JP2003301166A - 撥水性材料膜および撥水性材料膜の製造方法 - Google Patents

撥水性材料膜および撥水性材料膜の製造方法

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JP2003301166A
JP2003301166A JP2002109346A JP2002109346A JP2003301166A JP 2003301166 A JP2003301166 A JP 2003301166A JP 2002109346 A JP2002109346 A JP 2002109346A JP 2002109346 A JP2002109346 A JP 2002109346A JP 2003301166 A JP2003301166 A JP 2003301166A
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film
repellent
surfactant
repellent material
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JP2002109346A
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Hirokatsu Miyata
浩克 宮田
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Canon Inc
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  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥水性にムラがなく、機械的強度、耐久性の
優れた撥水材料を提供すること。 【解決手段】 珪素を含み、均一な孔径を有する多孔質
体膜の空孔内に、撥水処理を施すことを特徴とする撥水
性材料膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒や吸着剤など
に用いられる多孔質体の応用に関連し、より詳しくは、
細孔構造の制御されたメソ多孔体膜の応用に関するもの
である。
【0002】
【背景技術】従来の多くの撥水性材料は、材料の表面を
シリコーン系やフッ素系の撥水剤で処理したもので、水
との接触角が90°以上の撥水性を示すものが、衣料
品、ガラス、衛生用品等において実用化されている。こ
れら日常生活に密接な関わりのある撥水材料の多くは、
雨水の撥水を目的としたものである。しかし、最近では
それ以外にもいろいろな用途で、撥水性材料が使用され
てきている。例えば、最近急速な普及を見せているイン
クジェットプリンターにおいては、良好な印字特性を達
成するために、インク吐出口に撥水性材料を使用してい
る。また、燃料電池においても、生成した水を速やかに
排出するために撥水性材料が用いられている。
【0003】これら撥水性材料の用途の拡がりに伴い、
撥水性材料の研究も進み、最近では低エネルギー表面に
適当な構造(凹凸)を付与することによって接触角が1
50°以上の極めて高い撥水性(超撥水性)を備える表
面が得られることが知られるようになった。固体表面上
の液滴の接触角は、固体−液体界面、固体−気体界面、
気体−液体界面の3種類の界面の界面張力のつり合いに
よって決まる。固体表面が微細な凹凸構造を有し、大き
な実表面積を有するようになると、固体表面の単位切り
出し面あたりの界面エネルギーは、平滑な表面の場合に
比較して、表面積増倍因子倍だけ大きくなる。ここで、
表面積増倍因子とは、全ての凹凸に沿って計測した表面
積(実表面積)を1mm以下のスケールの凹凸を無視し
てならした平滑な面の表面積で割った値をいう。これゆ
えに、固体−液体界面、及び固体−気体界面は、見かけ
上非常に大きな界面張力を有することになる。この界面
張力の増大により、凹凸のある表面では平滑な固体表面
とは異なる界面張力のつり合いが生じ、液滴の接触角増
大が達成される。これを利用した応用例として、特開平
4−343764号に記載されている、繊維表面に微細
な凹凸を設け、撥水性を向上させるという例がある。
【0004】また、撥水性材料の機械的強度向上に関す
る検討も進められている。平滑な基体の上に直接撥水性
材料をコートしたり、化学的に結合させたりした場合に
は、機械的な摩擦等により、撥水性材料が剥離し、撥水
性が徐々に損なわれていく場合が多い。これを解決する
ために、表面を多孔質化したガラスに撥水層を形成する
技術(特開平05−097478号公報)や、陽極酸化
によって多孔質化したアルミニウムの表面に撥水層を設
ける技術(特開平07−268687号公報)が開発さ
れている。
【0005】以上述べたように、撥水性材料の特性は、
表面の凹凸によって大きく変化し、また密着性も凹凸に
よって変化する。従って、多孔質材料を撥水性材料表面
に適用する技術は、優れた撥水性材料を開発する上で重
要な技術であり、例えば、ガラス表面への撥水層の密着
性向上のために、ガラス表面に二酸化ケイ素を含有する
多孔質層を設け、その上に撥水層を形成する技術(特開
平10−167767号公報)などがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
多孔質材料と撥水性材料を組み合わせた撥水材には以下
に述べるような課題があり、更なる改善が求められてい
た。
【0007】従来の細孔径の分布が広い、あるいは多孔
体の壁厚が厚い多孔質材料を用いると、撥水性にムラが
できていた。さらに多孔体内部の閉鎖細孔には撥水材を
担持できないため、最表面が機械的に削られた場合に撥
水性を失ったり、削られた部分において撥水性が小さく
なり、撥水材としての耐久性、信頼性が不十分であっ
た。
【0008】本発明は上記のような課題に鑑みなされた
もので、撥水性にムラがなく、機械的強度、耐久性の優
れた撥水材料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願発明に係る撥水性材料膜は、珪素を含み、均一
な孔径を有する多孔質体膜の空孔内に、撥水処理を施す
ことを特徴とする。
【0010】上記多孔体の細孔径は2nmから50nm
の範囲のメソ細孔領域にあることが好ましい。
【0011】また、50nm以上の均一な径のマクロ細
孔を有する多孔体から構成される膜の細孔表面に撥水処
理を施したことを特徴とする撥水性材料において、前記
マクロ細孔によって形成されるマクロ多孔体の細孔壁が
さらに、細孔径2nmから50nmの範囲の均一な径の
メソ細孔を有する多孔体で形成されており、さらに該メ
ソ細孔の表面にも撥水材を有することが好ましい。
【0012】ここでいう撥水処理とは、有機シリコン化
合物で多孔体の表面に撥水層を形成する方法が最も一般
的に用いられるが、これに限定されるわけではない。空
孔の径が2nmから50nmの範囲のメソ細孔領域にあ
る空孔を有することが好ましい。
【0013】均一な孔径が50nm以上のマクロ細孔領
域にある請求項1に記載の撥水性材料膜であって、マク
ロ細孔によって形成されるマクロ多孔体の細孔壁が、細
孔径2nmから50nmの範囲の均一な径のメソ細孔を
有する多孔体で形成されており、さらにメソ細孔の表面
にも撥水材を有することが好ましい。
【0014】細孔が、前記膜面に平行な方向に配向した
ロッド状の複数の細孔を有することが好ましい。
【0015】2nmから50nmの範囲の均一な孔径の
メソ細孔が、界面活性剤分子集合体の自己組織化を利用
して形成されたものであることが好ましい。
【0016】多孔体を形成する物質が二酸化ケイ素又は
酸化ケイ素と有機物のハイブリッド材料であるとよい。
【0017】また、本発明にかかる撥水材料膜の製造方
法は、多孔質体膜に撥水処理を施した撥水材料の製造方
法であって、界面活性剤集合体とシリカを主成分とする
材料の混合物膜を作製する工程と、前記混合物膜から界
面活性剤を除去し、多孔質化する工程と、前記多孔質体
に撥水処理を施す工程を有することを特徴とする。
【0018】シリカを主成分として含む、細孔壁を形成
する材料の前駆体と、界面活性剤とを含む溶液層を基体
表面に形成する工程と、該溶液を乾燥させ界面活性剤集
合体とシリカを主成分とする材料の混合物膜を作製する
工程と、をさらに有するとよい。
【0019】また、本発明に係る撥水性材料膜は、珪素
を含み、均一な孔径を有する多孔質体膜の空孔内に、撥
水性を付与する化合物を有することを特徴とする。
【0020】本発明によれば、撥水性にムラがなく、機
械的強度、耐久性の優れた撥水材料を提供することがで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0022】(実施形態1)図1は、本発明の撥水性材
料膜の一実施形態を示す断面図である。11は基板、1
2はシリカ細孔壁、3は撥水性を付与する化合物層をそ
れぞれ示す。
【0023】多孔質体膜12は、珪素を含み構成され
る。多孔質体の孔の壁を形成する材料としては、二酸化
ケイ素(シリカ)が好ましい。
【0024】シリカは、表面にシラノール基を有するた
め、撥水性を付与する化学種と反応することにより、強
固な化学結合によって細孔壁に撥水材を固定することが
できること、材料の入手のしやすさ等により、本発明に
好適に適用できる。そのほかに含有される材料は、無機
材料、有機材料であっても構わないが、たとえば、シリ
カ−有機ハイブリッド材料がこのましい。
【0025】孔の形状としては、一軸方向に配向が制御
された管状の空孔であるとよい。このような細孔は、後
述に示す製造方法により、簡便に作成することが可能で
ある。
【0026】孔径としては、2nm〜50nmのメソ細
孔領域を有することが好ましい。
【0027】多孔質膜中の複数の空孔は、実質的に均一
な孔径を有する。多孔質粒子中の細孔径分布の評価に
は、一般に窒素等のガスの吸着等温線を測定する方法が
用いられる。得られた等温吸着線から、Berret−
Joyner−Halenda(BJH)の解析法等に
よって計算される。
【0028】本実施形態において、前記多孔質体の空孔
は、窒素ガス吸着測定により求められた孔径の分布にお
いて、60%以上の細孔の孔径が10nmの幅を持つ範
囲に含まれることが好ましい。10nmの幅を持つ範囲
とは、例えば2nm〜12nmのような、最小値と最大
値の差が10nmである幅の範囲である。
【0029】撥水性を付与する化合物層3は、多孔体に
撥水処理を施すことにより形成される。
【0030】シリカの多孔体は表面に水酸基を有するた
め、その水酸基と容易に結合を形成するようなものを用
いると、多孔体との接着性に優れた撥水層を作成するこ
とができる。
【0031】また、多孔質材料の細孔径が2〜50nm
のメソポーラス構造を有する多孔質体の撥水処理に、ポ
リシロキサンを撥水材料として用いる場合は、該細孔内
に担持できる程度の大きさに制御した重合度で、ポリシ
ロキサンの撥水層を形成するように撥水処理をすること
が好ましい。
【0032】上記の撥水性材料が、撥水性を付与したい
基体上に設けられることによって、ムラがなく、耐久性
の優れた撥水性が付与される。
【0033】本発明の撥水性材料膜は、図1に示すよう
に、多孔質体の膜の表面(上面)にのみならず、膜の内
部の細孔表面までも撥水性を付与する化合物で修飾され
ている。
【0034】このため、図4に示すように、機械的摩擦
によって表面層が剥離されても、全く同じ性質の表面が
露出するため、良好な耐久性を有すると本発明者らは考
察している。
【0035】(実施形態2)第2の実施形態として、本
発明にかかる撥水材料の製造方法について、以下に示
す。
【0036】本発明に係る撥水材料の製造方法は、鋳型
となる分子とシリカを主成分とする材料の混合物膜を作
製する工程(S1工程)と、前記混合物膜から界面活性
剤を除去し、多孔質化する工程(S2工程)と、前記多
孔質体に撥水処理を施す工程(S3工程)と、を有す
る。
【0037】また、前記S1工程は、シリカを主成分と
して含む、細孔壁を形成する材料の前駆体と、界面活性
剤とを含む溶液層を基体表面に形成する工程(S11工
程)と、該溶液を乾燥させ界面活性剤集合体とシリカを
主成分とする材料の混合物膜を作製する工程(S12工
程)を有することが好ましい。
【0038】界面活性剤分子集合体を鋳型(テンプレー
ト)にして形成されるメソポーラスシリカは、均一径の
メソ孔が細密パッキングした細孔構造を有する。
【0039】細孔のパッキングにはいくつかの種類があ
り、2次元ヘキサゴナル構造、3次元ヘキサゴナル構
造、キュービック構造などが報告されている。この中
で、2次元ヘキサゴナル構造のメソポーラスシリカが最
も一般的である。メソポーラスシリカの最大の特徴は、
薄膜やファイバー、球状等にそのマクロスコピックな形
態を制御可能なことにある。特に薄膜は工業的に重要で
あり、多くの製法が検討されている。
【0040】以下各工程を詳細に説明していく。本発明
に係る製造方法として、2nmから50nmの範囲の均
一なメソ細孔を有する撥水材料膜の製造方法を例にとっ
て更に詳細に説明する。
【0041】(メソ構造を有する鋳型となる分子とシリ
カを主成分とする材料の混合物膜を作製する工程S1)
本実施形態の撥水性材料の製造方法においては、界面活
性剤分子集合体の自己組織化を利用して2nmから50
nmの範囲の均一な径のメソ細孔を形成することができ
る。
【0042】このような方法は、以下に示す溶媒蒸発法
と呼ばれるゾル−ゲル法を応用した手法と、溶液中に保
持した基板上への不均一核発生−核成長に基づく方法の
2つに大別される。
【0043】溶媒蒸発法においては、界面活性剤と細孔
壁を構成する物質の前駆体を含む溶液中に基板を浸漬し
基板表面にメソ構造体を析出させる方法、界面活性剤と
細孔壁を構成する物質の前駆体とを含む溶液を基板上に
ディップコートする方法、または界面活性剤と細孔壁を
構成する物質の前駆体を含む溶液を基板上にキャストす
る方法、及び界面活性剤と細孔壁を構成する物質の前駆
体を含む溶液を基板上にインクジェット法やペンリソグ
ラフィー法によって配置する方法等の中から選択され
る。以下に、各作成方法を詳細に述べる。
【0044】まず、溶媒蒸発法による混合膜形成につい
て説明する。溶媒蒸発法は、臨界ミセル濃度以下の界面
活性剤と、シリカオリゴマーを含む水溶液やアルコール
/水混合溶液を、スピンコートやディップコートによっ
て基板上に塗布するもので、コーティング中の溶媒の乾
燥による界面活性剤濃度の上昇に従ってメソ構造が形成
されていくものである。この方法は、比較的反応条件が
穏やかなために基板材質の制約が小さく、また短時間で
膜作製が可能である等の利点を有している。
【0045】スピンコートやディップコートを行うため
の装置は、一般的なものを用いることができ、特に制約
は無いが、場合によっては溶液の温度を制御するための
手段、及びコーティングを行う雰囲気の温度、湿度を制
御するための手段を設ける場合もある。
【0046】例としてディップコーティングを用いたシ
リカメソ構造体の作製方法について説明する。ディップ
コーティングに用いる装置の一例を図2に模式的に示
す。図2において、21は容器、22は基板、23は前
駆体溶液である。前駆体溶液23は臨界ミセル濃度以下
の界面活性剤と、シリカオリゴマーを含む水溶液もしく
はアルコール/水混合溶液で、加水分解重縮合触媒とし
て作用する酸が添加されている。使用する界面活性剤
は、4級アルキルアンモニウムのようなカチオン性界面
活性剤、ポリエチレンオキシドを親水基として含む非イ
オン性界面活性剤等が用いられるが、特にこれらに限定
されるものではない。また、シリカ源としては、テトラ
エトキシシランやテトラメトキシシランのようなアルコ
キシドが一般的に用いられるが、これらに限定されるわ
けではない。
【0047】シリカ源として1,2−bis(trim
ethoxysilyl)ethaneのような化合物
を用いると、細孔壁がシリカと有機物のハイブリッド材
料で形成されたメソ構造体を得ることができ、これも本
発明の撥水性材料薄膜に良好に用いることができる。使
用する界面活性剤分子の長さは、目的のメソ構造の細孔
径に応じて決められる。また、界面活性剤ミセルの径を
大きくするために、メシチレンのような添加物を加えて
も良い。使用する酸も塩酸、硝酸のような一般的なもの
を使用することが可能である。シリカメソ構造体薄膜を
作製する基板は、ホルダー24を用いてロッド25に固
定され、zステージ26によって上下させる。成膜時、
反応溶液23は必要に応じてヒーター28と熱電対27
を用いて所望の温度に制御される。溶液温度の制御性を
向上させるために、容器全体を不図示の断熱容器に入れ
ることもある。
【0048】ディップコーティング、スピンコーティン
グの他に、Nature第405巻56ページに記載さ
れているペンリソグラフィー法やインクジェット法も、
溶媒蒸発法に基づく有効なシリカメソ構造体作製方法で
ある。これらの方法を用いれば、基板上の所望の箇所に
シリカメソ構造体をパターニングすることが可能であ
る。また、溶媒蒸発法ではないが、Science第2
87巻466ページに記載されているようなソフトリソ
グラフィーを用いた方法でパターニングを行うことも可
能である。
【0049】ペンリソグラフィー法は、反応溶液をイン
クのように使い、ペン先から塗布しラインを描くもの
で、ペン形状、ペンや基板の移動速度、ペンへの流体供
給速度等を変化させることで、自由にライン幅を変化さ
せることが可能であり、現在μmオーダーからmmオー
ダーまでのライン幅で描くことが可能である。直線、曲
線等任意のパターンを描くことが可能であり、基板に塗
布された反応溶液の広がりが重なるようにすれば、面状
のパターニングも可能である。
【0050】また、不連続なドット形状のパターンを描
きたい場合は、インクジェット法がさらに有効である。
これは、反応溶液をインクのように使い、インクジェッ
トノズルから一定量を液滴として吐出し塗布するもので
ある。また、基板に着弾した反応溶液の広がりが重なる
ように塗布すれば、ライン状のパターニングも面状のパ
ターニングも可能である。
【0051】現在インクジェット法による一液滴の吐出
量は数plからコントロールが可能で、非常に微小なド
ットを形成することが可能であり、微小なドット形状の
パターニングの際に有利である。
【0052】さらに、これらのペンリソグラフィー法、
インクジェット法等の塗布方法はCAD等コンピュータ
システムを使うことによって容易に所望のパターンを決
めることが出来る。よって、マスクを変えるといった通
常のフォトリソグラフィーのパターニングとは異なり、
多種なパターンを多種な基板に形成する場合、生産効率
上非常に有利である。
【0053】ソフトリソグラフィーを用いた方法は、ポ
リジメチルシロキサン等の材質で作られた弾性のある型
(ミクロモールド)を用い、これを基板上に押し付け、
型の端から毛細管現象によってシリカオリゴマーと界面
活性剤を含む前駆体溶液(ゾル)を型に導入し、シリカ
が重合してメソ構造体が固まった(ゲル化)後で、型を
除去するものである。この方法を用いると、単純なパタ
ーンであれば非常に簡単にメソ構造体のパターニングを
行うことが可能である。
【0054】次に溶液中に保持した基板上への不均一核
発生−核成長に基づくシリカメソ構造体薄膜作製方法に
ついて説明する。これは、臨界ミセル濃度以下の界面活
性剤と、シリカオリゴマーを含む水溶液中に保持した基
板上に結晶成長のようにシリカメソ構造体が析出するも
のである。この方法においては、一般的に溶液中の酸濃
度が高いために適用可能な基板に制約が生じ、また膜形
成に要する時間が長いものの、広い面積に均一な膜を作
製できる特長を有している。また、溶媒蒸発法によって
形成されたシリカメソ構造体薄膜では、最表面、及び基
板−膜界面では構造秩序性が高いが膜内部では構造が乱
れることがあるが、この不均一核発生−核成長に基づく
方法では完全に膜全体にわたって高秩序のシリカメソ構
造体が形成されるという利点を有している。
【0055】本発明において、この基板上への不均一核
発生−核成長に基づく方法によってシリカメソ構造体薄
膜を形成するのに用いる反応容器は、例えば図3の様な
構成のものである。反応容器の材質は、薬品、特に酸に
対する耐性を有するものであれば特に限定はなく、ポリ
プロピレンやテフロン(R)のようなものを用いること
ができる。反応容器内には、耐酸性の材質の基板ホルダ
ー33が例えば図3の様に置かれており、耐酸性の基板
35はこれを用いて反応溶液36中に保持される。膜形
成中に反応溶液の組成が変化しないようにシール34と
蓋32を用いる。反応容器は、反応中に圧力がかかって
も破壊されないように、さらにステンレスのような剛性
の高い材質の密閉容器(不図示)に入れることもある。
【0056】この図において、反応溶液36は界面活性
剤水溶液に塩酸等の酸を混合し、SiOの等電点であ
るpH=2以下に調整したものに、シリカ源を混合した
ものである。使用する界面活性剤は、4級アルキルアン
モニウムのようなカチオン性界面活性剤、ポリエチレン
オキシドを親水基として含む非イオン性界面活性剤等が
用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、シリカ源としては、テトラエトキシシランやテト
ラメトキシシランのようなアルコキシドが一般的に用い
られるが、これらに限定されるわけではない。使用する
界面活性剤分子の長さは、目的のメソ構造の細孔径に応
じて決められる。また、界面活性剤ミセルの径を大きく
するために、メシチレンのような添加物を加えても良
い。使用する酸も塩酸、硝酸のような一般的なものを使
用することが可能である。基板上に析出する膜の形状や
構造は、界面活性剤、酸、及びシリカ源の濃度に大きく
影響されるのみならず、基板表面の性質によっても影響
を受ける。従って、使用する基板によって反応溶液組成
を最適化して膜形成を行う必要がある。この様な条件で
基板上にシリカのメソ構造体を析出させることができ
る。析出させる際の温度には特に制約はなく、室温〜1
00℃程度の温度領域において選択される。反応時間は
数時間〜数ヶ月程度で、時間が長いほど厚いシリカメソ
構造体薄膜が得られる。
【0057】この様にして基板上に形成されたシリカメ
ソ構造体薄膜は、純水で洗浄した後に空気中で自然乾燥
させ、最終的な薄膜が得られる。
【0058】また、メソポーラス材料薄膜に対して、さ
らに大きな周期を有する規則的空孔を形成することがで
きる。これは、例えばScience第282巻224
4ページに記載されているような技術で、前もってポリ
スチレン等の微小球が細密充填したような構造を形成し
ておいて、そこにシリカオリゴマーと界面活性剤を含む
前駆体溶液(ゾル)を導入し、シリカを重合(ゲル化)
させる方法である。これにより細密充填された粒子間を
埋める形でシリカメソ構造体が形成される。また、前述
した溶媒蒸発法によってシリカメソ構造体を作製する
際、前駆体溶液に適当な量の単分散の粒子径を有するポ
リスチレン等の微小球を添加しておくと、溶媒蒸発の際
の表面張力によって微小球が集合し、この場合にも粒子
間を埋める隙間にシリカメソ構造体が形成される。この
ようにして作製した複合体から焼成等の方法によって微
小球と界面活性剤を除去することによって、結果的に細
孔壁がメソポーラスシリカで形成されているマクロポー
ラスシリカを作成することが可能である。
【0059】(混合物膜から界面活性剤を除去し、多孔
質化する工程(S2工程))次に、前記混合物膜から界
面活性剤を除去し、多孔質化する工程について述べる。
【0060】上述の方法で作製した混合膜から界面活性
剤を除去し、中空のメソ細孔を有するメソポーラス材料
の膜が得られる。細孔中に界面活性剤を含んだメソ構造
体から界面活性剤を除去する方法としては、一般的な方
法を用いることができる。例えば、焼成、溶剤による抽
出、オゾンによる分解、超臨界状態の流体による抽出等
の方法から、最適なものが選択される。焼成以外の手法
によって有機成分を除去し、多孔体を作製できるという
点も、界面活性剤を鋳型に用いたメソ構造体の作製法の
利点のひとつである。
【0061】界面活性剤の除去には、一般的な方法を用
いることができ、焼成、紫外光照射により発生したオゾ
ンによる酸化・分解、溶剤による抽出、超臨界状態の流
体による抽出等の中から選択される。例えば、空気中、
550℃で10時間焼成することによって、メソ構造を
ほとんど破壊することなくシリカメソ構造体薄膜から完
全に界面活性剤を除去することができる。また、溶剤抽
出等の手段を用いると、100%の界面活性剤の除去は
困難ではあるものの、焼成に耐えられない材質の基板上
にメソポーラスシリカ薄膜を形成することが可能であ
る。
【0062】(撥水処理工程S3)次に、本発明に係る
撥水処理について、上記の製法で作成したメソポーラス
材料に撥水処理をする工程に基づいて、詳細に説明す
る。
【0063】メソポーラス材料はその細孔表面を種々の
化学種で修飾することによってその性質を容易に制御す
ることが可能で、種々の機能性を有するナノコンポジッ
ト薄膜を作製することが可能である。細孔内への化学種
の拡散速度は速いため、例えば化合物の蒸気に曝すこと
によって、容易に表面を化学修飾することが可能であ
る。また、修飾に用いる化合物を溶媒に溶解し、多孔質
薄膜に塗布しても良い。例えば、メソポーラスシリカ
は、細孔表面に多くのシラノール基を有するため、クロ
ロシランやアルコキシシラン等の蒸気に曝すことで細孔
表面に化学結合によって有機基を導入し、結果として細
孔内部を疎水化し、膜を撥水性にすること等が可能であ
る。
【0064】撥水性付与に用いられるクロロシラン化合
物、及びアルコキシシラン化合物としては、下記一般式 R −Si−R で表されるものが良好に用いられる。ここでRは炭素
数1〜20のアルキル基、フルオロアルキル基、または
鎖中に−O−、CO−、SON(C)−また
は−CONH−などの構造を有するアルキル基またはフ
ルオロアルキル基、Rは塩素または炭素数1〜6のア
ルコキシ基、m=1、2または3、n=1、2または
3、m+n=4で表される。例としては、C1837
SiCl、C1837Si(OCH)、C12
25SiCl、C1225Si(OCH)、CF
(CFCHCHSi(OCH)、CF
(CFCHCHSiCl、CF(C
CHCHSi(CH)(OCH)、C
(CFCHCHSi(CH)Cl
CF(CFCHCHSiCl、CF
(CFCHCHSi(OCH3)、CF
CHCHSiCl、CFCHCHSi
(OCH、C SON(C)CH
CHCHSi(OCH、C15CON
HCHCHCHSi(OCH、C17
COCHCHCHSi(OCH、C
17−O−CF(CF)CF−O−CSiC
、C−O−(CF(CF)CF−O)
−CF(CF )CONH−(CHSi(OCH
などがあげられ、これらは混合して用いてもよ
い。
【0065】撥水性を付与するための上記のような化合
物で細孔壁を修飾した二次元ヘキサゴナル構造のメソポ
ーラスシリカ薄膜の断面の模式図を図1に示す。図1に
おいて11は基板、12はシリカ細孔壁、3は表面修飾
層をそれぞれ示す。図に示すように、表面のみならず内
部の細孔表面までもが撥水性材料で修飾される。撥水性
を付与する化学種は、表面シラノール基と反応し、強固
な化学結合によって細孔壁に固定される。
【0066】また、撥水処理後、余分に吸着した撥水性
を付与する化合物を除去する工程を有することがこのま
しい。
【0067】これは、余分な吸着成分が面内での特性の
ムラを生じることがあるため、たとえば基板を加熱処理
する等の工程により、単層分子の吸着した状態を達成す
るものである。これによって撥水性の面内均一性が向上
する。該除去工程は、真空状態で行われてもよい。
【0068】また、除去工程での加熱処理は、撥水剤が
変質しない温度において行われるのがこのましい。
【0069】該除去工程による温度は、前述の界面活性
剤除去工程の加熱温度よりも、低い温度であることが好
ましい。
【0070】以下、実施例を用いてさらに詳細に本発明
を説明する。
【0071】
【実施例】(実施例1)本実施例は、ディップコーティ
ングによって作製した二次元ヘキサゴナル構造のメソポ
ーラスシリカ薄膜に対して撥水処理を行い、撥水性材料
薄膜を得た例である。
【0072】まず、テトラエトキシシラン(TEO
S)、水、塩酸、エタノールをTEOS:HO:HC
l:COH=1:1:5.0×10−5:4のモ
ル比で含む溶液を調整し、60℃で90分間攪拌し、T
EOSを加水分解させる。次にこの溶液に非イオン性界
面活性剤ポリエチレンオキシド10セチルエーテル(C
EO10)を溶解し、さらに水、塩酸、エタノール
を添加し、最終的な溶液組成がTEOS:HO:HC
l:COH:C16EO10=1:3.1:0.
0065:20:0.1のモル比になるようにする。こ
の溶液を25℃まで放冷し、前駆体溶液とした。
【0073】図2に示す構成のディップコーティング装
置を用いて、この溶液中に、表面をUV−オゾン処理に
よってクリーニングしたコーニング#7059無アルカ
リガラス基板を浸漬し、一方向に一定速度で引き上げ
て、膜を基板上に形成した。ディップコート時の基板の
引き上げ速度は3.5mm/minとした。形成した膜
は、空気中、室温で12時間乾燥させ、シリカメソ構造
体薄膜を得た。得られたシリカメソ構造体の膜厚は80
0nmであった。
【0074】作製したシリカメソ構造体薄膜をX線回折
分析で分析した。その結果、面間隔5.20nmの、ヘ
キサゴナル構造の(100)面に帰属される強い回折ピ
ークが確認され、この薄膜がヘキサゴナル構造の細孔構
造を有することが確かめられた。広角の領域には回折ピ
ークが認められないことから、壁を構成するシリカは非
晶質であることがわかった。
【0075】このシリカメソ構造体の薄膜について、紫
外光照射によって発生したオゾンガスを用いた界面活性
剤の除去を行った。基板には温度をかけず、1時間処理
を行った。赤外吸光分析等により、この処理によって、
膜の外観を全く損なうことなしに細孔中からほぼ完全に
界面活性剤を除去することができたことが確かめられ
た。細孔径の平均値は、窒素ガス吸着等温線から、BJ
H法によって、4.0nmと求められた。また、この方
法により、該薄膜中の細孔は、60%が2nm〜12n
mの範囲内に含まれる分布を持っていることが確かめら
れた。
【0076】界面活性剤を除去した後のX線回折分析か
ら、ヘキサゴナル構造の細孔構造はほぼ完全に保持され
ることが確認され、これによりメソポーラスシリカ薄膜
が作製された。
【0077】このようにしてメソポーラスシリカ薄膜を
形成した基板を、C1225Si(OCHのイ
ソプロピルアルコール溶液に浸漬し、その後空気中12
0℃で加熱して余分な吸着成分を除去した。
【0078】この処理を施した基板の表面上での接触角
を測定した。その結果、3回の測定の平均値は93°と
求められ、本実施例で作成したメソポーラスシリカが良
好な撥水性を示すことが確認された。同様な条件で作製
した複数のメソポーラスシリカ薄膜に関して同じ処理を
施して接触角の測定を行ったが、どの場合にも接触角は
93°に近い値であり、ばらつきは非常に小さかった。
【0079】この撥水性材料薄膜に対して、機械的摩擦
の耐久試験を行った。耐久試験は、ゴム製のブレードを
膜表面に接触させ、100gの荷重をかけて100往復
の摺動を行い、接触角の変化を見ることで行った。その
結果、この耐久試験後の接触角は93°と変化がなく、
安定した撥水性表面が得られることが確認された。
【0080】このような孔壁を撥水修飾したシリカメソ
構造体薄膜は、撥水材に適用した場合、ナノスケールで
の規則構造(ハニカム構造)を有するゆえに機械的強度
に優れている。また、メソポーラス材料を用いた場合、
内部細孔表面までを撥水性を付与する化合物で修飾する
ことが可能であるため、表面層が機械的な摩擦等の理由
により剥離したとしても、同じ性質を有する面が常に表
面に現われ、耐久性に優れた撥水材を得ることが可能で
ある。また、界面活性剤のミセルのサイズによって規定
される均一な細孔構造を有するため、所望の特性を有
し、面内でムラのない撥水性表面を再現性良く、得るこ
とが可能である。
【0081】(実施例2)本実施例は、基板上への不均
一核発生−核成長に基づく方法によって二次元ヘキサゴ
ナル構造のシリカメソ構造体薄膜を形成し、焼成によっ
て界面活性剤を除去したメソポーラスシリカに撥水処理
を施した例である。
【0082】アセトン、イソプロピルアルコール、及び
純水で洗浄し、オゾン発生装置中で表面をクリーニング
した石英ガラス基板にスピンコートによって、ポリアミ
ック酸AのNMP溶液をスピンコートにより塗布し、2
00℃で1時間焼成して、以下の構造を有するポリイミ
ドAを形成した。
【0083】
【外1】
【0084】これに対して、表1の条件でラビング処理
を施し、基板として用いた。
【0085】
【表1】 表1.ポリイミドAのラビング条件
【0086】この基板上に、シリカメソ構造体薄膜を形
成する。このような、ラビング処理を行った膜を作製し
ない場合には、析出時の粒子の方向がランダムになり、
連続膜は得られるものの、部分的に粒界に対応する欠陥
が形成され、特異的な性質を示す箇所が形成されてしま
うために、析出時の粒子の方向を制御し、完全に連続な
膜が形成されるようにする必要がある。ラビング処理を
施したポリイミドを基板にコートすることによって細孔
の配向方向が揃った連続な膜を作製できることは、本発
明者らが発見し、例えば特開2001−058812に
記載されている。
【0087】ポリエチレンオキシド10セチルエーテル
(C16EO10)6.01gを128mlの純水に溶
解し、20.6mlの濃塩酸(36%)を添加した。こ
の溶液に、2.20mlのテトラエトキシシラン(TE
OS)を添加し、3分間撹拌した。最終的な溶液中の各
成分のモル比は、TEOS:H2O:HCl:C16E
O10=0.125:100:3:0.11である。
【0088】ラビング処理を施したポリイミドを形成し
た上記基板を、ポリイミドの面を下向きにして、この反
応溶液中に保持し、反応溶液を入れた容器を密閉した
後、80℃で5日間反応させた。所定の時間反応溶液と
接触させた基板は、容器から取り出し、純水で十分に洗
浄した後に、室温において自然乾燥させた。作製した膜
の連続性は光学顕微鏡によって確認した。得られたシリ
カメソ構造体の膜厚の面内分布は小さく、中心部と端部
での膜厚の最大差は約20nmであった。
【0089】この膜をX線回折分析によって評価したと
ころ、(100)面間隔5.05nmの、ヘキサゴナル
構造の(100)面に帰属される強い回折ピークが確認
され、この薄膜がヘキサゴナル構造の細孔構造を有する
ことが確かめられた。広角の領域には回折ピークが認め
られないことから、壁を構成するシリカは非晶質である
ことがわかった。
【0090】この薄膜を焼成し、界面活性剤の除去を行
った。焼成は、空気中、540℃で10時間行った。焼
成後の膜には有機成分はほとんど残存していないこと
が、赤外吸光分析等によって確かめられた。焼成後の膜
のX線回折分析を行ったところ、(100)面間隔は
4.50nmに減少したものの、ヘキサゴナル構造は完
全に保持されていることがわかった。
【0091】焼成後の薄膜を細孔方向に垂直な断面で切
断し、断面の透過電子顕微鏡観察を行った結果、基板/
メソポーラスシリカ界面からメソポーラスシリカ膜表面
までの全膜厚にわたって、完全にヘキサゴナル構造のメ
ソ細孔が形成されていることが確認された。
【0092】細孔径の平均値は、窒素ガス吸着等温線か
ら、BJH法によって、3.8nmと求められた。ま
た、この方法により、該薄膜中の細孔は、60%が2n
m〜12nmの範囲内に含まれる分布を持っていること
が確かめられた。
【0093】以上のようにして得られたメソポーラスシ
リカ薄膜を形成した基板を、実施例1で用いたC12
25Si(OCHのイソプロピルアルコール溶液
に浸漬し、その後空気中120℃で加熱して余分な吸着
成分を除去した。
【0094】この処理を施した基板の表面上での接触角
を測定した。その結果、接触角は実施例で作成した膜と
同じ93°と求められ、本実施例で作成したメソポーラ
スシリカが良好な撥水性を示すことが確認された。作製
した膜のどこで測定を行ってもこの値に大きなばらつき
は認められなかった。同様な条件で作製した複数のメソ
ポーラスシリカ薄膜に関して同じ処理を施して接触角の
測定を行ったが、どの場合にも接触角は93°に近い値
であり、ばらつきは非常に小さかった。
【0095】この撥水性材料薄膜に対して、実施例1と
同様の機械的摩擦の耐久試験を行った。その結果、この
耐久試験後の接触角は93°と変化がなく、安定した撥
水性表面が得られることが確認された。
【0096】(実施例3)本実施例は、シリカ源として
TEOSと1,2−bis(trimethoxysi
lyl)ethaneを用い、酸化ケイ素−有機物のハ
イブリッド材料でキュービック構造のメソポーラスシリ
カ薄膜を作成し、撥水性を付与した例である。
【0097】まず、1,2−bis(trimetho
xysilyl)ethane、TEOS、エタノー
ル、水、塩酸、非イオン性界面活性剤ポリエチレンオキ
シド10セチルエーテル(C16EO10)を1,2−
bis(trimethoxysilyl)ethan
e:TEOS:COH:HO:HCl:C16
EO10=1:1:0.25:0.044:0.8:
0.00084のモル比で含む溶液を調整し、前駆体溶
液とした。
【0098】実施例1で使用したものと同じディップコ
ーティング装置を用いて、この溶液中に、表面をUV−
オゾン処理によってクリーニングしたコーニング#70
59無アルカリガラス基板を浸漬し、一方向に一定速度
で引き上げて、膜を基板上に形成した。ディップコート
時の基板の引き上げ速度は3.5mm/minとした。
形成した膜は、空気中、室温で12時間乾燥させ、メソ
構造体薄膜を得た。得られたメソ構造体の膜厚は400
nmであった。
【0099】作製したメソ構造体薄膜を、X線回折分
析、及び透過電子顕微鏡で分析した結果、キュービック
構造の細孔構造を有することが明らかとなった。広角の
領域には回折ピークが認められないことから、壁を構成
する成分は非晶質であることがわかった。また、赤外吸
光分析、核磁気共鳴分析等により、壁は酸化ケイ素と有
機物のハイブリッド材料であることが確認された。
【0100】このハイブリッドメソ構造体の薄膜をエタ
ノール中、80℃で2回還流し、界面活性剤を除去し
た。界面活性剤の除去は、赤外吸光分析等で確認され、
膜の外観を損なうことなしに約95%の界面活性剤が除
去されたことが確認された。細孔径の平均値は、窒素ガ
ス吸着等温線、及び透過電子顕微鏡像から、約3.9n
mと求められた。
【0101】また、BJH法により、該薄膜中の細孔
は、60%が2nm〜12nmの範囲内に含まれる分布
を持っていることが確かめられた。
【0102】界面活性剤を除去した後のX線回折分析か
ら、キュービック構造の細孔構造は界面活性剤の抽出後
にもほぼ完全に保持されることが確認され、これにより
ハイブリッドメソポーラス薄膜の作製が確認された。
【0103】このようにしてハイブリッドメソポーラス
薄膜を形成した基板を、C12 Si(OCH
のイソプロピルアルコール溶液に浸漬し、その後空気
中120℃で加熱して余分な吸着成分を除去した。
【0104】この処理を施した基板の表面上での接触角
を測定した。その結果、3回の測定の平均値は98°と
求められ、本実施例で作成したハイブリッドメソポーラ
ス材料薄膜が良好な撥水性を示すことが確認された。同
様な条件で作製した複数のハイブリッドメソポーラス材
料薄膜に関して同じ処理を施して接触角の測定を行った
が、ばらつきは非常に小さかった。本実施例で作成した
メソ構造体薄膜では、細孔壁中に疎水性の有機基が分散
されているため、実施例1、2に比較して疎水性が強
く、それ故に実施例1、2で作製した膜に比較して接触
角が大きくなったのであると本発明者らは考察してい
る。
【0105】この撥水材薄膜に対して、実施例1、2で
行ったのと同じ機械的摩擦の耐久試験を行った。その結
果、この耐久試験後の接触角は98°と変化がなく、安
定した撥水性表面が得られることが確認された。
【0106】(実施例4)本実施例は、実施例1で用い
たのと同じ前駆体溶液にポリスチレン微小球を添加した
前駆体溶液を用い、実施例1と同じディップコーティン
グによって石英ガラス基板上にメソ構造体薄膜を作製
し、焼成することによって、壁がメソポーラスシリカで
形成されたマクロポーラスシリカ薄膜を作製し、これに
対して撥水性を付与した例である。
【0107】前駆体溶液は、実施例1で作製したのと同
じ、界面活性剤とシリカオリゴマーを含む酸性溶液であ
る。界面活性剤としては、実施例1と同じC16EO
10を用いた。この溶液に直径200nmのポリスチレ
ンの微小球を8重量%添加した以外は実施例1と同じ手
順で、シリカメソ構造体を作製した。シリカメソ構造体
の形成はX線回折分析により行い、実施例1と同じ面間
隔5.20nmの、ヘキサゴナル構造の形成が確かめら
れた。
【0108】この複合体を540℃で10時間焼成し、
ポリスチレン微小球、及び界面活性剤を除去し、メソポ
ーラスシリカ薄膜を作製した。この膜に金を蒸着し、走
査型電子顕微鏡で観察したところ、ポリスチレン球の跡
がマクロスコピックな孔になっていることが確認され
た。
【0109】このようにしてメソポーラスシリカ薄膜を
形成した基板を、C1225Si(OCHのイ
ソプロピルアルコール溶液に浸漬し、その後空気中12
0℃で加熱して余分な吸着成分を除去した。
【0110】本発明の実施例4で作製した撥水材の断面
の模式図を図5に示す。図5において51はマクロ孔、
52は撥水処理を表面に施したメソポーラスシリカで、
部分拡大した図における53がメソ細孔である。
【0111】この処理を施した基板の表面上での接触角
を測定した。その結果、3回の測定の平均値は105°
と求められ、本実施例で作成したメソポーラスシリカが
良好な撥水性を示すことが確認された。本実施例で作製
したメソポーラスシリカ薄膜は、実施例1で作製した膜
よりも撥水性が高く測定されたが、これは、マクロポア
の破断面が形成する凹凸の効果であると本発明者らは考
察している。
【0112】この撥水材薄膜に対して、機械的摩擦の耐
久試験を行った。耐久試験は、ゴム製のブレードを膜表
面に接触させ、100gの荷重をかけて100往復の摺
動を行い、接触角の変化を見ることで行った。その結
果、この耐久試験後の接触角は103°と変化が少な
く、安定した撥水性表面が得られることが確認された。
【0113】(実施例5)本実施例は、インクジェット
を用いてシリカメソ構造体のパターニングを行い、界面
活性剤除去後に細孔表面を撥水性材料で修飾した例であ
る。
【0114】実施例1で作製した前駆体溶液と同様の、
シリカオリゴマーと界面活性剤、及び酸を含む前駆体溶
液を作製し、これをインクジェットプリンターのインク
タンクに充填した。界面活性剤としては、実施例1で用
いたC16EO10を用いた。このプリンターは、給紙
部を改造して、ガラス基板(厚さ1.0mm)にもパタ
ーンが形成できるようにしたものである。
【0115】このプリンターを用い、市販のグラフィッ
クソフトウェアを使用して、20mm×20mmの正方
形の領域を印字させることによって石英ガラス基板上に
シリカメソ構造体の領域をパターニングした。
【0116】一般に、インクジェットのインクは、ガラ
スのような溶剤を吸収しない媒体上では、ドットが広が
ってしまい、良好な印字ができないことが多いが、本発
明のシリカメソ構造体の場合にはドット表面において素
早く界面活性剤の自己組織化が起こるためにドットの拡
がりが抑制され、良好なパターニングを行うことが可能
である。
【0117】このようにパターンを形成した基板を54
0℃で10時間焼成した後に、スピンコートによってC
1225Si(OCHのイソプロピルアルコー
ル溶液を塗布し、120℃で加熱して余分な吸着成分を
除去した。
【0118】この処理を施した基板の表面上での接触角
を測定した。その結果、パターンを形成した部分もパタ
ーンを形成しなかった部分も3回の測定の平均値は93
°と求められ、本実施例で作成したメソポーラスシリカ
が良好な撥水性を示すことが確認された。
【0119】この撥水性材料薄膜に対して、機械的摩擦
の耐久試験を行った。耐久試験は、ゴム製のブレードを
膜表面に接触させ、100gの荷重をかけて100往復
の摺動を行い、接触角の変化を見ることで行った。使用
したゴム製ブレードは十分に大きいため、摩擦はメソポ
ーラスシリカ薄膜を形成した箇所にも形成していない箇
所にも同時に同程度施される。この耐久試験後の基板を
水に浸漬後引き上げて表面の様子を観察すると、メソポ
ーラスシリカを作製した領域では完全に撥水性が保持さ
れていた一方で、メソポーラスシリカを作製していない
領域では部分的に表面の撥水層が剥離し、部分的に撥水
性が損なわれていた。
【0120】メソポーラスシリカ薄膜を作製した領域の
耐久試験後の接触角は93°と耐久試験前に比較して変
化がなく、安定した撥水性表面がパターニングできたこ
とが確認された。
【0121】以上説明したように、本発明に係る撥水材
料は、任意の箇所に任意の大きさ、形状で配することが
できる。このため、従来の多孔質材料を用いた撥水剤の
ような、窓ガラスや自動車のウィンドウ等、比較的大き
な面積全体にわたって撥水性を付与して使用する用途以
外にも、様々な用途での撥水性付与が可能となる。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐久性に優れた撥水性材料薄膜を簡単な製法で任意の材
料上に作製することができる。
【0123】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る撥水性材料膜の断面の模式図であ
る。
【図2】本発明において、シリカメソ構造体薄膜を形成
するためのディップコーティング装置の図である。
【図3】本発明において、基板上への不均一核発生−核
成長によってシリカメソ構造体薄膜を形成するための反
応容器の図である。
【図4】本発明の撥水性材料膜に関して、表面剥離によ
っても撥水性が保持されることを説明するための模式図
である。
【図5】本発明の実施例4で作製した、細孔壁がメソポ
ーラスシリカで形成されているマクロポーラスシリカ薄
膜に撥水処理を施した撥水性材料薄膜を説明するための
模式図である。
【符号の説明】
11 基板 12 表面修飾層 13 シリカ細孔壁 21 容器 22 基板 23 前駆体溶液 24 基板ホルダー 25 ロッド 26z ステージ 27 熱電対 28 ヒーター 31 テフロン(R)容器 32 テフロン(R)蓋 33 テフロン(R)製基板ホルダー 34 シール(Oリング) 35 基板 36 反応溶液 51 マクロ孔 52 撥水処理を表面に施したメソポーラスシリカ 53 メソ細孔

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪素を含み、均一な孔径を有する多孔質
    体膜の空孔内に、撥水処理を施すことを特徴とする撥水
    性材料膜。
  2. 【請求項2】 前記空孔の径が2nmから50nmの範
    囲のメソ細孔領域にある空孔を有することを特徴とする
    請求項1に記載の撥水性材料膜。
  3. 【請求項3】 前記均一な孔径が50nm以上のマクロ
    細孔領域にある請求項1に記載の撥水性材料膜であっ
    て、前記マクロ細孔によって形成されるマクロ多孔体の
    細孔壁が、細孔径2nmから50nmの範囲の均一な径
    のメソ細孔を有する多孔体で形成されており、さらに前
    記メソ細孔の表面にも撥水処理がなされていることを特
    徴とする撥水性材料膜。
  4. 【請求項4】 前記細孔が、前記膜面に平行な方向に配
    向したロッド状の細孔を有する請求項2または3に記載
    の撥水性材料膜。
  5. 【請求項5】 前記2nmから50nmの範囲のメソ細
    孔が、界面活性剤分子集合体の自己組織化を利用して形
    成されたものである、請求項1〜4の何れかに記載の撥
    水性材料膜。
  6. 【請求項6】 前記多孔体を形成する物質が二酸化ケイ
    素又は酸化ケイ素と有機物のハイブリッド材料である、
    請求項1〜5の何れかに記載の撥水性材料。
  7. 【請求項7】 多孔質体膜に撥水処理を施した撥水材料
    の製造方法であって、界面活性剤集合体とシリカを主成
    分とする材料の混合物膜を作製する工程と、前記混合物
    膜から界面活性剤を除去し、多孔質化する工程と、前記
    多孔質体に撥水処理を施す工程を有することを特徴とす
    る撥水性材料膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 シリカを主成分として含む、細孔壁を形
    成する材料の前駆体と、界面活性剤とを含む溶液層を基
    体表面に形成する工程と、該溶液を乾燥させ界面活性剤
    集合体とシリカを主成分とする材料の混合物膜を作製す
    る工程と、を有することを特徴とする請求項7に記載の
    撥水性材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 珪素を含み、均一な孔径を有する多孔質
    体膜の空孔内に、撥水性を付与する化合物を有すること
    を特徴とする撥水性材料膜。
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