JP2001295139A - シリカメソ構造体ファイバー、メソポーラスシリカファイバー、シリカメソ構造体ファイバーの製造方法及びメソポーラスシリカファイバーの製造方法 - Google Patents

シリカメソ構造体ファイバー、メソポーラスシリカファイバー、シリカメソ構造体ファイバーの製造方法及びメソポーラスシリカファイバーの製造方法

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JP2001295139A
JP2001295139A JP2000108997A JP2000108997A JP2001295139A JP 2001295139 A JP2001295139 A JP 2001295139A JP 2000108997 A JP2000108997 A JP 2000108997A JP 2000108997 A JP2000108997 A JP 2000108997A JP 2001295139 A JP2001295139 A JP 2001295139A
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silica
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mesostructured
fibers
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Hirokatsu Miyata
浩克 宮田
Kazuyuki Kuroda
一幸 黒田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に配列方向及び個々のファイバー中で
のメソチャンネルの配列方向が一方向に制御されている
シリカメソ構造体ファイバー及びメソポーラスシリカフ
ァイバーを提供する。 【解決手段】 ラビング処理が施された高分子化合物の
薄膜が表面に形成されている基板上に、酸性条件下、界
面活性剤の存在下においてケイ素アルコキシドを加水分
解して形成されたシリカメソ構造体ファイバーであっ
て、該シリカメソ構造体ファイバーの配列方向及び個々
のシリカメソ構造体ファイバー中でのメソチャンネルの
配列方向が基板面内において一方向に制御されているシ
リカメソ構造体ファイバー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリカメソ構造体
ファイバー、メソポーラスシリカファイバー、シリカメ
ソ構造体ファィバーの製造方法及びメソポーラスシリカ
ファイバーの製造方法に関し、より詳しくは触媒や吸着
剤等に用いられる無機酸化物多孔体の応用に関連した、
細孔構造の制御されたシリカメソ構造体の新規なファイ
バーおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多孔質材料は、吸着、分離など様々な分
野で利用されている。IUPACによれば、多孔体は、
細孔径が2nm以下のマイクロポーラス、2〜50nm
のメソポーラス、50nm以上のマクロポーラスに分類
される。マイクロポーラスな多孔体には天然のアルミノ
ケイ酸塩、合成アルミノケイ酸塩等のゼオライト、金属
リン酸塩等が知られている。これらは、細孔のサイズを
利用した選択的吸着、形状選択的触媒反応、分子サイズ
の反応容器として利用されている。
【0003】報告されているマイクロポーラスクリスタ
ルにおいては、細孔径は最大で1.5nm程度であり、
さらに径の大きな固体の合成はマイクロポアには吸着で
きないような嵩高い化合物の吸着、反応を行うために重
要な課題である。この様な大きなポアを有する物質とし
てシリカゲル、ピラー化粘土等が知られていたが、これ
らにおいては細孔径の分布が広く、細孔径の制御が問題
であった。
【0004】この様な背景の中、径の揃ったメソポアが
蜂の巣状に配列した構造を有するメソポーラスシリカの
合成が、ほぼ同時に異なる二つの方法で開発された。一
方は、“Nature”第359巻、710頁に記載さ
れているような界面活性剤の存在下において、ケイ素の
アルコキシドを加水分解させて合成されるMCM−41
と呼ばれる物質であり、他方は、“Journa1 o
f Chemica1Soiety Chemica1
Communications”の1993巻、68
0頁に記載されているような、層状ケイ酸の一種である
カネマイトの層間にアルキルアンモニウムをインターカ
レートさせて合成されるFSM−16と呼ばれる物質で
ある。
【0005】この両者ともに、界面活性剤の集合体が鋳
型となってシリカの構造制御が行われていると考えられ
ている。これらの物質は、ゼオライトのポアに入らない
ような嵩高い分子に対する触媒や吸着剤として非常に有
用な材料である。
【0006】このような規則的な細孔構造を有するメソ
ポーラスシリカは、種々のマクロスコピックな形態を示
すことが知られている。例示すると、薄膜、ファイバ
ー、微小球、モノリスなどが挙げられる。これらの多様
な形態制御が可能であるがゆえに、メソポーラスシリカ
は、触媒、吸着剤以外に、光学材料や電子材料等の機能
性材料への応用が期待されている。
【0007】これらの種々の形態の中でも、メソポーラ
スシリカファイバーは、もっとも応用研究が進んでいる
もののひとつである。たとえば、“Advanced
Materia1s”第11巻、632頁に記載されて
いる、色素を把持したメソポーラスシリカファイバーで
レーザー発振を確認した例や、“Science”第2
85巻、2113頁に記載されている、メソポーラスシ
リカファイバーを用いてポリエチレンの微細ファイバー
を作成した例が代表的な例である。
【0008】メソポーラスシリカファイバーの製造方法
として、従来、大別して2つの方法が報告されている。
ひとつの方法は、“Chemistry of Mat
eria1s”第9巻、2507頁に記載されているよ
うな、粘性の高い前駆体溶液を紡糸して作成するゾル−
ゲル法を応用した方法であり、もうひとつの方法は、
“Advanced Materia1s”第9巻、9
74頁に記載されているような、油相と水相の界面が存
在する条件下において、アルコキシドの加水分解反応を
行うことによって製造する方法である。前述したレーザ
ー、およびポリエチレンファイバー形成に用いられたメ
ソポーラスシリカファイバーは、この後者の方法を用い
て製造されたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のメソポーラスファイバーの製造方法には以下に述
べるような問題点があった。
【0010】すなわち、粘性の高い溶液を紡糸してメソ
ポーラスシリカファイバーを製造する方法の場合には、
紡糸されたファイバーがガーゼ状の集合体を形成してし
まうために個々のファイバーを制御性良く分離すること
が難しい。また、油相/液相界面においてメソポーラス
シリカファイバーを析出させる方法の場合には、ファイ
バーのほかに粒子、膜等の他の形状のシリカが混入して
しまい、ファイバーのみを分離する工程が煩雑であっ
た。このため、メソポーラスシリカファイバーを選択的
に、かつ制御性良く製造する技術が望まれていた。
【0011】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、簡単な方法で任意の基板上に、配列方向及び個々の
ファイバー中でのメソチャンネルの配列方向が一方向に
制御されているシリカメソ構造体ファイバー、メソポー
ラスシリカファイバーおよびそれらの製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ラビン
グ処理が施された高分子化合物の薄膜が表面に形成され
ている基板上に、酸性条件下、界面活性剤の存在下にお
いてケイ素アルコキシドを加水分解して形成されたシリ
カメソ構造体ファイバーであって、該シリカメソ構造体
ファイバーの配列方向及び個々のシリカメソ構造体ファ
イバー中でのメソチャンネルの配列方向が基板面内にお
いて一方向に制御されていることを特徴とするシリカメ
ソ構造体ファイバーである。
【0013】また、本発明は、上記の基板上に形成され
たシリカメソ構造体ファイバーを基板から剥離したシリ
カメソ構造体ファイバーであって、個々のシリカメソ構
造体ファイバー中でのメソチャンネルの配列方向が一方
向に制御されていることを特徴とするシリカメソ構造体
ファイバーである。
【0014】前記基板上に形成された薄膜の高分子化合
物が、繰り返し構造単位中に2つ以上の連続したメチレ
ン基を含むことが好ましい。
【0015】また、本発明は、酸性条件下、界面活性剤
の存在下においてケイ素アルコキシドを加水分解し、溶
液中に保持した基板上にシリカメソ構造体を形成する方
法において、基板表面に高分子化合物の薄膜を形成し、
ラビング処理を施す工程、該基板上の高分子化合物の薄
膜上に、基板上でのファイバーの配列方向及び個々のシ
リカメソ構造体ファイバー中でのメソチャンネルの配列
方向が一方向に制御されたシリカメソ構造体ファイバー
を形成する工程を有することを特徴とするシリカメソ構
造体ファイバーの製造方法である。
【0016】また、本発明は、酸性条件下、界面活性剤
の存在下においてケイ素アルコキシドを加水分解し、溶
液中に保持した基板上にシリカメソ構造体を形成する方
法において、基板表面に高分子化合物の薄膜を形成し、
ラビング処理を施す工程、該基板上の高分子化合物の薄
膜上に、基板上でのファイバーの配列方向及び個々のシ
リカメソ構造体ファイバー中でのメソチャンネルの配列
方向が一方向に制御されたシリカメソ構造体ファイバー
を形成する工程、該ファイバーを基板から剥離する工程
を有することを特徴とするシリカメソ構造体ファイバー
の製造方法である。
【0017】また、本発明は、酸性条件下、界面活性剤
の存在下においてケイ素アルコキシドを加水分解し、溶
液中に保持した基板上にシリカメソ構造体を形成する方
法において、基板表面に耐酸性の金属層を形成する工
程、該金属層上に高分子化合物の薄膜を形成し、ラビン
グ処理を施す工程、該基板上の高分子化合物の薄膜上
に、基板上でのファイバーの配列方向及び個々のシリカ
メソ構造体ファイバー中でのメソチャンネルの配列方向
が一方向に制御されたシリカメソ構造体ファイバーを形
成する工程、該ファイバーを基板から剥離する工程を有
することを特徴とするシリカメソ構造体ファイバーの製
造方法である。
【0018】前記基板上に形成された薄膜の高分子化合
物が、繰り返し構造単位中に2つ以上の連続したメチレ
ン基を含むことが好ましい。
【0019】また、本発明は、上記のシリカメソ構造体
ファイバーから界面活性剤を除去したメソポーラスシリ
カファイバーである。
【0020】また、本発明は、上記の方法によりシリカ
メソ構造体ファイバーを製造した後、さらに該シリカメ
ソ構造体ファイバーから界面活性剤を除去することを特
徴とするメソポーラスシリカファイバーの製造方法であ
る。
【0021】前記界面活性剤の除去方法は、焼成によ
り、有機溶剤による抽出により、または超臨界状態の流
体を用いた処理により除去するのが好ましい。
【0022】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、簡単な方法で任意の基板上に、配向性を有するシリ
カメソ構造体ファイバーを、選択的に形成したものであ
る。
【0023】すなわち、本発明は、表面に、ラビング処
理が施された高分子化合物の薄膜が形成されている基板
上に形成されたシリカメソ構造体ファイバーであって、
該ファイバーの配列方向、及び個々のシリカメソ構造体
ファイバー中でのメソチャンネルの配列方向が基板面内
において一方向に制御されていることを特徴とするシリ
カメソ構造体ファイバーである。また、本発明のシリカ
メソ構造体ファイバーは、基板上に形成された前述のシ
リカメソ構造体ファイバーを基板から剥離したものを包
含する。
【0024】基板上に形成する薄膜の高分子化合物とし
ては、繰り返し構造単位中に2つ以上の連続したメチレ
ン基を含むような材料を用いた場合、特に一軸配向性に
優れ、かつファイバー中でのメソチャンネルの規則性が
高いシリカメソ構造体ファイバーを得ることができる。
【0025】また、本発明は、酸性条件下、界面活性剤
の存在下においてケイ素アルコキシドを加水分解し、溶
液中に保持した基板上にシリカメソ構造体を形成する方
法において、表面にラビング処理を施した高分子化合物
の薄膜が形成されている基板を用い、基板上でのファイ
バーの配列方向、及び個々のシリカメソ構造体ファイバ
ー中でのメソチャンネルの配列方向が一方向に制御され
たシリカメソ構造体ファイバーを形成したことを特徴と
する、シリカメソ構造体ファイバーの製造方法、及び酸
性条件下、界面活性剤の存在下においてケイ素アルコキ
シドを加水分解し、溶液中に保持した基板上にシリカメ
ソ構造体を形成する方法において、表面にラビング処理
を施した高分子化合物の薄膜が形成されている基板を用
い、配列方向、及び内部のメソチャンネルの配列方向が
一方向に制御されたシリカメソ構造体ファイバーを基板
上に形成した後に、前記ファイバーを基板から剥離した
ことを特徴とする、シリカメソ構造体ファイバーの製造
方法である。
【0026】前記基板上に形成されたシリカメソ構造体
ファイバーを基板から剥離する工程は、表面に耐酸性の
金属層が形成され、さらに該金属層上にラビング処理が
施されている高分子化合物薄膜が形成されている基板を
用いた場合、簡単に、かつ完全に行うことができる。
【0027】さらに本発明は、以上のようにして製造さ
れたシリカメソ構造体ファイバーの細孔中からテンプレ
ートの界面活性剤を除去したメソポーラスシリカファイ
バーである。界面活性剤の除去には、焼成、溶剤による
抽出、及び超臨界状態の流体を用いた抽出等が用いられ
る。本発明のシリカメソ構造体ファイバーは、焼成によ
って形態を損なうことなしに完全に界面活性剤を除去す
ることができる。また、溶剤抽出を用いると、100%
の界面活性剤の除去は困難ではあるものの、焼成に耐え
られない材質の基板上にメソポーラスシリカファイバー
を形成することが可能である。超臨界状態の流体を用い
た抽出を用いると、界面活性剤をほぼ100%除去でき
る上に、界面活性剤の除去に伴うメソ構造の乱れを抑え
ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、実施態様を用いて本発明を
説明する。本発明のシリカメソ構造体ファイバーの形成
に用いる反応容器は、例えば図2の様な構成のもが用い
られる。図2は、本発明のシリカメソ構造体ファイバー
の製造方法において、シリカメソ構造体ファイバーを形
成するための反応容器を示す概略図である。図中、21
は反応容器、22は蓋、23は基板ホルダー、24はシ
ール(Oリング)、25は基板を示す。
【0029】反応容器21の材質は、薬品、特に酸に対
する耐性を有するものであれば特に限定はなく、ポリプ
ロピレンやテフロン(登録商標)のようなものを用いる
ことができる。反応容器内には、耐酸性の材質の基板ホ
ルダー23が、例えば図2の様に置かれており、基板2
5はこの基板ホルダー23を用いて保持される。図2は
基板を水平に保持する例を示してあるが、基板の保持は
水平に限定されるものではない。
【0030】図3は反応溶液中における基板の保持方法
を示す説明図である。図3中、31は反応溶液、32は
基板、33はスペーサ、34はカバーを示す。
【0031】基板は、図3(A)の様に基板32を反応
溶液31の中に保持するのが一般的だが、図3(B)の
様に基板32の配向処理の施された側の表面を反応溶液
表面に接するように保持した場合にも同様のファイバー
を形成することができる。また、図3(C)に示すよう
に、反応中に基板の表面を対流から保護するために、ス
ペーサ33を介してカバー34を用いた場合に、形成さ
れるメソポーラスシリカファイバーの均一性が向上する
傾向がある。反応容器は、反応中に圧力がかかっても破
壊されないように、さらにステンレスのような剛性の高
い材質の密閉容器に入れることもある。
【0032】この図3において、反応溶液は界面活性剤
水溶液に塩酸等の酸を混合し、SiO2 の等電点である
pH=2以下に調整したものに、テトラエトキシシラン
の様なケイ素のアルコキシドを混合したものである。界
面活性剤は、4級アルキルアンモニウムのようなカチオ
ン性界面活性剤、アルキルアミンやポリエチレンオキシ
ドのような非イオン性界面活性剤等の中から適宜選択さ
れる。使用する界面活性剤の分子の長さは、目的のメソ
構造の細孔径に応じて決められる。また、界面活性剤ミ
セルの径を大きくするために、メシチレンのような添加
物を加えても良い。
【0033】基板は、その表面に高分子化合物の薄膜が
形成されていて、さらにこれに対してラビング処理を施
したものを用いる。高分子化合物の薄膜を形成する基板
の材質に特に限定はないが、酸性条件に対して安定なも
のが好ましい。例示すると、石英ガラス、セラミクス、
樹脂等が使用可能である。
【0034】ラビング処理は、スピンコート等の手法に
より基板上にポリマーのコーティングを施し、これを布
でラビングする方法が用いられる。通常、ラビング布は
ローラーに巻き付けられていて、回転するローラーを基
板表面に接触させてラビングを行う。
【0035】表面に形成する高分子化合物の薄膜には、
ファイバー製造のための反応条件において変質しないも
のであれば特に限定はないが、その繰り返し構造単位中
に2つ以上の連続したメチレン基を含んでいるものを用
いた場合に一軸配向性、及びメソ構造の規則性に優れた
シリカメソ構造体ファイバーが得られる。繰り返し構造
単位中のメチレン基の数が、2以上20以下である場合
に特に一軸配向性の良好なシリカメソ構造体ファイバー
が得られる。メチレン基の数が20より大きくなる場合
には一軸配向性が低下する傾向があり、これは以下に述
べるシリカメソ構造体ファイバーの析出時に反応温度を
上げた際に、ラビングによって付与された高分子の配向
性が失われてしまうためであると考えられている。
【0036】本発明でラビング処理を施す高分子化合物
の具体例としては、例えばポリイミドのような化合物を
あげることができる。また、高分子化合物薄膜の膜厚は
1〜20nmであり、好ましくは3〜10nmである。
【0037】この様な条件で基板上にシリカメソ構造体
ファイバーを析出させることができる。酸性側、特に等
電点の近くではSiO2 の沈殿の発生速度は小さく、塩
基性条件の下での反応の場合のようにアルコキシドの添
加後瞬間的に沈殿が発生することはない。
【0038】基板上に形成されるシリカメソ構造体ファ
イバーの形状、及びファイバー間の間隔は、溶液中の酸
の濃度に大きく依存するため、使用する高分子材料に対
して最適な濃度になるように調整する必要がある。使用
する酸は、塩酸、硝酸の様な一般的な酸を用いることが
できる。
【0039】析出させる際の温度には特に制約はなく、
室温〜100℃程度の温度領域において選択される。反
応時間は数時間〜数ヶ月程度である。
【0040】この様にして基板上に形成されたシリカメ
ソ構造体ファイバーは、純水で洗浄した後に空気中で自
然乾燥させ、最終的な一軸配向性シリカメソ構造体ファ
イバーが得られる。特に基板として、ラビング処理を施
した高分子化合物の薄膜が形成されている下地に耐酸性
の金属層を形成したものを使用すると、純水で洗浄した
だけでシリカメソ構造体ファイバーは基板から剥離し、
単独のシリカメソ構造体ファイバーが得られる。
【0041】このシリカメソ構造体ファイバーから、細
孔中に存在するテンプレートの界面活性剤ミセルを除去
することでメソポーラスシリカファイバーを製造するこ
とができる。界面活性剤の除去には、焼成、溶剤による
抽出及び超臨界状態の流体を用いた抽出等が用いられ
る。
【0042】例えば、空気中、550℃で10時間焼成
することによって、メソ構造及びその一軸配向性をほと
んど破壊することなくシリカメソ構造体ファイバーから
完全に界面活性剤を除去することができる。また、溶剤
抽出を用いると、100%の界面活性剤の除去は困難で
はあるものの、焼成に耐えられない材質の基板上にメソ
ポーラスシリカファイバーを形成することが可能であ
る。超臨界状態の流体を用いた抽出を用いると、界面活
性剤をほぼ100%除去できる上に、界面活性剤除去に
伴う構造の乱れを最低限に抑えることができる。これら
以外の方法であっても、メソ構造を破壊せずに界面活性
剤を除去できる方法であれば適用することが可能であ
る。
【0043】以上説明した本発明の要旨は、第一にはラ
ビング処理を施した高分子化合物の薄膜の配向規制力に
よって基板上に析出するシリカメソ構造体ファイバーの
配向を制御するというものであり、第二には析出の際の
酸濃度を最適化することによって、薄膜ではなく、孤立
した配向性ファイバーを得るというものである。
【0044】
【実施例】以下、実施例を用いてさらに詳細に本発明を
説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではな
く、材料、反応条件等は、同様な構造のシリカメソ構造
体ファイバーが得られる範囲で自由に変えることが可能
である。
【0045】実施例1 本実施例は、高分子化合物の繰り返しユニット中、主鎖
部に6個の連続したメチレン基を有するポリマー薄膜に
ラビング配向処理を施した基板を用いて、基板上に、一
軸配向性シリカメソ構造体ファイバー及びメソポーラス
シリカファイバーを製造した例である。
【0046】アセトン、イソプロピルアルコール、及び
純水で洗浄し、オゾン発生装置中で表面をクリーニング
した石英ガラス基板に、スピンコートによって、ポリア
ミック酸AのNMP溶液をスピンコートにより塗布し、
200℃で1時間焼成して、以下の構造を有するポリイ
ミドAを形成した。
【0047】
【化1】
【0048】このポリイミド膜に対して、下記の表1の
条件でラビング処理を施し、基板として用いた。
【0049】
【表1】
【0050】セチルトリメチルアンモニウム塩化物2.
82gを129m1の純水に溶解し、36%塩酸を2
0.6m1添加して2時間撹拌し、界面活性剤の酸性溶
液とした。この溶液にテトラエトキシシラン(TEO
S)1.78m1を加え、2分30秒撹拌し、上記基板
を保持した基板ホルダーの入った図2の構成のテフロン
容器中に入れ、基板が溶液中に保持されるようにした。
基板の表面は、約0.2mmの厚さのスペーサを介して
石英ガラスのカバーで覆い、対流の影響が配向に及ばな
いようにした。最終的な溶液組成はモル比で、H2 O=
100:HCl=3:セチルトリメチルアンモニウム塩
化物=0.11:TEOS=0.10である。この容器
に蓋をし、さらにステンレス製の密閉容器に入れた後に
80℃に保ったオーブン中に保持した。保持時間は48
時間とした。
【0051】所定の時間反応溶液と接触させた基板は、
容器から取り出し、純水で十分に洗浄した後に、室温に
おいて自然乾燥させた。
【0052】反応溶液と48時間接触させた基板を乾燥
させた後に、光学顕微鏡で観察された形状を模式的に図
4に示す。図4は本発明の実施例1で製造した、基板上
に形成された一軸配向性シリカメソ構造体ファイバー、
及びメソポーラスシリカファイバーの模式図である。図
中、41はシリカメソ構造体ファイバーを示す。
【0053】この図4に示したように、ラビングを施し
たポリイミド配向膜Aを形成した基板上では、一方向に
配列した繊維状の構造体の形成が確認され、その繊維状
構造体の配向方向は、ラビング方向に直交する方向であ
った。
【0054】本発明者らの詳細な検討の結果、基板上に
形成される構造体の形態は、反応溶液中の塩酸の濃度に
大きく依存し、塩酸濃度が高くなるに従って繊維状の粒
子が分枝、合体し、繊維状の構造体から連続的な膜に変
化していくことが明らかとなった。
【0055】本実施例で使用したポリイミド膜の場合に
は、反応溶液中の塩酸濃度が、水の量に対してモル比で
3/100(塩酸/水)以下のときに、分枝が少なく、
独立した、アスペクト比が高い繊維状の構造体が基板上
に形成された。一方、塩酸濃度が水の量に対してモル比
で7/100(塩酸/水)以上になると、基板上に形成
される構造体は完全な連続膜となった。
【0056】この繊維状構造体が形成された基板に対し
てX線回折分析を行った。その結果、面間隔3.60n
mの、ヘキサゴナル構造の(100)面に帰属される回
折ピークが確認され、このファイバー状構造体がヘキサ
ゴナルな細孔構造を有することが確認された。広角の領
域には回折ピークが認められないことから、壁を構成す
るシリカは非晶質であることがわかった。この結果か
ら、基板上に形成されたファイバー状構造体は、ヘキサ
ゴナル構造のシリカメソ構造体であることが確認され
た。
【0057】このシリカメソ構造体ファイバー中のメソ
チャンネルの一軸配向性を定量的に評価するために、面
内X線回折分析による評価を行った。この方法は、“C
hemistry of Materia1s”第11
巻、1609頁に記載されているような、基板に垂直な
(110)面に起因するX線回折強度の面内回転依存性
を測定するもので、メソチャンネルの配向方向とその分
布を調べることができる。面内X線回折分析の結果、本
実施例で製造されたファイバー状シリカメソ構造体中で
は、メソチャンネルはラビング方向に対して直交方向に
配向しており、その配向方向の分布は半値幅が約15°
であることが示された。
【0058】この、シリカメソ構造体ファイバーを形成
した基板をマッフル炉に入れ、1℃/分の昇温速度で5
50℃まで昇温し、空気中で10時間焼成した。焼成後
のファイバー状構造体の形状には、焼成前と比較して大
きな差異は認められなかった。さらに、焼成後のファイ
バー状構造体の形成された基板のX線回折分析の結果、
面間隔3.44nmの強い回折ピークが観測され、ヘキ
サゴナルな細孔構造が保持されていることが確かめられ
た。焼成後にも、広角領域には回折ピークは確認されて
おらず、壁のシリカは非晶質のままであることが確認さ
れた。また、赤外吸収スペクトル等の分析により、この
焼成後の試料には界面活性剤に起因する有機物成分は残
存していないことが確かめられた。これより、基板上に
一軸配向したメソポーラスシリカファイバーの形成が確
認された。
【0059】焼成後のメソポーラスシリカファイバーに
対しても面内X線回折分析を行い、(110)面回折強
度の面内回転角度依存性を調べたところ、配向方向の分
布は半値幅が約15°であり、このことから、本実施例
で作成したシリカメソ構造体は、焼成後にもメソチャン
ネルの一軸配向性をほぼ完全に保持していることが確か
められた。
【0060】焼成前後のメソポーラスシリカファイバー
を、ファイバーの長軸方向に対して垂直に切断し、断面
の透過電子顕微鏡観察を行ったところ、両者ともに、ヘ
キサゴナル構造の細孔が確認され、メソポアがメソポー
ラスシリカファイバーの長軸方向に沿って、すなわちラ
ビング方向に対して直交方向に配向していることが確認
された。
【0061】シリカメソ複合体ファイバーの断面をラビ
ング方向に対して直交する方向からから観察した場合の
TEM像の模式図を図1に示す。図1は本発明の実施例
1で製造した配向したシリカメソ構造体ファイバー、及
びメソポーラスシリカファイバーの断面模式図である。
図1中、11は石英ガラス基板、12はラビングを施し
た配向膜、13は界面活性剤ロッド状ミセルまたは空
孔、14はメソポーラスシリカファイバーを示す。
【0062】図1では、メソポーラスシリカファイバー
の断面を台形状に描いているが、ファイバーの断面は必
ずしも台形であるとは限らない。焼成によって、メソポ
ーラスシリカファイバーの基板への密着性は大きく向上
した。これは、下地の石英とメソポーラスシリカ層とが
シラノールの脱水縮合による部分的な結合を形成したこ
とによると考えられる。
【0063】実施例2 本実施例は、表面に耐酸性の金属層を形成し、さらにラ
ビング処理を施したポリイミド薄膜を形成した基板を用
い、この基板上に形成されたシリカメソ構造体ファイバ
ーを基板から剥離して単体のメソ構造体を作成し、さら
に作成したシリカメソ構造体ファイバーから、溶剤抽出
によって界面活性剤を除去することによってメソポーラ
スシリカファイバーを製造した例である。
【0064】清浄な石英ガラス基板上に膜厚約200n
mの白金をスパッタリングにより蒸着し、アセトン、イ
ソプロピルアルコール、及び純水で洗浄し、オゾン発生
装置中で表面をクリーニングした後に、スピンコートに
よって、実施例1で使用したものと同じポリアミック酸
AのNMP溶液をスピンコートにより塗布し、200℃
で1時間焼成して、ポリイミドAを形成した。
【0065】これに対して、実施例1と同じ条件でラビ
ング処理を施し、基板として用いた。この基板を、実施
例1と同じ手順に従って、モル比で、H2 O=100:
HCl=3:セチルトリメチルアンモニウム塩化物=
0.11:TEOS=0.10の組成の反応溶液中に、
実施例1と同様にカバーを施して保持し、80℃で48
時間反応させた。
【0066】所定の時間反応溶液と接触させた基板は、
容器から取り出し、慎重に純水で洗浄した。表面に金属
層の形成されている基板を用いた場合には、反応溶液か
ら取り出し、カバーを外して洗浄を行う際に、シリカメ
ソ構造体ファイバーは基板から剥離し、純水中に浮遊す
る。この、水中に浮遊しているシリカメソ構造体薄膜
を、他の基板もしくはメッシュ上に移し取り、単独のシ
リカメソ構造体ファイバーを得た。得られたシリカメソ
構造体ファイバーの光学顕微鏡写真を図5に示す。図5
は本発明の実施例2で製造された、基板から剥離した後
のシリカメソ構造体ファイバーの繊維の形状を示す光学
顕微鏡写真(倍率100倍)である。
【0067】表面に金属を形成した基板上において、シ
リカメソ構造体ファイバーが剥離しやすい原因に関して
は未だ不明であるが、ポリイミド膜の密着性が劣ってい
ることが一因であると考えられる。
【0068】剥離したシリカメソ構造体ファイバーを基
板上に移し取り、X線回折分析を行ったところ、実施例
1で観測されたのと同じX線回折パターンが観測され、
ヘキサゴナル配列のメソポアの構造が確認された。
【0069】このようにして作成したシリカメソ構造体
薄膜をエタノール中に浸漬し、70℃で24時間抽出を
試みたところ、一度の抽出によって90%以上の界面活
性剤が、合成されたシリカメソ構造体から除去された。
同じ抽出操作を2回繰り返し行なった試料では、95%
以上の界面活性剤を除去することができた。この工程に
より、最終的に抽出後の薄膜を乾燥させエタノールを除
去することによって、メソポーラスシリカファイバーを
得た。ファイバーの形状は溶剤抽出によって大きく変化
することはなかった。
【0070】界面活性剤を抽出した後のメソポーラスシ
リカファイバーのX線回折分析により、界面活性剤除去
後もヘキサゴナルなメソ構造は保持されていることが明
らかとなった。
【0071】本実施例に用いた、溶剤抽出により界面活
性剤ミセルを除去する方法は、界面活性剤を完全に除去
することは困難であるものの、酸化雰囲気における熱処
理に弱い樹脂のような基板上に形成されたシリカメソ複
合体薄膜から界面活性剤を除く方法として有効である。
【0072】また、この溶剤抽出による界面活性剤の除
去では、焼成による除去に比較して、最終的に得られる
メソポーラスシリカファイバー中のシラノール基の量を
高レベルに保つことができるという効果がある。
【0073】本実施例では、金属層を表面に形成するこ
とによって、シリカメソ構造体ファイバーが表面から剥
離しやすいようにしたが、剥離するためには必ずしも表
面に金属層が形成されていなければならないわけではな
く、金属層が形成されていない実施例1の基板を用いた
場合にも、例えば機械的に表面をこすることによってシ
リカメソ構造体ファイバーを剥離することが可能であ
る。
【0074】実施例3 本実施例は、実施例2で得られた単独のシリカメソ構造
体ファイバーから、超臨界状態の流体を用いた抽出によ
って界面活性剤を除去してメソポーラスシリカを製造し
た例である。実施例2と同じ手順で、基板から剥離した
シリカメソ構造体ファイバーを製造した。
【0075】このメソ構造体ファイバーをエタノール中
に浸漬し、複合体中の液相を完全にエタノールに置換す
る。この場合、実施例2で述べたように、エタノール中
に界面活性剤は溶出してくる。この後、ファイバー試料
を図6のような構成の超臨界乾燥装置中に入れ、二酸化
炭素を流体として用いて、31℃、7.38×106
a(72.8気圧)の超臨界条件で有機物の抽出を行っ
た。赤外吸収スペクトル等の分析により、超臨界条件の
下で乾燥させた後のメソポーラスシリカ中には有機物は
ほとんど残存しておらず、ほぼ完全に界面活性剤を除去
することができたことが確認された。
【0076】図6は、本発明の実施例3で使用した超臨
界乾燥装置であり、61はCO2ボンベ、62はチラ
ー、63はポンプ、64はプレヒータ、65は抽出器、
66はヒーター、67はセパレーター、68はガスメー
タ、69はバルブを示す。
【0077】本実施例で用いた方法は、実施例2で述べ
た溶剤による抽出法よりも複雑な装置が必要となるが、
低温において、より完全に界面活性剤を除去できる方法
である。この方法も、実施例2の溶剤抽出法と同様に、
焼成による界面活性剤の除去に比較して、製造したメソ
ポーラスシリカファィバー中のシラノール基の量を高レ
ベルに保つことができるという効果がある。
【0078】また、超臨界状態の流体を用いた乾燥で
は、乾燥時に発生する応力を零にすることができるた
め、メソ構造を全く破壊することなしにメソポーラスシ
リカ薄膜を得ることができる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高分子化合物の薄膜を形成した後にラビング処理を施し
た基板を用い、かつシリカメソ構造体形成時の塩酸濃度
を最適化することにより、基板上でメソチャンネルの方
向が揃ったシリカメソ構造体ファイバー、及びメソポー
ラスシリカファイバーを得ることができる。
【0080】さらに、基板上に形成されたこれらのファ
イバーを基板から剥離することによって、単独のシリカ
メソ構造体ファイバー、及びメソポーラスシリカファイ
バーを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で製造した配向したシリカメ
ソ構造体ファイバー、及びメソポーラスシリカファイバ
ーを示す断面模式図である。
【図2】本発明のシリカメソ構造体ファイバーの製造方
法において、シリカメソ構造体ファイバーを形成するた
めの反応容器を示す概略図である。
【図3】反応溶液中における基板の保持方法を示す説明
図である。
【図4】本発明の実施例1で製造した、基板上に形成さ
れた一軸配向性シリカメソ構造体ファイバー及びメソポ
ーラスシリカファイバーを示す模式図である。
【図5】本発明の実施例2で製造された、基板から剥離
した後のシリカメソ構造体ファイバーの繊維の形状を示
す光学顕微鏡写真(倍率100倍)である。
【図6】本発明の実施例3で使用した超臨界乾燥装置の
構成を示す概略図である。
【符号の説明】
11 石英ガラス基板 12 配向膜 13 界面活性剤ロッド状ミセルまたは空孔 14 メソポーラスシリカファイバー 21 反応容器 22 蓋 23 基板ホルダー 24 シール(Oリング) 25 基板 31 反応溶液 32 基板 33 スペーサ 34 カバー 41 シリカメソ構造体ファイバー 61 CO2 ボンベ 62 チラー 63 ポンプ 64 プレヒータ 65 抽出器 66 ヒータ 67 セパレータ 68 ガスメータ 69 バルブ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラビング処理が施された高分子化合物の
    薄膜が表面に形成されている基板上に、酸性条件下、界
    面活性剤の存在下においてケイ素アルコキシドを加水分
    解して形成されたシリカメソ構造体ファイバーであっ
    て、該シリカメソ構造体ファイバーの配列方向及び個々
    のシリカメソ構造体ファイバー中でのメソチャンネルの
    配列方向が基板面内において一方向に制御されているこ
    とを特徴とするシリカメソ構造体ファイバー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の基板上に形成されたシリ
    カメソ構造体ファイバーを基板から剥離したシリカメソ
    構造体ファイバーであって、該シリカメソ構造体ファイ
    バー中でのメソチャンネルの配列方向が一方向に制御さ
    れていることを特徴とするシリカメソ構造体ファイバ
    ー。
  3. 【請求項3】 前記基板上に形成された薄膜の高分子化
    合物が、繰り返し構造単位中に2つ以上の連続したメチ
    レン基を含むことを特徴とする請求項1または2記載の
    シリカメソ構造体ファイバー。
  4. 【請求項4】 酸性条件下、界面活性剤の存在下におい
    てケイ素アルコキシドを加水分解し、溶液中に保持した
    基板上にシリカメソ構造体を形成する方法において、基
    板表面に高分子化合物の薄膜を形成し、ラビング処理を
    施す工程、該基板上の高分子化合物の薄膜上に、基板上
    でのファイバーの配列方向及び個々のシリカメソ構造体
    ファイバー中でのメソチャンネルの配列方向が一方向に
    制御されたシリカメソ構造体ファイバーを形成する工程
    を有することを特徴とするシリカメソ構造体ファイバー
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸性条件下、界面活性剤の存在下におい
    てケイ素アルコキシドを加水分解し、溶液中に保持した
    基板上にシリカメソ構造体を形成する方法において、基
    板表面に高分子化合物の薄膜を形成し、ラビング処理を
    施す工程、該基板上の高分子化合物の薄膜上に、基板上
    でのファイバーの配列方向及び個々のシリカメソ構造体
    ファイバー中でのメソチャンネルの配列方向が一方向に
    制御されたシリカメソ構造体ファイバーを形成する工
    程、該ファイバーを基板から剥離する工程を有すること
    を特徴とするシリカメソ構造体ファイバーの製造方法。
  6. 【請求項6】 酸性条件下、界面活性剤の存在下におい
    てケイ素アルコキシドを加水分解し、溶液中に保持した
    基板上にシリカメソ構造体を形成する方法において、基
    板表面に耐酸性の金属層を形成する工程、該金属層上に
    高分子化合物の薄膜を形成し、ラビング処理を施す工
    程、該基板上の高分子化合物の薄膜上に、基板上でのフ
    ァイバーの配列方向及び個々のシリカメソ構造体ファイ
    バー中でのメソチャンネルの配列方向が一方向に制御さ
    れたシリカメソ構造体ファイバーを形成する工程、該フ
    ァイバーを基板から剥離する工程を有することを特徴と
    するシリカメソ構造体ファイバーの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基板上に形成された薄膜の高分子化
    合物が、繰り返し構造単位中に2つ以上の連続したメチ
    レン基を含むことを特徴とする請求項4乃至6のいずれ
    かの項に記載のシリカメソ構造体ファイバーの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至3のいずれかに記載のシリ
    カメソ構造体ファイバーから界面活性剤を除去したメソ
    ポーラスシリカファイバー。
  9. 【請求項9】 請求項4乃至6のいずれかに記載の方法
    によりシリカメソ構造体ファイバーを製造した後、さら
    に該シリカメソ構造体ファイバーから界面活性剤を除去
    することを特徴とするメソポーラスシリカファイバーの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記界面活性剤を焼成により除去する
    請求項9記載のメソポーラスシリカファイバーの製造方
    法。。
  11. 【請求項11】 前記界面活性剤を有機溶剤による抽出
    により除去する請求項9記載のメソポーラスシリカファ
    イバーの製造方法。。
  12. 【請求項12】 前記界面活性剤を超臨界状態の流体を
    用いた処理により除去する請求項9記載のメソポーラス
    シリカファイバーの製造方法。。
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