JP2008213159A - 吐出ヘッド、吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期にわたって高精度で液滴を吐出できる吐出ヘッド及び吐出装置、その吐出ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】ノズル孔22はシリコン基板やガラス基板等の無機基板に形成されるので、位置精度が高いだけではなく、耐久性も高い。吐出ヘッド20の吐出口23が位置する表面には、ダイヤモンド薄膜32が形成されているので、吐出ヘッド20の耐久性が高いだけでなく、撥液性も高い。吐出液が吐出ヘッド20表面で広がらないので、吐出液の吐出精度が高い。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット記録方式に代表されるような液滴を吐出し、吐出対象物に液滴を着弾させる吐出ヘッドと、その吐出ヘッドを用いた吐出装置、その吐出ヘッド製造方法に関する。
微量の液滴を吐出するための吐出装置は、所謂インクジェット装置と呼ばれており、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録(形成)や、液晶装置、その他の電子機器を製造するために用いられている。また、近年では、特許公開2000−270896やPCT公開公報WO95/25116に記載されているように生体物質を網羅的に解析するためのマイクロアレイ作製方法のためのインクジェットにも応用されている。
吐出ヘッドは、少なくとも液滴を吐出するためのノズル孔と、このノズル孔に繋がり吐出液を溜め込んでおくための液室と、この液室に圧力をかけるための圧力機構を備えており、圧力機構を動作させ、液室内に充満された吐出液を加圧することで、ノズル孔の開口部から液滴が吐出するように構成されている。
ノズル孔を形成する基材としては、ステンレス(SUS)、ニッケル、シリコンといった無機材料やポリイミド、ポリサルフォン等の樹脂材料が用いられている。
上記のような基材を単独で用いるほか、ノズル孔の開口部分の精度を向上させるために、基材が穴径の精度を保つ層と高い剛性を保つ層との二層構造である場合がある(特開平10−119300)。
ノズル孔を形成する加工手段としては、打ち抜き、ウェットエッチング、ドライエッチング、レーザー加工、電鋳等の手段が用いられている。
液室に圧力をかけるための圧力機構としては、圧電素子等の電気機械変換素子、ヒータ等の電気熱変換素子、電極などの静電気力発生手段などからなるエネルギー発生手段(アクチュエータ素子)が用いられている。プリンタの場合は画像情報に対応する位置にあるノズル孔から液滴を吐出させるために、そのノズル孔に設けられた圧力機構を動作させることで、液滴を吐出すべき位置のノズル孔から、吐出液を液滴にして吐出するようになっている。
上記のような液滴は、量や吐出方向が、ノズル孔の開口部の形状や大きさに影響されるばかりでなく、吐出ヘッド表面に吐出液が付着した場合、ノズル孔から吐出される吐出液が吐出ヘッド表面に付着した吐出液と接触すると、吐出される液滴の吐出方向や液滴量が変わってしまう等の不都合が生じる。
そこで従来技術でも、吐出ヘッドのノズル孔の開口が位置する表面に、撥液性(撥液性および撥インク性)の薄膜を形成したり、撥液性を持たせる表面処理を行い、ノズル孔の開口付近に吐出液が付着しないようにした技術が知られている。
例えば、シリコン系もしくはフッ素系撥液剤を塗布する方法(特開昭55−65564号公報、特開平9−76512号公報)、フッ化炭素を含むシランカップリング剤を用いて表面処理を行う方法(特開昭56−89569号公報、特開平10−176139号公報)、フッ素系化合物やシラン系化合物のプラズマ重合による撥液性皮膜を形成する方法(特開昭64−87359号公報参照)、フッ素系高分子の撥液膜を形成する方法(特開平7−125220号公報、特開平8−244235号公報、特開2002−20697)等がある。
しかし、液滴吐出ヘッドの高集積化や液滴の吐出位置の高精度化に伴って、いくつかの課題が生じている。
液滴の吐出口であるノズル孔の加工手段として打ち抜き、電鋳等の穴開け工法を用いると要求される精度を満足させることは困難である。レーザーによる穴加工では、高精度の加工が達成されるが、実用的な基材はポリイミド等の樹脂部材に限られてしまう。
ところが、樹脂基材を用いた場合、剛性が低いために液室内の圧力変動が吸収され、噴射効率が低下し吐出不良の原因になる。
剛性の高い基材と張り合わせた物を液滴吐出ヘッドとして用いた場合は、各基材をアッセンブルする際に吐出口の位置精度が低下してしまう。
他方、吐出ヘッド表面に撥液性を持たせる場合、従来の単分子膜や薄膜では塗布性や接着性および機械的耐久性や化学的変質性が得られることが難しく、撥液の再処理が必要となってしまう。
また、液晶パネル用のスペーサ形成を形成する際、スペーサ粒子が水系溶剤に分散された吐出液を用いるが、このような吐出液を用いると、吐出ヘッドを拭って清掃する際に、表面に付着したスペーサ粒子で吐出ヘッドが擦れ、傷つくことがある。
このような用途に用いる吐出ヘッドには特に高い機械的強度が要求されるが、従来の吐出ヘッドには、このような用途に十分な機械的強度を有するものがなかった。
特開2000−270896号公報 国際公開第95/25116号公報 特開平10−119300号公報 特開昭55−65564号公報 特開平9−76512号公報 特開昭56−89569号公報 特開平10−176139号公報 特開昭64−87359号公報 特開平7−125220号公報 特開平8−244235号公報 特開2002−20697号公報
本発明は、長期にわたって高精度で液滴を吐出できる吐出ヘッドと、その吐出ヘッドを用いた吐出装置、その吐出ヘッド製造方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明は、吐出液室内に配置された吐出液を、前記吐出液室に接続されたノズル孔の開口である吐出口から吐出する吐出ヘッドであって、前記吐出口が位置する表面にはダイヤモンド薄膜が形成された吐出ヘッドである。
本発明は吐出ヘッドであって、前記ノズル孔は、無機基板に形成され、前記ダイヤモンド薄膜は、前記無機基板の表面に配置された吐出ヘッドである。
本発明は吐出装置であって、吐出液供給系と、前記吐出ヘッドを有し、前記吐出液供給系は、前記吐出液を前記吐出液室に供給するように構成された吐出装置である。
尚、本発明でダイヤモンド薄膜とは、ダイヤモンドライクカーボン薄膜を含む。
本発明は上記のように構成されており、吐出ヘッドの表面にはダイヤモンド薄膜が形成されている。ダイヤモンド薄膜は吐出ヘッドの構成材料よりも機械的強度が高く、化学的に安定している。
従って、本発明の吐出ヘッドは耐久性が高く、このダイヤモンド薄膜を撥液被膜として備えることで、安定した液滴吐出ノズルを提供する事が可能となる。
ダイアモンド薄膜は、従来の化学気相蒸着法の手段を用いる事で容易に作製する事が可能である。
また、ダイアモンド薄膜はArと酸素の混合ガスもしくはその他のガスによるプラズマエッチングが可能であるので、微細な加工も容易に実現できる。従って、無機基板の表面にダイヤモンド薄膜を成膜した後に、ノズル孔や吐出液室をエッチングで形成することができる。
ノズル孔の内壁面と吐出液室の内壁面は、ダイヤモンド薄膜に比べて吐出液に対する親液性を高くする必要がある。吐出液の吐出精度を高めるためには、吐出口近辺にまで吐出液が充填される必要があるためである。
酸化物はダイヤモンドよりも親水性が高いので、吐出液が水を含有する場合には、吐出液室の内壁とノズル孔の内壁に酸化物を露出させれば、親液性が高くなる。
吐出液室とノズル孔が形成される無機基板が酸化物(例えばガラス)で構成される場合には、吐出液室とノズル孔の内壁面を露出させるだけでよい。
無機基板が酸化物以外のもの(例えばシリコン)で構成される場合には、吐出液室の内壁面とノズル孔の内壁面に酸化物膜を成膜するか、吐出液室の内壁面とノズル孔の内壁面を酸化させることで、親水性を高くすることができる。
この結果、吐出される液滴の位置精度および液滴特性が十分満足されるノズルプレートを作成することが可能となる。
本発明では、剛性基材を用いるのでノズル孔の位置精度は高い。また、剛性を有する材料によって吐出ヘッドを形成できるので耐久性が高い。ノズル孔が位置する表面にダイヤモンド薄膜を形成するので耐久性が高い。吐出液でノズル孔が充填され、しかも、吐出液はダイヤモンド薄膜表面で広がらないから、吐出精度が高い。
図1〜3の符号10は、本発明の一例の吐出装置であり、台11上に軸12が配置されている。軸12には、複数の吐出ヘッド20が設けられている。
図4は、吐出ヘッド20の概略断面図であり、複数の吐出液室21を有している。
各吐出液室21の底面にはφ20μmのノズル孔22が形成されており、吐出液室21の内部は、ノズル孔22によって、吐出ヘッド20の外部雰囲気に接続されている。
図5(b)は、吐出ヘッド20の、ノズル孔22の開口(吐出口23)が位置する表面の平面図、同図(a)は、吐出ヘッド20のI−I線切断断面図である。図4は、図5のA−A’線切断断面図に相当する。
図1に示すように、各吐出ヘッド20は、吐出口23が位置する表面を吐出装置10の台11の表面に向けられている。
図2に示すように、吐出ヘッド20は吐出液供給装置13にそれぞれ接続されており、吐出液供給装置13から供給された吐出液が、図4に示す各吐出ヘッド20の吐出液室21とノズル孔22の内部に充満するように構成されている。
吐出液室21の内部には不図示の圧力装置がそれぞれ設けられており、所望位置の吐出液室21内の圧力装置を動作させると、その吐出液室21内の吐出液は、ノズル孔22を通って台11表面に向けて吐出される。
図1に示す吐出装置10の台11上には処理対象物14(ここではガラス基板)が配置されており、吐出された吐出液は、処理対象物14の表面に着弾する。
図2において、軸12と処理対象物14は、相対的に移動可能に構成されており(ここでは、軸12が移動する。)、吐出ヘッド20は、処理対象物14の真上位置で処理対象物14と対面し、処理対象物14の所望位置に吐出液を着弾させるように構成されている。
尚、処理対象物14の所望位置の間隔と、ノズル孔22の間隔とが異なる場合には、図3に示すように、ノズル孔22が所望位置上を通るように軸12を傾けてもよい。
図4に示すように、吐出ヘッド20の吐出口23が位置する表面には、ダイヤモンド薄膜32が形成されている。
ダイアモンドは、隣接する炭素原子同士が電子を共有しあい、堅固に結合していることで物理的および化学的にとても安定しており、機械的磨耗および化学的変性に対して高い耐性を有する。
また、ダイヤモンド薄膜は、シリコン基板やガラス基板等の吐出ヘッド20の製造に用いられる無機基板よりも撥液性が高いので、吐出液は表面張力で球状に収縮し、ダイヤモンド薄膜32の表面に拡がらない。従って、この吐出ヘッド20表面には吐出液が付着しない。
次に、吐出ヘッド20の製造工程を説明する。
<第一例の製造工程>
図6(a)の符号30は、シリコン基板やガラス基板等からなる無機基板を示している。
図6(a)に示すように、無機基板30の表面に、CVD法によってダイヤモンド薄膜32を形成し、次いで、同図(b)に示すように、ダイヤモンド薄膜32の表面に無機レジスト膜36を配置する。ここでは無機レジスト膜36はSiO2膜であり、CVD法によって成膜される。
次に、同図(c)に示すように、無機レジスト膜36の表面に、パターニングした有機レジスト膜38を配置する。
有機レジスト膜38は、例えば、無機レジスト膜36表面に形成した感光性樹脂の層をリソグラフィー法によりパターニングして形成される。
この有機レジスト膜38は、ノズル孔22が形成される位置に開口39が形成されており、ドライエッチング装置によって開口39底面の無機レジスト膜36を除去し、同図(d)に示すように、有機レジスト膜38と同じ形状に無機レジスト膜36をパターニングし、有機レジスト膜38を除去した後、ドライエッチングによって無機レジスト膜36の開口37底面に露出するダイヤモンド薄膜32をエッチングすると、同図(e)に示すように、ダイヤモンド薄膜32には、ノズル孔22が形成される位置に開口33が形成される。
次に、同図(f)に示すように、無機レジスト膜36の表面に、ダイヤモンド薄膜32の開口33上に開口を有する有機レジスト膜26を形成し、ダイヤモンド薄膜32の開口33及び無機レジスト膜36の開口37と、有機レジスト膜26の開口を連通させる。
同図(f)の符号27は連通する開口を示しており、ドライエッチングによって開口27底面に露出する無機基板30をエッチングし、有機レジスト膜26を除去すると、図7(g)に示すように、有底の小孔42が形成される。
次に、同図7(h)に示すように、この状態の無機基板30の裏面に、吐出液室21の位置に開口29を有する有機レジスト膜28を形成し、エッチングし、同図(i)に示すように、有底の吐出液室21を形成する。この吐出液室21の底面は、小孔42の底面に達しており、小孔42内部と吐出液室21とが連通し、小孔42の残部によってノズル孔22が形成される。同図(i)の符号60は無機基板30にノズル孔22と吐出液室21が形成された状態のヘッド本体を示している。
ヘッド本体60の吐出液室21が形成された面を露出させた状態で、熱酸化炉内に搬入し、ヘッド本体60を熱酸化させ(熱酸化法)、ノズル孔22や吐出液室21内部に下地酸化膜(ここでは膜厚100nmのシリコン酸化膜、SiO2膜)31を形成した後、ダイヤモンド薄膜32表面の無機レジスト膜36を除去し、同図(j)に示すように、裏面側パネル70を取付、吐出液室21の、ノズル孔22とは反対側の開口を塞ぐと、吐出ヘッド20が得られる。
以上は、無機基板30の表面にダイヤモンド薄膜32を形成してから、ノズル孔22と吐出液室21を形成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下に、本発明第二例の製造方法について説明する。
<第二例の製造工程>
先ず、スパッタリング法により、シリコン薄膜から成る吐出液室用レジスト膜50を無機基板30の片面に成膜し、片面の吐出液室用レジスト膜50をパターニングし、吐出液室21が形成されるべき位置に開口を配置する。無機基板30がガラス基板の場合、バッファードフッ酸溶液に浸漬し、等方性ウェットエッチングを行ない、吐出液室21を形成する(図8(a))。この際、無機基板30の反対側の面を樹脂膜59で覆って保護し、ウェットエッチング後は樹脂膜49を除去する。。
次いで、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド溶液に浸漬し、シリコン薄膜から成る吐出液室用レジスト膜50を除去した後、吐出液室21とは反対側の面に、有機レジスト膜を形成し、該有機レジスト膜をリソグラフィーによってパターニングし、ノズル孔用レジスト膜40を形成する(図8(b))。
このノズル孔用レジスト膜40は、吐出液室21の真裏位置に開口を有しており、ノズル孔用レジスト膜40をマスクとしてドライプロセスによる異方性エッチングを行ない、ノズル孔22を形成すると、図8(c)に示したような、ヘッド本体60が得られる。
次に、ノズル孔用レジスト膜40を除去し、ヘッド本体60の吐出口23が位置する側の面にダイヤモンド薄膜32を形成する。
ダイヤモンド薄膜32を成膜する際に、プラズマ化した原料ガス(メタンガスや水素ガス)がノズル孔22の内部や吐出液室21内部に入り込むと、ダイヤモンド薄膜32はノズル孔22内部や吐出液21内部にも形成されてしまう。
ヘッド本体60の表面のうち、吐出口23が形成された面のダイヤモンド薄膜32は残し、ノズル孔22内部や吐出液室21内部のダイヤモンド薄膜32を除去するために、ダイヤモンド薄膜32が形成されたヘッド本体60をエッチング装置の真空槽内に搬入し、台上に、ヘッド本体60の表面を密着して配置し、吐出液室21内部を上方に向け、真空槽内に酸素ガスを導入して酸素ガスプラズマを発生させると、吐出液室21内部やノズル孔22の内部に形成されたダイヤモンド薄膜32がプラズマと接触し、余剰なダイヤモンド薄膜32が除去される。このとき、ヘッド本体60表面のダイヤモンド薄膜32はプラズマと接触せずに残る(図8(e))。
尚、無機基板30がシリコン基板で構成される場合、吐出液室21とノズル孔22を形成してから、ダイヤモンド薄膜32を形成する前、又はダイヤモンド薄膜32を形成した後に、上記第一例の製造工程と同様の熱酸化処理を行い、下地酸化膜31を形成することが望ましい。
下地酸化膜31は、ヘッド本体60の表面及び裏面と、吐出液室21やノズル孔22の内部表面にも形成されており、ダイヤモンド薄膜32を除去する際に、プラズマによっては除去されず、吐出液室21の内部表面や、ノズル孔22の内部表面に残り、親液性が維持される。
ヘッド本体60の余剰なダイヤモンド薄膜32を除去後、例えば、住友3M社製のノベックHFE7100(登録商標)を用いて超音波洗浄し、次いで、裏面側パネル70を取り付け、吐出液室21を塞ぐと吐出ヘッド80が得られる。
<実施例1>
下記に示す条件で、上述した第一例の製造工程により実施例1の吐出ヘッド20を製造した。
無機基板30:膜厚0.2mmのシリコン基板
ダイヤモンド薄膜32:膜厚150nm(CVD法)
無機レジスト膜36:膜厚300nmのSiO2薄膜(CVD法)
下地酸化膜31:膜厚100nm
ノズル孔22:φ20μm
尚、ダイヤモンド薄膜32は、非特許文献:Physical Status Solid(a)(2006)203,No.13,3245−3272に記載されたように、メタンと水素の混合ガスをプラズマ化し、無機基板30表面でダイアモンドを結晶成長させるCVD法を用いておこなった。
また、無機レジスト膜36とダイヤモンド薄膜32と無機基板30のパターニングはそれぞれエッチングガスを用いたドライエッチングである。エッチングガスとしては、無機レジスト膜36のパターニングにはArとCF4の混合ガス、ダイヤモンド薄膜32のパターニングはArとO2の混合ガス、無機基板30のパターニングにはCF6ガスをそれぞれ用いた。吐出液室21はドライプロセスの異方性エッチングにより形成した。
実施例1の吐出ヘッドを用いてインクを3pLずつ滴下して評価を行ったところ、十分な位置精度と吐出量の精度を得ることができた。また、経時変化に対する磨耗に関しても従来のものに対して優位性が認められる。
<実施例2>
下記に示す条件で、上述した第二例の製造工程により実施例2の吐出ヘッド80を製造した。
無機基板30:ガラス基板、パイレックス(コード7740)(登録商標:コーニングインターナショナル株式会社製)、膜厚0.15mm
ノズル孔22:φ30μm
ダイヤモンド薄膜32:膜厚200nm(CVD法)
尚、ダイヤモンド薄膜32は上記実施例1と同じ条件で成膜した。ノズル孔22を形成と、余剰なダイヤモンド薄膜32の除去は、それぞれエッチングガスを用いたドライエッチングである。エッチングガスとしては、ノズル孔22の形成にはArとCF4の混合ガス、ダイヤモンド薄膜32の除去にはArとO2の混合ガスを用いた。
実施例2の吐出ヘッド80を用いてインクを5pLずつ滴下して評価を行ったところ、十分な位置精度と吐出量の精度を得ることができた。また、経時変化に対する磨耗に関しても従来のものに対して優位性が認められる。
<他の実施例>
上述したシリコン基板やパイレックスガラスの他、本発明の無機基板30には、パイコールガラス(登録商標)、ULE(登録商標)、イーグル2000(登録商標)、TEMPAX FLOAT(登録商標)といった石英ガラス、窒化シリコンといった無機材料を用いることができる。
無機基板30に吐出液室21やノズル孔22を形成するときのエッチング方法も特に限定されず、ウエットもしくはドライプロセスのいずれを用いることもできる。
無機基板30の種類と、上記第一、第二例の製造工程の組合せは特に限定されず、例えば、シリコン基板を用いて第二例の製造工程で吐出ヘッド20を製造してもよいし、ガラス基板を用いて第一例の製造工程で吐出ヘッド80を製造してもよい。
ノズル孔22は、ウェットエッチでも、ドライプロセスによるエッチングでも形成することができる。
ダイヤモンド薄膜32の成膜方法は特に限定されないが、CH4と、C66と、C22とからなる炭化水素ガス群より選択される少なくとも1種類の炭化水素ガスを含有し、必要に応じてH2ガス等の添加ガスが添加された原料ガスをプラズマ化させるCVD法で成膜することができる。
以上は、ノズル孔22と吐出液室21が一体となった吐出ヘッド20、80について説明したが、その構造も特に限定されず、少なくともノズル孔22が形成されていればよい。
本発明の吐出装置の第一例を説明するための断面図 本発明の吐出装置の第一例を説明するための平面図 第二例の吐出装置を説明するための平面図 本発明の吐出ヘッドの一例を説明するための断面図 (a):図4のI−I線切断断面図、(b):本発明の吐出ヘッドの平面図 (a)〜(f):第一例の製造工程の前半を説明するための断面図 (g)〜(j):第一例の製造工程の後半を説明するための断面図 (a)〜(f):第二例の製造工程の前半を説明するための断面図
符号の説明
10…吐出装置 20、80…吐出ヘッド 21…吐出液室 22…ノズル孔 23…吐出口 30…無機基板 32…ダイヤモンド薄膜 60…ヘッド本体

Claims (3)

  1. 吐出液室内に配置された吐出液を、前記吐出液室に接続されたノズル孔の開口である吐出口から吐出する吐出ヘッドであって、
    前記吐出口が位置する表面にはダイヤモンド薄膜が形成された吐出ヘッド。
  2. 前記ノズル孔は、無機基板に形成され、前記ダイヤモンド薄膜は、前記無機基板の表面に配置された請求項1記載の吐出ヘッド。
  3. 吐出液供給系と、
    請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の前記吐出ヘッドを有し、
    前記吐出液供給系は、前記吐出液を前記吐出液室に供給するように構成された吐出装置。
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