JP2008213201A - 吐出装置、吐出ヘッド、吐出ヘッド製造方法 - Google Patents

吐出装置、吐出ヘッド、吐出ヘッド製造方法 Download PDF

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Abstract

長期にわたって高精度で液滴を吐出できる吐出ヘッド及び吐出装置、その吐出ヘッドの製造方法を提供する。
【課題】ノズル孔22はシリコン基板等の無機基板30に形成されるので、位置精度が高いだけではなく、耐久性も高い。吐出ヘッド20の吐出口23が位置する表面には、多孔質膜32と、撥液膜33が積層されているので、吐出ヘッド20の耐久性が高い。撥液層33は吐出液との親和性が低く、吐出液は吐出ヘッド20表面で広がらないので、吐出液の吐出精度が高い。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット記録方式に代表されるような液滴を吐出し、吐出対象物に液滴を着弾させる吐出ヘッドと、その吐出ヘッドを用いた吐出装置、その吐出ヘッドの製造方法に関する。
微量の液滴を吐出するための吐出装置は、所謂インクジェット装置と呼ばれており、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録(形成)や、液晶装置、その他の電子機器を製造するために用いられている。また、近年では、特許公開2000−270896やPCT公開公報WO95/25116に記載されているように生体物質を網羅的に解析するためのマイクロアレイ作製方法のためのインクジェットにも応用されている。
吐出ヘッドは、少なくとも液滴を吐出するためのノズル孔と、このノズル孔に繋がり吐出液を溜め込んでおくための液室と、この液室に圧力をかけるための圧力機構を備えており、圧力機構を動作させ、液室内に充満された吐出液を加圧することで、ノズル孔の開口部から液滴が吐出するように構成されている。
ノズル孔を形成する基材としては、ステンレス(SUS)、ニッケル、シリコンといった無機材料やポリイミド、ポリサルフォン等の樹脂材料が用いられている。
上記のような基材を単独で用いるほか、ノズル孔の開口部分の精度を向上させるために、基材が穴径の精度を保つ層と高い剛性を保つ層との二層構造である場合がある(特開平10−119300)。
ノズル孔を形成する加工手段としては、打ち抜き、ウェットエッチング、ドライエッチング、レーザー加工、電鋳等の手段が用いられている。
液室に圧力をかけるための圧力機構としては、圧電素子等の電気機械変換素子、ヒータ等の電気熱変換素子、電極などの静電気力発生手段などからなるエネルギー発生手段(アクチュエータ素子)が用いられている。プリンタの場合は画像情報に対応する位置にあるノズル孔から液滴を吐出させるために、そのノズル孔に設けられた圧力機構を動作させることで、液滴を吐出すべき位置のノズル孔から、吐出液を液滴にして吐出するようになっている。
上記のような液滴は、量や吐出方向が、ノズル孔の開口部の形状や大きさに影響されるばかりでなく、吐出ヘッド表面に吐出液が付着した場合、ノズル孔から吐出される吐出液が吐出ヘッド表面に付着した吐出液と接触すると、吐出される液滴の吐出方向や液滴量が変わってしまう等の不都合が生じる。
そこで従来技術でも、吐出ヘッドのノズル孔の開口が位置する表面に、撥液性(撥液性および撥インク性)の薄膜を形成したり、撥液性を持たせる表面処理を行い、ノズル孔の開口付近に吐出液が付着しないようにした技術が知られている。
例えば、シリコン系もしくはフッ素系撥液剤を塗布する方法(特開昭55−65564号公報、特開平9−76512号公報)、フッ化炭素を含むシランカップリング剤を用いて表面処理を行う方法(特開昭56−89569号公報、特開平10−176139号公報)、フッ素系化合物やシラン系化合物のプラズマ重合による撥液性皮膜を形成する方法(特開昭64−87359号公報参照)、フッ素系高分子の撥液膜を形成する方法(特開平7−125220号公報、特開平8−244235号公報、特開2002−20697)等がある。
しかし、液滴吐出ヘッドの高集積化や液滴の吐出位置の高精度化に伴って、いくつかの課題が生じている。
液滴の吐出口であるノズル孔の加工手段として打ち抜き、電鋳等の穴開け工法を用いると要求される精度を満足させることは困難である。レーザーによる穴加工では、高精度の加工が達成されるが、実用的な基材はポリイミド等の樹脂部材に限られてしまう。
ところが、樹脂基材を用いた場合、剛性が低いために液室内の圧力変動が吸収され、噴射効率が低下し吐出不良の原因になる。
剛性の高い基材と張り合わせた物を液滴吐出ヘッドとして用いた場合は、各基材をアッセンブルする際に吐出口の位置精度が低下してしまう。
他方、吐出ヘッド表面に撥液性を持たせる場合、従来の単分子膜や薄膜では塗布性や接着性および機械的耐久性や化学的変質性が得られることが難しく、撥液の再処理が必要となってしまう。
そこで、例えばドライエッチングにより基材の微小凹凸構造を構築する手段(特開2000−203035号公報)や微粒子を配置する事で撥液膜の構造体を構築する手段(特開2002−273891号公報)が考案されているが、これらの手段では、ドライエッチングをするためのマスク形成等による工程の負荷が増加、微粒子の配置密度が低いために所望の性能が得られないという問題が生じる。
特開昭55−65564号公報 特開平9−76512号公報 特開昭64−87359号公報 特開平7−125220号公報 特開平8−244235号公報 特開2002−20697号公報 特開2000−203035号公報 特開2002−273891号公報
本発明は、長期にわたって高精度で液滴を吐出できる吐出ヘッドと、その吐出ヘッドを用いた吐出装置、その吐出ヘッドの製造方法を提供する。
上記課題を解決するために本発明は、吐出液室内に配置された吐出液を、前記吐出液室に接続されたノズル孔の開口である吐出口から吐出する吐出ヘッドであって、前記吐出口が位置する表面には表面に凹凸を有する多孔質膜が形成され、前記多孔質膜の表面には、前記多孔質膜の凹凸が反映された撥液膜が形成された吐出ヘッドである。
本発明は吐出ヘッドであって、前記ノズル孔は、無機基板に形成され、前記多孔質膜は、前記無機基板の表面に配置された吐出ヘッドである。
本発明は吐出ヘッドであって、前記多孔質膜は金属酸化物(Si02を含む)である吐出ヘッドである。
本発明は吐出ヘッドであって、前記撥液膜は、パーフルオロアルキル基を有する高分子膜である吐出ヘッドである。
本発明は吐出装置であって、前記吐出ヘッドを有する吐出装置である。。
本発明は、吐出液室内に配置された吐出液を、前記吐出液室に接続されたノズル孔の開口である吐出口から吐出する吐出ヘッドを製造する吐出ヘッド製造方法であって、前記吐出液室と前記ノズル孔が形成された表面処理対象基板の、前記吐出口が位置する表面に、無機薄膜の材料液に樹脂粒子が分散された多孔質膜原料液の層を形成した後、加熱して前記樹脂粒子が分散された薄膜を形成し、前記薄膜中の前記樹脂粒子を燃焼させて除去し、表面に凹凸を有する多孔質膜を形成し、前記多孔質膜の表面に撥液膜の原料液を接触させ、前記多孔質膜表面に、前記多孔質膜の凹凸が反映され、撥液性を有する撥液膜を形成する吐出ヘッド製造方法である。
本発明は吐出ヘッド製造方法であって、前記樹脂粒子が分散された薄膜を形成する際に、前記表面処理対象基板の表面上の前記多孔質膜原料液の層を、前記樹脂粒子が変形しない温度に加熱する吐出ヘッド製造方法である。
本発明は吐出ヘッド製造方法であって、、前記多孔質膜と前記撥液膜が形成された前記表面処理対象基板を真空槽内に配置し、前記真空槽内にプラズマを形成し、前記吐出液室内と前記ノズル孔内部に形成された前記撥液膜と前記多孔質膜を前記プラズマに曝し、前記吐出液室内と前記ノズル孔内の前記多孔質膜と前記撥液膜を除去する吐出ヘッド製造方法である。
本発明は吐出ヘッド製造方法であって、前記撥液膜の原料液は、パーフルオロアルキル基を有し、重合可能な有機化合物を含有する原料液を用いる吐出ヘッド製造方法である。
本発明は吐出ヘッド製造方法であって、前記樹脂微粒子の直径が、前記ノズル孔の直径の0.2倍以下の大きさである吐出ヘッド製造方法である。
本発明は吐出ヘッド製造方法であって、前記多孔質膜の原料液は、酢酸金属溶液であることを特徴とする吐出ヘッド製造方法である。
本発明は吐出ヘッド製造方法であって、前記多孔質膜の原料液は、硫酸金属溶液であることを特徴とする吐出ヘッド製造方法である。
本発明では、剛性基材を用いるのでノズル孔の位置精度は高い。また、剛性を有する材料によって吐出ヘッドを形成できるので、耐久性が高い。
ノズル孔が位置する表面に、多孔質膜と撥液膜を形成するので、耐久性が高い。
図1〜3の符号10は、本発明の一例の吐出装置であり、台11上に軸12が配置されている。軸12には、複数の吐出ヘッド20が設けられている。
図4は、吐出ヘッド20の概略断面図であり、複数の吐出液室21を有している。
各吐出液室21の底面にはφ20μmのノズル孔22が形成されており、吐出液室21の内部は、ノズル孔22によって、吐出ヘッド20の外部雰囲気に接続されている。
図5(b)は、吐出ヘッド20の、ノズル孔22の開口が位置する表面の平面図、同図(a)は、吐出ヘッド20のI−I線切断断面図である。図4は、図5のA−A’線切断断面図に相当する。
図1に示すように、各吐出ヘッド20は、開口が位置する表面を吐出装置10の台11の表面に向けられている。
図2に示すように、吐出ヘッド20は吐出液供給装置13にそれぞれ接続されており、吐出液供給装置13から供給された吐出液が、図4に示す各吐出ヘッド20の吐出液室21とノズル孔22の内部に充満するように構成されている。
吐出液室21の内部には不図示の圧力装置がそれぞれ設けられており、所望位置の吐出液室21内の圧力装置を動作させると、その吐出液室21内の吐出液は、ノズル孔22を通って台11表面に向けて吐出される。
図1に示す吐出装置10の台11上には処理対象物14(ここではガラス基板)が配置されており、吐出された吐出液は、処理対象物14の表面に着弾する。
図2において、軸12と処理対象物14は、相対的に移動可能に構成されており(ここでは、軸12が移動する。)、吐出ヘッド20は、処理対象物14の真上位置で処理対象物14と対面し、処理対象物14の所望位置に吐出液を着弾させるように構成されている。
尚、処理対象物14の所望位置の間隔と、ノズル孔22の間隔とが異なる場合には、図3に示すように、ノズル孔22が所望位置上を通るように軸12を傾けてもよい。
図4に示すように、吐出ヘッド20の、ノズル孔22の開口(吐出口23)が位置する表面には、多孔質膜32が形成されており、多孔質膜32の表面には、撥液膜33が形成されている。
多孔質膜32内部の孔(空洞)35は一部が表面に露出され、その結果、多孔質膜32表面には多数の微細な凹凸が形成されている。
撥液膜33は、多孔質膜32の膜厚よりも薄く、多孔質膜32の表面の微細凹凸の表面に沿って形成されている。
従って、撥液膜33の表面形状は、下層の多孔質膜32表面の形状が反映されており、撥液膜33表面は微細凹凸が形成されている。
微細凹凸を有する撥液膜33の表面に液体の吐出液が接触する場合、吐出液は撥液膜33の突部分と接触し、吐出液は表面張力で球状に収縮し、撥液膜33の表面に拡がらない。
更に、吐出液と接触する撥液膜33は、撥液性を有しているので、吐出液は撥液膜33からはじかれ、一層収縮しやすくなる。
従って、この吐出ヘッド20表面には吐出液が付着しない。
吐出ヘッド20の製造工程を説明する。
<表面処理対象基板の製造工程>
無機基板30として厚さ0.2mm程度のシリコン基板を用いる場合を説明する。先ず、図6(a)に示すように、無機基板30上に、パターニングされたノズル孔用レジスト膜40を配置する。
ノズル孔用レジスト膜40には、ノズル孔22が形成されるべき位置に、底面に無機基板30が露出する第一の窓開部41が形成されている。
その状態で、ドライプロセスにより、ノズル孔用レジスト膜40の第一の窓開部41の底面位置の無機基板30を異方性エッチングし、同図(b)に示すように、無機基板30の表面に、ノズル孔22となる有底の小孔42が形成される。
ノズル孔用レジスト膜40を剥離した後、同図(c)に示すように、無機基板30の反対側の表面にパターニングした吐出液室用レジスト膜50を配置する。吐出液室用レジスト膜50は、小孔42の真裏位置に第二の窓開部51を有しており、ドライプロセスにより、開口底面に露出する無機基板30の表面を異方性エッチングし、小孔42よりも大きな有底の大孔を形成すると、同図(d)に示すように、その大孔によって吐出液室21が形成される。
吐出液室21となる大孔を形成する際、大孔の底面が小孔42に達するまで異方性エッチングすると、小孔42は吐出液室21の底面で吐出液室21の内部に接続され、小孔42によってノズル孔22が形成される。
吐出液室用レジスト膜50を剥離すると、同図(e)の符号60に示すように、表面処理対象基板が得られる。
<表面処理工程>
表面処理対象基板60の表面を露出させた状態で、熱酸化炉内に搬入し、表面処理対象基板60表面を酸化させると、図7(f)に示すように、表面処理対象基板60表面に下地酸化膜31が形成される。ここでは、下地酸化膜31は厚さ100nmのシリコン酸化物(SiO2)の薄膜である。
下地酸化膜31は、表面処理対象基板60の表面や裏面の他、吐出液室21の内壁面やノズル孔22の内壁面にも形成される。
次に、下地酸化膜31が形成された状態の表面処理対象基板60を、ノズル孔22の開口が位置する表面を上にしてスピンナー上に水平に配置し、水平面内で回転させながら、上方から多孔質膜原料液を垂らし、表面処理対象基板60のノズル孔22の開口側の下地酸化膜31の表面に多孔質膜原料液の層を形成した後、焼成すると、図7(g)に示すように、下地酸化膜31の表面に多孔質膜32が形成される。この図7(g)では、多孔質膜32表面の微細凹凸は省略されている。
図8(a)は、多孔質膜32の表面を示す平面図であり、同図(b)は断面図である。
次に、有機フッ素化合物を含有する撥液膜原料液を、ノズル孔22の開口(吐出口23)が位置する表面の多孔質膜32に薄く付着させ、多孔質膜32表面の微細凹凸を反映した撥液膜原料液層を形成した後、乾燥し、加熱処理すると、図8(c)に示すように、多孔質膜32の表面に、多孔質膜32の微細凹凸が反映された撥液膜33が形成される。
図7(h)は、その撥液膜33が形成された表面処理対象基板60を模式的に示しており、撥液膜33表面の微細凹凸は省略されている。
表面処理対象基板60を撥液膜原料液中に浸漬した場合、撥液膜33は、表面処理対象基板60の表面及び裏面と、吐出液室21やノズル孔22の内部表面にも形成されてしまう。
表面処理対象基板60の表面のうち、吐出口23が形成された面の多孔質膜32と撥液膜33は残し、ノズル孔22内部や吐出液室21内部の撥液膜33を除去するために、撥液膜33が形成された表面処理対象基板60をエッチング装置の真空槽内に搬入し、台上に、表面処理対象基板60の表面を密着して配置し、吐出液室21内部を上方に向け、真空槽内に酸素ガスを導入して酸素ガスプラズマを発生させると、同図(i)に示すように、吐出液室21内部やノズル孔22の内部に形成された撥液膜33がプラズマと接触し、除去される。表面処理対象基板60表面の撥液膜33はプラズマと接触せずに残る。
無機基板30がシリコン基板で構成される場合、シリコン基板の表面には、熱酸化法によって下地酸化膜31が形成されており、その下地酸化膜31は、表面処理対象基板60の表面及び裏面と、吐出液室21やノズル孔22の内部表面にも形成されており、プラズマによっては除去されず、吐出液室21の内部表面や、ノズル孔22の内部表面に残り、親液性が維持される。
この表面処理対象基板60を真空槽内から取り出し、ハイドロフルオロエーテル溶液(住友3M社製のノベックHFE−7100)で超音波洗浄を行った後、同図(j)に示すように、裏面側パネル70を取付、吐出液室21の、ノズル孔22とは反対側の開口を塞ぐと、吐出ヘッド20が得られる。
上記方法にて得られたパーフルオロアルキル基から構成される撥液膜33を修飾した多孔質SiO2膜32を純水にて接触角を測定したところ、130度以上の値を示し、十分な撥液性が満たされる。
また、作製した吐出ヘッド20を用いてインクを3pLずつ滴下して評価を行ったところ、十分な位置精度と吐出量のおよび液滴特性の精度を得ることができ、また経時劣化に関しても従来のものに対して優位性が確認できる。
上記多孔質膜32は、下記実施例に記載した工程で形成することができ、いずれの多孔質膜32も図8(a)、(b)に示すような微細凹凸を有している。
また、上記撥液膜33は、下記実施例に記載した工程で形成することができ、いずれの撥液膜33も、下層の多層膜の表面形状が反映され、図8(c)に示すように、撥液膜33の表面には微細凹凸が形成されている。
また、表面処理対象基板60は、上記のようにシリコン基板に限定されるものではなく、下記実施例に記載したように、ガラス基板によっても形成することができる。
<多孔質膜1>
多孔質膜原料液として、有機シランであるTEOS1モルに対して、H2O12モル、エタノール15モル、硝酸0.7モル、界面活性剤としてn−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(関東化学(株)製、商品名:CTAC1)0.3モルを添加した原料液を用いた。
多孔質膜原料液層は、大気中で250℃に昇温させた後、100〜10-5Paの圧力下において、1時間かけて250℃から400℃に昇温させ、400℃を30分間維持した。その結果、多孔質膜原料液中に含まれる反応物質が反応してSiO2が生成されると共に、溶剤(エタノール)や界面活性剤等が蒸発することで空孔が形成され、SiO2膜から成る多孔質膜32が形成された。
スピンナーの回転速度は、3000回転/分とした。
なお、焼成の際の昇温速度は特に制限されるものではないが、得られた多孔質膜32の膜荒れが少なく、リーク電流も小さな値となるような範囲であればよい。また、真空焼成中の保持時間は膜構造の破壊が生じない範囲であればよい。
<多孔質膜2>
多孔質膜原料液として、0.8Mの酢酸クロム(III)溶液(関東化学社製)と直径0.3μmの樹脂粒子(ここではポリスチレンビーズ(Polyscience社製))が1重量%のとなるような混合水溶液を用いた。
スピンコートによって形成した多孔質膜原料液の層は、先ず、100℃で1時間の第一加熱処理によって乾燥し、樹脂粒子が分散された酸化物膜(ここでは酸化クロム膜)を形成した。
次いで、400℃で2時間の第二加熱処理を行うと、樹脂粒子が燃焼して除去され、図8(a)の表面図、同図(b)の断面図に示すように、樹脂粒子が抜けた後の孔35(こ空孔35は、樹脂粒子と同直径である)を有する多孔質構造の酸化物膜(ここでは酸化クロム膜)から成る多孔質膜32が形成された。
樹脂粒子の直径は、少なくともノズル孔22の直径よりも小さく、樹脂粒子によってノズル孔22が閉塞されないようにするためには、樹脂粒子の直径は、ノズル孔22の直径の0.2倍以下の大きさにすることが望ましい。
次いで、吐出液室21側から酸素プラズマを照射し、吐出液室21やノズル孔22の内壁に付着している余剰の多孔質膜32を除去した。
なお、さらに、ハイドロフルオロエーテル溶液である住友3M社製のノベックHFE−7100(登録商標)で超音波洗浄を行うことが望ましい。
ここでは多孔質膜32の厚さは0.19μmであった。
<多孔質膜3>
多孔質膜原料液として、1Mの酢酸亜鉛二水和物(関東化学社製)に樹脂粒子(ここでは、1.5重量%の直径が1μmのポリスチレンビーズ(JSR(株)社製))が分散された水溶液を用いた。
多孔質膜液の層は、100℃で1時間の加熱処理を行い、溶媒および含有物を蒸発させ、樹脂粒子が埋設された金属酸化物膜(ここでは酸化亜鉛の膜)を形成した後、400℃で2時間の加熱処理を行い、樹脂粒子を焼結させ、除去すると、多孔質構造の酸化亜鉛膜から成り、表面に微細凹凸を有する多孔質膜32が得られる。
一例として、厚さ約0.73μmの多孔質膜32が得られている。
<撥液膜1>
撥液膜33の原料液として、1モルのフルオロアルキルシランC817CH2CH2Si(OCH33に対して10モルのSi(OC254、1モルのγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、38モルのメタノール、20モルの水、20モルの酢酸の混合液を用いた。
撥液膜原料液層は、1時間自然乾燥させた後、120℃、1時間の条件で加熱処理を行った。その結果、多孔質膜32(多孔質SiO2膜)はパーフルオロアルキル基を含むポリマーで修飾され、多孔質膜32表面に、多孔質膜32の表面の微細凹凸が反映された撥液膜33が形成された。
<撥液膜2>
真空蒸着装置の真空槽内にフルオロアルキルシランであるC817CH2CH2Si(OCH33を配置しておき、表面に微細凹凸を有する多孔質膜32が形成された表面処理対象基板60をその真空槽内に搬入し、真空槽内にH2Oガスを導入し、10Paの圧力にした状態で、C817CH2CH2Si(OCH33を加熱し、蒸気を放出させる。
817CH2CH2Si(OCH33 の蒸気を、吐出口23が位置する表面に形成された多孔質膜32表面に到達させると、撥液膜33の原料層が形成される。
この原料層を20分間成長させた後、10分間真空槽内で放置し、さらに、10分間、同じ条件で撥液膜33の原料層を成長させ、10時間真空槽内で放置した後、120℃で2時間加熱処理をすると、フルオロアルキルシランから成る撥液膜33が多孔質膜32表面に形成され、下層の多孔質膜32の微細凹凸が反映された撥液膜33が得られる。
例えば、酸化クロム膜から成る多孔質膜32の表面に、その撥液膜33を形成すると、酸化クロム膜の表面がフルオロアルキルシランで修飾され、撥液膜33が得られる。
<撥液膜3>
多孔質膜32が形成された表面処理対象基板60を、パーフルオロアルキル基を有するポリエーテル(ダイキン工業(株)社製登録商標「オプツールDSX」)をフッ化炭素系溶媒に10倍に希釈した溶液に浸漬し、多孔質膜32の表面に撥液膜33の原料層を形成した後、加熱し、パーフルオロアルキル基含有ポリマーから成る撥液膜33を形成した。
<無機基板>
本発明に用いる無機基板30は、シリコン基板に限定されず、パイレックス(コード7740)(登録商標:コーニングインターナショナル株式会社製)等のガラス基板を用いることができる。厚さは0.15mm程度である。
先ず、スパッタリング法により、シリコン薄膜から成る吐出液室用レジスト膜50を両面に成膜し、片面のレジスト膜をパターニングし、吐出液室21が形成されるべき位置に開口を配置し、バッファードフッ酸溶液に浸漬し、等方性ウェットエッチングを行ない、吐出液室21を形成する。
次いで、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド溶液に浸漬し、シリコン薄膜から成る吐出液室用レジスト膜50を除去する。
次いで、吐出液室21とは反対側の面に、スパッタリング法によって、Cr薄膜を成長させ、Cr薄膜をリソグラフィーによってパターニングし、ノズル孔用レジスト膜40を形成する。
このノズル孔用レジスト膜40は、吐出液室21の真裏位置に開口を有しており、ノズル孔用レジスト膜40をマスクとしてドライプロセスによる異方性エッチングを行ない、ノズル孔22を形成すると、図8(e)に示したような、表面処理基板60が得られる。
<多孔質膜4>
多孔質膜原料液として、1Mの酢酸アルミニウムn水和物(塩基性)(関東化学社製)に、樹脂粒子(ここでは2.5重量%の直径が1μmのポリスチレンビーズ(Polyscience社製))が分散された水溶液を用い、実施例2と同じ条件で、実施例7の表面処理基板60の表面に多孔質膜原料液の層を形成した。
多孔質膜原料液の層は、100℃で1時間の加熱処理を行い、溶媒および含有物を蒸発させ、樹脂粒子が埋設された金属酸化物膜(ここでは酸化アルミニウムの膜)を形成した後、400℃で2時間の加熱処理を行い、樹脂粒子を焼結させ、除去すると、多孔質構造の酸化アルミニウム膜から成り、表面に微細凹凸を有する多孔質膜32が得られる。一例として、厚さ約0.67μmの多孔質膜32が得られている。
尚、無機基板30の種類と、多孔質膜32及び撥液膜33の組合せは特に限定されず、例えば、シリコン基板を用いた表面処理対象基板60表面に、実施例8の多孔質膜32を形成してもよいし、パイレックスガラスを用いた表面処理基板60表面に、実施例1〜3の多孔質膜32と実施例4〜5の撥液膜33を形成してもよい。更に、実施例1〜3の多孔質膜32と実施例4〜6の撥液膜33との組合せも特に限定されない。
上述したシリコン基板やパイレックスガラスの他、本発明の無機基板30には、パイコールガラス(登録商標)、ULE(登録商標)、イーグル2000(登録商標)、TEMPAX FLOAT(登録商標)といった石英ガラス、窒化シリコンといった無機材料を用いることができる。
ノズル孔22は、ウェットエッチでも、ドライプロセスによるエッチングでも形成することができる。
本発明は、金属酸化物(シリコン酸化物を含む)の多孔質膜32を形成した後、この多孔質膜32のヒドロキシ基に結合する構造を持つパーフルオロアルキル基を持つポリマーやフルオロアルキルシランを形成し、多孔質膜32の表面に、フッ素含有有機膜から成る撥液膜33を形成するものであり、多孔質膜32と撥液膜33の間の結合が強いので、物理的な磨耗に対する耐久性が確保できる。
SiO2膜から成る多孔質膜32の製造方法は、水とアルコールを含む溶媒とする有機シラン溶液を用いて、酸またはアルカリ触媒により有機シランを加水分解およびオリゴマー化し、この有機シラン溶液に界面活性剤を添加したものを基板上に塗布し、界面活性剤存在下で加熱処理して、含有される水、アルコール、界面活性剤を蒸発させ、形成することができる。
その場合に用いる有機シランとしては、テトラエチルオルソシリケート(TEOSと省略)、テトラメトキシシラン(以下TMOS)などのような加水分解が可能な有機オキシシランであればよい。
アルコールは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒であれば良い。界面活性剤は陽イオン性界面活性剤、特にラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルエチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルエチルアンモニウムブロマイド、セチルジメチルエチルアンモニウムブロマイド、オクタデシルジメチルエチルアンモニウムブロマイド、またはメチルドデシルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどから選ばれたハロゲン化アルキルトリメチルアンモニウム系陽イオン性界面活性剤であることが好ましい。また、加水分解触媒として用いる酸もしくはアルカリ試薬は硝酸、硫酸、塩酸などの無機酸、ギ酸などの有機酸、アンモニアなどのアルカリを用いることができる。
SiO2膜から成る多孔質膜32を得るための有機シラン溶液の組成としては、有機シラン1モルに対して、水8〜15モル、界面活性剤0.1〜0.4モル、酸加水分解またはアルカリ加水分解のための酸やアルカリ0.5〜1.5モルを用いることが好ましい。水が8モル未満であると有機シランの加水分解反応に時間がかかり、15モルを超えるとSiO2の固体が析出する。界面活性剤が0.1モル未満であると十分な多孔質構造が得られず、0.4モルを超えると膜質が悪くなる。酸やアルカリが0.5モル未満であると所定の反応が進行せず、1.5モルを超えると有機シランが不安定化してしまう。
なお、アルコールは、反応液全体の濃度を調整するために添加されるものであり、反応液の粘性に応じて、塗布しやすいように、その量を調節して添加される。前記界面活性剤を含有する有機シラン溶液を基板上に塗布した後の加熱処理としては、主として該水およびアルコールを蒸発させるために200〜350℃の温度で加熱処理する第一加熱処理工程と、界面活性剤その他の有機物質などを蒸発させるための第二加熱処理工程からなる。前記第二処理工程としては、例えば100〜10-5Pa程度の低真空中で250〜500℃の温度とし、得られる多孔質膜32の構造が破壊されない程度の時間の処理とする。
本発明では、この多孔質構造のヒドロキシ基を用いてフルオロアルキルシラン等のフッ化炭素ポリマーを修飾するため、特開2002−164338号公報に記載されているような脱ヒドロキシ基処理は必要ない。
また、多孔質膜32は以下のような手段でも得られる。
例えばポリスチレンのような樹脂粒子を酢酸亜鉛のような金属含有溶液に所定量懸濁し、この懸濁液を表面処理対象基板60上に塗布し、加熱処理することで樹脂微粒子が燃焼除去された空間を多数有する酸化金属膜から成る多孔質膜32を得ることができる。
金属含有溶液としては酢酸亜鉛、酢酸銅(II)、酢酸アルミニウム、酢酸鉄(II)、酢酸クロム(III)溶液、酢酸ニッケル(II)四水和物、酢酸マグネシウム四水和物、硫酸亜鉛七水和物、硫酸銀、硫酸クロム(III)n水和物、硫酸チタン(IV)溶液、硫酸銅(II)五水和物、硫酸ニッケル(II)六水和物、硫酸マグネシウム七水和物、硫酸マンガン(II)五水和物といった塩を析出しない材料を用いれば、加熱処理により容易に酸化金属の膜を得る事が可能である
また、樹脂粒子としては、ポリスチレンやアクリルといった樹脂材料であれば良く、そのサイズ(直径)は50nm以上10μm以下の大きさがよい。
樹脂粒子の直径が50nm以下であると、多孔質膜32を形成した後、その表面に撥液膜33を形成する際に、フルオロアルキルシランやパーフルオロシクロポリマー等のフッ化炭素ポリで処理した際に多孔質を構成する細孔が埋まってしまう。他方、10μm以上の大きさであると、吐出液の直径と同程度の大きさになり、十分小さいとは言えなくなるので、微細凹凸による撥液特性が発揮されない。
金属含有溶液の金属濃度としては50mMから1M程度が良いが、用いる樹脂粒子のサイズとの兼ね合いで最適な濃度が決定される。金属濃度が50mM以下であると得られる酸化金属膜が薄くなってしまい多孔質構造とならないし、3M以上の濃度では樹脂粒子が埋まってしまう。例えば直径0.1μmのポリスチレンビーズを用いて酸化亜鉛の多孔質構造薄膜を作成する場合、0.25重量%濃度のポリスチレンビーズと300mMの酸化亜鉛溶液として用いれば最適である。溶媒は純水で良いが、メタノール、エタノールといったアルコール系溶媒を用いても良い。
また、用いる樹脂粒子のサイズと得られる膜の厚さはノズル孔22の開口径に比べ10分の2以下のサイズとする。これ以上の大きさを持つ撥液膜ではノズル孔22開口部の形状精度を満足させる事が難しくなるからである。
金属含有溶液と樹脂粒子との懸濁液を表面処理対象基板60の表面に塗布した後、溶媒や酢酸等を蒸発させるために100〜250℃に加熱し、次いで、樹脂粒子を焼結させるために、350〜500℃に加熱すると、表面に微細凹凸構造を有する酸化金属膜から成る多孔質膜32を得ることができる。
これらの加熱工程は大気圧でも良いが、特に、樹脂粒子を焼成する温度は真空中でもよい。
上記方法にて得られた多孔質膜32は、それだけでも十分な撥液性を得ることができるが、界面張力の低い溶媒等では微細凹凸構造だけでは十分な撥液を得ることができない虞がある。
そこで、多孔質膜32が酸化物である場合は、フッ化炭素を含むシランカップリング試薬や、フッ化炭素を含むポリマーで修飾して撥液膜33を形成し、より安定した撥液性を発現させることができる。
撥液膜33は、下記一般式(1)、
n(2n+1)CH2CH2SiX3……一般式1
〔式中、nは4〜10の整数を表し、Xは塩素原子、アルコキシ基もしくはメトキシ基を表す。〕で表されるフルオロアルキルシランを含むポリマーを微細凹凸構造を有する酸化物の表面に付着させ、多孔質膜32表面に露出するヒドロキシ基に結合させることで形成することができる。
この他にもパーフルオロシクロポリマー、パーフルオロ環状エーテル、パーフルオロポリエーテル等のパーフルオロアルキル基を含むポリマーによって撥液膜33を構成することができる。
また、液滴を吐出するために形成されたノズル孔22の内部の表面は、前記撥液膜33に比べ親液性であることとする。これは、吐出する液が十分な精度を得るためには、吐出口23近辺にまで液が充填されている必要があるためで、具体的には下地酸化膜31を形成すればよい。
この結果、吐出される液滴の位置精度および液滴特性が十分満足される吐出ヘッド20を作成することが可能となる。
本発明の吐出装置の第一例を説明するための断面図 本発明の吐出装置の第一例を説明するための平面図 第二例の吐出装置を説明するための平面図 本発明の吐出ヘッドの一例を説明するための断面図 (a):図4のI−I線切断断面図、(b):本発明の吐出ヘッドの平面図 (a)〜(e):本発明の吐出ヘッド製造方法のうち、表面処理対象基板の製造工程を説明するための断面図 (f)〜(j):本発明の吐出ヘッド製造方法のうち、表面処理工程を説明するための断面図 (a):多孔質膜の表面を説明するための平面図、(b):多孔質膜の表面を説明するための断面図、(c):撥液膜の表面を説明するための断面図
符号の説明
10…吐出装置 20…吐出ヘッド 21…吐出液室 22…ノズル孔 23…吐出口 30…無機基板 32…多孔質膜 33…撥液膜 60…表面処理対象基板

Claims (12)

  1. 吐出液室内に配置された吐出液を、前記吐出液室に接続されたノズル孔の開口である吐出口から吐出する吐出ヘッドであって、
    前記吐出口が位置する表面には表面に凹凸を有する多孔質膜が形成され、
    前記多孔質膜の表面には、前記多孔質膜の凹凸が反映された撥液膜が形成された吐出ヘッド。
  2. 前記ノズル孔は、無機基板に形成され、前記多孔質膜は、前記無機基板の表面に配置された請求項1記載の吐出ヘッド。
  3. 前記多孔質膜は金属酸化物(Si02を含む)である請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の吐出ヘッド。
  4. 前記撥液膜は、パーフルオロアルキル基を有する高分子膜である請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の吐出ヘッド。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の前記吐出ヘッドを有する吐出装置。
  6. 吐出液室内に配置された吐出液を、前記吐出液室に接続されたノズル孔の開口である吐出口から吐出する吐出ヘッドを製造する吐出ヘッド製造方法であって、
    前記吐出液室と前記ノズル孔が形成された表面処理対象基板の、前記吐出口が位置する表面に、無機薄膜の材料液に樹脂粒子が分散された多孔質膜原料液の層を形成した後、加熱して前記樹脂粒子が分散された薄膜を形成し、
    前記薄膜中の前記樹脂粒子を燃焼させて除去し、表面に凹凸を有する多孔質膜を形成し、
    前記多孔質膜の表面に撥液膜の原料液を接触させ、前記多孔質膜表面に、前記多孔質膜の凹凸が反映され、撥液性を有する撥液膜を形成する吐出ヘッド製造方法。
  7. 前記樹脂粒子が分散された薄膜を形成する際に、前記表面処理対象基板の表面上の前記多孔質膜原料液の層を、前記樹脂粒子が変形しない温度に加熱する請求項6記載の吐出ヘッド製造方法。
  8. 前記多孔質膜と前記撥液膜が形成された前記表面処理対象基板を真空槽内に配置し、前記真空槽内にプラズマを形成し、
    前記吐出液室内と前記ノズル孔内部に形成された前記撥液膜と前記多孔質膜を前記プラズマに曝し、前記吐出液室内と前記ノズル孔内の前記多孔質膜と前記撥液膜を除去する請求項6又は請求項7のいずれか1項記載の吐出ヘッド製造方法。
  9. 前記撥液膜の原料液は、パーフルオロアルキル基を有し、重合可能な有機化合物を含有する原料液を用いる請求項6乃至請求項8のいずれか1項記載の吐出ヘッド製造方法。
  10. 前記樹脂微粒子の直径が、前記ノズル孔の直径の0.2倍以下の大きさである請求項6乃至請求項9のいずれか1項記載の吐出ヘッド製造方法。
  11. 前記多孔質膜の原料液は、酢酸金属溶液であることを特徴とする請求項6乃至請求項10のいずれか1項記載の吐出ヘッド製造方法。
  12. 前記多孔質膜の原料液は、硫酸金属溶液であることを特徴とする請求項6乃至請求項10のいずれか1項記載の吐出ヘッド製造方法。
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