JP4708861B2 - 電界効果型トランジスタの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子素子に関し、特に、共役高分子化合物を用いた新規な有機半導体素子、特に有機半導体を用いた電界効果型トランジスタに関するものである。
また、より詳しくは、分子レベルで配向制御された共役高分子化合物の主鎖伝導を利用した、新規な有機半導体素子、特に有機半導体電界効果型トランジスタに関するものである。
有機半導体は、低コストプロセスやフレキシブルなデバイスの実現など、種々の可能性を有しており、エレクトロルミネッセンス素子や電界効果型トランジスタ(FET)等の電子デバイス応用を目指して、近年研究開発が大変盛んである。
電子デバイスに使用される有機半導体は、低分子化合物と高分子化合物に大別される。
低分子化合物は、例えば銅フタロシアニンのような錯体やペンタセンのような多環視有機化合物が用いられ、蒸着等の手法により薄膜化され、デバイスが作製されている。
これに対して高分子化合物は、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン等の、共役二重結合が連続した構造を有するもので、これらは、印刷等の手法によりデバイス化されるものである。
低分子化合物の場合、分子は、π電子による相互作用でスタックした構造をとるのがほとんどで、分子間のホッピング伝導によってキャリアが移動する。
多くの場合、面内での配向方向はランダムであるが、ある特定の方向に分子を並べることによって導電性の異方性が観測されるようになることが、報告されている。
低分子化合物を配向させて、FETの特性向上を達成した技術が例えば、特許文献1に開示されている。
共役高分子化合物は、理想的には分子全体にわたってπ電子が非局在化しており、分子内で高いキャリア移動度を有する。
高分子鎖間では、キャリアはホッピング伝導によって移動する。
現在は、高分子鎖は配向制御されていないランダムな状態で使用されているのが殆どであり、ホッピング伝導が主たる伝導メカニズムとなっている。
しかし、ホッピング伝導であっても、分子の配向方向を揃えることで、移動度を高めることが可能であり、高分子鎖の方向が揃ったフィブリルを、電極の方向に対して直交するように形成した構成が、特許文献2に開示されている。
また、共役高分子化合物をゲストとして、無機又は有機のホスト材料に導入することによって、劣化反応等から保護する技術がいくつか提案されている。
これは、酸素や水等による高分子化合物の攻撃を防ぐことを目的としている。
ホスト材料としてシクロデキストリンを使用する技術が、特許文献3に開示されている。
メソポーラスシリカの細孔内に共役高分子化合物を導入する技術に関してもいくつか報告がある。
非特許文献1には、強磁場の印加によって配向方向を制御した、メソポーラスシリカモノリスのメソ細孔内に、共役高分子であるpoly[2−methoxy−5−(2’−ethyl−hexyloxy)−1.4−phenylene vinnylene](MEH−PPVと略記)を導入した報告がなされている。
特開平07−206599号公報 特開平09−246921号公報 特開2003−298067号公報 Science誌第288巻p652
しかし、上記技術には、次のようないくつかの問題点があった。
すなわち、非特許文献1に記載されている方法の場合には、メソポーラスシリカモノリスには微細なひび割れが多く、電子素子への応用は困難であった。
また、示されている細孔の配向分布は広く、配向制御性は高いとは言えないものであった。さらに、モノリスという形態は、デバイス作製には向かないものであった。
本発明は、上記のような技術的背景において、上記課題に鑑みなされたもので、配向性メソポーラスシリカ薄膜の異方性の高いナノ空間内に共役高分子化合物を形成することにより、高分子鎖の方向を巨視的なスケールで制御し、主鎖伝導による高いキャリア移動度を利用した、新規高性能な電子素子を簡単なプロセスで作製し得たものである。
すなわち、本発明の一側面としての電界効果型トランジスタの製造方法は、一つの方向に配向した均一な径のチューブ状メソ細孔を有するメソポーラスシリカ薄膜を基板上に形成する工程と、前記基板上に形成された前記メソポーラスシリカ薄膜の前記チューブ状メソ細孔内に共役高分子化合物を形成する工程と、前記チューブ状メソ細孔内に前記共役高分子化合物が形成された前記メソポーラスシリカ薄膜をウェットエッチングによりパターニングする工程と、パターニングされた前記メソポーラスシリカ薄膜に対して、前記チューブ状メソ細孔の配向方向に平行な電場を形成するソース電極およびドレイン電極を作製する工程と、前記共役高分子化合物と電気的に絶縁され、前記メソポーラスシリカ薄膜と接するようにゲート電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、メソポーラスシリカの配向性ナノ空間内で共役高分子化合物を配向制御することによって、半導体的性質を有する共役高分子化合物の主鎖伝導を有効に利用できる、新規な有機半導体電子素子を作製することができる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の電子素子の好ましい一形態を模式的に示した図である。
図1において、11は表面に導電性を有する基板、12は絶縁膜、13は電極(ソース)、14は電極(ドレイン)、15はメソポーラス材料薄膜、16は共役高分子化合物を保持したチューブ状細孔である。
この図1は、基板表面が導電性を有し、ゲート電極として機能する構成を示しているが、本発明の電子素子は、図2に示すように、絶縁性の基板上に形成され、共役高分子を担持したメソポーラス材料薄膜の上にゲート電極が形成されたものでも良い。
また、ゲート電極は、膜を取り巻くように形成しても良い。
本発明の最も大きな特徴は、均一な径のチューブ状メソ細孔が、メソポーラス材料薄膜の面内で一方向に配向制御されており、その配向性を有する異方性の高いナノ空間の中において、半導体的性質を有する共役高分子が、分子鎖を細孔方向に揃えて配向制御されているというところにある。
図1の構成の電子素子について、素子作製の手順に従って順に説明する。
本発明の素子の作製においては、まず、基板上に、配向性のチューブ状メソ細孔を有するメソポーラス材料薄膜を作製する。
はじめに、メソポーラス材料薄膜について説明する。
本発明のメソポーラス材料薄膜の細孔は、界面活性剤分子集合体(ミセル)が形成するもので、ある条件においてはミセルを形成する分子の会合数が等しいために、同じ径の細孔が形成されるものである。
ミセルの形状は、球状、チューブ状、層状等種々の形態が知られているが、本発明に係わるメソポーラス材料薄膜を形成するミセルの形状は基本的にチューブ状のものである。
本発明でいうメソ細孔とは、IUPACの定義によるもので、2nmから50nmの範囲の径の細孔をいう。
本発明のメソポーラスシリカ薄膜において、細孔径は実質的に均一な径である。
ここでいう均一径の細孔とは、窒素ガス吸着測定の結果から、細孔径を算出する手法により求められた細孔径分布が、単一の極大値を有し、且つ該細孔径分布において、60%以上の細孔が10nmの幅を持つ範囲に含まれることを示す。
細孔径分布は、得られた等温吸着線から、Berret−Joyner−Halenda(BJH)等の解析法等によって計算される。
10nmの幅を持つ範囲とは、例えば、2nm〜12nmのような、最小値と最大値の差が10nmである幅の範囲である。
メソポーラス材料薄膜という言葉は、厳密には、中空の細孔を有するものを指すものであるが、本発明においては、細孔内に有機物ゲスト種や界面活性剤等を保持した構造のものも包含する言葉として使用する。
本発明のメソポーラス薄膜は、チューブ状メソ細孔が一方向に配向制御されていて、後述するように、そのナノ空間内に共役高分子鎖が保持されているという構造的特徴を有しているものであれば良い。
多孔質材料の細孔壁を形成する材料としては、シリコン酸化物を含む材料が好ましく使用される。
特に、シリカ、もしくはシリカと有機物のハイブリッド材料が特に好ましく使用される。
ここで、ハイブリットとは、少なくとも混合物ではなく、例えば、O−Si−C−Si−Oというように、無機成分と有機成分が共有結合で結合しているハイブリット化合物材料のことを意味する。
本発明のメソポーラス材料薄膜において、面内での細孔の配向方向は、基板表面の構造異方性によって一方向に規定されている。
基板表面の構造異方性とは、例えば、結晶性基板上の特定の結晶面における原子配列の異方性や、基板上に形成された凹凸構造の異方性、基板上に形成された高分子化合物薄膜内の構造異方性等を指す。
図1に示した、基板がゲート電極を兼ねる場合には、基板の適切な部位が電気伝導性を有していることが必要となるが、基本的にどのような基板でも使用できる。
図2に示した構成の場合には、基板の選択範囲はさらに広い。
本発明に適用可能な基板について詳しく説明する。
まず、表面での原子配列の異方性を有する結晶性基板について説明する。
表面での原子配列の異方性を有する結晶面としては、例えば、ダイヤモンド構造の結晶構造を有する単結晶基板、または閃亜鉛鉱型構造の結晶構造を有する単結晶基板の(110)面が好ましく使用され、特にシリコンの(110)面が好ましく用いられる。
これらの表面では原子の特定の配列方向が一義的に決定されるため、界面活性剤集合体を配向させる能力を有する。
表面の原子配列が2回対称性を有するシリコン単結晶(110)面のような基板を用いたシリカメソ構造体の細孔の配向制御は、本発明者らが発見し特開2000−233995号公報に記載されている。
これらの基板を使用する際には、清浄な結晶面を露出させる必要がある。
例えば、シリコン基板等の場合には、表面に存在する自然酸化膜を除去する必要がある。
この目的は、希フッ酸中で数分間表面を処理すること等の単純なプロセスによって比較的簡単に達成される。
例えば、高ドープシリコン単結晶の(110)面は、抵抗が十分に低く、ゲート電極としての機能を付与することが容易である。
次に、構造異方性を有する高分子化合物薄膜を形成した基板について説明する。
ここでは、ラングミュア−ブロジェット法とラビング法について説明するが、構造異方性を有する高分子化合物を基板上に形成することができる技術であれば、これ以外の手法でも用いることができる。
この構造異方性を有する高分子化合物薄膜を形成する場合は、下地に用いる基板がどのような材質であっても、同じような表面状態を作り出すことができるので、汎用性がある方法である。
図1のように、基板にゲート電極の機能を持たせる場合には、高分子膜を形成する基板として、高ドープのシリコンウェハーや、金等の活性の低い金属を蒸着したガラス基板等を使用することができる。
最初に、ラングミュア−ブロジェット法、すなわち高分子化合物のラングミュア−ブロジェット膜(LB膜)を形成する方法について簡単に説明する。
LB膜は、水面上に展開された単分子膜を基板上に移しとった膜であり、成膜を繰り返すことで所望の層数の膜を形成することができる。
本発明でいうLB膜とは、基板上に形成されたLB膜に熱処理等の処理を施し、累積構造を保ったままで化学構造を変化させたLB膜誘導体の単分子累積膜を包含する。
例えば、ポリアミック酸のアルキルアミン塩を水面上に展開し、LB法で膜を積層した後加熱することにより、ポリイミドLB膜を作製することができる。
このように作製したポリイミドLB膜中では、高分子鎖がLB膜作製時の基板の引き上げ方向に平行に配向することが、赤外吸光分析等により明らかにされている。
この基板表面の高分子膜の構造異方性ゆえに、高分子化合物のLB膜を形成した基板は、その上に形成するメソポーラス材料薄膜中のチューブ状細孔を一方向に配向制御することができる。
この技術は、やはり本発明者らが見出したもので、特開2001−058812号公報に記載されている。
続いて、ラビング処理を施した高分子化合物薄膜を形成した基板について説明する。
本発明に用いられる、配向性チューブ状細孔を有するメソポーラス材料薄膜の作製には、このラビング処理を施した高分子薄膜を形成した基板が良好に用いられる。
ラビング処理は、スピンコート等の手法により、基板上にポリマーのコーティングを施し、これを布等で一方向に擦る処理である。
ラビング布はローラーに巻き付けられており、回転するローラーを基板表面に接触させ、基板を固定したステージをローラーに対して一方向に移動させることによってラビングを行う。
ラビング布は使用する高分子材料に対して最適なものを選択するが、ナイロン、レーヨン等一般的なものを使用することができる。
ラビング強度は、ローラーの回転数、基板へローラーを押し付ける強度及び基板を固定したステージの移動速度等のパラメータによって最適化される。
ラビング処理を施す高分子化合物は、後述するメソ構造体薄膜の形成プロセスに耐え得るもので、かつメソ構造体中の細孔の配向制御が可能なものであれば基本的に材質には限定はなく、ポリイミド等が好ましく用いられる。
ラビング処理によって基板表面の高分子化合物薄膜には2種類の構造異方性が誘起される。
一つは、高分子膜の表面を布で強くこすることによって表面につけられる微細な凹凸であり、ローラーを用いて一方向にラビングするためにこの凹凸構造は高い異方性を有することになる。
もう一つの異方性は、ラビング処理時に発生する熱によって高分子化合物がそのガラス転移点以上に加熱されつつ延伸されることによる、高分子鎖の配列異方性である。
このうち前者はラビング処理によって、ほとんど全ての高分子化合物薄膜に対して形成されるが、後者は高分子鎖の構造に基づく物性とラビング条件の相対的な関係において、ある条件において形成されると本発明者らは考察している。
この、ラビング処理を施した基板も、その表面の構造の異方性故に、その上に形成されるメソポーラスシリカ薄膜中のチューブ状細孔を一方向に配向制御することが可能である。
この技術も本発明者らが見出し、同じく特開2001−058812号公報に記載されている。
次に、基板上にメソ構造体の薄膜を作製する方法について説明する。
基板上へのメソ構造体薄膜の作製方法は二つの方法に大別される。
一つは、溶液中から基板表面への不均一核発生−核成長に基づくもので、もう一つはゾル−ゲル法に基づく溶媒蒸発法と呼ばれる方法である。
前者に関しては、例えば、Chemistry of Materials誌第14巻766−772ページに記載がなされており、後者に関しては例えば、Nature誌第389巻364−368ページに記載がなされている。
はじめに、溶液中から基板表面への不均一核発生−核成長に基づく方法について説明する。
この方法は、メソポーラスシリカ薄膜の作製に主に用いられる方法で、結晶成長に類似した方法でメソ構造体の薄膜を作製するものである。
この方法では、界面活性剤水溶液に目的の細孔壁構成材料の原料となる物質を添加した前駆体溶液中に、上述の基板を保持することによって、メソポーラス材料の薄膜が基板上に形成される。
この方法によるメソ構造体薄膜の形成に用いる反応容器は、例えば図3のような構成のものである。
反応容器31の材質は、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定はなく、ポリプロピレンやテフロン(登録商標)のようなものを用いることができる。
反応容器は、反応中に圧力がかかっても破壊されないように、さらにステンレスのような剛性の高い材質の密閉容器に入れることもある。
反応容器内には、基板ホルダー33が例えば図3のように置かれており、基板35はこれを用いて保持される。
反応中、メソ構造体の形成は基板上のみならず、溶液中においても起こるために、溶液中の沈殿物が基板上に堆積してしまう。
これを防ぐために、基板は反応中膜形成面を下向きにして溶液中に保持される。
反応溶液は、界面活性剤とアルコキシド等の目的無機材料の原料になる物質を含む溶液である。
細孔壁を形成する材料に応じて、無機成分原料の加水分解反応触媒である酸等を適当量添加する場合もある。
アルコキシドを用いる場合には、加水分解の結果生成するアルコールが水に可溶であるようなものが好ましく用いられる。
例えば、細孔壁がシリカの場合には、界面活性剤の酸性水溶液にテトラエトキシシラン、もしくはテトラメトキシシランを添加して反応溶液が調整される。
使用する界面活性剤は、細孔内に共役高分子化合物を導入する方法に応じて、適切に選択される。
後に詳しく説明するが、細孔内の界面活性剤を一度除去した後の中空の細孔に共役高分子化合物を導入する方法を用いる場合には、4級アルキルアンモニウムのようなカチオン性界面活性剤、ポリエチレンオキシドを親水基として含む非イオン性界面活性剤等幅広い種類のものを用いることができ、特に限定はない。
使用する界面活性剤分子の長さは、目的のメソ構造の細孔径に応じて決められ、界面活性剤ミセルの径を大きくするために、メシチレンのような添加物を加えても良い。
一方で、重合性の部位を有する界面活性剤を用いて、細孔内で直接重合反応を行うことにより共役高分子化合物を形成する場合には、重合部位と適切な疎水基及び親水基を有する界面活性剤を、目的の細孔構造に合わせて設計、合成した上で使用する。
この後者の場合でも、使用する重合部位の構造、親水基の構造は広い選択が可能である。
使用する酸も塩酸、硝酸のような一般的なものを使用することが可能である。
基板上に析出する膜の形状や構造は、界面活性剤、酸、無機成分の原料の濃度に大きく影響されるのみならず、基板表面の性質によっても影響を受ける。
したがって、使用する基板によって反応溶液組成を最適化して膜形成を行う必要がある。
このような条件で基板上にメソポーラス材料を析出させることができる。
析出させる際の温度には特に制約はなく、室温〜100℃程度の温度領域において選択される。
反応時間は数時間〜数ヶ月程度で、時間が長いほど厚いメソポーラス材料薄膜が得られる傾向にある。
このようにして基板上に形成されたメソポーラス材料薄膜は、純水で洗浄した後に空気中で自然乾燥させ、最終的な薄膜が得られる。
以上のように作製されたメソポーラス材料薄膜からテンプレートの界面活性剤ミセルを除去することで、中空の細孔を有するメソポーラス材料薄膜を作製することができる。
界面活性剤の除去には、一般的な方法を用いることができ、焼成、紫外光照射により発生したオゾンによる酸化・分解、溶剤による抽出、超臨界状態の流体による抽出等の中から選択される。
例えば、メソポーラスシリカの場合には、空気中、550℃で10時間焼成することによって、メソ構造をほとんど破壊することなく、完全に界面活性剤を除去することができる。
焼成温度と時間は、細孔壁を形成する材料と使用する界面活性剤により、最適化されるのが好ましい。
細孔の配向制御を行うために基板表面に高分子化合物を作製した場合には、焼成によってメソポーラス材料薄膜と基板の間に存在する配向制御用高分子膜も除去され、基板上に直接配向制御されたメソポーラス材料薄膜が形成されている構造となる。
また、溶剤抽出等の手段を用いると、100%の界面活性剤の除去は困難ではあるものの、焼成に耐えられない材質の基板上にメソポーラス材料薄膜を形成することが可能である。
界面活性剤の除去は、細孔中から界面活性剤を除去した後に共役高分子化合物を細孔内に導入する場合にのみ必要な工程で、重合性界面活性剤を用いてメソポーラス材料薄膜を作製し、細孔中で重合させる場合にはもちろん不要な工程である。
次に、溶媒蒸発法による膜形成について説明する。
溶媒蒸発法は、臨界ミセル濃度以下の界面活性剤と、細孔壁を形成する無機物の前駆体とを含む水溶液または有機溶液もしくは有機溶媒/水混合溶液を、スピンコート、ディップコート、ミストコート等によって基板上に塗布するもので、コーティング中の溶媒の乾燥による界面活性剤濃度の上昇に従ってメソ構造が形成されていくものである。
有機溶媒としてはアルコール等が用いられる。
この方法は、比較的反応条件が穏やかなために基板材質の制約が小さく、また短時間で膜作製が可能である等の利点を有している。
スピンコートやディップコートを行うための装置は、一般的なものを用いることができ、特に制約は無いが、場合によっては溶液の温度を制御するための手段、及びコーティングを行う雰囲気の温度、湿度を制御するための手段を設ける場合もある。
例として、ディップコーティングを用いたメソポーラス材料薄膜の作製方法について説明する。
ディップコーティングに用いる装置の一例を図4に模式的に示す。
図4において、41は容器、42は基板、43は前駆体溶液である。
前駆体溶液43は臨界ミセル濃度以下の界面活性剤と、無機成分の前駆物質を含む水溶液もしくは有機溶液もしくは有機溶液と水の混合溶液で、加水分解重縮合触媒として作用する酸等が添加される場合もある。
例えば、メソポーラスシリカ薄膜を作製する場合の溶液は、界面活性剤をアルコール/水混合溶媒に溶解し、ここに、加水分解触媒である酸を添加したものである。
使用する界面活性剤は、不均一核発生−核成長による作製方法と同様、細孔内に共役高分子化合物を導入する方法に応じて適切に選択される。
後で説明するように、細孔内の界面活性剤を一度除去した後の中空の細孔に共役高分子化合物を導入する方法を用いる場合には、界面活性剤としては、4級アルキルアンモニウムのようなカチオン性界面活性剤、ポリエチレンオキシドを親水基として含む非イオン性界面活性剤等幅広い種類のものを用いることができ、特に限定はない。
使用する界面活性剤分子の長さは、目的のメソ構造の細孔径に応じて決められ、界面活性剤ミセルの径を大きくするために、メシチレンのような添加物を加えても良い。
一方で、重合性の部位を有する界面活性剤を用いて、細孔内で直接重合反応を行うことにより共役高分子化合物を形成する場合には、重合部位と適切な疎水基及び親水基を有する界面活性剤を、目的の細孔構造に合わせて設計、合成した上で使用する。
この後者の場合でも、使用する重合部位の構造、親水基の構造は広い選択が可能である。
使用する酸も塩酸、硝酸のような一般的なものを使用することが可能である。
メソポーラス材料薄膜を作製する基板42は、ホルダー44を用いてロッド45に固定され、zステージ46によって上下させる。
成膜時、反応溶液43は必要に応じてヒーター48と熱電対47を用いて所望の温度に制御される。
溶液温度の制御性を向上させるために、容器全体を不図示の断熱容器に入れることもある。
反応溶液を塗布した基板は、温度や湿度の制御が可能な装置の中で乾燥させることが好ましい。
乾燥工程の後に、高湿度雰囲気中でエージングを行うこともある。
ディップコーティング、スピンコーティングの他に、Nature第405巻56ページに記載されているペンリソグラフィー法やインクジェット法も、溶媒蒸発法に基づく有効なメソポーラス材料作製方法である。
これらの方法を用いれば、基板上の所望の箇所にメソポーラス材料薄膜をパターニングすることが可能である。
ペンリソグラフィー法は、反応溶液をインクのように使い、ペン先から塗布しラインを描くもので、ペン形状、ペンや基板の移動速度、ペンへの流体供給速度等を変化させることで、自由にライン幅を変化させることが可能であり、現在μmオーダーからmmオーダーまでのライン幅で描くことが可能である。
直線、曲線等任意のパターンを描くことが可能であり、基板に塗布された反応溶液の広がりが重なるようにすれば、面状のパターニングも可能である。
また、不連続なドット形状のパターンを描きたい場合は、インクジェット法がさらに有効である。
これは、反応溶液をインクのように使い、インクジェットノズルから一定量を液滴として吐出し塗布するものである。
また、基板に着弾した反応溶液の広がりが重なるように塗布すれば、ライン状のパターニングも面状のパターニングも可能である。
この、溶媒蒸発法によって作製されたメソ構造体薄膜の場合にも、不均一核発生−核成長で作製した膜の場合と同様な方法によって、細孔内から界面活性剤を除去し、中空の細孔を有するメソポーラス材料薄膜を作製することができる。
界面活性剤の除去は、細孔中から界面活性剤を除去した後に共役高分子化合物を細孔内に導入する場合にのみ必要な工程で、重合性界面活性剤を用いてメソポーラス材料薄膜を作製し、細孔中で重合させる場合には勿論不要な工程である。
先述したような、表面に構造異方性を有する基板を用いて、上記の方法で、メソポーラス材料薄膜の形成を行うと、基板の異方性によって細孔の方向が一方向に制御された、配向性メソポーラス材料薄膜が形成できる。
本発明のメソポーラス材料薄膜中の細孔構造は、透過電子顕微鏡及びX線回折分析で評価することが可能である。
ただし、本発明のメソポーラス材料薄膜の場合には、チューブ状細孔は、基板に平行に形成されるために、面内での配向を評価する場合には、面内X線回折分析を使用することが必要になる。
本発明の一軸配向性のチューブ状細孔を有するメソポーラス材料薄膜を面内X線回折によって評価した場合、面内のロッキングカーブには、180°おきに2本の回折ピークが観測されることになる。
本発明のメソポーラス材料薄膜では、細孔の配向方向は、基板の異方性の方向によって規定されており、例えばラビング処理の方向、またはLB膜成膜時の基板の引き上げ方向に対して、垂直な方向に配向することが多い。
ただし、基板上の高分子化合物の構造や、使用する界面活性剤によっては、これと逆の方向、すなわち、ラビング処理の方向、またはLB膜成膜時の基板の引き上げ方向に対して、平行な方向に配向することもある。
本発明で作製したメソポーラス材料薄膜は、実質的に均一なメソ細孔を有することを特徴としている。
細孔のサイズと細孔径分布は、窒素ガスの等温吸着線測定結果から求めることができる。
本発明のメソポーラス材料薄膜は、窒素ガス吸着等温線測定結果から、Barret−Joyner−Halenda(BJH)法によって求められた細孔径分布が、2nm〜50nmの範囲に単一のピークを有し、求められた細孔径分布において、60%以上の細孔が幅10nmの細孔径範囲に含まれることを特徴としている。
本発明に用いられるメソポーラス材料薄膜の細孔壁の材質としては、シリコンの酸化物を含むものが好ましく使用される。
さらに、シリカ及びシリカと有機物のハイブリッド材料が特に好ましく使用される。
続いて、以上のようにして作製したメソポーラスシリカ薄膜の細孔内に、共役高分子化合物が保持された構造を作製する方法について説明する。
この方法には、大別して以下に説明する二つの方法がある。
しかし、これら以外でも、細孔内に共役高分子化合物を保持した構造を形成することができる方法であれば適用することができる。
例えば、細孔内に触媒を担持した後に、共役高分子化合物を細孔内で重合させる方法などである。
一つ目の方法は、重合性部位を有した界面活性剤を用いて作製した一軸配向性のメソポーラス材料薄膜に対して、熱や重合開始剤を作用させて、界面活性剤が重合した構造を作る方法である。
重合の方法は、使用する界面活性剤の重合部位によって最適な方法を選択する。
この場合に使用される界面活性剤の重合部位は、重合して共役高分子鎖を形成するものであれば、特に制約は無く、例示すると、ジアセチレン部位、ピロール部位、チオフェン部位等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
親水基部位は、特に制約は無く、例示すると4級アルキルアンモニウム部位、ポリエチレンオキシド部位などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
疎水部には一般的にアルキル基が用いられる。
この方法では、最適な手法で重合反応を行うことで、直ちに細孔内に共役高分子化合物が形成されることになる。
二つ目の方法は、一般的な界面活性剤を使用して作製された、一軸配向性のチューブ状細孔を有するメソポーラスシリカ薄膜の細孔中より界面活性剤を除去することで形成された中空のメソ細孔に、共役高分子化合物を導入させる方法である。
面内で配向方向が一方向に制御されたメソポーラスシリカ薄膜の細孔内に、共役高分子を導入した例に関しては、本発明者らの研究があり、Journal of the American Chemical Society誌第126巻4476−4477ページに内容が記載されている。
この研究では一方向に制御されたメソ細孔内に共役高分子化合物を導入し、共役高分子鎖が高度に配向制御されることが明示されている。
この方法で共役高分子化合物を導入する場合、先ず、細孔内部表面を疎水処理することが好ましい。
細孔内を疎水性にすることで、高分子化合物の細孔への導入は著しく改善される傾向がある。
例えば、フェニルジメチルクロロシランや1、1、1、3、3、3−ヘキサメチルジシラザンで薄膜を処理することによって、細孔内のシラノール基に有機物を結合させ、細孔内を効率的に疎水化することが可能である。
しかし、細孔内疎水化処理に使用可能なものは、これに限定されず、また、シランカップリング剤以外のものであっても、同様な効果が得られるものであれば使用可能である。
細孔表面の処理とは、具体的には、メソポーラスシリカ薄膜を目的のシランカップリング剤に浸漬するような処理を指すが、修飾の方法はこれに限定されるわけではなく、例えば、気相中において反応させるような方法も適用可能である。
カップリング反応を行う場合には、その反応の触媒としてはたらく物質を添加しても良い。
添加する触媒としては、例えばトリメチルシランのようなものが使用される。
細孔内の疎水処理に続いて、細孔内に共役高分子化合物を導入する。
共役高分子としては、様々なものが使用可能である。
例示すると、ポリフェニレンビニレン骨格を有するもの、ポリチオフェン骨格を有するもの、ポリピロール骨格を有するもの、ポリフルオレン骨格を有するもの等が使用可能であるが、これらに限定されるわけではない。
共役高分子化合物の細孔への導入法としては、例えば、共役高分子化合物の溶液に、前記配向制御された細孔構造を有するメソポーラスシリカ薄膜を浸漬する方法や、共役高分子の溶液を基板上に滴下して加熱する方法等、いくつかの方法を用いることが可能である。
本発明においては、細孔内に共役高分子化合物を導入することができる方法であれば、どのような方法を用いても良い。
高分子材料の溶液に接触させて細孔内に高分子材料を導入した場合には、膜の外表面に余分な共役高分子材料が付着しているので、これを除去する工程を施す。
以上述べた工程によって、細孔内に共役高分子化合物が保持された、一軸配向性のチューブ状細孔を有するメソポーラスシリカ薄膜を、基板上に作製することができる。
共役高分子化合物の形成、及び配向性の確認は、例えば、紫外−可視吸光分析の偏光測定等によって行うことができる。
次に、本発明の素子の構成を作製するために、本発明の薄膜をパターニングする。
ここでは、配向性共役高分子鎖を有する薄膜を作製した後に、膜をパターニングする工程が記載されているが、プロセスの順番は、これに限定されるわけではなく、例えば、以下の工程によって、界面活性剤を細孔内に保持した状態でメソポーラス材料薄膜をパターニングし、その後に上記共役高分子化合物保持のプロセスを行ってもかまわない。
溶媒蒸発法で、ペンリソグラフィーやインクジェット法を用いて予めパターを形成した場合には、下記のパターニングプロセスは必ずしも必要なプロセスではない。
メソポーラス材料薄膜のパターニングには、一般的な方法を用いることができる。
すなわち、通常のフォトリソグラフィーで所望のパターンを形成することができる。
具体的には、膜にフォトレジストを塗布し、所望の膜形状を形成するためのフォトマスクを用いて露光を行う。
次にレジストを現像した後、メソポーラス材料薄膜をエッチングによりパターニングする。
例えばメソポーラスシリカ薄膜の場合には、HF−NHF(バッファードフッ酸)でエッチングすることができる。
最後に、レジストを除去すれば、パターニングしたメソポーラス材料薄膜が得られる。
次に、このパターニングした、配向性のチューブ状細孔を有するメソポーラス材料薄膜に対し、細孔の方向に電界が印加されるように二つの対向電極を作製する。
この配置は、図1、図2に記載したとおりである。
電極の作製も、一般的なリソグラフィーの方法を用いることができる。
上述のパターニングプロセスにおいて最期にレジストを除去しないでおいて、電極材料を蒸着し、その後に前記レジストごと蒸着した金属をリフトオフによって除く方法が最も一般的に用いられる。
図1に示した、電気伝導性の部位を有する基板がゲート電極の機能を兼ねる場合には、以上のプロセスで、本発明の電子素子が作製できる。
本発明においては、膜内の共役高分子鎖は、シリカの細孔壁によって、ゲート電極と電気的に絶縁されているが、必要に応じ、別途絶縁膜を形成しても良い。
図2に示した、膜にゲート電極を形成する場合には、さらに電極作製プロセスが必要である。
これも、一般的なフォトリソグラフィーの手法、またはフォーカストイオンビームを用いた加工装置等によって形成することができる。
この場合にも、共役高分子化合物は、絶縁性の細孔壁で被覆されているため、直接電極材料を形成することができる。
以上のプロセスで、図2に示す構造の電子素子が作製できる。
この素子の、共役高分子化合物を細孔内に保持した配向性メソポーラス材料薄膜の両端に形成された電極間に電圧を印加し、ゲート電極に印加する電圧を変化させながら、観測される電流を測定すると、ゲート電極の電位の変化に伴って、二つの電極間に流れる電流が可逆的に変化する様子が観測され、本発明の電子素子が、電界効果型トランジスタとして機能することが確認される。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例の内容に限定されるものではない。
[実施例]
[実施例1]
本実施例は、ラビング処理を施したポリイミドをコートした高ドープシリコン基板上に、配向性のチューブ状細孔を有するメソポーラスシリカ薄膜を形成し、焼成によって中空とした細孔内にポリヘキシルチオフェンを導入して、図1の模式図で示される電子素子を作製した例である。
抵抗率0.01Ωcmの清浄なp型シリコン(100)基板上に、ポリアミック酸AのNMP溶液をスピンコートにより塗布し、200℃で1時間焼成して、以下の構造を有するポリイミドAを形成した。ポリイミドAの膜厚は100nmである。
これに対して、表1の条件でラビング処理を施し、基板として用いた。
この基板上に、メソポーラスシリカ薄膜を形成する。
本実施例で用いた界面活性剤は、非イオン性界面活性剤のポリオキシエチレン−10−セチルエーテル(C16EO10と略記、商品名Brij56)である。
この界面活性剤を純水に溶解した後、塩酸とテトラエトキシシランを添加し、最終的な溶液中の各成分のモル比が、TEOS:HO:HCl:C16EO10=0.10:100:3.0:0.10となるようにした。
この溶液中に、上記ラビング処理を施したポリイミドをコートした基板を、基板面を下向きにして保持し、80℃で3日間反応させ、メソポーラスシリカ薄膜を作製した。
反応溶液から取り出した基板は純水で十分に洗浄した後に風乾させた。
基板上には、透明な膜が形成されており、均一な干渉色が確認された。
この膜をX線回折分析で測定した結果、膜厚方向に5.1nmの周期構造を有することが確認された。
この膜の断面の透過電子顕微鏡観察結果より、この薄膜中では、チューブ状細孔がハニカムパッキングした構造であることが明らかとなった。
次に、この膜について面内X線回折分析を試みた。
その結果、面内において、7.4nmの周期構造があることが確認された。
この回折ピークを与える構造について、面内での配向分布を調べるため、面内ロッキングカーブを測定した。
その結果、180°おきに2本の回折ピークが観測され、この結果から、本実施例で作製したメソポーラスシリカ薄膜中では、チューブ状の細孔が一方向に配向していることがわかった。
その配向方向は、ラビング処理の方向に対して垂直な方向であった。
チューブ状細孔の一軸配向は、透過電子顕微鏡でも確認され、膜厚方向に関して膜全体にわたって完全に細孔が配向制御されていることが確認された。
次に、この膜をパターニングした。パターニングのサイズは、幅3μm長さ200μmの矩形である。
最初に、界面活性剤を細孔内に保持したままの状態で、膜にポジレジストAZ−1500を所定の条件で塗布し、上記サイズのパターンを形成するために作製したフォトマスクを用い露光を行った。
これを、現像し、膜上にレジストパターンを作製した。
光学顕微鏡で観察した結果、膜上には、フォトマスクのパターンと同じレジストパターンが形成されていた。
この様子は、図5(B)で模式的に示される。
次に、このレジストパターンをマスクにして、メソポーラスシリカ薄膜のエッチングを行った(図5(C))。
エッチングは、フッ酸緩衝液(NHF+HF;HF:NHF=1:5)を用いて行った。
30秒間のエッチングで、メソポーラスシリカ薄膜が完全に除去されることが確認された。
フッ酸緩衝液を十分に洗浄して除去した後、この膜を60℃で乾燥し、スパッタ法により、全面に電極用金属を蒸着した(図5(D))。
電極用金属の蒸着工程は、最初にチタンを5nm蒸着した後に、白金を300nm蒸着するというものである。
電極を蒸着し終えた後、フォトレジストとその上に形成された電極材料をリフトオフで除去した(図5(E))。
この状態は、細孔内に界面活性剤が保持された状態なので、共役高分子化合物を導入する前に、界面活性剤を除去する必要がある。
このため、パターニング後の膜を500℃で5時間焼成した。
この工程で、基板上のポリイミド薄膜は除去され、シリコン基板上にはゲート絶縁膜として機能するシリコン酸化物層が形成される。
以上のようにして、メソポーラスシリカ薄膜が所望のサイズにパターニングされた。
このパターニングプロセスの後も、メソポーラスシリカの構造規則性が保持されていることがX線回折分析により、確認された。
この膜の細孔径に関する情報を得るために、この薄膜を焼成し、細孔内から界面活性剤を除去し、窒素ガス吸着等温線を測定した。
その結果、吸着はタイプIVの挙動を示した。
この結果をBarret−Joyner−Halenda(BJH)法で解析した結果、本実施例で作製したメソポーラスシリカ薄膜中の細孔径分布は3.2nmに単一のピークを有する狭い分布で、細孔の80%以上が10nmの分布内にあった。
このことは、パターニングしていないメソポーラスシリカ薄膜でも確認することができる。
この、焼成して中空の細孔構造とした、メソポーラスシリカ薄膜を、まず、シランカップリング処理し、細孔表面を疎水化する。
具体的には、トリメチルクロロシランと1、1、1、3、3,3−ヘキサメチルジシラザンの1:1混合物中に焼成直後の膜を浸漬し、2時間放置した後、エタノールで洗浄して余分なシランカップリング剤を除去した後に、乾燥させた。
これに続いて、細孔内に共役高分子化合物を導入する。
本実施の形態で導入した共役高分子化合物は、9.9−dioctylfuorene−co―bithiopheneで、これは、F8T2として知られている。
0.3gのF8T2を10mlのクロロベンゼンに溶解し、この中に上記配向性メソポーラスシリカ薄膜を保持し、80℃で3日間保持した。
その後、メソポーラスシリカ薄膜を溶液から取り出し、外部表面に付着した過剰のF8T2をクロロホルムで洗浄、除去し、室温にて乾燥させた。
以上のような工程により、細孔内にF8T2を導入することができた。
このことは、F8T2を導入した後の膜の偏光吸収スペクトルを反射透過モードで測定することで確認できる。
即ち、配向性細孔に保持されているF8T2は、強い吸収偏光依存性を示し、偏光方向が細孔の配向方向に平行な場合にのみ、共役高分子化合物由来の吸収が観測された。
このことは、共役高分子化合物の分子鎖が、異方性の高い細孔によって一方向に配向制御されていることを示すものである。
以上の工程により、図1に模式的に示した構造の素子が作製された。
この素子において、膜の両端に形成された電極間に電圧を印加し、電極間に流れる電流を、ゲート電極として機能する基板に印加する電圧を変化させながら測定した。
その結果、基板に印加する電圧の増大に伴う、電極間の電流の増大挙動が観測され、本実施例で作製した電子素子が、電界効果型トランジスタとして機能することが確認された。
[実施例2]
本実施例は、実施例1と同じ、ラビング処理を施したポリイミド膜をコートした基板を用い、ゾル−ゲル法に基づく、ディップコーティングによって、基板上で一方向に細孔方向が配向制御されているメソポーラスシリカ薄膜を作製し、細孔内にポリヘキシルチオフェンを導入した後に、フォーカスド・イオン・ビーム(FIB)によってソース、ドレイン、ゲートの各電極を形成し、電界効果型トランジスタを作製した例である。
アセトン、イソプロピルアルコール、純水でよく洗浄し、表面をUV/オゾン処理した石英ガラス基板上に、実施例1で使用したのと同じポリイミドAの前駆体溶液であるポリアミック酸Aを塗布し、実施例1と同様の熱処理によって、ポリイミド薄膜を形成した。
この基板を実施例1と同じ装置を用い、同じ条件でラビング処理し、メソポーラスシリカ薄膜作製のための基板として用いた。
この基板の上に、ディップコート法でメソポーラスシリカ薄膜を形成する。
本実施例でも、メソポーラスシリカ薄膜の作製に、実施例1と同じC16EO10を界面活性剤として用いた。
使用した前駆体溶液の組成は、C16EO100.08:TEOS 1.0:EtOH22:HO5:HCl 0.004となるように調整した。
この前駆体溶液に上記基板を浸漬し、3mm/secの速さで引き上げた。
この膜を40℃−50%の雰囲気に24時間保持し、細孔内に界面活性剤を保持したメソポーラスシリカ薄膜を作製した。
基板上には、透明な膜が形成され、均一な干渉色が確認された。
この膜をX線回折分析で測定した結果、膜厚方向に4.6nmの周期構造を有することが確認された。
この膜の断面の透過電子顕微鏡観察結果より、この薄膜中では、チューブ状細孔がハニカムパッキングした構造であることが明らかとなった。
この薄膜について面内X線回折分析を試みた。その結果、面内において、7.2nmの周期構造があることが確認された。
この回折ピークを与える構造について、面内での配向分布を調べるため、面内ロッキングカーブを測定した。
その結果、180°おきに2本の回折ピークが観測され、この結果から、本実施例で作製したメソポーラスシリカ薄膜中では、チューブ状の細孔が一方向に配向していることがわかった。
面内ロッキングカーブのピークの半値幅は、実施例1で作製した膜よりも小さく、面内での配向分布が狭いことがわかった。
配向方向は、ラビング処理の方向に対して垂直な方向であり、これは実施例1のメソポーラスシリカ薄膜の場合と同様である。
チューブ状細孔の一軸配向は、透過電子顕微鏡でも確認され、膜厚方向に関して膜全体にわたって完全に細孔が配向制御されていることが確認された。
この膜の細孔径に関する情報を得るために、この薄膜を500℃で6時間焼成し、細孔内から界面活性剤を除去し、窒素ガス吸着等温線を測定した。
その結果、吸着はタイプIVの挙動を示した。
この結果をBJH法で解析した結果、本実施例で作製したメソポーラスシリカ薄膜中の細孔径分布は3.0nmに単一のピークを有する狭い分布で、細孔の80%以上が10nmの分布内にあった。
この膜は、焼成によって膜厚方向には構造の収縮が起こるが、面内では細孔構造が変化しないことが確認されている。
面内方向での収縮の程度は、実施例1で作製した膜の場合よりも大きかった。
続いて、実施例1に記載したのと同じ条件において、この膜をシランカップリング剤で処理して、細孔内壁を疎水化した。
次に、疎水化した配向性メソポーラスシリカの細孔内に、共役高分子化合物である、ポリ−3−ヘキシルチオフェンを導入する。
0.3gのポリ−3−ヘキシルチオフェンを10mlのクロロベンゼンに溶解し、この中に上記配向性メソポーラスシリカ薄膜を保持し、80℃で3日間保持した。
その後、メソポーラスシリカ薄膜を溶液から取り出し、外部表面に付着した過剰のポリ−3−ヘキシルチオフェンをクロロホルムで洗浄、除去し、室温にて乾燥させた。
ポリ−3−ヘキシルチオフェンを導入させた後のメソポーラスシリカ薄膜は濃い紫色に着色していたが、薄膜の透明性等は保持されていた。
以上のような工程により、本実施例において、ディップコーティングで作製した、配向性メソポーラスシリカ細孔内にポリ−3−ヘキシルチオフェンを導入することができた。
このことは、ポリ−3−ヘキシルチオフェンを導入した後の膜の偏光吸収スペクトルを測定することで確認できる。
即ち、配向性細孔に保持されているポリ−3−ヘキシルチオフェンは、強い吸収偏光依存性を示し、偏光方向が細孔の配向方向に平行な場合にのみ、共役高分子化合物由来の吸収が観測された。
このことは、共役高分子化合物の分子鎖が、異方性の細孔によって一方向に配向制御されていることを示すものである。
次に、この膜を実施例1で記述したのと同じ方法で、実施例1と同じ形状にパターニングした(図6(A)-(C))。
但し、本実施例においては、メソポーラスシリカ薄膜をエッチングで除去した後、フォトレジストを除去した(図6(D))。
これに続いて、電極材料を図6(E)に示すように素子部全面に渡って形成した。
電極材料は、スパッタ法により成膜し、チタンを5nm蒸着した後に白金を300nm蒸着した。
最後に、図6(F)に示すように、ゲート、ソース、ドレインの機能を果たす電極をセパレートするために、フォーカスド・イオン・ビーム(FIB)を用い、加工を行った。
この場合、メソポーラスシリカ細孔中のポリヘキシルチオフェンは、メソポーラスシリカの絶縁性の細孔壁によって電気的にゲート電極とセパレートされているので、ゲート絶縁膜を設ける必要はないが、不図示の絶縁膜を形成しても良い。
以上の工程により、図2に模式的に示した構造の素子が作製された。
この素子において、膜の両端に形成された電極間に電圧を印加し、電極間に流れる電流を、ゲート電極に印加する電圧を変化させながら測定した。
その結果、ゲート電極に印加する電圧の増大に伴う。電極間の電流の増大挙動が観測され、本実施例で作製した電子素子が、電界効果型トランジスタとして機能することが確認された。
[実施例3]
本実施例は、重合部位を有する界面活性剤を用いて、実施例1で使用した、ラビング処理を施したポリイミド膜を形成した低抵抗シリコン基板上に、一軸配向性のチューブ状細孔を有するメソポーラスシリカ薄膜を作製し、細孔内で界面活性剤を重合して細孔内に配向性共役高分子化合物を作製した後、この膜をパターニングし、電極を形成して図2の構成の電子素子を作製した例である。
先ず、実施例1と同じ手順で、基板上にポリイミドAの膜を形成し、実施例1と同じ条件においてラビング処理を施した。
重合可能部位として、図7に構造を示したジアセチレン部位を有する界面活性剤を合成し、これを鋳型に用いて配向性メソポーラスシリカ薄膜の作製を行った。
メソポーラスシリカ薄膜の作製は、実施例1と同様の、不均一核発生−核成長に基づく方法で行った。
上記の界面活性剤を純水に溶解した後、塩酸とテトラエトキシシランを添加し、最終的な溶液中の各成分のモル比が、TEOS:HO:HCl:surfatant=0.125:100:8.0:0.10となるようにした。
この溶液中に、上記ラビング処理を施したポリイミドをコートした基板を、基板面を下向きにして保持し、80℃で3日間反応させ、メソポーラスシリカ薄膜を作製した。
反応溶液から取り出した基板は純水で十分に洗浄した後に風乾させた。
基板上には、透明な膜が形成されており、均一な干渉色が確認された。
この膜をX線回折分析で測定した結果、膜厚方向に3.5nmの周期構造を有することが確認された。
この膜の断面の透過電子顕微鏡観察結果より、この薄膜中では、チューブ状細孔がハニカムパッキングした構造であることが明らかとなった。
この膜についても、面内X線回折分析を試みた。観測された面内X線回折ピークに関して、面内ロッキングカーブを測定した結果、180°おきに2本の回折ピークが観測され、この結果から、本実施例で作製したメソポーラスシリカ薄膜中では、チューブ状の細孔が一方向に配向していることがわかった。
その配向方向は、ラビング処理の方向に対して垂直な方向であった。
チューブ状細孔の一軸配向は、透過電子顕微鏡でも確認され、膜厚方向に関して膜全体にわたって完全に細孔が配向制御されていることが確認された。
次にこの膜をアニールし、細孔内に保持されている界面活性剤を重合させた。
この結果、界面活性剤のジアセチレン部位が重合し、細孔内で共役高分子化合物を形成する。
重合の確認は、赤外吸収スペクトルにおいて、炭素間三重結合の伸縮振動に帰属される2260cm−1の吸収ピークが、アニール後には消失していることによってなされた。
重合後の膜の偏光吸収スペクトルを測定した結果、偏光方向が細孔の配向方向に平行な場合にのみ吸収が観測され、細孔内において高分子鎖が配向していることが確認された。
この様子を図8に模式的に示す。
界面活性剤が重合した共役高分子化合物が細孔内で配向している。
この膜を実施例1と同じプロセスでパターニングし、電極を形成した。但し、フォトレジストの除去はイソプロピルアルコールを用いて行った。
この場合、実施例1と同様に、シリコン基板がゲート電極としての機能を有する。
以上の工程により、図2に模式的に示した構造の素子が作製された。
この素子において、膜の両端に形成された電極間に電圧を印加し、電極間に流れる電流を、ゲート電極として機能する基板に印加する電圧を変化させながら測定した。
その結果、基板に印加する電圧の増大に伴う、電極間の電流の増大挙動が観測され、本実施例で作製した電子素子が、電界効果型トランジスタとして機能することが確認された。
本実施の形態では、トランジスタに限定して記載しているが、これに限定されず、例えば、トランジスタの構成において、ゲート部に物質が吸着した際のゲート電位の変化をソース−ドレイン間の電流としてモニターできれば、その素子はセンサーとすることも可能である。
また、トランジスタの用途は、一般的なものが想定できる。
本発明の電子素子は、分子レベルで配向制御された共役高分子化合物の主鎖伝導を利用した、新規な有機半導体素子に関する。
本発明の電子素子の好ましい一形態を説明するための模式図である。 本発明の電子素子のもう一つの好ましい形態を説明するための模式図である。 本発明において、不均一核発生−核成長法でメソポーラス材料薄膜を作製するための反応容器の模式図である。 本発明において、溶媒蒸発法でメソポーラス材料薄膜を作製する方法のうち、ディップコート法に用いられる成膜装置の模式図である。 本発明の実施例1において、素子の作製プロセスを説明するための模式図である。 本発明の実施例2において、素子の作製プロセスを説明するための模式図である。 本発明の実施例3で使用された界面活性剤の構造式である。 本発明の実施例3で、重合部位を有する界面活性剤を用いて作製された、配向性の共役高分子鎖を細孔内に有するメソポーラスシリカ薄膜を示す模式図である。
符号の説明
11 表面に導電性を有する基板
12 絶縁膜
13 電極(ソース)
14 電極(ドレイン)
15 メソポーラスシリカ薄膜
16 共役高分子化合物を保持したチューブ状細孔
21 ゲート電極
31 (テフロン(登録商標)製)反応容器
32 蓋
33 基板ホルダー
34 Oリング
35 基板
41 容器
42 基板
43 前駆体溶液
44 基板ホルダー
45 ロッド
46 zステージ
47 熱電対
48 ヒーター
51 シリコン基板
52 ポリイミドA
53 界面活性剤を保持した配向性メソポーラスシリカ薄膜
54 フォトレジスト
55 電極材料
56 ソース(ドレイン)電極
57 ドレイン(ソース)電極
58 SiO2
61 ポリヘキシルチオフェンを保持したメソポーラスシリカ薄膜
62 FIB加工溝
63 ソース(ドレイン)電極
64 ドレイン(ソース)電極
65 ゲート電極
81 基板
82 重合性部位を有する界面活性剤を用いて作製したメソポーラスシリカ薄膜
83 配向性細孔
84 共役高分子

Claims (3)

  1. 一つの方向に配向した均一な径のチューブ状メソ細孔(ここでいう均一な径の細孔とは、窒素ガス吸着測定の結果から、細孔径を算出する手法により求められた細孔径分布が、単一の極大値を有し、且つ該細孔径分布において、60%以上の細孔が10nmの幅を持つ範囲に含まれることを示す)を有するメソポーラスシリカ薄膜を基板上に形成する工程と、
    前記基板上に形成された前記メソポーラスシリカ薄膜の前記チューブ状メソ細孔内に共役高分子化合物を形成する工程と、
    前記チューブ状メソ細孔内に前記共役高分子化合物が形成された前記メソポーラスシリカ薄膜をウェットエッチングによりパターニングする工程と、
    パターニングされた前記メソポーラスシリカ薄膜に対して、前記チューブ状メソ細孔の配向方向に平行な電場を形成するソース電極およびドレイン電極作製する工程と、
    前記共役高分子化合物と電気的に絶縁され、前記メソポーラスシリカ薄膜と接するようにゲート電極を形成する工程とを含むことを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。
  2. 少なくとも表面の一部に導電性部位を有する基板を準備する工程と、
    前記導電性部位の上に、一つの方向に配向した均一な径のチューブ状メソ細孔(ここでいう均一な径の細孔とは、窒素ガス吸着測定の結果から、細孔径を算出する手法により求められた細孔径分布が、単一の極大値を有し、且つ該細孔径分布において、60%以上の細孔が10nmの幅を持つ範囲に含まれることを示す)を有するメソポーラスシリカ薄膜を形成する工程と、
    前記基板上に形成された前記メソポーラスシリカ薄膜の前記チューブ状メソ細孔内に共役高分子化合物を形成する工程と、
    前記チューブ状メソ細孔内に前記共役高分子化合物が形成された前記メソポーラスシリカ薄膜をウェットエッチングによりパターニングする工程と、
    パターニングされた前記メソポーラスシリカ薄膜に対して、前記チューブ状メソ細孔の配向方向に平行な電場を形成するソース電極およびドレイン電極作製する工程と、を含むことを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。
  3. 前記メソポーラスシリカ薄膜を前記基板上に形成する工程では、一つの方向に配列した均一な径のチューブ状の界面活性剤分子集合体を含み構成される前記メソポーラスシリカ薄膜を形成し、
    前記チューブ状メソ細孔内に共役高分子化合物を形成する工程が、
    前記チューブ状メソ細孔から前記界面活性剤を除去する工程と、
    前記界面活性剤を除去した後の前記チューブ状メソ細孔表面が疎水性になるよう処理する工程と、
    該疎水化処理に続いて前記共役高分子化合物を前記チューブ状メソ細孔内に導入する工程と、を含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電界効果型トランジスタの製造方法。
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