溶媒中で接触させて得られるものは実質的にリンを含まない高純度なヨウ化バリウム含水塩になることを見出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は特に希土類付活弗化ヨウ化バリウム系揮尽性蛍光体の原料として好適な実質的にリンを含まないヨウ化バリウム含水塩粉末およびその製造方法を提供することにある。
本発明が提供しようとする第1の発明は、一般式;BaI2・nH2O(式中、nは1〜2)で表わされるヨウ化バリウム含水塩であって、リン含有量が10ppm以下であることを特徴とするヨウ化バリウム含水塩粉末である。
また、本発明が提供しようとする第2の発明は、バリウム化合物、ヨウ素及び還元剤を水溶媒中で接触させることを特徴とする一般式;BaI2・nH2O(式中、nは1〜2)で表わされるヨウ化バリウム含水塩粉末の製造方法である。
本発明のヨウ化バリウム含水塩粉末は、実質的にリンを含有しないものである。従って、特に希土類付活弗化ヨウ化バリウム系揮尽性蛍光体の原料として好適に用いることができる。また、本発明のヨウ化バリウム含水塩粉末の製造方法によれば、工業的に有利な方法で当該ヨウ化バリウム含水塩粉末を製造することができる。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明にかかるヨウ化バリウム含水塩粉末は一般式;BaI2・nH2O(式中、nは1〜2)で表わされるものであり、リン含有量が10ppm以下、好ましくは5ppm以下、特に好ましくは3ppm以下のものである。
本発明のヨウ化バリウム含水塩粉末は、前記特性に加えて、微細な一次粒子が一次粒子の集合体を形成してなる凝集体であることも特徴の一つである。即ち、従来のヨウ化バリウム含水塩粉末は、非凝集性の粒子が単分散した一次粒子からなる粉末であるのに対して、本発明のヨウ化バリウム含水塩粉末は微細な一次粒子が一次粒子の集合体を形成してなる凝集体である点でも相違する。
本発明に係るヨウ化バリウム含水塩粉末における一次粒子は、走査型電子顕微鏡写真(SEM)から求められる平均粒径が10μm以下、好ましくは0.1〜5μmであり、また、この一次粒子が集合した集合体は走査型電子顕微鏡写真(SEM)から求められる平均粒径が1〜50μm、好ましくは1〜20μmである。本発明のヨウ化バリウム含水塩は、当該範囲の平均粒径の微細な粒子群であることから反応性や更なる粉砕等の加工性にも優れるものである。
本発明のヨウ化バリウム含水塩粉末の他の好ましい物性としては、BET比表面積が0.05〜10m2/g、好ましくは0.1〜5m2/gである。
更には、例えばBaFI:Eu蛍光体では、Mg、Ca及びSrから選ばれるアルカリ土類金属は、蛍光体母体結晶の構成元素(Ba)の同属元素で、通常、この同属元素は適宜組み合わせて必要により蛍光体の発光効率を向上させる目的で厳密な組成管理下に添加されている関係上、これらの同属元素は実質的に含有されないことが組成管理上望ましい。従って、本発明のヨウ化バリウム含水塩を希土類付活弗化ヨウ化バリウム系揮尽性蛍光体の原料に用いる上で、上記特性に加えてMg、Ca及びSrから選ばれるアルカリ土類金属の含有量が総量で10ppm以下、好ましくは5ppm以下であることが好ましい。
更に、本発明のヨウ化バリウム含水塩は、付活剤のポテンシャルエネルギーに影響を与えるFe、Cu及びPbを実質的に含有しないことが、希土類付活弗化ヨウ化バリウム系揮尽性蛍光体の原料に用いる上で好ましく、Fe、Cu及びPbの含有量が総量で10ppm以下、好ましくは5ppm以下であることが特に望ましい。
次いで、本発明のヨウ化バリウム含水塩粉末の製造方法について説明する。
本発明のヨウ化バリウム含水塩の製造方法は、バリウム化合物、ヨウ素及び還元剤を水溶媒中で接触させることを特徴とするものである。
前記バリウム化合物としては、炭酸バリウム、水酸化バリウム、塩化バリウム、硝酸バリウム等が挙げられ、これらのバリウム化合物は、純度95%以上、好ましくは97%以上で、且つMg、Ca及びSrから選ばれるアルカリ土類金属の含有量が総量で20ppm以下、好ましくは10ppm以下のものを用いることが高純度のヨウ化バリウムを得ることができ、且つ希土類付活弗化ヨウ化バリウム系揮尽性蛍光体の原料に用いる上で特に好ましい。
本発明において前記バリウム化合物の中、炭酸バリウムが同族元素の不純物のMg、Ca、Sr等の不純物の含有量が前記範囲のものが工業的に容易に入手でき、また、反応性にも優れている点で好ましく、このような高純度な炭酸バリウムとしては電子材料や光学材料用として市販されているものを用いることができる。
用いることができる前記ヨウ素としては、純度95%以上、好ましくは98%以上で、リン含有量が10ppm以下、好ましくは5ppm以下で、更にはMg、Ca及びSrを総量で20ppm以下、好ましくは10ppm以下で実質的にこれらの不純物を含有しない高純度品を用いることが高純度のヨウ化バリウムを得ることができ、且つ希土類付活弗化ヨウ化バリウム系揮尽性蛍光体の原料に用いる上で特に好ましく、このような高純度品は市販品を用いることができる。
ヨウ素の添加量はバリウム化合物中のBaに対するヨウ素のモル比(I/Ba)で1.95〜2.05、好ましくは1.97〜2.03である。この理由は1.95未満では未反応の原料のバリウム化合物が不純物として残存しやすくなり、一方、2.05を越えると析出したヨウ化バリウムの粒子に遊離のヨウ素が付着して、白色のヨウ化バリウムが黄色に着色し、また、この遊離のヨウ素は不純物として作用する傾向があるためである。なお、ここでのヨウ素の添加量は、後述する分割添加の場合は反応液に添加するヨウ素の最終的な総量の添加量を示す。
用いることができる還元剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール、蟻酸、シュウ酸等の有機酸、ショ糖、ブドウ糖等の糖類、ヒドラジン類等が挙げられ、これらの還元剤は1種又は2種以上で用いられる。これらの還元剤は、純度95%以上、好ましくは98%以上で、リン含有量が10ppm以下、好ましくは5ppm以下で、更にはMg、Ca及びSrから選ばれるアルカリ土類金属の含有量が総量で10ppm以下、好ましくは5ppm以下のものを用いることが高純度のヨウ化バリウムを得ることができ、且つ希土類付活弗化ヨウ化バリウム系揮尽性蛍光体の原料に用いる上で特に好ましい。
前記ヒドラジン類としては、水加ヒドラジンの他、水溶媒中でヒドラジンを存在させことができる物質を用いることができ、例えば炭酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、臭化水素酸ヒドラジン、アジピン酸ヒドラジド、フェニルヒドラジド、カーボジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ヒドラジド、ドデカンジヒドラジド、ベンゾフェノンヒドラジド、ステアリン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、マレイン酸ヒドラジド、マレイン酸ヒドラジドモノカリウム、マレイン酸ヒドラジドモノナトリウム、ベンゼンスルホニルヒドラジド、モノメチルヒドラジン、クエン酸ヒドラジド及びp−トルエンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。
本発明において、これらの還元剤の中、水加ヒドラジンが反応終了後、窒素と水に分解することができ、また、該窒素は反応系外へ容易に除去することができるため、該水加ヒドラジンに由来する副生成物による不純物の混入がない点で好ましく、このような高純度品は市販品を用いることができる。
還元剤の添加量は残存するヨウ素を低減するができ、また、還元剤の過剰な添加による不純物の混入を防止するためヨウ素に対して当量で十分である。なお、ここでの還元剤の添加量は、後述する分割添加の場合は反応液に添加する還元剤の最終的な総量の添加量を示す。
なお、前記バリウム化合物、ヨウ素及び還元剤の各原料は、特に希土類付活弗化ヨウ化バリウム系揮尽性蛍光体の原料に用いる上で前記特性のものに加えて、Fe、Cu及びPbの含有量が総量で10ppm以下、好ましくは5ppm以下のものを用いることが特に望ましい。
また、溶媒として用いる水は、少なくとも逆浸透膜、限外ろ過膜、イオン交換膜等を通過させて、Na、K、Ca、Cl、SO4等のイオン性不純物を除去した純水を用いることが、溶解する水に由来する不純物の混入を防止できる点で特に好ましい。なお、逆浸透膜、限外ろ過膜又はイオン交換樹脂に通水される被処理水としては、例えば、工業用水、市水、河川水などの原水を凝集ろ過装置及び活性炭等からなる前処理装置で処理し、原水中の懸濁物及び有機物の大半を除去したもの、あるいは、更に、イオン交換樹脂を用いる純水装置で処理されたものなどが用いられる。
逆浸透膜は、市販の膜モジュールを用いることができ、操作条件等は特に制限はなく常法に従えばよい。具体的には、逆浸透膜の分画分子量は400〜100000、好ましくは1000〜10000であり、材質としては、例えば、酢酸セルロース系、ポリアミド系、架橋ポリアミン系、架橋ポリエーテル系、ポリスルホン、スルホン化ポリスルホン、ポリビニールアルコール等が適宜使用される。膜の形状は平板型、スパイラル型、中空糸型、チューブラー、ブリーフ型など何れであってもよい。
限外濾過膜は、市販の膜モジュールを用いることができ、操作条件等は特に制限はなく常法に従えばよい。具体的には、限外濾過膜の分画分子量は400〜100000、好ましくは1000〜10000であり、材質としては、再生セルロース、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアクリルニトリル、ポリビニールアルコール、焼結金属、セラミック、カーボン等が適宜使用される。膜の形状は平板型、スパイラル型、チューブラー型、中空糸型、ブリーツ型などの何れであってもよい。
水溶媒の使用量は、特に制限されるものではないが、炭酸バリウム等の水に対して難溶性のバリウム化合物を使用する場合は、後述するように反応終了後、必要によりヨウ化バリウム水溶液を濃縮して結晶を析出する操作があるので、あまり薄い濃度での反応は好ましくない。従って、炭酸バリウム等の水に対して難溶性のバリウム化合物を使用する場合は、スラリー濃度としては10〜40%程度が好ましい。
前記バリウム化合物、ヨウ素及び還元剤を水溶媒中で接触させる方法としては、これらの各原料が接触できる方法であれば特に制限されるものではないが、バリウム化合物を含む水溶媒に、ヨウ素及び還元剤を添加して反応を行うことが好ましい。この場合、ヨウ素をバリウム化合物を含む水溶媒に添加すると急激に反応することから、ヨウ素の添加は必要量のヨウ素を何回かに分けて分割添加することが好ましく、還元剤はヨウ素の添加後、反応を完結させるため必要量の還元剤をヨウ素の分割添加に合わせて分割添加することが反応をマイルドな条件下で効率的に行わせることができる点で好ましい。即ち、この方法はバリウム化合物を含む水溶媒中に、ヨウ素、還元剤を順次添加し、更に必要量のヨウ素、還元剤を順次添加する方法である。
ヨウ素の1回目の添加量は全体の使用量の1/20〜1/100程度が好ましい。ヨウ素添加後しばらくすると、反応系がヨウ素イオンの溶解により茶褐色に着色するので、ここに還元剤を反応液の色が元の色に戻るまで添加すればよい。なお、還元剤の添加は少しずつおこない、反応液が発泡によりあふれないように注意して行うことが好ましい。反応液のヨウ素イオンの茶褐色の色が消えたら、再び少量のヨウ素を添加して反応系を茶褐色とし、次いで還元剤を添加して反応液の色を戻すように添加することが好ましい。なお、本発明においてこのヨウ素及び還元剤を分割して添加する回数等は特に制限されるものではない。
接触温度は特に制限されるものではないが、常温付近(25℃)ではヨウ素の反応が遅くなり、また80℃以上では反応が急激すぎてヨウ素がバリウムと反応する前に反応系外に揮散するという問題を生じやすいことから、反応温度としては40〜70℃程度が好ましい。なお、分割添加等の関係上接触時間等は特に制限されないことは言うまでもないが、前記ヨウ素及び還元剤を全量添加後反応を完結するため0.25時間以上、好ましくは0.5〜2時間反応を継続することが好ましい。
反応終了後、反応液を濃縮してヨウ化バリウム含水塩の結晶を析出させた後、常法により遠心分離等の操作により固液分離して、ヨウ化バリウム含水塩を得て、これを乾燥、必要により粉砕、分級等を施すか、或いはヨウ化バリウム反応液からそのまま溶媒を蒸発させて除去し、得られる残留する固形物を必要により粉砕、分級して製品としても良い。
なお、必要に応じて行われる粉砕は、得られるヨウ化バリウム含水塩が乾燥により一次粒子から集合体同士がもろく結合したものである場合等に適宜行うが、ヨウ化バリウム含水塩粉末の粒子自体は下記特性を有するものである。即ち、微細な一次粒子からなる一次粒子の集合体で、走査型電子顕微鏡写真(SEM)から求められる平均一次粒径が10μm以下、好ましくは0.1〜5μmであり、またその一次粒子が集合した集合体は走査型電子顕微鏡写真(SEM)から求められる平均粒径が1〜50μm、好ましくは1〜20μmである。
かくして得られるヨウ化バリウム含水塩粉末は、リン含有が10ppm以下、好ましくは5ppm以下、特に好ましくは3ppm以下であり、更に、上記粒度特性に加えて、BET比表面積が0.05〜10m2/g、好ましくは0.1〜5m2/gであることが好ましい。不純物的には、上記リン含有量であることに加え、Mg、Ca及びSrから選ばれるアルカリ土類金属の含有量が総量で10ppm以下、好ましくは5ppm以下であることが好ましく、更にはFe、Cu及びPbの含有量が総量で10ppm以下、好ましくは5ppm以下であることが特に好ましい。
本発明に係るヨウ化バリウム含水塩は有機バリウム化合物の原料や蛍光体の原料等の用途に用いることができ、特に本発明のヨウ化バリウム含水塩は希土類付活弗化ヨウ化バリウム系揮尽性蛍光体の原料として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の実施例において、各試薬は下記表1に示す組成のものを使用した。
Figure 2006117488
注)炭酸バリウムは日本化学工業社製;商品名LC−1、ヨウ素は日本天然ガス社製、水加ヒドラジンは純正化学社製(90wt%溶液)、また、ヨウ化水素酸は市販品のもの(HI濃度57.7%、遊離ヨウ素0.5wt%以下)を用いた。
また、以下の実施例及び比較例で用いた純水はイオン交換樹脂を備えた純水製造装置で処理した水を限外濾過モジュール(旭化成工業社製、分画分子量6000)で処理したものを用いた。
実施例1
前記水加ヒドラジン(試薬90%ヒドラジン)50gを秤量して、純水を加えてN24濃度を50wt%に調製した。
前記炭酸バリウム(BET比表面積31m2/g)394.6gを5リットルビーカーに入れ、純水2500mlを加えて攪拌しながら、液温を60℃に調節した。前記ヨウ素507.6gをPP製容器に秤量して、このうち約10gを添加した。約10分間攪拌を継続したのち反応スラリーが薄茶褐色に着色してきたら、50wt%水加ヒドラジン水溶液を少しずつ滴下して反応スラリーの色を無色にした。水加ヒドラジンの滴下とともに、N2の発生により反応液表面に発泡現象が認められた。発泡現象がおさまり、反応スラリーが無色になったら再びヨウ素10〜20gを添加し、反応スラリーが茶褐色になったら50wt%水加ヒドラジン水溶液を更に添加して、反応スラリーの色を無色にした。この操作を繰り返して反応を継続した。
最後のヨウ素の添加終了後、反応溶液が透明になるまで50wt%水加ヒドラジン水溶液を滴下し(pH7.2)、更に0.5時間継続して反応を行った。なお、反応液に最終的に添加したヨウ素は炭酸バリウム1.0モルに対して総量で2.0モル、水加ヒドラジンはN24として1.0モル添加した。
次いで、この反応溶液を濃縮していき、濃縮液からヨウ化バリウム結晶が析出しはじめたら濃縮を中止して、約40℃まで冷却した。冷却スラリーを遠心分離してヨウ化バリウム2水塩の結晶を取り出し、100℃で2時間減圧乾燥して高純度ヨウ化バリウム2水塩を得た。得られたヨウ化バリウムをXRD回折分析(線源;Cu−Kα線)したところ、ヨウ化バリウム2水塩の回折パターンと一致し、他の回折ピークは検出されなかった(図1参照)。また、得られたヨウ化バリウム含水塩の諸物性を測定し、その結果を表2に示した。
なお、粒子形状と平均粒径は走査型電子顕微鏡写真(SEM)から求め、各不純物はICPにより測定した。
また、前記で得られたヨウ化バリウム含水塩の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を図2に示す。
比較例1
前記ヨウ化水素酸234.1gを500mlビーカーにとり、テフロン(登録商標)製の攪拌棒をつけた攪拌機で攪拌した。ここへ、実施例1と同様の炭酸バリウム105gを秤量して、ヨウ化水素酸の中に少しずつ添加した(添加中に僅かに発熱する。添加した瞬間に炭酸バリウムがヨウ化水素酸と反応して炭酸ガスが発生するので少しずつ添加した。)。
次いで、添加終了後水溶液のpHを測定し、少しずつ炭酸バリウムを添加しながら反応液のpHを中性とし反応終了とした。反応終了後、反応溶液を濾過して清澄な濾過液を得た。この濾過液を実施例1と同様の操作で濃縮して、ヨウ化バリウムの結晶が析出した時点で濃縮をやめ、40℃まで冷却後、遠心分離によりヨウ化バリウム結晶を得て、100℃で減圧乾燥した。得られたヨウ化バリウムをXRDで分析した結果、ヨウ化バリウム2水塩であることが確認された。また、得られたヨウ化バリウムの諸物性を実施例1と同様な方法で測定し、その結果を表2に示した。
また、図1に得られたヨウ化バリウム含水塩のX線回折パターン図を示し、図3に走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示した。なお、得られたヨウ化バリウム含水塩は非凝集性の粒子であった。
比較例2
市販のヨウ化バリウム2水塩の諸物性を実施例1と同様に測定し、その結果を表2に併記した。また、図1にX線回折パターン図を示し、図4に走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。なお、ヨウ化バリウム含水塩は非凝集性の粒子であった。
Figure 2006117488
注)表中のBaI2含有量はBaI2・2H2Oを100℃で2時間乾燥後、乾燥品を純水に溶解してICPでBa濃度を分析し、BaI2に換算した値である。
この結果より、本発明の実施例で得られたヨウ化バリウム含水塩はリン含有量が検出限界の3ppm以下で同族不純物元素(Mg、Ca、Sr)がいずれも5ppm以下であり、付活剤イオンのポテンシャルエネルギーに影響を与える他の不純物元素も1ppm以下または定量限界値以下のレベルであることが確認された。
これに対して、比較例1のヨウ化バリウム含水塩は不純物のアルカリ土類金属不純物は5ppm以下であるが、リンが16ppmであり、また、市販品のヨウ化バリウム含水塩ではリンが29ppm、同族元素のSrが54ppm含まれているので、より高純度が要求される希土類付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体材料としては不適なものであった。
実施例1、比較例1及び比較例2で得られたヨウ化バリウム含水塩のX線回折パターン図。 実施例1で得られたヨウ化バリウム含水塩の粒子形状を示すSEM写真。 比較例1で得られたヨウ化バリウム含水塩の粒子形状を示すSEM写真。 比較例2の市販品のヨウ化バリウム含水塩の粒子形状を示すSEM写真。

Claims (7)

  1. 一般式;BaI2・nH2O(式中、nは1〜2)で表わされるヨウ化バリウム含水塩であって、リン含有量が10ppm以下であることを特徴とするヨウ化バリウム含水塩粉末。
  2. 一次粒子が集合体を形成してなり、該集合体の平均粒径が1〜50μmである請求項1記載のヨウ化バリウム含水塩粉末。
  3. BET比表面積が0.05〜10m2/gである請求項1又は2記載のヨウ化バリウム含水塩粉末。
  4. Mg、Ca及びSrから選ばれるアルカリ土類金属の含有量が総量で10ppm以下である請求項1乃至3記載のヨウ化バリウム含水塩粉末。
  5. バリウム化合物、ヨウ素及び還元剤を水溶媒中で接触させることを特徴とする一般式;BaI2・nH2O(式中、nは1〜2)で表わされるヨウ化バリウム含水塩粉末の製造方法。
  6. 前記バリウム化合物が炭酸バリウムである請求項5記載のヨウ化バリウム含水塩粉末の製造方法。
  7. 前記還元剤が水加ヒドラジンである請求項5記載のヨウ化バリウム含水塩粉末の製造方法。
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