JPH09223831A - 圧電体薄膜およびその製造法ならびにそれを用いたインクジェット記録ヘッド - Google Patents

圧電体薄膜およびその製造法ならびにそれを用いたインクジェット記録ヘッド

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JPH09223831A
JPH09223831A JP8169096A JP8169096A JPH09223831A JP H09223831 A JPH09223831 A JP H09223831A JP 8169096 A JP8169096 A JP 8169096A JP 8169096 A JP8169096 A JP 8169096A JP H09223831 A JPH09223831 A JP H09223831A
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浩 二 角
Masami Murai
井 正 己 村
Tetsuji Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な特性、例えば高い誘電率と高い圧電ひ
ずみ定数、を有する圧電体薄膜、およびアニール時にク
ラックの発生のないその製造法を提供する。 【解決手段】 本発明による圧電体薄膜は、結晶粒の平
均粒径が0.005μm以上0.2μm以下であり、か
つ薄膜断面に層状の不連続面を有さないものである。ま
た、このような圧電体薄膜は、ゾルゲル法であって、圧
電体膜を構成する金属成分のゾルと、高分子化合物とを
含んでなるゾル組成物を、基板上に塗布し、乾燥させて
膜を形成し、得られた膜を焼成して、非晶質の金属酸化
物からなる多孔質ゲル薄膜を形成する仮焼成工程と、こ
の多孔質ゲル薄膜をアニールして、該膜を結晶質の金属
酸化物からなる膜とするプレアニール工程と、上記工程
を少なくとも一回以上繰り返し、結晶質の金属酸化物の
積層膜を形成する工程と、得られた積層膜をアニールし
て、該膜中のペロブスカイト型の結晶粒を大きく成長さ
せる工程とを含んでなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、インクジェット記録装置等にアクチュエータ
ーとして用いられる圧電体薄膜に関する。
【0002】背景技術 チタン酸ジルコン酸鉛(以下、「PZT」と記すことが
ある)に代表される圧電体、強誘電体薄膜は、スパッタ
法、ゾルゲル法、CVD法、レーザアブレーション法等
で製造することができる。
【0003】特にゾルゲル法は組成制御性に優れてい
る。また、ゾル組成物の塗布と、その焼成を繰り返すこ
とで容易に薄膜を形成できるとの利点も有する。さら
に、フォトエッチング工程を用いたパターニングも可能
であり、その結果素子化も容易である。ゾルゲル法によ
り製造された圧電体薄膜を用いたインクジェット記録ヘ
ッドも提案されてる(特公平5−504740号公
報)。インクジェット記録ヘッドの圧電素子として用い
る場合、0.5μm〜20μm程度の膜厚が一般に必要
と言われている。また、インクジェット記録ヘッドの圧
電素子としては高い圧電ひずみ定数となり、そのような
高い圧電ひずみ定数を得るために700℃以上の温度で
のアニールにより結晶粒を成長させることが必要である
とされている。
【0004】しかしながら、ゾルゲル法によりある程度
の膜厚、例えば1μm以上の膜厚、の圧電体薄膜を製造
しようとする場合、ペロブスカイト構造を得るためのア
ニールの過程で膜内にクラックが発生する場合が観察さ
れた。
【0005】また、ゾルまたはゲル組成物を塗布するた
めに高温で焼成して結晶化させ、それを繰り返すことで
膜厚を大きくする方法が提案されている(例えば、Ph
i1ips J.Res.47(1993)263−2
85)。しかしながら、本発明者らの知る限りでは、こ
の方法によって得られた圧電体薄膜は層状の積層界面を
有する。このような積層界面は圧電特性には好ましいも
のではなく、また素子化のためのエッチングにおいて良
好なパターニングができない場合があった。
【0006】よって、良好な特性の圧電体薄膜およびそ
の製造法への希求が存在しているといえる。
【0007】
【発明の概要】従って、本発明は、良好な特性、例えば
高い誘電率と高い圧電ひずみ定数、を有する圧電体薄膜
およびその製造法の提供をその目的としている。
【0008】また、本発明は、アニール時にクラックの
発生がなく、また積層界面のない圧電体薄膜およびその
製造法の提供をその目的としている。
【0009】本発明者らは、今般、良好な特性の薄膜圧
電体を見出した。さらに、薄膜の形態にある圧電体に極
めて有利な圧電体組成およびその製造に好適な圧電体薄
膜の製造法を見出した。本発明はかかる知見に基づくも
のである。
【0010】よって、本発明による圧電体薄膜は、厚さ
0.5μm以上20μm以下の圧電体薄膜であって、該
薄膜が平均粒径0.005μm以上0.2μm以下の結
晶粒からなり、かつ薄膜断面に層状の不連続面を有さな
いもの、である。
【0011】本発明によれば特定組成の圧電体薄膜が提
供され、その第一の態様による圧電体薄膜はxPb(M
1/3 Nb2/3 )O−yPbZrO−zPbTiO
で表される三成分系圧電体からなり、かつ図1に示さ
れるようなその三成分系組成図において、次のA、B、
C、およびDの四点の範囲内にある組成を有する。
【0012】 A(x=0.05,y=0.40,z=0.55) B(x=0.05,y=0.60,z=0.35) C(x=0.25,y=0.30,z=0.45) D(x=0.25,y=0.50,z=0.25) また、本発明によれば別の特定組成の圧電体薄膜が提供
され、その第二の態様による圧電体薄膜はPb(1−
α)Γα[(Mg1/3 Nb2/3 )xZryTiz]O
(ここで、x,y,zはモル比を表し、x+y+z=1
である)で表され、x,y,zがこの式の三成分系組成
図において、次のA、B、C、およびDの四点の範囲内
にあり、 A(x=0.05,y=0.40,z=0.55)、 B(x=0.05,y=0.60,z=0.35)、 C(x=0.25,y=0.30,z=0.45)、 D(x=0.25,y=0.50,z=0.25)、そ
して前記式中のΓはSr、Ca、Ba、Bi、またはL
aの何れかの元素を表し、かつ前記式中のαは、0<α
≦0.2の関係を満たす任意の数である、ものである。
【0013】また、本発明の第一の態様による前記圧電
体薄膜の製造法は、ゾルゲル法による圧電体薄膜の製造
法であって、 a)圧電体膜を構成する金属成分のゾルと、高分子化合
物とを含んでなるゾル組成物を、基板上に塗布し、乾燥
させて膜を形成する工程と、 b)得られた膜を焼成して、非晶質の金属酸化物を含ん
でなる多孔質ゲル薄膜を形成する仮焼成工程と、 c)得られた多孔質ゲル薄膜をアニールして、該膜を結
晶質の金属酸化物からなる膜とするプレアニール工程
と、 d)上記工程a)、b)、およびc)を少なくとも一回
以上繰り返し、結晶質の金属酸化物の積層膜を形成する
工程と、 e)工程d)で得られた膜をアニールして、該膜中のペ
ロブスカイト型の結晶粒を大きく成長させる工程と を含んでなるもの、である。
【0014】また、本発明の第二の態様による前記圧電
体薄膜の製造法は、ゾルゲル法による圧電体薄膜の製造
法であって、 a)圧電体膜を構成する金属成分のゾルと、高分子化合
物とを含んでなるゾル組成物を、基板上に塗布し、乾燥
させて膜を形成する工程と、 b)得られた膜を焼成して、非晶質の金属酸化物を含ん
でなる多孔質ゲル薄膜を形成する仮焼成工程と、 f)上記工程a)およびb)を少なくとも一回以上繰り
返し、非晶質の金属酸化物を含んでなる多孔質薄膜の積
層膜を形成する工程と、 c’)前記積層膜をアニールして、該膜を結晶質の金属
酸化物からなる膜とするプレアニール工程と、 d’)上記工程f)、およびc’)を少なくとも一回以
上繰り返し、結晶質の金属酸化物かなる膜の積層膜を形
成する工程と、 e’)工程d’)で得られた膜をアニールして、該膜中
のペロブスカイト型の結晶粒を大きく成長させる工程と を含んでなるもの、である。
【0015】
【発明の具体的説明】圧電体薄膜 本発明による圧電体薄膜は、その厚さが0.5μm以上
20μm以下の範囲にある。本発明による圧電体薄膜
は、このような極めて薄い形態にあって好ましい特性を
有する。この好ましい特性を得るためには、この薄膜
は、平均粒径0.005μm以上0.2μm以下の結晶
粒からなり、かつ薄膜断面に層状の不連続面を有さない
ものであるのが好ましい。本発明の好ましい態様によれ
ば、薄膜の厚さは更に好ましくは0.7μm以上10μ
m以下であり、また結晶粒の平均粒径は0.01μm以
上0.1μm以下である。さらに、本発明にあってはペ
ブロスカイト型が主要を占めるものが好ましい。このよ
うな圧電体薄膜は良好な特性を有する。具体的には、比
誘電率が1,000〜3,500程度、より好ましくは
1,200〜2,800程度を示す。さらに、圧電ひず
み定数が70pC/N以上、より好ましくは100pC
/N以上を示す。
【0016】以上の圧電体薄膜は、以下に説明する本発
明による特定組成と組合されることによって、より好ま
しい特性を有するものとなる。
【0017】本発明の好ましい態様によれば、本発明に
よる圧電体薄膜はxPb(Mg1/3Nb2/3 )O−y
PbZrO−zPbTiOで表される三成分系圧電
体からなり、かつ図1に示されるようなその三成分系組
成図において、次のA、B、C、およびDの四点の範囲
内にある組成を有する。
【0018】 A(x=0.05,y=0.40,z=0.55) B(x=0.05,y=0.60,z=0.35) C(x=0.25,y=0.30,z=0.45) D(x=0.25,y=0.50,z=0.25) 本発明の第一の態様による組成を有する圧電体薄膜は、
前記式で表される三成分系圧電体材料からなり、かつ図
1に示される領域内の組成を有する。
【0019】また、本発明の第二の態様による組成を有
する圧電体薄膜は、前記式においてPbが最大20モル
%程度まで、好ましくは5〜15モル%まで、Sr、C
a、Ba、Bi、およびLaから選択される元素によっ
て置換された組成を有していてもよい。すなわち、Pb
(1−α)Γα[(Mg1/3 Nb2/3 )xZryTi
z]O(ここで、x,y,zはモル比を表し、x+y
+z=1である)で表され、x,y,zがこの式の三成
分系組成図において、次のA、B、C、およびDの四点
の範囲内にあり、 A(x=0.05,y=0.40,z=0.55)、 B(x=0.05,y=0.60,z=0.35)、 C(x=0.25,y=0.30,z=0.45)、 D(x=0.25,y=0.50,z=0.25)、そ
して前記式中のΓはSr、Ca、Ba、Bi、またはL
aの何れかの元素を表し、かつ前記式中のαは、0<α
≦0.2の関係を満たす任意の数である、で表わされ
る。このような組成によってより改善された特性の圧電
体薄膜を得ることができる。
【0020】また、本発明の別の好ましい態様によれ
ば、前記式において、Mgの一部または全てが、Co、
Zn、Mn、およびNiから選択される元素によって置
換されてなるか、Nbの一部が、TaまたはSbによっ
て置換されてなるか、ZrまたはTiの一部が、Sb、
Fe、Al、およびCrから選択される元素によって置
換されてなるかの一以上の組成の修正が行われてなる圧
電体薄膜が提供される。このような組成の修正によっ
て、圧電ひずみ定数、比誘電率、およびヤング率を容易
に適切な値に制御することが可能となる。特に比誘電率
の制御は、圧電体薄膜の発熱量を制御する観点から好ま
しい。
【0021】本発明の好ましい態様によれば、Pbまた
はPb化合物(例えば、PbO)を、Pb:(Mg+N
b+Zr+Ti)=1〜1.2:1のモル比の範囲で更
に含有してなる組成を有する圧電体薄膜が提供される。
より好ましいモル比は1〜1.15:1である。このよ
うなPb成分が過剰な圧電体薄膜は、大きな圧電ひずみ
定数を有することから好ましい。
【0022】容量Cを有する圧電体薄膜素子、即ちコン
デンサ、に電界が時間に依存する電圧V(V=V
(t):tは時間)を印加すると、圧電体薄膜素子に流
れる電流iはi=C(dV/dt)となる。この時の圧
電体薄膜素子に発生する発熱量Qは、i×iに比例する
ことから、容量Cを下げること、換言すれば圧電体薄膜
の比誘電率を抑制することが重要となる。
【0023】一方、圧電体薄膜の電圧印加時の歪み量
は、印加電圧に比例する。圧電歪み特性の低下を、印加
電圧の増加で補っても、前記i=C(dV/dt)の関
係から電圧Vの時間勾配を一定にしておけば、発熱の弊
害を小さくできる。
【0024】また、ヤング率の制御については、次のよ
うな理由から有利となる。すなわち、インク流路内に発
生する圧力によりインク滴を吐出させるインクジェット
記録ヘッドにおいては、発生圧力の発生部または伝達部
の剛性、換言すれば構成部材の弾性コンプライアンス
(1/Y)、が重要なインク吐出の特性要因となる。構
成部材の弾性コンプライアンスは、吐出されるインク滴
の速さ及び重量、応答周波数を左右する流路内でのイン
ク振動の減衰、隣接するインク流路間での干渉等の要因
となる。
【0025】本発明による圧電体薄膜素子を用いたイン
クジェット記録ヘッドは、インク流路を形成する振動板
に付帯する圧電体薄膜のヤング率を容易に抑制すること
ができ、インク流路のコンプライアンスを高くし、イン
クの吐出特性、特に隣接するインク流路間での干渉の防
止に有効である。
【0026】このような本発明による圧電体薄膜の組成
は、後記する製造法において、用いるゾル組成物中の金
属組成を制御することで制御することができる。
【0027】圧電体薄膜の製造法 スパッタ法 好ましい薄膜作製の手法としてはスパッタリングが挙げ
られる。すなわち、特定成分のPZT焼結体をスパッタ
リングのターゲットとして用い、電極膜上にスパッタリ
ングによりアモルファス状の圧電体膜前駆体膜を形成す
る。
【0028】次のこのアモルファス状の前駆体を加熱し
結晶化し、焼結させる。この加熱は酸素雰囲気中(例え
ば、酸素中、または酸素とアルゴンなどの不活性ガスと
の混合ガス中)において行われるのが好ましい。加熱工
程は酸素雰囲気中で前駆体膜を好ましくは500〜70
0℃の温度で加熱する。加熱によって前駆体膜を結晶化
させ、さらに結晶粒径が0.005μm以上0.2μm
以下の範囲となるよう実施される。
【0029】本発明による上記圧電体薄膜は次の二つの
修正ゾルゲル法によって好ましく製造することができ
る。
【0030】第一の態様によるゾルゲル法による製造法 工程a) 本発明による圧電体膜の製造法は、ゾルゲル法
を基本とする。すなわち、圧電体膜を形成可能な金属成
分の水酸化物の水和錯体、すなわちゾル、を脱水処理し
てゲルとし、このゲルを加熱焼成して無機酸化物、すな
わち圧電体膜、を調製する方法を基本とする。
【0031】本発明において、圧電体膜を構成する金属
成分のゾルは、圧電体膜を形成可能な金属のアルコキシ
ドまたはアセテートを、例えば酸で加水分解して調製す
ることができる。本発明においては、ゾル中の金属の組
成を制御することで、上記した圧電体薄膜の組成を得る
ことができる。すなわち、チタン、ジルコニウム、鉛、
さらには他の金属成分のそれぞれのアルコキシドまたは
アセテートを出発原料とする。本発明にあっては、最終
的に圧電体薄膜とされるまでに圧電体薄膜を構成する金
属成分の組成がほぼ維持されるとの利点を有する。すな
わち、焼成およびアニール処理中に金属成分、とりわけ
鉛成分、の蒸発などによる変動が極めて少なく、従って
これら出発原料における金属成分の組成は、最終的な圧
電体薄膜中の金属組成と一致することとなる。言い換え
れば、ゾルの組成は、生成しようとする圧電体膜に応じ
て決定される。
【0032】また、本発明の好ましい態様によれば、上
記したPb成分が過剰となる圧電体薄膜を得るためにゾ
ルにおいて、鉛成分を、化学量論から要求される量より
も20モル%まで、好ましくは15モル%まで過剰とす
るのが好ましい。
【0033】本発明にあっては、このゾルは有機高分子
化合物と混合された組成物として用いられるのが好まし
い。この有機高分子化合物は、乾燥および焼成時に、薄
膜の残留応力を吸収し、薄膜にクラックが生ずることを
有効に防止する。具体的には、この有機高分子を含むゲ
ルを用いると、後記するゲル化された薄膜において細孔
が生じる。この細孔が、更に後記するプレアニールおよ
びアニール工程において薄膜の残留応力を吸収するもの
と考えられる。ここで、好ましく用いられる有機高分子
化合物としては、ポリ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピル
セルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレング
リコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコー
ル、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアミ
ド、ポリアミック酸、アセチルセルロースおよびその誘
導体、ならびにそれらの共重合体が挙げられる。なお、
本発明の好ましい態様によれば、ポリ酢酸ビニルを添加
することで0.05μm程度の細孔を多数有する多孔質
ゲル薄膜を、ヒドロキシプロピルセルロースを添加する
ことで1μm以下の大きさでかつ広い分布をもった多孔
質ゲル薄膜を形成することができる。
【0034】本発明の好ましい態様によれば、ポリエチ
レングリコールとしては平均分子量285〜420程度
のものが好ましい。また、ポリプロピレングリコールと
しては平均分子量300〜800程度のものが好まし
い。
【0035】本発明による製造法にあっては、まず、こ
のゾル組成物を圧電体薄膜を形成しようとする基板に塗
布する。ここで、基板とは、最終的に圧電体薄膜素子を
形成しようとする基板をいう。従って、例えば、後記す
るような本発明による圧電体薄膜を利用してインクジェ
ット記録ヘッドを作成しようとする場合、結晶性珪素基
板上に薄膜電極を設けたものを基板とする。
【0036】塗布の方法は特に限定されず、慣用されて
いる方法、例えば、スピンコート、ディップコート、ロ
ールコート、バーコートなどによって行われてよい。ま
た、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷な
どによって塗布することも可能である。
【0037】本発明の好ましい態様によれば、塗布によ
り形成される膜の厚さは、以下の工程を考慮すると、後
記する工程b)において形成される多孔質ゲル薄膜の厚
さが0.01μm以上となるよう制御されるのが好まし
く、より好ましくは0.1〜1μm程度となるよう制御
される。
【0038】塗布後、膜は乾燥される。乾燥は自然乾
燥、または200℃以下の温度に加熱することで行われ
てよい。
【0039】本発明の好ましい態様によれば、乾燥され
た膜上に更に膜を塗布して膜厚を厚くすることができ
る。この態様にあっては、下地となる膜は80℃以上の
温度で乾燥されるのが好ましい。
【0040】工程b):この工程では、上記工程a)で
得られたゾル組成物の膜をゲル化する。すなわち、工程
a)で得られた膜を焼成し、残留有機物を実質的に含ま
ない非晶質の金属酸化物からなる多孔質ゲル薄膜とす
る。本工程を本明細書においては仮焼成工程と呼ぶ場合
がある。
【0041】焼成は、ゾル組成物の膜をゲル化し、かつ
膜中から有機物を除去するのに十分な温度で、十分な時
間加熱されることよって行われてよい。本発明の好まし
い態様によれば、焼成温度としては300〜450℃の
範囲が好ましく、より好ましくは350〜400℃の範
囲である。焼成時間は温度および使用する炉の形式によ
って変化するが、例えば脱脂炉を用いた場合、10〜1
20分程度が好ましく、より好ましくは15〜60分程
度であり、またホットプレートを用いた場合、1〜60
分程度が好ましく、より好ましくは5〜30分程度であ
る。
【0042】以上の工程a)およびb)によって、図2
(1)に示されるように、基板11上に設けられた電極
12上に、多孔質ゲル薄膜13が形成される。
【0043】工程c)上記工程b)によって得られた多
孔質ゲル薄膜を加熱焼成して、結晶質の金属酸化物から
なる膜に変換する工程である。本工程を本明細書におい
てはプレアニール工程と呼ぶ場合がある。
【0044】焼成は、多孔質ゲル薄膜を、結晶質の金属
酸化物からなる膜に変換するのに必要な温度で加熱され
ることよって行われてよい。但し、この焼成は結晶中に
ペロブスカイト型結晶が大部分を占めるまで行われる必
要はない。ゲル薄膜が均質に結晶化した時点で焼成は終
了されてよい。本発明の好ましい態様によれば、焼成温
度としては400〜800℃の範囲が好ましく、より好
ましくは550〜750℃の範囲である。焼成時間は温
度および使用する炉の形式によって変化するが、例えば
アニール炉を用いた場合、0.1〜5時間程度が好まし
く、より好ましくは0.5〜2時間程度であり、またR
TA(Rapid Thermal Annealin
g)炉を用いた場合、0.1〜10分程度が好ましく、
より好ましくは1〜5分程度である。
【0045】また本発明の好ましい態様によれば、この
プレアニールを二段階に分けて実施するのが好ましい。
具体的には、その第一段階を400℃〜600℃の範囲
の温度で行い、第二段階を600℃〜800℃以下の範
囲の温度で行うことが好ましい。より好ましい態様によ
れば、第一段階を450〜550℃の温度で行い、第二
段階を600〜750℃の温度で行う。
【0046】この工程c)によって、図2(2)に示さ
れるように、多孔質ゲル薄膜13が結晶質の金属酸化物
からなる膜14に変換される。
【0047】工程d)本発明にあっては、上記工程
a)、b)、およびc)を少なくとも一回以上繰り返し
て実施し、結晶質の金属酸化物の膜を積層する。繰り返
される上記工程a)、b)、およびc)における膜厚、
仮焼成温度、プレアニール条件は、基板上に第一回の膜
を形成した場合と同様であってよい。
【0048】この工程の結果得られる積層膜の膜厚は最
終的な圧電体薄膜の膜厚を考慮して適宜決定されてよい
が、次の工程e)においてクラックなどが発生しない膜
厚であることが好ましいことは言うまでもない。
【0049】この工程d)を模式的に示せば、まず図2
(3)にあるように、先に形成された膜14上に新たに
多孔質ゲル薄膜13を形成し、その後のプレアニールの
結果、図2(4)に示されるように、新たな多孔質ゲル
薄膜13は先に形成された膜14と実質的に一体化され
た膜とされる。ここで実質的に一体化された膜とは、積
層された層間に不連続層がない場合のみならず、本発明
による最終的な圧電体薄膜の場合と異なり、積層された
層間に不連続層があってもよい。そして、さらに工程
a)、b)、およびc)を繰り返すならば、図2(5)
にあるように、新たな多孔質ゲル薄膜13が形成され、
その後のプレアニールの結果、図2(6)に示されるよ
うにこの膜13は結晶質の積層膜14と実質的に一体化
された膜とされる。
【0050】なお、圧電体薄膜素子とするためのパター
ンニングおよび上電極の形成はこの段階の薄膜に対して
行うのが好ましい。
【0051】工程e)本工程は、以上のようにして得ら
れた結晶質の金属酸化物からなる膜の積層膜を更に焼成
してペロブスカイト型結晶を成長させる工程である。本
工程を本明細書においてはアニール工程と呼ぶことがあ
る。
【0052】本発明の好ましい態様によれば、焼成温度
としては600〜1200℃の範囲が好ましく、より好
ましくは800〜1000℃の範囲である。焼成時間は
温度および使用する炉の形式によって変化するが、例え
ばアニール炉を用いた場合、0.1〜5時間程度が好ま
しく、より好ましくは0.5〜2時間程度であり、また
RTA炉を用いた場合、0.1〜10分程度が好まし
く、より好ましくは0.5〜3分程度である。
【0053】また本発明の好ましい態様によれば、この
アニールを二段階に分けて実施するのが好ましい。具体
的には、その第一段階を600℃〜800℃の範囲の温
度で行い、第二段階を800℃〜1000℃以下の範囲
の温度で行うことが好ましい。より好ましい態様によれ
ば、第一段階を600〜750℃の温度で行い、第二段
階を800〜950℃の温度で行う。
【0054】以上の操作によって、薄膜断面に層状の不
連続層を有さない圧電体薄膜を製造することができる。
【0055】本発明の好ましい態様によれば、このアニ
ール工程によって結晶粒が成長し、結晶粒の平均粒径が
0.005μm以上0.2μm以下の範囲にある圧電体
薄膜を得ることができる。
【0056】図2(7)に示される圧電体薄膜素子は、
この工程によって得られた不連続層を有さない圧電体薄
膜15の上にさらに電極12を設けた例である。
【0057】第二の態様によるゾルゲル法による製造法 工程a)およびb) 本発明の第二の態様による圧電膜の製造法における工程
a)およびb)は、本発明の第一の態様による圧電体薄
膜の製造法における工程a)およびb)と同一である。
【0058】本工程の結果、図3(1)に示されるよう
な、電極12および多孔質ゲル薄膜13が形成された基
板11が得られる。
【0059】工程f)本発明の第二の態様による圧電体
薄膜の製造法においては、工程a)およびb)を少なく
とも一回以上繰り返し、多孔質ゲル薄膜の積層膜を形成
する。繰り返される上記工程a)およびb)における膜
厚、仮焼成温度は、基板上に第一回の膜を形成した場合
と同様であってよい。
【0060】本発明の好ましい態様によれば、積層膜の
膜厚は1μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μ
m以下である。この程度の積層膜の膜厚であると、次の
工程c’)におけるプレアニールを、クラックなどの発
生なしに効率よく実施することができる。
【0061】この工程の結果、図3(2)に示されるよ
うな、多孔質ゲル薄膜13が複数積層された積層膜が形
成される。
【0062】工程c’)この工程は、前記工程f)によ
って得られた多孔質ゲル薄膜の積層膜を焼成して、結晶
質の金属酸化物からなる膜に変換する工程である。第一
の態様による方法における工程c)類似の工程である。
本明細書においては本工程についてもプレアニール工程
と呼ぶことがある。
【0063】焼成は、多孔質ゲル薄膜の積層膜を、結晶
質の金属酸化物からなる膜に変換するのに必要な温度で
加熱されることよって行われてよい。但し、この焼成は
結晶中にペロブスカイト型結晶が大部分を占めるまで行
われる必要はない。ゲル薄膜が均質に結晶化した時点で
焼成は終了されてよい。焼成の温度および時間について
は、第一の態様による方法における工程c)とほぼ同様
であってよい。また、第一の態様による方法における工
程c)と同様に二段階に分けて実施されてよい。
【0064】この工程の結果、図3(3)に示されるよ
うに、多孔質ゲル薄膜13の積層膜が結晶質の薄膜14
に変換される。
【0065】工程d’)本発明の第二の態様による方法
にあっては、上記のf)およびc’)の工程を少なくと
も一回以上繰り返す。すなわち、前記の工程a)および
b)を少なくとも一回以上繰り返し、多孔質ゲル薄膜の
積層膜を形成し、その積層膜を焼成して結晶質の金属酸
化物からなる膜に変換する工程を、更に少なくとも一回
以上繰り返す。そして、結晶質の金属酸化物からなる膜
の積層膜を形成する。
【0066】繰り返される工程a)およびb)ならびに
工程c’)における種々の条件は、上記した条件と同様
であってよい。
【0067】この工程の結果得られる積層膜の膜厚は最
終的な圧電体薄膜の膜厚を考慮して適宜決定されてよい
が、次の工程e’)においてクラックなどが発生しない
膜厚であることが好ましいことは言うまでもない。
【0068】この工程の結果、図3(4)に示されるよ
うに先に形成された膜14の上に、新たな多孔質ゲル薄
膜13の積層膜が形成され、プレアニール工程によって
図3(5)に示されるように、新たな多孔質ゲル薄膜1
3の積層膜は先に形成された膜14と実質的に一体化さ
れた膜とされる。ここで実質的に一体化された膜とは、
上記したものと同義である。
【0069】なお、圧電体薄膜素子とするためのパター
ンニングおよび上電極の形成はこの段階の薄膜に対して
行うのが好ましい。図3(6)は、所望の形状にパター
ニングされた膜14を表す。
【0070】工程e’)本工程は、以上のようにして得
られた結晶質の金属酸化物からなる膜の積層膜を更に焼
成してペロブスカイト型結晶を成長させる工程である。
第一の態様による方法における工程e)類似の工程であ
る。本明細書においては本工程についてもアニール工程
と呼ぶことがある。
【0071】焼成の温度および時間については、第一の
態様による方法における工程e)とほぼ同様であってよ
い。また、第一の態様による方法における工程e)と同
様に二段階に分けて実施されてよい。
【0072】図3(7)に示される圧電体薄膜素子は、
この工程によって得られた不連続層を有さない圧電体薄
膜15の上にさらに電極12を設けた例である。
【0073】圧電体薄膜の用途/インクジェット記録ヘ
ッド 本発明による圧電体薄膜は、その良好な特性を利用し
て、種々の用途に用いられてよい。
【0074】例えば、インクジェット記録ヘッドの振動
子として利用することができる。本発明による圧電体薄
膜素子を利用することで、大きな圧力でインクを吐出さ
せることができ、また高い周波数によって駆動が行える
との利点がある。
【0075】本発明による圧電体薄膜を利用した記録ヘ
ッドの好ましい具体例は図4に示されるとおりである。
この記録ヘッドは、インクだめ27が設けられた単結晶
Si基板21と、第二基板26とが接合されて構成され
ている。単結晶Si基板21には、振動板22と、下電
極23と、圧電体膜24と、上電極25とが形成されて
なる。
【0076】インクはインク流路(図示せず)を通じて
インクだめ27に供給される。ここで、圧電体膜24に
下電極23と上電極25とを通じて電圧が印加される
と、インクだめ27を変形させ、インクに圧力を加え
る。この圧力によってインクがノズル(図示せず)より
吐出され、インクジェット記録が行える。
【0077】このようなインクジェット記録ヘッドは慣
用されている方法に従って製造することができる。
【0078】
【実施例】実施例A1 酢酸鉛0.105モルと、ジルコニウムアセチルアセト
ナート0.045モルと、酢酸マグネシウム0.005
モルとを、30mlの酢酸に、100℃に加熱して溶解
させた。室温まで冷却し、チタンテトライソプロポキシ
ド0.040モルと、ペンタエトキシニオブ0.010
モルとをエチルセロソルブ50mlに添加し溶解させ
た。アセチルアセトンを30ml添加して安定化させた
後、ポリエチレングリコール#400(関東化学社製、
平均分子量380〜420)をゾル中の金属酸化物に対
し30重量%の割合で添加し、よく攪拌して均質なゾル
とした。
【0079】シリコン基板上に白金電極をスパッタ法で
形成し、その上に前記ゾルをスピンコートで塗布し、4
00℃で仮焼成した。その結果、クラックを生じること
なく、0.3μmの膜厚の非晶質の多孔質ゲル薄膜を形
成できた。更にゾルの塗布と400℃の仮焼成を2度繰
り返し、0.9μmの膜厚の多孔質ゲル薄膜を形成し
た。次にこの薄膜をRTA炉を用いて酸素雰囲気中、5
秒間で650℃に加熱して、1分間保持しプレアニール
を行い、0.6μmの膜厚の緻密な薄膜とした。
【0080】薄膜をエックス線解析により調べたところ
パイロクロア型結晶ピークが検出された。また、反射型
のFT−IR(フーリエ変換赤外吸収スペクトル分析)
により調べたところ、3400cm-1付近の水酸基に起
因する吸収は検出されなかった。
【0081】こうして得られた薄膜に、さらに上で調製
したゾルをスピンコートにより塗布し、400℃に仮焼
成する工程を三度繰り返して、0.9μmの膜厚の非晶
質の多孔質ゲル薄膜の積層膜を得た。次にRTA炉を用
いて650℃で1分間保持することによりプレアニール
して、1.2μm厚の結晶質の緻密な薄膜を得た。
【0082】得られた基板をフォトレジストを用いてパ
ターニングし、ホウフッ酸でエッチングした。レジスト
を剥離した後、基板をRTA炉を用いて酸素雰囲気中で
900℃において1分間保持してアニールした。1.2
μm厚と厚みが変わらない圧電体薄膜が得られた。この
圧電体薄膜をエックス線解析により調べたところペロブ
スカイト型結晶の鋭く強いピークが検出された。また、
シリコン基板を切断しSEM(走査型電子顕微鏡)で薄
膜断面を観察したところ、微小粒径の結晶が均質かつ緻
密に分布し、積層による層状の不連続面が存在しないこ
とが確認された。また、薄膜の試料を作成しTEM(透
過型電子顕微鏡)により圧電体を観察したところ、平均
粒径0.03μmの結晶粒から薄膜が構成されているこ
とがわかった。
【0083】以上のようにして得られた圧電体薄膜上に
アルミニウム電極を蒸着法で形成し、その後分極して、
圧電体薄膜素子とした。圧電体薄膜素子の物性を測定し
たところ、比誘電率は2000、圧電ひずみ定数は15
0pC/Nと優れた特性を示した。
【0084】PZT薄膜をフッ酸で溶かしICP(プラ
ズマ発光分析)で定量したところ、組成のモル比はP
b:Mg:Nb:Zr:Ti=1.00:0.05:
0.10:0.45:0.40であり、鉛の減少が若干
みられたものの、他の元素に関しては原料仕込組成と同
一であった。
【0085】以上のようにして得られた圧電体薄膜素子
を用いた、図3に示されるようなインクジェット記録ヘ
ッドを作成した。用いた時の概念を模式的に表す断面図
を示す。シリコンウエハー上に窒化珪素の振動板をスパ
ッタ法により形成し、下電極と圧電体薄膜を形成した。
圧電体薄膜をフォトエッチングにより幅0.2mm、長
さ4mmにパターニングし、シリコンウエハーに異方性
エッチングにより幅0.3mmの溝を形成した。金の上
電極を形成した後、ガラス製の第二基板と接合して、イ
ンク流路27を形成した。基板ごと切断してインクジェ
ット記録ヘッドを組み立てた。このヘッドを用いてイン
クを吐出させたところ、充分な吐出力が得られた。また
インクジェット記録装置に組み込んで印字すると、良好
な印字品質が得られた。
【0086】実施例A2〜5 実施例A1と同様の方法で塗布液を調製したが、但しマ
グネシウムのモル比0.067とニオブのモル比0.1
33を固定し、次の表1に示されるようにジルコニウム
とチタンのモル比を変動させて6種類の塗布液を用意し
た。またポリエチレングリコールとして、ポリエチレン
グリコール#300(関東化学社製、平均分子量285
〜315)を用いた。基板電極上にこのゾルを塗布後、
400℃で仮焼成することで、膜厚0.3μmの非晶質
体多孔質ゲル薄膜を形成した。更にゾルの塗布と400
℃の仮焼成を2度繰り返し、0.9μmの膜厚の多孔質
ゲル薄膜を形成した。次のこの薄膜をRTA炉を用い
て、酸素雰囲気中で、急速に650℃に加熱して1分間
プレアニールした。その結果、0.6μm厚の結晶質の
緻密な薄膜が得られた。以上の操作を10回繰り返した
(すなわち、塗布液の塗布の回数は30回であった)。
RTA炉を用いて、酸素雰囲気中、850℃で1分間保
持してアニールした。その結果、厚さ6μmの圧電体薄
膜が得られた。得られた圧電体薄膜上にアルミニウム電
極を蒸着法で形成し、その後分極して、圧電体薄膜素子
とした。この圧電体薄膜素子の平均結晶粒径および圧電
ひずみ定数は次の表に示される通りであった。全てのサ
ンプルにおいてクラック発生は観察されなかった。また
断面には積層による層状の不連続面は存在しなかった。
【0087】
【表1】
【0088】実施例A6〜9 実施例A1と同様の方法で塗布液を調製したが、但しマ
グネシウムのモル比0.033とニオブのモル比0.0
67を固定し、次の表2に示すようにジルコニウムとチ
タンのモル比を変動させて6種類の塗布液を用意した。
基板電極上にこのゾルを塗布後、400℃で仮焼成する
工程を3度繰り返すことで、膜厚0.9μmの非晶質体
多孔質ゲル薄膜を形成した。次にこの薄膜を拡散炉を用
いて、酸素雰囲気中、550℃で10分間プレアニール
した。その結果0.6μm厚の結晶質の緻密な薄膜が得
られた。以上の操作を15回繰り返した(すなわち塗布
液の塗布の回数は45回であった)。RTA炉を用い
て、酸素雰囲気中、950℃で1分間保持し、アニール
した。その結果、厚さ9μmの圧電体薄膜が得られた。
得られた圧電体薄膜上にアルミニウム電極を蒸着法で形
成し、その後分極して、圧電体薄膜素子とした。この圧
電体薄膜素子の平均結晶粒径および圧電ひずみ定数は次
の表に示される通りであった。全てのサンプルにおいて
クラック発生は観察されなかった。また断面には積層に
よる層状の不連続面は存在しなかった。
【0089】
【表2】
【0090】実施例A10〜14 実施例A1と同様の方法で塗布液を調製したが、但しジ
ルコニウムとチタンのモル比を1:1に固定し、表3に
示すようにマグネシウムとニオブとの加算モル比を変動
させて7種類の塗布液を用意した。ここでマグネシウム
とニオブのモル比は1:2で固定とした。基板電極上に
このゾルを塗布後、350℃で仮焼成することで、非晶
質の多孔質ゲル薄膜を形成した。次にこの薄膜を550
℃で1時間プレアニールすることにより、結晶質の緻密
な膜が得られた。以上の操作を4回繰り返し、薄膜を得
て、これを拡散炉に酸素を流しながら850℃で20分
間アニールした。その結果、厚さ2μmの圧電体薄膜を
得た。得られた圧電体薄膜上にアルミニウム電極を蒸着
法で形成し、分極して、圧電体薄膜素子とした。この圧
電体薄膜素子の平均結晶粒径および圧電ひずみ定数は次
の表に示される通りであった。
【0091】全てのサンプルにおいてクラック発生は観
察されなかった。また断面には積層による層状の不連続
面は存在しなかった。
【0092】
【表3】
【0093】実施例A15 実施例A1と同様の組成の金属酸化物の非晶質層を、基
板電極上にスパッタ法を用い5μmの膜厚で成膜した。
金属酸化物のスパッタターゲットとして、成膜した薄膜
の金属モル比がPb:Mg:Nb:Zr:Ti=1.0
0:0.05:0.10:0.45:0.40となるよ
うに製造したものを用いた。成膜した基板を、RTA炉
を用いて酸素雰囲気中、900℃で1分間保持し、アニ
ールした。得られた圧電体薄膜上にアルミニウム電極を
蒸着法で形成し、その後分極して圧電体薄膜素子とし
た。得られた圧電体薄膜素子の結晶粒の平均粒径は0.
05μmであった。また、その比誘電率は1800、圧
電ひずみ定数は140pC/Nと優れた圧電体薄膜素子
特性を示した。
【0094】実施例A1と同様な方法で、この圧電体薄
膜素子を用いたインクジェットヘッドを組み立て、イン
クを吐出させたところ、充分な吐出力が得られた。イン
クジェット記録装置に組み込んで印字すると、良好な印
字品質が得られた。
【0095】比較例A7 RTA炉を用いたアニールを750℃で行った以外は実
施例A1と同様にして圧電体薄膜素子を得た。この圧電
体薄膜素子の結晶粒の平均粒径は0.005μm未満で
定量できなかった。また、比誘電率は800にとどま
り、圧電ひずみ定数も40pC/Nであった。
【0096】比較例A8 RTA炉を用いたアニールを1100℃で行った以外は
実施例A1と同様にして圧電体薄膜素子を得た。この圧
電体薄膜素子の鉛成分は実施例A1と比較して20%程
度不足していた。また、結晶粒の平均粒径は0.5μm
と大きく、比誘電率は800、圧電ひずみ定数は20p
C/Nであった。
【0097】比較例A9 実施例A1と同様の塗布液を実施例A1と同様の基板上
に塗布した。この基板を400℃で仮焼成することで、
非晶質の多孔質ゲル薄膜を形成した。次に、RTA炉を
用いて酸素雰囲気中900℃で1分間保持することでア
ニールし、0.2μm厚の圧電体薄膜を得た。以上のア
ニール工程を6度繰り返し1.2μm厚の圧電体薄膜を
得た。薄膜にクラックは発生しなかった。実施例A1と
同様にして圧電体薄膜素子とした。この圧電体薄膜は平
均粒径0.05μmの結晶粒から薄膜が構成されていた
が、比誘電率は1200、圧電ひずみ定数は60pC/
Nであった。また、断面をSEMで観察すると、0.2
μm間隔の層状の不連続面が存在していた。この状態の
薄膜にフォトエッチングを行うことは困難であった。
【0098】また薄膜中の鉛濃度は実施例A1の場合よ
りも減少しており、また膜の厚み方向で鉛の濃度分布が
生じ、ゾルの組成と異なった薄膜であった。
【0099】実施例B1 酢酸鉛0.105モルと、ジルコニウムアセチルアセト
ナート0.045モルと、酢酸マグネシウム0.005
モルとを、30mlの酢酸に、100℃に加熱して溶解
させた。室温まで冷却し、チタンテトライソプロポキシ
ド0.040モルと、ペンタエトキシニオブ0.010
モルとをエチルセロソルブ50mlに添加し溶解させ
た。アセチルアセトンを30ml添加して安定化させた
後、ポリプロピレングリコール(平均分子量400)を
ゾル中の金属酸化物に対し30重量%の割合で添加し、
よく攪拌して均質なゾルとした。
【0100】シリコン基板上に白金電極をスパッタ法で
形成し、その上に前記ゾルをスピンコートで塗布し、4
00℃で仮焼成した。その結果、クラックを生じること
なく、0.3μmの膜厚の非晶質の多孔質ゲル薄膜を形
成できた。更にゾルの塗布と400℃の仮焼成を2度繰
り返し、0.9μmの膜厚の多孔質ゲル薄膜を形成し
た。次にこの基板をRTA炉を用いて酸素雰囲気中、5
秒間で650℃に加熱して、1分間保持しプレアニール
を行った。その結果、0.6μmの膜厚の緻密な薄膜が
得られた。薄膜をエックス線解析により調べたところパ
イロクロア型結晶ピークが検出された。また、反射型の
FT−IR(フーリエ変換赤外吸収スペクトル分析)に
より調べたところ、2900cm-1付近のメチレン基に
起因する吸収は検出されなかった。
【0101】こうして得られた薄膜に、さらに上で調製
したゾルをスピンコートにより塗布し、400℃に仮焼
成する工程を三度繰り返して、0.9μmの膜厚の非晶
質の多孔質ゲル薄膜の積層膜を得た。次にRTA炉を用
いて650℃で1分間保持することによりプレアニール
して、1.2μm厚の結晶質の緻密な薄膜を得た。
【0102】得られた基板をフォトレジストを用いてパ
ターニングし、ホウフッ酸でエッチングした。レジスト
を剥離した後、基板をRTA炉を用いて酸素雰囲気中で
900℃において1分間保持してアニールした。1.2
μm厚と厚みが変わらない圧電体薄膜が得られた。この
圧電体薄膜をエックス線解析により調べたところペロブ
スカイト型結晶の鋭く強いピークが検出された。またシ
リコン基板を切断しSEM(走査型電子顕微鏡)で薄膜
断面を観察したところ、微小粒径の結晶が均質かつ緻密
に分布し、積層による層状の不連続面が存在しないこと
が確認された。また、薄膜の試料を作成しTEM(透過
型電子顕微鏡)により圧電体を観察したところ、平均粒
径0.03μmの結晶粒から薄膜が構成されていること
がわかった。さらにクラックの発生も全くなかった。
【0103】以上のようにして得られた圧電体薄膜上に
アルミニウム電極を蒸着法で形成し、その後分極して圧
電体薄膜素子とした。この素子の物性を測定したところ
比誘電率は2000、圧電ひずみ定数は150pC/N
と優れた特性を示した。
【0104】PZT薄膜をフッ酸で溶かしICP(プラ
ズマ発光分析)で定量したところ、組成のモル比はP
b:Mg:Nb:Zr:Ti=1.00:0.05:
0.10:0.45:0.40であり、鉛の減少が若干
みられたものの、他の元素に関しては原料仕込組成と同
一であった。
【0105】以上のようにして得られた圧電体薄膜素子
を用いたインクジェット記録ヘッドを実施例A1と同様
の方法により作成した。
【0106】このインクジェット記録ヘッドによりイン
クを吐出させたところ、充分な吐出力が得られた。ま
た、インクジェット記録装置に組み込んで印字すると、
良好な印字品質が得られた。
【0107】実施例B2 実施例B1と同様の方法で塗布液を調製したが、但しマ
グネシウムのモル比0.067とニオブのモル比0.1
33、ジルコニウムのモル比0.45、チタンのモル比
を0.35として、さらにポリプロピレングリコール
(平均分子量750)をゾル中の金属酸化物に対して3
0重量%添加した。基板電極上にこのゾルを塗布後、4
00℃で仮焼成することで、膜厚0.3μmの非晶質体
多孔質ゲル薄膜を形成した。更にゾルの塗布と400℃
の仮焼成を2度繰り返し、0.9μmの膜厚の多孔質ゲ
ル薄膜を形成した。次のこの薄膜をRTA炉を用いて酸
素雰囲気中で、急速に650℃に加熱して1分間プレア
ニールした。その結果、0.6μm厚の結晶質の緻密な
薄膜が得られた。以上の操作を10回繰り返した(すな
わち、塗布の回数は30回であった)。RTA炉を用い
て酸素雰囲気中、850℃で1分間保持してアニールし
た。その結果、厚さ6μmの圧電体薄膜が得られた。得
られた圧電体薄膜上にアルミニウム電極を蒸着法で形成
し、その後分極して、圧電体薄膜素子とした。
【0108】この圧電体薄膜の平均結晶粒径は0.03
μmであり、またこの素子の圧電ひずみ定数は150p
C/Nであった。またクラックの発生は観察されなかっ
た。さらにその断面には積層による層状の不連続面は存
在しなかった。
【0109】実施例B3 実施例B1と同様の方法で塗布液を調製したが、但しマ
グネシウムのモル比0.033、ニオブのモル比0.0
67、ジルコニウムのモル比0.5、チタンのモル比を
0.4として、さらにポリプロピレングリコール(平均
分子量400)をゾル中の金属酸化物に対して20重量
%を添加した。基板電極上にこのゾルを塗布後、400
℃で仮焼成する工程を三度繰り返すことで、膜厚0.9
μmの非晶質体多孔質ゲル薄膜を形成した。次に、この
薄膜を拡散炉を用いて酸素雰囲気中、550℃で10分
間プレアニールすることにより、0.6μm厚の結晶質
の緻密な薄膜を得た。以上の操作を15回繰り返した
(すなわち、塗布の回数は45回であった)。RTA炉
を用いて酸素雰囲気中、950℃で1分間保持してアニ
ールした。その結果、厚さ12μmの圧電体薄膜を得
た。得られた圧電体薄膜上にアルミニウム電極を蒸着法
で形成し、その後分極して、圧電体薄膜素子とした。
【0110】この圧電体薄膜の平均結晶粒径は0.08
μmであり、またこの素子の圧電ひずみ定数は170p
C/Nであった。また、クラックの発生は観察されなか
った。さらにその断面には積層による層状の不連続面は
存在しなかった。
【0111】実施例B4 実施例B1と同様の方法で塗布液を調製したが、但しマ
グネシウムのモル比0.04、ニオブのモル比0.0
8、ジルコニウムのモル比0.22、チタンのモル比を
0.22として、さらにポリプロピレングリコール(平
均分子量400)をゾル中の金属酸化物に対して40重
量%を添加した。基板電極上にこのゾルを塗布後、35
0℃で仮焼成することで、非晶質の多孔質ゲル薄膜を形
成した。次に、この薄膜を550℃で1時間プレアニー
ルすることにより、結晶質の緻密な膜を得た。更に以上
の操作を40回繰り返した。得られた基板を拡散炉に酸
素を流しながら850℃で20分間アニールした。その
結果、厚さ20μm圧電体薄膜が得られた。得られた圧
電体薄膜上にアルミニウム電極を蒸着法で形成した後分
極して、圧電体薄膜素子とした。
【0112】この圧電体薄膜の平均結晶粒径は0.03
μmであり、またこの素子の圧電ひずみ定数は120p
C/Nであった。また、クラックの発生は観察されなか
った。さらにその断面には積層による層状の不連続面は
存在しなかった。
【0113】実施例C1 酢酸鉛0.105モルと、ジルコニウムアセチルアセト
ナート0.045モルと、酢酸マグネシウム0.005
モルとを、30mlの酢酸に、100℃に加熱して溶解
させた。室温まで冷却し、チタンテトライソプロポキシ
ド0.040モルと、ペンタエトキシニオブ0.010
モルとをエチルセロソルブ50mlに添加し溶解させ
た。アセチルアセトンを30ml添加して安定化させた
後、ポリエチレングリコール#400(関東化学社製試
薬 平均分子量380〜420)をゾル中の金属酸化物
に対し30重量%添加し、よく攪拌して均質なゾルとし
た。
【0114】シリコン基板上に白金電極をスパッタ法で
形成し、その上に前記ゾルをスピンコートで塗布し、4
00℃で仮焼成した。その結果クラックを生じることな
く、0.3μmの膜厚の非晶質の多孔質ゲル薄膜を形成
できた。更にゾルの塗布と400℃の仮焼成を2度繰り
返し、0.9μmの膜厚の多孔質ゲル薄膜を形成した。
次にこの薄膜をRTA炉を用いて酸素雰囲気中、5秒間
で500℃に加熱して5分間保持し、さらに700℃に
加熱して1分間保持してプレアニールを行った。その結
果、0.6μmの膜厚の緻密な薄膜を得た。薄膜をエッ
クス線解析により調べたところパイロクロア型結晶ピー
クが検出された。また、反射型のFT−IR(フーリエ
変換赤外吸収スペクトル分析)により調べたところ、2
900cm-1付近のメチレン基に起因する吸収は検出さ
れなかった。
【0115】こうして得られた薄膜に、さらに上で調製
したゾルをスピンコートにより塗布し、400℃に仮焼
成する工程を三度繰り返して、0.9μmの膜厚の非晶
質の多孔質ゲル薄膜の積層膜を得た。次にRTA炉を用
いて500℃で5分間、さらに700℃で1分間保持し
てプレアニールを行った。その結果、1.2μm厚の結
晶質の緻密な薄膜を得た。得られた基板をフォトレジス
トを用いてパターニングし、ホウフッ酸でエッチングし
た。レジストを剥離した後、基板をRTA炉を用いて酸
素雰囲気中、600℃で5分間、さらに900℃で1分
間保持してアニールを行った。その結果、1.2μm厚
と厚みが変わらない圧電体薄膜が得られた。薄膜をエッ
クス線解析により調べたところペロブスカイト型結晶の
鋭く強いピークが検出された。基板を切断し、SEM
(走査型電子顕微鏡)により薄膜断面を観察したとこ
ろ、微小粒径の結晶が均質かつ緻密に分布し、かつ積層
による層状の不連続面が存在しないことを確認した。ま
た、薄膜をTEM(透過型電子顕微鏡)により観察した
ところ、薄膜は平均粒径0.03μmの結晶粒から薄膜
が構成されていることがわかった。さらに、クラックの
発生も全く観察されなかった。
【0116】以上のようにして得られた圧電体薄膜上に
アルミニウム電極を蒸着法で形成し、その後分極して圧
電体薄膜素子とした。圧電体薄膜素子の物性を測定した
ところ、比誘電率は2000、圧電ひずみ定数は160
pC/Nと優れた特性を示した。
【0117】PZT薄膜をフッ酸で溶かしICP(プラ
ズマ発光分析)で定量したところ、組成のモル比はP
b:Mg:Nb:Zr:Ti=1.00:0.05:
0.10:0.45:0.40であり、鉛の減少が若干
みられたものの、他の元素に関しては原料仕込組成と同
一であった。
【0118】以上のようにして得られた圧電体薄膜素子
を用いたインクジェット記録ヘッドを実施例A1と同様
の方法により作成した。このインクジェット記録ヘッド
によりインクを吐出させたところ、充分な吐出力が得ら
れた。また、インクジェット記録装置に組み込んで印字
すると、良好な印字品質が得られた。
【0119】実施例C2 実施例C1と同様の方法で塗布液を調製したが、但しマ
グネシウムのモル比0.067とニオブのモル比0.1
33、ジルコニウムのモル比0.45、チタンのモル比
を0.35として、さらにポリエチレングリコール#3
00(関東化学社製試薬 平均分子量285〜315)
をゾル中の金属酸化物に対して30重量%の割合で添加
した。基板電極上にこのゾルを塗布後、400℃で仮焼
成することで、膜厚0.3μmの非晶質体多孔質ゲル薄
膜を形成した。更にゾルの塗布と400℃の仮焼成を2
度繰り返し、0.9μmの膜厚の多孔質ゲル薄膜を形成
した。次にこの薄膜をRTA炉を用いて酸素雰囲気中
で、急速に600℃に加熱して5分間保持し、さらに7
25℃に加熱して1分間保持してプレアニールを行っ
た。その結果、0.6μm厚の結晶質の緻密な薄膜が得
られた。以上の操作を10回繰り返した(すなわち塗布
の回数は30回であった)。RTA炉を用いて酸素雰囲
気中、650℃で5分間、さらに900℃で1分間保持
してアニールを行った。その結果、厚さ6μmの圧電体
薄膜が得られた。得られた圧電体薄膜上にアルミニウム
電極を蒸着法で形成し、その後分極して、圧電体薄膜素
子とした。
【0120】この圧電体薄膜の平均結晶粒径は0.03
μmであり、またこの素子の圧電ひずみ定数は165p
C/Nであった。またクラックの発生は観察されなかっ
た。さらにその断面には積層による層状の不連続面は存
在しなかった。
【0121】実施例C3 実施例C1と同様の方法で塗布液を調製したが、但しマ
グネシウムのモル比0.033、ニオブのモル比0.0
67、ジルコニウムのモル比0.5、チタンのモル比を
0.4として、さらにポリエチレングリコール#400
(関東化学社製試薬 平均分子量380〜420)をゾ
ル中の金属酸化物に対して20重量%の割合で添加し
た。基板電極上にこのゾルを塗布後、400℃で仮焼成
する工程を三度繰り返すことで、膜厚0.9μmの非晶
質体多孔質ゲル薄膜を形成した。次に、この薄膜を拡散
炉を用いて酸素雰囲気中、500℃に加熱して5分間保
持し、さらに650℃に加熱して10分間保持してプレ
アニールを行った。その結果、0.6μm厚の結晶質の
緻密な薄膜を得た。以上の操作を15回繰り返した(す
なわち塗布の回数は45回であった)。RTA炉を用い
て酸素雰囲気中、700℃で5分間、さらに950℃で
1分間保持してアニールを行った。その結果、厚さ12
μmの圧電体薄膜が得られた。得られた圧電体薄膜上に
アルミニウム電極を蒸着法で形成し、その後分極して、
圧電体薄膜素子とした。
【0122】この圧電体薄膜の平均結晶粒径は0.08
μmであり、またこの素子の圧電ひずみ定数は170p
C/Nであった。またクラックの発生は観察されなかっ
た。さらにその断面には積層による層状の不連続面は存
在しなかった。
【0123】実施例D1 酢酸鉛0.110モル(鉛成分が10モル%過剰)と、
ジルコニウムアセチルアセトナート0.045モルと、
酢酸マグネシウム0.005モルとを30mlの酢酸
に、100℃に加熱して溶解させた。室温まで冷却し、
チタンテトライソプロポキシド0.040モルと、ペン
タエトキシニオブ0.010モルとをエチルセロソルブ
50mlに添加し溶解させた。アセチルアセトンを30
ml添加して安定化させた後、ポリエチレングリコール
#400(関東化学社製試薬 平均分子量380〜42
0)をゾル中の金属酸化物に対し30重量%の割合で添
加し、よく攪拌して均質なゾルとした。
【0124】シリコン基板上に白金電極をスパッタ法で
形成し、その上に前記ゾルをスピンコートで塗布し、4
00℃で仮焼成した。その結果、クラックを生じること
なく、0.3μmの膜厚の非晶質の多孔質ゲル薄膜を形
成できた。更にゾルの塗布と400℃の仮焼成を2度繰
り返し、0.9μmの膜厚の多孔質ゲル薄膜を形成し
た。次にRTA炉を用いて酸素雰囲気中、5秒間で65
0℃に加熱して、1分間保持しプレアニールを行った。
その結果、0.6μmの膜厚の緻密な薄膜が得られた。
薄膜をエックス線解析により調べたところパイロクロア
型結晶ピークが検出された。また、反射型のFT−IR
(フーリエ変換赤外吸収スペクトル分析)により調べた
ところ2900cm-1付近のメチレン基に起因する吸収
は検出されなかった。
【0125】こうして得られた薄膜に、さらに上で調整
したゾルをスピンコートにより塗布し、400℃に仮焼
成する工程を三度繰り返して、0.9μmの膜厚の非晶
質の多孔質ゲル薄膜の積層膜を得た。次にRTA炉を用
いて650℃で1分間保持することによりプレアニール
して、1.2μm厚の結晶質の緻密な薄膜を得た。得ら
れた基板をフォトレジストを用いてパターニングし、ホ
ウフッ酸でエッチングした。レジストを剥離した後、基
板をRTA炉を用いて酸素雰囲気中で900℃において
1分間保持してアニールした。1.2μm厚と厚みが変
わらない圧電体薄膜が得られた。この圧電体薄膜をエッ
クス線解析により調べたところペロブスカイト型結晶の
鋭く強いピークが検出された。また、シリコン基板を切
断しSEM(走査型電子顕微鏡)で薄膜断面を観察した
ところ、微小粒径の結晶が均質かつ緻密に分布し、積層
による層状の不連続面が存在しないことが確認された。
また、薄膜の試料を作成しTEM(透過型電子顕微鏡)
により、圧電体を観察したところ、平均粒径0.06μ
mの結晶粒から薄膜が構成されていることがわかった。
さらにクラックの発生も全くなかった。
【0126】以上のようにして得られた圧電体薄膜上に
アルミニウム電極を蒸着法で形成し、その後分極して圧
電体薄膜素子とした。この素子の物性を測定したところ
比誘電率は2300、圧電ひずみ定数は170pC/N
と優れた特性を示した。
【0127】PZT薄膜をフッ酸で溶かしICP(プラ
ズマ発光分析)で定量したところ、組成のモル比はP
b:Mg:Nb:Zr:Ti=1.04:0.05:
0.10:0.45:0.40であり、鉛の減少が若干
みられたものの、他の元素に関しては原料仕込組成と同
一であった。
【0128】以上のようにして得られた圧電体薄膜素子
を用いたインクジェット記録ヘッドを実施例A1と同様
の方法により作成した。このインクジェット記録ヘッド
によりインクを吐出させたところ、充分な吐出力が得ら
れた。また、インクジェット記録装置に組み込んで印字
すると、良好な印字品質が得られた。
【0129】実施例D2 実施例D1と同様の方法で塗布液を調製したが、但し、
鉛成分を15モル%過剰とし、マグネシウムのモル比を
0.067とニオブのモル比を0.133、ジルコニウ
ムのモル比を0.45、チタンのモル比を0.35とし
て、さらにポリエチレングリコール#300(関東化学
社製試薬 平均分子量285〜315)をゾル中の金属
酸化物に対し30重量%の割合で添加した。基板電極上
にこのゾルを塗布後、400℃で仮焼成することで、膜
厚0.3μmの非晶質体多孔質ゲル薄膜を形成した。更
にゾルの塗布と400℃の仮焼成を2度繰り返し、0.
9μmの膜厚の多孔質ゲル薄膜を形成した。次にこの薄
膜をRTA炉を用いて酸素雰囲気中、急速に650℃に
加熱して1分間プレアニールした。その結果、0.6μ
m厚の結晶質の緻密な薄膜を得た。更に以上の操作を1
0回繰り返した(すなわち、塗布の回数は30回であっ
た)。その結果、厚さ6μmの圧電体薄膜が得られた。
RTA炉を用いて酸素雰囲気中850℃で1分間保持
し、アニールした。得られた圧電体薄膜上にアルミニウ
ム電極を蒸着法で形成し、その後分極して、圧電体薄膜
素子とした。
【0130】この圧電体薄膜の平均結晶粒径は0.05
μmであり、またこの素子の比誘電率は2400、圧電
ひずみ定数は175pC/Nであった。またクラック発
生は観察されなかった。さらにその断面には積層による
層状の不連続面は存在しなかった。
【0131】実施例D3 実施例D1と同様の方法で塗布液を調製したが、但し、
鉛成分を20モル%過剰とし、マグネシウムのモル比を
0.033とニオブのモル比を0.067、ジルコニウ
ムのモル比を0.5、チタンのモル比を0.4として、
さらにポリエチレングリコール#400(関東化学社製
試薬 平均分子量380〜420)をゾル中の金属酸化
物に対して20重量%の割合で添加した。基板電極上に
このゾルを塗布後、400℃で仮焼成する工程を三度繰
り返すことで、膜厚0.9μmの非晶質体多孔質ゲル薄
膜を形成した。次に、この薄膜を拡散炉を用いて酸素雰
囲気中、550℃で10分間プレアニールした。これに
よって0.6μm厚の結晶質の緻密な薄膜を得た。以上
の操作を15回繰り返した(すなわち、塗布の回数は4
5回であった)。その結果、厚さ12μmの圧電体薄膜
が得られた。RTA炉を用いて酸素雰囲気中950℃で
1分間保持し、アニールした。得られた圧電体薄膜上に
アルミニウム電極を蒸着法で形成し、その後分極して、
圧電体薄膜素子とした。
【0132】この圧電体薄膜の平均結晶粒径は0.08
μmであり、またこの素子の比誘電率は2300、圧電
ひずみ定数は185pC/Nであった。またクラックの
発生は観察されなかった。さらにその断面には積層によ
る層状の不連続面は存在しなかった。
【0133】実施例A1と同様な方法で実施例D2およ
びD3の圧電体薄膜素子を用いたインクジェット記録ヘ
ッドを製造した。このヘッドを用いてインクを吐出させ
たところ、充分な吐出力が得られた。インクジェット記
録装置に組み込んで印字すると、良好な印字品質が得ら
れた。
【0134】実施例E1 酢酸ビスマス0.002モルと、酢酸鉛0.103モル
と、ジルコニウムアセチルアセトナート0.045モル
と、酢酸マグネシウム0.005モルとを30mlの酢
酸に、100℃に加熱して溶解させた。室温まで冷却
し、チタンテトライソプロポキシド0.040モルと、
ペンタエトキシニオブ0.010モルとをエチルセロソ
ルブ50mlに溶解させて添加した。アセチルアセトン
を30mlを添加して安定化させた後、ポリエチレング
リコールをゾル中の金属酸化物に対し30重量%の割合
で添加し、よく攪拌して均質なゾルとした。
【0135】シリコン基板上に白金電極をスパッタ法で
形成し、その上に前記ゾルをスピンコートで塗布し、4
00℃で仮焼成した。その結果、クラックを生じること
なく、0.3μmの膜厚の非晶質の多孔質ゲル薄膜を形
成できた。更にゾルの塗布と400℃の仮焼成を2度繰
り返し、0.9μmの膜厚の多孔質ゲル薄膜を形成し
た。次にこの薄膜をRTA炉を用いて酸素雰囲気中、5
秒間で650℃に加熱して、1分間保持しプレアニール
を行った。その結果、0.6μmの膜厚の緻密な薄膜が
得られた。この薄膜をエックス線解析により調べたとこ
ろパイロクロア型結晶ピークが検出された。また、反射
型のFT−IRにより調べたところ3400cm-1付近
の水酸基に起因する吸収は検出されなかった。
【0136】こうして得られた薄膜に、さらに上で調製
したゾルをスピンコートにより塗布し、400℃に仮焼
成する工程を三度繰り返して、0.9μmの膜厚の非晶
質の多孔質ゲル薄膜の積層膜を得た。次にこの積層膜を
RTA炉を用いて650℃で1分間保持することにより
プレアニールして、1.2μm厚の結晶質の緻密な薄膜
を得た。
【0137】得られた薄膜をフォトレジストを用いてパ
ターニングし、ホウフッ酸でエッチングした。レジスト
を剥離した後、基板をRTA炉を用いて酸素雰囲気中で
900℃において1分間保持してアニールした。1.2
μm厚と厚みが変わらない圧電体薄膜が得られた。この
圧電体薄膜をエックス線解析により調べたところペロブ
スカイト型結晶の鋭く強いピークが検出された。また、
シリコン基板を切断しSEM(走査型電子顕微鏡)によ
り薄膜断面を観察したところ、微小粒径の結晶が均質か
つ緻密に分布し、積層による層状の不連続面が存在しな
いことが確認された。また、薄膜の試料を作成しTEM
(透過型電子顕微鏡)で、圧電体を観察したところ、平
均粒径0.03μmの結晶粒から薄膜が構成されている
ことがわかった。PZT薄膜をフッ酸で溶かしICP
(プラズマ発光分析)で定量したところ、モル比はP
b:Bi:Mg:Nb:Zr:Ti=0.98:0.0
2:0.05:0.10:0.45:0.40であり、
鉛の減少が若干みられたものの、他の元素に関しては原
料仕込組成と同一であった。
【0138】本実施例において得られたPZT薄膜(圧
電体薄膜)の前記組成は(Pb+Bi):Mg:Nb:
Zr:Tiと書き直すと1.00:0.05:0.1
0:0.45:0.40となり、実施例A1と同一の組
成比となる。即ち、本実施例E1の圧電体薄膜の組成
は、実施例A1におけるPbの2%をBiで置換した構
造となった。得られた圧電体薄膜上にアルミニウム電極
を蒸着法で形成し、その後分極して圧電体薄膜素子とし
た。この素子の物性を測定したところ比誘電率は100
0、圧電ひずみ定数は120pC/Nの特性を示した。
【0139】本実施例による圧電体薄膜の特性を実施例
A1のそれと比較すると、比誘電率に於いて50%、圧
電歪み定数に於いて20%下回る。しかしながら本実施
例の圧電体薄膜は、圧電体薄膜素子の占有面積を大きく
したインクジェット記録ヘッドにおいて、発熱の観点か
ら極めて有利なものであった。
【0140】以上のようにして得られた圧電体薄膜素子
を用いて、インクジェット記録ヘッドを作成した。圧電
体薄膜およびインク流路の大きさは実施例A1と同一と
した。圧電体薄膜の圧電歪み特性の不足分を補う為、印
加電圧を20%大きくした。その結果、インクの飛行特
性を損なうこと無く、一方で圧電体薄膜の駆動時におけ
る発熱量を75%減少することが出来た。また吐出され
るインク滴量の増加を目的とし、インク流路の体積を増
した。具体的には、インク流路の幅を0.3mmから
0.4mmへ、圧電体薄膜の幅を0.2mmから0.3
mmへと変更した。圧電体薄膜即ちコンデンサの面積は
50%の増加となったが、比誘電率が小さい為に、コン
デンサ容量は25%減少し、発熱量を抑制することが出
来た。
【0141】実施例E2 ゾルの原材料に、酢酸ランタン0.005モル、酢酸鉛
0.998モル、ジルコニウムアセチルアセトナート
0.045モル、酢酸マグネシウム0.005モル、チ
タンテトライソプロポキシド0.040モル、ペンタエ
トキシニオブ0.010モルを用いた以外は実施例E1
と同様にして圧電体薄膜を形成した。
【0142】得られた圧電体薄膜の組成は、Pb:L
a:Mg:Nb:Zr:Ti=0.95:0.05:
0.05:0.10:0.45:0.40となり、(P
b+La):Mg:Nb:Zr:Tiと書き直すと1.
00:0.05:0.10:0.45:0.40となっ
た。即ち実施例A1の圧電体薄膜に於けるPbの5%を
Laと置換したこととなった。得られた圧電体薄膜の圧
電特性を分極後に測定したところ、その比誘電率は25
00、圧電歪み定数は140pC/Nであった。圧電体
薄膜のヤング率Yは5×1010Paとなり、実施例A1
の圧電体薄膜のヤング率Y=6×1010Paと比較して
柔らかい膜質となった。
【0143】実施例E3〜15 圧電体薄膜の化学式がxPb(Mg1/3 Nb2/3 )O
−yPbZrO−zPbTiO(x,y,zはモル
比を表し、x+y+z=1)系圧電体材料において、こ
の化学式中のPb、Zr、Ti、Nbの一部、Mgの一
部または総てを他の元素で置換した圧電体薄膜を以下実
施例E2と同様にして調製した。
【0144】PbをSr、Ca、またはBaと置換した
圧電体薄膜の比誘電率およびヤング率は表4に示される
通りであった。なお、ゾルの原料としては、Srはジエ
トキシストロンチウムを、CaおよびBaは各々酢酸塩
を用いた。
【0145】ZrおよびTiをSb、Fe、Alまたは
Crと置換した圧電体薄膜の比誘電率およびヤング率は
表5に示される通りであった。なお、ゾルの原料として
は、Sbはトリエトキシアンチモンを、Fe、Alおよ
びCrは各々酢酸塩を用いた。
【0146】MgをCo、Zn、MnまたはNiと置換
した圧電体薄膜の比誘電率およびヤング率は表6に示さ
れる通りであった。なお、ゾルの原料としては、各々酢
酸塩を用いた。
【0147】NbをTaまたはSbと置換した圧電体薄
膜の比誘電率およびヤング率は表7に示される通りであ
った。なお、ゾルの原料としては、トリエトキシアンチ
モン、またはペンタメトキシタンタルを用いた。
【0148】
【表4】
【0149】
【表5】
【0150】
【表6】
【0151】
【表7】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による圧電薄膜の好ましい組成を示す三
成分組成図である。
【図2】本発明の第一の態様による圧電体薄膜の製造法
を模式的に表す図である。
【図3】本発明の第二の態様による圧電体薄膜の製造法
を模式的に表す図である。
【図4】本発明による圧電体薄膜を利用したインクジェ
ット記録ヘツドの摸式図である。
【符号の説明】
11 基板 12 電極 13 多孔質ゲル薄膜 14 結晶質の緻密な薄膜 15 大きなペロブスカイト型結晶粒を有する圧電体薄
膜 21 シリコン基板 22 振動板 23 下電極 24 圧電体薄膜 25 上電極 26 第二基板 27 インクだめ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/49 C04B 35/49 M H01L 21/316 H01L 41/08 C 41/09 41/22 A 41/24 (31)優先権主張番号 特願平7−322659 (32)優先日 平7(1995)12月12日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平7−322660 (32)優先日 平7(1995)12月12日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平7−322661 (32)優先日 平7(1995)12月12日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 村 井 正 己 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 高 橋 哲 司 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜厚が0.5μm以上20μm以下の圧電
    体薄膜であって、該薄膜が平均粒径0.005μm以上
    0.2μm以下の結晶粒からなり、かつ薄膜断面に層状
    の不連続面を有さない、圧電体薄膜。
  2. 【請求項2】前記薄膜がxPb(Mg1/3 Nb2/3 )O
    −yPbZrO−zPbTiO(ここで、x,
    y,zはモル比を表し、x+y+z=1である)で表さ
    れる三成分系(three-component system)圧電材料から
    なり、かつ、この式の三成分系組成図において以下の
    A、B、C、およびDの四点の範囲内にある組成を有す
    る、圧電体薄膜。 A(x=0.05,y=0.40,z=0.55) B(x=0.05,y=0.60,z=0.35) C(x=0.25,y=0.30,z=0.45) D(x=0.25,y=0.50,z=0.25)
  3. 【請求項3】前記圧電体薄膜が、Pb(1−α)Γα
    [(Mg1/3 Nb2/3 )xZryTiz]O(ここ
    で、x,y,zはモル比を表し、x+y+z=1であ
    る)で表され、x,y,zがこの式の三成分系組成図に
    おいて、次のA、B、C、およびDの四点の範囲内にあ
    り、 A(x=0.05,y=0.40,z=0.55)、 B(x=0.05,y=0.60,z=0.35)、 C(x=0.25,y=0.30,z=0.45)、 D(x=0.25,y=0.50,z=0.25)、そ
    して前記式中のΓはSr、Ca、Ba、Bi、またはL
    aの何れかの元素を表し、かつ前記式中のαは、0<α
    ≦0.2の関係を満たす任意の数である、圧電体薄膜。
  4. 【請求項4】前記薄膜が、 前記式中のMgの一部または全てが、Co、Zn、M
    n、およびNiから選択される元素によって置換され、
    および/または前記薄膜が、前記式中のNbの一部が、
    TaまたはSbによって置換され、および/または前記
    式中のZrまたはTiの一部が、Sb、Fe、Al、お
    よびCrから選択される元素によって置換された組成を
    有する、請求項2または3記載の圧電体薄膜。
  5. 【請求項5】PbまたはPb化合物を、Pb:(Mg+
    Nb+Zr+Ti)=1〜1.2:1のモル比の範囲で
    更に含有してなる、請求項2〜4のいずれか一項に記載
    の圧電体薄膜。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧電
    体薄膜を二枚の電極層に挟んでなる、圧電体薄膜素子。
  7. 【請求項7】ゾルゲル法による前記請求項1〜5のいず
    れか一項に記載の圧電体薄膜の製造法であって、 a)圧電体膜を構成する金属成分のゾルと、高分子化合
    物とを含んでなるゾル組成物を、基板上に塗布し、乾燥
    させて膜を形成する工程と、 b)得られた膜を焼成して、非晶質の金属酸化物を含ん
    でなる多孔質ゲル薄膜を形成する仮焼成工程と、 c)得られた多孔質ゲル薄膜をアニールして、該膜を結
    晶質の金属酸化物からなる膜とするプレアニール工程
    と、 d)上記工程a)、b)、およびc)を少なくとも一回
    以上繰り返し、結晶質の金属酸化物の積層膜を形成する
    工程と、 e)工程d)で得られた膜をアニールして、該膜中のペ
    ロブスカイト型の結晶粒を大きく成長させる工程とを含
    んでなる、方法。
  8. 【請求項8】ゾルゲル法による前記請求項1〜5のいず
    れか一項に記載の圧電体薄膜の製造法であって、 a)圧電体膜を構成する金属成分のゾルと、高分子化合
    物とを含んでなるゾル組成物を、基板上に塗布し、乾燥
    させて膜を形成する工程と、 b)得られた膜を焼成して、非晶質の金属酸化物を含ん
    でなる多孔質ゲル薄膜を形成する仮焼成工程と、 f)上記工程a)およびb)を少なくとも一回以上繰り
    返し、非晶質の金属酸化物を含んでなる多孔質薄膜の積
    層膜を形成する工程と、 c’)前記積層膜をアニールして、該膜を結晶質の金属
    酸化物からなる膜とするプレアニール工程と、 d’)上記工程f)、およびc’)を少なくとも一回以
    上繰り返し、結晶質の金属酸化物からなる膜の積層膜を
    形成する工程と、 e’)工程d’)で得られた膜をアニールして、該膜中
    のペロブスカイト型の結晶粒を大きく成長させる工程と
    を含んでなる、方法。
  9. 【請求項9】前記ゾルにおいて、鉛成分を、Pb:(M
    g+Nb+Zr+Ti)=1〜1.2:1のモル比の範
    囲で過剰とする、請求項7または8記載の圧電体薄膜の
    製造法。
  10. 【請求項10】前記工程c)またはc’)におけるプレ
    アニールを400℃〜800℃の範囲の温度で行う、請
    求項7〜9のいずれか一項に記載の圧電体薄膜の製造
    法。
  11. 【請求項11】前記工程e)またはe’)におけるアニ
    ールを600℃〜1200℃の範囲の温度で行う、請求
    項7〜9のいずれか一項に記載の圧電体薄膜の製造法。
  12. 【請求項12】前記工程e)またはe’)におけるアニ
    ールを800℃〜1000℃の範囲の温度で行う、請求
    項7〜9のいずれか一項に記載の圧電体薄膜の製造法。
  13. 【請求項13】前記工程c)またはc’)におけるプレ
    アニールを二段階に分けて行い、その第一段階を400
    ℃〜600℃の範囲の温度で行い、第二段階を600℃
    〜800℃の範囲の温度で行う、請求項7〜9のいずれ
    か一項に記載の圧電体薄膜の製造法。
  14. 【請求項14】前記工程e)またはe’)におけるアニ
    ールを二段階に分けて行い、その第一段階を600℃〜
    800℃の範囲の温度で行い、その第二段階を800℃
    〜1000℃の範囲の温度で行う、請求項7〜9のいず
    れか一項に記載の圧電体薄膜の製造法。
  15. 【請求項15】前記工程b)において形成される多孔質
    薄膜の膜厚または前記工程f)において新たに形成され
    る多孔質薄膜の膜厚が、0.01μm以上1μm以下で
    ある、請求項7〜9のいずれか一項に記載の圧電体薄膜
    の製造法。
  16. 【請求項16】前記工程d)またはd’)により得られ
    た結晶質の金属酸化物かなる膜の積層膜を、前記工程
    e)またはe’)の工程の前に、圧電体薄膜の形状にパ
    ターニングする工程を含んでなる、請求項7〜9のいず
    れか一項に記載の圧電体薄膜の製造法。
  17. 【請求項17】ゾル組成物に添加される高分子化合物が
    ポリエチレングリコールである、請求項7〜16のいず
    れか一項に記載の圧電体薄膜の製造法。
  18. 【請求項18】ゾル組成物に添加される高分子化合物が
    ポリプロピレングリコールである、請求項7〜16のい
    ずれか一項に記載の圧電体薄膜の製造法。
  19. 【請求項19】請求項7〜18のいずれか一項に記載の
    方法によって製造され得る、厚さ0.5μm以上20μ
    m以下の圧電体薄膜であって、該薄膜が平均粒径0.0
    05μm以上0.2μm以下の結晶粒からなり、かつ薄
    膜断面に層状の圧電体薄膜。
  20. 【請求項20】請求項1〜5または19のいずれか一項
    に記載の圧電体薄膜を振動子として用いてなる、インク
    ジェット記録ヘッド。
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