JP2007105859A - 配向性メソ構造体膜、配向性メソポーラス物質膜、及びその製造方法、及びそれを用いた半導体素子 - Google Patents

配向性メソ構造体膜、配向性メソポーラス物質膜、及びその製造方法、及びそれを用いた半導体素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 カーボンナノチューブを細孔内に有するメソ構造体の管状細孔の方向性を、基板表面の異方性に基づく配向規制力を用いて、マクロスコピックなスケールで制御されている構造体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 基板上に形成された、均一な径の管状の細孔が一軸方向に配列した構造を有するメソ構造体膜と、前記メソ構造体膜の細孔内にカーボンナノチューブを有する構造体において、前記カーボンナノチューブが一軸配向を有していることを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カーボンナノチューブを含むメソ構造体膜に関連し、より詳しくは、メソ細孔の配向制御技術を用いてカーボンナノチューブを配向させる技術に関するものであり、更に詳しくは、一方向に配向したカーボンナノチューブを含む、有機−無機ナノ複合体膜に関するものである。
カーボンナノチューブ(CNT)は、これまでの炭素物質とは異なる特異な電子物性を示すために非常に注目を集めている材料である。CNTは炭素六員環が連なった一枚のグラファイト(グラフェンシート)を筒状に巻いたものと考えることができ、バンド構造の計算結果から、グラフェンシートを筒状に巻いたときの直径と螺旋度(カイラリティ)で導電性が異なると考えられている。導電性の他にもCNTは非常に優れた機械特性を有しており、これらの特徴を活かした様々な研究開発が行われている。
1998年には、ニッケルを蒸着したガラス基板上で炭化水素を分解すると、配向のそろったCNTが生成することがわかり(非特許文献1参照)、それ以降、電界効果トランジスタなどに有力なデバイス材料として、CNTが更に注目されるようになった。
特許文献1には、ソース電極−ドレイン電極間に形成されるチャネル領域にCNTを用いた半導体素子の作製において、CNTの配向方向を制御するための方法が報告されている。これは、溶媒に分散させたCNTを調整し、このCNT溶液を、ソース電極−ドレイン電極間に交流電圧を印加しながら、両電極間の領域に滴下した後、溶媒を除去することによりCNTの配向方向を制御したものである。
また、CNTとメソポーラス物質との複合体に関しても、いくつかの報告がなされている。非特許文献2や非特許文献3には、触媒機能が付与されているメソポーラスシリカ/アルミノケイ酸塩もしくはメソポーラスシリカの細孔表面から、単層カーボンナノチューブや多層のカーボンナノチューブを成長させた例が報告されている。
特開2004−71654 Science、1998、Vol.282、p.1105 J.Mater.Chem.、2001、Vol.11、p.2934 Chem.Commun.、2003、p.1436
しかしながら、上記の報告例にはいくつかの改良すべき点があった。
非特許文献1のような方法で作製したCNTを用いてデバイスを作製する場合、CNTを所望の位置(具体的にはデバイスを構成する電極を電気的に接続する位置)に備えるためには、特許文献1で示されているような方法が用いられるが、この方法で用いるCNT溶液の濃度は非常に低濃度であるため、電極間に導入されるCNT量は少ないという問題点があった。また、非特許文献2で作製されたCNTはメソポーラス材料の細孔表面を成長反応の出発点としているが、その細孔内に存在しないため、CNTの配向方向も制御されていないという問題点があった。また非特許文献3で用いられているメソポーラスシリカは粉末であるため、構造が小さく扱いにくいという問題点があった。
本発明は上述の内容に鑑みなされたもので、カーボンナノチューブを細孔内に有するメソ構造体の管状細孔の方向性を、基板表面の異方性に基づく配向規制力を用いて、マクロスコピックなスケールで制御されている構造体およびその製造方法を提供するものである。
すなわち本出願にかかる第一の発明は、基板上に形成された、均一な径の管状の細孔が一軸方向に配列した構造を有するメソ構造体膜と、前記メソ構造体膜の細孔内にカーボンナノチューブを有していることを特徴とするものである。
特に、前記メソ構造体膜の細孔壁を形成する材料が酸化ケイ素であることが好ましい。
また、本出願にかかる第二の発明は、基板上に形成された、均一な径の管状の細孔が一軸方向に配列した構造を有するメソポーラス物質膜と、前記メソポーラス物質膜の細孔内にカーボンナノチューブを有していることを特徴とするものである。
特に、前記メソポーラス物質膜の細孔壁を形成する材料が酸化ケイ素であることが好ましい。
また、本出願にかかる第三の発明は、前記カーボンナノチューブを含む配向性メソ構造体膜を用いた半導体素子である。
また、本発明は前記カーボンナノチューブを含む配向性メソ構造体膜の製造方法を提供する。
すなわち、本出願にかかる第四の発明は、カーボンナノチューブを含む配向性メソ構造体膜の製造方法であって、表面に異方性を有する基板を準備する工程と、カーボンナノチューブと界面活性剤と無機物の前駆体とを含む反応溶液を準備する工程と、前記表面に異方性を有する基板上に界面活性剤とカーボンナノチューブを細孔内に保持した無機物の多孔質膜を形成する工程とを含むことを特徴とするものである。
特に、前記異方性を有する基板が、シリコン単結晶の(110)基板であることが好ましい。
特に、前記異方性が、ラビング処理によって施されたものであることが好ましい。
特に、前記異方性を有する基板表面が、高分子化合物のラングミュア−ブロジェット膜で形成されているものであることが好ましい。
また、本発明は、前記カーボンナノチューブを含む配向性メソ構造体膜から、さらに界面活性剤を除去し孔を形成する工程を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、表面に構造の異方性を有する基板を用いることにより、均一な径の管状の細孔が一軸方向に配列した構造を有するメソ構造体膜の細孔内に、一軸配向を有するカーボンナノチューブが内包されている構造体、およびそれを用いた半導体素子を提供することができる。
本発明のカーボンナノチューブを含む配向性メソ構造体膜は、例えば図1に模式的に示すような構造を有するものである。表面に構造の異方性を有する基板11上に、均一な径の管状細孔を有するメソ構造体膜12が形成されている。
メソ構造体膜12を構成する細孔13は、IUPACにより定義された、直径2nmから50nmのメソ領域の径を有する細孔を指し、また、ガス吸着法により得られる吸着等温線からBerret−Joyner−Halenda(BJH)法により評価される細孔径分布において、60%以上の細孔が10nmの幅を持つ範囲に含まれることを特徴とする。10nmの幅を持つ範囲とは、例えば、5nmから15nmのように、最小値と最大値の差が10nmである範囲を示す。
メソ構造体膜中において、管状の細孔13は、一方向に配列している。細孔中には図1に示したように、界面活性剤14とともにカーボンナノチューブ15が内包されている。1本の管状細孔内に、存在するカーボンナノチューブ15の本数は一本とは限らない。
また、カーボンナノチューブ含む配向性メソ構造体膜を作製後、界面活性剤を除去することにより、図2に示すようなカーボンナノチューブを含む配向性メソポーラス物質膜を作製することができる。
以下、本発明のカーボンナノチューブ含む配向性メソ構造体膜の作製方法、及び詳細な構成に関して記述する。
図1に示した構成において、11は表面に構造の異方性を有する基板である。本発明に用いられる表面に異方性を有する基板は大別して2種類に分類される。ひとつは、表面の原子配列の異方性が強い結晶性の基板を使用するものであり、もうひとつは、ガラスのような一般的な基板の表面に構造の異方性を有する材料を形成するというものである。
表面の原子配列の異方性が強い結晶性基板を使用する方法は、比較的高価な単結晶基板を使用する必要があるという問題点を有する一方で、基板上に直接配向性の管状細孔を有するメソ構造体を形成することが可能であるという利点を有する。このような結晶性基板表面では、原子の特定の配列方向が一義的に決定され、界面活性剤集合体を配向させる能力を有する。好ましく用いられるのは、ダイヤモンド構造の結晶構造を有する単結晶基板、または閃亜鉛鉱型構造の結晶構造を有する単結晶基板の(110)面であり、特にシリコンの(110)面が好ましく用いられる。表面の原子配列が2回対称性を有するシリコン単結晶(110)面のような基板を用いたシリカメソ構造体の細孔の配向制御は、特開2000−233995に記載されている。
一般的な基板の表面に異方性を有する材料を形成する方法は、基板とメソ構造体の間にごく薄い層が介在するものの、安価な材料を用いて高度な一軸配向性を達成可能であるという利点を有する。基板の表面に形成される構造異方性を有する材料としては、高分子化合物のラングミュア−ブロジェット膜、ラビング処理を施した高分子化合物膜等が良好に用いられる。この様な、異方性を有する高分子化合物膜を用いたメソ構造体の細孔の配向制御も、特開2001−58812に記載がなされている。
はじめに、基板の作製方法に関して説明を行う。
まず、表面の原子配列が2回対称性を有する結晶性基板を使用する場合には、メソ構造体を形成する基板を充分に洗浄し、清浄な結晶面を露出させる。さらに、例えばシリコン基板等の場合には、表面に存在する自然酸化膜を除去する。この目的は、希フッ酸中で数分間表面を処理すること等の単純なプロセスによって比較的簡単に達成される。この様な処理によって結晶面が露出した基板は、後述するメソ構造体膜作製に、そのまま使用することが可能である。
次に、一般的な基板の表面に構造異方性を有する材料を形成する場合について説明する。まず、ラビング処理を施した高分子化合物膜を形成した基板を用いる方法について説明する。ラビング処理とは、スピンコート等の手法により基板上にポリマーのコーティングを施し、これを布等で一方向に擦る処理のことである。ラビング布はローラーに巻き付けられており、回転するローラーを基板表面に接触させ、基板を固定したステージをローラーに対して一方向に移動させることによってラビングを行う。
ラビング布は使用する高分子材料に対して最適なものを選択するが、ナイロン、レーヨン等一般的なものを使用することができる。ラビング強度は、ローラーの回転数、基板へローラーを押し付ける強度、及び基板を固定したステージの移動速度等のパラメータによって最適化される。ラビング処理を施す高分子化合物は、後述するメソ構造体膜の形成プロセスに耐え得るもので、かつメソ構造体中の細孔の一軸配向制御が可能なものであれば基本的に材質には限定はなく、ポリイミド等が好ましく用いられる。
次にラングミュア−ブロジェット法について説明する。ラングミュア−ブロジェット法は、気−液界面において両親媒性物質が形成した単分子層を基板上に移し取ったものを、積層することで所望の膜厚のものを得ることが可能である。ここで言うラングミュア−ブロジェット膜とは、気−液界面において形成された膜を基板上に移し取った膜のみならず、基板上に移し取った膜に処理を施して変質させたものを包含する。高分子化合物でもラングミュア−ブロジェット膜を形成することは可能である。
例として、ポリイミドのラングミュア−ブロジェット膜の形成法について説明する。目的のポリイミドの前駆体であるポリアミック酸のアルキルアミン塩を合成し、これを適当な溶媒に溶解して水面上に滴下する。これによって水面上に、ポリアミック酸の単分子膜を形成することができる。これに対して、水中に基板を出し入れすることで基板上に所望の膜厚のポリアミック酸ラングミュア−ブロジェット膜を製膜する。製膜後、この膜を窒素雰囲気下で熱処理し、脱水イミド化と脱アミン反応を起こさせ、ポリイミドのラングミュア−ブロジェット膜が作製される。このようにして作製したポリイミドのラングミュア−ブロジェット膜中においては、高分子鎖が製膜時の基板の移動方向に配向していることが赤外吸収スペクトル等によって確認されている。
次に、前述した、表面に構造の異方性を有する基板上にメソ構造体膜を作製する方法について説明する。基板上へのメソ構造体膜の作製方法は2つの方法に大別される。ひとつは、溶液中から基板表面への不均一核発生−核成長に基づくもので、もうひとつはゾル−ゲル法に基づくものである。
はじめに、溶液中から基板表面への不均一核発生−核成長に基づく方法について説明する。この方法は、シリカメソ構造体膜の作製に主に用いられる方法で、結晶成長に類似した方法でメソ構造体膜を作製するものである。この方法では、界面活性剤水溶液に目的の細孔壁構成材料の原料となる物質を添加した前駆体溶液中に、上述の表面に構造の異方性を有する基板を保持することによって、配向性細孔を有するメソ構造体膜が基板上に形成される。
この方法によるメソ構造体膜の形成に用いる反応容器の材質は、反応に影響を及ぼさないものであれば特に限定はなく、ポリプロピレンやテフロン(登録商標)のようなものを用いることができる。反応容器は、反応中に圧力がかかっても破壊されないように、さらにステンレスのような剛性の高い材質の密閉容器に入れることもある。反応容器内には、基板ホルダーが置かれており、基板はこれを用いて保持される。反応中、メソ構造体の形成は基板上のみならず、溶液中においても起こるために、溶液中の沈殿物が基板上に堆積してしまう。これを防ぐために、基板は反応中膜形成面を下向きにして溶液中に保持される。
反応溶液は、界面活性剤水溶液に酸等を添加して目的の細孔壁を構成する成分の形成に適したpHに調整し、アルコキシドの様な目的とする細孔壁の材料の原料になる物質を添加したものである。本発明では酸化ケイ素を細孔壁に有するものを例にして説明する。その際、アルコキシドにはケイ酸エチルが好ましく用いられる。アルコキシドを用いる場合には、加水分解の結果生成するアルコールが水に可溶であるようなものが好ましく用いられる。
使用する界面活性剤は、水溶液中でカーボンナノチューブを包接しうる官能基を分子構造中に有するもので、TritonX−100のようなポリエチレンオキシドを親水基として有する非イオン性界面活性剤等や、ドデシル硫酸ナトリウムやドデシルベンゼン硫酸ナトリウムのような親水基がアニオン性を有する界面活性剤、もしくは親水基にカチオン性を有する界面活性剤が好ましい。但し、使用可能な界面活性剤は、これらに限定されるものではない。また、使用する界面活性剤分子の疎水基の長さ、及び親水基の大きさは、目的のシリカメソ構造体の細孔壁に応じて決められる。
界面活性剤とともに管状の分子集合体を形成し得るカーボンナノチューブとしては、単層カーボンナノチューブや多層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどが好ましく用いられる。カーボンナノチューブは炭素六員環が連なった一枚のグラファイト(グラフェンシート)を筒状に巻いたものと考えることができ、バンド構造の計算結果から、グラフェンシートを筒状に巻いたときの直径と螺旋度(カイラリティ)で導電性が異なると考えられている。本発明で作製する半導体素子に用いることが可能なカーボンナノチューブは半導体特性を示すものが好ましく用いられる。しかしながら、本発明において適用可能なカーボンナノチューブは上記のものに限定される訳ではなく、細孔内に導入でき、かつ半導体特性を示すようなカーボンナノチューブであれば、どんなものでも適用可能である。
本発明においては、表面に構造の異方性を有する前記基板を、以上説明したような前駆体溶液中に入れ、目的の細孔壁を構成する化合物に対して最適化された温度で1日〜10日程度保持することによって、基板上に、管状細孔の方向が制御されたメソ構造体膜を作製することができる。このメソ構造体においては、カーボンナノチューブと界面活性剤の集合体が管状細孔の鋳型になっている。
以上のようにして作製したシリカメソ構造体から、必要に応じて界面活性剤を除去し、メソポーラスシリカ膜とする。なお、界面活性剤を除去し、多孔質化する方法としては、種々の方法があるが、細孔構造およびカーボンナノチューブを破壊せずに、界面活性剤のみを除去できる方法であればどのような方法でも使用することが可能である。最も一般的に用いられる方法は、酸素を含んだ雰囲気中で焼成する方法である。例えば、形成した構造体を450度において空気中で4時間焼成することによって、細孔構造を保持したままで完全に界面活性剤を除去することが可能である。
X線回折法により、作製したシリカメソ構造体膜の細孔構造を評価することができる。また、この膜の構造を面内X線回折分析により、さらに詳細に分析することで、通常のX線回折法では観測できない、基板に対して水平でない格子面に関する情報を得ることができる。
次に、ゾル−ゲル法に基づく方法について説明する。この方法は、広い材質のメソ構造体膜作製に適用可能な、簡便な方法で、界面活性剤と細孔壁の原料とを含む前駆体溶液を、表面に構造の異方性を有する基板上に塗布、もしくは基板上の任意の位置に配置した後、溶媒乾燥、加水分解、縮合等の反応を行う方法である。
この方法で用いられる前駆体溶液は、界面活性剤の溶液に細孔壁を構成する材料の原料を添加したものである。溶媒にはエタノールやイソプロパノール等のアルコールが良好に用いられるが、これらに限定されるわけではなく、目的の細孔壁材料によっては、例えばアルコールと水の混合溶媒、水等が使用可能である。また、反応触媒として酸を加えても良い。
細孔壁材料の原料は、加水分解して目的の材料を形成できる材料であれば特に限定はなく、金属のハロゲン化物、及びアルコキシドが良好に用いられるが、例えば、細孔壁の材料が酸化ケイ素である場合には、塩化ケイ素、シリコンアルコキシドなどが、特に好ましく用いられる。
使用する界面活性剤は、不均一核発生−核成長に基づく方法で使用したのと同様な、水溶液中でカーボンナノチューブを包接しうる官能基を分子構造中に有するものである。しかし使用可能な界面活性剤は、これらの構造のものに限定されるわけではない。また、使用する界面活性剤分子の疎水基の長さ、及び親水基の大きさは、目的のメソ構造体の細孔径に応じて決められる。
界面活性剤とともに管状の分子集合体を形成し得るカーボンナノチューブとしては、単層カーボンナノチューブや多層カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどが好ましく用いられる。 本発明で作製する半導体素子に用いることが可能なカーボンナノチューブは半導体特性を示すものが好ましく用いられる。しかしながら、本発明において適用可能なカーボンナノチューブは上記のものに限定される訳ではなく、細孔内に導入でき、かつ半導体特性を示すようなカーボンナノチューブであれば、どんなものでも適用可能である。
以上のような構成の前駆体溶液を、前記表面に構造の異方性を有する基板に塗布もしくは基板上の任意の位置に配置する。塗布する方法には、ディップコーティング、スピンコーティング、ミストコーティング等、種々の方法を使用することができる。これら以外にも、均一な塗布が可能な方法であれば、適用することができる。スピンコートやディップコートを行うための装置は、一般的なものを用いることができる。
例としてディップコーティングを用いたメソ構造体膜の製造方法について説明する。ディップコーティングに用いる装置の一例を図3に模式的に示す。図3において、31は容器、32は基板、33は前駆体溶液である。
メソ構造体膜を形成する基板は、基板ホルダー34を用いてロッド35に固定され、zステージ36によって上下させる。基板の異方性の方向は、この場合ディップコートの方向に対して任意の方向に設定可能である。
成膜時、前駆体溶液33は必要に応じてヒーター38と熱電対37を用いて所望の温度に制御される。溶液温度の制御性を向上させるために、容器全体を不図示の断熱容器に入れることもある。膜厚は、コーティング条件を変化させることによって制御可能である。
また、基板上に前駆体溶液を基板上の任意の位置に配置する方法には、印刷法、インクジェット法、ペンリソグラフィー法等、種々の方法を使用することができる。これらの方法を用いれば、基板上の所望の箇所にメソ構造体膜をパターニングすることが可能である。
以上のようにして作製したシリカメソ構造体から、必要に応じて界面活性剤を除去し、メソポーラスシリカ膜とする。なお、界面活性剤を除去し、多孔質化する方法としては、種々の方法があるが、細孔構造およびカーボンナノチューブを破壊せずに、界面活性剤のみを除去できる方法であればどのような方法でも使用することが可能である。
また、X線回折法により、作製したシリカメソ構造体膜の細孔構造を評価することができる。更に、この膜の構造を面内X線回折分析により、通常のX線回折法では観測できない、基板に対して水平でない格子面に関する情報を得ることができる。
以上、説明したような方法によって、表面に構造の異方性を有する基板上に、カーボンナノチューブと界面活性剤の集合体を管状細孔内に包含する配向性メソ構造体膜、及びメソポーラス物質膜が得ることができる。
上記の構成のカーボンナノチューブを含む配向性メソポーラス物質膜を用いて作製する半導体素子の一例として、図4または図5に示すような構成が挙げられる。また、シリコン基板を用いた際の半導体素子作製プロセスの一例を図6に示す。図4において、表面に構造の異方性を有する基板41上にメソポーラス物質膜42が形成され、メソポーラス物質膜の細孔内にカーボンナノチューブ43が形成されている。メソポーラス物質膜の細孔壁は、絶縁性の性質を有する化合物、例えば酸化ケイ素等によって構成されるため、ゲート絶縁膜としての構成も兼ねている。メソポーラス物質膜上にはゲート電極44が形成されている。また、メソポーラス物質膜42上には、お互いに接しないように一定の間隔を保ちつつ、ソース電極45とドレイン電極46が形成されており、メソポーラス物質膜42の細孔内のカーボンナノチューブ43は、二つの電極間を電気的に接続しているという構造を有する。
図5では、基板51が異方性を有し、かつ電極になり得るもの、具体的にはシリコン基板を用いたときの構成を示す。すなわち図5において、表面に構造の異方性を有する基板51上にメソポーラス物質膜52が形成され、メソポーラス物質膜の細孔内にカーボンナノチューブ53が形成されている。基板はゲート電極、メソポーラス物質膜はゲート絶縁膜としての構成も兼ねている。また、メソポーラス物質膜52上には、お互いに接しないように一定の間隔を保ちつつ、ソース電極54とドレイン電極55が形成されており、メソポーラス物質膜52の細孔内のカーボンナノチューブ53は、二つの電極間を電気的に接続しているという構造を有する。
図6は、シリコン基板61上に半導体素子を作製する際のプロセスの一例を示したものである。カーボンナノチューブを含むメソポーラス物質膜62をシリコン基板61上に作製した後、フォトレジスト63を形成し、エッチングによりメソポーラス物質膜の一部を選択的に除去する。このように、メソポーラス物質膜を用いて半導体素子を作製する際、基板上のメソポーラス物質膜を選択的に除去することで、ソース電極65およびドレイン電極66とカーボンナノチューブが接触する箇所を作り出すことができる。メソポーラス物質膜を選択的に除去する方法としては、ウェットエッチングによる方法が好適に用いられる。ウェットエッチングとは、硫酸、硝酸、燐酸、フッ酸などの薬液で溶解を行う方法である。
ウェットエッチングについて説明する。まず、金属細線を細孔内に有したメソポーラスシリカ膜の表面に感光剤をスピンコート法により塗布する。表面に塗布する感光剤としては、膜上に成膜できるものであれば良く、ポジ型の感光剤が好ましく用いられる。
成膜後、フォトマスクを介して露光処理を行った後、現像液を用いて現像処理を行う。このようにしてパターニングした膜をフッ酸/フッ化アンモニウム混合溶液に浸漬することで、感光剤に覆われていない部分のメソポーラスシリカ膜を選択的にエッチングすることが可能となる。
エッチングの後、電極材料64になり得る金属材料を蒸着法などにより形成させる。
上記の構成の半導体素子において、ソース電極65、ドレイン電極66を形成する材料としては、Al、Ti、Au、Pt、Mo、Wなどの金属材料やこれらを含む合金を一種、もしくは複数種組み合わせて用いることが可能であり、これらの金属材料をスパッタリング法または蒸着法により成膜した後、フォトリソグラフィーを行うことにより、所望の形状の電極が得られる。また、ゲート電極を形成する材料としては、Al、Ti、W、Taなどの金属材料を一種、もしくは複数種組み合わせて用いることができ、これらの金属材料をスパッタリング法により成膜した後、フォトリソグラフィ−を行うことにより所望の形状が得られる。
最後に、感光剤を剥離させる。感光剤を剥離させる方法は、イソプロパノール等のアルコールで洗浄する方法等があるが、感光剤をメソポーラス物質膜から剥離できる方法であれば、これらに限定されない。
以上、説明したような方法によって、カーボンナノチューブ含む配向性メソポーラス物質膜を用いた半導体素子を得ることができる。
この素子の、カーボンナノチューブを細孔内に保持した配向性メソポーラス物質膜の両端に形成された電極間に電圧を印加し、ゲート電極に印加する電圧を変化させながら、観測される電流を測定すると、ゲート電極の電位の変化に伴って、2つの電極間に流れる電流が可逆的に変化する様子が観測され、本発明の電子素子が、電界効果型トランジスタとして機能することが確認される。
以下、実施例を用いてさらに詳しく本発明を説明するが、本発明は実施例に記述されたものに限定されるわけではない。
本実施例は、ラビング処理を施した基板を用い、不均一核発生−核成長により、界面活性剤がカーボンナノチューブ(CNT)を内包した分子集合体を鋳型として、基板上に一軸配向性の管状細孔を有し、かつ細孔内に一軸配向したCNTを有するシリカメソ構造体膜を形成した例である。
アセトン、イソプロピルアルコール、及び純水で洗浄し、オゾン発生装置中で表面をクリーニングした石英ガラス基板上に、ポリアミック酸AのNMP溶液をスピンコートにより塗布し、200℃で1時間焼成して、以下の構造を有するポリイミドAを形成した。
Figure 2007105859
これに対して、表1の条件でラビング処理を施し、基板として用いた。
Figure 2007105859
この基板上に、CNT、細孔壁を形成する無機物の前駆体及び界面活性剤を用いて、シリカメソ構造体膜を形成する。
始めにCNT0.3gを5.68gの非イオン性界面活性剤であるTritonX−100と共に純粋128mlに溶解した。この溶液を、10分間、540Wで超音波処理を行った後、遠心分離を12時間行うことで、水溶液中にCNTを分散させた。さらにこの溶液に、20.6mlの36wt.%濃塩酸と2.20mlのテトラエトキシシラン(TEOS)を添加し、3分間撹拌したものを前駆溶液とした。最終的な前駆溶液の組成(モル比)は、TEOS:H2O:HCl:TritonX−100 = 0.125:100:3:0.11となるようにした。
ラビング処理を施したポリイミド膜を形成した上記基板を、ポリイミドの面を下向きにして、この反応溶液中に保持し、反応溶液を入れた容器を密閉した後、80℃で3日間反応させた。良好な一軸配向性シリカメソ構造体膜を得るために、反応中スペーサーを介して表面にカバーを施した。
所定の時間反応溶液と接触させた基板は、容器から取り出し、純水で充分に洗浄した後に、室温において自然乾燥させた。基板上には、シリカメソ構造体の連続膜が形成されており、光学顕微鏡でこの膜を観察したところ、ラビング方向に直交する方向に一軸配向したテクスチュアが観察され、細孔構造の配向性が示唆された。
この膜をX線回折分析で分析した結果、面間隔5.65nmに相当する、ヘキサゴナル構造のシリカメソ構造体の(100)面に帰属される強い回折ピークが確認され、この膜はロッド状細孔がヘキサゴナルパッキングした細孔構造を有することが確かめられた。
このシリカメソ構造体膜中のチューブ状細孔の一軸配向性を定量的に評価するために、面内X線回折分析による評価を行った。この方法は、Chemistry of Materials誌第11巻1609ページに記載されているような、基板に垂直な(110)面に起因するX線回折強度の面内回転依存性を測定するためのもので、細孔の配向方向とその分布を調べることができる。本実施例で測定された(110)面回折強度の面内回転角度依存性より、本実施例で作製されたシリカメソ構造体膜中では、細孔はポリイミドのラビング方向に直交する方向に配向しており、その配向方向の分布は半値幅が約12°であることが示された。
以上のことより、CNTとそれを内包しうる界面活性剤を用いて、ラビング処理を施したポリイミド膜を形成した基板上に、良好な一軸配向性の管状細孔を有し、かつ細孔内に一軸配向したCNTを有するシリカメソ構造体膜を作製できることが示された。
この配向膜上に図4に示す構造の半導体素子の作製を行った。
始めに、メソポーラスシリカ膜の表面にポジ型感光剤であるAZ1500(クラリアント社製)をスピンコート法により塗布した。成膜後、フォトマスクを介して10秒の露光処理を行った後、現像液MIF312を用いて現像処理を行った。このようにしてパターニングした膜上に、室温で真空下(3×10−5Pa)、Alを蒸着することによりメソポーラスシリカ膜上にゲート電極を作製した。作製後、イソプロパノールで洗浄することにより、感光剤を剥離させた。
次に、ソース電極、ドレイン電極の作製を行った。再度、メソポーラスシリカ膜の表面にポジ型感光剤であるAZ1500(クラリアント社製)をスピンコート法により塗布した。成膜後、フォトマスクを介して10秒の露光処理を行った後、現像液MIF312を用いて現像処理を行った。このようにしてパターニングした膜をフッ酸/フッ化アンモニウム混合溶液(1:5)に浸漬することで、感光剤に覆われていないメソポーラスシリカ膜を選択的にエッチングした。
この膜に室温で真空下(3×10−5Pa)、金を蒸着させた後、イソプロパノールで洗浄することにより、感光剤を剥離させた。以上の工程を行うことにより、基板上にソース電極とドレイン電極が形成された、図4に示すような一軸配向したカーボンナノチューブを細孔内に有するメソポーラスシリカ膜を用いた半導体素子の作製が可能であった。
得られた半導体素子のVg−Id曲線を測定したところ、ゲート電圧(Vg)の変化にともない、ソース電極/ドレイン電極間を流れるドレイン電流値(Id)が変化するFET特性を示した。
本実施例は、シリコン(110)単結晶基板を用いて、不均一核発生−核成長により、界面活性剤がカーボンナノチューブ(CNT)を内包した分子集合体を鋳型として、基板上に一軸配向性の管状細孔を有し、かつ細孔内に一軸配向したCNTを有するシリカメソ構造体膜を形成した例である。
シリカメソ構造体作製に用いる反応溶液は、実施例1で使用したものと同じであり、反応容器も実施例1と同じものを使用した。
基板に用いたシリコンは、片面研磨、p型、比抵抗0.01ΩcmのSi(110)基板で、2cm×2cmの大きさにカットした後、1%のフッ化水素酸溶液で処理し、表面の自然酸化膜を除去した後に使用した。自然酸化膜が除去されるとシリコンウエハーの表面は疎水性になるために自然酸化膜の除去を確認することができる。この処理の後、基板を純水で充分に洗浄した後に、研磨面が下向きになるように基板ホルダーに挟み、反応溶液中に静置し、80℃で3日間反応させ、膜を形成させた。
所定の時間反応溶液と接触させた基板は、容器から取り出し、純水で充分に洗浄した後に、室温において自然乾燥させた。基板上には、シリカメソ構造体の連続膜が形成されており、光学顕微鏡でこの膜を観察したところ、一軸配向したテクスチュアが観察され、細孔構造の配向性が示唆された。
この膜をX線回折分析で分析した結果、実施例1で作製した膜において観測されたのと同じ、面間隔5.66nmに相当する、ヘキサゴナル構造のシリカメソ構造体の(100)面に帰属される強い回折ピークが確認され、この膜はロッド状細孔がヘキサゴナルパッキングした細孔構造を有することが確かめられた。
このシリカメソ構造体膜中の管状細孔の一軸配向性を、実施例1と同様、面内X線回折分析によって評価した。その結果、本実施例で作製した膜中での細孔の配向方向の分布は半値幅が約29°であることが示された。また、透過電子顕微鏡による観察及び電子線回折分析により、細孔の配向方向は、<001>方向であることが示された。
以上のことより、CNTとそれを内包しうる界面活性剤を用いて、シリコン(110)面上に良好な一軸配向性の管状細孔を有し、かつ細孔内に一軸配向したCNTを有するシリカメソ構造体膜を作製できることが示された。本実施例のメソ構造体膜では、細孔の配向分布は実施例1で作製した薄膜中における分布に比較して広いものの、ラビングのような工程が不要で、かつ導電性基板上に直接膜形成が可能であるという利点を有している。
この配向膜上に図5に示す構造の半導体素子の作製を行った。
本実施例では、シリコン基板が図5に示すゲート電極を構成している。よって、ソース電極、ドレイン電極の作製を行った。メソポーラスシリカ膜の表面にポジ型感光剤であるAZ1500(クラリアント社製)をスピンコート法により塗布した。成膜後、フォトマスクを介して10秒の露光処理を行った後、現像液MIF312を用いて現像処理を行った。このようにしてパターニングした膜をフッ酸/フッ化アンモニウム混合溶液(1:5)に浸漬することで、感光剤に覆われていないメソポーラスシリカ膜を選択的にエッチングした。
この膜に室温で真空下(3×10−5Pa)、金を蒸着させた後、イソプロパノールで洗浄することにより、感光剤を剥離させた。以上の工程を行うことにより、基板上にソース電極とドレイン電極が形成された、図5に示すような一軸配向したカーボンナノチューブを細孔内に有するメソポーラスシリカ膜を用いた半導体素子の作製が可能であった。
得られた半導体素子のVg−Id曲線を測定したところ、ゲート電圧(Vg)の変化にともない、ソース電極/ドレイン電極間を流れるドレイン電流値(Id)が変化するFET特性を示した。
本実施例は、ラングミュア−ブロジェット膜(LB膜)を形成したガラスを用いて、ディップコート法により、界面活性剤がカーボンナノチューブ(CNT)を内包した分子集合体を鋳型として、基板上に一軸配向性の管状細孔を有し、かつ細孔内に一軸配向したCNTを有するシリカメソ構造体膜を形成した例である。
Figure 2007105859
ポリアミック酸BとN,N−ジメチルヘキサデシルアミンとを1:2のモル比で混合し、ポリアミック酸BのN,N−ジメチルヘキサデシルアミン塩を作製した。これをN,N−ジメチルアセトアミドに溶解し0.5mMの溶液とし、この溶液を20℃に保ったLB膜成膜装置の水面上に滴下した。水面上に形成された単分子膜は、30mN/mの一定の表面圧を印加しながら、5.4mm/minのディップ速度で基板上に移しとった。
基板はアセトン、イソプロピルアルコール、及び純水で洗浄し、オゾン発生装置中で表面をクリーニングした石英ガラス基板に、疎水処理を行ったものを用いた。
基板上に30層のポリアミック酸アルキルアミン塩LB膜を成膜した後、窒素ガスフロー下で300℃、30分間焼成してポリイミドBのLB膜を形成した。ポリアミック酸の脱水閉環によるイミド化、及びアルキルアミンの脱離は赤外吸収スペクトルにより確認した。形成されたポリイミドLB膜中の高分子鎖の配向性は、赤外吸収スペクトルの2色性により分析し、高分子鎖はLB膜作製時の基板の引き上げ方向に平行に配向していることが確かめられた。
実施例1、2と同じ組成の前駆体溶液を調整し、この前駆溶液を上記のLB膜を形成した基板にディップコート法により、引き上げ速度2mm/sで塗布し、25℃、相対湿度50%の環境試験器中で24時間乾燥させた。
基板上には、シリカメソ構造体膜が形成されており、光学顕微鏡でこの膜を観察したところ、LB膜作製時の基板の引き上げ方向に直交する方向に一軸配向したテクスチュアが観察され、細孔構造の配向性が示唆された。
この膜をX線回折分析で分析した結果、面間隔5.65nmに相当する、ヘキサゴナル構造のシリカメソ構造体の(100)面に帰属される強い回折ピークが確認され、この薄膜はロッド状細孔がヘキサゴナルパッキングした細孔構造を有することが確かめられた。
このシリカメソ構造体膜中の管状細孔の一軸配向性を定量的に評価するために、面内X線回折分析による評価を行った。その結果、作製した膜中の細孔は、LB膜作製時の基板の引き上げ方向に直交する方向に配向しており、配向方向の分布は半値幅が約15°であることが示された。
以上のことより、CNTとそれを内包しうる界面活性剤を用いて、ポリイミドのLB膜を形成した基板上に良好な一軸配向性の管状細孔を有し、かつ細孔内に一軸配向したCNTを有するシリカメソ構造体膜を作製できることが示された。
この配向膜上に図4に示す構造の半導体素子の作製を行った。
始めに、メソポーラスシリカ膜の表面にポジ型感光剤であるAZ1500(クラリアント社製)をスピンコート法により塗布した。成膜後、フォトマスクを介して10秒の露光処理を行った後、現像液MIF312を用いて現像処理を行った。このようにしてパターニングした膜上に、室温で真空下(3×10−5Pa)、Alを蒸着することによりメソポーラスシリカ膜上にゲート電極を作製した。作製後、イソプロパノールで洗浄することにより、感光剤を剥離させた。
次に、ソース電極、ドレイン電極の作製を行った。再度、メソポーラスシリカ膜の表面にポジ型感光剤であるAZ1500(クラリアント社製)をスピンコート法により塗布した。成膜後、フォトマスクを介して10秒の露光処理を行った後、現像液MIF312を用いて現像処理を行った。このようにしてパターニングした膜をフッ酸/フッ化アンモニウム混合溶液(1:5)に浸漬することで、感光剤に覆われていないメソポーラスシリカ膜を選択的にエッチングした。
この膜に室温で真空下(3×10−5Pa)、金を蒸着させた後、イソプロパノールで洗浄することにより、感光剤を剥離させた。以上の工程を行うことにより、基板上にソース電極とドレイン電極が形成された、図4に示すような一軸配向したカーボンナノチューブを細孔内に有するメソポーラスシリカ膜を用いた半導体素子の作製が可能であった。
得られた半導体素子のVg−Id曲線を測定したところ、ゲート電圧(Vg)の変化にともない、ソース電極/ドレイン電極間を流れるドレイン電流値(Id)が変化するFET特性を示した。
(産業上の利用可能性)
本発明のカーボンナノチューブを含む配向性メソ構造体膜およびその製造方法は、半導体素子に利用可能である。
本発明におけるカーボンナノチューブを含む配向性メソ構造体膜を示す模式図である。 本発明におけるカーボンナノチューブを含む配向性メソポーラス物質膜を示す模式図である。 本発明におけるカーボンナノチューブを含む配向性メソ構造体膜を作製するために用いられるディップコーティング装置の一例を説明するための模式図である。 (a)本発明におけるカーボンナノチューブを含む配向性メソポーラス物質膜を用いて作製した、半導体素子構造の一例を説明するための模式図である。
(b)模式図(a)で示される半導体素子構造の断面図である。
発明におけるカーボンナノチューブを含む配向性メソポーラス物質膜を用いて作製した半導体素子構造の一例を説明するための模式図である。 本発明におけるカーボンナノチューブを含む配向性メソポーラス物質膜を用いて作製した半導体素子の作製プロセスの一例を説明するための模式図である。
符号の説明
11 基板
12 メソ構造体膜
13 細孔
14 界面活性剤
15 カーボンナノチューブ
21 基板
22 メソポーラス物質
23 細孔
24 カーボンナノチューブ
31 容器
32 基板
33 前駆体溶液
34 基板ホルダー
35 ロッド
36 zステージ
37 熱電対
38 ヒーター
41 基板
42 メソポーラス物質膜
43 カーボンナノチューブ
44 ゲート電極
45 ドレイン電極
46 ソース電極
51 基板
52 メソポーラス物質膜
53 カーボンナノチューブ
54 ドレイン電極
55 ソース電極
61 シリコン基板
62 カーボンナノチューブを含むメソポーラス物質膜
63 フォトレジスト
64 電極材料
65 ソース電極
66 ドレイン電極

Claims (10)

  1. 基板上に形成された、均一な径の管状の細孔が一軸方向に配列した構造を有するメソ構造体膜と、前記メソ構造体膜の細孔内にカーボンナノチューブを有していることを特徴とする配向性メソ構造体膜。
  2. 前記メソ構造体膜の細孔壁を形成する材料が酸化ケイ素であることを特徴とする請求項1に記載の配向性メソ構造体膜。
  3. 基板上に形成された、均一な径の管状の細孔が一軸方向に配列した構造を有するメソポーラス物質膜と、前記メソポーラス物質膜の細孔内にカーボンナノチューブを有していることを特徴とする配向性メソ構造体膜。
  4. 前記メソポーラス物質膜の細孔壁を形成する材料が酸化ケイ素であることを特徴とする請求項3に記載の配向性メソ構造体膜。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の配向性メソ構造体膜を用いた半導体素子。
  6. カーボンナノチューブを含む配向性メソ構造体膜の製造方法であって、
    表面に異方性を有する基板を準備する工程と、カーボンナノチューブと界面活性剤と無機物の前駆体とを含む反応溶液を準備する工程と、前記表面に異方性を有する基板上に界面活性剤とカーボンナノチューブを細孔内に保持した無機物の多孔質膜を形成する工程とを含むことを特徴とする配向性メソ構造体膜の製造方法。
  7. 前記異方性を有する基板が、シリコン単結晶の(110)基板であることを特徴とする請求項6に記載の配向性メソ構造体膜の製造方法。
  8. 前記異方性が、ラビング処理によって施されたものであることを特徴とする請求項6に記載の配向性メソ構造体膜の製造方法。
  9. 前記異方性を有する基板の表面が、高分子化合物のラングミュア−ブロジェット膜で形成されていることを特徴とする請求項6に記載の配向性メソ構造体膜の製造方法。
  10. 請求項6から請求項9のいずれかに記載の配向性メソ構造体膜から、さらに界面活性剤を除去し孔を形成する工程を備えることを特徴とする配向性メソポーラス物質膜の製造方法。
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