JP3572056B2 - シリコンウェハー上の有機単分子膜の光パターニング - Google Patents

シリコンウェハー上の有機単分子膜の光パターニング Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体回路や各種の機能素子などに利用されるパターン化シリコンウェハーを作製する技術分野に属し、特に、シリコンウェハー上の有機単分子膜を光パターンニングする新規な方法とそれによって得られる新規なパターン化シリコンウェハーに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在のシリコンテクノロジーにおいては、シリコン基板(シリコンウェハー)の表面を加工し、光パターニング(光照射によるパターン形成)によって、様々な素子として利用されている。一般的には、クロム層のような遮光層を介してレジストとなる感光性有機分子でシリコンウェハー表面を被覆し、光リソグラフィーによるパターニングと、それに続くパターン像の現像、遮光層を溶解するためのエッチング、さらにはレジストの除去を含む複雑な工程を得て、表面にパターンが形成されたシリコンウェハー(パターン化シリコンウェハー)が得られる(例えば、日本学術振興会薄膜第131委員会編、「薄膜ハンドブック」、オーム社(1983)、pp.287−292、沖瀬真「半導体集積回路用レジストハンドブック」第1章、山岡亜夫監修、Realize Inc. (1996)、S. Hayase, Y. Nakano, S. Yoshikawa, H. Ohta, Y. Sato, E. Shiobara, S. Miyoshi, Y. Ohnishi, M. Abe, H. Mastuyama, and Y. Ohiwa, Chem. Mater., 13, 2186−2194 (2001)参照)。このような方法は、確立された技術ではあるが、工程が複雑なことに加えて、現像工程、エッチング工程、レジスト除去工程等の諸工程後の廃液等を処理しなければならないという問題がある。
【0003】
近年、無機基板上に有機物の単分子膜を自己組織的に形成し、このような自己組織化単分子膜(Self−assembled monolayer:以下、SAMと略称することがある)の表面を利用する研究が盛んに行われ、これをパターン化シリコーンウェハーの作製に応用することも試みられている。この目的に主として行なわれている手法は、シリコンウェハーを被覆した金表面に、感光性の官能基や原子団を有するチオール化合物やジスルフィド化合物を特異的に吸着させ、その単分子膜を形成し、このSAMに光パターニングを行うものである。このような方法においても、光パターニング後に現像と金のエッチングが必要となる。
【0004】
シリコン基板に直接形成されるSAMとしては、シリコン表面の自然酸化SiO層や人工的に形成したSiO薄膜上へのアルコキシシランなどの有機シラン化合物の単分子膜が良く知られている。こうした膜は、紫外光を照射することによりSi−O(ケイ素−酸素)の結合が切断されると考えられるので、これを利用して光パターニングを行うこともできる(例えば、市村國宏、高分子、51(3), 143−147 (2002)、不動寺浩、小林幹彦、新谷紀雄、表面科学、22(1), 19−29 (2001)、増田佳丈、河本邦仁、科学化学と教育、48(9), 556−559 (2000)、W. J. Dressick, J. M. Calvert, Jpn. J. Appl. Phys., 32, 5829−5839 (1993)参照)。しかし、このような有機シラン化合物から成るSAMは、外気(湿気等)や光に対する安定性が充分でない。また、有機シラン化合物は、一般に、合成が難しく高価なものが多い。さらに、オクタデシルトリクロロシランのようなClを含む有機シラン化合物を用いてSAMを形成する場合、膜作製時においてClが残存することが知られており、これが、実際のデバイスに応用するに際して悪影響を及ぼす。
【0005】
これに対し、清浄な(水素終端化)シリコンの表面に直接単分子膜を形成するものとして、ジアシルパーオキシド(〔CH(CHC(O)O〕、n=16、10)を熱分解することによりSi−C(ケイ素−炭素)結合を介して単分子膜をシリコン表面に結合させる方法が提案されている(M. R. Linford, C. E. D. Chidsey, J. Am. Chem. Soc., 115, 12631−12632 (1993))。この単分子膜を形成したシリコン表面は空気中においても容易に酸化されず、金属シリコンの状態を保つことができるという優れた特徴を有している。しかし、この方法は、高真空条件下の気相中の反応により単分子膜を形成する点において操作が面倒であり大型装置も必要とする。また、不飽和炭化水素である、1−オクタデセン中に水素終端化シリコンウェハーを置き、アルゴン置換ののち、200℃まで昇温することによってSi−C結合を有するアルキル自己組織化膜も報告されている。(M. R. Linford, P. Fenster, P. M. Eisenberger, C. E. D. Chidsey, J. Am. Chem. Soc., 11 , 3145−3155 (1995))。また、この手法も、加圧下且つ200℃という高温プロセスを必要とし、さらに高濃度(大量)のアルケン試薬を必要とする。この単分子膜を形成したシリコン表面は空気中においても容易に酸化されず、金属シリコンの状態を保つことができるという優れた特徴を有している。しかし、この方法は、高真空条件下の気相中の反応により単分子膜を形成する点において操作が面倒であり大型装置も必要とする。また、これらの金属シリコン表面上のSAMの光パターニングについては全く報告されていない。一方、単分子膜のパターニングには、走査型プローブ顕微鏡を用い電圧を局所的にかける陽極酸化法なども行なわれているが、大量にパターニングするには時間がかかるため、実用上はやや困難な点が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、如上の状況に鑑み、半導体回路や各種の機能素子などに利用され得る優れたパターン化シリコンウェハーを作製することのできる簡便で安価な新しい光パターニング技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、研究を重ねた結果、シリコンウェハー上に有機分子のSAMを簡単に形成することのできる溶液反応およびそのSAMの光パターニングの手法を見出し、本発明を導き出した。
【0008】
かくして、本発明は、シリコンウェハー表面を被覆している有機単分子膜に光を照射して所定のパターンを形成する光パターニング方法であって、(1)非酸素雰囲気下に室温〜110℃の温度において、末端に不飽和結合を有する炭化水素を溶解させた無水有機溶媒中に、水素終端化シリコンウェハーを浸漬することにより、該シリコンウェハー上に前記炭化水素の単分子膜を形成する工程、および(2)前記炭化水素の単分子膜に、所定のパターンのフォトマスクを介して紫外線を照射することにより、前記シリコンウェハーの表面に前記所定のパターンを形成する工程、を含むことを特徴とする光パターニング方法を提供するものである。
【0009】
さらに、本発明は、別の観点として、上記のごとき方法によって製造され、ケイ素−炭素結合を介して炭化水素の単分子膜がシリコンウェハーの表面を被覆しているシリコンウェハーであって、所定のパターンに応じて前記シリコンウェハーの表面にケイ素−酸素結合またはケイ素−水素結合が発現していることを特徴とするパターン化シリコンウェハーも提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に従いパターン化シリコンウェハーを作製する諸工程およびその応用例を模式的に示す図1に沿って本発明の実施の形態を詳述する。
用いられるシリコンウェハーは、先ず、不純物を除去しておく。この不純物の除去は、既知の手法に従って行われ、例えば、超音波洗浄した後、無水トルエン、エタノール、次いでmili−Q純水でそれぞれ5分程度洗浄し、さらにオゾン存在下に紫外線を照射する。
【0011】
本発明の特徴の一つは、水素終端化シリコンウェハーを使用することにあり、このため、上記のようにして不純物が除去されたシリコンウェハー(A)は、次に、水素終端化処理(i)に供される。水素終端化処理の手法そのものは、よく知られており、例えば、窒素雰囲気下、HF水溶液(1.0vol%)にシリコンウェハーを1分間程浸漬する。このようにして、シリコン表面が清浄化され自然酸化により生じたSiO層が消失し、図1に模式的に示すようにシリコン表面にSi−H(ケイ素−水素)結合が発現している水素終端化シリコンウェハー(B)が得られる。
【0012】
この水素終端化シリコンウェハー上に有機単分子膜(SAM)を形成させるのであるが、本発明に従えば、末端に不飽和結合を有する炭化水素を溶解させた無水有機溶媒中に水素終端化シリコンウェハーを浸漬することにより、このSAM作製工程を実施する。本発明において用いられる炭化水素としては、末端に不飽和結合を有し、自己組織的に単分子膜を形成し得るような分子構造を有するものであれば脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素(各種の官能基または原子団で修飾されていてもよい)のいずれも使用可能であるが、緻密な単分子膜構造を形成する点からは、一般に、脂肪族炭化水素が好ましい。また、不飽和結合をもたない側の末端に、有機単分子膜(SAM)上での反応や反応によって他の物質を結合させるために、官能基を持たせることもできる。そのような官能基としては例えばアミノ基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、またはそれの塩、水酸基などが挙げられる。また、不飽和結合とは、二重結合および三重結合の両方を包含するが、シリコン(ケイ素)との反応性を考慮すると二重結合が好ましい。これらの点から、本発明において用いられる末端に不飽和結合を有する炭化水素として特に好ましいのは、炭素数4〜18のアルケンである。
【0013】
有機溶媒は特に限定されるものではなく、如上の炭化水素を溶解し得る各種の有機溶媒が使用できるが、いずれも無水の有機溶媒でなければならない。好適な有機溶媒としては、例えば、無水のトルエン、メシチレン、トリメチルペンタン、エチルへキサン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、キシレン類、などを挙げることができる。本発明の更なる特徴の一つは有機溶媒中の炭化水素(末端に不飽和結合を有する炭化水素)の濃度がきわめて低くてよいことであり、一般に、1.0vol% 〜5.0 vol%でよい。
【0014】
本発明に従うSAM作製工程の更なる特徴は、非酸素雰囲気下(例えば、窒素雰囲気下)に常圧で比較的低温、すなわち、室温から110℃の温度において行われることにある。温度を高くすれば、緻密な単分子膜が得られる傾向はあるが、上記の温度範囲内にあれば低温でも充分なSAM形成される。SAM形成に要する時間は短く、一般に、20 〜60 分程度、既述のような炭化水素を無水有機溶媒中に浸漬するだけでよい。
【0015】
本発明に従えば、以上のようなSAM作製工程(ii)により、シリコンウェハー上にアルケンのような炭化水素由来のSAMが形成された構造体(C)が得られる。用いられた炭化水素の末端にある不飽和結合を介して、SAMとシリコンウェハーとの間に、強固なSi−C(ケイ素−炭素)結合が生じているので、得られるSAM/シリコンウェハー(C)は、きわめて安定であり、HFなどの酸処理でも容易にはがれることはない。る。
【0016】
以上のようにして作製され表面に炭化水素の単分子膜が形成されたシリコンウェハー(C)は、次に、本発明に従い、該炭化水素の単分子膜に所定のパターンのフォトマスクを介して紫外線を照射する工程(iii)に供される。この露光工程により、Si−C結合の解離が生じ、金属シリコン上に直接、パターニングを行うことができる。
【0017】
紫外線の照射は、一般に、150nm〜250nmの範囲の波長の遠紫外から近紫外の紫外光を発する適当な水銀ランプを用いて行なえばよい。また、紫外線の照射は、非酸素雰囲気下(例えば窒素雰囲気下)および空気中(すなわち、酸素共存下)のいずれかで行うことができる。一般に、空気中での紫外線照射では、パターニングの速度が促進されることが見出されている。これは、空気中で紫外線照射を行うと、オゾンが共存するためと考えられる。
【0018】
かくして、如上の諸工程によって得られ、Si−C結合を介して炭化水素の単分子膜がシリコンウェハーの表面を被覆している本発明のシリコンウェハーは、図1の(D)として模式的に示すように、所定のパターンに応じて、すなわち、シリコン表面のうち紫外線照射領域(露光部分)にSi−HSiラジカルが形成され、酸素の共存下では、Si−O(ケイ素−水素酸素)結合が発現し、また、非酸素雰囲気下では、Si−H(ケイ素−水素)結合が発現していることが確認されている。
Si−O(ケイ素−酸素)結合が発現しているウェハーはさらに前記〔0010〕で述べた手法によりHFで処理することによりSi−O結合領域を完全に水素終端化、すなわち、Si−H(ケイ素−水素)結合で覆われた状態にすることも可能である。このとき、Si−C結合で形成されているSAMは侵食されない。
【0019】
以上のような構造を有する本発明のパターン化シリコンウェハーは、親水性のSi−O結合またはSi−H結合が発現しているパターン化領域に、各種の金属、酸化物、非酸化物等から成る薄膜や微粒子を析出させたり配列させることにより、ナノメーターサイズの所望のパターンが付与された各種の機能素子などとして利用することができる。例えば、特定形状のパターン化領域に沿って金属の超微粒子を配列することにより、マイクロ回路やマイクロデバイス用抵抗素子などを作製することができる。図2には、本発明に従うパターン化シリコンの他の応用例として、パターン化領域(紫外線照射領域)にスズ水酸化物の薄膜を選択的に析出させる工程〔 iv および(v)〕も模式的に示しており、このような酸化スズ薄膜を析出させたパターン化シリコンウェハーは、超微量の水素を検出するセンサーとして用いることができる(後述の実施例2参照)。
【0020】
【実施例】
以下に、本発明の特徴をさらに具体的に明らかにするため実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
実施例1:
この実施例は、本発明に従うシリコンウェハーの表面構造を確認するためのものである。図1に沿って既述したように不純物除去および水素終端化処理した水素終端化シリコンウェハーを、末端に不飽和結合を有する炭化水素として1−オクタデセンを溶解させた無水トルエン溶液(1vol/vol%)に、窒素雰囲気下 110℃において、30分間浸漬して1−オクタデセンの単分子膜(OD−SAM)をシリコンウェハー上に作製した。そのとき表面における水の接触角を測定したところ115度となっており、OD−SAMの形成により疎水化されていることが示された。このOD−SAMに空気中で紫外線(日本レーザー電子製、NL−UV253、4.5W水銀ランプ3本(波長184.9nm))を照射した。その結果、照射時間とともに水の接触角は小さくなり、2時間後、5度以下と超親水的となった。これは、シリコン表面と1−オクタデセン間のSi−C結合が切断され、Si−HSiラジカルの形成ののち、雰囲気の酸素と反応してSi−O表面が発現していることを示している。このことは、水素終端化シリコンウェハー、OD−SAM形成後のシリコンウェハーおよび紫外線照射後のシリコンウェハーの各表面についてIR(赤外吸収スペクトル)測定を行ったところ、OD−SAMに見られるSi−Cのピークが、紫外線照射後には消失しており、水素終端化SAM形成前のシリコンウェハーと同様のIRスペクトルが得られたこと(図2参照)およびX線吸光分析測定からも確認された。
【0021】
実施例2:
この実施例は、本発明に従うパターン化シリコンウェハーの応用例の1つとして、Si−O表面から成るパターン化領域(紫外線照射領域)に水酸化物の薄膜を選択的に析出させることができることを示すものである。実施例1と同じ手法により、1−オクタデセン単分子膜で被覆されたシリコンウェハーを得た。この単分子膜に所定のフォトマスクを介して実施例1と同じ条件で紫外線を照射してパターン化シリコンウェハーを作製した。その後、このウェハーを窒素雰囲気グローブボックス内(HO<0.1hpa)にて30分放置することにより紫外線照射(露光)Si−H表面を完全にOH(シラノール)化した(図1のiv参照)。次に、このウェハーを無水トルエン中に浸漬し、その中でBuSnCl(0.06M)をシリコンウェハー上のOH基と反応させ、スズ水酸化物〔Sn(OH)〕の薄膜を析出させることを試みた(図1のv参照)。図3は得られた生成物の表面構造を示すSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。図3に示されるように、紫外線が照射された部分にのみ薄膜が形成された。このように、本発明に従えば、紫外線照射によりシリコン表面にダイレクトパターニングすることができる。
【0022】
【発明の効果】
(1) 以上の記載から明らかなように、本発明の光パターニング方法は、本質的に、溶液中の単分子膜作製と紫外線照射とのみから構成される点において、きわめて簡単であり、従来の光リソグラフィーにおけるような現像、エッチングさらにはレジスト除去のような複雑な工程を一切要しない。
(2) したがって、本発明のパターニング方法は、従来の光リソグラフィーのようにレジストに由来するイオウや窒素を含む有害な廃棄物を生じる問題がなく環境上も好ましい。また、本発明においてSAM形成に用いられるアルケンで代表される炭化水素は、従来のSAM材料のようにClを含んでいないためにデバイス作製時における悪影響がない点において優れている。
(3) 本発明の光パターニング方法におけるSAM作製は、溶液中で、常圧下に実施されるという非常にシンプルな工程から成り、しかも加熱は100℃程度以下の低温でも可能である。
(4) 本発明においてSAM作製に用いられるアルケンは、従来のSAM作製に用いられているような有機シラン化合物に比べて極めて低価格であり、また、合成も容易である。
(5) 本発明によって得られるパターン化シリコンウェハーは、SAMが基板(シリコン)とSi−C結合を介して結合しているので、HFなどに対する耐食性に優れ、また、従来よりSAMとして用いられている有機シラン化合物よりも、外気(湿気等)にも強く且つ光に対する安定性も高いのでハンドリングや保存が容易である。
(6) アルケンのような炭化水素から形成される本発明のSAMは、有機シラン化合物由来のSAMに比べ、フラットな平面が得られ、薄膜のパターン析出に対して再現性が高い(SAMのエッジが立ちやすく高解像度のパターンが得られる)。
(7) 本発明のパターン化シリコンウェハーは、親水性のSi−O表面またはSi−H表面から成るパターン化領域(紫外線/照射領域)に選択的に金属、酸化物、非酸化物を選ばず、その膜を析出させたり粒子を配列させることが自在に可能であり、これによって各種の機能を付与することができる。また、疎水表面を形成するアルケンのような炭化水素に含まれる官能基や原子団に応じてその特性を変性させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うパターン化シリコンウェハーおよびその応用例を作製する諸工程を模式的に示す。
【図2】本発明に従うシリコンウェハーの表面構造を確認するために行ったIR測定の結果を示すスペクトル図である。
【図3】本発明のパターン化シリコンウェハーの応用例として、紫外線照射により生じたパターン化領域にスズ酸化物の薄膜を選択的に析出させたシリコンウェハーの表面を示す走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (6)

  1. シリコンウェハー表面を被覆している有機単分子膜に光を照射して所定のパターンを形成する光パターニング方法であって、(1)非酸素雰囲気下に室温〜110℃の温度において、末端に不飽和結合を有する炭化水素を溶解させた無水有機溶媒中に、水素終端化シリコンウェハーを浸漬することにより、該シリコンウェハー上に前記炭化水素の単分子膜を形成する工程、および(2)前記炭化水素の単分子膜に、所定のパターンのフォトマスクを介して紫外線を照射することにより、前記シリコンウェハーの表面に前記所定のパターンを形成する工程、を含むことを特徴とする光パターニング方法。
  2. 末端に不飽和結合を有する炭化水素の無水有機溶媒中の濃度が1.0vol%〜5.0vol%であることを特徴とする請求項1に記載の光パターニング方法。
  3. 末端に不飽和結合を有する炭化水素が炭素数4〜18のアルケンであることを特徴とする請求項1または2に記載の光パターニング方法。
  4. 空気中で紫外線照射を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光パターニング方法。
  5. 紫外線照射後のシリコンウェハーを水素終端化処理する工程を付加することを特徴とする請求項4に記載の光パターニング方法。
  6. 非酸素雰囲気中で紫外線照射を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光パターニング方法。
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