JP2001080976A - 中空構造を有するセラミックス多孔体の低温製造方法 - Google Patents

中空構造を有するセラミックス多孔体の低温製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機骨格からなるナノメートルスケールの細
孔構造を有するセラミックス多孔体を低温で製造する方
法を提供する。 【解決手段】 界面活性剤の分子集合体、界面活性剤分
子と所定の有機分子を共存させた集合体及び異種の界面
活性剤の分子集合体から選択した集合体を鋳型として用
い、該集合体とセラミック材料あるいは該セラミック材
料の前駆体とを混合して無機-有機構造を有するセラミ
ックス多孔体の前駆体を形成し、該セラミック多孔体の
前駆体中の界面活性剤を光酸化により除去することで、
ナノメートルスケールの細孔構造を有するセラミックス
多孔体を低温で形成することを特徴とするセラミックス
多孔体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、界面活性剤の分子
集合体、界面活性剤分子と所定の有機分子を共存させた
集合体及び異種の界面活性剤の分子集合体から選択した
集合体を鋳型に用い、該集合体とセラミック材料あるい
は該セラミック材料の前駆体とを混合して無機-有機構
造を有するセラミックス多孔体の前駆体を形成し、該セ
ラミック多孔体の前駆体中の界面活性剤を光酸化により
除去することで、ナノメートルスケールの細孔構造を有
するセラミックス多孔体を低温で形成することを特徴と
するセラミックス多孔体を低温で製造する技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】セラミック多孔体は、吸着や分離などの
様々な分野での応用が期待されている。IUPACの分類に
よれば、多孔体は、細孔径が2nm以下のマイクロポーラ
ス固体、2-50 nmのメソポーラスポーラス固体、50nm以
上のマクロポーラス体に分類される。細孔径を任意にそ
して精巧に制御することが可能となれば、選択的な吸着
・触媒材料、ハイセパレーション材料などへの応用が期
待できる。
【0003】メソポーラスあるいはマクロポーラス材料
の作製方法としては、界面活性剤の分子集合体や、界面
活性剤分子と所定有機分子を共存させた集合体、あるい
は異種の界面活性剤の分子集合体を鋳型として用い、該
集合体とセラミック材料あるいは該セラミック材料の前
駆体とを混合して無機-有機構造を有するセラミックス
多孔体の前駆体を形成した後、熱や酸処理により、該前
駆体中の界面活性剤を取り除く方法が提案されている。
このような方法は、一般に「超分子鋳型法」と呼ばれ
る。例えば、小川誠「超分子鋳型法」色材、71(1
0)、646‐655頁、1998年参照。しかしながら、加熱に
よって界面活性剤である有機分子を除去することは、材
料内部に応力が発生する原因となるため、クラックや剥
離などの不具合の原因になる。また、プラスチックなど
の耐熱性に劣る材料表面にセラミックス多孔体をコーテ
ィング・形成することは困難であった。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】上述したように、超
分子鋳型法を用いて、メソポーラスあるいはマクロポー
ラス材料を作製する場合には、熱や酸処理により、該前
駆体中の有機物を取り除く工程が必須である。しかしな
がら、加熱による有機分子除去は、材料内部に応力を発
生させ、クラックや剥離などの不具合の原因になる。ま
た、従来技術では、プラスチックなどの耐熱性に劣る基
体材料にコーティングすることは困難であった。
【0005】このような状況に鑑みて、本発明者らは鋭
意研究を進めた結果、界面活性剤の分子集合体、界面活
性剤分子と所定の有機分子を共存させた集合体、あるい
は異種の界面活性剤の分子集合体から選択した集合体を
鋳型として用い、該集合体とセラミック材料あるいは該
セラミック材料の前駆体とを混合して無機-有機構造を
有するセラミックス多孔体の前駆体を形成した後、真空
紫外光をそれらに照射することにより、該前駆体中の界
面活性剤が光酸化により除去され、無機骨格だけが残
り、ナノメートルスケールの細孔構造を有するセラミッ
クス多孔体が低温で形成することを見いだし、この知見
に基づいて本発明を完成させるに至った。
【0006】すなわち、本発明は、鋳型となる界面活性
剤を、真空紫外光照射による光酸化により、二酸化炭素
や水などの形で鋳型となる界面活性剤を除去し、無機骨
格からなるナノメートルスケールの細孔構造を有するセ
ラミックス多孔体の製造方法をとして、特に有効な低温
製造方法を提供するものである。
【0007】
【問題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係るセラミックス多孔体の製造方法は、界
面活性剤の分子集合体、界面活性剤分子と所定の有機分
子を共存させた集合体及び異種の界面活性剤の分子集合
体から選択した集合体を鋳型として用い、該集合体とセ
ラミック材料あるいは該セラミック材料の前駆体とを混
合して無機-有機構造を有するセラミックス多孔体の前
駆体を形成し、該セラミック多孔体の前駆体中の界面活
性剤を光酸化により除去することで、ナノメートルスケ
ールの細孔構造を有するセラミックス多孔体を低温で形
成することを特徴とする。
【0008】本発明に係るセラミックス多孔体の製造方
法の好ましい実施態様としては、以下の方法がある。 (1)該無機-有機構造を有するセラミックス多孔体の
前駆体のセラミック材料あるいは該セラミック材料の前
駆体が、真空紫外光を透過する材料から選ばれる。 (2)該無機-有機構造を有するセラミックス多孔体の
前駆体のセラミック材料あるいは該セラミック材料前駆
体が、真空紫外光を吸収し、光触媒作用により電子を放
出する材料から成る群から選ばれる。 (3)真空紫外光を照射することによって該無機-有機
構造を有するセラミックス多孔体の前駆体中の界面活性
剤を除去する。 (4)該無機-有機構造を有するセラミックス多孔体の
前駆体を200℃以下の雰囲気下で真空紫外光を照射する
ことによってセラミックス多孔体の前駆体中の界面活性
剤を除去する。300℃以上となると、熱分解により、
界面活性剤の分解が起こり、微細孔構造に乱れが生じて
しまう。そこで、安全を見越して200℃以下とする。 (5)該無機-有機構造を有するセラミックス多孔体の
前駆体を薄膜形状に形成する。 (6)該無機-有機構造を有するセラミックス多孔体の
前駆体を微粒状形状に形成する。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明についてさらに詳細
に説明する。図1は、本発明のセラミックス多孔体の製
造方法を模式的に示す。まず、界面活性剤の分子集合
体、界面活性剤分子と所定の有機分子を共存させた集合
体及び異種の界面活性剤の分子集合体から選択した集合
体を鋳型として形成する(図1(a)の上方の多形状体
参照)。集合体としては、界面活性剤のミセル等を挙げ
ることができる。該集合体とセラミック材料あるいは該
セラミック材料の前駆体(図1(a)の下方の星状体参
照)とを混合すると界面活性剤等の分子集合体の回りに
セラミック材料あるいは該セラミック材料の前駆体が付
着し、当該前駆体にまた界面活性剤等の分子集合体が付
着し、さらにそれらの界面活性剤等の分子集合体の回り
にセラミック材料あるいは該セラミック材料の前駆体が
付着するという工程を繰り返して、無機-有機構造を有
するセラミックス多孔体の前駆体が形成される。図1
(c)参照。無機-有機構造を有するセラミックス多孔
体の前駆体中の界面活性剤を光酸化により除去すること
で、ナノメートルスケールの細孔構造を有するセラミッ
クス多孔体を形成する(図1(d)参照)。
【0010】本発明の無機-有機構造体を有するセラミ
ックス多孔体の前駆体において、鋳型となっている界面
活性剤等の有機分子を光酸化により除去することにより
ナノメートルスケールの細孔構造を有するセラミックス
多孔体を製造するので、本発明のセラミックス多孔体の
製造方法は低温で行うことができるという点に最大の特
徴を有する。
【0011】(1)界面活性剤 本発明で使用しうる界面活性剤としては、例えば、アル
キルトリメチルアンモニウム(CnH2n+1N+(CH3)3、n=8-1
8)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムイオン、セ
チルトリメチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジ
メチルアンモニウブロマイドなどの界面活性剤を任意に
使用することができる。
【0012】(2)セラミック材料あるいは該セラミッ
ク材料の前駆体 また、無機骨格を形成するために使用しうるセラミック
材料あるいは該セラミック材料の前駆体によって、(2
−1)シリカ骨格、(2−2)チタニア骨格、(2−
3)アルミナ骨格等の無機骨格が形成される。
【0013】(2−1)シリカ骨格 シリカ骨格を形成する場合は、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テロラブトキシシラン、メチル
トリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチ
ルトリブトキシシラン、テトラクロロシラン、メチルト
リクロロシランなどのシリコンを含む有機試薬を任意に
使用することができる。
【0014】(2−2)チタニア骨格 チタニア骨格を形成する場合は、テトライソプロポキシ
ド、チタンn-ブトキサイド、チタンクロライドトリイソ
プロポキサイド、チタンクロライドトリイソプロポキサ
イド、チタンジクロライドジエトキサイド、チタンエト
キサイド、チタンイソブトキサイドなどのチタンを含む
有機試薬を任意に使用することができる。
【0015】(2−3)アルミナ骨格 アルミナ骨格を形成する場合には、アルミニウム(II
I)n-ブトキサイド、アルミニウム(III)s-ブトキサイ
ド、アルミニウム(III)t-ブトキサイド、アルミニウ
ム(III)エトキサイド、アルミニウム(III)イソプロ
ポキサイドなどのアルミニウムを含む有機試薬を任意に
使用することができる。また、これらの無機試料を任意
に混合して使用することもできる。
【0016】(3)無機-有機構造体を有するセラミッ
クス多孔体の前駆体の製造 無機-有機構造体を有するセラミックス多孔体の前駆体
は、例えば薄膜形状あるいは微粒子形状として製造す
る。
【0017】(3−2)薄膜状セラミックス多孔体の前
駆体の製造 水に塩酸を加え、次に界面活性剤等を加えることによっ
て界面活性剤の分子集合体、界面活性剤分子と所定の有
機分子を共存させた集合体あるいは異種の界面活性剤の
分子集合体界面活性の集合体を形成し、次に無機原料
(無機骨格を形成するために使用しうるセラミック材料
あるいは該セラミック材料の前駆体)加え、水溶液を得
る。塩酸はこの場合、例えばSiアルコキシドをゲル化さ
せるために用いている。次に基板を液面に浮かせて、有
機-無機構造体を有するセラミックス前駆体を所定の厚
さで堆積させる。混合モル比は特に限定するものではな
いが、界面活性剤:無機原料:塩酸:水=0.05−
0.16:0.05−0.15:5−9:80−120
とすることができ、例えば好ましくは0.11:0.1:7:10
0とすることができる。特に、界面活性剤と無機原料の
比は0.5〜2が望ましい。
【0018】基板としては、シリコン、アルミナ、チタ
ニア、マイカ、などの酸化物やグラファイトが望まし
い。その場合、シリコン、アルミナ、チタニアの単結晶
やマイカ、グラファイトのへき開面は平滑であるのでよ
り好ましい。これらの酸化物基板は表面に活性なOH基が
存在するため、基板を後述するシランカップリング剤で
被覆する場合該シランカップリング剤と反応しやすいた
め好ましい。基板は、有機物で被覆した基板を用いるの
が望ましい。被覆する有機物としては、アルキル基、パ
ーフルオロアルキル基などを有するシランカップリング
剤などが好適なものとしてあげることができる。被覆方
法としては、化学蒸着法(CVD)、化学吸着法、ラン
グミュアーブロジェット(LB)法などを任意に使用す
ることができる。
【0019】(3−2)微粒子状セラミックス多孔体の
前駆体の製造 界面活性剤、無機原料(無機骨格を形成するために使用
しうるセラミック材料あるいは該セラミック材料の前駆
体)と塩酸、水を任意の割合で混合して上と同様に水溶
液を得て、得られた水溶液を蒸発乾固してセラミックス
多孔体の前駆体としての微粉末を得る。
【0020】(4)界面活性剤の除去 次に、上記の通り、基板に堆積した、有機-無機構造体
を有するセラミックス多孔体の前駆体中の界面活性剤を
光酸化によって除去する。界面活性剤は、紫外線、オゾ
ン、プラズマ等に曝して除去する。この場合、好ましく
は、波長の短い真空紫外光(波長=172nmのエキシマラン
プ)を使用する。この場合、照射時間は1時間以上であ
ることが望ましい。さらに、有機分子の除去をより効果
的に行うために、200℃以下の雰囲気温度で、真空紫外
光を照射することがさらに望ましい。これにより、鋳型
となっている界面活性剤中のC-C、C-H等の結合が切断さ
れ、活性化された酸素とこれらが化学反応し、二酸化炭
酸や水などの形となって、多孔体の前駆体中から飛散し
て、消失し、無機骨格のみからなる細孔構造を有するセ
ラミックス多孔体が形成する。
【0021】図2は、本発明で用いた光照射装置の概略
図である。このように、本発明によれば、簡易、クリー
ン、省エネルギー、低温処理が可能な光プロセスで、ナ
ノメートルスケールの中空構造を有するセラミックス多
孔体を製造することができる。
【0022】上記の光酸化処理により、鋳型となる界面
活性剤分子を低温で除去できる理由は、該エキシマラン
プから発生する波長172nmの真空紫外光は、光子のエネ
ルギーが強く、有機物の結合を容易に切断するという効
果と、該真空紫外光が大気中で直接酸素に吸収され、励
起酸素原子が有効に形成するという効果と、波長185nm
の紫外線と同様にオゾンを形成し、原子状酸素を効率よ
く形成するという相乗効果により、切断された有機分子
と非常に酸化力の強い励起酸素原子とが結合し、二酸化
炭素や水のような気体が発生し、飛散除去されるために
発現するものと推定される。
【0023】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明
するが、以下の実施例は本発明の好適な例を示すもので
あり、本発明は該実施例により何ら限定されるものでは
ない。
【0024】(実施例1)水、塩酸、セチルトリメチル
アンモニウムクロライド、テトラエトキシシランをモル
比で100:7:0.11:0.1で混合し、混合水溶液を調整
し、オクタデシルトリメトキシシランを用いて、シリコ
ン基板を150℃で3時間CVD処理した。次に、CVD処理
したシリコン基板を該混合水溶液の液面に浮かべて、室
温で1時間放置した。このサンプルをエキシマランプ
(波長:172nm)に3時間曝し、IRを測定したと
ころ、2900cm-1付近の界面活性剤中のアルキル基に由来
するC-H伸縮振動は完全に消失していることを確認し
た。すなわち界面活性剤としてセチルトリメチルアンモ
ニウムクロライドは分解除去され、シラン骨格が形成さ
れたものと考えられる。また、X線回折(XRD)により
得られた細孔径は約2.98nmであった。図3に実施例1に
関わるサンプルの透過IRの測定結果及び以下に述べる
比較例1のサンプルの透過IRの測定結果を示す。以下
に述べる比較例1の未処理の堆積基板は2900cm-1付近
に、界面活性剤中のアルキル基に由来するC-H伸縮振
動が確認されたが、光処理後の試料にはこの吸収は見あ
たらず、界面活性剤分子が消失したことが明らかとなっ
た。
【0025】(実施例2)実施例1で作製したサンプル
を、200℃の雰囲気下で、エキシマランプ(波長:172
nm)に2時間曝し、IRを測定したところ、2900cm-1
付近の界面活性剤中のアルキル基に由来するC-H伸縮
振動は完全に消失した。また、XRDにより得られた細孔
径は約2.80nmであった。実施例1と実施例2から、光と
熱を同時に用いると、それらの相乗効果によって、界面
活性剤の分解消失するまでの時間が短くなったことが分
かる。
【0026】(比較例1)実施例1で形成した無機-界
面活性剤のシリカ多孔体の前駆体を、室温で1週間放し
たサンプルのIRを測定したところ、2900cm-1付近に、
界面活性剤中のアルキル基に由来するC-H伸縮振動が
確認された。また、XRDにより得られた細孔径は約3.58n
mであった。
【0027】(比較例2)実施例1で形成した無機-界
面活性剤のシリカ多孔体の前駆体を、約200℃に維持し
た電気炉中で、約1時間保持した。IRを測定したとこ
ろ、2900cm-1付近に、界面活性剤中のアルキル基に由来
するC-H伸縮振動が確認され、熱処理によっても界面
活性剤分子が残存していることがわかった。また、XRD
により得られた細孔径は約3.35nmであった。 比較例2
から、200℃に加熱するのみでは界面活性剤の分解は
進まないことがわかる。
【0028】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明は、界面活性
剤の分子集合体、界面活性剤分子と所定の有機分子を共
存させた集合体及び異種の界面活性剤の分子集合体から
選択した集合体を細孔構造形成の鋳型として用い、該集
合体とセラミック材料あるいはセラミック材料の前駆体
とを混合して無機-有機構造を有するセラミックス多孔
体の前駆体を形成し、該セラミックス多孔体の前駆体中
の界面活性剤分子を光酸化により除去することにより、
ナノメートルスケールの細孔構造を有するセラミックス
多孔体を低温で形成することを特徴とする中空構造を有
するセラミックス多孔体の製造方法に係わるものであ
り、本発明により、1)熱エネルギーを必要としない省
エネルギープロセスが提供でき、また2)材料内部に収
縮による応力が発生しないため、得られた細孔構造を有
するセラミックス多孔体にはクラックや剥離などの不具
合が生じない。さらに、3)プラスチックなどの耐熱性
に劣る基材材料表面に細孔構造を有するセラミックス多
孔体を形成することもできる等の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のセラミックス多孔体の製造方法を模
式的に示す。
【図2】 実施例に係わる光照射装置の概略図を示すも
のである。
【図3】 実施例1、比較例1に係わるサンプルの透過
IRを測定結果を示す。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤の分子集合体、界面活性剤分
    子と所定の有機分子を共存させた集合体及び異種の界面
    活性剤の分子集合体から選択した集合体を鋳型として用
    い、該集合体とセラミック材料あるいは該セラミック材
    料の前駆体とを混合して無機-有機構造を有するセラミ
    ックス多孔体の前駆体を形成し、該セラミック多孔体の
    前駆体中の界面活性剤を光酸化により除去することで、
    ナノメートルスケールの細孔構造を有するセラミックス
    多孔体を低温で形成することを特徴とするセラミックス
    多孔体の製造方法。
  2. 【請求項2】 該無機-有機構造を有するセラミックス
    多孔体の前駆体のセラミック材料あるいは該セラミック
    材料の前駆体が、真空紫外光を透過する材料から選ばれ
    たものである請求項第1項に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 該無機-有機構造を有するセラミックス
    多孔体の前駆体のセラミック材料あるいは該セラミック
    材料前駆体が、真空紫外光を吸収し、光触媒作用により
    電子を放出する材料から成る群から選ばれたものである
    請求項第1項に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 真空紫外光を照射することによって該無
    機-有機構造を有するセラミックス多孔体の前駆体中の
    界面活性剤を除去する請求項第1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 該無機-有機構造を有するセラミックス
    多孔体の前駆体を200℃以下の雰囲気下で真空紫外光を
    照射することによってセラミックス多孔体の前駆体中の
    界面活性剤を除去する請求項第1項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 該無機-有機構造を有するセラミックス
    多孔体の前駆体を薄膜形状に形成する請求項第1項乃至
    第5項のいずれかに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 該無機-有機構造を有するセラミックス
    多孔体の前駆体を微粒状形状に形成する請求項第1項乃
    至第5項のいずれかに記載の製造方法。
JP11255280A 1999-09-09 1999-09-09 中空構造を有するセラミックス多孔体の低温製造方法 Expired - Lifetime JP3060017B1 (ja)

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