JP2007004146A - 光学機能性膜及び複合膜、並びにこれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光の吸収が少なく、大面積化が容易であり、耐久性に優れた光学機能性膜及び複合膜、並びに該膜を効率良く、低コストで製造する方法を提供する。
【解決手段】楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムよりなる光学機能性膜である。楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有する複合膜である。楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムと、該フィルム表面に金属層とを有する複合膜である。前記微細空孔構造を有するフィルムが、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムである態様、前記空孔が、フィルム表面に楕円状乃至スリット状に開口し、かつ直線状に配列している態様、延伸してなり、該延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである態様、フィルム表面に金属層を有する態様、などが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムよりなる光学機能性膜である。楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有する複合膜である。楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムと、該フィルム表面に金属層とを有する複合膜である。前記微細空孔構造を有するフィルムが、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムである態様、前記空孔が、フィルム表面に楕円状乃至スリット状に開口し、かつ直線状に配列している態様、延伸してなり、該延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである態様、フィルム表面に金属層を有する態様、などが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムを応用した光学機能性膜及び複合膜、並びにこれらの製造方法に関する。
偏光膜としては、例えば、高分子フィルムを延伸することにより得られる光学異方性を利用するものが広く知られている(特許文献1参照)。このような高分子フィルムからなる偏光膜は、主に液晶表示パネルなどのディスプレイの用途に用いられている。しかし、前記特許文献1に記載の偏光膜は、高分子フィルムを用いて製造されているため、低コストであり、量産できるという長所がある反面、耐熱性、耐湿性、耐化学薬品性等が低く、また、光学特性的には光の透過率が低く、消光比も低いという問題がある。
また、ワイヤーグリッド偏光子としては、透明基板上に、多数の金属細線を互いに平行をなすように形成したものが知られている(特許文献2参照)。このワイヤーグリッド偏光子は、透明基板上にレジストを塗布した後、電子線(EB)リソグラフィー又はX線リソグラフィーでレジストにパターニングを行い、リフトオフ法を用いて金属細線を透明基板上に残すように製造されている。
しかしながら、前記特許文献2に開示されたワイヤーグリッド偏光子の製造方法においては、EB描画装置を用いているので、一度に描画できる面積が小さく、かつ描画時間がかかり、広い面積の描画には不向きであるのが実状である。また、X線リソグラフィーは、装置やフォトマスク等が非常に高価であり、現状では量産性や製品コストの点から望ましい方法ではない。加えて、このワイヤーグリッド偏光子の製造方法では、リフトオフされた金属片の一部は残査となり特性の劣化の原因となったり、また高価な貴金属を用いる場合はリフトオフされる大部分の金属部分は無駄な材料となりコスト的に不利である。
一方、近年、自己組織化現象を利用して、秩序構造を有する膜を作製する技術が研究されている。例えば、非特許文献1及び非特許文献2には、空気中から凝縮する液滴及びその溶媒界面に析出するポリマーが3相境界域に自己集積することにより、ハニカム構造体を作製できることが開示されている。これらの文献に記載の方法は、空気中から凝縮する液滴及びその溶媒界面に析出するポリマーを利用している形となっているため、複雑な製造装置を必要としないものである。
しかしながら、これらの文献には作製された膜の具体的用途や、その用途に応じた具体的な条件制御法については開示も示唆もされておらず、前記ハニカム構造体を光学機能性膜や複合膜として活用するには、更なる研究、開発が必要であるのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、偏光度が高く、大面積化が容易であり、耐久性に優れた光学機能性膜、及び複合膜、並びにこれらを効率良く、低コストで製造する方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムよりなることを特徴とする光学機能性膜である。
<2> 微細空孔構造を有するフィルムが、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムである前記<1>に記載の光学機能性膜である。
<3> 空孔が、フィルム表面に楕円状乃至スリット状に開口し、かつ直線状に配列している前記<1>から<2>のいずれかに記載の光学機能性膜である。
<4> フィルムを延伸してなり、該延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載の光学機能性膜である。
<5> 空孔部分を除くフィルム表面に金属層を有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の光学機能性膜である。
<6> 金属層における金属が、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、タングステン、クロム及びこれらの合金から選択される少なくとも1種である前記<5>に記載の光学機能性膜である。
<7> フィルム材料が、疎水性ポリマー及び両親媒性化合物から選択される少なくとも1種である前記<1>から<6>のいずれかに記載の光学機能性膜である。
<8> 両親媒性化合物が、両親媒性ポリマーである前記<7>に記載の光学機能性膜である。
<9> 支持体を有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の光学機能性膜である。
<10> 偏光膜として用いられる前記<1>から<9>のいずれかに記載の光学機能性膜である。
<11> 楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムと、該空孔内を含むフィルム表面に金属層と、を有することを特徴とする複合膜である。
<12> 微細空孔構造を有するフィルムが、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムである前記<11>に記載の複合膜である。
<13> フィルムを延伸してなり、該延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである前記<11>から<12>のいずれかに記載の複合膜である。
<14> 金属層における金属が、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、タングステン、クロム及びこれらの合金から選択される少なくとも1種である前記<11>から<13>のいずれかに記載の複合膜である。
<15> フィルムの空孔内に金属層を有し、ワイヤーグリッド機能を有する前記<11>から<14>のいずれかに記載の複合膜である。
<16> フィルム材料が、疎水性ポリマー及び両親媒性化合物から選択される少なくとも1種である前記<11>から<15>のいずれかに記載の複合膜である。
<17> 両親媒性化合物が、両親媒性ポリマーである前記<16>に記載の光学機能性膜である。
<18> 支持体を有する前記<11>から<17>のいずれかに記載の複合膜である。
<19> 偏光膜として用いられる前記<11>から<18>のいずれかに記載の複合膜である。
<20> 支持体上に有機溶媒と高分子化合物とを含む塗布液を塗布し、得られた膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するフィルムを作製するフィルム作製工程と、
得られたフィルムを延伸し、楕円状乃至スリット状の空孔を形成する延伸工程と、を含むことを特徴とする光学機能性膜の製造方法である。
<21> 延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである前記<20>に記載の光学機能性膜の製造方法である。
<22> 空孔部分を除くフィルム表面に金属層を形成する金属層形成工程を含む前記<20>から<21>のいずれかに記載の光学機能性膜の製造方法である。
<23> 金属層が、真空蒸着法、メッキ法、及び電鋳法のいずれかにより形成される前記<22>に記載の光学機能性膜の製造方法である。
<24> 支持体上に有機溶媒と高分子化合物とを含む塗布液を塗布し、得られた膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するフィルムを作製するフィルム作製工程と、
得られたフィルムを延伸し、楕円状乃至スリット状の空孔を形成する延伸工程と
該空孔内を含むフィルム表面に金属層を形成する金属層形成工程と、を含むことを特徴とする複合膜の製造方法である。
<25> 延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである前記<24>に記載の複合膜の製造方法である。
<26> 金属層が、真空蒸着法、メッキ法、及び電鋳法のいずれかにより形成される前記<24>から<25>のいずれかに記載の複合膜の製造方法である。
<1> 楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムよりなることを特徴とする光学機能性膜である。
<2> 微細空孔構造を有するフィルムが、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムである前記<1>に記載の光学機能性膜である。
<3> 空孔が、フィルム表面に楕円状乃至スリット状に開口し、かつ直線状に配列している前記<1>から<2>のいずれかに記載の光学機能性膜である。
<4> フィルムを延伸してなり、該延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載の光学機能性膜である。
<5> 空孔部分を除くフィルム表面に金属層を有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の光学機能性膜である。
<6> 金属層における金属が、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、タングステン、クロム及びこれらの合金から選択される少なくとも1種である前記<5>に記載の光学機能性膜である。
<7> フィルム材料が、疎水性ポリマー及び両親媒性化合物から選択される少なくとも1種である前記<1>から<6>のいずれかに記載の光学機能性膜である。
<8> 両親媒性化合物が、両親媒性ポリマーである前記<7>に記載の光学機能性膜である。
<9> 支持体を有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の光学機能性膜である。
<10> 偏光膜として用いられる前記<1>から<9>のいずれかに記載の光学機能性膜である。
<11> 楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムと、該空孔内を含むフィルム表面に金属層と、を有することを特徴とする複合膜である。
<12> 微細空孔構造を有するフィルムが、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムである前記<11>に記載の複合膜である。
<13> フィルムを延伸してなり、該延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである前記<11>から<12>のいずれかに記載の複合膜である。
<14> 金属層における金属が、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、タングステン、クロム及びこれらの合金から選択される少なくとも1種である前記<11>から<13>のいずれかに記載の複合膜である。
<15> フィルムの空孔内に金属層を有し、ワイヤーグリッド機能を有する前記<11>から<14>のいずれかに記載の複合膜である。
<16> フィルム材料が、疎水性ポリマー及び両親媒性化合物から選択される少なくとも1種である前記<11>から<15>のいずれかに記載の複合膜である。
<17> 両親媒性化合物が、両親媒性ポリマーである前記<16>に記載の光学機能性膜である。
<18> 支持体を有する前記<11>から<17>のいずれかに記載の複合膜である。
<19> 偏光膜として用いられる前記<11>から<18>のいずれかに記載の複合膜である。
<20> 支持体上に有機溶媒と高分子化合物とを含む塗布液を塗布し、得られた膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するフィルムを作製するフィルム作製工程と、
得られたフィルムを延伸し、楕円状乃至スリット状の空孔を形成する延伸工程と、を含むことを特徴とする光学機能性膜の製造方法である。
<21> 延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである前記<20>に記載の光学機能性膜の製造方法である。
<22> 空孔部分を除くフィルム表面に金属層を形成する金属層形成工程を含む前記<20>から<21>のいずれかに記載の光学機能性膜の製造方法である。
<23> 金属層が、真空蒸着法、メッキ法、及び電鋳法のいずれかにより形成される前記<22>に記載の光学機能性膜の製造方法である。
<24> 支持体上に有機溶媒と高分子化合物とを含む塗布液を塗布し、得られた膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するフィルムを作製するフィルム作製工程と、
得られたフィルムを延伸し、楕円状乃至スリット状の空孔を形成する延伸工程と
該空孔内を含むフィルム表面に金属層を形成する金属層形成工程と、を含むことを特徴とする複合膜の製造方法である。
<25> 延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである前記<24>に記載の複合膜の製造方法である。
<26> 金属層が、真空蒸着法、メッキ法、及び電鋳法のいずれかにより形成される前記<24>から<25>のいずれかに記載の複合膜の製造方法である。
本発明の光学機能性膜は、楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムよりなるので、偏光度が高く、大面積化が容易であり、耐久性に優れ、安価で高性能なものである。
本発明の複合膜は、楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムと、該空孔内を含むフィルム表面に金属層と、を有するので、大面積化が容易であり、耐久性に優れ、安価に、ワイヤーグリッド機能を備えたものが得られる。
前記光学機能性膜及び偏光膜の微細空孔構造を有するフィルムは、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムであること、及び延伸してなることが好ましい。
また、前記ハニカム構造体が形成される機構について次のように推定される。疎水性有機溶媒が蒸発する際に潜熱を奪われ温度が下がった溶媒表面で水が凝結して微小液滴となり、ポリマー溶液表面に付着する。ポリマー溶液中の親水性部分の働きによって、水と疎水性有機溶媒の間の表面張力が減少し、水滴が凝集して1つの塊に融合するのを防止する。溶媒蒸発と周囲からの補填に基づく溶媒の流れにより液滴が移送・集積され、更に横毛管力により最密充填される。最後に水が蒸発してポリマーが規則正しくハニカム状に並んだ形として残る。
本発明の複合膜は、楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムと、該空孔内を含むフィルム表面に金属層と、を有するので、大面積化が容易であり、耐久性に優れ、安価に、ワイヤーグリッド機能を備えたものが得られる。
前記光学機能性膜及び偏光膜の微細空孔構造を有するフィルムは、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムであること、及び延伸してなることが好ましい。
また、前記ハニカム構造体が形成される機構について次のように推定される。疎水性有機溶媒が蒸発する際に潜熱を奪われ温度が下がった溶媒表面で水が凝結して微小液滴となり、ポリマー溶液表面に付着する。ポリマー溶液中の親水性部分の働きによって、水と疎水性有機溶媒の間の表面張力が減少し、水滴が凝集して1つの塊に融合するのを防止する。溶媒蒸発と周囲からの補填に基づく溶媒の流れにより液滴が移送・集積され、更に横毛管力により最密充填される。最後に水が蒸発してポリマーが規則正しくハニカム状に並んだ形として残る。
本発明の光学機能性膜の製造方法は、支持体上に有機溶媒と高分子化合物とを含む液をキャストし、得られた膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するフィルムを作製するフィルム作製工程と、得られたフィルムを延伸し、楕円状乃至スリット状の空孔を形成する延伸工程とを含む。
本発明の光学機能性膜の製造方法においては、特別な装置や手段を用いることなく、安価に効率よく高品質な光学機能性膜を製造することができる。
本発明の光学機能性膜の製造方法においては、特別な装置や手段を用いることなく、安価に効率よく高品質な光学機能性膜を製造することができる。
本発明の複合膜の製造方法は、支持体上に有機溶媒と高分子化合物とを含む液を塗布し、得られた膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するフィルムを作製するフィルム作製工程と、
得られたフィルムを延伸し、楕円状乃至スリット状の空孔を形成する延伸工程と
該空孔を含むフィルム表面に金属層を形成する金属層形成工程と、を含む。
本発明の複合膜の製造方法においては、特別な装置や手段を用いることなく、安価に効率よく高品質な複合膜を製造することができる。
得られたフィルムを延伸し、楕円状乃至スリット状の空孔を形成する延伸工程と
該空孔を含むフィルム表面に金属層を形成する金属層形成工程と、を含む。
本発明の複合膜の製造方法においては、特別な装置や手段を用いることなく、安価に効率よく高品質な複合膜を製造することができる。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、本発明は、大偏光度が高く、大面積化が容易であり、耐久性に優れた高性能な光学機能性膜及び複合膜、並びにこれらの膜を効率良く、低コストで製造する方法を提供することができる。
(光学機能性膜及び複合膜)
本発明の光学機能性膜は、楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムよりなり、更に必要に応じて、金属層、支持体、その他の構成を有してなる。
前記光学機能性膜は、空孔部分を除くフィルム表面に金属層を有することが好ましい。
本発明の複合膜は、楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムと、該空孔内を含むフィルム表面に金属層と、を有してなり、更に必要に応じて、支持体、その他の構成を有してなる。
前記光学機能性膜及び複合膜における微細空孔構造を有するフィルムは、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムであること、及び延伸してなることが好ましい。
ここで、前記楕円状乃至スリット状の空孔は、図1に示すように、フィルム表面に楕円状乃至スリット状に開口し、かつ直線状に配列しており、該空孔の周囲が壁面で覆われている。
本発明の光学機能性膜は、楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムよりなり、更に必要に応じて、金属層、支持体、その他の構成を有してなる。
前記光学機能性膜は、空孔部分を除くフィルム表面に金属層を有することが好ましい。
本発明の複合膜は、楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムと、該空孔内を含むフィルム表面に金属層と、を有してなり、更に必要に応じて、支持体、その他の構成を有してなる。
前記光学機能性膜及び複合膜における微細空孔構造を有するフィルムは、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムであること、及び延伸してなることが好ましい。
ここで、前記楕円状乃至スリット状の空孔は、図1に示すように、フィルム表面に楕円状乃至スリット状に開口し、かつ直線状に配列しており、該空孔の周囲が壁面で覆われている。
−微細空孔構造を有するフィルム−
前記微細空孔構造を有するフィルムにおけるフィルム材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、疎水性ポリマー及び両親媒性化合物から選択される少なくとも1種が好適である。
前記微細空孔構造を有するフィルムにおけるフィルム材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、疎水性ポリマー及び両親媒性化合物から選択される少なくとも1種が好適である。
前記疎水性ポリマーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル重合ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロペン、ポリビニルエーテル、ポリビニルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリテトラフルオロエチレンなど)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸など)、ポリラクトン(例えばポリカプロラクトンなど)、ポリアミド又はポリイミド(例えば、ナイロンやポリアミド酸など)、ポリウレタン、ポリウレア、ポリカーボネート、ポリアロマティックス、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリシロキサン誘導体、などが挙げられる。これらは、溶解性、光学的物性、電気的物性、膜強度、弾性等の観点から、必要に応じてホモポリマーとしてもよいし、コポリマーやポリマーブレンドの形態をとってもよい。また、これらのポリマーは必要に応じて2種以上のポリマーの混合物として用いてもよい。
前記両親媒性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、両親媒性ポリマーが挙げられる。
前記両親媒性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアクリルアミドを主鎖骨格とし、疎水性側鎖としてドデシル基、親水性側鎖としてカルボキシル基を併せ持つ両親媒性ポリマー、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、などが挙げられる。
前記疎水性側鎖は、メチレン基、フェニレン基等の非極性直鎖状基であり、エステル基、アミド基等の連結基を除いて、末端まで極性基やイオン性解離基などの親水性基を分岐しない構造であることが好ましい。該疎水性側鎖としては、例えば、メチレン基を用いる場合には5つ以上のユニットからなることが好ましい。
前記親水性側鎖は、メチレン基等の連結部分を介して末端に極性基やイオン性解離基、又はオキシエチレン基などの親水性部分を有する構造であることが好ましい。
前記両親媒性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアクリルアミドを主鎖骨格とし、疎水性側鎖としてドデシル基、親水性側鎖としてカルボキシル基を併せ持つ両親媒性ポリマー、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックコポリマー、などが挙げられる。
前記疎水性側鎖は、メチレン基、フェニレン基等の非極性直鎖状基であり、エステル基、アミド基等の連結基を除いて、末端まで極性基やイオン性解離基などの親水性基を分岐しない構造であることが好ましい。該疎水性側鎖としては、例えば、メチレン基を用いる場合には5つ以上のユニットからなることが好ましい。
前記親水性側鎖は、メチレン基等の連結部分を介して末端に極性基やイオン性解離基、又はオキシエチレン基などの親水性部分を有する構造であることが好ましい。
前記疎水性側鎖と前記親水性側鎖との比率は、その大きさや非極性、極性の強さ、疎水性有機溶媒の疎水性の強さなどに応じて異なり一概には規定できないが、ユニット比(疎水性側鎖/親水性側鎖)は9.9/0.1〜5.5/4.5が好ましい。また、コポリマーの場合、疎水性側鎖の親水性側鎖の交互重合体よりも、疎水性溶媒への溶解性に影響しない範囲で疎水性側鎖と親水性側鎖がブロックを形成するブロックコポリマーであることが好ましい。
前記疎水性ポリマー及び前記両親媒性化合物の数平均分子量(Mn)は、10,000〜10,000,000が好ましく、50,000〜1,000,000がより好ましい。
前記両親媒性化合物としては、前記両親媒性ポリマー以外のものも挙げられる。前記両親媒性ポリマー以外の両親媒性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、界面活性剤などが好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はないが、例えば、一般式(I)で表される化合物などが挙げられる。
ただし、前記一般式(I)中、R1は脂肪族基、脂環式化合物基、芳香族基、及びヘテロ環のいずれかを表し、R2は脂肪族基、脂環式化合物基、芳香族基、ヘテロ環、及び−L−Zのいずれかを表す。Q1、Q2、及びQ3はそれぞれ単結合、酸素原子、硫黄原子、及び−N(R3)−のいずれかを表し、R3は水素原子及びR2のいずれかを表し、Lは2価の連結基を表し、Zはイオン性の基を表す。なお、単結合とは、元素が存在しないことをいう。
前記界面活性剤としては、特に制限はないが、例えば、一般式(I)で表される化合物などが挙げられる。
前記一般式(I)中、R1で表される脂肪族基としては、例えば、直鎖又は分枝の炭素数1〜40の無置換アルキル基、直鎖又は分枝の炭素数1〜40の置換アルキル基、直鎖又は分枝の炭素数2〜40の無置換アルケニル基、直鎖又は分枝の炭素数2〜40の置換アルケニル基、直鎖又は分枝の炭素数2〜40の無置換アルキニル基、直鎖又は分枝の炭素数2〜40の置換アルキニル基等が好ましい。
前記直鎖又は分枝の炭素数1〜40の無置換アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、tert−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、2−オクチルドデシル基、ドコシル基、テトラコシル基、2−デシルテトラデシル基、トリコシル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数1〜40の置換アルキル基における置換基としては、例えば、アルコキシル基、アリール基、ハロゲン原子、カルボンエステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、燐酸エステル基等が挙げられる。具体的には、例えば、ベンジル基、β−フェネチル基、2−メトキシエチル基、4−フェニルブチル基、4−アセトキシエチル基、6−フェノキシヘキシル基、12−フェニルドデシル基、18−フェニルオクタデシル基、ヘプタデシルフルオロオクチル基、12−(p−クロロフェニル)ドデシル基、2−(燐酸ジフェニル)エチル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の無置換アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、4−ペンテニル基、3−ペンテニル基、3−メチル−3−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、7−オクテニル基、9−デセニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の置換アルケニル基としては、例えば、2−フェニルビニル基、4−アセチル−2−ブテニル基、13−メトキシ−9−オクタデセニル基、9,10−ジブロモ−12−オクタデセニル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の無置換アルキニル基としては、例えば、アセチレン基、プロパルギル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、2-ヘキシニル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の置換アルキニル基における置換基としては、例えば、アルコキシル基、アリール基等が挙げられる。具体的には、例えば、2−フェニルアセチレン基、3−フェニルプロパルギル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数1〜40の無置換アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、tert−アミル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、2−オクチルドデシル基、ドコシル基、テトラコシル基、2−デシルテトラデシル基、トリコシル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数1〜40の置換アルキル基における置換基としては、例えば、アルコキシル基、アリール基、ハロゲン原子、カルボンエステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、燐酸エステル基等が挙げられる。具体的には、例えば、ベンジル基、β−フェネチル基、2−メトキシエチル基、4−フェニルブチル基、4−アセトキシエチル基、6−フェノキシヘキシル基、12−フェニルドデシル基、18−フェニルオクタデシル基、ヘプタデシルフルオロオクチル基、12−(p−クロロフェニル)ドデシル基、2−(燐酸ジフェニル)エチル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の無置換アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、4−ペンテニル基、3−ペンテニル基、3−メチル−3−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、7−オクテニル基、9−デセニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の置換アルケニル基としては、例えば、2−フェニルビニル基、4−アセチル−2−ブテニル基、13−メトキシ−9−オクタデセニル基、9,10−ジブロモ−12−オクタデセニル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の無置換アルキニル基としては、例えば、アセチレン基、プロパルギル基、3−ブチニル基、4−ペンチニル基、5−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、2-ヘキシニル基等が挙げられる。
前記直鎖又は分枝の炭素数2〜40の置換アルキニル基における置換基としては、例えば、アルコキシル基、アリール基等が挙げられる。具体的には、例えば、2−フェニルアセチレン基、3−フェニルプロパルギル基等が挙げられる。
前記一般式(I)中、R1で表される脂環式化合物基としては、例えば、置換又は無置換の炭素数3〜40のシクロアルキル基、置換又は無置換の炭素数4〜40のシクロアルケニル基等が好ましい。
前記芳香族基としては、例えば、置換又は無置換の炭素数6〜50のアリール基等が好ましい。
前記脂環式化合物基における、置換又は無置換の炭素数3〜40のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−フェニルシクロヘキシル基、3−メトキシシクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
前記脂環式化合物基における、置換又は無置換の炭素数4〜40のシクロアルケニル基としては、例えば、1−シクロヘキセニル基、2−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、2,6−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、4−tert−ブチル−2−シクロヘキセニル基、2−シクロヘプテニル基、3−メチル−3−シクロヘプテニル基等が挙げられる。
前記芳香族基における、炭素数6〜50のアリール基の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。具体的には、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントラニル基、o−クレジル基、m−クレジル基、p−クレジル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、p−n−アミルフェニル基、p−tert−アミルフェニル基、2,6−ジメチル−4−tert−ブチルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、p−tert−オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、p−n−ドデシルフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−ブトキシフェニル基、m−オクチルオキシフェニル基、ビフェニル基、m−クロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、2−(5−メチルナフチル基)等が挙げられる。
前記芳香族基としては、例えば、置換又は無置換の炭素数6〜50のアリール基等が好ましい。
前記脂環式化合物基における、置換又は無置換の炭素数3〜40のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、2,6−ジメチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、4−フェニルシクロヘキシル基、3−メトキシシクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
前記脂環式化合物基における、置換又は無置換の炭素数4〜40のシクロアルケニル基としては、例えば、1−シクロヘキセニル基、2−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、2,6−ジメチル−3−シクロヘキセニル基、4−tert−ブチル−2−シクロヘキセニル基、2−シクロヘプテニル基、3−メチル−3−シクロヘプテニル基等が挙げられる。
前記芳香族基における、炭素数6〜50のアリール基の置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシル基、アリール基、ハロゲン原子等が挙げられる。具体的には、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントラニル基、o−クレジル基、m−クレジル基、p−クレジル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、p−n−アミルフェニル基、p−tert−アミルフェニル基、2,6−ジメチル−4−tert−ブチルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、オクチルフェニル基、p−tert−オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、p−n−ドデシルフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−ブトキシフェニル基、m−オクチルオキシフェニル基、ビフェニル基、m−クロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、2−(5−メチルナフチル基)等が挙げられる。
前記一般式(I)中、ヘテロ環としては、例えば、置換又は無置換の炭素数4〜40の環状エーテル、置換又は無置換の炭素数4〜40の含窒素環等が好ましい。
前記置換又は無置換の炭素数4〜40の環状エーテルとしては、例えば、フリル基、4−ブチル−3−フリル基、ピラニル基、5−オクチル−2H−ピラン−3−イル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基等が挙げられる。
前記置換又は無置換の炭素数4〜40の含窒素環としては、例えば、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、インドリジニル基、モルホリル基等が挙げられる。
前記置換又は無置換の炭素数4〜40の環状エーテルとしては、例えば、フリル基、4−ブチル−3−フリル基、ピラニル基、5−オクチル−2H−ピラン−3−イル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基等が挙げられる。
前記置換又は無置換の炭素数4〜40の含窒素環としては、例えば、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、インドリジニル基、モルホリル基等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜24の、直鎖、環状、又は分枝の無置換アルキル基、置換基の炭素数を除いた炭素数が1〜24の、直鎖、環状、又は分枝の置換アルキル基、炭素数2〜24の、直鎖、環状、又は分枝の無置換アルケニル基、炭素数2〜24の、直鎖、環状、又は分枝の置換アルケニル基、炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基が特に好ましい。
前記炭素数1〜24の、直鎖、環状、又は分枝の無置換アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、2−オクチルドデシル基、ドコシル基、テトラコシル基、2−デシルテトラデシル基等が挙げられる。
前記置換基の炭素数を除いた炭素数が1〜24の、直鎖、環状、又は分枝の置換アルキル基としては、例えば、6−フェノキシヘキシル基、12−フェニルドデシル基、18−フェニルオクタデシル基、ヘプタデシルフルオロオクチル基、12−(p−クロロフェニル)ドデシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
前記炭素数2〜24の、直鎖、環状、又は分枝の無置換アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、2−メチル−2−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、7−オクテニル基、9−デセニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基等が挙げられる。
前記炭素数2〜24の、直鎖、環状、又は分枝の置換アルケニル基としては、例えば、2−フェニルビニル基、9,10−ジブロモ−12−オクタデセニル基等が挙げられる。
前記炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、p−クレジル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−tert−アミルフェニル基、オクチルフェニル基、p−tert−オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、p−n−ドデシルフェニル基、m−オクチルオキシフェニル基、ビフェニル基、等が挙げられる。
前記炭素数1〜24の、直鎖、環状、又は分枝の無置換アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ドデシル基、セチル基、ヘキサデシル基、2−ヘキシルデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、2−オクチルドデシル基、ドコシル基、テトラコシル基、2−デシルテトラデシル基等が挙げられる。
前記置換基の炭素数を除いた炭素数が1〜24の、直鎖、環状、又は分枝の置換アルキル基としては、例えば、6−フェノキシヘキシル基、12−フェニルドデシル基、18−フェニルオクタデシル基、ヘプタデシルフルオロオクチル基、12−(p−クロロフェニル)ドデシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
前記炭素数2〜24の、直鎖、環状、又は分枝の無置換アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、2−メチル−2−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、7−オクテニル基、9−デセニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基等が挙げられる。
前記炭素数2〜24の、直鎖、環状、又は分枝の置換アルケニル基としては、例えば、2−フェニルビニル基、9,10−ジブロモ−12−オクタデセニル基等が挙げられる。
前記炭素数6〜30の置換又は無置換のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、p−クレジル基、p−エチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−tert−アミルフェニル基、オクチルフェニル基、p−tert−オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、p−n−ドデシルフェニル基、m−オクチルオキシフェニル基、ビフェニル基、等が挙げられる。
前記一般式(I)中、Q1、Q2、及びQ3としては、単結合、酸素原子、又は−N(R3)−が好ましく、Q1、Q2、及びQ3の内の少なくとも2つ以上が酸素原子であることが特に好ましい。
前記一般式(I)中、Lとしては、下記一般式(II)で表される基が好ましい。
一般式(II)
ただし、前記一般式(II)中、Y1、Y2、及びY3は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい、炭素数1〜40の置換又は無置換のアルキレン基、及び炭素数6〜40の置換又は無置換のアリーレン基のいずれかを表す。J1、J2、及びJ3は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい2価の結合ユニットを表す。p、q、及びrは、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。sは、1〜10の整数を表す。a及びbは、それぞれ独立に、0〜50の整数を表す。
一般式(II)
前記Y1、Y2、及びY3における置換基としては、例えば、前記一般式(I)におけるR1で例示した基が挙げられる。具体的には、例えば、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、2−メトキシ−1,3−プロピレン基等が好ましく、アリーレン基としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、3−クロロ−1,4−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,5−ナフチレン基等が好ましい。これらの中でも、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、m-フェニレン基、p−フェニレン基が特に好ましい。
前記J1、J2、及びJ3における2価の結合ユニットとしては、例えば、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CON(R4)−、−N(R4)CO−、−CON(R4)CO−、−N(R4)CON(R5)−、−OCON(R4)−、−N(R4)COO−、−SO2−、−SO2N(R4)−、−N(R4)SO2−、−N(COR4)−、−OP(=O)(OR1)O−等が好ましい。なお、これらにおいて、R1は前記一般式(I)におけるのと同じ意を表し、R4は水素原子、炭素数1〜6の無置換アルキル基、及び置換基の炭素数を除いた炭素数が1〜6の置換アルキル基のいずれかを表し、R5はR4と同じ意を表すがそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。前記R4及びR5における置換基としては、アリール基、アルコキシル基、ハロゲン原子等が挙げられる。
これらの中では、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CON(R3)−(R3は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基を表す。)、−N(R4)CO−、−SO2N(R4)−、−N(R4)SO2−等が特に好ましい。
これらの中では、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CON(R3)−(R3は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基を表す。)、−N(R4)CO−、−SO2N(R4)−、−N(R4)SO2−等が特に好ましい。
前記p、q、及びrとしては、それぞれ独立に、0〜3の整数が好ましく、0又は1の整数が特に好ましい。
前記sとしては、1〜5の整数が好ましく、1〜3の整数が特に好ましい。前記a及びbとしては、それぞれ独立に、0〜20の整数が好ましく、0〜10の整数が特に好ましい。
前記sとしては、1〜5の整数が好ましく、1〜3の整数が特に好ましい。前記a及びbとしては、それぞれ独立に、0〜20の整数が好ましく、0〜10の整数が特に好ましい。
前記一般式(I)中、Zとしては、親水性のアニオン性又はカチオン性のイオン性基が好ましく、アニオン性基が特に好ましい。
前記アニオン性基としては、−COOM、−SO3M、−OSO3M、−PO(OM)2−OPO(OM)2が特に好ましい。なお、前記Mは、対カチオンを表し、アルカリ金属イオン(例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン等)、及びアンモニウムイオンのいずれかが好ましい。これらの中でも、ナトリウムイオン、カリウムイオンが特に好ましい。
前記カチオン性基としては、例えば、−NH3 +・X−、−NH2(R6)+・−、−NH(R6)2 +・X−、−N(R6)3 +・X−が挙げられる。
前記R6としては、炭素数1〜3のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基等)を表し、メチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
前記Xとしては、対アニオンを表し、例えば、ハロゲンイオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン等)、複合無機アニオン(例えば、水酸化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン等)、及び有機化合物アニオン(例えば、シュウ酸イオン、蟻酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン等)が好ましく、塩素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオンが特に好ましい。
前記アニオン性基としては、−COOM、−SO3M、−OSO3M、−PO(OM)2−OPO(OM)2が特に好ましい。なお、前記Mは、対カチオンを表し、アルカリ金属イオン(例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオン等)、及びアンモニウムイオンのいずれかが好ましい。これらの中でも、ナトリウムイオン、カリウムイオンが特に好ましい。
前記カチオン性基としては、例えば、−NH3 +・X−、−NH2(R6)+・−、−NH(R6)2 +・X−、−N(R6)3 +・X−が挙げられる。
前記R6としては、炭素数1〜3のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基等)を表し、メチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
前記Xとしては、対アニオンを表し、例えば、ハロゲンイオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン等)、複合無機アニオン(例えば、水酸化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン等)、及び有機化合物アニオン(例えば、シュウ酸イオン、蟻酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン等)が好ましく、塩素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオンが特に好ましい。
前記一般式(I)中、R2としては、例えば、上記R1で例示した基、上記−L−Zで例示した基の中から選ばれる一価の基が挙げられる。R1で例示した基から選択される場合は、同一分子内に存在するR1と同一構造であっても異なった構造であってもよい。また、−L−Zで例示した基から選択される場合も、同一分子内に存在する−L−Zと同一構造であっても異なった構造であってもよい。これらの中でも、R1で例示した基から選択される場合が特に好ましい。更に、R1とR2との炭素数の合計が6以上80以下になることが好ましく、8以上50以下になる場合が特に好ましい。
前記界面活性剤の具体例を以下に例示するが、これら具体例に限定されるものではない。
前記疎水性ポリマーだけでもハニカム構造フィルムを形成することができるが、両親媒性化合物と共に用いることが好ましい。
前記疎水性ポリマーと前記両親媒性化合物との組成比率(質量比率)は、99:1〜50:50が好ましく、95:5〜75:25がより好ましい。前記両親媒性化合物の比率が1質量%未満であると、均一なハニカム構造体が得られなくなることがある。一方、前記両親媒性化合物の比率が50質量%を超えると、膜の安定性、特に力学的な安定性が十分に得られなくなることがある。
また、前記両親媒性化合物が両親媒性ポリマーでない場合は、前記疎水性ポリマーと前記両親媒性化合物との組成比率(質量比率)は、99.9:0.1〜80:20が好ましい。前記両親媒性化合物の比率が0.1質量%未満であると、均一なハニカム構造体が得られなくなることがある。一方、前記両親媒性化合物の比率が20質量%を超えると、化合物が低分子であるため、フィルム強度に悪影響が生じる場合がある。
前記疎水性ポリマーと前記両親媒性化合物との組成比率(質量比率)は、99:1〜50:50が好ましく、95:5〜75:25がより好ましい。前記両親媒性化合物の比率が1質量%未満であると、均一なハニカム構造体が得られなくなることがある。一方、前記両親媒性化合物の比率が50質量%を超えると、膜の安定性、特に力学的な安定性が十分に得られなくなることがある。
また、前記両親媒性化合物が両親媒性ポリマーでない場合は、前記疎水性ポリマーと前記両親媒性化合物との組成比率(質量比率)は、99.9:0.1〜80:20が好ましい。前記両親媒性化合物の比率が0.1質量%未満であると、均一なハニカム構造体が得られなくなることがある。一方、前記両親媒性化合物の比率が20質量%を超えると、化合物が低分子であるため、フィルム強度に悪影響が生じる場合がある。
前記疎水性ポリマー及び前記両親媒性ポリマーは、分子内に重合性基を有する重合性(架橋性)ポリマーであることも好ましい。また、前記疎水性ポリマー及び/又は前記両親媒性ポリマーとともに、重合性の多官能モノマーを配合し、この配合物によりハニカム膜を形成した後、熱硬化法、紫外線硬化法、電子線硬化法等の公知の方法によって硬化処理を施すことも好ましい。
前記疎水性ポリマー及び/又は前記両親媒性ポリマーと併用される多官能モノマーとしては、反応性の点から多官能(メタ)アクリレートが好ましい。前記多官能(メタ)アクリレートの例としては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールカプロラクトン付加物へキサアクリレート又はこれらの変性物、エポキシアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマ−、N−ビニル−2−ピロリドン、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、又はこれらの変性物などが使用できる。これらの多官能モノマーは耐擦傷性と柔軟性のバランスから、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
前記疎水性ポリマー及び前記両親媒性ポリマーは、分子内に重合性基を有する重合性(架橋性)ポリマーである場合には、前記疎水性ポリマー及び前記両親媒性ポリマーの重合性基と反応しうる重合性の多官能モノマーを併用することも好ましい。
前記疎水性ポリマー及び前記両親媒性ポリマーは、分子内に重合性基を有する重合性(架橋性)ポリマーである場合には、前記疎水性ポリマー及び前記両親媒性ポリマーの重合性基と反応しうる重合性の多官能モノマーを併用することも好ましい。
前記エチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル開始剤又は熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。
従って、エチレン性不飽和基を有するモノマー、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤、マット粒子及び無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線又は熱による重合反応により硬化して反射防止フィルムを形成することができる。
従って、エチレン性不飽和基を有するモノマー、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤、マット粒子及び無機フィラーを含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線又は熱による重合反応により硬化して反射防止フィルムを形成することができる。
前記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−アルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。
前記アセトフェノン類としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンなどが挙げられる。
前記ベンゾイン類としては、例えば、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−クロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドなどが挙げられる。
前記光ラジカル重合開始剤としては、最新UV硬化技術(P.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)にも種々の例が記載されている。
また、市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,907)等が好ましい例として挙げられる。
前記光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、1〜10質量部の範囲で使用することがより好ましい。
なお、前記光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。外光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトン、チオキサントンなどを挙げることができる。
前記アセトフェノン類としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンなどが挙げられる。
前記ベンゾイン類としては、例えば、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
前記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−クロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドなどが挙げられる。
前記光ラジカル重合開始剤としては、最新UV硬化技術(P.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1991年発行)にも種々の例が記載されている。
また、市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,907)等が好ましい例として挙げられる。
前記光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、1〜10質量部の範囲で使用することがより好ましい。
なお、前記光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。外光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトン、チオキサントンなどを挙げることができる。
前記熱ラジカル開始剤としては、例えば、有機過酸化物、無機過酸化物、有機アゾ化合物、有機ジアゾ化合物、などを用いることができる。
具体的には、有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシドなどが挙げられる。前記無機過酸化物としては、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等が挙げられる。前記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(プロピオニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等が挙げられる。前記ジアゾ化合物としては、例えば、ジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
具体的には、有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシドなどが挙げられる。前記無機過酸化物としては、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等が挙げられる。前記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(プロピオニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等が挙げられる。前記ジアゾ化合物としては、例えば、ジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
前記自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムにおけるハニカム構造とは、一定形状、一定サイズの空孔が連続かつ規則的に配列している構造を意味する。この規則配列は単層の場合には二次元的であり、複層の場合は三次元的にも規則性を有する。この規則性は二次元的には1つの空孔の周囲を複数(例えば、6つ)の空孔が取り囲むように配置され、三次元的には結晶構造の面心立方や6方晶のような構造を取って、最密充填されることが多いが、製造条件によってはこれら以外の規則性を示すこともある。
前記ハニカム構造体を作製するに当たっては、ポリマー溶液上に微小な水滴粒子を形成させることが必須であることから、使用する溶媒としては非水溶性であることが好ましい。該非水溶性溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン系有機溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルイソブチルケトン等の非水溶性ケトン類;ジエチルエーテル等のエーテル類;二硫化炭素、などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、又はこれらの溶媒を組み合わせた混合溶媒として使用しても構わない。
前記溶解する疎水性ポリマーと両親媒性ポリマーの両者を合わせたポリマー濃度は0.02〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましい。前記ポリマー濃度が0.02質量%未満であると、得られる膜の力学強度が不足したり、細孔のサイズや配列が乱れてしまったりするなどの障害が生じることがあり、20質量%を超えると、十分なハニカム構造体が得られにくくなることがある。
前記微細空孔構造を有するフィルムにおける空孔の直径は、50.0μm以下が好ましく、100nm以上2,000nm以下がより好ましい。前記空孔の直径が50.0μmを超えると、膜強度が低下し、延伸過程で破断しやすくなることがある。
ここで、前記微細空孔構造を有するフィルムの孔径を小さくするためには、迅速乾燥を促すことが有効である。例えば、前記使用溶媒として低沸点溶媒を使用したり、支持体温度を上げたり、展開速度を早くして初期の展開液厚を薄くすることなどが有効である。
ここで、前記微細空孔構造を有するフィルムの孔径を小さくするためには、迅速乾燥を促すことが有効である。例えば、前記使用溶媒として低沸点溶媒を使用したり、支持体温度を上げたり、展開速度を早くして初期の展開液厚を薄くすることなどが有効である。
前記微細空孔構造を有するフィルムの厚みは、0.1μm〜1.0mmが好ましい。また、展開するポリマー濃度を高めることにより、支持体側に空孔のない肉厚の層を設けることもできる。この場合、前記空孔のない肉厚の層の厚みは500μm以下であることが好ましい。
−延伸−
本発明の光学機能性膜は、前記フィルムを延伸することにより得ることが好ましい。
前記延伸は、例えば、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかが好ましい。
前記延伸は、特に制限はなく、種々の延伸機を用いて実施することができるが、例えば、機械的流れ方向に延伸する縦一軸延伸、機械的流れ方向に直交する方向に延伸するテンター延伸などが好適に利用できる。
前記延伸倍率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一方向に延伸する場合は約1.05〜12倍、好ましくは1.2〜10倍であり、二軸延伸の場合は面積倍率で1.2〜60倍、好ましくは1.5〜50倍である。
前記延伸により、楕円状乃至スリット状の空孔が形成され、特に、フィルム表面に楕円状乃至スリット状に開口した空孔が形成される。
この場合、例えば、図1に示すように、空孔2は、ハニカム状多孔質フィルム1の表面に楕円状乃至スリット状に開口しており、かつ空孔2は直線状に配列していることが、後述するワイヤーグリッド機能を発揮させることができる点で好ましい。
本発明の光学機能性膜は、前記フィルムを延伸することにより得ることが好ましい。
前記延伸は、例えば、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかが好ましい。
前記延伸は、特に制限はなく、種々の延伸機を用いて実施することができるが、例えば、機械的流れ方向に延伸する縦一軸延伸、機械的流れ方向に直交する方向に延伸するテンター延伸などが好適に利用できる。
前記延伸倍率は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一方向に延伸する場合は約1.05〜12倍、好ましくは1.2〜10倍であり、二軸延伸の場合は面積倍率で1.2〜60倍、好ましくは1.5〜50倍である。
前記延伸により、楕円状乃至スリット状の空孔が形成され、特に、フィルム表面に楕円状乃至スリット状に開口した空孔が形成される。
この場合、例えば、図1に示すように、空孔2は、ハニカム状多孔質フィルム1の表面に楕円状乃至スリット状に開口しており、かつ空孔2は直線状に配列していることが、後述するワイヤーグリッド機能を発揮させることができる点で好ましい。
−金属層−
前記楕円状乃至スリット状に開口した空孔を有するフィルム表面には、金属層を設ける。
前記複合膜の場合には、空孔内を含むフィルム表面に金属層を形成する。
前記光学機能性膜の場合には、空孔部分を除くフィルム表面に金属層を形成することが好ましい。
前記金属層における金属としては、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、タングステン、クロム及びこれらの合金から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記金属層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メッキ法、印刷法、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電鋳法、などが挙げられ、これらの中でも、真空蒸着法、メッキ法、電鋳法が特に好ましい。
前記金属層の厚みとしては、特に制限はなく、膜の用途や目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム表面の金属層のみの複合膜構造の場合、50〜1,000nmが好ましい。
前記楕円状乃至スリット状に開口した空孔を有するフィルム表面には、金属層を設ける。
前記複合膜の場合には、空孔内を含むフィルム表面に金属層を形成する。
前記光学機能性膜の場合には、空孔部分を除くフィルム表面に金属層を形成することが好ましい。
前記金属層における金属としては、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、チタン、タングステン、クロム及びこれらの合金から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記金属層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メッキ法、印刷法、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電鋳法、などが挙げられ、これらの中でも、真空蒸着法、メッキ法、電鋳法が特に好ましい。
前記金属層の厚みとしては、特に制限はなく、膜の用途や目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム表面の金属層のみの複合膜構造の場合、50〜1,000nmが好ましい。
また、前記複合膜の場合には、フィルム表面の空孔内に金属層を有し、ワイヤーグリッド機能を有することが好ましい。即ち、楕円状乃至スリット状空孔が直線状に配列し、該空孔内に金属層を有することにより、互いに平行をなすように多数の金属ワイヤーが等間隔に並んだ構造と近似した構造を形成することができる。
前記フィルム表面の空孔内に金属層を形成する方法としては、フィルム表面に金属層を形成した後、空孔以外の金属層部分をエッチングにより除去する方法、などが挙げられる。
前記フィルム表面の空孔内に金属層を形成する方法としては、フィルム表面に金属層を形成した後、空孔以外の金属層部分をエッチングにより除去する方法、などが挙げられる。
−支持体−
本発明の光学機能性膜は、支持体を有することが好ましい。該支持体としては、透明で、ある程度の強度を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス、金属、シリコンウエハー等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリアミド、ポリエーテル、ポリスチレン、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエーテルケトン、ポリフッ化エチレン等の耐有機溶剤性に優れた有機材料;水、流動パラフィン、液状ポリエーテル等の液体、などが挙げられる。
前記支持体の厚みとしては、通常採用される範囲の厚さであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.005〜4.0mmが好ましい。
本発明の光学機能性膜は、支持体を有することが好ましい。該支持体としては、透明で、ある程度の強度を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス、金属、シリコンウエハー等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリアミド、ポリエーテル、ポリスチレン、ポリエステルアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエーテルケトン、ポリフッ化エチレン等の耐有機溶剤性に優れた有機材料;水、流動パラフィン、液状ポリエーテル等の液体、などが挙げられる。
前記支持体の厚みとしては、通常採用される範囲の厚さであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.005〜4.0mmが好ましい。
−用途−
本発明の光学機能性膜及び複合膜は、偏光度が高く、大面積化が容易であり、耐久性に優れるため、例えば、偏光膜、電磁波シールなどとして好適に用いることができる。特に、偏光膜として好適に用いることができる。
本発明の光学機能性膜及び複合膜は、偏光度が高く、大面積化が容易であり、耐久性に優れるため、例えば、偏光膜、電磁波シールなどとして好適に用いることができる。特に、偏光膜として好適に用いることができる。
(光学機能性膜及び複合膜の製造方法)
本発明の光学機能性膜の製造方法は、フィルム作製工程と、延伸工程とを含んでなり、金属層形成工程、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の複合膜の製造方法は、フィルム作製工程と、延伸工程と、金属層形成工程とを含んでなり、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の光学機能性膜の製造方法は、フィルム作製工程と、延伸工程とを含んでなり、金属層形成工程、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明の複合膜の製造方法は、フィルム作製工程と、延伸工程と、金属層形成工程とを含んでなり、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
−フィルム作製工程−
前記フィルム作製工程は、有機溶媒と高分子化合物とを含む液を支持体上にキャストして膜を形成し、該膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するフィルムを作製する工程である。
前記フィルム作製工程は、有機溶媒と高分子化合物とを含む液を支持体上にキャストして膜を形成し、該膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するフィルムを作製する工程である。
前記キャスト法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スライド法、エクストリュージョン法、バー法、グラビア法、などが挙げられる。
前記成膜を行う環境としては、相対湿度が50〜95%RHの範囲にあることが好ましい。前記相対湿度が50%未満であると、溶媒表面での水の凝結が不十分となることがあり、95%を超えると、環境のコントロールが難しく、均一な成膜を維持しにくくなることがある。
また、前記成膜を行う環境として、相対湿度のほかに風量が一定の定常風を当てることが好ましい。膜との相対風速は0.05〜20m/sが好ましい。前記風速が0.05m/s未満であると、環境のコントロールが困難になることがあり、20m/sを超えると、溶媒表面の乱れを引き起こし、均一な膜が得にくくなることがある。
また、定常風を当てる方向は、支持体面に対して0〜90°のいずれの方向であっても製造可能だが、ハニカム構造体の均一性を高めるためには0〜60°が好ましい。
また、定常風を当てる方向は、支持体面に対して0〜90°のいずれの方向であっても製造可能だが、ハニカム構造体の均一性を高めるためには0〜60°が好ましい。
前記成膜の際に送る湿度と流量を制御した気体としては、例えば、空気の他、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを用いることができるが、事前にフィルターを通過させるなどの除塵処置を施すことが好ましい。雰囲気中の塵は水蒸気の凝結核となって成膜に影響を及ぼすため、製造現場にも除塵設備等を設置することが好ましい。
前記成膜を行う環境は、市販の定露点湿度発生装置等を用いるなどして厳密に管理することが好ましい。風量は送風装置等で一定に制御し、外気による影響を防ぐために閉鎖された空間を用いることが好ましい。また、室内は気体が層流にて置換されるよう気体の導入出路及び成膜環境を設定しておくことが好ましい。更に、成膜品質を管理するために温度、湿度、流量等の計測器によるモニターを行うことが好ましい。孔径及び膜厚を高精度で制御するためには、これらのパラメータ(特に湿度、流量)を厳密に管理することが必須である。
−延伸工程−
前記延伸工程は、前記ハニカム構造体を延伸し、楕円状乃至スリット状の空孔を形成する工程である。
前記延伸としては、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかであることが好ましい。
また、前記延伸は、縦方向及び横方向のいずれの方向に実施してもよい。縦方向に延伸する場合は、一組以上のニップロールを用い、入口側の搬送速度より出口側の搬送速度を速くすることにより達成することができる。一方、横方向に延伸する場合は、両端をチャックで把持し、これを幅方向に広げる方法(テンター延伸)により達成することができる。延伸はこれらの方法を単独で行ってもよく、又はこれらの方法を組み合わせてもよい。
前記延伸工程は、前記ハニカム構造体を延伸し、楕円状乃至スリット状の空孔を形成する工程である。
前記延伸としては、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかであることが好ましい。
また、前記延伸は、縦方向及び横方向のいずれの方向に実施してもよい。縦方向に延伸する場合は、一組以上のニップロールを用い、入口側の搬送速度より出口側の搬送速度を速くすることにより達成することができる。一方、横方向に延伸する場合は、両端をチャックで把持し、これを幅方向に広げる方法(テンター延伸)により達成することができる。延伸はこれらの方法を単独で行ってもよく、又はこれらの方法を組み合わせてもよい。
−金属層形成工程−
前記金属層形成工程は、フィルム表面に金属層を形成する工程である。
前記複合膜の場合には、空孔内を含むフィルム表面に金属層を形成する。
前記光学機能性膜の場合には、空孔部分を除くフィルム表面に金属層を形成することが好ましい。
前記金属層の形成方法は、メッキ法、印刷法、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電鋳法、などが挙げられ、これらの中でも、真空蒸着法、メッキ法、電鋳法が特に好ましい。
前記メッキ法としては、例えば、電解メッキ、無電解メッキ、などが挙げられる。
前記電鋳とは、電気めっきによる金属製品の製造又は複製を意味する。
前記金属層形成工程は、フィルム表面に金属層を形成する工程である。
前記複合膜の場合には、空孔内を含むフィルム表面に金属層を形成する。
前記光学機能性膜の場合には、空孔部分を除くフィルム表面に金属層を形成することが好ましい。
前記金属層の形成方法は、メッキ法、印刷法、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法、電鋳法、などが挙げられ、これらの中でも、真空蒸着法、メッキ法、電鋳法が特に好ましい。
前記メッキ法としては、例えば、電解メッキ、無電解メッキ、などが挙げられる。
前記電鋳とは、電気めっきによる金属製品の製造又は複製を意味する。
ここで、本発明に係るフィルムの製造工程図を図2に示す。高分子溶液をキャスト工程10により支持体上にキャストし、膜(以下、「高分子膜」と称することがある)を形成する。その後に、結露乾燥工程11により、水を結露させ高分子膜中に液滴として含有させる。なお、結露乾燥工程11は、後に詳細に説明する。高分子溶液の溶媒及び液滴を蒸発させてハニカム構造フィルム12を得る。このハニカム構造フィルム12を延伸する延伸工程13を行い、光学機能性膜14を得る。なお、高分子膜から光学機能性膜14を得る間に照射工程15を行うこともできる。その場合に、照射光として紫外線や電子線を用いることができる。また、図示を省略しているが、フィルム表面に金属層を形成する金属層形成工程を行うこともできる。更に、図示を省略しているが、複合膜においては、フィルム表面に金属層を形成する金属層形成工程は必須である。
ハニカム構造フィルム12の素材としては、上述したような非水溶性溶媒に溶解する高分子化合物(以下、「親油性高分子化合物」と称することもある)を好ましく用いることができる。
また、前記親油性高分子だけでもハニカム構造フィルム12を形成することができるが、両親媒性の素材を添加することが好ましい。両親媒性の素材としては、上述したものを適宜選択して用いることができる。
また、前記各高分子化合物を溶解させて高分子溶液を調製する溶媒としては、上述したものを適宜選択して用いることができる。
また、前記親油性高分子だけでもハニカム構造フィルム12を形成することができるが、両親媒性の素材を添加することが好ましい。両親媒性の素材としては、上述したものを適宜選択して用いることができる。
また、前記各高分子化合物を溶解させて高分子溶液を調製する溶媒としては、上述したものを適宜選択して用いることができる。
次に、図3に、本発明に係るフィルム12を製造するフィルム製造設備20の概略図を示す。前記高分子溶液21がタンク22に入れられている。タンク22には攪拌翼23が備えられ、攪拌翼23が回転することで、高分子溶液21を均一に混合している。高分子溶液21は、ポンプ24により流延ダイ25に送液される。流延ダイ25は、流延ベルト26上に備えられている。また、流延ベルト26は、回転ローラ27,28に掛け渡されている。回転ローラ27,28が図示しない駆動装置により回転することで、流延ベルト26は無端で走行する。また、回転ローラ27,28には温調機29が取り付けられている。回転ローラ27,28の温度を調整することで、流延ベルト26の温度調整を可能としている。また、流延ベルト26上の高分子膜40を剥ぎ取る際に、高分子膜40を支持する剥取ローラ30,高分子膜40をフィルムとして巻き取る巻取機31も備えられている。
キャスト工程10では、流延ダイ25から流延ベルト26上に高分子溶液21がキャスト(流延)される。続いて、結露乾燥工程11が行われる。結露乾燥工程11は、図4A〜図4Dと合わせて説明する。図4Aに示すように流延ベルト26上に高分子膜40が形成される。なお、高分子膜40の表面温度(以下、「膜面温度」と称することがある)をTL(℃)とする。本発明において、膜面温度TLは0℃以上であることが好ましい。膜面温度TLが0℃未満であると、高分子膜40中の液滴が凝固して所望の孔が形成されないおそれが生じる。
流延が行われる流延室内は、結露ゾーン32と乾燥ゾーン33とに区画されている。結露ゾーン32には送風機34が備えられている。送風機34から結露用に調整されている風35を流延ベルト26上の高分子膜40に送風する。送風機34は、図3に示されているように送風口34a,34c,34eと吸引口34b,34d,34fとからなる複数の送風ユニットから構成されていることが好ましい。これにより、高分子膜40の結露条件を調整することが容易となる。なお、図3では、3ユニットから構成されているものを示しているが、本発明においては図示されている形態に限定されるものではない。
乾燥ゾーン33には、乾燥機36が設けられている。乾燥機36から高分子膜40に乾燥風37を送風する。乾燥機36も、図3に示されているように送風口36a,36c,36e,36gと吸引口36b,36d,36f,36hとからなる複数の送風ユニットから構成されていることが好ましい。これにより、高分子膜40の乾燥条件を調整することが容易となる。なお、図3では、4ユニットから構成されているものを示しているが、本発明においては図示されている形態に限定されるものではない。
温調機29を用いて回転ローラ27,28を介して流延ベルト26の温度調整を行うことがより好ましい。温度調整の方法としては、回転ローラ27,28の内部に液流路を設け、その液流路に伝熱媒体を送液することで調整する方法などが挙げられる。温度の調整は、下限値を流延ベルト26の温度を0℃以上とすることが好ましい。また、上限値は高分子溶液21の溶媒沸点以下とすることが好ましく、より好ましくは(溶媒沸点−3℃)とすることである。これにより、結露した水分が凝固することも無く、また高分子溶液21の溶媒が急激に蒸発することが抑制されるため、形状に優れるハニカム構造フィルム12を得ることができる。更に、温度調整は、高分子膜40の幅方向にわたって、温度分布を±3℃以内とすることにより、膜面温度の分布も±3℃以内となる。高分子膜40の幅方向の温度分布を減少させることにより、ハニカム構造フィルム12の孔の形成に異方性が生じることが抑制されるので、商品価値が向上する。
また、流延ベルト26の搬送方向を水平方向に対して±10°以内とすることが好ましい。搬送方向を調整することにより液滴44の形態を調整することができる。液滴44の形態を調整することにより、孔の形態を調整することが可能となる。
送風機34から風35が送風されている。風35の露点TD1(℃)は、結露ゾーン32を通過する高分子膜40の表面温度TL(℃)に対して0℃≦(TD1−TL)℃が好ましく、0℃≦(TD1−TL)℃≦80℃がより好ましく、5℃以上60℃以下が更に好ましく、10℃以上40℃以下が特に好ましい。前記(TD1−TL)℃が0℃未満であると、結露が生じ難くなることがあり、80℃を超えると、結露と乾燥とが急峻となり、孔寸法制御やその均一化することが困難となることがある。また、風35の温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5℃以上100℃以下が好ましい。前記風の温度が5℃未満であると、液特に水の蒸発が生じ難く、形状が良好なハニカム構造フィルム12を得ることができないおそれがある。また、100℃を超えると、高分子膜40内に液滴44が生じる前に、水蒸気として揮発してしまうおそれがある。
図4Aに示すように結露ゾーン32で風35中の水分(モデル的に図示している)43は、高分子膜40上で結露して液滴44となる。そして、図4Bに示すように液滴44を核として水分43が結露して液滴44を成長させる。図4Cに示すように乾燥ゾーン33で乾燥風37が高分子膜40に送風されると、有機溶媒42が高分子膜40より揮発する。なお、この際にも液滴44からも水分が揮発するが、有機溶媒42の揮発速度の方が速い。そのため、液滴44は、有機溶媒42の揮発に伴い表面張力により略均一の形態となる。更に、乾燥が進行すると図4Dに示すように高分子膜40の液滴44から水分が水蒸気48として揮発する。高分子膜40から液滴44が蒸発すると、液滴44を形成していた箇所が孔47となり、図5A〜図5Cに示すようなハニカム構造フィルム12が得られる。本発明においてハニカム構造フィルム12の形態は特に限定されるものではないが、具体的には、隣接する孔47の距離L2は、それらの中心間距離で0.05μm以上100μm以下に制御することができる。
風35の送風向きは、高分子膜40の移動方向と平行流(並流)とする。風を向流として送風すると、高分子膜40の膜面に乱れが生じて、液滴の成長が阻害されるおそれがある。また、風35の送風速度は、高分子膜40の移動速度との相対速度が0.05m/s以上20m/s以下が好ましく、0.1m/s以上15m/s以下がより好ましく、2m/s以上10m/s以下が更に好ましい。前記送風速度が0.05m/s未満であると、液滴44が高分子膜40中で充分に成長しないまま高分子膜40が乾燥ゾーン33に搬送されるおそれがある。また、20m/sを超えると、高分子膜40表面に乱れが生じたり、結露が充分に進行しなかったりするおそれがある。
高分子膜40が結露ゾーン32を通過する時間は0.1秒以上6,000秒以下とすることが好ましい。前記通過時間が0.1秒未満であると、液滴44が充分成長しないまま形成されるため所望の孔を形成することが困難となることがあり、6,000秒を超えると、液滴44のサイズが大きくなり過ぎハニカム構造のフィルムを得られないおそれが生じる。
乾燥ゾーン33で高分子膜40を乾燥する乾燥風37の送風速度は、0.05m/s以上20m/s以上が好ましく、0.1m/s以上15m/s以下がより好ましく、0.5m/s以上10m/s以下が更に好ましい。前記送風速度が0.05m/s未満であると、液滴44からの水分の蒸発が充分に進行しないおそれがあり、生産性にも劣ることがあり、20m/sを超えると、液滴44から水分の蒸発が急激に生じて、形成される孔37の形態が乱れるおそれがある。
乾燥風37の露点をTD2(℃)とする場合に、膜面温度TL(℃)との関係を(TL−TD2)℃≧1℃とすることが好ましい。これにより、乾燥ゾーン33で高分子膜40の液滴44の成長を停止させて、液滴を構成する水分を水蒸気48として揮発させることが可能となる。
送風機34,37からの風の送風は、2Dノズルで送風する方法以外に、減圧乾燥法により乾燥することも可能である。減圧乾燥を行うことで、有機溶媒42と液滴44の水分43との蒸発速度を調整することが可能となる。これを調整することで、高分子膜40中に液滴44を形成し、有機溶媒42を蒸発させつつ液滴44を蒸発させ、前記液滴が設けられている位置に孔47を形成する本発明における孔の大きさ、形状などを変更することができる。
また、減圧乾燥法により乾燥する方法や、膜面から3〜20mm程度離れた位置に、膜面より冷却され表面に溝を有する凝縮器を設けて、凝縮器の表面で水蒸気(揮発有機溶媒も含む)を凝縮させて乾燥させる方法も適用することができる。前記いずれかの乾燥方法を適用することで、高分子膜40の膜面への動的な影響を少なくして乾燥させることができるため、より平滑な膜面を得ることができる。
また、送風機34、乾燥機36の送風ユニットを複数用いたり、複数のゾーンに区画したりすることにより、異なる露点条件を設定したり、異なる乾燥温度条件を設定したりすることができる。これら条件を選択することで、孔47の寸法制御性の向上や孔均一性の向上を図ることができる。なお、送風ユニットやゾーンの数は特に限定されるものではないが、フィルムの品質と設備のコストの点から最適な組み合わせを決定する。
膜面温度TL(℃)と結露ゾーン又は乾燥ゾーンの露点温度TDn(℃)(nは、nゾーン番号を意味する)との関係を0℃≦|TDn−TL|℃≦80℃とすることが好ましい。差を80℃以下とすることにより、有機溶媒及び水分の少なくともいずれかの急激な揮発を抑制でき、所望の形態のハニカム構造フィルム12を得ることができる。また、高分子膜40に不純物が混入すると、ハニカム構造の形成を阻害する原因となる。そのため、送風口34a,34c,34e,36a,36c,36e,36gの塵埃度がクラス1000以下とすることが好ましい。そこで、送風機34,乾燥機36が設置されているハウジング38に空調設備39を取り付け、ハウジング38内の空調を行うことが好ましい。これにより、高分子膜40中に不純物が混入するおそれが減少し、良好なハニカム構造フィルム12を得ることができる。
乾燥が進行したハニカム構造フィルム12は、剥取ローラ30で支持しながら流延ベルト26から剥ぎ取られ、巻取機32により巻き取られる。なお、ハニカム構造フィルム12の搬送速度は、特に限定されるものではないが、0.1m/min以上60m/min以下が好ましい。前記搬送速度が0.1m/min未満であると、生産性に劣りコストの点から好ましくない。一方、60m/minを超えると、ハニカム構造フィルムを搬送する際に、過大な張力が付与され裂け、ハニカム構造乱れなどの不良の発生原因となる。以上の方法によりハニカム構造フィルム12を連続して製造することができる。
得られたハニカム構造フィルムは、延伸工程により延伸が施され、楕円状乃至スリット状の空孔が形成される。
また、光学機能性膜の場合には、必要に応じて、フィルム表面に金属層を形成することもできる。
得られたハニカム構造フィルムは、延伸工程により延伸が施され、楕円状乃至スリット状の空孔が形成される。
また、光学機能性膜の場合には、必要に応じて、フィルム表面に金属層を形成することもできる。
図6に本発明に係る他の実施形態のフィルム製造設備60を示す。送出機61から支持体となるフィルム62が搬送される。フィルム62はバックアップローラ63に巻き掛けられながら搬送される。バックアップローラ63に対向してスライドコータ64が設けられている。また、スライドコータ64には減圧チャンバ65が設けられている。高分子溶液供給装置66から送液ポンプで送られてくる高分子溶液67が、スライドコータ64から押し出されて、支持体であるフィルム62上に塗布され、高分子膜68が形成される。
スライドコータ64は、フィルム62の搬送方向の均一塗布性に優れており、かつ高速で高分子膜68の形成が可能であることから生産性においても高い塗布機であるといえる。また、支持体であるフィルム62の表面に凹凸がある場合でも、フィルム62がバックアップローラ63に巻き掛けられている際に平滑化されるので、均一な塗布性に優れている。更に、フィルム62に非接触で塗布を行うので、フィルム62の表面を傷つけることなく、均一塗布が可能である。
フィルム62上に形成されている高分子膜68は、送風機69の風70により結露乾燥工程11が行われる。なお、結露乾燥工程11は前述した説明と同じ条件の箇所の説明は省略する。結露乾燥工程11を経た後にハニカム構造フィルム71は巻取ロール72に巻き取られる。また、フィルム62も巻取ロール73に巻き取られる。高分子膜68が形成されているフィルム62の搬送方向は、水平方向に対して±10°以内とすることが好ましい。また、フィルム62に高分子溶液66の有機溶媒を吸収しやすい性質の素材から形成されているものを用いることがより好ましい。それら素材は、有機溶媒を吸収するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、高分子溶液67の主溶媒に酢酸メチルを用いている際には、フィルムの素材にセルロースアシレートを用いることが好ましい。
図7に、本発明に係るフィルムの製造方法に用いられる他の実施形態のフィルム製造設備80を示す。なお、フィルム製造設備60と同じ箇所の説明は省略する。送出機81から支持体となるフィルム82が搬送される。フィルム82はバックアップローラ83に巻き掛けられながら搬送される。バックアップローラ83に対向して多層式スライドコータ84が設けられている。また、多層式スライドコータ84には減圧チャンバ85が設けられている。高分子溶液供給装置86から送液ポンプで送られてくる高分子溶液87が、多層式スライドコータ84から押し出されて、支持体であるフィルム82上に塗布され、高分子膜88が形成される。フィルム82上に形成されている高分子膜88は、送風機89の風90により結露乾燥工程11が行われる。結露乾燥工程11を経た後にハニカム構造フィルム91は巻取ロール92に巻き取られる。また、フィルム82も巻取ロール93に巻き取られる。
多層からなる高分子溶液87をフィルム82上にキャスト(塗布)することにより、ハニカム構造フィルム91の厚み方向における形態、物性などを変更することが可能となる。
図8に、本発明に係るフィルムの製造方法に用いられる他の実施形態のフィルム製造設備100を示す。なお、フィルム製造設備60と同じ箇所の説明は省略する。送出機101から支持体となるフィルム102が搬送される。フィルム102はバックアップローラ103に巻き掛けられながら搬送される。バックアップローラ103に対向してエクストリュージョンコータ104が設けられている。また、エクストリュージョンコータ104には減圧チャンバ105が設けられている。高分子溶液供給装置106から送液ポンプで送られてくる高分子溶液107が、エクストリュージョンコータ104から押し出されて、支持体であるフィルム102上に塗布され、高分子膜108が形成される。フィルム102上に形成されている高分子膜108は、送風機109の風110により結露乾燥工程11が行われる。結露乾燥工程11を経た後にハニカム構造フィルム111は巻取ロール112に巻き取られる。また、フィルム102も巻取ロール113に巻き取られる。
図9に、本発明に係るフィルムを製造するフィルム製造設備120を示して説明する。ワイヤーバー塗布機121を用いて高分子溶液122をフィルム123に塗布する。一定速度で移動するフィルム123の移動方向に回転するワイヤーバー124は、その回転により1次側高分子溶液槽125から液貯留部分126に高分子溶液122を引き上げる。この液貯留部分126の高分子溶液122が、フィルム123にワイヤーバー124を介し接触することにより均一な厚さの高分子膜127が形成される。この高分子膜127を送風機128の風129により結露乾燥工程11を行うことで、ハニカム構造フィルム130を得ることができる。ワイヤーバー124を用いたハニカム構造フィルム130の製造方法は、液貯留部分126が高分子溶液122とフィルム123との接触部に空気が混入しないようにするので、高分子膜127に気泡が混入しにくくなるという利点がある。
支持体にフィルム62,82,102,123を用いた際には、ハニカム構造フィルム71,91,111,130とを一体のフィルムとして巻き取り、光学機能性膜14のベースフィルムとして用いることもできる。
図10に、本発明に係るフィルムを製造する製造設備140を示す。フィルム141が圧胴142に巻き掛けられながら搬送される。圧胴142に対向して版胴143が配置されている。版胴143の表面には所望のパターンが形成されている。高分子溶液槽144に入れられている高分子溶液145は版胴143が回転することにより、その凹部に溜まる。ドクターブレード146により過剰な高分子溶液145がかきとられる。その後に圧胴142に巻きかかって走行しているフィルム141上に高分子溶液145が塗布されて高分子膜147が形成される。
送風機148により高分子膜147の結露乾燥工程11が行われる。送風機148から送風される風149は、フィルム141の搬送方向と同方向の平行流とする。高分子膜147は、結露乾燥工程11を経ることによりハニカム構造体150が形成される。フィルム141は、所望のパターンでハニカム構造体150が形成されているハニカム構造体形成フィルム151となる。
本発明の光学機能性膜又は複合膜の製造方法に従って得られた本発明の光学機能性膜又は複合膜は、初めから所望の支持体上に製造することでそのまま使用してもよいし、エタノール等の適当な溶媒に浸してから製造時の支持体より剥離した後に所望の基体上に設置して使用してもよい。なお、剥離して使用する場合には、新たな基体との密着性を上げる目的で材料及び所望の基体の材質に合ったエポキシ樹脂、シランカップリング剤等の接着剤を使用してもよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
重量平均分子量45,000のポリスチレンと、重量平均分子量50,000の下記構造式で表される両親媒性ポリマーを質量比で10:1の割合で混合した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.1質量%)0.5mLを調製した。
次いで、外気の影響を受けない閉鎖空間にて2℃に保温したHDD用ガラス基板上に全量展開し、相対湿度70%の恒湿空気を毎分2Lの定常流量で基板面に対して45°の方向から吹き付け、塩化メチレンを蒸発させることによって、均一ハニカム構造体を得た。なお、恒湿空気は、市販の除塵エアーフィルタ(ろ過度:0.3μm)を設置した日立工機株式会社製のコンプレッサSC−820にヤマト科学株式会社製の湿度発生装置を接続して供給した。また、吹き付け部の空気の流速を実測したところ、0.3m/sであった。
重量平均分子量45,000のポリスチレンと、重量平均分子量50,000の下記構造式で表される両親媒性ポリマーを質量比で10:1の割合で混合した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.1質量%)0.5mLを調製した。
次いで、外気の影響を受けない閉鎖空間にて2℃に保温したHDD用ガラス基板上に全量展開し、相対湿度70%の恒湿空気を毎分2Lの定常流量で基板面に対して45°の方向から吹き付け、塩化メチレンを蒸発させることによって、均一ハニカム構造体を得た。なお、恒湿空気は、市販の除塵エアーフィルタ(ろ過度:0.3μm)を設置した日立工機株式会社製のコンプレッサSC−820にヤマト科学株式会社製の湿度発生装置を接続して供給した。また、吹き付け部の空気の流速を実測したところ、0.3m/sであった。
得られた膜の構造を、電解放出走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー社製、S4300)で観察したところ、孔径510nmの空孔がヘキサゴナル状に規則配列したハニカム構造体が確認できた。隣接する空孔の中心間の間隔はほぼ620nmであった。空孔は膜の表面から裏面へ単一層を形成しており、膜の上下は貫通している構造であった。空孔はキャストした周辺の一部を除き、ほぼ全面にわたって分布しており、きれいな球形をしていた。
次に、得られたハニカム構造体をフィルムの両端をクリップで把持し、搬送しながら幅方向に延伸した。延伸量200%で延伸して、図1に示すような、周囲が壁面で覆われた楕円状空孔が直線状に配列したハニカム膜を作製した。得られたハニカム膜の空孔部分を除く表面に金属層(Ni)を、無電解メッキを施すことによりポリマーマトリックス領域に選択的に金属層を形成し、ピッチ250nm、厚さ500nmの構造パターンを持つ光学機能性膜としての偏光膜を作製した。
(実施例2)
実施例1において、スリット状空孔が、延伸倍量を400%にすることで直線状に配列したハニカム膜を作製した以外は、実施例1と同様にして光学機能性膜としての偏光膜を作製した。
実施例1において、スリット状空孔が、延伸倍量を400%にすることで直線状に配列したハニカム膜を作製した以外は、実施例1と同様にして光学機能性膜としての偏光膜を作製した。
(実施例3)
実施例1において、重量平均分子量45,000のポリスチレンと、重量平均分子量50,000の下記構造式で表される両親媒性ポリマーを質量比で70:30の割合で混合した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.1質量%)0.5mLを調製した以外は、実施例1と同様にして光学機能性膜としての偏光膜を作製した。
実施例1において、重量平均分子量45,000のポリスチレンと、重量平均分子量50,000の下記構造式で表される両親媒性ポリマーを質量比で70:30の割合で混合した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.1質量%)0.5mLを調製した以外は、実施例1と同様にして光学機能性膜としての偏光膜を作製した。
(実施例4)
実施例1において、重量平均分子量45,000のポリスチレンのみを溶解した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.1質量%)0.5mLを調製した以外は、実施例1と同様にして光学機能性膜としての偏光膜を作製した。
実施例1において、重量平均分子量45,000のポリスチレンのみを溶解した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.1質量%)0.5mLを調製した以外は、実施例1と同様にして光学機能性膜としての偏光膜を作製した。
(実施例5)
実施例1において、下記構造式で表される両親媒性ポリマーのみを溶解した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.1質量%)0.5mLを調製した以外は、実施例1と同様にして光学機能性膜としての偏光膜を作製した。
実施例1において、下記構造式で表される両親媒性ポリマーのみを溶解した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.1質量%)0.5mLを調製した以外は、実施例1と同様にして光学機能性膜としての偏光膜を作製した。
(実施例6)
実施例1において、ハニカム膜の空孔内を含む表面に金属層(Ni)を、無電解メッキにより形成した以外は同様にして、複合膜としての偏光膜を作製した。
実施例1において、ハニカム膜の空孔内を含む表面に金属層(Ni)を、無電解メッキにより形成した以外は同様にして、複合膜としての偏光膜を作製した。
(実施例7)
実施例6において、実施例2と同様なスリット状空孔が直線状に配列したハニカム膜を作製した以外は、複合膜としての偏光膜を作製した。
実施例6において、実施例2と同様なスリット状空孔が直線状に配列したハニカム膜を作製した以外は、複合膜としての偏光膜を作製した。
(実施例8)
実施例6において、重量平均分子量45,000のポリスチレンと、重量平均分子量50,000の下記構造式で表される両親媒性ポリマーを質量比で70:30の割合で混合した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.1質量%)0.5mLを調製した以外は、実施例6と同様にして複合膜としての偏光膜を作製した。
実施例6において、重量平均分子量45,000のポリスチレンと、重量平均分子量50,000の下記構造式で表される両親媒性ポリマーを質量比で70:30の割合で混合した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.1質量%)0.5mLを調製した以外は、実施例6と同様にして複合膜としての偏光膜を作製した。
(実施例9)
実施例6において、重量平均分子量45,000のポリスチレンのみを溶解した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.1質量%)0.5mLを調製した以外は、実施例6と同様にして複合膜としての偏光膜を作製した。
実施例6において、重量平均分子量45,000のポリスチレンのみを溶解した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.1質量%)0.5mLを調製した以外は、実施例6と同様にして複合膜としての偏光膜を作製した。
(実施例10)
実施例6において、下記構造式で表される両親媒性ポリマーのみを溶解した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.1質量%)0.5mLを調製した以外は、実施例6と同様にして複合膜としての偏光膜を作製した。
実施例6において、下記構造式で表される両親媒性ポリマーのみを溶解した塩化メチレン溶液(ポリマー濃度として0.1質量%)0.5mLを調製した以外は、実施例6と同様にして複合膜としての偏光膜を作製した。
(比較例1)
PVA205(クラレ株式会社製)を10%水溶液としてガラス面上に流延し、厚さ300μmのフィルムを作製した。これを電熱器にさらして約120℃に熱し、同時に200%延伸した。その後、室温(25℃)でヨウ素ヨウ化カリウム溶液(水100mLにヨウ化カリウムを3g,ヨウ素を0.5g溶かしたもの)に5秒間浸漬し、表面の溶液をペーパータオルで完全にふき取って乾燥し、偏向膜を作製した。
PVA205(クラレ株式会社製)を10%水溶液としてガラス面上に流延し、厚さ300μmのフィルムを作製した。これを電熱器にさらして約120℃に熱し、同時に200%延伸した。その後、室温(25℃)でヨウ素ヨウ化カリウム溶液(水100mLにヨウ化カリウムを3g,ヨウ素を0.5g溶かしたもの)に5秒間浸漬し、表面の溶液をペーパータオルで完全にふき取って乾燥し、偏向膜を作製した。
(比較例2)
実施例1において、延伸処理を行わず、ほぼ真円状空孔が配列したハニカム膜を作製した以外は、実施例1と同様にして偏光膜を作製した。
実施例1において、延伸処理を行わず、ほぼ真円状空孔が配列したハニカム膜を作製した以外は、実施例1と同様にして偏光膜を作製した。
(比較例3)
比較例1において、延伸量を400%にした以外は、比較例1と同様にして偏光膜を作製した。
比較例1において、延伸量を400%にした以外は、比較例1と同様にして偏光膜を作製した。
(比較例4)
実施例6において、真円状空孔が配列したハニカム膜を作製した以外は、実施例6と同様にして複合膜を作製した。
実施例6において、真円状空孔が配列したハニカム膜を作製した以外は、実施例6と同様にして複合膜を作製した。
<偏光特性の評価>
実施例1〜10及び比較例1〜4で得られたそれぞれの膜を用いた偏光板を装着した液晶セルに55Hzの矩形波電圧を印加し、白表示2V、黒表示5Vのノーマリーホワイトモードとして、コントラスト比としての透過率の比(白表示/黒表示)を、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて測定し、評価を行なった。結果を表1に示す。
実施例1〜10及び比較例1〜4で得られたそれぞれの膜を用いた偏光板を装着した液晶セルに55Hzの矩形波電圧を印加し、白表示2V、黒表示5Vのノーマリーホワイトモードとして、コントラスト比としての透過率の比(白表示/黒表示)を、測定機(EZ−Contrast160D、ELDIM社製)を用いて測定し、評価を行なった。結果を表1に示す。
<耐久性の評価>
実施例1〜10及び比較例1〜4で得られたそれぞれの膜より、10cm×10cmの試料を2枚準備し、40℃、相対湿度90%で500時間処理した後、偏光度を下記式1により算出し、この結果より下記基準で評価した。結果を表1に示す。
式1
偏光度P=((Tp−Tc)/(Tp+Tc))^0.5
ただし、前記式1中、Tpは2枚の試料の吸収軸を平行に重ね合わせた場合の透過率(%)を表し、Tcは2枚の試料の吸収軸を垂直に重ね合わせた場合の透過率(%)を表す。
前記透過率(%)は、分光光度計(UV−3100PC、島津製作所製)にて測定し、10nm間隔で求めた分光透過率τ(λ)から、下記式2により算出した。
ただし、前記式2中、P(λ)は標準光C光源の分光分布を表し、y(λ)は2度視野X,Y,Z系に基づく等色関数を表す。
〔評価基準〕
◎:処理前後の偏光度の変化は、0.2%未満であり問題なかった。
○:処理前後の偏光度の変化は、0.2%以上2.0%未満であり、許容内であった。
×:処理前後の偏光度の変化は、2.0以上であった。
実施例1〜10及び比較例1〜4で得られたそれぞれの膜より、10cm×10cmの試料を2枚準備し、40℃、相対湿度90%で500時間処理した後、偏光度を下記式1により算出し、この結果より下記基準で評価した。結果を表1に示す。
式1
偏光度P=((Tp−Tc)/(Tp+Tc))^0.5
ただし、前記式1中、Tpは2枚の試料の吸収軸を平行に重ね合わせた場合の透過率(%)を表し、Tcは2枚の試料の吸収軸を垂直に重ね合わせた場合の透過率(%)を表す。
前記透過率(%)は、分光光度計(UV−3100PC、島津製作所製)にて測定し、10nm間隔で求めた分光透過率τ(λ)から、下記式2により算出した。
〔評価基準〕
◎:処理前後の偏光度の変化は、0.2%未満であり問題なかった。
○:処理前後の偏光度の変化は、0.2%以上2.0%未満であり、許容内であった。
×:処理前後の偏光度の変化は、2.0以上であった。
本発明の光学機能性膜及び複合膜は、従来の偏光膜にくらべ耐久性が高く、光の吸収が少ない。また、従来のワイヤーグリッド偏光子は、リソグラフィーなど製造コストが高く、大面積化が難しい方法で製造しているが、本発明では、安価で大面積化が容易である。使用用途としては、例えば、液晶表示装置、記録装置に用いられる光ピックアップ、光記録媒体等の光学装置、発光素子、光演算素子、光通信素子、タッチパネルなどに幅広く好適に用いられる。
1 ハニカム状多孔質フィルム
2 空孔
10 キャスト工程
11 結露乾燥工程
12 ハニカム構造フィルム
13 充填工程
14 光学機能性膜
2 空孔
10 キャスト工程
11 結露乾燥工程
12 ハニカム構造フィルム
13 充填工程
14 光学機能性膜
Claims (19)
- 楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムよりなることを特徴とする光学機能性膜。
- 微細空孔構造を有するフィルムが、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムである請求項1に記載の光学機能性膜。
- 空孔が、フィルム表面に楕円状乃至スリット状に開口し、かつ直線状に配列している請求項1から2のいずれかに記載の光学機能性膜。
- フィルムを延伸してなり、該延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである請求項1から3のいずれかに記載の光学機能性膜。
- 空孔部分を除くフィルム表面に金属層を有する請求項1から4のいずれかに記載の光学機能性膜。
- フィルム材料が、疎水性ポリマー及び両親媒性化合物から選択される少なくとも1種である請求項1から5のいずれかに記載の光学機能性膜。
- 両親媒性化合物が、両親媒性ポリマーである請求項6に記載の光学機能性膜。
- 偏光膜として用いられる請求項1から7のいずれかに記載の光学機能性膜。
- 楕円状乃至スリット状の空孔を含む微細空孔構造を有するフィルムと、該空孔内を含むフィルム表面に金属層と、を有することを特徴とする複合膜。
- 微細空孔構造を有するフィルムが、自己組織化により作製したハニカム状多孔質フィルムである請求項9に記載の複合膜。
- フィルムを延伸してなり、該延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである請求項9から10のいずれかに記載の複合膜。
- フィルムの空孔内に金属層を有し、ワイヤーグリッド機能を有する請求項9から11のいずれかに記載の複合膜。
- フィルム材料が、疎水性ポリマー及び両親媒性化合物から選択される少なくとも1種である請求項9から12のいずれかに記載の複合膜。
- 両親媒性化合物が、両親媒性ポリマーである請求項13に記載の光学機能性膜。
- 支持体上に有機溶媒と高分子化合物とを含む塗布液を塗布し、得られた膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するフィルムを作製するフィルム作製工程と、
得られたフィルムを延伸し、楕円状乃至スリット状の空孔を形成する延伸工程と、を含むことを特徴とする光学機能性膜の製造方法。 - 延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである請求項15に記載の光学機能性膜の製造方法。
- 空孔部分を除くフィルム表面に金属層を形成する金属層形成工程を含む請求項15から16のいずれかに記載の光学機能性膜の製造方法。
- 支持体上に有機溶媒と高分子化合物とを含む塗布液を塗布し、得られた膜中に液滴を形成し、前記有機溶媒及び前記液滴を蒸発させて前記膜中に空孔を有するフィルムを作製するフィルム作製工程と、
得られたフィルムを延伸し、楕円状乃至スリット状の空孔を形成する延伸工程と
該空孔内を含むフィルム表面に金属層を形成する金属層形成工程と、を含むことを特徴とする複合膜の製造方法。 - 延伸が、一軸延伸、逐次二軸延伸、同時二軸延伸、及び三軸延伸のいずれかである請求項18に記載の複合膜の製造方法。
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