JP2008248075A - 多孔質膜及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性エラストマーを含み、該熱可塑性エラストマーの少なくとも一部が架橋または重合していることを特徴とする多孔質膜10。熱可塑性エラストマーを含む有機溶媒溶液を支持体上に付与する工程と、前記支持体上に付与した有機溶媒溶液の膜に液滴を形成させた後、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記液滴が蒸発した部分に孔が形成された多孔質膜とする工程と、前記多孔質膜に含まれている前記熱可塑性エラストマーを架橋又は重合させる工程と、を含むことにより、孔がハニカム状に形成された上記多孔質膜を製造することができる。
【選択図】図1
Description
即ち、本発明は、弾性及び柔軟性を有するとともに機械的強度が高く、広範な分野で利用可能な多孔質膜及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記支持体上に付与した有機溶媒溶液の膜に液滴を形成させた後、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記液滴が蒸発した部分に孔が形成された多孔質膜とする工程と、
前記多孔質膜に含まれている前記熱可塑性エラストマーを架橋又は重合させる工程と、
を含むことを特徴とする多孔質膜の製造方法。
図1は、本発明に係る多孔質膜10の構成の一例を概略的に示している。また、図2は図1におけるa−a線概略断面図であり、図3は図1におけるb−b線概略断面図である。この多孔質膜10は、多数の孔12がハニカム状に配列された構造(ハニカム構造)を有し、膜本体14を構成する熱可塑性エラストマーの一部が架橋又は重合されていることで、本来熱可塑性エラストマーの持つ弾性及び柔軟性を活かしつつ、機械的強度も向上した多孔質膜10となっている。
以下、各工程について具体的に説明する。
まず、多孔質膜を構成する有機化合物として熱可塑性エラストマーを含む有機溶媒溶液を支持体上に付与する。
前記支持体は、好ましくは透明であり、ある程度の強度を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ガラス、金属、シリコンウエハー等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリアミド、ポリエーテル、ポリスチレン、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエーテルケトン、ポリフッ化エチレン等の耐有機溶剤性に優れた有機材料;水、流動パラフィン、液状ポリエーテル等の液体、などが挙げられる。
また、支持体の形状は特に限定されず、成膜すべき多孔質膜の形状等に応じて決めればよく、例えば平板状の支持体を採用することができる。
本発明でいう熱可塑性エラストマーとは、ゴム状弾性を有する熱可塑性樹脂のことであり、例として、ブタジエン系ポリマー、スチレン-ブタジエン系ポリマー、スチレン-イソプレン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、オレフィン系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ニトリル系ポリマー、ポリアミド系ポリマーなどが挙げられる。これらは、溶解性、光学的物性、電気的物性、膜強度、弾性等の観点から、必要に応じてホモポリマーとしてもよいし、コポリマーやポリマーブレンドの形態をとってもよい。これらのポリマーは必要に応じて2種以上のポリマーの混合物として用いてもよい。本発明で使用する熱可塑性エラストマーとしては、特に、スチレン-イソプレンコポリマー及びスチレン-ブタジエンコポリマーの少なくとも一方を含むことが好ましい。
本発明に係る多孔質膜10を構成する有機化合物としては、上記のような熱可塑性エラストマーだけでも膜を形成することができるが、熱可塑性エラストマーと共に両親媒性化合物を用いることが好ましい。
前記両親媒性ポリマーとしては、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、ポリアクリルアミドを主鎖骨格とし、疎水性側鎖としてドデシル基、親水性側鎖としてカルボキシル基を併せ持つ両親媒性ポリマー、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマーなどが挙げられる。
前記芳香族基としては、例えば、置換又は無置換の炭素数6〜50のアリール基等が好ましい。
これらの中では、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CON(R3)−(R3は水素原子、メチル基、エチル基、又はプロピル基を表す。)、−N(R4)CO−、−SO2N(R4)−、−N(R4)SO2−等が特に好ましい。
前記アニオン性基としては、−COOM、−SO3M、−OSO3M、−PO(OM)2−OPO(OM)2が特に好ましい。なお、前記Mは、対カチオンを表し、アルカリ金属イオン(例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン等)、及びアンモニウムイオンのいずれかが好ましい。これらの中でも、ナトリウムイオン、カリウムイオンが特に好ましい。
前記カチオン性基としては、例えば、−NH3 +・X−、−NH2(R6)+・−、−NH(R6)2 +・X−、−N(R6)3 +・X−が挙げられる。
前記R6としては、炭素数1〜3のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基等)を表し、メチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
前記Xとしては、対アニオンを表し、例えば、ハロゲンイオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン等)、複合無機アニオン(例えば、水酸化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン等)、及び有機化合物アニオン(例えば、シュウ酸イオン、蟻酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン等)が好ましく、塩素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオンが特に好ましい。
本発明に係る多孔質膜10を構成する材料として、前記熱可塑性エラストマー及び/又は前記両親媒性ポリマーと併用される多官能モノマーを添加してもよい。
上記多官能モノマーとしては、反応性の点から多官能(メタ)アクリレートが好ましい。前記多官能(メタ)アクリレートの例としては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン付加物へキサアクリレート又はこれらの変性物、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマ−、N−ビニル−2−ピロリドン、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、又はこれらの変性物などを使用することができる。また、これらの多官能モノマーは耐擦傷性と柔軟性のバランスから、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記光ラジカル重合開始剤としては、特に制限がなく、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−アルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。
前記アセトフェノン類としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンなどが挙げられる。
前記ベンゾイン類としては、例えば、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−クロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドなどが挙げられる。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア(登録商標)(651,184,907)等が好ましい例として挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、無機過酸化物、有機アゾ化合物、有機ジアゾ化合物、などを用いることができる。
具体的には、有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシドなどが挙げられる。前記無機過酸化物としては、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等が挙げられる。前記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(プロピオニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等が挙げられる。前記ジアゾ化合物としては、例えば、ジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
上記のような熱可塑性エラストマー等を含む有機化合物を溶解した有機溶媒溶液を支持体上に付与し、このポリマー溶液に微小な水滴粒子を形成させて成膜することで、図1に示したようなハニカム構造膜を好適に作製することができる。
上記のような水滴粒子を形成させるため、溶媒は非水溶性であることが好ましい。該非水溶性溶媒としては、例えば、パーフルオロベンゼン、テトラクロロジフルオロエタン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテル等のフッ素系有機溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン系有機溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルイソブチルケトン等の非水溶性ケトン類;ジエチルエーテル等のエーテル類;二硫化炭素、などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、又はこれらの溶媒を組み合わせた混合溶媒として使用しても構わない。
前記支持体上に付与した有機溶媒溶液の膜に液滴を形成させた後、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記液滴が蒸発した部分に孔12が形成された膜とする。
熱可塑性エラストマーを含む有機溶媒溶液を支持体46上に塗布した後、有機溶媒溶液の膜40に液滴を形成させるための結露ゾーンに送り込む。ここで、支持体46上の液膜40の表面温度は、塗布後、液膜40上又は液膜40中に形成される水滴44が凝固することを防ぐため、0℃以上に制御することが好ましい。
また、定常風を当てる方向は、支持体面に対して0〜90°のいずれの方向であっても製造可能だが、ハニカム構造の均一性を高めるためには0〜60°が好ましい。
さらに、膜本体14に形成される孔12の開口径Dも特に限定されず、使用目的等に応じて調製すればよい。
なお、本発明に係る多孔質膜の構造はこのような構造に限定されず、例えば各孔12が膜の片面のみで開口している構造とすることもできる。例えば、膜の材料となるポリマー濃度を高めることにより、例えば膜の片面(支持体側)では、各孔12が貫通していない肉厚の層を設けることもできる。この場合、膜の片面側に形成される肉厚の層の厚みは例えば500μm以下とすることができる。
上記のように多数の孔12を有する多孔質膜10を形成した後、膜10に含まれている熱可塑性エラストマーを架橋又は重合させる。
前記のような工程により成膜したハニカム構造膜10に対し、例えば電子線、紫外線等を照射することにより、膜本体14を構成している熱可塑性エラストマーを架橋又は重合させることができる。
電子線又は紫外線の線量は、10〜3000mJ/cm2の範囲が好ましい。電子線又は紫外線の線量が、10mJ/cm2以上であれば、熱可塑性エラストマーを確実に架橋又は重合させることができ、また、3000mJ/cm2以下であれば、ポリマーを分解するおそれがなく、強度の高い多孔質膜とすることができる。
上記のような引張弾性率については、例えば、前記した熱可塑性エラストマーの架橋又は重合の割合により制御することができる。一般的に、多孔質膜10中の熱可塑性エラストマーの架橋度を高くすれば引張弾性率も高くなり、架橋度を低くすれば引張弾性率も低くなる。なお、上記引張弾性率は、面方向での引張荷重を、膜厚測定機(MITUTOYO社製、DIGIMATIC MICROMETER)で測定した膜厚から算出される、見かけの断面積で割ることにより導出することができる。
このような本発明に係る多孔質膜10は、取り扱い性に優れ、広範な分野で使用可能なものとなり、例えば、血液濾過フィルタ、位相差膜、偏光膜、スクリーン、カラーフィルタ、ディスプレイ用部材、細胞培養用部材、傷口保護膜、経皮吸収薬膜、音響振動材料、吸音材料、制振材料等として好適に用いることができる。
スチレン-イソプレンコポリマー(SIS5200P、JSR社製)と下記(A)に示す両親媒性ポリマーを質量比で36:1の割合で混合した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として、0.28質量%)5.5mLを調製した。
= [乾燥残渣重量(熱可塑性エラストマー分)]/[理論熱可塑性エラストマー分]×100・・・・・(1)
破断時の荷重は70gfであった。この時の伸度は700%であり、引張弾性率は900MPaであった。
実施例1で調製した溶液中に、イルガキュア(登録商標)907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.5質量%加え、実施例1と同様にしてハニカム構造膜を得た。これにより、孔径3.3μm、膜厚5.1μm、架橋度83%のハニカム構造膜が得られ、これを試料2とする。
得られたハニカム構造膜について、引張試験により破断時の荷重を求めると、80gfであった。また、この時の伸度は660%であり、引張弾性率は1120MPaであった。
実施例1の溶液中に、多官能モノマーであるDPHA(ジベンタエリスリトールヘキサアクリレート)を5.0質量%、イルガキュア(登録商標)907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.5質量%加え、実施例1と同様にしてハニカム構造膜を得た。これにより、孔径3.1μm、膜厚4.8μm、架橋度94%のハニカム構造膜が得られ、これを試料3とする。
得られたハニカム構造膜について、引張試験により破断時の荷重を求めると、85gfであった。また、この時の伸度は640%であり、引張弾性率は990MPaであった。
実施例2において、スチレン-イソプレンコポリマーをスチレン-ブタジエンコポリマー(TR2827、JSR社製)に代えて、実施例1と同様にしてハニカム構造膜を得た。これにより、孔径2.7μm、膜厚4.1μm、架橋度88%のハニカム構造膜が得られ、これを試料4とする。
スチレン-ブタジエンコポリマーの塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として、0.35質量%)6.5mL中に、イルガキュア(登録商標)907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)を0.5質量%加え、実施例1と同様にしてハニカム構造膜を得た。これにより、孔径2.9μm、膜厚4.2μm、架橋度81%のハニカム構造膜が得られ、これを試料5とする。
得られたハニカム構造膜について、引張試験により破断時の荷重を求めると、85gfであった。また、この時の伸度は520%であり、引張弾性率は770MPaであった。
上記試料1〜5の作製におけるUV照射を行わない以外は全て同条件でハニカム構造膜を作製し、それぞれ試料6〜10とした。
ポリスチレンと前記(A)に示す両親媒性ポリマーを質量比で36:1の割合で混合した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として、0.28質量%)5.5mLを調整し、実施例1と同様にしてハニカム構造膜を得た。この時のハニカム構造膜の孔径は2.3μmであり、膜厚は3.8μmであった。こうして得られたハニカム構造膜を試料11とする。
試料1〜11を用いて、以下の評価を行った。
試料1〜11において、指で表面をこすった時の変化について観察した。評価基準としては、目視により評価し、100往復しても変化ない場合は○、1往復以上、100往復未満で変化があった場合は△、1往復するだけで変化があった場合は×とした。なお、比較例で作製した試料6〜11のハニカム構造膜についても実施例と同様に引張弾性率を測定した。
評価結果を、架橋度及び引張弾性率とともに表1に示した。
12 孔
14 膜本体
40 液膜(高分子膜)
46 支持体
Claims (15)
- 熱可塑性エラストマーを含み、該熱可塑性エラストマーの少なくとも一部が架橋又は重合していることを特徴とする多孔質膜。
- 前記多孔質膜の孔の配列が、ハニカム状であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質膜。
- 前記熱可塑性エラストマーの50%以上が架橋又は重合していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多孔質膜。
- 前記多孔質膜の面方向に延伸した時の引張弾性率が20MPa以上2GPa以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の多孔質膜。
- 前記熱可塑性エラストマーとして、ブタジエン系ポリマー、スチレン-ブタジエン系ポリマー、スチレン-イソプレン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、オレフィン系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ニトリル系ポリマー、及びポリアミド系ポリマーから選択される1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の多孔質膜。
- 前記熱可塑性エラストマーとして、スチレン-イソプレンコポリマー及びスチレン-ブタジエンコポリマーの少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の多孔質膜。
- 熱可塑性エラストマーを含む有機溶媒溶液を支持体上に付与する工程と、
前記支持体上に付与した有機溶媒溶液の膜に液滴を形成させた後、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記液滴が蒸発した部分に孔が形成された多孔質膜とする工程と、
前記多孔質膜に含まれている前記熱可塑性エラストマーを架橋又は重合させる工程と、
を含むことを特徴とする多孔質膜の製造方法。 - 前記多孔質膜の孔の配列を、ハニカム状にすることを特徴とする請求項7に記載の多孔質膜の製造方法。
- 前記熱可塑性エラストマーの50%以上を架橋又は重合させることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の多孔質膜の製造方法。
- 前記熱可塑性エラストマーとして、ブタジエン系ポリマー、スチレン-ブタジエン系ポリマー、スチレン-イソプレン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、オレフィン系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ニトリル系ポリマー、及びポリアミド系ポリマーから選択される1種又は2種以上を用いることを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれか一項に記載の多孔質膜の製造方法。
- 前記熱可塑性エラストマーとして、スチレン-イソプレンコポリマー及びスチレン-ブタジエンコポリマーの少なくとも一方を用いることを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれか一項に記載の多孔質膜の製造方法。
- 前記有機溶媒溶液中に、両親媒性化合物を含むことを特徴とする請求項7〜請求項11のいずれか一項に記載の多孔質膜の製造方法。
- 前記有機溶媒溶液中に、光ラジカル開始剤又は熱ラジカル開始剤を含むことを特徴とする請求項7〜請求項12のいずれか一項に記載の多孔質膜の製造方法。
- 前記有機溶媒溶液中に、重合性の多官能モノマーを含むことを特徴とする請求項7〜請求項13のいずれか一項に記載の多孔質膜の製造方法。
- 前記熱可塑性エラストマーを、電子線又は紫外線を照射して架橋又は重合させることを特徴とする請求項7〜請求項14のいずれか一項に記載の多孔質膜の製造方法。
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