JP2002338229A - シリカメソ構造体薄膜、メソポーラスシリカ薄膜、シリカメソ構造体薄膜の製造方法及びメソポーラスシリカ薄膜の製造方法 - Google Patents

シリカメソ構造体薄膜、メソポーラスシリカ薄膜、シリカメソ構造体薄膜の製造方法及びメソポーラスシリカ薄膜の製造方法

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JP2002338229A
JP2002338229A JP2001140184A JP2001140184A JP2002338229A JP 2002338229 A JP2002338229 A JP 2002338229A JP 2001140184 A JP2001140184 A JP 2001140184A JP 2001140184 A JP2001140184 A JP 2001140184A JP 2002338229 A JP2002338229 A JP 2002338229A
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silica
polymer compound
film
surfactant
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Hirokatsu Miyata
浩克 宮田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意の基板上に形成した配向性を有するシリ
カメソ構造体薄膜およびメソポーラスシリカ薄膜を提供
する。 【解決手段】 基板上に設けられた高分子化合物膜上に
形成されたシリカメソ構造体薄膜であって、該薄膜が直
線偏光照射によって表面に構造の異方性が付与された高
分子化合物膜の一部分もしくは全部に形成されているシ
リカメソ構造体薄膜。該シリカメソ構造体の細孔中から
界面活性剤を除去した、中空構造の細孔からなるメソポ
ーラスシリカ薄膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒や吸着剤など
に用いられる無機酸化物多孔体の応用に関連し、より詳
しくはシリカメソ構造体薄膜、メソポーラスシリカ薄
膜、シリカメソ構造体薄膜の製造方法及びメソポーラス
シリカ薄膜の製造方法に関し、細孔構造の制御されたメ
ソ多孔体の基板への形成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多孔質材料は、吸着、分離など様々な分
野で利用されている。IUPACによれば、多孔体は、
細孔径が2nm以下のマイクロポーラス、2〜50nm
のメソポーラス、50nm以上のマクロポーラスに分類
される。マイクロポーラスな多孔体には天然のアルミノ
ケイ酸塩、合成アルミノケイ酸塩等のゼオライト、金属
リン酸塩等が知られている。これらは、細孔のサイズを
利用した選択的吸着、形状選択的触媒反応、分子サイズ
の反応容器として利用されている。
【0003】報告されているマイクロポーラスクリスタ
ルにおいては、細孔径は最大で1.5nm程度であり、
さらに径の大きな固体の合成はマイクロポアには吸着で
きないような嵩高い化合物の吸着、反応を行うために重
要な課題である。この様な大きなポアを有する物質とし
てシリカゲル、ピラー化粘土等が知られていたが、これ
らにおいては細孔径の分布が広く、細孔径の制御が問題
であった。
【0004】この様な背景の中、径の揃ったメソポアが
蜂の巣状に配列した構造を有するメソポーラスシリカの
合成が、ほぼ同時に異なる二つの方法で開発された。一
方は、“Nature”第359巻、710頁に記載さ
れているような界面活性剤の存在下においてケイ素のア
ルコキシドを加水分解させて合成されるMCM−41と
呼ばれる物質であり、他方は、“Journal of
ChemicalSociety Chemical
Communications”の1993巻、68
0頁に記載されているような、層状ケイ酸の一種である
カネマイトの層間にアルキルアンモニウムをインターカ
レートさせて合成されるFSM−16と呼ばれる物質で
ある。
【0005】この両者ともに、界面活性剤の集合体が鋳
型となってシリカの構造制御が行われていると考えられ
ている。これらの物質は、ゼオライトのポアに入らない
ような嵩高い分子に対する触媒として非常に有用な材料
であるだけでなく、細孔内に種々の機能を有するゲスト
種を導入することによって、光学材料や電子材料等の機
能性材料への応用も考えられている。
【0006】このような規則的な細孔構造を有するメソ
ポーラス多孔体を、触媒以外の機能性材料分野に応用す
る場合、これらの材料を基板上に均一に保持する技術が
重要である。基板上に均一なメソポーラス薄膜を製造す
る方法としては、例えば“Chemical Comm
unications”の1996巻、1149頁に記
載されているようなスピンコートによる方法、“Nat
ure”第389巻、364頁に記載されているような
ディップコートによる方法、“Nature”第379
巻、703頁に記載されているような固体表面に膜を析
出させる方法等がある。これらのメソポーラス薄膜は機
能性を有するゲスト種の導入により機能性光学薄膜等に
利用できる可能性が高く、特に注目を集めている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
メソポーラス薄膜の製造方法には以下に述べるような問
題点があった。すなわち、スピンコート膜等の場合には
膜全体にわたってのメソ構造体の方向性がなく、ポアを
配向させることができない。このことは、メソポーラス
薄膜を用いてゲスト種の制御を行うという目的のために
は大きな問題となる。
【0008】また、一方メソ構造体を基板上に析出させ
る方法の場合には形成される膜の基板依存性が大きく、
方向性を持った膜の形成は雲母やグラファイトのへき開
面のような原子レベルでの秩序性のある基板に限られて
いる。
【0009】メソポーラス薄膜を用いてゲスト種の制御
を行い、実用性の高い機能性薄膜を製造する目的のため
には、任意の基板上に配向性を有するメソポーラス薄膜
を形成する技術が求められていた。この課題を解決する
ために、ラビング処理を施した高分子薄膜をコートした
基板を用いる方法、高分子ラングミュア−ブロジェット
膜を形成した基板を用いる方法等が提案されている。
【0010】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、簡単な方法で任意の基板上に形成した配向性を有す
るシリカメソ構造体薄膜、メソポーラスシリカ薄膜およ
びそれらの薄膜の製造方法を提供することを目的とする
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、基
板上に設けられた高分子化合物膜上に形成されたシリカ
メソ構造体薄膜であって、該薄膜が直線偏光照射によっ
て表面に構造の異方性が付与された高分子化合物膜の一
部分もしくは全部に形成されていることを特徴とするシ
リカメソ構造体薄膜である。
【0012】特に、シリカメソ構造体薄膜中の細孔の平
均的な方向が、下地の高分子化合物膜の異方性によって
一方向に制御されている、シリカメソ構造体薄膜が好ま
しい。ここでいう平均的な方向が制御されているという
ことは、X線回折分析等で測定された薄膜中での細孔の
配向分布がある特定の方向で極大値を有するということ
を意味する。
【0013】また、本発明は、基板上に高分子化合物膜
を形成する工程と、該高分子化合物膜に直線偏光を照射
して表面に構造の異方性を付与する工程と、該異方性を
付与した高分子化合物膜上にシリカメソ構造体薄膜を形
成する工程とを含むことを特徴とするシリカメソ構造体
薄膜の製造方法である。
【0014】ここで、シリカメソ構造体薄膜を形成する
工程は、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液中に基板
を浸漬し、高分子化合物膜上にシリカメソ構造体を析出
させる方法、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液を高
分子化合物膜上にディップコートする方法、界面活性剤
とシリカ前駆体を含む溶液を高分子化合物膜上にスピン
コートする方法、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液
を高分子化合物膜上にインクジェット法によって配置す
る方法および界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液を高
分子化合物膜上にペンリソグラフィー法によって配置す
る方法等の中から選択される。
【0015】但し、この他の方法であっても、基板上に
シリカメソ構造体を製造することが可能な方法であれば
適用することができる。界面活性剤とシリカ前駆体を含
む溶液中に基板を浸漬し、基板表面にシリカメソ構造体
薄膜を析出させる方法を適用する場合には、基板は溶液
中で、異方性が付与された高分子化合物膜が下向きにな
るように保持されるのが好ましい。
【0016】基板上に形成する高分子化合物膜には、広
い範囲の材料が適用可能である。高分子化合物に直線偏
光を照射して異方性を付与するメカニズムには、二量化
反応、分解反応、新規結合形成等があるが、どのメカニ
ズムに基づくものでも基本的に適用可能である。このよ
うな、偏光によって高分子化合物膜に構造の異方性を付
与する技術は、液晶分子の配向技術に利用されており、
ラビングに代わる配向技術として有望視されている。
【0017】本発明のもうひとつの形態は、基板上に設
けられた高分子化合物膜上に形成されたシリカメソ構造
体薄膜であって、該薄膜が直線偏光照射によって表面に
構造の異方性が付与された高分子化合物膜の一部分もし
くは全部に形成されているシリカメソ構造体薄膜の細孔
中から、界面活性剤を除去して形成される、中空の細孔
を有するメソポーラスシリカ薄膜である。
【0018】薄膜の細孔の中空構造は、シリカメソ構造
体薄膜の細孔中から、界面活性剤を除去して形成され
る。また、特にメソポーラスシリカシリカ薄膜中の細孔
の平均的な方向が、シリカメソ構造体製造時における下
地の高分子化合物膜の異方性によって一方向に制御され
ているメソポーラスシリカ薄膜が好ましい。
【0019】さらに本発明は、基板上に高分子化合物膜
を形成する工程と、該高分子化合物膜に直線偏光を照射
して表面に構造の異方性を付与する工程と、該異方性を
付与した高分子化合物膜上にシリカメソ構造体薄膜を形
成する工程と、該シリカメソ構造体薄膜の細孔を中空構
造にする工程とを含むことを特徴とするメソポーラスシ
リカ薄膜の製造方法である。
【0020】ここで、シリカメソ構造体薄膜を形成する
工程は、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液中に基板
を浸漬し、高分子化合物膜上にシリカメソ構造体を析出
させる方法、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液を高
分子化合物膜上にディップコートする方法、界面活性剤
とシリカ前駆体を含む溶液を高分子化合物膜上にスピン
コートする方法、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液
を高分子化合物膜上にインクジェット法によって配置す
る方法および界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液を高
分子化合物膜上にペンリソグラフィー法によって配置す
る方法等の中から選択される。但し、この他の方法であ
っても、基板上にシリカメソ構造体を製造することが可
能な方法であれば適用することができる。
【0021】ここで、メソ構造体薄膜の細孔中から界面
活性剤を除去する方法は、メソ構造体の焼成、溶剤によ
る抽出、超臨界状態の流体による抽出、紫外光照射によ
り発生したオゾンによる酸化・分解等が良好に用いられ
るが、これ以外の方法であってもメソ細孔構造を破壊す
ることなく界面活性剤を除去できる方法であれば用いる
ことが可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を用いて
本発明を説明する。本発明のシリカメソ構造体薄膜は、
直線偏光照射によって表面に構造の異方性が付与された
高分子化合物膜の一部分もしくは全部に形成されている
ことを特徴とする。
【0023】本発明で用いられる高分子化合物膜は、直
線偏光の照射によって構造に異方性を生じるものが用い
られる。一般に、光の電場ベクトルと分子の励起遷移モ
ーメントが一致したとき、分子が光を吸収し、光化学反
応が進行する。従って、直線偏光を照射することによっ
て、特定方向の化学反応だけを起こさせ、異方性を発現
させることが可能である。このような直線偏光照射によ
る異方性の発現はワイガート(Weigert)効果と
して古くから知られている。
【0024】光によって引き起こされる化学反応は多様
性に富み、種々のメカニズムによる。代表的なものとし
て、二量化反応、分解反応、新規結合形成等がある。二
量化反応により異方性を発現させる例としてはポリビニ
ルシンナメートが、分解反応により異方性を発現させる
例としてはポリイミド類が、新規結合形成により異方性
を発現させる例としてはベンゾフェノン骨格のポリイミ
ドが代表例としてそれぞれ挙げられる。
【0025】したがって、本発明で用いられる高分子化
合物膜の具体例としては、ポリビニルシンナメート、ポ
リイミド、ベンゾフェノン骨格のポリイミド、カルコン
基を有するポリマー、クマリンをペンダントにしたポリ
マー等が挙げられる。
【0026】本発明で用いられる高分子化合物膜は、直
線偏光の照射によって構造に異方性を生じるようなもの
であって、その上にシリカメソ構造体薄膜を形成し得る
ものであれば、どのようなメカニズムに基づく異方性発
現を示すものでも良い。後で詳しく記述するが、メソ構
造体薄膜製造に用いられる反応溶液の組成や反応条件
は、シリカメソ構造体薄膜製造の手法によって大きく異
なり、場合によっては使用可能な高分子化合物に制約が
生じるため、使用する高分子材料は適用するシリカメソ
構造体薄膜の製造法における反応溶液の組成や反応条件
によって適当なものを選択する必要がある。これらの高
分子化合物膜はスピンコーティングのような一般的手法
によって基板上に形成される。使用する高分子化合物に
よっては、前駆体をコーティングした後に、熱処理等の
方法によって目的の構造に変化させる場合もある。
【0027】高分子化合物膜を形成するための基板は、
高分子化合物膜の製造工程、直線偏光照射工程、及びシ
リカメソ構造体薄膜の形成工程に耐え得るものであれば
特に限定されない。但し、溶液中に保持した基板にシリ
カメソ構造体薄膜を析出させる方法を用いる場合には、
基板は酸性条件に対して安定なものが好ましく用いられ
る。例示すると、石英ガラス、セラミクス、樹脂等が使
用可能である。
【0028】基板上に形成された高分子化合物膜に対し
て、直線偏光照射によって表面に構造の異方性を付与す
るには、直線偏光した紫外光を照射するのが好ましい。
使用する光源は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀
灯、エキシマランプ、紫外レーザー等の中から適宜選択
して使用される。光照射時間は使用する光源の光強度に
応じて数秒〜数十分の間で決定される。
【0029】直線偏光照射は、高分子化合物膜の一部分
もしくは全部に行なうことができる。直線偏光照射によ
って高分子化合物膜の表面に構造の異方性が付与され
る。構造の異方性とは、膜中での高分子化合物の鎖があ
る方向に配向している状態を示す。
【0030】次に、上記のような工程によって基板上に
形成し、直線偏光照射を行った高分子化合物膜上に、シ
リカメソ構造体薄膜を形成する。シリカメソ構造体薄膜
の製造法は、溶媒蒸発法と呼ばれるゾル−ゲル法を応用
した手法と、溶液中に保持した基板上への不均一核発生
−核成長に基づく方法の2つに大別される。
【0031】本発明においては、シリカメソ構造体薄膜
中の細孔の平均的な方向が高分子化合物膜の異方性によ
って一方向に制御されているのが好ましい。異方性によ
って一方向に制御されているとは、具体的には高分子膜
表面における配向性の高分子鎖と、界面活性剤分子また
は界面活性剤のロッド状ミセルとの相互作用により、表
面に配向性のロッド状ミセルが形成され、これを鋳型に
メソ構造体薄膜形成が起こるために、膜中のロッド状細
孔にも配向性が生じることを示す。
【0032】まず、溶媒蒸発法による膜形成について説
明する。溶媒蒸発法は、臨界ミセル濃度以下の界面活性
剤と、シリカオリゴマーを含む水溶液やアルコール/水
混合溶液を、スピンコートやディップコートによって基
板上に塗布するもので、コーティング中の溶媒の乾燥に
よる界面活性剤濃度の上昇に従ってメソ構造が形成され
ていくものである。この方法は、比較的反応条件が穏や
かなために基板材質の制約が小さく、また短時間で膜製
造が可能である等の利点を有している。
【0033】スピンコートやディップコートを行うため
の装置は、一般的なものを用いることができ、特に制約
は無いが、場合によっては溶液の温度を制御するための
手段、及びコーティングを行う雰囲気の温度、湿度を制
御するための手段を設ける場合もある。
【0034】例としてディップコーティングを用いたシ
リカメソ構造体の製造方法について説明する。ディップ
コーティングに用いる装置の一例を図2に模式的に示
す。図2において、21は容器、22は直線偏光を照射
した高分子化合物膜を形成した基板、23は反応溶液で
ある。反応溶液23は臨界ミセル濃度以下の界面活性剤
と、シリカオリゴマーを含む水溶液もしくはアルコール
/水混合溶液で、加水分解重縮合触媒として作用する酸
が添加されている。
【0035】使用する界面活性剤は、4級アルキルアン
モニウムのようなカチオン性界面活性剤、ポリエチレン
オキシドを親水基として含む非イオン性界面活性剤等が
用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0036】また、シリカ源としては、テトラエトキシ
シランやテトラメトキシシランのようなアルコキシドが
一般的に用いられるが、これらに限定されるわけではな
い。使用する界面活性剤分子の長さは、目的のメソ構造
の細孔径に応じて決められる。また、界面活性剤ミセル
の径を大きくするために、メシチレンのような添加物を
加えても良い。使用する酸も塩酸、硝酸のような一般的
なものを使用することが可能である。
【0037】シリカメソ構造体薄膜を製造する基板は、
基板ホルダー24を用いてロッド25に固定され、zス
テージ26によって上下させる。
【0038】成膜時、反応溶液23は必要に応じてヒー
ター28と熱電対27を用いて所望の温度に制御され
る。溶液温度の制御性を向上させるために、容器全体を
不図示の断熱容器に入れることもある。
【0039】コーティング直後の膜は、ある程度固化し
てはいるものの、シリカの重合反応は未だ進行していな
いために半固体の状態にあり、液晶的な振る舞いをす
る。このため、高分子化合物膜の構造異方性の影響を受
けて、メソチャンネルの方向が一方向に制御される。さ
らに時間が経ち、シリカの重合反応が進行して完全に膜
が固化した後には、溶媒に溶解したり加熱処理によって
配向が乱れたりすることはなくなる。
【0040】ディップコーティング、スピンコーティン
グの他に、ペンリソグラフィー法やインクジェット法
も、溶媒蒸発法に基づく有効なシリカメソ構造体薄膜の
製造方法である。これらの方法を用いれば、基板上の所
望の箇所にシリカメソ構造体薄膜をパターニングするこ
とが可能である。
【0041】ペンリソグラフィー法は、反応溶液をイン
クのように使い、ペン先から塗布しラインを描くもの
で、ペン形状、ペンや基板の移動速度、ペンへの流体供
給速度等を変化させることで、自由にライン幅を変化さ
せることが可能であり、現在μmオーダーからmmオー
ダーまでのライン幅で描くことが可能である。直線、曲
線等任意のパターンを描くことが可能であり、基板に塗
布された反応溶液の広がりが重なるようにすれば、面状
のパターニングも可能である。
【0042】また、不連続なドット形状のパターンを描
きたい場合は、インクジェット法がさらに有効である。
これは、反応溶液をインクのように使い、インクジェッ
トノズルから一定量を液滴として吐出し塗布するもので
ある。また、基板に着弾した反応溶液の広がりが重なる
ように塗布すれば、ライン状のパターニングも面状のパ
ターニングも可能である。
【0043】現在インクジェット法による一液滴の吐出
量は数plからコントロールが可能で、非常に微小なド
ットを形成することが可能であり、微小なドット形状の
パターニングの際に有利である。
【0044】さらに、これらのペンリソグラフィー法、
インクジェット法等の塗布方法はCAD等コンピュータ
システムを使うことによって容易に所望のパターンを決
めることが出来る。よって、マスクを変えるといった通
常のフォトリソのパターニングとは異なり、多種なパタ
ーンを多種な基板に形成する場合、生産効率上非常に有
利である。
【0045】次に溶液中に保持した基板上への不均一核
発生−核成長に基づく方法について説明する。これは、
臨界ミセル濃度以下の界面活性剤と、シリカオリゴマー
を含む水溶液中に保持した基板上に結晶成長のようにシ
リカメソ構造体が析出するものである。この方法におい
ては、一般的に溶液中の酸濃度が高いために適用可能な
高分子化合物や基板に制約が生じ、また膜形成に要する
時間が長いものの、形成される膜中におけるメソチャン
ネルの一軸配向性が高いという利点を有している。
【0046】本発明において、この基板上への不均一核
発生−核成長に基づく方法によってメソ構造体薄膜を形
成するのに用いる反応容器は、例えば図3の様な構成の
ものである。反応容器の材質は、薬品、特に酸に対する
耐性を有するものであれば特に限定はなく、ポリプロピ
レンやテフロン(登録商標)のようなものを用いること
ができる。反応容器内には、テフロン(登録商標)のよ
うな耐酸性の材質の基板ホルダー33が例えば図3の様
に置かれており、高分子化合物膜を形成した後に直線偏
光の照射を行った基板35はこの基板ホルダー33を用
いて保持される。基板は、高分子化合物膜が形成されて
いる面を下向きにして反応溶液36中に保持するのが一
般的だが、高分子化合物膜の形成されている面を反応溶
液表面に接するように保持した場合にも同様の膜を形成
することができる。膜形成中に反応溶液の組成が変化し
ないようにシール34とテフロン(登録商標)のような
ものからなる蓋32を用いる。反応容器は、反応中に圧
力がかかっても破壊されないように、さらにステンレス
のような剛性の高い材質の密閉容器(不図示)に入れる
こともある。
【0047】この図において、反応溶液36は界面活性
剤水溶液に塩酸等の酸を混合し、SiO2 の等電点であ
るpH=2以下に調整したものに、シリカ源を混合した
ものである。使用する界面活性剤は、4級アルキルアン
モニウムのようなカチオン性界面活性剤、ポリエチレン
オキシドを親水基として含む非イオン性界面活性剤等が
用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、シリカ源としては、テトラエトキシシランやテト
ラメトキシシランのようなアルコキシドが一般的に用い
られるが、これらに限定されるわけではない。使用する
界面活性剤分子の長さは、目的のメソ構造の細孔径に応
じて決められる。また、界面活性剤ミセルの径を大きく
するために、メシチレンのような添加物を加えても良
い。使用する酸も塩酸、硝酸のような一般的なものを使
用することが可能である。
【0048】この様な条件で基板上にシリカのメソ構造
体薄膜を析出させることができる。析出させる際の温度
には特に制約はなく、室温〜100℃程度の温度領域に
おいて選択される。反応時間は数時間〜数ヶ月程度で、
時間が長いほど厚いメソ構造体薄膜が得られる。
【0049】この方法では、直線偏光の照射によって異
方性を付与された高分子化合物膜上において、界面活性
剤の吸着状態に高い異方性が生じ、界面に形成された配
向性のミセル構造を鋳型にしてシリカメソ構造体の形成
が起こるために、メソチャンネルの一軸配向性の高いシ
リカメソ構造体薄膜を得ることが可能である。この場
合、基板上での膜形成だけでなく、同時に溶液中におい
ても沈殿発生が起こり基板の上面に堆積するため、基板
上面においては良好な膜形成が妨げられる。このため、
良好な膜は基板の下向きの面にのみ形成される。
【0050】この様にして基板上に形成されたシリカメ
ソ構造体薄膜は、純水で洗浄した後に空気中で自然乾燥
させ、最終的なシリカメソ構造体薄膜が得られる。
【0051】以上説明したように、直線偏光の照射によ
って異方性を付与した高分子化合物膜を用いれば、溶媒
蒸発法、及び基板上への析出法によって、メソチャンネ
ルの方向が一方向に制御されたシリカメソ構造体薄膜を
基板上に製造することができる。
【0052】このシリカメソ構造体からテンプレートの
界面活性剤ミセルを除去することでメソポーラスシリカ
薄膜を製造することができる。界面活性剤の除去は、焼
成、紫外光照射により発生したオゾンによる酸化・分
解、溶剤による抽出、超臨界状態の流体による抽出等の
中から選択される。例えば、空気中、550℃で10時
間焼成することによって、メソ構造をほとんど破壊する
ことなくメソ構造体薄膜から完全に界面活性剤を除去す
ることができる。また、溶剤抽出等の手段を用いると、
100%の界面活性剤の除去は困難ではあるものの、焼
成に耐えられない材質の基板上にメソポーラス薄膜を形
成することが可能である。
【0053】以上述べた本発明の要旨は、偏光光の照射
によって基板上の高分子化合物膜に付与した異方性を利
用し、界面での高分子化合物−界面活性剤分子の相互作
用によって、界面活性剤分子集合体に一軸配向性を与
え、さらには全体で細孔方向の揃ったシリカメソ構造
体、及びメソポーラスシリカの膜を得るというものであ
る。
【0054】
【実施例】以下、実施例を用いてさらに詳細に本発明を
説明する。
【0055】実施例1 本実施例は、分解反応に基づく高分子化合物膜への異方
性の付与と、基板上への析出によるシリカメソ構造体薄
膜の形成によって、ポリイミド膜上に一軸配向性のシリ
カメソ構造体薄膜を形成し、さらにメソポーラスシリカ
薄膜を製造した例である。
【0056】アセトン、イソプロピルアルコール及び純
水で洗浄し、オゾン発生装置中で表面をクリーニングし
た石英ガラス基板に、下記構造式で示されるポリイミド
Aの前駆体であるポリアミック酸AのNMP(n−メチ
ルピロリドン)溶液をスピンコーティングによって塗布
し、230℃で1時間焼成して膜厚約10nmのポリイ
ミドAの膜を形成した。
【0057】
【化1】
【0058】これに対して、非線形光学結晶BBO(β
−BaB24)を用いて発生させた、Ar+ レーザーの
波長514.5nmの二倍波を照射した。このようにし
て得られた光は、強度が強く消光比の高い直線偏光紫外
線である。照射は、総照射エネルギーが1〜5J/cm
2 程度になるように行った。
【0059】この場合、偏光紫外光の照射によって、ポ
リイミドには分子構造の紫外線吸収の偏光方向依存性か
ら異方的な分解が起こり、高分子化合物薄膜に異方性が
付与されると考えられる。
【0060】続いて、この直線偏光紫外線を照射したポ
リイミド膜上にシリカメソ構造体薄膜を製造する。
【0061】界面活性剤としてセチルトリメチルアンモ
ニウム塩化物2.82gを108mlの純水に溶解し、
36%塩酸を48.1ml添加して2時間攪拌し、界面
活性剤の酸性溶液とした。この溶液にテトラエトキシシ
ラン(TEOS)1.78mlを添加し、2分30秒攪
拌した後、直線偏光照射を行ったポリイミドAを形成し
た上記の基板を保持した基板ホルダーの入った図3の構
成のテフロン(登録商標)容器中に入れ、基板が溶液中
に保持されるようにした。溶液中で、ポリイミドAの面
は下向きになるように保持した。最終的な溶液組成はモ
ル比で、H2 O100:HCl 7:セチルトリメチル
アンモニウム塩化物 0.11:TEOS 0.10
である。この容器に蓋をし、さらにステンレス製の密閉
容器に入れた後に80℃に保ったオーブン中に保持し
た。保持時間は1週間とした。
【0062】所定の時間反応溶液と接触させた基板は、
容器から取り出し、純水で十分に洗浄した後に、室温に
おいて自然乾燥させた。1週間反応溶液と接触させた基
板には、ほぼ連続的な膜が形成されており、光学顕微鏡
下において、細長いドメイン状の構造が一方向に並んで
いる構造が観察された。
【0063】このシリカメソ構造体薄膜をX線回折分析
で分析した。その結果、面間隔3.74nmの、ヘキサ
ゴナル構造の(100)面に帰属される強い回折ピーク
が確認され、この薄膜がヘキサゴナルな細孔構造を有す
ることが確かめられた。広角の領域には回折ピークが認
められないことから、壁を構成するシリカは非晶質であ
ることがわかった。
【0064】このシリカメソ構造体薄膜中のメソチャン
ネルの一軸配向性を定量的に評価するために、面内X線
回折分析による評価を行った。この方法は、“Chem
istry of Materials”誌第11巻、
1609頁に記載されているような、基板に垂直な(1
10)面に起因するX線回折強度の面内回転依存性を測
定するもので、メソチャンネルの配向方向とその分布を
調べることができる。
【0065】本実施例で製造したシリカメソ構造体薄膜
について測定された(110)面回折強度の面内回転角
度依存性を図4に示す。この測定においては、直線偏光
照射時における偏光方向を面内回転角度の0°とした。
この図4に示したように、0°を中心としたガウシアン
型のプロファイルが得られた。これより、本実施例で製
造されたシリカメソ構造体薄膜中では、メソチャンネル
は照射した紫外光の偏光方向に対して平行な方向に配向
しており、その配向方向の分布は半値幅が約29°であ
ることが示された。
【0066】配向のメカニズムに関しては、偏光方向に
平行な化学種が分解され、分解されずに残った化学種と
の相互作用によって界面活性剤が偏光方向に垂直に吸着
された結果、メソチャンネルが偏光方向に対して平行に
配向したものと本発明者は考察している。
【0067】この、シリカメソ構造体の薄膜を製造した
基板をマッフル炉に入れ、1℃/分の昇温速度で550
℃まで昇温し、空気中で10時間焼成した。焼成後の基
板表面の形状には、焼成前と比較して大きな差異は認め
られなかった。また、膜が基板表面から剥離するような
ことはなかった。さらに、焼成した薄膜のX線回折分析
の結果、面間隔3.46nmの強い回折ピークが観測さ
れ、ヘキサゴナル構造の細孔構造が保持されていること
が確かめられた。焼成後にも、広角領域には回折ピーク
は確認されておらず、壁のシリカは非晶質のままである
ことが確認された。また、赤外吸収スペクトル等の分析
により、この焼成後の試料には既に界面活性剤に起因す
る有機物成分は残存していないことが確かめられた。
【0068】また、焼成後のメソポーラスシリカ膜につ
いて、面内X線回折分析を行い、焼成後の膜中でのメソ
チャンネルの配向分布を調べた結果、図4とほぼ同じプ
ロファイルが得られ、細孔の一軸配向が焼成後も完全に
保持されることが明らかとなった。
【0069】焼成前後の薄膜を、偏光紫外光の偏光方向
と直交する方向に切断し、断面の透過電子顕微鏡観察を
行ったところ、図1に模式的に示すように、断面にヘキ
サゴナル構造の細孔13が確認され、メソチャンネル
が、照射した偏光紫外光の偏光方向に対して平行な方向
に配向していることが電子顕微鏡によっても確認され
た。なお、図1の11は石英ガラス基板、12は直線偏
光照射を行った後の高分子化合物膜、13は細孔で界面
活性剤ロッド状ミセルまたは空孔、14はシリカ、15
はシリカメソ構造体薄膜を示す。
【0070】実施例2 本実施例は、界面活性剤として実施例1で用いたセチル
トリメチルアンモニウム塩化物の代わりに、エチレンオ
キシドを親水基として含む非イオン性界面活性剤であ
る、ポリエチレンオキシド10セチルエーテル(C16
EO10)を用いて一軸配向性シリカメソ構造体薄膜、
及びメソポーラスシリカ薄膜を製造した例である。
【0071】実施例1と同じ手順で、石英ガラス基板上
にポリイミドA薄膜を形成し、実施例1で用いたのと同
じ装置を用い同じ条件で偏光紫外光照射を行い基板とし
て用いた。
【0072】C16EO10 6.01gを129ml
の純水に溶解し、36%塩酸を20.6ml添加して2
時間攪拌し、界面活性剤の酸性溶液とした。溶解させる
際、溶液を60℃に加熱し、完全に界面活性剤が溶解し
た後に室温に戻した。この溶液にテトラエトキシシラン
(TEOS)1.78mlを添加し、2分30秒攪拌し
た後、直線偏光照射を行ったポリイミドAを形成した上
記の基板を保持した基板ホルダーの入った図3の構成の
テフロン(登録商標)容器中に入れ、基板が溶液中に保
持されるようにした。溶液中で、ポリイミドAの面は下
向きになるように保持した。最終的な溶液組成はモル比
で、H2 O 100:HCl 3:C16EO10
0.11:TEOS 0.10である。この容器に蓋を
し、さらにステンレス製の密閉容器に入れた後に80℃
に保ったオーブン中に保持した。保持時間は1週間とし
た。
【0073】所定の時間反応溶液と接触させた基板は、
容器から取り出し、純水で十分に洗浄した後に、室温に
おいて自然乾燥させた。1週間反応溶液と接触させた基
板には、ほぼ連続的な膜が形成されており、光学顕微鏡
下において、細長いドメイン状の構造が一方向に並んで
いる構造が観察された。
【0074】このシリカメソ構造体薄膜が形成された基
板をX線回折分析で分析した。その結果、面間隔5.1
4nmの、ヘキサゴナル構造の(100)面に帰属され
る強い回折ピークが確認され、この薄膜がヘキサゴナル
構造の細孔構造を有することが確かめられた。広角の領
域には回折ピークが認められないことから、壁を構成す
るシリカは非晶質であることがわかった。
【0075】このシリカメソ構造体薄膜中のメソチャン
ネルの一軸配向性を定量的に評価するために、面内X線
回折分析による評価を行った。(110)面に起因する
X線回折強度の面内回転依存性を測定した結果、本実施
例で製造したシリカメソ構造体薄膜の場合にも、実施例
1で観測されたのとほぼ同じプロファイルが得られ、本
実施例で製造されたシリカメソ構造体薄膜中でも、メソ
チャンネルは照射した紫外光の偏光方向に対して平行な
方向に配向していることがわかった。このプロファイル
より、配向方向の分布は半値幅が約30°であることが
示され、実施例1とほぼ同じ分布であることが明らかと
なった。
【0076】このシリカメソ構造体薄膜についても、実
施例1と同じ条件で焼成を行い界面活性剤の除去を行っ
た。この場合も、実施例1と同様に焼成による形状の変
化は認められず、さらにX線回折分析によってメソチャ
ンネルのヘキサゴナル構造も、一軸配向性もともに保持
されることが認められた。
【0077】実施例3 本実施例は、二量化反応に基づく高分子薄膜への異方性
の付与と、ディップコーティングによるシリカメソ構造
体薄膜の形成によって、ポリイミド膜上に一軸配向性の
シリカメソ構造体薄膜を形成し、さらにメソポーラスシ
リカ薄膜を製造した例である。
【0078】アセトン、イソプロピルアルコール、及び
純水で洗浄し、オゾン発生装置中で表面をクリーニング
した無アルカリガラス(コーニング社製、#7059)
基板に、ポリビニル4メトキシシンナメートのクロロベ
ンゼン/メチレンクロライド溶液をスピンコートし、9
0℃で乾燥させて膜厚約10nmの膜を形成した。
【0079】この膜に対して、まず偏光していない紫外
光の照射を行い、プレ重合をさせる。プレ重合は、高圧
水銀灯の波長320nmの光で、総照射エネルギーが1
J/cm2 になるように行った。
【0080】続いて、この膜に対して、偏光紫外光の照
射を行う。プレ重合に用いたのと同じ光源を用い、グラ
ントムソンプリズムを用いて得た、強度10mW/cm
2 、波長320nmの直線偏光を用いて偏光照射を行っ
た。照射は、この条件で約10分間行い、総照射エネル
ギーが5J/cm2 になるように行った。
【0081】ポリビニルシンナメート系化合物の偏光照
射による異方性付与のメカニズムは、未だ完全には解明
されていないが、照射直線偏光の偏光方向に平行な方向
に向いた側鎖間で、選択的に下記のような二量化反応が
起こる結果によると考えられている。ポリビニルシンナ
メート系化合物の二量化による液晶の配向は一般的に知
られており、例えば“Japanse Journal
of Applied Physics”の第31
巻、2155頁に記載されている。
【0082】
【化2】
【0083】以上のようにして無アルカリガラス基板上
に製造し、偏光紫外光照射を行ったポリビニル4メトキ
シシンナメート薄膜上に、シリカメソ構造体薄膜を形成
した。
【0084】まず、テトラエトキシシラン(TEO
S)、水、塩酸、エタノールをTEOS:H2 O:HC
l:C25 OH=1:1:5.0×10-5:4のモル
比で含む溶液を調整し、60℃で90分間攪拌し、TE
OSを加水分解させる。次にこの溶液に非イオン性界面
活性剤のポリエチレンオキシド10セチルエーテル(C
16EO10)を溶解し、さらに水、塩酸、エタノール
を添加し、最終的な溶液組成が、TEOS:H2 O:H
Cl:C25 OH:C16EO10=1:3.1:
0.0065:20:0.1のモル比になるようにす
る。この溶液を25℃まで放冷し、前駆体溶液とした。
【0085】図2に示す構成のディップコーティング装
置を用いて、この溶液中に偏光紫外光照射を行ったポリ
ビニル4メトキシシンナメート薄膜を形成した基板を浸
漬し、一方向に一定速度で引き上げて、膜を基板上に形
成した。ディップコート時の基板の方向は、引き上げ方
向と直線偏光照射時の偏光方向とが一致するようにし、
引き上げ速度は3.5mm/minとした。形成した膜
は、空気中、室温で12時間乾燥させ、シリカメソ構造
体薄膜を得た。
【0086】製造したシリカメソ構造体薄膜をX線回折
分析で分析した。その結果、面間隔5.05nmの、ヘ
キサゴナル構造の(100)面に帰属される強い回折ピ
ークが確認され、この薄膜がヘキサゴナル構造の細孔構
造を有することが確かめられた。広角の領域には回折ピ
ークが認められないことから、壁を構成するシリカは非
晶質であることがわかった。
【0087】この場合も、シリカメソ構造体薄膜中のメ
ソチャンネルの一軸配向性を定量的に評価するために、
面内X線回折分析による評価を行った。照射した紫外光
の偏光方向が0°の方向に一致するように測定を行っ
た。(110)面に起因するX線回折強度の面内回転依
存性を測定した結果、本実施例で製造したシリカメソ構
造体薄膜の場合も0°を中心としたガウシアン型のピー
クが観測され、本実施例で製造したメソ構造体薄膜中で
は、メソチャンネルが下地の高分子化合物膜に照射した
直線偏光の偏光方向に平行に配向していることが明らか
となった。また、配向方向の分布に関しては、観測され
た面内回折ピークの半値幅から、約42°と見積もられ
た。
【0088】この場合には、偏光照射によって高分子化
合物膜に付与された異方性による、界面活性剤の異方的
な界面での吸着による一軸配向効果の他に、基板引き上
げ時のシェアフローによる配向効果が重畳しているもの
と本発明者は考察している。
【0089】本実施例で製造したシリカメソ構造体薄膜
中でのメソチャンネルの一軸配向性の分布は、実施例
1、2において析出法で製造したメソ構造体薄膜中での
分布に比較して大きく、一軸配向性に関してはやや劣る
ものの、膜製造に要する時間が短く、また、強酸性の条
件に耐えられない基板や高分子材料を適用可能であると
いう利点を有している。
【0090】このシリカメソ構造体の薄膜について、紫
外光照射によって発生したオゾンガスを用いた界面活性
剤の除去を行った。基板には温度をかけず、1時間処理
を行った。赤外吸光分析等により、この処理によって、
膜の外観を全く損なうことなしに細孔中からほぼ完全に
界面活性剤を除去することができたことが確かめられ
た。
【0091】界面活性剤を除去した後のX線回折分析か
ら、ヘキサゴナル構造の細孔構造、及び一軸配向性はほ
ぼ完全に保持されることが確認され、一軸配向性メソポ
ーラスシリカ薄膜が製造できることが確認された。
【0092】実施例4 本実施例は、ディップコーテイングの代わりにスピンコ
ーテイングを用いる以外は、実施例3と同じ手順で一軸
配向性シリカメソ構造体薄膜を製造した例である。実施
例3と同じ手順によって、無アルカリガラス基板上に、
ポリビニル4メトキシシンナメート薄膜を形成し、実施
例3と同じ条件で偏光紫外光の照射を施した。
【0093】実施例3で調整した、シリカメソ構造体薄
膜製造用の前駆体溶液を用い、スピンコーティングによ
って、上記基板上に前駆体溶液を塗布し、室温、空気中
において12時間乾燥させ、シリカメソ構造体薄膜を得
た。スピンコーティングの条件は、回転数2500回
転、時間は20秒とした。
【0094】製造したシリカメソ構造体薄膜を、X線回
折分析で分析したところ、面間隔5.15nmの、ヘキ
サゴナル構造の(100)面に帰属される強い回折ピー
クが確認され、この薄膜がヘキサゴナル構造の細孔構造
を有することが確かめられた。広角の領域には回折ピー
クが認められないことから、壁を構成するシリカは非晶
質であることがわかった。
【0095】本実施例で製造したシリカメソ構造体薄膜
に関しても、薄膜中のメソチャンネルの一軸配向性を定
量的に評価するために、面内X線回折分析による評価を
行った。照射した紫外光の偏光方向が0°の方向に一致
するように測定を行った。(110)面に起因するX線
回折強度の面内回転依存性を測定した結果、本実施例で
製造したシリカメソ構造体薄膜の場合も0°を中心とし
たガウシアン型のピークが観測され、本実施例で製造し
たメソ構造体薄膜中では、メソチャンネルが下地の高分
子化合物膜に照射した直線偏光の偏光方向に平行に配向
していることが明らかとなった。また、配向方向の分布
に関しては、観測された面内回折ピークの半値幅から、
約54°と見積もられた。
【0096】この場合には、偏光照射によって高分子化
合物膜に付与された異方性による、界面活性剤の異方的
な界面での吸着による一軸配向効果のみが寄与している
と本発明者は考察している。
【0097】本実施例で製造したシリカメソ構造体薄膜
中でのメソチャンネルの一軸配向性の分布は、実施例3
においてディップコーティングで製造したメソ構造体薄
膜中での分布に比較して大きく、一軸配向性に関しては
劣るものの、均一な膜厚のシリカメソ構造体薄膜を形成
できること、回転数によって容易に膜圧を変化させるこ
とが可能であること等の利点を有している。
【0098】本実施例で製造したシリカメソ構造体薄膜
に関しても、実施例3と同じ条件で紫外光照射によって
発生したオゾンガスを用いた界面活性剤の除去を行っ
た。本実施例の場合も、この処理によって、膜の外観を
損なうことなしに細孔中からほぼ完全に界面活性剤を除
去することができたことが確かめられた。
【0099】界面活性剤を除去した後のX線回折分析か
ら、ヘキサゴナル構造の細孔構造、及び一軸配向性はほ
ぼ完全に保持されることが確認され、一軸配向性メソポ
ーラスシリカ薄膜が製造できることが確認された。
【0100】実施例5 本実施例は、シリカメソ構造体薄膜の製造にペンリソグ
ラフィー法を用い、実施例3、4と同じ手順で一軸配向
性シリカメソ構造体薄膜のパターンを製造した例であ
る。
【0101】実施例3、4と同じ手順によって、無アル
カリガラス基板上に、ポリビニル4メトキシシンナメー
ト薄膜を形成し、実施例3、4と同じ条件で偏光紫外光
の照射を施した。
【0102】実施例3で調整した、シリカメソ構造体薄
膜製造用の前駆体溶液を用い、ペンリソグラフィー法に
よって前記基板上に、図5のようにパターニングし、室
温、空気中で乾燥させた。ペンリソグラフィーの条件は
ペンオリフィス50.0μm、基板スピード2.5cm
/s、流体供給速度4.0cm/sである。
【0103】この基板を空気中で乾燥後に観察すると、
ペンリソグラフィーによって塗布された領域のみに透明
な薄膜が形成されていることが確認された。
【0104】この基板上にパターニングされた透明薄膜
に対してX線回折分析を行ったところ、面間隔5.10
nmの、ヘキサゴナル構造の(100)面に帰属される
強い回折ピークが確認され、この薄膜がヘキサゴナル構
造の細孔構造を有することが確かめられた。広角の領域
には回折ピークが認められないことから、壁を構成する
シリカは非晶質であることがわかった。
【0105】本実施例でパターニングしたシリカメソ構
造体薄膜に関しても、薄膜中のメソチャンネルの一軸配
向性を定量的に評価するために、面内X線回折分析によ
る評価を行った。照射した紫外光の偏光方向が0°の方
向に一致するように測定を行った。(110)面に起因
するX線回折強度の面内回転依存性を測定した結果、本
実施例で製造したシリカメソ構造体薄膜の場合も0°を
中心としたガウシアン型のピークが観測され、本実施例
で製造したメソ構造体薄膜パターン中では、メソチャン
ネルが下地の高分子化合物薄膜に照射した直線偏光の偏
光方向に平行に配向していることが明らかとなった。ま
た、配向方向の分布に関しては、観測された面内回折ピ
ークの半値幅から、約48°と見積もられた。
【0106】本実施例で製造したシリカメソ構造体薄膜
パターンに関しても、実施例3、4と同じ条件で紫外光
照射によって発生したオゾンガスを用いた界面活性剤の
除去を行った。本実施例の場合も、この処理によって、
膜の外観を損なうことなしに細孔中からほぼ完全に界面
活性剤を除去することができたことが確かめられた。
【0107】界面活性剤を除去した後のX線回折分析か
ら、ヘキサゴナル構造の細孔構造、及び一軸配向性はほ
ぼ完全に保持されることが確認され、この方法によって
容易にパターニングされた一軸配向性メソポーラスシリ
カ薄膜が製造できることが確認された。
【0108】実施例6 本実施例は、インクジェット法を用いる以外は、実施例
5と完全に同じ手順で一軸配向性シリカメソ構造体薄膜
パターンを製造した例である。実施例3〜5と同じ手順
によって、無アルカリガラス基板上に、ポリビニル4メ
トキシシンナメート薄膜を形成し、実施例3〜5と同じ
条件で偏光紫外光の照射を施した。
【0109】実施例3で調整した、シリカメソ構造体薄
膜製造用の前駆体溶液を用い、インクジェット法によっ
て前記基板上に実施例5と同じ図5に示したパターンを
製造し、室温、空気中で乾燥させた。この基板を空気中
で乾燥後に観察すると、所望のパターン通りに透明な薄
膜が形成されていることが確認された。
【0110】この基板上にパターニングされた透明薄膜
に対してX線回折分析を行ったところ、面間隔5.22
nmの、ヘキサゴナル構造の(100)面に帰属される
強い回折ピークが確認され、この薄膜がヘキサゴナル構
造の細孔構造を有することが確かめられた。広角の領域
には回折ピークが認められないことから、壁を構成する
シリカは非晶質であることがわかった。
【0111】本実施例でパターニングしたシリカメソ構
造体薄膜に関しても、薄膜中のメソチャンネルの一軸配
向性を定量的に評価するために、面内X線回折分析によ
る評価を行った。照射した紫外光の偏光方向が0°の方
向に一致するように測定を行った。(110)面に起因
するX線回折強度の面内回転依存性を測定した結果、本
実施例で製造したシリカメソ構造体薄膜の場合も0°を
中心としたガウシアン型のピークが観測され、本実施例
で製造したメソ構造体薄膜パターン中では、メソチャン
ネルが下地の高分子化合物膜に照射した直線偏光の偏光
方向に平行に配向していることが明らかとなった。ま
た、配向方向の分布に関しては、観測された面内回折ピ
ークの半値幅から、約50°と見積もられた。
【0112】本実施例で製造したシリカメソ構造体薄膜
パターンに関しても、実施例3〜5と同じ条件で紫外光
照射によって発生したオゾンガスを用いた界面活性剤の
除去を行った。本実施例の場合も、この処理によって、
膜の外観を損なうことなしに細孔中からほぼ完全に界面
活性剤を除去することができたことが確かめられた。
【0113】界面活性剤を除去した後のX線回折分析か
ら、ヘキサゴナル構造の細孔構造、及び一軸配向性はほ
ぼ完全に保持されることが確認され、この方法によって
容易にパターニングされた一軸配向性メソポーラスシリ
カ薄膜が製造できることが確認された。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高分子化合物の薄膜を形成した後に直線偏光の照射を行
い、高分子化合物膜に構造の異方性を付与した基板を用
いることによって、任意の基板上に一軸配向性の細孔構
造を有するシリカメソ構造体薄膜及びメソポーラスシリ
カ薄膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造した本発明の配向シリカメソ構
造体薄膜及びメソポーラス薄膜を示す断面模式図であ
る。
【図2】本発明におけるシリカメソ構造体薄膜を形成す
るためのディップコーティング装置を示す説明図であ
る。
【図3】本発明におけるシリカメソ構造体薄膜を形成す
るための反応容器を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例1で製造したシリカメソ構造体
薄膜について、面内X線回折分析で測定された(11
0)面回折強度の面内回転角度依存性を示す図である。
【図5】本発明の実施例5及び6で形成したシリカメソ
構造体薄膜のパターンを示す説明図である。
【符号の説明】
11 石英ガラス基板 12 直線偏光照射を行った後の高分子化合物膜 13 細孔 14 シリカ 15 シリカメソ構造体薄膜 21 容器 22 基板 23 前駆体溶液 24 基板ホルダー 25 ロッド 26 zステージ 27 熱電対 28 ヒーター 31 容器 32 蓋 33 基板ホルダー 34 シール(Oリング) 35 基板 36 反応溶液 51 基板露出部位 52 シリカメソ構造体薄膜形成部位
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 20/10 B01J 20/10 A 20/28 20/28 A 20/32 20/32 C01B 37/02 C01B 37/02 Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 HA42 MA03 MA06 MA25 MC01X MC03 MC04X NA04 NA32 NA46 NA62 PC80 4G066 AA22B AA71C AB18A AC27C AC27D BA03 BA05 BA38 FA11 FA22 FA31 4G072 AA25 BB09 BB15 FF01 FF02 FF07 HH30 MM01 NN21 RR01 UU11 UU15 4G073 BD18 CZ53 UA01 UA06 4G075 AA24 BB10 CA33 CA36 DA02

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に設けられた高分子化合物膜上に
    形成されたシリカメソ構造体薄膜であって、該薄膜が直
    線偏光照射によって表面に構造の異方性が付与された高
    分子化合物膜の一部分もしくは全部に形成されているこ
    とを特徴とするシリカメソ構造体薄膜。
  2. 【請求項2】 前記シリカメソ構造体薄膜中の細孔の平
    均的な方向が高分子化合物膜の異方性によって一方向に
    制御されている請求項1記載のシリカメソ構造体薄膜。
  3. 【請求項3】 基板上に高分子化合物膜を形成する工程
    と、該高分子化合物膜に直線偏光を照射して表面に構造
    の異方性を付与する工程と、該異方性を付与した高分子
    化合物膜上にシリカメソ構造体薄膜を形成する工程とを
    含むことを特徴とするシリカメソ構造体薄膜の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記シリカメソ構造体薄膜を形成する工
    程が、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液中に基板を
    浸漬し、高分子化合物膜上にシリカメソ構造体を析出さ
    せる方法である請求項3記載のシリカメソ構造体薄膜の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記シリカメソ構造体薄膜を形成する工
    程が、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液を高分子化
    合物膜上にディップコートする方法である請求項3記載
    のシリカメソ構造体薄膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記シリカメソ構造体薄膜を形成する工
    程が、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液を高分子化
    合物膜上にスピンコートする方法である請求項3記載の
    シリカメソ構造体薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記シリカメソ構造体薄膜を形成する工
    程が、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液を高分子化
    合物膜上にインクジェット法によって配置する方法であ
    る請求項3記載のシリカメソ構造体薄膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記シリカメソ構造体薄膜を形成する工
    程が、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液を高分子化
    合物膜上にペンリソグラフィー法によって配置する方法
    である請求項3記載のシリカメソ構造体薄膜の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 基板上に設けられた高分子化合物膜上に
    形成されたシリカメソ構造体薄膜であって、該薄膜が直
    線偏光照射によって表面に構造の異方性が付与された高
    分子化合物膜の一部分もしくは全部に形成されているシ
    リカメソ構造体薄膜の細孔中から、界面活性剤を除去し
    て形成される、中空の細孔を有するメソポーラスシリカ
    薄膜。
  10. 【請求項10】 前記メソポーラスシリカシリカ薄膜中
    の細孔の平均的な方向が、シリカメソ構造体作成時にお
    ける高分子化合物膜の異方性によって一方向に制御され
    ている請求項9記載のメソポーラスシリカ薄膜。
  11. 【請求項11】 基板上に高分子化合物膜を形成する工
    程と、該高分子化合物膜に直線偏光を照射して表面に構
    造の異方性を付与する工程と、該異方性を付与した高分
    子化合物膜上にシリカメソ構造体薄膜を形成する工程
    と、該シリカメソ構造体薄膜の細孔を中空構造にする工
    程とを含むことを特徴とするメソポーラスシリカ薄膜の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 前記シリカメソ構造体薄膜を形成する
    工程が、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液中に基板
    を浸漬し、高分子化合物膜上にシリカメソ構造体を析出
    させる方法である請求項11記載のメソポーラスシリカ
    薄膜の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記シリカメソ構造体薄膜を形成する
    工程が、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液を高分子
    化合物膜上にディップコートする方法である請求項11
    記載のメソポーラスシリカ薄膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記シリカメソ構造体薄膜を形成する
    工程が、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液を高分子
    化合物膜上にスピンコートする方法である請求項11記
    載のメソポーラスシリカ薄膜の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記シリカメソ構造体薄膜を形成する
    工程が、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液を高分子
    化合物膜上にインクジェット法によって配置する方法で
    ある請求項11記載のメソポーラスシリカ薄膜の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 前記シリカメソ構造体薄膜を形成する
    工程が、界面活性剤とシリカ前駆体を含む溶液を高分子
    化合物膜上にペンリソグラフィー法によって配置する方
    法である請求項11記載のメソポーラスシリカ薄膜の製
    造方法。
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