JPH11191646A - 圧電体薄膜素子、これを用いたインクジェット式記録ヘッド、並びに圧電体薄膜素子の製造方法 - Google Patents

圧電体薄膜素子、これを用いたインクジェット式記録ヘッド、並びに圧電体薄膜素子の製造方法

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JPH11191646A
JPH11191646A JP9675398A JP9675398A JPH11191646A JP H11191646 A JPH11191646 A JP H11191646A JP 9675398 A JP9675398 A JP 9675398A JP 9675398 A JP9675398 A JP 9675398A JP H11191646 A JPH11191646 A JP H11191646A
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正己 村井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好な圧電体特性を得るための結晶配向、結
晶形状、及び結晶粒径を確実に達成することができる圧
電体素子を提供する。 【構成】 多結晶体からなる圧電体薄膜15と、圧電体
薄膜を挟んで配置される上部電極と下部電極14とを備
え、下部電極の結晶粒界に圧電体の結晶の核となるチタ
ン14Aが島状に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は圧電体薄膜素子、こ
れを用いたアクチュエータ、並びにこの圧電体薄膜素子
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このアクチュエータは電気的エネルギー
を機械的エネルギーに変換し、またはその逆を行うもの
であって、圧力センサ、温度センサ、インクジェット式
記録ヘッド等に用いられる。このインクジェット式記録
ヘッドでは、圧電体薄膜素子をインク吐出の駆動源とな
る振動子として用いている。
【0003】この圧電体薄膜素子は、一般的に、多結晶
体からなる圧電体薄膜と、この圧電体薄膜を挟んで配置
される上部電極及び下部電極と、を備えた構造を有して
いる。
【0004】この圧電体薄膜の組成は、一般的に、チタ
ン酸ジルコン酸鉛(以下、「PZT」という)を主成分
とする二成分系、または、この二成分系のPZTに第三
成分を加えた三成分系とされている。これらの組成の圧
電体薄膜は、例えば、スパッタ法、ゾルゲル法、MODプ
ロセス(Metalo organic decomposition process)、レ
ーザアブレーション法及びCVD法等により形成するこ
とができる。
【0005】これらの例として、二成分系PZTを用い
た強誘電体が、"Applied PhysicsLetters, 1991, Vol.5
8, No.11, pages 1161-1163"に記載されている。また、
特開平6−40035号公報や、"Journal of The Amer
ican Ceramic Society, 1973, Vol.56, No.2, pages 91
-96"には、二成分系PZTを用いた圧電体が開示されて
いる。前記圧電体薄膜素子を、例えばインクジェット式
記録ヘッドに適用する場合、0.4μm〜20μm程度
の膜厚を備えた圧電体薄膜(PZT膜)が望まれる。こ
の圧電体薄膜には高い圧電ひずみ定数が要求されるの
で、通常、700℃以上の温度で熱処理を行い、この圧
電体薄膜の結晶粒を成長させることが必要であるとされ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、0.5
μm以上の膜厚を備えた圧電体薄膜(PZT膜)を形成
する場合、高い圧電ひずみ定数を得るために熱処理を行
うと、膜内にクラックが発生するという問題がある。
【0007】また、ゾルまたはゲル組成物を塗布して高
温で焼成して圧電体薄膜を結晶化させ、これを繰り返す
ことで、圧電体薄膜の膜厚を厚くする方法が、"Philips
J.Res.47 (1993') pages 263-285" に開示されてい
る。
【0008】しかしながら、この方法によって得られた
圧電体薄膜は、層状の積層界面を有し、良好な圧電特性
を得ることができないとともに、加工性が悪いという問
題がある。また、何度も熱処理を行うと、結晶が無配向
になる等の圧電特性の劣化にもつながる。
【0009】ここで、前記圧電体薄膜は、通常、基板上
に形成された下部電極上に形成されるが、この圧電体薄
膜を形成する際に行われる熱処理により、基板に反りや
ひずみが生じるという問題がある。また、下部電極と圧
電体薄膜との間に、良好な密着性が得られることも必要
である。
【0010】本発明者が圧電体薄膜の圧電歪定数を高め
るために種々検討したところ、特願平8−245353
号において提案するように、圧電体薄膜の結晶が100
面に配向した柱状構造を持ち、かつ粒径が0.1μm乃
至0.5μmの結晶構造を持つことが有効であることを
見い出した。
【0011】特にゾルゲル法又はMODプロセスによる圧
電体薄膜の結晶化は下部電極側から起こるため、下部電
極とPZTの界面が重要となる。さらに、圧電体薄膜が
面方位(100)の配向を持つことが有効であるが、下
部電極は強く(111)に配向しているために、圧電体
薄膜を形成する時の配向性に配慮しなければならない。
【0012】本発明はこのような結晶配向及び結晶粒径
を確実に達成することができる圧電体素子及びその製造
方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、
この圧電体素子を備えたアクチュエータ、特に、インク
ジェット式記録ヘッドを提供することを目的とする。
【0013】さらに、本発明は既述の問題点を解決する
ことを課題とするものであり、製造中膜内にクラックの
発生がなく、高い圧電ひずみ定数を有するとともに、下
部電極との密着性が良好である圧電体薄膜素子を提供す
ることも目的とする。さらに本発明の他の目的は、圧電
体薄膜の結晶が(100)の配向を持つ圧電体素子を提
供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、多結晶体からなる圧電体薄膜と、該圧電
体薄膜を挟んで配置される上部電極と下部電極と、を備
えた圧電体薄膜素子であって、前記下部電極の圧電体側
表面にこの圧電体の結晶の核となる結晶源が島状に形成
されてなることを特徴とする。
【0015】前記結晶源は下部電極の構成元素、好まし
くはチタンから構成されてなり、かつ前記下部電極を構
成するプラチナ等の結晶粒の上や結晶粒同士の粒界上に
形成される。結晶源を島状にするために、構成元素から
なる薄層(40乃至60オングストローム)を下部電極
上に形成する。
【0016】前記圧電体薄膜は面方位(100)の結晶
配向を持つ、柱状の粒径0.1μm乃至0.5μmの結
晶構造を備える。好適には、下部電極の上に形成された
結晶源を核として成長した圧電体薄膜の結晶が下部電極
の複数の結晶粒に跨って形成される。こうすることによ
り、圧電体薄膜と下部電極との間の密着性が向上され
る。
【0017】本発明の圧電体薄膜素子は、前記下部電極
の粒径を前記圧電体が圧電特性を発揮する上で好ましい
粒径に設定し、前記圧電体の結晶の粒径が前記結晶源を
核として成長することにより、前記下部電極の粒径にほ
ぼ等しい値かそれ以上になることを特徴とする。
【0018】本発明のアクチュエータは、前記圧電体薄
膜素子を機械的エネルギ源として用いる。さらに、本発
明の圧電体薄膜の製造方法は、多結晶体からなる圧電体
薄膜を挟んで上部電極と下部電極とを配置する工程を備
え、前記下部電極の圧電体側にこの圧電体の結晶の核と
なる結晶源を島状に形成する工程を備えることを特徴と
するものである。
【0019】さらに、本発明のインクジェット式記録ヘ
ッドは、既述の圧電体薄膜素子を振動子として備えたこ
とを特徴とする。一つの実施形態では、このインクジェ
ット式記録ヘッドは、インク室が形成された基板と、当
該インク室の一方を封止すると共に、表面にたわみ振動
モードの圧電体薄膜素子が固定された振動板と、前記イ
ンク室の他方の面を封止すると共に、インク吐出用のノ
ズル口が形成されたノズル板と、を備えてなり、前記圧
電体薄膜素子が既述の圧電体薄膜素子からなることを特
徴とする。
【0020】本発明に係わる圧電体薄膜によれば、下部
電極を構成するプラチナ結晶粒間の上や結晶粒の上に島
状の結晶種(結晶源)を形成することにより、この種結
晶を核にして成長した圧電体薄膜が面方位100に配向
した柱状の結晶構造を持つようにすることができる。
【0021】さらに、前記下部電極の結晶を前記圧電体
が圧電特性を発揮する上で好ましい粒径に設定し、前記
圧電体の結晶が前記結晶源を核として成長することによ
り、前記圧電体の結晶粒径を下部電極の粒径にほぼ等し
い値以上にすることができる。すなわち、圧電体薄膜の
結晶が、複数の下部電極を跨った構造を持つことができ
るために、下部電極の粒径を越える粒径を持つことが可
能となる。
【0022】また、下部電極結晶の配向性に影響を受け
難い粒界に結晶源を形成することにより、圧電体薄膜の
結晶がこの結晶源を核として成長し、もって圧電体薄膜
結晶の配向性を目的のものにすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る実施の形態に
ついて図面を参照して説明する。なお、本実施の形態で
は、圧電体薄膜としてPZT膜を形成した場合について
説明する。
【0024】(実施の形態1)図1は本発明に係わる圧
電体素子の構成を示す模式図である。図1に示すよう
に、この圧電体薄膜素子は、シリコン基板11と、シリ
コン基板11上に形成されたシリコン酸化膜12と、シ
リコン酸化膜12上形成されたチタン酸化膜13と、チ
タン酸化膜13上に形成された下部電極14と、下部電
極14上に形成されたPZT膜15と、PZT膜15上
に形成された上部電極16を、備えて構成されている。
【0025】前記下部電極14は、プラチナから形成さ
れている。図中には表示していないがPZT膜15の密
着性を向上させるために、シリコン酸化膜12とチタン
酸化膜13の間にチタン膜(Ti/TiO2/Ti等)を形成する
ことが好ましい。
【0026】PZT膜15は多結晶体からなり、この結
晶体の粒界が、図2,図3に示すように、上下部電極1
4及び16の平面に対して略垂直方向に存在している。
すなわち、PZTの結晶粒が後述のように柱状構造を成
している。この結晶体は、結晶粒の膜厚方向の幅が、当
該結晶粒の粒径方向の幅より長く、結晶粒の膜厚方向の
幅と、当該結晶粒の粒径方向の幅との関係が、粒径方向
の幅/膜厚方向の幅=1/3乃至1/10の範囲内で構
成されている。
【0027】さらに、このPZT膜15の結晶構造は、
面方位(100)の結晶面に強く配向して、圧電体薄膜
の膜厚方向に延びる柱状結晶を示す。さらに、好適に
は、圧電体薄膜の一つの柱状結晶は、0.1乃至0.3
μmの幅に形成されている。
【0028】ここで、「配向度」とは、例えば、広角X
RD法にてPZT膜の面方位(XYZ)面の反射強度を
I(XYZ)で表した時に、 I(XYZ)/{I(100)+I(110)+I(1
11)} と表わされるものであると定義する。本発明では、圧電
体薄膜の面方位(100)が、0.15以上であること
により圧電体薄膜がその膜厚方向に伸びるほぼ柱状構造
となる。
【0029】圧電ひずみ定数は、比誘電率と電圧出力係
数の積に比例する。この比誘電率は、電界印加方向の結
晶粒の大きさが大きいほど大きく、圧電出力係数は、圧
電体薄膜の結晶粒が幅方向(図1の向かって上下方向)
に大きく、結晶粒界の幅が狭いほど大きい、という理由
から、本発明では既述のような柱状構造を備えることに
より、PZT膜15の圧電ひずみ定数を向上することが
できる。
【0030】このPZT膜15は、二成分系を主成分と
するもの、この二成分系に第三成分を加えた三成分系を
主成分とするものが好適に用いられる。二成分系PZT
の好ましい具体例としては、 Pb(ZrxTi1-x)O3+YPbO (ここで、0.40≦X≦0.6, 0≦Y≦0.3)
の化学式で表わされる組成を有するものが挙げられる。
【0031】また、三成分系PZTの好ましい具体例と
しては、前記二成分系のPZTに、例えば、第三成分を
添加した以下に示す化学式で表わされる組成を有するも
のが挙げられる。
【0032】PbTiaZrb(Agh)cO3+ePbO
+(fMgO)n (ここで、Aは、Mg,Co,Zn,Cd,Mn及びN
iからなる群から選択される2価の金属またはSb,
Y,Fe,Sc,Yb,Lu,In及びCrからなる群
から選択される3価の金属を表す。また、Bは、Nb,
Ta及びSbからなる群から選択される5価の金属、ま
たはW及びTeからなる群から選択される6価の金属を
表す。また、a+b+c=1, 0.35≦a≦0.5
5, 0.25≦b≦0.55, 0.1≦c≦0.4,
0≦e≦0.3, 0≦f≦0.15c, g=f=1
/2, n=0であるが、但し、Aが3価の金属であり、
かつBが6価の金属でなく、また、Aが2価の金属であ
り、かつBが5価の金属である場合、gは1/3であ
り、hは2/3であり、また、AはMg、BがNbの場
合に限り、nは1を表す。) 三成分系のより好ましい具体例としては、マグネシウム
ニオブ酸鉛、すなわちAがMgであり、BがNbであ
り、gが1/3、hが2/3であるものが挙げられる。
【0033】さらに、これら二成分系PZT及び三成分
系PZTのいずれであっても、その圧電特性を改善する
ために、微量のBa,Sr,La,Nd,Nb,Ta,
Sb,Bi,W,Mo及びCa等が添加されてもよい。
とりわけ、三成分系では、0.10モル%以下のSr,Ba
の添加が圧電特性の改善に一層好ましい。また、三成分
系では、0.10モル%以下のMn,Niの添加が、そ
の焼結性を改善するので好ましい。
【0034】次に、この構造を備えた圧電体薄膜素子の
製造方法について図面を参照して説明する。図4(a)な
いし図4(c)は、前述した圧電体薄膜素子の製造工程を
示す断面図である。図4(a)に示す工程では、シリコン
基板11に熱酸化を行い、シリコン基板11上に、膜厚
が0.3〜1.2μm程度のシリコン酸化膜12を形成
する。次に、スパッタ法により、シリコン酸化膜12上
に、膜厚が0.01μm乃至0.04μm程度のチタン
酸化膜13を形成する。次いで、スパッタ法により、チ
タン酸化膜13上に、プラチナからなる下部電極14
を、結晶粒径が0.01乃至0.3μmで、0.2〜
0.8μm程度の膜厚で形成する。
【0035】次に、図4(b)に示す工程では、図4(a)
に示す工程で形成した下部電極14上に、チタンをスパ
ッタ法により島状に形成する。このチタンを、例えば、
40乃至60オングストロームの膜厚にすることにより
島状チタンが形成可能である。
【0036】このチタンを結晶源として成長した圧電体
薄膜の結晶構造は、100面への配向を有し、かつ、結
晶粒が0.1μm乃至0.5μmになる。このことの詳
細を後ほど説明する。
【0037】このPZT膜15をゾルゲル法によって製
造した場合について説明する。ここでは、ゾルゲル法を
用いてPZTを多層コートによって製造することとす
る。このゾルゲル法は次のとおりである。
【0038】この製造方法は、PZT膜15を形成可能
な金属成分の水酸化物の水和錯体、すなわちゾルを脱水
処理してゲルとし、このゲルを加熱焼成して無機酸化物
を調整する方法である。この製造方法は次の各工程から
なる。
【0039】a.ゾル組成物の成膜工程 本実施の形態において、PZT膜を構成する金属成分の
ゾルは、PZT膜を形成可能な金属のアルコキシドまた
はアセテートを、例えば酸で加水分解して調整すること
ができる。本発明においては、ゾル中の金属の組成を調
製することで、前述したPZT膜の組成を得ることがで
きる。すなわち、チタン、ジルコニウム、鉛、さらには
他の金属成分それぞれのアルコキシドまたはアセテート
を出発原料とする。
【0040】ここでは、最終的にPZT膜(圧電体薄
膜)とされるまでに、PZT膜を構成する金属成分の組
成がほぼ維持されるという利点がある。すなわち、焼成
およびアニール処理中に金属成分、とりわけ鉛成分の蒸
発等による変動が極めて少なく、したがって、これらの
出発原料における金属成分の組成は、最終的に得られる
PZT膜中の金属組成と一致することになる。つまり、
ゾルの組成は生成しようとする圧電体薄膜(本実施の形
態ではPZT膜)に応じて決定される。
【0041】また、本実施の形態では、前述した鉛成分
の蒸発により鉛成分の不足のないPZT膜を得るため、
ゾルにおいて鉛成分を化学量論から要求される量よりも
20モル%まで好ましくは15モル%まで過剰にするこ
とが好ましい。
【0042】本実施の形態では、このゾルは有機高分子
化合物と混合された組成物として用いられるのが好まし
い。この有機高分子化合物は、乾燥及び焼成時に薄膜の
残留応力を吸収して、この薄膜にクラックが生じること
を有効に防止する。具体的には、この有機高分子を含む
ゲルを用いると、後述するゲル化された薄膜に細孔が生
じる。この細孔が、さらに後述するプレアニール及びア
ニール工程において薄膜の残留応力を吸収するものと考
えられる。
【0043】ここで、好ましく用いられる有機高分子化
合物としては、ポリ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコー
ル、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアミ
ド、ポリアミック酸、アセチルセルロース及びその誘導
体、ならびにそれらの共重合体が挙げられる。
【0044】なお、本実施の形態では、ポリ酢酸ビニル
を添加することで、0.05μm程度の細孔を多数有す
る多孔質ゲル薄膜を、ヒドロキシプロプロピセルロース
を添加することで、1μm以下の大きさでかつ広い分布
を持った多孔質ゲル薄膜を形成することができる。
【0045】本実施の形態では、ポリエチレングリコー
ルとして、平均分子量285〜420程度のものが好適
に用いられる。また、ポリプロピレングリコールとして
は、平均分子量300〜800程度のものが好適に用い
られる。
【0046】本実施の形態に係る製造方法では、先ず、
このゾル組成物を、PZT膜15を形成しようとする下
部電極14(図4(b)参照)上に塗布する。この時の塗
布方法は特に限定されず、通常行われている方法、例え
ば、スピンコート、ディップコート、ロールコート、バ
ーコート等によって行うことができる。また、フレキソ
印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷等によって塗布
することもできる。
【0047】また、前記塗布により形成される一層あた
りの膜の厚さは、それ以降の工程を考慮すると、後述す
るゲル化工程において形成される多孔質ゲル薄膜の厚さ
が0.1乃至0.3μmとなるように制御することが望
ましく、より好ましくは、0.15μm程度とすること
がよい。
【0048】次に、塗布されたゾル組成物を自然乾燥、
または200℃以下の温度で加熱する。ここで、この乾
燥(加熱)された膜上に、前記ゾル組成物をさらに塗布
して膜厚を厚くすることもできる。この場合は、下地と
なる膜は、80℃以上の温度で乾燥されることが望まし
い。
【0049】b.ゾル組成物からなる膜のゲル化工程 次に、前述したゾル組成物の成膜工程で得た膜を焼成
し、残留有機物を実質的に含まない非晶質の金属酸化物
からなる多孔質ゲル薄膜を形成する。
【0050】焼成は、ゾル組成物の膜をゲル化し、かつ
膜中から有機物を除去するのに十分な温度で、十分な時
間加熱することによって行う。本実施の形態では、焼成
温度を300〜500℃にすることが好ましく、350
〜400℃にすることがさらに好ましい。焼成時間は、
温度及び使用する炉の形式によって変化するが、例え
ば、脱脂炉を用いた場合には、10〜120分程度が好
ましく、15〜60分程度とすることがより好ましい。
また、ホットプレートを用いた場合には、1〜60分程
度が好ましく、5〜30分程度とすることがさらに好ま
しい。以上の工程によって、下部電極14上に多孔質ゲ
ル薄膜が形成された。
【0051】c.プレアニール工程 次に、前述した工程bで得た多孔質ゲル薄膜を加熱焼成
し、この膜を結晶質の金属酸化膜からなる膜に変換す
る。焼成は、多孔質ゲル薄膜を結晶質の金属酸化物から
なる膜に変換するために必要な温度で行うが、結晶中に
ペロブスカイト型結晶が大部分を占めるまで行う必要は
なく、ゲル薄膜が均一に結晶化した時点で終了させれば
よい。
【0052】本実施の形態では、焼成温度として500
〜800℃の範囲が好ましく、550〜750℃の範囲
で焼成することが、より好ましい。焼成時間は、焼成温
度及び使用する炉の形式によって変化するが、例えばア
ニール炉を使用する場合は、0.1〜5時間程度が好ま
しく、0.5〜2時間程度がより好ましい。また、RT
A(Rapid Thermal Annealing)炉を用いた場合、0.1
〜10分程度が好ましく、1〜5分程度がより好まし
い。
【0053】また、本実施の形態では、このプレアニー
ル工程を二段階に分けて実施することができる。具体的
には、先ず、第一段階として、500〜600℃の範囲
の温度でアニールを行い、次に、第二段階として、60
0〜800℃の範囲の温度でアニールを行うことができ
る。また、さらに好ましくは、第一段階として、500
〜550℃の範囲の温度でアニールを行い、次に、第二
段階として、600〜750℃の範囲の温度でアニール
を行うことができる。この工程によって、多孔質ゲル薄
膜を結晶質の金属酸化膜からなる膜に変換させた。
【0054】d.繰り返し工程 次に、以後、前述した工程a、bをさらに3回繰り返
し、多結晶ゲル薄膜を4層積層した後、工程Cのプレア
ニール工程により金属酸化膜からなる膜に変換する。
【0055】次いで、島状のチタンをPZT上に既述の
方法によって島状に形成し、既述の工程a、b及びcを
さらに4回繰り返す。
【0056】この繰り返し工程の結果得られる積層膜の
積層数は、最終的なPZT膜15の膜厚を考慮して適宜
決定すればよい。ここでは、一層当たり0.15μmで
あることが良い。なお、後述する次工程(工程e)にお
いてクラック等が発生しない膜厚であることが好ましい
ことは言うまでもない。
【0057】この繰り返し工程では、先に形成した膜上
に新たに多孔質ゲル薄膜を形成し、その後のプレアニー
ルの結果、新たに形成された多孔質ゲル薄膜は、先に形
成された膜と実質的に一体化された膜となる。
【0058】ここで、実質的に一体化された膜とは、積
層された層間に不連続層がない場合のみならず、本実施
の形態に係る最終的に得られるPZT膜15の場合と異
なり、積層された層間に不連続層があってもよい。そし
て、さらに工程a、bを繰り返す場合には、さらに新た
な多孔質ゲル薄膜が形成され、その後のプレアニールの
結果、この新たな多孔質ゲル薄膜は、前記で得た結晶質
の積層膜と実質的に一体化された膜となる。
【0059】e.ペロブスカイト型結晶成長工程 次に、前記工程dで得た膜に、焼成温度600〜120
0℃、さらに好ましくは800〜1000℃の範囲でア
ニールを行う。焼成時間は、焼成温度や、使用する炉の
形式によって変化するが、例えば、アニール炉を用いた
場合、0.1〜5時間程度が好ましく、0.5〜2時間
程度がより好ましい。また、RTA炉を用いた場合に
は、0.1〜10分程度が好ましく、0.5〜3分程度
がより好ましい。
【0060】また、本実施の形態では、このペロブスカ
イト型結晶成長工程、すなわち、アニールを二段階に分
けて実施するのができる。具体的には、第一段階では、
600〜800℃程度の温度でアニールを行い、第二段
階では、800〜1000℃の温度でアニールを行う。
また、さらに好ましくは、第一段階では、600〜75
0℃程度の温度でアニールを行い、第二段階では、80
0〜950℃の温度でアニールを行うことができる。
【0061】以上の操作によって、下部電極14上に、
チタンを核として成長した柱状の多結晶体からなる、粒
径が0.1μm乃至0.5μmで膜厚が1.2μmのP
ZTが形成される。ここで、チタンがPZTの結晶化に
ついて与える効果について説明する。この効果は、本発
明者によって電子顕微鏡を用いて確認されている。
【0062】図1において、下部電極14の粒界上に
は、島状のチタンがスパッタ法によって形成されてい
る。下部電極の結晶粒径は0.01乃至0.3μmであ
る。下部電極をこのような結晶粒径を持った柱状結晶に
することはプラチナがFCC構造であるため、柱状結晶
になりやすく、結晶粒径はスパッタ時の成膜速度により
制御できるという理由から可能である。
【0063】下部電極の表面に島状のチタン結晶を形成
しようとすると、プラチナの表面エネルギーの低いプラ
チナ結晶間の粒界にチタンの島状結晶が形成される傾向
となる。このとき、チタンを核として成長するPZT結
晶粒は、複数のチタン結晶に跨って及んで形成される。
【0064】図6は、電子顕微鏡によって確認されたP
ZT結晶の形成過程を示す模式図であり、(1)はPZ
T結晶の高さ方向に沿った図であり、(2)はPZT結
晶の径(幅)方向に沿った図である。図7は実際の電子
顕微鏡写真であり、Pt電極の上に柱状のPZTの結晶
が形成されている。図6のチタン結晶15は、下部電極
結晶14の粒界14Aに形成されている。
【0065】チタン結晶を核としてPZTを成長させる
と、PZTは隣接する下部電極の複数の白金結晶に跨る
ようにその結晶粒が成長する。通常、Ptは111の配
向が安定で生産も容易であるが、白金の配向の影響をよ
り受け難い結晶粒界にチタンの種結晶を形成すると、P
ZTの結晶を白金の結晶面方位の影響を受けない100
方向の柱状結晶に形成されやすくなる。さらに、PZT
の結晶粒は複数の下部電極の結晶粒に跨って形成されて
いるので、下部電極との密着性がより向上することが期
待される。
【0066】図8は島状チタンを形成した下部電極上に
圧電体薄膜PZTを成膜した場合のX線回折解析(XR
D)のチャート図であり、図9は島状チタンを形成しな
い場合のチャート図である。図8と図9とを互いに比較
すると、島状チタンを形成しない時には、PZT膜の配
向は(111)配向のみとなり、圧電体定数も90pC
/Nと低い。一方、島状チタンを形成した場合は、PZ
Tの(100)配向が出現し、その割合も(111)配
向に対して多くなることにより、圧電定数も133pC
/Nと高くなる。
【0067】さらに、チタンが島状に形成されたPZT
の上に他のPZT層を3層順次形成し、さらにチタンを
島状に形成し、さらにPZTを4層順次形成したものを
結晶化させると、チタンを核にしてPZTが既述のよう
に結晶化し、他のPZTも隣接するPZTの結晶粒径や
結晶構造に合わせて結晶化する。PZT層とPZT層の
層との間の島状チタンもチタン上のPZTの結晶化を既
述のように制御する。島状のチタンがない場合は、PZ
Tの結晶はプラチナの影響を受けて111面に配向する
ために、既述のような100面への配向性を持った柱状
構造とならずに優れた圧電特性を示さない。
【0068】図10は、下部電極の結晶粒上にチタンか
らなる結晶源が形成された場合の説明図である。下部電
極の結晶粒14の上には、島状のチタンがスパッタ法に
よって形成される。下部電極の結晶粒径は0.1乃至
0.3μmである。
【0069】下部電極上に既述のゾルゲル法によって形
成されたPZTはこのチタンを核にして結晶化する。図
5(2)の符号14Bは結晶化しているPZTとチタン
との合金である。それぞれのチタンを核にして成長して
いる各PZTの結晶は、下部電極の粒界14Cで成長が
止まった後、圧電体薄膜の膜厚方向に結晶がさらに成長
するために、面方位100に強度をより持った柱状結晶
がPZTの膜厚方向に成長する。このときPZTの各結
晶の粒径は下層の下部電極の粒径によって制御されるた
めに、下電極の粒径を調整することにより、(3)に示
すように、PZTの層は柱状(PZTの厚さ方向へ向か
った柱状)の結晶であり、かつ結晶粒径が0.1乃至
0.5μmの結晶となる。
【0070】図11は、島状チタンと圧電ひずみ定数と
の関係を示した特性図である。チタンの膜厚が40乃至
60オングストロームの範囲で高い圧電ひずみ定数が得
られ、かつこの時の100面の配向度が高いことが確認
された。本発明の111面に対する100面の配向度は
20乃至30であり、好ましくは、20以上であること
により、既述の柱状結晶構造を得ることができる。
【0071】このチタンの膜厚の範囲内で、PZTの結
晶粒径も好適な範囲になっていることが確認された。チ
タンの膜厚はスパッタパワーを一定にしスパッタ時間を
比例配分して設定した。100面配向度は、広角X線解
析における100面と111面の強度比で、111面の
強度を100として算出した。ここで、スパッタによる
膜厚を40乃至60オングストロームにすることによ
り、チタンが連続した膜ではなく島状になる。スパッタ
による膜厚がこの範囲にある場合、膜が連続膜とならず
に島状になることは、例えば、(株)エヌ・ティー・エ
ス 薄膜作成応用ハンドブック 第25頁乃至27頁に
より周知である。
【0072】チタンの厚みが20オングストローム以下
では、下電極の結晶質の白金を種としてPZTの結晶が
成長しているために111面配向度が高くなる。また、
80オングストローム以上ではチタンの膜が連続膜とな
りかつ膜厚が小さいためにPZTが非晶質となりPZT
の結晶サイズが大きくなったと考えられる。
【0073】図12は下電極上のチタンの厚みと圧電ひ
ずみ定数との関係を示す特性図であり、チタンが20乃
至80オングストロームの膜厚の時に好適な圧電特性を
得ることができる。圧電特性は、チタンの厚みが50オ
ングストローム付近で最大値を持つ。一方、既述のよう
に100面配向度はチタンの膜厚が40乃至60オング
ストロームであることにより、チタンの膜厚は20乃至
80オングストロームであり、好ましくは40乃至60
オングストロームである。また、チタンが50オングス
トローム付近でのPZTの結晶は100面の配向が強
い。
【0074】なお、圧電ひずみ定数の測定は、2mmφの
PZTドットパターンのインピーダンスアナライザを用
いた誘電率測定と、片持ち梁の自由端に加重をかけた時
に、ドットパターンに発生する電圧より求めた電圧出力
係数との積により求めた。
【0075】以上により図4(b)の工程を終了し、次
に図4(c)に示す工程に移行する。この工程では図4
(b)に示す工程で得たPZT膜15上に、スパッタ法に
よって、膜厚が、0.05〜0.2μm程度のプラチナ
からなる上部電極16を形成する。
【0076】このようにして、図1に示すような圧電体
薄膜素子を得た。なお、得られたPZT膜15には、ク
ラックの発生がなく、また断面には前述した積層による
層状の不連続面も存在していないことが確認された。
【0077】図5は、本発明に係る圧電体薄膜素子を振
動子として使用したインクジェット式記録ヘッドの一つ
のインク溜め部分を示す断面図である。
【0078】実施の形態3に係るインクジェット式記録
ヘッドは、図5に示すように、インク溜め27が形成さ
れたシリコン基板21と、シリコン基板21上に形成さ
れた振動板22と、振動板22上の所望位置に形成され
た下部電極23と、下部電極23上であって、インク溜
め27に対応した位置に形成された圧電体薄膜24と、
圧電体薄膜24上に形成された上部電極25と、シリコ
ン基板21の下面に接合された第2の基板26と、を備
えて構成されている。下部電極23は、既述の実施の形
態で説明した下部電極と同様の構成を有している。ま
た、圧電体薄膜24は、実施の形態1で説明したPZT
膜と同様の構成を有している。
【0079】このインクジェット式記録ヘッドは、図示
しないインク流路を介してインク溜め27にインクが供
給される。ここで、下部電極23と上部電極25とを介
して、圧電体薄膜24に電圧を印加すると、圧電体薄膜
24が変形してインク溜め27内加圧してインクに圧力
を加える。この圧力によって、インクが図示しないノズ
ルから吐出され、インクジェット記録を行う。
【0080】ここで、このインクジェット式記録ヘッド
は、既述の圧電特性に優れた圧電体薄膜素子を振動子と
して用いているため、大きな圧力でインクを吐出させる
ことができる。
【0081】なお、結晶源としてチタンについて説明し
たが、これに限らず圧電体薄膜の構成元素であってかつ
種結晶となり、圧電体薄膜と合金化できるものであれ
ば、使用できる。また、下部電極を白金としたが、同じ
FCC構造を持つイリジウムでも、同様な効果が得られ
るものである。
【0082】また、ゾルゲル法に代えて、MODプロセス
を利用することも可能である。このプロセスは、ゾルの
作成手段がゾルゲル法と異なるだけで、工程とその条件
はゾルゲル法と同じである。MODプロセルに於けるゾル
の調合は、調合後のゾル液中で分散ゾルが加水分解、脱
水重縮合をした後ゲルネットワークを形成する以上のゾ
ル−ゲル反応をさせないことを目的、特徴とする。
【0083】具体的には、ゾル液の出発原料の一つにア
ルカノールアミンの一つ、モノエタノールアミンを金属
アルコキシドや金属酢酸塩の加水分解抑止剤として選択
する。モノエタノールアミンの働きによって、金属アル
コキシドや金属酢酸塩は、ゾル液中で均一な分散状態を
保つ。従って、ゾルゲル法に見られるゲルネットワーク
を形成しないから、ゾルゲル法に比べ更に均質な結晶を
得ることができる。ゾルの塗布工程から結晶を得るため
の焼結工程までの一切は、ゾル−ゲル法と同じである。
前述のモノエタノールアミンの他に、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、アセチルアセトン、酢酸等
をゾルの加水分解抑止剤として利用できる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る圧電
体薄膜素子は、多結晶体からなる圧電体薄膜と、該圧電
体薄膜を挟んで配置される上部電極と下部電極と、を備
え、下部電極面に圧電体の結晶の核となる結晶源が島状
に形成されてなるので、圧電体の結晶を100面に配向
させた柱状にすることができて圧電特性を向上すること
ができる。
【0085】さらに、本発明に係わる圧電体薄膜素子
は、前記下部電極の結晶を前記圧電体が圧電特性を発揮
する上で好ましい粒径に設定し、前記圧電体の結晶の粒
径が前記結晶源を核として成長することにより、下部電
極の粒径により圧電体薄膜の粒径が変動するということ
を防ぎ、圧電体薄膜の結晶粒径を圧電体特性が発揮され
る上で好適な値にすることが可能となる。
【0086】前記結晶源を所定膜厚のチタンから構成す
ることにより、圧電体特性をより好適な値にすることが
可能となる。
【0087】前記圧電体薄膜が前記結晶源を核にして成
長した結晶からなり、この結晶は面方位(100)の結
晶配向を持ち、柱状の粒径0.1μm乃至0.5μmの
結晶構造を持つようにすることにより、圧電体特性をさ
らに好適な値にすることが可能となる。
【0088】本発明のアクチュエータ、特にインクジェ
ット式記録ヘッドは、このような圧電体薄膜素子を圧力
発生源としているために、機械的変形量が大きくインク
吐出圧を大きくすることが可能となる。
【0089】さらに本発明の圧電体薄膜素子の製造方法
によれば、圧電特性に優れた圧電体薄膜を製造すること
が可能となる。
【0090】また、本発明に係わる圧電体薄膜素子によ
れば、製造中膜内にクラックの発生がなく、高い圧電ひ
ずみ定数を有するとともに、下部電極との密着性が良好
となる。
【0091】さらにまた、圧電体薄膜の結晶が、下部電
極の結晶粒間の結晶源を核として成長するために、圧電
体薄膜素子の結晶構造を好適な面方位に設定することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る圧電体薄膜素子の
断面図である。
【図2】実施の形態1に係る圧電体薄膜素子を構成する
PZT膜の断面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真
である。
【図3】図2に示すPZT膜の平面を示す走査型電子顕
微鏡写真である。
【図4】(a)ないし(c)は、前述した圧電体薄膜素子の製
造工程を示す断面図である。
【図5】本発明に係る圧電体薄膜素子を振動子として使
用したインクジェット式記録ヘッドの一つのインク溜め
部分を示す断面図である。
【図6】下部電極結晶の粒界にチタンの島状結晶を形成
して圧電体薄膜結晶を成長させたことを示す模式図であ
る。
【図7】走査型電子顕微鏡によって撮られた圧電体薄膜
素子の組織図写真であって、図6(1)に対応する組織
像を示すものである。
【図8】島状チタンを形成した下部電極上に圧電体薄膜
PZTを成膜した場合のX線回折解析(XRD)のチャ
ート図である。
【図9】島状チタンを形成しない場合のチャート図であ
る。
【図10】圧電体がチタンの種結晶を核として結晶成長
している第2の例を示す概念図である。
【図11】チタンの膜厚と圧電特性との関係を示す表
図。
【図12】これの特性グラフ。
【符号の説明】
11、21 シリコン基板 12 シリコン酸化膜 13 チタン酸化膜 14、23 下部電極 14A チタン種結晶 15 PZT膜 16、25 上部電極 22 振動板 24 圧電体薄膜 26 基板 27 インク溜り
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項11】 前記請求項1乃至10のいずれか一項
記載の圧電体薄膜素子を機械的エネルギ源として用いた
アクチュエータ。
【請求項12】 多結晶体からなる圧電体薄膜を挟んで
上部電極と下部電極とを配置する工程を備えた圧電体薄
膜素子の製造方法であって、前記下部電極の圧電体側に
この圧電体の結晶の核となる結晶源を島状に形成する工
程を備える圧電体薄膜素子の製造方法。
【請求項13】 前記圧電体薄膜はゾルゲル法によって
製造される請求項12記載の圧電体薄膜素子の製造方
法。
【請求項14】 前記圧電体薄膜は、MODプロセスに
よって製造される請求項12記載の圧電体薄膜素子の製
造方法。
【請求項15】 前記圧電体薄膜素子が複数の層から形
成され、各層の間に結晶源が形成されている請求項12
記載の圧電体薄膜素子の製造方法。
【請求項16】 前記結晶源が圧電体薄膜の構成元素で
ある請求項12記載の製造方法。
【請求項17】 前記結晶源が圧電薄膜の構成元素であ
る請求項12記載の製造方法。
【請求項18】 インク室が形成された基板と、当該イ
ンク室の一方を封止すると共に、表面にたわみ振動モー
ドの圧電体薄膜素子が固定された振動板と、前記インク
室の他方の面を封止すると共に、インク吐出用のノズル
口が形成されたノズル板と、を備えてなるインクジェッ
ト式記録ヘッドであって、前記圧電体薄膜素子が、請求
項1乃至11のいずれか一項に記載の圧電体薄膜素子か
らなるインクジェット式記録ヘッド。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 多結晶体からなる圧電体薄膜と、当該圧
    電体薄膜を挟んで配置される上部電極と下部電極と、を
    備えた圧電体薄膜素子であって、前記下部電極の圧電体
    側にこの圧電体の結晶の核となる結晶源が島状に形成さ
    れてなる圧電体薄膜素子。 【請求項2】 前記圧電体薄膜素子が100の結晶配向
    を持ったPZTからなり、かつ、前記下部電極が111
    の結晶配向を持った白金からなる請求項1記載の圧電体
    薄膜素子。 【請求項3】 前記下部電極の結晶を前記圧電体薄膜が
    圧電特性を発揮する上で好適な粒径に設定し、前記圧電
    体薄膜の結晶の粒径が前記結晶源を核として成長するこ
    とにより、前記下部電極の粒径とほぼ等しいかそれ以上
    の値となる請求項1記載の圧電体薄膜素子。 【請求項4】 前記結晶源が前記下部電極の結晶粒上に
    形成されている請求項1記載の圧電体薄膜素子。 【請求項5】 前記結晶源が前記下部電極の結晶粒の粒
    界に形成置されている請求項1記載の圧電体薄膜素子。 【請求項6】 前記圧電体薄膜の結晶粒が前記下部電極
    の複数の結晶粒に跨って形成されている請求項4又は5
    記載の圧電体薄膜素子。 【請求項7】 前記結晶源が圧電体薄膜の構成元素であ
    る請求項1記載の圧電体薄膜素子。 【請求項8】 前記結晶源がチタンから構成されている
    請求項7記載の圧電体薄膜素子。 【請求項9】 前記結晶源が前記下部電極上に40乃至
    60オングストロームの膜厚を持つように形成されてい
    る請求項4又は5記載の圧電体薄膜素子。 【請求項10】 前記圧電体薄膜が前記結晶源を核にし
    て成長した結晶粒からなり、この結晶粒は面方位(10
    0)の結晶配向を持ち、柱状の粒径0.1μm乃至0.
    5μmの結晶構造を持つ請求項1乃至9のいずれか一項
    記載の圧電体薄膜素子。 【請求項12】 前記請求項1乃至11のいずれか一項
    記載の圧電体薄膜素子を機械的エネルギ源として用いた
    アクチュエータ。 【請求項13】 多結晶体からなる圧電体薄膜を挟んで
    上部電極と下部電極とを配置する工程を備えた圧電体薄
    膜素子の製造方法であって、前記下部電極の圧電体側に
    この圧電体の結晶の核となる結晶源を島状に形成する工
    程を備える圧電体薄膜素子の製造方法。 【請求項14】 前記圧電体薄膜はゾルゲル法によって
    製造される請求項13記載の圧電体薄膜素子の製造方
    法。 【請求項15】 前記圧電体薄膜は、MODプロセスに
    よって製造される請求項13記載の圧電体薄膜素子の製
    造方法。 【請求項16】 前記圧電体薄膜素子が複数の層から形
    成され、各層の間に結晶源が形成されている請求項13
    記載の圧電体薄膜素子の製造方法。 【請求項17】 前記結晶源が圧電体薄膜の構成元素で
    ある請求項13記載の製造方法。 【請求項18】 前記結晶源が圧電薄膜の構成元素であ
    る請求項13記載の製造方法。 【請求項19】 インク室が形成された基板と、当該イ
    ンク室の一方を封止すると共に、表面にたわみ振動モー
    ドの圧電体薄膜素子が固定された振動板と、前記インク
    室の他方の面を封止すると共に、インク吐出用のノズル
    口が形成されたノズル板と、を備えてなるインクジェッ
    ト式記録ヘッドであって、前記圧電体薄膜素子が、請求
    項1乃至11のいずれか一項に記載の圧電体薄膜素子か
    らなるインクジェット式記録ヘッド。
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