JP2006070254A - フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 孔径が略均一のハニカム構造フィルムを得る。
【解決手段】 ポリ−ε−カプロラクトンと両親媒性ポリアクリルアミドとを有機溶媒に溶解させて高分子溶液21を調製する。高分子溶液21を流延ダイ25から流延ベルト26上に流延してキャスト膜40を形成する。送風吸引機30から風35をキャスト膜40に送風して結露させ、水滴を生じさせる。流延ベルト26の移動速度に対する乾燥風41の相対速度を並流で5m/minに調整する。キャスト膜40中に乾燥風41の水分が結露して水滴が形成される。キャスト膜40中の有機溶媒が蒸発された後に水滴を蒸発させることでハニカム構造のフィルム12を得ることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フィルムの製造方法に関し、より詳しくは微細パターン構造を有するフィルムの製造方法に関するものである。
今日、光学材料や電子材料の分野では、集積度の向上や情報量の高密度化、画像情報の高精細化といった要求がますます大きくなっている。そのため、それら分野に用いられるフィルムにも微細な構造の形成(微細パターニング)が強く求められている。このようなフィルムにおける微細な構造を、以下の説明において微細パターン構造と称する。また、再生医療分野の研究においては、表面に微細な構造を有する膜が、細胞培養する足場となる基材として有効である(例えば、特許文献1参照。)
フィルムの微細パターニングには、マスクを用いた蒸着法、光化学反応ならびに重合反応を用いた光リソグラフィー技術、レーザーアブレーション技術など種々の方法が実用化されている。
特殊な構造を有するポリマーの希薄溶液を高湿度下でキャストすることで、ミクロンスケールのハニカム構造を有するフィルムが得られることが知られている(例えば、特許文献2参照)。また、このハニカム構造を有するフィルムに機能性微粒子を含有させたものは光学及び電子材料として用いられている。例えば、フィルム中に発光材料体を含有させることで、このフィルムは表示デバイスとして用いられる(例えば、特許文献3参照。)。
また、偏光板にも微細パターニングが形成されているフィルムが用いられている。このようなフィルムとしては、例えば、モスアイ構造を有する反射防止機能を発現するフィルムがある。このフィルムは、サブミクロン〜数十ミクロンサイズの規則正しい微細パターニングが形成されている。その形成方法の中でも主流であるのは、光リソグラフィーを中心としたマイクロ加工技術を用いた版を作成し、その版の構造をフィルムに転写する方法である(例えば、特許文献4参照。)。
特開2001−157574号公報 特開2002−335949号公報 特開2003−128832号公報 特開2003−302532号公報
前記特許文献4に記載の方法はトップダウン方式と呼ばれ、この方法では上記のように、微細構造を決定する版を作製する。版の作製は、複雑でいくつもの工程を必要とし、高いコストが必要とされる。また、大きな面積の版を製造することが困難であるという問題も生じている。
本発明の目的は、均一なハニカム構造またはモスアイ構造のフィルムを大面積に安価で連続的または断続的に製造するフィルムの製造方法を提供することである。
本発明のフィルムの製造方法は、有機溶媒と高分子化合物とを含む液を支持体上にキャストして膜を形成し、空隙が形成されたフィルムを製造する方法において、前記膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記フィルムを製造する。なお、液滴を形成するものとしては水及び前記有機溶媒と混合しない溶媒を用いることができる。前記膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記フィルムを製造する際に、前記膜の表面温度をTL(℃)とした場合に、露点がTD1(℃)であり且つTD1(℃)−TL(℃)≧0℃となる第1ゾーンに前記膜を搬送して通過させることが好ましい。第1ゾーンでは、膜の表面温度TLと露点TD1とが80℃≧TD1(℃)−TL(℃)の条件を満たすことが好ましく、第1ゾーンに入るときの膜の表面温度TLと、第1ゾーンの直前の露点と、第1ゾーンの直後の露点との各ばらつきが、いずれも±3℃以内であることが好ましい。前記第1ゾーンで、前記膜に風を送り前記風中の水分を結露させて液滴を形成し、前記風と搬送される前記膜との相対速度が、0.1m/s以上20m/s以下の範囲であることが好ましい。そして、相対速度のばらつきを相対速度の平均値に対して±20%以内とすることが好ましい。
前記膜を前記第1ゾーンに通過させた後に、露点がTD2(℃)であり且つTL(℃)−TD2(℃)≧1℃となる第2ゾーンに前記膜を搬送して通過させることが好ましい。第2ゾーンでは、膜の表面温度TLと露点TD2とが80℃≧TL(℃)−TD2(℃)の条件を満たすことが好ましく、第2ゾーンに入るときの膜の表面温度TLと、第2ゾーンの直前のエリアの露点と、第2ゾーンの直後のエリアの露点との各ばらつきが、いずれも±3℃以内であることが好ましい。第1ゾーン内に前記膜が通過する時間を0.1秒以上100秒以下の範囲で調整することにより、前記空隙の形態を調整することが好ましい。前記第1ゾーンでの前記膜の搬送角度が、水平方向に対して±10°以内であることが好ましい。第1ゾーンに至る前記膜の搬送路と水平方向とのなす角は10°以内であることが好ましく、第2ゾーンでは、前記膜に風を送ることにより前記液滴と前記溶媒とを前記膜中から蒸発させることが好ましい。前記第1ゾーンまたは前記第2ゾーンの風の給気口の塵埃度が、クラス1000以下であることが好ましい。
前記フィルムが、ハニカム構造をもつことが好ましい。前記膜の表面温度TL(℃)を0℃以上とすることが好ましい。前記支持体の温度を0℃以上且つ前記有機溶媒の沸点より低い温度に保ち、前記支持体の幅方向に対して前記膜の表面温度の温度分布を±3℃以内とすることが好ましい。
前記支持体が、エンドレス部材から形成されているものであって、前記フィルムのみを前記エンドレス部材から剥ぎ取ることが好ましい。前記支持体が、フレキシブル部材から形成されているものであって、前記フィルムのみを前記フレキシブル部材から剥ぎ取ることが好ましい。前記支持体が、フレキシブル部材を有するものであって、前記フレキシブル部材と前記フィルムとを前記支持体から剥ぎ取ることが好ましい。前記フレキシブル部材が、高分子化合物から形成されていることが好ましい。前記フレキシブル部材が、前記有機溶媒の一部を吸収する性質を有することが好ましい。前記フレキシブル部材が、前記フィルムの一部を構成することが好ましい。
前記液のキャストを、スライド法,エクストリュージョン法,バー法,グラビヤ法の少なくともいずれか1つの方法により行うことが好ましい。前記液の蒸発を、減圧乾燥法,2Dノズル法の少なくともいずれか1つの方法により行うことが好ましい。前記膜または前記フィルムに紫外線照射または電子線照射の少なくともいずれかが行われることが好ましい。
前記液の粘度をN1、前記液滴の粘度をN2とするとき、N1<N2とすることが好ましい。また、前記有機溶媒と前記液との少なくともいずれか一方がろ過されて異物が除去されるろ過工程を製造工程中に有することが好ましい。空隙の径よりも大きな絶対ろ過精度のフィルタでろ過する第1の前記ろ過工程を有することがより好ましく、前記第1ろ過工程の後に、前記空隙の径よりも小さな絶対ろ過精度のフィルタでろ過する第2の前記ろ過工程を有することがさらに好ましい。
有機溶媒の蒸発速度をV1とし、前記液滴の蒸発速度をV2とするとき、V1>V2とすることが好ましい。前記液は、前記フィルムに機能を付与するための微粒子を含み、この微粒子を含んだフィルムを形成することも好ましい。微粒子をマイクロカプセルとすることも好ましい。そして、上記製造方法では、液滴の形成、及び、前記有機溶媒と前記液滴との蒸発により、前記膜は自己組織化して前記空隙が形成されることが好ましい。
また、本発明は、有機溶媒と高分子化合物とを含む液を支持体上にキャストしてキャスト膜を形成し、前記キャスト膜を乾燥させて空隙が複数形成されたフィルムとするフィルム製造する方法において、前記液と異なる物質よりなる液滴を前記キャスト膜上に形成し、キャスト膜から有機溶媒を蒸発させた後に液滴を蒸発させることにより空隙を形成することを特徴として構成されている。
有機溶媒と液滴とは、蒸発速度が互いに異なることが好ましく、キャスト膜の近傍の気体を結露させることにより前記液滴を生じさせることが好ましい。キャスト膜の表面温度をTL(℃)とし、キャスト膜の近傍の気体の露点をTD1(℃)とするとき、TD1≧TLとすることにより気体を前記キャスト膜の露出面上に結露させることが好ましく、キャスト膜の表面温度TLと前記露点TD1(℃)とが80℃≧TD1−TLの条件を満たすことにより前記気体を結露させることが好ましい。有機溶媒の蒸発に伴い液滴がキャスト膜の内部に入り込むことが好ましい。走行する前記支持体の上に前記液を流出させることにより前記キャスト膜を連続的に形成し、支持体の走行速度に対する相対速度が0.1m/s以上20m/s以下である風を送風手段からキャスト膜に送り、結露する気体が、風に含まれる水蒸気であることがより好ましい。
液滴が内部に形成されたキャスト膜の近傍の気体の露点をTD2(℃)とするとき、TL−TD2≧1℃とすることにより、液滴の成長を終了させるとともに溶媒を蒸発させることが好ましく、露点TD2と表面温度TLとは80℃≧TL−TD2の条件を満たすことがより好ましい。
本発明のフィルムの製造方法によれば、有機溶媒と高分子化合物とを含む液を支持体上にキャストして膜を形成し、前記膜中に空隙が形成されたフィルムを製造する方法において、前記膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記フィルムを製造するから、大面積のフィルムを容易に製造することができる。前記膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記フィルムを製造する際に、前記膜の表面温度をTL(℃)とした場合において、露点がTD1(℃)であり且つTD1(℃)−TL(℃)≧0℃となる第1ゾーンに前記膜を1回以上搬送して通過させることで液滴を均一に形成できる。そのため空隙が均一なフィルムを製造することができる。
また、前記第1ゾーンで、前記膜に風を送り前記風中の水分を結露させて液滴を形成するものであって、前記風の送風速度と前記膜の移動速度との相対速度が、0.1m/s以上20m/s以下の範囲とすることで液滴を安価に製造でき、その結果として前記フィルムを安価に製造できる。さらに、前記膜を前記第1ゾーンに通過させた後に、露点がTD2(℃)であり且つTL(℃)−TD2(℃)≧1℃となる第2ゾーンに前記膜を搬送して通過させることで、液滴の蒸発の調整が容易となり、所望の空隙を有する前記フィルムを製造できる。
本発明のフィルムの製造方法によれば、得られるフィルムの空隙をハニカム構造とすることができる。そのフィルムは例えばバイオチップの基材として好ましく用いることができる。
本発明のフィルムの製造方法によれば、前記支持体にエンドレス部材を用い、前記フィルムのみを前記エンドレス部材から剥ぎ取るから、連続的に略同品質のフィルムを製造することができる。また、前記支持体に高分子からなるフレキシブル部材を用いることで、前記有機溶媒の一部を吸収し、所望のフィルムを製造することが可能となる。
本発明に係るフィルムの製造工程図を図1に示す。後述する高分子溶液をキャスト工程10により基板上にキャスト(流延)し、キャスト膜を形成する。その後に、結露乾燥工程11により、結露させて水の液滴つまり水滴を形成させ、この水滴をキャスト膜中に含有させる。なお、結露乾燥工程11は、後に詳細に説明する。高分子溶液の溶媒及び水滴を蒸発させてハニカム構造フィルム12を得る。機能性付与工程13では、ハニカム構造フィルム12に機能性物質を含有させるなどの機能性付与を行い、機能性フィルム14を得る。なお、キャスト膜から機能性フィルム14を得る間に、キャスト膜やハニカム構造フィルム12に光を照射する照射工程15があってもよい。その場合には、照射光として紫外線や電子線を用いることができる。
ハニカム構造フィルム12は高分子化合物を主たる成分として含む。高分子化合物としては、特に限定されず、用途等に応じて決定することができるが、非水溶性溶媒つまり疎水性溶媒に溶解するものが好ましく、例えば、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、アガロース、ポリ−2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリスルホンなどが好ましい。特に、生分解性を必要とする場合や、あるいは、コストや入手の容易さなどの理由からポリ−ε−カプロラクトンが好ましい。なお、疎水性とは親油性を意味することが一般的であるため、疎水性溶媒に溶解する高分子化合物を、以下の説明では親油性高分子化合物と称する。
前記親油性高分子化合物としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ビニル重合ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロペン、ポリビニルエーテル、ポリビニルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリテトラフルオロエチレン等)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸等)、ポリラクトン(例えばポリカプロラクトンなど)、ポリアミド又はポリイミド(例えば、ナイロンやポリアミド酸など)、ポリウレタン、ポリウレア、ポリカーボネート、ポリアロマティックス、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリシロキサン誘導体、などが挙げられる。これらは、溶解性、光学的物性、電気的物性、膜強度、弾性等の観点から、必要に応じてホモポリマーとしてもよいし、コポリマーやポリマーブレンドの形態としてもよい。なお、これらの高分子化合物のうち、必要に応じて2種以上を混合して用いてもよい。
親油性高分子化合物だけでもハニカム構造フィルム12を形成することができるが、親油性高分子化合物に両親媒性の物質を添加することが好ましい。両親媒性物質とは、親水性をもつとともに親油性をももつ物質を意味する。このような両親媒性物質の中でも高分子化合物が好ましく、例としては、例えば両親媒性ポリアクリルアミド等がある。なお、親油性高分子化合物と両親媒性高分子化合物との混合比率は、特に限定されないが、好ましくは重量比で5:1〜20:1である。
両親媒性高分子化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアクリルアミドを主鎖骨格とし、親油性側鎖としてドデシル基、親水性側鎖としてカルボキシル基を併せ持つもの、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、などが挙げられる。親油性側鎖は、アルキレン基、フェニレン基等の非極性直鎖状基であり、エステル基、アミド基等の連結基を除いて、末端まで極性基やイオン性解離基などの親水性基を分岐しない構造であることが好ましい。親油性側鎖は、例えば、アルキレン基を用いる場合には5つ以上のメチレンユニットからなることが好ましい。親水性側鎖は、アルキレン基等の連結部分を介して末端に極性基やイオン性解離基、又はオキシエチレン基などの親水性部分を有する構造であることが好ましい。
前記親油性側鎖と前記親水性側鎖との比率は、その大きさや非極性、極性の強さ、疎水性有機溶媒の疎水性の強さなどに応じて異なり、一概には規定できないが、ユニット比(親油性側鎖/親水性側鎖)は3/1〜1/3が好ましい。また、コポリマーの場合には、親油性側鎖の親水性側鎖の交互重合体よりも、疎水性溶媒への溶解性に影響しない範囲で親油性側鎖と親水性側鎖がブロックを形成するブロックコポリマーであることが好ましい。
前記親油性高分子化合物及び前記両親媒性ポリマーの数平均分子量(Mn)は、1,000〜10,000,000が好ましく、5,000〜1,000,000がより好ましい。
親油性高分子化合物及び両親媒性高分子化合物は、分子内に重合性基を有する重合性(架橋性)高分子化合物であってもよい。また、親油性高分子化合物、両親媒性高分子化合物とともに、重合性の多官能モノマーを配合し、この配合物によりハニカム膜を形成した後、熱硬化法、紫外線硬化法、電子線硬化法等の公知の方法によって硬化処理を施してもよい。
親油性高分子化合物、両親媒性高分子化合物と併用される多官能モノマーとしては、反応性の点から多官能(メタ)アクリレートが好ましい。前記多官能(メタ)アクリレートの例としては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン付加物へキサアクリレート又はこれらの変性物、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマ−、N−ビニル−2−ピロリドン、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、又はこれらの変性物などが使用できる。これらの多官能モノマーは耐擦傷性と柔軟性のバランスから、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。親油性高分子化合物、両親媒性高分子化合物が分子内に重合性基を有する重合性(架橋性)化合物である場合には、その重合性基と反応しうる重合性の多官能モノマーを併用することも好ましい。
上記の中でもエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル開始剤又は熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。したがって、例えば、エチレン性不飽和基を有するモノマー、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤、マット粒子及び無機フィラーを含有する塗布液を調製し、その塗布液を透明な支持体上に塗布した後、電離放射線又は熱による重合反応により硬化すると、反射防止フィルムを製造することができる。
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−アルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。
前記アセトフェノン類としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンなどが挙げられる。
前記ベンゾイン類としては、例えば、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−クロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドなどが挙げられる。
なお、前記光ラジカル重合開始剤としては、最新UV硬化技術(P.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)にも種々の例が記載されている。また、市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,907)等が好ましい例として挙げられる。光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、1〜10質量部の範囲で使用することがより好ましい。前記光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトン、チオキサントン、などが挙げられる。
前記熱ラジカル開始剤としては、例えば、有機過酸化物、無機過酸化物、有機アゾ化合物、有機ジアゾ化合物、などを用いることができる。有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシドなどが挙げられる。無機過酸化物としては、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等が挙げられる。アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(プロピオニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等が挙げられる。前記ジアゾ化合物としては、例えば、ジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
高分子化合物を溶解させて高分子溶液を調製するための溶媒としては、クロロホルム, ジクロロメタン,四塩化炭素、シクロヘキサン、酢酸メチルなどが挙げられる。しかしながら、高分子化合物を溶解させることができる溶媒であれば特に限定されるものではない。また、キャストするときの溶液のポリマー濃度は、キャスト膜を形成できる濃度であれば良く、具体的には、0.1重量%以上30重量%以下の範囲であることが好ましい。0.1重量%未満であると、フィルムの生産性に劣り工業的大量生産に適さないおそれがある。また、30重量%を超える濃度であると、結露乾燥工程11において水滴の成長が十分に行われないうちに乾燥してしまうため、好ましい孔サイズをもつようなハニカム構造フィルムをつくることが困難になることがある。
図2はハニカム構造フィルム12を製造するフィルム製造設備20の概略図、図3はキャスト膜からハニカム構造フィルムができるまでの過程をモデル的に図示した説明図、図4は、ハニカム構造フィルムの概略図である。高分子溶液21がタンク22に入れられている。タンク22には攪拌翼を有する攪拌機23が備えられ、攪拌翼が回転することにより高分子溶液21は均一に混合される。高分子溶液21は、ポンプ24により流延ダイ25に送られる。
ここで、高分子溶液21は、流延ダイ25に送られる前に予めろ過される。これにより、製造されるフィルムへの異物混入を防ぐことができる。ろ過は第1ろ過装置17と第2ろ過装置18とで実施される。このように複数のろ過装置を設けることができるときには、上流側の一方である第1ろ過装置17には、ハニカム構造フィルム12の孔の径よりも大きな絶対ろ過精度(絶対ろ過孔径)をもつフィルタが備えられ、下流側の他方である第2ろ過装置18には、ハニカム構造フィルム12の空隙よりも小さな絶対ろ過精度をもつフィルタが備えられることが好ましい。
第1ろ過装置17を用いることにより、ゲル状の異物を長期間除去することができる。そして、第2ろ過装置18を用いることにより、ゲル状異物の中でも小さなものや、凝集粉体、不純物等を除去することができる。ろ過孔径が小さいものほどより小さな異物を除去することができるが、そのようなフィルタのみの使用であるとフィルタの寿命は短い。そこで、ろ過孔径が大きな方で一度ろ過してから、ろ過孔径が小さな方でろ過することにより、ろ過孔径の小さなフィルタの寿命を長くすることができる。そして、以上のように、フィルタの絶対孔径を、ハニカム構造フィルム12の孔の大きさを基準として選定することにより、ハニカム構造フィルム12における規則的構造の形成を阻害する異物が除去され、均一な孔が規則的に配列したハニカム構造フィルム12を得ることができるという効果がある。なお、高分子化合物と混合する前の溶媒について、第1,第2ろ過装置17,18と同様なろ過装置でろ過してもよい。
流延ダイ25は流延ベルト26上に備えられており、流延ベルト26は回転ローラ27,28に掛け渡されている。回転ローラ27,28が図示しない駆動装置により回転することで、流延ベルト26は連続走行する。回転ローラ27,28は、温調機29により温度を調整され、これにより、回転ローラ27,28に接触する流延ベルト26は温度を制御される。フィルム製造設備20は、さらに、流延ベルト26上のキャスト膜40を剥ぎ取る際に、流延ベルト26から剥離したハニカム構造フィルム12を支持する剥取ローラ30と,ハニカム構造フィルム12を巻き取る巻取機31とを備える。
キャスト工程では、流延ダイ25から流延ベルト26上に高分子溶液21がキャストされる。このキャスト工程の後の結露乾燥工程については、図2と図3とを合わせて説明する。図3(a)に示すように流延ベルト26上に形成されたキャスト膜40は、その表面温度(以下、膜面温度と称する)TL(℃)が0℃以上とされることが好ましい。膜面温度TLが0℃未満であると、キャスト膜40の中の水滴が凝固してしまい、そのため所望のサイズの孔が所望の様態でフィルム中に形成されないことがある。
流延が行われる流延室38の内部は、水滴をキャスト膜40の上に生じさせてこの水滴を成長させるための結露ゾーン32と、キャスト膜40に空隙を複数形成するために溶媒と水滴とを蒸発させるための乾燥ゾーン33とに区画されている。これらの各ゾーン32,33を経ることにより、キャスト膜40は自己組織化して所定の様態の空隙を有するフィルムとなる。結露ゾーン32には送風吸引機34が備えられ、この送風吸引機34は、風35を流延ベルト26上のキャスト膜40に送るとともに、風35を吸引する。送風吸引機34には、風の温度、湿度、風量と吸引力とを独立制御するための送風コントローラ(図示せず)が備えられており、送風条件を制御することにより水滴の生成及び成長が制御される。なお、水滴の成長とは、水滴が大きくなること、水滴の大きさの均一化が進むこと、水滴の大きさの変化に関わらず数が増えて細密に形成されることを意味する。送風吸引機34は、風を送る給気系で、風の温度と露点とを制御するとともに、塵埃度、つまり風の清浄度を保つためのフィルタを備える送風口とこれを排気する吸引口とを備える。送風口と吸引口とは、具体的には、図2に示すように送風口201a,202a,203aと吸引口201b,202b,203bとを有する。送風口201aからの風は吸引口201bから、送風口202aからの風は吸引口202bから、送風口203aからの風は吸引口203bからそれぞれ吸排気される。これにより、結露条件をキャスト膜の走行方向に沿って調整することができるので、水滴の成長の制御が容易となる。
送風吸引機34は、送風口と吸引口とをそれぞれ複数有する一体型の送風機であってもよいし、図2に示すように,送風口と吸引口とを備える複数の送風吸引ユニット201〜203が、キャスト膜40の走行方向に沿って配されたものであってもよい。なお、送風コントローラは、各送風吸引ユニット201〜203を独立して制御する。これにより、水滴の発生及び成長状態に応じて送風吸引条件を制御することができる。また、送風口と吸引口とがそれぞれキャスト膜の幅方向に複数分割されて、送風条件と吸引条件とを幅方向に並んだ各区画毎に独立制御できるような送風吸引ユニットを用いてもよい。これにより、キャスト膜の幅方向でも結露条件を制御することができる。なお、図2には3つの送風吸引ユニット201〜203が一体とされた送風吸引機34を示しているが、送風吸引ユニット数を含めた送風機の様態はこれに限定されるものではない。
乾燥ゾーン33には、乾燥機36が設けられている。乾燥機36はキャスト膜40に乾燥風37を送るとともに風37を吸引する。乾燥機36も、送風吸引機34と同様に、送風吸引機34は、風を送る給気系で、風の温度と露点とを制御するとともに、塵埃度、つまり風の清浄度を保つためのフィルタを備える送風口とこれを排気する吸引口とを備える。つまり、送風口と吸引口とは具体的には、送風口206a,207a,208a,209aと吸引口206b,207b,208b,209bとを有する。これにより、キャスト膜40の乾燥条件を調整することが容易となる。
キャスト膜40が乾燥ゾーン33に入ると、水滴の成長は止まる。そして、有機溶媒を蒸発させてから水滴を蒸発させる。したがって、有機溶媒としては、同温同圧下において水滴よりも蒸発速度が速いものが好ましい。有機溶媒と水滴との蒸発速度が同じであっても、高分子化合物との親和性に関して有機溶媒よりも水滴44の方が強い場合や、水滴44よりも弱い分子間力の有機溶媒を用いると、両者の蒸発を上記の順にすることと同様の効果が得られる。これにより、有機溶媒の蒸発に伴い水滴がキャスト膜40の内部に入り込むことがより容易になる。なお、水滴の蒸発は、有機溶媒が完全に蒸発してから開始されることが好ましいが、必ずしもこの様態でなくてもよく、キャスト膜40に含まれている有機溶媒のうち概ね0.1〜30%が蒸発したところで水滴が蒸発し始めてもよい。
なお、図2では、4つの送風吸引ユニット206〜209から構成されている乾燥機36を示しているが、送風吸引ユニット数はこれに限定されない。乾燥機36には、送風コントローラ(図示せず)が備えられ、この送風コントローラにより、乾燥風の温度、湿度、風量と吸引力とが独立して制御されるとともに、これらの各条件が送風吸引ユニット106〜109毎に独立制御される。乾燥機36についても、送風吸引機34と同様に、複数の送風吸引ユニットが組み合わされたものに代えて、送風口と吸引口とをそれぞれ複数有する一体型のものとされてもよい。また、送風口と吸引口とがそれぞれキャスト膜の幅方向に複数分割されて、送風条件と吸引条件とを幅方向に並んだ区画毎に独立制御できるような送風吸引ユニットを用いてもよい。これにより、キャスト膜の幅方向でも溶媒の蒸発条件と水滴の蒸発条件とを制御することができる。
温調機29を用いて回転ローラ27,28を介して流延ベルト26の温度調整を行うことがより好ましい。温度調整の方法としては、伝熱媒体が流れる液流路を回転ローラ27,28の内部に設け、温度調節された伝熱媒体を送液する方法などが挙げられる。流延ベルト26の温度は、下限値を0℃以上とすることが好ましい。また、上限値は有機溶媒の沸点以下とすることが好ましく、より好ましくは(溶媒の沸点−3)℃とすることである。これにより、結露した水分が凝固することも無く、また、キャスト膜40の中の溶媒が急激に蒸発することが抑制されるため、空隙のサイズや均一性や形状等に優れるハニカム構造フィルム12を得ることができる。さらに、流延ベルト26の温度は、キャスト膜40の幅方向にわたってばらつきが±3℃以内となるようにすることにより、膜面温度TL(℃)の位置によるばらつきも幅方向において±3℃以内とすることができる。キャスト膜40の幅方向における温度のばらつきを減少させることにより、ハニカム構造フィルム12の孔に異方性が生じることが抑制されるので、フィルムとしての商品価値が向上する。
ところで、結露ゾーン32に至るまでの搬送路の傾きが大きすぎると、キャスト膜40の内部では、このキャスト膜40を構成している液が搬送路の傾き方向に不均一な流れを発生してしまう(以下、液流動現象と称する)ことがある。そこで、流延ベルト26の搬送路を水平方向に対して±10°以内とすることが好ましい。なお、搬送路は、搬送方向のみならず、幅方向についても、水平方向に対して±10°以内とされることが好ましい。搬送路の搬送方向及び幅方向の傾きを以上のように調整することによりキャスト膜40の厚みを均一化し、均一なハニカム構造を形成することができる。また、結露ゾーン32におけるキャスト膜40についても同様に、膜内での液流動現象が確認される場合があるので、結露ゾーン32においても搬送路を上記角度とすることが好ましい。
送風吸引機34からの風35の露点TD1(℃)と、結露ゾーン32を通過するキャスト膜40の表面温度TL(℃)とは、0℃≦(TD1−TL)の条件を満たすように、少なくともいずれか一方が制御される。これにより、キャスト膜40の近傍を流れる風35の中の水蒸気を良好に水滴として発生させるとともに成長させることができる。より好ましくは0℃≦(TD1−TL)≦80℃であり、さらに好ましくは0℃≦(TD1−TL)≦30℃であり、最も好ましくは0℃≦(TD1−TL)≦10℃である。0℃未満であると結露がおきにくくなることがある。また、(TD1−TL)が80℃を超えるような条件とされると、結露する速度、つまり水滴発生速度が大きくなりすぎて、水滴の上にさらに水滴ができてしまい、ハニカム構造フィルム12の孔のサイズが不均一、つまり構造が不均一となってしまうことがある。また、風35の温度は特に限定されるものではないが、5℃以上100℃以下の範囲であることが好ましい。100℃を超えると、水滴がキャスト膜40内に入り込む前に、水蒸気として蒸発してしまうおそれがある。
結露ゾーン32に入る直前の膜面温度TLと、結露ゾーン32の直前の搬送路近傍の露点と、結露ゾーン32の直後の搬送路近傍の露点との各ばらつきは、いずれも±3℃以内であることが好ましい。
図3(a)に示すように結露ゾーン32で風35中の水分(モデル的に図示している)43は、キャスト膜40上で結露して水滴44となる。そして、図3(b)に示すように水分43は結露を進め、生じた水滴44を核として水滴44を成長させる。有機溶媒は実際にはキャスト直後から蒸発し始めており、流延ベルト26の温度と雰囲気温度によりその蒸発速度を制御する。この制御をするとともに、キャスト膜40の表面温度TLを所定の温度にして結露ゾーンに入れる。図3(c)に示すように乾燥ゾーン33で乾燥風37がキャスト膜40に送風されると、有機溶媒42がキャスト膜40より揮発する。この際、水滴44の蒸発もおこるが、有機溶媒42は上述のように水滴44よりも速く蒸発する。そのため、複数の水滴44は、有機溶媒42の蒸発に伴い表面張力により略均一の形態となるとともに、キャスト膜40の内部に入り込む。なお、水滴44は、成長しながら内部に入り込むこともある。
さらに、キャスト膜40の乾燥が進行すると図3(d)に示すようにキャスト膜40の水滴44から水分が水蒸気48として蒸発する。キャスト膜40から水滴44が蒸発すると、水滴44が占めていたエリアが孔47となり、ハニカム構造フィルムが得られる。ここで、ハニカム構造とは、小さな空隙が多数フィルム内部に形成されている構造を意味する。図4の(A)は本発明により得られるハニカム構造フィルムの平面図、(B)は(A)のb−b線に沿う断面図で、(C)は(A)のc−c線に沿う断面図である。また、(D)は、別のハニカム構造フィルムの断面図であるが、これの平面図は(A)と同様であるので略す。孔47は、図4(A)に示すようにハチの巣状にハニカム構造フィルム12の内部に形成される。そして、孔47は、図4(B)及び(C)に示すように、ハニカム構造フィルム12の両面を突き抜けるように形成される場合もあるし、(D)に示すように片面側に窪みとして形成される場合もある。そして、この孔47の配列は、水滴の疎密の度合いや大きさ、形成する液滴の種類、乾燥速度等によって異なるものとなる。本発明により製造されるハニカム構造フィルム12の形態は特に限定されるものではないが、本発明は、例えば、隣接する孔47の中心間距離L2が0.05μm以上100μm以下であるようなハニカム構造フィルムを製造する場合に特に効果がある。
前記自己組織化によるハニカム構造フィルム12におけるハニカム構造とは、上記のように、一定形状、一定サイズの孔が連続かつ規則的に配列している構造を意味する。この規則配列は単層の場合には二次元的であり、複層の場合は三次元的にも規則性を有する。この規則性は二次元的には1つの孔の周囲を複数(例えば、6つ)の孔が取り囲むように配置され、三次元的には結晶構造の面心立方や6方晶のような構造を取って、最密充填されることが多いが、製造条件によってはこれら以外の規則性を示すこともある。
ハニカム構造フィルム12の厚みは、孔径D1〜200μmが好ましく、高分子溶液のポリマー濃度を高めることにより、支持体側には孔が形成されない肉厚部分を形成することもできる。この場合には、前記肉厚部分の厚みは1〜500μmの範囲が好ましい。
本発明において、風35は、キャスト膜40に対して、ばらつきが±20°以内となるような角度で一方向から供給されることが好ましく、キャスト膜40に平行である追い風(並流)とされることが最も好ましい。風35を向流として送風すると、風35とキャスト膜40との相対速度を低い条件とする場合に風35の速度制御が難しく、キャスト膜40の露出面が乱れて平滑性を失うために、水滴44の成長が阻害されることがある。また、風35の送風速度は、キャスト膜40の移動速度、つまり流延ベルト26の走行速度との相対速度が0.1m/s以上20m/s以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5m/s以上15m/s以下の範囲であり、最も好ましくは1m/s以上10m/s以下の範囲である。前記相対速度が0.1m/s未満であると、水滴44が細密に配列して形成されないうちに、キャスト膜40が乾燥ゾーン33に搬送されるおそれがある。一方、前記相対速度が20m/sを超えると、キャスト膜40の露出面が乱れたり、結露が充分に進行しなかったりするおそれがある。
前記相対速度のばらつきは、前記相対速度の平均値に対して±20%以内であることが好ましい。この条件と風の条件とにより水滴44の様態を均一にする効果がより高まる。この相対速度の調整は、風35の速度とキャスト膜40の搬送速度との少なくともいずれか一方を調整することで実施することができる。
本発明において、キャスト膜40が結露ゾーン32を通過する時間は0.1秒以上100秒以下とすることが好ましい。これにより、空隙が細密充填されるに十分な水滴44を十分に多数、均一に生じさせることができる。0.1秒未満であると水滴44が充分成長しないまま形成されるため所望の孔を形成することが困難となる、あるいは、細密な孔をフィルム中に細密に形成されないことがある。また、100秒を超えると、水滴44のサイズが大きくなり過ぎハニカム構造のフィルムを得られないおそれがある。このようにキャスト膜40が結露ゾーン32を通過する時間を制御することにより、孔の大きさ等の様態を制御することができる。ハニカム構造フィルム12を連続ではなくバッチ式で製造する場合、あるいは長尺状ではなくシート状や小さな短冊状等に製造する場合には、上記の結露ゾーン32を通過する時間に代えて、結露させる環境下にキャスト膜を置く時間を制御すると同様な効果が得られる。
乾燥ゾーン33でキャスト膜40を乾燥する乾燥風37の送風速度も0.1m/s以上20m/s以下とすることが好ましく、より好ましくは0.5m/s以上15m/s以下の範囲であり、最も好ましくは1m/s以上10m/s以下の範囲とすることである。0.1m/s未満であると、水滴44の蒸発が充分に進行しないおそれがあり、生産性がおちる場合がある。一方、20m/sを超えると水滴44の蒸発が急激に生じて、形成される孔37の形態が乱れるおそれがある。
乾燥風37の露点TD2(℃)と膜面温度TL(℃)とは、(TL−TD2)℃≧1℃の条件を満たすように、少なくとも何れか一方を制御することが好ましい。これにより、水滴44の成長を止めて、水滴44を水蒸気48として蒸発させることが可能となる。(TL−TD2)が1℃未満であるときには、水滴44の成長を止めることが確実にはできず、孔37のサイズの精度が低下することがある。また、乾燥ゾーン33では、80℃≧(TL−TD2)であることがより好ましい。(TL−TD2)が80℃を越えると、有機溶媒や水滴44の蒸発が急激になってしまい、規則的に並んでいた水滴44の配列や形状、サイズが乱れて均一なハニカム構造は発現されなくなる。
乾燥ゾーン33に入る直前の膜面温度TLと、乾燥ゾーン33の直前の搬送路近傍の露点と、乾燥ゾーン33の直後の搬送路近傍の露点との各ばらつきは、いずれも±3℃以内であることが好ましい。
キャスト膜40の乾燥は、2Dノズル(2次元ノズル)を備える乾燥機36で行う方法や、これに代えてまたは加えて、減圧乾燥法により行うことが可能である。減圧乾燥を行うことで、有機溶媒42と水滴44との蒸発速度をそれぞれ調整することが可能となる。これにより、有機溶媒42の蒸発と水滴44の蒸発とをより良好にし、水滴44をより良好にキャスト膜40の内部に形成することができるので、前記水滴が存在する位置に、大きさ、形状が制御された孔47を形成することができる。なお、前記2Dノズルとは、風を出す給気ノズル部材と、キャスト膜40近傍の空気を吸い込む排気用ノズル部材とをもつものである。この2Dノズルとしては、キャスト面全幅に渡り、均一に給気と排気とを行えるものが好ましい。風の露点とキャスト膜の表面温度TLとの差を80℃以内とすることにより、有機溶媒及び/または水分の急激な揮発を抑制でき、所望の形態のハニカム構造フィルム12を得ることができる。
また、膜面から3mm〜20mm程度離れた位置に、表面が冷却されその表面に溝を有する凝縮器を設けて、凝縮器の表面で水蒸気や揮発有機溶媒を凝縮させ、膜面近傍の水分及び溶媒ガスの濃度が高くならないように制御することによりキャスト膜の乾燥を図る方法を適用することができる。以上のような乾燥方法のうち少なくともいずれかひとつの乾燥方法を適用することで、キャスト膜40の膜面への動的な影響を少なくして乾燥させることができるため、より平滑な膜面を得ることができる。
また、送風吸引機34、乾燥機36の送風吸引ユニットの数を変更したり、送風吸引機34、乾燥機36の内部を複数のエリアに区画したりすることにより、ユニット毎あるいはエリア毎に異なる露点条件を設定したり、異なる乾燥条件を設定したりすることができる。これら条件を選択することで、孔47の寸法制御性の向上や孔均一性の向上を図ることができる。なお、送風吸引ユニットや前記エリアの数は特に限定されるものではないが、フィルムの品質と設備のコストの点から最適な組み合わせを決定する。
また、キャスト膜40に不純物が混入すると、ハニカム構造の形成が阻害される。そのため、送風口201a,202a,203a,206a,207a,208a,209aの塵埃度をクラス1000以下とすることが好ましい。そこで、送風吸引機34,乾燥機36の各ユニットには、給気系における埃等を除去するためのフィルタ(図示せず)が備えられ、ハウジング38内の空調を行うことが好ましい。これにより、キャスト膜40中に不純物が混入するおそれが減少し、良好なハニカム構造フィルム12を得ることができる。
ここで、キャスト膜40の粘度をN1、水滴44の粘度をN2とする。結露ゾーン32にて液滴が形成され始めた後、乾燥ゾーン33で孔の様態が好適に形成される見込みがつくまでは、N1<N2とすることが好ましい。これにより、水滴44がキャスト膜40の中に入り込んで、空隙がより均一に形成されたハニカム構造フィルム12を得ることができる。上記の粘度条件を満たすためにもっとも簡易的な方法は、高分子溶液21を予め小さめの粘度に処方しておくことである。なお、キャスト膜40の粘度を低くなるように高分子溶液21を処方しても、はじめはN1<N2を満たすことができるが、その後、孔が好適に形成されないうちに、結露ゾーン32での冷却や乾燥ゾーン33での乾燥によりN1がN2より大きくなってしまうことがある。その場合には、一旦温度を上げる等によりN1を小さくして、一時的にでもN2より小さくするとよい。なお、このような粘度調整は、一度のみならず複数回実施してもよい。
乾燥が進行したハニカム構造フィルム12は、剥取ローラ30で支持されながら流延ベルト26から剥ぎ取られ、巻取機32により巻き取られる。なお、ハニカム構造フィルム12の搬送速度は、特に限定されるものではないが、0.1m/min以上60m/min以下の範囲であることが好ましい。0.1m/min未満であると生産性に劣りコストの点から好ましくない。また、60m/minを超えると、ハニカム構造フィルムを搬送する際に、過大な張力が付与されて裂ける、あるいはハニカム構造が乱れる等の問題が発生することがある。以上の方法により、ハニカム構造フィルム12を連続して製造することができる。
なお、本実施形態では、連続的に高分子溶液12を流延することにより、長尺のハニカム構造フィルム12を製造することを例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、高分子溶液12を間欠的、断続的に流延して、シート状のハニカム構造フィルムを次々に製造する場合も含まれる。図5は、他の実施形態であるフィルム製造設備の要部概略図である。なお、図2と同じ作用の装置、部材については図2と同じ符号を付す。フィルム製造設備310は、シート状のハニカム構造フィルムを製造する設備であり、高分子溶液を支持体302に流延する流延ゾーン304と、結露ゾーン32と、乾燥ゾーン33とを有する。流延ゾーン304内では、支持体302が搬送されながら流延ダイ25から高分子溶液が流延され、キャスト膜211が形成される。そして、キャスト膜211が形成された支持体302は、結露ゾーン32に送られる。その後、水滴が形成されたキャスト膜311は、支持体302により乾燥ゾーンに搬送される。このように、各ゾーンでの各処理を支持体302単位で実施し、間欠的に支持体302を搬送することにより、シート状のハニカム構造フィルムを製造することができる。
なお、幅方向の長さが流延ダイ25よりも短い流延ダイを、支持体302の幅方向に複数ならべて、幅が小さなキャスト膜を形成することもできる。さらに、流延ゾーン304における支持体302の搬送を、より短い時間間隔で間欠的にすることにより、より小さなキャスト膜を支持体上に複数形成することもできる。また、流延ダイの高分子溶液12の流出口を幅方向で複数に仕切り、高分子溶液12を断続的に流延することにより、短冊状のハニカム構造フィルムを次々と製造することもできる。
図6に本発明に係る他の実施形態のフィルム製造設備60を示す。送出機61から支持体としてのウェブ62が搬送される。ウェブ62はバックアップローラ63に巻き掛けられながら搬送される。バックアップローラ63に対向してスライドコータ64が設けられている。また、スライドコータ64には減圧チャンバ65が設けられている。高分子溶液供給装置66から送液ポンプで送られてくる高分子溶液67が、スライドコータ64から押し出されて、ウェブ62上に塗布され、キャスト膜68となる。
スライドコータ64は、ウェブ62の搬送方向における均一塗布性に優れており、かつ高速でキャスト膜68を形成することができることから、生産性が高い塗布機であるといえる。また、支持体であるウェブ62の表面に凹凸がある場合でも、ウェブ62がバックアップローラ63に巻き掛けられている際に平滑化されるので、均一な塗布性に優れている。更に、ウェブ62に非接触で塗布を行うので、ウェブ62の表面を傷つけることなく、均一塗布が可能である。
ウェブ62上にキャスト膜が形成されると、このキャスト膜68に対して送風機69から風70を送る結露乾燥工程11(図1参照)が行われる。送風機69について、ウェブ62の走行方向における上流側は結露させるための送風吸引部、下流側は溶媒と水滴とを蒸発させるための乾燥部とされている。つまり、送風吸引部は前実施形態における送風吸引機34(図2参照)に対応する作用をもち、乾燥部は前実施形態における乾燥機36(図2参照)に対応する作用をもつ。なお、結露乾燥工程11は前述した説明と同じ条件の箇所の説明は省略する。結露乾燥工程を経た後のキャスト膜68は、ハニカム構造フィルム71としてウェブ62から剥離され、巻取ロール72に巻き取られる。また、ウェブ62も巻取ロール73に巻き取られる。キャスト膜68が形成されているウェブ62の搬送方向は、水平方向に対して±10°以内とすることが好ましい。ハニカム構造フィルム71の孔間のピッチや孔サイズをより小さくするために、ウェブ62は、高分子溶液66の有機溶媒を吸収しやすい性質の素材から形成されていることがより好ましい。それら素材は、有機溶媒を吸収するものであれば特に限定されるものではない。例えば、高分子溶液67の主溶媒に酢酸メチルを用いている際には、フィルムの素材にセルロースアシレートを用いることが好ましい。
図7に、本発明に係るフィルムの製造方法に用いられる他の実施形態のフィルム製造設備80を示す。なお、フィルム製造設備60(図6参照)と同じ装置、部材、作用の説明は省略する。送出機81から支持体となるウェブ82が搬送される。ウェブ82はバックアップローラ83に巻き掛けられながら搬送される。バックアップローラ83に対向して多層式スライドコータ84が設けられている。また、多層式スライドコータ84には減圧チャンバ85が設けられている。高分子溶液供給装置86から送液ポンプで送られてくる高分子溶液87が、多層式スライドコータ84から押し出されて、支持体であるウェブ82上に塗布され、キャスト膜88が形成される。キャスト膜88の厚みが均一となるように、多層式スライドコータ84から出てきた高分子溶液87の形状を減圧チャンバ85により安定させる。ウェブ82上に形成されているキャスト膜88は、送風機89の風90により結露乾燥工程11(図1参照)が行われる。送風機89について、ウェブ82の走行方向における上流側は結露させるための送風吸引部、下流側は溶媒と水滴とを蒸発させるための乾燥部とされている。つまり、送風吸引部は前実施形態における送風吸引機34(図2参照)に対応する作用をもち、乾燥部は前実施形態における乾燥機36(図2参照)に対応する作用をもつ。結露乾燥工程を経た後にハニカム構造フィルム91は巻取ロール92に巻き取られる。また、ウェブ82も巻取ロール93に巻き取られる。
複数の高分子溶液の流れを重ねてウェブ82上にキャスト(塗布)することにより、ハニカム構造フィルム91の厚み方向における形態,物性などを変更することが可能となる。
図8に、本発明に係るフィルムの製造方法に用いられる他の実施形態のフィルム製造設備100を示す。なお、フィルム製造設備60(図6参照)と同じ装置、部材、作用の説明は省略する。送出機101から支持体としてのウェブ102が搬送される。ウェブ102はバックアップローラ103に巻き掛けられながら搬送される。バックアップローラ103に対向してエクストリュージョンコータ104が設けられている。また、エクストリュージョンコータ104には減圧チャンバ105が設けられている。高分子溶液供給装置106から送液ポンプで送られてくる高分子溶液107が、エクストリュージョンコータ104から押し出されて、支持体であるウェブ102上に塗布され、キャスト膜108が形成される。ウェブ102上に形成されているキャスト膜108は、送風機109の風110により結露乾燥工程11(図1参照)が行われる。送風機109について、ウェブ102の走行方向における上流側は結露させるための送風吸引部、下流側は溶媒と水滴とを蒸発させるための乾燥部とされている。つまり、送風吸引部は前実施形態における送風吸引機34(図2参照)に対応する作用をもち、乾燥部は前実施形態における乾燥機36(図2参照)に対応する作用をもつ。結露乾燥工程を経た後にハニカム構造フィルム111は巻取ロール112に巻き取られる。また、ウェブ102も巻取ロール113に巻き取られる。
本発明は、ウェブとこのウェブの上に形成されたハニカム構造部とを有するフィルムを製造する場合にも適用することができる。図9に本発明に係るフィルムを製造するフィルム製造設備120を示して説明する。ワイヤーバー塗布機121を用いて高分子溶液122をウェブ123に塗布する。一定速度で移動するウェブ123の移動方向に回転するワイヤーバー124は、その回転により1次側高分子溶液槽125から液貯留部分126に高分子溶液122を引きあげる。この液貯留部分126の高分子溶液122が、ウェブ123にワイヤーバー124を介し接触することにより均一な厚さのキャスト膜127が形成される。このキャスト膜127を送風機128の風129をあててキャスト膜127内に空隙を形成する結露乾燥工程11(図1参照)を行うことで、キャスト膜127はハニカム構造部130aとなり、ハニカム構造部130aがウェブ123の上に形成されたフィルム130を得ることができる。ワイヤーバー124を用いたフィルム130の製造方法は、液貯留部分126が高分子溶液122とウェブ123との接触部に空気が混入しないようにするので、キャスト膜127に気泡が混入しにくくなるという利点がある。
なお、ウェブ123の搬送方法や高分子溶液122の塗布方法は、上記方法に限定されない。例えば、送出手段からのウェブをエンドレスベルト等の支持体により搬送し、支持体との接触面とは反対側の露出面に高分子溶液を流延するように塗布して、ウェブとハニカム構造部とを有するフィルムとする方法がある。以上のような方法によると、所定の機能を備える機能性フィルムをウェブとして用いた場合には、ハニカム構造部とウェブとが一体となった複合機能材料を得ることができる。
本発明においては、ハニカム構造フィルム12,71,91,111及びウェブ62上にハニカム構造部を有するフィルム130を、機能性フィルム14のベースフィルムとして用いることができる。
図10に本発明に係るフィルムを製造する製造設備140を示す。ウェブ141が圧胴142に巻き掛けられながら搬送される。圧胴142に対向して版胴143が配置されている。版胴143の表面には所望のパターンが形成されている。高分子溶液槽144に入れられている高分子溶液145は版胴143が回転することにより、版胴143の凹部143aに溜まる。ドクターブレード146により過剰な高分子溶液145がかきとられる。その後に圧胴142に巻きかかって走行しているウェブ141上に高分子溶液145が塗布されてキャスト膜147が形成される。
送風機148により結露乾燥工程11(図1参照)が行われる。送風機148から送風される風149は、ウェブ141の搬送方向と同方向に流れ、かつウェブ141に平行な平行流とする。キャスト膜147は、結露乾燥工程を経ることによりハニカム構造部151aとなる。このようにして、ウェブ141と、このウェブ141の上に所望のパターンのハニカム構造部151aとを有するフィルム151となる。
以上の2つの実施形態に示すように、本発明には、ハニカム構造部を有する多層構造のフィルムも含まれる。
前記説明のように本発明においてキャスト法は、特に限定されるものではない。例えば、スライド法,エクストリュージョン法,バー法及びグラビア法などが挙げられる。
前記各方法で得られるハニカム構造フィルム12,71,91,111、フィルム130,151は、機能性付与工程13(図1参照)によりさらに他の機能性が付与されて機能性フィルム14(図1参照)となる。例えば、サイズが小さく、各フィルム12,71,91,111、130,151との屈折率差が大きな微粒子を、上記各フィルム12,71,91,111、130,151に付与して機能性フィルムを得ることができる。このような機能性フィルムは、フォトニック結晶の作製用に、あるいはレーザ,光導波路などに用いることができる。また、微粒子として光励起、導電などにより発光するものを用いることもできる。この場合の微粒子としては、有機顔料,有機染料及び発光性希土類化合物が挙げられる。このような微粒子を付与した機能性フィルム14は、薄型ディスプレイなどの発光材料として用いることができる。なお、機能性付与工程は、ハニカム構造フィルム12,71,91,111、フィルム130,151が得られた後に実施されることに代えて、または加えて、上記フィルム12,71,91,111,130,151を製造する過程で実施されてもよい。例えば、微粒子を上記フィルム12,71,91,111,130,151中に含有させる場合には、高分子溶液中に予め微粒子を添加しておくことができる。
微粒子としては、光照射、磁場などにより磁性を有して保持できるものを用いることもできる。このような微粒子の付与により、記録・メモリ材料に適用できる機能性フィルムを得ることができる。また、微粒子として着色ボールやマイクロカプセルを用いることもできる。このような微粒子を付与した機能性フィルムは、ペーパライクディスプレイなどに用いることができる。
微粒子として、タンパク質、糖、DNAなどの生体材料と選択的に結合したり、化学反応するものを用いることもできる。このような微粒子を付与した機能性フィルムは、バイオチップに用いることができる。さらに、細胞培養用の基材としてハニカム構造をもつフィルム12,71,91,111、130,151を用いることができる。
図11にプレス装置160の概略図を示す。プレス装置160は、プレスローラ161,162から構成されている。ハニカム構造フィルムロール163,フィルムロール164からそれぞれハニカム構造フィルム165,フィルム166を引き出す。そして、表面に凹部が形成されているハニカム構造フィルム165を版として用い、この凹部のパターンをプレス装置160によりフィルム166に写して、表面に凸形状が並んだフィルム167を得る。その後に、ハニカム構造フィルム165,モスアイ構造フィルム166をそれぞれの巻取ロール168,169で巻き取る。なお、ハニカム構造フィルム165のパターンがフィルム166に確実に写されるように、ハニカム構造フィルム165の反写し面側を吸引して負圧とすることが好ましい。さらに、ハニカム構造フィルム165としては、硬化処理されたものや表面が金属蒸着処理されたものを好ましく用いることができる。フィルム167は、そのサイズや形状により、マイクロレンズアレイフィルムや蛾の目の構造に似たいわゆるモスアイ構造フィルムとして得られる。モスアイ構造フィルムには、反射防止機能を有するものがある。そして、モスアイ構造フィルムは、凸形状の各凸部のピッチが0.1μm〜0.3μm、凸形状の高さが底辺に対して0.5〜2倍程度の寸法となるように製造することができる。
以下、実施例1ないし実施例5により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はそれらの実施例に限定されるものではない。
図2に示すフィルム製造設備20を用いて以下の実験1〜5を行った。化1に示す平均分子量7万〜10万のポリ−ε−カプロラクトンと化2に示す両親媒性ポリアクリルアミドとを、50:1の重量比で混合して高分子溶液の溶質とした。溶媒にはジクロロメタンを用いた。高分子化合物の濃度が0.2重量%となるように高分子溶液21を調製した。流延ベルト26にはエンドレス状ステンレス板を用いた。キャスト膜40の結露ゾーン32に入るときの粘度が0.8cpとなるように、結露ゾーン32に至るまでの乾燥条件とキャスト膜40の温度とを制御した。結露ゾーン32の風35の温度を30℃とするとともに、その露点が20℃となるようにした。結露ゾーン32に入るときのキャスト膜40の表面温度TLを18℃とした。また、風35が流延ベルト26の移動速度に対して1m/sの並流となるように、送風吸引機34により送風した。また、乾燥ゾーン33では、送風口206a,207aからの乾燥風37を60℃±3℃とし、送風口208a,209aからの乾燥風37を110℃±3℃以内とした。また、ハニカム構造フィルム12の孔径D1の目標値を25μm、厚みL1が21μm、結露ゾーン32を通過する時間が85秒となるように結露ゾーン32の長さを調整した。流延速度は、20m/minとした。流延ベルト26の搬送角度(回転ローラに巻き掛けられている場合を除く)は、水平方向に対して±3°以内とした。以上を実験1とする。
Figure 2006070254
Figure 2006070254
得られたハニカム構造フィルム12についてその微細構造を走査型電子顕微鏡SEMにより観察して、孔47の直径D1(μm)のばらつきを評価した。目標とした孔径D1を基準値にしてその±10%未満である場合を○、±10%以上±20%未満を△、±20%以上を×という3段階評価で評価したところ、本実験1では、±3%であり、○であった。
流延ベルト26の移動速度に対する風35の相対速度を0.01m/sとした以外は実験1と同じ条件で実験した実験2では、フィルム12の孔径D1のばらつきが±16%であり△であった。また、流延ベルト26の移動速度に対する風35の相対速度を30m/sとした以外は実験1と同じ条件で実験した実験3では、フィルム12の孔径D1のばらつきが±28%であり×であった。風35の温度変動を±5℃以上±10℃以下とした以外は実験1と同じ条件で実験した実験4では、フィルム12の孔径D1のばらつきが±22%であり×であった。流延ベルト26の角度を+20°とした以外は実験1と同じ条件で実験した実験5では、フィルム12の孔径D1のばらつきが±32%であり×であった。
支持体に溶媒(酢酸メチル)の吸収が生じないポリエチレンテレフタレートから形成されているフレキシブルフィルムを用いた。また、ハニカム構造フィルムの厚みL1は4μm,目的孔径D1が6μmとなるように、結露ゾーン32を通過する時間を58秒としてフィルムの製造を行った。これら以外の条件は、実施例1と同じである。SEMによる評価は、±8%以内であり○であった。
支持体に溶媒(酢酸メチル)を吸収するセルロースアシレートから形成されているフレキシブルフィルムを用いた。また、ハニカム構造フィルムの厚みL1は0.3μm,目的孔径D1が0.35μmとなるようにフィルムの製造を行った。これら以外の条件は、実施例2と同じである。SEMによる評価は、±7%以内であり○であった。
結露ゾーン32の風35の温度を38℃、露点を33℃とし、キャスト膜40の表面温度TLを1℃とした。これ以外の条件は実施例1と同じである。その結果、SEMによる評価は、±18%以内であり△であった。
高分子化合物の濃度が2重量%となるように高分子溶液21を調製した。また、キャスト膜40の結露ゾーン32に入るときの粘度が1.5cpとなるように、結露ゾーン32に至るまでの乾燥条件とキャスト膜40の温度とを制御した。これら以外の条件は、実施例1と同じである。その結果、SEMによる評価は、±41%以内であり×であった。
本発明に係るフィルムの製造方法を説明する工程図である。 本発明に係るフィルムの製造方法に用いられるフィルム製造設備の概略図である。 本発明に係るフィルムが形成される状態の説明図である。 (A)は本発明に係るフィルムの平面図、(B)は(A)のb−b線に沿う断面図、(C)は(A)のc−c線に沿う断面図であり、(D)は別の実施様態であるフィルムの平面図である。 別の実施形態としてのフィルム製造設備の概略図である。 本発明に係るフィルムの製造方法に用いられる他の実施形態のフィルム製造設備の概略図である。 本発明に係るフィルムの製造方法に用いられる他の実施形態のフィルム製造設備の概略図である。 本発明に係るフィルムの製造方法に用いられる他の実施形態のフィルム製造設備の概略図である。 本発明に係るフィルムの製造方法に用いられる他の実施形態のフィルム製造設備の概略図である。 本発明に係るフィルムの製造方法に用いられる他の実施形態のフィルム製造設備の概略図である。 本発明に係るフィルムを用いてモスアイ構造のフィルムを製造する形態の概略図である。
符号の説明
10 キャスト工程
11 結露乾燥工程
12,71,91,111 ハニカム構造フィルム
26 流延ベルト
32 結露ゾーン
33 乾燥ゾーン
40 キャスト膜
62,141 ウェブ
130,151 フィルム

Claims (45)

  1. 有機溶媒と高分子化合物とを含む液を支持体上にキャストして膜を形成し、前記膜中に空隙が形成されたフィルムを製造する方法において、
    前記膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記フィルムを製造することを特徴とするフィルムの製造方法。
  2. 前記膜中に前記液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記フィルムとする際に、
    前記膜の表面温度をTL(℃)とした場合に、
    露点がTD1(℃)でありかつTD1(℃)−TL(℃)≧0℃となる第1ゾーンに前記膜を搬送して通過させることを特徴とする請求項1記載のフィルムの製造方法。
  3. 前記第1ゾーンでは、前記膜の表面温度TLと前記露点TD1とが80℃≧TD1(℃)−TL(℃)の条件を満たすことを特徴とする請求項2記載のフィルムの製造方法。
  4. 前記第1ゾーンに入るときの前記膜の表面温度TLと、前記第1ゾーンの直前の露点と、前記第1ゾーンの直後の露点との各ばらつきが、いずれも±3℃以内であることを特徴とする請求項2または3記載のフィルムの製造方法。
  5. 前記第1ゾーンで、前記膜に風を送り前記風中の水分を結露させて前記液滴を形成し、
    前記風と搬送される前記膜との相対速度が、
    0.1m/s以上20m/s以下の範囲であることを特徴とする請求項2ないし4いずれか1項記載のフィルムの製造方法。
  6. 前記相対速度のばらつきを、前記相対速度の平均値に対して±20%以内とすることを特徴とする請求項5記載のフィルムの製造方法。
  7. 露点がTD2(℃)でありかつTL(℃)−TD2(℃)≧1℃となる第2ゾーンに、前記第1ゾーンを通過した後の前記膜を搬送して通過させることを特徴とする請求項2ないし6いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  8. 前記第2ゾーンでは、前記膜の表面温度TLと前記露点TD2とが80℃≧TL(℃)−TD2(℃)の条件を満たすことを特徴とする請求項7記載のフィルムの製造方法。
  9. 前記第2ゾーンに入るときの前記膜の表面温度TLと、前記第2ゾーンの直前のエリアの露点と、前記第2ゾーンの直後のエリアの露点との各ばらつきが、いずれも±3℃以内であることを特徴とする請求項7または8記載のフィルムの製造方法。
  10. 前記第1ゾーン内を前記膜が通過する時間を0.1秒以上100秒以下の範囲で調整することにより、前記空隙の形態を調整することを特徴とする請求項2ないし9いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  11. 前記第1ゾーンでの前記膜の搬送角度が、
    水平方向に対して±10°以内であることを特徴とする請求項2ないし10いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  12. 前記第1ゾーンに至る前記膜の搬送路と水平方向とのなす角は10°以内であることを特徴とする請求項2ないし11いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  13. 前記第2ゾーンでは、前記膜に風を送ることにより前記液滴と前記溶媒とを前記膜中から蒸発させることを特徴とする請求項7ないし12記載のフィルムの製造方法。
  14. 前記第1ゾーンと前記第2ゾーンとの少なくともいずれか一方の前記風の塵埃度が、クラス1000以下であることを特徴とする請求項2ないし13いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  15. 前記フィルムが、ハニカム構造フィルムであることを特徴とする請求項1ないし14いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  16. 前記膜の表面温度TL(℃)を0℃以上とすることを特徴とする請求項1ないし15いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  17. 前記支持体の温度を0℃以上かつ前記有機溶媒の沸点より低い温度に保ち、
    前記支持体の幅方向に対して前記膜の表面温度TLのばらつきを±3℃以内とすることを特徴とする請求項1ないし16いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  18. 前記支持体が、エンドレス部材から形成されているものであって、
    前記フィルムのみを前記エンドレス部材から剥ぎ取ることを特徴とする請求項1ないし17いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  19. 前記支持体が、フレキシブル部材から形成されているものであって、
    前記フィルムのみを前記フレキシブル部材から剥ぎ取ることを特徴とする請求項1ないし18いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  20. 前記支持体は、前記キャストがなされる面にフレキシブル部材を有し、
    前記フレキシブル部材と前記フィルムとを前記支持体から剥ぎ取ることを特徴とする請求項1ないし17いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  21. 前記フレキシブル部材が、高分子化合物から形成されていることを特徴とする請求項19または20記載のフィルムの製造方法。
  22. 前記フレキシブル部材が、前記有機溶媒の一部を吸収する性質を有することを特徴とする請求項19ないし21いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  23. 前記フレキシブル部材が、前記フィルムの一部を構成することを特徴とする請求項20ないし22いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  24. 前記液のキャストを、スライド法,エクストリュージョン法,バー法,グラビヤ法の少なくともいずれか1つの方法により行うことを特徴とする請求項1ないし23いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  25. 前記液の蒸発を、減圧乾燥法,2Dノズル法の少なくともいずれか1つの方法により行うことを特徴とする請求項1ないし24いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  26. 前記膜または前記フィルムに紫外線照射または電子線照射の少なくともいずれかが行われることを特徴とする請求項1ないし25いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  27. 前記液の粘度をN1、前記液滴の粘度をN2とするとき、N1<N2とすることを特徴とする請求項1ないし26いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  28. 前記有機溶媒と前記液との少なくともいずれか一方がろ過されて異物が除去されるろ過工程を有することを特徴とする請求項1ないし27いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  29. 前記空隙の径よりも大きな絶対ろ過精度のフィルタでろ過する第1の前記ろ過工程を有することを特徴とする請求項28記載のフィルムの製造方法。
  30. 前記第1ろ過工程の後に、前記空隙の径よりも小さな絶対ろ過精度のフィルタでろ過する第2の前記ろ過工程を有することを特徴とする請求項29記載のフィルムの製造方法。
  31. 前記有機溶媒の蒸発速度をV1とし、前記液滴の蒸発速度をV2とするとき、V1>V2とすることを特徴とする請求項1ないし30いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  32. 前記液は、前記フィルムに機能を付与するための微粒子を含み、
    前記微粒子を含んだ前記フィルムを形成することを特徴とする請求項1ないし31いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  33. 前記微粒子は、マイクロカプセルであることを特徴とする請求項32記載のフィルムの製造方法。
  34. 前記液滴の形成、及び、前記有機溶媒と前記液滴との前記蒸発により、前記膜は自己組織化して前記空隙が形成されることを特徴とする請求項1ないし33いずれか1項記載のフィルムの製造方法。
  35. 有機溶媒と高分子化合物とを含む液を支持体上にキャストしてキャスト膜を形成し、前記キャスト膜を乾燥させて空隙が複数形成されたフィルムとするフィルム製造方法において、
    前記液と異なる物質よりなる液滴を前記キャスト膜上に形成し、
    前記キャスト膜から前記有機溶媒を蒸発させた後に前記液滴を蒸発させることにより前記空隙を形成することを特徴とするフィルム製造方法。
  36. 前記有機溶媒と前記液滴とは、蒸発速度が互いに異なることを特徴とする請求項34記載のフィルム製造方法。
  37. 前記キャスト膜の近傍の気体を結露させることにより前記液滴を生じさせることを特徴とする請求項35または36記載のフィルム製造方法。
  38. 前記キャスト膜の表面温度をTL(℃)とし、前記キャスト膜の近傍の気体の露点をTD1(℃)とするとき、TD1≧TLとすることにより前記気体を前記キャスト膜の露出面上に結露させることを特徴とする請求項37記載のフィルム製造方法。
  39. 前記キャスト膜の表面温度TLと前記露点TD1(℃)とが80℃≧TD1−TLの条件を満たすことにより前記気体を結露させることを特徴とする請求項38記載のフィルム製造方法。
  40. 前記有機溶媒の蒸発に伴い前記液滴が前記キャスト膜の内部に入り込むことを特徴とする請求項35ないし39いずれか1つ記載のフィルム製造方法。
  41. 走行する前記支持体の上に前記液を流出させることにより前記キャスト膜を連続的に形成し、
    前記支持体の走行速度に対する相対速度が0.1m/s以上20m/s以下である風を送風手段から前記キャスト膜に送り、
    結露する前記気体は、前記風に含まれる水蒸気であることを特徴とする請求項37ないし40いずれか1つ記載のフィルム製造方法。
  42. 前記相対速度のばらつきは、前記相対速度の平均値に対して±20%以内であることを特徴とする請求項41記載のフィルムの製造方法。
  43. 前記キャスト膜に前記風を送る時間を0.1秒以上100秒以内の範囲とすることを特徴とする請求項41または42記載のフィルムの製造方法。
  44. 前記液滴が内部に形成された前記キャスト膜の近傍の気体の露点をTD2(℃)とするとき、TL−TD2≧1℃とすることにより、前記液滴の成長を終了させるとともに前記溶媒を蒸発させることを特徴とする請求項40ないし43いずれか1つ記載のフィルムの製造方法。
  45. 前記露点TD2と前記表面温度TLは、80℃≧TL−TD2の条件を満たすことを特徴とする請求項43または44記載のフィルムの製造方法。
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