JP6330064B1 - ヨウ化水素酸の製造方法及びヨウ化金属水溶液の製造方法 - Google Patents

ヨウ化水素酸の製造方法及びヨウ化金属水溶液の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6330064B1
JP6330064B1 JP2017002088A JP2017002088A JP6330064B1 JP 6330064 B1 JP6330064 B1 JP 6330064B1 JP 2017002088 A JP2017002088 A JP 2017002088A JP 2017002088 A JP2017002088 A JP 2017002088A JP 6330064 B1 JP6330064 B1 JP 6330064B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iodine
aqueous solution
hydroiodic acid
concentration
formic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017002088A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018111618A (ja
Inventor
諒 田下
諒 田下
航平 柚木崎
航平 柚木崎
雅也 渡部
雅也 渡部
彩星 片岡
彩星 片岡
貴弘 佐藤
貴弘 佐藤
Original Assignee
伊勢化学工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 伊勢化学工業株式会社 filed Critical 伊勢化学工業株式会社
Priority to JP2017002088A priority Critical patent/JP6330064B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6330064B1 publication Critical patent/JP6330064B1/ja
Publication of JP2018111618A publication Critical patent/JP2018111618A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】収率が高く、操作が簡便であり、製造コストが抑えられ、かつ環境負荷が小さいヨウ化水素酸の製造方法を提供すること。【解決手段】ギ酸及びヨウ素を含有すると共にヨウ素及びヨウ化物イオンの濃度の合計が1〜22.5質量%である水溶液を加熱処理してヨウ化水素酸を得る反応工程を備える、ヨウ化水素酸の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ヨウ化水素酸の製造方法及びヨウ化金属水溶液の製造方法に関する。
ヨウ化水素酸はエッチング剤に使われる他、各種ヨウ素化合物の合成原料、医療用中間体合成試薬、還元剤等として用いられる有用な物質である。
従来のヨウ化水素酸の製造方法として、水素ガスと昇華させたヨウ素蒸気に白金触媒を用いて、気相反応を行う方法、あるいは硫化水素によりヨウ素を還元する方法が多くの文献に示されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。この方法において、水素ガスを使う反応は危険性が高く、硫化水素を使う方法も毒性の面から問題がある。
電気透析によってヨウ素廃液などからヨウ化水素酸を生成する製造方法(例えば、特許文献1及び2参照)も存在するが、このような方法では、ヨウ素に起因するイオン交換膜の劣化や製造に大量の電力を使用するために、工業的な生産をするには製造コストがかかるという問題がある。
また、ヨウ素と赤リンを使った反応はヨウ化水素酸の工業的製法として知られている(例えば、特許文献3、非特許文献1及び2参照)。この製造方法は、比較的安価にヨウ化水素酸を製造できるというメリットがあるが、原料である赤リンは消防法の規制があり、大量生産の阻害要因の一つとなっている。また、この製法では、河川等の富栄養化の問題として社会問題化し、現在では水質汚濁防止法によって排水規制の対象のリンを原料として使用するので、リンを含む工場排水等が排出されるリスクがある。また、リンを含む排水の処理方法としては凝集沈殿法、生物処理法、イオン交換法等の方法が知られているが、簡易な方法は少なく、環境負荷低減の観点からリンを使用しない製造方法が望まれていた。
また、特許文献4には、ヨウ素をヨウ化水素酸に還元する還元剤としてリン酸系の還元剤を使用した製造例が示されている。リン酸系の還元剤は反応後リン酸として系内に残存し、リン酸の除去操作が必要となる。
また、ヨウ素と反応させる還元剤を、取り扱いが簡便であり、製造コストが抑えられ、環境負荷が小さい還元剤であるギ酸に変更するという改善策がある。特許文献5によれば、ヨウ素をヨウ化水素に還元する還元剤として、シュウ酸、ギ酸、又はヒドラジンが挙げられ、反応式(1)〜(3)が示されている。
+ H ⇒ 2HI + 2CO …(1)
+ HCOOH ⇒ 2HI + CO …(2)
2I + N ⇒ 4HI + N …(3)
特開2011−157237号公報 特開2009−23847号公報 中国特許公開第101935021号明細書 特開平8−59205号公報 特開2006−151700号公報
松岡敬一郎著、 「改訂・増補ヨウ素綜説」霞ヶ関出版、 1974年 化学大辞典編集委員会編、 「化学大辞典 縮小版39版」共立出版、 1962年
しかしながら、特許文献5において、シュウ酸等の還元剤を用いたヨウ素の還元反応について具体的な反応条件は記載されていない。また、その他文献においても、シュウ酸等の還元剤を使用しヨウ化水素酸を工業的に製造した公知例及び実績は確認されていない。本発明者らが実際に実験したところによると、還元剤としてシュウ酸を用いた場合には、十分な収率が得られないことが明らかとなった。また、実際にギ酸とヨウ素を用い、日本工業規格K8917のヨウ化水素酸(55%)のような濃度を得ようとした反応を試みたが、例えば、特許文献4の実施例等に記載されるような一般的な反応条件で反応させてもギ酸の反応性が悪いため、未反応のヨウ素が大量に残存し、目的の濃度のヨウ化水素酸を得ることができなかった。この点について、特許文献5では、製造されたヨウ化水素酸を水素源として用いており、ヨウ化水素酸は、製造後、熱分解により水素とヨウ素に分解される(特許文献5の段落[0002]〜[0009])。生成したヨウ素は再びヨウ化水素酸の製造に再利用できる。そのため、特許文献5では、反応後の未反応のヨウ素量を低減する必要性に乏しく、残存するヨウ素を低減する方法が示されていない。
このように、ヨウ素とギ酸の反応において、ギ酸の反応性が悪く、未反応のヨウ素が大量に残存し、高い収率で得ることができない。ヨウ化水素酸には日本工業規格K8917に示されるように、遊離ヨウ素に関する規格がある。そのため、未反応ヨウ素とヨウ化水素酸とを分ける必要があり、未反応ヨウ素が大量に存在すると除去及び分離操作の工程が増え、ロスを増加させてしまう要因となる。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、収率が高く、操作が簡便であり、製造コストが抑えられ、かつ環境負荷が小さいヨウ化水素酸の製造方法を提供することを目的とする。また、当該製造方法で得られたヨウ化水素酸を用いたヨウ化金属水溶液の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を行ったところ、ある一定のヨウ素濃度範囲において加熱して反応を進行させることで、効率よくギ酸が反応し、未反応のヨウ素が非常に少なくなることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のヨウ化水素酸の製造方法は、ギ酸及びヨウ素を含有すると共にヨウ素及びヨウ化物イオンの濃度の合計が1〜22.5質量%である水溶液を加熱処理してヨウ化水素酸を得る反応工程を備える。
上記水溶液におけるヨウ化物イオンの含有量がヨウ素の含有量に対して0.5当量以上であると好ましい。
上記水溶液におけるギ酸の含有量がヨウ素の含有量に対して1.2当量以上であると好ましい。
上記反応工程の後に、上記水溶液を加熱して溶媒を蒸発させることによって濃縮させる第1の濃縮工程をさらに備えると好ましい。
上記第1の濃縮工程の後に、上記水溶液を絶対圧14.4kPa以下の減圧下、加熱して溶媒を蒸発させることによって濃縮させ、57質量%以上の濃度のヨウ化水素酸を得る第2の濃縮工程をさらに備えると好ましい。
本発明のヨウ化金属水溶液の製造方法は、上記製造方法によって得られたヨウ化水素酸を金属化合物水溶液と混合してヨウ化金属水溶液を得るものである。
本発明によれば、収率が高く、操作が簡便であり、製造コストが抑えられ、かつ環境負荷が小さいヨウ化水素酸の製造方法を提供することができる。したがって、工業的にヨウ化水素酸を製造する場合には、本発明の製造方法がおおいに役立つ。また、本発明によれば、当該製造方法で得られたヨウ化水素酸を用いたヨウ化金属水溶液の製造方法を提供することができる。
(反応工程)
本実施形態のヨウ化水素酸の製造方法は、ギ酸及びヨウ素を含有すると共にヨウ素及びヨウ化物イオンを含む化合物の濃度の合計が1〜22.5質量%である水溶液を加熱処理してヨウ化水素酸を得る反応工程を備える。水溶液におけるヨウ素及びヨウ化物イオンを含む化合物の濃度の合計は、2〜20質量%であると好ましく、5〜15質量%がより好ましい。なお、反応前の水溶液には、ヨウ化物イオンが含まれていなくてもよい。ヨウ素濃度が22.5質量%よりも大きい場合、反応が完結せず、未反応のヨウ素が大量に残存してしまう。また、ヨウ素濃度が1質量%未満では、濃縮する際に蒸発させる水の量が多くなり、そのための設備も大きくなるため、コストが増大する。
本実施形態の製造方法において、水溶液における還元剤であるギ酸の含有量は、反応に用いられるヨウ素の含有量に対し、1.0当量以上であると好ましく、1.2当量以上であるとより好ましく、1.2〜2.0当量の範囲であるとさらに好ましい。ギ酸の含有量が1.0当量以上である場合、反応が円滑に進行するため反応中の残存ヨウ素量を低減することができる。また、ギ酸の含有量が2.0当量より多くても反応を進行させる上で問題はないが、2.0当量以下である場合、未反応のギ酸を低減させることができ、コストを削減できる傾向にあるためより好ましい。なお、ここで言う当量とは、ヨウ素分子1モルに対するギ酸のモル量(モル当量)を言う。
本実施形態の製造方法において、水溶液にヨウ化物イオンを含む化合物を添加しても良い。ヨウ化物イオンを含む化合物の添加量としては、ヨウ素の含有量に対するヨウ化物イオンの含有量として0.5当量以上であると好ましく、1当量以上であるとより好ましく、1.5〜2.0当量の範囲であるとさらに好ましい。水溶液におけるヨウ化物イオンの含有量が1当量以上であればヨウ素の溶解性を充分に向上させられるため好ましい。なお、ここで言う当量とは、ヨウ素分子1モルに対するヨウ化物イオンのモル量(モル当量)を言う。また、ヨウ化物イオンを含む化合物としては、特に制限はないが、ヨウ化水素、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化ルビジウム、ヨウ化ストロンチウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化バリウム等が挙げられ、このうち好適な例としてヨウ化水素、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムが挙げられ、ヨウ化水素が特に好ましい。
水溶液にヨウ化物イオンを添加することで、以下の反応式(4)に従いヨウ素が三ヨウ化物イオンとして溶液中に溶解し、加熱操作によるヨウ素蒸気の発生が抑制され、操作上の危険性が減少する。
+ I ⇒ I …(4)
また、ヨウ素がヨウ素蒸気として系外へ昇華又は飛散することを抑制できるため、ヨウ化物イオンを含む化合物を添加することで反応収率が向上し、効率の良い反応の進行が可能となる。
本実施形態における水溶液における調製方法としては、例えば、ヨウ素、ギ酸、ヨウ化物イオンを含む化合物等の反応物を水に添加する方法が挙げられる。添加の仕方としては、反応物の全量を一括して加熱処理の前に(例えば室温(25℃等)で)水に添加して水溶液を調製してもよい。本実施形態では、水溶液におけるヨウ素の濃度が比較的低いため、反応物を一括して添加してもヨウ素蒸気の発生を抑えることができる。また、原料としてヨウ化物イオンを含む化合物を使用する場合、上記(4)式のとおり、ヨウ素が三ヨウ化物イオンとして溶解するため、一括添加してもヨウ素蒸気の発生を抑えることができる。なお、反応物は、反応中に連続的又は間欠的に添加してもよい。
上記水溶液に加熱処理を行うことにより、ヨウ素とギ酸を反応させてヨウ化水素酸を得ることができる。加熱処理の温度としては、79〜105℃で十分にヨウ化水素酸を製造することが可能であり、好ましくは81〜105℃であり、より好ましくは90〜99℃である。加熱処理は常圧下で行ってよい。加熱処理の温度が79℃以上である場合、反応が円滑に進行し、105℃以下である場合には、反応液よりヨウ素蒸気が発生することによる収率の低下を抑制することができる。加熱処理の時間としては、特に制限はないが、3〜48時間とすることができる。
分子動力学の観点から、通常、反応物の濃度が高ければ高いほど、反応物同士の衝突頻度が増し、反応が発生する確率が高くなり、結果として反応速度が増加し収率が良くなると考えられる。
しかしながら、ヨウ素とギ酸の反応では、反応物の濃度が高ければ高いほど収率は悪化した。この理由としては、ヨウ素とギ酸の反応では、何らかの中間生成物を経由して反応しており、また、その中間生成物の生成には、濃度が関係していることから水が関与しているのではないかと考えるに至った。つまり、ギ酸とヨウ素を含む水溶液では、上記式(2)で示されるようなヨウ素とギ酸の直接反応だけでなく、以下の反応式(5)〜(6)で示されるように、ヨウ素が加水分解して発生した次亜ヨウ素酸とギ酸の反応が進行しているためであると考えられる。
+ HO ⇔ HI + HIO …(5)
HIO + HCOOH → HI + CO + HO …(6)
(5)式は可逆反応であるため、系内のヨウ化水素の濃度が高いと平衡は左に傾く。したがって、ヨウ素の濃度が高いと収率が悪化したと考えられる。
また、リン酸等の従来ヨウ素の還元剤として使用されてきた化合物は、HIOとの反応性が高いため、(5)式の正反応が起こった後、速やかにHIOと反応することができる。しかしながら、ギ酸はリン酸等に比べて反応性が低いため、(6)式の反応速度が比較的小さく、(5)式の逆反応の影響が無視できなくなる。そのため、ギ酸を用いた反応では、ヨウ素イオン濃度を低くして生成するヨウ化水素の濃度が高くなり過ぎないように反応を進めることで収率を向上できたものと考えられる。
(第1の濃縮工程)
本実施形態の製造方法は、加熱して溶媒を蒸発させることによって濃縮させる第1の濃縮工程をさらに備えてもよい。第1の濃縮工程は、水溶液におけるヨウ化水素の濃度が57質量%未満の範囲となるまで行うことが好ましく、55質量%以下の範囲となるまで行うことがより好ましい。第1の濃縮工程において、ヨウ化水素の濃度が57質量%未満であれば、後述のギ酸熱分解工程においてヨウ化水素酸の蒸発を抑制することができる。また、第1の濃縮工程により、ヨウ化水素の濃度を45質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上であるとより好ましい。ヨウ化水素酸の濃度が45質量%以上であると、後述のギ酸熱分解工程の間に未反応のギ酸を効率よく分解できる傾向にある。
(ギ酸熱分解工程)
第1の濃縮工程の後、未反応のギ酸を分解するために、ギ酸熱分解工程を備えていてもよい。ギ酸熱分解工程では、第1の濃縮工程よりも高い温度で水溶液を加熱する。上述のとおり、ギ酸熱分解工程を行う際の水溶液におけるヨウ化水素の濃度としては、45質量%以上57質量%未満であると好ましく、50〜56質量%であるとより好ましい。ギ酸熱分解工程の加熱温度としては、ギ酸の熱分解を効率よく行える観点から、105〜135℃であると好ましく、120〜130℃であるとより好ましい。また、ギ酸熱分解工程の時間としては、10時間以上であると好ましい。
(第2の濃縮工程)
第1の濃縮工程又はギ酸熱分解工程の後に第2の濃縮工程を備えていてもよい。第2の濃縮工程では、水溶液を絶対圧14.4kPa以下の減圧下で加熱して溶媒を蒸発させることによって濃縮させ、57質量%以上の濃度のヨウ化水素酸を得る。絶対圧14.4kPa以下の減圧下で濃縮した場合、ヨウ化水素と水の共沸混合物(57質量%)以上の濃度を有するヨウ化水素酸を得ることができ、絶対圧が4.00kPa以下であると好ましく、絶対圧0.133kPa以下であるとより好ましい。
本実施形態の製造方法によって得られたヨウ化水素酸は、反応の副生成物が二酸化炭素のみであるため、不純物が非常に少ない。特許文献1及び2では、電気化学的製法によってヨウ化水素酸を得ているが、溶液中に不純物が含まれているため、溶液を全量蒸発させ、ヨウ化水素酸を留分として得る精製及び濃縮操作が必要となる。しかし、本実施形態の製造方法で得られた反応後溶液は、不純物が少ないため水分のみを蒸発させ濃縮することで、純度及び濃度の高いヨウ化水素酸を得ることができる。なお、反応溶液の濃縮は減圧下〜加圧下の広い範囲の条件で可能である。
また、副生成物が二酸化炭素のみとなり、不純物が非常に少ないという特徴を利用し、得られた反応溶液を任意の金属化合物に添加することによって、容易にヨウ化金属水溶液を得ることが可能である。金属化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化バナジウム、水酸化クロム、水酸化マンガン、水酸化鉄、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、水酸化銅、水酸化亜鉛、水酸化カドミウム、水酸化アルミニウム、水酸化ガリウム、水酸化インジウム、水酸化タリウム、水酸化ゲルマニウム、水酸化スズ、水酸化鉛、水酸化アンチモン、水酸化ビスマス、水酸化ポロニウム等の金属元素の水酸化物や、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、炭酸バナジウム、炭酸クロム、炭酸マンガン、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸ニッケル、炭酸銅、炭酸銀、炭酸亜鉛、炭酸カドミウム、炭酸アルミニウム、炭酸ガリウム、炭酸インジウム、炭酸タリウム、炭酸ゲルマニウム、炭酸スズ、炭酸鉛、炭酸アンチモン、炭酸ビスマス、炭酸ポロニウム等の金属元素の炭酸塩、そして、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ルビジウム、酸化セシウム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化バナジウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化銅、酸化銀、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化インジウム、酸化タリウム、酸化ゲルマニウム、酸化スズ、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化ポロニウム等の金属元素の酸化物などが挙げられ、このうち好適な例としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。
<実施例1〜6及び比較例1〜3>
実施例1〜6として、それぞれ表1〜6の組成の水溶液を調製し、当該水溶液に加熱処理を行った。加熱温度は、いずれも93〜96℃であった。
また、比較例1〜3として、それぞれ表7〜9の組成の水溶液を調製し、当該水溶液に加熱処理を行った。なお、比較例3ではギ酸に代えてシュウ酸を用いた。加熱温度は、いずれも93〜96℃であった。
表1〜9において、反応工程における組成は各加熱時間における水溶液の組成を示す(質量%)。また、収率は以下の式で計算した。
(収率)=(生成したHI(mol)÷2)/(投入したI(mol))×100
Figure 0006330064
Figure 0006330064
Figure 0006330064
Figure 0006330064
Figure 0006330064
Figure 0006330064
Figure 0006330064
Figure 0006330064
Figure 0006330064
<実施例7>
実施例7として、加熱処理の温度を79℃とした以外は、実施例4と同様の条件で水溶液を調製し、反応工程を行った。結果を表10に示す。
Figure 0006330064
<実施例8>
実施例8として、表11に示すように、実施例4からギ酸の当量のみを変更した以外は実施例4と同様の条件で水溶液を調製し、反応工程を行った。
Figure 0006330064
<実施例9>
実施例9として、表12に示すように、ヨウ化物イオンを含む化合物を水溶液に添加しなかったこと以外は、実施例1と同じ方法で加熱処理を行った。
Figure 0006330064
<実施例10〜12(ギ酸熱分解工程)>
実施例10として、ギ酸熱分解工程用に調整した水溶液に対してギ酸熱分解工程を行った。ギ酸熱分解工程に供する前の水溶液の組成は、ヨウ素(0.4質量%)、水(42.5質量%)、ギ酸(2.0質量%)、ヨウ化水素(55.1質量%)であった。当該水溶液1000gを2Lフラスコに投入し、品温127℃にて撹拌しながら還流させ、褐色溶液を得た。各時間におけるギ酸濃度をイオンクロマトグラフィーによって測定した。結果を表13に示す。表13に示されるように、ギ酸濃度が15時間後には定量限界値以下(0.002質量%以下)となっていた。
実施例11として、ギ酸熱分解工程用に調整した水溶液に対してギ酸熱分解工程を行った。ギ酸熱分解工程に供する前の水溶液の組成は、ヨウ素(0.4質量%)、水(42.5質量%)、ギ酸(2.0質量%)、ヨウ化水素(55.1質量%)であった。当該水溶液1000gを2Lフラスコに投入し、品温110℃にて撹拌しながら還流させ、褐色溶液を得た。各時間におけるギ酸濃度をイオンクロマトグラフィーによって測定した。結果を表13に示す。
実施例12として、ギ酸熱分解工程用に調整した水溶液に対してギ酸熱分解工程を行った。ギ酸熱分解工程に供する前の水溶液の組成は、ヨウ素(0.4質量%)、水(42.5質量%)、ギ酸(2.0質量%)、ヨウ化水素(45質量%)であった。当該水溶液1000gを2Lフラスコに投入し、品温116℃にて撹拌しながら還流させ、褐色溶液を得た。各時間におけるギ酸濃度をイオンクロマトグラフィーによって測定した。結果を表13に示す。
Figure 0006330064
<実施例13〜15(第2の濃縮工程)>
それぞれ表14〜16に示す組成の水溶液をそれぞれ2Lフラスコに投入し、真空ポンプで反応容器内を減圧して第2の濃縮工程を行った。実施例13〜15において、減圧時の圧力(絶対圧)はそれぞれ0.133kPa、4.00kPa及び9.33kPaであった。実施例13〜15について、第2の濃縮工程終了後の水溶液の組成を表14〜16に示す。
Figure 0006330064
Figure 0006330064
Figure 0006330064
実施例13〜15では、投入した水溶液に対して、得られた57質量%以上のヨウ化水素酸の収率は、それぞれ90.9%、66.4%及び31.8%であった。これらの結果から、減圧時の圧力(絶対圧)と57質量%以上のヨウ化水素酸の収率とは直線関係があり(R=0.99997)、57質量%のヨウ化水素酸を得るには14.4kPa以下の減圧下で濃縮する必要があると考えられる。

Claims (6)

  1. ギ酸及びヨウ素を含有すると共にヨウ素及びヨウ化物イオンの濃度の合計が1〜22.5質量%である水溶液を加熱処理してヨウ化水素酸を得る反応工程を備える、ヨウ化水素酸の製造方法。
  2. 前記水溶液におけるヨウ化物イオンの含有量がヨウ素の含有量に対して0.5当量以上である、請求項1に記載のヨウ化水素酸の製造方法。
  3. 前記水溶液におけるギ酸の含有量がヨウ素の含有量に対して1.2当量以上である、請求項1又は2記載のヨウ化水素酸の製造方法。
  4. 前記反応工程の後に、前記水溶液を加熱して溶媒を蒸発させることによって濃縮する第1の濃縮工程をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヨウ化水素酸の製造方法。
  5. 前記第1の濃縮工程の後に、前記水溶液を絶対圧14.4kPa以下の減圧下、加熱して溶媒を蒸発させることによって濃縮し、57質量%以上の濃度のヨウ化水素酸を得る第2の濃縮工程をさらに備える、請求項4に記載のヨウ化水素酸の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法によって得られたヨウ化水素酸を金属化合物と混合してヨウ化金属水溶液を得る、ヨウ化金属水溶液の製造方法。
JP2017002088A 2017-01-10 2017-01-10 ヨウ化水素酸の製造方法及びヨウ化金属水溶液の製造方法 Active JP6330064B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017002088A JP6330064B1 (ja) 2017-01-10 2017-01-10 ヨウ化水素酸の製造方法及びヨウ化金属水溶液の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017002088A JP6330064B1 (ja) 2017-01-10 2017-01-10 ヨウ化水素酸の製造方法及びヨウ化金属水溶液の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6330064B1 true JP6330064B1 (ja) 2018-05-23
JP2018111618A JP2018111618A (ja) 2018-07-19

Family

ID=62186723

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017002088A Active JP6330064B1 (ja) 2017-01-10 2017-01-10 ヨウ化水素酸の製造方法及びヨウ化金属水溶液の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6330064B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114096511A (zh) * 2019-04-02 2022-02-25 索尔股份公司 有机碘化物的合成方法、包含有机碘化物的钙钛矿形成用组合物和具有由此获得的钙钛矿层的光伏电池

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SU497233A1 (ru) * 1974-02-12 1975-12-30 Предприятие П/Я А-7815 Способ получени йодистого кали
SU560826A1 (ru) * 1975-11-19 1977-06-05 Предприятие П/Я А-7815 Способ получени иодистого кали
JPH01261224A (ja) * 1988-04-13 1989-10-18 Ise Kagaku Kogyo Kk ヨウ化アルカリの製造法
JPH07242414A (ja) * 1994-03-04 1995-09-19 Mitsui Toatsu Chem Inc ヨウ化アルカリ金属塩類の製造方法
JPH0859205A (ja) * 1994-08-16 1996-03-05 Mitsui Toatsu Chem Inc ヨウ化水素酸の製造方法
JP2006151700A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Toshiba Corp 水素生成物質の製造方法及びその装置
WO2009096446A1 (ja) * 2008-01-31 2009-08-06 Nippoh Chemicals Co., Ltd. ヨウ素化合物製造システムおよび製造方法
CN102101683A (zh) * 2010-12-20 2011-06-22 庄朝晖 碘化钾的制备方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SU497233A1 (ru) * 1974-02-12 1975-12-30 Предприятие П/Я А-7815 Способ получени йодистого кали
SU560826A1 (ru) * 1975-11-19 1977-06-05 Предприятие П/Я А-7815 Способ получени иодистого кали
JPH01261224A (ja) * 1988-04-13 1989-10-18 Ise Kagaku Kogyo Kk ヨウ化アルカリの製造法
JPH07242414A (ja) * 1994-03-04 1995-09-19 Mitsui Toatsu Chem Inc ヨウ化アルカリ金属塩類の製造方法
JPH0859205A (ja) * 1994-08-16 1996-03-05 Mitsui Toatsu Chem Inc ヨウ化水素酸の製造方法
JP2006151700A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Toshiba Corp 水素生成物質の製造方法及びその装置
WO2009096446A1 (ja) * 2008-01-31 2009-08-06 Nippoh Chemicals Co., Ltd. ヨウ素化合物製造システムおよび製造方法
CN102101683A (zh) * 2010-12-20 2011-06-22 庄朝晖 碘化钾的制备方法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
DHAR,N.: "LXII.-Catalysis. Part IV. Temperature coefficients of catalysed reactions", JOURNAL OF THE CHEMICAL SOCIETY, vol. Vol.111, JPN6018012399, 1917, GB, pages 707 - 762 *
HAMMICK,D.L.: "CXLIV.-The rate of reaction between formic acid and iodine in aqueous solution", JOURNAL OF THE CHEMICAL SOCIETY, vol. Vol.129, JPN6018012397, 1926, GB, pages 1105 - 1108 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114096511A (zh) * 2019-04-02 2022-02-25 索尔股份公司 有机碘化物的合成方法、包含有机碘化物的钙钛矿形成用组合物和具有由此获得的钙钛矿层的光伏电池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018111618A (ja) 2018-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3024779B1 (en) Synthesis of hydrogen bis(fluorosulfonyl)imide
JP6935399B2 (ja) イソプロピルアルコールの製造方法
WO2013180174A1 (ja) シュウ酸を配位子とする金属錯体精製物及び該金属錯体の非水溶媒精製溶液の製造方法
TWI534075B (zh) Purification method of difluorophosphate
JP2021119113A (ja) 四フッ化硫黄の製造方法
JPWO2010061838A1 (ja) フッ化水素の精製方法
JP2010042939A (ja) フッ化物ガスの製造方法
JP6330064B1 (ja) ヨウ化水素酸の製造方法及びヨウ化金属水溶液の製造方法
WO2013172190A1 (ja) イミド酸化合物の製造方法
RU2419604C2 (ru) Способ получения ангидрида трифторметансульфокислоты
JP6144077B2 (ja) カーボネートの精製方法
JP7359141B2 (ja) ヘキサフルオロ-1,3-ブタジエンの製造方法
KR20150026729A (ko) 알코올류의 산화 방법
KR970002901B1 (ko) 로듐 화합물을 안정화하는 방법
EP3878845B1 (en) Perfluoro(2-methylene-4-methyl-1,3-dioxolane) production method
JP6550927B2 (ja) ヨウ化アルキル化合物の製造方法
JP5188475B2 (ja) 2−(3−ニトロベンジリデン)アセト酢酸イソプロピルの製造方法
JP5485583B2 (ja) ジアリールヨードニウム化合物の製造方法
JP2014195753A (ja) モノメチル硫酸塩のアルカリ性水溶液の処理方法
US20040146453A1 (en) Process for the synthesis of BrSF5
JPS5929633A (ja) 酢酸塩水溶液から酢酸を回収する方法
JP2007145815A (ja) トリフルオロメタンスルホン酸無水物の製造方法。
DE1917032A1 (de) Verfahren zur Herstellung von Percarbonsaeureloesungen
JPS61268641A (ja) 3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシジフエニルの製造法
JP7335269B2 (ja) クエン酸第二鉄水和物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180228

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180228

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180417

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180423

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6330064

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250