JP2002012419A - シリカメソ構造体薄膜、メソポーラスシリカ薄膜、シリカメソ構造体薄膜のパターニング方法及びメソポーラスシリカ薄膜のパターニング方法 - Google Patents

シリカメソ構造体薄膜、メソポーラスシリカ薄膜、シリカメソ構造体薄膜のパターニング方法及びメソポーラスシリカ薄膜のパターニング方法

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JP2002012419A
JP2002012419A JP2000189104A JP2000189104A JP2002012419A JP 2002012419 A JP2002012419 A JP 2002012419A JP 2000189104 A JP2000189104 A JP 2000189104A JP 2000189104 A JP2000189104 A JP 2000189104A JP 2002012419 A JP2002012419 A JP 2002012419A
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silica
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Hirokatsu Miyata
浩克 宮田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上の任意の位置に一軸配向性の細孔構造
を有する連続性、均一性の高いパターニングされたシリ
カメソ構造体薄膜を提供する。 【解決手段】 基板表面に耐酸性の金属のパターンを形
成する工程と、該パターニングされた金属が形成された
基板上にさらに高分子化合物薄膜を形成する工程と、該
高分子化合物薄膜にラビング処理を施す工程と、該ラビ
ング処理が施された基板をケイ素アルコキシドを含む酸
性の界面活性剤水溶液中に保持し、該基板上にシリカメ
ソ構造体の薄膜を作成する工程と、該基板の金属のパタ
ーン上に形成されたシリカメソ構造体を剥離する工程に
より作製された一軸配向性の細孔構造を有するシリカメ
ソ構造体薄膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パターニングされ
たシリカメソ構造体薄膜、パターニングされたメソポー
ラスシリカ薄膜、シリカメソ構造体薄膜のパターニング
方法、及びメソポーラスシリカ薄膜のパターニング方法
に関し、特に触媒や吸着剤等に用いられる無機酸化物多
孔体の応用に関連し、より詳しくは、所望の方向に管状
細孔の配向方向が制御された、シリカメソ構造体の薄膜
を基板上の所望の位置において所望の形状にパターニン
グする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多孔質材料は、吸着、分離など様々な分
野で利用されている。IUPACによれば、多孔体は、
細孔径が2nm以下のマイクロポーラス、2〜50nm
のメソポーラス、50nm以上のマクロポーラスに分類
される。マイクロポーラスな多孔体には天然のアルミノ
ケイ酸塩、合成アルミノケイ酸塩等のゼオライト、金属
リン酸塩等が知られている。これらは、細孔のサイズを
利用した選択的吸着、形状選択的触媒反応、分子サイズ
の反応容器として利用されている。
【0003】報告されているマイクロポーラスクリスタ
ルにおいては、細孔径は最大で1.5nm程度であり、
さらに径の大きな固体の合成はマイクロポアには吸着で
きないような嵩高い化合物の吸着、反応を行うために重
要な課題である。この様な大きなポアを有する物質とし
てシリカゲル、ピラー化粘土等が知られていたが、これ
らにおいては細孔径の分布が広く、細孔径の制御が問題
であった。
【0004】この様な背景の中、径の揃ったメソポアが
蜂の巣状に配列した構造を有するメソポーラスシリカの
合成が、ほぼ同時に異なる二つの方法で開発された。一
方は、“Nature”第359巻710頁に記載され
ているような界面活性剤の存在下においてケイ素のアル
コキシドを加水分解させて合成されるMCM−41と呼
ばれる物質であり、他方は、“Journal of
Chemical Society Chemical
Communications”の1993巻680
頁に記載されているような、層状ケイ酸の一種であるカ
ネマイトの層間にアルキルアンモニウムをインターカレ
ートさせて合成されるFSM−16と呼ばれる物質であ
る。この両者ともに、界面活性剤の集合体が鋳型となっ
てシリカの構造制御が行われていると考えられている。
これらの物質は、ゼオライトのポアに入らないような嵩
高い分子に対する触媒や吸着剤として非常に有用な材料
である。
【0005】このような規則的な細孔構造を有するメソ
ポーラスシリカは、種々のマクロスコピックな形態を示
すことが知られている。例示すると、薄膜、ファイバ
ー、微小球、モノリスなどが挙げられる。これらの多様
な形態制御が可能であるがゆえに、メソポーラスシリカ
は、触媒、吸着剤以外に、光学材料や電子材料等の機能
性材料への応用が期待されている。
【0006】このような規則的な細孔構造を有するメソ
ポーラス物質を、触媒以外の機能性材料分野に応用する
場合、これらの材料を基板上に均一に保持する技術が重
要である。基板上に均一なメソポーラスシリカ薄膜を作
成する方法としては、例えば“Chemical Co
mmunications”の1996巻1149頁に
記載されているようなスピンコートによる方法、“Na
ture”第389巻364頁に記載されているような
ディップコートによる方法、“Nature”第379
巻703頁に記載されているような固体表面に膜を析出
させる方法等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来の
メソポーラスシリカ薄膜の作成方法には以下に述べるよ
うな問題点があった。すなわち、スピンコート膜等の場
合には膜全体にわたってのメソ構造体の方向性がなく、
ポアを配向させることができない。また、一方シリカメ
ソ構造体を基板上に析出させる方法の場合には形成され
る膜の基板依存性が大きく、方向性を持った膜の形成は
雲母やグラファイトのへき開面、及びシリコン単結晶の
(110)面のような原子レベルでの秩序性のある基板
に限られている。
【0008】このため、任意の基板上に配向性を有する
メソポーラスシリカ薄膜を形成する技術が求められてい
た。これを解決するための技術として、“Chemis
try of Materials”第11巻1609
頁に記載されているような、表面に高分子化合物薄膜を
形成し、これに対しラビング処理を施した基板を用いる
方法が提案されている。
【0009】また、従来のシリカメソ構造体の薄膜は、
そのマクロスコピックな形状が制御されておらず、デバ
イス等に応用するためには、上記任意の基板上におい
て、作成された一軸配向性の細孔構造を有するメソポー
ラスシリカ薄膜が、任意の形状にパターニングされてい
る必要がある。
【0010】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、任意の基板上の任意の位置に、任意の形状で作成さ
れた、一軸配向性の細孔構造を有する連続性、均一性の
高いパターニングされたシリカメソ構造体薄膜及びパタ
ーニングされたメソポーラスシリカ薄膜を提供するもの
である。また、本発明は、上記のシリカメソ構造体薄膜
のパターニング方法及びメソポーラスシリカ薄膜のパタ
ーニング方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の第一の発
明は、基板上に形成された高分子化合物薄膜上の任意の
位置に配置されたシリカメソ構造体薄膜であって、該薄
膜が所望の形状にパターニングされており、かつパター
ニングされた個々のシリカメソ構造体薄膜中の管状の細
孔の配向方向が一軸方向に揃っていることを特徴とする
一軸配向性の細孔構造を有するシリカメソ構造体薄膜で
ある。
【0012】本発明の第二の発明は、上記の一軸配向性
の細孔構造を有するシリカメソ構造体薄膜から、細孔中
の界面活性剤を除去してなることを特徴とする一軸配向
性の細孔構造を有するメソポーラスシリカ薄膜である。
【0013】本発明の第三の発明は、基板表面に耐酸性
の金属のパターンを形成する工程と、該パターニングさ
れた金属が形成された基板上にさらに高分子化合物薄膜
を形成する工程と、該高分子化合物薄膜にラビング処理
を施す工程と、該ラビング処理が施された基板をケイ素
アルコキシドを含む酸性の界面活性剤水溶液中に保持
し、該基板上にシリカメソ構造体の薄膜を作成する工程
と、該基板の金属のパターン上に形成されたシリカメソ
構造体を剥離する工程からなることを特徴とする一軸配
向性の細孔構造を有するシリカメソ構造体薄膜のパター
ニング方法である。
【0014】本発明の第四の発明は、基板表面に耐酸性
の金属のパターンを形成する工程と、該パターニングさ
れた金属が形成された基板上にさらに高分子化合物薄膜
を形成する工程と、該高分子化合物薄膜にラビング処理
を施す工程と、該ラビング処理が施された基板をケイ素
アルコキシドを含む酸性の界面活性剤水溶液中に保持
し、該基板上にシリカメソ構造体の薄膜を作成する工程
と、該基板の金属のパターン上に形成されたシリカメソ
構造体を剥離する工程と、該基板上に形成した金属のパ
ターンをエッチングにより除去する工程からなることを
特徴とする一軸配向性の細孔構造を有するシリカメソ構
造体薄膜のパターニング方法である。
【0015】本発明の第五の発明は、基板表面に耐酸性
の金属のパターンを形成する工程と、該パターニングさ
れた金属が形成された基板上にさらに高分子化合物薄膜
を形成する工程と、該高分子化合物薄膜にラビング処理
を施す工程と、該ラビング処理が施された基板をケイ素
アルコキシドを含む酸性の界面活性剤水溶液中に保持
し、該基板上にシリカメソ構造体の薄膜を作成する工程
と、該基板の金属のパターン上に形成されたシリカメソ
構造体を剥離する工程と、該基板上に形成されたシリカ
メソ構造体薄膜中から界面活性剤を除去する工程からな
ることを特徴とする一軸配向性の細孔構造を有するメソ
ポーラスシリカ薄膜のパターニング方法である。
【0016】本発明の第六の発明は、基板表面に耐酸性
の金属のパターンを形成する工程と、該パターニングさ
れた金属が形成された基板上にさらに高分子化合物薄膜
を形成する工程と、該高分子化合物薄膜にラビング処理
を施す工程と、該ラビング処理が施された基板をケイ素
アルコキシドを含む酸性の界面活性剤水溶液中に保持
し、該基板上にシリカメソ構造体の薄膜を作成する工程
と、該基板の金属のパターン上に形成されたシリカメソ
構造体を剥離する工程と、該基板上に形成した金属のパ
ターンをエッチングにより除去する工程と、該基板上に
形成されたシリカメソ構造体薄膜中から界面活性剤を除
去する工程からなることを特徴とする一軸配向性の細孔
構造を有するメソポーラスシリカ薄膜のパターニング方
法である。
【0017】上記の本発明においては、前記高分子化合
物が、繰り返し構造単位中に2つ以上の連続したメチレ
ン基を含むことが好ましい。また、前記界面活性剤を焼
成または有機溶剤による抽出により除去することが好ま
しい。
【0018】本発明の第七の発明は、複数の細孔を含む
膜が基板上に複数配置された構造体であって、前記膜と
前記基板との間に有機物膜が配置されており、前記各々
の膜に含まれる細孔が互いに実質的に平行に配列されて
なることを特徴とする構造体である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、基板上に形成された高
分子化合物薄膜上の任意の位置に配置されたシリカメソ
構造体薄膜であって、該薄膜が所望の形状にパターニン
グされており、かつパターニングされた個々のシリカメ
ソ構造体薄膜中の管状の細孔の配向方向が一軸方向に揃
っていることを特徴とする一軸配向性の細孔構造を有す
るシリカメソ構造体薄膜、並びに上記パターニングされ
た一軸配向性の細孔構造を有するシリカメソ構造体薄膜
から、細孔中の界面活性剤を除去したことを特徴とす
る、一軸配向性の細孔構造を有するメソポーラスシリカ
薄膜である。
【0020】界面活性剤の除去には、焼成、溶剤による
抽出等が用いられる。本発明のシリカメソ構造体薄膜
は、焼成によって形態を損なうことなしに完全に界面活
性剤を除去することができる。また、溶剤抽出を用いる
と、100%の界面活性剤の除去は困難ではあるもの
の、焼成に耐えられない材質の基板上にメソポーラスシ
リカ薄膜を形成することが可能である。また、使用した
界面活性剤を回収することが可能であることも、溶剤抽
出法の利点の一つである。
【0021】また本発明は、基板表面に耐酸性の金属の
パターンを形成する工程と、パターニングされた金属が
形成された上記基板上にさらに高分子化合物薄膜を形成
する工程と、該高分子化合物薄膜にラビング処理を施す
工程とによって形成された基板を、ケイ素アルコキシド
を含む酸性の界面活性剤水溶液中に保持し、該基板上に
シリカメソ構造体の薄膜を作成する工程と、金属のパタ
ーン上に形成されたシリカメソ構造体を剥離する工程か
らなることを特徴とする、一軸配向性の細孔構造を有す
るシリカメソ構造体薄膜のパターニング方法である。
【0022】この方法に、さらに最初の工程で基板上に
形成した金属のパターンをエッチングにより除去する工
程を加えることで、最終的に、一軸配向性の細孔構造を
有するシリカメソ構造体薄膜のみのパターンを得ること
ができる。
【0023】本発明において、使用する高分子化合物と
して、繰り返し構造単位中に2つ以上の連続したメチレ
ン基を含むものを使用した場合に、特に膜の連続性、及
び細孔の一軸配向性に優れたシリカメソ構造体薄膜、及
びメソポーラスシリカ薄膜を得ることができる。
【0024】以下、実施態様を用いて本発明を説明す
る。本発明のシリカメソ構造体薄膜の形成に用いる反応
容器は、例えば図2の様な構成のものが用いられる。反
応容器の材質は、薬品、特に酸に対する耐性を有するも
のであれば特に限定はなく、ポリプロピレンやテフロン
(登録商標)のようなものを用いることができる。反応
容器21内には、耐酸性の材質の基板ホルダー23が例
えば図2の様に置かれており、基板25はこれを用いて
保持される。図2は基板を水平に保持する例を示してあ
るが、基板の保持は水平に限定されるものではない。
【0025】図3は反応溶液中における基板の保持方法
を示す説明図である。また、基板32は、図3(A)の
様に反応溶液31中に保持するのが一般的であるが、図
3(B)の様に基板の配向処理の施された側の表面を反
応溶液表面に接するように保持した場合にも同様の薄膜
を形成することができる。また図3(C)に示すよう
に、反応中に基板の表面を対流から保護するために、ス
ペーサ33を介してカバー34を用いた場合に、形成さ
れるメソポーラスシリカ薄膜の均一性が向上する傾向が
ある。反応容器は、反応中に圧力がかかっても破壊され
ないように、さらにステンレスのような剛性の高い材質
の密閉容器に入れることもある。
【0026】この図3において、反応溶液は、界面活性
剤水溶液に塩酸等の酸を混合し、SiO2 の等電点であ
るpH=2以下に調整したものに、例えばテトラエトキ
シシランの様なケイ素のアルコキシドを混合したものが
用いられる。界面活性剤は、4級アルキルアンモニウム
のようなカチオン性界面活性剤、アルキルアミンやポリ
エチレンオキシドを親水基として含む両親媒性化合物の
ような非イオン性界面活性剤等の中から適宜選択され
る。使用する界面活性剤分子の長さは、目的のメソ構造
の細孔径に応じて決められる。また、界面活性剤ミセル
の径を大きくするために、メシチレンのような添加物を
加えても良い。
【0027】基板は、その表面に白金、金等の耐酸性の
金属薄膜のパターンが形成されているものを用いる。使
用する基板の材質に特に限定はないが、酸性条件に対し
て安定なものが好ましく、例示すると、石英ガラス、セ
ラミクス、樹脂等が使用可能である。これらの金属薄膜
は、例えばスパッタのような方法で形成され、フォトリ
ソグラフィーの手法を用いて任意のパターンが形成され
る。
【0028】この金属のパターンが形成された基板上に
は、さらにスピンコート等の手法によって高分子化合物
薄膜が形成され、さらにこれに対してラビング処理を施
す。ラビング処理は、通常、布を巻き付けたローラーを
基板表面に接触させながら回転させることによって行
う。
【0029】表面に形成する高分子化合物薄膜には、シ
リカメソ構造体薄膜作成のための反応条件において変質
しないものであれば特に限定はないが、その繰り返し構
造単位中に2つ以上の連続したメチレン基を含んでいる
ものを用いた場合に一軸配向性、及びメソ構造の規則性
に優れたシリカメソ構造体薄膜が得られる。繰り返し構
造単位中のメチレン基の数が、2以上20以下である場
合に、特に一軸配向性の良好なシリカメソ構造体薄膜が
得られ、それ以上大きくなる場合には一軸配向性が低下
する傾向があり、これは以下に述べるシリカメソ構造体
薄膜の析出時に反応温度を上げた際に、ラビングによっ
て付与された高分子の配向性が失われてしまうためであ
ると考えられている。
【0030】この様な条件で基板上にシリカのメソ構造
体薄膜を析出させることができる。酸性側、特に等電点
の近くではSiO2 の沈殿の発生速度は小さく、塩基性
条件の下での反応の場合のようにアルコキシドの添加後
瞬間的に沈殿が発生することはない。析出させる際の温
度には特に制約はなく、室温〜100℃程度の温度領域
において選択される。反応時間は数時間〜数ヶ月程度で
ある。
【0031】この様にして基板上に形成されたシリカメ
ソ構造体薄膜は、純水中で洗浄し、余分な界面活性剤、
及び酸を除去する。この工程において、下地に金属薄膜
が存在する部分に形成されたシリカメソ構造体薄膜は基
板から容易に剥離し、下地に金属薄膜の存在していない
部分に析出したシリカメソ構造体薄膜のみが基板上に残
される。必要に応じて超音波による処理等を行うこと
で、金属上のシリカメソ構造体薄膜の剥離をより完全に
行うことが可能である。下地に金属が存在する個所にお
いて、形成されたシリカメソ構造体の剥離が起こりやす
い原因は不明であるが、高分子化合物薄膜と基板との密
着性の差が一因であると考察される。このようにして、
下地に形成した金属のパターンと逆のパターンのシリカ
メソ構造体のパターンが基板上に得られる。
【0032】この状態では、シリカメソ構造体薄膜が形
成されていない個所には、金属のパターンが形成されて
いるので、シリカメソ構造体のみのパターンを形成する
ためには、最初の工程で形成した金属薄膜のパターンを
除去する工程が必要となる。シリカは、耐薬品性が高い
ので、一般的なウェットエッチングの手法を適用するこ
とができ、例えば白金であれば、加熱した王水で処理
し、シリカメソ構造体のみのパターンを形成することが
可能である。
【0033】このシリカメソ構造体薄膜から、細孔中に
存在するテンプレートの界面活性剤ミセルを除去するこ
とでメソポーラスシリカ薄膜を作成することができる。
界面活性剤の除去には、焼成、溶剤による抽出等が用い
られる。例えば、空気中、550℃で10時間焼成する
ことによって、メソ構造、及びその一軸配向性をほとん
ど破壊することなくシリカメソ構造体薄膜から完全に界
面活性剤を除去することができる。また、溶剤抽出を用
いると、100%の界面活性剤の除去は困難ではあるも
のの、焼成に耐えられない材質の基板上にメソポーラス
シリカ薄膜を形成することが可能である。これら以外の
方法であっても、メソ構造を破壊せずに界面活性剤を除
去できる方法であれば適用することが可能である。上記
の金属パターンの除去は、この界面活性剤除去の工程の
後に行っても良い。
【0034】以上説明した本発明の要旨は、第一にはラ
ビング処理を施した高分子化合物の配向規制力によっ
て、基板上に析出するシリカメソ構造体薄膜中でのロッ
ド状細孔の配向を制御するというものであり、第二に
は、ラビング処理を施した高分子化合物薄膜の下地の材
質の差によるシリカメソ構造体の基板への密着性の差を
利用してパターンの形成を行うというものである。
【0035】
【実施例】以下、実施例を用いてさらに詳細に本発明を
説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではな
い。また、材料、反応条件等は、同様な構造のシリカメ
ソ構造体薄膜が得られる範囲で自由に変えることが可能
である。
【0036】実施例1 本実施例は、白金の薄膜がパターニングされている石英
ガラス板上に、繰り返しユニット中の主鎖部に6個の連
続したメチレン基を有するポリマー薄膜を形成し、ラビ
ング処理を施した基板を用いて、一軸配向性の細孔構造
を有するシリカメソ構造体薄膜のパターン形成を行った
例である。
【0037】図4は、本発明の実施例1で用いた、石英
基板上に形成された白金薄膜のパターンを示す概略図で
ある。石英ガラス基板上に白金薄膜41を形成し、フォ
トリソグラフィーの手法を用いて図4に示した様な白金
のパターンを形成する。42は基板露出部を示す。白金
の膜厚は約100nmである。この基板をアセトン、イ
ソプロピルアルコール及び純水で洗浄し、オゾン発生装
置中で表面をクリーニングした後に、前駆体であるポリ
アミック酸AのNMP溶液をスピンコートにより塗布
し、200℃で1時間焼成して、以下の構造を有するポ
リイミドAの薄膜を形成した。
【0038】
【化1】
【0039】これに対して、表1の条件で、基板全体に
一方向のラビング処理を施し、シリカメソ構造体薄膜を
析出させるための基板として用いた。ラビング方向は、
図4中に矢印で示した。
【0040】
【表1】
【0041】セチルトリメチルアンモニウム塩化物2.
82gを108mlの純水に溶解し、36%塩酸を4
8.1ml添加して2時間攪拌し、界面活性剤の酸性溶
液とした。この溶液にテトラエトキシシラン(TEO
S)1.78mlを加え、2分30秒攪拌し、上記基板
を保持した基板ホルダーの入った図2の構成のテフロン
容器中に入れ、基板が溶液中に保持されるようにした。
基板の表面は、約0.2mmの厚さのスペーサを介して
石英ガラスのカバーで覆い、対流の影響が配向に悪影響
が及ばないようにした。
【0042】最終的な溶液組成はモル比で、H2 O=1
00:HCl=7:セチルトリメチルアンモニウム塩化
物=0.11:TEOS=0.10である。この容器に
蓋をし、さらにステンレス製の密閉容器に入れた後に8
0℃に保ったオーブン中に保持した。保持時間は48時
間とした。
【0043】所定の時間反応溶液と接触させた基板は、
容器から取り出し、純水で十分に洗浄した後に、さらに
純水中において超音波処理を行った。この基板を空気中
で乾燥させた後に観察すると、白金が形成されていた個
所に形成された薄膜は、完全に剥離し、石英ガラスが露
出していた部分のみに透明な薄膜が形成されていること
が確認された。
【0044】さらにこの試料について光学顕微鏡観察を
行い、透明薄膜が形成されている個所の光学顕微鏡観察
を行ったところ、図5に模式的に示すような、楕円形の
テクスチュア52が一方向に配列している様子が観察さ
れた。その配列方向は、観察された楕円形テクスチュア
の長軸方向がラビング方向に直交する方向であった。5
1は一軸配向性の細孔構造を有するシリカメソ構造体で
ある。
【0045】この基板上にパターニングされた透明薄膜
に対してX線回折分析を行った。その結果、面間隔3.
60nmの、ヘキサゴナル構造のシリカメソ構造体の
(100)面に帰属される回折ピークが確認され、透明
薄膜がヘキサゴナルな細孔構造を有することが確かめら
れた。広角の領域には白金に起因する回折ピーク以外の
ピークは認められないことから、壁を構成するシリカは
非晶質であることがわかった。この結果から、基板上に
形成された透明薄膜は、ヘキサゴナル構造のシリカメソ
構造体薄膜であることが確認された。
【0046】このシリカメソ構造体薄膜中のメソチャン
ネルの一軸配向性を定量的に評価するために、面内X線
回折分析による評価を行った。この方法は、“Chem
istry of Materials”第11巻16
09頁に記載されているような、基板に垂直な(11
0)面に起因するX線回折強度の面内回転依存性を測定
するもので、メソチャンネルの配向方向とその分布を調
べることができる。面内X線回折分析の結果、本実施例
で作成されたシリカメソ構造体薄膜中では、メソチャン
ネルはラビング方向に対して直交方向に配向しており、
その配向方向の分布は半値幅が約15°であることが示
された。
【0047】これらの結果から、本発明の方法によっ
て、基板上の任意の位置に、任意の形状の、一軸配向性
の細孔構造を有するシリカメソ構造体薄膜を得られるこ
とが確認された。
【0048】この、一軸配向性の細孔構造を有するシリ
カメソ構造体薄膜を作成した基板をマッフル炉に入れ、
1℃/分の昇温速度で550℃まで昇温し、空気中で1
0時間焼成した。焼成後のシリカメソ構造体薄膜の形状
には、焼成前と比較して大きな差異は認められなかっ
た。さらに、焼成後のシリカメソ構造体の形成された基
板のX線回折分析の結果、面間隔3.44nmの回折ピ
ークが観測され、ヘキサゴナルな細孔構造が保持されて
いることが確かめられた。
【0049】焼成後にも、広角領域には回折ピークは確
認されておらず、壁のシリカは非晶質のままであること
が確認された。また、赤外吸収スペクトル等の分析によ
り、この焼成後の試料には界面活性剤に起因する有機物
成分は残存していないことが確かめられた。これより、
本発明の方法によって、一軸配向した中空の細孔を有す
るメソポーラスシリカ薄膜を基板上の任意の位置に、任
意の形状に形成することができることが示された。
【0050】焼成後のパターニングされたメソポーラス
シリカ薄膜に対しても面内X線回折分析を行い、(11
0)面回折強度の面内回転角度依存性を調べたところ、
配向方向の分布は半値幅が約15°であり、このことか
ら、本実施例で作成したシリカメソ構造体は、焼成後に
も細孔構造の一軸配向性をほぼ完全に保持していること
が確かめられた。
【0051】焼成前後のパターニングされたシリカメソ
構造体薄膜を、ラビング方向に平行に切断し、断面の透
過電子顕微鏡観察を行ったところ、両者ともに、ヘキサ
ゴナル構造の細孔が確認され、メソポアが図5で観察さ
れたシリカメソ構造体の楕円形テクスチュアの長軸方向
に沿って、すなわちラビング方向に対して直交方向に配
向していることが確認された。シリカメソ複合体薄膜の
断面をラビング方向に対して直交する方向からから観察
した場合の模式図を図1に示す。
【0052】図1中、11は一軸配向性の細孔構造を有
するシリカメソ構造体、12は白金薄膜、13は石英基
板、14はラビング処理を施したポリイミド配向膜、1
5は界面活性剤ロッド状ミセルまたは空孔、16はシリ
カを示す。
【0053】焼成によって、メソポーラスシリカ薄膜の
基板への密着性は大きく向上した。これは、下地の石英
基板とメソポーラスシリカ層とがシラノールの脱水縮合
による部分的な結合を形成したことによると考えられ
る。
【0054】実施例2 本実施例は、実施例1と同様の方法によってシリカメソ
構造体薄膜のパターンを形成した後に、最初に作成した
金属のパターンを除去し、さらに、溶剤抽出によって界
面活性剤を細孔中より除去した例である。
【0055】フォトリソグラフィーの手法を用いて、実
施例1で用いたものと同じ、白金のパターンを石英ガラ
ス基板上に形成する。白金の膜厚は約100nmであ
る。この白金のパターンが形成された基板に対して、実
施例1と同じ手順でポリアミック酸AのNMP溶液をス
ピンコートにより塗布し、焼成してポリイミドAの薄膜
を形成した。
【0056】これに対して、実施例1と同じ条件で、基
板全体に一方向のラビング処理を施し、一軸配向性の細
孔構造を有するシリカメソ構造体薄膜を析出させるため
の基板として用いた。
【0057】次に、実施例1で述べたのと同じ手順によ
って、この基板上に、シリカメソ構造体の薄膜を析出さ
せ、純水洗浄、及び純水中での超音波処理を行った。先
述したように、白金が形成されていた個所に形成された
薄膜は完全に剥離し、作成された白金薄膜のパターン中
の、石英ガラスが露出していた部分に、一軸配向性の細
孔構造を有する透明なシリカメソ構造体の薄膜が形成さ
れた。
【0058】このようにして形成した、シリカメソ構造
体薄膜のパターンが形成された基板を、75℃の王水
(濃塩酸3容積+濃硝酸1容積の混合液)中に入れ、白
金が完全に溶解するまで液中に保持した。白金を除去し
た後の、シリカメソ構造体のパターンが形成された基板
の様子を模式的に図6に示す。61は一軸配向性の細孔
構造を有するシリカメソ構造体、62は基板を示す。
【0059】この工程によって、ガラス基板上に、シリ
カメソ構造体薄膜のみのパターンを形成することができ
た。白金除去後の基板のX線回折分析により、王水によ
る処理で、細孔構造が影響を受けないことが確認され
た。
【0060】このようにして作成した、一軸配向性の細
孔構造を有するシリカメソ構造体薄膜のパターンが形成
された基板をエタノール中に浸漬し、70℃で24時間
抽出を試みたところ、一度の抽出によって90%以上の
界面活性剤が、合成されたシリカメソ構造体から除去さ
れた。同じ抽出操作を2回繰り返し行なった試料では、
95%以上の界面活性剤を除去することができた。この
工程により、最終的に抽出後の薄膜を乾燥させエタノー
ルを除去することによって、一軸配向性の細孔構造を有
するメソポーラスシリカ薄膜のパターンが形成された基
板を得ることができた。X線回折分析により、界面活性
剤を抽出した後にも、メゾスコピックな細孔構造が保持
されていることが確認された。
【0061】本実施例に用いた、溶剤抽出により界面活
性剤ミセルを除去する方法は、界面活性剤を完全に除去
することは困難であるものの、酸化雰囲気における熱処
理に弱い樹脂のような基板上に形成されたシリカメソ複
合体薄膜から界面活性剤を除く方法として有効である。
また、この溶剤抽出による界面活性剤の除去では、焼成
による除去に比較して、最終的に得られるメソポーラス
シリカ薄膜中のシラノール基の量を高レベルに保つこと
ができるという効果がある。
【0062】実施例3 本実施例は、耐酸性の金属として、金を用いて一軸配向
性の細孔構造を有するメソポーラスシリカ薄膜のパター
ンを基板上に形成した例である。
【0063】石英ガラス基板上に、フォトリソグラフィ
ーの手法を用いて図4に示したものと同じ金のパターン
を形成する。金の膜厚は約100nmである。この基板
をアセトン、イソプロピルアルコール、及び純水で洗浄
し、オゾン発生装置中で表面をクリーニングした後に、
スピンコートによって、実施例1及び2で用いたものと
同じ、ポリアミック酸AのNMP溶液をスピンコートに
より塗布し、200℃で1時間焼成して、ポリイミドA
の薄膜を形成した。
【0064】これに対して、実施例1、2と同じ表1に
条件で、基板全体に一方向のラビング処理を施し、一軸
配向性の細孔構造を有するシリカメソ構造体薄膜を析出
させるための基板として用いた。
【0065】次に、実施例1及び2で述べたのと同じ手
順によって、この基板上に、シリカメソ構造体の薄膜を
析出させ、純水洗浄、及び純水中での超音波処理を行っ
た。白金のパターンの場合と同様に、金が形成されてい
た個所に形成された薄膜は完全に剥離し、作成された金
薄膜のパターン中の、石英ガラスが露出していた部分に
一軸配向性の細孔構造を有する透明なシリカメソ構造体
の薄膜が形成された。
【0066】このようにして形成した、シリカメソ構造
体薄膜のパターンが形成された基板を、ヨウ素1.2
g、ヨウ化アンモニウム8g、水40ml、メタノール
60mlの割合で作成された金のエッチング液中に入
れ、金が完全に溶解するまで液中に保持した。エッチン
グにより金を除去した後の、シリカメソ構造体のパター
ンが形成された基板は、実施例2で白金の薄膜を用いて
作成されたものと基本的に同じものであった。金除去後
の基板のX線回折分析により、金のエッチング液による
処理でも、細孔構造が影響を受けないことが確認され
た。
【0067】この、一軸配向性の細孔構造を有するシリ
カメソ構造体薄膜を作成した基板をマッフル炉に入れ、
1℃/分の昇温速度で550℃まで昇温し、空気中で1
0時間焼成した。焼成後のシリカメソ構造体薄膜の形状
には、焼成前と比較して大きな差異は認められなかっ
た。さらに、焼成後のシリカメソ構造体の形成された基
板のX線回折分析の結果、面間隔3.44nmの回折ピ
ークが観測され、ヘキサゴナルな細孔構造が保持されて
いることが確かめられた。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
予め、耐酸性金属薄膜のパターンを形成した上に、高分
子化合物の薄膜を形成し、ラビング処理を施した基板を
用いることによって、金属薄膜上に析出した一軸配向性
の細孔構造を有するシリカメソ構造体薄膜を選択的に剥
離することができ、最終的に、基板上の任意の位置に任
意の形状の、一軸配向性の細孔構造を有するシリカメソ
構造体薄膜、及びメソポーラスシリカ薄膜のパターンを
作成することができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作成した本発明の一軸配向性の細孔
構造を有するシリカメソ構造体薄膜のパターン及びその
中における細孔構造を説明するための模式図である。
【図2】本発明におけるシリカメソ複合体薄膜を形成す
るための反応容器を示す概略図である。
【図3】反応溶液中における基板の保持方法を示す説明
図である。
【図4】本発明の実施例1で用いた、石英基板上に形成
された白金薄膜のパターンを示す概略図である。
【図5】本発明の実施例1で作成された、パターニング
された一軸配向性の細孔構造を有するシリカメソ構造体
薄膜の光学顕微鏡像の模式図である。
【図6】本発明の実施例2で作成した、金属薄膜を除去
した後の、一軸配向性の細孔構造を有するシリカメソ構
造体のパターンの模式図である。
【符号の説明】
11 一軸配向性の細孔構造を有するシリカメソ構造体 12 白金薄膜 13 石英基板 14 ラビング処理を施したポリイミド配向膜 15 界面活性剤ロッド状ミセルまたは空孔 16 シリカ 21 容器(テフロン) 22 蓋(テフロン) 23 基板ホルダー(テフロン製) 24 シール(Oリング) 25 基板 31 反応溶液 32 基板 33 スペーサ 34 カバー 41 白金薄膜 42 石英基板露出部 51 一軸配向性の細孔構造を有するシリカメソ構造体 52 テクスチュア 61 一軸配向性の細孔構造を有するシリカメソ構造体 62 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA20A AA20C AB24D AG00A AK01B AK49E AT00A BA05 BA07 BA10C DC21C EJ15 EJ26 GB90 JM02B JM02C JM02D JM02E 4G066 AA22B BA03 BA22 BA24 FA21 4G072 AA25 BB09 BB16 FF02 FF07 GG01 GG03 HH30 JJ14 JJ33 NN21 NN30 RR20 UU11 4G075 AA24 BC02 BC06 FB02 FB12 FC09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された高分子化合物薄膜上
    の任意の位置に配置されたシリカメソ構造体薄膜であっ
    て、該薄膜が所望の形状にパターニングされており、か
    つパターニングされた個々のシリカメソ構造体薄膜中の
    管状の細孔の配向方向が一軸方向に揃っていることを特
    徴とする一軸配向性の細孔構造を有するシリカメソ構造
    体薄膜。
  2. 【請求項2】 前記高分子化合物が繰り返し構造単位中
    に2つ以上の連続したメチレン基を含むことを特徴とす
    る請求項1記載のシリカメソ構造体薄膜。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の一軸配向性の細
    孔構造を有するシリカメソ構造体薄膜から、細孔中の界
    面活性剤を除去してなることを特徴とする一軸配向性の
    細孔構造を有するメソポーラスシリカ薄膜。
  4. 【請求項4】 前記界面活性剤を焼成または有機溶剤に
    よる抽出により除去してなる請求項3記載のメソポーラ
    スシリカ薄膜。
  5. 【請求項5】 基板表面に耐酸性の金属のパターンを形
    成する工程と、該パターニングされた金属が形成された
    基板上にさらに高分子化合物薄膜を形成する工程と、該
    高分子化合物薄膜にラビング処理を施す工程と、該ラビ
    ング処理が施された基板をケイ素アルコキシドを含む酸
    性の界面活性剤水溶液中に保持し、該基板上にシリカメ
    ソ構造体の薄膜を作成する工程と、該基板の金属のパタ
    ーン上に形成されたシリカメソ構造体を剥離する工程か
    らなることを特徴とする一軸配向性の細孔構造を有する
    シリカメソ構造体薄膜のパターニング方法。
  6. 【請求項6】 基板表面に耐酸性の金属のパターンを形
    成する工程と、該パターニングされた金属が形成された
    基板上にさらに高分子化合物薄膜を形成する工程と、該
    高分子化合物薄膜にラビング処理を施す工程と、該ラビ
    ング処理が施された基板をケイ素アルコキシドを含む酸
    性の界面活性剤水溶液中に保持し、該基板上にシリカメ
    ソ構造体の薄膜を作成する工程と、該基板の金属のパタ
    ーン上に形成されたシリカメソ構造体を剥離する工程
    と、該基板上に形成した金属のパターンをエッチングに
    より除去する工程からなることを特徴とする一軸配向性
    の細孔構造を有するシリカメソ構造体薄膜のパターニン
    グ方法。
  7. 【請求項7】 前記高分子化合物が繰り返し構造単位中
    に2つ以上の連続したメチレン基を含むことを特徴とす
    る請求項5または6記載のシリカメソ構造体薄膜のパタ
    ーニング方法。
  8. 【請求項8】 基板表面に耐酸性の金属のパターンを形
    成する工程と、該パターニングされた金属が形成された
    基板上にさらに高分子化合物薄膜を形成する工程と、該
    高分子化合物薄膜にラビング処理を施す工程と、該ラビ
    ング処理が施された基板をケイ素アルコキシドを含む酸
    性の界面活性剤水溶液中に保持し、該基板上にシリカメ
    ソ構造体の薄膜を作成する工程と、該基板の金属のパタ
    ーン上に形成されたシリカメソ構造体を剥離する工程
    と、該基板上に形成されたシリカメソ構造体薄膜中から
    界面活性剤を除去する工程からなることを特徴とする一
    軸配向性の細孔構造を有するメソポーラスシリカ薄膜の
    パターニング方法。
  9. 【請求項9】 基板表面に耐酸性の金属のパターンを形
    成する工程と、該パターニングされた金属が形成された
    基板上にさらに高分子化合物薄膜を形成する工程と、該
    高分子化合物薄膜にラビング処理を施す工程と、該ラビ
    ング処理が施された基板をケイ素アルコキシドを含む酸
    性の界面活性剤水溶液中に保持し、該基板上にシリカメ
    ソ構造体の薄膜を作成する工程と、該基板の金属のパタ
    ーン上に形成されたシリカメソ構造体を剥離する工程
    と、該基板上に形成した金属のパターンをエッチングに
    より除去する工程と、該基板上に形成されたシリカメソ
    構造体薄膜中から界面活性剤を除去する工程からなるこ
    とを特徴とする一軸配向性の細孔構造を有するメソポー
    ラスシリカ薄膜のパターニング方法。
  10. 【請求項10】 前記高分子化合物が繰り返し構造単位
    中に2つ以上の連続したメチレン基を含むことを特徴と
    する請求項8または9記載のメソポーラスシリカ薄膜の
    パターニング方法。
  11. 【請求項11】 前記界面活性剤を焼成または有機溶剤
    による抽出により除去する請求項8または9記載のメソ
    ポーラスシリカ薄膜のパターニング方法。
  12. 【請求項12】 複数の細孔を含む膜が基板上に複数配
    置された構造体であって、前記膜と前記基板との間に有
    機物膜が配置されており、前記各々の膜に含まれる細孔
    が互いに実質的に平行に配列されてなることを特徴とす
    る構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104402006A (zh) * 2014-11-05 2015-03-11 昆明理工大学 一种用微硅粉制备介孔二氧化硅材料的方法

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