JP2010280069A - 液体吐出ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無機膜による撥水性および剛性力が高められた液体吐出ヘッドを、より少ない工程数や時間で製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】(1)エネルギー発生素子2が設けられた基板1上に、液体流路の型となり溶解可能な樹脂からなる液体流路型4、及び被覆樹脂層5を形成する工程と、(2)該被覆樹脂層5に、オリフィス先端に近づくにつれて小さくなるテーパ形状に吐出口7を形成する工程と、(3)前記吐出口7が形成された前記被覆樹脂層5の上に無機材料からなる無機膜11を形成する工程と、(4)前記基板1に液体供給口9を形成する工程と、(5)前記無機膜11を形成した後に、前記液体供給口9から前記液体流路型4を溶解除去する工程と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドおよびその製造方法に関する。
液体を吐出する液体吐出ヘッドを用いる例としては、インクを被記録媒体に吐出して記録を行うインクジェット記録方式が挙げられる。従来、インクジェット記録ヘッドを作製する方法としては、特許文献1に記載の方法例がある。
特許文献1に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法について、図1(A)〜(F)を参照して説明する。
まず、図1(A)に示すように、液体を吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子としての電気熱変換素子2を含む基板1上に、溶解可能な樹脂3を塗布形成する。そして、図1(B)に示すように、溶解可能な樹脂3をパターニングし、インク流路を形成するための型となるインク流路型4を形成する。インク流路型4は、例えば、溶解可能なポジ型感光性レジストをスピンコート法で成膜した後にフォトリソグラフィーの手法にてパターニングすることで形成できる。
次いで、図1(C)のように、インク流路型4上に感光性被覆樹脂層5を形成し、さらに撥水層6をスピンコート法を用いて形成する。撥水層6としてはインクに対する撥水性が求められることから、その材料となる撥水材としてはフッ素又はシリコンを含む等撥水性を有する官能基を含有するネガ型レジストが好適に用いられる。さらに、撥水材6は有機溶剤を含む有機系組成物となり、感光性被覆樹脂層5と撥水層6の塗布溶媒の選択に際しては、互いに悪影響を与えない構成をとる必要がある。
次いで、図1(D)に示すように、上記のような感光性被覆樹脂層5及び撥水層6に対して、マスク10を介してパターン露光を行い、現像することにより、インク吐出口7を形成する。
これまでの工程は、すべて従来のフォトリソグラフィー技術を用いて位置合わせが可能であり、オリフィスプレート(吐出口が形成されたプレート)を別途作製して基板1と張り合わせる方法に比べて、格段に精度を向上することができる。
次いで、図1(E)に示すように、基板1の裏面(電気熱変換素子2が配置された面とは反対側の面)にレジストパターンを形成して化学的にエッチングすることにより、インク供給口9を形成する。
最後に、図1(F)に示すように、溶剤によってインク流路型4を溶出し、インクジェット記録ヘッドを作製する。
このようにして形成したインクジェット記録ヘッドにインク供給部材を取り付け、電気熱変換素子2を駆動するための配線を電気的に接合する(不図示)。
次に、特許文献2に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法例を簡単に述べる。まず、基板上にインク流路型及び被覆樹脂層を形成する。その上に真空蒸着法やスパッタリングあるいはCVD等によって金属膜を積層し、その上にレジストを塗布して開口パターンを形成する。その後、開口パターン下の金属膜及び樹脂層をエッチングして吐出口を形成する。最後にインク流路型を溶出してインク流路を形成することで、インクジェット記録ヘッドを作製する。
また、特許文献1はノズル材がフォトレジストの樹脂構造体で構成されているのに対し、特許文献3に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法は無機材料で構成されている。その製造方法例を簡単に述べる。インク吐出圧力発生素子が形成された基体上に、溶解可能な第1の無機材料を用いてインク流路型を形成する。そして、第2の無機材料を用いてインク流路壁と吐出口を形成し、溶解可能な第1の無機材料を溶出することでインクジェット記録ヘッドを作製する。
米国特許第5478606号明細書 特開平8−281952号公報 特開2000−225708号公報
しかしながら、特許文献1の方法によれば、撥水材はフッ素やシリコン等の元素を含んだ官能基を含有し、有機溶剤を溶媒とする組成物であるため、被覆樹脂層との相溶や保護膜との密着性の面で改善の余地があり、また、製造工程における歩留まり低下などが問題となる場合があった。さらに、インク充填時の膨潤による吐出口面積の経時変化がわずかにある可能性があり、極小な液滴を吐出させる制御を有効にできない場合があった。
また、特許文献2及び3のように、ノズル部材に無機材料を使った製造方法があるが、ミクロンオーダーの構造物を形成する際の生産性の改善の余地があった。
そこで、本発明は、無機膜による撥水性および剛性力が高められた液体吐出ヘッドを、より少ない工程数や時間で製造できる製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、液体を吐出するための吐出口と、前記液体を吐出するためのエネルギー発生素子と、前記エネルギー発生素子を含み前記吐出口に連通する液体流路と、を少なくとも有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、(1)前記エネルギー発生素子が設けられた基板上に、前記液体流路の型となり溶解可能な樹脂からなる液体流路型、及び被覆樹脂層を形成する工程と、(2)該被覆樹脂層に、オリフィス先端に近づくにつれて小さくなるテーパ形状に前記吐出口を形成する工程と、(3)前記吐出口が形成された前記被覆樹脂層の上に無機材料からなる無機膜を形成する工程と、(4)前記基板に液体供給口を形成する工程と、(5)前記無機膜を形成した後に、前記液体供給口から前記液体流路型を溶解除去する工程と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法である。
本発明によれば、無機膜に吐出口を形成するためのレジストの塗布、露光、現像処理等を省略でき、少ない工程数で、表面に無機膜が形成された液体吐出ヘッドを容易に作製することができる。
従来の製造方法による液体吐出ヘッドの製造方法を説明する概略工程図である。 実施形態1における液体吐出ヘッドの製造方法を説明するための概略工程図である。 実施形態2における液体吐出ヘッドの製造方法を説明するための概略工程図である。 液体吐出ヘッドの例を示す模式的斜視図である。
以下に、本発明の好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同一の機能を有する構成には図面中同一の番号を付与し、その説明を省略する場合がある。
図4は、液体吐出ヘッドの模式的斜視図である。図4に示すように、液体吐出ヘッドは、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子(不図示)と、それに対応して液体を吐出する吐出口7が形成されている。本形態では、吐出口へと連通する液体流路(不図示)を形成する被覆樹脂層(流路形成部材)5に吐出口7を形成する部材が一体となっている。基板1としては、例えば結晶軸(100)のSiウエハを用いることができる。
また、図2、図3は図4のA−A’断面図における本発明の実施形態を説明するための工程図である。
図2及び図3に、本発明の実施形態である液体吐出ヘッドの製造方法の工程を示す。以下、本実施形態の製法ついて図2及び図3に沿って詳細に説明する。
(実施形態1)
まず、図2(A)に示すように、エネルギー発生素子2を含むシリコン製の基板1上に、溶解可能な樹脂を堆積し、該溶解可能な樹脂をパターニングすることで、インク流路(液体流路)を形成するための型となるインク流路型4(液体流路型)を形成する。エネルギー発生素子としては、例えば電気熱変換素子や圧電素子を用いることができる。電気熱変換素子が用いられる場合には、この素子が近傍の液体を加熱することにより、液体に状態変化を起こさせ吐出エネルギーを発生する。
溶解可能な樹脂としては、エネルギー発生素子2との位置関係を精度良くパターニングするために、感光性樹脂が望ましい。溶解可能な樹脂として、例えばポリメチルイソプロペニルケトン(PMIPK)(ポジ型感光性樹脂)を使用できる。溶解可能な樹脂を基板上に堆積する方法としては、例えば、適当な溶剤にこれらのレジスト材料を溶解し、スピンコート法、ロールコート法等で被膜を形成する方法がある。
次いで、図2(B)のように、インク流路型4の上に、さらにインク流路を形成する部材となる被覆樹脂層5をスピンコート法、ロールコート法等で形成する。そして、被覆樹脂層5に、マスク10を介してパターン露光を行うことにより、吐出口7を形成する。
ここで、被覆樹脂層5を形成する工程において、被覆樹脂層5の樹脂材料を溶かす溶媒としては溶解可能な樹脂からなるインク流路型4を変形させない等の特性が必要となる。すなわち、被覆樹脂層5の樹脂材料を溶剤に溶解し、これをスピンコート、ロールコート等でインク流路型4上に塗布形成する場合、インク流路型4を溶解しないように溶剤を選択する必要がある。
また、被覆樹脂層5としては、インク流路壁を構成する材料として高い機械的強度や、基板との密着性、耐溶剤性が要求される。また、吐出口とエネルギー発生素子との位置関係を精度良くパターニングするために、フォトリソグラフィーにて形成できる感光性のものが望ましい。さらに、溶解可能な樹脂からなるインク流路型4を被覆することから、それ相応の厚さでコーティングできなければならない。また、被覆樹脂層5の層厚は、吐出口7と電気熱変換素子2との距離を決定する重要な因子であるため、精度良く形成可能である材料が望ましい。このような観点から、被覆樹脂層としてはエポキシ樹脂のカチオン重合硬化物が好ましい。エポキシ樹脂のカチオン重合硬化物からなる被覆樹脂層は、優れた強度、密着性、耐溶剤性を有し、かつ優れたパターニング特性を有する。エポキシ樹脂のカチオン重合硬化物の材料としては、カチオン重合性エポキシ樹脂として、例えば下記の樹脂組成物1が挙げられる。また、下記樹脂組成物1をメチルイソブチルケトン/キシレン混合溶媒に60wt%の濃度で溶解し、スピンコートで層として形成することができる。
樹脂組成物1
名称 メーカー 重量部(wt%)
EHPE−3150 ダイセル化学(株)製 100
A−187 日本ユニカー(株)製 5
SP−170 (株)ADEKA 製 2
また、被覆樹脂層5に吐出口7を形成する際、後工程において無機膜を除去するために、吐出口はオリフィス先端に近づくにつれて小さくなるテーパ形状に形成する。吐出口をテーパ形状に形成する方法としては、特に制限されるものではないが、例えばリソグラフィー法としては投影光学の結像するフォーカス位置をずらす方法や、照明光学レンズの開口数(NA)を変えて焦点深度を調整する方法等が挙げられる。また、上記の樹脂組成物1等の被覆樹脂層の材料に光吸収剤を添加し、光強度分布の変化によりテーパ状に形成する方法もある。
次いで、図2(C)に示すように、液体供給のための開口部であるインク供給口9を基板1に、異方性エッチングにより形成する。シリコン基板のエッチング液としては例えばTMAHを用いることができる。
次いで、図2(D)のように、被覆樹脂層5の表面に無機膜11を成膜する。この際、被覆樹脂層5には既にテーパ形状の吐出口7を形成しているため、吐出口に位置するインク流路型4上にも無機膜11が一部形成される。
無機膜の成膜方法には、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等があるが、表面状態が平坦で結晶性の高い膜を形成することが望ましい。また、成膜時の温度が高くならない膜形成が望ましい。この工程で使用する無機膜は密着性、機械的強度などの観点から、被覆樹脂層5に対して線膨張係数、ヤング率、ポアソン比等が比較的近い材料が構想上望ましい。また、成膜工程においてスパッタレートの比較的早い材料が生産上望ましい。これら二点を考慮すると、無機膜の材料(無機材料)としては、SiO2、Cu、Fe、Co、Ni、Rh、Ir、Siなどが好ましい。
より具体的な例としては、スパッタリング法によりCr膜をスパッタレート約1020nm/minの速度で膜厚2μm成膜し、無機膜を形成することができる。また、無機膜の成膜工程は無機膜がシリコンの異方性エッチング時にTMAH等のエッチング液のダメージを受けないなら、インク供給口形成前に行っても何ら問題はない。
最後に、図2(E)に示すように、溶剤によって溶解可能なインク流路型4を溶出する。この際、インク流路型4上に形成されていた無機膜は主にインク供給口9から除去される。したがって、インク流路型の上に形成された無機膜の一部がインク供給口から容易に除去できるようにするため、吐出口の開口面積(上部開口の面方向の断面積)はインク流路(液体流路)及びインク供給口(液体供給口)の断面積よりも小さいことが望ましい。
また、インク流路型4を溶出した後、被覆樹脂層5をインク流路壁の構造材料としてプリンタの使用環境に耐えうるため、光又は熱で硬化させることができる。
溶出は、溶剤に浸漬したり、溶剤をスプレーにて拭きつけたりすることによって容易に行うことができる。また、超音波等を併用すれば、さらに溶出時間を短縮できる。さらに、溶解可能な樹脂の種類によっては光を照射させるとより溶解されやすくなるが、照射は無機膜を成膜する前に行うことが好ましい。
このようにして形成されたインクジェット記録ヘッドに対して、インク供給のためのインク供給部材の取り付けや、電気熱変換素子2を駆動するための電気配線部材の電気的接合(図示せず)を行う。
本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法により、無機膜に吐出口を形成するためのレジストの塗布、露光、現像処理等を省略でき、少ない工程数で、表面に無機膜が形成されたインクジェット記録ヘッドを容易に作製することができる。
(実施形態2)
まず、図3(A)に示すように、エネルギー発生素子2を含むシリコン製の基板1上に、インク流路および発泡室を形成するためのインク流路壁12を形成する。
インク流路壁12となるレジスト材料としては流路壁の構造材料としての高い機械的強度や、基板1との密着性、耐溶剤性が要求される。また、電気熱変換素子2との位置関係を精度良くパターニングするためにフォトリソグラフィーにて形成できる感光性のものが望ましい。具体的にはネガ型レジスト(ネガ型感光性樹脂)が挙げられる。
このような観点から、インク流路壁(液体流路壁)としてはエポキシ樹脂のカチオン重合硬化物が好ましい。エポキシ樹脂のカチオン重合硬化物からなるインク流路壁は、優れた強度、密着性、耐溶剤性を有し、かつ優れたパターニング特性を有する。エポキシ樹脂のカチオン重合硬化物の材料としては、例えば上記の樹脂組成物1が挙げられる。また、樹脂組成物1をメチルイソブチルケトン/キシレン混合溶媒に60wt%の濃度で溶解し、スピンコートで形成することができる。
次いで、図3(B)のように、上記インク流路壁12の上に溶解可能な埋め込み材13を堆積させる。溶解可能な埋め込み材13を形成する工程において、溶解可能な埋め込み材に用いる溶剤としてはインク流路壁12を変形させない等の特性が必要になる。すなわち溶解可能な樹脂を溶剤に溶解し、これをスピンコート、ロールコート等でインク流路壁12上に形成する場合、インク流路壁12を溶解しないような溶剤を選択する必要がある。また溶解可能な埋め込み材13はインク流路壁12への埋め込み性の良いものが望ましい。例えばポリメチルイソプロペニルケトン(PMIPK)(ポジ型感光性樹脂)を溶解可能な埋め込み材として用いることができる。
次いで、図3(C)のように、堆積した溶解可能な埋め込み材13の上面を、化学的若しくは機械的研磨により、インク流路壁12の上面が露出するまで研磨し、平坦化し、インク流路型4を形成する。化学的若しくは機械的研磨の際には、研磨面でのスクラッチ(微小キズ)やディシング(凹凸)の発生を防止または抑制するために、圧力、回転数、研磨砥粒(アルミナ、シリカなど)等の研磨条件を最適化することが望ましい。
次いで、図3(D)のように、インク流路壁12とインク流路型4上に、さらにオリフィスプレートとなるオリフィス層14をスピンコート法、ロールコート法等で形成する。そして、オリフィス層14に、マスク10を介してパターン露光を行うことにより、吐出口7を形成する。吐出口7を形成する際、後工程において無機膜を除去するために、吐出口はオリフィス先端に近づくにつれて小さくなるテーパ形状に形成する。なお、インク流路壁12とオリフィス層14は、実施形態1における被覆樹脂層5に相当する。
オリフィス層14としては、インクジェットノズルの構造材料としての高い機械的強度、インク流路壁12との密着性と耐溶剤性が要求される。また、吐出口とエネルギー発生素子2との位置関係を精度良くパターニングするためにフォトリソグラフィーにて形成できる感光性のものが望ましい。さらに、インク流路型4を溶解しないような溶剤を選択しなければならない。また、インク流路壁12と同一材料を用いることができ、上記の条件を満たす材料であれば何ら問題はない。
また、後工程で無機膜を除去するために、吐出口をオリフィス先端に近づくにつれて小さくなるテーパ形状に形成する。
次いで、図3(E)に示すように、液体供給のための開口部であるインク供給口9を基板1に、TMAH等のエッチング液によるシリコンの異方性エッチングにより形成する。
次いで、図3(F)に示すように、オリフィス層14の表面に無機膜11を成膜する。無機膜の成膜方法には、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等があるが、表面状態が平坦で結晶性の高い膜を形成することが望ましい。また、成膜時の温度が高くならない膜形成が望ましい。この工程で使用する無機膜は密着性、機械的強度などの観点から、オリフィス層に対して線膨張係数、ヤング率、ポアソン比等が比較的近い材料が構造上望ましい。また成膜工程においてスパッタレートの比較的早い材料が生産上望ましい。上記の二点を考慮すると、無機膜の具体的な材料としてはSiO2、Cu、Fe、Co、Ni、Rh、Ir、Siなどが挙げられる。
より具体的な例としては、例えば、スパッタリング法によりCr膜をスパッタレート約1020nm/minの速度で膜厚2μm成膜することができる。また、無機膜の成膜工程は、無機膜がシリコンの異方性エッチング時にTMAHのダメージを受けないなら、インク供給口形成前に行っても何ら問題はない。
最後に、図3(G)に示すように、溶剤によって溶解可能なインク流路型4を溶出する。この際、インク流路型4上の一部に形成されていた無機膜は主にインク供給口9から除去される。
また、インク流路型4を溶出した後、インク流路壁12及びオリフィス層14をインク流路壁の構造材料としてプリンタの使用環境に耐えうるため、光および熱で硬化させることができる。
溶出は、溶剤に浸漬したり、溶剤をスプレーにて拭きつけたりすることによって容易に行うことができる。また、超音波等を併用すれば、さらに溶出時間を短縮できる。さらに、溶解可能な樹脂の種類によっては光を照射させるとより溶解されやすくなるが、照射は無機膜を成膜する前に行うことが好ましい。
このようにして形成されたインクジェット記録ヘッドに対して、インク供給のためのインク供給部材の取り付けや、電気熱変換素子2を駆動するための電気配線部材の電気的接合(図示せず)を行う。
以上の説明では、本発明の適用例として、インクジェット記録ヘッドを例に挙げて説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、例えばバイオッチップや電子回路印刷用の液体吐出ヘッドにも適用できる。
また、本発明により製造された液体吐出ヘッドは、ファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置、さらには各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に搭載可能である。例えば、バイオッチップ作成や電子回路印刷、薬物を噴霧状に吐出するなどの用途にも用いることができる。
そして、この液体吐出ヘッドを用いることによって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど種々の記録媒体に記録を行うことができる。なお、本明細書内で用いられる「記録」とは、文字や図形などの意味を持つ画像を記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味することとする。
さらに、「液体」とは、広く解釈されるべきものであり、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成、記録媒体の加工、或いはインク、または記録媒体の処理に供される液体を言うものとする。ここで、インクまたは記録媒体の処理としては、例えば、記録媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化による定着性の向上や、記録品位ないし発色性の向上、画像耐久性の向上などのことを言う。
1 基板
2 エネルギー発生素子
3 溶解可能な樹脂
4 インク流路型
5 被覆樹脂層
6 撥水層
7 吐出口
9 インク供給口
10 マスク
11 無機膜
12 インク流路壁
13 溶解可能な埋め込み材
14 オリフィス層

Claims (7)

  1. 液体を吐出するための吐出口と、前記液体を吐出するためのエネルギー発生素子と、前記エネルギー発生素子を含み前記吐出口に連通する液体流路と、を少なくとも有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    (1)前記エネルギー発生素子が設けられた基板上に、前記液体流路の型となり溶解可能な樹脂からなる液体流路型、及び被覆樹脂層を形成する工程と、
    (2)該被覆樹脂層に、オリフィス先端に近づくにつれて小さくなるテーパ形状に前記吐出口を形成する工程と、
    (3)前記吐出口が形成された前記被覆樹脂層の上に無機材料からなる無機膜を形成する工程と、
    (4)前記基板に液体供給口を形成する工程と、
    (5)前記無機膜を形成した後に、前記液体供給口から前記液体流路型を溶解し除去する工程と、
    を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記工程(3)において前記無機膜を形成する際、前記吐出口に位置する前記液体流路型の上に前記無機膜の一部が形成される請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記吐出口の開口面積は、前記液体流路及び前記液体供給口の断面積よりも小さい請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記工程(1)において、前記液体流路型は、前記溶解可能な樹脂として感光性樹脂を前記基板の上に塗布してパターニングすることにより形成される請求項1乃至3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記工程(1)において、前記被覆樹脂層は、前記液体流路型の上に該カチオン重合性エポキシ樹脂を塗布して形成される請求項1乃至4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 前記被覆樹脂層は液体流路壁及びオリフィスプレートから構成され、
    前記工程(1)は、
    前記エネルギー発生素子が形成された基板上に、ネガ型レジストを塗布しパターニングし、前記液体流路壁を形成する工程と、
    前記溶解可能な樹脂を前記液体流路壁の上に堆積する工程と、
    前記溶解可能な樹脂を前記液体流路壁の上面が露出するまで研磨し、前記液体流路型を形成する工程と、
    該液体流路型及び前記液体流路壁の上にカチオン重合性エポキシ樹脂からなる前記オリフィスプレートを形成する工程と、
    を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記溶解可能な樹脂は、ポジ型感光性樹脂である請求項1乃至6のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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