WO2006080362A1 - ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

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WO2006080362A1
WO2006080362A1 PCT/JP2006/301158 JP2006301158W WO2006080362A1 WO 2006080362 A1 WO2006080362 A1 WO 2006080362A1 JP 2006301158 W JP2006301158 W JP 2006301158W WO 2006080362 A1 WO2006080362 A1 WO 2006080362A1
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honeycomb
honeycomb structure
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Masatsugu Shimomura
Hiroshi Yabu
Miki Kojima
Mikihiko Tsubouchi
Shinya Onoue
Original Assignee
National University Corporation Hokkaido University
Kyoritsu Chemical & Co., Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D5/00Processes for applying liquids or other fluent materials to surfaces to obtain special surface effects, finishes or structures
    • B05D5/02Processes for applying liquids or other fluent materials to surfaces to obtain special surface effects, finishes or structures to obtain a matt or rough surface
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    • B05DPROCESSES FOR APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05D1/00Processes for applying liquids or other fluent materials

Definitions

  • the honeycomb structure manufactured by the above-described method using the self-organization phenomenon uses a material that is not all crosslinked. Therefore, there was a problem with heat resistance and chemical resistance. As described above, the honeycomb structure is expected to be applied to a wide range of fields. However, in the application, it is necessary to provide a hard structure that is stable against various solvents.
  • the present invention has been made in view of the above-mentioned problems, and an object of the present invention is to use an organic material having optical crosslinkability, and to make a hard cam having excellent heat resistance and chemical resistance. To provide a structure.
  • the inventors of the present invention have made extensive studies on a manufacturing method using the self-organization phenomenon, and as a result, controlled the timing of exposure to an organic material having a photocrosslinking property to form a three-dimensional crosslinked structure.
  • a hard structure having uniform pores of submicron to 100 microns can be provided.
  • the present invention has been completed.
  • ⁇ 8 Show the appearance of the hard cam structure manufactured by the manufacturing method according to the present invention, as it is peeled off from the container! / Speak.
  • the photopolymerization initiator (b) refers to ultraviolet light having a wavelength of 200 to 600 nm and light in the visible light region. Irradiation generates acid, and the polymerization reaction proceeds by using the generated acid as a catalyst, so sulfo-um salt, iodine salt, diazo-um salt, azide compound, sulfonic acid ester compound, etc. There is.
  • the concentration of the photocrosslinkable material is preferably a lower limit of 2.5 gZL or more, more preferably 5 gZL or more, and more preferably 10 g ZL or more. Most preferably it is.
  • the upper limit is preferably 150 gZL or less, more preferably 10 gZL or less, and most preferably 80 gZL or less.
  • the present invention is not limited to this, and the concentration can be set as appropriate so that a hard cam structure can be manufactured that meets various application conditions.
  • These compounds include: 2-methyl-1 [4 (methylthio) phenol] 2 morpholinopropane 1, benzyldimethyl ketal, benzyl, 2-hydroxy-2-methyl-1-phenylpropane 1-on, methylisobutyroyl Methyl phosphinate, methyl isobutyroyl roof ether phosphinate, diphenol (2, 4, 6 trimethyl benzoyl) phosphinoxide, oligo [2 hydroxy-1-2-methyl-1- (4- (1-methylvinyl)] ) Fail] propanone] and the like.
  • the manufacturing method of the present invention is suitable for producing a Hercam structure having a pore diameter of 0.1 ⁇ m to 100 ⁇ m.
  • a preferable pore diameter is 0.3 / ⁇ ⁇ to 20 / ⁇ ⁇ , and more preferably 0.4 ⁇ m to 10 ⁇ m.
  • Figure 6 shows the change in weight after application of each solution.
  • Figure 6 shows the weight of the solution along the vertical axis, and the elapsed time from application along the horizontal axis.
  • the change in weight of the seven types of solutions is shown as the exposure timing (Fig. It is shown with the arrow in the middle.
  • the force of each solution uniformly decreasing with a constant gradient immediately after application, the gradient gradually decreases after 400 to 500 seconds, and finally becomes a constant value. This is the force that the solvent mouth form evaporates immediately after application.

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  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Abstract

 本発明に係るハニカム構造体は、光架橋性材料を用いて自己組織化現象を利用して製造される。これにより、ハニカム構造体は、光架橋性材料が露光されることによって形成される3次元架橋構造体を有していることから耐熱性や耐薬品性に優れた特性をもつことが可能となる。このハニカム構造体は、疎水性有機溶媒が完全に蒸発し、かつ水滴が残存している、あるいは水滴の跡が崩れていない時に露光のタイミングを設定することにより良好なハニカム上のパターン構造が形成されたハニカム構造体が得られる。

Description

明 細 書
ハニカム構造体の製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、ハ-カム構造体の製造方法に関し、より詳細には、耐熱性および耐薬 品性に優れたノ、二カム構造体を製造するための方法に関するものである。
背景技術
[0002] 近年、ハ-カム構造体は、光学 ·電子工学およびバイオテクノロジーの各分野への 応用が期待されている。光学'電子工学の分野では、例えば、高機能の複合材料、 触媒、非線形光学材料、記憶素子などへの応用が期待されている。バイオテクノロジ 一の分野では、ハ-カム構造を有する多孔性フィルムにおいて、そのハ-カムパター ンが細胞接着面を提供し、多孔質構造が細胞の支持基盤へのアクセス、栄養の供給 ルートとなることが示されて 、る。
[0003] サブミクロンから 100ミクロン程度の均一な空孔を持つハ-カム構造体を得る方法と しては、ナノインプリントを含む金型技術がある。し力しながら、この方法では、铸型を 剥離する際に空孔の形状が崩れるため、原理的に铸型の構造を正確に反映させるこ とが難しい。
[0004] また、コロイド微粒子分散液を乾燥させ、集積したコロイド結晶を铸型としてハ-カ ム状の多孔質膜を得る方法が知られているが、集積に時間が力かること、材料を流し 込んだ後、上記と同様、铸型を除去しなければならないことなどの問題があった。
[0005] そこで、上記の方法に対し、自己組織化現象を利用してハ-カム構造体を製造す る技術が研究されてきている。これは、空気中などから凝縮する液滴およびその溶媒 界面に析出するポリマーが 3相境界域に自己集積することにより、ハニカム構造体を 作製できるという方法である。具体的には、ポリマー溶液を固体基板上に塗布 (キャス ト)し、高湿度の空気を吹き付けることによって生成した水滴を铸型としてハ-カム状 の多孔質膜を得る方法である。この自己組織化現象を利用した方法は、複雑な製造 装置を用いることなく、また上記の金型技術を用いた製造方法のように製造に長 、時 間を要することもなぐ高精度のハニカム構造体を製造することができる。 [0006] し力しながら、上記した自己組織ィ匕現象を利用した方法によって作製されたハニカ ム構造は、全て架橋されていない材料を用いている。そのため、耐熱性ゃ耐薬品性 に問題があった。上述したように、ハニカム構造体は幅広い分野への応用が期待さ れているが、その応用に際しては、各種溶媒等に対して安定なハ-カム構造体が提 供される必要がある。
[0007] そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光架 橋性を有する有機材料を用いて、耐熱性ゃ耐薬品性に優れたハ-カム構造体を提 供することにある。
発明の開示
[0008] 本願発明者らは、上記の問題点を鑑みた結果、光架橋性を有する有機材料 (例え ば、光架橋性榭脂)を用いることによって耐熱性ゃ耐薬品性を獲得したノヽ-カム構造 体を提供できるのではないかと考えた。光架橋性を有する有機材料は、光が照射さ れることによって 3次元架橋構造を形成する。この 3次元架橋構造は、熱や薬品に対 して耐性を有する。したがって、このような特性を有する材料を用いてハ-カム構造 体を製造すれば、耐熱性ゃ耐薬品性に優れたハ-カム構造体を提供することができ る。
[0009] 上記の自己組織化現象を利用した製造方法を用いて、光架橋性を有する有機材 料でハ-カム構造体を提供すれば、上記したように複雑な製造装置を用いることなく 、また上記の金型技術を用いた製造方法のように製造に長時間を要することもなぐ 高精度で、耐熱性ゃ耐薬品性に優れたハ-カム構造体を提供できると考えた。ところ 力 本願発明者らによって、上記した従来公知の自己組織化現象を利用した製造方 法を用いて光架橋性を有する有機材料力 ハ-カム構造体を製造したところ、サブミ クロンから 100ミクロン程度の均一な空孔を持つハ-カム構造体を安定して提供する ことができな力 た。
[0010] そこで、本願発明者らは、自己組織化現象を利用した製造方法について鋭意検討 した結果、 3次元架橋構造を形成するための、光架橋性を有する有機材料への露光 のタイミングを制御すれば、光架橋性を有する有機材料を適用した場合であっても、 サブミクロンから 100ミクロン程度の均一な空孔を持つハ-カム構造体を提供できるこ とに着目し、本発明を完成するに至った。
[0011] すなわち、本発明のハニカム構造体の製造方法は、疎水性有機溶媒と光架橋性材 料と硬化剤とを混合させた溶液を、基板上に塗布する塗布工程と、上記の塗布工程 によって塗布された溶液カゝら疎水性有機溶媒を蒸発させるとともに、当該溶液の表 面に液滴を生じさせる液滴形成工程と、上記の液滴形成工程によって液滴が生じた 表面に、上記の光架橋性材料を架橋させる光を照射する光照射工程とを含むハニカ ム構造体の製造方法であって、上記の光照射工程では、疎水性有機溶媒が完全に 蒸発し、かつ液滴が生じているか、または液滴の痕跡が原形を維持している状態の 溶液に、上記の光を照射することを特徴としている。
[0012] 上記のハ-カム構造体の製造方法にお!、ては、上記の液滴形成工程では、相対 湿度 50%〜95%の気体を所定の流速で、上記の溶液に吹き付けることが好ま 、。
[0013] 上記のハ-カム構造体の製造方法においては、上記の光架橋性材料は、モノマー またはオリゴマー、もしくはこれらの混合物力もなることが好ましい。
[0014] 上記のハニカム構造体の製造方法においては、上記の光が、紫外線または可視光 線であることが好ましい。
[0015] 上記のハ-カム構造体の製造方法においては、上記の溶液には、両親媒性化合 物が含まれて!/、ることが好まし!/、。
[0016] 上記のハニカム構造体の製造方法においては、上記の硬化剤が、上記の光架橋 性材料に対して少なくとも 2重量%含まれて 、ることが好ま 、。
[0017] 上記のハニカム構造体の製造方法においては、上記のハニカム構造体の製造方 法によって製造されるハ-カム構造体の空孔に、当該ハ-カム構造体とは異なる物 質を形成または装填する工程を含むことができる。
[0018] また、本発明は、上記の製造方法によって製造されるハ-カム構造体も含む。
[0019] 本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十 分わ力るであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白にな るであろう。
図面の簡単な説明
[0020] [図 1]本発明に係る製造方法によって製造されたハ-カム構造体を示す図であり、図 中(a)はハニカム構造体の表面構造を示した平面図であり、図中(b)は(a)に示した ハニカム構造体の拡大斜視図である。
[図 2]本発明の製造方法を用いてハニカム構造体が形成される機構を模式的に説明 しており、図中(a)は基板上に塗布した溶液を液面側カゝら見た説明図であり、図中(b
)は基板上に塗布した溶液を側面側から見た説明図である。
[図 3]本発明に係る製造方法を実施する製造装置の構成を示す図である。
圆 4]本発明に係る製造方法によって製造されたハ-カム構造体に含まれる両親媒 性化合物の化学構造式を示して!/ヽる。
[図 5]本発明に係る製造方法によって製造されたハニカム構造体の表面構造を示し ており、図中(a)は塗布して 200秒後、図中(b)は 400秒後、図中(c)は 500秒後、 図中(d)は 600秒、後、図中(e)は 700秒、後、図中(f)は 800秒、後、図中(g)は 1000 秒後に露光を行なった溶液 (ノ、二カム構造体)の表面構造を示して ヽる。
圆 6]本発明に係る製造方法を用いて溶液を容器に塗布した後の当該溶液の重量 変化を示したグラフである。
圆 7]ハ-カム構造体の表面構造を走査型電子顕微鏡によって観察した顕微鏡像で あり、図中(a)は当該表面構造の斜視図であり、図中(b)は、(a)に示した表面構造 を拡大した拡大斜視図である。
圆 8]本発明に係る製造方法によって製造されたハ-カム構造体であって、容器から 剥離された状態のハ-カム構造体の外観を示して!/ヽる。
[図 9]本発明の製造方法によって製造されたノヽニカム構造体の表面構造を示した光 学顕微鏡像であり、図中(a)および (b)は、光架橋性材料および硬化剤の濃度を変 化させた場合における本発明の製造方法によって製造されたハ-カム構造体の表 面構造を示した光学顕微鏡像である。
圆 10]ハニカム構造体の表面構造を示した光学顕微鏡像であり、図中(a)は純水を 塗布した後のハ-カム構造体の表面構造であり、(b)はエタノール、(c)はアセトン、 ( d)はクロ口ホルム溶液を塗布した後のハニカム構造体の表面構造を示した光学顕微 鏡像である。
圆 11]ハ-カム構造体の表面構造を示した光学顕微鏡像である。 発明を実施するための最良の形態
[0021] 本発明の一実施形態について、図 1に基づいて説明すれば以下のとおりである。
[0022] <ハ二カム構造体 >
図 1は、本実施の形態におけるハニカム構造体の構造を示しており、図 1中の(a) はハニカム構造体の表面構造を示した平面図であり、図 1中の(b)は、図 1中の(a) に示したノ、二カム構造体の拡大斜視図である。図 1に示すように、ハ-カム構造とは 、一定形状、一定サイズの空孔が連続かつ規則的に配列している構造をさす。この 規則配列は単層の場合には 2次元的であり、複層の場合は 3次元的にも規則性を有 する。この規則性は 2次元的には 1つの空孔の周囲を複数 (例えば、 6つ)の空孔が 取り囲むように配置され、 3次元的には結晶構造の面心立方や 6方晶のような構造を 取って、最密充填されることが多いが、製造条件によってはこれら以外の規則性を示 すことちある。
[0023] 本発明のハ-カム構造体は、光架橋性材料を用いて製造される。光架橋性材料と は、光の照射により 3次元架橋構造を形成する特性を有する材料のことをさす。
[0024] 光架橋性材料としては、紫外線及び可視光の照射で架橋 (硬化)が可能なもので、
(メタ)アタリレート系オリゴマー、(メタ)アタリレート系モノマー、またはそれらの混合物 これらオリゴマー、モノマー、それらの混合物を重合硬化させるのに十分な量の光重 合開始剤(a)を主成分としているもの、およびエポキシ基含有化合物、ビニル化合物 、ォキセタン環を有する化合物、脂環式エポキシ化合物またはそれらの混合物と、こ れら化合物、それらの混合物を重合硬化させるのに十分な量の光重合開始剤 (b)を 主成分としているものが用いられる。また、ハーフエステルイ匕合物、(メタ)アタリレート 系モノマー、エポキシ基含有化合物、ビニル化合物、ォキセタン環を有する化合物、 脂環式エポキシ化合物またはそれらの混合物と、これら化合物、モノマー、それらの 混合物を重合硬化させるのに十分な量の光重合開始剤 (a)と光重合開始剤 (b)を主 成分として 、るものを用いることができる。
[0025] 上記 (メタ)アタリレート系オリゴマーは、(メタ)アタリレート基を分子末端または側鎖 に 1つ以上有するオリゴマーであり、例えば、ウレタン (メタ)アタリレート、エポキシ (メ タ)アタリレート、ポリエステル (メタ)アタリレート、メラミン (メタ)アタリレート等がある。こ れらを単独または 2種類以上併用して用いることができる。
[0026] 上記 (メタ)アタリレート系モノマーは、(メタ)アタリレート基を分子末端または側鎖に 1つ以上有するモノマーであり、例えば、ジシクロペンタジェンモノ (メタ)アタリレート、 ジシクロペンタジェンエトキシ (メタ)アタリレート、イソボ-ル (メタ)アタリレート、シクロ へキシル (メタ)アタリレート、 2—ヒドロキシェチル (メタ)アタリレート、 2—ヒドロキシプ 口ピル (メタ)アタリレート、 N—ビュルピロリドン、ジエチレングリコールジ (メタ)アタリレ ート等がある。これらを単独または 2種類以上併用して用いることができる。
[0027] 上記光重合開始剤 (a)とは、波長 200〜600nmの紫外線及び可視光領域の光を 照射することで活性ラジカルを発生して、重合反応を進行させるもので、ベンゾイン、 ベンゾインェチルエーテルなどのベンゾイン系光重合開始剤、ジェトキシァセトフエノ ンなどのァセトフエノン系光重合開始剤、チォキサントン、ジェチルチオキサントンな どのチォキサントン系光重合開始剤等がある。これらを単独または 2種類以上併用し て用いることができる。またこれらの添加量は、(メタ)アタリレート系オリゴマー、(メタ) アタリレート系モノマー、またはそれらの混合物これらオリゴマー、モノマー、それらの 混合物 100重量%に対して、 0. 01〜20重量%使用される。
[0028] 上記エポキシ基含有ィ匕合物は、 1分子中に 1個以上のエポキシ基を有するオリゴマ 一であり、例えば、ビスフエノール型エポキシ榭脂、ナフタレン型エポキシ榭脂、ノボ ラック型エポキシ榭脂、ポリグリシジルエーテル、脂環式ェポキサイド、ヒトダイン系ェ ポキシ榭脂、グリシジルァミン型エポキシ榭脂、ダイマー酸変性エポキシ榭脂、 NBR 変性エポキシ榭脂、 CTBN変性エポキシ榭脂等がある。これらを単独または 2種類以 上併用して用いることができる。
[0029] 上記ビュル化合物は、例えば、アルキルビュルエーテル類、スチレン、アルキ-ル ビュルエーテル類、ァリールビュルエーテル類、ルキルジビュルエーテール類等が ある。これらを単独または 2種類以上併用して用いることができる。
[0030] ォキセタン環を有する化合物は、例えば、ォキセタンアルコール、キシリレンジォキ セタン、ァリルォキセタン、ォキセタニルシルセスォキサン、トリエトキシシリルプロポキ シォキセタン等がある。これらを単独または 2種類以上併用して用いることができる。
[0031] 上記光重合開始剤 (b)とは、波長 200〜600nmの紫外線及び可視光領域の光を 照射することで酸を発生し、発生した酸を触媒にすることで重合反応を進行させるも ので、スルホ -ゥム塩、ョードニゥム塩、ジァゾ -ゥム塩、アジド化合物、スルホン酸ェ ステル化合物等がある。例えばトリアリルスルホ -ゥムへキサフルォロアンチモン類縁 体、トリアリルスルホ -ゥムへキサフルォロホスフェート類縁体、 P, P,ジアルキルジァ リルョードニゥム塩へキサフルォロアンチモン類縁体、 p, P,ジアルキルジァリルョー ドニゥム塩へキサフルォロホスフェート類縁体等が挙げられる。これらを単独または 2 種類以上併用して用いることができる。またこれらの添加量は、化合物またはそれら の混合物と、これら化合物、それらの混合物 100重量%に対して、 0. 01〜20重量 %使用される。
[0032] 上記ハーフエステルイ匕合物とは、 1分子中に 2個以上のエポキシ基を有するェポキ シ榭脂 (A)を出発原料とし、このエポキシ榭脂中のエポキシ基 1等量に対し、 0. 5〜 0. 9当量の不飽和モノカルボン酸(B)または、カルボキシル基を有する不飽和化合 物(C)を反応させることによりビニルエステルイ匕した、 1分子中にエポキシ基、水酸基 、不飽和化合物を有する化合物等である。この合成方法によれば、 1分子中に最大 3 種の官能基を有する榭脂を得ることが可能である。これらを単独または 2種類以上併 用して用いることができる。
[0033] 上記ハーフエステル化合物の必須原料として用いられる成分につ!、て説明する。
出発原料としては、 1分子中に 2個以上のエポキシ基を有するエポキシ榭脂 (A)を用 いる。公知の 2官能エポキシ榭脂であれば特に限定されず使用可能である。具体的 には、ビスフエノール A型、ビスフエノール S型、ビスフエノール F型等のビスフエノー ル型エポキシ榭脂、脂環式エポキシ榭脂、ジグリシジルエーテル型エポキシ榭脂、ジ グリシジルエステル方エポキシ榭脂、ジグリシジルァミン型エポキシ榭脂等の 2官能ェ ポキシ榭脂等が挙げられる。これらを単独または 2種類以上併用して用いることがで きる。 3官能以上のエポキシ榭脂としては、フエノールノボラック榭脂、クレゾ一ルノボ ラック榭脂、トリスフエノールメタンとェピクロルヒドリンとの反応体を挙げることができる 。これらを単独または 2種類以上併用して用いることができる。
[0034] 不飽和カルボン酸(B)としては、アクリル酸、メタクリル酸、フロトン酸、桂皮酸が挙 げられる。重合の点から、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。 [0035] 不飽和化合物(C)としては、水酸基含有不飽和化合物と、酸無水物とのハーフエ ステルイ匕合物が挙げられ、具体的にはアクリル酸アクリル酸ヒドロキシェチルと琥珀酸 無水物との反応体、メタアクリル酸ヒドロキシェチルとフタル酸無水物との反応体等が 挙げられる。これらを単独または 2種類以上併用して用いることができる。
[0036] このように、本発明に係るハ-カム構造体は、光架橋性材料を用いることによって、 光の照射により 3次元架橋構造が形成される。この 3次元架橋構造は、熱や薬品に 対して影響を受け難い。すなわち、 3次元架橋構造が形成されるハニカム構造体は、 耐熱性および耐薬品性に優れた特性を有する。
[0037] 光架橋性材料の濃度 (基板に塗布する時点における溶液に対する濃度)は、下限 値が 2. 5gZL以上であることが好ましぐ 5gZL以上であることがより好ましぐ 10g ZL以上であることが最も好ましい。また、上限値が、 150gZL以下であることが好ま しぐ lOOgZL以下であることがより好ましぐ 80gZL以下であることが最も好ましい 。し力しながら、本発明はこれに限定されるものではなぐ種々の適用条件に見合つ たハ-カム構造体を製造できるようにその濃度は適宜設定できる。
[0038] 本発明のハ-カム構造体を作製するに当たっては、溶液上に微小な水滴粒子を形 成させることが必須であることから、使用する溶媒としては非水溶性 (疎水性)であるこ とが必要である。したがって、例えば、クロ口ホルム、塩化メチレン等のハロゲン系有 機溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、酢酸ェチル、酢酸プチ ル等のエステル類、メチルイソブチルケトン等の非水溶性ケトン類、ジェチルエーテ ル等のエーテル類、二硫ィ匕炭素などが溶媒として用いられる。これらの有機溶媒は 単独で用いても、またはこれらの溶媒を組み合わせた混合溶媒として使用してもかま わない。
[0039] 本発明のハ-カム構造体の製造に用いる基板としては、ガラス、金属、シリコンゥェ ハー等の無機材料、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテルケトン、ポリフッ化工 チレン等の耐有機溶剤性に優れた有機材料、水、流動パラフィン、液状ポリエーテル 等の液体を用いることができる。
[0040] 本発明に用いる硬化剤としては、従来公知の硬化剤を用いることができる。波長 20 0〜600nmの紫外線及び可視光領域の光を照射することで活性ラジカルを発生し 重合反応に用いる硬化剤としては例えば、ァセトフエノン系化合物としては、ァセトフ ェノン、ジエトキシァセトフエノン、 2, 2—ジメトキシー 2—フエ-ルァセトフエノン、 1 ヒドロキシシクロへキシルァセトフエノン、 4ーフエノキシジクロロアセトフエノン、 4 t— ブチル一ジクロロアセトフエノン、 4— t—ブチルトリクロロアセトフエノン、ベンゾフエノ ン系化合物としては、ベンゾフエノン、ベンゾフエノンォキシム、 4, 4,一テトラ(t—ブ チルパーォキシカルボ-ル)ベンゾフエノン、ベンゾインエーテル系化合物としては、 ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインェチルエーテル、ベンゾインプロ ピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、チォキサントン系化合物としては、チ ォキサントン、ジェチルチオキサントン、ケトン系化合物としては、 1ーヒドロキシシクロ へキシルフエ-ルケトン、 4— (2—アタリロイルォキシ)フエ-ル(2—ヒドロキシ一 2— プロピル)ケトン、 OCーヒドロキシイソブチルフエ-ルケトン、その他の化合物としては、 2—メチルー 1一〔4 (メチルチオ)フエ-ル〕 2 モルフォリノプロパン 1、ベンジ ルジメチルケタール、ベンジル、 2—ヒドロキシー 2—メチルー 1 フエニルプロパン 1 オン、メチルイソブチロイルーメチルホスフィネート、メチルイソブチロイルーフエ- ルホスフィネート、ジフエ-ルー(2, 4, 6 トリメチルベンゾィル)フォスフィンォキシド 、オリゴ〔2 ヒドロキシ一 2—メチルー 1一〔4一(1ーメチルビ-ル)フエ-ル〕プロパノ ン〕等が挙げられる。
波長 200〜600nmの紫外線及び可視光領域の光を照射することで酸を発生し、 発生した酸を触媒にすることで重合反応に用いる硬化剤としては例えば、スルホユウ ム塩、ョードニゥム塩、ジァゾ -ゥム塩、アジド化合物、スルホン酸エステル化合物等 がある。例えばトリアリルスルホ -ゥムへキサフルォロアンチモン類縁体、トリァリルス ルホ -ゥムへキサフルォロホスフェート類縁体、 p, P,ジアルキルジァリルョード -ゥム 塩へキサフルォロアンチモン類縁体、 P, P,ジアルキルジァリルョードニゥム塩へキサ フルォロホスフ ート類縁体等が挙げられる。上記の硬化剤の濃度は、光架橋性材 料に対して少なくとも 2重量%含まれていれば良好なハ-カム状のパターンを形成す ることができる。し力しながら、本発明は上記の値に限定されるものではなぐ種々の 適用条件に見合ったノヽニカム構造体を製造することができるようにその濃度を適宜 設定することが可能である。なお、本発明の製造方法を用いて製造されたハ-カム 構造体は、初めから所望の基板上で製造することによって製造後もその基板に形成 されたまま使用する構成であってもよぐまたは製造時の基板より剥離した後に所望 の基板上に設置して使用する構成であってもよい。例えば、硬化剤の濃度を調整す ること〖こよって、後の実施例で詳述するが、基板上に形成された本発明のハ-カム構 造体を、ピンセットを用いて当該基板力も剥離させることができる。なお、剥離方法は これに限定されるものではなぐエタノール等の適当な溶媒に浸して力 製造時の基 板より剥離した後に所望の基板上に設置して使用しても良い。また、剥離して使用す る場合には、新たな基板との密着性を上げる目的で材料および所望の基板の材質 に合ったアクリル榭脂、ウレタン榭脂、エポキシ榭脂、ハーフエステルイ匕合物、シラン カップリング剤等の接着剤を使用することもできる。
[0042] また、本発明のハ-カム構造体は、延伸することによって、伸長した空孔の配列構 造を有するハ-カム構造体フィルムとしてもよい。延伸の方法は、特に限定されず、 例えば、ハ-カム構造体の 2以上の端をピンセット又は手でつまみ、伸長方向に引つ 張ることにより行なうことができる。あるいは、マイクロマ-ュピレーターを用いて延伸を 行なうことちできる。
[0043] 本発明に用いる両親媒性ィ匕合物としては、両親媒性ポリマーを用いることができる 。両親媒性ポリマーとしては、例えばポリアクリルアミドを主鎖骨格とし、疎水性側鎖と してドデシル基、親水性側鎖としてカルボキシル基を併せ持つ両親媒性ポリマーや、 ポリエチレングリコール zポリプロピレングリコールブロックコポリマーなどが挙げられ る。
[0044] 疎水性側鎖はメチレン基、フエ二レン基などの非極性直鎖状基であり、エステル基 やアミド基などの連結基を除 ヽて、末端まで極性基やイオン性解離基などの親水性 基を分岐しな 、構造であることが好ま 、。例えばメチレン基を用いる場合は 5っ以 上のユニットからなることが好まし 、。
[0045] 親水性側鎖はメチレン基などの連結部分を介して末端に極性基やイオン性解離基 、またはォキシエチレン基などの親水性部分を有する構造であることが好ま 、。
[0046] 疎水性側鎖と親水性側鎖の比率は、その大きさや非極性、極性の強さ、疎水性有 機溶媒の疎水性の強さにもよる力 ユニット比率が 3Zl〜lZ3の範囲であることが 望ましい。また、コポリマーの場合、疎水性側鎖の親水性側鎖の交互重合体よりも、 疎水性溶媒への溶解性に影響しない範囲で疎水性側鎖と親水性側鎖がブロックを 形成するブロックコポリマーであることが好ましい。
[0047] なお、本発明のハ-カム構造体は、ノィォテクノロジー分野にぉ 、て例えば細胞培 養用基材としてい用いることができる。そのため、このような用途の場合には、毒性の な ヽ両親媒性ィ匕合物を用いることが好まし 、。毒性のな!、両親媒性ィ匕合物としては、 例えば、ポリエチレングリコール Zポリプロピレングリコールブロック共重合体、アタリ ルアミドポリマーを主鎖骨格とし、疎水性側鎖としてドデシル基と親水性側鎖としてラ クトース基或いはカルボキシル基を併せ持つ両親媒性ポリマー、またはへパリンゃデ キストラン硫酸、核酸(DNAや RNA)などのァ-オン性高分子と長鎖アルキルアンモ -ゥム塩とのイオンコンプレックス、ゼラチン、コラーゲン、アルブミン等の水溶性タン ノ ク質を親水性基とした両親媒性ポリマー等を利用することが望ましい。
[0048] 本発明のハニカム構造体の製造の際に送る湿度と流量を制御した気体には、空気 の他、窒素ガス'アルゴンガスなどの不活性ガスを用いることができる。なお、これらの 気体は、事前にフィルターを通過させるなどの除塵処置を施すことが望ましい。雰囲 気中の塵は水蒸気の凝結核となって形成されるハニカム構造体に影響を及ぼすた め、製造現場にも除塵設備等を設置することが好ましい。
[0049] 本発明でノ、二カム構造体が形成される機構は図 2のようであると推定される。図 2は 、本発明の製造方法によってハニカム構造体 5が形成される機構を模式的に説明し ており、図 2中の(a)には基板 1上に塗布した溶液 2を液面側から見た説明図であり、 図 2中の (b)は基板 1上に塗布した溶液 2を側面側カゝら見た説明図である。図 2に示 すように、基板 1上に塗布した溶液 2 (塗布工程)は、疎水性有機溶媒が蒸発する際 に潜熱を奪われ温度が下がった溶液 2表面 (すなわち、蒸発冷却)で水が凝結して 微小な水滴 (液滴) 3となり、溶液 2表面に付着する (液滴形成工程)。溶液 2中の両 親媒性化合物 4の親水性部分の働きによって、水滴 3と疎水性有機溶媒の間の表面 張力が減少し、水滴 3が凝集して 1つの塊に融合するのを防止する。溶媒蒸発と周囲 力 の補填に基づく溶液 2の流れにより水滴 3が移送'集積され、さらに横毛管力によ り最密充填される。ハ-カム構造体 5は、上記したように、光架橋性材料を用いてハ 二カム状のパターン構造を形成するために、この光架橋性材料が架橋構造を形成す る光 6を照射する必要がある。そこで、本発明の製造方法では、図 2に示すように、疎 水性有機溶媒が完全に蒸発した段階であって、かつ、水滴 3が溶液 2表面に残存し ているか、または水滴 3の痕跡が原形を維持している段階で、光 6を照射する(光照 射工程)。光 6を照射することによって、光架橋性材料が架橋構造を形成し、最後に 水が完全に蒸発してポリマーが規則正しくハ-カム状に並んだ形として残り、ハ-カ ム構造体 5が完成する。
[0050] 本発明のハ-カム構造体の製造に用いる光としては、波長 200〜600nmの紫外 光可視光を挙げることができ、これらの中から、本発明に用いる光架橋性榭脂と硬化 剤の種類に応じて選択すればよい。例えば、 250nmの紫外光可視光を吸収する特 性を有する硬化剤を用いた場合は、紫外線 (ランプ)を用いることができる。
[0051] 上記のように、本発明は、自己組織ィ匕現象を利用した方法によってハ-カム構造体 を形成しているが、本願発明者らによって、上記した従来公知の自己組織化現象を 利用した製造方法を用いて光架橋性材料力 ハ-カム構造体を製造しょうとしたとこ ろ、サブミクロンから 100ミクロン程度の均一な空孔を持つハ-カム構造体を安定して 提供することができなカゝつた。そこで、本願発明者らは、自己組織化現象を利用した 製造方法について鋭意検討した結果、 3次元架橋構造を形成するための、光架橋性 を有する有機材料への露光のタイミングを制御することによって、良好なハ-カム構 造体を形成するに至った。すなわち、上記のように、本願発明の製造方法において は、露光のタイミングを、疎水性有機溶媒が完全に蒸発し、かつ水滴 3が溶液 2表面 に残存している力、または水滴 3の痕跡が原形を維持している段階に設定することに よって、良好なハ-カム構造体を形成している。詳細は後述する実施例にて説明す る力 このタイミングが早い場合は、露光中に溶液表面の水滴の铸型の跡が消えて いたり崩れたりする。これは、溶液中の疎水性有機溶媒が完全に蒸発していないた めに溶液表面に流動性があり、光源力 の熱や反応時の熱によって水滴が融合した ためと考えられる。一方、上記の好ましい露光タイミングよりも遅くなると、ノ、二カム構 造の空孔のサイズが縮小する傾向にある力 S、ハ-カム状のパターンは同様に形成さ れる。このように空孔が小さくなる原因としては、 2つ考えられる。 1つ目は水滴が次第 に蒸発し、縮小していくため、構造自体が縮小していくために孔径が小さくなつたとい うことである。 2つ目は材料が液状であるため、未硬化の場合は時間経過により構造 が流動してしまうためであると考えられる。
[0052] 露光タイミングは、基板上に塗布した溶液の重さをモニタリングすることによって制 御することができる。すなわち、溶液の重量は、基板上への塗布直後から一定の傾き で減少する。そして、所定の時間を経ると、その傾きが緩やかになり、最終的に一定 の値となる。これは塗布直後には疎水性有機溶媒が蒸発し、疎水性有機溶媒の蒸 発後は铸型となる水滴が蒸発していく。その後、水滴も蒸発してその他に蒸発する物 力 くなると一定の重さとなるものと考えられる。疎水性有機溶媒がまだ残っている段 階では、希薄溶液であるために架橋の反応速度は非常に低ぐ铸型となる水滴の構 造を固定ィ匕することは難しい。一方、水滴が蒸発してしまうと、ハ-カム構造が固定ィ匕 されないか、固定ィ匕されても空孔のサイズが小さくなる。そこで、重さをモニタリンクし て、疎水性有機溶媒が蒸発し、かつ、水滴が残っている、または水滴の跡が崩れて いない段階で露光を行なうことによって良好なハ-カム構造体を得ることができる。
[0053] 本発明のハ-カム構造体の製造工程を行なう環境としては、相対湿度が 50〜95 %の範囲にあることが好ま 、。 50%未満では溶液表面での水の凝結が不十分とな る傾向がある。また、 95%を超えると環境のコントロールが難しぐ均一なハ-カム構 造体を維持しにくくなる傾向がある。
[0054] 本発明の製造工程を行なう環境として、相対湿度のほかに風量が一定した定常風 を当てることが重要である。風速にして 0. 05mZ秒〜 lmZ秒が好ましい。 0. 05m Z秒未満では環境のコントロールが困難になる傾向がある。また、 lmZ秒を上回る 風速は溶媒表面の乱れを引き起こし、均一なハニカム構造体が得にくくなる傾向が ある。
[0055] 定常風を当てる方向は、基板面に対して 0° 〜90° のいずれの方向であっても製 造可能だ力 ハ-カム構造体の均一性を高めるためには 30° 〜60° であることが 好ましい。
[0056] 本発明の製造工程を行なう環境は、市販の定露点湿度発生装置等を用いるなどし て厳密に管理することが望ましい。風量は送風装置等で一定に制御し、外気による 影響を防ぐために閉鎖された空間を用いることが望ましい。また、室内は気体が層流 にて置換されるよう気体の導入出路および製膜環境を設定しておくことが望ましい。 さらに製膜品質を管理するために温度 ·湿度 ·流量等の計測器によるモニターを行な うことが望ましい。ハ-カム構造体の孔径および膜厚を高精度で制御するためには、 これらのパラメータ (特に湿度、流量)を厳密に管理することが必須である。
[0057] 本発明の製造方法では、空孔径 0. 1 μ m〜100 μ mのハ-カム構造体を作製する のに適している。好ましい空孔径は 0. 3 /ζ πι〜20 /ζ πιであり、さらに好ましくは 0. 4 μ m〜10 μ mである。
[0058] 空孔径が 0. lnm未満の場合には空孔がハ-カム状に配列しなくなり、またひとつ ひとつの空孔径もまちまちとなる傾向がある。また空孔径が 100 mを超える場合に は、空孔の形状が真円力 崩れてしまい等方的な膜が得られなくなる傾向がある。
[0059] ナノメートルオーダーの微粒子や微細構造を用いる場合には、本発明のハ-カム 構造体の空孔径は小さい方が高密度となって、一般に好ましい。本発明の製造方法 を用いてハニカム構造体の孔径を小さくするためには、迅速乾燥を促すことが有効 である。例えば、使用溶媒として低沸点溶媒を使用したり、支持体温度を上げたり、 展開速度を早くして初期の展開溶液厚を薄くすることなどが有効である。
[0060] 本発明のハ-カム構造体の厚みは、およそ空孔径サイズ〜 lmmである力 基板側 に空孔のない肉厚の層を設けることもできる。この場合、空孔のない肉厚の層の厚み は 0〜500 μ mで制御可能である。
[0061] 上記した製造方法にしたがって得られたハニカム構造体の空孔には、該構造体と 異なる物質を形成または充填して別のハ-カム構造体にすることが可能である。例え ば、赤外線吸収性の粒子を充填することができる。また、ハ-カム構造体と異なる物 質を形成または充填した後に該構造体を除去してさらに別のハニカム構造体にする ことも可能である。
[0062] なお、この異なる物質としては、 Au、 Ag、 Pt等の金属、ポリスチレン、ポリメタクリル 酸メチル、ポリカーボネート、紫外線硬化性榭脂などの有機高分子化合物、ポリジメ チルシロキサン、ポリフエ-ルメチルシロキサンなどの無機高分子化合物、 SiO 、 A1
2 2
O 、TiO 、ZrO などの無機酸ィ匕物などを例示することができる。 [0063] なお、この異なる物質は、単一の物質でもよ!/、し、複数物質の複合体であってもよ い。また、表面にアルキルベンゼンスルホン酸塩やカルボキシル酸ポリマーを物理吸 着させたり、カルボキシル酸を有する化合物をグラフトさせるなどの化学修飾をほどこ してちよい。
[0064] また、上記の異なる物質として、磁性を保持できる材料を用いてもょ 、。これにより、 高密度磁気記憶媒体を提供できる。なお、磁性材料を用いる場合は、磁性の軸を揃 えることが必要であるため、結晶異方性を示す材料の使用が好ましい。同じ理由で構 造体作成時には磁場を引加することが好ましい。
[0065] また、これらの異なる物質を形成または充填する方法としては、溶融状態もしくはハ 二カム構造体を溶解しない溶媒で調製した溶液、ラテックス、微粒子分散物を含浸さ せる方法や、モノマーを含浸させた後、加熱または光で重合させる方法、テトラエトキ シシランや金属アルコキサイドを適当な触媒と水を添加した液を含浸させた後に加熱 または光で脱水縮合させる方法 ( 、わゆるゾルーゲル法)などを例示することができる
[0066] さらに、異なる物質を形成または充填した後にハニカム構造体を除去する方法とし ては、異なる物質を溶解せず当該構造体のみを溶解しうる溶媒に浸漬する方法ゃ異 なる物質が無機酸ィ匕物などの耐熱性がある場合には 500°C以上に加熱して当該構 造体を熱分解、除去する方法などを例示することができる。具体的には、酸素プラズ マ処理、イオンミリング、レーザアブレーシヨンが挙げられる。
[0067] 以上のように、本発明では、光架橋性材料を架橋させる光の照射のタイミングを、基 板上に塗布した溶液の疎水性有機溶媒が完全に蒸発し、かつ結露が生じた段階に 設定することで、自己組織化現象を利用した製造方法に光架橋性材料を適用した場 合であっても、サブミクロンから 100ミクロン程度の均一な空孔を持つハ-カム構造体 を提供することができる。光架橋性材料を用いて製造されたハ-カム構造体は、耐熱 性ゃ耐薬品性に優れて 、る。
[0068] 本発明によって得られるハ-カム構造体は、光学 ·電子工学およびバイオテクノロ ジ一の各分野に応用可能な技術である。周期的なハニカム状の多孔質体はフォト二 ック結晶素子への応用が期待される。また、電子工学の分野においては、電極等の マトリクス材料として熱や溶媒に安定に構造を保持することが可能となる。バイオテク ノロジ一の分野では、近年基板のパターンが細胞表面に与える影響が解明されつつ あるが、各種溶媒等に対しても耐性をもっため、安定なパターン化基材として提供可 能である。
[0069] 〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。実施例 1には、 露光タイミングを制御した実験例を示し、実施例 2には、光架橋性材料および硬化剤 の濃度について検討を行なった実験例を示し、さらに実施例 3には、本発明の方法 によって製造したノヽ-カム構造体の各種溶媒に対する耐性を調べた実験結果を示し ている。そして、実施例 1とは異なる光架橋性材料を用いて作製したノ、二カム構造体 につ 、て実施例 4に示して 、る。
[0070] <実施例 1 >
本実施例において、ハ-カム構造体の製造は図 3に示した製造装置 10を用いて製 造した。図 3は、ハ-カム構造体の製造装置 10の構成図である。製造装置 10には、 容器 (基板) 11と、秤 12と、ファイバ一式 UV光源 13と、窒素噴射器 14と、モニタリン グ装置 15とが設けられている。
[0071] 窒素噴射器 14における容器 11に対する設置角度 Θは、 Θ = 30° とした。また、窒 素噴射器 14と容器 11との離間距離 hは 85mmとした。容器 11とファイバ一式 UV光 源 13との離間距離 Hは 100mmとした。秤 12とモニタリング装置 15とは接続されてお り、秤 12によって測定された容器 11内の溶液 2の重さをモニタリング装置 15によって モニタリングすることができる。モニタリング装置 15を用 、て溶液 2の重さをモニタリン グすることにより、ファイバ一式 UV光源 13による溶液 2への露光タイミングを最適に 設定することができる。
[0072] 光架橋性材料にはビスフエノール A型エポキシ榭脂(大日本インキ化学工業株式 会社製、 EXA— 850CRP)を用いた。硬ィ匕剤には、ョードニゥム塩系カチオン硬 ィ匕剤(Rhodia製、 2074)を用いた。疎水性有機溶媒には、クロ口ホルム (和光純薬、 1 級)を用いた。両親媒性ィ匕合物には、 Capを用いた。本実施例に用いた両親媒性ィ匕 合物の化学構造式を図 4に示す。 [0073] 次に、溶液 2 (図 3)について説明する。まず、ョードニゥム塩系カチオン硬化剤の濃 度が lOgZLとなるようにクロ口ホルム溶液を調製した。次に、これとは別に、ビスフエ ノール A型エポキシ榭脂の濃度が 100gZL、両親媒性ィ匕合物の濃度が lgZLとなる ようにクロ口ホルム溶液を調製した。調製した 2種類のクロ口ホルム溶液を lmlずっとり 、共栓メスシリンダー中で混合した。
[0074] ハ-カム構造体の製造は図 3に示した製造装置 10を用いた。容器 11にはシャーレ
(TOKYO PETRI SCHALE、焼口 30)のフタ(直径 36mm)を用いた。容器 11に共栓 メスシリンダー中で混合した溶液 2 (2ml)を塗布 (キャスト)し、水を入れた洗気瓶を通 して加湿した窒素ガスをフタに吹き付けた。窒素は、相対湿度 70%で、温度 20°C 流量 4LZ分とした。窒素流量は、フローメーター(KOFLOC, MODEL RK1600R )を 用いて測定した。クロ口ホルムおよび水の蒸発による重量変化を測定するために、全 ての実験は秤 12の上で行い、重量変化をモニタリング装置 15で観察した。
[0075] 本実施例では、 UV光を照射するタイミングを、容器 11に塗布してカゝらクロ口ホルム および水滴が蒸発して重量が安定するまでの溶液 2について 7段階 (塗布から 200 秒後、 400秒後、 500秒後、 600秒後、 700秒後、 800秒後、 1000秒後)設定した。 各段階の溶液 2の作製条件を以下の表 1に示す。
[0076] [表 1]
Figure imgf000018_0001
容器 11に塗布して窒素雰囲気下で所定の時間を経過した各溶液 2には、ファイバ 一式 UV光源 (浜松ホトニタス株式会社 製) 13を用いて UV光を 2分間照射した。
UV光照射後の容器 11内の状態は、光学顕微鏡 (OM, Olympus BH- 2)を用いて 観察するとともに、 PdZPtスパッタして走査型電子顕微鏡( SEM, Hitachi S-3500N )で観察した。 観察の結果、塗布してから窒素をふきつけると、おおよそ 100秒前後で表面の一部 が白濁し始め、次第に範囲が広がり、およそ 200秒でほぼ全面に広がった。白濁した 表面は 400秒ほど経過すると端から消えていった力 500から 600秒前後で縮まらな くなつた。露光のタイミングが早いとき (塗布後 500秒未満)、 UV照射中に表面にで きた白濁が収縮していく様子が観察できた。光学顕微鏡で観察すると水滴の铸型の 跡が消えていたり崩れたりしていた。これは、溶媒のクロ口ホルムがとびきつていない ために溶液 2に流動性があり、光源 13からの熱や反応時の熱によって水滴が融合し たためと考えられる。また、露光のタイミングが遅いとき (塗布後 500秒以降)、 UV照 射前後でサンプルの白い部分に変化は見られな力つた。光学顕微鏡でノ、二カム構 造体の表面構造を観察した結果を図 5に示す。図 5中の(a)は塗布から 200秒後に 露光を行なった溶液、(b)は 400秒後、(c)は 500秒後、(d)は 600秒後、(e)は 700 秒後、(f)は 800秒後、(g)は 1000秒後に露光を行なった溶液 (ノ、二カム構造体)の 表面構造を示している。図 5の(a)および (b)から、塗布後の経過時間が 400秒まで はほとんど表面構造に変化、すなわちハ-カム状のパターンは見られないが、図 5の (c)に示すように 500秒後からハ-カム状のパターン構造が固定ィ匕されはじめ、図 5 の(e)〜(g)に示すように 700秒後からは、ハ-カム状のパターンが見られた。それよ り長い時間経過すると、空孔のサイズが縮小する傾向にある力 ハ-カム状のパター ンが同様に形成されていた。経過時間が長くなると空孔が小さくなる原因は 2つ考え られる。一つ目は水滴が次第に蒸発し、縮小していくため、構造自体が縮小していく ために空孔径が小さくなる。また、材料が液状であるため、未硬化の場合は時間経過 により構造が流動してしまうためであると考えられる。図 6に各溶液の塗布後の重量 変化を示す。図 6は、縦軸に沿って溶液の重量を示し、横軸に沿って塗布からの経 過時間を示しており、 7種類の溶液の重量変化を、それぞれの溶液への露光タイミン グ(図中の矢印)とともに示している。図 6に示すように、各溶液は一様に塗布直後か ら重量が一定の傾きで減少している力 400〜500秒後からは傾きが緩やかになり、 最終的に一定の値となる。これは塗布直後には溶媒であるクロ口ホルムが蒸発してい る力 クロ口ホルムが完全に蒸発した後は铸型となる水滴が蒸発していく。水滴も完 全に蒸発した後、蒸発する物がなくなると重さが一定になるものと考えられる。塗布後 500秒経過以前(図 5の(a)〜(c) )では、クロ口ホルムがまだ残っており、希薄溶液で あるために架橋の反応速度は非常に低ぐ铸型水滴の構造を固定化することは難し い。一方、铸型となる水滴が蒸発してしまうと、ハ-カム上のパターン構造が固定ィ匕さ れな 、か、固定化されても空孔のサイズが小さくなる。
[0079] 図 5 (e)に示したノ、二カム構造体を走査型電子顕微鏡によって観察した結果を図 7
(a) · (b)に示す。図 7 (a)はハニカム構造体の表面構造を示した斜視図であり、図 7 ( b)は図 7 (a)に示した表面構造を拡大した拡大斜視図である。図 7 (a) · (b)の観察結 果から、直径 3ミクロン、高さが 1ミクロン程度の空孔を持つハ-カム構造が形成され ていることが明ら力となった。
[0080] 以上のことから、溶媒のクロ口ホルムが蒸発し、水滴が残存して!/、る、ある 、は水滴 の跡が崩れて 、な 、時が最も露光のタイミングとして適して 、ると 、える。
[0081] <実施例 2>
本実施例では、本発明の方法に沿って製造されるハ-カム構造体における光架橋 性材料および硬化剤の濃度について検討を行なった。本実施例では、上記の実施 例 1と同じぐ光架橋性材料にはビスフエノール A型エポキシ榭脂(大日本インキ化学 工業株式会社 製 EXA— 850CRP)を用い、硬化剤にはョードニゥム塩系カチォ ン硬化剤を用い、両親媒性ィ匕合物には Capを用い、疎水性有機溶媒にはクロ口ホル ム溶液を用いた。
[0082] ビスフエノール A型エポキシ榭脂の濃度を 100gZL、 lOgZLとなるようにクロロホ ルム溶液 Aをそれぞれ調製した。次に、これとは別に、ョードニゥム塩系カチオン硬 ィ匕剤の濃度が 10gZL、 lg/ 0. lgZLとなるようにクロ口ホルム溶液 Bを調製した 。これらクロ口ホルム溶液 Aとクロ口ホルム溶液 Bとを体積比 1 : 1で混合し、下記の表 2 に示すサンプル(1)〜(5)を調製した。
[0083] [表 2]
Figure imgf000021_0001
すなわち、各サンプルは体積比 1 : 1で混合しているため、各サンプルのビスフエノー ル A型エポキシ榭脂およびョードニゥム塩系カチオン硬化剤の濃度は、上記の半分 となる。
[0084] 上記の実施例 1と同様に、図 3に示す製造装置 10を用いてハ-カム構造体を製造 した (各条件は、上記実施例 1と同じ)。表 2に示したサンプル(1)〜(5)をそれぞれ 容器 11に 2πιΓ塗布し、相対湿度 70%で、温度 20°C、流量 4L,分とした窒素を吹き 付けた。塗布力も 700秒後に光源 13 (図 3)力も UV光を 2分間照射し、光架橋 (光硬 ィ匕)を行った。作製したハニカム構造体の表面及び断面構造を光学顕微鏡 (実施例 1と同じ)、走査型電子顕微鏡 (実施例 1と同じ)で観察した。
[0085] どのサンプルも 2分間の UV光による露光により硬化が認められた。サンプル(1)お よび (4)のサンプルは靱性が高ぐ図 8に示すようにピンセットで容器 11から剥離する ことができた。一方、サンプル (2) · (3) · (5)のハニカム構造体は、構造体自体が脆く 、ピンセットをあてると削れてくる傾向にあった。サンプル(1)および (4)のハニカム構 造体に可視光を当てると干渉色が観察され、その他は白濁する傾向である。光学顕 微鏡を用いてサンプル(1)〜(5)のハ-カム構造体を観察した結果を図 9に示す。図 9中の(a)は、サンプル(1)および (4)のハ-カム構造体の表面構造を示しており、 (b )はサンプル(2) · (3) · (5)のハ-カム構造体の表面構造を示している。図 9中の(a) より、サンプル(1)および (4)のハニカム構造体は、良好なハニカム状の構造体が形 成されていることがわ力る。一方、サンプル(2) · (3) · (5)のハ-カム構造体では、図 9中の(b)に示すように不均一な構造が得られた。
[0086] 以上の結果から、本発明に係るハ-カム構造体の製造方法では、硬化剤の量を一 定以上混入させないと、良好な結果が得られないことを意味している。具体的には、 塗布する溶液中に少なくとも 5gZLの濃度含まれている必要がある。しかしながら、こ れは硬化剤としてョードニゥム塩系カチオン硬化剤を使用した場合の濃度であり、そ の濃度は使用する硬化剤の種類に応じて適宜設定することが好ましい。
[0087] <実施例 3 >
本実施例では、本発明の方法によって製造したハ-カム構造体における各種溶媒 に対する耐性を調べた実験結果を示して 、る。
[0088] 溶媒耐性を評価するために、クロ口ホルム、アセトン、純水、エタノールを用いた。
[0089] 上記した実施例 1と同様、光架橋性材料にビスフエノール A型エポキシ榭脂(大日 本インキ化学工業株式会社 製 EXA— 850CRP)を用い、硬化剤にョードニゥム 塩系カチオン硬化剤を用い、疎水性有機溶媒にクロ口ホルム (和光純薬、 1級)を用 い、両親媒性ィ匕合物に Capを用いた。ョードニゥム塩系カチオン硬化剤の濃度を 10 gZLになるように調製したクロ口ホルム溶液と、ビスフエノール A型エポキシ榭脂の濃 度を 100gZL、両親媒性ィ匕合物の濃度を lgZLになるように調製したクロ口ホルム 溶液とを lmlずっとり、共栓メスシリンダー中で混合し、この溶液(2ml)を容器 11 (図 3)に塗布した。ハ-カム構造体の製造は図 3に示した製造装置 10を用いて製造した 。相対湿度 70%で、温度 20°C、流量 4LZ分とした窒素を吹き付け、塗布から 700秒 後に光源 13 (図 3)力も UV光を 2分間照射し、光架橋を行った。
[0090] 製造されたハ-カム構造体の各種溶媒に対する耐性を調べるため、ハ-カム構造 体を容器 11 (図 3)力 剥離することなぐその上力 純水、エタノール (和光純薬、 1 級)、アセトン(和光純薬、 1級)、クロ口ホルム(和光純薬、 1級)のそれぞれを、ハユカ ム構造体の全面が浸るように塗布した。各溶媒を塗布して 3時間静置後のハ-カム 構造体の表面構造を光学顕微鏡 (実施例 1と同じ)で観察した。観察結果を図 10〖こ 示す。図 10中の(a)は純水を塗布した結果であり、(b)はエタノールを塗布した結果 であり、(c)はアセトンを塗布した結果であり、(d)はクロ口ホルム溶液を塗布した結果 である。各溶媒を塗布する前後で表面構造の変化を観察したところ、図 10中の (a) 〜(d)に示されるように、どの溶媒に浸漬した場合においてもハ-カム状のパターン 構造が形成されて ヽることが確認できた。
[0091] 以上のように、本発明のハニカム構造体の製造方法は、疎水性有機溶媒と光架橋 性材料と硬化剤とを混合させた溶液を、基板上に塗布する塗布工程と、上記の塗布 工程によって塗布された溶液カゝら疎水性有機溶媒を蒸発させるとともに、当該溶液 の表面に液滴を生じさせる液滴形成工程と、上記の液滴形成工程によって液滴が生 じた表面に、上記の光架橋性材料を架橋させる光を照射する光照射工程とを含むハ 二カム構造体の製造方法であって、上記の光照射工程では、疎水性有機溶媒が完 全に蒸発し、かつ液滴が生じているか、または液滴の痕跡が原形を維持している状 態の溶液に、上記の光を照射することを特徴として 、る。
[0092] 光架橋性材料を架橋させる光の照射のタイミングを、基板上に塗布した溶液の疎 水性有機溶媒が完全に蒸発し、かつ液滴が生じているか、または液滴の痕跡が原形 を維持している段階に設定することで、上記の自己組織化現象を利用した製造方法 に光架橋性材料を適用した場合であっても、サブミクロンから 100ミクロン程度の均一 な空孔を持つハ-カム構造体を提供できる。すなわち、本発明のハ-カム構造体の 製造方法を用 、れば、铸型を用 、て塗布 ·転写 ·剥離を小さな面積で行なうナノイン プリントと比較して、非常に簡便かつ迅速にハ-カム構造体を製造できるとともに、従 来の水滴を铸型としたノヽ-カム構造体では作製できな ヽ熱ゃ薬品に耐性を有する安 定なハ-カム構造体を提供できる。
[0093] したがって、上記の製造方法を用いて光架橋性材料から製造されるハ-カム構造 体は、各種溶媒等に安定なハ-カム構造体を提供することができるため、近年注目 されて 、る多くの技術分野に広く応用することができる。
[0094] <実施例 4>
上記した実施例 1では、光架橋性材料にはビスフエノール A型エポキシ榭脂を用い た。そこで、本実施例では、他の光架橋性材料を用いてハ-カム構造体を作製した。
[0095] 光架橋性材料には固形エポキシベース (大日本インキ化学工業株式会社製、 H P— 7200)を用いた。硬化剤、疎水性有機溶媒、両親媒性化合物は、それぞれ実施 例 1で使用したものと同一のものを用いた。
[0096] 次に、溶液 2 (図 3)は、ョードニゥム塩系カチオン硬化剤の濃度が lOgZLとなるよう に調製したクロ口ホルム溶液と、これとは別に、固形エポキシベースの濃度が 100g/ L、両親媒性ィ匕合物の濃度が lgZLとなるように調製したクロ口ホルム溶液を作製し た。調製した 2種類のクロ口ホルム溶液を lmlずっとり、共栓メスシリンダー中で混合 した。
[0097] ハ-カム構造体の製造は、上記した図 3に示した製造装置 10を用いた。製造装置 10における諸条件も実施例 1と同一条件とした。
[0098] 容器 11は、実施例 1と同じくシャーレ(TOKYO PETRI SCHALE、焼口 30)のフタ( 直径 36mm)を用い、共栓メスシリンダー中で混合した溶液 2 (2ml)を容器 11に塗布 (キャスト)し、水を入れた洗気瓶を通して加湿した窒素ガスをフタに吹き付けた。窒素 は、相対湿度 70%で、温度 20°C、流量 4LZ分とした。窒素流量は、フローメーター( KOFLOC, MODEL RK1600R )を用いて測定した。クロ口ホルムおよび水の蒸発によ る重量変化を測定するために、全ての実験は秤 12の上で行い、重量変化をモニタリ ング装置 15で観察した。
[0099] 本実施例では、容器 11に塗布して窒素雰囲気下で、溶媒を (完全に)蒸発させた 後、ファイバ一式 UV光源 (浜松ホトニタス株式会社 製) 13を用いて UV光を 2分間 照射した。
[0100] UV光照射後の容器 11内の状態は、光学顕微鏡 (OM, Olympus BH-2)で観察し た。観察した結果を図 11に示す。
[0101] 図 11の観察結果から、直径 6ミクロン、高さが 2ミクロン程度の空孔を持つハ-カム 構造が形成されて ヽることが示された。
[0102] 以上のことから、液性エポキシ榭脂のみならず、固形のエポキシ榭脂についても同 様に製膜できることが明らかとなった。
産業上の利用の可能性
[0103] 本発明に係るハ-カム構造体の製造方法は、自己組織化現象を利用した製造方 法に光架橋性材料を適用した場合であっても、サブミクロンから 100ミクロン程度の均 一な空孔を持つハ-カム構造体を提供でき、耐熱性ゃ耐薬品性に優れたノヽ-カム 構造体を提供できる。
[0104] したがって、例えば、高機能の複合材料、触媒、非線形光学材料、記憶素子などの 光学'電子工学の分野や、バイオテクノロジー等の各分野に広く適用することができ る。

Claims

請求の範囲
[1] 疎水性有機溶媒と光架橋性材料と硬化剤とを混合させた溶液を、基板上に塗布す る塗布工程と、
上記の塗布工程によって塗布された溶液カゝら疎水性有機溶媒を蒸発させるととも に、当該溶液の表面に液滴を生じさせる液滴形成工程と、
上記の液滴形成工程によって液滴が生じた表面に、上記の光架橋性材料を架橋さ せる光を照射する光照射工程とを含むハニカム構造体の製造方法であって、 上記の光照射工程では、疎水性有機溶媒が完全に蒸発し、かつ、液滴が生じてい る力、または液滴の痕跡が原形を維持している状態の溶液に、上記の光を照射する ことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
[2] 上記の液滴形成工程では、相対湿度 50%〜95%の気体を所定の流速で、上記 の溶液に吹き付けることを特徴とする請求項 1に記載のハニカム構造体の製造方法
[3] 上記の光架橋性材料は、モノマーまたはオリゴマー、もしくはこれらの混合物力もな ることを特徴とする請求項 1または 2に記載のハニカム構造体の製造方法。
[4] 上記の光は、紫外線または可視光線であることを特徴とする請求項 1から 3の何れ 力 1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
[5] 上記の溶液には、両親媒性化合物が含まれていることを特徴とする請求項 1から 4 の何れか 1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
[6] 上記の硬化剤は、上記の光架橋性材料に対して少なくとも 2重量%含まれているこ とを特徴とする請求項 1から 5の何れか 1項に記載のハニカム構造体の製造方法。
[7] 請求項 1から 6の何れか 1項に記載の製造方法によって製造されるハニカム構造体 の空孔に、当該ハ-カム構造体とは異なる物質を形成または装填する工程を含むこ とを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
[8] 請求項 1から 7の何れか 1項に記載の製造方法によって製造されるハニカム構造体
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