JP3843706B2 - 微細構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板表面に形成する微細構造体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、機能性薄膜として、非常に多くの種類が実用化されている。例えば、半導体素子、ディスプレー、発光素子などへ適用されている。その中で、機能性薄膜は、配線、電極、絶縁層、発光層、光学薄膜などの用途に広く用いられている。通常、機能性薄膜のパターンニングは、フォトリソグラフィー法が用いられている。フォトリソグラフィーは、サブミクロンオーダーの高精細のパターンニングを可能とする。しかしながら、フォトリソグラフィーにおいては、パターンニングの工程数が多くなるという欠点がある。一般的、フォトリソグラフィーは次のような工程を経てパターンニングが行われる。まず、パターンニングを行う薄膜を基板全面に形成する。さらに、レジストコート、露光、現像、リンスなどを経てレジストパターンを形成する。その後に、レジストパターンをマスクとしてエッチングを行い不要な部分を除去して所望のパターン形状を得る。以上で述べたように、フォトリソグラフィーは非常に多くの工程を必要とする。
【0003】
本発明者は、特願平11-262663号において、基材と、該基材上にアミノ基あるいはチオール基を有する有機化合物からなる極薄膜パターンと、該極薄膜パターンに基づいた層パターンを有する微細構造体を提案した。この極薄有機分子膜を利用したパターンニング方法は、レジストコート、現像、リンスなどの工程が不要となるため、パターンニングプロセスを簡便にする。さらに、エッチングが不要であるため、エッチング工程及びそれに伴う機能性薄膜へのダメージなどから開放されるという利点がある。
【0004】
最近、基板表面に様々な官能基を有する有機分子を形成して、その表面特性の差を利用して選択的に機能性薄膜を形成する技術が確立されつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
複数の官能基を有する有機分子を基板上に形成する方法としては、あらかじめ清浄にした基板表面全体に第一の有機分子膜を形成し、所望の形状に第一の有機分子膜の一部を除去し、さらに、除去した領域にのみ第二の有機分子膜を形成するのが一般的である。3種類以上の官能基を有する有機分子膜を形成する場合には、さらに所望の形状に第一あるいは第二の有機分子膜を除去し、そこに、べつの有機分子膜を形成する。
【0006】
有機分子膜、特に極薄の自己組織化膜の一部を除去する方法としては、様々な手法が提案されている。光、電子ビーム、X線、走査型プローブ顕微鏡の導電性プローブによる電界印加、などによりパターンニングが実証されている。中でも紫外光によるパターンニングは、フォトマスクを用いることができるため、一括で処理が可能であることから実用上好ましい。フォトマスクのパターンサイズをミクロンオーダーとすれば、そのパターンサイズの有機分子膜のパターンが得られることから、微細化したパターンを早い処理時間で得ることが可能となる。
【0007】
現在までにパターンニングに用いられた紫外光の波長は、172nmあるいは196nmが報告されている。この波長域の紫外光を用いる上での問題点は、紫外光が大気あるいは多くの物質中で吸収されてしまうことである。フォトマスクを用いたパターンニングを行う場合において、フォトマスクを介して基板に紫外光を照射するが、フォトマスクの基材である石英基板での紫外光の吸収があるため、自己組織化膜の分解に利用される光量が減少してしまう。また、大面積の基板に一括で紫外光を照射する場合、機械的な強度を保つためにフォトマスクの厚みは厚くならざるを得ない。400×500ミリ程度の大型基板に対してフォトマスクを介して紫外光を照射する場合、フォトマスクの基板の厚みは5mm程度必要となる。しかしながら、このように厚い石英基板を介して紫外光を照射しても、大半が石英基板で吸収されてしまい、事実上SAM膜のパターンニングができない。フォトマスク材料としてCaF2などを用いれば紫外線の吸収は低減できるが、材料コストが増大してしまうというデメリットがある。
【0008】
さらに、大気で吸収されるため紫外光の強度が低下することから、光源とSAM膜との距離を非常に近づけるか、あるいは、光路をパージないしは真空排気する、などといった特別の工夫が、紫外光の照射装置には必要となる。ただし、光源とSAM膜とのの距離を縮めることは、基板上での均一な照射を困難にし、光路の排気などは、照射装置のコストを上昇し、結果的にパターンニングにかかるコストを増大させる。
【0009】
以上述べたように、200nm以下の紫外光を用いて簡便なパターンニングは可能であるが、実用的に利用するには多くの課題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、基板表面に膜厚が3nm以下のヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン膜を形成する工程と、波長222nmエキシマランプ、波長308nmエキシマランプまたは波長200nmから380nmの成分を主に含むメタルハライドランプを光源とした紫外光を照射して前記ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン膜の一部を除去する工程と、前記ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン膜を除去した領域にアミノ基を有する自己組織化膜を形成する工程と、前記基板をアクチベーターとしての混合液に浸す工程と、前記基板を無電解めっき液に浸す工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン膜の一部を除去する工程では、フォトマスクを介して前記紫外光を前記ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン膜に照射する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記基板を前記混合液に浸す工程では、前記アミノ基を有する自己組織化膜上に無電解めっき膜の核を付着させることを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記混合液はパラジウムを含むことを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記無電解めっき膜の形成は、前記核が付着している領域に選択的に形成することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記無電解めっき膜はニッケル膜であることを特徴とする。
【0011】
すなわち本発明によれば、フォトマスクの石英基板や光路中の大気などで吸収されることなく、基板上に形成した有機分子膜の分解・除去に紫外光が有効に働くため、簡便で高速に有機分子膜のパターンニングできる。前記有機分子膜は特に自己組織化膜である。特に、前記有機分子膜が、アルキル基あるいはフルオロアルキル基を有するシラン系有機分子の自己組織化膜である。
【0012】
また、本発明は、フォトマスクを介して前記紫外光を前記有機分子膜に照射し、前記有機分子膜の一部を除去することを特徴とする。前記紫外光としてエキシマ光を用いることが可能であり、特に、光源として波長222nmエキシマランプあるいは波長308nmエキシマランプを用いる。他に、前記紫外光の光源としてメタルハライドランプを用いることも可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる基板としては、Siウエハー、石英ガラス、ガラス、プラスチックフィルム、金属基板など各種のものを用いることができ、また、基板表面に金属膜、誘電体膜、有機膜などが下地層として形成されていても問題はない。
【0014】
有機分子膜は基板に結合可能な官能基と、その反対側に親液基あるいは撥液基といった基板の表面性を改質する(表面エネルギーを制御する)官能基と、これらの官能基を結ぶ炭素の直鎖あるいは一部分岐した炭素鎖を備えており、基板に結合して自己組織化して分子膜、例えば単分子膜を形成する。この有機分子膜の膜厚は、分子鎖の長さによって決まるが、通常1nm程度、厚くとも3nm程度であり、従来フォトリソグラフィーで用いられているレジスト膜とは全く異なるオーダーである。
【0015】
本発明において基板表面に形成される自己組織化膜とは、基板など下地層等構成原子と反応可能な結合性官能基とそれ以外の直鎖分子とからなり、該直鎖分子の相互作用により極めて高い配向性を有する化合物を、配向させて形成された膜である。前記自己組織化膜はフォトレジスト材等の樹脂膜とは異なり、単分子を配向させて形成されているので、極めて膜厚を薄くすることができ、しかも、分子レベルで均一な膜となる。即ち、膜の表面に同じ分子が位置するため、膜の表面に均一でしかも優れた撥液性や親液性などの表面特性を付与することができ、微細なパターンニングをする際に特に有用である。
【0016】
例えば、前記化合物として、後述するフルオロアルキルシランを用いた場合には、膜の表面にフルオロアルキル基が位置するように各化合物が配向されて自己組織化膜が形成されるので、膜の表面に均一な撥液性が付与される。
【0017】
自己組織化膜を形成する化合物としては、ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロテトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン(以下、「FAS」という)を挙げることができる。使用に際しては、一つの化合物を単独で用いるのも好ましいが、2種以上の化合物を組み合わせて使用しても、本発明の所期の目的を損なわなければ制限されない。また、本発明においては、前記化合物として、前記FASを用いるのが、基板との密着性を付与する上で好ましい。FASが存在する部分が撥液部となる。また、FAS以外の材料では、アルキル基を有するアルキルシランも使用できる。フルオロアルキル基に比べて、アルキル基は撥水、撥インク特性は若干劣るものの、パターンニングプロセスには充分使用可能である。
【0018】
さらに、FASが除去された領域に第2の自己組織化膜を形成することも可能である。第2の化合物の結合性官能基が、ヒドロキシル基と結合して第2の自己組織化膜を形成する。第2の化合物の表面を改質する官能基として、アミノ基あるいはチオール基などを選ぶことにより、無電解めっきの核が選択的に吸着し、結果的に選択的な無電解めっきの作製が可能となる。
【0019】
なお、自己組織化膜は、例えば、‘An Introduction to ULTRATHIN ORGANIC FILMS: Ulman, ACADEMIC PRESS’に詳しく開示されている。
【0020】
以下、本発明の微細構造体の製造方法を図面を参照して説明する。微細構造体を得るために、図1〜5に示すように、基板11表面に自己組織化膜14を形成し、自己組織化膜14を利用して領域A11bと領域B15とを所定のパターンで形成するパターン形成工程、及び無電解めっき法により、領域B15に選択的に無電解めっき膜17を形成する機能性皮膜形成工程が行われる。
【0021】
まず、図1に示すように、基板11表面に前記化合物からなる自己組織化膜14を形成する。自己組織化膜14は、既述の原料化合物と基板とを同一の密閉容器中に入れておき、室温の場合は2〜3日程度の間放置すると基板上に形成される。また、密閉容器全体を100℃程度に保持することにより、3時間程度で基板上に形成される。
【0022】
次いで、図2に示すように、自己組織化膜14をパターンニングする。本発明における自己組織化膜のパターンニング方法としては、紫外線照射法が用いられる。紫外線照射法は、図3に示すように、機能性薄膜のパターンを形成するための開口が形成されているフォトマスク20を介して所定の波長の紫外光を自己組織化膜14に対して照射することにより行われる。このように紫外光を照射することにより、自己組織化膜14を形成している分子が分解して、除去されてパターンニングが行われる。従って、紫外線照射法では、フォトマスクに形成されたパターンに合わせて有機分子膜の除去が可能である。紫外線としては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、222nm、308nmのエキシマ光源や、KrFエキシマ光源など、200nmから380nmの波長域に充分な光強度を有するものであれば使用可能である。この波長域であれば、石英での吸収が低いためフォトマスクの基板材料としても石英を使用することができ、また、実用的な照射時間で有機分子膜がパターンニングできる。
【0023】
通常、波長が短い程光のエネルギーは高いため、200nm以下の波長の紫外光が有機分子膜除去などの用途に用いられている。したがって、200nm以上の波長の紫外光では充分に分解・除去が行われないであろうと考えられる。本発明者らは様々な波長域の光源を用いて有機分子膜の分解・除去について調べたところ、200nmから380nmの波長域の紫外光を用いても、実用的な時間で分解・除去が可能であることを見出した。特に、有機分子膜として、アルキル基あるいは、フルオロアルキル基を有するシラン系自己組織化有機分子膜の場合、比較的短時間で分解・除去が可能であり、その結果、良好なパターンニングが可能であることを見出した。この波長域の紫外光を用いることにより、基板、あるいは、大気などでの紫外光の吸収がほとんどなく、有機分子膜の分解・除去に有効に紫外光が働くことがわかった。さらに、照射装置を作製するための制限が大幅に緩和されるため、工業的にもその意義は大きいと考えられる。
【0024】
次に、自己組織化膜14の一部が除去された領域にのみ、別の官能基を有する自己組織化膜の領域B15を形成する。こうして、基板表面に異なる表面物性を有する領域を形成する。さらに、これらの官能基の違いを利用して、図5に示すように領域B15にのみ無電解めっき膜17を形成することが可能である。
【0025】
最初に基板表面に紫外光を照射したり、溶剤により洗浄したりして、前処理を施すことが望ましい。
【0026】
なお、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではない。官能基の違いを利用した選択的な無電解めっき膜の形成について述べているが、この他に、親水、疎水性の差を利用したインクジェット液滴による微細構造体作製などへの適用など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0027】
【実施例】
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明する。
【0028】
[実施例1]
石英ガラス基板上に172nmの波長の紫外光を10分間照射して、前処理としてクリーンニングを行った。
【0029】
次いで、パターン形成工程を以下のように行った。
【0030】
即ち、前記石英ガラス基板とFAS原料の一つであるヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシランとを、同一の密閉容器に入れて96時間室温で放置することにより、該石英ガラス基板表面にフルオロアルキル基を有する自己組織化膜を形成した。そして、更に、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、222nmの波長の紫外光を照射して、マスクしていない部位の自己組織化膜のみを選択的に除去して、FASのパターンを形成した。用いた光源は、波長222nmのエキシマ光源である。基板面上での光強度は、約5mW/cm2であった。紫外光の照射時間は、80分である。
【0031】
ここで、用いたフォトマスクの詳細は次の通りである。基板は、厚さ約3mmの石英を用い、この厚みにおいて222nmの波長の紫外光を90%以上を透過する。遮光部はCr膜を用いており、ラインアンドスペースと呼ばれる線状のパターンが形成されている。ラインの幅及びピッチは20μmとした。
【0032】
次に、紫外光によりFASを除去した領域に、異なる官能基を有する第2の自己組織化膜の形成を行った。即ち、FASがパターンニングされた基板を、純水、エタノールの順で洗浄した後に、エタノールに、1vol%のアミノプロピルトリエトキシシランを加えた混合液中に5分間浸した。さらに、エタノール、純水の順で基板の洗浄を行った。このプロセスにより、FASが除去された領域にのみ、アミノ基を有する自己組織化膜が形成された(図6)。この場合、アミノ基は、有機化合物薄膜の分子鎖の末端に形成される。以上の工程を経て、フルオロアルキル基とアミノ基とを有する自己組織化膜が基板表面にパターンニングされた。
【0033】
次に、222nmの紫外光で有機分子膜がパターンニングできたかどうかを確認するために、引き続き無電解ニッケルめっきを施した。無電解ニッケルめっきを行う場合には、めっきの核となるパラジウムを基板表面に形成する、アクチベーションと呼ばれる前処理を行う。その後、基板を無電解ニッケルめっき液に浸すことにより、基板上にニッケル薄膜を得ることができる。
【0034】
上述したような有機分子膜パターンを形成した試料に、無電解ニッケルめっきを行った。まず、アクチベーターとして、パラジウム塩化合物、塩化水素を含有した混合液(塩化水素4% 、パラジウム塩化合物0.2%、残りは水)30mLを1Lの水に加えたものを用いた。室温で、pHが5.8になるように、水酸化ナトリウム水溶液を加えて調整した。この液中に、約2分浸すことで、パラジウムを基板表面、特に、アミノ基を有する有機分子膜上のみに付着させた。アクチベーター溶液から試料を取り出した後、流水中で3分間洗浄を行った。無電解ニッケルめっき液を、70℃、pH4.6の条件で保持し、洗浄後の試料を、約1分間浸した。
【0035】
ここで、用いた無電解ニッケルめっき液は、ニッケル塩化合物、次亜リン酸をニッケル塩化合物:30g/L、次亜リン酸ナトリウム:10g/Lの組成で含むものを用いた。その後、液から取り出した後、流水中で洗浄を行ない、乾燥を行なった。この試料を光学顕微鏡で観察したところ、フォトマスクのパターン形状と同様なニッケル膜20のパターン形成されていることが確認された(図1(e))。ニッケル膜厚は、約0.1ミクロンであった。
【0036】
以上の結果から、波長222nmの紫外光によりFASが良好にパターンニングでき、その結果、さらにアミノ基を有する有機分子膜、無電解ニッケルめっき膜が選択的に形成されることがわかる。
【0037】
[実施例2]
実施例1と同様にして、基板上にフルオロアルキル基を有する自己組織化膜のパターンニングを行った。ただし、用いた紫外光は、波長が308nmのエキシマ光源によるものである。フォトマスクは実施例1と同じものを用いた。第2の自己組織化膜、及び、無電解めっきのプロセスについても、実施例1と同様に行った。
【0038】
波長308nmの紫外光の照射条件は、基板面上での光強度は、約5mW/cm2であり、フォトマスクを介しての紫外光の照射時間は、80分である。
【0039】
無電解めっき膜の形成を行った後に、この試料を光学顕微鏡で観察したところ、フォトマスクのパターン形状と同様なニッケル膜20のパターン形成されていることが確認された。ニッケル膜厚は、約0.1ミクロンであった。
【0040】
以上の結果から、波長308nmの紫外光によりFASが良好にパターンニングでき、その結果、さらにアミノ基を有する有機分子膜、無電解ニッケルめっき膜が選択的に形成されることがわかる。
【0041】
[実施例3]
実施例1と同様にして、基板上にフルオロアルキル基を有する自己組織化膜のパターンニングを行った。ただし、ここで用いた紫外光は、メタルハライドランプを光源としたものである。実施例1あるいは実施例2のエキシマ光源とは異なり、様々な波長の紫外光を含むものである。キセノンランプをベースに水銀の金属蒸気を封入したランプから放出される光は、波長が200nmから380nmの成分を主に含む。フォトマスクは実施例1と同じものを用いた。第2の自己組織化膜、及び、無電解めっきのプロセスについても、実施例1と同様に行った。
【0042】
メタルハライドランプによるの紫外光の照射条件は、基板面上での光強度は、約2mW/cm2であり、フォトマスクを介しての紫外光の照射時間は、120分である。
【0043】
無電解めっき膜の形成を行った後に、この試料を光学顕微鏡で観察したところ、フォトマスクのパターン形状と同様なニッケル膜20のパターン形成されていることが確認された。ニッケル膜厚は、約0.1ミクロンであった。
【0044】
以上の結果から、メタルハライドランプからの紫外光によりFASが良好にパターンニングでき、その結果、さらにアミノ基を有する有機分子膜、無電解ニッケルめっき膜が選択的に形成されることがわかる。
【0045】
また、無電解めっき膜のパターンニングまでは確認していないが、KrF光源による紫外光をFAS表面に照射したところ、照射に伴いFAS表面の水に対する接触角が低下することが確認された。これは、248nmの紫外光の照射により、FASの分解・除去が行われたと考えられる。したがって、248nmの紫外光においても有機分子膜のパターンニングは可能であると考えられる。以上の結果から、本発明は、実施例1及び実施例2で述べた波長のエキシマ紫外光に限定するものではない。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、特殊な光学材料、特殊な光学系、及び光路中の排気などを行わなくとも、簡便で高速な有機分子膜のパターンニング技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板上に自己組織化膜が形成されている状態を示す断面図である。
【図2】自己組織化膜がパターンニングされた状態を示す断面図である。
【図3】自己組織化膜のパターンニングの工程を示す断面図である。
【図4】第1の自己組織化膜が除去された領域に第2の自己組織化膜が形成されている状態を示す断面図である。
【図5】第2の自己組織化膜に覆われている領域に無電解めっき膜が形成されている状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 微細構造体
11 基板
11a 親液部
11b 撥液部
14 自己組織化膜
15 第2の自己組織化膜
17 無電解めっき膜
20 フォトマスク

Claims (6)

  1. 基板表面に膜厚が3nm以下のヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン膜を形成する工程と、
    波長222nmエキシマランプ、波長308nmエキシマランプまたは波長200nmから380nmの成分を主に含むメタルハライドランプを光源とした紫外光を照射して前記ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン膜の一部を除去する工程と、
    前記ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン膜を除去した領域にアミノ基を有する自己組織化膜を形成する工程と、
    前記基板をアクチベーターとしての混合液に浸す工程と、
    前記基板を無電解めっき液に浸す工程と、を有することを特徴とする微細構造体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の微細構造体の製造方法であって、
    前記ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン膜の一部を除去する工程では、フォトマスクを介して前記紫外光を前記ヘプタデカフルオロテトラヒドロデシルトリエトキシシラン膜に照射する工程を含むことを特徴とする微細構造体の製造方法。
  3. 請求項1に記載の微細構造体の製造方法であって、
    前記基板を前記混合液に浸す工程では、前記アミノ基を有する自己組織化膜上に無電解めっき膜の核を付着させることを特徴とする微細構造体の製造方法。
  4. 請求項3に記載の微細構造体の製造方法であって、
    前記混合液はパラジウムを含むことを特徴とする微細構造体の製造方法。
  5. 請求項3または4に記載の微細構造体の製造方法であって、
    前記無電解めっき膜の形成は、前記核が付着している領域に選択的に形成することを特徴とする微細構造体の製造方法。
  6. 請求項5に記載の微細構造体の製造方法であって、
    前記無電解めっき膜はニッケル膜であることを特徴とする微細構造体の製造方法。
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