JPH07242414A - ヨウ化アルカリ金属塩類の製造方法 - Google Patents

ヨウ化アルカリ金属塩類の製造方法

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JPH07242414A
JPH07242414A JP3449494A JP3449494A JPH07242414A JP H07242414 A JPH07242414 A JP H07242414A JP 3449494 A JP3449494 A JP 3449494A JP 3449494 A JP3449494 A JP 3449494A JP H07242414 A JPH07242414 A JP H07242414A
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alkali metal
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Atsushi Utsunomiya
淳 宇都宮
Hiroharu Kageyama
弘春 景山
Masahiro Omura
正弘 大村
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 有機還元剤を無機塩基で中和した溶液に、ヨ
ウ素及び無機塩基を連続的に添加し、反応させることを
特徴とする。 【効果】 この方法によれば、反応中に発生する二酸化
炭素に同伴されるヨウ素がほとんどなく、ヨウ素の製品
への転化率を非常に高くすることが可能である。しか
も、重金属や硫黄化合物などは何ら使用することなく、
また、細かな調整も一切必要とせずに、十分 JIS規格を
満足する製品が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヨウ化リチウム、ヨウ
化ナトリウム、ヨウ化カリウム、又はヨウ化セシウムな
どのヨウ化アルカリ金属塩類を製造する方法に関する。
これらヨウ化アルカリ金属塩類は、各種反応試剤又は添
加物などに用いられる非常に有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来、ヨウ化アルカリ金属塩類を得るに
は種々の方法が知られ、例えば、アルカリ水溶液にヨ
ウ素を添加して反応させ、副生したヨウ素酸塩をアルミ
ニウムや亜鉛で還元し目的物を得る方法(米国特許第 2
828184号)、アルカリ水溶液にヨウ素を添加した後、
これに硫化水素を添加して還元する方法(米国特許第 3
402995号)、ヨウ素又はヨウ素酸塩をアルカリ性下あ
るいは中性下において、アルカリ金属アマルガムにより
還元する方法(特公昭31−8013号公報)、Journal of
the Chemical Society,111, 726〜762,1917に記載の、
蟻酸やシュウ酸などの有機還元剤を使用し、ヨウ素を還
元する方法、水酸化カリウム水溶液を蟻酸を添加して
中和した後、これに化学量論量よりも多めのヨウ素を加
えて反応させ、生成物中の遊離ヨウ素を硫化カリウムで
処理する方法(ロシア特許第497233号)、水酸化カリ
ウム水溶液にヨウ素を加え、これに蟻酸を添加して反応
させる方法(ロシア特許第560826号)、ヨウ素の水酸
化アルカリ水溶液に有機還元剤を作用させる方法(特公
平第5-80410号公報)などが公知である。
【0003】しかしながら、従来より知られるこれらの
方法は、一般に不純物混入や廃棄物処理の問題、又は原
料ヨウ素の損失を伴いやすいという欠点があった。すな
わち、の方法は、アルミニウムや亜鉛を用いるため、
反応後に生成する水酸化アルミニウムや水酸化亜鉛の処
理が問題となる。また、ヨウ化アルカリ金属塩類は、食
品添加物や医薬品に使用されることもあり、重金属など
の混入は避ける必要があるが、この方法ではそれらを還
元剤として用いるため、得られる製品中に混入する危険
性が高く好ましい方法ではない。また、及びの方法
では、還元剤に硫化水素や水銀を使用しているが、これ
らは、人体に対し非常に高い毒性を持つものであり、更
には、これらを含む廃液の処理が難しいという問題があ
るため、工業的生産に適する方法ではない。
【0004】また、には、下記反応式(化1)
【化1】 HCOONa+I2 →NaI+HI+CO2 ↑ のように、ヨウ素は蟻酸により還元され、反応液中にヨ
ウ化アルカリ金属を生成することが示されているが、蟻
酸によるヨウ素の還元速度を測定した記載にとどまって
おり、工業的な規模で効率よくヨウ化アルカリ金属塩類
を製造する技術については何ら述べられていない。
【0005】次に、の方法は、蟻酸を水酸化カリウム
により中和した後、これにヨウ素を添加し、所定温度で
反応させ、最終的に残存するヨウ素は硫化カリウムを用
いて還元するという方法であるが、反応後に硫黄を濾過
により除去するなどの煩雑な操作が必要であり、しかも
後処理の影響により得られるヨウ化カリウムの結晶も十
分な純度を保持しているとは言えない。
【0006】また、及びの方法は、水酸化アルカリ
水溶液中にヨウ素を添加した後に、蟻酸などの有機還元
剤を添加して反応させ、ヨウ化アルカリ金属塩類を得る
というものであるが、これらの方法では、一般にヨウ素
の損失が起こりやすいという欠点がある。すなわち、水
酸化アルカリ水溶液中にヨウ素を添加した場合には必然
的にヨウ素酸塩も生ずるが、このような溶液に蟻酸など
を添加すると反応系内は一時的に酸性となるため、ヨウ
素イオンがヨウ素酸塩により容易に酸化を受け、溶液中
に遊離のヨウ素を発生する。この遊離したヨウ素は、有
機還元剤の分解によって発生した二酸化炭素により容易
に系外に同伴されてしまうため、ヨウ素の損失が起こる
ことになる。
【0007】なお、蟻酸やシュウ酸などの有機還元剤を
用いるヨウ化アルカリ金属塩類の製造は、前記した〜
の方法と比較し、二酸化炭素以外の副生物を伴わない
という利点はある。しかしながら、現在までに、二酸化
炭素の発生により生じるヨウ素の損失を極力防ぎ、効率
よくヨウ化アルカリ金属塩類を製造する方法は、未だ見
出されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ヨウ
化アルカリ金属塩類を製造するに際し、前述したような
従来方法における欠点のない製造方法を提供することで
ある。すなわち、不純物混入や廃棄処理問題の原因とな
るような重金属や硫黄化合物を使用せずに、しかもヨウ
素の損失がほとんどなく、高純度のヨウ化アルカリ金属
塩類を収率よく得られる製造方法を提供することが目的
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意研究した結果、蟻酸やシュウ酸
などの有機還元剤に無機塩基を加えて中和した溶液に、
ヨウ素と無機塩基とを連続的に添加して反応させるのが
特に有効な方法であることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0010】すなわち、本発明は、有機還元剤を無機塩
基で中和した溶液に、ヨウ素及び無機塩基を連続的に添
加し、反応させることを特徴とするヨウ化アルカリ金属
塩類の製造方法である。
【0011】一般に、蟻酸やシュウ酸などの有機還元剤
を使用するヨウ化アルカリ金属塩類の製造において、有
機還元剤の水溶液中にヨウ素を一括で添加した場合に
は、ヨウ素が還元される前に、有機還元剤が分解して発
生する二酸化炭素によって未反応のヨウ素が系外に同伴
されやすく、ヨウ素の損失を抑制することは通常不可能
である。この現象は、ヨウ素が大量に存在する溶液中に
有機還元剤を添加した場合にもほぼ同様に起こる。しか
しながら、本発明の方法のごとく、中和された有機還元
剤の溶液中に、ヨウ素及び無機塩基を連続的に添加した
場合には、添加されたヨウ素がごく速やかに還元され、
かつ遊離ヨウ素の存在することを極力抑制することが可
能である。従って、二酸化炭素の発生によるヨウ素の損
失を抑制できる効果がとりわけ顕著であり、所定量の原
料を添加し反応させるのみで純度のよい製品を収率よく
得ることができ、反応終了後における細かな調整などの
煩雑な操作は一切必要とすることがない。
【0012】本発明のヨウ化アルカリ金属塩類の製造方
法では、上記した通り、ヨウ素を還元する前に、まず反
応に用いられる有機還元剤の中和を行なうが、有機還元
剤としては蟻酸及び/又はシュウ酸が好ましく用いられ
る。これらはヨウ素を還元する際に二酸化炭素を発生す
るが、とりわけ、副生物あるいは廃棄物などの問題を生
じることがない。これら有機還元剤の使用量は、反応に
用いられるヨウ素の分子1モル当たり、0.96〜1.04倍モ
ル、より好ましくは0.98〜1.02倍モルを用いる。一般
に、これが0.96倍モル未満では、次工程におけるヨウ素
の還元を十分に行なうことが困難であり、製品収率の低
下を起こしやすく、また、1.04倍モルを越える使用量で
は、最終的に得られるヨウ化アルカリ金属塩類の結晶に
有機還元剤が残存しやすくなるので好ましくない。
【0013】有機還元剤を中和する際に用いられる無機
塩基の種類は、各種の水酸化物や炭酸塩などを使用する
ことができ、これらは製造しようとするヨウ化アルカリ
金属塩類の種類により決められる。具体的には、目的物
がヨウ化リチウムであれば、水酸化リチウム、炭酸リチ
ウム、炭酸水素リチウムなどが使用でき、ヨウ化ナトリ
ウムであれば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸水素ナトリウムなどが使用できる。更に、ヨウ化カリ
ウムであれば、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素カリウムなどが使用でき、これらのみに限定されるも
のではなく広い範囲のものが使用可能である。通常、こ
れら無機塩基はその一種類が用いられるが、アルカリ金
属種が同じものであればそれらの二種類以上を用いても
構わない。
【0014】有機還元剤を中和するには、有機還元剤の
水溶液中に無機塩基の水溶液若しくは固体の無機塩基を
添加する方法と、無機塩基の水溶液中に有機還元剤を添
加する方法があるが、そのいずれの方法で行なっても構
わない。後者の方法による場合には、有機還元剤は、単
独若しくは水溶液の状態で添加することができる。有機
還元剤を中和する際の無機塩基の使用量は、有機還元剤
の1モル当たり、無機塩基 0.8〜1.2 グラム当量、より
好ましくは 0.9〜1.1 グラム当量を用いる。一般に、こ
の量が 0.8グラム当量未満では、溶液のpHが低く、ヨ
ウ素の還元に際し反応の進行が遅くなりやすい。また、
1.2グラム当量を越えて使用してもヨウ素の還元に要す
る初期添加量としての効果的な差はないが、反応容器と
して通常の汎用な材料、例えばガラスライニングなどの
使用が困難となる。
【0015】本発明の製造方法では、上記のようにし
て、まず有機還元剤を無機塩基により中和するが、中和
後における溶液中の有機還元剤の濃度は7〜14重量%、
更には8〜12重量%にあることがより好ましい。中和後
のこの濃度が7重量%未満にある場合には、ヨウ化アル
カリ金属塩類を効率よく得ることが困難であり、また、
14重量%を越える濃度では、ヨウ素の還元に際し、反応
溶液単位量当たりの有機還元剤が分解して発生する二酸
化炭素の量が比較的多くなり、ヨウ素の損失を抑制する
ことが難しくなるので好ましくない。
【0016】次に、本発明の方法では、上記のようにし
て調整した有機還元剤溶液中にヨウ素と無機塩基をとも
に連続的に添加して反応させ、ヨウ化アルカリ金属塩類
を製造する。この際に添加する無機塩基のアルカリ金属
種は、製造しようとするヨウ化アルカリ金属塩のアルカ
リ金属種と同一のものであり、前述で例示したものなど
が使用される。また、添加する無機塩基の量は、前記し
た有機還元剤を中和する際に使用した無機塩基の量と合
わせて、その合計量が、ヨウ素の分子1モル当たり、1.
95〜2.05グラム当量となるようにすることが好ましい。
これが1.95グラム当量未満では、反応中に生成するヨウ
化水素酸を十分に中和することが困難であり、収率の低
下を起こしやすくなる。また、これが2.05グラム当量を
越える量であっては、最終的に得られるヨウ化アルカリ
金属塩類の結晶に無機塩基が残存しやすく、製品品質の
低下を起こしやすくなるため好ましくはない。
【0017】反応温度は50〜100 ℃、より好ましくは60
〜100 ℃の範囲である。一般に50℃未満では、反応の進
行が遅く好ましくない。また、本反応は、所望により加
圧下で行なわせることも十分可能である。この場合に
は、例え、本発明のような水系の反応においても 100℃
を越える温度で反応させることができる。しかし、通常
は、常圧下50〜100 ℃の範囲の条件において十分に反応
が進行する。
【0018】本発明の方法において、ヨウ素及び無機塩
基の添加に要する時間は、通常は少なくとも1時間以上
をかけることが好ましい。一般に、この添加する時間が
1時間未満のような比較的短時間であっては、反応溶液
中より発生する単位時間当たりの二酸化炭素の量が多く
なり、それに伴ってヨウ素が系外に同伴される場合があ
る。すなわち、ヨウ素を連続的に添加することによる効
果が十分に発揮されない場合がある。
【0019】ヨウ素及び無機塩基の添加が終了した後
は、更に反応溶液をそのまま保持させて反応を完結させ
る時間を要する場合がある。これに要する時間は、反応
温度により左右され一定しないが、通常は1〜5時間で
十分である。以上の条件を満たす場合には、反応後にお
いて特に細かな調整などは一切必要とすることがない。
【0020】反応終了後は、必要な場合には活性炭を用
いて反応溶液中に残存する微量の遊離ヨウ素を除去した
後、反応溶液の濃縮を行ない、次いで冷却し、析出する
結晶を濾別して乾燥する。以上により十分 JIS規格を満
足する品質のヨウ化アルカリ金属塩類の結晶を取得する
ことが可能である。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明の製造方法を更に
詳細に説明する。なお、本発明の方法はこれらの範囲に
何ら制限されるものではない。以下において「%」は全
て重量基準であり、また、得られたヨウ化アルカリ金属
塩類の品質確認は、ヨウ化カリウムはJIS-K-8913によ
り、また、ヨウ化ナトリウムについてはJIS-K-8918に従
って行なった結果のものである。
【0022】実施例1 純水1293gと88.0%蟻酸水溶液 327.1g(6.25モル)を
撹拌機及びジムロート付き3リットルのセパラブルフラ
スコに入れ、次いで、48%水酸化ナトリウム水溶液 52
1.2g(6.25モル)を滴下した。滴下終了後、48%水酸
化ナトリウム水溶液 521.1g(6.25モル)とヨウ素158
7.6g(6.25モル)を60℃に保持しながら2時間かけて
これらを同時に連続的に添加した。48%水酸化ナトリウ
ム水溶液及びヨウ素の全量の投入が完了した後、80〜90
℃の温度で1時間保持した。反応液の分析結果より、添
加したヨウ素の99.5%がヨウ化ナトリウムに転化してい
ることが確認された。この液を活性炭で処理した後、濃
縮し、冷却して析出してきた結晶を濾別し、乾燥させ
た。得られた結晶を分析した結果、十分 JIS規格を満た
していることが確認された。
【0023】実施例2 純水1153.3gと88.0%蟻酸水溶液 294.1g(5.63モル)
を撹拌機及びジムロート付き3リットルのセパラブルフ
ラスコに入れ、次いで、48%水酸化カリウム水溶液 66
0.0g(5.65モル)を滴下した。滴下終了後、48%水酸
化カリウム水溶液660.0g(5.65モル)とヨウ素1432.5
g(5.64モル)を60℃に保持しながら2時間かけてこれ
らを同時に連続的に添加した。48%水酸化カリウ水溶液
及びヨウ素の全量の投入が完了した後、80〜90℃で1時
間保持した。反応液の分析結果より、添加したヨウ素の
99.8%がヨウ化カリウムに転化していることが確認され
た。この液を活性炭で処理した後、濃縮し、冷却して析
出してきた結晶を濾別し、乾燥させた。得られた結晶を
分析した結果、十分 JIS規格を満たしていることが確認
された。
【0024】実施例3 実施例1において、88.0%蟻酸水溶液の量を 313.8g
(6.00モル)とした以外は全て同様に行なった。その結
果、添加したヨウ素の99.0%がヨウ化ナトリウムに転化
していることが確認された。この液を活性炭で処理した
後、濃縮し、冷却して析出してきた結晶を濾別し、乾燥
させた。得られた結晶を分析した結果、十分 JIS規格を
満たしていることが確認された。
【0025】実施例4 実施例1において、88.0%蟻酸水溶液の量を 340.0g
(6.50モル)とした以外は全て同様に行なった。その結
果、添加したヨウ素の99.9%がヨウ化ナトリウムに転化
していることが確認された。この液を活性炭で処理した
後、濃縮し、冷却して析出してきた結晶を濾別し、乾燥
させた。得られた結晶を分析した結果、十分 JIS規格を
満たしていることが確認された。
【0026】実施例5 実施例1において、ヨウ素及び48%水酸化ナトリウム水
溶液の添加を80℃で行なった以外は全て同様に行なっ
た。その結果、添加したヨウ素の99.6%がヨウ化ナトリ
ウムに転化していることが確認された。この液を活性炭
で処理した後、濃縮し、冷却して析出してきた結晶を濾
別し、乾燥させた。得られた結晶を分析した結果、十分
JIS規格を満たしていることが確認された。
【0027】実施例6 実施例1において、ヨウ素及び48%水酸化ナトリウム水
溶液の添加を 100℃で行なった以外は全て同様に行なっ
た。その結果、添加したヨウ素の99.8%がヨウ化ナトリ
ウムに転化していることが確認された。この液を活性炭
で処理した後、濃縮し、冷却して析出してきた結晶を濾
別し、乾燥させた。得られた結晶を分析した結果、十分
JIS規格を満たしていることが確認された。
【0028】実施例7 実施例2において、88.0%蟻酸水溶液の量を 283.5g
(5.42モル)とした以外は全て同様に行なった。その結
果、添加したヨウ素の99.0%がヨウ化カリウムに転化し
ていることが確認された。この液を活性炭で処理した
後、濃縮し、冷却して析出してきた結晶を濾別し、乾燥
させた。得られた結晶を分析した結果、十分JIS規格を
満たしていることが確認された。
【0029】実施例8 実施例2において、88.0%蟻酸水溶液の量を 307.0g
(5.87モル)とした以外は全て同様に行なった。その結
果、添加したヨウ素の99.9%がヨウ化カリウムに転化し
ていることが確認された。この液を活性炭で処理した
後、濃縮し、冷却して析出してきた結晶を濾別し、乾燥
させた。得られた結晶を分析した結果、十分JIS規格を
満たしていることが確認された。
【0030】実施例9 実施例2において、ヨウ素及び48%水酸化カリウム水溶
液の添加時の温度を80℃とした以外は全て同様に行なっ
た。その結果、添加したヨウ素の99.6%がヨウ化カリウ
ムに転化していることが確認された。この液を活性炭で
処理した後、濃縮し、冷却して析出してきた結晶を濾別
し、乾燥させた。得られた結晶を分析した結果、十分 J
IS規格を満たしていることが確認された。
【0031】実施例10 実施例2において、ヨウ素及び48%水酸化カリウム水溶
液の添加時の温度を 100℃とした以外は全て同様に行な
った。その結果、添加したヨウ素の99.8%がヨウ化カリ
ウムに転化していることが確認された。この液を活性炭
で処理した後、濃縮し、冷却して析出してきた結晶を濾
別し、乾燥させた。得られた結晶を分析した結果、十分
JIS規格を満たしていることが確認された。
【0032】比較例1 純水1293g、48%水酸化ナトリウム水溶液1042.4g(1
2.5モル)、及びヨウ素1587.6g(6.25モル)を攪拌機
及びジムロート付き3リットルのセパラブルフラスコに
入れ、攪拌下60℃に保持しながら、これに88.0%蟻酸水
溶液 327.1g(6.25モル)を2時間かけて連続的に添加
した。なお、この添加中には、発生する二酸化炭素に同
伴されるヨウ素が大量にあり、ジムロートのコイルにヨ
ウ素が付着するとともに、それによるジムロートの閉塞
が起こりがちであった。蟻酸水溶液の添加終了後、80〜
90℃の温度で1時間保持した。反応液の分析結果より、
使用したヨウ素の92.1%がヨウ化ナトリウムに転化して
いることが確認された。また、この反応液を実施例1と
同様に処理し、得られた結晶を分析した結果、結晶中に
蟻酸ナトリウムの残存していることが確認された。
【0033】比較例2 比較例1において、初期に添加する48%水酸化ナトリウ
ム水溶液の量を 768.4g( 9.2モル)とし、残りの48%
水酸化ナトリウム水溶液 274.0g( 3.3モル)は蟻酸水
溶液の添加とともに同時に添加した。これらの添加中に
は、比較例1に略同様、発生する二酸化炭素に同伴され
るヨウ素が大量にあり、ジムロートのコイルにヨウ素が
付着するとともに、それによるジムロートの閉塞が起こ
りがちであった。添加終了後は同様に保持した後、反応
液を分析した結果、使用したヨウ素の90.5%がヨウ化ナ
トリウムに転化していることが確認された。また、この
反応液を実施例1と同様に処理し、得られた結晶を分析
した結果、結晶中に蟻酸ナトリウムの残存していること
が確認された。
【0034】比較例3 純水1293g、48%水酸化ナトリウム水溶液 521.1g(6.
25モル)、及びヨウ素1587.6g(6.25モル)を攪拌機及
びジムロート付き3リットルのセパラブルフラスコに入
れ、攪拌下60℃に保持しながら、これに88.0%蟻酸水溶
液 327.1g(6.25モル)と48%水酸化ナトリウム水溶液
521.2g(6.25モル)を2時間かけて同時に連続的に添
加した(すなわち、実施例1における添加の形態を逆に
して行なった。)。これらの添加中においても、比較例
1,2と略同様、発生する二酸化炭素に同伴されるヨウ
素が大量に見られ、ジムロートのコイルにヨウ素が付着
するとともに、それによるジムロートの閉塞が起こりが
ちであった。添加終了後は80〜90℃の温度で1時間保持
した後、反応液を分析したところ、使用したヨウ素の9
0.0%がヨウ化ナトリウムに転化していることが確認さ
れた。また、この反応液を実施例1と同様に処理し、得
られた結晶を分析した結果、結晶中に蟻酸ナトリウムの
残存していることが確認された。以上の実施例1〜10及
び比較例1〜3の反応条件並びに結果を表1に示す。
【0035】
【表1】 注;ヨウ化アルカリ金属への転化率は、反応に使用した
ヨウ素のヨウ化アルカリ金属への転化率を示す。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、有機還元剤を中和
した溶液にヨウ素及び無機塩基を連続的に添加し反応さ
せることを特徴とする本発明のヨウ化アルカリ金属塩類
の製造方法によれば、反応に使用するヨウ素の損失はほ
とんどなく、かつ製品への転化率を非常に高くすること
が可能である。しかも、反応中あるいは後に重金属や硫
黄化合物などを何ら使用することなく、また、細かな調
整も一切必要とせずに、十分 JIS規格を満足するヨウ化
アルカリ金属塩類が容易に得られる。従って、工業的に
ヨウ化アルカリ金属塩類を製造する場合には、本発明の
製造方法を好適に用いることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機還元剤を無機塩基で中和した溶液
    に、ヨウ素及び無機塩基を連続的に添加し、反応させる
    ことを特徴とするヨウ化アルカリ金属塩類の製造方法。
  2. 【請求項2】 有機還元剤が蟻酸及び/又はシュウ酸で
    ある請求項1記載のヨウ化アルカリ金属塩類の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 有機還元剤の使用量が、用いられるヨウ
    素1分子当たり0.96〜1.04倍モルである請求項1又は2
    記載のヨウ化アルカリ金属塩類の製造方法。
  4. 【請求項4】 反応を50〜100 ℃の温度で行なわせる請
    求項1〜3いずれかに記載のヨウ化アルカリ金属塩類の
    製造方法。
JP3449494A 1994-03-04 1994-03-04 ヨウ化アルカリ金属塩類の製造方法 Pending JPH07242414A (ja)

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