JP4202054B2 - 薄膜パターンの形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜パターンの形成方法に関し、特に、半導体分野などにおいてフォトリソグラフィ工程として用いられる薄膜パターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フォトレジストを紫外線によって選択的に露光し、現像することによって所望のパターンを有するレジストを形成する技術が半導体分野をはじめ、さまざまな分野で用いられている。この工程は一般にフォトリソグラフィと呼ばれる。
【0003】
近年、フォトレジストを用いたフォトリソグラフィに加えて、有機単分子膜あるいは単分子膜を積層した累積膜(多層膜)をフォトレジストに代えて用いる方法が研究されている。有機単分子膜あるいは累積膜としては、ラングミュアーブロジェット膜(以下、「LB膜」と略する場合がある)および自己組織化膜(以下、「SAM」膜と略する場合がある)が知られている。
【0004】
LB膜は、親水性部と疎水性部とを併せ持つ両親媒性有機分子を水面上に展開させ、基板に転写することによって得られる。この操作を1回行うと単分子膜を形成することができ、基板への転写を複数回行うことによって、単分子膜が積層された累積膜を形成できる。転写の回数を制御すれば、累積膜の厚さを調整することもできる。
【0005】
一方、SAM膜は、有機分子の末端基を基板の表面に選択的に化学吸着または化学的結合させることによって基板の表面に得られる単分子膜である。基板と結合する末端と反対側の末端となる官能基を適宜選択することによって、LB膜と同様、累積膜を形成することもできる。本願明細書では、これらLB膜およびSAM膜の単分子膜および累積膜を有機分子薄膜と称する。また、有機分子とは、ケイ素を骨格に有する分子も含むものとする。
【0006】
これらの有機分子薄膜の単分子膜において、分子同士は、ファン・デル・ワールス力により、規則的に配列するように結合しており、その結果、2次元的に配向が制御された薄膜を形成している。これらの膜の形成には、高温・高エネルギとなる環境は不要であり、また、大掛かりな装置を必要としない。このため、従来のフォトレジストを用いるマスクの形成方法に比べて、製造工程でのエネルギの消費が少なくてすむという利点がある。
【0007】
有機分子薄膜の露光には一般に紫外線が用いられる。例えば、紫外線等を選択的に有機分子薄膜に照射して、有機分子を分解させ、紫外線が照射した部分の有機分子を除去したり、逆に有機分子同士を結合させ、紫外線が照射した部分以外の有機分子を除去したりする。こうした紫外線による化学反応を利用したパターニング以外に、走査型プローブ装置を用いて、機械的に有機分子薄膜を加工することもできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述の有機分子薄膜のパターニングにおいて、有機分子を分解したり、有機分子同士を結合させたりするためには、照射する紫外線の波長が200nm以下である必要がある。しかし、この波長帯の紫外線は空気中で吸収され易い。このため、紫外線を効率よくパターニングに用いるためには、有機分子薄膜と紫外線源との距離をできるだけ短くする必要がある。典型的には、有機分子薄膜と紫外線源との距離を数mm程度にしなければならない。その結果、パターニングを行うための露光装置のレイアウトに大きな制限が生じる。例えば、露光装置として、一般に用いられるステッパーなどの縮小投影機を用いることはできない。
【0009】
また、200nm以下の波長の紫外線を発光する光源はエキシマランプ等に限られる。このため、従来のフォトリソグラフィの光源に用いられる水銀ランプ等のような点光源の形状に光源をすることができず、照射する紫外線によって微細なパターンを形成することは困難である。
【0010】
更に、紫外線を照射することによって有機分子薄膜を構成している分子を完全に分解することは困難であり、分解が不十分な分子が残渣として残ってしまう。このため、パターニングした有機分子薄膜をマスクとしてエッチングを行った場合、残渣がエッチングの妨げとなって、正確なエッチングパターンを得ることができない。
【0011】
走査型プローブ装置等を用いて機械的に有機分子薄膜を加工する場合、走査型プローブ装置の調整が煩雑である。また、描画形式による加工であるため、マスクパターンによっては、エッチングに多大な時間と労力が必要となる。
【0012】
本発明は、このような従来技術の問題を解決し、有機分子薄膜のパターンを容易に形成する方法を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜パターンの形成方法は、基板の表面上に酸化チタン膜を形成する工程と、前記酸化チタン膜の表面に有機分子からなる有機分子薄膜を形成する工程と、前記有機分子薄膜と接している前記酸化チタン膜の表面に所定の露光領域が形成されるように基板に対して紫外線を選択的に照射し、前記酸化チタン膜の露光領域に接している前記有機分子薄膜の前記有機分子を分解する工程とを包含する。
【0014】
ある好ましい実施形態において、前記有機分子薄膜は、前記有機分子の単分子膜または前記単分子膜が複数積層された累積膜により形成されており、前記有機分子は、ファン・デル・ワールス力によって相互に結合することにより、二次元的に配向が制御されている。前記単分子膜は、典型的には、ラングミュアーブロジェット膜または自己組織化膜である。
【0015】
ある好ましい実施形態において、前記有機分子は、直鎖状有機シラン化合物であり、前記直鎖状有機シラン化合物は、疎水性を有する官能基を末端基として備えている。
【0016】
ある好ましい実施形態において、前記紫外線は200nmから400nmの波長を有している。
【0017】
ある好ましい実施形態において、前記基板は、前記紫外線に対して透明であり、前記紫外線を前記基板の裏面から照射する。
【0018】
ある好ましい実施形態において、前記有機分子薄膜の表面は疎水性を備えている。
【0019】
ある好ましい実施形態において、薄膜パターンの形成方法は、前記有機分子を分解する工程後、前記基板を無電解めっき用の触媒を含む水溶液に浸漬し、前記紫外線が照射された領域において、前記酸化チタン膜が露出するように前記分解した有機分子を除去し、前記無電解めっき用の触媒を前記酸化チタン膜上に堆積する工程を更に包含する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の薄膜パターンの形成方法において、パターニングをすべき有機分子薄膜は酸化チタン膜上に形成される。有機分子薄膜の表面からマスクなどを用いて選択的に紫外線を照射すると、紫外線は、酸化チタン膜に達する。紫外線を受けた酸化チタン膜の酸化チタンは、活性酸素種を生成し、酸化チタン膜に接した有機分子薄膜中の有機分子を分解する。したがって、紫外線が照射された領域においてのみ有機分子薄膜中の有機分子が分解され、有機溶媒等により分解した有機分子を除去することによって、有機分子膜のパターニングを行うことができる。
【0021】
このように、本発明の方法では、有機分子薄膜中の有機分子は紫外線によって直接分解されるのではなく、酸化チタンの光触媒作用により分解される。したがって、パターニングには、有機分子を分解するのに必要な短い波長の紫外線を用いなくてもよく、酸化チタンの光触媒作用を発揮させことのできる紫外線を用いる。
【0022】
以下、図1(a)から(h)を参照して、本発明の薄膜パターンの形成方法を詳細に説明する。本発明の薄膜パターンの形成方法では、まず図1(a)に示すように、基板11上に酸化チタン膜12を形成する。基板11としては、ガラス、石英、プラスチックなどからなる透明あるいは所定の波長の光を透過する透光性の基板を用いることができる。後述するように、所望のパターンを形成するための露光を基板11の裏面から行う場合には、露光に用いる紫外線に対して透明あるいは透光性の基板を基板11として用いることが好ましい。酸化チタン膜12を形成した側から露光するのであれば、基板11は透明である必要はなく、金属やセラミックスなどからなる不透明基板であってもよい。
【0023】
更に、酸化チタン膜12は基板11上に直接形成されていなくてもよい。基板11表面において酸化チタン膜12が保持されている限り、酸化チタン膜12と基板11との間に保護膜や金属膜などの他の膜が形成されていてもよい。
【0024】
酸化チタン膜12は、酸化チタンからなるターゲットを用いたスパッタ法、チタンターゲットを酸素雰囲気下においてスパッタリングする反応性スパッタ法、イオンプレーティングなどの反応性蒸着法、ゾル−ゲル法などにより、形成される。蒸着等により基板11上に形成したチタン膜に対して陽極酸化を行って、酸化チタン膜12を形成してもよい。
【0025】
酸化チタン膜12は、紫外線の照射によって活性酸素種を発生する光触媒作用を備えているものであれば、Si、Al、Cu、Ag、Sn、Wなどチタンおよび酸素以外の元素を含んでいてもよい。
【0026】
酸化チタン膜12の重要な役割は、酸化チタン膜12表面における光触媒作用である。したがって、酸化チタン膜12は均一な膜が形成できる程度の厚さを備えていることが好ましく、30nm以上の厚さを備えていることが好ましい。一方、酸化チタン膜12が厚くなってもその表面の光触媒作用は変わらないので、酸化チタン膜12は厚く形成してもよい。しかし、酸化チタン膜12の厚さがあまり大きくなると、酸化チタン膜12の形成に時間がかかりすぎる等の問題が生じ得る。また、基板11の裏面から紫外線を照射する場合、酸化チタン膜12が厚すぎると、酸化チタン膜12の有機分子薄膜13との界面に十分な紫外線が到達しない可能性がある。したがって、酸化チタン膜12は200nm以下であることが好ましい。
【0027】
次に、図1(b)に示すように、酸化チタン膜12上に有機分子薄膜13を形成する。有機分子薄膜13は、ラングミュアーブロジェット膜の単分子膜、自己組織化膜の単分子膜、あるいはこれの単分子膜を積層した累積膜で構成されている。 単分子膜を積層して有機分子薄膜13を形成する場合には、有機分子薄膜13の下に位置する酸化チタン膜12へ紫外線が到達するよう、有機分子薄膜13は100nm以下の厚さを備えていることが好ましい。単分子膜の積層回数を調節することによって、有機分子薄膜13の厚さを制御できる。
【0028】
図1(b)に示す有機分子薄膜13がラングミュアーブロジェット膜の単分子膜である場合、親水性部13aおよび疎水性部13bを分子内に有する有機分子13cが、親水性部13a同士および疎水性部13b同士を近接させて二次元的に配向している。有機分子13cは二次元固状態をとっており、有機分子13c間に作用するファン・デル・ワールス力により高密度に凝集し、相互に結合している。
【0029】
ラングミュアーブロジェット膜を形成する有機分子としては、分子中に親水基および疎水基の両方を有する種々の不溶性物質用いることができる。公知の技術を用いて、これらの分子を水面上に展開させ、基板に転写することによって得られる。また、累積膜を形成する場合には、各単分子膜の親水性部13a同士、あるいは疎水性部13b同士が隣接するよう積層する。
【0030】
図1(b)に示す有機分子薄膜13が自己組織化膜の単分子膜である場合、末端基13aが所定の基板表面に対して選択的に化学吸着または化学的結合をする性質を備えた有機分子13cを用いる。自己組織化膜においても、ラングミュアーブロジェット膜と同様、有機分子13cは二次元固状態をとっており、有機分子13c間に作用するファン・デル・ワールス力により高密度に凝集し、相互に結合している。
【0031】
自己組織化膜の多層膜によって有機分子薄膜13を構成する場合には、末端基13aが、酸化チタン膜12と選択的に化学吸着または化学結合し得る性質を備えて有機分子13cを用いる。例えば、末端基13aとして、酸化チタン膜12と共有結合し得るクロロシリル基を含む有機分子13cを用いる。また、末端基13aの反対側に位置する官能基13bが末端基13aとは異なる性質を備えるように有機分子13cを設計し、多層膜を形成することができる。例えば、官能基13bとして疎水性の大きなフッ化炭素あるいは飽和炭化水素を含む官能基を選択してもよい。
【0032】
自己組織化膜を形成する有機分子としては、オクタデシルトリクロロシラン(CH3(CH217SiCl3、OTSとも略す)などの直鎖有機シラン化合物(CH3(CH2nSiX3、(n=5〜18が好ましい、X=Cl、O(CH3)3、F、Br)や、ホスホン酸チオール、カルボン酸チオールなどを用いることができる。
【0033】
これらの有機分子を有機溶媒に溶解させ、酸化チタン膜12が形成された基板11を有機分子が溶解した有機溶媒に浸漬することにより、酸化チタン膜12の表面に高密度で配向した有機分子からなる有機分子薄膜13が形成される。必要に応じて、基板12の浸漬および引き上げを繰り返し、単分子膜を積層し、多層膜を形成する。
【0034】
有機分子を溶解する有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、キシレン、トルエン、ヘキサンなどを用いることが好ましい。また、有機溶媒中の有機分子の濃度は、0.01〜10mM程度であることが好ましく、0.1〜1mMであることがより好ましい。有機分子の濃度が低すぎると基板11の酸化チタン膜12の表面全体に有機分子薄膜13が形成されにくくなる。また、濃度が高すぎると、有機分子の自己組織化あるいは単分層となる配向がしにくくなり、高密度で高い配向性を有した有機分子膜13の形成が困難となる。
【0035】
基板11の有機溶媒への浸漬時間は数分から数時間の間の任意の時間を選択しえるが、10〜30分であることが好ましい。浸漬後、使用した溶媒で基板11を洗浄し、乾燥させることにより、図1(b)に示す構造が得られる。
【0036】
続いて図1(c)に示すように、所望のパターン14dを有し、紫外線を遮断するマスク14を用い、基板11の表面から選択的に紫外線を照射する。マスク14を用いず、ビーム状の紫外線を用いて所望のパターン14dを直接描画してもよい。また、チタン酸化膜12の形成されていない基板11の裏面側から露光してもよい。
【0037】
照射した紫外線は、有機分子薄膜13を透過して、有機分子薄膜13と接している酸化チタン膜12の表面12aに達する。そして、有機分子薄膜13と接している酸化チタン膜12の表面12aに選択的に紫外線が照射された露光領域12dが形成される。酸化チタン膜12の表面12aでは、露光領域12dにおいて、電子および正孔が生成し、その結果、OHラジカルやスーパーオキシドのような活性酸素種が生成する。OHラジカルやスーパーオキシドは非常に反応性が高く、有機分子と容易に反応して炭素間の結合を切断したり、有機分子を酸化したりして、有機分子を分解する。このため、この活性酸素種は、露光領域12dに接した有機分子薄膜13の有機分子13cを分解する。つまり、有機分子薄膜13において、マスク14の所望のパターン14dに対応する露光領域12dの有機分子13cが分解する。なお、この際、有機分子薄膜13の有機分子の一部が照射した紫外線によって直接分解されてもよい。
【0038】
この酸化チタンの光触媒作用は、波長が400nm以下の紫外線を用いることによって発現する。一方、波長の短い紫外線は、空気中で吸収され、減衰しやすい。このため、空気による紫外線の吸収があまり問題とならない波長200nm以上の紫外線を用いることが好ましい。つまり、有機分子薄膜13の露光に用いる紫外線の波長は200〜400nmであることが好ましい。この波長の紫外線は、例えば、従来のフォトリソグラフ工程に用いられる露光装置の水銀ランプによって発生させることができる。
【0039】
紫外線の照射によって有機分子薄膜13の領域13dにおいて、分解した有機分子は、有機分子薄膜13を形成する際に用いた有機溶媒等を用いて洗浄することにより、除去される。これにより、図1(d)に示すように、マスク14の所望のパターン14dが転写された有機分子薄膜15が基板11上に形成される。
【0040】
パターニングされた有機分子薄膜15は、従来のフォトリソグラフィプロセスによって形成されたレジストと同様、種々の薄膜プロセスに応用できる。具体的には、有機分子薄膜15を用いて、金属膜、セラミック膜、有機材料膜などのパターニングや、パターニングされたこれらの膜を形成することができる。
【0041】
例えば、パターニングされた有機分子薄膜15を無電解めっきのための下地処理用のマスクとして用いることができる。図1(d)に示すように、酸化チタン膜12の露光領域12dは、パターニングされた有機分子薄膜15によって露出されており、他の領域は有機分子薄膜15に覆われている。上述したように、有機分子薄膜15の有機分子13cの官能基13bが疎水性を備えている場合には、有機分子薄膜15の表面は疎水性を備え、酸化チタン膜12の露光領域12dは親水性を備えている。したがって、無電解めっき用の貴金属からなる触媒を含んだ水溶液に基板11を浸漬した場合、親水性を備える酸化チタン膜12の露光領域12dにのみ触媒が吸着し、有機分子薄膜15の表面には吸着しない。このように所望の領域にのみ触媒が付与された基板を無電解めっき液に浸漬することによって、図1(f)に示すように、酸化チタン膜12の触媒が吸着している部分(露光領域12d)にのみめっき膜が選択的に成長し、所望のパターンを有するめっき膜17を形成することができる。
【0042】
めっき膜17を形成した後、有機分子薄膜15を除去するために、有機分子薄膜15の全面に200〜400nmの波長を有する紫外線を有機分子薄膜15の全表面に照射する。基板11が紫外線を透過する場合には、基板11の裏面から紫外線を照射してもよい。紫外線の照射によって、上述したように、酸化チタン膜12が活性酸素種を生成し、活性酸素種によって、有機分子薄膜15の有機分子が分解する。その後有機溶媒で分解した有機分子を除去することによって、酸化チタン膜12上に所望のパターンを有するめっき膜17のみが形成された基板11を得ることができる。
【0043】
露出した酸化チタン膜12は親水性を備えているため、めっき膜17が形成されていない酸化チタン膜12上に親水性を利用したプロセスを更に施すことも可能である。例えば、酸化チタン膜12上に水溶性のインク等を選択的に塗布することができる。カラーフィルタに用いるRGBのインクをインクジェット方式等により塗布することができる。
【0044】
このように、本発明によれば、高密度で配向性に優れた有機分子薄膜をパターニングすることが容易にできる。パターニングには、200〜400nmの波長の紫外線を用いることができるので、水銀ランプ等の点光源を用いて微細なパターンを形成することができる。また、この波長の紫外線は空気によって吸収されにくいので、光源と基板との距離を十分にとることができる。このため、露光方法を種々選択することが可能となり、例えば、ステッパーを用いて紫外線を照射することもできる。
【0045】
また、有機分子薄膜の有機分子は、活性酸素種によって確実に分解されるため、基板11上に残渣として残存する可能性が低くなり、有機分子薄膜のパターニングを確実に行うことができる。
【0046】
更に、パターニングされた有機分子薄膜から露出するチタン酸化膜は高い親水性を備えているので、親水性を利用して、種々の薄膜パターンを選択的に形成することができる。
【0047】
(第1の実施例)
図1(a)から(h)を参照して、具体的な実施例を示す。
【0048】
図1(a)に示すように、ガラス基板11上に厚さ100nmの酸化チタン膜12を形成する。酸化チタン膜12の形成には、酸化チタンをターゲットとし、アルゴンおよび酸素の混合ガスを用いたRFスパッタ法を用いる。また、成膜は、400℃の基板温度および0.7Paのガス圧において、200WのRFパワーを印加して行う。
【0049】
有機分子薄膜13を形成するために、クロロホルムを溶媒として、1mM濃度のOTS溶液を用意する。基板11をOTS溶液に一時間浸漬させ、OTSを酸化チタン膜12の表面に化学吸着させる。その後、基板11をOTS溶液から取り出す。酸化チタン膜12に化学吸着したOTSの単分子膜上に物理吸着によって残留しうる余剰のOTS分子を除去するために、クロロホルム溶液に5分間浸漬する。その後、窒素ガスをブローして乾燥させることにより、図1(b)に示すように、OTSの単分子膜からなる有機分子薄膜13が酸化チタン膜12上に形成される。
【0050】
所定のパターン14dが形成されているマスク14を介して基板11の表面全面に紫外線を照射する。露光にはi線(365nm)のステッパーを用いる。これにより、パターン14dに対応する領域13dにおいて有機分子薄膜13の有機分子が分解される。
【0051】
露光が済んだ基板11を25℃の塩化スズ水溶液に30秒浸漬した後、純水で洗浄する。これにより、図1(d)に示すように、領域13dに存在していた分解した有機分子が除去され、パターニングされた有機分子薄膜15が形成される。また、酸化チタン膜12の表面が露出された露光領域12dに、塩化スズが吸着する。このとき、塩化スズは、親水性を備えた酸化チタン膜12の露光領域12dにのみ吸着し、疎水性を備えた有機分子薄膜15の表面には吸着しない。
【0052】
続いて、基板11を25℃の塩化パラジウム水溶液に30秒間浸漬した後、純水で洗浄することによって、図1(e)に示すように、酸化チタン膜12の露光領域12dにおいて塩化スズが塩化パラジウムを還元し、パラジウム触媒のパターン16を形成する。
【0053】
図1(f)に示すように、基板11を55℃の硝酸亜鉛およびジメチルアミンボランの混合水溶液に30分間浸漬することによって、パラジウム触媒のパターン16上に膜厚約0.1μmの酸化亜鉛膜のパターン17を形成する。
【0054】
25℃の塩化パラジウム水溶液に30秒浸漬した後、純水で洗浄することによって、図1(g)に示すように、酸化亜鉛膜のパターン17上にのみパラジウム触媒を析出させ、酸化亜鉛膜のパターン17上にパラジウム触媒のパターン18を形成する。
【0055】
更に硫酸銅水溶液に基板11を10分間浸漬することによって、パラジウム触媒のパターン18上に厚さ約0.3μmの銅膜のパターン19を形成する。
【0056】
このようにして、基板11上に銅のパターン19が形成される。
【0057】
(第2の実施例)
図2(a)から(e)および(i)から(l)を参照して、基板上にカラーフィルタを作成する実施例を示す。まず図2(a)から(e)に示すように、基板11上にパターニングされた有機分子薄膜15を形成し、露光領域12dにパラジウム触媒のパターン16を形成する。パラジウム触媒のパターン16はマトリクス形状を備えている。これらの工程は、第1の実施例において図1(a)から(e)を参照して説明した手順によって行う。
【0058】
続いて、基板11を75℃の塩化ニッケル水溶液に10分間浸漬した後、純水で洗浄することによって、図2(i)に示すように、パラジウム触媒のパターン16上にニッケル膜パターン21を形成する。
【0059】
図2(j)に示すように、基板11の裏面から全面に紫外線(波長365nm)を照射して有機分子薄膜15の有機分子を分解し、適当な溶媒に基板11を浸漬することにより、図2(k)に示すように、分解した有機分子を除去する。これにより、ニッケル膜パターン21が形成された領域を除いて、酸化チタン膜12の表面を露出させる。露出した酸化チタン膜12の表面は親水性を備え、水酸基が極めて多く存在している。
【0060】
その後、図2(l)に示すように、マトリクス状に形成されたニッケル膜のパターン21の間の酸化チタン膜12上にインクジェット法によりRGBインクをそれぞれ吐出してカラーフィルタ22を形成する。通常マトリクスは数μmから数十μmの高さを有するため、バンクが必要となる。しかし、本発明では酸化チタン膜12の表面が高度に親水化されており、ニッケル膜のパターン21の表面は疎水化されているため、バンクを用いなくとも塗り分けが可能である。インクは、ブチルカルビトルアセテートを溶剤として用い、顔料を混合することによって所望の色をつくる。また、必要に応じてアルコールを添加する。RGBインクを吐出、塗布後、200℃で10分間乾燥させることにより、カラーフィルタ22が形成される。
【0061】
【発明の効果】
本発明の薄膜パターンの形成方法によれば、有機分子薄膜のパターンを容易にかつ確実に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)から(h)は、本発明の第1の実施例によるパターン形成方法における各工程を示す断面図である。
【図2】(a)から(e)および(i)から(l)は、本発明の第2の実施例によるパターン形成方法における各工程を示す断面図である。
【符号の説明】
11 基板
12 酸化チタン膜
13、15 有機分子薄膜
14 マスク
16、18 パラジウム触媒のパターン
17 酸化亜鉛膜のパターン
19 銅膜のパターン
21 ニッケル膜のパターン
22 カラーフィルタ

Claims (4)

  1. 基板の表面上に酸化チタン膜を形成する工程と、
    前記酸化チタン膜の表面に有機分子からなる有機分子薄膜を形成する工程と、
    前記有機分子薄膜と接している前記酸化チタン膜の表面に所定の露光領域が形成されるように基板に対して紫外線を選択的に照射し、前記酸化チタン膜の露光領域に接している前記有機分子薄膜の前記有機分子を分解する工程と、
    を包含し、
    前記有機分子薄膜が、前記有機分子の単分子膜または前記単分子膜が複数積層された累積膜により形成されており、
    前記単分子膜において、前記有機分子は、ファン・デル・ワールス力によって相互に結合することにより、二次元的に配向が制御されている、薄膜パターンの形成方法。
  2. 前記単分子膜は、ラングミュアーブロジェット膜または自己組織化膜である請求項1に記載の薄膜パターンの形成方法。
  3. 前記有機分子は、直鎖状有機シラン化合物である請求項2に記載の薄膜パターンの形成方法。
  4. 前記直鎖状有機シラン化合物は、疎水性を有する官能基を末端基として備えている請求項3に記載の薄膜パターンの形成方法。
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