JP5192334B2 - 多孔体の製造方法 - Google Patents
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図1に示すように、多孔フィルム製造工程10は、低湿度工程11と、塗布工程12と、水滴形成工程13と、乾燥工程14とを有する。多孔フィルム製造工程10により、ポリマーが疎水性溶剤に溶解する溶液から多孔フィルム15を得ることができる。
第1エリア21には乾燥空気供給機31が設けられる。乾燥空気供給機31は、乾いた空気(以下、乾燥空気と称する)400を送り出す送風口31aと、乾燥空気400を吸引する吸引口31bと、図示しない送風コントローラとを有する。送風口31a及び吸引口31bは、第1エリア21を通過するポリマーフィルム26の表面26aと対向するように、乾燥空気供給機31に設けられる。送風コントローラは、図示しない制御部の制御の下、送風口31aから送り出される乾燥空気400の温度、露点、溶剤の凝縮点などが所望の範囲内で略一定となるように調節する。
第2エリア22には塗布ダイ32が設けられる。塗布ダイ32は、図示しない配管を介して、溶液33を貯留するストックタンク(図示しない)と接続する。塗布ダイ32は溶液33を吐出する吐出口を有する。塗布ダイ32は、吐出口が表面26aと近接して対向するように配される。
第3エリア23には、湿潤空気供給機41〜43がポリマーフィルム26の走行方向に沿って並べられる。湿潤空気供給機41〜43は、乾燥空気供給機31と同様の構造を有する。湿潤空気供給機41に設けられた送風コントローラは、それぞれ、図示しない制御部の制御の下、各送風口41aから送り出される湿った空気(以下、湿潤空気と称する)401の温度TA1、露点TD1、溶剤の凝縮点TR1などが所望の範囲内で略一定となるように調節する。同様にして、湿潤空気供給機42、43に設けられた送風コントローラは、それぞれ、図示しない制御部の制御の下、各送風口42a、43aから送り出される湿潤空気401の温度、露点、溶剤の凝縮点などが所望の範囲内で略一定となるように調節する。なお、後述する塗布膜上に形成された水滴を一様に成長させる目的から、湿潤空気供給機42、43は、湿潤空気供給機41のすぐ下流側に配されることが好ましい。
第4エリア24には、乾燥空気供給機51〜54がポリマーフィルム26の走行方向に沿って並べられる。乾燥空気供給機51〜54は乾燥空気供給機31と同様の構造を有する。乾燥空気供給機51に設けられた送風コントローラは、それぞれ、図示しない制御部の制御の下、各送風口51aから送り出される乾燥空気402の温度TA2、露点TD2、溶剤の凝縮点TR2などが所望の範囲内で略一定となるように調節する。同様にして、乾燥空気供給機52〜54に設けられた送風コントローラは、それぞれ、図示しない制御部の制御の下、各送風口52a〜54aから送り出される乾燥空気402の温度、露点、溶剤の凝縮点などが所望の範囲内で略一定となるように調節する。
第1エリア21(図3参照)では、図4(a)に示すように、ポリマーフィルム26の表面26aに付着する水分60の除去を行う。なお、表面26aに付着する水分60のみならず、ポリマーフィルム26の内部に存在する水分60を除去してもよいし、ポリマーフィルム26の内部に存在する水分60のみを除去してもよい。また、ポリマーフィルム26からの水分60の除去は、ポリマーフィルム26における水分60の残留量が不均一故障を誘発しない程度となるまで行えばよい。したがって、塗布工程12前のポリマーフィルム26から全ての水分60を除去せずに、ポリマーフィルム26に残留する水分60のうち一部を除去してもよい。乾燥空気400の湿度はできるだけ低いことが好ましく、例えば、50%RH以下であることが好ましく、40%RH以下であることがより好ましい。乾燥空気400の温度はできるだけ高いことが好ましく、例えば、40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。低湿度工程11完了後から塗布工程12を開始するまでの間において、ポリマーフィルム26の温度を所定の範囲、例えば上記範囲に保持することが好ましい。
なお、低湿度工程11の後、不均一故障を誘発する水分60がポリマーフィルム26に付着することを防ぐために、低湿度工程11と塗布工程12との間で、湿度50%RH以下の環境下に置く塗布準備工程を行うことが好ましい。また、低湿度工程11または塗布準備工程の完了から60秒以内に塗布工程12を行うことが好ましい。
形成直後の塗布膜62の厚みは、0.01mm以上1mm以下の範囲で一定であることが好ましい。塗布膜62の厚みが0.01mm以上1mm以下の範囲であっても、厚みにばらつきが生じていると、寸法が均一な水滴を形成することができない場合がある。そして、塗布膜62の厚みが0.01mm未満であると、塗布膜62の厚みを均一に形成することができない。また、塗布膜62の厚みが1mmを超えると、溶剤の蒸発に要する時間が長くなりすぎて生産効率が悪くなる。
第3エリア23(図3参照)では、図5(a)〜図5(c)に示すように、露出面62a上にて水滴65の核形成及び核成長を行う。水滴65の核形成及び核成長の進行度は、湿潤空気401の露点TD1と露出面62aの温度TSとの差ΔTw(=TD1−TS)により調節することができる。水滴65の核形成を行うためには、ΔTwは0.5℃以上30℃以下であることが好ましく、1℃以上20℃以下であることがより好ましい。水滴65の核成長を行うためには、ΔTwは0℃以上20℃以下であることが好ましく、1℃以上10℃以下であることがより好ましい。なお、上記実施形態では、湿潤空気供給機41からの湿潤空気401を用いて水滴65の核形成を行い、湿潤空気供給機42〜43からの湿潤空気401を用いて水滴65の核成長を行ったが、本発明はこれに限られず、湿潤空気供給機41〜42からの湿潤空気401を用いて水滴65の核形成を行い、湿潤空気供給機43からの湿潤空気401を用いて水滴65の核成長を行ってもよい。
第4エリア24(図3参照)では、水滴65の蒸発を行うため、露出面62aの温度TSと乾燥空気402の露点TD2との差ΔTw(=TD2−TS)は0℃以下であることが好ましく、−30℃以上−5℃以下であることがより好ましい。乾燥工程14における露出面62aの温度TSは10℃以上40℃以下であることが好ましい。乾燥空気402の露点TD2は10℃以下であることが好ましい。乾燥空気402の温度TA2は10℃以上100℃以下であることが好ましい。
本発明の多孔フィルムは、ポリマーが溶剤に溶解する溶液を用いる。溶液におけるポリマーの濃度は、塗布膜62が形成できる濃度であれば良く、例えば、0.01質量%以上30質量%以下の範囲であることが好ましい。ポリマーの濃度が0.01質量%未満であると、多孔フィルムの生産性に劣り工業的大量生産に適さないおそれがある。また、ポリマーの濃度が30質量%を超える濃度であると、溶液の粘性が増大するため、塗布膜62の形成が困難となるため、好ましくない。
多孔フィルムの原料となるポリマーは、非水溶性溶剤に溶解するポリマー(以下、「疎水性ポリマー」と称する)を用いることが好ましい。また、前記疎水性ポリマーだけでも多孔フィルムを形成することができるが、両親媒性ポリマーを共に用いることが好ましい。
溶液を調製するための溶剤としては、疎水性であって、有機溶剤など、ポリマーを溶解させることができる溶剤であれば特に制限はなく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン,四塩化炭素、シクロヘキサン、酢酸メチルなどが挙げられる。また、疎水性溶剤にアルコールやケトン類の親水性溶剤を添加することが好ましい。親水性溶剤の添加量は、20重量%以下であることが好ましい。
前記疎水性ポリマーとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル重合ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロペン、ポリビニルエーテル、ポリビニルカルバゾール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリテトラフルオロエチレンなど)、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸など)、ポリラクトン(例えばポリカプロラクトンなど)、ポリアミド又はポリイミド(例えば、ナイロンやポリアミド酸など)、ポリウレタン、ポリウレア、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアロマティックス、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリシロキサン誘導体、セルロースアシレート(トリアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート)などが挙げられる。これらは、溶解性、光学的物性、電気的物性、膜強度、弾性等の観点から、必要に応じてホモポリマーとしてもよいし、コポリマーやポリマーブレンドの形態をとってもよい。なお、これらのポリマーは必要に応じて2種以上のポリマーの混合物として用いてもよい。光学用途に使う場合には、例えば、セルロースアシレート、環状ポリオレフィンなどが好ましい。
実験1〜実験8では、図1及び図3に示すように、多孔フィルム製造設備20において、各工程11〜12を行い、溶液33から多孔フィルム15を製造した。実験1〜実験8における各条件、すなわち低湿度工程11におけるポリマーフィルム26の雰囲気の湿度Hu1、低湿度工程11におけるポリマーフィルム26の温度T1、塗布準備工程におけるポリマーフィルム26の雰囲気の湿度Hu2、及び低湿度工程11完了後から塗布工程12開始までの時間P2は、表1に示す値であった。なお、実験8では、低湿度工程11、塗布準備工程を行わずに、ポリマーフィルム26を湿度70%RHの環境下に200秒間置き、その後塗布工程12を行った。
A:変動係数が5%未満であった。
B:変動係数が5%以上10%未満であった。
C:変動係数が10%以上15%未満であった。
D:変動係数が15%以上であった。
11 低湿度工程
12 塗布工程
13 水滴形成工程
14 乾燥工程
15、16 多孔フィルム
15a、16a 孔
26 ポリマーフィルム
62 塗布膜
62a 露出面
64 溶剤
Claims (2)
- 支持体を湿度50%RH以下の環境下に置き、前記支持体の温度を40℃以上にする低湿度工程と、
前記低湿度工程の後に行われ、前記支持体を湿度50%RH以下の環境下に置く塗布準備工程と、
前記低湿度工程または前記塗布準備工程の完了から60秒以内に行われ、ポリマーが疎水性溶剤に溶解する溶液の塗布により、塗布膜を前記支持体上に形成する塗布工程と、
前記塗布膜の表面に水滴を形成する水滴形成工程と、
前記塗布膜を乾燥し、前記水滴を鋳型として、前記塗布膜に孔を形成する乾燥工程と、
を有することを特徴とする多孔体の製造方法。 - 前記水滴形成工程では、前記塗布膜に湿潤空気をあて、結露により前記塗布膜の表面に水滴を形成することを特徴とする請求項1記載の多孔体の製造方法。
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